(第1の実施の形態)
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態について説明する。
まず、図1および図2を参照して、本発明の実施の形態によるエレベータシステムが適用されるエレベータ装置について説明する。
図1に示すように、エレベータ装置1は、昇降路2内を昇降可能な乗りかご3と、乗りかご3の昇降等を制御する制御装置4と、を備えている。制御装置4によって制御されることで、乗りかご3は、エレベータ装置1が設置された建物の複数の階床にそれぞれ設けられた乗場5間を昇降するようになっている。
各乗場5には乗場ドア6が設けられ、乗りかご3にはかごドア7が設けられている。乗場ドア6は、かごドア7に連動して開閉するように構成されている。そして、乗りかご3が乗場5に着床すると、制御装置4に制御されてかごドア7が戸開する。このとき乗場ドア6がかごドア7に連動して開くことでエレベータの出入口8が開き、エレベータの乗客が乗りかご3を乗り降り可能となっている。一方、乗客の乗降が終了すると、制御装置4に制御されてかごドア7が戸閉する。このとき乗場ドア6がかごドア7に連動して閉じることでエレベータの出入口8が閉じるようになっている。
各乗場5には、かご呼び登録を行うために乗客が操作可能なかご呼びボタンが設けられている。また、乗りかご3内には、乗りかご3の行き先階登録を行うために乗客が操作可能な行き先階操作ボタンが設けられている。そして、制御装置4は、上述したかご呼び登録および行き先階登録に応じて乗りかご3の昇降を制御して、乗りかご3を、かご呼びが行われた乗場5あるいは登録された行き先階に着床させるようになっている。
次に、上記かごドア7の戸開時間を制御するエレベータシステム10について説明する。
図示された例では、エレベータシステム10は、乗りかご3に設置された荷重センサ11と、制御装置4に設けられた戸開時間決定部12および戸開閉制御部13と、を含む。
荷重センサ11は、乗りかご3の底部に設置されて当該乗りかご3の積載荷重量を測定する。荷重センサ11は、積載荷重量が変動する度に、変動後の積載荷重量を制御装置4に送信する。
戸開時間決定部12は、乗りかご3が乗場5に着床した際のかごドア7の戸開時間を決定する。具体的には、戸開時間決定部12は、乗りかご3が乗場5に着床すると、予め設定された基準戸開時間を戸開時間として決定する。さらに、図示された例では、戸開時間決定部12は、かごドア7が戸開して一定時間経過後であって上記基準戸開時間が経過する前に、荷重センサ11により取得される積載荷重量が変動するか否かの判定を行う。具体的には、上記一定時間が経過してから所定時間内に荷重センサ11から新たな積載荷重量の入力があったか否かの判定を行う。そして、積載荷重量が変動する場合(新たな積載荷重量の入力があった場合)、戸開時間を上記基準戸開時間から延長する。これは、積載荷重量が変動するということは、乗客の乗降が終了していないことを意味するからである。なお、かごドア7が戸開して一定時間経過したか否かの判定は、後述する戸開閉制御部13のタイマ15を参照することにより行う。
図示された例では、戸開時間決定部12は、上記積載荷重量が変動するか否かの判定が行われた際の乗りかご3の積載荷重量に基づいて、戸開時間の延長時間を決定する。具体的には、積載荷重量が大きいほど、延長時間を長くする。これは、一般に積載荷重量が大きいということは乗りかご3内の乗客数が多いことを意味し、また、一般に乗りかご3内の乗客数が多いほど乗降に時間が掛かるからである。延長時間の決定は、例えば、積載荷重量と延長時間との対応関係を規定したテーブルを参照することにより行う。
もちろん、戸開時間決定部12は、積載荷重量に係わらず予め定められた延長時間だけ戸開時間を延長してもよい。
戸開時間決定部12は、さらに、基準戸開時間と上記決定された延長時間とを加算して、新たな戸開時間を算出する。
戸開閉制御部13は、戸開時間決定部12により決定された戸開時間を記憶する記憶部14と、時間を計測するタイマ15とを有する。戸開閉制御部13は、乗りかご3が乗場5に着床すると、かごドア7を制御して、記憶部14に記憶された戸開時間だけかごドア7を戸開状態に維持する。そして、タイマ15で計測された時間が記憶部14に記憶された戸開時間に達すると、かごドア7を制御して戸閉させる。なお、記憶部14に記憶された戸開時間は、戸開時間決定部12が戸開時間を延長すると、延長された新たな戸開時間に書き替えられる。
以下、図2を参照してエレベータシステム10の動作について説明する。図2は、エレベータシステム10の動作手順を示すフローチャートである。
かご呼びまたは行き先階登録がなされた階床に乗りかご3が着床すると、戸開時間決定部12は、基準戸開時間(例えば5秒)を戸開時間として戸開閉制御部13の記憶部14に入力する。また、戸開閉制御部13は、かごドア7を制御して戸開させる。このとき、かごドア7に連動して、乗場ドア6も戸開する(S1)。
かごドア7が戸開すると同時に、タイマ15は時間の計測を開始し、また、荷重センサ11は、乗りかご3の積載荷重量の計測を開始する(S2)。荷重センサ11は、かごドア7の戸開中、計測された積載荷重量が変動する度に、変動後の積載荷重量を戸開時間決定部12に送信する。
タイマ15が一定時間(例えば3秒)を計測すると(S3)、戸開時間決定部12は、乗りかご3の積載荷重量が変動しているか否かの判定を行う(S4)。具体的には、上記一定時間が経過してから所定時間内(例えば1秒以内)に、荷重センサ11から新たな積載荷重量の入力があったか否かの判定を行う。
積載荷重量が変動していない場合(すなわち荷重センサ11から新たな積載荷重量の入力がなかった場合)(ステップS4の「NO」)、戸開閉制御部13の記憶部14に記憶された戸開時間は書き替えられない。そして、タイマ15の計測時間が基準戸開時間に達すると(S5)、戸開閉制御部13は、かごドア7を制御して戸閉させる(S6)。このとき、かごドア7に連動して、乗場ドア6も戸閉する。また、タイマ15は時間の計測を終了する。
一方、積載荷重量が変動している場合(すなわち荷重センサ11から新たな積載荷重量の入力があった場合)(ステップS4の「YES」)、戸開時間決定部12は、当該新たな積載荷重量に基づいて戸開時間の延長時間(例えば3秒)を決定する(S7)。そして、戸開時間決定部12は、上記基準戸開時間に上記決定された延長時間を加算することで新たな戸開時間(例えば8秒)を算出し(S8)、新たな戸開時間を戸開閉制御部13の記憶部14に入力する(S9)。これにより、記憶部14に記録された戸開時間は、新たな戸開時間に書き替えられる。
戸開閉制御部13の記憶部14に記録された戸開時間が新たな戸開時間に書き替えられると、タイマ15は、計測時間が新たな戸開時間に達するまで時間の計測を続ける。そして、タイマ15が新たな戸開時間に応じた時間を計測すると(例えば、計測時間が新たな戸開時間に達する2秒前になると)(S10)、戸開時間決定部12は、ステップS4に戻って、乗りかご3の積載荷重量が変動しているか否かの判定を行う。
このように、第1の実施の形態によれば、エレベータの乗りかご3に設けられたかごドア7の戸開時間を制御するエレベータシステム10は、乗りかご3の積載荷重量を取得する荷重センサ11と、戸開時間を決定する戸開時間決定部12と、戸開時間決定部12により決定された戸開時間に基づいてかごドア7の開閉を制御する戸開閉制御部13と、を備えている。そして、戸開時間決定部12は、かごドア7が戸開して一定時間経過後に荷重センサ11により取得される積載荷重量が変動する場合、戸開時間を所定の基準戸開時間から延長する。
このようなエレベータシステム10によれば、保守員によることなく、乗客の状況(乗客の乗降が終了しているか否か)に応じて、戸開時間を変更することができる。すなわち、積載荷重量が変動するということは乗客の乗降が終了していないことを意味する。このため、積載荷重量が変動している場合に戸開時間を延長することで、乗客の乗降が終了するまで戸開時間を延長することができる。これにより、乗降中にドア6,7が閉じて乗客が当該ドア6,7に挟まれてしまう、という虞を低減させることができる。また、基準戸開時間を長く設定しなくても必要な場合に戸開時間が延長されるので、エレベータの運転効率が損なわれる虞も低い。
具体的には、戸開時間決定部12は、荷重センサ11により取得される積載荷重量に基づいて、戸開時間の延長時間を決定する。ここで、一般に、積載荷重量が大きいということは乗りかご3内の乗客数が多いことを意味する。また、一般に、乗りかご3内の乗客数が多いほど乗降に時間が掛かる傾向にある。したがって、積載荷重量に応じて延長時間を決定することで、戸開時間を乗りかご3内の乗客数に応じた長さだけ延長することができる。
(第2の実施の形態)
次に、図3及び図4を参照し、第2の実施の形態におけるエレベータシステムについて説明する。
図3及び図4に示す第2の実施の形態においては、図1及び図2に示す第1の実施の形態と比較して、乗りかごに荷重センサが設けられておらず、カメラが設けられている点が異なる。また、制御部が画像処理部を有する点が異なる。その他の構成は、第1の実施の形態と略同一である。図3及び図4に示す第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図3に示すエレベータシステム20は、乗りかご3内に設置されたカメラ26と、カメラ26により撮影された画像を処理する画像処理部27と、戸開時間決定部22と、戸開閉制御部13と、を有する。
カメラ26は、乗りかご3内を撮影し、撮影された画像を画像処理部27に送信する。
画像処理部27は、図3に示す例では制御装置4に設けられている。画像処理部27は、カメラ26により撮影された画像を処理して乗りかご3内を移動する乗客の有無を示す。さらに、図示された例では、画像処理部27は、カメラ26により撮影された画像を処理して乗りかご3内を移動する乗客の移動速度を測定する。
戸開時間決定部22は、乗りかご3が乗場5に着床した際のかごドア7の戸開時間を決定する。具体的には、戸開時間決定部22は、乗りかご3が乗場5に着床すると、予め設定された基準戸開時間を戸開時間として決定する。さらに、図示された例では、戸開時間決定部22は、かごドア7が戸開して一定時間経過後であって上記基準戸開時間が経過する前に、画像処理部27が乗りかご3内を移動する乗客がいることを示した場合、戸開時間を所定の基準戸開時間から延長する。これは、乗りかご3内を移動する乗客がいるということは乗客の乗降が終了していない、と考えられるからである。なお、かごドア7が戸開して一定時間経過したか否かの判定は、戸開閉制御部13のタイマ15を参照することにより行う。
図示された例では、戸開時間決定部22は、画像処理部27により測定された乗客の移動速度に基づいて、戸開時間の延長時間を決定する。具体的には、測定された乗客の移動速度が遅いほど、延長時間を長くする。これは、乗客の移動速度が遅いほど、乗降に時間が掛かると考えられるからである。延長時間の決定は、例えば、乗客の移動速度と延長時間との対応関係を規定したテーブルを参照することにより行う。
もちろん、戸開時間決定部22は、乗客の移動速度に係わらず予め定められた延長時間だけ戸開時間を延長してもよい。この場合、画像処理部27は、乗りかご3内を移動する乗客の移動速度を測定しなくてもよい。
戸開時間決定部22は、さらに、基準戸開時間と上記決定された延長時間とを加算して、新たな戸開時間を算出する。
以下、図4を参照してエレベータシステム20の動作について説明する。図4は、エレベータシステム20の動作手順を示すフローチャートである。
かご呼びまたは行き先階登録がなされた階床に乗りかご3が着床すると、戸開時間決定部22は、基準戸開時間(例えば5秒)を戸開時間として戸開閉制御部13の記憶部14に入力する。また、戸開閉制御部13は、かごドア7を制御して戸開させる。このとき、かごドア7に連動して、乗場ドア6も戸開する(S11)。
かごドア7が戸開すると同時に、タイマ15は時間の計測を開始する。また、カメラ26は、乗りかご3内の撮影を開始し、戸開中、撮影された一連の画像を順次、画像処理部27に送信する。画像処理部27は、カメラ26から取得された一連の画像を処理して乗りかご3内の乗客の移動速度を測定する(S12)。
タイマ15が一定時間(例えば3秒)を計測すると(S13)、戸開時間決定部22は、乗りかご3内を移動する乗客がいるか否かの判定を行う(S14)。具体的には、上記一定時間が経過してから所定時間内(例えば1秒以内)に、画像処理部27で測定された乗客の移動速度が0であったか否か、の判定を行う。
乗りかご3内を移動する乗客がいない場合(すなわち乗客の移動速度が0である場合)(ステップS14の「NO」)、戸開閉制御部13の記憶部14に記憶された戸開時間は書き替えられない。そして、タイマ15の計測時間が基準戸開時間に達すると(S15)、戸開閉制御部13は、かごドア7を制御して戸閉させる(S16)。このとき、かごドア7に連動して、乗場ドア6も戸閉する。また、タイマ15は時間の計測を終了する。
一方、乗りかご3内を移動する乗客がいる場合(すなわち乗客の移動速度が0でない場合)(ステップS14の「YES」)、戸開時間決定部22は、画像処理部27で測定された乗客の移動速度に基づいて戸開時間の延長時間(例えば3秒)を決定する(S17)。そして、戸開時間決定部22は、上記基準戸開時間に上記決定された延長時間を加算することで新たな戸開時間(例えば8秒)を算出し(S18)、新たな戸開時間を戸開閉制御部13の記憶部14に入力する(S19)。これにより、記憶部14に記録された戸開時間は、新たな戸開時間に書き替えられる。
戸開閉制御部13の記憶部14に記録された戸開時間が新たな戸開時間に書き替えられると、タイマ15は、計測時間が新たな戸開時間に達するまで時間の計測を続ける。そして、タイマ15が新たな戸開時間に応じた時間を計測すると(例えば、計測時間が新たな戸開時間に達する2秒前になると)(S20)、戸開時間決定部22は、ステップS14に戻って、乗りかご3内を移動する乗客がいるか否かの判定を行う。
このように、第2の実施の形態によれば、エレベータの乗りかご3に設けられたかごドア7の戸開時間を制御するエレベータシステム20は、乗りかご3内を撮影するカメラ26と、カメラ26により撮影された画像を処理して乗りかご3内を移動する乗客の有無を示す画像処理部27と、かごドア7の戸開時間を決定する戸開時間決定部22と、戸開時間決定部22により決定された戸開時間に基づいてかごドア7の開閉を制御する戸開閉制御部13と、を備えている。戸開時間決定部22は、かごドア7が戸開して一定時間経過後に画像処理部27により乗りかご3内を移動する乗客がいることが示された場合、戸開時間を所定の基準戸開時間から延長する。
このようなエレベータシステム20によれば、保守員によることなく、乗客の状況(乗客の乗降が終了しているか否か)に応じて、戸開時間を変更することができる。すなわち、乗りかご3内を移動する乗客がいるということは、乗客の乗降が終了していないことを意味すると考えられる。このため、乗りかご3内を移動する乗客がいる場合に戸開時間を延長することで、乗客の乗降が終了するまで戸開時間を延長することができる。これにより、乗降中にドア6,7が閉じて乗客が当該ドア6,7に挟まれてしまう虞を低減させることができる。また、基準戸開時間を長く設定しなくても必要な場合に戸開時間が延長されるので、エレベータの運転効率が損なわれる虞も低い。
具体的には、画像処理部27は、カメラ26により撮影された画像を処理して乗りかご3内を移動する乗客の移動速度を測定する。そして、戸開時間決定部22は、画像処理部27により測定された乗客の移動速度に基づいて、戸開時間の延長時間を決定する。ここで、一般に乗りかご3内の乗客の移動速度が遅いほど乗降に時間が掛かると考えられる。したがって、乗りかご3内の乗客の移動速度に応じて延長時間を決定することで、戸開時間を乗りかご3の乗降に必要な時間だけ延長することができる。
なお、上述した第2の実施の形態において、画像処理部27は、乗りかご3内を移動する乗客のうち、乗りかご3の出入口に向かって移動する乗客あるいは乗りかご3の出入口から乗りかご3内に向かって移動する乗客の有無を示してもよい。これらの乗客は乗りかご3から降車する乗客あるいは乗りかご3に乗車する乗客(すなわち乗りかご3を乗降する乗客)であると考えられる。このため、このような乗客の有無を示すことにより、乗りかご3の乗降が終了したか否かをより正確に示すことができる。この場合、画像処理部27は、乗りかご3の出入口に向かって移動する乗客あるいは乗りかご3の出入口から乗りかご3内に向かって移動する乗客(すなわち乗りかご3を乗降する乗客)の移動速度を測定してよい。
(第3の実施の形態)
次に、図5及び図6を参照し、第3の実施の形態におけるエレベータシステムについて説明する。
図5及び図6に示す第3の実施の形態においては、図1及び図2に示す第1の実施の形態と比較して、乗りかごに図3に示すカメラが設けられている点が異なる。また、制御部が画像処理部を有する点が異なる。また、制御部が図3に示す画像処理部を有する点が異なる。その他の構成は、第1の実施の形態と略同一である。図5及び図6に示す第3の実施の形態において、第1の実施の形態および図3及び図4に示す第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図5に示すエレベータシステム30は、乗りかご3の底部に設置された荷重センサ11と、乗りかご3内に設置されたカメラ26と、カメラ26により撮影された画像を処理する画像処理部27と、戸開時間決定部32と、戸開閉制御部13と、を有する。
戸開時間決定部32は、乗りかご3が乗場5に着床した際のかごドア7の戸開時間を決定する。具体的には、戸開時間決定部32は、乗りかご3が乗場5に着床すると、予め設定された基準戸開時間を戸開時間として決定する。さらに、図示された例では、戸開時間決定部32は、かごドア7が戸開して一定時間経過後であって上記基準戸開時間が経過する前に、荷重センサ11により取得される積載荷重量が変動するか否かの判定を行う。具体的には、上記一定時間が経過してから所定時間内に荷重センサ11から新たな積載荷重量の入力があったか否かの判定を行う。そして、積載荷重量が変動する場合(新たな積載荷重量の入力があった場合)、戸開時間を上記基準戸開時間から延長する。なお、かごドア7が戸開して一定時間経過したか否かの判定は、戸開閉制御部13のタイマ15を参照することにより行う。
図示された例では、戸開時間決定部32は、荷重センサ11により取得される積載荷重量および画像処理部27から取得される乗りかご3内を移動する乗客の移動速度に基づいて、戸開時間の延長時間を決定する。具体的には、積載荷重量が大きいほど延長時間を長くし、また、乗客の移動速度が遅いほど延長時間を長くする。より具体的には、例えば、積載荷重量と延長時間との対応関係を規定したテーブルと、乗客の移動速度と延長時間との対応関係を規定したテーブルとを用意する。そして、荷重センサ11により取得される積載荷重量に対応する延長時間に所定の重みを掛けた値と、画像処理部27により測定される乗客の移動速度に対応する延長時間に所定の重みを掛けた値とを加算することにより、新たな戸開時間の算出に用いられるべき延長時間を決定する。
もちろん、戸開時間決定部32は、他の方法により延長時間を決定してもよい。例えば、積載荷重量と延長時間との対応関係を規定したテーブルと、乗客の移動速度と延長時間との対応関係を規定したテーブルとを用意する。そして、荷重センサ11により取得される積載荷重量に対応する延長時間と、画像処理部27により測定される乗客の移動速度に対応する延長時間とを比較して、より長い延長時間を、新たな戸開時間の算出に用いられるべき延長時間として決定してもよい。
戸開時間決定部32は、さらに、基準戸開時間と決定された延長時間とを加算して、新たな戸開時間を算出する。
以下、図6を参照してエレベータシステム30の動作について説明する。図6は、エレベータシステム30の動作手順を示すフローチャートである。
かご呼びまたは行き先階登録がなされた階床に乗りかご3が着床すると、戸開時間決定部32は、基準戸開時間(例えば5秒)を戸開時間として戸開閉制御部13の記憶部14に入力する。また、戸開閉制御部13は、かごドア7を制御して戸開させる。このとき、かごドア7に連動して、乗場ドア6も戸開する(S21)。
かごドア7が戸開すると同時に、タイマ15は時間の計測を開始する。また、荷重センサ11は、かごドア7の戸開中、計測された積載荷重量が変動する度に、変動後の積載荷重量を戸開時間決定部32に送信する。さらに、カメラ26は、乗りかご3内の撮影を開始し、戸開中、撮影された一連の画像を順次、画像処理部27に送信する。画像処理部27は、カメラ26から取得された一連の画像を処理して乗りかご3内の乗客の移動速度を測定する(S22)。
タイマ15が一定時間(例えば3秒)を計測すると(S23)、戸開時間決定部32は、乗りかご3の積載荷重量が変動しているか否かの判定を行う(S24)。具体的には、上記一定時間が経過してから所定時間内(例えば1秒以内)に、荷重センサ11から新たな積載荷重量の入力があったか否かの判定を行う。
積載荷重量が変動していない場合(すなわち荷重センサ11から新たな積載荷重量の入力がなかった場合)(ステップS24の「NO」)、戸開閉制御部13の記憶部14に記憶された戸開時間は書き替えられない。そして、タイマ15の計測時間が基準戸開時間に達すると(S25)、戸開閉制御部13は、かごドア7を制御して戸閉させる(S26)。このとき、かごドア7に連動して、乗場ドア6も戸閉する。また、タイマ15は時間の計測を終了する。
一方、積載荷重量が変動している場合(すなわち荷重センサ11から新たな積載荷重量の入力があった場合)(ステップS24の「YES」)、戸開時間決定部32は、当該新たな積載荷重量および画像処理部27で測定された乗客の移動速度に基づいて戸開時間の延長時間(例えば3秒)を決定する(S27)。そして、戸開時間決定部32は、上記基準戸開時間に上記決定された延長時間を加算することで新たな戸開時間(例えば8秒)を算出し(S28)、新たな戸開時間を戸開閉制御部13の記憶部14に入力する(S29)。これにより、記憶部14に記録された戸開時間は、新たな戸開時間に書き替えられる。
戸開閉制御部13の記憶部14に記録された戸開時間が新たな戸開時間に書き替えられると、タイマ15は、計測時間が新たな戸開時間に達するまで時間の計測を続ける。そして、タイマ15が新たな戸開時間に応じた時間を計測すると(例えば、計測時間が新たな戸開時間に達する2秒前になると)(S30)、戸開時間決定部32は、ステップS24に戻って、乗りかご3の積載荷重が変動しているか否かの判定を行う。
このように、第3の実施の形態によれば、エレベータの乗りかご3に設けられたかごドア7の戸開時間を制御するエレベータシステム30は、乗りかご3の積載荷重量を取得する荷重センサ11と、乗りかご3内を撮影するカメラ26と、カメラ26により撮影された画像を処理して乗りかご3内を移動する乗客の移動速度を測定する画像処理部27と、戸開時間を決定する戸開時間決定部32と、戸開時間決定部32により決定された戸開時間に基づいてかごドア7の開閉を制御する戸開閉制御部13と、を備えている。戸開時間決定部32は、かごドア7が戸開して一定時間経過後に荷重センサ11により取得される積載荷重量が変動する場合、戸開時間を所定の基準戸開時間から延長する。このとき、戸開時間決定部32は、荷重センサ11により取得される積載荷重量および戸開して一定時間経過後に画像処理部27により測定される乗客の移動速度の少なくとも一方に基づいて、戸開時間の延長時間を決定する。
このようなエレベータシステム30によっても、保守員によることなく、乗客の状況(乗客の乗降が終了しているか否か)に応じて、戸開時間を変更することができる。また、基準戸開時間を長く設定しなくても必要な場合に戸開時間が延長されるので、エレベータの運転効率が損なわれる虞も低い。
なお、上述した第3の実施の形態では、図6のステップS24において、戸開時間決定部32は、荷重センサ11により取得される積載荷重量が変動するか否かの判定を行う。このような判定を行うことにより、乗客の乗降が終了したか否かを判定することができる。しかしながら、これに限られず、図6のステップS24において、戸開時間決定部32は、画像処理部27によって乗りかご3内を移動する乗客がいることが示されているか否かの判定を行ってもよい。このような判定を行うことによっても、乗客の乗降が終了したか否かを判定することができる。
(第4の実施の形態)
次に、図7及び図8を参照し、第4の実施の形態におけるエレベータシステムについて説明する。
図7及び図8に示す第4の実施の形態においては、図1及び図2に示す第1の実施の形態と比較して、乗りかごに荷重センサが設けられておらず、光電管センサが設けられている点が異なる。その他の構成は、第1の実施の形態と略同一である。図7及び図8に示す第4の実施の形態において、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図7に示すエレベータシステム40は、乗りかご3の出入口に設置された光電管センサ48と、戸開時間決定部42と、戸開閉制御部13と、を有する。
光電管センサ48は、乗りかご3の床面付近に設けられている。光電管センサ48は、乗りかご3の一方の側面に設置された送光器と、乗りかご3の他方の側面に送光器に対向して設置された受光器とを含む。そして、送光器から受光器に向けて出力される光の遮断により、乗りかご3の出入口を通過するものの存在を検知する。光電管センサ48は、送光器から受光器に向けて出力される光が遮断されると、光が遮断されている間中、戸開時間決定部42に信号を送信し続ける。
戸開時間決定部42は、乗りかご3が乗場5に着床した際のかごドア7の戸開時間を決定する。具体的には、戸開時間決定部42は、乗りかご3が乗場5に着床すると、予め設定された基準戸開時間を戸開時間として決定する。さらに、図示された例では、かごドア7が戸開して一定時間経過後であって上記基準戸開時間が経過する前に光電管センサ48から信号を受信した場合、戸開時間を所定の基準戸開時間から延長する。これは、光電管センサ48から信号を受信したということは、乗客の乗降が終了していないことを意味するからである。なお、かごドア7が戸開して一定時間経過したか否かの判定は、戸開閉制御部13のタイマ15を参照することにより行う。
図示された例では、戸開時間決定部42は、かごドア7が戸開して一定時間が経過してから所定時間内における光電管センサ48の信号の送出回数に基づいて、戸開時間の延長時間を決定する。具体的には、送出回数が高いほど延長時間を長くする。これは、送出回数が高いほど乗降する乗客の数が多く、乗降に時間が掛かると考えられるからである。延長時間の決定は、例えば、信号の送出回数と延長時間との対応関係を規定したテーブルを参照することにより行う。
もちろん、戸開時間決定部42は、光電管センサ48の信号の送出回数に係わらず予め定められた延長時間だけ戸開時間を延長してもよい。
戸開時間決定部42は、さらに、基準戸開時間と決定された延長時間とを加算して、新たな戸開時間を算出する。
以下、図8を参照してエレベータシステム40の動作について説明する。図8は、エレベータシステム40の動作手順を示すフローチャートである。
かご呼びまたは行き先階登録がなされた階床に乗りかご3が着床すると、戸開時間決定部42は、基準戸開時間(例えば5秒)を戸開時間として戸開閉制御部13の記憶部14に入力する。また、戸開閉制御部13は、かごドア7を制御して戸開させる。このとき、かごドア7に連動して、乗場ドア6も戸開する(S31)。
かごドア7が戸開すると同時に、タイマ15は時間の計測を開始する。また、光電管センサ48は、戸開中、送光器から受光器に向けて出力される光が遮断される度に、信号を戸開時間決定部42に送信する(S32)。
タイマ15が一定時間(例えば3秒)を計測すると(S33)、戸開時間決定部42は、上記一定時間が経過してから所定時間内(例えば1秒以内)における光電管センサ48からの信号送出回数が1以上であるか否かの判定を行う(S34)。
信号送出回数が0である場合(ステップS34の「NO」)、戸開閉制御部13の記憶部14に記憶された戸開時間は書き替えられない。そして、タイマ15の計測時間が基準戸開時間に達すると(S35)、戸開閉制御部13は、かごドア7を制御して戸閉させる(S36)。このとき、かごドア7に連動して、乗場ドア6も戸閉する。また、タイマ15は時間の計測を終了する。
一方、信号送出回数が1以上である場合(ステップS34の「YES」)、戸開時間決定部42は、上記一定時間が経過してから所定時間内(例えば1秒以内)における光電管センサ48からの信号送出回数に基づいて戸開時間の延長時間(例えば3秒)を決定する(S37)。そして、戸開時間決定部42は、上記基準戸開時間に上記決定された延長時間を加算することで新たな戸開時間(例えば8秒)を算出し(S38)、新たな戸開時間を戸開閉制御部13の記憶部14に入力する(S39)。これにより、記憶部14に記録された戸開時間は、新たな戸開時間に書き替えられる。
戸開閉制御部13の記憶部14に記録された戸開時間が新たな戸開時間に書き替えられると、タイマ15は、計測時間が新たな戸開時間に達するまで時間の計測を続ける。そして、タイマ15の計測時間が新たな戸開時間に応じた時間に達すると(例えば、計測時間が新たな戸開時間に達する2秒前になると)(S40)、戸開時間決定部42は、ステップS34に戻って、光電管センサ48からの信号送出回数が1以上であるか否かの判定を行う。
このように、第4の実施の形態によれば、エレベータの乗りかご3に設けられたかごドア7の戸開時間を制御するエレベータシステム40は、乗りかご3の出入口を通過するものを検知して信号を送出する光電管センサ48と、戸開時間を決定する戸開時間決定部42と、戸開時間決定部42により決定された戸開時間に基づいてかごドア7の開閉を制御する戸開閉制御部13と、を備えている。そして、戸開時間決定部42は、かごドア7が戸開して一定時間経過後に光電管センサ48が信号を送出した場合、戸開時間を所定の基準戸開時間から延長する。
このようなエレベータシステム40によれば、保守員によることなく、乗客の状況(乗客の乗降が終了しているか否か)に応じて、戸開時間を変更することができる。すなわち、光電管センサ48が信号を送出するということは、乗客の乗降が終了していないことを意味する。このため、光電管センサ48が信号を送出する場合に戸開時間を延長することで、乗客の乗降が終了するまで戸開時間を延長することができる。これにより、乗降中にドア6,7が閉じて乗客が当該ドア6,7に挟まれてしまう虞を低減させることができる。また、基準戸開時間を長く設定しなくても必要な場合に戸開時間が延長されるので、エレベータの運転効率が損なわれる虞も低い。
具体的には、戸開時間決定部42は、かごドア7が戸開して上記一定時間が経過してから所定時間内における光電管センサ48の信号の送出回数に基づいて、戸開時間の延長時間を決定する。この場合、例えば送出回数が多いほど延長時間を長くすることで、乗降する乗客の数に合わせて戸開時間を延長することができる。
(第5の実施の形態)
次に、図9及び図10を参照し、第5の実施の形態におけるエレベータシステムについて説明する。
図9及び図10に示す第5の実施の形態においては、図1及び図2に示す第1の実施の形態と比較して、乗りかごに図7に示す光電管センサが設けられている点が異なる。その他の構成は、第1の実施の形態と略同一である。図9及び図10に示す第5の実施の形態において、第1の実施の形態および図7及び図8に示す第4の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図9に示すエレベータシステム50は、乗りかご3の底部に設置された荷重センサ11と、乗りかご3の出入口に設置された光電管センサ48と、乗客数推定部59と、戸開時間決定部52と、戸開閉制御部13と、を有する。
乗客数推定部59は、荷重センサ11により取得される積載荷重量および光電管センサ48からの信号の送出回数に基づいて、乗りかご3内の乗客数を推定する。具体的には、荷重センサ11により取得される積載荷重量の変動量と光電管センサ48から送信された信号とを対応付けることにより、乗りかご3から降車した乗客の数と乗りかご3に乗車した乗客の数を推定し、乗りかご3内の乗客の数を推定する。例えば、光電管センサ48から信号が送信された際の上記積載荷重の変動量が正の値であった場合、上記信号は乗りかご3に乗車する乗客を検出した信号であると推定する。また、光電管センサ48から信号が送信された際の上記積載荷重の変動量が負の値であった場合、上記信号は乗りかご3から降車する乗客を検出した信号であると推定する。
戸開時間決定部52は、乗りかご3が乗場5に着床した際のかごドア7の戸開時間を決定する。具体的には、戸開時間決定部52は、乗りかご3が乗場5に着床すると、予め設定された基準戸開時間を戸開時間として決定する。さらに、図示された例では、戸開時間決定部52は、かごドア7が戸開して一定時間経過後であって上記基準戸開時間が経過する前に、荷重センサ11により取得される積載荷重量が変動するか否かの判定を行う。具体的には、上記一定時間が経過してから所定時間内に荷重センサ11から新たな積載荷重量の入力があったか否かの判定を行う。そして、積載荷重量が変動する場合(新たな積載荷重量の入力があった場合)、戸開時間を上記基準戸開時間から延長する。これは、積載荷重量が変動するということは、乗客の乗降が終了していないことを意味するからである。なお、かごドア7が戸開して一定時間経過したか否かの判定は、戸開閉制御部13のタイマ15を参照することにより行う。
図示された例では、戸開時間決定部52は、かごドア7が戸開して一定時間経過後に乗客数推定部59で推定された乗りかご3内の乗客の数に応じて延長時間を決定する。具体的には、推定された乗りかご3内の乗客数が多いほど、延長時間を長くする。延長時間の決定は、例えば、乗りかご3内の乗客数と延長時間との対応関係を規定したテーブルを参照することにより行う。
戸開時間決定部52は、さらに、基準戸開時間と決定された延長時間とを加算して、新たな戸開時間を算出する。
以下、図10を参照してエレベータシステム50の動作について説明する。図10は、エレベータシステム50の動作手順を示すフローチャートである。
かご呼びまたは行き先階登録がなされた階床に乗りかご3が着床すると、戸開時間決定部52は、基準戸開時間(例えば5秒)を戸開時間として戸開閉制御部13の記憶部14に入力する。また、戸開閉制御部13は、かごドア7を制御して戸開させる。このとき、かごドア7に連動して、乗場ドア6も戸開する(S41)。
かごドア7が戸開すると同時に、タイマ15は時間の計測を開始する。また、荷重センサ11は、かごドア7の戸開中、計測された積載荷重量が変動する度に、変動後の積載荷重量を戸開時間決定部52に送信する。さらに、光電管センサ48は、戸開中、送光器から受光器に向けて出力される光が遮断される度に、信号を戸開時間決定部52に送信する(S42)。
タイマ15が一定時間(例えば3秒)を計測すると(S43)、戸開時間決定部52は、乗りかご3の積載荷重量が変動しているか否かの判定を行う(S44)。具体的には、タイマ15が上記一定時間(例えば3秒)を計測してから所定時間内(1秒以内)に、荷重センサ11から新たな積載荷重量の入力があったか否かの判定を行う。
積載荷重量が変動していない場合(すなわち荷重センサ11から新たな積載荷重量の入力がなかった場合)(ステップS44の「NO」)、戸開閉制御部13の記憶部14に記憶された戸開時間は書き替えられない。そして、タイマ15の計測時間が基準戸開時間に達すると(S45)、戸開閉制御部13は、かごドア7を制御して戸閉させる(S46)。このとき、かごドア7に連動して、乗場ドア6も戸閉する。また、タイマ15は時間の計測を終了する。
一方、積載荷重量が変動している場合(すなわち荷重センサ11から新たな積載荷重量の入力があった場合))(ステップS44の「YES」)、戸開時間決定部52は、タイマ15が上記一定時間を計測した際に乗客数推定部59によって推定された乗りかご3内の乗客数に基づいて戸開時間の延長時間(例えば3秒)を決定する(S47)。そして、戸開時間決定部52は、上記基準戸開時間に上記決定された延長時間を加算することで新たな戸開時間(例えば8秒)を算出し(S48)、新たな戸開時間を戸開閉制御部13の記憶部14に入力する(S49)。これにより、記憶部14に記録された戸開時間は、新たな戸開時間に書き替えられる。
戸開閉制御部13の記憶部14に記録された戸開時間が新たな戸開時間に書き替えられると、タイマ15は、計測時間が新たな戸開時間に達するまで時間の計測を続ける。そして、タイマ15が新たな戸開時間に応じた時間を計測すると(例えば、計測時間が新たな戸開時間に達する2秒前になると)(S50)、戸開時間決定部52は、ステップS44に戻って、乗りかご3の積載荷重量が変動しているか否かの判定を行う。
このように、第5の実施の形態によれば、エレベータの乗りかご3に設けられたかごドア7の戸開時間を制御するエレベータシステム50は、乗りかご3の積載荷重量を取得する荷重センサ11と、乗りかご3の出入口を通過するものを検知して信号を送出する光電管センサ48と、光電管センサ48から送出される信号と当該信号の送出時に荷重センサ11により取得される積載荷重量の変動量とに基づいて、乗りかご3内の乗客数を推定する乗客数推定部59と、戸開時間を決定する戸開時間決定部52と、戸開時間決定部52により決定された戸開時間に基づいてかごドア7の開閉を制御する戸開閉制御部13と、を備えている。そして、戸開時間決定部52は、かごドア7が戸開して一定時間経過後に荷重センサ11により取得される積載荷重量が変動する場合、戸開時間を所定の基準戸開時間から延長する。このとき、戸開時間決定部52は、かごドア7が戸開して一定時間経過後に乗客数推定部59により推定される乗りかご3内の乗客数に基づいて、戸開時間の延長時間を決定する。
このようなエレベータシステム50によっても、保守員によることなく、乗客の状況(乗客の乗降が終了しているか否か)に応じて、戸開時間を変更することができる。また、基準戸開時間を長く設定しなくても必要な場合に乗りかご3の乗客数に応じた時間だけ戸開時間が延長されるので、エレベータの運転効率が損なわれる虞も低い。
なお、上述した第5の実施の形態では、図10のステップS47において、乗客数推定部59で推定される乗りかご3内の乗客数に基づいて戸開時間の延長時間を決定するが、これに限られない。図10のステップS47において、戸開時間決定部52は、かごドア7が戸開して一定時間が経過してから所定時間内における光電管センサ48の信号の送出回数に基づいて、戸開時間の延長時間を決定してもよい。この場合、制御装置4や、乗客数推定部59を有していなくてよい。
上述した実施の形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、当然のことながら、本発明の要旨の範囲内で、上述した実施の形態やその変形を、部分的に適宜組み合わせることも可能である。