JP6894186B2 - モータアクチュエータ - Google Patents
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Description
タは、周方向にS極とN極とが交互に設けられた磁石を備えたロータと、前記磁石と径方向で対向する複数のティースを備えたステータコアと、を有し、前記複数のティースには、周方向に配置された複数の主極と、周方向で隣り合う前記主極の間に配置され、周方向における寸法である幅寸法が前記主極より小の補極と、が含まれ、前記伝達機構は、前記モータへの通電を停止している期間に前記ロータを回転させる負荷を印加する機構を含んでおり、前記ロータの磁極の数は、N極およびS極合わせて8極であり、前記主極は、周方向で離間する2つの領域の各々に、3つ等間隔に配置され、前記補極は、回転中心軸線を中心とする点対称な2個所に配置されるとともに、前記2つの領域に前記ロータの回転方向側で隣り合う位置の各々に配置され、前記補極の幅寸法は、前記主極の幅寸法の1/2倍より広く、前記主極の幅寸法の3/4倍より狭いことを特徴とする。
図1は、本発明を適用したモータアクチュエータ1における動力系統を示す説明図である。図1に示すように、モータアクチュエータ1の動力系統は、モータ10の動力を被駆動部材90に伝達する第1伝達機構2と、クラッチ手段30を動作させる第2伝達機構3とからなる。クラッチ手段30は、第1伝達機構2による動力の伝達を継状態もしくは断状態に切り替える。クラッチ手段30が継状態であれば、モータ10の動力は被駆動部材90に伝達される。クラッチ手段30が断状態であれば、モータ10の動力は被駆動部材90に伝達されない。本形態では、クラッチ手段30を動作させる動力としてモータ10の動力の一部を利用する。
図2は、本発明を適用したモータアクチュエータ1の要部を示す斜視図である。図3は、本発明を適用したモータアクチュエータ1の要部の分解斜視図である。図4は、図3に示すクラッチ手段30の分解斜視図である。図5は、本発明を適用したモータアクチュエータ1におけるクラッチピニオン21およびモータピニオン41の説明図である。図6は、図3に示す従動側歯車43の下方に配置されたロックレバー44等の説明図である。
る動力の伝達を継状態もしくは断状態に切り替えるクラッチ手段30と、モータ10の動力をクラッチ手段30に伝達する第2伝達機構3と、従動側歯車43に負荷を与える負荷付与手段50とを備えている。モータ10、第1伝達機構2、クラッチ手段30、第2伝達機構3、および負荷付与手段50はいずれも、ケース(図示せず)内に収容されている。モータ10は、交流同期モータであり、かかるモータ10の詳細な構成は、図7等を参照して後述する。
図4は、図3に示すクラッチ手段30の分解斜視図である。図5は、本発明を適用したモータアクチュエータ1におけるクラッチピニオン21およびモータピニオン41の説明図である。図6は、図3に示す従動側歯車43の下方に配置されたロックレバー44等の説明図である。第1伝達機構2は、モータ10の動力を被駆動部材90(図3参照)まで伝達する出力系統を構成する。第1伝達機構2は、クラッチピニオン21と、クラッチピニオン21に噛合する入力側歯車22と、クラッチ手段30が継の状態のとき入力側歯車22の回転に伴って回転する出力側歯車23(図4参照)と、出力側歯車23に噛合する複合歯車24と、複合歯車24に噛合するカム歯車25と、カム歯車25と一体的に回転するプーリ26とを有している。プーリ26には、被駆動部材90が接続されたワイヤ27(図3参照)が巻かれている。入力側歯車22および出力側歯車23はクラッチ手段30を構成している。
歯車部251が形成された円板部分の上端面には、カム溝252が形成されている。かかるカム溝252には、後述する扇形レバー60が係合している。
図4に示すクラッチ手段30の動作は、入力側歯車22(太陽歯車)、出力側歯車23(遊星歯車231および遊星支持歯車232)、および固定歯車31(リング歯車)からなる遊星歯車機構を利用したものである。クラッチ手段30において、入力側歯車22と遊星支持歯車232との間には、固定歯車31が配置されており、固定歯車31は、外歯車311および内歯車312を有している。固定歯車31の内歯車312には、3つの遊星歯車231が噛み合っている。固定歯車31の外歯車311は、入力側歯車22の大径歯車221の下側に位置し、後述するロック歯車46と噛み合っている。このため、ロック歯車46の回転が阻止されている場合、固定歯車31の回転は阻止される。
第2伝達機構3は、モータ10の動力をクラッチ手段30まで伝達するクラッチ作動系統を構成する。第2伝達機構3は、モータピニオン41、モータピニオン41に噛合する駆動側歯車42、駆動側歯車42に噛合する従動側歯車43、従動側歯車43が下方に移動した際に押し下げられるロックレバー44(図6参照)、およびロックレバー44が押し下げられた際にロックされるロック歯車46を有している。モータピニオン41は、モータ10のロータ15と一体的に形成された平歯車である。モータピニオン41の上面には、クラッチピニオン21の下面に形成された上係合部215と係合する下係合部415(図5参照)が形成されている。従って、後述する扇形レバー60の傾斜カムによってクラッチピニオン21が最下に位置し、クラッチピニオン21の上係合部215とモータピニオン41の下係合部415とが係合したとき、クラッチピニオン21とモータピニオン41は一体的に回転する。すなわち、モータ10の動力がクラッチピニオン21にも伝達される。
負荷付与手段50は、従動側歯車43に対し、その回転方向と反対方向の負荷を与える構成であり、ウォームギアからなる歯車51と、遠心ブレーキからなる負荷部52とを有している。歯車51は、従動側歯車43の軸線方向と直交する方向に延在しており、大径歯車432と噛み合っている。大径歯車432と歯車51とは、増速歯車機構を構成している。従って、従動側歯車43の回転は増速されて歯車51に伝達される。負荷部52は、回転速度が大きくなると回転を止める方向に生じる負荷が増大する調速機である。
再び図2および図3において、複合歯車24の上には扇形レバー60が配置されている。扇形レバー60は、複合歯車24と同様、支軸247に回転自在に支持されている。扇形レバー60の下面には、係合突起61が形成されている。かかる係合突起61は、カム歯車25の上面に形成されたカム溝252に係合している。図示を省略するが、扇形レバー60の下面には、ロック突起と傾斜カムとが形成されている。従って、プーリ26がワイヤ27を所定位置まで巻き上げる際、扇形レバー60が所定位置まで回転すると、カム歯車25の動作に連動してロック突起がクラッチピニオン21の被ロック突起211に作用し、クラッチピニオン21の回転を阻止する。これと同時に傾斜カムによって下向きに押さえつけられていたクラッチピニオン21が解放され、コイルばねによって上向きに移動する。これにより、クラッチピニオン21の上係合部215と、モータピニオン41の下係合部415の係合が解かれる。つまり、モータ10の動力がクラッチピニオン21に伝達されない状態となる。
モータアクチュエータ1では、原位置にある被駆動部材90に対しモータ10の動力を伝達する動力伝達動作と、モータ10の動力の伝達を遮断し被駆動部材90を原位置に戻す動力遮断動作とが行われる。
動力伝達動作では、被駆動部材90が原位置にある状態(ワイヤ27がプーリ26に巻き上げられていない状態)でモータ10を一方向に駆動させると、モータピニオン41およびクラッチピニオン21が一体に一体に回転し、従動側歯車43が回転する。従動側歯車43の大径歯車432には歯車51が噛み合っているため、その回転速度が大きくなると、回転を停止させようとする方向に負荷が発生し、かかる負荷は、従動側歯車43に印加される。ここで、駆動側歯車42と従動側歯車43の間の動力の伝達は、はす歯の噛み合いによるものである。従って、従動側歯車43は、駆動側歯車42の回転により、下向きのスラスト荷重を受け、従動側歯車43は、回転しながら下方に移動する。また、従動側歯車43と歯車51との噛み合いもはす歯によるものであるため、従動側歯車43には下向きの大きなスラスト荷重が発生する。その結果、ロックレバー44は、下方に移動するので、ロック歯車46の回転が阻止される。よって、固定歯車31の回転も阻止されるので、クラッチ手段30によって第1伝達機構2による動力の伝達が継状態となる。
レバー60がカム歯車25から離れる方向に回転する。その結果、扇形レバー60のロック突起が、クラッチピニオン21の被ロック突起211に周方向から当接する。これにより、クラッチピニオン21の回転が阻止された状態となる。また、扇形レバー60の傾斜カムによって軸線方向下向きに押さえつけられていたクラッチピニオン21が解放され、上方に移動する。これにより、クラッチピニオン21の上係合部215と、モータピニオン41の下係合部415の係合が解かれ、モータ10の動力がクラッチピニオン21に伝達されない状態となる。その結果、プーリ26によるワイヤ27の巻き上げが停止し、当該巻き上げ位置でプーリ26が保持された状態(被駆動部材90が洗濯機の排水口を開閉する弁体である場合には、排水口の開放が維持される状態)となる。
被駆動部材90を原位置に戻す場合、モータ10への通電を停止する。その結果、モータピニオン41および駆動側歯車42の回転が停止するため、従動側歯車43の回転も停止する。従動側歯車43の回転が停止すると、従動側歯車43に対する下向きのスラスト荷重が消滅する。ここで、従動側歯車43は、ロックレバー44とともに付勢部材によって上向きに付勢されているから、スラスト荷重が消滅すると、従動側歯車43は回転しながら上方に移動し、原位置に戻る。その際、ロックレバー44も上方に移動し、原位置に戻る。ロックレバー44が上方に移動すると、ロックレバー44のロック部441の高さ方向位置は、ロック歯車46の被ロック部461の高さ方向位置より高くなる。従って、ロック歯車46の回転が阻止された状態は解消され、ロック歯車46は自在に回転することができる。従って、クラッチ手段30の固定歯車31が自在に回転することができる状態となり、クラッチ手段30が断状態となる。ここで、被駆動部材90は、自身に作用する外部負荷により、常に原位置に戻ろうとしている。例えば、被駆動部材90が洗濯機の排水口を開閉する弁体であって、モータアクチュエータ1の駆動により排水口を開放する方向に弁体を動作させる場合には、弁体は常に排水口を閉鎖する方向に付勢されている。従って、クラッチ手段30が断状態となると、被駆動部材90にかかる負荷は、第1伝達機構2を逆行するようにして出力側歯車23の遊星支持歯車232まで伝達される。このようにして伝達された被駆動部材90にかかる負荷に基づくエネルギーは、クラッチ手段30が断状態となっているため、出力側歯車23の空転によって消費される。これにより、被駆動部材90は原位置に戻る。
図7は、本発明を適用したモータアクチュエータ1に用いたモータ10の分解斜視図である。図7に示すように、モータ10は、支軸150に回転可能に支持されたロータ15
と、ステータ11とを有しており、ロータ15は、円筒状の磁石14を有している。ステータ11は、磁石14に径方向外側で対向する複数のティース18を備えた板状のステータコア12と、ステータコア12を保持するインシュレータ13とを有しており、ティース18は、インシュレータ13の円筒状の胴部130の内周面に沿うように位置決めされている。インシュレータ13は、胴部130の両側にフランジ部131、132を有しており、フランジ部131、132の間では、胴部130にコイル線19が巻回されている。このように構成したステータ11は、カバー16によって覆われており、カバー16とインシュレータ13とは連結されている。
図8は、本発明を適用したモータアクチュエータ1のモータ10のティース18の説明図であり、図8(a)、(b)はティース18の平面図、およびその際の磁場解析結果を示す説明図である。
らロータ15の回転角で15°ずれている。
以上説明したように、本形態のモータアクチュエータ1に用いたモータ10(交流同期モータ)では、補極18bの幅寸法Wbが主極18aの幅寸法Waの1/2倍より広く、3/4倍より狭いため、ディテントトルクが適正なレベルである。また、補極18bの幅寸法Wbが主極18aの幅寸法Waの3/4倍より狭いため、安定点O31とデッドポイントD30とを十分に離間させることができる。従って、ロータ15がデッドポイントD30で停止しにくいので、モータ10を適正に起動させることができる。また、補極18bの幅寸法Wbが主極18aの幅寸法Waの1/2倍より広いため、ロータ15の磁極がティース18の間を飛び越える際の磁極の吸引と反発に起因するトルクの変動を抑えることができるので、ロータ15の振動を抑制することができる。それ故、起動不良およびロータ15の振動の双方を抑制することができる。
上記実施の形態では、補極18bを180°離間した角度位置に設けたが、例えば、隣り合う位置に補極18bを設けてもよい。また、上記実施の形態では、2つの補極18bを設けたが、補極18bを1個所あるいは3箇所以上に設けてもよい。
Claims (2)
- 交流同期モータと、
前記交流同期モータの出力を伝達する伝達機構と、
を有しているモータアクチュエータにおいて、
前記交流同期モータは、周方向にS極とN極とが交互に設けられた磁石を備えたロータと、前記磁石と径方向で対向する複数のティースを備えたステータコアと、を有し、
前記複数のティースには、周方向に配置された複数の主極と、周方向で隣り合う前記主極の間に配置され、周方向における寸法である幅寸法が前記主極より小の補極と、が含まれ、
前記伝達機構は、前記モータへの通電を停止している期間に前記ロータを回転させる負荷を印加する機構を含んでおり、
前記ロータの磁極の数は、N極およびS極合わせて8極であり、
前記主極は、周方向で離間する2つの領域の各々に、3つ等間隔に配置され、
前記補極は、回転中心軸線を中心とする点対称な2個所に配置されるとともに、前記2つの領域に前記ロータの回転方向側で隣り合う位置の各々に配置され、
前記補極の幅寸法は、前記主極の幅寸法の1/2倍より広く、前記主極の幅寸法の3/4倍より狭いことを特徴とするモータアクチュエータ。 - 前記補極は、周方向で隣り合う前記主極の間のうち、前記ロータの回転方向とは逆側に位置する前記主極との間隔が前記ロータの回転方向側に位置する前記主極との間隔より狭いことを特徴とする請求項1に記載のモータアクチュエータ。
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