JP6882984B2 - 外科用ロボットアームドレープおよび外科用ロボットシステム - Google Patents

外科用ロボットアームドレープおよび外科用ロボットシステム Download PDF

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Description

本発明は、外科用ロボット器具のために使用される供給ラインの外科用ロボットドレープへの固定に関するものである。特に、供給ラインがドレープシートの内外面の間に設けられたドレープ、および、ガイディングエレメントのセットがドレープシートに取り付けられて、ガイディングエレメントに通される供給ラインを保持するドレープに関する。
図1には、ロボット手術を施すための典型的な外科用ロボットが示されている。外科用ロボット101は、ロボットアーム103を含んでおり、ロボットアームの一方の端部が外科用器具105に取り付けられている。外科用器具は、手術を行うために、患者に挿入するために操作することができる。ロボットアームはひとつ以上のジョイント107を有しており、ジョイント107を中心としてアームは関節式に連結され、外科用器具の動作および/または位置を制御できるようになっている。ロボットアーム103は外科用ドレープ109によって覆われており、外科用器具(滅菌されていなければならない)とロボットアーム(滅菌されてなくてもよい)の間に滅菌境界が設けられる。ロボットアームと、アームの位置する滅菌野(例えば手術室)の間に、ドレープは境界を形成する。
ロボット器具のために、1本以上の供給ラインが使用される場合がある。例えば、外科用器具105が、電力を供給されることによって、焼灼や切断などの外科的手術を施すことが可能になる場合もある。このような場合、供給ラインは、外科用器具に動力を供給するパワーケーブル111であってもよい。パワーケーブルは、発電機113のような外部の動力源と連結されて、外科用器具に動力を供給してもよい。外科的処置において供給ラインを配置するひとつの方法は、供給ラインが安全性欠陥になる危険性を減らすために供給ラインをドレープ外面に沿って張ることである。供給ラインは、テープやケーブルタイ等によって、ドレープに取り付けられてもよい。この方法のひとつの欠点は、供給ラインをドレープに取り付けるのが困難な場合があることである。特に滅菌状態において、外科用ロボットの処置のための準備における困難につながる可能性がある。
したがって、供給ラインをロボットアームドレープに取り付ける改善された方法が必要とされている。
本開示の第一の態様は、ロボットアームの一部を包む外科用ロボットアームドレープであり、ロボットアームの一部を収容する空所を形成する、内面および外面を備えるシートと、ロボットアーム器具に動力を供給するために該シートの該内外面の間に設けられたパワーケーブルとを含むことを特徴とするドレープである。
前記パワーケーブルは、前記シートの前記内外面の間に挟まれていてもよい。
前記パワーケーブルは、前記シートの素材によって形成された、該シートの前記内外面の間に設けられる導管内に収められてもよい。
前記パワーケーブルは絶縁シースに包まれた導電性コアを含んでもよい。
該シースは前記シートの素材で形成されてもよい。
前記シートの前記素材は前記導電性コアに直接連結されていてもよい。
前記パワーケーブルは、導電性コアと、それを包む絶縁シースを有してもよい。
該シースは、前記シートの前記素材と一体ではない素材から形成されてもよい。
前記パワーケーブルにおいて、動力源に連結される供給源コネクタ内で一方の端部が終端し、ロボットアーム器具に連結される器具コネクタ内で他方の端部が終端してもよい。
前記パワーケーブルは、前記器具コネクタの近くで前記シートの前記外面を貫通してもよい。
前記パワーケーブルは、前記シートの前記内面を貫通しないようになっていてもよい。
前記ドレープは、前記シートによって細長い空所が形成され、前記パワーケーブルが前記空所の長手方向長さに亘って延びるようになっていてもよい。
前記パワーケーブルは、ロボットアーム器具の基部を収める前記空所の開口部と、ロボットアーム器具の先端部を収める前記空所の先端の間を延びてもよい。
供給源コネクタと器具コネクタの少なくとも一方が前記シートによって形成される空所の外に位置してもよい。
前記パワーケーブルはソリッドコアを有してもよい。
前記導電性コアは、複数本の導電性撚線を編んだり撚り合わせたものであってもよい。
本開示の第二の態様は、ロボットアームの一部を包む外科用ロボットアームドレープであり、ロボットアームの一部を収容する空所を形成する、内面および外面を備えるシートと、外科的処置に使用するために該シートの該内外面の間に設けられた供給ラインとを含むことを特徴とするドレープである。
本開示の第三の態様は、ロボットアームを収容する空所を形成するシートと、該シートに取り付けられたガイディングエレメントのセットであって、外科的処置に使用される供給ラインが通されて供給ラインを保持するガイディングエレメントのセットとを含むことを特徴とする外科用ロボットアームドレープである。
前記ロボットアームが前記ドレープに収められている時に、前記ガイディングエレメントのセットに通された供給ラインが、前記外科的処置の使用のために位置決めされるように、該ガイディングエレメントのセットが前記シート上に空間的に配置されてもよい。
前記ガイディングエレメントのセットにおける各エレメントは、供給ラインが通される素材のループを形成してもよい。
前記ガイディングエレメントのセットにおける各エレメントは、供給ラインが通される導管部を形成してもよい。
各前記ガイディングエレメントは、供給ラインが通される導管を形成するハウジングによって構成されてもよい。
各前記ガイディングエレメントに、複数の供給ラインが通されるようになっていてもよい。
前記ドレープは、外科的処置に使用される第二の供給ラインを保持するための第二のセットのガイディングエレメントを更に含んでいてもよい。
前記ドレープは、前記ガイディングエレメントのセットに通される供給ラインを更に含んでいてもよい。
本開示の第四の態様は、外科用器具が取り付けられた外科用ロボットアームと、前記ロボットアームを収容する空所を形成するシート、およびロボット器具供給ラインを保持するために該シートに取り付けられているガイディングエレメントのセットを含む外科用ロボットアームドレープと、前記ガイディングエレメントのセットに通された、外科的処置に使用される供給ラインとを含むことを特徴とする外科用ロボットシステムである。
前記ガイディングエレメントのセットは、前記供給ラインが前記外科用器具に使用されるように位置するように、前記シート上に空間的に配置されてもよい。
前記供給ラインは、前記外科用器具に動力を供給するパワーケーブルであってもよい。
前記パワーケーブルは、動力源に連結される第一の末端部および前記外科用器具に連結される第二の末端部を有してもよい。そして、前記パワーケーブルの前記第二の末端部が該外科用器具との連結のための位置に収まるように、前記ガイディングエレメントのセットが前記シート上に空間的に配置される。
前記ガイディングエレメントのセットが、前記空所の長手方向長さに亘って延びるように前記シート上に配置されてもよい。また、前記ロボットアームの方向に沿って延びるように、該シート上に配置されてもよい。
前記セット内の各ガイディングエレメントは、前記供給ラインが通される素材のループを形成してもよい。
前記セット内の各ガイディングエレメントは、前記供給ラインが通される導管部を形成してもよい。
前記システムが複数本の供給ラインを含み、各供給ラインが前記ガイディングエレメントのセットに通されていてもよい。
前記ドレープは、前記シートに取り付けられる第二のセットのガイディングエレメントおよび、外科的処置に使用されるための、前記第二のセットのガイディングエレメントに通される第二の供給ラインを更に含んでいてもよい。
前記ガイディングエレメントのセットは、前記シートと一体となっていてもよい。
前記ガイディングエレメントのセットは、前記シートから取り外し可能であってもよい。
前記ガイディングエレメントのセットは、前記シートの外面に取り付けられてもよい。
前記ガイディングエレメントのセットは、前記シートの内面に取り付けられてもよい。また、該シートは、供給ラインの末端部を通すことができる、前記空所の先端部に位置する封止可能な開口部を含んでいてもよい。
前記ガイディングエレメントは、供給ラインと前記シートの相対的移動を許容するように配置されてもよい。各該ガイディングエレメントは、回転可能に該シートに連結されてもよい。
供給ラインは、外科用器具に動力を供給するパワーケーブル、洗浄チューブ、吸引チューブ、データケーブルのいずれかひとつであってもよい。
前記システムの一部を形成する前記ドレープは、本開示の第一、第二、および第三の態様のドレープのいずれであってもよい。
本開示の別の態様は、ロボットアームを収容する空所を形成するシートと、該シートに取り付けられたガイディングエレメントのセットであって、外科的処置に使用される供給ラインが通されて供給ラインを保持するガイディングエレメントのセットと、該ガイディングエレメントのセットに通された供給ラインと、を含むことを特徴とする外科用ロボットアームドレープである。ドレープは、更に、開示の第二、第三、第四の態様のドレープの特徴のいずれかを備えていてもよい。
以下、本発明を、例示としての図面を参照しつつ説明する。
外科的処置を行うための、外科用ロボットの典型的な設備を示す。 ドレープシート内外面の間にパワーケーブルが設けられた状態の、ロボットアームの一部を包む外科用ドレープを示す断面図。 ドレープシートを平面的に配置した状態の一例。 パワーケーブルがドレープシートの内外面の間に挟まれているドレープの断面図。 ドレープの組立方法を示す図。 ドレープの断面図で、パワーケーブルがドレープ内外面間に設けられて、ドレープシートの素材とケーブルの外面の間にエアギャップができている様子を示す図。 ロボットアームを包む外科用ドレープの断面図で、ドレープがパワーケーブル付近のみにおいて、断面において2層の素材層を有している図。 パワーケーブル付近においてのみ、断面において2層の素材層を有するドレープの例の平面図。 ドレープのシートに固定されるためにガイディングエレメントに通される供給ラインを含む外科用ロボットシステムの一例を示す図。 ガイディングエレメントの例を示す図。 ガイディングエレメントの一例を示す図。 ガイディングエレメントの一例を示す図。 ガイディングエレメントの一例を示す図。 ガイディングエレメントの各セットに通される2本の供給ラインを含む外科用ロボットシステムの別の例を示す図。
下記の説明において、適切であれば、同様の構成要素、即ち部材について述べるのに、同様の符号が使用される。
外科用ロボットアームドレープは、例えば外科的処置が行われる際に、ロボットアームの一部を覆うために使用される。外科用ドレープはロボットアームの少なくとも一部を収容する空所を形成するシートから構成される。ロボットアームには、患者に外科的処置を施すための外科用器具が取り付けられている場合もある。ドレープはロボットアームを覆いながら器具を覆わないように装着されてもよい。このように、ドレープによって、(菌の存在が許容される)ロボットアームの周囲に滅菌バリアが形成され、(無菌の)器具がドレープによって動きを制限されることなく外科的処置を施すようになっている。ドレープシートは、ロボットアーム周囲の非滅菌環境側に面する内面と、滅菌環境側に面する外面とを有している。
外科的処置の際には、1本以上の供給ラインが、ロボット器具への供給や外科的処置を行う外科医の補助のために使用される場合がある。供給ラインは、例えば器具上に位置するインターフェースへの取り付けによって、器具に接続していてもよいし、ロボットアームに接続していてもよい。供給ラインは、器具のひとつ以上の機能を使用可能にしたり、外科的処置の際にひとつ以上のサービスを器具に提供することによって、器具に使用される。(例えば器具が電力を使用するものなら)供給ラインは、例えば動力を器具に供給するパワーケーブルであってもよい。あるいは、供給ラインは、例えば流体や異物を手術箇所から除去するなどして処置中に手術箇所の状態を保つためのチューブや管、即ち吸引チューブや洗浄チューブであってもよい。別の例においては、供給ラインを外科用器具あるいはロボットアームとの間でデータや制御信号のやりとりを行うためのデータ伝達ケーブルとすることも可能である。制御信号は、例えば外科医の入力制御装置から伝達される信号のことである。更に別の例においては、供給ラインは光学ファイバーや内視鏡であってもよい。一般に、供給ラインはケーブル、即ちリード線(例えばデータ伝達ケーブルや、動力供給ケーブル)、もしくはチューブ(例えば洗浄チューブや吸引チューブ)であってもよい。供給ラインは管と称されることもある。
ここに記述するのは供給ライン/管のドレープシートに対する固定方法の様々な例である。これらによって、供給ライン/管を紐やテープ等を利用して手作業でシートに沿うように取り付ける必要がなくなり、外科用ロボットの準備を早めることができる。図2〜8に関連して記述される例の第一のセットにおいて、供給ラインはドレープシートの内外面の間に位置している。図9〜11に関連して記述される例の第二のセットにおいて、供給ラインは、供給ラインを保持するガイディングエレメントのセットを通じて外科用シートに固定されている。
例の第一のセットについて説明する。これらの例において、供給ラインは、電力を外科用器具に供給するためのパワーケーブルである。これは、純粋に説明のためだけだと理解されるもので、下記の記述は供給ラインのさまざまな形態に等しく適用され得る。これらの例において、ケーブルはシートの内面と外面の間に配置されている。ケーブルはシートの素材によって形成される管の中に収容されてもよい。パワーケーブルをドレープシートと一体にした場合、外科用ロボットの使用準備時に、パワーケーブルをドレープに手作業で組み付け固定する作業が不要になる。これによって、外科的処置のためのロボットの使用準備が、パワーケーブルが別体の部材であり、手作業でドレープに固定しなければならない場合に比して、容易に且つ迅速に行えるようになる。
図2に、外科的処置を行うために準備された外科用ロボットの一例が示されている。外科用ロボットは全体を201で示されており、ロボットアーム203および外科用器具205によって構成されている。外科用ドレープ207はロボットアームを包み込み、ロボットアームの外側に滅菌境界を形成する。ドレープは断面図によって示されている(斜線模様によって示されている)。ドレープはロボットアームを収容する空所209を形成するシート211から構成される。シートは内面217および外面219を含む。内面は空所209に面し、外面は外部環境に面する。外科用ロボットが外科的処置を行うために準備を整えられたとき、内面が非滅菌環境に面し、外面が滅菌環境に面してもよい。
シート207は、ドレープのある程度の追従性を許容し、様々な大きさや形状のロボットアームに使用される適性を持てるように、可撓性を備えていてもよい。シートは、例えばポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンやポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の素材からなる。
外科用器具205は外部の動力源(ここでは発電機213として示される)によって、動力を供給されている。動力源213からパワーケーブル215を経由して器具205に動力が供給される。パワーケーブルはドレープシートの内外面間に設けられている。したがって、パワーケーブルはシートに埋設されているように見える。ケーブルはドレープの製造工程の間、シートと一体であってもよい。パワーケーブルは常設的にシートに埋設されてもよい。また、パワーケーブルはシートに常設的に埋設されずに、シートから取り外せるようになっていてもよい。例えば、パワーケーブルは、シート製造後、例えば手術室で、ロボット器具が外科的処置を行うために準備されているときに、ドレープシートと一体化されてもよい。パワーケーブルは、シートにおける統合された管にケーブルを通すことによって、シートと一体化されてもよい。外科的処置の終了時、ケーブルを管から取り除くことによって、ケーブルがシートから外されてもよい。
下記でより詳細に述べるように、パワーケーブルはシートの内外面の間で挟まれて、シートの素材がケーブルの外面と接触していてもよい。また、パワーケーブルは、ケーブルの表面と接触しないシート素材によって形成された管内に収容されていてもよい。
パワーケーブルは、各端部にコネクタが設けられていてもよい。パワーケーブルは、動力源213との連結のために供給源コネクタ221を一方の端部に備え、ロボットアーム器具205との連結のために器具コネクタ223を他方の端部に備えている。器具コネクタおよび供給源コネクタは、例えば成形コネクタであってもよい。
パワーケーブルは、必ずしも全長に亘ってシートの内外面間に設けられなくてもよい。例えば、コネクタをシート207の外側に配置して、ケーブルの器具や動力源への連結を容易にしてもよい。しかしながら、パワーケーブルはシートの両面の間に大部分の長さに亘って設けられ、ケーブルの滅菌環境への露出を減らしてもよい。パワーケーブルは(図示されているように)シートの外面を貫通してロボットアーム器具に連結される一方で、シート内面を貫通しないようになっていてもよい。つまり、ケーブルが、空所内の非滅菌環境と空所外の滅菌環境との間に流体通路を必要とすることなく、ドレープ内に統合され得るということなので、これは好都合である。パワーケーブルは器具コネクタに近い領域においてシート外面を貫通して、ケーブルの大部分がシート両面の間に位置するようになっていてもよい。
パワーケーブルはシート周辺部の開口部227を通じて延び出して動力源に連結してもよい。開口部は、図示されているように、シート内外面によって形成された境界、即ちリップを有していてもよい。開口部はシート両面と略平行方向を向くように方向づけられていてもよい。即ち、開口部の平面はシート両面と略交差、もしくは直交してもよい。あるいは、パワーケーブルはパワーコネクタに近い領域においてシート内面を貫通してもよい。一般には、動力源213は滅菌状態ではない。そのようであるから、動力源を滅菌環境ではなく非滅菌領域に収容することが望ましいであろう。外科用ロボットが処置のために準備されたときに、パワーケーブルがシート内面を貫通し、非滅菌領域に収容されている動力源に連結できるように、ドレープが構成されていてもよい。このことによって、動力源を滅菌環境に収容する必要なしにパワーケーブルの動力源への連結が可能になるため、これは好都合である。ドレープは、シート内面上に位置する、ケーブルが通過してシート内面を貫通することを可能にするポート即ち開口部を有してもよい。
ロボット201を外科的処置のために準備するために、ドレープ207にロボットアーム203をくぐらせる。ドレープは、アームをくぐらせることができる略長手形状に製造されてもよい。例えば、ドレープは、一方の端部が閉塞されて他方の端部が開放された略筒状になるよう製造されてもよい。または、ドレープは平面シートとして製造されて、ドレープがロボットアームに装着される際に長手形状に手で形作られてもよい。この場合であっても、ドレープシートはロボットアームを収容するための空所を形成するようになっている。空所はロボットアームの基部を収容する基端部、およびロボットアームの先端部を収容するための先端部を含んでもよい。空所は、ドレープにロボットアームをくぐらせることができるようにする開口部(全体を225で示す)を基端部において有している。開口部はアームに対して閉じられ、シート内面とアームの外側の間の空間を密閉するようになっていてもよい。ドレープは、パワーケーブルが空所の長手方向長さに亘って延びるような構造になっていてもよい。ケーブルは、空所の基端部の近くの領域から、空所の先端部の近くの領域まで延びていてもよい。一度ドレープにロボットアームをくぐらせたら、パワーケーブルは空所の先端部の近くにおいて器具205に、そして空所の開口部225の近くにおいて動力源213に連結され得る。
従来のドレープを使用して処置のために外科用ロボットの準備をする際、一般に、パワーケーブルがその処置を行うスタッフに接触したりスタッフの妨げになる可能性を最小にするためにはどこにパワーケーブルを配置するべきか考える必要がある。解決策のひとつは、ケーブルをドレープの外面に固定することであるが、困難で時間のかかる作業になる可能性がある。加えて、処置のためにロボットの準備をする度ごとにパワーケーブルを連結して後で取り外す必要があるかもしれない。ケーブルをドレープシートの内外面の間に設置することによって、これらの問題を回避することができる。パワーケーブルがドレープシート207と一体であるから、外科用ロボットの準備の際にパワーケーブルをどこに配置および/または取付するか考慮する必要がない。更に、ケーブルはシート内に封じられているため、ドレープの使用前に予殺菌する必要がない。
図3はドレープの平面配置状態の一例である。ドレープは、ロボットアームに装着されて、アームを収容する空所を形成する前に、平面シートとして構成されてもよい。ドレープ301は内面307と外面309を有するシート303からなる。ドレープ301は、内外面307,309間に配置されて図示されないパワーケーブルを収める導管311を含んでいる。導管はシートの両面に略平行な方向に延び、ドレープ周辺部に位置する開口部313を有する。開口部は穴とシートの素材で形成されるリップを含んでもよい。導管は、その長さに亘って、シートの素材に接しており、ゆえに、シートの素材によって境界が定められている。ドレープは更にポート315を備え、ポート315によって、パワーケーブルが外面309を貫通してロボットアーム器具に連結され得るようになる。ポート315は外面上に位置する。ポート315によって、ケーブルが導管から外面を貫通して延びることが可能になる。
ドレープは、パワーケーブルを含まずに製造されてもよい。即ち、パワーケーブルはドレープの製造時にドレープシート内に埋設されなくてもよい。ケーブルを開口部313とポート315を経由して導管311に通すことによって、パワーケーブルはドレープと一体化され得る。これはドレープの使用者(例えば外科医や看護師)によって、行われ得る。同じ方法で、パワーケーブルをシート内部から取り外すことができる。したがって、パワーケーブルはシートから取り外し可能で、常設的に埋設されていなくてもよい。
パワーケーブル(例えば、製造時にシートに埋設されたケーブルや、シートから取り外し可能に一体化されたケーブル)は、少なくとも導管の開口部とポートの間を延びることができ、その間の長さのケーブルはシート303に埋設される。パワーケーブルの先端部はポート315を越えて延び、ロボット器具に連結されてもよい。この先端部は器具コネクタを含んでもよい。同様に、パワーケーブルの基部が導管の開口部を越えて延び、外部の動力源に連結してもよい。この基部は電源コネクタを含んでもよい。
ドレープは、導管開口部がケーブルの外面の境界を定めるように構成されてもよい。言い換えると、開口部はケーブルの外面に接してもよい。開口部はケーブルの外面に接して封止されてもよい。導管開口部は、例えばケーブルの表面に固着されてもよい。ケーブル周辺に開口部の境界を定めると、外科的処置の間に滅菌環境に入るおそれがあるときに、非無菌の空気が導管に吸い込まれるのを制限できる。ケーブル周辺に開口部の境界を定めることによって、ケーブルが望まない動きをするのを防ぐためにケーブルをシートに固定することが容易になる。同じ理由によって、ポートもパワーケーブルの境界を定めるように、ドレープを構成することもできる。
ドレープは、シートの周辺部の近くの領域において、更なる(図示しない)ポートや開口部を備えていてもよい。ポートはシート内面上に位置し、ケーブルが内面を貫通して動力源に連結できるようになっていてもよい。その結果、上記のように、パワーケーブルは導管から非滅菌領域へと延びて動力源に連結されることができる。ドレープは開口部313の代わりに別のポートを有していてもよい。また、ドレープはポートと該開口部を有していてもよい。
ケーブルはシート内外面の間に挟まれていてもよい。例えば、ケーブルはその長さに亘ってパワーケーブルの外面の範囲を規定する導管内に収まるようになっていてもよい。それによって、シートの素材はケーブルの外面に接する。シートの素材はケーブル外面に接していてもよい。図4において、パワーケーブルがシートの内外面間に挟まれているドレープの一部の典型的な断面が示される。例えば、ドレープは図2や図3に描写されているドレープであってもよい。図4において、パワーケーブル405が導管内に収容された状態で示されている。パワーケーブル405はシート403の内面407と外面409の間に配置されている。そして、パワーケーブル405はそれらの面に挟まれて、ケーブル外面がシート素材に接触、あるいは固着するようになっている。パワーケーブルはシートに包囲されている、あるいは埋設されているということができる。
ドレープ製造時に、パワーケーブルはシートの内外面の間に挟まれていてもよい。そのように、パワーケーブルは常設的にシート内に埋め込まれていてもよい。ケーブルをドレープシートの表面の間に挟む方法の一例は、図5で描写されている。第一段階として、パワーケーブル505は第一の素材シート501上に位置してもよい。第二の素材シート503が第一のシートに合致するように配置されることができる。次に、第一および第二のシートは、例えば熱、接着剤の使用、またはそれらの組み合わせによって、固着される。シートが固着された後は、2枚の素材シートの外面(即ち、互いに面していない側のシートの面)は、ドレープシート403の内面と外面に相当する。
ケーブルをシートの内外面の間に挟むことによって、ドレープ使用中にケーブルが抜け落ちることを防ぐことができる。しかも、ケーブルを挟むために、複雑な製造技術や費用の高い製造技術を使う必要はない。
図6に、ドレープの一部の別の断面が示されている。例えば、ドレープは図2や図3のドレープであってもよい。この例において、パワーケーブル605は、ドレープシート603の内面60と外面60の間に設けられる導管611内に収められているが、それによって境界を規定されてはいない。例えば、ドレープは、パワーケーブルの導管内での横の動きを許容するように構成されていてもよい。エアギャップ613および615が、導管を形成するシート素材とパワーケーブル外面の間に存在してもよい。導管は、ケーブルの断面積より大きな断面積であってもよい。導管内の追加的空間によって、シートによるパワーケーブルの追従性への制限が緩和されるかもしれない。処置の前にドレープを外科的ロボットに固定するとき、これは便利かもしれない。例えば、ドレープをロボットアームに固定するとき、ドレープは様々な構造的形状によって操作される。そのような操作には、パワーケーブルのある程度の追従性が必要とされる。追従性は、ケーブルへの移動に関する制限を減らすことによって、増加することができる。
パワーケーブルの導管内の移動を許容する外科的ドレープは、しかしながら、シート素材が導管の開口部および/またはポートの位置でケーブルの境界を定めるような構造になっていてもよい。それによって、ケーブルをシートに固定できる、および/または非無菌の空気の導管内流動を制限できる場合がある。ドレープは、開口部やポートがパワーケーブルに封着されるような構造になっていてもよい。シート素材は、例えばこれらの位置において、パワーケーブルに固着されることが可能である。
図6に示される断面を有するドレープは、図5で描写される工程と同じ方法で製造されてもよい。その工程の相違点は、2枚の素材シート501と50の全面を固着するのではなく、ケーブルの対向する両側の2つのすり板に沿って相互に固着されていることである。すり板の間の空間によって、ケーブルの大きさに対する導管の相対的な大きさが決定される。そして、シート素材は導管の開口部および/またはポートの周辺で閉塞され、それらの領域においてパワーケーブルに封着されるようになっていてもよい。当然、この工程は例示に過ぎず、ドレープは他の適切な方法においても製造され得る。例えば、ドレープは、パワーケーブルを埋設することなく製造する、および/または、パワーケーブルがドレープシートから取り外せるように製造することも可能である。
ドレープシートは、2層の素材層あるいはサブ素材シートから成っていてもよく、その2層は同一形状とされていてもよい。即ち、シートはその全面にわたって、2層の素材層から構成されていてもよい。そのようなシートの一例が図2,3,5に示されている。あるいは、ドレープは、パワーケーブルの近くや周辺の領域のみにおいて、ドレープシートが2層の層やサブシートによって構成されるようになっていてもよい。そのようなドレープの例が図7において示されている。
図7には、外科的処置を行うために準備された外科用ロボットの一例が示されている。この例において、外科用ロボットは、図2に示されるロボット201と同じものである。ロボットアームはドレープ701によって覆われ、アームの外側に滅菌境界が形成される。ドレープは断面図で(斜線模様で)示されている。ドレープは、ロボットアームを収める空所705を形成するシート703によって構成されている。シートは内面707と外面709を含む。内面は空所705に面し、外面は外部環境に面する。
外科用器具205は、動力源213によって動力を供給されている。動力源からパワーケーブル215を通じて器具に動力が供給される。ケーブルはシートの内外面の間に設けられる。
ドレープシート703は2層の素材層711,713を含む。ドレープは、パワーケーブル近くのシートの領域のみにおいて、シートが断面において2層の素材層からなるように構成されている。即ち、パワーケーブルから離れているシートの領域、例えば全体を715で示されている領域において、シートは断面において1層のみで構成される。シートにおけるケーブル近くの周辺領域において、ドレープシートは断面において2層の素材層からなる。このように、第二の層はケーブルにポケットを形成しているように見える。ドレープシートは、したがって、必要とされる場所に限り、ケーブルを収容するための第二の層を含む。ドレープシートを製造するために必要とされる素材の量が減らせるので、これは有利に働く。
ドレープシートは、第一の素材層(例えば層711)と第二の素材層(例えば層713)を含んで構成されている。第一の素材層は第二の素材層より大きな表面積であってもよい。第一および第二の層は、したがって形状が一致していなくてもよい。第一の層によって、ドレープシートの内面が形成されてもよい。パワーケーブルが第二の層の外面と第一の層の内面の間に設けられるように、第二の層によって、ドレープシートの外面が形成されてもよい。ドレープシートの外面は、したがって、第一の層の表面と第二の層の表面を含む場合がある。
第二の層は開口部、即ちポートを含み、それによって、パワーケーブルがドレープシートの外面を貫通して器具に連結できるようになっていてもよい。第一の層は開口部、即ちポートを含み、それによって、パワーケーブルがシートの内面を貫通して動力源に連結され得るようになっていてもよい。また、第一および第二の層は、ドレープの周辺部において、パワーケーブルが通過して延び出せるような開口部を形成してもよい。
ドレープ701のようなドレープは、図5において描写された工程と同じ方法で製造されてもよい。その工程の相違点は、図5のように2枚の対応しているシートを固着するのではなく、第一の層が第二の層に第一の層より小さな表面積で固着される点である。第一および第二の層は、一方の長さ寸法は等しく、他方の直角に交わる方向の長さ寸法においては異なるようになっていてもよい。例えば、それらの層は、長さは同じだが幅が違うようになっていてもよい。また、第一および第二の素材層は、直交する両方向において長さが異なり、第一および第二の層が異なる長さと異なる幅を持っていてもよい。第二の層は、例えば第一の層に固着される帯に形成されてもよい。
図8には、第二の層がパワーケーブルの導管を形成するためにどのように第一の層に固着され得るかの方法が示されている。ドレープ801は、平面配置状態で示されている。ドレープは第一の素材層805と第二の素材層807を有するシート803によって構成されている。第二の層は帯状、即ち略長手形状として形成され、第一の層より表面積が小さくなっている。第二の層の表面積は、例えば、第一の層の表面積の40%未満、または20%未満であってもよい。第二の層は第一の層に固着され、(図示されない)パワーケーブルを収容する導管を形成する。
ケーブルが導管内に収容された状態で、ケーブルはシート809の内面(第一の素材層の表面によって形成される内面)とシート811の外面(第二の素材層の表面によって形成される外面)の間に設置される。第二の層は、そこを通ってパワーケーブルが延びてシート外面を貫通しロボット器具に連結され得る開口部即ちポート813を含んでいてもよい。導管は、ドレープ周辺部に位置する、図示されている開口部815を有してもよい。開口部は、第一の層と第二の層の素材で形成されたリップによって境界を定められた開口部から構成される。ケーブルは開口部の外に延び出し、動力源に連結され得る。
または、第二の層が周辺部の全体に亘って第一の層に固着されてもよい。言い換えると、開口部815を設けなくてもよい。この場合、パワーケーブルは、第一の層と第二の層のいずれかに位置する第二のポート、即ち開口部を通ってドレープシートを貫通して、動力源に連結される。
上記において、どのように供給ライン(パワーケーブル)が、ケーブルのシート内外面間の設置によって、外科用ドレープのシート内に一体化され得るかの方法の様々な例について述べた。次に、供給ラインをドレープのシートに固定する他の方法を描写する更なる例のセットを述べる。下記の例において、ドレープはシートに固着されるルーティング構造体、即ちルーティングエレメントのセットを含んで構成される。これらの構造体はガイディングエレメントとも称され得る。ドレープは、外科的処置に使用するために供給ラインが各エレメントに通されるように構成されている。即ち、ドレープは、供給ラインがセットになっている各エレメントに通されて、それによって、ドレープのシートに固定され得るようになっている。結果として、有利なことに、供給ラインは外科的処置の間位置決め固定することができ、供給ラインをしかるべき場所にクリップや紐などで縛る困難で相当厄介な手作業が必要ない。
図9には、外科的処置のために準備された外科用ロボットシステムの例が示されている。ロボットシステムは、全体を901で示され、ロボットアーム203と外科用器具205を含んで構成されている。器具205は、ロボットアームの先端に取り付けられている。外科用ドレープ903は、ロボットアームを包んでその外側に滅菌境界を形成している状態で示されている。前述のように、ドレープは、ロボットアーム203を収容する空所907を形成するシート905によって構成される。シートは、既出のように、柔軟性を持っていてもよい。空所には、基部913と先端部915がある。基部は、空所の開口部を含む。空所の先端部は閉塞されている。
外科的処置に使われる供給ライン909は、この例においては外科用器具に取り付けられている状態で示されている。供給ラインの一方の端部は外科用器具に連結するための器具コネクタ917内で終端している。供給ラインの他方の端部は供給源921に連結するための供給源コネクタ919において終端していてもよい。供給源921は、例えば(供給ラインがパワーケーブルであるなら)電源や発電機等であるし、供給ラインが洗浄や吸引のチューブであるなら洗浄や吸引のポンプ等である。
供給ラインは、ひとつ以上のガイディングエレメント911のセットを通じて、シートに固定される。ガイディングエレメントはシート905の外面に取り付けられた状態で図示されており、供給ラインをシートに沿ってしかるべき位置に保持している。ここにおいて、ルーティングエレメントが供給ラインを保持するように、ルーティングエレメントのセットに供給ラインが通されている。こうして、ルーティングエレメント911はシート上に断続的に離れて設置されている。ルーティングエレメントには様々な形状があり、例えば、各ルーティングエレメントはひも穴を形成する素材のループの形状であってもよい。また、ルーティングエレメントは、素材のスリーブであってもよい。そのとき、スリーブは供給ラインが通される管を形成する。ルーティングエレメントの多様な形状の例が、図10A〜10Dに示されている。これらの例は、それぞれシート905に取り付けられているルーティングエレメントを示している(明確性のためにその一部のみ示される)。
ループ形状のルーティングエレメントが、図10Aにおいて示され、1001で表されている。素材のループはシートに固定され、供給ラインを通すためのひも穴1003を形成してもよい。素材のループはシートと一体であってもよい。例えば、素材のループはシートに固着されてもよいし、横方向の端部がシートに固定された素材の帯で形成されてもよい。ルーティングエレメントは、シートと同じ素材で作られてもよいし、シートとは別の素材で作られてもよい。ルーティングエレメントが外科的処置の間供給ラインを十分に支えられるようにするために、シートの素材より厚みがあって耐久性の強い素材によってルーティングエレメントを作ることが有効かもしれない。
また、図10Bに示されるように、ルーティングエレメントは、導管部やスリーブのセットの形状であってもよい。ここにおいて、ルーティングエレメント1005は、シートに取り付けられて、供給ラインが通されるスリーブまたは導管を形成する。既に述べたように、導管部のセットはシート上に断続的に距離を置いて配置されている。スリーブは、全体的にルーティングエレメントの素材によって形成されてもよい。これには、各スリーブが簡単にシートに固着できることから、ドレープを容易に構成することができるようになるという利点がある。また、スリーブはルーティングエレメントの素材によって部分的に形成され、しかもシートの素材によって部分的に形成されてもよい。
図10Cには、ガイディングエレメントの更なる例が示されている。これらの例において、ガイディングエレメントは、供給ラインを収める導管を形成するハウジングの形状である。エレメント1007は、供給ラインを保持し導くための内側溝状面1008を有するハウジング1009の形状である。エレメント1011は、1014で示される2つの対向する溝状面を含むハウジング1013を示している。また、ハウジングがエレメント1017で示されているように孔1015を有していて、供給ラインが孔1015に通されていてもよい。ハウジングが(図10Cの例に示されるような)硬質の構造体であって、シートへの取付を容易にしたり、供給ラインをより簡単に通すことができるようにしていてもよい。
図10Dには、ガイディングエレメントがクラスプ1019の形状をしている例が示されている。この例において、クラスプは調節可能である。クラスプは2つの対向アーム1021,1023を有し、アーム間の空間1029はねじ1025によって、調節することが可能である。当然ながら、クラスプの調節を他の機構をもってすることも可能である。例えば、クラスプのアームが弾性変形可能であり、アーム間の空間が力を加えることによって広げられるようになっていてもよい。アームが閉位置に向かって付勢されて、ルーティングエレメントが供給ラインを強固に保持可能になっていてもよい。
ガイディングエレメントの他の例も可能である。例えば、ガイディングエレメントがクリップであり、供給ラインがクリップの中に押し込まれていてもよいし、ペグであってもよい。
ルーティングエレメントは、上記で述べられたようにシートに固着されるとは限らず、シートに取り外し可能に取り付けられて、使用者によって外せるようになっている例もある。例えば、プッシュフィットやスナップフィットの取付、ジップロック機構、面ファスナ(例:ベルクロ(登録商標))等の固定機構によって、ルーティングエレメントがシートに取り付けられてもよい。ルーティングエレメントがシートから取り外し可能なら、ルーティングエレメントのセットを処置の後再利用することが可能になる。ドレープシートが、使い捨て可能に設計されている場合、再利用可能なルーティングエレメントによって、多数の外科的処置を行う医療の専門家や機関にとって、ドレープのコスト削減が可能になるかもしれない。
外科的処置の間、ロボットアームの関節の動きによって、供給ラインがコイル状に巻いたり屈曲したりする可能性がある。供給ラインがルーティングエレメントによって保持されているため、供給ラインのそのような動きは次々に大きな力をシート中に伝えるかもしれない。ドレープシート905は、したがって、各ルーティングエレメントの周囲の領域において更に補強されてもよい。補強エレメントのセットを使用することによって、使用中にロボットアームのそのような関節の動きによって引き起こされるシートへのダメージ(例:裂け、破れ)を予防することができる。例えば、ドレープは、シートに固着されるパッチのセットを備え、各ガイディングエレメントが各パッチに取り付けられてもよい。パッチは、シートと同じ素材で作られていてもよいし、シートの素材より強い弾性および/または剪断の強度を有する素材で作られていてもよい。パッチは、ドレープの柔軟性に悪影響を与えないように、常態の追従性を許容する柔軟性を備えていてもよい。また、パッチは、更なる保護や補強を実現するために、硬質の板の形状であってもよい。パッチがシート905の一方の側に固着され、他方の側がガイディングエレメントに取り付けられてもよい。また、補強エレメントは、それぞれガイディングエレメントとドレープシートの両方に取り付けられるようになっているフランジであってもよい。補強エレメントは、どのような適切な連結によってもガイディングエレメントに取り付け可能である。例えば、補強エレメントはひとつ以上のねじ等によって固定されて、ガイディングエレメントに固着されてもよい。
他の例において、ドレープシート905は、ガイディングエレメント周辺の厚さの増大した領域を有することによって、補強されてもよい。即ち、シートの厚さは一定でなくてもよい。厚さの増大した複数の領域や、サブエリアを有していてもよい。各ガイディングエレメントは厚さの増大した領域に取り付けられてもよい。これらの領域は、空間的にシート中に配置されてもよい。
ガイディングエレメント911は供給ラインを保持するが、強固に保持する必要はない。即ち、ルーティングエレメントは、通された供給ラインとドレープシート905の相対的移動を許容するように配置されてもよい。例えば、ガイディングエレメントは、ガイディングエレメントおよび/またはシートに対する供給ラインの横方向および/または長手方向の相対的移動をある程度許容してもよい(横方向や長手方向という用語は、供給ラインの一般的な方向に対しての方向を言う)。簡単な例として、各ガイディングエレメントは供給ラインを取り巻いたり、接してもよいが、厳しく制限しない場合もある。図10A〜10Dを参照すると、素材のループによって形成されたひも穴1003は、供給ラインより大きな断面積を有してもよい。あるいは、スリーブ1005もしくは孔1015は、供給ラインに比して大きな断面積および/または直径を有してもよい。このように、ガイディングエレメントはシートに対する供給ラインの相対的摺動を許容してもよい。図10Bの導管部および図10Cのハウジングは、特によく適合して、このような供給ラインの摺動を許容するようになっていてもよい。
他の例において、ガイディングエレメントそれ自体がドレープシート905に対して相対的に移動可能になっていてもよい。例えば、ガイディングエレメントは、例えばシートの局所的平面(ガイディングエレメント近辺のシートの全平面)に略直交する軸の回りを回転可能であってもよい。図10Dによると、例えば、クラスプ1019は双頭の矢印で示される軸1027を中心として回転可能であってもよい。図10A〜10Cにおいて示されているガイディングエレメントもまた、例えばシートに回転可能に取り付けられている裏板あるいは支持板に固定されることによって、シートに対して回転可能とされていてもよい。ガイディングエレメントは、シートに取り付けられた裏板に回転可能に取り付けられたプレートに固定されていてもよい。これらの例において、ガイディングエレメントの回転によって、供給ラインのシートに対する移動が許容され、ロボットアームの関節が動くにつれて供給ラインによって採用されたシートを横切るルートが変更されることが可能になるかもしれない。
ガイディングエレメントに保持されている状態の供給ラインがドレープシートに対して相対的に移動できるようにすることによって、供給ラインがロボットアームの関節の動きに干渉することを防ぐことができる。さらに/または、ロボットアームの関節の動きが供給ラインを変形させたり、性能に悪影響を与えるように形状を変えることを防止することができる。供給ラインに緊張を強いるロボットアームのどのような動作も、(例えばガイディングエレメントを回転させたり、供給ラインが輪になるようにすることによって)単純に供給ラインが緊張の少ない位置に移動する要因となるからである。ガイディングエレメントを回転可能にすることは、ロボットアームのひとつ以上の肢部の回転ジョイントを中心とした回転動作に適合するのに特に便利である。
ロボットアーム203の動作に一層適合するために、ドレープは、隣り合ったガイディングエレメント間の領域において供給ラインが張りつめるのではなく弛むように配置されてもよい。供給ラインが弛むように配置することによって、ロボットアームのより大きな関節の動きに適合できる。
外科的処置のためにロボットシステム901を準備するために、ドレープがロボットアームに装着される前に、ガイディングエレメントのセットに供給ラインが通されてもよい。その後、ドレープ(ガイディングエレメントを含む)は滅菌されてもよい。滅菌されたドレープは、ロボットアームを覆うように配されることができる。そして、ガイディングエレメントは外科的処置において使用されるのに相応しい位置に配置されてもよい。ガイディングエレメントを通じての供給ラインのシートへの固定は、ラインの固定をケーブルタイやテープ等で行わなければならない場合よりも、供給ラインを位置決め保持するのに便利な方法であるかもしれない。
また、図9において、ドレープがロボットアームを収容している状態で、通された供給ラインが外科的処置に使うために相応しい位置に収まるように、ルーティングエレメントのセットをシート905上に有利に位置させられることが示されている。即ち、ルーティングエレメントがシート上に位置して、供給ラインの作業端(即ちロボット器具205に連結される端部)が手術箇所の近くや、供給ラインが繋がれる器具ソケットの近くに位置するようになっていてもよい(例えば、供給ラインがパワーケーブルであるこの例において、器具上に位置するパワーソケットに供給ラインは繋がれている)。供給ラインを相応しい位置に配置するために、ガイディングエレメントは、シート905によって形成される空所の長手方向の長さを横切るように配置されてもよい。換言すると、ガイディングエレメントのセット911は、図9に示されているのと同じように、空所の基部913から先端部915までシートに配置されてもよい。空所の長手方向長さに亘ってガイディングエレメントを設置すると、供給ラインがガイディングエレメントのセットに通される際に、供給ラインがガイディングエレメントによって、空所の端から端まで敷かれる。空所の閉塞端部は、ロボットアーム203と外科用器具205の間に位置する部分であるため、ひとつ以上のガイディングエレメントをこの領域に配置することは、外科的処置に使うための供給ラインの作業端の位置決めの助けになる。別の配置において、ガイディングエレメントがロボットアーム203の一般的方向に沿って延びるように、ドレープ上に配置されていてもよい。即ち、ガイディングエレメントはアームの外形に追従してもよいし、アームの長さを横切ってもよい。そのような配置は、外科的処置に使われるための供給ラインの末端部を正確に配置しながら、一方で供給ラインがアームの関節の動きを妨げる可能性を減らすために有効である。
ドレープがアームを覆っている時に、通された供給ラインが器具に向かう道筋を定めるように、ガイディングエレメントをシート上に配置することによって、処置のために外科的システムをより簡単に準備できるようになる。なぜなら、ドレープでアームを覆うだけで、外科的処置に使用するためのしかるべき位置におおよそ収まるからである。手術用のロボットシステムを準備する者は、したがって、供給ラインの末端部をうまく扱って、(例えば、ロボット器具上のインターフェースに連結するなどして)供給ラインの末端部を処置に使うために正しい位置に調整するだけでよい。
上記の例によって、単体の供給ラインを保持するためのガイディングエレメントを有するドレープが説明されている。他の例においては、多数の供給ラインがガイディングエレメントに位置決め保持されてもよい。例えば、ロボット器具のためのパワーケーブルおよび、施術箇所から異物や流体を除去するための洗浄チューブが設けられてもよい。
多数の供給ラインを保持するひとつの手段は、ガイディングエレメントのセット911における各ガイディングエレメントが多数の供給ラインを収められるように構成することである。即ち、ガイディングエレメントが、多数の供給ラインがセット内の各エレメントに通され得るような寸法に設定されてもよい。例えば、図10A〜10Dを参照して、ガイディングエレメント1001,1005,1007,1011,1017,1019のそれぞれが、多数の供給ラインを収められるような寸法に設定されてもよい。この点において、調節可能なクラスプが特に便利であるかもしれない。なぜなら、ガイディングエレメントによって保持される供給ラインの数(または供給ラインの厚さ)に合わせて収納空間1029の大きさが容易に調節できるからである。
多数の供給ラインを保持する別の手段は、第一のセットのガイディングエレメントと、第二のセットのガイディングエレメントを設け、各セットのガイディングエレメントがそれぞれ1本の供給ラインを保持するようにすることである。図11には、ロボットアーム203を包むドレープ1103を有するロボットシステム1101が示されている。ドレープのシート1105は、第一のセットのガイディングエレメント1107および第二のセットのガイディングエレメント1109を有し、各セットのガイディングエレメントがそれぞれ1本の供給ライン(それぞれ1111,1113と示される)を保持するようになっている。両セットのガイディングエレメントは、外科的処置に使用するための器具205に向かって、シートによって形成された空所の端から端に供給ラインの道筋を定める。供給ライン1111は供給源1115(例えば動力源)に連結されている様子が示されており、供給ライン1113は、供給源1117(例えば洗浄チューブを使用するための吸引装置)に取り付けられている様子が示されている。シート1105は、上記のようにガイディングエレメントの周辺領域において更に補強されていてもよい。
各セットのガイディングエレメントは、ここに描写される型のいずれであってもよい。第一のセットのガイディングエレメントは、第二のセットのガイディングエレメントと同じ型であっても違う型であってもよい。例えば、第一のセットのルーティングエレメントが調整可能クラスプ101の形状で、第二のセットのルーティングエレメントが導管部1005の形状であってもよい。また、両セットのルーティングエレメントがループ形状等であってもよい。
各セットのルーティングエレメントにおいて異なる供給ラインを保持することには、供給ライン間に多少の空間的離隔距離を設けることによって、ある程度の耐欠陥性を得られるという利点がある。したがって、複数の供給ラインが1セットのガイディングエレメントに保持されている場合に比べて、供給ラインのうち1本(例えば洗浄チューブ)が損傷を受けた場合に、別の供給ライン(例えばパワーケーブル)が、例えば流体漏れによって、間接損害を被りにくい。
図11に示されているドレープは2セットのガイディングエレメントを含んでいる。しかし、より一般的な例において、ドレープがNセットのガイディングエレメントを有し(N≧2)、それぞれ1本の供給ラインを保持するようになっていてもよい。ガイディングエレメントの各セットは、同じ型(例えばスリーブ)であってもよいし、それぞれ別の型であってもよい。
図9〜11に関する上記例において、ガイディングエレメントは、シート外面に取り付けられる。当然、上記例のそれぞれについて、ガイディングエレメントがシートの外面ではなく内面(空所内の非滅菌領域に面するシートの面)に取り付けられる場合もある。これによって、外科的用途のためにドレープを準備するために、供給ラインを滅菌する必要がなくなる。なぜなら、供給ラインはもはや滅菌環境に直接繋がらないからである。
ガイディングエレメントがシートの内側の面に取り付けられる場合、ドレープは、更に供給ラインが通る開口部を更に含んでいてもよい。供給ラインの末端部はシートの外側(空所の外側)にあるため、供給ラインは外科的処置での使用に相応しい位置に位置決めされる。開口部自体が空所の先端部において、あるいは先端部に向かって位置していてもよい。滅菌境界を維持するために、開口部は供給ラインに対して封止されてもよい。封止は、気密であってもよい。
図9〜11に関する上記例によって、ドレープの外科用シートに取り付けられたガイディングエレメントのセットに通されることによって、供給ラインがどのように位置決め保持され得るかが示されている。ガイディングエレメントを使用することによって、外科的処置のためのロボットの準備が容易になり得る。供給ラインをドレープシートに固定する工程は、使用者によって行われてもよい。即ち、ドレープと供給ラインは、使用者が外科的処置での使用のために組み立てる別体の部材であってもよい。例えば、使用者がドレープに取り付けたい供給ライン(例えば器具パワーケーブル)を選択し、ガイディングエレメントのセットによってドレープに取り付けて、ドレープ(供給ラインを含む)を滅菌してから、滅菌されて組み立てられたドレープで処置に使われるロボットアームを覆ってもよい。また、ドレープと供給ラインは予め組み付けられていてもよい。即ち、ドレープは、供給ラインが既に組み付けられた状態で流通および販売されてもよい。これによって、使用者がガイディングエレメントに供給ラインを通したり、あるいはガイディングエレメントによって供給ラインをドレープに固定したりする工程が省略され、外科用ロボットの準備が更に短時間で行えるようになる。ドレープは、様々な供給ラインと組み付けられることができ、1セットのガイディングエレメントに通された1本より多い供給ラインと組み付けられることも可能である。ドレープが、各供給ラインを保持する多数のセットのガイディングエレメントを有している場合、1本の供給ライン(例えばパワーケーブル)だけが予めドレープに取り付けられるようにドレープが予め組み付けられていてもよい。他の供給ライン(例えば洗浄チューブ)は、その後使用前に使用者によって追加されることができる。更に一般的に、ドレープがNセットのガイディングエレメントを含む場合、ドレープにはn本の供給ラインが予め組み付けられてもよい(n<N)。結果として、ロボットシステムの組み付け時間が短縮される利点があり、一方で、使用者が必要とされている更なる供給ラインを追加できるようになる点において、ある程度の自由度が得られる。
上記において、供給ラインを外科用ドレープのシートに一体化し得る方法の様々な例が説明された。供給ラインは、例えば外科用器具への供給や手術箇所の手入れ等の外科的処置において使用される。既に述べられたように、供給ラインは外科用器具に動力を供給するためのパワーケーブルであってもよい。パワーケーブル自体は、電源によって発生した電流をロボットアーム器具に供給する導電性コアを有していてもよい。導電性コアは、絶縁シースで包まれていてもよい。絶縁シースは導電性コアからの電流漏れを防止する機能を有していてもよいし、更に、使用者がケーブルと電気的に接触するのを防ぐ安全機能を有していてもよい。絶縁シースはパワーケーブルの真性パートであってもよい。即ち、パワーケーブルは、導電性コアと絶縁シースを含んでもよい。また、ケーブルは(各端部がコネクタの中で終端する)導電性コアから構成されて、ケーブルがドレープシートと一体化されたときに、ドレープシートによって絶縁シースが設けられるようになっていてもよい。
導電性コアは、様々な形状をとり得る。例えば、導電性コアは、ソリッドコアであってもよい。ソリッドコアは、一般的に導電性の素材の一片から形成される単体の紐のワイヤや導電性の帯鋼である。ソリッドコアは概して製造が簡単で安価なコアである。また、導電性コアは複数本の導電性撚線から構成されてもよい。そのようなコアは、撚線コアと称されてもよい。それら撚線は、平行に配置されていてもよいし、編まれていても捩られていてもよい。撚線コアケーブルは、ソリッドコアケーブルに比して大きな追従性と柔軟性を持つので、撚線コアケーブルは外科的ドレープに使用するのに特に好適であるかもしれない。
パワーケーブルは複数の導電性コアからなっていてもよい。そのようなケーブルは、マルチコアケーブルと称されてもよい。マルチコアケーブルの各コアはソリッドコアであっても、撚線コアであってもよい。複数のコアが単体の外シースによってまとめられていてもよい。
絶縁シースは、ドレープシートの素材によって形成されてもよい。例えば、ドレープと一体化されたパワーケーブルには絶縁層は必須要素ではなく、導電性コアを有するだけでよい。ケーブルがドレープシートの内外面の間に設けられるとき、導電性コアがシートの素材と直接連結して、それによって、シートがケーブルの絶縁層として機能する。
真性の絶縁層/シースを持たないパワーケーブルは、図1〜8に関して描写された例のドレープのいずれに使用されてもよい。パワーケーブルに導電性コアのみを使用すると、結果的に、絶縁層を含むパワーケーブルを使用する場合に比してドレープの柔軟性が増加するかもしれない。また、それによって、ケーブルに別体の絶縁体が必要なくなるので、ドレープ製造コストが削減されるかもしれない。
また、パワーケーブルは、導電性コアを覆う絶縁層/シースを含んでいてもよい。この絶縁層はケーブルに本来備わっているもので、シートの素材とは独立している。即ち、パワーケーブルはそれ自体の、ドレープシートの素材とは一体でない絶縁シースを有している。このようなケーブルはここに説明する例のいずれにも使用することができる。このケーブルは例えば同軸ケーブルであってもよい。ケーブルがマルチコアケーブルである場合、複数のコアのそれぞれが対応する絶縁シースに覆われていてもよい。複数のコアは、単体の保護シースに覆われて、それらコアが束状に維持されてもよい。絶縁シースを有するパワーケーブルは、シースを持たないケーブルよりも広く普及している可能性があり、それによって、ドレープ製造工程の用途が広がるかもしれない。
当然ながら、供給ラインはパワーケーブルとは限らず、例えば洗浄チューブや、吸引チューブ、データ通信線等であってもよい。
ここに説明するいくつかの例において、供給ラインはドレープの外面を突き抜けて外科用器具に連結される。他の実施形態において、供給ライン(例えばパワーケーブル)はドレープシートを通じて外科用器具に連結されてもよい。例えば、ドレープは外科用器具とパワーケーブルの両方に連結されるインターフェースプレートを含んでもよい。インターフェースプレートはシートに埋設されてもよい。空所の先端部に向けて位置決めされ、ドレープ使用中に外科用器具の近くに位置するようになっていてもよい。プレートはひとつ以上の導電性接触子を有していて、それによって、パワーケーブルが器具に電気的に結びつくことができるようになっていてもよい。パワーケーブルはインターフェースプレートと一体であってもよい。例えば、パワーケーブルはプレートに対して固着されていたり、溶着されていたりしてもよい。パワーケーブルそれ自体がプレートと常設的に電気的に接していてもよい。そのようなドレープにおいて、パワーケーブルは、プレートの電気的接続部が器具上の導電性エレメントに接続または連結するように、ドレープを器具に対して適切に位置決めすることによって、外科用器具に連結されてもよい。インターフェースプレートの導電性接触子は、型成形によって外科用器具への連結に適切な形状に成形されてもよい。例えば、接触子は器具上の電気的接続部と係合する突起の形状であってもよい。
ドレープを通じてケーブルを器具に連結することによって、器具コネクタを含むケーブルをシートに埋設することが可能であり、ドレープの外側シートを貫通させる必要がない。それによって、パワーケーブルを滅菌環境に入れなくても、パワーケーブルを外科用器具に連結することが可能になるため、これは利点である。
ここに説明する例の一部において、外科用ドレープは埋設された/一体となった(固定されているものが更に一般的である)、外科用ロボットアームに取り付けられた外科用器具に動力を供給するためのパワーケーブルを有する。パワーケーブルは、電気外科手術や電気焼灼を行うために使われる器具に動力を供給するものであってもよい。電気外科手術と電気焼灼は、患者の組織に外科的処置を施す(例えば、組織を切断したり、凝固させたり、乾燥させたり、高周波治療を施したりする)ために電流を使うという原則に基づいている。一般に、電気焼灼は直流電流を使用して、外科用プローブを高熱になるまで加熱した後、加熱されたプローブを患者の組織に当てる。一方で、電気外科手術は、一般に一対の電極を通じて患者の組織に交流電流を流す。その交流電流の周波数は、一般的にラジオ周波数(RF)の範囲内(例えば500KHzくらい)である。ゆえに、電気外科手術に使用される器具は高周波電源(例えば発電機213)に連結される必要があるかもしれない。したがって、パワーケーブルは高周波電力を外科用器具に供給するようになっていてもよい。電気外科手術に使用される器具はモノポーラ器具であってもよいし、バイポーラ器具であってもよい。モノポーラ器具とは、加えられた電流を一点に集めるひとつの比較的小さな‘活性’電極が、施術箇所に局所的に配置されて、ひとつの比較的大きな ‘分散’電極が施術箇所から離隔して配置される(ただし、患者に付けられている)器具である。その比較的大きな電極は、患者の身体の広範囲を電気回路の一部とするために使用される。それに対して、バイポーラ器具は2つの‘活性’電極のみを含み、2つの電極の間に位置する組織のみが電気回路の一部をなすようになっている。当然ながら、パワーケーブルは他の型の外科用器具および/または他の種類の外科的処置を行うのに使用される器具に、動力を供給するために使われてもよい。
出願人はこれによって、ここに記載の各個別の特徴および2つ以上のそのような特徴の任意の組み合わせを別々に開示しており、そのような特徴または特徴の組み合わせが当業者の共通の一般的な知識に照らして全体として本明細書に基づいて実施されることが可能な程度に開示している。なお、そのような特徴または特徴の組み合わせが本明細書に開示される問題を解決するかどうかは関係がなく、またかかる具体的記載が特許請求の範囲を限定するものでもない。出願人は、本発明の態様は、このような個々の特徴または特徴の組み合わせから成ってもよいことを示している。以上の説明に鑑みて、種々の改変が本発明の範囲内でなされ得ることは当業者にとって明らかであろう。

Claims (6)

  1. ロボットアームの一部を包む外科用ロボットアームドレープであり、
    前記ロボットアームの一部を収容する空所を形成し、前記空所に面する内面および外部環境に面する外面を備えるシートと、
    外科的処置に使用するために前記シートの前記内外面の間に配置されたパワーケーブル
    を含んでおり、
    前記パワーケーブルが該シートから形成されたシースに覆われた導電性コアを含んで構成されていて、前記シートから形成された前記シースが該導電性コアに直接連結していることを特徴とするドレープ。
  2. パワーケーブルが前記シートの前記内外面の間に挟まれている請求項に記載のドレープ。
  3. 前記シートによって境界が定められている、該シートの前記内外面間に配置された導管に、該パワーケーブルが収容されている請求項に記載のドレープ。
  4. 前記パワーケーブルが外科用器具に動力を供給するパワーケーブルである請求項1〜3の何れか1項に記載のドレープ。
  5. 前記パワーケーブルが、一方の端部において、ロボットアームに取り付けられる器具に連結される器具コネクタ内で終端しており、前記器具コネクタの近くの該シートの前記外面を貫通する請求項に記載のドレープ。
  6. 記パワーケーブルが、動力源に連結される第一の末端部および該外科用器具に連結される第二の末端部を有している請求項4又は5に記載の外科用ロボットシステム。
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