JP3551017B2 - コンクリート隙間部の充填グラウト材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンクリート隙間部の充填グラウト材に関し、特に、コンクリートに挟まれた隙間部に充填されるコンクリートあるいはモルタルによる充填グラウト材に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば構造物の上部から下方に向かってコンクリートを打設して行く逆打コンクリート工法において、先行打設された上部コンクリートとこれの下方に打ち継がれる下部コンクリートとの間には、下部コンクリートの沈下や収縮などによって、上下をコンクリートに挟まれるようにして隙間部が生じることになり、このような打継ぎ部における隙間部には、コンクリートやモルタル等からなるグラウト材が充填されて、これらの上下のコンクリートの一体化が図られる。
【0003】
また、地震等によりコンクリート構造物が損傷したり、これを補修する際に生じる数mmから数十cm程度の隙間には、補修用の注入剤として、モルタルやコンクリート等からなるグラウト材が充填される場合がある。
【0004】
このようなコンクリートに挟まれた隙間部に充填されるグラウト材として要求される性能は、充填に必要な高流動性や無収縮性の他、所要の強度、作業性、経済性などであり、従来の充填用グラウト材としては、例えば市販の無収縮モルタル等の各種の無収縮グラウト材が使用されていた。
【0005】
すなわち、市販の無収縮グラウト材は、本来、機械基礎下部の充填や橋脚支承部の充填を目的として開発されたもので、砂結合材比が1程度に調整されたプレミックス製品が一般的であり、現場においてこれに所定量の水を混入して練り混ぜることにより、所望の高流動性と無収縮性とを備えた充填用グラウト材が得られることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の市販の充填用グラウト材によれば、特殊な強度増進混和材等が使用されていて非常に高価なものであるため経済性に劣るとともに、極めて高い流動性を備えていることにより、例えば10cm程度の相当の充填幅を有する隙間部に充填する際には、このような過剰な流動性によって、かえって施工性に劣ることになり、また充填不良によって肌別れを生じる場合があるという課題があった。
【0007】
そこで、この発明はこのような従来の課題を鑑みてなされたもので、安価な材料を用いて現場において容易に調合することができるとともに、所望の流動性や無収縮性を備え、隙間部に容易に充填されて所要の強度を確実に発揮することのできる充填グラウト材を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記目的を達成するためになされたもので、その要旨は、コンクリートに挟まれた隙間部に充填されるモルタルによる充填グラウト材において、該充填グラウト材が、増粘剤を添加することなく、35%以下の水セメント比(W/C)で配合されるとともに、セメントに対する重量比で1.1〜1.6%の高性能AE減水剤、及び膨張剤が配合されることにより、フレッシュ性状として27〜33cmのモルタルスランプフローを備え、かつ硬化後に0.5〜5.0%の膨張率と、少なくとも40N/mmの圧縮強度を備えることを特徴とする充填グラウト材にある。
【0009】
また、この発明の他の要旨は、上下をコンクリートに挟まれた隙間部に充填されるコンクリートによる充填グラウト材において、該充填グラウト材が、増粘剤を添加することなく、35%以下の水セメント比(W/C)で配合されるとともに、セメントに対する重量比で1.1〜1.6%の高性能AE減水剤、及び膨張剤が配合されることにより、フレッシュ性状として60〜80cmのコンクリートスランプフローを備え、かつ硬化後に0.5〜5.0%の膨張率と、少なくとも40N/mmの圧縮強度を備えることを特徴とする充填グラウト材にある。
【0010】
そして、この発明の充填グラウト材によれば、前記水セメント比を、30%未満25%以上とすることが特に好ましい。
【0011】
以下、この発明をさらに詳細に説明する。この発明のモルタルによる充填グラウト材は、35%以下の水セメント比(W/C)で配合されるとともに、セメントに対する重量比で1.1〜1.6%の高性能AE減水剤、及び膨張剤が配合されることにより、フレッシュ性状として27〜33cmのモルタルスランプフローを備え、かつ硬化後に0.5〜5.0%の膨張率と、少なくとも40N/mmの圧縮強度を備えるものである。
【0012】
また、この発明のコンクリートによる充填グラウト材は、35%以下の水セメント比(W/C)で配合されるとともに、セメントに対する重量比で1.1〜1.6%の高性能AE減水剤、及び膨張剤が配合されることにより、フレッシュ性状として60〜80cmのコンクリートスランプフローを備え、かつ硬化後に0.5〜5.0%の膨張率と、少なくとも40N/mmの圧縮強度を備えるものである。
【0013】
ここで、モルタルは、一般に水と、セメントと、砂等の細骨材と、必要に応じて適宜添加される混和剤や混和材との混合物であり、セメントに対する水の配合割合を示す水セメント比(W/C)の値が大きくセメントに比して水が多い場合には強度が低下し、水セメント比の値が小さくセメントに比して水が少ない場合には強度が向上することになる一方で、水セメント比の値が大きい程流動性は高く、水セメント比の値が小さい程流動性は低くなる。
【0014】
一方、コンクリートは、一般に水と、セメントと、砂等の細骨材と、砂利等の粗骨材と、必要に応じて適宜添加される混和剤や混和材との混合物であり、セメントに対する水の配合割合を示す水セメント比(W/C)の値が大きくセメントに比して水が多い場合には強度が低下し、水セメント比の値が小さくセメントに比して水が少ない場合には強度が向上することになる一方で、水セメント比の値が大きい程流動性は高く、水セメント比の値が小さい程流動性は低くなる。
【0015】
したがって、従来の充填グラウト材によれば、これの過剰な流動性による強度低下を補うべく、各種の特殊な強度増進用の混和材料を用いて強度の低下を抑制するとともに、強度低下をもたらす例えばガス発生性膨張剤による膨張率を0.5%程度より小さく抑える工夫がなされていた。すなわち、例えば発泡タイプの膨張剤は、流動性の大きなモルタルの沈降収縮などの欠点を簡単に改善できるが、強度低下の恐れがあり、特にその膨張率が大きく不安定であると大きく強度低下もたらすことになるため、安定した確実な強度の確保が困難で、膨張率を大きくする場合には、例えば300kgf/cm(30N/mm)以上の強度を要求されるグラウト材として用いるには不適切であると考えられる。
【0016】
これに対し、本願発明によれば、配合設計における水セメント比(W/C)を35%以下として、グラウト材本来の相当の強度を保持するとともに、流動性の低下を高性能AE減水剤の添加によって適度に補ない、かつ35%以下の低い水セメント比により相当の強度が保持されることから、ガス発生性膨張剤の添加による膨張率を少なくとも0.5%以上確保し、これによって空隙部への充填性を高めるようにしたものである。
【0017】
そして、この発明に用いるセメントはとしては、普通ポルトランドセメントや早強ポルトランドセメント等の各種の市販のセメントを使用することができる。
【0018】
また、細骨材としては、JIS A 0203「コンクリート用語」に定義される各種の骨材を使用することができるが、左官砂を用いることが好ましく、また、さらに好ましくは、粒度分布や表面水などによる骨材の品質安定性に優れたけい砂を使用することができ、一方粗骨材としては、JIS A 0203「コンクリート用語」に定義される各種の骨材を使用することができる。
【0019】
さらに、この発明において使用する高性能AE減水剤は、空気連行性をもち、AE剤と減水剤の両方の効果を兼ね備えた混和剤であるAE減水剤よりも高い減水性能及び良好なスランプ保持特性を有する混和剤で(JIS A 0203参照)、例えばポリカルボン酸系のものを主成分とする高性能AE減水剤を使用することができるとともに、本発明では、この高性能AE減水剤をセメントに対する重量比で1.1〜1.6%配合する。配合量が1.1%よりも少ないとモルタルフローが小さくなって充填に必要な流動性を損ない、また配合量が1.6%より多いとモルタルフローが大きくなりすぎて材料分離のおそれがあるため、いずれも好ましくない。
【0020】
さらにまた、この発明において使用する膨張剤は、発泡タイプの膨張剤を使用することが好ましく、かかる発泡タイプの膨張剤は、セメント水和物が溶解しているアルカリ性の水と反応してガスを発生し、このガスによってコンクリート膨張させるもので、例えばアルミニウムやマグネシウム、亜鉛などを粉末状態にして使用することができ、より具体的には、早期の膨張反応による膨張率損失を制御し得る、反応遅延タイプのアルミ単体である商品名セルメック(サンフロー株式会社製)を使用することができる。また本発明では、このような膨張剤を、充填グラウト材1.0mに対して例えば30〜50g配合することが好ましい。配合量が30gよりも少ないと一体性確保に必要な膨張率が得られないため、また配合量が50gより多いと過剰な膨張率により強度低下のおそれがあるため、いずれも好ましくない。
【0021】
そして、この発明のモルタルによる充填グラウト材によれば、そのフレッシュ性状の一つであるモルタルスランプフローを27〜33cmとする。モルタルスランプフローが27cmよりも小さいと充填に必要な高流動性を損ない、また33cmよりも大きいと高流動性は確保できてもペーストと砂との材料分離のおそれがあるため、いずれも好ましくない。なお、かかるモルタルスランプフローは、上端内径5cm,下端内径10cm,高さ15cmの、モルタル用のスランプコーンを用いて行ったスランプフローの測定結果である。
【0022】
一方、この発明のコンクリートによる充填グラウト材によれば、そのフレッシュ性状の一つであるコンクリートスランプフローを60〜80cmとする。コンクリートスランプフローが60cmよりも小さいと充填に必要な高流動性を損ない、また80cmよりも大きいと材料分離のおそれがあるため、いずれも好ましくない。なお、かかるコンクリートスランプフローは、JIS A 1101に示される、コンクリート用のスランプコーンを用いて行ったスランプフローの測定結果である。
【0023】
また、この発明のモルタルあるいはコンクリートによる充填グラウト材によれば、硬化後に0.5〜5.0%の膨張率が得られる。膨張率が0.5%よりも小さいと一体性確保に必要な膨張率が得られず、また5.0%よりも大きいと過剰な膨張率のため強度低下のおそれがあるため、いずれも好ましくない。
【0024】
さらに、この発明のモルタルあるいはコンクリートによる充填グラウト材によれば、硬化後に少なくとも40N/mmの圧縮強度を備える。圧縮強度が40N/mmよりも小さいと構造耐力上一体性を損なうおそれがあるため好ましくない。
【0025】
そして、この発明の充填グラウト材は、より好ましくは、前記水セメント比を、30%未満25%以上とすることができる。すなわち、水セメント比をかかる範囲とすることにより、硬化後に40N/mm以上の圧縮強度を容易かつ確実に確保できるという利点をさらに有することになる。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。この実施形態によれば、表−1の配合に基づいて現場計量を行うが、骨材の粒度分布や外気温の変動を考慮して、事前に試し練りを行い、流動性、強度、及び膨張性を確認する。現場計量は、計量の煩雑さや計量ミスを避けるため、セメント1袋(25kgf )を1単位として、所定の膨張剤を事前計量した包み(水溶性紙使用)を納入して使用する。また、砂の表面水状態は、表面水率0〜3%で管理したものを使用する(表面水率3%とは、砂を握りしめた後、放すとその形状は保持されても、手は濡れた感じがほとんどしない状態をいう。)。実際には砂の表面水はバラツキが大きく、その一方、厳しい管理は現場では煩雑である。そこで調合は多少の表面水率の変動に対しても所要強度を確保できるように安全側に水セメント比を設定する。
【0027】
【表1】
Figure 0003551017
【0028】
そして、具体的な水量の計量は、調合表の単位水量の80%とし、練混ぜ時の流動性の状態を見ながら最大で単位水量の10%(つまりトータルで単位水量の90%)まで追加投入する。残りの単位水量10%は、砂の表面水として既に含まれているものとみなすこととする(厳密には砂表面水率2.36%の場合に単位水量の10%分に相当する。)。
【0029】
高性能AE減水剤や膨張剤等からなる混和剤の使用量は、通常期・夏期でC×1.2〜1.3%を標準とし、水量と一緒に投入するが、練り上がりの流動性によって多少、調整を行う。また、冬期はC×1.4〜1.5%を標準とする。これは練り上がりの流動性に及ぼす混和剤の効果が外気温によって多少変化することに対応するための対応である。練混ぜ中に、気泡が多く発生するようであれば、以後、混和剤の添加量を多少減らすようにする。なお、低温ほど、所要の膨張率を確保するために膨張剤添加量を増やす必要があるが、5℃以下では添加量を増やしてもその効果をほとんど得られなく可能性があるので、8℃を越える温度で混合することが好ましい。
【0030】
ミキサーへの材料投入は、水、砂、セメントの順に投入し、1分間混練りして、モルタルの流動性を目視で確認しながら残りの水量10%および追加混和剤の投入の要否を判断する。さらに2分間混練りする。混練り後はフローの経時ロスを考えて30分以内に注入作業を完了するようにする。
【0031】
なお、型枠工事、グラウト注入孔・エア抜きパイプの設置、グラウトの注入等の各作業は、従来の無収縮グラウトの施工と同様にして行う。
【0032】
次に、このようにして製造され、あるいは注入される充填グラウト材について、以下の実施例1に示すように、フロー値を計測するとともに、圧縮強度試験、膨張率試験等を行い、また充填性等を確認する。
【0033】
なお、管理目標は表−1に示す値とする。また、スランプフロー試験は打設量10m毎、打込み日毎に行うことが好ましく、モルタル用スランプコーンを用いて測定する。強度試験はフロー試験を行う毎にテストピース 50×100を採取する。試験体数は材齢1週,4週各3本とし、養生は現場封かんまたは現場水中養生とする。膨張率試験を行う場合には、モールド 150×150にモルタルを採取し、変位計を用いて翌朝までの膨張量(頂部変形量)から膨張率=(膨張量/モルタル高さ)として測定する。
【0034】
[実施例1]
表−1の配合に基づいて得られた充填グラウト材が、市販の無収縮グラウト材と比べて同等以上の性能を有することを示すが、この発明はかかる実施例1に限定されるものではない。
【0035】
なお、この実施例に使用したこの発明の充填グラウト材の配合を上記表−1に、市販の無収縮グラウト材の配合を表−2に示す。
【0036】
【表2】
Figure 0003551017
【0037】
▲1▼フレッシュ性状
上述にようにして得られたこの発明の充填グラウト材の場合、モルタルスランプフローが31.5×30.5cm、空気量2.2%、モルタル温度23.0℃、外気温19.0℃であった。これに対し、市販の無収縮グラウト材は、J14ロート流下時間が9.2秒であった。
【0038】
▲2▼膨張率測定結果
膨張率の測定結果を図1に示す。この発明の充填グラウト材の膨張率は1.6%であった。またブリージングは認められなかった。これに対し、市販の無収縮グラウト材の膨張率は、当初の0.6%から若干低下して0.3%程度となった。
【0039】
▲3▼圧縮強度試験結果
圧縮強度の試験結果を表−3に示す。材齢7日で72.840N/mmの圧縮強度が得られ、また材齢4週で90.1N/mmの高い圧縮強度が得られた。これに対し、市販の無収縮グラウト材によれば、53.8N/mm程度の圧縮強度しか得られなかった。
【0040】
【表3】
Figure 0003551017
【0041】
▲4▼せん断強度試験結果
グラウト注入施工を模擬して、図2に示すようなせん断強度試験体を製作した。先打ちコンクリートを上面にセットし、下面の隙間部にグラウトを圧入する。この時、先打コンクリートの打継ぎ処理は、A:硬化後に手はつりする方法、B:先打ちコンクリートの打設前に硬化遅延シートを貼り、数日後にウォータージェットで洗い出す表面処理、の2種類の目荒らしを行った。注入ビニールホースの内径はφ25とした。ポンプ筒先抜き取りの際に、モルタルが多少漏れたためか、流動性が高く膨張率の小さな市販の無収縮グラウト材では、わずかに充填不良が認められた。
【0042】
せん断試験方法は図3に示す一面せん断法とした。試験結果を表−4に示すが、この発明の充填グラウト材によれば、打継ぎ処理A,Bのせん断強度はそれぞれ2.36,2.91N/mmであり、市販の無収縮グラウト材と同等以上のせん断強度を備えていた。すなわち、かかる試験結果により、この発明の充填グラウト材が極めて良好な充填性を備えていることが判明する。なお、相当の先端強度の発揮は、先打ちコンクリートと充填グラウト材との良好な密着一体化を示し、これによって充填性の優劣を評価することが可能になる。
【0043】
【表4】
Figure 0003551017
【0044】
なお、追加試験として、特に界面処理を施さない合板型枠の平滑な面のままの時の打継ぎ部せん断強度を同様に調べた。このせん断強度試験結果を表−5に示す。材齢16日で1.51N/mm(15.4kgf/cm)のせん断強度であり、界面処理を行った場合よりもせん断強度は低下するものの、設計強度Fc =27N/mmの短期許容せん断応力度1.14N/mm(11.6kgf/cm)の約1.3倍であった。
【0045】
【表5】
Figure 0003551017
【0046】
このような試験結果から、この発明のモルタルによる充填用グラウト材によれば、安価な材料を用いて現場において容易に調合することができるとともに、所望の流動性や無収縮性を備え、隙間部に容易に充填されて所要の強度を確実に発揮することのできる充填グラウト材を容易に得られることが判明する。
【0047】
[実施例2]
表−6の配合に基づいて得られたコンクリートによる充填グラウト材について施工試験を行った。なお、この実施例では、膨張剤として商品名「タイメック」(ポゾリス物産製)を使用した。
【0048】
【表6】
Figure 0003551017
【0049】
試験用の型枠の壁圧を20cm,開口高さを10cm,長さを400cmとし、D13,ピッチ100mmのダブル配筋、及びスパイラル筋φ70,ピッチ60mmという過密配筋の中での充填を行った。また、粗骨材としては10mm以下の寸法のものを使用した。このときのコンクリートのスランプフローは60cmであった。なお、図4に示すように、モルタルとこのモルタルを使用したコンクリートのスランプフローは、対応関係にあることが判明している。
【0050】
製造した充填コンクリートを、壁長さ4.0mの一方の端部から圧入し、もう片方からエア抜きし、ヘッド高さ20cmまでコンクリート天端が来た時点までポンプによる圧送を行った。圧送状況は良好であった。
【0051】
硬化後に部材断面を数カ所全切断して充填性状を調べたが、いずれも良好であった。なお、圧縮強度は43.7N/mmで膨張率は2%程度であった。
【0052】
かかる、施工試験から、この発明のコンクリートによる充填グラウト材によれば、現場において容易に混練り製造できるとともに、コンクリートスランプフロー60cm程度の流動性を確保すれば、従来の無収縮グラウトのような非常に高い流動性を備えていなくとも、良好な充填性が得られることが判明する。
【0053】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、この発明の充填グラウト材によれば、35%以下の水セメント比(W/C)で配合されるとともに、セメントに対する重量比で1.1〜1.6%の高性能AE減水剤、及び膨張剤が配合されることにより、フレッシュ性状として27〜33cmのモルタルスランプフローあるいは60〜80cmのコンクリートスランプフローを備え、かつ硬化後に0.5〜5.0%の膨張率と、少なくとも40N/mmの圧縮強度を備えるので、安価な材料を用いて現場において容易に調合することができるとともに、所望の流動性や無収縮性を備え、隙間部に容易に充填されて所要の強度を確実に発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の充填グラウト材の膨張率と市販の無収縮グラウト材の膨張率とを比較して示すチャートである。
【図2】この発明の充填グラウト材に対するせん断強度試験を行う際の試験体の製作状況を説明する斜視図である。
【図3】この発明の充填グラウト材に対する一面せん断法によるせん断強度試験を説明する断面図である。
【図4】この発明の充填グラウト材に係るモルタルとコンクリートとのスランプフローの対応関係を示すチャートである。

Claims (3)

  1. コンクリートに挟まれた隙間部に充填されるモルタルによる充填グラウト材において、
    該充填グラウト材が、増粘剤を添加することなく、35%以下の水セメント比(W/C)で配合されるとともに、セメントに対する重量比で1.1〜1.6%の高性能AE減水剤、及び膨張剤が配合されることにより、フレッシュ性状として27〜33cmのモルタルスランプフローを備え、かつ硬化後に0.5〜5.0%の膨張率と、少なくとも40N/mmの圧縮強度を備えることを特徴とする充填グラウト材。
  2. コンクリートに挟まれた隙間部に充填されるコンクリートによる充填グラウト材において、
    該充填グラウト材が、増粘剤を添加することなく、35%以下の水セメント比(W/C)で配合されるとともに、セメントに対する重量比で1.1〜1.6%の高性能AE減水剤、及び膨張剤が配合されることにより、フレッシュ性状として60〜80cmのコンクリートスランプフローを備え、かつ硬化後に0.5〜5.0%の膨張率と、少なくとも40N/mmの圧縮強度を備えることを特徴とする充填グラウト材。
  3. 前記水セメント比(W/C)が、30%未満25%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の充填グラウト材。
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