JP6889930B2 - 接着芯地 - Google Patents

接着芯地 Download PDF

Info

Publication number
JP6889930B2
JP6889930B2 JP2018103452A JP2018103452A JP6889930B2 JP 6889930 B2 JP6889930 B2 JP 6889930B2 JP 2018103452 A JP2018103452 A JP 2018103452A JP 2018103452 A JP2018103452 A JP 2018103452A JP 6889930 B2 JP6889930 B2 JP 6889930B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive
waveform
warp
weft
base cloth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018103452A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019206782A (ja
Inventor
健二 龜谷
健二 龜谷
亜強 耿
亜強 耿
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TOKAI THERMO CO., LTD.
Original Assignee
TOKAI THERMO CO., LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TOKAI THERMO CO., LTD. filed Critical TOKAI THERMO CO., LTD.
Priority to JP2018103452A priority Critical patent/JP6889930B2/ja
Priority to CN201811050611.1A priority patent/CN110547530A/zh
Publication of JP2019206782A publication Critical patent/JP2019206782A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6889930B2 publication Critical patent/JP6889930B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A41WEARING APPAREL
    • A41DOUTERWEAR; PROTECTIVE GARMENTS; ACCESSORIES
    • A41D27/00Details of garments or of their making
    • A41D27/02Linings

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Details Of Garments (AREA)

Description

本発明は、衣服の生地における表生地の裏面に接着される接着芯地に関する。
接着芯地は、衣服を構成する生地の立体形状の成形性、保形性等を向上させたり、同生地を部分的に補強したりするために使用される。接着芯地は、使用に際しては、衣服の生地における表生地の裏面に接着される。
上記接着芯地の接着剤塗布の一態様として、ドットタイプと呼ばれるものがある。このタイプの接着芯地は、表生地の裏側に配置される基布と、基布の表面の複数箇所に対し配列された状態で、それぞれドット状に形成された接着部とを備える。接着部は、接着剤を基布に塗布することにより形成される。
ここで、基布の面に沿う方向のうち、互いに直交する2つの方向の一方を第1方向とし、他方を第2方向とする。
例えば、紳士服の前身頃用芯地としては起立状態の基布において重力のかかる方向に沿う方向である経方向を第1方向とし、同経方向に直交する方向である緯方向を第2方向とすると、接着芯地を含む各種芯地には、緯方向の曲げ剛性(ハリとも呼ばれる)が高く、同方向の保形性が良好であることが求められる。緯方向には、経方向に比べて重力がかかりにくく、皺が入りやすいからである。
そこで、接着部の配列形態を工夫することで、緯方向の曲げ剛性を高くする試みがなされてきた。
例えば、特許文献1に記載された「正規配列」では、図9(a)に示すように、接着芯地30において、複数の接着部32が、緯方向にも経方向にも一定間隔で配列される。
上記正規配列では、緯方向に延びる同一線上に位置する接着部32の数が多くなり、同方向の曲げ剛性を高くすることができる反面、多い接着部32によって緯方向の伸びが過度に規制される。基布31の緯方向の伸度が小さくなって、接着後の衣服の風合い(触れたときの感触)が硬くなる傾向がある。また、表生地が緯方向に伸びようとしたときに、基布31が表生地に追従して同方向に充分に伸びず、接着部32が表生地から剥離するおそれがある。
なお、表生地が、緯方向に伸びる現象は、同方向に引っ張り荷重が加えられる場合だけでなく、羊毛等の湿気(水分)を吸収しやすい素材によって形成された表生地に対し、クリーニング時にトンネルフィッシュ等の加湿処理が行なわれた場合にも起こり得る。いわゆるハイグラルエキスパンションによる表生地が伸びる現象である。
近年では、「正規配列」に代えて「ランダム配列」と呼ばれる配列形態が主流になってきている(例えば、特許文献2参照)。図9(b)に示すように、「ランダム配列」では、接着部32が規則性を有さずにランダムに配列された状態で基布31に形成される。
実開昭59−88417号公報(第2図(e)) 特開2002−371414号公報(図8)
上記のように、接着芯地30において、接着部32がランダム配列で配列されると、正規配列で配列された場合に比べ、緯方向に延びる同一線上に位置する接着部32の数が少なくなり、基布31の緯方向の伸びに対する接着部による制約が少なくなる。基布の緯方向の伸度が小さくなるのを抑制することができる。
ところが、上記ランダム配列では緯方向だけでなく、等方向に、例えば、経方向にも、また緯方向及び経方向の両者に対し傾斜する方向にも曲げ剛性が高くなってしまう(ハリが出てしまう)という問題がある。
こうした問題は、経方向を第2方向とし、かつ緯方向を第1方向として接着部32を配列した接着芯地や、経方向及び緯方向の両者に対し傾斜する方向を第1方向とし、かつ同第1方向に対し直交する方向を第2方向として接着部32を配列した接着芯地でも同様に起こり得る。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、第1方向に対し直交する第2方向の接着部による伸度の減少を抑制しつつ同第2方向の曲げ剛性を高め、第2方向とは異なる方向の曲げ剛性を抑制することのできる接着芯地を提供することにある。
上記課題を解決する接着芯地は、表生地の裏側に配置される基布と、前記基布の表面に対し配列された状態で、それぞれドット状に形成された複数の接着部とを備え、各接着部において前記表生地の裏面に接着される接着芯地であって、前記基布の面に沿う方向のうち、互いに直交する2つの方向の一方を第1方向とし、他方を第2方向とし、互いに前記第1方向に離間した状態で前記第2方向に延びる複数の線を基準線とした場合に、各基準線を基準に前記第1方向に振動しながら前記第2方向に進む波形が、前記基布に対する前記接着部の配列の指針とされ、各波形において、前記基準線に対する前記第1方向の一方への変位量が、零から増加した後に減少して再び零になるまでの部分を第1単位波形とし、前記基準線に対する前記第1方向の他方への変位量が、零から増加した後に減少して再び零になるまでの部分を第2単位波形とした場合において、前記接着部は、互いに繋がった状態又は離間した状態で前記第2方向に交互に配列された前記波形毎の前記第1単位波形及び前記第2単位波形に沿って配列されている。
ここで、正規配列及びランダム配列を比較対象とし、基布の単位面積当たりに配列される接着部の数が比較対象と同一又は比較対象よりも少ないことを前提とする。この前提のもと、上記の構成によるように、各接着部が、第1単位波形及び第2単位波形に沿って配列されると、第2方向に延びる同一線上に位置する接着部の数は、正規配列で配列される場合よりも少なくなる。しかしながら、少なくなるとはいえ、一定数の接着部を上記同一線上に位置させ、第2方向に充分な曲げ剛性を得ることが可能である。
また、同一線上に位置する接着部の数が少なくなることで、基布の第2方向の伸びに対する接着部による制約が少なくなる。その結果、基布の第2方向の伸度が小さくなることが抑制され、衣服の生地の風合いが硬くなることが抑制される。
また、生地に対し引っ張り荷重が加えられたり、羊毛等の湿気を吸収しやすい素材によって形成された表生地に対し加湿処理が行なわれたりして、表生地が第2方向に伸びようとした場合、基布を表生地に追従させて同方向へ伸ばさせることが可能である。その結果、接着部が表生地から剥離することが抑制される。
さらに、第1単位波形及び第2単位波形は、各基準線を基準に第1方向に振動しながら第2方向に進む。そのため、基布において第2方向とは異なる方向に配列される接着部の数、例えば第1方向に配列される接着部の数や、第2方向及び第1方向の両者に対し傾斜する方向に配列される接着部の数を、ランダム配列で配列される場合よりも少なくして、第2方向とは異なる方向の曲げ剛性を低くすることが可能である。
上記接着芯地において、前記第1方向は、起立状態の前記基布において重力のかかる方向に沿う経方向であり、前記第2方向は、前記経方向に対し直交する緯方向であり、各基準線は、互いに前記経方向に離間した状態で前記緯方向に延びる緯線により構成されていることが好ましい。
ここで、起立状態の基布において重力のかかる方向に沿う方向を経方向とし、同経方向に直交する方向を緯方向とすると、緯方向には、経方向に比べて重力がかかりにくく、皺が入りやすいことから、接着芯地には、緯方向の曲げ剛性(ハリ)が高く、同方向の保形性が良好であることが求められる。
従って、上記の構成によるように、経方向が第1方向とされ、緯方向が第2方向とされ、各基準線が緯線によって構成されると、緯方向に延びる同一線上に位置する接着部の数が、正規配列で配列される場合よりも少なくなる。しかしながら、一定数の接着部を上記同一線上に位置させることで、緯方向に充分な曲げ剛性を得ることが可能である。
また、接着部の数が少なくなることで、基布の緯方向の伸びに対する接着部による制約が少なくなり、基布の緯方向の伸度が小さくなることが抑制される。
また、表生地が緯方向に伸びようとした場合、基布を表生地に追従させて緯方向へ伸ばさせることが可能である。その結果、接着部が表生地から剥離することが抑制される。
さらに、第1単位波形及び第2単位波形は、各緯線を基準に経方向に振動しながら緯方向に進む。そのため、基布において緯方向とは異なる方向に配列される接着部の数を、ランダム配列で配列される場合よりも少なくすることが可能である。
上記接着芯地において、前記波形は、正弦波又は三角波により構成されていることが好ましい。
上記の構成によれば、波長及び周期を有する正弦波(又は三角波)を構成する第1単位波形及び第2単位波形が第2方向に交互に繰り返される。第1単位波形及び第2単位波形のそれぞれの基準線に対する経方向の変位量は零から増加して最大値となった後に減少して再び零になる。従って、各接着部が、第1単位波形及び第2単位波形に沿って配列されると、第2方向に延びる同一線上に位置する接着部の数を、正規配列で配列される場合よりも少なくすることが可能である。また、基布において第2方向とは異なる方向に配列される接着部の数を、ランダム配列で配列される場合よりも少なくすることが可能である。
上記接着芯地によれば、第1方向に対し直交する第2方向の接着部による伸度の減少を抑制しつつ同第2方向の曲げ剛性を高め、第2方向とは異なる方向の曲げ剛性を抑制することができる。
接着芯地の一実施形態を示す図であり、衣服の生地の一部を模式的に示す部分斜視図。 (a)は、一実施形態における接着芯地を表生地に接着する前の状態を示す部分縦断面図、(b)は接着した状態を示す部分縦断面図。 (a)は、一実施形態の接着芯地における接着部と緯線との関係を示す部分正面図、(b)は同接着芯地における基布及び接着部の位置関係を示す部分正面図。 一実施形態において接着部の配列の指針とされる波形を示す説明図。 一実施形態において、接着部とその隣の接着部との位置関係を示す説明図。 接着部の配列の指針とされる波形の変形例を示す説明図。 同じく、接着部の配列の指針とされる波形の変形例を示す説明図。 (a)〜(d)は実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2のそれぞれにおける接着部の配列形態を示す部分正面図。 接着部の従来の配列形態を示す図であり、(a)は正規配列を説明する部分正面図、(b)はランダム配列を説明する部分正面図。
以下、接着芯地の一実施形態について、図1〜図5を参照して説明する。
図1は、衣服の生地10における方向を規定するために、同生地10の一部を模式的に示している。図1及び図2(a),(b)に示すように、生地10の表層部分は表生地11によって構成されている。接着芯地12は、表生地11の裏側に配置される基布13と、基布13の表面に形成された複数の接着部16とを備えている。
基布13としては、織布、不織布又は編物が使用可能である。本実施形態では、基布13として織布が用いられている。さらに、本実施形態では、図3(b)に示すように、織布として、経糸14及び緯糸15が交互に交差された状態で織られた、平織り布が用いられているが、それ以外の態様、例えば、斜文織り、朱子織り等によって織られた布が織布として用いられてもよい。基布13は、隣り合う経糸14間に隙間を有し、かつ隣り合う緯糸15間に隙間を有している。経糸14及び緯糸15としては、例えば、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維、アクリル系繊維、ウレタン系繊維等の合成繊維が用いられる。また、経糸14及び緯糸15として、上記合成繊維に代えて、アセテート等の半合成繊維、ビスコースレーヨン等の再生繊維、又は木綿、羊毛、絹、麻等の天然繊維等が用いられてもよい。上記各種繊維は単独で用いられてもよいし、組合わせて用いられてもよい。また、経糸14及び緯糸15としては、紡績糸及びフィラメント糸のいずれが用いられてもよい。
ここで、基布13の面に沿う方向のうち、互いに直交する2つの方向の一方を第1方向とし、他方を第2方向とする。本実施形態では、図1及び図3(b)に示すように、起立状態の基布13において重力のかかる方向に沿う方向である経方向を第1方向とし、同経方向に直交する方向である緯方向を第2方向とする。接着芯地12は、使用に際し、経糸14が経方向に延び、かつ緯糸15が緯方向に延びるように向きを合わせられる。
図3(a),(b)に示すように、接着部16は、基布13の表面の複数箇所に対し配列された状態で、それぞれドット状(点状)に形成されている。接着部16は、接着剤を基布13に塗布することにより形成されている。接着部16を正面から見た形状は特に限定されない。代表的な形状は、円形状であるが、楕円形状、長円形状等、細長い形状をなすものであってもよい。
図2(a),(b)に示すように、接着剤としては、基布13に対し塗布が可能であり、かつ加熱されることにより溶融して表生地11に接着するものが用いられている。本実施形態では、上記の条件を満たす材料として熱可塑性樹脂が用いられている。熱可塑性樹脂としては、従来の接着芯地に用いられる熱可塑性樹脂、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、エチレンビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等のいずれも使用することができる。
また、熱可塑性樹脂からなる接着剤を基布13に塗布する形態としては、公知の単一成分の熱可塑性樹脂からなるシングルドット形態、又は異なる2種類の熱可塑性樹脂を積層した立体二層構造体からなるダブルスポット形態(実公昭56−55206号公報参照)のいずれの形態であってもよい。
接着剤を基布13に塗布するために、例えば次の方法が採られる。この方法は従来から行なわれている方法である。
・中が空洞となっている円筒状のローラーに対し、接着部16を形成するための孔をあけ、ローラーの内部の熱可塑性樹脂を孔から押し出し、ローラーの外側に接触させられた基布13上に転写させる方法。
ここで、図3(a)及び図4に示すように、互いに経方向に平行に離間した状態で緯方向に延びる複数の緯線17を基準線とすると、各緯線17を基準に経方向に振動しながら緯方向に進む波形WFが、基布13に対する接着部16の配列の指針とされている。波形WFは、正弦波によって構成されている。この正弦波における振幅Aの最小値は、2本以上の緯糸15を跨ぐ値に設定されることが好ましい。
各波形WFにおいて、緯線17に対する経方向の一方(図4の上方)への変位量が、零から増加した後に減少して再び零になるまでの部分を第1単位波形UW1とする。また、第1単位波形UW1に繋がり、かつ緯線17に対する経方向の他方(図4の下方)への変位量が、零から増加した後に減少して再び零になるまでの部分を第2単位波形UW2とする。これらの第1単位波形UW1及び第2単位波形UW2により、1つの単位波形UWが構成されている。そして、単位波形UWが互いに緯方向に繋がった状態で同緯方向に繰り返されることにより、波形WFが構成されている。ここで、接着部16の配列の指針とされる波形WFが正弦波であることから、第1単位波形UW1及び第2単位波形UW2毎の緯線17に対する変位量は零から増加して最大値になった後に減少して再び零になる。
本実施形態では、互いに経方向に近接した状態で配置された2つの波形WFによって1つのグループが構成されている(図3(a)参照)。このグループが一定間隔おきに経方向に配置されている。隣り合うグループの間隔は、同一グループ内の2つの波形WF間の間隔よりも大きく設定されている。ただし、こうした波形WFの配置は必須ではなく、グループを作らず、複数の波形WFが経方向に等間隔毎に配置されてもよい。
そして、複数の接着部16は、波形WF毎に緯方向に連続する第1単位波形UW1及び第2単位波形UW2に沿って配列された状態で基布13に形成されている。本実施形態では、各接着部16は、第1単位波形UW1上及び第2単位波形UW2上において互いに離れた箇所に配列されている。
図4及び図5に示すように、第1単位波形UW1及び第2単位波形UW2のそれぞれにおいて、隣り合う接着部16を結ぶ線L1が、緯方向に延びて緯糸15を通る線L2に対しなす角度をθとすると、角度θは10°よりも大きく、かつ45°よりも小さな値に設定されている。また、隣り合う接着部16の間隔D1は、本実施形態では0.2mmに設定されているが、これに限定されるものではない。
そして、上記のようにして構成された接着芯地12は、図2(b)に示すように、各接着部16において表生地11の裏面に接着される。これらの接着芯地12及び表生地11によって、衣服の生地10が構成される。
次に、本実施形態の接着芯地12の作用及び効果について説明する。
ここで、正規配列及びランダム配列を比較対象とし、基布13の単位面積当たりに配列される接着部16の数が比較対象と同一又は比較対象よりも少ないことを前提とする。この前提のもと、図3(a),(b)及び図4に示すように、接着部16の配列の指針とされる波形WFが、振幅A及び波長λを有する正弦波によって構成されている。この正弦波を構成する第1単位波形UW1及び第2単位波形UW2が緯方向に交互に繰り返される。第1単位波形UW1及び第2単位波形UW2のそれぞれの緯線17に対する経方向の変位量は零から増加して最大値となった後に減少して再び零になる。従って、各接着部16が、第1単位波形UW1上及び第2単位波形UW2上に配列される本実施形態では、緯方向に延びる同一線(緯糸15)上に位置する接着部16の数が、正規配列で配列される場合よりも少なくなる。
しかしながら、少なくなるとはいえ、一定数の接着部16は上記同一線(緯糸15)上に位置するため、緯方向に充分な曲げ剛性を得ることが可能である。基布13の緯方向の曲げ剛性が高くなると、同方向の保形性が向上する。従って、緯方向には、経方向に比べて重力がかかりにくいが、皺が入りにくくなる。
また、本実施形態では、上記同一線(緯糸15)上に位置する接着部16の数が、上記のように、接着部16が正規配列で配列される場合よりも少なくなることで、基布13の緯方向の伸びに対する接着部16による制約が少なくなる。その結果、基布13の緯方向の伸度が小さくなるのを抑制し、衣服の生地10の風合いが硬くなるのを抑制することができる。
また、生地10に対し引っ張り荷重が加えられたり、羊毛等の湿気(水分)を吸収しやすい素材によって形成された表生地11に対し、クリーニング時にトンネルフィッシュ等の加湿処理が行なわれたりして、表生地11が緯方向に伸びようとした場合、基布31を表生地11に追従させて同方向へ伸ばさせることができる。その結果、接着部16が表生地11から剥離するのを抑制することができる。
さらに、第1単位波形UW1及び第2単位波形UW2は、経方向に振幅Aで振動しながら、緯方向に進む。そのため、基布13において緯方向とは異なる方向に配列される接着部16の数、例えば経方向に配列される接着部16の数も、緯方向及び経方向の両者に対し傾斜する方向に配列される接着部16の数も、ランダム配列で配列される場合に比べて少なくなる。緯方向とは異なる方向の曲げ剛性は、ランダム配列で配列された場合の曲げ剛性よりも低くなる。
特に、本実施形態では、図4及び図5に示すように、角度θが10°よりも大きいことから、隣り合う2つの接着部16がともに、上記同一線(緯糸15)上に位置することが起こりにくい。そのため、上記同一線(緯糸15)上に位置する接着部16の数を少なくすることができる。緯方向に充分な曲げ剛性を得るとともに、基布13の緯方向の伸度が接着部16によって小さくなるのを抑制することができる。
また、角度θが45°未満であることから、接着部16が、経方向の曲げ剛性に及ぼす影響の度合いは、緯方向の曲げ剛性に及ぼす影響の度合いよりも小さくなる。従って、曲げ剛性が方向に拘わらず(等方向に)高くなるランダム配列とは異なり、経方向の曲げ剛性を、緯方向の曲げ剛性よりも低くすることができる。表現を変えると、高い曲げ剛性が要求される方向である緯方向のみについて、曲げ剛性を高くし、それ以外の方向の曲げ剛性を低くすることができる。
次に、上記実施形態について、実施例及び比較例を挙げてさらに具体的に説明する。
まず、実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2の各々について、接着芯地の業界で最も多く使われている2種類の基布(基布1及び基布2)を用い接着芯地を作成した。なお、実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2において、上記実施形態と共通する部材については同実施形態と同一の符合を付している。
<基布1>
基布1における経糸及び緯糸として、それぞれフィラメントを24本束ねることにより構成され、かつ繊度が33dtexであるものを用いた。基布1における1インチ(2.54cm)当たりの経糸の本数は86本であり、緯糸の本数は65本である。なお、フィラメントは、精錬、染色及び整理加工が施されたポリエステル加工糸からなる。この点は、基布2における経糸及び緯糸についても同様である。
<基布2>
基布2における経糸及び緯糸として、それぞれフィラメントを48本束ねることにより構成され、かつ繊度が56dtexであるものを用いた。基布2における1インチ当たりの経糸の本数は81本であり、緯糸の本数は62本である。
<接着芯地の形成>
スクリーンを用いて、ロータリースクリーン法により、上記基布1及び基布2に対し、接着剤としてアクリル樹脂をドット状に塗布した。続けて、基布1及び基布2上にポリアミド粉末をシンター法により散布した。その後、基布1及び基布2上であって、ドッド状に塗布されたアクリル樹脂とは異なる箇所に散布されたポリアミド粉末を取り除いた。乾燥機を用いて熱処理することで、ドット状の部分を固着させて、基布1及び基布2毎に、それぞれ異なる態様で接着部が配列されてなる実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2の接着芯地を得た。
<実施例1>
実施例1では、図8(a)に示すように、互いに経方向に近接した状態で配置された2つの波形WFによって1つのグループを構成した。各波形WFの波長λを、8.65mmに設定した。各波形WFの振幅Aを2倍したものである変動幅B1を、1.8mmに設定した。また、同一グループにおける両方の波形WFの変動幅B2を、2.7mmに設定した。上記グループを一定間隔おきに経方向に配置した。隣り合うグループの間隔DB1を、同一グループ内の2つの波形WF間の間隔よりも大きな値である、1.9mmに設定した。各波形WFにおいて隣り合う接着部16の間隔D1を、0.3mmに設定した。図8(a)では図示しないが、各波形WFにおける角度θ(図5参照)を約21度に設定した。
<実施例2>
実施例2では、図8(b)に示すように、複数の波形WFを経方向に等間隔毎に配置した。各波形WFの波長λを、実施例1と同様に、8.65mmに設定した。隣り合う波形WFの間隔DB2を、1.3mmに設定した。各波形WFにおいて隣り合う接着部16の間隔D1を、0.3mmに設定した。図8(b)では図示しないが、各波形WFにおける角度θ(図5参照)を約21度に設定した。
<比較例1>
比較例1では、図8(c)に示すように、接着部16を正規配列で配列した。経方向に隣り合う接着部16の間隔D11を、1.9mmに設定し、緯方向に隣り合う接着部16の間隔D12を、0.92mmに設定した。
<比較例2>
比較例2では、図8(d)に示すように、接着部16をランダム配列で配列した。隣り合う接着部16の間隔D13を、0.6〜0.7mmに設定した。
<評価>
伸度については、測定機(KES−FB1 SYSTEM、カトーテック株式会社製、KAWABATA EVALUTION SYSTEM)を用いて、接着芯地単体に500gの荷重を加えて緯方向の最大伸度(%)を測定した。曲げ剛性については、測定機(KES−FB2 SYSTEM、カトーテック株式会社製、KAWABATA EVALUTION SYSTEM)を用いて、接着芯地と表生地との接合体の曲げ剛性(gf・cm2/cm)を測定した。
接着芯地用のローラープレス機によって、接着芯地を表生地に接着することで得た接合体の緯方向及び経方向の曲げ剛性を上記測定機で測定した。表生地としては、ウール100%のスーツ用織物(平織)を用いた。
ここで、接着剤の塗布量(接着部16の重量)は、実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2間で揃えられることが望ましい。しかし、接着部16の配列態様が異なるため、実際には、接着剤の塗布量が少なからずばらつく。一方で、曲げ剛性は、塗布された接着剤の量に比例する。接着剤の塗布量が多くなるに従い曲げ剛性(ハリ)が高くなる。そのため、得られた接合体の緯方向の曲げ剛性を接着剤の塗布量で除することで、接着剤1g当たりの曲げ剛性を求めた。このように、接着剤1g当たりの曲げ剛性といった指標値を用いることで、接着剤の塗布量のばらつきを排除した形で、緯方向のハリを評価した。
さらに、曲げ剛性の比(緯方向の曲げ剛性/経方向の曲げ剛性)によって、曲げ剛性の等方向性を評価した。この値は、緯方向の曲げ剛性と経方向の曲げ剛性とが同一である場合に「1.0」となる。緯方向の曲げ剛性が経方向の曲げ剛性よりも大きい場合には、上記比が「1.0」よりも大きくなる。こうした評価を用いたのは、単に緯方向の曲げ剛性が高くなっただけでは、経方向の曲げ剛性よりも高いかどうか不明だからである。
Figure 0006889930
表1によると、基布13の種類に拘わらず、実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2間で接着剤の塗布量が、僅かではあるがばらついていることが判る。
また、緯方向の伸度は、実施例1及び実施例2のいずれについても、また、基布13の種類に拘わらず、比較例1よりも大きく、比較例2と同程度になった。このことから、実施例1及び実施例2では、緯方向に延びる同一線(緯糸15)上に位置する接着部16の数が、正規配列で配列された比較例1よりも少なくなる。基布13の緯方向の伸びに対する接着部16による制約が少なくなり、基布13の緯方向の伸度減少が抑制されていることが判る。
また、接着剤1g当たりの緯方向の曲げ剛性は、実施例1及び実施例2のいずれについても、また、基布13の種類に拘わらず、比較例1及び比較例2よりも高くなった。このことから、一定数の接着部16は上記同一線(緯糸15)上に位置し、緯方向に充分な曲げ剛性が得られていることが判る。
また、曲げ剛性の比は、比較例1及び比較例2では、基布13の種類に拘わらず「1.0」よりも小さくなった。これに対し、曲げ剛性の比は、実施例1及び実施例2では、基布13の種類に拘わらず「1.0」よりも大きくなった。このことから、緯方向の曲げ剛性が経方向の曲げ剛性よりも高くなっていることが判る。
なお、上記実施形態は、これを以下のように変更した変形例として実施することもできる。
・接着部16を正面から見た形状を、楕円形状、長円形状等、細長い形状にする場合、その形状が延びる方向を、曲げ剛性(ハリ)を高めたい方向に合わせることが望ましい。このようにすると、接着部16の形状の延びる方向の曲げ剛性を高めることができる。
・織布に代えて、不織布及び編物が基布13として用いられてもよい。このように基布13を構成する布帛の種類が変更された場合であっても、接着部16が第1単位波形UW1及び第2単位波形UW2に沿って配列されることで、上記実施形態と同様の作用及び効果が得られる。
・複数の接着部16の配列の指針とされる波形WFが、上記正弦波に代えて、図6に示す三角波によって構成されてもよい。この場合にも、正弦波と同様、波形WF毎の緯線17に対する経方向の変位量は零から増加して最大値となった後に減少して再び零になる。従って、この変形例でも、上記実施形態と同様の作用及び効果が得られる。
・接着部16は、図7に示すように、互いに離間した状態で緯方向に交互に配列された第1単位波形UW1及び第2単位波形UW2に沿って配列されてもよい。図7では、第1単位波形UW1及び第2単位波形UW2が正弦波の一部によって構成されているが、三角波の一部によって構成されてもよい。図7の変形例では、第1単位波形UW1及び第2単位波形UW2が互いに離れているが、それぞれが、振幅A及び波長λを有する波形WFを構成していて、緯方向に繰り返されることから、上記実施形態と同様の作用及び効果が得られる。
・複数の接着部16の少なくとも一部は、第1単位波形UW1及び第2単位波形UW2に沿うことを条件に、同第1単位波形UW1及び第2単位波形UW2から僅かに離れた箇所に配列されてもよい。
・上記接着芯地は、経方向を第2方向とし、緯方向を第1方向として接着部を配列した接着芯地に適用されてもよい。また、上記接着芯地は、経方向及び緯方向の両者に対し傾斜する方向を第1方向とし、同第1方向に対し直交する方向を第2方向として接着部を配列した接着芯地に適用されてもよい。いずれの変形例においても、互いに第1方向に離間した状態で第2方向に延びる複数の線が基準線とされる。
11…表生地、12…接着芯地、13…基布、16…接着部、17…緯線(基準線)、WF…波形、UW1…第1単位波形、UW2…第2単位波形。

Claims (3)

  1. 表生地の裏側に配置される基布と、前記基布の表面に対し配列された状態で、それぞれドット状に形成された複数の接着部とを備え、各接着部において前記表生地の裏面に接着される接着芯地であって、
    前記基布の面に沿う方向のうち、互いに直交する2つの方向の一方を第1方向とし、他方を第2方向とし、互いに前記第1方向に離間した状態で前記第2方向に延びる複数の線を基準線とした場合に、各基準線を基準に前記第1方向に振動しながら前記第2方向に進む波形が、前記基布に対する前記接着部の配列の指針とされ、
    各波形において、前記基準線に対する前記第1方向の一方への変位量が、零から増加した後に減少して再び零になるまでの部分を第1単位波形とし、前記基準線に対する前記第1方向の他方への変位量が、零から増加した後に減少して再び零になるまでの部分を第2単位波形とした場合において、前記波形毎の前記第1単位波形及び前記第2単位波形は、正弦波の一部によって構成され、前記基準線上を互いに離間した状態で前記第2方向に交互に配置されており、
    前記接着部は、前記波形毎の前記第1単位波形及び前記第2単位波形に沿って配列されている接着芯地。
  2. 前記第1方向は、起立状態の前記基布において重力のかかる方向に沿う経方向であり、前記第2方向は、前記経方向に対し直交する緯方向であり、各基準線は、互いに前記経方向に離間した状態で前記緯方向に延びる緯線により構成されている請求項1に記載の接着芯地。
  3. 前記第2方向は、起立状態の前記基布において重力のかかる方向に沿う経方向であり、前記第1方向は、前記経方向に対し直交する緯方向であり、各基準線は、互いに前記緯方向に離間した状態で前記経方向に延びる経線により構成されている請求項1に記載の接着芯地。
JP2018103452A 2018-05-30 2018-05-30 接着芯地 Active JP6889930B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018103452A JP6889930B2 (ja) 2018-05-30 2018-05-30 接着芯地
CN201811050611.1A CN110547530A (zh) 2018-05-30 2018-09-10 粘接衬布

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018103452A JP6889930B2 (ja) 2018-05-30 2018-05-30 接着芯地

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019206782A JP2019206782A (ja) 2019-12-05
JP6889930B2 true JP6889930B2 (ja) 2021-06-18

Family

ID=68736218

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018103452A Active JP6889930B2 (ja) 2018-05-30 2018-05-30 接着芯地

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6889930B2 (ja)
CN (1) CN110547530A (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5988417U (ja) * 1982-12-07 1984-06-15 ダイニツク株式会社 上衣の前身頃用複合芯素材
JPH0235835Y2 (ja) * 1986-03-31 1990-09-28
WO2014109318A1 (ja) * 2013-01-08 2014-07-17 グンゼ株式会社 伸縮性材料の貼り合わせ構造、該構造を有する衣類及び伸縮性材料の貼り合わせ方法
JP2015180793A (ja) * 2015-07-17 2015-10-15 日東紡績株式会社 接着芯地及び接着芯地の製造方法
JP2017222969A (ja) * 2016-06-09 2017-12-21 株式会社金星 無縫製衣服

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019206782A (ja) 2019-12-05
CN110547530A (zh) 2019-12-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3895212B2 (ja) 清掃用立毛布帛およびモップ
JP6844708B2 (ja) 接着芯地及び積層複合材料
SE420852B (sv) Formeringsvira
EP0880909B1 (fr) Entoilage thermocollant à filaments de gros titrage.
JP2018538457A5 (ja)
CN103249884A (zh) 无纺布及其制造方法以及擦拭材料
JP4728827B2 (ja) 織物接着芯地及びその製造方法
JP6969544B2 (ja) ノンキルト用テープおよび当該テープを用いた衣類
KR20130138772A (ko) 부직포용 다층직물
WO2023276311A1 (ja) 工業用織物
JP6889930B2 (ja) 接着芯地
WO2004001112A1 (ja) 布帛
CN210590848U (zh) 一种抗拉扯的复合无纺布
TWI710362B (zh) 纖維薄片
CN211227531U (zh) 一种多层结构的纺织品
JP5894729B2 (ja) ニット生地用接着芯地の製造方法
CN206501523U (zh) 一种防静电布料
WO2018225697A1 (ja) 車両内装用複合材
CN214188729U (zh) 一种保暖抗菌防静电针织布
JP6175767B2 (ja) 基布及び接着芯地
JP7406128B2 (ja) 接着芯地
CN214111832U (zh) 一种高密度提花牛津布
JPH07257260A (ja) タフテッドカーペット
CN207916205U (zh) 一种防静电耐磨的纺织类面料
JP7053416B2 (ja) 製紙用フェルト

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191011

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201020

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210511

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210517

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6889930

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250