JP6894247B2 - Pcグラウトの再注入工法及びpcグラウトの練混方法 - Google Patents

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Description

本発明は、既設PC構造物の内部に設けられたシース管にPCグラウトを再注入するPCグラウトの再注入工法及びPCグラウトの練混方法に関する。
PC(プレストレストコンクリート)構造物において、PC鋼材の腐食要因物質からの保護と、コンクリート部材とPC鋼材との一体化を図るために、PC鋼材が挿入されたシース管内にPCグラウトが充填される。
過去に施工されたPC構造物では、PCグラウトの充填不良が発生することが確認されている。この充填不良の主な原因は、シース管の変形や破損、コンクリート打設時にシース管内に侵入して硬化したセメントペースト(いわゆるノロ)によって注入が阻害されること、シース管に設ける排気孔が適切でない場合にシース管内に空気が残留すること、PCグラウトのブリーディングが発生することなどである。即ち、PCグラウトに関する基準、材料、施工、管理、検査等が十分なものではなかったことがPCグラウトの充填不良を発生させた原因である。したがって,このような充填不良が発生した場合には、PC鋼材の腐食の保護やコンクリート部材とPC鋼材との一体化を図ることができなくなるため、PCグラウトを既設のPC構造物のシース管内に再注入して補修することとなる。しかしながら、再注入では既設PCグラウト等の存在によって狭隘な空間に充填しなければならない場合が多く、シース管内に再注入するPCグラウトは、シース管内でのさらなる充填不良の防止、狭隘な空間へのPCグラウトの充填性を向上する観点から、流動性を高くする必要がある。
PCグラウトの流動性を高くするためには、水粉体比を高くしたり、減水剤を添加する等の対策がとられるものの、水粉体比を高くする対策は、PCグラウトのブリーディング量の増加、単位水量の増加、耐久性の低下が問題となり、減水剤を添加する対策は、コストの増加を招くこととなる。
また、シース管内に再注入するPCグラウトは現場で練り混ぜられるものの、時間の経過に伴って流動性が低下するものである。流動性が低下した場合には、このPCグラウトは破棄処分されて、新たなPCグラウトを練り混ぜる必要があるため、コストの増加を招くだけでなく、工程遅延が生じることとなる。
したがって、シース管内に再注入するPCグラウトは、上記理由や施工に手間を要するため、所定の流動性を確保しながら、所定の流動性を確保できる時間、いわゆる可使時間を延長することができるものが求められている。
従来、ブリーディング量を低減することを目的として、特許文献1に開示されるセメント系硬化材の練混方法や、特許文献2に開示されるコンクリートの製造方法が提案されている。
特許文献1に開示されるセメント系硬化材の練混方法は、セメントに一次水を添加して水セメント比17〜32%になるようにし、これには0.5〜5%の減水剤を使用して一次混練し、この後二次水を添加して合計水セメント比が28〜45%となるように二次混練してペースト状としてなることを特徴とする。これにより、特許文献1に開示されるセメント系硬化剤の練混方法は、ブリーディング量を低減することが可能とされている。
しかしながら、特許文献1に開示されるセメント系硬化剤の練混方法は、既設PC構造物の内部に設けられたシース管内に再注入するためのものでもなければ、可使時間を延長することにつき、何ら記載も示唆もされていない。
特許文献2に開示されるコンクリートの製造方法は、セメント、細骨材および一次水を混練してモルタルを作製する一次混練工程と、該モルタルに粗骨材および二次水を投入してコンクリートを混練する二次混練工程とを含む、ことを特徴する。これにより、特許文献2に開示されるコンクリートの製造方法は、ブリーディング量を低減することが可能とされている。
しかしながら、特許文献2に開示されるコンクリートの製造方法は、あくまでセメントペーストに細骨材や粗骨材と共に練り混ぜるコンクリートに適用されるものであって、既設PC構造物の内部に設けられたシース管内に再注入するために用いられるものではない。また、特許文献2に開示されるコンクリートの製造方法は、フレッシュ時(練り混ぜ直後)のコンクリートの流動性を維持するものの、可使時間を延長することにつき、何ら記載も示唆もされていない。
特開平7−112429号公報 特開2014−136424号公報
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、既設PC構造物の内部に設けられたシース管に再注入するPCグラウトの充填不良を防止することが可能となり、可使時間を延長することが可能となるPCグラウトの再注入工法及びPCグラウトの練混方法を提供することにある。
第1発明に係るPCグラウトの再注入工法は、既設PC構造物の内部に設けられたシース管にPCグラウトを再注入するPCグラウトの再注入工法であって、粉体のPCグラウトと一次水とを練り混ぜる一次練混工程と、前記一次練混工程により練り混ぜた前記PCグラウトに、全配合水量から前記一次水を除いた二次水を加えて、これらを練り混ぜる二次練混工程と、前記二次練混工程により練り混ぜた前記PCグラウトを既設PC構造物の
内部に設けられたシース管に再注入する再注入工程とを備え、前記一次練混工程では、粉体のPCグラウトと前記一次水とをミキサーにより所定の回転速度で練り混ぜ、前記二次練混工程では、前記一次練混工程により練り混ぜた前記PCグラウトと前記二次水とを、前記ミキサーにより、前記一次練混工程における前記回転速度以上にして練り混ぜることを特徴とする。
第2発明に係るPCグラウトの再注入工法は、第1発明において、前記一次練混工程では、前記全配合水量に対して40%以上の前記一次水と前記PCグラウトとを練り混ぜることを特徴とする。
発明に係るPCグラウトの練混方法は、既設PC構造物の内部に設けられたシース管に再注入するためのPCグラウトの練混方法であって、粉体のPCグラウトと一次水とを練り混ぜる一次練混工程と、前記一次練混工程により練り混ぜた前記PCグラウトに、全配合水量から前記一次水を除いた二次水を加えて、これらを練り混ぜる二次練混工程とを備え、前記一次練混工程では、粉体のPCグラウトと前記一次水とをミキサーにより所定の回転速度で練り混ぜ、前記二次練混工程では、前記一次練混工程により練り混ぜた前記PCグラウトと前記二次水とを、前記ミキサーにより、前記一次練混工程における前記回転速度以上にして練り混ぜることを特徴とする。
本発明によれば、既設PC構造物の内部に設けられたシース管に再注入するPCグラウトの充填不良を防止することが可能となり、可使時間を延長することが可能となる。
本発明を適用したPCグラウトの再注入工法が実施される橋梁の主桁を示す斜視図である。 本発明を適用したPCグラウトの再注入工法が実施される橋梁の主桁を示す側面図と、その部分拡大図である。 (a)は、本発明を適用したPCグラウトの再注入工法に用いられる一次ミキサーの先端部分を示す斜視図であり、(b)は、その平面図である。 本発明を適用したPCグラウトの再注入工法に用いられる一次ミキサーによりPCグラウトを練り混ぜる状態を示す図である。 (a)は、本発明を適用したPCグラウトの再注入工法に用いられる二次ミキサーの先端部分を示す斜視図であり、(b)は、その平面図である。 本発明を適用したPCグラウトの再注入工法に用いられる二次ミキサーによりPCグラウトを練り混ぜる状態を示す図である。 注水からの経過時間とフローの関係をプロットした図である。 注水からの経過時間と流下時間の関係をプロットした図である。
以下、本発明を適用したPCグラウトの再注入工法及びPCグラウトの練混方法を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明を適用したグラウトの再注入工法は、主に、既設PC構造物に用いられるものであり、図1に示すように、例えば、ポストテンション方式によって構築された橋梁7の主桁71を既設PC(プレストレストコンクリート)構造物として、既設の主桁71の内部に新たなPCグラウト5を再注入するものである。
主桁71は、橋梁7の床版72を下方から支持するものとして、橋長方向Xに延びて設けられる。主桁71は、図2に示すように、橋長方向Xに延びる複数のシース管2が内部に設けられ、シース管2の管内2aにPC鋼材が緊張材3として設けられる。
シース管2は、主桁71の内部で下方に向けて湾曲させて設けられ、緊張材3となるPC鋼材に引張力が付与された状態で、主桁71の両端部にPC鋼材が拘束されるものとなることによって、プレストレストコンクリートとして主桁71が構築されるものとなる。
緊張材3は、既設の主桁71の内部において、シース管2の管内2aに設けられた状態で、シース管2の管内2aに既存PCグラウト8が注入されることによって、長期間に亘る防食防錆が図られているが、従来の充填方法で充填された既存PCグラウト8は、シース管2の管内2aで十分に充填されないものとなり、空隙8aが形成されるものとなっている。
空隙8aは、既設の主桁71の内部において、シース管2の管内2aに形成されるものであり、この空隙8aに雨水や融雪剤の塩化物等が浸入することによって、緊張材3となるPC鋼材の長期間に亘る防食防錆を不十分なものとする原因になる。また、空隙8aを有する場合、コンクリート部材とPC鋼材との一体化が不十分なものとなり、既設PC構造物の耐力低下の原因になる。このとき、本発明を適用したPCグラウトの再注入工法は、この空隙8aに新たなPCグラウト5を十分に再注入して、緊張材3となるPC鋼材の長期間に亘る防食防錆と、コンクリート部材とPC鋼材との一体化とを確実なものとするために用いられるものとなる。
本発明を適用したPCグラウトの再注入工法では、先ず、本発明を適用したPCグラウトの練混方法が用いられる。
本発明を適用したPCグラウトの練混方法では、先ず、粉体のPCグラウト5と一次水とを一次ミキサー61により練り混ぜる一次練混工程を行う。
粉体のPCグラウト5は、例えば、所望の流動性に応じて高粘性型、低粘性型、超低粘性型として市販されているセメント系材料が用いられる。PCグラウト5は、セメント系材料及び水により構成されるいわゆるプレミックスタイプであってもよいし、セメント系材料、水及びグラウト混和剤とにより構成されるいわゆる混和剤タイプであってもよい。グラウト混和剤は、例えば、高性能減水剤、増粘剤、消泡剤、収縮低減剤、分離抑制剤等を1種又は2種以上組み合わせて用いられる。なお、粉体のPCグラウト5は、上記に限らず、セメント系材料として市販されているポルトランドセメント、混合セメント及びエコセメント等であってもよい。
一次水は、例えば、水道水が用いられるが、セメント硬化体の強度や流動性等の物性に悪影響を与えないものであれば用いることができ、水道水以外に、例えば、下水処理水、及び生コンクリートの上澄水等であってもよい。なお、一次水は、高性能AE減水剤、高性能減水剤、AE減水剤等の減水剤が所定量の添加されるものであってもよい。
一次ミキサー61は、ハンドミキサーが用いられ、図3に示すように、軸61aに一次回転翼61bが設けられる。一次回転翼61bは、軸61aを中心に所定の回転速度で回転するものであり、半円弧状に湾曲された金属棒が複数本(図示では3本)軸61aの先端に等間隔で取り付けられている。一次ミキサー61は、一次練混工程での練り混ぜ量が例えば20リットルより多い場合には、回転速度が1000rpm以上のものが望ましいが、一次練混工程での練り混ぜ量が例えば20リットル程度の場合には、回転速度が300rpm〜1000rpm程度としてもよい。
なお、一次ミキサー61は、ハンドミキサーではなく、市販のグラウトミキサーが用いられてもよく、このとき一次水とPCグラウトとが十分に練り混ぜられるように所定の回転速度に設定される。
一次練混工程では、例えば、練り混ぜ時間が60秒以上120秒以下、好ましくは90秒〜100秒、一次水と粉体のPCグラウト5とを練り混ぜる。一次練混工程では、練り混ぜ時間が60秒より少ないと、一次水と粉体のPCグラウト5とが十分に練り混ぜられないこととなる。また、一次練混工程では、練り混ぜ時間が120秒より多いと、工程遅延が生じることとなる。
一次練混工程では、全配合水量に対して40%(質量%)以上の一次水と粉体のPCグラウト5とを練り混ぜて、水粉体比を13%〜40%にする。一次練混工程では、全配合水量に対して40%未満の一次水である場合には、粉体のPCグラウト5との一次水が十分に練り混ぜられないこととなる。
一次練混工程では、図4に示すように、一次ミキサー61における一次回転翼61bを回転させて、粉体のPCグラウト5と一次水とを練り混ぜたとき、PCグラウト5は塊体(いわゆるダマ)が形成される。その塊体に一次回転翼61bが接触することで、塊体がより小さな塊体となるように解砕されることになる。このため、一次練混工程によれば、粉体のPCグラウト5に形成される塊体が解砕されることで、粉体のPCグラウト5に一次水を満遍なく付着させることができる。
なお、一次練混工程では、一次水の注水直後においては、粉体のPCグラウト5に塊体が多くされていることから、一次回転翼61bを回転させにくい状態とされる。したがって、一次練混工程では、一次ミキサー61における一次回転翼61bの表面積を小さくして、PCグラウト5に接触する表面積を小さくすることが好ましい。これにより、一次練混工程によれば、一次回転翼61bを回転させたとき、一次回転翼61bと粉体のPCグラウト5との間に作用する抵抗を小さくすることができ、一次水の注水直後においても、一次回転翼61bを回転させやすくすることができる。その結果、粉体のPCグラウト5に形成される塊体をより解砕し易くすることが可能となる。
一次練混工程では、全配合水量に対して50%以上の一次水と粉体のPCグラウト5とを練り混ぜることで、塊体が解砕されたPCグラウト5間に一次水を介在させることとなり、練り混ぜを進めるにつれて一次回転翼61bを回転させやすくすることが可能となる。その結果、粉体のPCグラウト5に形成される塊体をより解砕し易くすることが可能となる。
次に、本発明を適用したPCグラウトの練混方法では、一次練混工程により練り混ぜたPCグラウト5に、全配合水量から一次水を除いた二次水を加えて、これらを二次ミキサー62により練り混ぜる二次練混工程を行う。
二次水は、例えば、水道水が用いられるが、セメント硬化体の強度や流動性等の物性に悪影響を与えないものであれば用いることができ、水道水以外に、例えば、下水処理水、及び生コンクリートの上澄水等であってもよい。なお、二次水は、高性能AE減水剤、高性能減水剤、AE減水剤等の減水剤が所定量添加されるものであってもよい。
二次ミキサー62は、ハンドミキサーが用いられ、図5に示すように、軸62aに二次回転翼62bが設けられる。二次回転翼62bは、軸62aを中心に所定の回転速度で回転するものであり、円形状に形成された金属板が用いられ、軸62aの先端に取り付けられる。
二次回転翼62bは、円形状の金属板の周方向に複数個所(図示では4箇所)に等間隔で円形状の大孔62cが形成され、大孔62cよりも径小の円形状の小孔62dが、隣接する大孔62cの間に複数個所(図示では4箇所)に形成される。また、二次回転翼62bは、円形状の金属板の周縁を、金属板の面外方向に向けて略垂直に折り曲げられた爪部62eが複数(図示では12箇所)形成される。二次回転翼62bは、隣接する爪部62e同士が互いに逆方向に向けて折り曲げられて形成される。なお、二次回転翼62bは、爪部62eが円形状の金属板の周縁を折り曲げて形成されるものでなく、円形状の金属板の周縁に溶接等により固定された金属片により形成されるものであってもよい。
二次ミキサー62は、二次回転翼62bの表面積を一次ミキサー61の一次回転翼61bの表面積よりも大きくすることが好ましい。
二次ミキサー62は、二次練混工程での練り混ぜ量が例えば20リットルより多い場合には、回転速度が1000rpm以上が好ましく、1300rpm程度であることがより好ましい。また、二次ミキサー62は、二次練混工程での練り混ぜ量が例えば20リットル程度の場合には、回転速度が300rpm〜1000rpm程度としてもよい。
なお、二次ミキサー62は、ハンドミキサーではなく、グラウトミキサーが用いられてもよく、このとき一次練混工程により練り混ぜたPCグラウト5と二次水とが十分に練り混ぜられるように所定の回転速度に設定される。
二次練混工程では、例えば、60秒以上120秒以下、好ましくは90秒〜100秒、一次練混工程により練り混ぜたPCグラウト5と二次水とを練り混ぜる。二次練混工程では、練り混ぜ時間が60秒より少ないと、一次練混工程により練り混ぜたPCグラウト5と二次水とが十分に練り混ぜられないこととなる。また、二次練混工程では、練り混ぜ時間が120秒より多いと、工程遅延が生じることとなる。
二次練混工程では、全配合水量から一次水を除いた二次水と一次練混工程で練り混ぜたPCグラウト5とを練り混ぜて、水粉体比を25%〜50%にする。
二次練混工程では、図6に示すように、一次練混工程により練り混ぜたPCグラウト5が小さな塊体に解砕された状態であるため、このPCグラウト5に二次水を十分に付着させることができる。このため、小さな塊体に解砕された状態のPCグラウト5間に二次水を介在させることとなり、PCグラウト5の流動性を高くすることができる。
なお、二次練混工程では、一次練混工程により練り混ぜたPCグラウト5が解砕された状態であるため、二次回転翼62bを回転させやすい状態とされる。したがって、二次練混工程では、二次回転翼62bの回転速度を一次練混工程で用いた一次回転翼61bの回転速度よりも大きくすることが好ましい。このとき、二次練混工程によれば、二次回転翼62bの回転速度を一次回転翼61bの回転速度よりも大きくすることで、二次回転翼62bが積極的に一次練混工程により練り混ぜたPCグラウト5に接触することとなり、このPCグラウト5の解砕がさらに促進される。このため、二次練混工程によれば、一次練混工程により練り混ぜたPCグラウト5に二次水を付着させる効果をより高めることができ、十分に練り混ぜを行うことが可能となる。その結果、PCグラウト5間に二次水を介在させることとなり、PCグラウト5の流動性を高くすることができる。
なお、二次練混工程では、一次練混工程で用いた一次ミキサー61とは異なる二次ミキサー62を用いて練り混ぜる形態について説明したが、一次練混工程と同一のミキサーを用いて練り混ぜてもよい。即ち、二次練混工程では、二次ミキサー62を用いるのではなく、一次練混工程で用いた一次ミキサー61を用いても練り混ぜてもよい。また、一次練混工程では、二次練混工程で用いた二次ミキサー62を用いて練り混ぜてもよい。仮に、一次練混工程と、二次練混工程とにおいて、同一のミキサーを用いた場合であっても、二次練混工程におけるミキサーの回転速度を、一次練混工程におけるミキサーの回転速度よりも大きくすることで、上述した作用効果を有することとなる。
また、二次練混工程では、二次回転翼62bの表面積を一次回転翼61bの表面積よりも大きくすることで、二次回転翼62bを回転させたとき、一次練混工程により練り混ぜたPCグラウト5に二次回転翼62bが積極的に接触することとなり、このPCグラウト5の解砕がさらに促進される。このため、二次練混工程によれば、一次練混工程により練り混ぜたPCグラウト5に二次水を付着させる効果をより高めることができ、十分に練り混ぜを行うことが可能となる。その結果、PCグラウト5の流動性を高くすることができる。
二次練混工程によれば、二次回転翼62bに大孔62c及び小孔62dが形成されることで、二次回転翼62bを回転させたとき、一次練混工程により練り混ぜたPCグラウト5にこの大孔62c及び小孔62dが積極的に接触することとなり、このPCグラウト5の解砕が促進される。このため、二次練混工程によれば、一次練混工程により練り混ぜたPCグラウト5に二次水を付着させる効果をより高めることができ、十分に練り混ぜを行うことが可能となる。その結果、PCグラウト5の流動性を高くすることができる。
二次練混工程によれば、二次回転翼62bの周縁に爪部62eが形成されることで、二次回転翼62bを回転させたとき、一次練混工程により練り混ぜたPCグラウト5がこの爪部62eに積極的に接触することとなり、このPCグラウト5の解砕が一層促進される。このため、二次練混工程によれば、一次練混工程により練り混ぜたPCグラウト5に二次水を付着させる効果をより高めることができ、十分に練り混ぜを行うことが可能となる。その結果、PCグラウト5の流動性を高くすることができる。
以上により、本発明を適用したPCグラウトの練混方法が完了する。
次に、本発明を適用したPCグラウトの再注入工法では、二次練混工程により練り混ぜたPCグラウトを既設PC構造物のシース管に再注入する再注入工程を行う。
再注入工程では、予めシース管2の管内2aで十分に充填されない既存PCグラウト8により形成された空隙8aに、二次練混工程により練り混ぜたPCグラウト5を自然流下、グラウトポンプ等で再注入する。
以上により、本発明を適用したPCグラウトの再注入工法が完了する。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
以下、本発明の実施例について説明する。
本発明例と比較例の配合を以下の表1に示す。粉体のPCグラウトは、セメント系材料として超低粘性型のプレミックスタイプである、ハイジェクター(登録商標)(Premix-AD)を用いた。一次水および二次水は、水道水を用いた。ここで、粉体のPCグラウトの質量をCとし、一次水の質量をW1とし、二次水の質量をW2とし、全水量の質量をWとする。なお、W=W1+W2である。
Figure 0006894247
本発明例は、粉体のPCグラウトと一次水とを水粉体比(W1/C)が21%となるように90秒間練り混ぜて一次練混工程を行った。一次練混工程では、一次ミキサー61により300rpmで練り混ぜた。そして、一次練混工程で練り混ぜたPCグラウトと二次水とを水粉体比(W/C)が36%となるように90秒間練り混ぜて二次練混工程とを行った。二次練混工程では、二次ミキサー62により1300rpmで練り混ぜた。
比較例は、ハイジェクターと所定量の水とを水粉体比(W/C)が36%となるように180秒間練り混ぜたPCグラウトである。この比較例は、市販のハンドミキサーにより1300rpmで練り混ぜた。
本発明例及び比較例において、JASS15 M-103に基づき、フローを測定した。表2は、フローの測定結果と、注水からの経過時間との関係を示す。また、図7は、横軸に注水からの経過時間を示し、縦軸に本発明例及び比較例のフローを示し、注水からの経過時間とフローの関係をプロットした図である。なお、フローの値が大きいほど流動性が高いものである。
Figure 0006894247
表2に示すように、本発明例及び比較例において、時間の経過に伴って、フローが減少する、即ち流動性が低下することが確認される。また、練り混ぜ完了時(経過時間0分)において、本発明例のフローが280.0mmであったのに対し、比較例のフローは、233.0mmであった。このことから、練り混ぜ完了時において、本発明例の方が比較例よりも高い流動性を得られることが確認できる。
図7に示すように、本発明例と比較例において、プロットしたフローの測定結果をそれぞれ線形近似させた結果、本発明例における線形近似の傾きが-0.3919であったのに対し、比較例における線形近似の傾きが-0.2414であった。このことから、本発明例の方が比較例よりも、フローの減少の度合、即ち時間の経過に伴う流動性の低下の度合が小さくなることが確認される。したがって、本発明例は、高い流動性を保持する時間を長く保つ、即ち、可使時間を延長することが可能となることが確認できる。
また、本発明例と比較例において、PCグラウトの流動性試験方法(案)(JSCE−F−531−2013)に基づき、JP漏斗を用いてPCグラウトの流下時間を測定し、PCグラウトの流動性を評価した。なお、公益社団法人プレストレストコンクリート工学会発行のPCグラウト設計施工指針によれば、PCグラウトとして例えば本発明例や比較例のような超低粘性型のセメント系材料が用いられる場合には、流下時間が3.5〜6.0秒となるように管理されることから、流下時間が3.5〜6.0秒であれば流動性が高いと評価することとした。なお、流下時間が小さいほど、流動性が高いと評価することとした。
表3は、流下時間の測定結果と、注水からの経過時間との関係を示す。図8は、横軸に注水からの経過時間を示し、縦軸に本発明例及び比較例の流下時間の測定結果を示し、注水からの経過時間と流下時間の関係をプロットした図である。
Figure 0006894247
表3に示すように、本発明例及び比較例において、時間の経過に伴って、流下時間が増加する、即ち流動性が低下することが確認される。また、練り混ぜ完了時(経過時間0分)において、本発明例の流下時間が3.6秒であったのに対し、比較例の流下時間が4.6秒であった。このことから、練り混ぜ完了時において、本発明例の方が比較例よりも高い流動性を得られることが確認できる。
図8に示すように、本発明例と比較例において、プロットした流下時間をそれぞれ自然対数近似して、流下時間が6.0秒となる経過時間を算出した。その結果、本発明例における流下時間が6.0秒となる経過時間は99分であったのに対し、比較例における流下時間が6.0秒となる経過時間は60分であった。したがって、本発明例は、高い流動性を保持する時間を長く保つ、即ち、可使時間を延長することが可能となる。
このように、本発明を適用したPCグラウトの再注入工法では、一次練混工程と、二次練混工程とにより、シース管に再注入するためのPCグラウトの流動性を高くすることができるため、シース管内での充填不良を防止することが可能となる。加えて、本発明を適用したPCグラウトの再注入工法によれば、一次練混工程と、二次練混工程とにより、可使時間を延長することもできるため、新たなPCグラウトを練り混ぜる必要もなく、材料コストを低減すること、省力施工が可能となる。
本発明は、PCグラウトのまだ硬化する前のフレッシュ性状の流動性に与えるものである。PCグラウトに対して要求される性能の中に、部材コンクリートとPC鋼材を一体化する性能があり、この性能は強度で評価される。したがって、硬化特性(強度)に本発明が悪影響を与えていないか確認する必要があり、圧縮強度を確認した。また、PC鋼材を腐食から保護するための能力として、PC鋼材の腐食要因物質である塩化物イオンの浸透抵抗性を塩化物イオン浸透深さから確認した。
また、圧縮強度は、φ50mm、高さ100mmの円筒型の試験体を成型し、材齢28日において、JIS A 1108に基づき、圧縮強度試験を行い、強度を評価した。また、塩化物イオン浸透深さは、材齢28日から10%濃度NaCl水溶液に3ヶ月間浸漬した後、試験体を割裂し、0.1N硝酸銀水溶液を割裂面に噴霧して、割裂面が白色に変色した箇所の浸透面からの深さを測定した。
表4は、圧縮強度の測定結果を示す。表5は,塩化物イオン浸透深さの測定結果を示す。
Figure 0006894247
Figure 0006894247
表4に示すように、本発明例及び比較例において、圧縮強度が同程度であることが確認される。このことから、硬化特性において悪影響を与えることはないことが確認できる。
表5に示すように、本発明例及び比較例において、塩化物イオン浸透深さが本発明例の方が小さいが同程度であることが確認される。このことから、塩化物イオンの浸透抵抗性に悪影響を与えることはないことが確認できる。
このように,本発明によってフレッシュ性状を改善する効果を持つことに加え、硬化特性に与える悪影響もないことが確認できる。
2 :シース管
2a :管内
3 :緊張材
5 :PCグラウト
7 :橋梁
8 :既存PCグラウト
8a :空隙
61 :一次ミキサー
61a :軸
61b :一次回転翼
62 :二次ミキサー
62a :軸
62b :二次回転翼
62c :大孔
62d :小孔
62e :爪部
71 :主桁
72 :床版
X :橋長方向

Claims (3)

  1. 既設PC構造物の内部に設けられたシース管にPCグラウトを再注入するPCグラウトの再注入工法であって、
    粉体のPCグラウトと一次水とを練り混ぜる一次練混工程と、
    前記一次練混工程により練り混ぜた前記PCグラウトに、全配合水量から前記一次水を除いた二次水を加えて、これらを練り混ぜる二次練混工程と、
    前記二次練混工程により練り混ぜた前記PCグラウトを既設PC構造物の内部に設けられたシース管に再注入する再注入工程とを備え
    前記一次練混工程では、粉体のPCグラウトと前記一次水とをミキサーにより所定の回転速度で練り混ぜ、
    前記二次練混工程では、前記一次練混工程により練り混ぜた前記PCグラウトと前記二次水とを、前記ミキサーにより、前記一次練混工程における前記回転速度以上にして練り混ぜること
    を特徴とするPCグラウトの再注入工法。
  2. 前記一次練混工程では、前記全配合水量に対して40%以上の前記一次水と前記PCグラウトとを練り混ぜること
    を特徴とする請求項1に記載のPCグラウトの再注入工法。
  3. 既設PC構造物の内部に設けられたシース管に再注入するためのPCグラウトの練混方法であって、
    粉体のPC グラウトと一次水とを練り混ぜる一次練混工程と、
    前記一次練混工程により練り混ぜた前記PCグラウトに、全配合水量から前記一次水を除いた二次水を加えて、これらを練り混ぜる二次練混工程とを備え
    前記一次練混工程では、粉体のPCグラウトと前記一次水とをミキサーにより所定の回転速度で練り混ぜ、
    前記二次練混工程では、前記一次練混工程により練り混ぜた前記PCグラウトと前記二次水とを、前記ミキサーにより、前記一次練混工程における前記回転速度以上にして練り混ぜること
    を特徴とするPCグラウトの練混方法。
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