JP6887480B1 - 高純度の未変性コラーゲン及びその製造方法 - Google Patents

高純度の未変性コラーゲン及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高純度の未変性コラーゲン及びその製造方法を提供する。【解決手段】酸及び非ペプシン(non−pepsin protease)によってニワトリ胸骨を加水分解して粗ろ過した後、前記ろ液を遠心し再溶解させずに、直接加塩処理及び精密ろ過処理を行って、短いプロセス時間内で高純度の未変性コラーゲンが得られ、高純度の未変性コラーゲンの総コラーゲン含有量が60%以上であり、且つ少なくとも50%の未変性II型コラーゲンを含む。【選択図】図1

Description

本発明は、コラーゲン及びその製造方法に関し、特に、高未変性II型コラーゲン含有量を有する高純度の未変性コラーゲン及びその製造方法に関する。
II型コラーゲンは、軟骨の主要な構造成分であり、他の型のコラーゲン及びプロテオグリカンと共に軟骨内に共存して、組織を支持し、衝撃力を吸収する効果を有する。II型コラーゲンは、良好な生体適合性を有するため、食品、医療、化粧品の分野によく使用されている。
近来、研究によると、未変性II型コラーゲン(Undenatured type II collagen)が関節リウマチに顕著な効果を有することが指摘される。数多くの未変性II型コラーゲンの製品が市販されているが、異なるpH溶液への溶解度が悪く、非変性II型コラーゲンの含有量が低く、製品における総コラーゲン含有量も低い。
また、よく見られるプロセスにおいて、加熱又は化学的処理(例えば、酵素処理)により、未変性II型コラーゲンが分解して不活性されることはよくある。なお、よく見られるプロセスで使用される酵素又は他の試薬が一般的に非食品用のものであるので、製造されたコラーゲン製品は、適用分野が制限され、プロセス時間も長い。特に、コラーゲンの精製によく使用されるペプシンは、由来が複雑で不明確であるため、現在、中国において食品用酵素にリストされていない。
従って、上記様々な問題を改善するために、高純度の未変性コラーゲン及びその製造方法の提案が望まれている。
本発明の一態様は、高総コラーゲン含有量(純度に相当する)及び高未変性II型コラーゲン含有量(活性に相当する)のコラーゲンを生成可能な高純度の未変性コラーゲンの製造方法を提供することにある。
本発明の別の態様は、前記製造方法で製造される高純度の未変性コラーゲンを提供することにある。
本発明の上記態様によれば、高純度の未変性コラーゲンの製造方法を提出する。いくつかの実施例において、まず、ニワトリ胸骨を提供する。次に、ニワトリ胸骨に対して酸加水分解を行って、酸加水分解物を形成する。前記酸処理は、0℃〜7℃で少なくとも30日間行われる。その後、非ペプシンプロテアーゼを酸加水分解物に加えて酵素加水分解を行って、酵素加水分解物を形成する。前記非ペプシンプロテアーゼとニワトリ胸骨との重量比は1:60〜1:100である。その後、前記酵素加水分解物に対して粗ろ過処理を行って、ろ液を形成する。その後、前記ろ液に対して加塩処理を行って、塩液を形成する。前記加塩処理後、異なる孔径のセラミック膜を使用し、直接塩液に対して精密ろ過処理を行って、前記高純度の未変性コラーゲンを得る。コラーゲンは、少なくとも50%の未変性II型コラーゲンを含む。
本発明のある実施例によれば、コラーゲンを得た後、コラーゲンに対して低温乾燥処理を行ってよい。
本発明のある実施例によれば、前記酸加水分解の工程は、pH1.5〜2の酢酸によって行われる。
本発明のある実施例によれば、前記酵素加水分解は、12℃〜36℃で8〜72時間行われる。
本発明のある実施例によれば、前記加塩処理の塩濃度は、0.7M〜1.1Mである。
本発明のある実施例によれば、前記精密ろ過処理は、塩液を少なくとも300リットルの希釈液に希釈する工程と、毎分30リットル〜50リットルの流速で、前記塩液を複数のセラミック膜を通過させて、分子量1〜300kDの不純物を除去する工程と、を含む。
本発明のある実施例によれば、前記精密ろ過処理は、上記希釈工程、及び上記複数のセラミック膜を通過する工程の複数の循環を4〜8日間行う工程を含む。
本発明のある実施例によれば、前記製造方法は、前記精密ろ過処理前に遠心処理及び再溶解処理を行うことを除外する。
本発明の上記態様によれば、高純度の未変性コラーゲンを提出する。いくつかの実施例において、前記高純度の未変性コラーゲンは、上記製造方法で製造される。前記高純度の未変性コラーゲンの総コラーゲン含有量は、少なくとも60%であり、且つ少なくとも50%の高純度の未変性コラーゲンは未変性II型コラーゲンである。
本発明のある実施例によれば、前記高純度の未変性コラーゲンにおける灰分は、1.5%未満である。
下記添付図面についての説明は、本発明の上記及び他の目的、特徴、メリットと実施例をより分かりやすくするためのものである。
本発明のある実施例による高純度の未変性コラーゲンの製造方法を示すフロー模式図である。
本発明の目的は、高純度の未変性コラーゲン及びその製造方法を提供し、特に、酸及び非ペプシンプロテアーゼ(non−pepsin protease)によってニワトリ胸骨を加水分解して粗ろ過した後で、ろ液を遠心し沈殿物を再溶解せずに、直接加塩処理及び精密ろ過処理を行って、短いプロセス時間内で高純度の未変性コラーゲンを得る高純度の未変性食品用のコラーゲンの製造方法を提供することにある。
本発明のここで言われる食品用のコラーゲンは、食品用の試薬で製造される。前記食品用の仕様は、中華民国保健福祉部の食品医薬品局の「食品添加物ライセンス」を取得するために作成されたものである。
以下、本発明のある実施例による高純度の未変性コラーゲンの製造方法を示すフロー模式図100である図1を参照されたい。
図1に示すように、方法100の工程110において、まず、ニワトリ胸骨を提供する。一実施例において、少なくとも20kgのニワトリ胸骨を提供する。好ましい一実施例において、ニワトリ胸骨の使用量は、20kg〜40kgである。一般的に、ニワトリ胸骨におけるII型コラーゲン含有量が高くて、ニワトリ胸骨の総タンパク質の45重量%〜70重量%であるため、ニワトリ胸骨は、未変性II型コラーゲンの生成に適用される。
いくつかの実施例において、工程110に記載の前記ニワトリ胸骨については、既に肉の除去、細断、洗浄が行われる。いくつかの例において、前記洗浄処理は、例えば、エチレンジアミン四酢酸(Ethylenediaminetetraacetic acid;EDTA)によって行われてよい。
次に、工程120に示すように、ニワトリ胸骨に対して酸加水分解を行って、酸加水分解物を形成する。前記酸加水分解は、0℃〜7℃で少なくとも30日間を行ってよい。いくつかの実施例において、前記酸加水分解は、pH1.5〜2の酢酸によって行われる。酸加水分解の時間が不足であると、後の酵素加水分解の効率が不良になる。なお、酸加水分解の時間が長いため、温度が高すぎると、ニワトリ胸骨が変性して、未変性II型コラーゲンの含有量が減少する。
その後、工程130に示すように、非ペプシンプロテアーゼを酸加水分解物に加えて酵素加水分解を行って、酵素加水分解物を形成する。一例において、前記酵素加水分解は、pH1.9〜6で行われる。一実施例において、酵素加水分解は、12℃〜36℃で8〜72時間行われる。上記pH、温度又は時間範囲を超えると、酵素加水分解の効果はよくない。一実施例において、酸加水分解物のpH値を酵素加水分解工程の適切範囲に入らせるために、工程120と工程130との間に更にpH値を調整する工程を備えてよい。いくつかの実施例において、非ペプシンプロテアーゼとニワトリ胸骨との重量比は1:60〜1:100である。具体的に、本発明に使用される非ペプシンプロテアーゼは、食品用の酵素であり、プロテアーゼM(protease M)、パパイヤ酵素、パイナップル酵素、他の適切な酵素、又はそれらの組合せを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施例において、本発明は、ペプシンによる酵素加水分解を除外する。一具体例において、酵素加水分解は、酢酸溶液において行われる。
その後、工程140に示すように、上記酵素加水分解物に対して粗ろ過処理を行って、ろ液を形成する。前記粗ろ過処理としては、例えば、異なる孔径のメッシュスクリーンを使って、酵素加水分解物に残る挽いた鶏骨等の固体不純物を濾過して除去し、後のプロセス工程を行うようにろ液を保留する。別の実施例において、例えば、60メッシュ(mesh)、300メッシュ、500メッシュ等の異なる孔径のメッシュスクリーンによって粗ろ過処理を行ってよい。本発明は、ここでメッシュスクリーンの孔径や数を特に限定しなく、酵素加水分解物の状況に応じて調整してよい。
次に、工程150に示すように、ろ液に対して加塩処理を行って、塩液を形成する。いくつかの実施例において、前記加塩処理は、0.7M〜1.1Mの塩濃度で行われる。いくつかの実施例において、加塩処理としては、例えば、塩化ナトリウムを上記上澄み液に加えて、塩化ナトリウムが完全に溶解するまでかき混ぜてよい。
具体的に、塩液には、等電点の平衡により凝集又は沈殿したコラーゲンの粗生成物及び塩液が含まれる。本発明は、遠心処理によって凝集又は沈殿したコラーゲンの粗生成物と塩液を分離させることを除外して、直接この塩液に対して後の精密ろ過処理(工程160に示すように)を行うことで、コラーゲンの損失を減らして、総コラーゲンと未変性II型コラーゲンとの含有量を向上させる。一例において、ニワトリ胸骨の処理量が少なくとも20kgであるため、加塩処理によって作られた塩液の量もかなりのものである(例えば、総重量が140kgを超える)。この塩液に対して遠心処理を行うと、遠心装置のサイズに制限があり、遠心後に沈殿物を再溶解する必要があるため、時間がかなりかかる。
その後、工程160に示すように、上記工程150の加塩処理後、直接塩液に対して精密ろ過処理を行うことで、本発明の高純度の未変性コラーゲンを得る。いくつかの実施例において、前記精密ろ過処理は、塩液を少なくとも300リットルの希釈液に希釈する工程と、毎分30リットル〜50リットルの流速で、希釈液を複数のセラミック膜を通過させて、分子量1〜300kDの不純物(例えば、塩類、灰分)を除去する工程と、を含む。いくつかの実施例において、精密ろ過処理は、塩液を300リットル〜500リットルの希釈液に希釈することである。いくつかの実施例において、前記精密ろ過処理は、循環して(即ち、前記セラミック膜を繰り返して通過する)4日間〜8日間行う。前記循環して行う精密ろ過処理は、上記希釈工程と、セラミック膜を通過して不純物を含む水を除外する工程と、の2つの工程の複数の循環を含んで、不純物除去率を向上させる。
いくつかの実施例において、前記複数のセラミック膜の各々は、管状セラミック膜であってよく、その材質がアルミナ、ジルコニア及び/又はチタニアを含む。一具体的な例において、管状セラミック膜は、例えば、120センチメートルの長さを有してよく、断面積が例えば、10mm〜25mmであってよい。いくつかの例において、複数の(例えば、3つの)管状セラミック膜は、直列に設けられ、希釈液を順番に通過させる。本発明は、精密ろ過処理の時間、設備(例えば、セラミック膜の仕様や配置)、精密ろ過処理の流速等を調整することで、コラーゲンの高純度及び高未変性II型コラーゲン含有量を保留する。
いくつかの実施例において、本発明の製造方法は、高純度の未変性コラーゲンを形成した後、高純度の未変性コラーゲンに対して低温乾燥処理を行う工程を含む。低温乾燥処理後の高純度の未変性コラーゲンは、保存に便利であり且つ保存時間を長くするように、スポンジ又はフレーク状になる。ここで言われた低温乾燥処理は、例えば、40℃未満の乾燥処理であってよく、且つ乾燥又は凍結乾燥を含むが、それらに限定されない。
本発明の高純度の未変性コラーゲンの総コラーゲン含有量(コラーゲン純度に相当する)は、60%以上であり、且つ少なくとも50%の高純度の未変性コラーゲンが未変性II型コラーゲン(活性成分に相当する)である。いくつかの実施例において、高純度の未変性コラーゲンにおける灰分は、1.5%未満である。いくつかの例において、未変性II型コラーゲンは、総コラーゲン含有量の70重量%以上を占める。
以下、複数の実施例と比較例を提供して、本発明の高純度の未変性コラーゲンの製造方法を説明する。
実施例1
まず、脱肉して細断されたニワトリ胸骨20kgをEDTAで3回洗浄した。次に、0℃〜7℃で、洗浄後のニワトリ胸骨をpH2の酢酸に30日間浸漬し、酸加水分解物を形成した。その後、酢酸によって酸加水分解物のpH値をpH2±0.1に調整し、プロテアーゼM(40000U/g、天野エンザイム株式会社製):ニワトリ胸骨の重量比が1:80となるように、プロテアーゼMを酸加水分解物に加え、33℃〜36℃で8時間反応させ、酵素加水分解物を形成した。その後、酵素加水分解物を粗ろ過してろ液を得た。次に、前記ろ液に塩化ナトリウムを加えて均一に撹拌し、塩化ナトリウムの最終濃度0.9Mの塩液を形成した。大量の脱イオン水で塩液を300〜350リットルに希釈した後、毎分30リットルの流速で3つの管状セラミック膜(INSIDE CeRAM(商標)製)を連続的に通過させ、各管状セラミック膜の断面積が25mmであり長さが1200mmであり、これらの管状セラミック膜がそれぞれ8つの(水力直径6mm)、23個の(水力直径3.5mm)及び39個のチャネル(水力直径2.5mm)を有し、1〜300kDaの分子を濾過して除去することができた。上記希釈及びセラミック膜を通過する工程を4日間繰り返して、実施例1の高純度の未変性コラーゲンを製造した。更に実施例1の高純度の未変性コラーゲンを凍結乾燥してよかった。実施例1の評価結果を表1と表3に示した。
実施例2
まず、脱肉して細断されたニワトリ胸骨20kgをEDTAで3回洗浄した。次に、0℃〜7℃で、洗浄後のニワトリ胸骨をpH2の酢酸に30日間浸漬し、酸加水分解物を形成した。その後、酢酸によって酸加水分解物のpH値をpH2±0.1に調整し、プロテアーゼM(40000U/g、天野エンザイム株式会社製):ニワトリ胸骨の重量比が1:60となるように、プロテアーゼM(40000U/g、天野エンザイム株式会社製)を酸加水分解物に加えて、12℃〜15℃で72時間反応させ、酵素加水分解物を形成した。その後、酵素加水分解物を粗ろ過してろ液を得た。次に、前記ろ液に塩化ナトリウムを加えて均一に撹拌し、塩化ナトリウムの最終濃度0.9Mの塩液を形成した。大量の脱イオン水で塩液を300〜350リットルに希釈した後、毎分50リットルの流速で3つの管状セラミック膜(INSIDE CeRAM(商標)製)を連続的に通過させ、各管状セラミック膜の断面積が25mmであり長さが1200mmであり、これらの管状セラミック膜がそれぞれ8つの(水力直径6mm)、23個の(水力直径3.5mm)及び39個のチャネル(水力直径2.5mm)を有し、1〜300kDaの分子を濾過して除去することができた。上記希釈及びセラミック膜を通過する工程を6日間繰り返して、実施例2の高純度の未変性コラーゲンを製造した。更に実施例2の高純度の未変性コラーゲンを凍結乾燥してよかった。実施例2の評価結果を表1〜表3に示した。
比較例1
まず、脱肉して細断されたニワトリ胸骨20kgをEDTAで3回洗浄した。次に、0℃〜7℃で、洗浄後のニワトリ胸骨をpH2の酢酸に30日間浸漬し、酸加水分解物を形成した。その後、酢酸によって酸加水分解物のpH値をpH2±0.1に調整し、ペプシン(pepsin、2000−3500U/mg、Avantor PerformanceMaterials,Inc製):ニワトリ胸骨の重量比が1:80となるように、ペプシンを酸加水分解物に加えて、12℃〜15℃で72時間反応させ、酵素加水分解物を形成した。その後、酵素加水分解物を粗ろ過してろ液を得た。次に、前記上澄み液に塩化ナトリウムを加えて均一に撹拌し、塩化ナトリウムの最終濃度0.9Mの塩液を形成した。この塩液を35000×gで遠心して沈殿物を得た。約40リットルの脱イオン水で上記沈殿物を再溶解した。上記遠心再溶解は、6日間かかった。その後、脱イオン水で塩液を100〜150リットルに希釈した後、精密ろ過を6日間行って、比較例1のコラーゲンを製造した。比較例1の評価結果を、表1〜表3に示した。
比較例2
比較例2には、市販の未変性II型コラーゲン(UCII、米国InterHealth Nutraceuticals会社製)を使用して以下の評価を行った。比較例2の評価結果を表1及び表2に示した。
比較例3
比較例3には、市販の未変性II型コラーゲン(b−2Cool(登録商標)、欧州BIOIBERICA会社製)を使用して以下の評価を行った。比較例3の評価結果を表1 に示した。
評価方式
1.総コラーゲン含有量
本発明のここで言われた総コラーゲン含有量は、コラーゲンにおけるヒドロキシプロリン(Hydroxyproline;Hyp)含有量を使用して検出されたものであった。Hyp含有量が高いほど総コラーゲン含有量は高くなり、即ちコラーゲンの純度が高くなることを示した。本発明の好ましい総コラーゲン含有量は、サンプル総量の60%以上であった。
2.未変性II型コラーゲン含有量
本発明のここで言われた未変性II型コラーゲン含有量は、市販のII型コラーゲン検出キット(Chondrex製)によって検出され、この含有量が調製されたコラーゲンの有効成分含有量に相当してよかった。本発明の好ましい未変性II型コラーゲン含有量は、サンプルの総量の50%以上であった。
3.溶解度
本発明のここで言われた溶解度とは、低温乾燥後の実施例及び比較例のコラーゲンを水、強酸溶液(模擬胃液、pH値1〜2)又は強アルカリ溶液(pH値9〜10)に再溶解する場合、結晶又は析出物が生成するか、又は完全に溶解するかということであった。本発明のここで言われた高溶解度とは、コラーゲンが完全に上記溶液に溶解することであり、中程度の溶解度とは、上記溶液に微量の不溶物のみが存在することであり、低溶解度とは、コラーゲン溶解後に沈殿物が存在することであった。ここで言われた溶解度は、純度に関係し、純度が高いほど、コラーゲンに含まれる不溶性不純物が少なくなり、溶解度が高くなった。
4.タンパク質純度及び含有量
本発明のここのタンパク質純度とは、タンパク質電気泳動ゲルによって検出する場合、電気泳動ゲルのバンドが単一であると、タンパク質タイプの種類が単一であり、純度が高いことを示し、且つバンドが濃いと、タンパク質の含有量が高いことを示した。
5.灰分
本発明のここで言われた灰分は、製造されたコラーゲンに含まれる不純物と見なされてよかった。一般的に、灰分の含有量が少ないほどよくなり、且つ本発明において、灰分の含有量が1.5重量%未満であることが好ましかった。
6.時間経過
本発明のここで言われた時間経過とは、精密ろ過処理が行われる時間であった。比較例1において、この精密ろ過処理は、遠心、再溶解と精密ろ過の時間の合計であった。
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本発明で開示される製造方法は、食品用の製品仕様を生成するための試薬(酵素及び反応溶液等)を使用し、プロセスフローを改善することで、処理時間を短縮し、高純度の未変性コラーゲンを生成する。表1に示すように、実施例1及び2の食品用のコラーゲンは、高純度コラーゲン及び高含量の非変性II型コラーゲンを含む。また、実施例2の高純度の未変性コラーゲンは、バンドが単一であり、バンドが濃く、Hyp含有量が高く、低い灰分含量を有し、強酸溶液、強アルカリ溶液及び水への良好な溶解性を有する。
一方、ペプシンによって酵素加水分解を行い、遠心再溶解後に精密ろ過を行った比較例1は、時間がかなりかかり、時間コストが大幅に増加した。また、ペプシンが食品用酵素ではないため、比較例1のコラーゲンは、食品用のコラーゲンとして使用できず、その用途が限られている。
市販の製品を使用する比較例2及び3は、総コラーゲン含有量(純度)及び未変性II型コラーゲン(活性)が不足という欠点を有する結果、比較例2及び3 のコラーゲンの溶解度は良くない。
本発明を適用する高純度非変性コラーゲン及びその製造方法は、特定の酵素を選択し、遠心再溶解を省略した後、短いプロセス時間内で高純度及び高未変性II型コラーゲン含有量のコラーゲンを製造することができる。且つ、この高純度の非変性コラーゲンは、食品用であってよく、様々な溶液環境で良好な溶解性を有する。上記のメリットに基づいて、本発明による高純度の未変性コラーゲンは、様々な食品、医療、及び美容分野に好適に用いられる。
本発明は、複数の実施例によって上記の通り開示したが、これは本発明を限定するものではない。当業者は、本発明の精神と範囲から逸脱しない限り、各種の変更や修正を加えることができる。従って、本発明の保護範囲は、添付する特許請求の範囲に限定されるものを基準とする。
100:方法
110:ニワトリ胸骨を提供する工程
120:ニワトリ胸骨に対して酸加水分解を行って、酸加水分解物を形成する工程
130:非ペプシンプロテアーゼを酸加水分解物に加えて酵素加水分解を行って、酵素加水分解物を形成する工程
140:酵素加水分解物に対して粗ろ過処理を行って、ろ液を形成する工程
150:ろ液に対して加塩処理を行って、塩液を形成する工程
160:加塩処理後、直接塩液に対して精密ろ過処理を行って、高純度の未変性コラーゲンを得る工程

Claims (8)

  1. ニワトリ胸骨を提供する工程と、 0℃〜7℃で前記ニワトリ胸骨を少なくとも30日間酸加水分解して、酸加水分解物を形成する工程と、 非ペプシンプロテアーゼを前記酸加水分解物に加えて酵素加水分解を行って、酵素加水分解物を形成し、前記非ペプシンプロテアーゼと前記ニワトリ胸骨との重量比は1:60〜1:100である工程と、 前記酵素加水分解物に対して粗ろ過処理を行って、ろ液を形成する工程と、 前記ろ液に対して加塩処理を行って、塩液を形成する工程と、 前記加塩処理の後、直接前記塩液に対して精密ろ過処理を行って、コラーゲンを得る工程と、 を備え、 前記コラーゲンは、少なくとも50%の未変性II型コラーゲンを含む高純度の未変性コラーゲンの製造方法。
  2. 前記コラーゲンを得た後、前記コラーゲンに対して低温乾燥処理を行う工程を更に含む請求項1に記載の高純度の未変性コラーゲンの製造方法。
  3. 前記酸加水分解の工程は、pH1.5〜2の酢酸によって行われる請求項1に記載の高純度の未変性コラーゲンの製造方法。
  4. 前記酵素加水分解は、12℃〜36℃で8〜72時間行われる請求項1に記載の高純度の未変性コラーゲンの製造方法。
  5. 前記加塩処理の塩濃度は、0.7M〜1.1Mである請求項1に記載の高純度の未変性コラーゲンの製造方法。
  6. 前記精密ろ過処理は、 前記塩液を少なくとも300リットルの希釈液に希釈する工程と、 毎分30リットル〜50リットルの流速で、前記希釈液を複数のセラミック膜を通過させ、分子量1〜300kDの不純物を除去する工程と、 を含む請求項1に記載の高純度の未変性コラーゲンの製造方法。
  7. 前記精密ろ過処理は、前記希釈工程、及び前記セラミック膜を通過する工程の複数の循環を4〜8日間行う工程を含む請求項6に記載の高純度の未変性コラーゲンの製造方法。
  8. 前記製造方法は、前記精密ろ過処理の前に遠心処理及び再溶解処理を行うことを除外する請求項1に記載の高純度の未変性コラーゲンの製造方法。
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