JP2018115984A - 高強度コンクリート用粗骨材の評価方法 - Google Patents

高強度コンクリート用粗骨材の評価方法 Download PDF

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Hiroshi Okada
裕 岡田
佐々木 彰
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彰 佐々木
伊藤 智章
Tomoaki Ito
智章 伊藤
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Abstract

【課題】高強度コンクリート用骨材の品質をより簡便に評価することが可能な評価方法を提供する。【解決手段】本発明に係る粗骨材評価方法は、二種以上の粗骨材をそれぞれ含み作製された複数のコンクリート供試体の圧縮強度SM0をそれぞれ測定するとともに、該二種以上の粗骨材の削孔深さHM0をそれぞれ測定して、複数の該削孔深さHM0と該圧縮強度SM0の測定値との相関式を作成する工程と、高強度コンクリート用粗骨材として適しているか否かを評価すべき、評価対象の粗骨材の削孔深さHM1を測定する工程とを、この順で又はこの逆の順で備える。評価対象の粗骨材の削孔深さHM1及び相関式から、粗骨材を含むコンクリートの予測圧縮強度SP1を算出する工程を更に備え、予測圧縮強度SP1が所定値以上であるときに、評価対象の粗骨材について、高強度コンクリート用粗骨材として適していると判断する。【選択図】図1

Description

本発明は、高強度コンクリート用粗骨材の評価方法に関する。
近年、超高層ビル等の建設需要の増加に伴い、高強度コンクリートの適用頻度が増加している。こうした高強度コンクリートについては、圧縮強度が100N/mmを超えるなどの超高強度域において、使用する骨材の品質がコンクリートの圧縮強度に及ぼす影響が大きいことが経験的に知られている。そのため、使用する天然骨材について、想定している強度より低い骨材を誤って使用した場合には、コンクリートの圧縮強度の低下を招く危険性が高まり、場合によっては設計のコンクリート強度が得られず、施工のやり直しなど多大な問題となる可能性がある。
したがって、生コンクリート工場において、生コンクリートを製造する以前に、入荷した粗骨材の品質を速やかに把握すること、より具体的には、入荷した粗骨材をサイロなどの貯蔵槽に受け入れる前に、その受け入れの可否を判断すること、及びこれにより、製造される生コンクリートの品質管理を徹底することが望まれる。特許文献1〜3は粗骨材の選定方法又は適否判定方法に関する発明を開示する。
特開2006−212933号公報 特開2010−139358号公報 特開2013−11533号公報
特許文献1及び2では、コンクリート圧縮強度とモルタル圧縮強度との関係を評価指標とする等、評価に要する時間が最低12時間以上であり、入荷された粗骨材を迅速に評価できる手法とは考えにくい。特許文献3においては、骨材原石から砕石サンプルを採取することから、労力や時間を要し、また入荷された粗骨材との整合を図る必要があり、生コン工場において実施する手法としては不向きである。
そこで本発明の課題は、高強度コンクリート用骨材の品質をより簡便に評価することが可能な評価方法を提供することにある。
上記の課題を解決すべく本発明者は鋭意検討した結果、径の細いコンクリート用ドリル刃を1個の粗骨材に直接当てて、所定の時間で生じる削孔深さを測定することにより、高強度コンクリート用骨材の品質をより簡便に評価できることを知見した。
本発明は上記の知見に基づきなれたものであり、本発明に係る高強度コンクリート用粗骨材の評価方法は、二種以上の粗骨材をそれぞれ含む複数のコンクリート供試体をそれぞれ作製して、該複数のコンクリート供試体の圧縮強度SM0をそれぞれ測定するとともに、該二種以上の粗骨材の削孔深さHM0をそれぞれ測定して、複数の該削孔深さHM0と該圧縮強度SM0の測定値との相関式を作成する工程と、高強度コンクリート用粗骨材として適しているか否かを評価すべき、評価対象の粗骨材の削孔深さHM1を測定する工程とを、この順で又はこの逆の順で備える高強度コンクリート用粗骨材の評価方法であって、上記評価対象の粗骨材の上記削孔深さHM1及び上記相関式から、上記粗骨材を含むコンクリートの予測圧縮強度SP1を算出する工程を更に備え、上記予測圧縮強度SP1が所定値以上であるときに上記評価対象の粗骨材について、高強度コンクリート用粗骨材として適していると判断する。なお、高強度コンクリート用粗骨材として適しているか否かの基準値(上記所定値)は、例えば、所定の安全率で管理強度を上回る値に設定すればよい。
上記評価方法によれば、複数の削孔深さHM0と圧縮強度SM0の測定値との相関式を予め作成しておくことで、評価対象の粗骨材の削孔深さ値HM1を少なくとも測定すれば、この削孔深さHM1及び上記相関式から、評価対象の粗骨材を含むコンクリートの予測圧縮強度SP1を把握することができる。そして、この予測圧縮強度SP1が所定値以上であるか否かによって評価対象の粗骨材が高強度コンクリート用粗骨材として適しているか否かを判断することができる。すなわち、上記方法によれば、評価対象の粗骨材を含むコンクリートを所定の養生期間を経て作製し且つその圧縮強度を必ずしも実測しなくても予測圧縮強度SP1を把握でき、これに基づいて高強度コンクリート用粗骨材の品質を従来の方法と比較して簡便に評価することができる。
本明細書でいう「削孔深さ」は以下のようにして測定される値を意味する。
(1)絶乾及び表乾状態の粗骨材を試料として準備する。一回の測定に使用するドリルの刃の本数は、1〜5本とし、粗骨材の削孔個数(G1)は例えば3〜10個程度とすることができる。
(2)削孔試験機器を準備する。削孔に使用する電動ドリルは、一定の回転数及び荷重で削孔できるものとする。例えば、その回転数は2400/rpm、削孔中のドリルにかかる荷重は147Nとすることができる。
(3)使用するドリルは、刃径が3.0〜5.0mmとし、粗骨材の削孔に適した耐久性を有するものを使用する。例えば、先端部が超鋼合金で加工されたものを使用することができる。
(4)粗骨材を治具で固定し、注水したバットの中にセットする。注水したバットの中で削孔試験を行うのは、粗骨材とドリルの刃との摩擦による発熱を防ぐ目的である。また、粗骨材試料は粒径15mm以上とし、削孔時間が20秒又は削孔深さが10mmとなるまで削孔する。削孔深さに上限を定めたのは、10mm以上削孔すると粗骨材が破損する可能性があり、正確な削孔深さの測定が困難となるためである。この場合は、10mmまでの削孔時間から平均削孔速度を求め、削孔時間20秒における削孔深さに換算する。
(4)粗骨材の削孔深さの計測は変位計を使用することができる。20秒間計測した。なお骨材によっては削孔深さが10mmに到達し、削孔時間が20秒未満となる場合がある。
本発明によれば、高強度コンクリート用骨材の品質をより簡便に評価することができる。
図1は実験例8と実験例15に係る粗骨材の削孔深さと材齢28日圧縮強度との関係をプロットしたグラフである。 図2は実験例8と実験例15に係る粗骨材の削孔深さと材齢56日圧縮強度との関係をプロットしたグラフである。 図3は実験例8と実験例15に係る粗骨材の削孔深さと材齢91日圧縮強度との関係をプロットしたグラフである。
以下、本発明の実施形態について説明する。本実施形態に係る方法は、高強度コンクリート用粗骨材の品質を評価するためのものである。評価方法について具体的に説明するに先立ち、まず、高強度コンクリートについて説明する。
<高強度コンクリート>
高強度コンクリートは、建築用途で設計基準強度が36N/mmを超えるコンクリートを意味し、例えば60N/mmを超えるものであってもよく、80N/mmを超えるものであってもよい。なお、ここでいう高強度コンクリートは圧縮強度が100N/mmを超える超高強度コンクリートも包含するものである。
本発明の評価方法の対象となる高強度コンクリート用粗骨材を含む高強度コンクリート用セメント組成物は、セメント等の結合材と、水と、細骨材と、粗骨材と、混和材料と添加材を含む。なお結合材とは、セメント組成物に含まれる粉体成分のうち水と反応してコンクリートの強度発現に寄与する物質を生成するものの総称である。上記の高強度コンクリート用セメント組成物から高強度コンクリートを製造するときには、例えば標準養生の条件を採用すればよい。標準養生とは、後述するとおり、コンクリート供試体を約20℃の水中で養生することである。材齢は、例えば5日〜100日の間、特に10日〜100の間、とりわけ20日〜100日の間で調整することができる。
[セメント]
セメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカフュームセメント、アルミナセメント等を使用することができる。本実施形態においては、低熱ポルトランドセメントとシリカフュームを混合したシリカフュームセメントを採用することが好ましい。
シリカフュームは、金属シリコン、フェロシリコン、電融ジルコニア等を製造する際に発生する排ガス中のダストを集塵して得られる副産物であり、主成分は、アルカリ溶液中で溶解する非晶質のSiOである。シリカフュームの平均粒径は、好ましくは0.05〜2.0μm、より好ましくは0.10〜1.5μm、更に好ましくは0.18〜0.28μm、特に好ましくは0.20〜0.28μmである。このようなシリカフュームを用いることで、セメント組成物の高い流動性及びその硬化物の高い圧縮強度を確保しやすくなる。
セメントとして上記シリカフュームセメントを採用する場合、シリカフュームセメントにおけるシリカフュームの含有量は、セメント及びシリカフュームの合計量を基準として、好ましくは3〜30質量%、より好ましくは5〜20質量%、更に好ましくは10〜18質量%、特に好ましくは10〜15質量%である。水の添加量は、セメントとシリカフュームの合量100質量部に対し、好ましくは10〜25質量部、より好ましくは12〜20質量部、更に好ましくは13〜18質量部である。
[水]
水としては、例えば水道水、蒸留水又は脱イオン水などを使用すればよい。結合材の質量に対する水の質量の比(結合材水比)RBWは、好ましくは4〜12.5(水結合材比25〜8%)であり、より好ましくは5〜10(水結合材比20〜10%)であり、更に好ましくは5.55〜8.33(水結合材比18〜12%)である。結合材水比RBWが12.5(水結合材比8%)未満であると、所定のフレッシュ性状(流動性、空気量等)や成形性の確保が難しくなる傾向にあり、4(水結合材比25%)を超えると、圧縮強度や耐久性が低下する傾向にある。
[細骨材]
細骨材としては、例えば川砂、陸砂、海砂、砕砂、珪砂、硬質高炉スラグ細骨材、高炉スラグ細骨材、銅スラグ細骨材、及び電気炉酸化スラグ細骨材等を使用することができる。
[粗骨材]
粗骨材としては、コンクリートの製造に使用される一般的なものを使用することができ、具体例として、砂利、砕石、高炉スラグ粗骨材、及び電気炉酸化スラグ粗骨材等が挙げられる。
[混和材料]
混和材料としては、減水剤、AE剤、消泡剤、収縮低減剤、凝結促進剤、凝結遅延剤、増粘剤等が挙げられる。求められる性能に応じてこれらのうち、一種を単独で使用してもよいし、複数を組み合わせて使用してもよい。
上記減水剤としては、リグニン系、ナフタレンスルホン酸系、アミノスルホン酸系、ポリカルボン酸系の減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤等を使用することができる。高結合材水比での流動性確保の観点から、減水剤として、ポリカルボン酸系の減水剤、高性能減水剤又は高性能AE減水剤を用いることが好ましく、ポリカルボン酸系の高性能減水剤を用いることがより好ましい減水剤の配合量は、結合材100質量部に対して好ましくは0.2〜3.0質量部、より好ましくは0.5〜2.0質量部、更に好ましくは1.0〜1.5質量部である。
上記消泡剤としては、特殊非イオン配合型界面活性剤、ポリアルキレン誘導体、疎水性シリカ、ポリエーテル系等が挙げられる。消泡剤の配合量は、結合材100質量部に対して好ましくは0.0000〜0.1000質量部、より好ましくは0.0005〜0.0100質量部、更に好ましくは0.0010〜0.0050質量部、特に好ましくは0.0010〜0.0030質量部である。
<粗骨材の評価方法>
本実施形態に係る高強度コンクリート用粗骨材の評価方法は、二種以上の粗骨材をそれぞれ含む複数のコンクリート供試体をそれぞれ作製して、該複数のコンクリート供試体の圧縮強度SM0をそれぞれ測定するとともに、該二種以上の粗骨材の削孔深さHM0をそれぞれ測定して、複数の該削孔深さHM0と該圧縮強度SM0の測定値との相関式を作成する工程と、高強度コンクリート用粗骨材として適しているか否かを評価すべき、評価対象の粗骨材の削孔深さHM1を測定する工程とを、この順で又はこの逆の順で備える。この評価方法は、上記評価対象の粗骨材の上記削孔深さHM1及び上記相関式から、上記粗骨材を含むコンクリートの予測圧縮強度SP1を算出する工程を更に備える。そして、予測圧縮強度SP1が所定値以上であるときに上記評価対象の粗骨材について、高強度コンクリート用粗骨材として適していると判断する。
相関式を作成するための二種以上の粗骨材の平均粒径、及び、評価対象の粗骨材の平均粒径はいずれも15mm以上であればよく、15〜20mmであってもよい。粗骨材の平均粒径は篩分けによって測定される。
予測圧縮強度SP1は、複数の削孔深さHM0と圧縮強度SM0の測定値との相関式に加え、結合材水比RBWを考慮に入れた下記式(1)に基づき算出されることが好ましい。なお下記式(1)のα及びβは、結合材水比RBW及び使用する粗骨材をそれぞれ複数変化させ、得られた圧縮強度から求めることができる。
P1=−(α×RBW+β×HM1)+γ …(1)
[式中、αは好ましくは9.0〜14.0、更に好ましくは9.5〜13.5の範囲の定数、βは好ましくは2.5〜8.0、更に好ましくは3.0〜5.0の範囲の定数、γは好ましくは75〜150、更に好ましくは80〜130の範囲の定数をそれぞれ示す。]
材齢が例えば28日である場合、上記式(1)中、αは好ましくは12.0〜13.0、更に好ましくは12.6〜12.9の範囲の定数、βは好ましくは3.0〜4.0、更に好ましくは3.1〜3.3の範囲の定数、γは好ましくは82〜90、更に好ましくは85〜87の範囲の定数をそれぞれ示す。
材齢が例えば56日である場合、上記式(1)中、αは好ましくは9.0〜13.0、更に好ましくは9.5〜11.5の範囲の定数、βは好ましくは3.0〜4.0、更に好ましくは3.05〜3.2の範囲の定数、γは好ましくは100〜120、更に好ましくは110〜115の範囲の定数をそれぞれ示す。
材齢が例えば91日である場合、上記式(1)中、αは好ましくは9.0〜13.0、更に好ましくは9.5〜10.5の範囲の定数、βは好ましくは3.0〜5.0、更に好ましくは3.5〜4.5の範囲の定数、γは好ましくは110〜130、更に好ましくは120〜128の範囲の定数をそれぞれ示す。
高強度コンクリートの圧縮強度は、粗骨材の削孔深さの他に、結合材水比RBWにも依存する。したがって、上記相関式を作成するにあたり圧縮強度SM0を測定すべき複数のコンクリート供試体は、それぞれ結合材水比RBWが二水準以上に調製されたセメント組成物の硬化体であればよい。各セメント組成物の結合材水比RBWは1以上離れていることが、正確な評価結果を得る観点から好ましい。高強度コンクリート用のセメント組成物の結合材水比RBWの範囲は好ましくは4〜12.5(水結合材比25〜8%)であり、4〜10(水結合材比25〜10%)又は4〜8.33(水結合材比25〜12%)であってもよい。
粗骨材の削孔深さを測定するための削孔試験機器は、当該粗骨材を削孔できる回転数2400/rpmの卓上ボール盤と、0.1mmまで計測できる変位計と、刃径3.0mm〜5.0mmの超鋼合金のドリルの刃と、粗骨材を固定する治具とバットと、一定の荷重を加えるための錘とを備えるものであればよい。生コンクリート工場でより簡便に削孔深さを測定する観点から、当該粗骨材の個数は好ましくは10〜20個であり、より好ましくは10〜15個である。
本実施形態に係る評価方法は生コンクリート工場において実施されることが好適であり、評価対象の粗骨材が生コンクリート工場に入荷されて貯蔵施設に受け入れる前の粗骨材であってもよい。この場合、本実施形態に係る評価方法は、予測圧縮強度SP1を当該生コンクリート工場において実際に製造されるコンクリートの予測圧縮強度SP2に補正するための係数Aを求める以下の(a)〜(d)の一連の工程を更に含んでもよい。これらの一連の工程を実施して係数Aを把握することで、当該生コンクリート工場において実際に製造されるコンクリートの圧縮強度をより高い精度で予測できる。
(a)生コンクリート工場において粗骨材の削孔深さHM1´を測定する工程。
(b)削孔深さHM1´及び上記相関式から、粗骨材を含むコンクリートの予測圧縮強度SP1´を算出する工程。
(c)生コンクリート工場において、粗骨材を含むコンクリート供試体の圧縮強度SM1´を測定する工程。
(d)圧縮強度SM1´の値を予測圧縮強度SP1´の値で除すことによって係数A(SM1´/SP1´)を算出する工程。
なお、係数Aを求めるために実施する削孔試験及び圧縮強度試験は、評価対象の粗骨材(入荷するか否かの判断対象の粗骨材)である必要はなく、以下の削孔深さHM1´及び圧縮強度SM1´として既に取得済みのデータを利用してもよい。また、評価対象の粗骨材を入荷した後、その削孔深さ及び圧縮強度を測定した場合は、これらのデータを上記取得済みデータに加えてもよい。
上記一連の工程が更に以下の工程(e)〜(g)を含むことで、上記相関式(1)及び係数A等に基づいて導出される下記式(4)で表される条件を評価対象の粗骨材の削孔深さHM1が満たすときに、当該粗骨材について荷入可能と判定することができる。
(e)生コンクリート工場において製造されるコンクリートの予測圧縮強度SP2を下記式(2)によって算出する工程。
P2=A×SP1´ …(2)
(f)生コンクリート工場において製造されるコンクリートの圧縮強度の管理強度Scに関する下記式(3)を決定する工程[式(3)中、Sは調合安全率を示し、その値は好ましくは0〜20%であり、より好ましくは15〜20%である。]。
P2×((100−S)/100)≧Sc …(3)
(g)生コンクリート工場において下記式(4)で表される条件を削孔深さHM1が満たすときに当該粗骨材について荷入可能と判定する工程。
M1≦Sc/(A×β×((100−S)/100))−α/β×RBW−γ/β …(4)
上記工程(f)及び(g)における管理強度Scは、一般には配合強度のことである。また上記工程(f)における調合安全率Sとは、測定のばらつきを考慮した安全率のことである。
本実施形態によれば、複数の削孔深さHM0と圧縮強度SM0の測定値との相関式を予め作成しておくことで、評価対象の粗骨材の削孔深さHM1を少なくとも測定すれば、この削孔深さHM1及び上記相関式から、評価対象の粗骨材を含むコンクリートの予測圧縮強度SP1を把握することができる。そして、この予測圧縮強度SP1が所定値以上であるか否かによって評価対象の粗骨材が高強度コンクリート用粗骨材として適しているか否かを判断することができる。すなわち、本実施形態によれば、評価対象の粗骨材を含むコンクリートを所定の養生期間を経て作製し且つその圧縮強度を必ずしも実測しなくても予測圧縮強度SP1を把握でき、これに基づいて高強度コンクリート用粗骨材の品質を従来の方法と比較して簡便に評価することができる。
更に、係数A(SM1´/SP1´)を導入し、上記相関式から求められる予測圧縮強度SP1に係数Aを乗ずることにより、生コンクリート工場において実際に製造されるコンクリートの予測圧縮強度SP2を算出することで、当該生コンクリート工場において実際に製造されるコンクリートの圧縮強度をより高い精度で予測できる。そして、評価対象の粗骨材が上記式(4)で表される条件を満たすときに、当該生コンクリート工場において、当該粗骨材を使用して製造されたコンクリートが十分に管理強度を上回るものであるとして、当該粗骨材を入荷可能と判断することができる。
以下、実施例に基づき、本発明についてより具体的に説明する。なお、本発明が以下の実施例に限定されるものではない。
<使用材料>
粗骨材の削孔深さと、その粗骨材を用いて作製したコンクリート供試体の圧縮強度との関係を把握するために、以下の材料を用意し、コンクリート供試体を作製した。セメント、細骨材、化学混和剤、練混ぜ水は、それぞれ1種類とし、4種類の硬質砂岩砕石、1種類の粘板岩砕石及び1種類の石英安山岩砕石を用いて実験を実施した。
(1)セメント
シリカフュームセメント(宇部三菱セメント株式会社製、密度3.08g/cm
(2)骨材
(2.1)細骨材
硬質砂岩砕砂(表乾密度:2.64g/cm、吸水率:1.17%)
(2.2)粗骨材
硬質砂岩砕石G1(表乾密度:2.67g/cm、吸水率:0.81%)
硬質砂岩砕石G2(表乾密度:2.65g/cm、吸水率:0.74%)
硬質砂岩砕石G3(表乾密度:2.64g/cm、吸水率:0.51%)
硬質砂岩砕石G4(表乾密度:2.68g/cm、吸水率:0.53%)
粘板岩砕石G5(表乾密度:2.75g/cm、吸水率:0.39%)
石英安山岩砕石G6(表乾密度:2.62g/cm、吸水率:0.92%)
(3)化学混和剤
高性能減水剤(シーカメント1200N:日本シーカ株式会社製)
消泡剤(シーカアンチフォームW:日本シーカ株式会社製)
(4)練混ぜ水
上水道水
<コンクリートの配合及び評価>
コンクリートの配合は、表1に示す条件とした。コンクリート練混ぜ方法は、細骨材、セメントを投入後、水平二軸形強制練りミキサで30秒間攪拌した後、化学混和剤と上水道水を混合した練混ぜ水を投入し、180〜360秒間攪拌した。その後、粗骨材を投入し、90〜120秒間攪拌した。フレッシュコンクリートの試験条件は、スランプフロー65±10cm、空気量2.0%以下、コンクリート温度20±2℃を目標とし、圧縮強度試験用の供試体は標準養生とし、材齢は28日、56日、91日とした。標準養生とは、コンクリート供試体を約20℃の水中で養生することである。
(1)スランプフロー
JIS A 1150−2007「コンクリートのスランプフロー試験方法」に記載されている方法に準じて測定を行った。
(2)空気量
JIS A 1128−2005「フレッシュコンクリートの空気量の圧力による試験方法(空気室圧力方法)」に記載されている方法に準じて測定を行った。
(3)コンクリート温度
JIS A 1156−2006「フレッシュコンクリートの温度測定方法」に記載されている方法に準じて測定を行った。
(4)コンクリート供試体作製
JIS A 1132−2014「コンクリートの強度試験用供試体の作り方」に記載されている方法に準じてコンクリート供試体を作製した。
(5)コンクリート圧縮強度(SM0及びSM0´)の測定
JIS A 1108−2006「コンクリートの圧縮試験方法」に記載されている方法に準じてコンクリート供試体の圧縮強度を測定した。
(6)粗骨材の削孔深さ(HM0、HM1及びHM1´)の測定
粗骨材試料(G1〜G6)は絶乾及び表乾状態とし、15mm篩にとどまるものとした。刃径3.0mmのドリルの刃の本数別の条件は1本、2本、3本、4本、5本、試料個数別の条件は1本のドリルの刃につき3個、5個又は10個とし、削孔時間を20秒又は削孔深さが10mmとなるまで削孔した。削孔深さに上限を定めたのは、10mm以上削孔すると粗骨材が破損する可能性があり、正確な削孔深さの測定が困難となるためである。この場合は、10mmまでの削孔時間から平均削孔速度を求め、削孔時間20秒における削孔深さに換算する。具体的には、まず、上述の方法で準備した1本のドリルの刃につき、粗骨材試料(G1〜G6)を、上述したように各々3個、5個及び10個採取して、上述した卓上ボール盤と治具を用い、147Nの荷重を加え、回転数2400/rpmにて、上述した削孔条件により削孔した。粗骨材の削孔深さを変位計によって0.1mm単位で測り、算術平均値を削孔深さとした。
〔削孔深さと圧縮強度の相関〕
表2に削孔試験結果と圧縮強度試験結果との相関を示す。設計水結合材比25%(RBW=4)の条件の試験は全体的に相関が低かった。設計水結合材比13%(RBW=7.69)及び17%(RBW=5.88)の試験のうち、実験例8,9,11,12,13,14,15は、材齢28日、56日及び91日のいずれにおいても相関係数が0.8を超えており、削孔深さと圧縮強度は高い相関関係にあった。相関が十分に高い試験条件で削孔試験を実施することにより、粗骨材の削孔深さに基づいて当該粗骨材を含むコンクリートの圧縮強度を高い精度で予測することができる。この中で最も高い精度の試験条件は、実験例15(ドリルの刃の本数5本使用、1本のドリルの刃につき削孔個数10個、削孔個数合計50個)であるが、1〜15の試験条件の中で一番時間を要する。それに対し、実験例8の条件(ドリルの刃の本数3本使用、1本のドリルの刃につき削孔個数5個、削孔個数合計15個)は実験例15と比較すると若干相関係数は低いが、簡便でありながら、コンクリートの圧縮強度を高い精度で予測できる点で生コンクリート工場において実施するのに好適である。図1、図2及び図3は実験例8及び実験例15の粗骨材削孔試験条件から求められた削孔深さとコンクリートの圧縮強度の関係を示すグラフである。
<コンクリート圧縮強度予測式(相関式)>
上記六種類の粗骨材(G1〜G6)を用いた実験例8及び実験例15の削孔試験条件によって測定した削孔深さ(HM0)と、設計結合材水比(RBW)4〜7.69(設計水結合材比25〜13%)に基づいて、コンクリートの予測圧縮強度SP1を重回帰式によって算出した。表2にコンクリートの配合及び圧縮強度試験結果を示す。実験例8の試験条件から求められた粗骨材の削孔深さと、設計結合材水比から得られた各材齢におけるコンクリート圧縮強度予測式が下記予測式となる。
(材齢28日)SP1=−(12.86×RBW+3.22×HM0)+86.04
(材齢56日)SP1=−(10.97×RBW+3.10×HM0)+112.95
(材齢91日)SP1=−(10.06×RBW+4.04×HM0)+126.70
表3に各材齢(28日、56日及び91日)について、コンクリートの圧縮強度の実測値と、上記相関式による予測値とをまとめて記載した。同表に示す結果から明らかなとおり、本発明の評価方法によって算出された予測値は、実測値に近い値を示していることが分かる。

Claims (10)

  1. 二種以上の粗骨材をそれぞれ含む複数のコンクリート供試体をそれぞれ作製して、該複数のコンクリート供試体の圧縮強度SM0をそれぞれ測定するとともに、該二種以上の粗骨材の削孔深さHM0をそれぞれ測定して、複数の該削孔深さHM0と該圧縮強度SM0の測定値との相関式を作成する工程と、
    高強度コンクリート用粗骨材として適しているか否かを評価すべき、評価対象の粗骨材の削孔深さHM1を測定する工程とを、この順で又はこの逆の順で備える高強度コンクリート用粗骨材の評価方法であって、
    上記評価対象の粗骨材の上記削孔深さHM1及び上記相関式から、上記粗骨材を含むコンクリートの予測圧縮強度SP1を算出する工程を更に備え、
    上記予測圧縮強度SP1が所定値以上であるときに上記評価対象の粗骨材について、高強度コンクリート用粗骨材として適していると判断する、高強度コンクリート用粗骨材の評価方法。
  2. 上記複数のコンクリート供試体はそれぞれ結合材水比RBWが二水準以上になるように調製されたセメント組成物の硬化体である、請求項1に記載の評価方法。
  3. 上記結合材水比RBWが4〜12.5(水結合材比25〜8%)である、請求項2に記載の評価方法。
  4. 下記式(1)に基づき上記粗骨材を含むコンクリートの予測圧縮強度SP1を算出する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の評価方法。
    P1=−(α×RBW+β×HM1)+γ …(1)
    [式中、αは9.0〜14.0の範囲の定数、βは2.5〜8.0の範囲の定数、γは75〜150の範囲の定数をそれぞれ示す。]
  5. 上記評価対象の粗骨材の上記削孔深さHM1を測定するための削孔試験機器が、上記粗骨材を削孔する卓上ボール盤と、ドリルの刃と、削孔深さを測定するための変位計と、一定の荷重を加えるための錘とを備え、
    上記削孔深さHM1を求めるための上記粗骨材の個数が10〜15個である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の評価方法。
  6. 上記評価対象の粗骨材の上記削孔深さHM1を測定するためのドリルの刃を一回の測定に1〜5本使用して、複数個の粗骨材の削孔深さを測定する請求項1〜5のいずれか一項に記載の評価方法。
  7. 上記二種以上の粗骨材の平均粒径及び上記評価対象の粗骨材の粒径はいずれも15mm以上の範囲である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の評価方法。
  8. 上記評価方法は生コンクリート工場において実施されるものであり、
    上記評価対象の粗骨材が上記生コンクリート工場に入荷されて貯蔵施設に受け入れる前の粗骨材である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の評価方法。
  9. 上記予測圧縮強度SP1を、上記生コンクリート工場において実際に製造されるコンクリートの予測圧縮強度SP2に補正するための係数Aを求める以下の(a)〜(d)の一連の工程を更に含む、請求項8に記載の評価方法。
    (a)上記生コンクリート工場において粗骨材の削孔深さHM1´を測定する工程。
    (b)上記削孔深さHM1´及び上記相関式から、上記粗骨材を含むコンクリートの予測圧縮強度SP1´を算出する工程。
    (c)上記生コンクリート工場において上記粗骨材を含むコンクリート供試体の圧縮強度SM1´を測定する工程。
    (d)上記圧縮強度SM1´の値を上記予測圧縮強度SP1´の値で除すことによって上記係数A(SM1´/SP1´)を算出する工程。
  10. 上記一連の工程は更に以下の工程(e)〜(g)を含む、請求項9に記載の評価方法。
    (e)上記生コンクリート工場において製造されるコンクリートの予測圧縮強度SP2を下記式(2)によって算出する工程。
    P2=A×SP1´ …(2)
    (f)上記生コンクリート工場において製造されるコンクリートの圧縮強度の管理強度Scに関する下記式(3)を決定する工程[式(3)中、Sは調合安全率を示す]。
    P2×(100−(S/100))≧Sc …(3)
    (g)上記生コンクリート工場において下記式(4)で表される条件を上記削孔深さHM1が満たすときに上記粗骨材について荷入可能と判定する工程。
    M1≦Sc/(A×β×(100−(S/100)))−α/β×RBW−γ/β …(4)
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