JP6895623B2 - ヨウ素化合物の除去方法 - Google Patents
ヨウ素化合物の除去方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6895623B2 JP6895623B2 JP2017029581A JP2017029581A JP6895623B2 JP 6895623 B2 JP6895623 B2 JP 6895623B2 JP 2017029581 A JP2017029581 A JP 2017029581A JP 2017029581 A JP2017029581 A JP 2017029581A JP 6895623 B2 JP6895623 B2 JP 6895623B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- iodine
- gas
- iodine compound
- aqueous solution
- hydroxide
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Treating Waste Gases (AREA)
- Physical Vapour Deposition (AREA)
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
Description
しかしながら、ヨウ化水素、フッ化ヨウ素は刺激性であり、使用済のヨウ化水素またはフッ化ヨウ素を含むガスを大気中に排出する際は、ヨウ化水素、フッ化ヨウ素を除去する必要がある。
(A)固体除去剤を用いる乾式除去法に比べ、被除去ガスを含むガスから、被除去ガスを除去する際に、単位時間当たりのガスの処理量に対する発熱が少ない。
(B)被除去ガスの吸収による液体除去剤の発熱を水の気化熱を利用して除熱すること、または熱交換器により除熱することができる。
(C)液体除去剤は、ポンプ等で容易に交換することができる。
(D)乾式除去剤と比較し、液体除去剤の交換が簡便である。
[発明1]
気液接触装置を用い、式(1)で表されるヨウ素化合物を含むガスを塩基性水溶液に接触させてヨウ素化合物を除去する、ヨウ素化合物の除去方法。
気液接触装置が充填剤を充填した充填塔である、発明1のヨウ素化合物の除去方法。
[発明3]
前記接触を向流接触で行う、発明2のヨウ素化合物の除去方法。
[発明4]
前記ヨウ素化合物がフッ化水素(HI)、五フッ化ヨウ素(IF5)、または七フッ化ヨウ素(IF7)である、発明1〜3のいずれか1項に記載のヨウ素化合物の除去方法。
[発明5]
前記塩基性水溶液が含む塩基性物質がアルカリ金属水酸化物であり、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウムおよび水酸化セシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である、発明1〜4のヨウ素化合物の除去方法。
[発明6]
前記塩基性水溶液が含む塩基性物質がアルカリ土類金属水酸化物であり、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウムまたは水酸化バリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である、発明1〜4のヨウ素化合物の除去方法。
[発明7]
塩基性水溶液中の塩基性物質の濃度が、質量%で表わして0.0001%以上、10%以下である、発明1〜6のヨウ素化合物の除去方法。
[発明8]
前記塩基性水溶液が、さらに還元性物質を含む塩基性水溶液である、発明1〜7のヨウ素化合物の除去方法。
[発明9]
還元性物質が、チオ硫酸塩または亜硫酸塩である、発明8のヨウ素化合物の除去方法。
[発明10]
前記水溶液中の還元性物質の含有量が0.0001質量%以上、10質量%以下である、発明8または発明9のヨウ素化合物の除去方法。
[発明11]
前記水溶液の温度が10℃以上、60℃以下である、発明1〜10のヨウ素化合物の除去方法。
[発明12]
前記ヨウ素化合物が、五フッ化ヨウ素(IF5)または七フッ化ヨウ素(IF7)であり、
前記塩基性水溶液が、還元性物質を含む塩基性水溶液である、発明1のヨウ素化合物の除去方法。
被除去ガスとしてのヨウ化水素、五フッ化ヨウ素または七フッ化ヨウ素を含むガスを水に接触させた際、固体のヨウ素が析出し配管や装置の内壁に付着する原因として、
水中で強い酸化剤であるヨウ素酸イオン、具体的にはIO3 −、IO4 −およびIO6 5−等が発生し、例えば、以下の化学平衡式による、固体ヨウ素が析出すると推測された。
本発明のヨウ素化合物の除去方法においては、水ではなく、塩基性水溶液を用いたことで、意外なことに固体ヨウ素の析出が見られなくなった。このことは、以下の式に示す様にヨウ素酸イオン(IO3 −)が固体ヨウ素を介さない化学平衡状態をとるので、固体ヨウ素の析出が起きないと推測される。
本発明のヨウ素化合物の除去方法において、塩基性水溶液に還元性物質を添加することによって、さらに、ヨウ素化合物を含むガスを塩基性水溶液に接触させてヨウ素化合物を除去する効果を高めることができる。具体的には、本明細書の実施例に示す様に、塩基性水溶液にチオ硫酸ナトリウムまたは亜硫酸ナトリウムを添加することによって、添加しない場合は出口ヨウ素化合物の濃度が500体積ppmであったものが、0.5体積ppm以下に低減された。
本発明のヨウ素化合物ガスの除去方法は、気体のヨウ素化合物としてのヨウ化水素またはフッ化ヨウ素を含むガスを、塩基性水溶液に接触させてヨウ素化合物を除去するものである。フッ化ヨウ素としては、一フッ化ヨウ素(IF)、三フッ化ヨウ素(IF3)、五フッ化ヨウ素(IF5)および七フッ化ヨウ素(IF7)からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。本発明のヨウ素化合物ガスの除去方法において除去の対象となるガスは、好ましくは、フッ化水素(HI)、五フッ化ヨウ素(IF5)および七フッ化ヨウ素(IF7)であり、特に好ましくは、七フッ化ヨウ素(IF7)である。
本発明のヨウ素化合物の除去方法に用いる塩基性物質としては、アルカリ金属水酸化物やアルカリ土類金属水酸化物を挙げることができる。アルカリ金属水酸化物としては、具体的には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウムまたは水酸化セシウムを例示することができる。アルカリ土類金属水酸化物としては、具体的には、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウムまたは水酸化バリウムを例示することができる。本発明のヨウ素化合物の除去方法に用いる塩基性物質は、これら塩基性物質のいずれか1種類以上を含めばよい。水に対する溶解度が大きいことより、アルカリ金属水酸化物が好ましく、好ましくは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウムまたは水酸化セシウムである。
本発明のヨウ素化合物の除去方法に用いる還元性物質の種類としては、塩基性水溶液中で塩基性物質よりも還元力が強い物質を挙げることができる。このような物質として、二酸化硫黄、一酸化炭素、アンモニア、ぎ酸塩、次亜りん酸塩、亜りん酸、ホルムアルデヒド、亜硫酸塩またはチオ硫酸塩を挙げることができる。また、これら還元性物質は1種類でもよく、複数の種類を併用して用いてもよい。化学的安定性が高い、毒性が低く有毒な反応生成物が発生しない、還元性物質の溶解度が大きいおよび安価であることより、好ましくはチオ硫酸塩または亜硫酸塩である。
本発明のヨウ素化合物の除去方法において、除去剤としての塩基性水溶液に、気体のヨウ素化合物を含むガスを連続的に気液接触させる場合、除熱することが好ましい。該除去剤とガスが含むヨウ素化合物の組み合わせによって発熱量は異なる。装置からの放熱や水の気化熱で除熱し、塩基性物質の水溶液の温度上昇を防ぐことが好ましい。
本発明のヨウ素化合物の除去方法において用いることのできる気液接触装置としては、撹拌槽、気泡塔、棚段塔、スプレー塔または充填塔を用いることができる。これら気液接触装置の中でも気液の接触効率がよい充填塔を用いて、気体のヨウ素化合物と塩基性水溶液を接触させることが好ましい。なお、本発明において、充填塔とは、塔の中に気液の接触面積を大きくとるための充填物を配置した装置であり、充填物の表面上で気液接触を行うための装置である。充填塔には気体のヨウ素化合物と塩基性水溶液を逆方向に流し接触させる向流接触式、または同方向に流し接触させる並流接触式があるが、好ましくは、気液の接触効率がよい向流接触である。
気液接触装置に充填塔を用いることで、下記の実施例1〜18に示す様に、充填塔出口ヨウ化化合物ガスの濃度が500体積ppm以下に低減された。
参考例1〜6、比較例1(ヨウ化水素の除去)
参考例1〜6においては、除去剤として塩基性物質である水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムの水溶液を用い、参考例1、2、5においては、さらに還元性物質としてチオ硫酸ナトリウムまたは亜硫酸ナトリウムを加えた。比較例1は、除去剤として塩基性物質を用いることなく、水のみを用いた。参考例1〜6、および比較例1において、ヨウ化水素を除去した際の除去剤の組成と評価結果を以下の表1に示す。
実施例7、8、11、参考例7〜9においては、除去剤として塩基性である水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムの水溶液を用い、実施例7、8、11においては、さらに還元性物質としてチオ硫酸ナトリウムまたは亜硫酸ナトリウムを加えた。比較例2は、除去剤として塩基性物質を用いることなく、水のみを用いた。実施例7、8、11、参考例7〜9、および比較例2において、五フッ化ヨウ素を除去した際の除去剤の組成と評価結果を以下の表2に示す。
実施例13、14、17、参考例10〜12においては、除去剤として塩基性物質である水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムの水溶液を用い、実施例13、14、17においては、さらに還元性物質としてチオ硫酸ナトリウムまたは亜硫酸ナトリウムを加えた。比較例3は、除去剤として塩基性物質を用いることなく、水のみを用いた。実施例13、14、17、参考例10〜12、および比較例3において、七フッ化ヨウ素を除去した際の除去剤の組成と、評価結果を以下の表3に示す。
2:塩基性水溶液
3:液釜
4:送液ポンプ
5:流量計
6:マスフローコントローター
7:(充填塔の)入口
8:(充填塔の)出口
Claims (12)
- 気液接触装置を用い、液体除去剤に被除去ガスを吸収させて除去する湿式除去法において、
前記被除去ガスが、五フッ化ヨウ素(IF 5 )または七フッ化ヨウ素(IF 7 )から選ばれる少なくとも1種を含むヨウ素化合物ガスあり、
前記液体除去剤が、ヨウ素酸イオン(IO 3 −)を還元する還元性物質と、塩基性物質とを含む塩基性水溶液であり、
前記ヨウ素化合物ガスと前記塩基性水溶液とを接触させて、固体ヨウ素を析出させることなく、前記ヨウ素化合物ガスを前記塩基性水溶液に溶解させて除去する、ヨウ素化合物の除去方法。 - 前記気液接触装置が充填剤を充填した充填塔である、請求項1に記載のヨウ素化合物の除去方法。
- 前記気液接触を向流接触で行う、請求項2に記載のヨウ素化合物の除去方法。
- 前記ガスは、エッチングガスまたはクリーニングガスとして用いられ、使用済で大気中に排気されるガスである、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のヨウ素化合物の除去方法。
- 前記塩基性物質がアルカリ金属水酸化物であり、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウムおよび水酸化セシウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のヨウ素化合物の除去方法。
- 前記塩基性物質がアルカリ土類金属水酸化物であり、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウムまたは水酸化バリウムからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のヨウ素化合物の除去方法。
- 前記塩基性物質の濃度が、質量%で表わして0.0001%以上、10%以下である、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のヨウ素化合物の除去方法。
- 前記還元性物質が、チオ硫酸塩または亜硫酸塩である、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のヨウ素化合物の除去方法。
- 前記還元性物質の含有量が0.0001質量%以上、10質量%以下である、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のヨウ素化合物の除去方法。
- 前記ヨウ素化合物ガスを接触させる際の前記塩基性水溶液の温度が10℃以上、60℃以下である、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のヨウ素化合物の除去方法。
- 前記気液接触装置内の前記ヨウ素化合物および塩基性水溶液が接触する部位が、フッ素樹脂によって樹脂ライニングされたものである、請求項1乃至請求項10のいずれかに記載のヨウ素化合物の除去方法。
- 前記充填剤がフッ素樹脂製である、請求項2に記載のヨウ素化合物の除去方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017029581A JP6895623B2 (ja) | 2017-02-21 | 2017-02-21 | ヨウ素化合物の除去方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017029581A JP6895623B2 (ja) | 2017-02-21 | 2017-02-21 | ヨウ素化合物の除去方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018134571A JP2018134571A (ja) | 2018-08-30 |
JP6895623B2 true JP6895623B2 (ja) | 2021-06-30 |
Family
ID=63365020
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017029581A Active JP6895623B2 (ja) | 2017-02-21 | 2017-02-21 | ヨウ素化合物の除去方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6895623B2 (ja) |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006130499A (ja) * | 2004-10-07 | 2006-05-25 | Japan Pionics Co Ltd | 排ガスの処理方法及び処理装置 |
JP5471313B2 (ja) * | 2008-12-11 | 2014-04-16 | セントラル硝子株式会社 | 三フッ化塩素の除害方法 |
FR2940920B1 (fr) * | 2009-01-12 | 2011-10-21 | Inst Francais Du Petrole | Procede d'elimination d'impuretes soufrees, azotees et halogenees contenues dans un gaz de synthese |
JP5771896B2 (ja) * | 2009-02-09 | 2015-09-02 | セントラル硝子株式会社 | フッ化ヨウ素の除害方法 |
JP2013539717A (ja) * | 2010-09-15 | 2013-10-28 | ソルヴェイ(ソシエテ アノニム) | ガスからのf2および/またはof2の除去方法 |
JP2016019964A (ja) * | 2014-07-16 | 2016-02-04 | セントラル硝子株式会社 | ハイポフルオライトの湿式除去方法 |
-
2017
- 2017-02-21 JP JP2017029581A patent/JP6895623B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018134571A (ja) | 2018-08-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR102616989B1 (ko) | 할로겐 불화물의 제거 방법 및 할로겐 불화물 혼합가스 중의 함유 가스 성분의 정량 분석 방법, 정량 분석 장치 | |
WO2017094418A1 (ja) | フッ素元素を含有する排ガスの処理方法 | |
JP6895623B2 (ja) | ヨウ素化合物の除去方法 | |
WO2017094417A1 (ja) | フッ素元素を含有する排ガスの処理方法 | |
JP5471313B2 (ja) | 三フッ化塩素の除害方法 | |
KR100830843B1 (ko) | 알칼리용융염을 이용한 할로겐화 휘발성 유기화합물의처리방법 | |
CN112206642A (zh) | 废气处理方法 | |
JP2016019964A (ja) | ハイポフルオライトの湿式除去方法 | |
US20230322650A1 (en) | Halon purification method | |
JP2009136709A (ja) | ClO3Fの除去方法 | |
JP2728926B2 (ja) | 窒素弗化物含有排ガスの処理方法 | |
JP4751091B2 (ja) | 排ガスの処理方法 | |
JPH11128676A (ja) | 有害ガスの浄化方法 | |
JPH062214B2 (ja) | フッ素ガスの除去方法 | |
JP2006043536A (ja) | 窒素化合物の分解方法 | |
JP2002045646A (ja) | 三弗化窒素ガスの除害方法及び除害装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20190709 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20191122 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20200907 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200929 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20201124 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20201215 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210506 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210519 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6895623 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |