JP6889658B2 - ステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ステアリング装置に関する。
特許文献1には、車両のエンジンルーム内に設けられ、転舵輪に操舵アシスト力を付与するステアリング装置が記載されている。このステアリング装置では、ラックチューブの両端に、ラックチューブを車体側へ取り付けるためのマウントブラケット部が設けられている。
特開2013−141969号公報
しかしながら、特許文献1に記載のステアリング装置では、マウントブラケット部がラックチューブの中心軸に対して対称となる位置に一対設けられているため、マウントブラケット部が設けられる部分の幅寸法(ラックチューブの中心軸に直交する方向の外形寸法)が大きい。このため、ステアリング装置を車体に取り付ける際の作業性が悪いという問題がある。たとえば、車体フレームに設けられる開口部に、ラックチューブを通さなければならない場合、開口部の大きさによってはマウントブラケット部を開口部に挿通させることができず、ステアリング装置を取り付けることができないおそれがある。
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたものであり、車体への取付性に優れたステアリング装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、ラック収容部に設けられ、車体に取り付けられてラック収容部の一端側を支持する第1支持部と、ラック収容部に設けられ、車体に取り付けられてラック収容部の他端側を支持する第2支持部と、を備え、ラック収容部の一端側のタイロッドの全長は、一端側のタイロッドが挿通される車体フレームの側板から一端側のタイロッドの先端までの距離よりも長く、ラック収容部の他端側のタイロッドの全長は、他端側のタイロッドが挿通される車体フレームの側板から他端側のタイロッドの先端までの距離よりも長く、第2支持部は、車体に取り付けられてラック収容部を固定するための正規位置からピニオンギヤ側の逃げ位置まで、ラック収容部の軸方向に移動可能であり、逃げ位置は、ラック収容部の他端側のタイロッドの先端から第2支持部までの距離が、一端側のタイロッドの全長と他端側のタイロッドの全長とを足し合わせた長さ以上となる位置であることを特徴とするステアリング装置である。
第1の発明では、ステアリング装置を車体に取り付ける際、第2支持部をピニオンギヤ側に移動させ、逃げ位置に配置することにより、ラック収容部の他端側を開口部に挿通させることができる。
第2の発明は、第2支持部が、弾性変形可能な材料により形成されラック収容部が挿通される開口部を有するマウント部材と、マウント部材を介してラック収容部を車体に取り付けるブラケットと、を有していることを特徴とする。
第2の発明では、振動や衝撃を弾性変形可能なマウント部材により吸収できるので、ステアリング装置を安定して支持することができる。
第3の発明は、ラック収容部における正規位置から逃げ位置までの外径が一様であることを特徴とする。
第3の発明では、第2支持部をラック収容部の外周面に沿って容易に移動させることができ、ステアリング装置の車体への取付作業性を向上できる。
第4の発明は、タイロッドの全長が、当該タイロッドの先端から当該タイロッドが挿通される車体フレームの側板までの距離よりも長いことを特徴とする。
第4の発明では、タイロッドの全長が、当該タイロッドの先端から当該タイロッドが挿通される車体フレームの側板までの距離よりも短い場合に比べて、逃げ位置がピニオンギヤ側に位置することになるので、ステアリング装置を車体に取り付ける際の作業性がよい。
第5の発明は、ラック収容部に設けられ、車体に取り付けられてラック収容部の一端側を支持する第1支持部と、ラック収容部に設けられ、車体に取り付けられてラック収容部の他端側を支持する第2支持部と、を備え、第2支持部は、車体に取り付けられてラック収容部を固定するための正規位置からピニオンギヤ側の逃げ位置まで、ラック収容部の軸方向に移動可能であり、逃げ位置は、ラック収容部の他端側のタイロッドが挿通される車体フレームの側板から第2支持部までの距離が、ラック収容部の一端側のタイロッドが挿通される車体フレームの側板から一端側のタイロッドの先端までの距離よりも長くなる位置であることを特徴とするステアリング装置である。
第5の発明では、ステアリング装置を車体に取り付ける際、第2支持部をピニオンギヤ側に移動させ、逃げ位置に配置することにより、ラック収容部の他端側を開口部に挿通させることができる。
本発明によれば、車体への取付性に優れたステアリング装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成図である。 本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の平面図である。 図2のIII−III線に沿う第2支持部の横断面図である。 ラックシャフトとタイロッドの接続部を示す部分拡大図である。 ステアリング装置の車体への取り付けに先立って行う第2支持部の移動手順を説明する図である。 (a)は、ステアリング装置の位置決め手順を説明する図であり、(b)は、ステアリング装置の右端側を側板の開口部に挿通させる手順を説明する図である。(c)は、ステアリング装置の回動初期位置への位置決め手順を説明する図であり、(d)は、ステアリング装置を回動させる手順を説明する図である。(e)は、ステアリング装置の左端側を側板の開口部に挿通させる手順を説明する図である。
図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の構成図である。図1に示すように、電動パワーステアリング装置(以下、ステアリング装置と記す)100は、運転者によるステアリングホイール1の操作に伴って回転する入力シャフト2と、車輪6を転舵するためのラックシャフト5に連係する出力シャフト3と、入力シャフト2と出力シャフト3を連結するトーションバー4と、を備える。入力シャフト2、出力シャフト3、及びトーションバー4によってステアリングシャフト7が構成される。
出力シャフト3には、ラックシャフト5に形成されたラックギヤ5aと噛み合いラックシャフト5に回転力を伝達するピニオンギヤ3aが形成される。ステアリングホイール1が操作されると、ステアリングシャフト7が回転し、その回転がピニオンギヤ3a及びラックギヤ5aによってラックシャフト5の直線運動に変換され、タイロッド14を介して車輪6が転舵される。
ステアリング装置100は、運転者によるステアリングホイール1の操作を補助するための動力源である電動モータ10と、電動モータ10の回転をステアリングシャフト7に減速して伝達する減速機11と、運転者によるステアリング操作に伴う入力シャフト2と出力シャフト3との相対回転によってトーションバー4に作用するトルクを検出するトルクセンサ12と、トルクセンサ12の検出結果に基づいて電動モータ10の駆動を制御するコントローラ30と、をさらに備える。
電動モータ10は、ブラシ付きモータである。減速機11は、電動モータ10の出力軸に連結されるウォームシャフト11aと、出力シャフト3に連結されウォームシャフト11aに噛み合うウォームホイール11bと、を有する。電動モータ10が出力するトルクは、ウォームシャフト11aからウォームホイール11bに伝達されて出力シャフト3に操舵補助トルクとして付与される。
運転者によるステアリング操作に伴って入力シャフト2に付与される操舵トルクはトルクセンサ12によって検出され、トルクセンサ12はその操舵トルクに対応する電圧信号をコントローラ30に出力する。コントローラ30は、トルクセンサ12からの電圧信号に基づいて、電動モータ10が出力するトルクを演算し、そのトルクが発生するように電動モータ10の駆動を制御する。このように、ステアリング装置100は、入力シャフト2に付与される操舵トルクをトルクセンサ12にて検出し、その検出結果に基づいて電動モータ10の駆動をコントローラ30にて制御して運転者のステアリング操作をアシストする。
コントローラ30は、操舵トルクに加えて、操舵角度センサ15によって検出される操舵角度を考慮して、電動モータ10の駆動を制御する。電動モータ10が駆動されると、電動モータ10の回転力が減速機11及びピニオンギヤ3aを介してラックシャフト5に伝達される。
図2を参照して、ステアリング装置100のハウジング150について説明する。なお、説明の便宜上、図示するように、車体の前後左右方向に合わせ、ステアリング装置100の前後左右方向を規定する。車体の前後左右方向は、鉛直方向に直交する水平方向に平行な方向である。図2は、本発明の実施形態に係るステアリング装置100の平面図である。図2では、車体フレームの一部を構成する側板9a,9b及びステアリング装置100の取付座M1,M2,M3を二点鎖線で示している。
ハウジング150は、車体の左右方向に沿って直線状に延在するラックシャフト5(図1参照)を収容するラックチューブ151と、電動モータ10(図1参照)を収容するモータハウジング158と、減速機11及びピニオンギヤ3a(図1参照)を収容するギヤハウジング159と、を有する。なお、ラックシャフト5の中心軸Oに平行な方向を軸方向と称する。ラックシャフト5の中心とラックチューブ151の中心は同心であるので、中心軸Oはラックチューブ151の中心軸でもある。
ラックチューブ151は、軸方向両端が開口した円筒状に形成される。ラックシャフト5は、ラックチューブ151を貫通し、その両端部がラックチューブ151の軸方向両端から突出している。ラックシャフト5の左右両端部は、左右一対のタイロッド14に接続されている。つまり、ラックシャフト5の両端部のそれぞれは、タイロッド14を介して左右の車輪6に連結されている。ラックシャフト5とタイロッド14の接続部は、ステアリングラックブーツ40によって覆われている。
ギヤハウジング159はラックチューブ151の軸方向一端側に取り付けられ、モータハウジング158はギヤハウジング159に取り付けられる。なお、ラックチューブ151の軸方向一端側とは、ラックチューブ151の左右中心から左側のことを指し、ラックチューブ151の軸方向他端側とは、ラックチューブ151の左右中心から右側のことを指す。
ラックチューブ151の軸方向一端側には、ラックチューブ151の軸方向一端側を支持する第1支持部110が設けられている。ラックチューブ151の軸方向他端側には、ラックチューブ151の軸方向他端側を支持する第2支持部120が設けられている。第1支持部110及び第2支持部120は、車体フレームの取付座M1,M2,M3にボルト、ナットにより取り付けられる。これにより、ステアリング装置100が車体に両持ち支持される。
第1支持部110は、車体フレームの取付座M1に取り付けられる外側ボルト取付部111Aと、車体フレームの取付座M2に取り付けられる内側ボルト取付部111Bと、を有する。外側ボルト取付部111A及び内側ボルト取付部111Bは、ギヤハウジング159を両側から挟むように、ギヤハウジング159の左右両側に形成されている。外側ボルト取付部111Aは、ラックチューブ151の外側前方に突出するように設けられ、内側ボルト取付部111Bは、ラックチューブ151の外側後方に突出するように設けられる。すなわち、外側ボルト取付部111A及び内側ボルト取付部111Bは、互いに反対方向に突出している。
外側ボルト取付部111Aは、ギヤハウジング159よりもラックチューブ151の左端側、すなわち軸方向外側に配置されている。内側ボルト取付部111Bは、ギヤハウジング159よりもラックチューブ151の左右中心側、すなわち軸方向内側に配置されている。外側ボルト取付部111A及び内側ボルト取付部111Bは、それぞれ同様の円筒形状であるので、以下、両者を総称してボルト取付部111とも記す。
ボルト取付部111には、ボルトが取り付けられるボルト取付孔113が設けられる。ボルト取付孔113は、ラックシャフト5の中心軸Oから前後方向に所定距離だけ離れた位置において、上下方向に延在する。ボルト取付部111の上下寸法(高さ寸法)は、ラックチューブ151の外径よりも大きい。ボルト取付部111の下端部は、円筒形状であり、ラックチューブ151の下端面よりも下方に突出している。ボルト取付部111の外面は、平面視円弧状の湾曲面である。
図2及び図3を参照して、第2支持部120について説明する。図3は、図2のIII−III線に沿う第2支持部120の横断面図である。説明の便宜上、ステアリング装置100の上下、前後方向を図示するように定義する。なお、ラックシャフト5は二点鎖線で示している。
第2支持部120は、ラックチューブ151が挿通される円形状の開口部である円形開口部125cを有するマウンティングラバー125と、マウンティングラバー125を介してラックチューブ151を車体フレームの取付座M3に取り付けるブラケット126と、を備えている。マウンティングラバー125は、弾性変形可能なゴムにより形成される断面D字状の軸受であり、円形開口部125cはマウンティングラバー125を軸方向に貫通する貫通孔である。
マウンティングラバー125は、ラックシャフト5の中心軸Oから上側部分の断面形状が半円形状とされ、中心軸Oから下側部分の断面形状が矩形状とされている。中心軸Oから下側部分は、取付座M3まで延在し、下端面(底面)は取付座M3に当接される平坦な当接面125eである。
マウンティングラバー125は、軸方向両端のそれぞれに鍔125aが設けられた鍔つき型のゴムブッシュである。一対の鍔125aの間は、中心軸O側に窪んだ凹部125bとされている。
ブラケット126は、金属製の板部材を曲げて形成される。ブラケット126は、取付座M3に当接される一対の当接部126aと、一対の当接部126a間に形成される押圧部126bとを有する。押圧部126bは、断面U字状であり、マウンティングラバー125の外周に沿って設けられた凹部125bに嵌合される。一対の当接部126aのそれぞれには、ボルト(不図示)が挿通されるボルト取付孔123が形成されている。
ブラケット126の当接部126aのボルト取付孔123及び取付座M3のボルト取付孔にボルト(不図示)を挿通させた後、ボルトの先端部に形成されたおねじにナットを装着することで、ブラケット126が取付座M3に締結される。これにより、ブラケット126の押圧部126bと取付座M3とでマウンティングラバー125が挟持され、マウンティングラバー125により保持されるラックチューブ151が、所定の位置において固定される。ラックチューブ151の他端(右端)側は、弾性変形可能なマウンティングラバー125により支持された状態で取付座M3に取り付けられるので、マウンティングラバー125により振動や衝撃が吸収される。
ブラケット126の一対の当接部126aは、車体に取り付けられた状態では、ラックチューブ151の前方と後方のそれぞれに向かって(すなわち互いに反対方向に向かって)、突出するように配置される。これにより、マウンティングラバー125を下方に向けて均等に押圧することができ、ラックチューブ151を安定して保持することができる。
図3に示すように、マウンティングラバー125には円形開口部125cの内周面から当接面125eに至る切り込み125dが、マウンティングラバー125の軸方向の全長に亘って設けられている。
作業者は、マウンティングラバー125の切り込み125dを開くことにより、ラックチューブ151にマウンティングラバー125を取り付けたり、ラックチューブ151からマウンティングラバー125を取り外したりすることができる。作業者は、ラックチューブ151にマウンティングラバー125を取り付けた後、ブラケット126をマウンティングラバー125の凹部125bに嵌め込む。これにより、第2支持部120がラックチューブ151に取り付けられる。ボルト、ナットによりブラケット126が取付座M3に取り付けられていない状態では、第2支持部120はラックチューブ151の軸方向に沿って移動可能である。
図2に示すように、ラックチューブ151は、第2支持部120の他端側の正規位置(点P1)から第1支持部110に亘って、外径が一様な円筒形状とされ、円筒外周面から外方に突出する突出部が設けられていない。このため、作業者は、第2支持部120をラックチューブ151の外周面に沿って容易に移動させることができる。
第2支持部120は、ステアリング装置100が車体に取り付けられた状態では、ラックチューブ151の右端側の正規位置(点P1)に配置される。第2支持部120は、正規位置(点P1)において車体に取り付けられてラックチューブ151を固定する。なお、第2支持部120は、後述するように、ステアリング装置100を車体に取り付ける作業時には、一時的に逃げ位置(点P2)に配置される。
正規位置(点P1)は、ステアリング装置100が車体に取り付けられたときの第2支持部120の位置であり、車体の取付座M3のボルト取付孔と第2支持部120のボルト取付孔123とが一致する位置である。逃げ位置(点P2)は、ステアリング装置100の車体取付作業の際に予め配置される位置である。逃げ位置(点P2)は、第1支持部110の内側ボルト取付部111Bよりも右側であって、かつ、ラックチューブ151の軸方向中心よりも左側に位置している。第2支持部120は、少なくとも、正規位置(点P1)から逃げ位置(点P2)までの範囲に亘って、ラックチューブ151に取り付けられた状態のままで、ラックチューブ151の軸方向に移動可能である。
逃げ位置(点P2)に第2支持部120が配置されたときにおける、第2支持部120の右側面と右側の側板9aの左側面(内側面)との間の軸方向距離をLbとする。軸方向距離Lbは、少なくとも左側の側板9bの右側面(内側面)から左側のタイロッド14の先端までの軸方向距離Laよりも長い(Lb>La)。本実施形態では、軸方向距離Lbが、タイロッド14の全長Ltよりも長くなるように、逃げ位置(点P2)が設定されている(Lb>Lt)。なお、本実施形態では、ラックチューブ151の正規位置(点P1)及び逃げ位置(点P2)のそれぞれには、その位置を表す印(刻印、ペイント等)が付されている。
車体フレームは、前後、上下方向に平行な左右一対の側板9a,9bを有している。一対の側板9a,9bのそれぞれには、正方形状の開口部91,92が設けられている。開口部91,92のそれぞれの前後幅寸法(開口幅寸法)XAは、ブラケット126の前後幅寸法Wよりも小さい(XA<W)。なお、前後幅寸法とは、ラックシャフト5の中心軸Oに直交する前後水平方向の外形寸法である。図2に示すように、ステアリング装置100は、一対の側板9a,9bの開口部91,92に挿通された状態で、ボルト、ナット(不図示)により車体フレームの取付座M1,M2,M3に締結固定される。
図4は、ラックシャフト5とタイロッド14の接続部を示す部分拡大図である。図4を参照して、ステアリングラックブーツ40の内部に配置されるラックシャフト5の左端部と左側のタイロッド14の接続部及びこの接続部と側板9bとの位置関係について説明する。図4に示すように、タイロッド14の端部には、ラックシャフト5の端部に接続される自在継手であるボールジョイント50が設けられている。
ボールジョイント50は、ラックシャフト5の端部に固着されたソケット51と、タイロッド14の軸部の端部に固着されるボール52と、を有する。ソケット51は、ボール52を収容するボール収容部51aと、ボール収容部51aの基端側に一体的に設けられたボルト51bと、を有している。ボルト51bに設けられた雄ねじ部が、ラックシャフト5の先端面から軸方向に延在する孔部5bに設けられた雌ねじ部に螺合されることにより、ソケット51がラックシャフト5に固着される。
車体フレームの側板9bは、ボール52の右側であって、ボルト51bの先端よりも左側に配置されている。タイロッド14の回動中心となるボール52が、側板9bの開口部92よりも左側(外側)に配置されているので、タイロッド14の回動範囲が側板9bによって影響を受けることはない。
本実施形態では、タイロッド14は、ソケット51を含む。つまり、タイロッド14の全長Ltは、タイロッド14の軸部の左端からソケット51のボルト51bの先端までの長さである。タイロッド14の全長Ltは、側板9bの右側面(内側面)からタイロッド14の軸部の左端までの軸方向距離Laよりも長い(Lt>La)。なお、ラックシャフト5の右端部と右側のタイロッド14の接続部及びこの接続部と側板9aとの位置関係は、左側の構成と同様であるので説明を省略する。
図5、図6(a)〜図6(e)を参照して、ステアリング装置100を車体に取り付ける手順の一例を説明する。図5は、ステアリング装置100の車体への取り付けに先立って行う第2支持部120の移動手順を説明する図である。図6(a)〜図6(e)は、ステアリング装置100の車体への取り付け手順を説明する図であり、ステアリング装置100を車体の後方から見た図である。なお、ステアリング装置100の左端側に設けられるモータハウジング158及びギヤハウジング159の図示は省略している。
図6(a)は、ステアリング装置100の位置決め手順を説明する図であり、図6(b)は、ステアリング装置100の右端側を側板9aの開口部91に挿通させる手順を説明する図である。図6(c)は、ステアリング装置100の回動初期位置への位置決め手順を説明する図であり、図6(d)は、ステアリング装置100を回動させる手順を説明する図である。図6(e)は、ステアリング装置100の左端側を側板9bの開口部92に挿通させる手順を説明する図である。なお、説明の便宜上、図示するように、車体の上下、左右方向を規定する。
図2に示すように、一対の側板9a,9b間の寸法は、ステアリング装置100の全長よりも短い。一対の側板9a,9bの開口部91,92は、ギヤハウジング159及びモータハウジング158並びに第2支持部120を挿通させる大きさを有していない。このため、第2支持部120をピニオンギヤ3a側に近づけるように軸方向左方に移動させてから、ステアリング装置100を任意の方向に傾けて、斜めからステアリング装置100の右端を側板9aの開口部91に挿通させる。
図5に示すように、作業者は、予め、第2支持部120をラックチューブ151の軸方向に移動させて、第2支持部120をピニオンギヤ3a側の逃げ位置(点P2)に配置する。
図6(a)に示すように、ステアリング装置100の右端が左端よりも車体の上方に位置するように、ステアリング装置100を上下方向に傾けて位置決めする。ステアリング装置100を車体の右上方に移動させ(矢印D1参照)、ステアリング装置100の右端部を構成するタイロッド14を開口部91に挿通させる。
図6(b)に示すように、ステアリング装置100を車体の右上方(矢印D2参照)に移動させ、ステアリングラックブーツ40を開口部91に挿通させる。
図6(c)に示すように、ステアリング装置100の左端が側板9bよりも右方に位置するまでステアリング装置100を車体の右上方(矢印D3参照)に移動させる。ラックチューブ151の円筒状部分の外径寸法は、開口部91の開口幅寸法XAに対して十分に小さいため、ラックチューブ151を容易に開口部91に挿通させることができる。開口部91とラックチューブ151との間の隙間が十分に空くように、開口部91の中心軸にラックチューブ151の中心軸Oが位置するようにステアリング装置100の位置決めをする。
図6(d)に示すように、側板9aの開口部91の上下中心を回転中心として、ステアリング装置100の左端を持ち上げ、ステアリング装置100を図示時計回り(矢印D4参照)に回動させる。ラックシャフト5の中心軸Oが左右方向(すなわち、水平方向)に平行となるまで、ステアリング装置100を回動させる。
図6(e)に示すように、ステアリング装置100を左方向(矢印D5参照)に移動させ、ステアリング装置100の左端部を構成するタイロッド14を開口部92に挿通させる。図6(e)において破線の矢印で示すように、第2支持部120を逃げ位置(点P2)からラックチューブ151の軸方向右方へ移動させ、正規位置(点P1)に配置する。ボルト取付部111のボルト取付孔113及びブラケット126のボルト取付孔123を車体フレームの取付座M1〜M3(図2参照)のボルト取付孔の位置に合わせる。ボルト及びナットにより、ボルト取付部111A,111Bと取付座M1,M2を締結し、ブラケット126と取付座M3を締結する。
これにより、ステアリング装置100の車体への取り付けが完了する。なお、図6(a)〜図6(c)では、ステアリング装置100の右端が左端よりも車体の上方に位置するようにステアリング装置100を上下方向に傾けて、車体の右上方にステアリング装置100を移動させる例について説明した。しかしながら、傾ける方向及び傾斜角度は、周囲の構造物に応じて任意に設定できる。たとえば、ステアリング装置100の右端が左端よりも車体の前方あるいは後方に位置するようにステアリング装置100を前後方向に傾けて、車体の右前方あるいは右後方にステアリング装置100を移動させてもよい。
ステアリング装置100の取付作業において、第2支持部120が側板9aに干渉しないように、第2支持部120は十分に第1支持部110側に寄せておく必要がある。本実施形態では、右側の側板9aの左側面から第2支持部120の右端面までの軸方向距離Lbが、タイロッド14の全長Ltよりも長くなるように逃げ位置(点P2)が設定されている。さらに、本実施形態では、ラックチューブ151の右端側のタイロッド14の先端から第2支持部120の右端面までの軸方向距離Lcが、タイロッド14の全長Ltの2倍の長さ以上となる位置が、逃げ位置(点P2)として設定されている。このため、取付作業において第2支持部120が側板9aに干渉することを防止できる。
上記実施形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)ラックチューブ151の一端側には、車体に取り付けられてラックチューブ151の一端側を支持する第1支持部110が設けられている。ラックチューブ151の他端側には、車体に取り付けられてラックチューブ151の他端側を支持する第2支持部120が設けられている。第2支持部120は、車体フレームの取付座M3に取り付けられてラックチューブ151を固定するための正規位置(点P1)からピニオンギヤ3a側の逃げ位置(点P2)まで、ラックチューブ151の軸方向に移動可能である。
逃げ位置(点P2)は、ラックチューブ151の他端側のタイロッド14の先端から逃げ位置(点P2)に配置される第2支持部120までの軸方向距離Lcが、タイロッド14の全長の2倍の長さ以上となる位置である。なお、車体フレームとの位置関係において、逃げ位置(点P2)は、ラックチューブ151の他端側のタイロッド14が挿通される側板9aの内側面から逃げ位置(点P2)に配置される第2支持部120までの軸方向距離Lbが、ラックチューブ151の一端側のタイロッド14が挿通される側板9bの内側面から一端側のタイロッド14の先端までの軸方向距離Laよりも長くなる位置である。
これにより、第2支持部120をラックチューブ151の一端側の逃げ位置(点P2)に配置させておいてからラックチューブ151の他端側を開口部91に挿通させることができる。その後、ラックチューブ151の一端側を開口部92に挿通させ、第2支持部120をラックチューブ151の軸方向に移動させて、正規位置(点P1)に配置させることができる。このように、本実施形態では、ステアリング装置100の両端を挿通させる車体フレームの側板9a,9bの開口91,92の大きさが第2支持部120よりも小さい場合であっても、ステアリング装置100の両端を順番に開口91,92に挿通させ、ステアリング装置100を車体に取り付けることができる。したがって、本実施形態によれば、車体への取付性に優れたステアリング装置100を提供することができる。
(2)タイロッド14の全長Ltは、ステアリング装置100が車体に取り付けられた状態における、当該タイロッド14の先端から当該タイロッド14が挿通される側板9a,9bの内側面までの軸方向距離Laよりも長い(Lt>La)。このため、タイロッド14の全長Ltが軸方向距離Laよりも短い場合に比べて、逃げ位置(点P2)がピニオンギヤ3a側に位置することになるので、ステアリング装置100を車体に取り付ける際の作業性がよい。
(3)第2支持部120は、弾性変形可能な材料により形成されラックチューブ151が挿通される円形開口部125cを有するマウンティングラバー125と、マウンティングラバー125を介してラックチューブ151を車体に取り付けるブラケット126と、を有している。これにより、ラックチューブ151に対する振動や衝撃を弾性変形可能なマウンティングラバー(マウント部材)125により吸収できるので、ステアリング装置(電動パワーステアリング装置)100を安定して支持することができる。
(4)ラックチューブ151における正規位置(点P1)から逃げ位置(点P2)までの範囲における外周面に凹凸などがあると、ラックチューブ151の軸方向に第2支持部120をスムーズに移動させることができない。本実施形態では、ラックチューブ151における正規位置(点P1)から逃げ位置(点P2)までの外径が一様である。これにより、第2支持部120をラックチューブ151の外周面に沿って容易に移動させることができ、ステアリング装置100の車体への取付作業性を向上できる。
(5)正規位置(点P1)及び逃げ位置(点P2)には、印が付されている。このため、ステアリング装置100の車体への取付作業における第2支持部120の位置決め作業を容易に行うことができる。この結果、ステアリング装置100の車体への取付作業性を向上できる。
(6)本実施形態によれば、側板9a,9b間の距離や車体フレームの取付座M3の位置が異なる種々の車両に対し、ステアリング装置100の第2支持部120の移動可能範囲を調整することにより、種々の車両にステアリング装置100を取り付けることができる。
次のような変形例も本発明の範囲内であり、変形例に示す構成と上述の実施形態で説明した構成を組み合わせたり、以下の異なる変形例で説明する構成同士を組み合わせたりすることも可能である。
<変形例1>
マウンティングラバー125の形状は、上記実施形態に限定されることなく、種々のマウント部材を採用することができる。たとえば、鍔つき型のゴムブッシュに代えて、平型のゴムブッシュを採用してもよいし、外周が湾曲した球面型のゴムブッシュを採用してもよい。
<変形例2>
上記実施形態では、正規位置(点P1)から第1支持部110の内側ボルト取付部111Bに亘って、ラックチューブ151の外径が一様である例について説明したが、本発明はこれに限定されない。少なくとも、正規位置(点P1)から逃げ位置(点P2)までの範囲において、外径を一様として、外周面から外方に突出する突出部を設けないようにすることもできる。たとえば、逃げ位置(点P2)の位置合わせをするための位置決め突起をラックチューブ151に設けてもよい。位置決め突起は、ラックチューブ151の円筒外周面から外方に突出するように設けられている。この場合、作業者は、正規位置(点P1)から逃げ位置(点P2)に向かって軸方向に第2支持部120を移動させ、位置決め突起に第2支持部120が接触したところで、第2支持部120の移動を停止する。これにより、第2支持部120を逃げ位置(点P2)に容易に位置決めできる。
<変形例3>
上記実施形態では、正規位置(点P1)及び逃げ位置(点P2)のそれぞれに印を付す例について説明したが、本発明はこれに限定されない。正規位置(点P1)及び逃げ位置(点P2)の双方または一方の印を省略してもよい。
<変形例4>
上記実施形態では、開口部91,92が正方形状である例について説明したが、本発明はこれに限定されない。開口部91,92は、長方形状、円形状、楕円形状、多角形状など、種々の形状に形成されていてもよい。
<変形例5>
上記実施形態では、第1支持部110が外側ボルト取付部111A及び内側ボルト取付部111Bを備え、ステアリング装置100を4点支持する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。外側ボルト取付部111A及び内側ボルト取付部111Bのうちの一方を省略して、ステアリング装置100を3点支持する構成としてもよい。また、第1支持部110は、3つ以上のボルト取付部を備えてもよい。
<変形例6>
上記実施形態では、マウンティングラバー125をブラケット126でラックチューブ151に固定する例について説明したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、ブラケット126に代えてUボルトによりマウンティングラバー125をラックチューブ151に固定してもよい。
<変形例7>
上記実施形態では、マウント部材として、ゴム製のマウンティングラバー125を採用した例について説明したが、本発明はこれに限定されない。弾性変形可能な種々のマウント部材を採用することができる。
<変形例8>
上記実施形態では、一対の側板9a,9bの外側に、タイロッド14におけるボールジョイント50のボール52が配置される例について説明したが、本発明はこれに限定されない。ボール52の中心が側板9a,9bの開口部91,92の左右幅中心に位置するように、ステアリング装置100を配置してもよい。
<変形例9>
上記実施形態では、ボルト、ナットによりステアリング装置100を車体フレームに取り付ける例について説明したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、ボルト、ナットに代えて、クランプなどの別の締結部材によりステアリング装置100を車体フレームに取り付けてもよいし、締結部材に代えて、溶接によりステアリング装置100を車体フレームに取り付けてもよい。なお、締結部材を用いれば、容易に取り付け、取り外しを行うことができるので、メンテナンス性がよい。
<変形例10>
上記実施形態では、ラックチューブ151を円筒形状とする例について説明したが、本発明はこれに限定されない。ラックチューブ151の形状は、ラックシャフト5を収容する空間を有する種々の形状とすることができる。
<変形例11>
正規位置(点P1)から逃げ位置(点P2)までの長さ、すなわち、第2支持部120の移動可能範囲をタイロッド14の全長Ltよりも長くしてもよい。十分な移動可能範囲を設定することにより、取付時に余裕をもって作業を行うことができるので、ステアリング装置100の車体への取付性をより向上できる。
<変形例12>
上記実施形態では、電動モータ10がブラシ付きモータである例について説明したが、本発明はこれに限定されない。電動モータ10は、回転角センサを備えるブラシレスモータとして構成してもよい。
<変形例13>
上記実施形態では、電動パワーステアリング装置を例に説明したが、電動モータ10を備えていないマニュアルステアリング装置にも本発明を適用することができる。
以下、本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
ステアリング装置100は、車輪6を転舵するためのラックシャフト5と、ラックシャフト5の両端部に接続される一対のタイロッド14と、ラックシャフト5を収容するラック収容部としてのラックチューブ151と、ラックチューブ151の一端側に設けられ、ラックシャフト5に回転力を伝達するピニオンギヤ3aと、ラックチューブ151に設けられ、車体に取り付けられてラックチューブ151の一端側を支持する第1支持部110と、ラックチューブ151に設けられ、車体に取り付けられてラックチューブ151の他端側を支持する第2支持部120と、を備え、第2支持部120は、車体に取り付けられてラックチューブ151を固定するための正規位置(点P1)からピニオンギヤ3a側の逃げ位置(点P2)まで、ラックチューブ151の軸方向に移動可能であり、逃げ位置(点P2)は、ラックチューブ151の右端側(他端側)のタイロッド14の先端から第2支持部120までの距離Lcが、タイロッド14の全長Ltの2倍の長さ以上となる位置である。
この構成では、ステアリング装置100を車体に取り付ける際、第2支持部120をピニオンギヤ3a側に移動させ、逃げ位置(点P2)に配置することにより、ラックチューブ151の他端側を開口部91に挿通させることができる。したがって、本実施形態によれば、車体への取付性に優れたステアリング装置100を提供することができる。
ステアリング装置100は、第2支持部120が、弾性変形可能な材料により形成されラックチューブ151が挿通される円形開口部125cを有するマウント部材であるマウンティングラバー125と、マウンティングラバー125を介してラックチューブ151を車体に取り付けるブラケット126と、を有している。
この構成では、振動や衝撃を弾性変形可能なマウンティングラバー125により吸収できるので、ステアリング装置100を安定して支持することができる。
ステアリング装置100は、ラックチューブ151における正規位置(点P1)から逃げ位置(点P2)までの外径が一様である。
この構成では、第2支持部120をラックチューブ151の外周面に沿って容易に移動させることができ、ステアリング装置100の車体への取付作業性を向上できる。
ステアリング装置100は、タイロッド14の全長Ltが、当該タイロッド14の先端から当該タイロッド14が挿通される車体フレームの側板9a,9bまでの距離Laよりも長い。
この構成では、タイロッド14の全長Ltが、当該タイロッド14の先端から当該タイロッド14が挿通される車体フレームの側板9a,9bまでの距離よりも短い場合に比べて、逃げ位置(点P2)がピニオンギヤ3a側に位置することになるので、ステアリング装置100を車体に取り付ける際の作業性がよい。
ステアリング装置100は、車輪6を転舵するためのラックシャフト5と、ラックシャフト5の両端部に接続される一対のタイロッド14と、ラックシャフト5を収容するラック収容部としてのラックチューブ151と、ラックチューブ151の一端側に設けられ、ラックシャフト5に回転力を伝達するピニオンギヤ3aと、ラックチューブ151に設けられ、車体に取り付けられてラックチューブ151の一端側を支持する第1支持部110と、ラックチューブ151に設けられ、車体に取り付けられてラックチューブ151の他端側を支持する第2支持部120と、を備え、第2支持部120は、車体に取り付けられてラックチューブ151を固定するための正規位置(点P1)からピニオンギヤ3a側の逃げ位置(点P2)まで、ラックチューブ151の軸方向に移動可能であり、逃げ位置(点P2)は、ラックチューブ151の右端側(他端側)のタイロッド14が挿通される車体フレームの側板9aから第2支持部120までの距離Lbが、ラックチューブ151の左端側(一端側)のタイロッド14が挿通される車体フレームの側板9bから一端側のタイロッド14の先端までの距離Laよりも長くなる位置である。
この構成では、ステアリング装置100を車体に取り付ける際、第2支持部120をピニオンギヤ3a側に移動させ、逃げ位置(点P2)に配置することにより、ラックチューブ151の他端側を開口部91に挿通させることができる。したがって、本実施形態によれば、車体への取付性に優れたステアリング装置100を提供することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
3a・・・ピニオンギヤ、5・・・ラックシャフト、6・・・車輪、14・・・タイロッド、100・・・ステアリング装置(電動パワーステアリング装置)、110・・・第1支持部、120・・・第2支持部、125・・・マウンティングラバー(マウント部材)、126・・・ブラケット、151・・・ラックチューブ(ラック収容部)、P1・・・正規位置、P2・・・逃げ位置

Claims (5)

  1. 車輪を転舵するためのラックシャフトと、
    前記ラックシャフトの両端部に接続される一対のタイロッドと、
    前記ラックシャフトを収容するラック収容部と、
    前記ラック収容部の一端側に設けられ、前記ラックシャフトに回転力を伝達するピニオンギヤと、
    前記ラック収容部に設けられ、車体に取り付けられて前記ラック収容部の一端側を支持する第1支持部と、
    前記ラック収容部に設けられ、車体に取り付けられて前記ラック収容部の他端側を支持する第2支持部と、を備え、
    前記ラック収容部の一端側のタイロッドの全長は、前記一端側のタイロッドが挿通される車体フレームの側板から前記一端側のタイロッドの先端までの距離よりも長く、
    前記ラック収容部の他端側のタイロッドの全長は、前記他端側のタイロッドが挿通される車体フレームの側板から前記他端側のタイロッドの先端までの距離よりも長く、
    前記第2支持部は、車体に取り付けられて前記ラック収容部を固定するための正規位置から前記ピニオンギヤ側の逃げ位置まで、前記ラック収容部の軸方向に移動可能であり、
    前記逃げ位置は、前記ラック収容部の他端側の前記タイロッドの先端から前記第2支持部までの距離が、前記一端側のタイロッドの全長と前記他端側のタイロッドの全長とを足し合わせた長さ以上となる位置である
    ことを特徴とするステアリング装置。
  2. 請求項1に記載のステアリング装置において、
    前記第2支持部は、弾性変形可能な材料により形成され前記ラック収容部が挿通される開口部を有するマウント部材と、前記マウント部材を介して前記ラック収容部を車体に取り付けるブラケットと、を有している
    ことを特徴とするステアリング装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のステアリング装置において、
    前記ラック収容部における前記正規位置から前記逃げ位置までの外径が一様である
    ことを特徴とするステアリング装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のステアリング装置において、
    前記タイロッドの全長は、当該タイロッドの先端から当該タイロッドが挿通される車体フレームの側板までの距離よりも長い
    ことを特徴とするステアリング装置。
  5. 車輪を転舵するためのラックシャフトと、
    前記ラックシャフトの両端部に接続される一対のタイロッドと、
    前記ラックシャフトを収容するラック収容部と、
    前記ラック収容部の一端側に設けられ、前記ラックシャフトに回転力を伝達するピニオンギヤと、
    前記ラック収容部に設けられ、車体に取り付けられて前記ラック収容部の一端側を支持する第1支持部と、
    前記ラック収容部に設けられ、車体に取り付けられて前記ラック収容部の他端側を支持する第2支持部と、を備え、
    前記第2支持部は、車体に取り付けられて前記ラック収容部を固定するための正規位置から前記ピニオンギヤ側の逃げ位置まで、前記ラック収容部の軸方向に移動可能であり、
    前記逃げ位置は、前記ラック収容部の他端側のタイロッドが挿通される車体フレームの側板から前記第2支持部までの距離が、前記ラック収容部の一端側のタイロッドが挿通される車体フレームの側板から前記一端側のタイロッドの先端までの距離よりも長くなる位置である
    ことを特徴とするステアリング装置。
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