JP6883907B1 - ロボットアームの把持装置及びこれを用いたロボットアーム - Google Patents
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Abstract
Description
このロボットとしては、例えば、特許文献1に示す多関節型産業用ロボット(垂直多関節型6軸ロボット)がある。具体的には、アーム部(複数のリンクで構成)と、アーム部の先端部に連結された手首部と、アーム部及び手首部を駆動する複数のモータと、各モータに動力及び信号を供給するモータ用ケーブルとを備えている。使用にあっては、手首部に、所要作業を行うための各種エンドエフェクタが取外し可能に装着される。なお、エンドエフェクタには、例えば、スポット溶接ガン、アーク溶接トーチ、塗装ガン、把持装置、吸着装置等がある。
特に、エンドエフェクタが把持装置である場合、把持装置に把持動作を行うための駆動用モータを設ける必要もあるため、例えば、把持装置が大型化(重量増)し、また、把持する対象物(重量等)に応じた駆動用モータを備えた把持装置を複数準備する必要があった。
なお、把持装置としては、例えば、特許文献2に、3つ以上の指リンクを備えたロボットハンドが開示されているが、このロボットハンドは、各指リンクの内接円を拡大縮小させるための駆動部(モータ)も備えている。このため、上記したように、ケーブルを設ける必要があり、また、ロボットハンドが大型化する等の問題があった。更に、各指リンクの駆動は、各指リンクにクランクシャフトを介して結合した遊星歯車と、この各遊星歯車の外側に設けられた円筒状の内歯車により行われるため、構成が複雑であった。
複数の指部の開閉動作により対象物を把持する把持部本体と、前記出力部の回転動作を前記複数の指部の開閉動作に変換する動力伝達機構とを有し、前記アーム手段の先端部に着脱自在に取付けられる。
ここで、ロボットアームとは、例えば、従来公知の(市販の)産業用ロボットや協働ロボットであり、アーム手段を構成するアーム部本体と出力部とが一体となって、出力部がアーム部本体に対して取付け取外しできない構造(分離できない構造)になっている。
前記各指部の基部が、前記固定部には移動可能に、かつ、前記回動部には回動可能に、それぞれ取付けられ、
前記回動部を前記固定部に対して回動させることで、前記指部の先部どうしの間隔が調整可能とすることができる。
また、前記複数の指部は、前記回動部と前記固定部の周方向に間隔を有して配置され、
前記各指部の基部が、前記固定部の径方向に移動可能に、かつ、前記各指部の先部が前記回動部の径方向外周部に回動可能に、それぞれ取付けられ、
前記回動部を前記固定部に対して回動させることで、前記指部どうしの間隔が調整可能とすることもできる。
そして、前記指部は2本あって、一方の該指部の基部は前記固定部の外周縁に、他方の該指部の基部は前記回動部の外周縁に連接されて、それぞれ径方向外方に向けて延設され、
前記回動部を前記固定部に対して回動させることで、前記指部どうしの間隔が調整可能としてもよい。
更に、前記複数の指部は、前記固定部の周方向に間隔を有して配置され、
前記各指部が前記回動部の軸心に向けて傾倒可能となるように、該各指部の基部が前記固定部にそれぞれ取付けられ、該各指部の傾倒は、前記回動部に軸心を合わせて取付けられ、前記各指部の基部に螺合する雄ねじ部材又は歯車部材により行われてもよい。
また、複数の指部の開閉動作は、ロボットアームの出力部の回転動作により行われるので、把持装置に複数の指部の開閉動作を行うための駆動源を設ける必要がなく、把持装置の小型化が図れ、把持する対象物(重量等)に応じた把持装置を複数準備する必要もない。
図1〜図3に示すように、本発明の第1の実施例に係るロボットアームの把持装置(以下、単に把持装置とも記載)10は、アーム手段(多関節アーム)11の手首部(先端部の一例)12に回転動作を行う出力部13が内蔵されたロボットアーム14に着脱自在に取付けられるものであり、構成を簡単にでき、ケーブルや駆動源等も不要なものである。
以下、詳しく説明する。
このロボットアーム14は、マニピュレータ15、コントローラ(図示しない)、及び、ティーチペンダント(図示しない)を有している。なお、マニピュレータ15とは、複数のリンク16、17が関節により連結されたアーム手段11を有し、サーボモータによって動作するロボット本体であり、コントローラとは、マニピュレータ15の動きを総合的に制御する制御手段であり、ティーチペンダントとは、マニピュレータ15の動作や設定、プログラムの入力、また、ティーチングデータの変更や修正、新規作成等を行うプログラムペンダントである。
このアーム手段11は、ベース部19、第1、第2のリンク16、17、手首部12、及び、出力部13が一体不可分となった分離できないものである。
把持装置10は、図1〜図3に示すように、複数(ここでは3本であるが、2本でもよく、4本以上でもよい)の指部20の開閉動作(把持動作)により対象物(図示しない)を把持する把持部本体21と、出力部13の回転動作を複数の指部20の開閉動作に変換する動力伝達機構22とを有している。
動力伝達機構22は、環状の固定部23と、この固定部23内に軸心を合わせて配置された円盤状の回動部24とを有している(固定部23は回動部24の径方向外方に設けられている)。
固定部23は、回動部24を回動可能に収容する正面視して円形の凹部25を有し、その軸心部には出力部13を突出させて回動部24と連結させるための貫通孔26が形成され、手首部12(第5軸)の前方(出力部13以外の部位)に、着脱自在になっている。
これにより、前記したティーチペンダントによって入力された情報に基づき、コントローラでマニピュレータ15を動作させ、出力部13を回転(回動も含む)させることで、回動部24を固定部23に対して回動させることができる。
指部20は、回動部24と固定部23の前面(各前面の間には段差がない(フラット))に跨って取付けられる基部27を有している。この基部27の両側には、回動部24の軸心方向に貫通した円形孔28と長孔29がそれぞれ形成され、円形孔28に挿通した取付けピン30(ボルト等)が回動部24に、長孔29に挿通した取付けピン31(ボルト等)が固定部23(回動部24の径方向外方)に、それぞれ取付けられている。
これにより、指部20の基部27は、回動部24には回動可能に、かつ、固定部23には移動可能に、それぞれ取付けられることになる。
支持部32は、回動部24の径方向に対する接触部33の移動範囲に応じて、例えば、長さと形状を種々変更することができる。なお、支持部32の形状は、正面視して直線状となっているが、例えば、円弧状に湾曲させることもできる。
接触部33は、対象物と接触する部分であり、回動部24の前方へ向けて突出した棒状(板状でもよい)のものである。なお、接触部33の対象物との接触領域には、図3に示す滑り防止材や緩衝材であるチップ34を設けることもできる。ここで、緩衝材には、例えば、液状流体と粉粒体を内部に充填した変形自在な袋状体等を使用するのがよい。
ここで、各指部20は同時に同じ動きをする(同期している)。
なお、把持装置10は、出力部13により把持動作するものであるため、把持装置10に各種センサ等を設けることなく、把持装置10の動作を、ロボットアーム14の出力部13を介して、例えば、電力や電流、信号等から制御できる。
また、把持装置10(把持部本体21と動力伝達機構22)はプラスチック製(樹脂製)であるため、安価に製造できて使い捨て可能であるが、例えば、把持装置の一部又は全部を金属製にすることもできる。
把持装置10aは、複数(ここでは3本であるが、2本でもよく、4本以上でもよい)の指部20aの開閉動作(把持動作)により対象物(図示しない)を把持する把持部本体21aと、出力部13の回転動作を複数の指部20aの開閉動作に変換する動力伝達機構22aとを有している。
回動部24aは、把持装置10の回動部24と同様、出力部13の前方に、出力部13の回転中心に軸心を合わせて着脱自在に連結され、出力部13の回転動作に合わせて回動可能なものである。
固定部23aは、手首部12の前方に着脱自在な環状の取付け部23bと、この取付け部の前方に取付けられた環状のガイド部23cとを有し、この取付け部23bとガイド部23cの径方向内側に間隔を有して回動部24aが配置されている。
指部20aは、回動部24aと固定部23a(ガイド部23c)の前面に跨って取付けられる基部27aを有している。この基部27aの両側には、回動部24aの軸心方向に突出した回動軸35とスライド部36がそれぞれ設けられ、回動軸35が回動部24aに回動可能に取付けられ、スライド部36がガイド部23cの径方向に形成された溝37内に往復移動可能に配置されている。なお、回動部24aは、その前面が、ガイド部23cに形成された溝37の底面よりも前方に突出するように、配置されているため、スライド部36は溝37から外れない。
なお、回動部24aには、ガイド部23cと基部27を収容するカバー38が、ボルト38aによって取付け固定され(カバー38は回動部24aと共に回動する)、このカバー38に形成された開口部39を介して、支持部32aがカバー38外に突出している。なお、図4においては、説明の便宜上、カバー38内を透視した状態で図示している。
支持部32aの先部には、回動部24aの前方へ向けて突出した対象物との接触部33aが設けられている。なお、接触部33aの対象物との接触領域には、滑り防止材や緩衝材であるチップ34aが設けられている。
把持装置40は、複数(ここでは2本)の指部41の開閉動作(把持動作)により対象物(図示しない)を把持する把持部本体42と、出力部13の回転動作を複数の指部41の開閉動作に変換する動力伝達機構43とを有している。
動力伝達機構43は、環状の固定部44と、この固定部44内に軸心を合わせて配置された円盤状の回動部45とを有している。
固定部44は、手首部12の前方に着脱自在になって、その径方向内側に間隔を有して回動部45が配置され、回動部45と固定部44の各前面には段差がない状態(フラットな状態)となっている。なお、この間隔は、固定部44と回動部45との接触を防止するために設けたものであるが、回動部45が固定部44に対して回動できればより狭い間隔でもよい。
把持部本体42を構成する複数(ここでは、2本)の指部41は、同一形状であって、回動部45の径方向両側(180度ピッチ)に、即ち、回動部45と固定部44の周方向に間隔(半周)を有して、配置されている。
指部41の基部46は、固定部44の径方向に沿って設けられた長孔部(ガイド溝)49に、連結ピン(フリージョイント)50を介して取付けられ、固定部44の径方向に沿って移動可能になっている(スライド機構)。一方、指部41の先部47は、回動部45の径方向外側に設けられた円形孔51に、連結ピン(フリージョイント)52を介して取付けられ、回動部45に対して回動可能になっている。
このように、回動部45を固定部44に対して回動させることで、2本の指部41(接触部48)の間隔が調整可能になる。なお、指部が3本以上ある場合も、同様に、回動部を固定部に対して回動させることで、指部どうしの間隔が調整できる。
把持装置60は、2本の指部62、63の開閉動作(把持動作)により対象物(図示しない)を把持する把持部本体64と、出力部13の回転動作を複数の指部62、63の開閉動作に変換する動力伝達機構61とを有している。
これにより、出力部13を時計回りに回動させると、回動部45aは固定部44aに対して時計回りに回動し、2本の指部62、63の間隔が狭くなり、対象物を把持できる状態となる。一方、出力部13を反時計回りに回動させると、回動部45aは固定部44aに対して反時計回りに回動し、2本の指部62、63の間隔が広くなり、対象物を把持できない状態となる。
把持装置70は、先端に向けてその間隔が広がるように屈曲させた2本の指部71、72の開閉動作(把持動作)により対象物(図示しない)を把持する把持部本体73と、出力部13の回転動作を2本の指部71、72の開閉動作に変換する動力伝達機構74とを有している。
動力伝達機構74は、環状の固定部75と、この固定部75内に軸心を合わせて配置された円盤状の回動部76とを有し、回動部76の前面が固定部75の前面よりも突出している。
固定部75は、手首部12(第5軸)の前方に着脱自在になって、その径方向内側に隙間を有して回動部76が配置されている。
把持部本体73を構成する2本の指部71、72は、同一形状であって、ウォームギア77を跨ぐように固定部75に取付けられた取付け台78の両側に、リンク手段79を介してそれぞれ設けられている(リンク手段79は動力伝達機構74に含まれる)。即ち、指部71、72は、取付け台78とリンク手段79を介して、固定部75の周方向に間隔を有して配置されている。
一方の支持ロッド80は、その基部に、ウォームギア77に螺合するウォームホイール82が取付けられ、このウォームホイール82と支持ロッド80の先部がそれぞれ、取付け台78の脚部の長さ方向中央部と指部71、72の基部に、連結ピン(フリージョイント)83を介して取付けられている。なお、ウォームギアの代わりに他の歯車部材や雄ねじ部材を使用することもでき、この場合、この種類に応じてウォームホイール以外の歯車部材を使用できる。
また、他方の支持ロッド81は、その両端部が、取付け台78の頂部と指部71、72の長さ方向中央部にそれぞれ、連結ピン(フリージョイント)83を介して取付けられている。
これにより、出力部13を時計回りに回動させると、ウォームギア77は固定部75に対して時計回りに回動し、2本の指部71、72が回動部76の軸心に向けて傾倒して、2本の指部71、72の間隔が狭くなり、対象物を把持できる状態となる。一方、出力部13を反時計回りに回動させると、ウォームギア77は固定部75に対して反時計回りに回動し、2本の指部71、72が回動部76の径方向外側に向けて傾倒して、2本の指部71、72の間隔が広くなり、対象物を把持できない状態となる。
なお、指部が3本以上ある場合も、同様に、指部を回動部の軸心に向けて傾倒させることができる。
前記実施例においては、把持装置を取付けるロボットアームとして6軸の垂直多関節型ロボットについて説明したが、例えば、5軸以下や7軸以上の垂直多関節型ロボットでもよく、また、把持装置を取付けることができれば、他のロボットアーム、例えば、極座標型ロボット、円筒座標型ロボット、直角座標型ロボット、水平多関節型ロボット(スカラロボット)、パラレルリンク型ロボット(デルタロボット)等でもよい。
更に、前記実施例においては、把持装置が有する把持部本体の構成を具体的に説明したが、対象物を把持できれば特に限定されるものではない(従来公知の構成でもよい)。
Claims (7)
- アーム手段の先端部に回転動作を行う出力部が内蔵されたロボットアームに用いられる把持装置において、
複数の指部の開閉動作により対象物を把持する把持部本体と、前記出力部の回転動作を前記複数の指部の開閉動作に変換する動力伝達機構とを有し、前記アーム手段の先端部に着脱自在に取付けられることを特徴とするロボットアームの把持装置。 - 請求項1記載のロボットアームの把持装置において、前記動力伝達機構は、前記出力部に連結され、該出力部の回転動作に合わせて回動可能な回動部と、該回動部の径方向外方に設けられ、前記アーム手段の先端部の前記出力部以外の部位に着脱自在な固定部とを有し、前記回動部が前記固定部に対して回動可能であることを特徴とするロボットアームの把持装置。
- 請求項2記載のロボットアームの把持装置において、前記複数の指部は、前記回動部と前記固定部の周方向に間隔を有して配置され、
前記各指部の基部が、前記固定部には移動可能に、かつ、前記回動部には回動可能に、それぞれ取付けられ、
前記回動部を前記固定部に対して回動させることで、前記指部の先部どうしの間隔が調整可能であることを特徴とするロボットアームの把持装置。 - 請求項2記載のロボットアームの把持装置において、前記複数の指部は、前記回動部と前記固定部の周方向に間隔を有して配置され、
前記各指部の基部が、前記固定部の径方向に移動可能に、かつ、前記各指部の先部が前記回動部の径方向外周部に回動可能に、それぞれ取付けられ、
前記回動部を前記固定部に対して回動させることで、前記指部どうしの間隔が調整可能であることを特徴とするロボットアームの把持装置。 - 請求項2記載のロボットアームの把持装置において、前記指部は2本あって、一方の該指部の基部は前記固定部の外周縁に、他方の該指部の基部は前記回動部の外周縁に連接されて、それぞれ径方向外方に向けて延設され、
前記回動部を前記固定部に対して回動させることで、前記指部どうしの間隔が調整可能であることを特徴とするロボットアームの把持装置。 - 請求項2記載のロボットアームの把持装置において、前記複数の指部は、前記固定部の周方向に間隔を有して配置され、
前記各指部が前記回動部の軸心に向けて傾倒可能となるように、該各指部の基部が前記固定部にそれぞれ取付けられ、該各指部の傾倒は、前記回動部に軸心を合わせて取付けられ、前記各指部の基部に螺合する雄ねじ部材又は歯車部材により行われることを特徴とするロボットアームの把持装置。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載のロボットアームの把持装置が、前記アーム手段の先端部に取付けられたことを特徴とするロボットアーム。
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