以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、図1を参照して、本発明の実施例1における撮像装置について説明する。図1は、撮像装置400のブロック図である。図1において、401は撮像レンズ(撮像光学系)、113はフォーカルプレンシャッタ(シャッタ装置)、403は撮像素子、481はミラー部材、482はファインダ装置である。撮像装置400が図1に示されるようなファインダ観察状態である場合、撮像レンズ401を通過した被写体光のうちの一部の光束は、撮影光路内に位置するミラー部材481により反射し、ファインダ装置482に導かれる。これにより、撮影者はファインダ装置482を介して被写体像を観察することができる。ファインダ観察状態から撮影状態またはライブビュー状態に移行すると、ミラー部材481が不図示のミラー部材駆動装置により撮影光路から退避する。これにより、撮像レンズ401からの被写体光は、撮像素子403に向かう。
撮像素子403の物体側には、フォーカルプレンシャッタ113が配置されている。411は、フォーカルプレンシャッタ113を駆動するシャッタ駆動回路である。フォーカルプレンシャッタ113は、複数の羽根ユニット(第1の羽根ユニット2および第2の羽根ユニット3(図1参照))を有し、CPU409(制御部)によりシャッタ駆動回路411を介して駆動制御される。第1の羽根ユニット2および第2の羽根ユニット3はそれぞれ、閉鎖状態と開放状態とに往復移動可能な遮光部材である。またフォーカルプレンシャッタ113はモータ19(図1参照)を有する。モータ19は、第1の方向(第1の回転方向)および第2の方向(第1の回転方向とは反対の第2の回転方向)に回転可能であり、その方向に応じてカムギア15−1、15−2を回転駆動する。カムギア15−1、15−2はそれぞれ、モータ19に駆動された回転するカム部材である。モータ19の動作は、シャッタ駆動回路411に含まれる制御回路312および駆動回路313により制御される。
498は撮影準備を開始するスイッチ(SW1)、499は撮影を開始するスイッチ(SW2)である。スイッチ(SW1)498とスイッチ(SW2)499は2段スイッチとして構成されており、第1ストロークでスイッチ(SW1)498がオンし、第2ストロークでスイッチ(SW2)499がオンする。
撮像素子403は、CMOSイメージセンサなどを有し、撮像レンズ401(撮像光学系)を介して形成された被写体像(光学像)を光電変換して画像データ(アナログ画像信号)を出力する。AFE(Analog Front End)404は、撮像素子403から出力されたアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換する。DSP(Disital Signal Processer)405は、AFE404から出力されたデジタル画像信号に対して、各種画像処理や圧縮・伸張処理などを行い、処理後の画像データを出力する。
記録媒体406は、DSP405により処理された画像データを記録する。表示部407は、液晶ディスプレイ(LCD)などを含み、撮影画像や各種メニュー画面などを表示する。TG408は、タイミングジェネレータであり、撮像素子403を駆動制御する。RAM410は、DSP405と接続されており、画像データなどを一時的に記憶する。
レンズ制御手段491は、撮像レンズ401の焦点距離、絞り径、射出瞳径、および、射出瞳と撮像素子403との間の距離などのレンズ情報をCPU409に出力する。またレンズ制御手段491は、CPU409(制御部)による制御に応じて、撮像レンズ401に含まれる絞りやレンズなどを駆動する。レンズ制御手段491に含まれる各検出手段の検出結果は、CPU409に入力される。CPU409は、AFE404、DSP405、TG408、シャッタ駆動回路411、および、レンズ制御手段491を制御する。
次に、図2および図3を参照して、撮像素子403による撮像動作について説明する。図2は、撮像素子403の全体構成図である。図3は、撮像素子403の一つの画素部420の回路図である。
図2に示されるように、撮像素子403の画素領域PAには、複数の画素部420(画素部p11〜pkn)が行列状に配置されている。図3において、フォトダイオード(PD)441は、入射した光信号を光電変換し、露光量に応じた電荷を蓄積する。PD441に蓄積されている電荷は、転送ゲート442の信号txをHighレベルにすることにより、FD(フローティングディフュージョン)部443に転送される。FD部443は、フローティングディフュージョンアンプ(FDアンプ)444のゲートに接続されている。FDアンプ444は、PD441から転送された電荷量を電圧量に変換する。
FDリセットスイッチ445の信号resをHighレベルにすると、FD部443の電荷はリセットされる。また、PD441の電荷をリセットする場合、信号txと信号resとを同時にHighレベルにすることにより、転送ゲート442およびFDリセットスイッチ445の両方をオンし、FD部443経由でPD441のリセットを行うことになる。画素選択スイッチ446の信号selをHighレベルにすることにより、FDアンプ444で電圧に変換された画素信号は、画素部420の出力部voutに出力される。
図2において、垂直走査回路421は、駆動信号res_1、tx_1、sel_1などを各画素に供給する。これらの駆動信号は、それぞれの画素のres、tx、selに接続される。各画素の出力部voutは、列ごとに垂直出力線422を介して列共通読出し回路423(clm1〜clmk)に接続されている。
ここで、図4を参照して、列共通読出し回路423について説明する。図4は、撮像素子403の列共通読出し回路423の回路図である。垂直出力線422は列ごとに設けられており、1列分の画素部420の出力部voutがそれぞれの垂直出力線422に接続されている。垂直出力線422には電流源424が接続されており、電流源424と、画素部420の各画素内のFDアンプ444とによりソースフォロワ回路が構成される。
画素部420から読み出される画素信号Sは、信号tsをHighレベルにすることにより、S信号転送スイッチ451を介してS信号保持容量453に記憶される。画素部420から読み出されるノイズ信号Nは、信号tnをHighレベルにすることにより、N信号転送スイッチ452を介してN信号保持容量454に記憶される。S信号保持容量453およびN信号保持容量454はそれぞれ、列共通読出し回路423の出力部vs、vnに接続されている。
図2において、列共通読出し回路423の出力部vs、vnはそれぞれ、水平転送スイッチ425、426に接続されている。水平転送スイッチ425、426は、水平走査回路427の出力信号hsr*(*は列番号1〜k)により制御される。信号hsr*がHighレベルになることにより、S信号保持容量453およびN信号保持容量454の信号はそれぞれ水平出力線428、429へ転送される。水平出力線428、429は、差動増幅器430の入力部に接続されている。差動増幅器430は、S信号とN信号との差分をとると同時に所定のゲインをかけ、最終的な画像信号を出力端子431へ出力する。水平出力線リセットスイッチ432、433は、信号chresがHighになることによってオンし、それぞれの水平出力線428、429はリセット電圧Vchresにリセットされる。
次に、図5を参照して、撮像素子403の静止画読み出し走査について説明する。図5は、撮像素子403のリセット走査および静止画読み出し走査における1行あたりの動作を示すタイミングチャートである。ここではi行目のデータを読み出すものとして説明する。
まず、信号sel_iをHighレベルにしてi行目の画素の画素選択スイッチ446をオンする。その後、信号res_iをLowレベルにしてFDリセットスイッチ445をオフし、FD部443のリセットを開放する。次に、信号tnをHighレベルにして、N信号転送スイッチ452を介してN信号保持容量454にN信号を記憶する。続いて信号tnをLowにし、N信号転送スイッチ452をオフした後、信号tsをHighレベルにしてS信号転送スイッチ451をオンすると共に、信号tx_iをHighレベルにすることで転送ゲート442をONする。この動作により、選択されているi行目のPD441に蓄積されていた信号がFDアンプ444、画素選択スイッチ446を介して垂直出力線422へ出力され、更にS信号転送スイッチ451を介してS信号保持容量453へ記憶される。
続いて、信号tx_i、tsをLowレベルにして転送ゲート442、S信号転送スイッチ451を閉じた後、信号res_iをHighレベルにしてFDリセットスイッチ445をオンし、FD部443をリセットする。以上により、i行目のN信号及びS信号を、それぞれS信号保持容量453およびN信号保持容量454へ記憶する動作を終了する。
次に、S信号保持容量453、N信号保持容量454に蓄えられたS信号、N信号を撮像素子403から出力する動作が行われる。まず、水平走査回路427の出力hsr1がHighレベルになることにより、水平転送スイッチ425、426がオンし、S信号保持容量453、N信号保持容量454の信号が水平出力線428、429と差動増幅器430とを介して出力端子431に出力される。
水平走査回路427は、各列の選択信号hsr1、hsr2・・・、hsrkを順次Highにすることにより、i行目の全データを出力する。なお、信号hsr1〜hsrkによって各列の信号が読み出される間、信号chresをHighレベルにすることで水平出力線リセットスイッチ432、433をオンし、一旦、水平出力線428、429をリセット電圧Vchresのレベルにリセットする。以上で、1行の読出し動作が終了する。この動作を各行で繰り返すことにより、撮像素子403の全行の信号が読み出される。
次に、図6(a)および図6(b)を参照して、本実施形態におけるフォーカルプレンシャッタ113の構成について説明する。図6(a)はフォーカルプレンシャッタ113を撮像素子403側から見た分解斜視図、図6(b)は被写体側から見た分解斜視図である。
シャッタ地板1の撮像素子403側には、カバー板8が取り付けられている。シャッタ地板1とカバー板8との間には、第1の羽根ユニット2および第2の羽根ユニット3が設けられている。第1の羽根ユニット2は、羽根2a、2b、2cと羽根アーム2d、2eとを備えて構成される。第2の羽根ユニット3は、羽根3a、3b、3cと羽根アーム3d、3eとを備えて構成される。シャッタ地板1およびカバー板8には、アパチャ1a、8a(開口)がそれぞれ形成されている。シャッタ地板1の被写体側には軸1b、1c、1f、1gが立設されている。軸1bには第1の駆動部材11が、軸1fには第2の駆動部材12が、軸1cにはカムギア15−1が、軸1gにはカムギア15−2がそれぞれ回転可能に取り付けられている。シャッタ地板1の撮像素子403側には軸1d、1e、1h、1iが立設されており、軸1d、軸1hには第1の羽根ユニット2が、軸1e、軸1iには第2の羽根ユニット3がそれぞれ回転可能に取り付けられている。
第1の駆動部材11の穴11aとシャッタ地板1の軸1bとが嵌合し、第1の駆動部材11は回転可能(回動可能)である。第1の駆動部材11のカム係合ピン11b(カム係合部、第1のカム係合部材)は、カムギア15−1の回転中心に近い側のカム面15bとカムギア15−1の回転中心から遠い側のカム面15cとの間に摺動可能に嵌合している。このような構成により、カム係合ピン11bは、カムギア15−1の回転に従って、カム溝15qに沿って第1の駆動部材11を駆動する。
第2の駆動部材12の穴12aとシャッタ地板1の軸1fとが嵌合し、第2の駆動部材12は回転可能(回動可能)である。第2の駆動部材12のカム係合ピン12b(カム係合部、第2のカム係合部材)は、カムギア15−2の回転中心に近い側のカム面15bとカムギア15−2の回転中心から遠い側のカム面15cとの間に摺動可能に嵌合している。このような構成により、カム係合ピン12bは、カムギア15−2の回転に従って、カム溝15qに沿って第2の駆動部材12を駆動する。
第1の羽根ユニット2は、2つの羽根アーム2d、2eと、3つの羽根2a、2b、2cとを備えて構成されている。2つの羽根アーム2d、2eの穴2f、2gは、シャッタ地板1の撮像素子403側において、それぞれ軸1d、1eに回動自在に枢着されている。3枚の羽根2a、2b、2cは、羽根アーム2d、2eの他端に向け、連結軸7を介して、順次、枢支されている。羽根アーム2には穴2hが形成されており、穴2hに第1の駆動部材11の駆動ピン11cが係合する。このような構成により、第1の羽根ユニット2は、第1の駆動部材11の回転に従って、羽根2a、2b、2cがシャッタ地板1のアパチャ1aを覆う閉鎖状態と、アパチャ1aから退避する開放状態とに、それぞれ移行可能(往復移動可能)である。
第2の羽根ユニット3は、2つの羽根アーム3d、3eと、3つの羽根3a、3b、3cとを備えて構成されている。2つの羽根アーム3d、3eの穴3f、3gは、シャッタ地板1の撮像素子403側において、それぞれ軸1h、1iに回動自在に枢着されている。3枚の羽根3a、3b、3cは、羽根アーム3d、3eの他端に向け、連結軸7を介して、順次、枢支されている。羽根アーム3には穴3hが形成されており、穴3hに第2の駆動部材12の駆動ピン12cが係合する。このような構成により、第2の羽根ユニット3は、第2の駆動部材12の回転に従って、羽根3a、3b、3cがシャッタ地板1のアパチャ1aを覆う閉鎖状態と、アパチャ1aから退避する開放状態とに、それぞれ移行可能(往復移動可能)である。
カムギア15−1、15−2は、穴15aとシャッタ地板1の軸1c、1gとがそれぞれ嵌合して回転可能に構成されている。駆動バネ18の腕部18a、18bはそれぞれ、後述するように、切り欠き15eに係合することで付勢力が発生するように構成されている。
トグルばね10a(付勢部材)は、シャッタ地板1に形成されたリブ1jとカバー板8に立設されたリブ8bによりガイドされており、羽根アーム2eの穴2iとシャッタ地板1の軸1iとに係合している。これにより、羽根アーム2eは、アパチャ1aの開放状態では羽根2a、2b、2cがアパチャ1aを開放する方向(開放状態を維持する方向)に付勢される。一方、羽根アーム2eは、アパチャ1aの閉鎖状態では羽根2a、2b、2cがアパチャ1aを閉鎖する方向(閉鎖状態を維持する方向)に付勢される。この付勢により、アパチャ1aの開放状態では、羽根2a、2b、2cと連結軸7とを介して駆動ピン11cが羽根アーム2の穴2hと、羽根2a、2b、2cがアパチャ1aを閉鎖する方向に駆動する際に接触する側で、羽根走行の動き出しの際に当接している。また、アパチャ1aの閉鎖状態では、羽根2a、2b、2cと連結軸7とを介して駆動ピン11cが羽根アーム2の穴2hと、羽根2a、2b、2cがアパチャ1aを開放する方向に駆動する際に接触する側で、羽根走行の動き出しの際に当接している。
トグルばね10b(付勢部材)は、シャッタ地板1に形成されたリブ1jとカバー板8に立設されたリブ8bとによりガイドされており、羽根アーム3eの穴3iとシャッタ地板1の軸1eに係合している。これにより、羽根アーム3eは、アパチャ1aの開放状態では羽根3a、3b、3cがアパチャ1aを開放する方向(開放状態を維持する方向)に付勢され、アパチャ1aの閉鎖状態では羽根3a、3b、3cがアパチャ1aを閉鎖する方向に付勢されている。この付勢により、アパチャ1aの開放状態では羽根3a、3b、3cと連結軸7を介して駆動ピン12cが羽根アーム3の穴3hと、羽根がアパチャ1aを閉鎖する方向(閉鎖状態を維持する方向)に駆動する際に接触する側で、羽根走行の動き出しの際に当接する。また、アパチャ1a閉鎖状態では、羽根3a、3b、3cと連結軸7を介して駆動ピン12cが羽根アーム3の穴3hと、羽根がアパチャ1aを開放する方向に駆動する際に接触する側で、羽根走行の動き出しの際に当接している。
従って、第1の羽根ユニット2と第2の羽根ユニット3がアパチャ1aを開閉走行する際、羽根走行の動き出しでの第1の駆動部材11の駆動ピン11cと羽根アーム2dの穴2h、第2の駆動部材12の駆動ピン12cと羽根アーム3dの穴3hにガタがない。このため、走行の動き出し時間のばらつきを少なくすることが可能となる。
更に、トグルばね10a、10bの付勢力は、後述するように、奇数回目と偶数回目の撮影のそれぞれの羽根走行の動き出しにおいて、カム係合ピン11b、12bをカムギア15の回転中心から遠い側のカム面15cに当接するように作用する。従って、羽根走行の動き出しにおいて、カム面15cに追随してカム係合ピン11b、12bが駆動されることが可能となる。
駆動バネ18は、内径部がホルダー部材17の軸受部にガイドされており、腕部18a、18bはそれぞれに対応する係止部と係合され、被写体側から見て腕部18aは右回転方向に、腕部18bは左回転方向に付勢力が発生するようにチャージされている。
ここで、図7を参照して、カムギア15(15−1、)15−2の構成について説明する。図7(a)はカムギア15(15−1、15−2)の正面図(被写体側から見た図)、図7(b)は背面図(撮像素子403側から見た図)である。
カムギア15のカム溝15qは、穴15aと同心円状に形成され、カム係合ピン11b、12bを介して、羽根ユニットを走行前の待機状態で保持する第1の空走駆動領域15fおよび第2の空走駆動領域15gを有する。またカム溝15qは、羽根ユニットを展開・重畳状態に駆動させ、アパチャ1aを開放状態に移動させる第1の露光駆動領域15hおよび第2の露光駆動領域15iを有する。またカム溝15qは、穴15aと同心円状に形成され、カム係合ピン11b、12bを介して、羽根ユニットを走行完了状態で保持する第3の空走駆動領域15jおよび第4の空走駆動領域15kを有する。カムギア15の回転中心から遠い側のカム面15cは、カム面15fc、15gc、15hc、15ic、15jc、15kcを有する。カム面15fc、15gc、15hc、15ic、15jc、15kcはそれぞれ第1の空走駆動領域15f、第2の空走駆動領域15g、第1の露光駆動領域15h、第2の露光駆動領域15i、第3の空走駆動領域15j、第4の空走駆動領域15kに対応する。
第1の空走駆動領域15fと第2の空走駆動領域15gとは、第1の切り替わり部15lを介して接続されている。第2の空走駆動領域15gと第1の露光駆動領域15hとは、第2の切り替わり部15mを介して接続されている。第1の露光駆動領域15hと第2の露光駆動領域15iとは、第3の切り替わり部15nを介して接続されている。第2の露光駆動領域15iと第3の空走駆動領域15jとは、第4の切り替わり部15oを介して接続されている。第3の空走駆動領域15jと第4の空走駆動領域15kとは、第5の切り替わり部15pを介して接続されている。
第1の空走駆動領域15fと第4の空走駆動領域15kとは、穴15aの中心と第3の切り替わり部15nとを結ぶ直線(回転中心から径方向に延びる直線)に関して対称(線対称)に形成されている。同様に、第2の空走駆動領域15gと第3の空走駆動領域15jとは、穴15aの中心と第3の切り替わり部15nとを結ぶ直線(回転中心から径方向に延びる直線)に関して対称(線対称)に形成されている。同様に、第1の露光駆動領域15hと第2の露光駆動領域15iとは、穴15aの中心と第3の切り替わり部15nとを結ぶ直線(回転中心から径方向に延びる直線)に関して対称(線対称)に形成されている。
本実施例において、カム部材(カムギア15)は、駆動部材を駆動して遮光部材を閉鎖状態に移動させるカム面15ic(第1のカム面)、および、駆動部材を駆動して遮光部材を開放状態に移動させるカム面15hc(第2のカム面)を有する。好ましくは、カム部材は、更に、駆動部材を開放状態に摺動保持するカム面15k、15j(第3のカム面)、および、駆動部材を閉鎖状態に摺動保持するカム面15f、15g(第4のカム面)有する。より好ましくは、遮光部材を開放状態から閉鎖状態へ移動する際に、駆動部材は、第1のカム面に当接し、第2のカム面に当接しない。また、遮光部材を閉鎖状態から開放状態へ移動する際に、駆動部材は、第2のカム面に当接し、第1のカム面に当接しない。第4のカム面、第2のカム面、第1のカム面、および、第3のカム面は、連続的に形成されている。
図1に示されるように、モータ19は、モータプレート20に取り付けられている。モータプレート20は、ホルダー部材17にビス14によってビス止めされている。モータ19の出力軸19aには、ピニオンギア21が取り付けられている。ピニオンギア21は、ホルダー部材17の穴17cを貫通し、カムギア15(15−1、15−2)のギア部15rと係合することで、モータ19からのトルクをカムギア15へ伝達する。モータ19は、所定の時間間隔に従ってコイルの通電状態を切り換えて駆動するステップ駆動(オープンループ駆動)と、進角値が異なる2種類のフィードバック駆動が可能なステッピングモータである。
次に、図8乃至図20を参照して、フォーカルプレンシャッタ113の動作について説明する。図8は、フォーカルプレンシャッタ113の動作のタイミングチャートである。図4乃至図20は、図8に示されるタイミングA〜Pにおけるフォーカルプレンシャッタ113の状態の説明図である。なお、図4乃至図20のそれぞれにおいて、(a)は正面図(被写体側から見た図)、(b)は背面図(撮像素子403側から見た図)である。以降の説明において、カムギア15−2の回転方向(左右)は、各図の(a)に示される方向により定義され、(a)と(b)とで互いに逆となる。
往復露光を行う際、奇数回目の撮影と偶数回目の撮影のそれぞれにおけるフォーカルプレンシャッタ113の動作について説明する。なお、第1の羽根ユニット2、駆動部材11、カムギア15−1は、第2の羽根ユニット3、駆動部材12、カムギア15−2とそれぞれ同様の構成であるため、それらの図は省略する。
<奇数回目の撮影>
(撮影待機状態)
図9は、フォーカルプレンシャッタ113の撮影前の待機状態(タイミングA)を示す図である。図9に示されるように、撮像装置400の待機状態となるタイミングAにおいて、羽根3a、3b、3cはアパチャ1aを開放し、羽根2a、2b、2cはアパチャ1aを閉鎖している(不図示)。このとき、羽根アーム3eの穴3iに掛けられたトグルばね10bの付勢力により、駆動ピン12cはアパチャ1aを開放する方向に付勢され、カム係合ピン12bはカムギア15−2のカム面15kc(図7(b)参照)に当接した状態で待機される。また、羽根アーム2eの穴2iに掛けられたトグルばね10aの付勢力により、第1の駆動部材11の駆動ピン11cはアパチャ1aを閉鎖する方向に付勢され、カム係合ピン11bは、カムギア15−1のカム面15kcに当接した状態で待機される(不図示)。このとき、カムギア15に配設されている切り欠き15eは、駆動バネ18の右側の腕部18bに当接せず、駆動バネ18はチャージされておらず、自然状態である。
(チャージ状態)
タイミングAにおいてスイッチ(SW1)498がオンすると、低進角のフィードバック駆動モードにてモータ19が右回転方向に駆動される。このため、カムギア15は図9の状態から左回転方向に回転する。ここで、モータ19のピニオンギア21とカムギア15のギア部15rとが噛み合っているため、モータ19の回転方向とカムギア15の回転方向は逆になる。
図9の状態(タイミングA)からカムギア15が左回転方向に回転すると、カムギア15に配設されている切り欠き15eは駆動バネ18と当接し、チャージしながら回転する。この区間では、カムギア15は駆動バネ18をチャージしながら左回転方向に回転するため、モータ19の負荷変動が大きくなる。しかし、低進角のフィードバック駆動モードにてモータ19が駆動されているため、モータ19が脱調することはない。
図10の状態(タイミングB)では、駆動バネ18がチャージされた状態となるため、カムギア15は、駆動バネ18により右回転方向に付勢される。制御回路312は、モータ19を通電開始させ、カムギア15を、カムギア15の可動端部15dがホルダー部材の当接面17eに当接させる以上のステップ数だけ回転させた後、モータ19を通電保持させるように駆動回路313を制御する。従って、カムギア15の可動端部15dが、ホルダー部材17の当接面17eに当接し、カムギア15の回転が停止する。図10に示されるように、タイミングBでは、羽根3a、3b、3cはアパチャ1aを開放している。また、羽根2a、2b、2cはアパチャ1aを閉鎖している(不図示)。
撮像装置400は、タイミングAにおいて、スイッチ(SW1)498がオンすると、不図示の測距手段(焦点検出手段)が被写体までの距離を測定し、レンズ制御手段491が撮影レンズを駆動してピント合わせを行うなどの撮影準備動作を行う。
(ステップ駆動・第4、第3の空走駆動区間)
スイッチ(SW2)499がオンしてから所定時間後のタイミングCにおいて、羽根2a、2b、2cはアパチャ1aを開放する方向に、羽根3a、3b、3cはアパチャ1aを閉鎖する方向にカムギア15を回転させる。このとき、チャージ時とは逆方向にモータ19に通電を行い、ステップ駆動モードによる助走駆動を開始する。助走駆動にて、制御回路312は、所定の駆動パルスの幅を徐々に小さくしていくことにより、モータ19の回転速度を徐々に速くする(タイミングD、E、F)。
モータ19への通電が開始されると、駆動バネ18による付勢力を受け、カムギア15は右回転方向へ回転し、助走を始める。カム係合ピン11bは、羽根アーム2eの穴2iに掛けられたトグルばね10aの付勢力により、カムギア15のカム溝15qの第4の空走駆動領域15kおよび第3の空走駆動領域15jの順に、カム面15kc、15jcにそれぞれ当接しながら加速を始める。カム係合ピン12bは、羽根アーム3eの穴3iに掛けられたトグルばね10bの
付勢力により、カムギア15のカム溝15qの第4の空走駆動領域15kおよび第3の空走駆動領域15jの順に、カム面15kc、15jcにそれぞれ当接しながら加速を始める。
(羽根駆動開始(ステップ駆動→高進角駆動))
制御回路312は、タイミングCから所定ステップ後に高進角のフィードバック駆動モードにてカムギア15を右回転方向に駆動するように、駆動回路313を制御する。
図10の状態(タイミングC)からカムギア15が右回転方向に回転すると、図11に示されるような状態(タイミングG)となる。この区間にて、第1の駆動部材11のカム係合ピン11bと第2の駆動部材12のカム係合ピン12bとがカムギア15の同心円カムである第3の空走駆動領域15jから第2の露光駆動領域15iへ移行する。これにより、カム面15icをトレースして第1の駆動部材11と第2の駆動部材12とを回転させる。
更に、図12(a)、(b)に示されるように、第2の露光駆動領域15iから第1の露光駆動領域15hへ移行する(タイミングH)。このとき、カムギア15の平面図である図12(c)に示されるように、第1の駆動部材11のカム係合ピン11bおよび第2の駆動部材12のカム係合ピン12bはそれぞれ、カム面15icから乖離する。そして、第1の駆動部材11と連動して回転している第1の羽根ユニット2の慣性力で第1の駆動部材11は回転し、第2の駆動部材12と連動して回転している第2の羽根ユニット3の慣性力で第2の駆動部材12は回転する。従って、第1の露光駆動領域15hでは、第1の駆動部材11のカム係合ピン11bと第2の駆動部材12のカム係合ピン12bは、カムギア15のカム面15bおよびカム面15cに当接しない。
また、羽根アーム2eの穴2iと羽根アーム3eの穴3iに掛けられたトグルばね10aは、第3の切り替わり部15n付近で付勢方向が切り替わり、その付勢力により第1の駆動部材11および第2の駆動部材12は右回転方向に付勢される。これにより、アパチャ1aを閉鎖していた羽根2a、2b、2cがアパチャ1aを開放していくとともに、アパチャ1aを開放していた羽根3a、3b、3cがアパチャ1aを閉鎖していく。その結果、第1の羽根ユニット2および第2の羽根ユニット3は、撮影者が定めたシャッタ秒時で撮像素子403に対して露光を行う。
したがって、露光駆動時には、モータ19を高速駆動する必要があり、かつモータ19の駆動中に負荷変動が大きくなる。このときモータ19は、高進角のフィードバック駆動モードにて駆動されるため、高速駆動や負荷変動によりモータ19が脱調することはない。また、助走駆動にてモータ19の回転速度は十分高速になっているため、高進角のフィードバック駆動モードにてモータ19を高速駆動することができる。羽根の走行が開始すると、モータ19の回転駆動力の変化は、カムギア15の回転スピードや電気信号との同調具合への影響は相対的に小さなものになる。このため、モータ19は多少の負荷変動があっても、脱調することなく羽根を安定的に走行させることができる。
(露光走行完了)
図13に示されるように、第2の空走駆動領域15gでは、第1の駆動部材11のカム係合ピン11bおよび第2の駆動部材12のカム係合ピン12bはそれぞれ、カムギア15の回転中心に近い側のカム面15bに当接し始める。そして、カム面15bをトレースすることで第1の駆動部材11および第2の駆動部材12をそれぞれ回転させる。
図13の状態の第2の空走駆動領域15gから図14の状態の第1の空走駆動領域15fへ移行する。このとき、第1の駆動部材11のカム係合ピン11bおよび第2の駆動部材12のカム係合ピン12bはそれぞれ、カム面15bとカム面15cとの間に摺動可能に嵌合することで保持される。また、第1の駆動部材11のカム係合ピン11bおよび第2の駆動部材12のカム係合ピン12bはそれぞれ、カムギア15の第1の空走駆動領域15fにおいて穴15aと同心円にあり、バウンドによる再半開状態にならない。
<偶数回目の撮影>
(撮影待機状態)
図15は、フォーカルプレンシャッタ113の偶数回目の撮影前の待機状態(タイミングI)を示す図である。図15に示されるように、撮像装置400の待機状態であるタイミングIでは、羽根3a、3b、3cはアパチャ1aを閉鎖して、羽根2a、2b、2cはアパチャ1aを開放している(不図示)。このとき、羽根アーム3eの穴3iに掛けられたトグルばね10bの付勢力により、第2の駆動部材12の駆動ピン12cはアパチャ1aを閉鎖する方向に付勢され、カム係合ピン12bは、カムギア15−2のカム面15fcに当接した状態で待機される。また、羽根アーム2eの穴2iに掛けられたトグルばね10aの付勢力により、第1の駆動部材11の駆動ピン11cはアパチャ1aを開放する方向に付勢され、カム係合ピン11bは、カムギア15−1のカム面15fcに当接した状態で待機される(不図示)。このとき、カムギア15に配設されている切り欠き15eは、駆動バネ18の右側の腕部18aに当接せず、駆動バネ18はチャージされておらず、自然状態である。
(チャージ状態)
タイミングIでスイッチ(SW1)498がオンすると、低進角のフィードバック駆動モードにてモータ19が左回転方向に駆動されるため、カムギア15は図15の状態から右回転方向に回転する。ここで、モータ19のピニオンギア21とカムギア15のギア部15rとが噛み合っているため、モータ19の回転方向とカムギア15の回転方向は逆になる。
図15の状態(タイミングI)からカムギア15が右回転方向に回転すると、カムギア15に配設されている切り欠き15eは駆動バネ18と当接し、チャージしながら回転する。この区間では、カムギア15は駆動バネ18をチャージしながら右回転方向に回転するため、モータ19の負荷変動が大きくなる。しかし、低進角のフィードバック駆動モードにてモータ19が駆動されているため、モータ19が脱調することはない。
図16の状態(タイミングJ)では、駆動バネ18がチャージされた状態となるため、カムギア15は、駆動バネ18により左回転方向に付勢される。制御回路312は、モータ19を通電開始させ、カムギア15を、カムギア15の可動端部15dがホルダー部材の当接面17eに当接させる以上のステップ数だけ回転させた後、モータ19を通電保持させるように駆動回路313を制御する。従って、カムギア15の可動端部15dが、ホルダー部材17の当接面17eに当接し、カムギア15の回転が停止する。図16に示されるように、タイミングJでは、羽根3a、3b、3cはアパチャ1aを閉鎖している。また、羽根2a、2b、2cはアパチャ1aを開放している(不図示)。
撮像装置400は、タイミングIにおいて、スイッチ(SW1)498がオンすると、不図示の測距手段(焦点検出手段)が被写体までの距離を測定し、レンズ制御手段491が撮影レンズを駆動してピント合わせを行うなどの撮影準備動作を行う。
(ステップ駆動・第1、第2の空走駆動区間)
スイッチ(SW2)499がオンしてから所定時間後(タイミングK)において、羽根2a、2b、2cはアパチャ1aを閉鎖する方向に、羽根3a、3b、3cはアパチャ1aを開放する方向にカムギア15を回転するように通電を開始する。このとき、チャージ時とは逆方向にモータ19に通電を行い、ステップ駆動モードによる助走駆動を開始する。助走駆動にて、制御回路312は、所定の駆動パルスの幅を徐々に小さくしていくことにより、モータ19の回転速度を徐々に速くする(タイミングL、M、N)。
モータ19への通電が開始されると、駆動バネ18による付勢力を受け、カムギア15は左回転方向へ回転し、助走を始める。カム係合ピン11bは、羽根アーム2eの穴2iに掛けられたトグルばね10aの付勢力により、カムギア15のカム溝15qの第1の空走駆動領域15fおよび第2の空走駆動領域15gの順に、カム面15fc、15gcにそれぞれ当接しながら加速を始める。カム係合ピン12bは、羽根アーム3eの穴3iに掛けられたトグルばね10bの付勢力により、カムギア15のカム溝15qの第1の空走駆動領域15fおよび第2の空走駆動領域15gの順に、カム面15fc、15gcにそれぞれ当接しながら加速を始める。
(羽根駆動開始(ステップ駆動→高進角駆動))
制御回路312は、タイミングKから所定ステップ後(タイミングO)に、高進角のフィードバック駆動モードにてカムギア15を左回転方向に駆動するように、駆動回路313を制御する。
図16の状態(タイミングK)からカムギア15が左回転方向に回転すると、図17に示されるような状態となる(タイミングO)。この区間にて、第1の駆動部材11のカム係合ピン11bと第2の駆動部材12のカム係合ピン12bがカムギア15の同心円カムである第2の空走駆動領域15gから第1の露光駆動領域15hへ移行する。そして、カム面15hcをトレースして第1の駆動部材11と第2の駆動部材12とを回転させる。
さらに、図18(a)、(b)に示されるように、第1の露光駆動領域15hから第2の露光駆動領域15iへ移行する(タイミングP)。このとき、第1の駆動部材11のカム係合ピン11bおよび第2の駆動部材12のカム係合ピン12bはそれぞれ、カム面15hcから乖離する。そして、第1の駆動部材11と連動して回転している第1の羽根ユニット2の慣性力で第1の駆動部材11は回転し、第2の駆動部材12と連動して回転している第2の羽根ユニット3の慣性力で第2の駆動部材12は回転する。従って、第2の露光駆動領域15iでは、カム係合ピン11b、12bはそれぞれ、カムギア15の平面図である図18(c)に示されるように、カムギア15のカム面15bおよびカム面15cに当接しない。
また、羽根アーム2eの穴2iと羽根アーム3eの穴3iに掛けられたトグルばね10a、10bは、第3の切り替わり部15n付近で付勢方向が切り替わり、付勢力により第1の駆動部材11と第2の駆動部材12は右回転方向に付勢される。これにより、アパチャ1aを閉鎖していた羽根3a、3b、3cがアパチャ1aを開放していくとともに、アパチャ1aを開放していた羽根2a、2b、2cがアパチャ1aを閉鎖していく。このように、第2の羽根ユニット3および第1の羽根ユニット2は撮影者が定めたシャッタ秒時で撮像素子403に対して露光を行う。
したがって、露光駆動時には、モータ19を高速駆動する必要があり、かつモータ19の駆動中に負荷変動が大きくなる。このときモータ19は、高進角のフィードバック駆動モードにて駆動されるため、高速駆動や負荷変動によってモータ19が脱調することはない。また、助走駆動にてモータ19の回転速度は十分高速になっているため、高進角のフィードバック駆動モードにてモータ19を高速駆動することができる。羽根の走行が開始すると、モータ19の回転駆動力の変化は、カムギア15の回転スピードや電気信号との同調具合への影響は相対的に小さい。このため、モータ19は多少の負荷変動があっても、脱調することなく羽根を安定的に走行させることができる。
本実施例において、奇数回目の露光動作ではカム面15ic(第1のカム面)、偶数回目の露光動作ではカム面15hc(第2のカム面)をそれぞれトレースすることで各羽根ユニットを駆動する。カムギア15のカム面15ic(第1のカム面)とカム面15hc(第2のカム面)は、穴15aの中心と第3の切り替わり部15nとを結ぶ直線(回転中心から径方向に延びる直線)に関して対称(線対称)に形成されている。これにより、図21に示されるように、カム面15icとカム面15hcとが描くカム線図は左右対称(対称的なカム線図)であり、変化量は等しい。図21は、カムギア15のカム線図であり、横軸はカムギア15の回転角度を示し、縦軸はカムリフト量を示している。
また、第1の羽根ユニット2がアパチャ1aを閉鎖していく動作と開放していく動作において、カムギア15の回転中心からカム面15bとカム係合ピン11bの接触点までの距離の変化の仕方は互いに等しい。また、第2の羽根ユニット3がアパチャ1aを閉鎖していく動作と開放していく動作において、カムギア15の回転中心からカム面15bとカム係合ピン12bの接触点までの距離の変化の仕方は互いに等しい。したがって、露光動作において、カム面15cからカム係合ピン11b、12bに作用する力の大きさが、奇数回目と偶数回目とで同等となる。これにより、羽根を駆動する力も同等となり、撮影回数に拘らず一定の露光動作を行うことができる。
(露光走行完了)
図19に示されるように、第3の空走駆動領域15jでは、カム係合ピン11b、12bはそれぞれ、カムギア15の回転中心に近い側のカム面15bに当接し始める。そしてカム係合ピン11b、12bは、カム面15bをトレースすることにより、第1の駆動部材11および第2の駆動部材12をそれぞれ回転させる。
図19の状態の第3の空走駆動領域15jから図20の状態の第4の空走駆動領域15kへ移行する。第1の駆動部材11のカム係合ピン11bおよび第2の駆動部材12のカム係合ピン12bはそれぞれ、カム面15bとカム面15cとの間に摺動可能に嵌合することで保持される。また、カム係合ピン11b、12bはそれぞれ、カムギア15の第4の空走駆動領域15kにおいて穴15aと同心円にあり、バウンドによる再半開状態にならない。
次に、図22(a)および図22(b)を参照して、本発明の実施例2におけるフォーカルプレンシャッタ113aの構成について説明する。図22(a)はフォーカルプレンシャッタ113aを撮像素子403側から見た分解斜視図、図22(b)は被写体側から見た分解斜視図である。
シャッタ地板1の撮像素子403側には、カバー板8が取り付けられている。シャッタ地板1とカバー板8との間には、第1の羽根ユニット2および第2の羽根ユニット3が設けられている。第1の羽根ユニット2は、羽根2a、2b、2cと羽根アーム2d、2eとを備えて構成される。第2の羽根ユニット3は、羽根3a、3b、3cと羽根アーム3d、3eとを備えて構成される。シャッタ地板1およびカバー板8には、アパチャ1a、8a(開口)がそれぞれ形成されている。シャッタ地板1の被写体側には軸1b、1c、1f、1gが立設されている。軸1bには第1の駆動部材111が、軸1fには第2の駆動部材112が、軸1cにはカムギア114(第1のカムギア)が、軸1gにはカムギア115(第2のカムギア)がそれぞれ回転可能に取り付けられている。シャッタ地板1の撮像素子403側には軸1d、1e、1h、1iが立設されており、軸1d、軸1eには第1の羽根ユニット2が、軸1h、軸1iには第2の羽根ユニット3がそれぞれ回転可能に取り付けられている。
図23は第1の駆動部材111の斜視図である。図24は第2の駆動部材112の斜視図である。第1の駆動部材111は、穴111aとシャッタ地板1の軸1bとが嵌合して回転可能である。第1の駆動部材111の第1のカム係合ピン111b(第1のカム係合部材)および第2のカム係合ピン111c(第1のカム係合部材)は、後述するカムギア114の複数のカム面に当接し、第1の駆動部材111は、カムギア114の回転に従って駆動される。第2の駆動部材112は、穴112aとシャッタ地板1の軸1fとが嵌合して回転可能である。第2の駆動部材112の第1のカム係合ピン112b(第2のカム係合部材)および第2のカム係合ピン112c(第2のカム係合部材)は、後述するカムギア115の複数のカム面に当接し、カムギア115の回転に従って、第2の駆動部材112は駆動される。第1の駆動部材111の第1のカム係合ピン111bと第2のカム係合ピン111c、および、第2の駆動部材112の第1のカム係合ピン112bと第2のカム係合ピン112cは、カム係合部を構成する。
第1の羽根ユニット2は、2つの羽根アーム2d、2eと、3つの羽根2a、2b、2cとを備えて構成されている。2つの羽根アーム2d、2eの穴2f、2gがシャッタ地板1の撮像素子403側において、それぞれ軸1d、1eに回動自在に枢着されている。3枚の羽根2a、2b、2cは、羽根アーム2d、2eの他端に向け、連結軸4を介して、順次、枢支されている。羽根アーム2dには穴2hが形成されており、穴2hに第1の駆動部材111の駆動ピン111dが係合する。これにより、第1の駆動部材111の回転に従って、羽根2a、2b、2cがシャッタ地板1のアパチャ1aを覆う閉鎖状態と、アパチャ1aから退避する開放状態とに、それぞれ移行可能である。
第2の羽根ユニット3は、2つの羽根アーム3d、3eと、3つの羽根3a、3b、3cとを備えて構成されている。2つの羽根アーム3d、3eの穴3f、3gがシャッタ地板1の撮像素子403側において、それぞれ軸1h、1iに回動自在に枢着されている。3枚の羽根3a、3b、3cは、羽根アーム3d、3eの他端に向け、連結軸4を介して、順次、枢支されている。羽根アーム3dには穴3hが形成されており、穴3hに第2の駆動部材112の駆動ピン12dが係合する。これにより、第2の駆動部材112の回転に従って、羽根3a、3b、3cがシャッタ地板1のアパチャ1aを覆う閉鎖状態と、アパチャ1aから退避する開放状態とに、それぞれ移行可能である。
第1のトグルばね105(付勢部材)は、シャッタ地板1に立設された軸1nと羽根アーム2eの穴2iとに係合している。これにより、羽根アーム2eは、アパチャ1aの開放状態では羽根がアパチャ1aを開放する方向(開放状態を維持する方向)に付勢される。また羽根アーム2eは、アパチャ1aの閉鎖状態では羽根がアパチャ1aを閉鎖する方向(閉鎖状態を維持する方向)に付勢されている。この付勢により、アパチャ1aの開放状態では、羽根2a、2b、2cと連結軸4を介して第1の駆動部材111の駆動ピン111dが羽根アーム2dの穴2hの羽根がアパチャ1aを閉鎖する方向に駆動する際に接触する側が当接する。また、アパチャ1aの閉鎖状態では、羽根2a、2b、2cと連結軸4を介して第1の駆動部材111の駆動ピン111dが羽根アーム2dの穴2hの羽根がアパチャ1aを開放する方向に駆動する際に接触する側が当接している。またトグルばね105は、トグルばね抑え部材107により、軸1n方向の動きが制限される。
第2のトグルばね106(付勢部材)は、シャッタ地板1に立設された軸1oと羽根アーム3eの穴3iとに係合している。これにより、羽根アーム3eは、アパチャ1aの開放状態では羽根がアパチャ1aを開放する方向(開放状態を維持する方向)に付勢され、アパチャ1aの閉鎖状態では羽根がアパチャ1aを閉鎖する方向(閉鎖状態を維持する方向)に付勢されている。この付勢により、アパチャ1aの開放状態では羽根3a、3b、3cと連結軸4を介して第2の駆動部材112の駆動ピン112dが羽根アーム3dの穴3hの羽根がアパチャ1aを閉鎖する方向に駆動する際に接触する側が当接している。また、アパチャ1aの閉鎖状態では羽根3a、3b、3cと連結軸4を介して第2の駆動部材112の駆動ピン112dが羽根アーム3dの穴3hの羽根がアパチャ1aを開放する方向に駆動する際に接触する側が当接している。またトグルばね106は、トグルばね抑え部材107により、軸1o方向の動きが制限される。
ばねガイド部材119は、シャッタ地板1の軸1cおよび軸1gの周りに外嵌している。駆動ばね18の内径部は、ばねガイド部材119の外周でガイドされており、腕部18aはシャッタ地板1の係止部1jおよび係止部1lに、腕部18bはシャッタ地板1の係止部1kおよび1mにそれぞれ係止される。後述するカムギア114、115により、被写体側から見て腕部18aは右回転方向に、腕部18bは左回転方向に付勢力が発生するようにチャージされる。
次に、図25および図36を参照して、カムギア114、115の構成を説明する。カムギア114は、穴114aとシャッタ地板1の軸1cとが嵌合し、回転可能になっている。カムギア114には切り欠き114c、114dが設けられている。カムギア114が被写体側から見て左回転方向に所定角度回転すると、駆動ばね18の腕部18aが切り欠き114cと係合し、カムギア114は被写体側から見て右回転方向に付勢力を受ける。カムギア114が被写体側から見て更に左回転方向に所定角度回転すると、カムギア114の可動端部114eがホルダー部材117の当接面117eに当接し、カムギア114の回転位相が規定される。カムギア114が被写体側から見て右回転方向に所定角度回転すると、駆動ばね18の腕部18bが切り欠き114dと係合し、カムギア114は被写体側から見て左回転方向に付勢力を受ける。カムギア114が被写体側から見て更に右回転方向に所定角度回転すると、カムギア114の可動端部114eがホルダー部材117の当接面117eに当接し、カムギア114の回転位相が規定される。
カムギア114は穴114aと同心円状に形成され、第1の空走駆動カム面114fおよび第1の露光駆動カム面114gを有する。第1の空走駆動カム面114fは、駆動部材111の第1のカム係合ピン111bを介して第1の羽根ユニット2を展開状態で保持する。第1の露光駆動カム面114g(第2のカム面)は、カム係合ピン111bを介して羽根ユニット2を展開状態から重畳状態に駆動させ、アパチャ1aを閉鎖状態から開放状態に移動させる。第1の空走駆動カム面114fと第1の露光駆動カム面114gとは、第1の切り替わり部114nにおいて滑らかに接続している。またカムギア114は、穴114aと同心円状に形成された第2の空走駆動カム面114hおよび第2の露光駆動カム面114iを有する。第2の空走駆動カム面114hは、駆動部材111の第2のカム係合ピン111cを介して第1の羽根ユニット2を重畳状態で保持する。第2の露光駆動カム面114i(第1のカム面)は、カム係合ピン111cを介して羽根ユニット2を重畳状態から展開状態に駆動させ、アパチャ1aを開放状態から閉鎖状態に移動させる。第2の空走駆動カム面114hと第2の露光駆動カム面114iとは、第2の切り替わり部114oで滑らかに接続している。
第1の空走駆動カム面114fと第2の空走駆動カム面114hの半径の差は小さいほど、羽根ユニット2が駆動され始める瞬間に、駆動部材111が第1の露光駆動カム面114gと第2の露光駆動カム面114iから受けるそれぞれの駆動力の差が小さくなる。カムギア114の駆動力による羽根ユニット2の展開速度と重畳速度を同等とするために、第1の空走駆動カム面114fと第2の空走駆動カム面114hの半径は互いに等しいことが好ましい。本実施例では、図36に示されるように、後述する奇数回目の撮影と偶数回目の撮影においてモータの駆動条件が等しい場合、同じ(対称的な)カム線図で示される第1の露光駆動カム面114gと第2の露光駆動カム面114iを駆動部材111がトレースする。これにより、羽根ユニット2の駆動速度が同等になる。
またカムギア114は、穴114aと同心円状に形成された第1の保持カム面114jと、第3の切り替わり部114pで第1の保持カム面14jと滑らかに接続された第1の受けカム面114kとを有する。第1の空走駆動カム面114fと第1の保持カム面114jは、所定の幅を有し、第1の空走駆動カム面114f、第1の露光駆動カム面114g、および、第1の受けカム面114kの幅は、第3の切り替わり部114pから他端に向かって広くなっている。カムギア114は、穴114aと同心円状に形成された第2の保持カム面114lと、第4の切り替わり部114qで第2の保持カム面114lと滑らかに接続された第2の受けカム面114mを有する。第2の空走駆動カム面114hと第2の保持カム面114lは所定の幅を有し、第2の空走駆動カム面114h、第2の露光駆動カム面114i、および、第2の受けカム面114mの幅は、第4の切り替わり部114qから他端に向かって広くなっている。
カムギア115は、穴115aとシャッタ地板1の軸1gとが嵌合して回転可能である。カムギア115には切り欠き115c、115dが設けられており、カムギア115が被写体側から見て左回転方向に所定角度回転すると、駆動ばね18の腕部18aが切り欠き115cと係合し、カムギア115は被写体側から見て右回転方向に付勢力を受ける。カムギア115が被写体側から見て左回転方向に更に所定角度回転すると、カムギア115の可動端部115eがホルダー部材117の当接面117eに当接し、カムギア115の回転位相が規定される。カムギア115が被写体側から見て右回転方向に所定角度回転すると、駆動ばね18の腕部18bが切り欠き115dと係合し、カムギア115は被写体側から見て左回転方向に付勢力を受ける。カムギア115が被写体側から見て右回転方向に更に所定角度回転すると、カムギア115の可動端部115eがホルダー部材117の当接面117eに当接し、カムギア115の回転位相が規定される。
カムギア115は、穴115aと同心円状に形成された第1の空走駆動カム面115fおよび第1の露光駆動カム面115gを有する。カムギア115は、第1の空走駆動カム面115fにおいて、駆動部材112の第1のカム係合ピン112bを介して第2の羽根ユニット3を重畳状態で保持する。またカムギア115は、第1の露光駆動カム面115g(第1のカム面)において、カム係合ピン112bを介して羽根ユニット3を重畳状態から展開状態に駆動させ、アパチャ1aを開放状態から閉鎖状態に移動させる。第1の空走駆動カム面115fと第1の露光駆動カム面115gは、第1の切り替わり部115nで滑らかに接続されている。
またカムギア115は、穴115aと同心円状に形成された第2の空走駆動カム面115hおよび第2の露光駆動カム面115iを有する。カムギア115は、第2の空走駆動カム面115hにおいて、駆動部材112の第2のカム係合ピン112cを介して第2の羽根ユニット3を展開状態で保持する。またカムギア115は、第2の露光駆動カム面115i(第2のカム面)において、カム係合ピン112cを介して第2の羽根ユニット3を展開状態から重畳状態に駆動させ、アパチャ1aを閉鎖状態から開放状態に移動させる。第2の空走駆動カム面115hと第2の露光駆動カム面115iは、第2の切り替わり部115oで滑らかに接続されている。
第1の空走駆動カム面115fと第2の空走駆動カム面115hの半径の差は小さいほど、羽根ユニット3が駆動され始める瞬間に、駆動部材12が第1の露光駆動カム面115gと第2の露光駆動カム面115iとから受けるそれぞれの駆動力の差が小さくなる。カムギア115の駆動力による第2の羽根ユニット3の展開速度と重畳速度を同等とするために、第1の空走駆動カム面115fと第2の空走駆動カム面115hの半径は互いに等しいことが好ましい。本実施例では、図36に示されるように、後述する奇数回目の撮影と偶数回目の撮影においてモータの駆動条件が等しい場合、同じカム線図で示される第1の露光駆動カム面115gと第2の露光駆動カム面115iを駆動部材112がトレースする。これにより、第2の羽根ユニット3の駆動速度が同等になる。
またカムギア115は、穴115aと同心円状に形成された第1の保持カム面115jと、第3の切り替わり部115pで第1の保持カム面115jと滑らかに接続された第1の受けカム面115kを有する。第1の空走駆動カム面115fと第1の保持カム面115jは所定の幅を有し、第1の空走駆動カム面115f、第1の露光駆動カム面115g、および、第1の受けカム面115kの幅は、第3の切り替わり部115pから他端に向かって広くなっている。カムギア115は、穴115aと同心円状に形成された第2の保持カム面115lと、第4の切り替わり部115qで第2の保持カム面115lと滑らかに接続された第2の受けカム面115mを有する。第2の空走駆動カム面115hと第2の保持カム面115lは所定の幅を有し、第2の空走駆動カム面115h、第2の露光駆動カム面115i、および、第2の受けカム面115mの幅は、第4の切り替わり部115qから他端に向かって広くなっている。
本実施例において、遮光部材を開放状態から閉鎖状態へ移動する際に、駆動部材(111、112)は、第1のカム面(114i、115g)に当接し、第2のカム面(114g、115i)に当接しない。また、遮光部材を閉鎖状態から開放状態へ移動する際に、駆動部材は、第2のカム面に当接し、第1のカム面に当接しない。好ましくは、カム係合部は、第1のカム係合部材(111b、112c)と第2のカム係合部材(111c、112b)とを有し、第1のカム係合部材が第1のカム面に当接している間、第2のカム係合部材は第2のカム面に当接しない。また、第2のカム係合部材が第2のカム面に当接している間、第1のカム係合部材は第1のカム面に当接しない。
モータ19は、図22(a)および図22(b)に示されるように、モータプレート20に取り付けられており、モータプレート20はホルダー部材117に取り付けられている。モータ19の出力軸にはピニオンギア21が取り付けられている。ピニオンギア21は、ホルダー部材117の穴117cを貫通し、カムギア114、115のギア部114b、115bと係合することで、モータ19からのトルクをカムギア114、115へ伝達する。モータ19は、所定の時間間隔にしたがってコイルの通電状態を切り換えて駆動するステップ駆動(オープンループ駆動)されるステッピングモータである。
次に、図26乃至図34を参照して、本実施例におけるフォーカルプレンシャッタ113aの後幕先幕メカシャッタ動作について説明する。図26は、フォーカルプレンシャッタ113aの動作を説明するタイミングチャートである。図27乃至図34は、図26に示されるタイミング(タイミングA1〜P)におけるフォーカルプレンシャッタ113aの状態の説明図である。なお、図27乃至図34のそれぞれにおいて、(a)、(b)はカムギア114、第1の駆動部材111、および、第1の羽根ユニット2を示し、(c)、(d)はカムギア115、第2の駆動部材112、および、第2の羽根ユニット3を示す。各図において、(a)、(c)は正面図(被写体側から見た図)、(b)、(d)は背面図(撮像素子側から見た図)を示している。回転方向(左右)は、各図の(a)、(c)の方向で定義する。したがって、各図において(a)と(b)は左右が逆になり、(c)と(d)は左右が逆になる。以下、往復露光を行う際の、奇数回目の撮影と偶数回目の撮影におけるフォーカルプレンシャッタ113aの動作について説明する。
<奇数回目の撮影>
(撮影待機状態)
図27は、フォーカルプレンシャッタ113aの撮影前の奇数回目の待機状態を示す図である。図27(a)および図27(b)に示されるように、羽根2a、2b、2cは、撮像装置400の待機状態となるタイミングA1において、アパチャ1aを閉鎖している。タイミングA1では、羽根アーム2eの穴2iに掛けられたトグルばね105の付勢力により第1の駆動部材111の駆動ピン111dは羽根ユニット2がアパチャ1aを閉鎖する方向に付勢されている。またタイミングA1において、第1のカム係合ピン111bは、カムギア114の第1の空走駆動カム面114fに当接している。このときカムギア114に配設されている切り欠き114cは駆動ばね18の腕部18aには当接せず、駆動ばね18はチャージされないため自然状態である。
図27(c)および図27(d)に示されるように、羽根3a、3b、3cは、撮像装置400の待機状態となるタイミングA2において、アパチャ1aを開放している。タイミングA2では、羽根アーム3eの穴3iに掛けられたトグルばね106の付勢力により第2の駆動部材112の駆動ピン112dは羽根ユニット3がアパチャ1aを開放する方向に付勢されている。またタイミングA2において、第1のカム係合ピン112bは、カムギア115の第1の空走駆動カム面115fに当接している。このときカムギア115に配設されている切り欠き115cは駆動ばね18の腕部18aには当接せず、駆動ばね18はチャージされないため自然状態である。
(チャージ状態)
タイミングA1でスイッチ(SW1)498がオンすると、モータ19が右回転方向に駆動されるため、カムギア114は図27(a)および図27(b)の状態から左回転方向に回転する。ここで、モータ19のピニオンギア21とカムギア114のギア部114bとが噛み合っているため、モータ19の回転方向とカムギア114の回転方向は互いに逆になる。
図27(a)および図27(b)の状態(タイミングA1)からカムギア114が左回転方向に回転すると、カムギア114に配設されている切り欠き114cは駆動ばね18の腕部18aと当接し、チャージしながら回転する。駆動回路313は、モータ19を通電開始させ、カムギア114を、カムギア114の可動端部114eがホルダー部材117の当接面117に当接させる以上のステップ数だけ回転させた後、モータ19を通電保持させる。従って、カムギア114の可動端部114eが、ホルダー部材117の当接面117eに当接し、カムギア114の回転が停止する。
図28(a)および図28(b)に示される状態(タイミングB1)では、駆動ばね18がチャージされた状態となるため、カムギア114は、駆動ばね18により右回転方向に付勢される。図28(a)および図28(b)に示されるように、羽根2a、2b、2cは、タイミングB1において、アパチャ1aを閉鎖している。
タイミングA1から所定時間が経過するとタイミングA2へ移行し、モータ19が右回転方向に駆動される。このためカムギア115は、図27(c)および図27(d)の状態から左回転方向に回転する。ここで、モータ19のピニオンギア21とカムギア115のギア部115bとが噛み合っているため、モータ19の回転方向とカムギア115の回転方向は互いに逆になる。
図27(c)および図27(d)の状態(タイミングA2)からカムギア115が左回転方向に回転すると、カムギア115に配設されている切り欠き115cは駆動ばね18の腕部18aと当接し、チャージしながら回転する。駆動回路313は、モータ19を通電開始させ、カムギア115を、カムギア115の可動端部115eがホルダー部材117の当接面117eに当接させる以上のステップ数だけ回転させた後、モータ19を通電保持させる。従って、カムギア115の可動端部115eが、ホルダー部材117の当接面117eに当接し、カムギア115の回転が停止する。
図28(c)および図28(d)に示される状態(タイミングB2)では、駆動ばね18がチャージされた状態となるため、カムギア115は、駆動ばね18により右回転方向に付勢される。図28(a)および図28(b)に示されるように、羽根3a、3b、3cは、タイミングB2において、アパチャ1aを開放している。撮像装置400は、タイミングA1においてスイッチ(SW1)498がオンすると、不図示の測距手段(焦点検出手段)が被写体までの距離を測定し、レンズ制御手段491が撮影レンズを駆動してピント合わせを行うなどの撮影準備動作を行う。
(助走駆動)
スイッチ(SW2)499がオンしてから所定時間後(タイミングC1)において、羽根2a、2b、2cがアパチャ1aを開放する方向にカムギア114を回転するようにチャージ時とは逆方向にモータ19に通電を行う。さらに所定時間後(タイミングC2)において、羽根3a、3b、3cがアパチャ1aを閉鎖する方向にカムギア115を回転するように、チャージ時とは逆方向にモータ19に通電を行い、助走駆動を開始する。助走駆動にて、所定の駆動パルスの幅を徐々に小さくしていくことで、モータ19の回転速度を徐々に速くする。
カムギア114は、モータ19への通電が開始されると、駆動ばね18による付勢力を受け、右回転方向へ回転し、助走を始める。駆動部材11は、羽根アーム2eの穴2iに掛けられたトグルばね105の付勢力により羽根ユニット2がアパチャ1aを閉鎖する方向に付勢される。カムギア114は、第1のカム係合ピン111bが第1の空走駆動カム面114fに当接しながら加速を始める。
カムギア115は、モータ19への通電が開始されると、駆動ばね18による付勢力を受け、右回転方向へ回転し、助走を始める。駆動部材112は、羽根アーム3eの穴3iに掛けられたトグルばね106の付勢力により、羽根ユニット3がアパチャ1aを開放する方向に付勢される。カムギア115は、第1のカム係合ピン112bが第1の空走駆動カム面115fに当接しながら加速を始める。また撮像素子403は、スイッチ(SW2)499がオンして所定時間後のタイミングEにおいてリセット走査を行い、各行の蓄積を開始する。
(羽根駆動開始)
駆動回路313は、タイミングC1、C2から所定ステップ後(タイミングF1、F2)において、カムギア114、115を右回転方向に駆動する。カムギア114が図28(a)および図28(b)の状態(タイミングC1)から右回転方向に回転する。このとき、駆動部材111の第1のカム係合ピン111bがカムギア114の同心円カムである第1の空走駆動カム面114fから第1の露光駆動カム面114gへ移行する(タイミングF1)。そして、露光駆動カム面114gをトレースして駆動部材111を回転させ、羽根ユニット2はアパチャ1aを閉鎖状態から開放状態へ移行する。
カムギア114は、図29(a)および図29(b)の状態からさらに右回転方向に回転すると、駆動部材111の第1のカム係合ピン111bはカムギア114の第1の露光駆動カム面114gから乖離する。そして駆動部材111は、駆動部材111および駆動部材111と連動して回転している羽根ユニット2の慣性力により、羽根ユニット2がアパチャ1aを開放する方向に回転する。このとき、トグルばね105の付勢力は切り替わっており、駆動部材111は、羽根アーム2eの穴2iに掛けられたトグルばね105の付勢力により羽根ユニット2がアパチャ1aを開放する方向に付勢される。このため、駆動部材111および駆動部材111と連動して回転している羽根ユニット2の回転速度は減少しない。
カムギア115が図28(c)および図28(d)の状態(タイミングC2)から右回転方向に回転する。このとき、駆動部材112の第1のカム係合ピン112bがカムギア115の同心円カムである第1の空走駆動カム面115fから第1の露光駆動カム面115gへ移行する(タイミングF2)。その結果、露光駆動カム面115gをトレースして駆動部材112を回転させ、羽根ユニット3はアパチャ1aを開放状態から閉鎖状態へ移行する。
カムギア115は、図29(c)および図29(d)の状態から更に右回転方向に回転すると、駆動部材112の第1のカム係合ピン112bはカムギア115の第1の露光駆動カム面115gから乖離する。そして駆動部材112は、駆動部材112および駆動部材112と連動して回転している羽根ユニット3の慣性力により、羽根ユニット3がアパチャ1aを閉鎖する方向に回転する。このとき、トグルばね106の付勢力は切り替わっており、駆動部材112は、羽根アーム3eの穴3iに掛けられたトグルばね106の付勢力により羽根ユニット3がアパチャ1aを閉鎖する方向に付勢される。このため、駆動部材112および駆動部材112と連動して回転している羽根ユニット3の回転速度は減少しない。
このように、アパチャ1aを閉鎖していた羽根2a、2b、2cがアパチャ1aを開放していくとともに、アパチャ1aを開放していた羽根3a、3b、3cがアパチャ1aを閉鎖していく。これにより、第1の羽根ユニット2と第2の羽根ユニット3は撮影者が定めたシャッタ秒時で撮像素子403に対して露光を行う。
(露光走行完了)
図29(a)および図29(b)の状態から所定角度だけ回転した後、図30(a)および図30(b)に示される状態(タイミングG1)へ移行する。このとき、駆動部材111の第2のカム係合ピン111cがカムギア114の第2の露光駆動カム面114iに当接し、第2の露光駆動カム面114iをトレースしながら減速する。このため、駆動部材111および羽根ユニット2には大きな衝撃がかからない。また、第2のカム係合ピン111cは、カムギア114の第2の受けカム面114mにより誘導され、第2の空走駆動カム面114hと第2の保持カム面114lにより摺動保持される。このため、バウンドによる再半開状態にならない。
図29(c)および図29(d)の状態から所定角度だけ回転した後、図30(c)および図30(d)の状態(タイミングG2)へ移行する。このとき、駆動部材112の第2のカム係合ピン112cは、カムギア115の第2の露光駆動カム面115iに当接し、第2の露光駆動カム面115iをトレースしながら減速する。このため、駆動部材12および羽根ユニット3に大きな衝撃がかからない。また、第2のカム係合ピン112cは、カムギア115の第2の受けカム面115mにより誘導され、第2の空走駆動カム面115hと第2の保持カム面15lにより摺動保持される。このため、バウンドによる再半開状態にならない。
露光完了後、所定時間の後(タイミングH)に、撮像装置400は、撮像素子403が羽根ユニット3により遮光されているため、撮像素子403の静止画読み出し走査を開始する。
<偶数回目の撮影>
(撮影待機状態)
図31は、フォーカルプレンシャッタ113aの撮影前の偶数回目の待機状態を示す図である。図31(a)および図31(b)に示されるように、羽根2a、2b、2cは、撮像装置400の待機状態となるタイミングI1において、アパチャ1aを開放している。タイミングI1では、羽根アーム2eの穴2iに掛けられたトグルばね105の付勢力により、第1の駆動部材111の駆動ピン111dは羽根ユニット2がアパチャ1aを開放する方向に付勢される。第2のカム係合ピン111cは、カムギア114の第2の空走駆動カム面114hに当接している。このときカムギア114に配設されている切り欠き114dは駆動ばね18の腕部18bには当接せず、駆動ばね18はチャージされないため自然状態である。
図31(c)および図31(d)に示されるように、羽根3a、3b、3cは、撮像装置400の待機状態となるタイミングI2において、アパチャ1aを閉鎖している。タイミングI2では、羽根アーム3eの穴3iに掛けられたトグルばね106の付勢力により、第2の駆動部材112の駆動ピン112dは羽根ユニット3がアパチャ1aを閉鎖する方向に付勢される。第2のカム係合ピン112cは、カムギア115の第2の空走駆動カム面115hに当接している。このときカムギア115に配設されている切り欠き115dは駆動ばね18の腕部18bには当接せず、駆動ばね18はチャージされないため自然状態である。
(チャージ状態)
タイミングI1においてスイッチ(SW1)498がオンすると、モータ19が左回転方向に駆動されるため、カムギア114は図31(a)および図31(b)の状態から右回転方向に回転する。ここで、モータ19のピニオンギア21とカムギア114のギア部114bとが噛み合っているため、モータ19の回転方向とカムギア114の回転方向は互いに逆になる。
図31(a)および図31(b)の状態(タイミングI1)からカムギア114が右回転方向に回転すると、カムギア114に配設されている切り欠き114dは駆動ばね18の腕部18bと当接し、チャージしながら回転する。駆動回路313は、モータ19を通電開始させ、カムギア114を、カムギア114の可動端部114eがホルダー部材117の当接面117eに当接させる以上のステップ数だけ回転させた後、モータ19を通電保持させる。従って、カムギア114の可動端部114eが、ホルダー部材117の当接面117eに当接し、カムギア114の回転が停止する。
図32(a)および図32(b)に示される状態(タイミングJ1)では、駆動ばね18がチャージされた状態となる。このため、カムギア114は、駆動ばね18により左回転方向に付勢される。図32(a)および図32(b)に示されるように、羽根2a、2b、2cは、タイミングJ1において、アパチャ1aを開放している。タイミングI1から所定時間が経過すると、タイミングI2へ移行し、モータ19が左回転方向に駆動される。このためカムギア115は、図31(c)および図31(d)の状態から右回転方向に回転する。ここで、モータ19のピニオンギア21とカムギア115のギア部115bとが噛み合っているため、モータ19の回転方向とカムギア115の回転方向は互いに逆になる。
図31(c)および図31(d)の状態(タイミングI2)からカムギア115が右回転方向に回転すると、カムギア115に配設されている切り欠き115dは駆動ばね18の腕部18bと当接し、チャージしながら回転する。駆動回路313は、モータ19を通電開始させ、カムギア115を、カムギア115の可動端部115eがホルダー部材117の当接面117eに当接させる以上のステップ数だけ回転させた後、モータ19を通電保持させる。従って、カムギア115の可動端部115eが、ホルダー部材117の当接面117eに当接し、カムギア115の回転が停止する。
図32(c)および図32(d)の状態(タイミングJ2)では、駆動ばね18がチャージされた状態となる。このためカムギア115は、駆動ばね18により左回転方向に付勢される。図32(c)および図32(d)に示されるように、羽根3a、3b、3cは、タイミングJ2においてアパチャ1aを閉鎖している。撮像装置400は、タイミングI1でスイッチ(SW1)498をオンすると、不図示の測距手段(焦点検出手段)が被写体までの距離を測定し、レンズ制御手段491が撮影レンズを駆動してピント合わせを行うなどの撮影準備動作を行う。
(助走駆動)
スイッチ(SW2)499がオンしてから所定時間後(タイミングK1)において、羽根3a、3b、3cは、アパチャ1aを開放する方向にカムギア115を回転するようにチャージ時とは逆方向にモータ19に通電を行う。さらに所定時間後(タイミングK2)において、羽根2a、2b、2cはアパチャ1aを閉鎖する方向にカムギア114を回転するようにチャージ時とは逆方向にモータ19に通電を行い、助走駆動を開始する。助走駆動にて、所定の駆動パルスの幅を徐々に小さくしていくことにより、モータ19の回転速度を徐々に速くする。
カムギア115は、モータ19への通電が開始されると駆動ばね18による付勢力を受け、左回転方向へ回転し、助走を始める。駆動部材12は、羽根アーム3eの穴3iに掛けられたトグルばね6の付勢力により羽根ユニット3がアパチャ1aを閉鎖する方向に付勢される。カムギア115は、第2のカム係合ピン112cが第2の空走駆動カム面115hに当接しながら加速を始める。
カムギア114は、モータ19への通電が開始されると、駆動ばね18による付勢力を受け、左回転方向へ回転し、助走を始める。駆動部材111は、羽根アーム2eの穴2iに掛けられたトグルばね105の付勢力により、羽根ユニット2がアパチャ1aを開放する方向に付勢される。カムギア114は、第2のカム係合ピン111cが第2の空走駆動カム面114hに当接しながら加速を始める。撮像素子403は、スイッチ(SW2)499がオンしてから所定時間後(タイミングM)に、リセット走査を行い、各行の蓄積を開始する。
(羽根駆動開始)
駆動回路313は、タイミングK1、K2から所定ステップ後(タイミングN1、N2)にカムギア114、115を左回転方向に駆動する。カムギア115が図32(c)および図32(d)に示される状態(タイミングK1)から左回転方向に回転する。このとき、駆動部材112の第2のカム係合ピン112cがカムギア115の同心円カムである第2の空走駆動カム面115hから第2の露光駆動カム面115iへ移行する(タイミングN1)。これにより、露光駆動カム面115iをトレースして駆動部材112を回転させ、羽根ユニット3はアパチャ1aを閉鎖状態から開放状態へ移行する。
カムギア115は、図33(c)及び図33(d)の状態から更に左回転方向に回転すると、駆動部材112の第2のカム係合ピン112cはカムギア115の第2の露光駆動カム面115iから乖離する。そして駆動部材112は、駆動部材112および駆動部材112と連動して回転している羽根ユニット3の慣性力で羽根ユニット3がアパチャ1aを開放する方向に回転する。このとき、トグルばね106の付勢力は切り替わっており、駆動部材112は、羽根アーム3eの穴3iに掛けられたトグルばね106の付勢力により羽根ユニット3がアパチャ1aを開放する方向に付勢される。このため、駆動部材112および駆動部材112と連動して回転している羽根ユニット3の回転速度は減少しない。
カムギア114が図32(a)および図32(b)に示される状態(タイミングK2)から左回転方向に回転する。このとき、駆動部材111の第2のカム係合ピン111cがカムギア114の同心円カムである第2の空走駆動カム面114hから第2の露光駆動カム面114iへ移行する(タイミングN2)。これにより、露光駆動カム面114iをトレースして駆動部材111を回転させ、羽根ユニット2はアパチャ1aを開放状態から閉鎖状態へ移行する。
カムギア114は、図33(a)及び図33(b)の状態から更に左回転方向に回転すると、駆動部材111の第2のカム係合ピン111cはカムギア114の第2の露光駆動カム面114iから乖離する。そして駆動部材111は、駆動部材111および駆動部材111と連動して回転している羽根ユニット2の慣性力で羽根ユニット2がアパチャ1aを閉鎖する方向に回転する。このとき、トグルばね105の付勢力は切り替わっており、駆動部材111は、羽根アーム2eの穴2iに掛けられたトグルばね105の付勢力により羽根ユニット2がアパチャ1aを閉鎖する方向に付勢される。このため、駆動部材111および駆動部材111と連動して回転している羽根ユニット2の回転速度は減少しない。
このように、アパチャ1aを閉鎖していた羽根3a、3b、3cがアパチャ1aを開放していくとともに、アパチャ1aを開放していた羽根2a、2b、2cがアパチャ1aを閉鎖していく。これにより、第1の羽根ユニット2と第2の羽根ユニット3は撮影者が定めたシャッタ秒時で撮像素子403に対して露光を行う。
(露光走行完了)
図33(c)および図33(d)の状態から所定角度だけ回転した後、図34(c)および図34(d)に示される状態(タイミングO1)へ移行する。このとき、駆動部材112の第1のカム係合ピン112bがカムギア115の第1の露光駆動カム面115fに当接し、第1の露光駆動カム面115gをトレースしながら減速する。このため、駆動部材112および羽根ユニット3に大きな衝撃がかからない。また、第1のカム係合ピン112bは、カムギア115の第1の受けカム面115kにより誘導され、第1の空走駆動カム面115fと第1の保持カム面115jにより摺動保持される。このため、バウンドによる再半開状態にならない。
図33(a)および図34(b)の状態から所定角度だけ回転した後、図34(a)および図34(b)に示される状態(タイミングO2)へ移行する。このとき、駆動部材111の第1のカム係合ピン111bがカムギア114の第1の露光駆動カム面114fに当接し、第1の露光駆動カム面114gをトレースしながら減速する。このため、駆動部材111および羽根ユニット2に大きな衝撃がかからない。また、第1のカム係合ピン111bは、カムギア114の第1の受けカム面114kにより誘導され、第1の空走駆動カム面114fと第1の保持カム面114jにより摺動保持される。このため、バウンドによる再半開状態にならない。
露光完了後、所定時間の後(タイミングP)に、撮像装置400は、撮像素子403が羽根ユニット2により遮光されているため、撮像素子403の静止画読み出し走査を開始する。
以上のとおり、奇数回目の撮影では、カムギア114の第1の露光駆動カム面114gが駆動部材111を介し羽根ユニット2を展開状態から重畳状態へ駆動し、アパチャ1aを閉鎖状態から開放状態へ移行させる。そして所定時間後、カムギア115の第1の露光駆動カム面115gが駆動部材112を介し羽根ユニット3を重畳状態から展開状態へ駆動し、アパチャ1aを開放状態から閉鎖状態へ移行させる。これにより、露光を行う。偶数回目の撮影では、カムギア115の第2の露光駆動カム面115iが駆動部材112を介し羽根ユニット3を展開状態から重畳状態へ駆動し、アパチャ1aを閉鎖状態から開放状態へ移行させる。そして所定時間後、カムギア114の第2の露光駆動カム面114iが駆動部材111を介し羽根ユニット2を重畳状態から展開状態へ駆動し、アパチャ1aを開放状態から閉鎖状態へ移行させる。これにより、露光を行う。図36の同じカム線図で示される第1の露光駆動カム面114gと第2の露光駆動カム面114iを駆動部材111がトレースし、第1の露光駆動カム面115gと第2の露光駆動カム面115iを駆動部材112がトレースする。これにより、第1の羽根ユニット2と第2の羽根ユニット3の駆動速度が奇数回目の撮影と偶数回目の撮影で同等になるため、安定した往復露光動作を行うことができる。
本実施例において、カムギア114、115にカム面が形成され、駆動部材111、112にカム係合ピンが形成されているが、これに限定されるものではない。例えば、駆動部材111、112にカム面が形成され、カムギア114、115にカム係合ピンが形成されていてもよい。
次に、図27乃至図35を参照して、本発明の実施例3におけるフォーカルプレンシャッタ113aの動作について説明する。図35は、フォーカルプレンシャッタ113aの動作を説明するタイミングチャートである。図27乃至図34は、図35に示されるタイミング(タイミングA1〜P)におけるフォーカルプレンシャッタ113aの状態の説明図であるが、実施例2と共通する説明については省略する。
本実施例において、フォーカルプレンシャッタ113aは、電子先幕シャッタ動作を行う電子先幕方式のシャッタ装置である。フォーカスプレーンシャッタ113aの基本構成は、図22(a)および図23(b)を参照して実施例2にて説明した構成と同様である。また本実施例において、モータ19は、所定の時間間隔にしたがってコイルの通電状態を切り換えて駆動するステップ駆動(オープンループ駆動)と、進角値が異なる2種類のフィードバック駆動が可能なステッピングモータである。
<奇数回目の撮影>
奇数回目の撮影における撮影待機状態、チャージ状態、助走駆動、および、露光走行完了に関しては、実施例2と共通するため、それらの説明を省略する。
(羽根駆動開始)
駆動回路313は、タイミングC1、C2から所定ステップ後(タイミングF1、F2)において、カムギア114、115を右回転方向に駆動する。カムギア114が図28(a)および図28(b)の状態(タイミングC1)から右回転方向に回転する。このとき、駆動部材111の第1のカム係合ピン111bがカムギア114の同心円カムである第1の空走駆動カム面114fから第1の露光駆動カム面114gへ移行する(タイミングF1)。そして、露光駆動カム面114gをトレースして駆動部材111を回転させ、羽根ユニット2はアパチャ1aを閉鎖状態から開放状態へ移行する。
カムギア114は、図29(a)および図29(b)の状態からさらに右回転方向に回転すると、駆動部材111の第1のカム係合ピン111bはカムギア114の第1の露光駆動カム面114gから乖離する。そして駆動部材111は、駆動部材111および駆動部材111と連動して回転している羽根ユニット2の慣性力により、羽根ユニット2がアパチャ1aを開放する方向に回転する。このとき、トグルばね105の付勢力は切り替わっており、駆動部材111は、羽根アーム2eの穴2iに掛けられたトグルばね105の付勢力により羽根ユニット2がアパチャ1aを開放する方向に付勢される。このため、駆動部材111および駆動部材111と連動して回転している羽根ユニット2の回転速度は減少しない。
スイッチ(SW2)499がオンしてからタイミングEに至るまでの期間は、撮像素子403の全画素リセット状態が継続される。スイッチ(SW2)499がオンしてから所定時間後のタイミングEにおいて、CPU409がTG408を制御することで、TG408は電子先幕走査を開始する。ここで、電子先幕走査とは、全画素がリセット状態となっている撮像素子403に対して1ラインずつ電荷蓄積を開始することである。具体的には、垂直走査回路421が信号tx_*を1行目からn行目に向かって順にLowレベルにしていく。これにより、各行のPD441はリセットが順次解除され、蓄積状態に入る。1ラインずつ電荷蓄積を開始する走査パターンは、羽根3a、3b、3cの走行特性に合わせた走査パターンとなっているため、撮像素子403のどのラインでも均一な蓄積時間(露光時間)となる。
カムギア115が図28(c)および図28(d)の状態(タイミングC2)から右回転方向に回転する。このとき、駆動部材112の第1のカム係合ピン112bがカムギア115の同心円カムである第1の空走駆動カム面115fから第1の露光駆動カム面115gへ移行する(タイミングF2)。その結果、露光駆動カム面115gをトレースして駆動部材112を回転させ、羽根ユニット3はアパチャ1aを開放状態から閉鎖状態へ移行する。
カムギア115は、図29(c)および図29(d)の状態から更に右回転方向に回転すると、駆動部材112の第1のカム係合ピン112bはカムギア115の第1の露光駆動カム面115gから乖離する。そして駆動部材112は、駆動部材112および駆動部材112と連動して回転している羽根ユニット3の慣性力により、羽根ユニット3がアパチャ1aを閉鎖する方向に回転する。このとき、トグルばね106の付勢力は切り替わっており、駆動部材112は、羽根アーム3eの穴3iに掛けられたトグルばね106の付勢力により羽根ユニット3がアパチャ1aを閉鎖する方向に付勢される。このため、駆動部材112および駆動部材112と連動して回転している羽根ユニット3の回転速度は減少しない。
電子先幕走査から、羽根3a、3b、3cが撮像素子403を遮光するまでの時間が、露光時間となる。タイミングC1のスイッチ(SW2)499からのモータ通電開始の所定時間を制御することにより、露光時間が制御される。本実施例では、タイミングEにおいてモータ19に通電した後に電子先幕走査を開始しているが、露光時間によっては(露光時間が長い場合など)電子先幕走査を開始した後にモータ19を通電する場合もある。
<偶数回目の撮影>
偶数回目の撮影における撮影待機状態、チャージ状態、助走駆動、および、露光走行完了に関しては、実施例2と共通するため、それらの説明を省略する。
(羽根駆動開始)
駆動回路313は、タイミングK1、K2から所定ステップ後(タイミングN1、N2)にカムギア114、115を左回転方向に駆動する。カムギア115が図32(c)および図32(d)に示される状態(タイミングK1)から左回転方向に回転する。このとき、駆動部材112の第2のカム係合ピン112cがカムギア115の同心円カムである第2の空走駆動カム面115hから第2の露光駆動カム面115iへ移行する(タイミングN1)。これにより、露光駆動カム面115iをトレースして駆動部材112を回転させ、羽根ユニット3はアパチャ1aを閉鎖状態から開放状態へ移行する。
カムギア115は、図33(c)及び図33(d)の状態から更に左回転方向に回転すると、駆動部材112の第2のカム係合ピン112cはカムギア115の第2の露光駆動カム面115iから乖離する。そして駆動部材112は、駆動部材112および駆動部材112と連動して回転している羽根ユニット3の慣性力で羽根ユニット3がアパチャ1aを開放する方向に回転する。このとき、トグルばね106の付勢力は切り替わっており、駆動部材112は、羽根アーム3eの穴3iに掛けられたトグルばね106の付勢力により羽根ユニット3がアパチャ1aを開放する方向に付勢される。このため、駆動部材112および駆動部材112と連動して回転している羽根ユニット3の回転速度は減少しない。
スイッチ(SW2)499がオンしてからタイミングMに至るまでの期間は、撮像素子403の全画素リセット状態が継続される。スイッチ(SW2)499がオンしてから所定時間後のタイミングMにおいて、CPU409がTG408を制御することで、TG408は電子先幕走査を開始する。ここで、電子先幕走査とは、全画素がリセット状態となっている撮像素子403に対して1ラインずつ電荷蓄積を開始することである。具体的には、垂直走査回路421が信号tx_*を1行目からn行目に向かって順にLowレベルにしていく。これにより、各行のPD441はリセットが順次解除され、蓄積状態に入る。1ラインずつ電荷蓄積を開始する走査パターンは、羽根2a、2b、2cの走行特性に合わせた走査パターンとなっているため、撮像素子403のどのラインでも均一な蓄積時間(露光時間)となる。
カムギア114が図32(a)および図32(b)に示される状態(タイミングK2)から左回転方向に回転する。このとき、駆動部材111の第2のカム係合ピン111cがカムギア114の同心円カムである第2の空走駆動カム面114hから第2の露光駆動カム面114iへ移行する(タイミングN2)。これにより、露光駆動カム面114iをトレースして駆動部材111を回転させ、羽根ユニット2はアパチャ1aを開放状態から閉鎖状態へ移行する。
カムギア114は、図33(a)及び図33(b)の状態から更に左回転方向に回転すると、駆動部材111の第2のカム係合ピン111cはカムギア114の第2の露光駆動カム面114iから乖離する。そして駆動部材111は、駆動部材111および駆動部材111と連動して回転している羽根ユニット2の慣性力で羽根ユニット2がアパチャ1aを閉鎖する方向に回転する。このとき、トグルばね105の付勢力は切り替わっており、駆動部材111は、羽根アーム2eの穴2iに掛けられたトグルばね105の付勢力により羽根ユニット2がアパチャ1aを閉鎖する方向に付勢される。このため、駆動部材111および駆動部材111と連動して回転している羽根ユニット2の回転速度は減少しない。
電子先幕走査から、羽根2a、2b、2cが撮像素子403を遮光するまでの時間が、露光時間となる。タイミングK1のスイッチ(SW2)499からのモータ通電開始の所定時間を制御することにより、露光時間が制御される。本実施例では、タイミングMにおいてモータ19に通電した後に電子先幕の走査を開始しているが、露光時間によっては(露光時間が長い場合など)電子先幕の走査を開始した後にモータ19を通電する場合もある。
以上のとおり、奇数回目の撮影では、電子先幕走査の所定時間後、カムギア115の第1の露光駆動カム面115gが駆動部材112を介し羽根ユニット3を重畳状態から展開状態へ駆動し、アパチャ1aを開放状態から閉鎖状態へ移行させることで露光を行う。偶数回目の撮影では、電子先幕走査の所定時間後、カムギア114の第2の露光駆動カム面114iが駆動部材111を介し羽根ユニット2を重畳状態から展開状態へ駆動し、アパチャ1aを開放状態から閉鎖状態へ移行させることで露光を行う。電子先幕により露光を行う場合、奇数回目の撮影の羽根ユニット2を駆動する前のチャージ動作と助走動作と、偶数回目の撮影の羽根ユニット3を駆動する前のチャージ動作と助走動作を行うことなく露光時間を制御することができる。このため、消費電力を抑えることが可能である。
なお本実施例において、カムギア114、115にカム面が形成され、駆動部材111、112にカム係合ピンが形成されているが、これに限定されるものではない。例えば、駆動部材111、112にカム面が形成され、カムギア114、115にカム係合ピンが形成されていてもよい。
各実施例によれば、カム部材の往路動作と復路動作とで安定した羽根走行を実現可能なシャッタ装置および撮像装置を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。