JP6890201B1 - 接合材用合金インゴット - Google Patents

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Abstract

【課題】極高温ないし極低温環境の過酷な温度変動に対しても、優れた接合強度を有し、かつ、振動連続動作状態に耐え得る柔軟性特性を有し、優れた機械的強度を有する接合材となり得る、接合材用合金インゴットを提供する。【解決手段】SnおよびSn−Cu合金を含む母相中に、Sn、Cu、NiおよびGeを含む金属間化合物結晶を有し、前記金属間化合物結晶の組成が、Cu5〜50質量%、Ni6.5〜0.1質量%、Ge0.001〜0.1質量%、残部がSnであり、前記母相の組成がSn95〜99.9質量%、Cu5質量%以下および不可避不純物0.1質量%以下であり、前記母相中のSn−Cu合金と前記金属間化合物結晶の少なくとも1部が、エンドタキシャル接合してなる接合材用合金インゴットによって上記課題を解決した。【選択図】図1

Description

本発明は、接合材用合金インゴットに関する。
IoT(Internet of Things)の進展や、一層の省エネルギーが求められる中で、その技術の核心を担うパワー半導体の重要性が益々高まっている。しかしながら、その活用には多くの課題がある。パワー半導体は、高電圧、大電流の大きな電力を扱うことから、多くの熱を発して高温となる。現行のSiパワー半導体に求められる耐熱性は約175℃程度への対応であるが、約200℃の温度に耐えるSiパワー半導体の開発が進められており、また、SiCやGaN、Ga2O3、のような次世代のパワー半導体は250〜500℃に耐えることができ、さらに乗り物に搭載させる場合は過酷な振動連続動作状態に耐え得る柔軟性特性(以下、振動連続動作状態特性とも言う)が要求される。
一方、接合材に関して言えば、上述のようなSiCやGaNのような次世代のパワー半導体に求められる高い耐熱性を有し、かつ振動連続動作状態特性を有するものは、従来技術には存在しない。
例えば、特許文献1に開示されているSnAgCu系接合材(はんだ材料)では、約125℃程度に対応したパワー半導体に適用可能であるに過ぎず、次世代のパワー半導体に適用することができない。また特許文献3、特許文献4に開示されている低融点ろう材、ハンダ合金では、振動連続動作状態特性を持っていない。
一方、本出願人は特許文献2において、外殻と、コア部とから成る金属粒子であって、前記コア部は、金属又は合金を含み、前記外殻は、金属間化合物から成り、前記コア部を覆っており、前記コア部は、Sn又はSn合金を含み、前記外殻は、SnとCuとの金属間化合物を含む、金属粒子を提案している。この金属粒子により形成された接合部は、長時間にわたって、高温動作状態から低温停止状態へと大きな温度変動を伴うなど、過酷な環境下で使用された場合でも、長期にわたって高い耐熱性、接合強度及び機械的強度を維持することができることが確認されている。しかし、接合構造部に対して過酷な振動連続動作状態が伴った場合、金属間化合物の欠点である脆さが障害になる。
特開2007−268569号公報 特許第6029222号公報 特許第6369620号公報 国際公開WO2014/084242A1パンフレット
本発明の目的は、極高温ないし極低温環境の過酷な温度変動に対しても、優れた接合強度を有し、かつ、振動連続動作状態に耐え得る柔軟性特性を有し、優れた機械的強度を有する接合材となり得る、接合材用合金インゴットを提供することにある。
本発明者は鋭意検討を重ねた結果、特定の組成を有する母相中に、特定の元素組成および結晶構造を有する金属間化合物結晶を含み、前記母相と前記金属間化合物結晶の少なくとも1部をエンドタキシャル接合させてなる接合材用合金インゴットが、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、SnおよびSn−Cu合金を含む母相中に、Sn、Cu、NiおよびGeを含む金属間化合物結晶を有する、接合材用合金インゴットであって、前記金属間化合物結晶の組成が、Cu5〜50質量%、Ni6.5〜0.1質量%、Ge0.001〜0.1質量%、残部がSnであり、前記母相の組成がSn95〜99.9質量%、Cu5質量%以下および不可避不純物0.1質量%以下であり、前記母相中のSn−Cu合金と前記金属間化合物結晶の少なくとも1部が、エンドタキシャル接合してなることを特徴とする接合材用合金インゴットを提供するものである。
本発明によれば、極高温ないし極低温環境の過酷な温度変動に対しても、優れた接合強度を有し、かつ、振動連続動作状態に耐え得る柔軟性特性を有し、優れた機械的強度を有する接合材となり得る、接合材用合金インゴットを提供することができる。
本発明の合金インゴットを樹脂包埋して薄くカッティングした断面のSEM像である。 合金インゴット断面の金属間化合物結晶のEDSによる元素マッピング分析結果である。 実施例1で得られた合金インゴットの断面のTEM像および透過型電子回折パターンである。 比較例1の合金インゴットを樹脂包埋して薄くカッティングした断面のSEM像である。 比較例2の合金インゴットを樹脂包埋して薄くカッティングした断面のSEM像である。 実施例2、比較例1、2の合金インゴットの柔軟特性試験の結果を示す光学顕微鏡写真である。 本発明の合金インゴットを用いて接合可能な構造を説明するための模式断面図である。
以下、本発明をさらに詳しく説明する。
先に、本明細書における用語法は、特に説明がない場合であっても、以下による。
(1)金属というときは、金属元素単体のみならず、複数の金属元素を含む合金、金属間化合物を含むことがある。
(2)ある単体の金属元素に言及する場合、完全に純粋に当該金属元素のみからなる物質だけを意味するものではなく、微かな他の物質を含む場合もあわせて意味する。すなわち、当該金属元素の性質にほとんど影響を与えない微量の不純物を含むものを除外する意味ではないことは勿論、たとえば、母相という場合、Snの結晶中の原子の一部が他の元素(たとえば、Cu)に置き換わっているものを除外する意味ではない。例えば、前記他の物質または他の元素は、対象となる物質中、0〜0.1質量%含まれる場合がある。
(3)エンドタキシャル接合とは、金属・合金となる物質中(本発明ではSnおよびSn−Cu合金を含む母相)に金属間化合物結晶が析出し、この析出の最中にSn−Cu合金と金属間化合物結晶とが結晶格子レベルで接合し、結晶粒を構成することを意味している。エンドタキシャルという用語は公知であり、例えばNature Chemisry 3(2): 160-6、2011年の160頁左欄最終パラグラフに記載がある。
本発明の接合材用合金インゴットは、高い靭性を有することから、上記課題を解決することができる。この高い靭性は、とくに、前記母相中に特定の組成を有する金属間化合物、すなわちSn、Cu、NiおよびGeを含む金属間化合物結晶を有すること、並びに、前記母相中のSn−Cu合金および前記金属間化合物結晶の少なくとも1部が、エンドタキシャル接合してなることに基づく。この構成によれば、とくに、接合材用合金インゴットに対して振動連続動作状態に耐え得る柔軟性特性を付与することが可能となる。
本発明の接合材用合金インゴット(以下、本発明の合金インゴットと呼ぶことがある)についてさらに説明する。
図1は、本発明の合金インゴットを樹脂包埋して薄くカッティングした断面のSEM像である。図1(b)は、図1(a)の部分拡大図である。図1(b)を参照すると、該合金インゴット10は、SnおよびSn−Cu合金を含む母相140中に、Sn、Cu、NiおよびGeを含む金属間化合物結晶120を有することが分かった。
また、金属間化合物結晶120は、単斜方晶及び六方晶の結晶構造を含有することが判明した。この金属間化合物結晶構造の確認は島津制XRD-6100観察装置とデーターベース:ICDD(International Centre for Diffraction Data)により行った。
本発明の合金インゴットにおいて、金属間化合物結晶の組成は、Cu5〜50質量%、Ni6.5〜0.1質量%、Ge0.001〜0.1質量%、残部がSnであり、好ましくは、Cuが40〜10質量%、Niが0.3〜5質量%、Geが0.001〜0.01質量%、残部がSnである。
本発明の合金インゴットは、例えば金属Cu8質量%、金属Ni1質量%、金属Ge0.001質量%および残部が金属Snからなる組成の原材料から製造することができる。例えば、本発明の合金インゴットは、該原材料を真空下、高周波誘導加熱することにより溶融させ、これを窒素ガス雰囲気中、大気圧下で鋳型鋳込みを行い、冷却固化させることにより得られる。
上記高周波誘導加熱および冷却固化条件は、本発明の合金インゴットを形成するために重要である。
例えば次のような条件が挙げられる。
高周波誘導加熱:9×10-2Pa程度まで減圧可能な性能を有する真空槽内に高周波溶解用るつぼを設置し、該るつぼに上記原材料を導入し、上記減圧度程度まで減圧したまま上記原材料に対し高周波誘導加熱を行い、加熱温度を600℃〜800℃にして上記原材料を溶解させ、その温度を5分〜15分保持する。
冷却固化:続いて、15〜50℃の窒素ガスを槽内に流しつつ、大気圧下で上記加熱温度を約400℃以上に設定し、鋳型鋳込みを行い、30℃以下で冷却固化させる。
また、本発明の合金インゴット中の金属間化合物結晶の割合は、例えば20〜60質量%であり、30〜40質量%が好ましい。
前記金属間化合物結晶の組成および割合は、前記合金インゴットの製造条件に従うことにより満たすことができる。
本発明の合金インゴットは、前記母相中のSn−Cu合金および前記金属間化合物結晶の少なくとも1部が、エンドタキシャル接合してなる。上述のように、エンドタキシャル接合とは、金属・合金となる物質中(本発明ではSnおよびSn−Cu合金を含む母相)に金属間化合物が析出し、この析出の最中にSn−Cu合金と金属間化合物結晶とが結晶格子レベルで接合し、結晶粒を構成するものである。エンドタキシャル接合の形成と共にSn-Cu金属間化合物結晶に特定高融点金属元素を置換、侵入させた金属間化合物を作り出し、金属間化合物結晶の脆さの課題を解決できるとともに、下記で説明するSnの結晶構造の変化による機械的強度の低下も抑制でき、更に高い耐熱性、接合強度及び機械的強度を有する接合材を提供できる。なお、本発明の合金インゴットを用いて形成されたハンダ線は、金属粒子内の母相中のSn−Cu合金と金属間化合物結晶とのエンドタキシャル接合が維持されることを本発明者らは確認している。
Snの結晶構造は、約13℃〜約160℃の温度領域では正方晶(なお、正方晶の結晶構造を有するSnをβ−Snという。)であり、これより低い温度領域になると立方晶(なお、立方晶の結晶構造を有するSnをα−Snという。)に結晶構造が変化する。また、β−Snの結晶構造は、約160℃を超える温度領域で高温相結晶の斜方晶に変化する(なお、斜方晶の結晶構造を有するSnをγ−Snという。)。そして、とりわけ正方晶のβ−Snと立方晶のα−Snの間の相転移時には、大きな体積変化が生じることが一般的に知られている。
本発明の合金インゴットから製造された接合材(例えばハンダ線)は、約160℃以下でも(たとえば、常温でも)高温相結晶を含有している。例えば、この接合材を接合工程で加熱する際に、当該接合材を完全には溶融させない半溶融状態とし、金属間化合物と母相とのエンドタキシャル接合を含む状態とすれば、冷却後の160℃以下の温度領域でも高温相結晶を含む状態を維持する。そして、かかる高温相結晶は、ある程度まで温度を下げても、正方晶の低温相結晶β−Snへの相転移を起こしにくく、正方晶のβ−Snに相転移しないままのSnについては、α−Snへの相転移が生じず、温度の低下によるα−Snへの相転移に伴う大きな体積変化が生じない。したがって、160℃以下の温度領域でも(たとえば、常温でも)高温相結晶を有するSnを含む接合材は、Snを組成に含む他の接合材(すなわち、160℃以下の温度領域でも高温結晶相を意図的には含ませていないもの)よりも、温度変化による体積変化が低減される。
また、電子部品には、Cu、Ag、Au、Niその他さまざまな金属が用いられるが、Snは、これらのさまざまな金属と良好に接合する。
したがって、本発明の合金インゴットから製造された接合材は、幅広い温度領域で(たとえば、常温でも)高温相結晶相を含有し、正方晶の低温相β−Snが生じることを出来る限り回避することによって、温度変化による正方晶のβ−Snから立方晶のα−Snへの相転移に伴う大きな体積変化を起こしにくいという性質を有し、かつ、電子部品に用いられるさまざまな金属とも良好に接合するため、とりわけ微細な接合箇所の接合材に有用である。
上記Snの結晶構造の変化の抑制による効果は、合金インゴット中の母相と金属間化合物結晶とのエンドタキシャル接合によって良好に奏される。
また本発明の合金インゴットにおいて、エンドタキシャル接合は、母相と金属間化合物結晶との接合面の全体を100%としたとき、30%以上が好ましく、60%以上がさらに好ましい。前記エンドタキシャル接合の割合は、例えば次のようにして算出できる。
下記図1で示すような合金インゴットの断面を電子顕微鏡写真撮影し、Sn−Cu合金と金属間化合物結晶との接合面を任意に50か所サンプリングする。続いて、その接合面を画像解析し、下記実施例で示すようなエンドタキシャル接合が、サンプリングした接合面に対してどの程度存在するのかを調べる。
一方、本発明の合金インゴットは、常法によって粒子化することも可能である。このようにして得られた金属粒子の粒子径は、例えば好適には1μm〜50μmの範囲である。この金属粒子を、シート状あるいはペースト状に加工し、これを接合対象物に接した状態で160℃〜180℃を3分以上保持し235℃〜265℃で溶融させた上で固化させることにより、良好な接合を形成することができる。また、接合時に、減圧条件下(50cmHg〜100cmHgの減圧度)で1秒程度保持後、大気圧下で230℃程度に加熱し、続いて、この温度で雰囲気圧力を0.5〜2MPaに維持し、最後に室温で固化させることによっても、良好な接合を形成することができる。
なお、本発明の合金インゴットを用いて形成された上記金属粒子は、金属粒子内の母相中のSn−Cu合金と金属間化合物結晶とのエンドタキシャル接合が維持されることを本発明者らは確認している。
上記金属粒子のシートは、例えば、当該金属粒子を以下のようにローラーで圧接することによって得ることができる。すなわち、対向する向きに回転する一対の圧接ローラーの間に、上記金属粒子を供給し、圧接ローラーから金属粒子に約100℃から150℃程度の熱を加えて、金属粒子を圧接することによりシートが得られる。
また、上記ペーストは、金属粒子を有機ビヒクル中に混在させることにより得ることができる。
なお、シート状あるいはペースト状に加工された後の金属粒子においても、本発明の合金インゴットと同じ結晶構造を有することを本発明者らは確認している。
なお、前記シートまたは前記導電性ペーストは、SnAgCu系合金粒子、Cu、Cu合金粒子、Ni、Ni合金粒子またはこれらの混合物のような他の粒子を加え、金属粒子との混合物としてもよい。これら他の粒子は、必要に応じてSiのような金属でコートされていてもよい。
例えば、Snより導電性が高いCuやNi合金粒子と組み合わせると、導電性がよく、かつ、比較的幅広い温度領域で体積変化が抑制された接合層が得られる。
前記シートまたは前記導電性ペーストにおける、上記金属粒子の割合は、例えば50質量%以上であり、好ましくは70〜80質量%である。
図7は、本発明の合金インゴットを用いて接合可能な構造を説明するための模式断面図である。
基板100,500は、半導体素子を備え、例えばパワーデバイスなどの電子・電気機器を構成する基板であり、金属/合金体101,501は、電極、バンプ、端子またはリード導体などとして、基板100,500に一体的に設けられている接続部材である。パワーデバイスなどの電子・電気機器では、金属/合金体101,501は、一般にはCuまたはその合金として構成される。もっとも、基板100,500に相当する部分が、金属/合金体で構成されたものを排除するものではない。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されない。
実施例1
原材料として8質量%Cu、1質量%Ni、0.001質量%Ge、残部がSnからなる各金属の原材料を用い、下記条件の高周波誘導加熱および冷却固化を行い、本発明の合金インゴットを形成した。
高周波誘導加熱:9×10-2Pa程度まで減圧可能な性能を有する真空槽内に高周波溶解用るつぼを設置し、該るつぼに上記原材料を導入し、上記減圧度程度まで減圧したまま上記原材料に対し高周波誘導加熱を行い、加熱温度を650℃にして上記原材料を溶解させ、その温度を5分保持した。
冷却固化:続いて、15〜50℃の窒素ガスを槽内に10分間流しつつ、大気圧下で原材料の加熱温度を約400℃に設定し、鋳型鋳込みを行い、室温で冷却固化させた。
得られた本発明の合金インゴットは、厚さ2cm、長さ20cm、幅3cmの矩形であり、前記図1に示すような断面を有していた。
図2は、図1(b)における「No,1」箇所の金属間化合物に対し、EDSによる元素マッピング分析を行った結果である。この分析結果から、金属間化合物結晶の組成は、Cuが17〜33質量%、Niが1.8〜4.22質量%、Geが0.007質量%、残部がSnであることが判明した。
また、得られた合金インゴットにおける金属間化合物は、合金インゴット中、30〜35質量%を占めていた。
図3は、得られた合金インゴットの断面のTEM像および透過型電子回折パターンである。
図3の透過型電子回折パターンは、エンドタキシャル接合部の状態を示すものであり、図3の透過型電子回折パターンから、淡色部で表される母相中のSn−Cu合金と、濃色部で表されるSn、Cu、NiおよびGeからなる金属間化合物とがエンドタキシャル接合していることが確認された。また、その結晶間にはバッファー層がないことも確認された。また、母相中のSn−Cu合金と金増感化合物との間で、格子定数(および結晶方位)が揃い、それぞれの結晶が、連続的に結晶格子レベルで接合していることが確認された。
比較例1
前記特許文献3(特許第6369620号公報)の実施例の記載に基づき試験を行った。原材料として8質量%Cu、1質量%Ni、0.001質量%Ge、残部がSnからなる各金属の原材料を用い、溶融炉の設定温度を450℃として原材料を溶融した後、水を循環させた回転鋳型の溝に溶融物を鋳込んだ。冷却速度は概ね30℃/sであった。そして、回転鋳型に超音波発振器を付設し、溶融はんだを鋳込む際に60kHzの超音波を印加した。
得られた比較例1の合金インゴットは、厚さ2cm、長さ20cm、幅3cmの矩形である。
図4は、比較例1の合金インゴットを樹脂包埋して薄くカッティングした断面のSEM像である。図4(b)は、図4(a)の部分拡大図である。図4(a)を参照すると、比較例1の合金インゴットは、SnおよびSn−Cu合金を含む母相240中に、Sn、Cu、NiおよびGeを含む金属間化合物結晶220を有するが、図4(b)で示すように、母相と金属間化合物結晶との界面で破断が生じ、エンドタキシャル接合が確認できなかった。
比較例2
前記特許文献4(国際公開WO2014/084242A1)に記載の方法に基づき試験を行った。原材料として8質量%Cu、1質量%Ni、0.001質量%Ge、残部がSnからなる各金属の原材料を用い、原材料を溶融した後、鋳型の溝に溶融物を鋳込み、室温で冷却した。
得られた比較例2の合金インゴットは、厚さ2cm、長さ20cm、幅3cmの矩形である。
図5は、比較例2の合金インゴットを樹脂包埋して薄くカッティングした断面のSEM像である。図5(b)は、図5(a)の部分拡大図である。図5(a)を参照すると、比較例2の合金インゴットは、SnおよびSn−Cu合金を含む母相340中に、Sn、Cu、NiおよびGeを含む金属間化合物結晶320を有するが、図5(b)で示すように、母相と金属間化合物結晶との界面で破断が生じ、エンドタキシャル接合が確認できなかった。
実施例2、比較例3〜4
実施例1、比較例1、比較例2で作成した合金インゴットを用い、圧接加工することにより、厚さ100μm×15mm×15mmの薄片シートを作成した。
この薄片シートと、厚さ300μm×30mm×30mmの銅箔とを、ギ酸雰囲気中260℃で焼成貼り付けし、試験片を得た。この試験片の積層中心部を、190度折り曲げ、試験片表面の亀裂状態を光学顕微鏡により観察した。
その結果を図6に示す。
図6(a)の結果から、実施例1で作成した合金インゴットを用いて作成した試験片は、破断・亀裂なく接合を維持しており(符号701)、振動連続動作状態特性を維持できる柔軟性を有することが分かった。
また、図6(b)の結果から、比較例1で作成した合金インゴットを用いて作成した試験片は、190度折り曲げ材料表面に亀裂状態が確認され(符号702)、上記試験における折り曲げ引張力に対応できず、亀裂の発生を招き、振動連続動作状態特性を維持する柔軟性がないことが分かった。
また、図6(c)の結果から、比較例2で作成した合金インゴットを用いて作成した試験片は、190度折り曲げ材料表面に亀裂状態が確認され(符号703)、上記試験における折り曲げ引張力に対応できず、亀裂の発生を招き、振動連続動作状態特性を維持する柔軟性がないことが分かった。
以上、添付図面を参照して本発明を詳細に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、当業者であれば、その基本的技術思想および教示に基づき、種々の変形例を想到できることは自明である。
120,220,320 金属間化合物
140,240,340 母相
100,500 基板
101,501 合金/合金体

Claims (1)

  1. SnおよびSn−Cu合金を含む母相中に、Sn、Cu、NiおよびGeを含む金属間化合物結晶を有する、接合材用合金インゴットであって、
    前記金属間化合物結晶の組成が、Cu5〜50質量%、Ni6.5〜0.1質量%、Ge0.001〜0.1質量%、残部がSnであり、
    前記母相の組成がSn95〜99.9質量%、Cu5質量%以下および不可避不純物0.1質量%以下であり、
    前記母相中のSn−Cu合金と前記金属間化合物結晶の少なくとも1部が、エンドタキシャル接合してなり、
    前記接合材用合金インゴット中の前記金属間化合物結晶の割合が、20〜60質量%であり、
    前記接合材用合金インゴットは、160℃以下の温度において、斜方晶の結晶構造を有するSnを含有する、
    ことを特徴とする接合材用合金インゴット。
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