JP6885062B2 - 緊張材の配設方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリート構造物に埋設されたシースに緊張材を配設するための緊張材の配設方法に関する
従来より、液化天然ガス(LNG)や液化石油ガス(LPG)等を貯蔵する貯液槽として一般に広く採用されているPCタンクは、プレストレストコンクリート造よりなる円筒状のPC防液堤を備えている。このPC防液堤には、鉛直方向に延在する緊張材が一定の間隔をもって複数配設されるとともに、円周方向に延在する緊張材が間隔を有して層状に複数配設されている。
なかでも、ポストテンション方式にて緊張力を付与する緊張材をPC防液堤の鉛直方向に配設する方法として、例えば、PC防液堤を構築する際にU字状のシースを鉛直状に埋設しておき、PC防液堤の天端を作業スペースとしてシースに緊張材を挿入する方法が知られている。
具体的には、シースにワイヤーを挿通させておき、シースの一方の端部から露出するワイヤーの一端に、PC防液堤の天端に配備した配設予定の緊張材の先端を緊結するとともに、シースの他方の端部から露出するワイヤーの他端をクレーンに接続しておく。そして、人力にて緊張材をシースの一方の端部へ案内しつつ、クレーンにてワイヤーを牽引し、シースの一方の端部から他方の端部に向けて緊張材を引き込むことにより、緊張材をシースに配設する。
しかし、上記の方法では、クレーンにてワイヤーを牽引することのできる揚程に制約があることから、緊張材を配設するまでにクレーンに対するワイヤーの架け替え作業を幾度も繰り返す必要があり、作業効率に劣り工期が長期化しやすい。また、人力により緊張材をシースに対して逸走を防止しつつ案内する作業は煩雑であるとともに、作業スペースや安全性の確保等、労務、資材、工事費等のあらゆる点で不利となりやすい。
このような中、特許文献1では、PC鋼線の巻出機、PC鋼線の送り機構を備えたPC鋼線挿入機およびPC鋼線の巻取機を用いたPC鋼線の配設方法が開示されている。コンクリート構造物の天端におけるシースの一方の端口近傍に、巻出機とPC鋼線挿入機を設置し、シースの他方の端口近傍に巻取機を設置する。そして、シースの一方の端口側では、PC鋼線挿入機の送り機構を用いて巻出機から逸走を防ぎつつPC鋼線を巻出すとともにシースに送り出し、シースの他方の端口側では、巻取機によりPC鋼線に牽引力を作用させて、PC鋼線をシースに配設している。
特開2011−89368号公報
しかし、上記の方法は、シースの一方の端口側にPC鋼線挿入機と巻出機を備える大掛かりな設備であることから、狭隘なコンクリート構造物の天端において設備の設置場所の確保が困難になりやすく、十分な作業エリアを確保できない場合が生じる。
また、シースに緊張材を配設するにあたり、PC鋼線挿入機の送り機構と巻取機の2つの動力を用いることからコストが増大となりやすいだけでなく、送り機構を用いてターンテーブルからPC鋼線を巻出す作業は、施工性に劣る。
本発明は、かかる課題に鑑みなされたものであって、その主な目的は、簡略な設備で効率よく緊張材をコンクリート構造物に埋設されたシースに配設することの可能な、緊張材の配設方法を提供することである。
かかる目的を達成するため、本発明の緊張材の挿入方法は、コンクリート構造物に埋設されたシースの緊張材引込口の近傍および緊張材引出口の近傍の各々に、緊張材の先端部を固定した緊張材挿入ガイド装置および前記緊張材に牽引力を作用させる牽引装置を配置し、前記緊張材の先端部に、前記シース内をあらかじめ貫通させた牽引ワイヤーの一端を接続させるとともに、前記緊張材挿入ガイド装置における前記緊張材の固定を解除し、前記緊張材の延在方向を、前記緊張材挿入ガイド装置を介して転換しつつ、前記牽引ワイヤーを介して前記牽引装置の牽引力により、前記緊張材を前記緊張材引込口に引き込み、前記シースに配設することを特徴とする緊張材の配設方法であって、前記シースがU字状をなすとともに、前記緊張材引込口および前記緊張材引出口が前記コンクリート構造物の天端に設置され、前記緊張材挿入ガイド装置が、前記シースの緊張材引込口の近傍に吊時状態で配置され、前記緊張材の延在方向が、前記緊張材挿入ガイド装置を介して上方向から鉛直下方向に転換されることを特徴とする。
本発明の緊張材の配設方法によれば、緊張材を固定できるとともに、緊張材の延在方向を転換できる緊張材挿入ガイド装置を用いる。これにより、配設予定の緊張材を施工現場のいずれの位置に配備した場合にも、緊張材挿入ガイド装置を移動させるのみで、緊張材を巻き出しその先端部をシースの緊張材引込口に配置することが可能となる。
また、配設予定の緊張材をシースの緊張材引込口近傍に配備する必要がないことにより作業領域を広く確保でき、シースへの緊張材の配設に係る施工性および作業性を、大幅に向上することが可能となる。
本発明の緊張材の配設方法によれば、緊張材挿入ガイド装置を、コンクリート構造物の天端に設置することなく吊持状態で配置するため、U字状シースの緊張材引込口近傍において、緊張材の配設作業に係る作業スペースをより広く確保することが可能となる。
さらに、緊張材挿入ガイド装置が、緊張材の延在方向を上方向から鉛直下方向に転換して定滑車のごとく機能することから、緊張材に過大な牽引力を作用させることなく、緊張材に対して牽引装置による牽引力を作用させるのみで、緊張材をU字状シース内に引き込むことができる。
これにより、コンクリート構造物がLNGタンク等の高さを有する大規模構造物であっても、クレーンのような大掛かりな装置を用いる必要がなく、簡略な設備で効率よく配設作業を実施することが可能となる。
緊張材挿入ガイド装置に緊張材を固定する固定具および接触した緊張材の延在方向を転換する方向転換具を備える。これにより、シースに配設予定の緊張材を現場のいずれの位置に配置しても、緊張材を固定した状態の緊張材挿入ガイド装置を移動させるのみで、緊張材の先端部をシースの緊張材引込口近傍に配置することができる。これにより、緊張材挿入ガイド装置と、緊張材を牽引する牽引装置による簡略な装備で、効率よく緊張材をシースに配設することが可能となる。
また、緊張材挿入ガイド装置により緊張材が挿入方向と逆方向に移動するような緊張材の逸走を防止できるため、緊張材引込口近傍に緊張材を案内するための装備や人力を不要にできるとともに、緊張材の配設に係る作業の安全性を高めることが可能となる。
本発明によれば、緊張材を固定可能かつ緊張材の延在方向を転換可能な緊張材挿入ガイド装置と、緊張材を牽引する牽引装置を備えた簡略な装備で、効率よく緊張材をシースに配設することが可能となる。
本発明の緊張材配設装置の概略を平面視で示す図である。 本発明のPC防液堤の高さ方向に配設される緊張材を示す図である。 本発明の緊張材ターンテーブルおよび緊張材挿入ガイド装置を示す図である。 本発明の緊張材挿入ガイド装置の詳細を示す図である。 本発明の牽引装置の概略を示す図である。 本発明の牽引装置の詳細を示す図である。 本発明の緊張材の配設方法を示す図である(その1)。 本発明の緊張材の配設方法を示す図である(その2)。 本発明の緊張材の配設方法を示す図である(その3)。 本発明の緊張材の配設方法を示す図である(その4)。
本発明の緊張材配設装置および緊張材の配設方法は、緊張材にポストテンション方式で緊張力を付与することにより圧縮力を作用させる予定のコンクリート構造物に対して、緊張材を配設する際に用いる装置および方法である。本発明は、いずれのプレストレストコンクリート造の構造物に対しても適用可能であるが、本実施の形態では、LNGを貯蔵するPCタンクのPC防液堤に対して、緊張材を高さ方向に配設する場合を事例とし、以下、図1〜10を参照して詳細を説明する。
PCタンク1は、図1の平面図で示すように、LNG6を貯蔵する内槽2と、内槽2を保護する外槽3と、防液堤としての役割を果たす円筒状のPC防液堤4と、図7の断面図で示すように、多本数の杭にて支持されるコンクリート製の基礎版5にて構成されている。
そして、PC防液堤4には図1で示すように、高さ方向に延在する緊張材7が周方向に間隔を有して複数配設されるとともに、周方向に延在する緊張材(図示せず)が高さ方向に複数間隔を有して配設されている。高さ方向に延在する緊張材7は、プレストレストコンクリートに用いられるものであれば、いずれを採用してもよいが、本実施の形態では、図6(b)で示すように、PC鋼より線71を複数本束ねたものを採用している。
これら緊張材7は、図2の側面図で示すように、PC防液堤4に埋設されたU字状のシース8内に配設されている。U字状のシース8は、立設した状態で複数が、PC防液堤4の周方向に一定の間隔を設けて埋設されており、緊張材7より十分大きい断面を有している。その材質は、ポストテンション方式の緊張材7を内装する際に一般に用いられるものであれば、いずれの管材を採用してもよい。
なお、U字状のシース8内に緊張材7が配設された後、緊張材7には緊張力が付与され、U字状のシース8内にはグラウトが充填される。これによりPCタンク1は、PC防液堤4に漏液圧のかからない状態、つまり通常運転時において、PC防液堤4に発生する可能性のあるひび割れを防止することができる。
したがって、U字状のシース8を貫通した緊張材7に対して後に緊張力を付与できるよう、U字状のシース8の緊張材引出口81および緊張材引込口82は、ともにPC防液堤4の天端面に位置するよう配置され、緊張材7の両端部がPC防液堤4の天端面から露出できる構造となっている。
次に、PC防液堤4に埋設されたU字状のシース8に対して緊張材7を配設する際に用いる、緊張材ターンテーブル10、牽引装置20および緊張材挿入ガイド装置30を備える緊張材配設装置100について、その詳細を説明する。なお、図1および図2で示すように、牽引装置20および緊張材挿入ガイド装置30は、PC防液堤4の天端に配置され、緊張材ターンテーブル10は、緊張材挿入ガイド装置30の下方に配置される。
緊張材ターンテーブル10は、図3で示すように、U字状のシース8に配設される緊張材7を収納する装置であり、水平方向に回転して緊張材7を緊張材挿入ガイド装置30に送り出す。なお、緊張材ターンテーブル10は、いずれに設置してもよいが、本実施の形態では、地上に設置している。また、緊張材ターンテーブル10を必ずしも採用する必要はなく、緊張材7を配備できる収納具であれば、いずれを採用してもよい。
緊張材挿入ガイド装置30は、図3で示すように、長手方向がPC防液堤4に配置された組立足場を超える長さを有する略直方体をなすフレーム31と、フレーム31の内空部に緊張材7を案内する導入口32と、導入口32を通過した緊張材7を把持する固定装置33と、導入口32および固定装置33を通過した緊張材7の延在方向を転換するための方向転換具34と、を備えている。
フレーム31は、図4(a)(b)で示すように、複数の鉄骨材を縦横に組み立てて成形されており、上端部近傍に吊ワイヤ緊結部311が備えられている。したがって、緊張材挿入ガイド装置30は、吊ワイヤWを吊ワイヤ緊結部311に緊結することで、クレーンにより吊持することができる。
導入口32は、上下方向に貫通する貫通孔321を備えた筒材であり、略直方体をなすフレーム31の側端下部に配置されて、緊張材7をフレーム31の下方からフレーム31の内空部へ案内する。貫通孔321は矩形断面に形成されており、フレーム31の内空部へ案内された複数のPC鋼より線71を束ねた状態の緊張材7は、その断面形状を貫通孔321を通過することにより略矩形断面に変形された状態となる。
固定装置33は、図4(a)(b)で示すように、導入口32に設けた貫通孔321の上方であって、貫通孔321を通過した緊張材7と接触する位置に配置されるクサビ部材331と、このクサビ部材331を上下動自在に支持するヒンジ部材332とを備えている。そして、クサビ部材331は、下向きの外力が作用すると、貫通孔321に差し込み可能な大きさに形成されている。
これにより、導入口32を通過する緊張材7は、フレーム31の内空部に向かって上方に移動する際には、略矩形断面に形成されたその側面がクサビ部材331に接触し、クサビ部材331に上向きの外力を作用させる。このため、クサビ部材331は貫通孔321より上方に位置した状態を維持し、緊張材7は、導入口32の貫通孔321内をスムーズに移動する。
しかし、緊張材7が、フレーム31の内空部から下方に向かって移動する際には、略矩形断面に形成されたその側面は、クサビ部材331に接触しクサビ部材331に下向きの外力を作用させる。これにより、クサビ部材331は貫通孔321に差し込まれることから、このクサビ部材331と貫通孔321の孔壁とにより、緊張材7を挟み込む態様となる。
このように、固定装置33は導入口32において緊張材7を把持できることから、例えば、緊張材7の配設作業中に、緊張材7が導入口32を下方向に移動する挙動を示した場合にも緊張材7の逸走を防止でき、緊張材7の配設に係る作業の安全性を高めることが可能となる。
なお、固定装置33のクサビ部材331には、図示しないワイヤーが垂下されており、このワイヤーを牽引してクサビ部材331を導入口32の貫通孔321に差し込むことによっても、緊張材7を把持することができる構成となっている。
そして、方向転換具34は、フレーム31の内空部に設置されており、板面を対向させた一対の支持板341と、一対の支持板341を連結する複数のパイプローラー342を備える。支持板341は、リング状の角丸長方形を半割にした板材よりなり、板面を鉛直状とし、かつ90度の円弧を備える2つの角丸部がともに上方に位置するよう配置されている。また、複数のパイプローラー342は、支持板341の長手方向に沿って間隔を設けて梯子状に配置されている。
これにより、導入口32および固定装置33を通過し上方に向かって移動した緊張材7は、図4(b)で示すように、方向転換具34に案内されて、複数のパイプローラー342各々に載置する態様で接触する。すると、緊張材7は、2つの角丸部によりその延在方向を2回転換し、方向転換具34を通過する際には、180℃方向転換される。こうして、下方に向かって移動するよう誘導されたる緊張材7は、フレーム31に備えられた導出口35を介して、緊張材挿入ガイド装置30から外側下方へ排出される。
このように、緊張材挿入ガイド装置30を通過することにより、延在方向を上方向から下方向に方向転換された緊張材7は、図4(b)で示すように、その先端部72に接続されている牽引ワイヤー9を介して牽引装置20により牽引力が作用される。なお、緊張材7の両側には一対の支持板341が位置しているため、牽引時に何らかの外力が作用した際にも方向転換具34から逸脱することはない。
牽引装置20は、図5で示すように、略直方体をなすフレーム21と、牽引ワイヤー9を牽引する牽引治具22と、を備えており、牽引治具22には、牽引ワイヤー9を巻取りおよび巻出しの可能な、いわゆる電動ウィンチを採用している。なお、牽引治具22は、牽引ワイヤー9を巻き取ることの可能な装置であれば、いずれを採用してもよく、また、1台のみでなく複数台設けてもよい。
フレーム21は、複数の鉄骨材を縦横に組み立てることにより成形されており、その上部には、吊ワイヤ緊結部211とワイヤの延在方向を転換するローラ212が備えられている。したがって、牽引装置20は、吊ワイヤWを吊ワイヤ緊結部211に緊結することで、クレーンにより吊持することができる。
また、フレーム21の下部には、平面視で少なくとも緊張材7を配設予定のU字状のシース8の緊張材引出口81、およびこれと隣接する他のU字状のシース8の緊張材引込口82の両者に跨ることができる程度の長さを有する、架台213が設けられている。架台213には、PCタンク1の天端に載置された際に、少なくとも緊張材引出口81と対向する位置に貫通孔214が設けられており、貫通孔214を介して、U字状のシース8の緊張材引出口81から引き出される緊張材7および牽引ワイヤー9を、フレーム21の内空部に取り込む。
そして、架台213には、図6(a)で示すように、緊張材7を配設予定のU字状のシース8の緊張材引出口81、およびこれと隣接する他のU字状のシース8の緊張材引込口82と対向する位置の近傍に、ボルト穴215が設けられており、締結具40にてフレーム21をPCタンク1の天端に固定することが可能となっている。締結具40は、ボルト穴215を挿通するボルト41と、U字状のシース8の緊張材引出口81および緊張材引込口82各々に備えられ、図6(b)で示すような、U字状のシース8のソケット83に締結されるボルト42と、両者に螺合可能な高ナット43を備える。
なお、締結具40は、必ずしも上記の構成に限定されるものではなく、牽引装置20のフレーム21をPCタンク1の天端に固定することが可能であれば、いずれを採用してもよい。また、本実施の形態では図5で示すように、フレーム21の内空部に2体の定滑車23、24を設置しておき、U字状のシース8の緊張材引出口81から露出する牽引ワイヤー9を、定滑車23、24を介して牽引治具22に案内したうえで牽引している。しかし、定滑車23、24の数量はいくつでもよく、また、定滑車23、24を使用しなくてもよい。
上記の構成を備えた緊張材配設装置100を用いて、U字状のシース8に緊張材7を引き込み、配設する方法を以下に示す。
まず、牽引装置20をクレーンにて吊持し、図5で示すように、PC防液堤4の天端であって緊張材7を配設しようとするU字状のシース8の緊張材引出口81とこれに隣接する他のU字状のシース8の緊張材引込口82とに跨る位置に据え付け、締結具40を用いて牽引装置20をPC防液堤4の天端に固定する。
本実施の形態では、緊張材7をU字状のシース8に配設する方法として、緊張材7と比較して高い撓み性を有する牽引ワイヤー9を利用して緊張材7をU字状のシース8内に引き込む、いわゆるプルスルー方式を採用している。そこで、緊張材7をU字状のシース8に引き込むための前処理として、U字状のシース8に牽引ワイヤー9を貫通させる作業を行う。
具体的には、U字状のシース8内には出荷時に線状材(図示せず)が貫通されていることから、緊張材引出口81側の線状材の端部と牽引装置20に巻き取られている牽引ワイヤー9を接続し、線状材を緊張材引込口82側から引き出しつつ、牽引ワイヤー9を巻き出す。これにより、U字状のシース8内の線状材が牽引ワイヤー9に置き換わるから、緊張材引込口82側の牽引ワイヤー9の端部から線状材を取り外す。
次に、地上の所望位置に緊張材ターンテーブル10を配置するとともに、その上方に緊張材挿入ガイド装置30をクレーンにて吊持する。そして、緊張材ターンテーブル10から緊張材7を巻き出して、緊張材挿入ガイド装置30の導入口32から固定装置33および方向転換具34を経由させ、緊張材7の先端部72をフレーム31の導出口35近傍に配置する。
この状態で、緊張材挿入ガイド装置30の固定装置33を利用して緊張材7を把持したまま、緊張材挿入ガイド装置30をさらに揚重する。そして、図1および図7で示すように、PC防液堤4の天端であって緊張材7を配設しようとするU字状のシース8の緊張材引込口82と、フレーム31に設けた緊張材7の導出口35とが鉛直方向で同軸となる位置に配置する。このように、緊張材ターンテーブル10を地上に設置したままの状態で、緊張材7を引き出すことができるとともに、緊張材7の先端をPC防液堤4の天端に配置できるため、作業効率を大幅に向上することが可能となる。
なお、緊張材挿入ガイド装置30の配置は、フレーム31に設けた導出口35とU字状のシース8の緊張材引込口82ととが鉛直方向で同軸となっていれば、PC防液堤4の天端に設置してもよいし、吊時したままの状態でもよい。
また、緊張材挿入ガイド装置30の向きは、略直方体をなすフレーム31の長手方向がPC防液堤4の放射方向を向くように位置調整を行うとよい。これに伴って、緊張材挿入ガイド装置30に備えた緊張材7の導入口32が、平面視でPC防液堤4の外側に配置される。したがって、この導入口32の下方に緊張材ターンテーブル10が配置されるよう、緊張材挿入ガイド装置30の設置位置を調整するとよい。
上記の前処理工程を済ませたところで、緊張材7の先端部72と緊張材引込口82側の牽引ワイヤー9の端部とを接続し、緊張材挿入ガイド装置30の固定装置33による緊張材7の把持を解放する。この後、U字状のシース8ヘの緊張材7の引き込み作業を開始する。
まず、図8で示すように、牽引装置20により牽引ワイヤー9の巻き取りを開始して緊張材7に牽引力を作用させ、緊張材7の先端部72をU字状のシース8のU字底部に向けて引き込む。このとき、緊張材7が接触する方向転換具34は1台の定滑車とみなすことができるから、方向転換具34を挟んで両側に垂下する緊張材7は、方向転換具34から緊張材7の先端部72の高さ位置までの重量が同量となって相殺されている。
したがって、緊張材7をU字状のシース8のU字底部に向けて引き込む際には、牽引装置20にて緊張材7の先端部72と緊張材ターンテーブル10との高低差分L1の緊張材7の重量に相当する荷重を緊張材7に作用させるのみで、緊張材7をU字状のシース8に引き込むことができる。
次に、図9で示すように、緊張材7の先端部72がU字状のシース8のU字底部に到達したのち、緊張材7を、U字状のシース8のU字底部からU字状のシース8の緊張材引出口81に向けて引きあげる。このとき、緊張材7が接触する方向転換具34およびU字状のシース8のU字底部は2台の定滑車としてみなすことができる。したがって、牽引装置20に作用させる荷重は、図10で示すように、緊張材7の後端部73と緊張材ターンテーブル10との高低差分L2の緊張材7の重量に相当する荷重のみでよい。
このように、緊張材7に過大な牽引力を作用させなくとも、安全で効率よく緊張材7の配設作業を実施することが可能となる。したがって、クレーンのような大掛かりな装置を用いることなく、容易に緊張材を配設することが可能となる。
こうして、図2で示すように、U字状のシース8の緊張材引出口81から緊張材7の先端部72を露出したところで、牽引装置20による牽引を停止する。
この後、緊張材7各々の端部をPC防液堤4の天端に仮固定したうえで、緊張材配設装置100を撤去する、もしくは、新たに緊張材7を配設すべきシース8の配置位置へ緊張材配設装置100を移動させる。そして、仮固定した緊張材7に緊張力を付与し、緊張材7の端部各々をU字状のシース8の緊張材引出口81および緊張材引込口82に定着させる。そして、U字状のシース8内にグラウトを注入した後、緊張材7の端部をキャップ等にて被覆する。
上記のとおり、緊張材配設装置100を用いた緊張材7の配設方法によれば、配設予定の緊張材7を地上に配備した場合にも、緊張材挿入ガイド装置30をPC防液堤4の天端まで吊り上げるのみで、緊張材7の先端部72をU字状のシース8の緊張材引込口82に配置することができる。このため、PC防液堤4の天端に、少なくとも緊張材挿入ガイド装置30と牽引装置20を備えるのみの簡略な装備で、効率よく緊張材7をU字状のシース8に配設することが可能となる。
また、緊張材挿入ガイド装置30は、吊持した状態でU字状のシース8の緊張材引込口82近傍に配置し、緊張材7の配設作業を行うこともできる。これにより、PC防液堤4の天端に作業領域を広く確保でき、U字状のシース8への緊張材7の配設に係る施工性および作業性を、大幅に向上することが可能となる。
なお、本発明の緊張材7の配設方法および緊張材配設装置100は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能であることはいうまでもない。
例えば、本実施の形態では、緊張材配設装置100を用いてU字状のシース8に緊張材7を配設したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、シースの形状はいずれであってもよい。
また、本実施の形態では、緊張材配設装置100を用いてPC防液堤4の高さ方向に延在する緊張材7を配設したが、必ずしもこれに限定されるものではない。シース8の緊張材引込口82近傍に緊張材挿入ガイド装置30、緊張材引出口81近傍に牽引装置20をそれぞれ設置できれば、例えば、PC防液堤4の周方向に延在する緊張材7を配設することも可能である。この場合には、緊張材ターンテーブル10から供給される緊張材7が、スムーズに緊張材挿入ガイド装置30の方向転換具34に供給されるよう、フレーム31に設ける導入口32の位置を適宜変更するとよい。
さらに、緊張材挿入ガイド装置30には、フレーム31の導入口32であってその下方に、緊張材7を方向転換具34に送り込むための動力を備えた送込み装置を設置してもよい。こうすると、U字状のシース8の緊張材引込口82への緊張材7の引き込み作業をよりスムーズに実施でき、緊張材7を配設する際の手間を大幅に削減することが可能となる。
1 PCタンク
2 内槽
3 外槽
4 PC防液堤
5 基礎版
6 LNG
7 緊張材
71 PC鋼より線
72 先端部
73 後端部
8 シース
81 緊張材引出口
82 緊張材引込口
9 牽引ワイヤー
10 緊張材ターンテーブル
20 牽引装置
21 フレーム
211 吊ワイヤ緊結部
212 ローラ
213 架台
214 貫通孔
215 ボルト穴
22 牽引治具
23 定滑車
24 定滑車
30 緊張材挿入ガイド装置
31 フレーム
32 導入口
321 貫通孔
33 固定装置
331 クサビ部材
332 ヒンジ部材
34 方向転換具
341 支持板
342 パイプローラ
35 導出口
40 締結具
41 ボルト
42 ボルト
43 高ナット
100 緊張材配設装置

Claims (1)

  1. コンクリート構造物に埋設されたシースの緊張材引込口の近傍および緊張材引出口の近傍の各々に、緊張材の先端部を固定した緊張材挿入ガイド装置および前記緊張材に牽引力を作用させる牽引装置を配置し、
    前記緊張材の先端部に、前記シース内をあらかじめ貫通させた牽引ワイヤーの一端を接続させるとともに、前記緊張材挿入ガイド装置における前記緊張材の固定を解除し、
    前記緊張材の延在方向を、前記緊張材挿入ガイド装置を介して転換しつつ、前記牽引ワイヤーを介して前記牽引装置の牽引力により、前記緊張材を前記緊張材引込口に引き込み、前記シースに配設することを特徴とする緊張材の配設方法であって、
    前記シースがU字状をなすとともに、前記緊張材引込口および前記緊張材引出口が前記コンクリート構造物の天端に設置され、
    前記緊張材挿入ガイド装置が、前記シースの緊張材引込口の近傍に吊時状態で配置され、
    前記緊張材の延在方向が、前記緊張材挿入ガイド装置を介して上方向から鉛直下方向に転換されることを特徴とする緊張材の配設方法。
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