JP7203672B2 - 耐酸性ロックボルト定着材及び耐酸性ロックボルト定着材用プレミックス材 - Google Patents
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Description
一般的なセメント系材料は硫酸によって劣化し易く、短時間で腐食が進むことになるため、耐酸性セメント材料についての研究が行われている。
耐酸性セメント系材料としては、アルミナセメントや樹脂モルタルが古くから使用されており、実績も多いが、特殊な混和材を用いるものであり高価である。
例えば、特許文献1には、耐酸性セメント組成物として、セメント40~50%と、シリカフューム10~30%と、高炉スラグ微粉末20~25%とからなり、セメント、シリカフューム及び高炉スラグ微粉末とで100質量%となる耐酸性セメント組成物及びそれを用いたモルタル又はコンクリートが記載されている。
特許文献3には、セメント、シリカヒューム、高炉水砕スラグ、フライアッシュと、膨張材からなる結合材組成物を用いたモルタル組成物が記載されている。
山岳トンネル等のトンネルの築造工事において、掘削後のトンネルの内面に吹付けコンクリートを施し、該吹付けコンクリートを貫通し地山に達するように削孔を形成した後、該削孔内に挿入され、定着材を用いて削孔内に定着されて使用される。
またトンネル以外に、地山の法面を安定化させるために、ロックボルトが用いられることがある。斯かるロックボルトの定着に用いられる定着材としては、セメント等の結合材を含む定着材が用いられるが、例えば山岳トンネルでは、前述した強酸性の湧水が発生することが多く、また、トンネルの天端部やアーチ部に形成された削孔へ充填する必要もあること等から、通常の壁面を形成するコンクリートやモルタルに要求される性能を有するのみでは不充分である場合も多く、ロックボルト定着材としての特有の性能も要求される。
1.高い耐酸性及び高強度
酸性度が高い水によっても劣化しにくい高い耐酸性が要求される。耐酸性でない通常の定着材の酸による劣化は、硫酸性地下水と接触する定着材表面部から始まり、この部分がブヨブヨになってゆき、定着状態が悪くなる。耐酸性定着材を用いてこの劣化を防止することにより、ロックボルトの削孔内への定着状態が維持され、ロックボルトを用いたトンネル内面や地山の法面の支保機能が長期にわたって維持される。耐酸性を向上させるためには、セメント分、酸に弱いポルトランドセメントの配合割合を減らすことが好ましいが、他方において、打設後のロックボルトに所要の引抜き強度を確保するためには、セメント分の減量による強度の低下を防止し、必要な強度を確保する必要がある。
2.圧送性
一般的な装置を用いて混錬及び圧送ができることが好ましい。特にシリカヒュームを用いた場合、粘性が高くなるが、ロックボルト定着材を練混ぜ、削孔内に圧送して充填し得る圧送性を有する必要がある。好ましくは、最も一般的な練り混ぜ圧送装置である株式会社ケー・エフ・シーの「MAIポンプ」等で、削孔に圧送して充填可能な流動性を有することが望まれる。
3.定着性
トンネルの天端部やアーチ部、法面の高位置等に形成された削孔に充填した場合においても、充填した定着材が、削孔外へ流れでるダレ落ちや、ロックボルトが削孔内に定着せずに抜け落ちる抜け出しといった現象が生じないことが望まれる。
特許文献2に記載の防蝕性モルタルは、フライアッシュを比較的多量に用いている。これは、他の混和材に比べて安価であるためと思われるが、フライアッシュを混入すると、ポゾラン反応速度がシリカフュームに比べて著しく遅いため、初期強度が発現しにくくなる欠点があり、定着性が不十分となりやすく、ロックボルトの定着材には適さないものとなる。
特許文献3に記載のモルタル組成物は、結合材(B)に対する前記細骨材(S)の質量比(S/B)が2.05~2.15と大きいため、圧送性が低く定着材には不向きである。
本発明の目的は、耐酸性及び強度に優れ、強酸性水によっても劣化が生じにくい上に、圧送性及び定着性に優れるロックボルト定着材を容易に調製することができる、ロックボルト定着材用プレミックス材を提供することにある。
本発明は、特許文献1に記載の耐酸性セメント組成物を、ロックボルト定着材に応用するに当たり、作業性を含めた耐酸性ロックボルト定着材としての諸性能を画期的に高めたものである。
本発明のロックボルト定着材用プレミックス材は、耐酸性及び強度に優れ、強酸性水によっても劣化が生じにくい上に、圧送性及び定着性に優れたロックボルト定着材を容易に調製することができ、例えば、山岳トンネル築造工事現場等のトンネル工事現場において、特殊な装置を用いなくても簡単に調製することができる。
前記セメントとしては、ポルトランドセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメント又はアルミナセメント等のいずれの種類のセメントでもよいが、ポルトランドセメント又は高炉セメントであることが好ましい。これらのセメントは一種を単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。ポルトランドセメント又は高炉セメントという表現には、いずれか一方のみを用いる場合と両者を併用する場合とが含まれる。ポルトランドセメントは、JIS R 5210に規定されるポルトランドセメントが好ましく、普通、早強、超早強又は中庸熱などのポルトランドセメントのうち、いずれの種類のポルトランドセメントでもよい。また、高炉セメントとしては、スラグ比率によって区分されるA種(5~30%)、B種(30~60%)、C種(60~70%)の三種のうち、いずれの種類の高炉セメントでもよい。
これに対して、本発明のロックボルト定着材においては、セメント(C)、シリカフューム(SF)及び高炉スラグ微粉末(BFS)の質量比(C:SF:BFS)を2:1:1として用いる。具体的には、セメント(C)、シリカフューム(SF)及び高炉スラグ微粉末(BFS)を、前記の配合質量比(C:SF:BFS)を2:1:1として、ロックボルト定着材の他の構成成分と配合し、また後述するロックボルト定着用プレミックス材を用いてロックボルト定着材を調製する際には、セメント(C)、シリカフューム(SF)及び高炉スラグ微粉末(BFS)を質量比2:1:1で含むプレミックス材を用いる。得られるロックボルト定着材中における、セメント(C)、シリカフューム(SF)及び高炉スラグ微粉末(BFS)の質量比も基本的に同じである。
前記結合材成分比(C:SF:BFS)を2:1:1とすること、すなわち質量基準で、シリカフューム(SF)と高炉スラグ微粉末(BFS)とを同量使用し、セメント(C)をそれらの2倍量用いることにより、セメントの使用量の抑制等による優れた耐酸性、シリカフュームの初期における急速なポゾラン反応性によるセメントと水との水和反応によって生成された水和初期の水酸化カルシウムの消費による耐酸性の向上、及び高炉スラグ微粉末の潜在水硬性等による水和中・長期における優れた水酸化カルシウムの消費と強度発現性等により、耐酸性及び強度に優れた硬化体を生じるロックボルト定着材が得られる上に、前述した圧送性や定着性等の、ロックボルト定着材に要求される他の性能に優れたロックボルト定着材の設計が容易となる。
セメント(C)、シリカフューム(SF)及び高炉スラグ微粉末(BFS)は、セメントの配合量を100質量部としたとき、シリカフューム(SF)の配合量が45~55質量部であり且つ高炉スラグ微粉末(BFS)の配合量が45~55質量部であることがより好ましく、シリカフューム(SF)の配合量が48~52質量部であり且つ高炉スラグ微粉末(BFS)の配合量が48~52質量部であることが更に好ましい。
細骨材としては、モルタルやコンクリートに従来使用されている各種公知のものを特に制限なく用いることができる。細骨材は、10mmふるいをすべて通過し、5mm以下のものが重量で85%以上含まれるものが好ましい。細骨材は、通常、細砂、粗砂、4~6号珪砂等の砂であり、山砂、川砂、海砂、人工細砂等を用いることができる。これらの細骨材は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。細骨材としては、施工性(圧送性や充填性)や乾燥収縮の低減等の観点から、粒径2.5mm以下の細砂等の砂を用いることが好ましい。
砂結合材比(S/B)を1.5以上として、硫酸と反応する水酸化カルシウムを生成するセメント量を少なくすることと、セメントと置換した混和材のポゾラン反応や潜在水硬性による反応により水酸化カルシウムを消費することの二重の効果により、プレミックス材の耐酸性、より詳細にはロックボルト定着材の耐酸性が一層向上する。他方、砂結合材比(S/B)が高すぎると、結合材の割合が少なくなり、ロックボルト定着材に要求される定着性が不十分となったり、ロックボルト定着材に必要な強度が得られにくくなる等の不都合が生じやすくなる。例えば、前記結合材成分比(C:SF:BFS)を2:1:1とし、水の配合量を調整しても、定着性が不十分となりやすく、また所定の材齢で10N/mm2以上というロックボルト定着材に要求される初期強度発現性を満たすことが難しくなる。このような観点から、砂結合材比(S/B)は2.0以下とすることが好ましく、より好ましくは1.8以下、更に好ましくは1.75以下である。所定の材齢で10N/mm2以上という基準を満たさない場合は、初期段階でロックボルトの性能が発揮されない等の不都合を生じやすくなる。
また「材齢1日の圧縮強度が10N/mm2以上」という強度の基準値が適用される場合であって、セメントとして、JIS R 5210に規定される普通ポルトランドセメントを用いる場合、図2に示すように、水結合材比(W/B)は、40~42.5%とすることが好ましい。水結合材比(W/B)を42.5%以下、より好ましくは42.0%以下とすることにより、上記の基準値を満たすロックボルト定着材が得られるとともに、水結合材比(W/B)を40%以上とすることにより、耐酸性に優れたロックボルト定着材が容易に得られる。
高性能減水剤としては、例えば、アルキルアリルスルホン酸塩(例えばナフタリンスルホン酸塩)、メラミンスルホン酸塩、ポリカルボン酸系化合物を主成分とするものが挙げられる。高性能AE減水剤は、一般に、ポリカルボン酸系、ナフタリン系、アミノスルホン酸系及びメラミン系の4種類に分類されており、いずれを使用することもできる。減水剤は、液状、粉状又はペースト状のものを用いることができるが、粉体が好ましい。粉体である減水剤は、後述するロックボルト定着材用プレミックス材に予め所定量配合しておくことにより、トンネル工事現場等におけるロックボルト定着材の調製が一層容易となる。
また減水剤は、一般的な粉体の減水剤として容易に入手可能である等の観点から、アリールスルホン酸系化合物又はポリカルボン酸系化合物からなるものを用いることが好ましい。アリールスルホン酸系化合物又はポリカルボン酸系化合物からなるものには、アリールスルホン酸系化合物又はポリカルボン酸系化合物を主成分とする粉体も含まれる。
また好ましくは、所定の強度の基準値として、「材齢1日の圧縮強度が10N/mm2以上」という強度の基準値を満たすように設計されたものであって、砂結合材比(S/B)が1.5~2.0、水結合材比(W/B)が40~45%、及びJIS R 5201(2015)に規定するテーブルフロー値が130mm~170mmであることが好ましい。砂結合材比(S/B)、水結合材比(W/B)及びテーブルフロー値が上記範囲内であることによって、上記の強度の基準時を満たし、且つ前述した耐酸性、強度、圧送性、定着性のいずれにも優れたものとなる。
〔試験1〕
表1及び表2に示す配合のロックボルト定着材を調製した。具体的には、セメント(C)、シリカフューム(SF)及び高炉スラグ微粉末(BFS)を、結合材成分比(C:SF:BFS)=2:1:1で含有するセメント組成物を結合材(B)として用いる。そして、その結合材(B)に、細骨材(S)及び水(W)を、砂結合材比(S/B)及び水結合材比(W/B)が、表1又は表2に示す値となるように配合し、公知のモルタルミキサーを用いて混練して、フレッシュモルタルである耐酸性ロックボルト定着材を得た。減水剤は、粉体として使用する場合は、結合剤や細骨材と共にモルタルミキサーで空練りし、液体に溶かして使用する場合は混練時に投入する水に溶かした状態で添加した。表中の減水剤配合率(%)は、結合材(B)の総質量に対する減水剤配合量の割合を百分率で示す。
C:セメント
N:普通ポルトランドセメント(密度3.16g/cm3)
H:早強ポルトランドセメント(密度3.14g/cm3)
SF:シリカフューム(密度2.23g/cm3、比表面積22.5m2/g)
BFS:高炉スラグ微粉末(密度2.91g/cm3、比表面積4340m2/g)
S:細骨材(細砂、絶乾密度2.62g/cm3、粗粒率2.15、吸水率1.48%)
G:減水剤(粉体高性能減水剤、アリールスルホン酸系化合物)
B:結合材
W:水(上水)
W/B:水結合材比(百分率)
S/B:水結合材比
(1)圧縮強度試験
圧縮強度試験は、JIS R 5201「セメントの物理試験方法」に記載の方法に従って実施し、硫酸浸漬試験は、特許公報1に記載の方法に従って実施した。圧縮強度試験は、ロックボルト定着材を型枠内で硬化させた直径50mmで高さ100mmの円柱状の供試体を用いて実施した。
圧縮強度試験は現場封かんの条件下で1日間養生した材齢1日の硬化体を用いて実施した。圧縮強度試験の結果を表1に示した。また図2に、耐酸性ロックボルト定着材に用いたセメントの種類、水結合材比及び材齢1日圧縮強度の関係を示した。図2に示すグラフから、材齢1日圧縮強度の目標値10N/mm2以上を満足する配合は、水結合材比が、結合材(セメント組成物)に早強ポルトランドセメントを使用した場合で40~45%の配合、普通ポルトランドセメントを使用した場合で40%の配合である。図2に示す結果から、材齢1日圧縮強度の目標値10N/mm2以上を満たす配合とするには、水結合材比が、早強ポルトランドセメントについては40~45%が好ましく、普通ポルトランドセメントについては40~42.5%、特に40~42%が好ましいことが判る。図2に示されるように、砂結合材比が一定の場合、水結合材比が大きいほどセメント量が少なくなる。結合材中のセメント分の割合が減少すると耐酸性が向上するため、普通ポルトランドセメントよりも、早強ポルトランドセメントを用いた方が、耐酸性及び強度の両方に優れたロックボルト定着材を得ることが容易となる。
硫酸浸漬試験は、表2に示す番号7~10の配合のロックボルト定着材について行った。
表2に示す番号7~10の配合は、前述の圧縮強度試験の結果に基づき、材齢1日の圧縮強度の目標値10N/mm2以上を満たすように、水結合材比を40~45%(普通ポルトランドセメントについては40~42.5%、早強ポルトランドセメントについては40~45%)の範囲内の40%に設定するとともに、JIS R 5201に規定されるテーブルフロー値が、NEXCOのトンネル施工管理要領における基準値である150±20mmとなるように減水剤を配合した配合である。
硫酸浸漬試験は、その養生期間3日及び養生期間28日の供試体を、硫酸濃度5%の硫酸水溶液に7日及び28日間浸漬した。硫酸水溶液は、7日毎に全量を取り替えた。浸漬終了後、質量測定を行い、質量変化率を求めた。硫酸浸漬試験の結果を表2に示した。また図3に、水結合材比と質量変化率との関係を示した。質量変化率(%)は、下式により水中養生後の初期値と浸漬終了後の測定値から算出する。
水結合材比を、材齢1日圧縮強度の目標値10N/mm2以上を満たすように設定した40~45%の範囲内とし、砂結合材比を1.50~2.00の範囲内とし、且つテーブルフロー値を150±20mmとなるように減水剤を配合した本発明の実施例であるロックボルト定着材は、表2及び図3に示されるように、圧縮強度が前記目標値を満たすとともに、質量変化率の目標値±10%以内を満足しており、耐酸性及び強度に優れることが判る。またフレッシュモルタルの状態におけるテーブルフロー値が150±20mmの範囲内であり、ロックボルト定着材としての圧送性にも優れることが判る。また、図3に示す結果から、砂結合材比と質量変化率との間には、砂結合材比が減少するにつれて質量変化率が漸次減少する相関関係があることが判り、その相関関係から砂結合材比が1.5程度以上であれば、質量減少率の目標値±10%以内の達成が可能であると推定される。
圧送性及び定着性等の確認試験
表1中の番号2の配合を有する本発明に係るロックボルト定着材を用いて、トンネル工事現場での施工実験を行い、本発明に係るロックボルト定着材の施工性および定着性等の品質について確認した。表3に施工実験条件を示す。トンネルの内壁に、削孔機により上半断面1スパン分の側壁部から天端部までを直径45mmの長さ3mで削孔し、連続混合式庄送装置(株式会社ケー・エフ・シーの「MAIポンプ」)を用いて、ロックボルト定着材の構成材料を混練し、削孔内に充填した後、ロックボルトを挿入した。施工本数は、図4に示すように、天端部1本、アーチ部2本、側壁部2本とした。図4中、ロックボルト1が、本発明の実施例のロックボルト定着材で固定したロックボルトであり、従来のロックボルト定着材で定着させた既存のロックボルト1aの位置からトンネルの周方向に50cm離して施工した。施工時には、天端部の削孔への充填時においても、定着材のダレ落ちやロックボルトの抜出し等の不具合はなく、通常と同様の施工が可能であった。また試験2に用いたロックボルト定着材は、表4に示すフロー値及び圧縮強度を示した。また試験2に用いたロックボルト定着材は、表4に示すように、フロー値が、定着材の圧送前後において共に152mmという同じ値を示し、圧送による流動性の変動が小さいことが判る。
5 削孔
6 ロックボルト定着材
7 二次覆工コンクリート
10 トンネル
Claims (3)
- 地山に向けて形成した削孔内にロックボルトを固定するための耐酸性ロックボルト定着材であって、
セメント(C)、シリカフューム(SF)及び高炉スラグ微粉末(BFS)からなる結合材(B)と、水(W)及び細骨材(S)とを配合してなり、
前記セメント、前記シリカフューム及び前記高炉スラグ微粉末の配合質量比(C:SF:BFS)が2:1:1であり、前記セメントが、早強ポルトランドセメントであり、
さらに、細骨材(S)及び高性能減水剤(G)を含有しており、
前記結合材(B)に対する前記水(W)の質量比である水結合材比(W/B)を40~45%とするとともに、前記結合材(B)に対する前記細骨材(S)の質量比である砂結合材比(S/B)を1.50~2.00としてなり、
前記高性能減水剤(G)の添加割合は、前記結合材の量に対して0.6~1.1質量%であり、且つ前記結合材(B)と前記水(W)と前記細骨材(S)と前記高性能減水剤(G)とを混合してなるフレッシュモルタルの状態における、JIS R 5201(2015)に規定するテーブルフロー値が130mm~170mmとなるように定められることを特徴とする、耐酸性ロックボルト定着材。 - 前記高性能減水剤(G)は、前記水結合材比(W/B)が高いほど少なく添加されるように、その添加割合が定められるか、又は、前記砂結合材比(S/B)が高いほど多く添加されるように、その添加割合が定められることを特徴とする、請求項1に記載の耐酸性ロックボルト定着材。
- 地山に向けて形成した削孔内にロックボルトを固定するための耐酸性のロックボルト定着材を調製するためのプレミックス材であり、後添加される水と混錬されて使用される粉体のプレミックス材であって、
セメント(C)、シリカフューム(SF)及び高炉スラグ微粉末(BFS)からなる結合材(B)を含有し、前記セメントが、早強ポルトランドセメントであり、
前記セメント、前記シリカフューム及び前記高炉スラグ微粉末の配合質量比(C:SF:BFS)が2:1:1であり、
さらに、細骨材(S)及び粉体の高性能減水剤(G)を含有し、前記結合材(B)に対する前記細骨材(S)の質量比である砂結合材比(S/B)が1.50~2.00であり、
前記粉体の高性能減水剤の添加割合は、前記結合材の量に対して0.6~1.1質量%であり、
前記結合材(B)と前記水(W)と前記細骨材(S)と前記高性能減水剤とを混合してなるフレッシュモルタルの状態における、JIS R 5201(2015)に規定するテーブルフロー値が130mm~170mmとなるようにして使用されることを特徴とする、耐酸性ロックボルト定着材用プレミックス材。
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