JP2018180453A - 感光性樹脂組成物、感光性樹脂フィルム、硬化物の製造方法、積層体、及び電子部品 - Google Patents

感光性樹脂組成物、感光性樹脂フィルム、硬化物の製造方法、積層体、及び電子部品 Download PDF

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達彦 新井
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敬司 小野
真生 成田
Masao Narita
真生 成田
橋本 周
Shu Hashimoto
周 橋本
真二郎 藤井
Shinjiro Fujii
真二郎 藤井
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Abstract

【課題】
70μm以上という厚い感光層を形成する場合であっても優れたパターン形成性を有する、感光性樹脂組成物、及びこれを用いた感光性樹脂フィルム、硬化物の製造方法、積層体、及び電子部品を提供すること。
【解決手段】
(A)成分:光重合性官能基及び炭素−窒素結合を有する高分子量体と、(B)成分:エポキシ基を有する化合物と、(C)成分:光重合性官能基を有する低分子量体と、(D)成分:光重合開始剤と、を含有し、(A)成分と(B)成分の固形分比が(A)成分:(B)成分=7:3〜9.5:0.5である感光性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本開示は、感光性樹脂組成物、感光性樹脂フィルム、硬化物の製造方法、積層体、及び電子部品に関する。
半導体集積回路(LSI)又は配線板の製造分野において、導体パターンを作製するためのレジストとして、感光性材料が用いられている。例えば、配線板の製造において、感光性樹脂組成物を用いてレジストを形成し、次いで、メッキ処理によって、導体パターン、メタルポスト等を形成している。より具体的には、支持体(基板)上に、感光性樹脂組成物等を用いて感光層を形成し、該感光層を所定のマスクパターンを介して露光し、次いで、導体パターン、メタルポスト等を形成する部分を選択的に除去(剥離)できるように現像処理することで、レジストパターン(レジスト)を形成する。次いで、この除去された部分に、銅等の導体をメッキ処理によって形成した後、レジストパターンを除去することにより、導体パターン、メタルポスト等を備える配線板を製造できる。
従来、レジストパターンを除去した後、金属メッキを成長させることで、厚い導体パターン、メタルポストが作製されていた。このような要求に対応するために、例えば、厚膜用感光性レジストとして、30μm程度、厚くても、感光層の厚みが65μm程度のものが用いられていた(特許文献1及び2参照)。
また、近年、さらなる高性能化のために、金属イオン希薄層のうち、選択的にめっき成長させたい方向に存在する層をめっき液により破壊しながらめっき処理をすることで、導体層を厚み150μm程度まで厚く形成することが試みられている(特許文献3参照)。
特開2015−034926号公報 特開2014−074774号公報 特開2014−080674号公報
しかし、従来の厚膜用感光性レジストでは、例えば、70μm以上という厚い感光層の形成が求められるような場合に、底部まで、光が通りにくく、パターン形状が悪化する場合があった。また、特許文献3に記載の方法では、金属イオン希薄層を部分的に破壊しながらめっきを進めるため、安定して優れたパターンを形成することは困難であった。そのため、70μm、更には従来のものより厚い150μm、又は、それ以上の厚みの感光層を形成した場合であっても、優れたパターン形成性を有する感光性レジストが求められている。
そこで、本開示が解決しようとする課題は、例えば、70μm以上という厚い感光層を形成する場合であっても優れたパターン形成性を有する感光性樹脂組成物、感光性樹脂フィルム、硬化物の製造方法、積層体、及び電子部品(以下、「感光性樹脂組成物等」と称することがある。)を提供することである。
本発明者らは、課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、下記の構成を有する感光性樹脂組成物等により解決できることを見出した。本開示は、下記の感光性樹脂組成物等を提供するものである。
[1] (A)成分:光重合性官能基及び炭素−窒素結合を有する高分子量体と、(B)成分:エポキシ基を有する化合物と、(C)成分:光重合性官能基を有する低分子量体と、(D)成分:光重合開始剤と、を含有し、(A)成分と(B)成分の固形分比が(A)成分:(B)成分=7:3〜9.5:0.5である感光性樹脂組成物。
[2] 上記光重合性官能基が(メタ)アクリロイル基を含む、[1]に記載の感光性樹脂組成物。
[3] 上記炭素−窒素結合としてウレタン結合を有する、[1]又は[2]に記載の感光性樹脂組成物。
[4] 上記(A)成分が、鎖状炭化水素骨格、脂環式骨格、及び芳香環骨格からなる群から選ばれる少なくとも1種の骨格を更に有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[5] 上記(B)成分が、脂環式エポキシ化合物である[1]〜[4]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[6] 上記(B)成分が、3つ以上のエポキシ基を有する、[1]〜[5]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[7] 上記(B)成分の軟化点が、40〜100℃である、[1]〜[6]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[8] 上記(C)成分が、(C1)成分:イソシアヌル環を有する低分子量体及び/又は(C2)成分:ウレタン結合を有する低分子量体を含有する、[1]〜[7]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[9] 上記(D)成分が、下記一般式(10)で表される化合物又は下記一般式(11)で表される化合物を含む、[1]〜[8]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。

[一般式(10)中、R12、R13及びR14は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数1〜8のアルコキシ基を示し、R15及びR16は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリール基を示す。水素原子以外のR12〜R16は、各々置換基を有していてもよい。]

[一般式(11)中、R17は、水酸基、炭素数1〜8のアルコキシ基、又はアミノ基を示し、R18及びR19は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリール基を示す。R18とR19は、互いに結合して、炭素数3〜16の環状構造を形成していてもよい。水酸基及び水素原子以外のR17〜R19は、各々置換基を有していてもよく、置換基を有するアミノ基は、置換基同士が互いに結合して、炭素数3〜12の環状構造を形成していてもよい。
20は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、メルカプト基、又は酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる1種以上を含んでいてもよい炭素数1〜10の有機基を示す。]
[10] (E)成分:シラン化合物、を更に含有する、[1]〜[9]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
[11] 上記(E)成分が、チオール基を有するシラン化合物を含有する、[10]に記載の感光性樹脂組成物。
[12] [1]〜[11]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を用いた感光層を有する、感光性樹脂フィルム。
[13] 基板上に、[1]〜[11]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物、又は[12]に記載の感光性樹脂フィルムを用いて感光層を設ける工程、該感光層の少なくとも一部に活性光線を照射して、光硬化部を形成する工程、及び、該感光層の光硬化部以外の少なくとも一部を除去し、樹脂パターンを形成する工程を順に有する、硬化物の製造方法。
[14] 更に、上記樹脂パターンを加熱処理する工程を有する、請求項[13]に記載の硬化物の製造方法。
[15] 上記樹脂パターンの厚みが、70μm以上300μm以下である、[13]又は[14]に記載の硬化物の製造方法。
[16] [1]〜[11]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の硬化物を備える積層体。
[17] 上記硬化物の厚みが、70μm以上300μm以下である[16]に記載の積層体。
[18] [1]〜[11]のいずれかに記載の感光性樹脂組成物の硬化物を備える電子部品。
本開示によれば、例えば、70μm以上という厚い感光層を形成する場合であっても優れたパターン形成性を有する感光性樹脂組成物等を提供することができる。
実施例で用いる解像度評価用マスクの一例を示す模式図である。
以下、本開示について、詳細に説明する。
本明細書において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。また、本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸」及びそれに対応する「メタクリル酸」の少なくとも一方を意味し、(メタ)アクリレート等の他の類似表現についても同様である。
[感光性樹脂組成物]
本開示における実施形態に係る(以後、単に本実施形態と称する場合がある。)感光性樹脂組成物は、(A)成分:光重合性官能基及び炭素−窒素結合を有する高分子量体(以下、単に「(A)高分子量体」と称することがある。)と、(B)成分:エポキシ基を有する化合物(以下、単に「(B)エポキシ化合物」と称することがある。)と、(C)成分:光重合性官能基を有する低分子量体(以下、単に「(C)低分子量体」と称することがある。)と、(D)成分:光重合開始剤と、を含有し、(A)成分と(B)成分の固形分比が(A)成分:(B)成分=7:3〜9.5:0.5である感光性樹脂組成物である。
本明細書において、「固形分」とは、感光性樹脂組成物に含まれる水、溶媒等の揮発する物質を除いた不揮発分のことであり、該樹脂組成物を乾燥させた際に、揮発せずに残る成分を示し、また25℃付近の室温で液状、水飴状、及びワックス状のものも含む。以下、各成分について、説明する。
<(A)成分:高分子量体>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(A)成分として光重合性官能基及び炭素−窒素結合を有する高分子量体を含む。「高分子量体」とは、重量平均分子量(Mw)が2500以上である化合物を意味する。なお、本明細書における重量平均分子量(Mw)の値は、ゲルパーミエーションクロマトクラフ(GPC)法によって、テトラヒドロフラン(THF)を用いて測定した値である。より具体的には、例えば、以下の条件で、サンプル0.5mgをテトラヒドロフラン(THF)1mLに溶かした溶液を試料として用い、GPC法標準ポリスチレン換算により求めることができる重量平均分子量(Mw)である。なお、(A)成分以外の成分についても同様の方法で重量平均分子量を測定することができる。
装置名:東ソー製 HLC−8320GPC
カラム:Gelpack R−420、R−430、及びR−440(3本つなぎ)
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
溶離液:THF
流速:1ml/分
標準物質:ポリスチレン
(A)成分に含まれる光重合性官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基;アリル基、ビニル基等のアルケニル基などのエチレン性不飽和基が挙げられる。パターン形成性を向上させる観点から、光重合性官能基として(メタ)アクリロイル基を有するもの(以下、「(メタ)アクリレート」と称することがある。)を含んでもよく、更に、炭素−窒素結合としてウレタン結合を有するもの(以下、「ウレタン(メタ)アクリレート」と称することがある。)を含んでもよい。
(A)高分子量体のウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、水酸基を有する(メタ)アクリレートと、イソシアネート基を有するイソシアネート化合物との反応生成物が挙げられる。
水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、1分子中に水酸基を少なくとも1つ、及び(メタ)アクリロイル基を少なくとも1つ有する化合物が挙げられる。より具体的には、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(o−フェニルフェノキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(1−ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(2−ナフトキシ)プロピル(メタ)アクリレート等の単官能(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ビス(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の2官能(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;シクロヘキサンジメタノール型エポキシジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノール型エポキシジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールA型エポキシジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールF型エポキシジ(メタ)アクリレート、ヒドロキノン型エポキシジ(メタ)アクリレート、レゾルシノール型エポキシジ(メタ)アクリレート、カテコール型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAF型エポキシジ(メタ)アクリレート、ビフェノール型エポキシジ(メタ)アクリレート、フルオレンビスフェノール型エポキシジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸モノアリル型エポキシジ(メタ)アクリレート等の2官能エポキシ(メタ)アクリレート;ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の3官能以上の(メタ)アクリレート、これらのエトキシ化体、これらのプロポキシ化体、これらのエトキシ化プロポキシ化体、及びこれらのカプロラクトン変性体;フェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラック型エポキシポリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸型エポキシトリ(メタ)アクリレート等の3官能以上のエポキシ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等のヒドロキシプロピル化体、などが挙げられる。
これらは、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ここで、(メタ)アクリレートのエトキシ化体、プロポキシ化体、エトキシ化プロポキシ化体、及びヒドロキシプロピル化体は、例えば、上記(メタ)アクリレートの原料となるアルコール化合物(又はフェノール化合物)に、各々1以上のエチレンオキシド基、プロピレンオキシド基、エチレンオキシド基及びプロピレンオキシド基、並びにヒドロキシプロピル基を付加したものを原料として用いて得られるものである。
また、カプロラクトン変性体は、例えば、上記(メタ)アクリレートの原料となるアルコール化合物(又はフェノール化合物)をε−カプロラクトンで変性したものを原料として用いて得られるものである。
イソシアネート基を有するイソシアネート化合物としては、1分子中にイソシアネート基を少なくとも1つ有する化合物が挙げられ、1分子中にイソシアネート基を1〜3つ有する化合物であってもよい。より具体的には、エチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、ブチルイソシアネート、オクタデシルイソシアネート、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート等の脂肪族モノイソシアネート化合物;シクロヘキシルイソシアネート等の脂環式モノイソシアネート化合物;フェニルイソシアネート等の芳香族モノイソシアネート化合物などのモノイソシアネート化合物、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイシシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、2,5−ビス(イソシアナトメチル)ノルボルネン、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、1,2−ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)エタン、2,2−ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)ヘキサフルオロプロパン、ビシクロヘプタントリイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート化合物;1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、o−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物などのジイソシアネート化合物、また、これらジイソシアネート化合物のウレトジオン型二量体、イソシアヌレート型、ビウレット型三量体等の多量体などが挙げられる。これらは、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができ、また、多量体を構成する2つ又は3つのイソシアネート化合物は、同一でも異なっていてもよい。
中でも、パターン形成性を向上させる観点から、脂肪族ジイソシアネート化合物、脂環式ジイソシアネート化合物、芳香族ジイソシアネート化合物等のジイソシアネート化合物、及びこれらジイソシアネート化合物の多量体から適宜選択すればよく、特に、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、及びイソシアヌレート型多量体(イソシアヌレート型ポリイソシアネート)から適宜選択すればよい。
上記の水酸基を有する(メタ)アクリレートと、イソシアネート化合物との反応生成物は、光重合性官能基として(メタ)アクリロイル基を有し、かつ炭素−窒素結合としてウレタン結合を有するものであり、より具体的には、例えば、分子中に水酸基を有する(メタ)アクリレートに由来する有機基(すなわち、上記の水酸基を有する(メタ)アクリレートから水酸基を除いた残基である1〜5個の(メタ)アクリロイル基を有する有機基、ともいえる)、ウレタン結合、及び上記のイソシアネート化合物に由来する有機基(すなわち、上記のイソシアネート化合物からイソシアネート基を除いた残基である、鎖状炭化水素骨格、脂環式骨格、又は芳香環骨格を有する有機基、ともいえる)を有するものである。これらの有機基は、同一でも異なっていてもよい。
(A)高分子量体のウレタン(メタ)アクリレートとしては、パターン形成性を向上させる観点から、例えば、1分子中にイソシアネート基を少なくとも2つ有するイソシアネート化合物とジオール化合物との重付加物の末端イソシアネート基に、水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させた反応生成物を含んでもよい。
ここで用いられる、1分子中にイソシアネート基を少なくとも2つ有するイソシアネート化合物としては、上記イソシアネート化合物として例示した化合物のうち、脂肪族ジイソシアネート化合物、脂環式ジイソシアネート化合物、芳香族ジイソシアネート化合物等のジイソシアネート化合物、また、これらジイソシアネート化合物のウレトジオン型二量体、イソシアヌレート型、ビウレット型三量体等の多量体などが挙げられる。
以上のイソシアネート化合物は、単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
また、ジオール化合物としては、例えば、炭素数1〜20のジオール化合物が挙げられ、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロパンジオール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、イソペンチルグリコール、ヘキサンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、ジメチルドデカンジオール、オクタデカンジオール等の直鎖状又は分岐状の飽和ジオール化合物;ブテンジオール、ペンテンジオール、ヘキセンジオール、メチルペンテンジオール、ジメチルヘキセンジオール等の直鎖状又は分岐状の不飽和ジオール化合物;各種シクロヘキサンジオール、各種シクロヘキサンジメタノール、各種トリシクロデカンジメタノール、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールF等の脂環式骨格を有するジオール化合物などが挙げられる。ここで、上記飽和ジオール化合物及び不飽和ジオール化合物をまとめて、鎖状炭化水素骨格を有するジオール化合物ともいえる。
以上のジオール化合物は、単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
鎖状炭化水素骨格を有するジオール化合物としては、パターン形成性を向上させ、また、重合後のガラス転移点(Tg)を高くして耐水性を向上させる観点から、炭素数1〜20、2〜16、2〜14の飽和ジオール化合物から適宜選択すればよく、より具体的には、エチレングリコール、オクタデカンジオールから適宜選択すればよい。
また、脂環式骨格を有するジオール化合物としては、パターン形成性を向上させ、また、重合後のガラス転移点(Tg)を高くして耐水性を向上させる観点から、炭素数5〜20、5〜18、6〜16の脂環式骨格を有するジオール化合物から適宜選択すればよく、より具体的には、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等の各種シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の各種シクロヘキサンジメタノールから適宜選択すればよい。
また、ここで用いられる水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、上記の水酸基を有する(メタ)アクリレートと、イソシアネート基を有するイソシアネート化合物との反応生成物に用いられる(メタ)アクリレートとして例示したものが挙げられる。
1分子中にイソシアネート基を少なくとも2つ有するイソシアネート化合物とジオール化合物との重付加物の末端イソシアネート基に、水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させた反応生成物としては、例えば、下記一般式(1)で表される構造単位を有するものが挙げられる。
一般式(1)中、Xは鎖状炭化水素骨格、脂環式骨格、又は芳香環骨格を有する2価の有機基を示し、Yは鎖状炭化水素骨格、又は脂環式骨格を有する2価の有機基を示す。また、(A)成分が上記構造単位を複数有する場合、複数のX、Yは同じでも異なっていてもよい。すなわち、(A)成分としては、鎖状炭化水素骨格、脂環式骨格、及び芳香環骨格からなる群から選ばれる少なくとも1種の骨格を有するものが挙げられる。
の2価の有機基としては、上記のイソシアネート基を有する化合物として例示した、脂肪族ジイソシアネート化合物、脂環式ジイソシアネート化合物、及び芳香族ジイソシアネート化合物に由来する有機基、すなわち上記のイソシアネート化合物からイソシアネート基を除いた残基である、鎖状炭化水素骨格、脂環式骨格、又は芳香環骨格を有する2価の有機基が挙げられる。また、Xで示される2価の有機基としては、これらの残基そのものであってもよいし、上記イソシアネート化合物とジオール化合物との重付加物等のイソシアネート化合物誘導体に由来する残基であってもよい。
パターン形成性を向上させ、また、樹脂組成物の透明性、耐水性、及び耐湿性をバランスよく向上させる観点から、Xは、脂環式骨格を有する2価の有機基、中でも、下記一般式(2)で示されるイソホロンジイソシアネートの残基である、脂環式骨格を有する2価の有機基であってもよい。
の鎖状炭化水素骨格、又は脂環式骨格を有する2価の有機基としては、上記のジオール化合物として例示した、鎖状炭化水素骨格を有するジオール化合物、及び脂環式骨格を有するジオール化合物に由来する有機基、すなわち上記のジオール化合物から水酸基を除いた残基である、鎖状炭化水素骨格、又は脂環式骨格を有する2価の有機基が挙げられる。
中でも、パターン形成性を向上させ、また、重合後のガラス転移点(Tg)を高くして耐水性を向上させる観点から、鎖状炭化水素骨格を有する2価の有機基としては、炭素数1〜20、2〜16、2〜14の飽和ジオール化合物から水酸基を除いた残基から適宜選択すればよく、より具体的には、エチレングリコール、オクタデカンジオールから水酸基を除いた残基から適宜選択すればよい。また、これと同じ観点から、脂環式骨格を有する2価の有機基としては、炭素数5〜20、5〜18、6〜16の脂環式骨格を有するジオール化合物から水酸基を除いた残基から適宜選択すればよく、より具体的には、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等の各種シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の各種シクロヘキサンジメタノールから水酸基を除いた残基から適宜選択すればよい。
1分子中にイソシアネート基を少なくとも2つ有するイソシアネート化合物とジオール化合物との重付加物の末端イソシアネート基に、水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させた反応生成物としては、具体的には、例えば、下記一般式(3)及び(4)で表される化合物が挙げられる。
一般式(3)及び(4)中、n及びnは各々独立に3〜20の整数を示す。
また、イソシアネート化合物として、ジイソシアネートの三量体であるイソシアヌレート型三量体(イソシアヌレート型トリイソシアネート)を用いた場合の反応生成物としては、例えば、下記一般式(5)及び(6)に示される化合物が挙げられる。
一般式(5)及び(6)中、n及びnは各々独立に2〜20の整数を示す。
上記一般式(1)で表される構造単位を有するウレタンアクリレートを含む市販品としては、例えば、UN−333(官能基数:2、Mw:5000)、UN−1255(官能基数:2、Mw:8000)、UN−904(官能基数:10、Mw:4900)、UN−2600(官能基数:2、Mw:2500)、UN−6200(官能基数:2、Mw:6500)、UN−9000PEP(官能基数:2、Mw:5000)、UN−9200A(官能基数:2、Mw:15000)、UN−3320HS(官能基数:15、Mw:4900)、UN−6301(官能基数:2、Mw:33000)(以上はいずれも商品名、根上工業株式会社製)、EBECRYL8405(ウレタンアクリレート/1,6−ヘキサンジオールジアクリレート=80/20の付加反応物、官能基数:4、Mw:2700)(商品名、ダイセル・オルネクス株式会社製)等が挙げられる。
また、上記一般式(1)で表される構造単位を有するウレタンメタクリレートを含む市販品としては、例えば、UN−6060PTM(官能基数:2、Mw:6000、商品名、根上工業株式会社製)等が挙げられる。なお、以上の記載において、括弧内の官能基数、及びMwは、各々ウレタン(メタ)アクリレートに含まれる(メタ)アクリロイル基の総数、及び重量平均分子量(Mw)である。
また、上記一般式(3)で表されるウレタンアクリレートを含む市販品としては、例えば、UN−952(官能基数:10、Mw:6500〜11000)が、一般式(6)で表されるウレタンアクリレートを含む市販品としては、例えば、UN−905(官能基数:15、Mw:40000〜200000)等が挙げられる(以上はいずれも商品名、根上工業株式会社製)。
これらの中でも、パターン形成性、及び感光性の観点から、UN−954が特に好ましい。
(A)高分子量体のウレタン(メタ)アクリレートに含まれる(メタ)アクリロイル基の総数(官能基数)は、パターン形成性、耐熱性向上の観点から、一分子中に、2〜24、また、得られる硬化物の物性及び特性を安定化させる観点から、4〜15、又は、6〜12から適宜選択すればよい。
官能基数が2以上であれば、パターン形成性とともに、耐熱性、高温における硬化物の剛性を向上させることができる。一方、官能基数が24以下であれば、硬化物の剛性が向上し、かつ基板等との密着性が向上する。また、適度な粘度を有する樹脂組成物とすることができ、塗布性が向上し、塗布後の樹脂組成物に対して光照射を行った場合に、表面部分だけが急速に光硬化しやすく内部は光硬化が十分に進行しないといった現象を抑制でき、優れた解像度が得られるので、厚い感光層を形成した場合であっても優れたパターン形成性が得られる。更に、光硬化及び熱硬化の少なくとも一方の硬化を行った後、未反応の(メタ)アクリロイル基の残存をより少なくし、得られる硬化物の物性及び特性の変動をより抑制することができる。
(A)高分子量体の重量平均分子量(Mw)は、2500以上であり、樹脂組成物の塗布性、解像度の向上の観点から、3000以上であってもよく、更に現像性、相溶性の向上の観点から、3500以上であってもよい。一方、重量平均分子量(Mw)の上限値は、樹脂組成物の塗布性、解像性の向上の観点から、40000以下、又は30000以下であってもよく、更に現像性、相溶性の向上の観点から、20000以下であってもよい。
重量平均分子量(Mw)が2500以上であれば、基板上に塗布した際に、塗布した組成物のだれの発生が抑制できるため、優れたパターン形成性が得られる。また、厚い感光層を形成しやすく、硬化収縮による樹脂の応力が大きくなって信頼性が低下するという問題も抑えることができる。
一方、重量平均分子量(Mw)が40000以下であれば、塗布性が向上し、厚い感光層を形成しやすくなり、パターン形成性が向上する。また、現像液に対する溶解性も良好となるため、優れた解像度を発現させることができる。更に、硬化物の透明性が向上し、透明材料として要求される優れた透過率を有する硬化物を得ることができる。
(A)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、10質量%以上、30質量%以上、又は、45質量%以上から適宜選択すればよい。含有量が10質量%以上であれば、塗布性が向上し、厚い感光層を形成した場合であっても、優れたパターン形成性が得られる。
得られる樹脂組成物のパターン成形性、塗布性、及び樹脂組成物の硬化物に要求する物性及び特性を考慮すると、(A)成分の含有量の上限値は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、95質量%以下、85質量%以下、又は、75質量%以下から適宜選択すればよい。
また、(A)成分中のウレタン(メタ)アクリレートの含有量は、パターン形成性を向上させる観点から、(A)成分の固形分全量を基準として、70〜100質量%、80〜100質量%、90〜100質量%、95〜100質量%、又は、100質量%(全量)から適宜選択すればよい。
<(B)成分:エポキシ化合物>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(B)成分として、エポキシ基を有する化合物を少なくとも1つ含有する。
(B)成分としては、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ポリブタジエン型エポキシ樹脂、ポリイソプレン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、それぞれ単独又は二種以上を組み合わせて使用してもよい。
脂肪族エポキシ化合物として、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルなどが挙げられる。それぞれ単独又は二種以上を組み合わせて使用してもよい。
脂環式エポキシ化合物として、例えば、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド 1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン(ダイセル社製 CEL2000)、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(ダイセル社製 CEL2021P)、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロセキサン付加物(ダイセル社製 EHPE3150)、水添ビフェニル型脂環式エポキシ樹脂などが挙げられる。それぞれ単独又は二種以上を組み合わせて使用してもよい。
(B)エポキシ化合物は光硬化性の観点から、脂環式エポキシ化合物であることが好ましい。更に、3つ以上のエポキシ基を有することがより好ましい。
樹脂組成物のタック性抑制の観点から(B)成分の軟化点は40〜100℃であることが好ましく、60〜80℃であることがより好ましい。
樹脂組成物の光硬化性の観点から(B)成分の重量平均分子量(Mw)は1000以上が好ましく、1500以上がより好ましく、2000以上が更に好ましい。また、(B)成分の重量平均分子量(Mw)は5000以下が好ましく、4000以下がより好ましく、3000以下が更に好ましい。
<(A)成分と(B)成分の固形分比>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、タック性抑制の観点から、(A)成分と(B)成分の固形分比が(A)成分:(B)成分=7:3〜9.5:0.5である。感光性樹脂組成物の光硬化性の観点から(A)成分:(B)成分=8:2〜9:1がより好ましい。
<(C)成分:低分子量体>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(C)成分として、少なくとも1つの光重合性官能基を有する低分子量体を含有する。該(C)成分は、(C1)成分:イソシアヌル環を有する低分子量体及び/又は(C2)成分:ウレタン結合を有する低分子量体を含有することが好ましい。「低分子量体」とは、重量平均分子量(Mw)が2500未満である化合物を意味する。
(C)成分に含まれる光重合性官能基としては、例えば、(メタ)アクリロイル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基などのエチレン性不飽和基が挙げられる。パターン形成性を向上させる観点から、(C)成分は、光重合性官能基として(メタ)アクリロイル基を有していてもよい。
((C1)成分:イソシアヌル環骨格を有する低分子量体)
(C1)成分は、少なくとも1つの光重合性官能基とイソシアヌル環骨格とを有する。本実施形態の感光性樹脂組成物は、(C1)成分を含有すると、電子部品の基材等との密着性が向上し、より優れたパターン形成性が得られる。
(C1)成分は、パターン形成性を向上させる観点から、光重合性官能基を2つ以上有していてもよく、光重合性官能基を2〜5つ有していてもよく、光重合性官能基を2つ又は3つ有していてもよい。
(C1)成分が有する光重合性官能基は、上述の(C)成分に含まれる光重合性官能基として説明されたものであり、パターン形成性を向上させる観点から、光重合性官能基として(メタ)アクリロイル基を有していてもよい。
(C1)成分としては、例えば、下記一般式(7)で表される化合物が挙げられる。

[一般式(7)中、R、R及びRは、各々独立に炭素数1〜6のアルキレン基を示し、R及びRは、各々独立に水素原子又はメチル基を示し、Rは水素原子又は(メタ)アクリロイル基を示す。]
一般式(7)中、R、R及びRが表す炭素数1〜6のアルキレン基は、炭素数1〜4のアルキレン基であってもよく、炭素数1〜3のアルキレン基であってもよい。
炭素数1〜6のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、イソプロピレン基、イソブチレン基、t-ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基等が挙げられ、これらの中でも、パターン形成性を向上させる観点から、エチレン基であってもよい。
一般式(7)中、R及びRは、各々独立に水素原子又はメチル基を示し、パターン形成性を向上させる観点から、水素原子であってもよい。
一般式(7)中、Rは水素原子又は(メタ)アクリロイル基を示し、パターン形成性を向上させる観点から、(メタ)アクリロイル基であってもよい。
一般式(7)で表される化合物は、下記式(7−1)で表される化合物及び下記式(7−2)で表される化合物からなる群から選ばれる1種以上であってもよく、パターン形成性を向上させる観点からは、下記式(7−1)で表される化合物であってもよい。
(C1)成分の重量平均分子量(Mw)は、2500未満であり、パターン形成性を向上させる観点からは、200〜1500、300〜1000、又は、350〜600から適宜選択してもよい。
(C1)成分は、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、新中村化学工業株式会社製の「A−9300」(上記式(7−1)で表される化合物)、東亞合成株式会社製の「M−215」(上記式(7−2)で表される化合物)等が挙げられる。
(C1)成分は、単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
((C2)成分:ウレタン結合を有する低分子量体)
(C2)成分は、少なくとも1つの光重合性官能基及びウレタン結合を有する低分子量体であれば特に限定されないが、パターン形成性を向上させる観点から、光重合性官能基を2つ以上有していてもよく、光重合性官能基を2〜4つ有していてもよく、光重合性官能基を2つ有していてもよい。
(C2)成分が有する光重合性官能基は、上述の(C)成分に含まれる光重合性官能基として説明されたものであり、パターン形成性を向上させる観点から、光重合性官能基として(メタ)アクリロイル基を有していてもよい。
(C2)成分としては、例えば、水酸基を有する(メタ)アクリレートと、イソシアネート基を有するイソシアネート化合物との反応生成物が挙げられる。ここで、水酸基を有する(メタ)アクリレート、及びイソシアネート化合物としては、各々(A)高分子量体の生成に用いられるものとして例示した水酸基を有するアクリレート、及びイソシアネート化合物が挙げられる。ここで、パターン形成性の向上等の観点から適宜選択するものとしては、同じ観点から(A)高分子量体の生成に用いられるものとして適宜選択するものと同じものが例示される。
また、(C2)成分としては、1分子中にイソシアネート基を少なくとも2つ有するイソシアネート化合物とジオール化合物との重付加物の末端イソシアネート基に、水酸基を有する(メタ)アクリレートを反応させた反応生成物が挙げられる。ここで、1分子中にイソシアネート基を少なくとも2つ有するイソシアネート化合物、ジオール化合物、及び水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、各々(A)高分子量体の生成に用いられるものとして例示した1分子中にイソシアネート基を少なくとも2つ有するイソシアネート化合物、ジオール化合物、及び水酸基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。ここで、パターン形成性の向上等の観点から適宜選択するものとしては、同じ観点から(A)高分子量体の生成に用いられるものとして適宜選択するものと同じものが例示される。
この反応生成物としては、例えば、下記一般式(8)で表される構造単位を有するウレタン(メタ)アクリレートが挙げられる。
一般式(8)中、Xは鎖状炭化水素骨格、脂環式骨格、又は芳香環骨格を有する2価の有機基を示し、Yは鎖状炭化水素骨格、又は脂環式骨格を有する2価の有機基を示す。すなわち、(C2)成分としては、鎖状炭化水素骨格、脂環式骨格、及び芳香環骨格からなる群から選ばれる少なくとも1種の骨格を有するものが挙げられる。X及びYとしては、各々一般式(1)におけるX及びYと同じものが例示される。
パターン形成性を向上させ、また、樹脂組成物の透明性、耐水性、及び耐湿性をバランスよく向上させる観点から、Xは、鎖状炭化水素骨格を有する2価の有機基、枝分かれ状の鎖状炭化水素骨格を有する2価の有機基、枝分かれ状の炭素数2〜12のアルキレン基、例えば、上記脂肪族ジイソシアネート化合物の残基から適宜選択すればよい。また、同じ観点から、Yは脂環式骨格を有する2価の有機基、例えば、上記脂環式骨格を有するジオール化合物の残基から適宜選択すればよい。
(C2)成分としては、具体的には、例えば、下記一般式(9)で表されるウレタンアクリレートが挙げられる。
上記一般式(9)において、nは1〜4の整数を示す。R10及びR11は、各々独立に水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基であり、複数のR10及びR11は、各々その少なくとも3つは炭素数1〜4のアルキル基である。
上記一般式(9)で表されるウレタンアクリレートのうち、上記一般式(8)のXが鎖状炭化水素骨格を有する2価の有機基であるトリメチルヘキサメチレンジイソシアネートの残基であり、Yが脂環式骨格を有する2価の有機基のシクロヘキサンジメタノールの残基である構造単位を有する、ウレタンアクリレートを含む市販品としては、例えば、TMCH−5R(商品名、官能基数:2、Mw:950、日立化成株式会社製)等が挙げられる。
また、上記一般式(8)で表される構造単位を有するウレタン(メタ)アクリレートを含む市販品としては、KRM8452(官能基数:10、Mw:1200、ダイセル・オルネクス株式会社製)、UN−3320HA(官能基数:6、Mw:1500、根上工業株式会社製)、UN−3320HC(官能基数:6、Mw:1500、根上工業株式会社製)等が挙げられる。なお、以上の記載において、括弧内の官能基数及びMwは、各々ウレタン(メタ)アクリレートに含まれる(メタ)アクリロイル基の総数及び重量平均分子量(Mw)である。
(C2)成分の重量平均分子量(Mw)は、2500未満であり、密着性の向上の観点から2000未満であってもよく、更に解像性の向上の観点から1500未満であってもよい。一方、重量平均分子量(Mw)の下限値は、所望の目的に応じて適宜用い得るものの、フィルム形成性の観点から、500以上であってもよい。
(C)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、5質量%以上、10質量%以上、又は、20質量%以上から適宜選択してもよい。(C)成分の含有量が5質量%以上であれば、厚い感光層を形成した場合であっても優れたパターン形成性が得られ、また、硬化物の優れた剛性も得られる。これと同様の観点から、(C)成分の含有量の上限値は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、70質量%以下、60質量%以下、又は、50質量%以下から適宜選択すればよい。
(A)成分の固形分全量100質量部を基準とした(C)成分の含有量は、パターン形成性、硬化物の剛性を向上させる観点から、20〜120質量部、25〜110質量部、又は、30〜100質量部から適宜選択すればよい。
(C)成分が(C1)成分を含有する場合、(C1)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、5質量%以上、10質量%以上、又は、20質量%以上から適宜選択してもよい。(C1)成分の含有量が5質量%以上であれば、厚い感光層を形成した場合であっても優れたパターン形成性が得られ、また、硬化物の優れた剛性も得られる。これと同様の観点から、(C1)成分の含有量の上限値は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、70質量%以下、60質量%以下、又は、50質量%以下から適宜選択すればよい。
(A)成分の固形分全量100質量部を基準とした(C1)成分の含有量は、パターン形成性、硬化物の剛性を向上させる観点から、20〜120質量部、25〜110質量部、又は、30〜100質量部から適宜選択すればよい。
(C)成分の固形分全量中における、(C1)成分の含有量は、30質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、又は、95質量%以上から適宜選択してもよい。(C1)成分の含有量が30質量%以上であれば、厚い感光層を形成した場合であっても優れたパターン形成性が得られ、また、硬化物の優れた剛性も得られる。これと同様の観点から、(C1)成分の上限値は、100質量%以下であり、100質量%、すなわち(C)成分の全量が(C1)成分であってもよい。
(C)成分が(C2)成分を含有する場合、(C)成分の固体分全量基準とした(C2)成分の含有量は、10〜80質量%、30〜75質量%、又は、40〜70質量%から適宜選択すればよい。
<(D)成分:光重合開始剤>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、(D)成分として光重合開始剤を含む。(D)成分としては、(A)成分と(C)成分の少なくともいずれか一方を重合させることができるものであれば特に制限はなく、通常用いられる光重合開始剤から適宜選択することができる。パターン形成性を向上させる観点から、活性光線により遊離ラジカルを生成するもの、例えば、アシルホスフィンオキサイド系、オキシムエステル系、芳香族ケトン系、キノン系、ベンゾイン系アルキルフェノン系、ベンジル系、イミダゾール系、アクリジン系、フェニルグリシン系、クマリン系等の光重合開始剤が挙げられる。
アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤は、アシルホスフィンオキサイド基(=P(=O)−C(=O)−基)を有するものであり、例えば、(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,6−ペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(「IRGACURE−TPO」(BASF社製))、エチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィネイト、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(「IRGACURE−819」(BASF社製))、(2,5−ジヒドロキシフェニル)ジフェニルホスフィンオキサイド、(p−ヒドロキシフェニル)ジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(p−ヒドロキシフェニル)フェニルホスフィンオキサイド、トリス(p−ヒドロキシフェニル)ホスフィンオキサイド等が挙げられる。
オキシムエステル系光重合開始剤は、オキシムエステル結合を有する光重合開始剤であり、例えば、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)(商品名:OXE−01、BASF社製)、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン1−(O−アセチルオキシム)(商品名:OXE−02、BASF社製)、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−[O−(エトキシカルボニル)オキシム](商品名:Quantacure−PDO、日本化薬株式会社製)等が挙げられる。
芳香族ケトン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、N,N'−テトラメチル−4,4'−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N'−テトラエチル−4,4'−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4'−ジメチルアミノベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(「IRGACURE−651」(BASF社製))、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン(「IRGACURE−369」(BASF社製))、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン(「IRGACURE−907」(BASF社製))等が挙げられる。
キノン系光重合開始剤としては、例えば、2−エチルアントラキノン、フェナントレンキノン、2−t−ブチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ベンズアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−メチルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、2−メチル−1,4−ナフトキノン、2,3−ジメチルアントラキノン等が挙げられる。
アルキルフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾイン系化合物、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(「IRGACURE−651」(BASF社製))、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(「IRGACURE−184」(BASF社製))、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(「IRGACURE−1173」(BASF社製))、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(「IRGACURE−2959」(BASF社製))、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(「IRGACURE−127」(BASF社製))などが挙げられる。
ベンジル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、メチルベンゾインエチルベンゾイン等のベンゾイン化合物、ベンジルジメチルケタールなどが挙げられる。
イミダゾール系光重合開始剤としては、2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体としては、例えば、2−(2−クロロフェニル)−1−〔2−(2−クロロフェニル)−4,5−ジフェニル−1,3−ジアゾール−2−イル〕−4,5−ジフェニルイミダゾール等の2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体などが挙げられる。
アクリジン系光重合開始剤としては、例えば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9'−アクリジニル)ヘプタン等が挙げられる。
フェニルグリシン系光重合開始剤としては、例えば、N−フェニルグリシン、N−メチル−N−フェニルグリシン、N−エチル−N−フェニルグリシン等が挙げられる。
また、クマリン系光重合開始剤としては、例えば、7−アミノ−4−メチルクマリン、7−ジメチルアミノ−4−メチルクマリン、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン、7−メチルアミノ−4−メチルクマリン、7−エチルアミノ−4−メチルクマリン、7−ジメチルアミノシクロペンタ[c]クマリン、7−アミノシクロペンタ[c]クマリン、7−ジエチルアミノシクロペンタ[c]クマリン、4,6−ジメチル−7−エチルアミノクマリン、4,6−ジエチル−7−エチルアミノクマリン、4,6−ジメチル−7−ジエチルアミノクマリン、4,6−ジメチル−7−ジメチルアミノクマリン、4,6−ジエチル−7−エチルアミノクマリン、4,6−ジエチル−7−ジメチルアミノクマリン、2,3,6,7,10,11−ヘキサンヒドロ−1H,5H−シクロペンタ[3,4][1]ベンゾピラノ−[6,7,8−ij]キノリジン12(9H)−オン、7−ジエチルアミノ−5',7'−ジメトキシ−3,3'−カルボニルビスクマリン、3,3'−カルボニルビス[7−(ジエチルアミノ)クマリン]、7−ジエチルアミノ−3−チエノキシルクマリン等が挙げられる。
これらの中でも、パターン形成性を向上させる観点から、(D)成分は、下記一般式(10)で表される化合物、又は下記一般式(11)で表される化合物であってもよい。

[一般式(10)中、R12、R13及びR14は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数1〜8のアルコキシ基を示し、R15及びR16は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリール基を示す。水素原子以外のR12〜R16は、各々置換基を有していてもよい。]

[一般式(11)中、R17は、水酸基、炭素数1〜8のアルコキシ基、又はアミノ基を示し、R18及びR19は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリール基を示す。R18とR19は、互いに結合して、炭素数3〜16の環状構造を形成していてもよい。水酸基及び水素原子以外のR17〜R19は、各々置換基を有していてもよく、置換基を有するアミノ基は、置換基同士が互いに結合して、炭素数3〜12の環状構造を形成していてもよい。
20は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、メルカプト基、又は酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる1種以上を含んでいてもよい炭素数1〜10の有機基を示す。]
一般式(10)中、R12、R13及びR14は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数1〜8のアルコキシ基を示す。
12、R13及びR14が表す炭素数1〜8のアルキル基は、炭素数1〜4のアルキル基であってもよく、炭素数1又は2のアルキルであってもよい。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘプチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基等が挙げられる。
12、R13及びR14が表す炭素数1〜8のアルコキシ基は、炭素数1〜4のアルコキシ基であってもよく、炭素数1又は2のアルコキシ基であってもよい。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ等が挙げられる。
これらの基の中でも、R12、R13及びR14は、パターン形成性を向上させる観点から、メチル基であってもよい。
一般式(10)中、R15及びR16は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリール基を示す。
15及びR16が表す炭素数1〜8のアルキル基及び炭素数1〜8のアルコキシ基は、R12、R13及びR14の場合と同様に説明される。
15及びR16が表す炭素数6〜12のアリール基は、炭素数6〜10のアリール基であってもよく、炭素数6〜8のアリール基であってもよい。アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
12〜R16が有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、メルカプト基、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基等が挙げられる。R12〜R16が有していてもよい置換基であるアルキル基、アルコキシ基及びアリール基は、R12〜R16として説明されるアルキル基、アルコキシ基及びアリール基と同様のものが挙げられる。
一般式(11)中、R17は、水酸基、炭素数1〜8のアルコキシ基、又はアミノ基を示す。
17が表すアルコキシ基は、一般式(10)におけるR12、R13及びR14の場合と同様に説明される。
これらの基の中でも、R17は、パターン形成性を向上させる観点から、水酸基であってもよい。
一般式(11)中、R18及びR19は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリール基を示す。
18及びR19が表すアルキル基、アルコキシ基及びアリール基は、一般式(10)におけるR12〜R16の場合と同様に説明される。
18とR19は、互いに結合して、炭素数3〜16の環状構造を形成していてもよい。
上記環状構造は、炭素数4〜10の環状構造であってもよく、炭素数5〜8の環状構造であってもよい。
上記環状構造は、パターン形成性を向上させる観点から、脂環式構造であってもよく、脂環式構造としては、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、シクロヘプタン構造、シクロオクタン構造等が挙げられる。また、これらの脂環式構造は、R18及びR19が共に直接結合する炭素原子を含んでいてもよい。
17〜R19が有し得る置換基としては、上記一般式(10)におけるR12〜R16が有していてもよい置換基と同様に説明される。
ただし、置換基を有するアミノ基は、置換基同士が互いに結合して、炭素数3〜12の環状構造を形成していてもよい。
アミノ基の置換基が形成する環状構造は、炭素数3〜10との環状構造であってもよく、炭素数3〜5の環状構造であってもよい。
上記環状構造は、アミノ基の窒素原子を含む5〜10員環であってもよく、アミノ基の窒素原子を含む5〜7員環であってもよく、アミノ基の窒素原子を含む6員環であってもよい。更に、これらの環状構造は、酸素原子等の窒素原子以外のヘテロ原子を含んでいてもよい。アミノ基の置換基が形成する環状構造の具体例としては、下記式(12)で表される構造が挙げられる。
一般式(11)中、R20は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、メルカプト基、又は酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる1種以上を含んでいてもよい炭素数1〜10の有機基を示す。
20が表す炭素数1〜10の有機基は、炭素数1〜6の有機基であってもよく、炭素数1〜4の有機基であってもよい。
20が表す炭素数1〜10の有機基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基等の炭化水素基であってもよい。これらのアルキル基、アルケニル基及びアリール基としては、上記一般式(10)におけるR12〜R16が表すアルキル基、アルケニル基及びアリール基と同様に説明される。
20が表す酸素原子を含む炭素数1〜10の有機基としては、例えば、アルコキシ基等が挙げられる。
20が表す窒素原子を含む炭素数1〜10の有機基としては、例えば、上記式(12)で表される基が挙げられる。
20が表す硫黄原子を含む炭素数1〜10の有機基としては、例えば、メチルチオ基等のアルキルチオ基などが挙げられる。
(D)成分の含有量としては、感光性樹脂組成物により形成する感光層の厚み(乾燥後の厚み)50μmにおける、波長365nmの光に対する吸光度が0.35以下となる量、0.3以下となる量、0.2以下となる量、又は、0.1以下となる量から適宜選択すればよい。上記含有量とすることで、例えば、70μm以上という厚い感光層でパターンを形成した場合であっても、感光層の底部(感光層の基板側の面)まで光が通りやすくなるため、パターン形成性を向上させることができる。ここで、吸光度は、例えば、紫外可視分光光度計(製品名:「U−3310 Spectrophotometer」、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、リファレンスにポリエチレンテレフタレートフィルム単体を用いる等して、波長365nmの光に対する吸光度を測定することができる。
また、上記(D)成分に加えて、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類などの(D’)光重合開始助剤を、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
(D)成分の含有量は、感光層の厚み50μmにおける吸光度により適宜決定すればよく、通常、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、0.05〜20質量%、0.1〜10質量%、又は、0.2〜7質量%から適宜選択すればよい。上記含有量とすることで、感光性樹脂組成物の感度を向上させ、レジスト形状の悪化を抑制することができ、パターン形成性を向上させることができる。
<(E)成分:シラン化合物>
また、本実施形態の感光性樹脂組成物は、更に(E)シラン化合物を含有することができる。
(E)成分としては、公知のシランカップリング剤を用いることができる。(E)成分は、電子部品の基板との接着性を向上させることができ、特に、該基板がケイ素を含有する基板(例えば、ガラス基板、シリコンウエハ、エポキシ樹脂含浸ガラスクロス基板等)の場合は有効である。シランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン;(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の(メタ)アクリロイル基含有アルコキシシラン;γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン等のアミン系アルコキシシラン;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン等のグリシドキシ基含有アルコキシシラン;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等の脂環式エポキシ基含有アルコキシシラン;3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイド基含有アルコキシシラン;3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のメルカプト基(チオール基)含有アルコキシシラン;トリエトキシシリルプロピルエチルカルバメート等のカルバメート基含有アルコキシシラン;3−(トリエトキシシリル)プロピルコハク酸無水物等の多塩基酸無水物基含有アルコキシシランなどが挙げられる。これらは、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
より接着性を向上させる観点から、(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の(メタ)アクリロイル基含有アルコキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン等グリシドキシ基含有アルコキシシランなどの、分子中にエチレン性不飽和基を有するシランカップリング剤を用いてもよい。
感光性樹脂組成物が(E)成分を含有する場合、(E)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、0.05〜15質量%、0.1〜10質量%、0.1〜7質量%、1〜7質量%、又は、1〜5質量%から適宜選択すればよい。上記含有量とすることで、レジスト形状の悪化を抑制することができ、パターン形成性を向上させることができる。
<(F)成分:熱ラジカル重合開始剤>
また、本実施形態の感光性樹脂組成物は、更に(F)成分として熱ラジカル重合開始剤を含有することができる。(F)成分としては、特に制限はなく、例えば、α、α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド等のジアルキルパーオキシド;メチルエチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、メチルシクロヘキサノンパーオキシド等のケトンパーオキシド;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のパーオキシケタール;p−メンタンヒドロパーオキシド等のヒドロパーオキシド;オクタノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ステアリルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド;ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシカーボネート等のパーオキシカーボネート;t−ブチルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウリレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート等のパーオキシエステルなどの過酸化物系重合開始剤、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2’−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系重合開始剤などが挙げられる。
(F)成分としては、パターン形成性を向上させる観点から、過酸化物系重合開始剤、ジアルキルパーオキシド系重合開始剤等が挙げられ、中でもジクミルパーオキシドを選択することができる。また、(F)成分は、単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(F)成分を含む場合、その含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、0.1〜10質量%、0.2〜5質量%、又は、0.3〜1.5質量%から適宜選択すればよい。上記含有量とすることで、感光性樹脂組成物の耐熱性を向上させ、永久膜として使用した際の信頼性が向上する。
<(G)成分:無機フィラ>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、感光性樹脂組成物と基板との接着性、耐熱性、硬化物の剛性等の諸特性を更に向上させる目的で、更に(G)成分として無機フィラを含有することができる。
(G)成分としては、例えば、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、チタニア(TiO)、酸化タンタル(Ta)、ジルコニア(ZrO)、窒化ケイ素(Si)、チタン酸バリウム(BaO・TiO)、炭酸バリウム(BaCO)、炭酸マグネシウム(MgCO)、水酸化アルミニウム(Al(OH))、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、チタン酸鉛(PbO・TiO)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)、酸化ガリウム(Ga)、スピネル(MgO・Al)、ムライト(3Al・2SiO)、コーディエライト(2MgO・2Al/5SiO)、タルク(3MgO・4SiO・HO)、チタン酸アルミニウム(TiO・Al)、イットリア含有ジルコニア(Y・ZrO)、ケイ酸バリウム(BaO・8SiO)、窒化ホウ素(BN)、炭酸カルシウム(CaCO)、硫酸バリウム(BaSO)、硫酸カルシウム(CaSO)、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸マグネシウム(MgO・TiO)、ハイドロタルサイト、雲母、焼成カオリン、カーボン(C)等を使用することができる。これらの無機フィラは、単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(G)成分の平均粒径は、接着性、耐熱性、及び硬化物の剛性を向上させる観点から、0.01〜3μm、0.01〜2μm、又は、0.02〜1μmから適宜選択すればよい。ここで、(G)成分の平均粒径は、感光性樹脂組成物中に分散した状態での無機フィラの平均粒径であり、以下のように測定して得られる値とする。まず、感光性樹脂組成物をメチルエチルケトンで1000倍に希釈(又は溶解)させた後、サブミクロン粒子アナライザ(ベックマン・コールター株式会社製、商品名:N5)を用いて、国際標準規格ISO13321に準拠して、屈折率1.38で、溶剤中に分散した粒子を測定し、粒度分布における積算値50%(体積基準)での粒子径を平均粒径とする。また、キャリアフィルム上に設けられる感光層又は感光性樹脂組成物の硬化膜に含まれる(G)成分についても、上述のように溶剤を用いて1000倍(体積比)に希釈(又は溶解)をした後、上記サブミクロン粒子アナライザを用いることにより測定できる。
(G)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、上限は10質量%以下、5質量%以下、又は、1質量%以下から適宜選択すればよく、下限は0質量%超から適宜選択すればよく、また、0質量%(含まない)であってもよい。このように、(G)成分を実質的に含有しないことで、感光性樹脂組成物の透過性が向上し、例えば、70μm以上という厚い感光層でパターンを形成した場合であっても、感光層の底部(感光層の基板側の面)まで適切に光が通りやすくなるため、パターン形成性が向上する。
<その他添加剤>
本実施形態の感光性樹脂組成物は、必要に応じて、更に、増感剤、耐熱性高分子量体、熱架橋剤、上記(E)成分以外の接着助剤等の添加剤を含有することができる。
増感剤としては、例えば、ピラゾリン類、アントラセン類、キサントン類、オキサゾール類、ベンゾオキサゾール類、チアゾール類、ベンゾチアゾール類、トリアゾール類、スチルベン類、トリアジン類、チオフェン類、ナフタルイミド類等の増感剤が挙げられる。これらは、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
耐熱性高分子量体としては、例えば、加工性を向上させる観点から、耐熱性が高く、エンジニアリングプラスチックとして用いられている、ポリオキサゾール及びそれらの前駆体、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等のノボラック樹脂、ポリアミドイミド、ポリアミドなどが挙げられる。これらは、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱架橋剤としては、硬化物の剛性を向上させる観点から、例えば、エポキシ樹脂、α位がメチロール基、アルコキシメチル基で置換されたフェノール樹脂、N位がメチロール基及びアルコキシメチル基からなる群から選ばれる少なくとも1種で置換されたメラミン樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。これらは、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの他の添加剤の含有量は、本実施形態の感光性樹脂組成物の効果を阻害しない範囲であれば特に制限はなく、例えば、感光性樹脂組成物の固形分全量を基準として、0.1〜10質量%、0.3〜5質量%、又は、0.5〜5質量%から適宜選択すればよい。
<希釈剤>
本実施形態の感光性樹脂組成物には、必要に応じて希釈剤を使用することができる。希釈剤としては、例えば、イソプロパノール、イソブタノール、t−ブタノール等の炭素数1〜6のアルコール類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄原子含有類;γ−ブチロラクトン、炭酸ジメチル等のエステル類;セロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類、などの極性溶媒が挙げられる。これらは、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
希釈剤の使用量は、感光性樹脂組成物中の固形分全量の含有量が50〜90質量%、60〜80質量%、又は、65〜75質量%となる量から適宜選択すればよい。すなわち、希釈剤を用いる場合の感光性樹脂組成物中の希釈剤の含有量は、10〜50質量%、20〜40質量%、又は、25〜35質量%から適宜選択すればよい。希釈剤の使用量を上記範囲内とすることで、感光性樹脂組成物の塗布性が向上し、より高精細なパターンの形成が可能となる。
また、例えば、70μm以上という厚みの感光層を形成しようとする場合、感光層の形成しやすさを考慮して、感光性樹脂組成物の25℃における粘度が0.5〜20Pa・s、又は、1〜10Pa・sとなるような量とすることができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、上記の(A)〜(D)成分、また、所望に応じて用いられる(E)〜(G)成分、その他添加剤、及び希釈剤を、ロールミル、ビーズミル等で均一に混練、混合することにより得ることができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、液状として使用してもよいし、フィルム状として使用してもよい。
液状として使用する場合、本実施形態の感光性樹脂組成物の塗布方法は特に制限はないが、例えば、印刷法、スピンコート法、スプレーコート法、ジェットディスペンス法、インクジェット法、浸漬塗布法等の各種塗布方法が挙げられる。これらの中でも、厚い感光層をより容易に形成する観点から、印刷法、又は、スピンコート法から適宜選択すればよい。
また、フィルム状として用いる場合は、例えば、後述する感光性樹脂フィルムの形態で用いることができ、この場合はラミネータ等を用いて積層することで所望の厚みの感光層を形成することができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物により形成する感光層の厚み(乾燥後の厚み)50μmにおける、波長365nmの光に対する吸光度は、0.35以下、0.3以下、0.2以下、又は、0.1以下から適宜選択することができる。感光層の厚み50μmにおける該感光層の吸光度が0.35以下であると、例えば、70μm以上という厚い感光層でパターンを形成した場合であっても、感光層の底部(感光層の基板側の面)まで光が適切に通りやすくなるため、パターン形成性を向上させることができる。
[感光性樹脂フィルム]
本実施形態の感光性樹脂フィルムは、キャリアフィルムと、本実施形態の感光性樹脂組成物を用いた感光層とを有する。本明細書において、「層」との用語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。
本実施形態の感光性樹脂フィルムは、例えば、キャリアフィルム上に、本実施形態の感光性樹脂組成物を、上記の各種塗布方法で塗布して塗膜を形成し、該塗膜を乾燥して、感光層を形成し、製造することができる。また、本実施形態の感光性樹脂組成物が希釈剤を含有するときは、乾燥の際に、該希釈剤の少なくとも一部を除去してもよい。
塗膜の乾燥は、熱風乾燥、遠赤外線、又は、近赤外線を用いた乾燥機等を用いることができ、乾燥温度としては、60〜120℃、70〜110℃、又は、90〜110℃から適宜選択すればよい。また、乾燥時間としては、1〜60分、2〜30分、又は、5〜20分から適宜選択すればよい。上記条件で乾燥すれば、本実施形態の感光性樹脂組成物が希釈剤を含有する場合、該希釈剤の少なくとも一部を除去することもできる。
キャリアフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂フィルムなどの樹脂フィルムが挙げられる。感光性樹脂フィルムの機械強度、耐熱性を向上させる観点から、ポリエステル樹脂フィルムを選択してもよい。
キャリアフィルムの厚みは、取り扱い性等を考慮して、10μm〜3mm、又は10〜200μmから適宜選択すればよい。
感光層の厚みは、1〜500μm、10〜300μm、又は、30〜100μmから適宜選択すればよい。30μm以上とすることで、例えば、厚みが150μm以上の感光層を形成する場合に、ラミネート等による作業回数をより低減することができ、また、100μm以下とすることで、感光性樹脂フィルムを巻き芯に巻いた際に、該巻き芯の内側と外側との応力差による感光層の変形をより低減することができる。本実施形態の感光性樹脂組成物が有する、厚い感光層を形成した場合であっても優れたパターン形成性を得られるという効果を考慮すると、70μm以上であってもよく、100μmを超える厚みであってもよい。なお、70μm以上の厚みを有する感光層は、例えば、キャリアフィルム上に感光層を形成したものと、後述する保護層上に感光層を形成したものと、を貼り合わせることで、キャリアフィルムと、厚い感光層と、保護層と、をこの順で備える感光性樹脂フィルムを得ることができる。
また、本実施形態の感光性樹脂フィルムは、感光層のキャリアフィルムと接する面とは反対側の面に保護層を積層することもできる。保護層としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂フィルムなどを用いてもよい。また、上述するキャリアフィルムと同じ樹脂フィルムを用いてもよく、異なる樹脂フィルムを用いてもよい。
[硬化物の製造方法]
本実施形態の硬化物の製造方法は、基板上に本実施形態の感光性樹脂組成物、又は感光性樹脂フィルムを用いて感光層を設ける工程(感光層形成工程)、該感光層の少なくとも一部に活性光線を照射して、光硬化部を形成する工程(露光工程)、及び、該感光層の光硬化部以外の少なくとも一部を除去し、樹脂パターンを形成する工程(除去工程)を順に有する。また、所望に応じて、更に、上記樹脂パターンを加熱処理する工程(加熱工程)を有する。本実施形態の硬化物の製造方法により、所望のパターン形成が可能となり、また、例えば、70μm以上という厚い感光層を形成した場合であっても優れたパターン形成性を有するという本実施形態の感光性樹脂組成物の特徴をいかし、例えば、70μm以上という厚い硬化物によって所望のパターン形成が可能となる。本明細書において、「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても、その工程の所期の作用が達成されれば、「工程」に含まれる。
(感光層形成工程)
感光層形成においては、本実施形態の感光性樹脂組成物、又は感光性樹脂フィルムを、各々基板上に塗布、又は積層することにより、感光層を形成することができる。
基板としては、例えば、ガラス基板、シリコンウエハ、TiO、SiO等の金属酸化物絶縁体、窒化ケイ素、セラミック圧電基板、エポキシ樹脂含浸ガラスクロス基板などが挙げられる。
基板に感光性樹脂組成物を塗布して感光層を形成する場合、上記の希釈剤に溶解して溶液の形態とした感光性樹脂組成物を、基板に塗布すればよく、必要に応じて塗布して得られた塗膜を乾燥してもよい。塗布、及び乾燥は、上記の感光性樹脂フィルムの作製について記載した各種塗布方法、及び塗膜の乾燥の方法により行えばよい。
また、感光性樹脂フィルムを用いる場合は、ラミネータ等を用いた積層方法により感光層を形成することができる。
基板上に設けられる感光層の厚みは、形成方法(塗布方法、又は、積層方法)、感光性樹脂組成物の固形分濃度及び粘度等によって異なるが、乾燥後の感光層の厚みの下限として、10μm以上、30μm以上、50μm以上、70μm以上、100μm以上、100μm超、又は、150μm以上から適宜選択すればよい。また、上限としては、樹脂パターンが形成できていれば特に制限されないが、例えば、500μm以下、300μm以下、又は、250μm以下から適宜選択すればよい。感光層の厚みは、用途に応じて上記の範囲から適宜選択すればよく、電子部品等に用いる場合は、下限として70μm以上、100μm超、又は、150μm以上から適宜選択すればよく、上限として500μm以下、300μm以下、又は、250μm以下から適宜選択すればよい。
本実施形態の硬化物の製造方法においては、本実施形態の感光性樹脂組成物を用いて感光層を形成するため、厚い感光層を形成することが可能となる。例えば、150μm以上という厚みの感光層を形成する場合、一度の塗布(及び、必要に応じて乾燥)、又は積層によって形成せず、所望の厚みとなるまで複数回にわたって塗布(及び、必要に応じて乾燥)、又は積層を繰り返して行ってもよい。
(露光工程)
露光工程では、感光層形成工程にて基板上に設けた感光層に対して、必要に応じて少なくとも一部に活性光線を照射し、露光部を光硬化させて硬化部を形成する。活性光線を照射する際に、所望のパターンを有するマスクを介して感光層に活性光線を照射してもよく、また、LDI(Laser Direct Imaging)露光法、DLP(Digital Light Processing)露光法等の直接描画露光法により活性光線を照射してもよい。
また、パターン形成性を向上させる観点で、露光後、ホットプレート、乾燥機等を用いて露光後加熱(PEB:Post exposure bake)を行ってもよい。乾燥条件は特に制限はないが、60〜120℃、又は70〜110℃の温度で、15秒〜5分、又は30秒〜3分の時間で行えばよい。
活性光線の露光量は、10〜2000mJ/cm、100〜1500mJ/cm、又は、300〜1000mJ/cmから適宜選択すればよい。使用される活性光線としては紫外線、可視光線、電子線、X線等が挙げられる。また、光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ハロゲンランプ等を使用することができる。
(除去工程)
除去工程では、露光工程で形成した感光層の硬化部以外の部分(未露光部)の少なくとも一部を除去し、樹脂パターンを形成する。未露光部の除去は、例えば、有機溶剤等の現像液を用いて行えばよい。
有機溶剤としては、例えば、エタノール、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、N−メチルピロリドン等が挙げられる。中でも、現像速度の観点から、シクロペンタノンを用いることができる。これらは、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、現像液として用いられる有機溶剤中には、通常用い得る各種添加剤を添加してもよい。
また、現像液による未露光部の除去の後、必要に応じて、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール、n−ブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテルアセテート等で洗浄(リンス)してもよい。
(加熱工程)
加熱工程は、必要に応じて採用される工程であり、除去工程で形成した樹脂パターンを加熱処理し、硬化物を形成する工程である。加熱処理は、加熱温度を選択して段階的に昇温しながら、1〜2時間実施することが好ましい。加熱温度は、120〜240℃、140〜230℃、又は、150〜220℃から適宜選択すればよい。また、段階的に昇温する場合は、例えば、120℃前後、160℃前後の少なくとも一方で、10〜50分間、又は、20〜40分間、加熱処理した後、220℃前後で、30〜100分間、又は、50〜70分間、加熱処理を行えばよい。
得られた樹脂パターンの厚みは、上記の乾燥後の感光層の厚みと同じであり、下限として、10μm以上、30μm以上、50μm以上、70μm以上、100μm以上、100μm超、又は、150μm以上から適宜選択すればよく、上限として500μm以下、300μm以下、又は、250μm以下から適宜選択すればよい。樹脂パターンの厚みは、用途に応じて上記の範囲から適宜選択すればよく、電子部品等に用いる場合は、下限として70μm以上、100μm超、又は、150μm以上から適宜選択すればよく、上限として500μm以下、300μm以下、又は、250μm以下から適宜選択すればよい。
[積層体]
本実施形態の積層体は、本実施形態の感光性樹脂組成物の硬化物を備えるものであり、例えば、上記の硬化物の製造方法に用いられる基板、感光性樹脂フィルムのキャリアフィルム等の各種支持体の上に該硬化物を備えるものが挙げられる。本実施形態の感光性樹脂組成物の硬化物は、例えば、上記の本実施形態の硬化物の製造方法により形成することができる。
本実施形態の積層体における硬化物の厚みは、下限として10μm以上、30μm以上、50μm以上、70μm以上、100μm以上、100μm超、又は、150μm以上から適宜選択すればよく、上限として500μm以下、300μm以下、又は、250μm以下から適宜選択すればよい。硬化物の厚みは、用途に応じて上記の範囲から適宜選択すればよく、電子部品等に用いる場合は、下限として70μm以上、100μm超、又は、150μm以上から適宜選択すればよく、上限として500μm以下、300μm以下、又は、250μm以下から適宜選択すればよい。
上記の硬化物の製造方法により得られた基板上に設けられた硬化物は、本実施形態の感光性樹脂組成物を用い、例えば、70μm以上という厚い感光層でも優れたパターン形成性が得られるため、例えば、電子機器の小型化及び高性能化の流れに伴い、基板上に厚い硬化物をより精細なパターンで設けることを要する電子回路基板に関する要望に対して、対応することが可能である。また、例えば、電子回路基板の製造におけるメッキ処理工程において、本実施形態の感光性樹脂組成物により形成した硬化物を絶縁膜として用いることで、配線間の短絡による歩留まりの低下を抑制することができる。
よって、本実施形態の積層体は、例えば、携帯電話等のモバイル端末における電子回路基板などの電子部品として用いられる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本実施態様の目的及び利点をより具体的に説明するが、本実施態様は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜7、比較例1〜4)
表1に示す配合組成に従って組成物を配合し、3本ロールミルで混練し感光性樹脂組成物を調製した。固形分濃度が60質量%になるようにN,N−ジメチルアセトアミドを加えて、感光性樹脂組成物を得た。
次に、上記で得られた感光性樹脂組成物を用いて、下記に示す条件で各評価を行った。評価結果を表1に示す。
[感光性樹脂フィルムの作製]
厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人株式会社製、商品名:A−4100)をキャリアフィルムとし、該キャリアフィルム上に、実施例及び比較例の樹脂組成物を、乾燥後の厚みが50μmとなるように均一に塗布した。次いで、熱風対流式乾燥機を用いて100℃で15分間加熱して乾燥することにより感光層を形成し、キャリアフィルムと感光層とを有する感光性樹脂フィルムを作製した。
[吸光度の測定]
上記感光性樹脂フィルムについて、感光層の厚み(乾燥後の厚み)50μmにおける、波長365nmの光に対する吸光度を測定した。具体的には、紫外可視分光光度計(製品名:「U−3310 Spectrophotometer」、株式会社日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、波長365nmの吸光度(Abs)を測定した。リファレンスには、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム単体を用いた。測定結果を表1に示す。
[パターン形成性の評価]
ガラスエポキシ基板(MCL−E−679F(商品名、日立化成株式会社製)の銅をエッチングして得たもの)上に、感光性樹脂フィルムの感光層が該ガラスエポキシ基板に接するように積層し、キャリアフィルムを除去した。積層は、ラミネータを用いて60℃にて行った。同様の方法で、基板上に積層された感光層上に、感光性樹脂フィルムの感光層を積層し、これを3回繰り返した。最後はキャリアフィルムを残すことで、ガラスエポキシ基板上に厚み200μmの感光層とキャリアフィルムとを備える積層体を得た。
積層体のキャリアフィルム上に、露光部として図1に示すパターン形状を有する解像度評価用マスク(ライン幅は、5μm、8μm、10μm、15μm、20μm、25μmの6種類、ラインスペースは50μm、80μm、100μm、150μmの4種類)を用いて、直描式露光装置(オルボテック製)にて露光した。この際、積層体を4つの領域に分けて、4つの領域を異なる露光量(300、500mJ/cm)で、波長365nm(i線)の光で露光した。露光後のサンプルは、90℃のホットプレート上で、1分間の露光後加熱を行った。
その後、キャリアフィルムを除去し、現像液(シクロペンタノン)に20分間浸漬することで現像した。現像後のパターンを室温にて30分間乾燥させ、金属顕微鏡を用いて観察することで、パターン形成性を評価した。評価は、下記の基準で行った。ここで、形成可能とは、未露光部が除去され、ライン部分(露光部)に倒れ等の不良がないことを意味する。評価結果を表1に示す。
A:5〜10μmのライン幅で形成可能であった。
B:5〜10μmのライン幅で形成できなかったが、15〜20μmのライン幅で形成可能であった。
C:20μm以下のライン幅で形成できなかった、又は、現像後に感光層が剥離した。
[タック性の評価]
上記感光性樹脂フィルムの作製に際して、感光性樹脂組成物の塗布後のフィルムについて、拇指タック試験を行った。べたつきが感じられない場合をAとし、べたつきが感じられる場合をCと評価した。
表1中の各材料の詳細は以下のとおりである。
[(A)成分]
・UN−954:ウレタンアクリレート(根上工業株式会社製、商品名、官能基数:6、重量平均分子量(Mw):4500)
・HCON−007:ウレタンアクリレート(根上工業株式会社製、商品名、官能基数:8、重量平均分子量(Mw):8500)
[(B)成分]
・EHPE3150:脂環式エポキシ化合物(株式会社ダイセル製、商品名、重量平均分子量(Mw):2400、エポキシ当量:170〜190g/eq、軟化点:70〜90℃)
[(C)成分]
・A−9300:イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジアクリレート(新中村化学工業株式会社製、上記式(7−1)で表される化合物、分子量:423)
・UN−3320HA:ウレタンアクリレート(根上工業株式会社製、商品名、官能基数:6、重量平均分子量(Mw):1500)、脂環式アクリレートとの混合物
・TMCH−5R:ウレタンアクリレート(日立化成株式会社製、商品名、官能基数:2、重量平均分子量(Mw):950、分子内にアクリロイル基(光重合性官能基)、ウレタン結合(炭素−窒素結合)、鎖状炭化水素骨格、及び脂環式炭化水素骨格を有する化合物。)
[(D)成分]
・L−TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドである「IRGACURE−TPO」(BASF社製、商品名)
・I−184:1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンである「IRGACURE−184」(BASF社製、商品名)
[(E)成分]
・KBM−803:3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製)
表1から明らかであるように、実施例1〜7の感光性樹脂組成物は、優れたパターン形成性を有する。

Claims (18)

  1. (A)成分:光重合性官能基及び炭素−窒素結合を有する高分子量体と、(B)成分:エポキシ基を有する化合物と、(C)成分:光重合性官能基を有する低分子量体と、(D)成分:光重合開始剤と、を含有し、(A)成分と(B)成分の固形分比が(A)成分:(B)成分=7:3〜9.5:0.5である感光性樹脂組成物。
  2. 前記光重合性官能基が(メタ)アクリロイル基を含む、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記炭素−窒素結合としてウレタン結合を有する、請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記(A)成分が、鎖状炭化水素骨格、脂環式骨格、及び芳香環骨格からなる群から選ばれる少なくとも1種の骨格を更に有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記(B)成分が、脂環式エポキシ化合物である請求項1〜4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記(B)成分が、3つ以上のエポキシ基を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 前記(B)成分の軟化点が、40〜100℃である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 前記(C)成分が、(C1)成分:イソシアヌル環を有する低分子量体及び/又は(C2)成分:ウレタン結合を有する低分子量体を含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  9. 前記(D)成分が、下記一般式(10)で表される化合物又は下記一般式(11)で表される化合物を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。

    [一般式(10)中、R12、R13及びR14は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数1〜8のアルコキシ基を示し、R15及びR16は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリール基を示す。水素原子以外のR12〜R16は、各々置換基を有していてもよい。]

    [一般式(11)中、R17は、水酸基、炭素数1〜8のアルコキシ基、又はアミノ基を示し、R18及びR19は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、又は炭素数6〜12のアリール基を示す。R18とR19は、互いに結合して、炭素数3〜16の環状構造を形成していてもよい。水酸基及び水素原子以外のR17〜R19は、各々置換基を有していてもよく、置換基を有するアミノ基は、置換基同士が互いに結合して、炭素数3〜12の環状構造を形成していてもよい。
    20は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基、メルカプト基、又は酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選ばれる1種以上を含んでいてもよい炭素数1〜10の有機基を示す。]
  10. (E)成分:シラン化合物、を更に含有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  11. 前記(E)成分が、チオール基を有するシラン化合物を含有する、請求項10に記載の感光性樹脂組成物。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を用いた感光層を有する、感光性樹脂フィルム。
  13. 基板上に、請求項1〜11のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物、又は請求項12に記載の感光性樹脂フィルムを用いて感光層を設ける工程、該感光層の少なくとも一部に活性光線を照射して、光硬化部を形成する工程、及び、該感光層の光硬化部以外の少なくとも一部を除去し、樹脂パターンを形成する工程を順に有する、硬化物の製造方法。
  14. 更に、前記樹脂パターンを加熱処理する工程を有する、請求項13に記載の硬化物の製造方法。
  15. 前記樹脂パターンの厚みが、70μm以上300μm以下である、請求項13又は14に記載の硬化物の製造方法。
  16. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の硬化物を備える積層体。
  17. 前記硬化物の厚みが、70μm以上300μm以下である請求項16に記載の積層体。
  18. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の硬化物を備える電子部品。
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