JP6884302B2 - 黒ニンニク、及びNa含有量が2.0wt%以下である味噌からなる、疲労予防用の組成物 - Google Patents

黒ニンニク、及びNa含有量が2.0wt%以下である味噌からなる、疲労予防用の組成物 Download PDF

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本発明は、ニンニク粉末又はニンニク熱処理加工物、及びNa含有量が2.0wt%以下である大豆発酵物からなる組成物に関するものである。
ニンニクには、風味向上効果や薬効があることが知られており、西洋料理や中華料理等の多くの料理に利用されている。また、食生活や生活環境の変化による成人病、高齢化社会の到来に伴う高齢者の健康問題が社会問題化してくるにしたがって、健康食品に対する関心は高まり、ニンニクの薬効に関する研究も進んでいる。
特に、ニンニクの有効成分の一つとしてアリシンが知られており、疲労回復、血流促進等の効果を奏する。本効果については諸説ある。生ニンニク細胞内にはアリインとして存在し、ニンニクの細胞を破壊した際に、アリナーゼによってアリシンが生成される。さらに、アリシンは、ビタミンB1と結合することにより、アリチアミンを生成させ、該アリチアミンは腸管吸収及び組織移行性を示し、体内持続性がよく、かつ生体内で容易にビタミンB1に戻り、血中のビタミンB1を長時間維持し、代謝系で有用な働きを示す。
一方、味噌は米と共に古くから食されてきた日本の伝統的食物であるが、近年、生活の洋風化や核家族化が進み、朝食においても米飯食からパン食に移行するに従って、味噌汁から洋風のスープへとその消費が変化している。その中でも特に若い世代では、味噌ばなれの傾向が一段と強くなっている。よって、健康食としての味噌の需要を喚起する意味からも、現代社会にマッチした味噌を利用した食品の開発が望まれている。しかしながら、味噌は調味料であり、味噌を多く摂取すると塩分の取り過ぎにつながるという概念が強く、味噌の需要はあまり伸びていないのが現状である。
味噌の有効成分に対して様々な臨床データが発表され、例えば抗ガン性、抗高脂血症、抗コレステロール、抗高血圧症、抗糖尿病などの効果が確認されている。
塩分の取り過ぎを控えるため、無塩味噌を主成分とした機能性組成物が、特許文献1で開示されている。
最近では、ニンニクと味噌を組み合わせた調味料が市販されており、その製造方法は、特許文献2に示されている。調味料の味覚を向上させたものであるが、味噌中には通常10〜30wt%の食塩が含有されており、同様に塩分の取りすぎにつながるという概念が強く、栄養補助食品としての需要はなかった。
特開2006−70015号公報 特開2000−23632号公報
ニンニクは、滋養強壮効果を有する食材として利用されてきたが、ヒトに対する疲労予防効果、血圧上昇予防効果は充分には実感できるものとは言い難かった。また、それはニンニク又は味噌と、他の滋養強壮効果を有する食材又は生薬を併用した場合についても同様であった。
解決しようとする問題点は、ニンニクを主材とし、塩分濃度が低い味噌組み合わせてなる組成物により、塩分の摂取を極力控えた上で、相乗的に疲労予防を促進する点である。
本発明は、疲労予防、血圧上昇要望効果を促進するため、生ニンニクを自己発酵させて製造した黒ニンニク、及びNa含有量が2.0wt%以下である味噌からなる、疲労予防用の組成物を提供することを最も主要な特徴とする。
具体的に、本発明は、生ニンニクを自己発酵させて製造した黒ニンニク、及びNa含有量が2.0wt%以下である味噌からなる、疲労予防用の組成物に関する。
ニンニク、ニンニク熱加工物を含む健康食品や医薬品等、またニンニク、ニンニク熱加工物と食塩の高い味噌を組み合わせた調味料は存在するが、本発明の組成物は塩分濃度が極めて低い大豆発酵物を組み合わせてなる組成物であり、通常のニンニク等と味噌との組み合わせにない、高い疲労予防効果(滋養強壮効果)及び血圧上昇予防効果を有するものである。
ニンニク熱処理加工物は、生ニンニクを自己発酵させて製造した黒ニンニクを使用することが好ましい。黒ニンニクは、生ニンニクを皮付きで30℃〜75℃の温度範囲かつ湿度を制御した上で5〜40日間温蔵してから取り出して常温に戻し製造する。血栓予防効果を有するシクロアリイン及び/又はS−アリルシステインを高濃度に蓄積することが知られているためである。
また、加熱処理を長期間することで臭い成分が揮発し、摂食後の吐息にニンニク臭を発生させない上で、エチケット上も望ましい。
大豆発酵物が大豆と麹を合わせて発酵させた味噌を含む組成物が好ましい。ただし、味噌中のNa濃度が4.0%以下であることが好ましい。味噌は、大豆と比較すると、麹菌を入れて発酵させた結果、アミノ酸含量が数倍に増加し、またタンパク質の加水分解も進み、体内に吸収されやすくなる。一方、塩分濃度が高い味噌を摂取し過ぎると、高血圧化や腎臓系の疾患を生じさせるリスクが生じる。なお通常の原料大豆100g中のNa含量は2mgであり、Naはほとんど含まれていない。
大豆発酵物は、食塩濃度4.0wt%以下である味噌(減塩味噌)を含む組成物であることが好ましい。市販の赤みそは食塩濃度が味噌中で24wt%であり、減塩味噌でも12wt%前後である。塩分を添加せずに味噌を製造すると雑菌の繁殖の恐れがある。一方で前述した通り、人体には高い塩濃度の味噌は健康に悪影響を与えることもある。本発明の効果を生じさせ、また味噌の製造の利便性を考慮した上で、食塩濃度4.0wt%以下であることが望ましい。
減塩味噌は、大豆と麹を1:0.1〜10の割合で混合した後、塩分が4.0wt% 以下となるように、4〜80℃で30分〜120日間発酵又は分解させることにより得ることができる。
大豆発酵物が食塩を外添することなく製造した味噌(無塩味噌)を含む組成物であることが好ましい。現在の食生活は、外食、外販弁当、惣菜には、塩分が多く含み、健康食品を摂取する場合は塩分濃度がゼロであることがより好ましいためである。
無塩味噌は、大豆と麹を1:0.1〜10の割合で混合した後、4〜80℃で30分〜120日間発酵又は分解させることにより得ることができる。
本発明の組成物においては、本発明の効果を損なわない範囲で任意の配合割合とする事ができるが、生ニンニクを自己発酵させて製造した黒ニンニクと、味噌との各配合比率が、重量比で20:1〜1:2であることが好ましい。
なお、本発明の組成物においては、生ニンニクを自己発酵させて製造した黒ニンニクと、味噌との配合割合が、重量比で10:1〜1:1であることがさらに好ましい。味噌の重量配合比が生ニンニクを自己発酵させて製造した黒ニンニクの1/10以上では両者の相乗的な疲労予防効果(滋養強壮効果)又は血圧上昇予防効果がより顕著に発揮される。ただし、味噌発酵物が、生ニンニクを自己発酵させて製造した黒ニンニクとの配合割合を超えると疲労予防効果(滋養強壮効果)が発揮されにくくなる。
なお、配合割合の重合比率は、生ニンニクを自己発酵させて製造した黒ニンニク、及び味噌を風乾又は凍結乾燥しにより、試料中の含水率を10%以下とした上での比率で算出するのが好ましい。
本発明の組成物においては、生ニンニクを自己発酵させて製造した黒ニンニク、及び味噌が風乾粉末又は凍結乾燥粉末であることが好ましい。健康食品としてもちいる場合は、ハードカプセル化又はソフトカプセル化することが一般的であり、一粒に含有させる組成物量を多くするため、水分を極力減らすのが好ましい。また粉末としているほうがハードカプセルへの充填がし易く、さらにソフトカプセル化する際に使用するオイルへの溶解・分散が容易となる。
本発明の組成物においては、特に凍結乾燥粉末であることが好ましい。凍結乾燥は生ニンニクを自己発酵させて製造した黒ニンニク、及び味噌の化合物、タンパク質、ペプチド等の栄養成分や有効成分を保持させやすく、さらに高温としないことで熱による変性も受けにくいためである。
本発明の組成物は、1日当たりの経口投与量が0.3mg/体重kg以上500mg/体重kg以下であることが好ましい。ニンニクの最大許容摂取量は健常人で15g/日程度と考えられ、本発明において味噌の配合比率は重量比で、生ニンニクを自己発酵させて製造した黒ニンニクを超えないことが好ましい。すなわち、両者併せて30g/日となり、健常人の体重を60kgと仮定すると500mg/体重kgとなる。
また、1日当たり15mg程度以上本発明の疲労予防用内服用組成物を摂食することで、本発明でいう疲労予防効果(滋養強壮効果)がより顕著に現れ始める。健常人の体重を50kgと仮定すると0.3mg/体重kgとなる。
従って、本発明の組成物の1日当たりの経口投与量は、0.3mg/体重kg以上500mg/体重kg以下とすることが好ましい。なお、長期服用時の有効性及び安全性、並びに高麗人参のコストを考慮すると、1日当たりの経口投与量は、7.0mg/体重kg以上150mg/体重kg以下であることがより好ましい。
本発明の組成物は、機能性食品として使用できるほか、医薬部外品、飲食物等の成分、食品添加物等としても使用することができる。なお、本発明の内服用組成物には、機能性飲料等の液体飲料も含まれる。
本発明の組成物は、特には疲労予防用又は血圧上昇予防用で用いることが好ましく、さらには疲労予防用製剤又は血圧上昇予防用内服用製剤で用いることが好ましい。
本発明の疲労予防用内服用製剤又は血圧上昇予防用の剤形は、カプセル剤、錠剤、散剤、顆粒剤、丸剤又はドリンク剤であることが好ましい。なお、適宜溶剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤等の添加剤を使用してもよい。
なお、本発明の製剤の例としては、機能性食品、健康食品、一般食品(ジュース、菓子、加工食品等)、栄養補助食品(栄養ドリンク等)等が含まれ、特に健康食品又は医薬品とすることが好ましい。
本発明の組成物は、疲労予防、血圧上昇予防効果を促し、さらに不足する栄養を摂取できる利点がある。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明は下記に限定されるものではない。
(白ニンニク粉末の調整)
市販ニンニク(生ニンニク)の鱗片を、凍結乾燥(バーチス101−SRC−4X)で乾燥し、水分率6%の乾燥ニンニクとした。この乾燥ニンニクを、家庭用粗粉砕器によって粉砕し、粉末とした。この粉末を白ニンニク粉末と呼ぶ。
(蒸し白ニンニク粉末の調整)
市販ニンニク(生ニンニク)の鱗片を、家庭用の蒸し器で蒸し、圧力調整器が動いてから、5分後に加熱を終了し、圧力が下がってからニンニクを取り出した。同様に凍結乾燥(バーチス101−SRC−4X)によって乾燥し、水分率5%の乾燥ニンニクとした。この乾燥ニンニクを、家庭用粗粉砕器によって粉砕し、粉末とした。この粉末を蒸し白ニンニク粉末と呼ぶ。
(黒ニンニク粉末の調整)
市販ニンニク(生ニンニク)を50〜65℃、及び湿度を70〜90%に保った状態で、加熱処理を行い、発酵させた黒ニンニク(新青森青果製)とした。この黒ニンニクの鱗片を、上記と同様の方法で乾燥及び粉砕し、粉末とした。この粉末を黒ニンニク粉末と呼ぶ。
なお上記の白ニンニク粉末、蒸し白ニンニク粉末、及び黒ニンニク粉末は、青森県内で栽培された福地ホワイトと呼ばれる品種のニンニクを使用し製造した。
(味噌粉末の調整)
原料大豆5kgから、蒸煮大豆約9kgを製造し、一方、原料米8kgから出麹米約8.2kgを製造し、これらと食塩3.4kgを混合し、40日間発酵熟成させてペースト状味噌原料とした。上記と同様の方法で乾燥及び粉砕し、粉末とした。この粉末を味噌粉末と呼ぶ。本生味噌の状態で塩分濃度は18%、味噌粉末の状態では塩分濃度37%(Na濃度換算で14.8%)であった。
(減塩味噌粉末の調整)
原料大豆5kgから、蒸煮大豆約9kgを製造し、一方、原料米8kgから出麹米約8.2kgを製造し、これらと食塩0.46kgを混合し、40日間発酵熟成させてペースト状味噌原料とした。上記と同様の方法で乾燥及び粉砕し、粉末とした。この粉末を減塩味噌粉末と呼ぶ。本生味噌の状態で塩分濃度は2.2%、味噌粉末の状態では塩分濃度4.5%(Na濃度換算で1.8%)であった。
(無塩味噌粉末の調整)
原料大豆5kgから、蒸煮大豆約9kgを製造し、一方、原料米8kgから出麹米約8.2kgを製造し、これらと食塩を外添せずに混合し、40日間発酵熟成させてペースト状味噌原料とした。上記と同様の方法で乾燥及び粉砕し、粉末とした。この粉末を無塩味噌粉末と呼ぶ。本生味噌の状態で塩分濃度は0.02%、味噌粉末の状態では塩分濃度0.02%(Na濃度換算で0.018%)であった。
(混合粉末の調整の調整)
白ニンニク粉末、蒸し白ニンニク粉末または黒ニンニク粉末のいずれか1つと、味噌粉末、減塩味噌粉末または無塩味噌粉末のいずれか1つを重量比率85:15で配合した混合粉末を準備した。
(予備的検討・疲労予防効果)
白ニンニク粉末、蒸し白ニンニク粉末、黒ニンニク粉末、味噌粉末、減塩味噌粉末、及び無塩味噌粉末の有する疲労予防効果(滋養強壮効果)を確認するため、ラットに上記粉末を各々経口投与し、疲労予防効果(滋養強壮効果)を比較検討した。
WISTAR系雄性ラット(5週齢、日本クレア製)を体重の平均値が各群等しくなるように5匹ずつ6群に分けた。そして、各々の粉末を、毎日定時に胃ゾンデを用いて強制的に摂食させた(各群1日当たり各粉末1g/1匹)。なおゾンデで投与する際に、滅菌水4mLで懸濁させた。対照群にはこれらは摂食させなかった。なお、6群とも給餌は普通飼料(日本クレア製)を使用し、水と共に自由摂取させた。
摂食開始から隔週に、強制的摂食前にラット運動試験器(株式会社シナノ製作所製)70回転させたローターに1匹ずつ乗せ、ローターから落下するまでの持続時間を測定した。各群の平均値を算出し、その結果を、表1及び図1に示す。
Figure 0006884302
対照群と比較すると白ニンニク粉末、蒸し白ニンニク粉末、及び黒ニンニク粉末を摂食させた群は、運動持続時間が有意に延長し、疲労予防効果(滋養強壮効果)があることが確認できた。今回の実験からは、白ニンニク粉末、蒸し白ニンニク粉末及び黒ニンニク粉末との間に疲労予防効果(滋養強壮効果)に差が認められなかった。また減塩味噌粉末、及び無塩味噌粉末を摂取させた群は、運動継続時間が対象群と比較し有意な差はなかった。一方、味噌粉末を投与させた群は、運動継続時間が対象群と比較し、短くなった
(動物を用いた疲労予防効果)
次に、白ニンニク粉末、黒ニンニク粉末、白ニンニク粉末/味噌粉末、白ニンニク粉末/減塩味噌粉末、白ニンニク粉末/無塩味噌粉末、黒ニンニク粉末/味噌粉末、黒ニンニク粉末/減塩味噌粉末、及び黒ニンニク粉末/無塩味噌粉末の有する疲労予防効果(滋養強壮効果)を確認するため、ラットに上記粉末を各々経口投与し、疲労予防効果(滋養強壮効果)を比較検討した。
WISTAR系雄性ラット(5週齢、日本クレア製)を体重の平均値が各群等しくなるように5匹ずつ8群に分けた。そして、各々の粉末を、毎日定時に胃ゾンデを用いて強制的に摂食させた(各群1日当たり各粉末1g/1匹)。なおゾンデで投与する際に、滅菌水4mLで懸濁させた。対照群にはこれらは摂食させなかった。なお、8群とも給餌は普通飼料(日本クレア製)を使用し、水と共に自由摂取させた。
摂食開始から隔週に、強制的摂食前にラット運動試験器(株式会社シナノ製作所製)70回転させたローターに1匹ずつ乗せ、ローターから落下するまでの持続時間を測定した。各群の平均値を算出し、その結果を、表2及び図2に示す。
Figure 0006884302
白ニンニク粉末、黒ニンニク粉末を摂取させた群と比較し、減塩味噌粉末を混合または無塩味噌粉末を混合し摂取させた群は、運動継続時間が有意に延長し、疲労予防効果(滋養強壮効果)があることが確認できた。一方、味噌粉末を混合し摂取させた群は、運動継続時間での延長は認められなかった。
(予備的検討・血圧上昇予防効果)
白ニンニク粉末、蒸し白ニンニク粉末、黒ニンニク粉末、味噌粉末、減塩味噌粉末、無塩味噌粉末、白ニンニク粉末/味噌粉末、白ニンニク粉末/減塩味噌粉末、白ニンニク粉末/無塩味噌粉末、蒸し白ニンニク粉末/味噌粉末、蒸し白ニンニク粉末/減塩味噌粉末、蒸し白ニンニク粉末/無塩味噌粉末、黒ニンニク粉末/味噌粉末、黒ニンニク粉末/減塩味噌粉末、及び黒ニンニク粉末/無塩味噌粉末の有する血圧上昇予防効果を確認するため、ラットに上記粉末を各々経口投与し比較検討した。
7週齢の雄性SHRラット(日本エスエルシー株式会社製) を使用した。ラットには、市販固形飼料(日本クレア株式会社製) 及び上水道水を自由に摂取させた。
収縮期血圧の測定
ラットの収縮期血圧は、非観血式自動血圧計(BP−98A−L、株式会社日本ソフトロン)により、テイルカッフ法で測定した。収縮期血圧は、個体毎にそれぞれ3 回測定し、その平均値を収縮期血圧とした。
ラットの血圧を測定し、収縮期血圧の平均値をもとに完全無作為抽出法により、ラットを7 群に5 匹ずつ群分けした。各々の粉末を、毎日定時に胃ゾンデを用いて強制的に摂食させた(各群1日当たり各粉末1g/1匹)。なおゾンデで投与する際に、滅菌水4mLで懸濁させた。対照群にはこれらは摂食させなかった。摂食開始から隔週に、それぞれラットの血圧を、摂食後90分後に測定した。測定値は各群にて行い、平均値を求めた。また標準偏差を算出したがいずれも±3以下であった。
結果を表3に示す。
Figure 0006884302
対照群と比較すると白ニンニク粉末、蒸し白ニンニク粉末、及び黒ニンニク粉末を摂食させた群は、いずれも収縮期血圧が下がる傾向がみられた。また減塩味噌粉末、及び無塩味噌粉末を摂取させた群は、収縮期血圧が対象群と比較し有意な差はなかった。一方、味噌粉末を投与させた群は、収縮期血圧が対象群と比較し、高くなった。これは投与させている食塩量が一日あたり370mgであり、ラットの体内の浸透圧調整機能や腎臓機能に悪影響を与えた可能性が示唆される。
白ニンニク粉末、蒸し白ニンニク粉末、黒ニンニク粉末を摂取させた群と比較し、減塩味噌粉末を混合または無塩味噌粉末を混合し摂取させた群は、収縮期血圧が下がる傾向が見られ、血圧上昇予防効果があることが確認できた。一方、味噌粉末を混合し摂取させた群は、血圧上昇が起きる傾向が確認された。これは投与させている食塩量が一日あたり56mgであり、ラットの体内の浸透圧調整機能や腎臓機能に悪影響を与えた可能性が示唆される。
(考察)
ニンニクの効用については種々にメカニズムが知られている。ニンニクの有効成分の1つとしてアリシンがある。生ニンニク中には、アリインが含有されており、ニンニクを刻むとアリナーゼの働きによってアリシンへと変化する。さらに、アリシンは、ビタミンB1と結合することにより、アリチアミンを生成させ、該アリチアミンは腸管吸収及び組織移行性を示し、体内持続性がよく、かつ生体内で容易にビタミンB1に戻り、血中のビタミンB1を長時間維持し、代謝系で有用な働きを示す。ニンニク中のアリシンは熱をかけることで、アリルペルトリスルフィドに変化する。アリイン、アリシン、アリルペルトリスルフィドはいずれも血管を拡張させて血圧を下げる効果が知られている。またニンニクを長時間加熱処理した黒ニンニクには、S−アリルシステインという水溶性アミノ酸が多く含有することが知られている。S−アリルシステインは、血圧を下げる働きに加え、コレステロールを低減させる効果も知られている。
このように種々のメカニズムが知られているが、ニンニクは自然物由来であり、また生体内での酵素による化学変化、また糖やタンパク質の結合により、各種有効成分の活性化も変化することが予想される。例えば、黒ニンニク中のS−アリルシステインがアリナーゼ等の酵素によりアリシンへと変化し、ビタミンB1と体内で結合しアリチアミンとなるルートも考えられる。さらに黒ニンニク中に多く含まれるアリルペルトリスルフィドがそのままビタミンB1と結合し、アリチアミン誘導体となるルート、またはアリルペルドリスルフォドのスルフィド結合が切れ、アリシンとなりビタミンB1と結合し、アリチアミンとなるルートも考えられる。
味噌には、システイン等の様々なアミノ酸が含有されることが、また黒ニンニク中には、S−アリルシステインが多く含有することが知られている。味噌と黒ニンニクを同時に摂取することで、システインの存在により、システインとS−アリルシステインとの可逆的に存在し、結果としてS−アリルシステインとしての持続的に生体内で保持され、血圧を下げる働きを生じ易くする仮説が考えられる。さらにニンニクには存在しなかったアミノ酸等の栄養成分を補い、疲労予防効果、血圧上昇予防効果を示す仮説も考えされる。
本発明の疲労予防用内服用組成物及び疲労予防用内服用製剤は、健康食品分野又は医薬品分野において有用である。
予備的検討・疲労予防効果の実験結果を表すグラフである 疲労予防効果の実験結果を表すグラフである

Claims (6)

  1. 黒ニンニク、及びNa含有量が2.0wt%以下である味噌からなる、疲労予防用の組成物。
  2. 味噌が大豆と麹からなることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. 味噌が食塩濃度5.0wt%以下であることを特徴とする請求項1又2に記載の組成物。
  4. 黒ニンニク、及び味噌が風乾粉末又は凍結乾燥粉末である請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 黒ニンニクと、味噌との配合比率が、各重量比で20:1〜1:1である請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 1日当たりの経口投与量が0.3mg/体重kg以上500mg/体重kg以下である請求項1〜のいずれか1項に記載の組成物。
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