JP6893168B2 - 腐食環境モニタリング装置及び腐食診断装置 - Google Patents

腐食環境モニタリング装置及び腐食診断装置 Download PDF

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Description

本発明は、腐食環境モニタリング装置及び腐食診断装置に関する。
下水道管渠の環境では、硫化水素、硫化メチル、二硫化メチル、メチルメルカプタン等の硫黄系ガスが発生する。下水道管渠の環境で発生する主要ガスである硫化水素は、下水道管渠を構成するコンクリートの表面で硫酸を生成して、コンクリートの腐食劣化を引き起こす。このため、下水道管渠内の硫化水素濃度を常時モニタリングすることにより、下水道管路設備の合理的な改修や改築時期、又は更新時期を予測する上で重要な情報を得られる。
しかし、下水道管渠等の硫化水素濃度が高い環境にて、硫化水素濃度を計測するセンサを設置すると、硫化水素により短期間でセンサが劣化する。したがって下水道管渠等の硫化水素濃度が高い環境で長期にわたり連続的に硫化水素濃度をモニタリングすることが望まれている。硫化水素のモニタリング方法としては、硫化水素濃度を直接測定する他に、金属、例えば銀の腐食量を測定して間接的に硫化水素濃度の濃度を推定する方法があった。
大都市の下水道管渠において、下水道設備間に下水道光ファイバが既に整備され、今後も下水道光ファイバの整備の拡充が予定されている。光ファイバ網は、処理場、ポンプ所間の運転状況の監視や設備維持管理、水位や流量を計測することによるポンプ運転の適正化等に役立てられている。光ファイバ網活用の一環として、下水道管渠のコンクリートの劣化検知のために、光ファイバ網を利用した硫化水素濃度の常時モニタリングが要求されている。下水道管渠内で硫化水素を測定するにあたり、一度設置した計測器は交換が困難である。このため、下水道管渠に設置される計測器には、長期にわたり連続的に硫化水素濃度のモニタリングが可能であることに加え、光ファイバから供給される電力の消費電力が少ないことが必要条件となっている。
ここで、特許文献1には、腐食性物質の侵入を制御する少なくとも一つの通路構造と、通路構造内に形成した金属薄膜とを備える腐食環境モニタリング装置が記載されている。
特開2015−219075号公報
下水道管渠の環境における硫化水素濃度は、年間平均10ppm程度であることが知られている。下水道管渠の環境で、銀は腐食して1年で5μm程度の厚さの硫化皮膜を形成すると推定される。このため、従来の膜厚0.1μm程度の銀薄膜を使用したセンサを下水道管渠に設置した場合、膜厚0.1μmの銀薄膜は1か月以内で全て腐食してしまう。また、膜厚0.1μm〜0.3μm程度のガス反応物質を薄膜として使用したセンサを下水道管渠に設置した場合においても、やはりガス反応物質が1ヶ月以内で全て腐食する。このため、従来のセンサは、長期にわたる測定に向かなかった。
特許文献1に開示された装置は、通路構造の開口部から侵入する腐食性物質による金属薄膜の腐食領域の拡大に応じて変化する金属薄膜の電気抵抗を測定するため、センサ薄膜を薄くしても比較的長い間、測定することが可能であると考えられていた。しかし、特許文献1に開示された装置を下水道管渠に設置した場合、腐食が進みやすいため、1か月程度で金属薄膜の電気抵抗を測定する機能が失われてしまい、例えば、1年以上の長期にわたって測定を続けることができなかった。また、センサ薄膜の膜厚を厚くしても、金属薄膜の腐食が進みやすいことは変わらなかった。
また、従来用いられていた定電位電解式の拡散式硫化水素測定器は、電解液中に溶解した硫化水素を定電位で還元させる際の電流値を測定することで、環境中の硫化水素を測定していた。しかし、拡散式硫化水素測定器の寿命は、電解液の劣化に依存し、1年未満に過ぎない。また、この測定器は、電流値を測定するために数10mAの電力を消費するため、光ファイバから測定器に電力を供給するのが難しかった。
また、還元性ガス中で電気抵抗が変化する性質を応用し硫化水素ガスを測定する硫化水素測定器が知られている。この硫化水素測定器は、酸化すず電極の電気抵抗変化により硫化水素濃度の変化を測定することが可能であり、小型で耐久性に優れている。しかし、酸化すず電極は、ヒータで400℃程度に加熱する必要がある。このため、硫化水素測定器は、ヒータを加熱するために数10mAの電力を消費するため、光ファイバから常時、電力を供給するのが難しいという課題がある。
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、長期間にわたって環境中の腐食性物質を測定可能とすることを目的とする。
本発明に係る腐食環境モニタリング装置は、並列に配置される複数のセンサユニットを有する腐食センサと、演算装置と、を備える。複数のセンサユニットのうち、一のセンサユニットは、第一の開口部から侵入する腐食性物質の量を制限する第一の通路構造と、第一の通路構造の通路内に設けられ、第一の通路構造に侵入する腐食性物質により腐食する第二の金属薄膜と、を有する。複数のセンサユニットのうち、他のセンサユニットは、第二の開口部から侵入する腐食性物質の量を制限する第二の通路構造と、第二の通路構造の通路内であって、第二の開口部の近傍に取付けられ、第二の通路構造に侵入する腐食性物質により腐食する第一の金属薄膜と、第二の通路構造の通路内であって、第二の開口部から第一の金属薄膜より離れた位置に設けられ、腐食性物質により腐食する第二の金属薄膜と、を有する。一のセンサユニットに設けられる第二の金属薄膜は、他のセンサユニットに第二の金属薄膜が設けられる位置と同じだけ第一の開口部から離れた位置に設けられる。演算装置は、一のセンサユニットが有する第二の金属薄膜の両端と、他のセンサユニットが有する第二の金属薄膜の両端とに形成される引出電極に接続され、第一及び第二の開口部から第一及び第二の通路構造に侵入する腐食性物質による第二の金属薄膜の腐食領域の拡大に応じて変化する第二の金属薄膜の電気抵抗を測定することで、腐食センサが設置される腐食環境における腐食性物質の濃度を算出する。
本発明によれば、腐食センサが複数のセンサユニットを有しているため、従来の腐食センサよりも長期間にわたって腐食環境に設置することが可能である。このため、演算装置により算出された、腐食環境における腐食性物質の濃度を長期間にわたってモニタリングすることが可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下側の実施の形態の説明により明らかにされる。
本発明の第1の実施の形態に係る下水道管渠のコンクリートが腐食される様子を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る腐食センサの構成例を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る腐食センサにおける第一の金属薄膜と第二の金属薄膜の腐食状況の例を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る第二の金属薄膜におけるセンシング金属薄膜の腐食状況と、第二の金属薄膜の電気抵抗の等価回路とを示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る経時的に変化する第二の金属薄膜の電気抵抗の例を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る腐食センサが備える、第二の金属薄膜の電気抵抗と、腐食センサを環境に暴露した際のセンシング金属薄膜の腐食厚さとの関係を求めたグラフを示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る腐食センサの第二の金属薄膜の電気抵抗を測定して、所定の処理を行う演算装置の内部構成例を示す機能ブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る演算装置が備える各回路から求められる演算結果を示したグラフである。 本発明の第1の実施の形態に係る腐食診断装置の内部構成例を示す機能ブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係る腐食センサの構成例を示す説明図である。 本発明の第3の実施の形態に係る腐食センサの構成例を示す説明図である。 本発明の第4の実施の形態に係る腐食センサの構成例を示す説明図である。 本発明の第5の実施の形態に係る腐食センサの構成例を示す説明図である。 本発明の第5の実施の形態に係る経時的に変化する第二の金属薄膜の電気抵抗の例を示す説明図である。 本発明の第5の実施の形態に係るセンシング金属薄膜の腐食厚さと、電気抵抗との関係を示すグラフの例である。
以下、本発明を実施するための形態例について、添付図面を参照して説明する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
以下に、腐食センサ、腐食環境モニタリング装置及び腐食診断装置の例を説明する。腐食センサは、特に下水道管渠内の環境中の腐食性ガス濃度を測定するために用いられる。腐食環境モニタリング装置は、腐食センサを使って環境中の腐食性ガス濃度を測定する装置である。腐食診断装置は、当該環境中に設置されるコンクリート構造物の劣化度合いを診断する装置である。以下の説明では、環境中の腐食性ガスに含まれる硫化水素を腐食性物質の一例とする。このため、測定対象とする環境中の腐食性ガス濃度とは、硫化水素濃度である。
図1は、下水道管渠50のコンクリートが腐食される様子を示す説明図である。下水道管渠50は、円筒状にコンクリートで形成される構造物の一例である。下水道管渠50は、下水道管渠50の内部に溜まる汚水51を下水処理場まで流下させる。ただし、下水道管渠50の下部には、下水処理場まで流下しきれない汚泥52が溜まる。
汚水51、汚泥52、及びコンクリート構造物壁などの下水管渠50内には、硫酸塩還元細菌と硫黄酸化細菌が生息する。硫黄は、汚水51中に硫酸イオンとして存在する。嫌気性状態である汚水51、汚泥52中では、硫酸塩還元細菌の働きにより硫酸イオンが硫化水素(HS)となって、下水道管渠50の気相部に拡散する。また、下水道管渠50の気相部と、下水道管渠50の内部表面との温度差により、下水道管渠50の表面に結露が生じる。結露した水は、下水道管渠50の表面を伝って下に流れ落ちる。結露した水の中では、好気性の硫黄酸化細菌等により硫化水素から硫酸(HSO)が生成される。この硫酸が、結露した水が接触するコンクリート中の成分と反応することで、コンクリートが腐食される。このようにコンクリートが腐食される、下水道管渠50の上半分にあたる気相部を「管路腐食域」と呼ぶ。
本実施の形態に係る腐食環境モニタリング装置60は、腐食センサ1、演算装置40及び出力装置45を備える。腐食センサ1は、下水道管渠50内に設置される。腐食センサ1が設置される場所は、下水道管渠50の気相部である。下水道管渠50内に滞留する硫化水素により、腐食センサ1の内部に設けられた金属薄膜が腐食する。
そして、下水道管渠50内には、演算装置40が設けられている。このため、演算装置40は、腐食センサ1の金属薄膜の電気抵抗を測定し、電気抵抗の変化に基づいて、腐食センサ1が設置される腐食環境における硫化水素濃度を測定する。これにより、演算装置40は、コンクリートの腐食度合い、及び腐食センサ1が設置される腐食環境における硫化水素濃度を求めることが可能となる。演算装置40の詳細な構成例及び処理例については後述する図7及び図8に示す。演算装置40の解析結果は、光ファイバ55を通じて、例えば、監視センタに設けられた出力装置45に送信される。出力装置45は、例えば、ディスプレイ装置であり、演算装置40から受信した解析結果を画面表示等により出力する。
なお、演算装置40は、後述する図7に示す計測回路41と、その他の回路(第1換算回路42、微分回路43、第2換算回路44)とに分けて配置してもよい。例えば、下水道管渠50内に腐食センサ1と計測回路41のみを設置する。その他の回路は、出力装置45と共に監視センタに設置する。この構成では、計測回路41を駆動すればよいため、光ファイバから給電される電力の消費を抑えることができる。
[第1の実施の形態]
始めに、第1の実施の形態に係る腐食センサについて説明する。
図2は、腐食センサ1の構成例を示す説明図である。図2(a)は腐食センサ1の上面図である。図2(b)は、図2(a)のA−A線に沿って視認した腐食センサ1の側面図である。図2(c)と図2(d)は、図2(a)のB−B線に沿って視認した腐食センサ1の正面図である。
腐食センサ1は、並列に配置される複数のセンサユニット10、10A、10Bを備える。そして、センサユニット毎に第一の金属薄膜2A、2Bと、第二の金属薄膜3、3A、3B、絶縁基板4、筐体5、ガス選択透過膜6、通路構造7、7A、7B及び引出電極8、8A、8Bが設けられる。
絶縁基板4上には、第一の金属薄膜2A、2Bと、第二の金属薄膜3、3A、3Bが設けられる。第二の金属薄膜3、3A、3Bは、硫化水素により腐食することで、演算装置40が環境中の硫化水素濃度を測定するために用いられる。また、絶縁基板4上には、第一の金属薄膜2A、2Bと、第二の金属薄膜3、3A、3Bを覆う筐体5が設けられる。
センサユニット10、10A、10Bは、それぞれ筐体5に設けられた通路構造7、7A、7Bを備える。通路構造7、7A、7Bは、図2(c)と図2(d)の正面図に示すように、左側に開口部を有している。通路構造7、7A、7Bが有する開口部は、環境中の硫化水素が侵入する方向を、流れ9の方向に規定するために設けられる。そして、通路構造7、7A、7Bの内部に硫化水素を収容可能な体積により、開口部から侵入する硫化水素の量を制限する。
通路構造7、7A、7Bの開口部には、外部からの水の浸入を防ぐ防水膜、又はガス選択透過膜6、又は防水膜とガス選択透過膜6の両方が取付けられる。ガス選択透過膜6は、流れ9の方向に沿って通路構造7、7A、7B内に侵入しようとする硫化水素以外のガスの透過を防止して、腐食性ガスに含まれる硫化水素のみを選択的に透過させる。
図2(c)と図2(d)の正面図に示すように、通路構造7A、7Bの通路内であって、通路構造7A、7Bの上下側の壁面であり、かつ、開口部の近傍に、第一の金属薄膜2A、2Bが取付けられている。第一の金属薄膜2A、2Bは、いずれも矩形状に形成されている。第一の金属薄膜2A、2Bは、硫化水素に対して腐食し易い金属、例えば銀、銀合金、又は銅で構成されている。このため、第一の金属薄膜2A、2Bは、それぞれ通路構造7A、7Bに侵入する硫化水素により腐食する。
そして、図2(a)の上面図、図2(c)と図2(d)の正面図に示すように通路構造7、7A、7Bの通路内であって、通路構造7、7A、7Bの下側の壁面に第二の金属薄膜3、3A、3Bが設けられる。第二の金属薄膜3、3A、3Bは、同じ形状かつ同じ膜厚である。また、第二の金属薄膜3、3A、3Bは、後述する図3に示すように2層の金属薄膜で構成され、いずれもU字状に形成されているが、I字状など他の形状で形成されてもよい。第二の金属薄膜3、3A、3Bは、硫化水素に対して腐食し易い金属、例えば銀、銀合金、又は銅で構成されている。そして、第二の金属薄膜3、3A、3Bは、それぞれ通路構造7、7A、7Bに侵入する硫化水素により腐食する。
そして、第二の金属薄膜3A、3Bは、通路構造7A、7Bの開口部から第一の金属薄膜2A、2Bより離れた位置に設けられる。そして、センサユニット10に設けられる第二の金属薄膜3の位置についても、センサユニット10A、10Bにそれぞれ第二の金属薄膜3A、3Bが設けられる位置と同じだけ、通路構造7の開口部から離れた位置となる。
1つの腐食センサ1に設けられるセンサユニットは、2種類以上であれば、個数を問わない。センサユニットの個数は、腐食センサ1を用いる測定期間に基づいて決定される。図2に示すように、センサユニットは、図2(a)の上から順に、(1)第一の金属薄膜がない、(2)薄い厚さt1とした第一の金属薄膜2A、(3)厚い厚さt2とした第一の金属薄膜2Bで構成されている。
第一の金属薄膜2Aの膜厚は、第一の金属薄膜2Aの体積と、第二の金属薄膜3Aの体積とが略同一になるように設けられる。このため、最も膜厚の薄い第一の金属薄膜2Aの体積と、第二の金属薄膜3、3A、3Bの体積は、略同一体積である。
また、第一の金属薄膜2Bの膜厚は、第一の金属薄膜2Bの体積と、第二の金属薄膜の体積とが、整数倍になるように設けられる。このため、最も膜厚の厚い第一の金属薄膜2Bの体積は、第二の金属薄膜3、3A、3Bの体積の概ね2倍である。このように第一の金属薄膜2A、2Bは、他の寸法は同一であっても、膜厚又は体積が整数倍で異なる構成が好ましい。このため、第一の金属薄膜2A、2Bの形状は異なってもよい。
第二の金属薄膜3、3A、3Bの両端には、それぞれの電極間にある第二の金属薄膜3、3A、3Bの電気抵抗を測定するための引出電極8、8A、8Bが設けられる。ただし、後述する図3に示すように、引出電極8、8A、8Bの取付け位置は、第二の金属薄膜3、3A、3Bを構成する下地金属薄膜32の端部であるが、第二の金属薄膜3、3A、3Bとしてもよい。腐食センサ1の使用開始前に引出電極8により測定される第二の金属薄膜3の抵抗はR1である。引出電極8Aにより測定される第二の金属薄膜3Aの抵抗はR2である。引出電極8Bにより測定される第二の金属薄膜3Bの抵抗はR3である。センサユニット毎に設けられた引出電極8、8A、8Bは、それぞれ演算装置40(図7を参照)に接続される。
そして、図1に示した演算装置40は、通路構造7、7A、7Bの開口部から通路構造7、7A、7Bに侵入する硫化水素による第二の金属薄膜3、3A、3Bの腐食領域の拡大に応じて変化する金属薄膜の電気抵抗を測定することで、腐食環境における硫化水素の濃度を算出する。
図3は、腐食センサ1における第一の金属薄膜2Aと第二の金属薄膜3Aの腐食状況の例を示す説明図である。第一の金属薄膜2Bと第二の金属薄膜3Bについても同様に腐食するものとする。
第二の金属薄膜3Aは、絶縁基板4の上に形成された下地金属薄膜32と、下地金属薄膜32の上に形成されたセンシング金属薄膜31により構成される。センシング金属薄膜31は、第一の金属薄膜2、2A、2Bと同様に、硫化水素に対して腐食し易い金属、例えば銀、銀合金、銅で構成される。また、下地金属薄膜32は、安定して電気抵抗を測定するために温度変化に対して抵抗変化の小さいチタン、クロム、ニッケル、ステンレス鋼、金、又はパラジウム等で構成されている。図2に示したような3種類のセンサユニットが、通路構造7、7A、7B毎に設けられている。なお、第二の金属薄膜3、3Bについても、第二の金属薄膜3Aと同様に、センシング金属薄膜31と下地金属薄膜32とで構成されている。
図3(a)は、初期の状態であり、通路構造7Aの上下側の壁面に取付けた第一の金属薄膜2Aは腐食していない。また、通路構造7Aの下側の壁面に取付けた第二の金属薄膜3Aのセンシング金属薄膜31も腐食していない。
図3(b)は、腐食環境に腐食センサ1を暴露した後の時刻Aにおける状態である。このとき、通路構造7Aの上下側の壁面に取付けた第一の金属薄膜2Aの一部が腐食して腐食生成物23が形成されている。通路構造7Aの開口部から流れ9の方向に侵入した腐食性物質である硫化水素は、第一の金属薄膜2Aの腐食で全て消費されている。しかし、硫化水素は第二の金属薄膜3Aのセンシング金属薄膜31まで到達していない。このため、通路構造7Aの下側の壁面に取付けた第二の金属薄膜3Aのセンシング金属薄膜31は腐食していない。
図3(c)は、腐食環境に腐食センサ1を暴露した後の時刻B(時刻Aより後の時刻)における状態である。このとき、通路構造7Aの上下側の壁面に取付けた第一の金属薄膜2Aは、全て腐食して腐食生成物23が形成されている。第一の金属薄膜2Aは全て腐食したため、硫化水素は第一の金属薄膜2Aで消費されない。そして、第二の金属薄膜3Aまで達した硫化水素が、センシング金属薄膜31を腐食させる。
ここで、図2に示したように、センサユニット毎に第一の金属薄膜の厚さは0、t1、t2と段階的に異なる。このため、第二の金属薄膜3Aのセンシング金属薄膜31が腐食し始める時期は、第一の金属薄膜2Aが厚いほど遅くなる。
この結果、通路構造7に第一の金属薄膜がない第二の金属薄膜3の腐食が先に進行する。次に、第一の金属薄膜2Aの下流にある第二の金属薄膜3Aの腐食が進行する。その後、第一の金属薄膜2Bの下流にある第二の金属薄膜3Bの腐食が進行する。これより図2に示す3種類のセンサユニットを有する腐食センサ1は、1種類のセンサユニットしか有していない従来の腐食センサと比較して3倍程度の期間にわたってモニタリングが可能となる。
図4は、第二の金属薄膜3Aにおけるセンシング金属薄膜31の腐食状況と、第二の金属薄膜3Aの電気抵抗の等価回路とを示す説明図である。
図4(a)に示すように、初期状態において、第二の金属薄膜3Aのセンシング金属薄膜31の電気抵抗をRAgとし、下地金属薄膜32の電気抵抗をRCrとする。このとき、第二の金属薄膜3Aの等価回路は、センシング金属薄膜31の電気抵抗と、下地金属薄膜32の電気抵抗とを並列接続した回路となる。このため、第二の金属薄膜3Aの電気抵抗Rは、R=RAg×RCr/(RAg+RCr)で表される。
図4(b)に示すように、経時的に第二の金属薄膜3Aが腐食した暴露後時刻Bにおいて、第二の金属薄膜3Aの腐食生成物33の電気抵抗をRAg2Sとする。このとき、第二の金属薄膜3Aの等価回路は、以下に説明する第1〜第3の回路を直接接続した回路となる。第1の回路は、腐食生成物33の電気抵抗と、下地金属薄膜32の電気抵抗とを並列接続した回路である。第2の回路は、センシング金属薄膜31の電気抵抗と、腐食生成物33の電気抵抗と、下地金属薄膜32の電気抵抗とを並列接続した回路である。第3の回路は、センシング金属薄膜31の電気抵抗と、下地金属薄膜32の電気抵抗とを並列接続した回路である。
このため、暴露後時刻Bにおける第二の金属薄膜3Aの電気抵抗R’は、R’=RAg2S×RCr’/(RAg2S+RCr’)+(RAg×RCr’’+RAg’’×RAg2S+RCr’’×RAg2S)/(RAg’’+RCr’’+RAg2S)+RAg’’’×RCr’’’/(RAg’’’+RCr’’’)と表される。
腐食センサ1を環境に暴露したことに伴う銀等の金属の腐食量は、第二の金属薄膜3Aの初期の電気抵抗Rと、暴露後時刻Bの電気抵抗R’の差分ΔRに対応して求められる。したがって腐食センサ1に設けられた第二の金属薄膜3Aの電気抵抗を測定することで、銀の腐食量を推定できる。
図5は、経時的に変化する第二の金属薄膜3、3A、3Bの電気抵抗の例を示す説明図である。
図5(a)は、腐食センサ1のセンサユニット10における第一の金属薄膜の厚さが0、すなわち第一の金属薄膜がない場合の、第二の金属薄膜3の電気抵抗の経時的変化の例を示す。センサユニット10には、第一の金属薄膜がないため、第二の金属薄膜3の電気抵抗は、腐食センサ1を環境に暴露した初期から変化している。そして、第二の金属薄膜3は時刻T1で全て腐食するため、時刻T1以降、第二の金属薄膜3の電気抵抗は上昇しない。このように電気抵抗が変化しなくなる値を飽和値と呼ぶ。そして、電気抵抗が飽和値になる直前、例えば、時刻T1’は、電気抵抗が、例えば飽和値の90%に達した時点の時刻である。
図5(b)は、腐食センサ1のセンサユニット10Aにおける第一の金属薄膜2Aが厚さt1である場合の、第二の金属薄膜3Aの電気抵抗の経時的変化の例を示す。時刻T1’で第一の金属薄膜2Aが全て腐食するように、第一の金属薄膜2Aの厚さt1が設定されている。ただし、硫化水素が全て消費されて、第一の金属薄膜2Aを腐食するわけではない。このため、時刻T1’までは、第一の金属薄膜2Aで消費されない一部の硫化水素が第二の金属薄膜3Aに到達する。この結果、図5(b)に示すように、時刻T1’までの間においても第二の金属薄膜3Aは腐食してわずかに電気抵抗が増大する。そして、第一の金属薄膜2Aが全て腐食した時刻T1’以降は、硫化水素が第二の金属薄膜3Aのみで消費されて腐食するため、第二の金属薄膜3Aの電気抵抗の変化は、図5(a)と同じ傾きを示す。
さらに図5(c)は、腐食センサ1のセンサユニット10Bにおける第一の金属薄膜2Bが厚さt2(>t1)である場合の、第二の金属薄膜3Bの電気抵抗の経時的変化の例を示す。時刻T2’で第一の金属薄膜2Bが全て腐食するように、第一の金属薄膜2Bの厚さt2が設定されている。ただし、硫化水素が全て消費されて、第一の金属薄膜2Bを腐食するわけではない。このため、時刻T2’までは、第一の金属薄膜2Bで消費されない一部の硫化水素が第二の金属薄膜3Bに到達する。この結果、図5(c)に示すように、時刻T2’までの間においても第二の金属薄膜3Bは腐食してわずかに電気抵抗が増大する。そして、第一の金属薄膜2Bが全て腐食した時刻T2’以降は、硫化水素が第二の金属薄膜3Bのみで消費されて腐食するため、第二の金属薄膜3Bの電気抵抗の変化は、図5(a)と同じ傾きを示す。
図5(d)は、本実施の形態に係る腐食センサ1に設けられる3種類のセンサユニット10、10A、10Bにおける第二の金属薄膜3、3A、3Bの電気抵抗を組合せた、電気抵抗の経時的変化の例を示す。
すなわち時刻0〜T1までは図5(a)に示す第一の金属薄膜の厚さが0の場合の電気抵抗、時刻T1’〜T2までは図5(b)に示す第一の金属薄膜2Aが厚さt1である場合の電気抵抗、時刻T2’〜T3までは図5(c)に示す第一の金属薄膜2Bが厚さt2である場合の電気抵抗を重ね合わせた結果である。なお、時刻T1’において、厚さがt1である第一の金属薄膜2Aを用いて測定された電気抵抗が、第一の金属薄膜がない場合に測定された電気抵抗と同じになるようにオフセットを加える。同様に、時刻T2’において、厚さがt2である第一の金属薄膜2Bを用いて測定された電気抵抗が、厚さがt1である第一の金属薄膜2Aを用いて測定された電気抵抗と同じになるようにオフセットを加える。
このように3種類のセンサユニット10、10A、10Bを有する腐食センサ1を用いることで、腐食環境モニタリング装置60は、1種類のセンサユニットしか有さない従来の腐食センサが測定できる時刻T1より長い時刻T3まで、硫化水素濃度をモニタリング可能である。なお、演算装置40は、各センサユニットが測定した電気抵抗が、飽和値に近づいたタイミングで、電気抵抗を測定するための各センサユニットを切替える。例えば、後述する図7に示す第1換算回路42は、飽和値の90%に達した時刻T1’、T2’、T3’のタイミングで、電気抵抗を測定するセンサユニットを切替える。これにより、演算装置40は、センサユニットの切り替えに伴う電気抵抗の欠落を防止できる。
図6は、腐食センサ1が備える、第二の金属薄膜3、3A、3Bの電気抵抗と、腐食センサ1を環境に暴露した際のセンシング金属薄膜31の腐食厚さとの関係を求めたグラフを示す説明図である。
このグラフにより、センシング金属薄膜31の腐食厚さが増すほど、第二の金属薄膜3、3A、3Bの重ね合わせた電気抵抗が増加することが示される。腐食センサ1が備えるセンサユニット10、10A、10Bにおいて同種の金属によりセンシング金属薄膜31を構成する。図6では、グラフが線形に変化するが、グラフが非線形に変化する場合もある。そして、センサユニット10、10A、10Bに設けられた第二の金属薄膜3、3A、3Bの電気抵抗を組み合わせて得られる電気抵抗の経時的変化を、センシング金属薄膜31の腐食厚さの経時的変化に変換することが可能となる。
次に、演算装置40により行われる測定データの処理について、図7と図8を参照して説明する。
図7は、腐食センサ1の第二の金属薄膜3、3A、3Bの電気抵抗を測定して、所定の処理を行う演算装置40の内部構成例を示す機能ブロック図である。
図8は、演算装置40が備える各回路から求められる演算結果を示したグラフである。
図1に示したように腐食環境モニタリング装置60は、腐食センサ1、演算装置40及び出力装置45を備える。腐食環境モニタリング装置60は、腐食センサ1が設置される下水道管渠50内の環境中の硫化水素濃度を測定する。
図1に示したように、演算装置40は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)により構成される。MPUがROM(Read Only Memory)から読み出したプログラムを実行することで、演算装置40内の各機能ブロックの動作を実現可能である。この演算装置40は、腐食センサ1の第二の金属薄膜3の電気抵抗を測定して解析した解析結果を、光ファイバ55を通じて出力装置45に送信する。この演算装置40は、計測回路41、第1換算回路42、微分回路43及び第2換算回路44を備える。
計測回路41は、腐食センサ1から引き出された引出電極8、8A、8Bからセンサユニット毎に第二の金属薄膜3、3A、3Bの電気抵抗を測定し、第二の金属薄膜3、3A、3Bの抵抗変化を計測する。このため、図8(a)に示す、経時的な電気抵抗の変化を表すグラフが得られる。引出電極8、8A、8Bは、センサユニット毎に引き出されるので、計測回路41は、センサユニット毎に設けられる。本実施の形態では、センサユニット毎に引き出された引出電極8、8A、8Bに接続される3チャンネルの計測回路41が必要である。そして、計測回路41は、測定した第二の金属薄膜3の電気抵抗を第1換算回路42に出力する。
第1換算回路42は、計測回路41から入力した第二の金属薄膜3、3A、3Bの抵抗変化を、腐食センサ1の設置環境に暴露したセンシング金属薄膜31(第二の金属薄膜3、3A、3B)の腐食厚さに換算する。このため、図8(b)に示す、経時的なセンシング金属薄膜31の腐食厚さの変化を表すグラフが得られる。第1換算回路42以降は、センサユニット毎に3チャンネルの構成としてもよいし、1チャンネルの構成により、演算を行ってもよい。そして、第1換算回路42は、換算したセンシング金属薄膜31の腐食厚さの値を微分回路43に出力する。
微分回路43は、第1換算回路42から入力したセンシング金属薄膜31の腐食厚さの時間変化に基づいて第二の金属薄膜3、3A、3Bが腐食する腐食速度を算出する。このため、微分回路43は、腐食厚さの時間変化を微分することで単位時間当たりの腐食速度を求める。このため、図8(c)に示す、経時的な腐食速度の変化を表すグラフが得られる。そして、微分回路43は、腐食速度の値を第2換算回路44に出力する。
第2換算回路44は、微分回路43から入力した腐食速度の値を硫化水素濃度に換算する。ここで、第2換算回路44は、温度、相対湿度、硫化水素濃度から銀の腐食速度を求めるための公知の関係式から逆関数を作成し、温度、相対湿度の値を代入することにより、腐食速度から硫化水素濃度を求める。このため、図8(d)に示す、経時的な硫化水素濃度の変化を表すグラフが得られる。そして、第2換算回路44は、硫化水素濃度の値を光ファイバ55を介して、出力装置45に出力する。
なお、演算装置40は、光ファイバ55から給電される電力で動作する。第二の金属薄膜3、3A、3Bの電気抵抗を測定する計測回路41等の電力消費が非常に小さい。このため、演算装置40全体の電力消費も抑えることができる。
図9は、腐食診断装置70の内部構成例を示す機能ブロック図である。
本実施の形態に係る腐食診断装置70は、図7に示した腐食環境モニタリング装置60が備える腐食センサ1、演算装置40及び出力装置45に対して、さらに下水道管渠50内のコンクリートの劣化深度を診断する診断回路46を追加した構成としている。
下水道管渠50の内部は、場所により硫化水素濃度が異なり、硫化水素濃度に対応してコンクリートが劣化することが知られている。そこで、演算装置40は、下水道管渠50内に設置した複数個(N個)の腐食センサ1(図中では、腐食センサ1−1〜1−Nと表す)から第二の金属薄膜3、3A、3Bの電気抵抗を求め、下水道管渠50内の各場所における硫化水素濃度を測定する。演算装置40により行われる一連の処理は、図7及び図8を参照して説明したとおりである。そして、演算装置40が測定した硫化水素濃度の測定結果が診断回路46に出力される。診断回路46は、演算装置40に追加される回路である。このため、演算装置40が診断回路46を備えてもよい。
診断回路46は、演算装置40により求められた硫化水素濃度に基づいて、平均硫化水素濃度(ppm)を算出し、腐食センサ1が設置される環境にある構造物、すなわちコンクリートの劣化深度を求める。コンクリートの劣化深度は、吉本・北川の予測式(吉本国春、北川三夫、日本下水道事業団技術開発部報、1990年)に基づき、次式(1)にて求められる。式(1)にて、dは劣化深度(mm)、Cは環境中の平均硫化水素濃度(ppm)、Tはコンクリートの共用年数(年)を表す。
d=1.33・(C×T)0.5 ・・・(1)
診断回路46により算出されたコンクリートの劣化深度の情報は、光ファイバ55を介して、出力装置45に出力される。そして、コンクリートの劣化深度の情報を出力装置45を通じて確認することができる。
なお、演算装置40と、診断回路46とを分けて配置してもよい。例えば、演算装置40と診断回路46とを光ファイバ55で接続することにより、診断回路46を監視センタに配置してもよい。この場合、監視センタに配置された診断回路46は、演算装置40から光ファイバ55を通じて出力される硫化水素濃度の値に基づいて、コンクリートの劣化深度を求めることができる。
以上説明した第1の実施の形態に係る腐食環境モニタリング装置60では、下水道管渠50内に設けられた腐食センサ1の通路構造7、7A、7Bの開口部から流入する硫化水素によりセンシング金属薄膜31が腐食する量の変化を電気抵抗変化として測定する。このため、下水道管渠50内の環境中における硫化水素濃度、又は硫化水素濃度に対応するセンシング金属薄膜31の腐食量を長期にわたって、連続的にモニタリングすることが可能である。
また、腐食センサ1は、筐体5が第一の金属薄膜2A、2Bと、第二の金属薄膜3、3A、3Bを覆ってあり、通路構造7、7A、7Bの開口部には防水膜、又はガス選択透過膜6、又は防水膜とガス選択透過膜6の両方が取付けられている。このため、第一の金属薄膜2A、2Bと、第二の金属薄膜3、3A、3Bは、通路構造7、7A、7Bに侵入した硫化水素によってのみ腐食する。このため、強腐食性環境における空気の流れにより、短時間で多量の硫化水素が通路構造7、7A、7B内に侵入しないようにすることができる。また、腐食センサ1に、例えば塵埃や塩類が付着することで発生する、付着部周辺の局所的な腐食、腐食生成物の膜厚に依存して変化する意図しない腐食を抑制できる。
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態に係る腐食センサについて説明する。
図10は、腐食センサ1Aの構成例を示す説明図である。図10(a)は腐食センサ1Aの上面図である。図10(b)は、図10(a)のA−A線に沿って視認した腐食センサ1Aの側面図である。図10(c)と図10(d)は、図10(a)のB−B線に沿って視認した腐食センサ1Aの正面図である。
腐食センサ1Aは、第一の金属薄膜2A、2Bと、第二の金属薄膜3、3A、3B、絶縁基板4、筐体5、ガス選択透過膜6、通路構造7C、7D、7E及び引出電極8、8A、8Bを備える。絶縁基板4上には、第一の金属薄膜2A、2Bと、第二の金属薄膜3、3A、3Bが設けられる。また、絶縁基板4上には、第一の金属薄膜2A、2Bと、第二の金属薄膜3、3A、3Bを覆う筐体5が設けられる。
センサユニット10、10C、10Dは、それぞれ筐体5に設けられた通路構造7C、7D、7Eを備える。第2の実施の形態に係る通路構造7C、7D、7Eの高さは、いずれも図2に示した第1の実施の形態に係る通路構造7、7A、7Bの高さの半分程度である。このように通路構造7C、7D、7Eの内部体積が小さいため、図10(c)と図10(d)の正面図に示すように、通路構造7C、7Dの下側の壁面だけに、矩形状に形成された第一の金属薄膜2A、2Bが取付けられている。同様に、第二の金属薄膜3、3A、3Bについても、通路構造7C、7D、7E内の一部の壁面に取付けられている。
以上説明した第2の実施の形態に係る腐食センサ1Aでは、第一の金属薄膜2A、2Bと、第二の金属薄膜3、3A、3Bは、いずれも絶縁基板4に取付けられている。このため、第1の実施の形態に係る腐食センサ1の構造(図2を参照)に比べて構造を簡単にすることができる。
また、通路構造7C、7D、7Eの内部が狭いため、通路構造7C、7D、7Eの開口部から侵入した腐食性物質である硫化水素が少なくなり、第1の実施の形態に係る腐食センサ1の構造に比べて第一の金属薄膜2により消費されにくい。このように通路構造7C、7D、7Eの高さを低くすることで、第1の実施の形態に係る腐食センサ1と同様の効果を、簡単な構造で実現することができる。
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態に係る腐食センサについて説明する。
図11は、腐食センサ1Bの構成例を示す説明図である。図11(a)は腐食センサ1Bの上面図である。図11(b)は、図11(a)のA−A線に沿って視認した腐食センサ1Bの側面図である。図11(c)と図11(d)は、図11(a)のB−B線に沿って視認した腐食センサ1Bの正面図である。
腐食センサ1Bは、第一の金属薄膜2C、2Dと、第二の金属薄膜3、3A、3B、絶縁基板4、筐体5、ガス選択透過膜6、通路構造7、7A、7B及び引出電極8、8A、8Bを備える。絶縁基板4上には、第一の金属薄膜2C、2Dと、第二の金属薄膜3、3A、3Bが設けられる。また、絶縁基板4上には、第一の金属薄膜2C、2Dと、第二の金属薄膜3、3A、3Bを覆う筐体5が設けられる。
センサユニット10、10E、10Fは、それぞれ筐体5に設けられた通路構造7、7A、7Bを備える。図11(c)と図11(d)の正面図に示すように、通路構造7A、7Bの下側の壁面だけに、矩形状に形成された第一の金属薄膜2C、2Dが取付けられている。同様に、第二の金属薄膜3、3A、3Bについても、通路構造7、7A、7B内の一部の壁面に取付けられている。
ここで、センサユニット10は、第一の金属薄膜がない構成であるが、センサユニット10Eは、狭い幅w1である第一の金属薄膜2Cを備え、センサユニット10Fは、広い幅w2である第一の金属薄膜2Dを備える。このように第一の金属薄膜2C、2Dの硫化水素の流入方向に沿った幅を異ならせてもよい。ただし、第一の金属薄膜2C、2Dの他の部分の寸法は同じとする。また、第一の金属薄膜2C、2Dの幅w1、w2は、整数倍で異なることが望ましい。
以上説明した第3の実施の形態に係る腐食センサ1Bでは、第一の金属薄膜2C、2Dと、第二の金属薄膜3、3A、3Bは、いずれも絶縁基板4に取付けられている。そして、第一の金属薄膜2C、2Dと、第二の金属薄膜3、3A、3Bは、同じ膜厚であり、同じ金属で構成されるため、第1の実施の形態に係る腐食センサ1の構造(図2を参照)に比べて構造が簡単であり、製造時の人為的ミスの発生を防ぎやすい。
なお、図11では、幅が異なる第一の金属薄膜2C、2Dが、通路構造7A、7Bの下側の壁面だけに取付けられている。しかし、幅が異なる第一の金属薄膜2C、2Dを、通路構造7A、7Bの他の側の壁面に取付けてもよい。
[第4の実施の形態]
次に、第4の実施の形態に係る腐食センサについて説明する。
図12は、腐食センサ1Cの構成例を示す説明図である。図12(a)は腐食センサ1Cの上面図である。図12(b)は、図12(a)のA−A線に沿って視認した腐食センサ1Cの側面図である。
腐食センサ1Cは、第一の金属薄膜2A、2Bと、第二の金属薄膜3、3A、3B、絶縁基板4、筐体5、ガス選択透過膜6、通路構造7、7A、7B及び引出電極8、8A、8Bを備える。絶縁基板4上には、第一の金属薄膜2A、2Bと、第二の金属薄膜3、3A、3Bが設けられる。また、絶縁基板4上には、第一の金属薄膜2A、2Bと、第二の金属薄膜3、3A、3Bを覆う筐体5が設けられる。
センサユニット10、10G、10Hは、それぞれ筐体5に設けられた通路構造7、7A、7Bを備える。図10(c)と図10(d)の正面図に示すように、通路構造7A、7Bの下側の壁面だけに、矩形状に形成された第一の金属薄膜2A、2Bが取付けられている。同様に、第二の金属薄膜3、3A、3Bについても、通路構造7、7A、7B内の一部の壁面に取付けられている。
センサユニット10は、第一の金属薄膜がない構成であるが、センサユニット10Gは、薄い厚さt1である第一の金属薄膜2Aを備え、センサユニット10Hは、厚い厚さt2である第一の金属薄膜2Bを備える。また、第二の金属薄膜3、3A、3Bは、第一の金属薄膜2A、2Bに比べて耐食性に優れた材料、例えばAg−Pd合金で構成されている。
以上説明した第4の実施の形態に係る腐食センサ1Cでは、第二の金属薄膜3、3A、3Bを、第1の実施の形態に係る第一の金属薄膜2A、2Bを構成する銀よりも腐食しにくい材料、例えばAg−Pd合金で構成した。このため、第二の金属薄膜3、3A、3Bが腐食しにくくなり、第1の実施の形態に係る腐食センサ1よりも長期間の測定が可能となる。
また、第二の金属薄膜3、3A、3Bに腐食しにくい材料を用いることで、第1の実施の形態に係る腐食センサ1に比べて、第二の金属薄膜3、3A、3Bを薄く形成することができる。ここで、第二の金属薄膜3、3A、3Bが厚く形成されていると、腐食したことで腐食形成物が形成されると第二の金属薄膜3、3A、3Bが剥離する可能性がある。従って、第二の金属薄膜3、3A、3Bを薄く形成することで、剥離の可能性を低くすることができる。
[第5の実施の形態]
次に、第5の実施の形態に係る腐食センサについて、図13と図14を参照して説明する。
図13は、第5の実施の形態に係る腐食センサ1Dの構成例を示す説明図である。
上述した各実施の形態では、各センサユニットに設けられた複数個の第二の金属薄膜3、3A、3Bからそれぞれ引き出される引出電極8、8A、8B間の電気抵抗を測定する必要がある。このため、演算装置40には、第二の金属薄膜3、3A、3Bの抵抗を測定するための3チャンネル分の計測回路41が必要であった。しかし、図1に示すような下水道管渠50内の腐食性物質を測定する腐食センサには低消費電力であることが望まれる。このため、腐食センサに多チャンネル分の計測回路41を設ける構成とすることは、消費電力の観点から好ましくない。
そこで、図13に示す腐食センサ1Dでは、センサユニット10、10A、10Bがそれぞれ備える第二の金属薄膜3、3A、3Bを、引出電極8、8A、8Bを介して直列に接続した構成とした。このため、演算装置40に設けた1チャンネルの計測回路41だけで、3種類の第二の金属薄膜3、3A、3Bの電気抵抗を測定することが可能となる。第二の金属薄膜3、3A、3Bの全体の抵抗を、RTOTALと呼ぶ。なお、腐食センサ1Dの第二の金属薄膜3、3A、3Bを直列に接続した以外の構成は、図2に示した腐食センサ1と同じである。
図14は、経時的に変化する第二の金属薄膜3、3A、3Bの電気抵抗の例を示す説明図である。図14に示すグラフは、図5に示したグラフと同様であるため、簡単に内容を説明する。
図14(a)は、腐食センサ1Dにおいて第一の金属薄膜2の厚さが0、すなわち第一の金属薄膜2がない場合の、第二の金属薄膜3の電気抵抗の経時的変化の例を示す。第二の金属薄膜3は時刻T1で全て腐食するため、時刻T1以降、電気抵抗は上昇しない。
図14(b)は、腐食センサ1Dにおいて第一の金属薄膜2Aが厚さt1である場合の、第二の金属薄膜3Aの電気抵抗の経時的変化の例を示す。時刻T1’で第一の金属薄膜2Aが全て腐食するように、第一の金属薄膜2Aの厚さt1が設定されている。
図14(c)は、腐食センサ1Dにおいて第一の金属薄膜2Bが厚さt2である場合の、第二の金属薄膜3Bの電気抵抗の経時的変化の例を示す。時刻T2’で第一の金属薄膜2Bが全て腐食するように、第一の金属薄膜2Bの厚さt2が設定されている。
図14(d)は、腐食センサ1Dにおいて、3種類のセンサユニット10、10A、10Bが備えるそれぞれの第二の金属薄膜3、3A、3Bの電気抵抗を組み合わせた電気抵抗の経時的変化の例を示す。腐食センサ1Dでは、第二の金属薄膜3、3A、3Bから引き出された引出電極8、8A、8Bが直列に接続される。このため、1チャンネルの計測回路41が、1チャンネルの電気抵抗を測定するだけで、引出電極8、8A、8Bからの出力を切替えることなく時刻T3までモニタリングが可能となる。
図15は、センシング金属薄膜31の腐食厚さと、電気抵抗との関係を示すグラフの例である。ここでは、図7に示した腐食環境モニタリング装置60により、腐食センサ1Dに設けられた3種類の第二の金属薄膜3、3A、3Bの電気抵抗の経時的変化の解析結果を一例として示す。
例えば、図2(c)と図2(d)の正面図に示したように、通路構造7A、7Bの上下側の壁面に取付けられる第一の金属薄膜2A、2Bの厚さは、例えば、500nm、1000nmであるとする。また、通路構造7A、7Bの下側の壁面に取付けられる下の第二の金属薄膜3、3A、3Bの厚さは、例えば、150nmであるとする。
図14(a)〜図14(c)を参照して説明したように、第一の金属薄膜2A、2Bで消費されなかった硫化水素は、第二の金属薄膜3、3A、3Bを腐食させて電気抵抗を上昇させる。ここで、図15(a)の実線のグラフが、第一の金属薄膜の厚さが0である、第二の金属薄膜3の電気抵抗の変化を表す。図15(a)の破線のグラフが、第一の金属薄膜2Aが厚さt1である場合の、第二の金属薄膜3Aの電気抵抗の変化を表す。図15(a)の一点鎖線のグラフが、第一の金属薄膜2Bが厚さt2である場合の、第二の金属薄膜3Bの電気抵抗の変化を表す。
図15(b)は、腐食解析で求めた3種類のセンサユニット10、10A、10Bの第二の金属薄膜3、3A、3Bを直接接続した場合におけるセンシング金属薄膜31の腐食厚さと電気抵抗の変化の関係を示す。このグラフにより、演算装置40の第1換算回路42は、直列接続した第二の金属薄膜3、3A、3Bの電気抵抗の経時的変化を腐食厚さの経時的変化に換算することが可能となる。そして、演算装置40は、微分回路43、第2換算回路44により、環境中の硫化水素濃度を求める。
以上説明した第5の実施の形態に係る腐食センサ1Dでは、第二の金属薄膜3、3A、3Bを直列接続したことにより、1チャンネルの計測回路41だけで第二の金属薄膜3、3A、3Bの抵抗変化を計測することができる。このため、他の実施の形態に示したような3チャンネルの計測回路41を用いて、第二の金属薄膜3、3A、3Bの抵抗変化を計測する場合に比べて、省電力化を図ることができる。また、計測回路41が1チャンネルだけであるため、引出電極8、8A、8Bの切替なしに、第二の金属薄膜3、3A、3Bの抵抗変化を計測することができる。
また、腐食センサ1Dは、3種類のセンサユニット10、10A、10Bを備えるため、1種類のセンサユニットしか有していない従来の腐食センサと比較して3倍程度の期間にわたってモニタリングが可能となる。
[変形例]
なお、腐食センサが検知可能な腐食性物質は、硫化水素だけに限らない。そして、上述した各実施の形態に係る腐食センサは、下水道だけでなく、地熱、火山地帯、製紙工場、製油工場、製糖工場等に発生する腐食性ガスを検知するために用いてもよい。
また、第一の金属薄膜、第二の金属薄膜は、通路構造の一つ以上の壁面に取付けられてもよい。また、第一の金属薄膜、第二の金属薄膜は、通路構造の上面、又は下面だけでなく、側面に取付けられてもよい。
また、本発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上述した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために装置の構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ここで説明した実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることは可能であり、さらにはある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1…腐食センサ、2,2A,2B…金属薄膜、3,3A,3B…金属薄膜、4…絶縁基板、5…筐体、6…ガス選択透過膜、7,7A,7B…通路構造、8,8A,8B…引出電極、10,10A,10B…センサユニット、31…センシング金属薄膜、32…下地金属薄膜、40…演算装置、41…計測回路、42…第1換算回路、43…微分回路、44…第2換算回路、45…出力装置、46…診断回路、60…腐食環境モニタリング装置、70…腐食診断装置

Claims (6)

  1. 並列に配置される複数のセンサユニットを有する腐食センサと、演算装置と、を備え、
    複数の前記センサユニットのうち、一の前記センサユニットは、
    第一の開口部から侵入する腐食性物質の量を制限する第一の通路構造と、
    前記第一の通路構造の通路内に設けられ、前記第一の通路構造に侵入する前記腐食性物質により腐食する第二の金属薄膜と、を有し、
    複数の前記センサユニットのうち、他の前記センサユニットは、
    第二の開口部から侵入する前記腐食性物質の量を制限する第二の通路構造と、
    前記第二の通路構造の通路内であって、前記第二の開口部の近傍に取付けられ、前記第二の通路構造に侵入する前記腐食性物質により腐食する第一の金属薄膜と、
    前記第二の通路構造の通路内であって、前記第二の開口部から第一の金属薄膜より離れた位置に設けられ、前記腐食性物質により腐食する第二の金属薄膜と、を有し、
    一の前記センサユニットに設けられる前記第二の金属薄膜は、他の前記センサユニットに前記第二の金属薄膜が設けられる位置と同じだけ前記第一の開口部から離れた位置に設けられ、
    前記演算装置は、一の前記センサユニットが有する前記第二の金属薄膜の両端と、他の前記センサユニットが有する前記第二の金属薄膜の両端とに形成される引出電極に接続され、前記第一及び第二の開口部から前記第一及び第二の通路構造に侵入する前記腐食性物質による前記第二の金属薄膜の腐食領域の拡大に応じて変化する前記第二の金属薄膜の電気抵抗を測定することで、前記腐食センサが設置される腐食環境における前記腐食性物質の濃度を算出する
    腐食環境モニタリング装置。
  2. 前記演算装置は、
    前記第二の金属薄膜から引き出された前記引出電極に接続され、前記第二の金属薄膜の抵抗変化を計測する計測回路と、
    前記第二の金属薄膜の抵抗変化を、前記第二の金属薄膜の腐食厚さに換算する第1換算回路と、
    前記腐食厚さの時間変化に基づいて、前記第二の金属薄膜が腐食する腐食速度を算出する微分回路と、
    前記腐食速度を前記腐食環境における前記腐食性物質の濃度に換算する第2換算回路と、を有する
    請求項1に記載の腐食環境モニタリング装置。
  3. 前記第1換算回路は、前記腐食センサが有する複数の前記センサユニットのうち、一の前記センサユニットが有する前記第二の金属薄膜を前記計測回路が計測して得た電気抵抗が、飽和値に近づいたタイミングで、他の前記センサユニットが有する前記第二の金属薄膜を計測するように切替える
    請求項2に記載の腐食環境モニタリング装置。
  4. 複数個の前記第二の金属薄膜から引き出された各々の前記引出電極が直列に接続される
    請求項3に記載の腐食環境モニタリング装置。
  5. 前記第一の金属薄膜の膜厚は、前記第一の金属薄膜の体積と、前記第二の金属薄膜の体積とが略同一又は整数倍になるように設けられる
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の腐食環境モニタリング装置。
  6. 並列に配置される複数のセンサユニットを有する腐食センサと、演算装置と、診断回路と、を備え、
    複数の前記センサユニットのうち、一の前記センサユニットは、
    第一の開口部から侵入する腐食性物質の量を制限する第一の通路構造と、
    前記第一の通路構造の通路内に設けられ、前記第一の通路構造に侵入する前記腐食性物質により腐食する第二の金属薄膜と、を有し、
    複数の前記センサユニットのうち、他の前記センサユニットは、
    第二の開口部から侵入する前記腐食性物質の量を制限する第二の通路構造と、
    前記第二の通路構造の通路内であって、前記第二の開口部の近傍に取付けられ、前記第二の通路構造に侵入する前記腐食性物質により腐食する第一の金属薄膜と、
    前記第二の通路構造の通路内であって、前記第二の開口部から第一の金属薄膜より離れた位置に設けられ、前記腐食性物質により腐食する第二の金属薄膜と、を有し、
    一の前記センサユニットに設けられる前記第二の金属薄膜は、他の前記センサユニットに前記第二の金属薄膜が設けられる位置と同じだけ前記第一の開口部から離れた位置に設けられ、
    前記演算装置は、一の前記センサユニットが有する前記第二の金属薄膜の両端と、他の前記センサユニットが有する前記第二の金属薄膜の両端とに形成される引出電極に接続され、前記第一及び第二の開口部から前記第一及び第二の通路構造に侵入する前記腐食性物質による前記第二の金属薄膜の腐食領域の拡大に応じて変化する前記第二の金属薄膜の電気抵抗を測定することで、前記腐食センサが設置される腐食環境における前記腐食性物質の濃度を算出し、
    前記診断回路は、前記演算装置により算出された前記腐食性物質の濃度に基づいて、前記腐食センサが設置される環境にある構造物の劣化深度を求める
    腐食診断装置。
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