患者の皮膚に作成された切開部に関連して位置決めされるよう適合された医療デバイスを提供する。この医療デバイスは、医療デバイスと患者の皮膚の内側にあるヒト組織との間に真空シールを生成するために、患者の体内に位置決めされるよう適合された内部真空密閉部材を備える、真空密閉デバイスを備える。患者の身体の内側に真空シールを設けることにより、皮膚表面は影響を受けない状態に維持でき、これは即ち、血腫及び皮膚の変色が発生しないことを意味する。また内部真空密閉部材は、患者の身体の更に内側を密閉して、患者の体内の特定の領域を隔離できる。真空密閉デバイスは例えば、筋組織、筋膜、脂肪組織、患者の皮膚の内側、皮下組織、患者の体内で作成された切開の表面、身体の器官又は線維性組織の密閉を提供するよう適合できる。
一実施形態によると、内部真空密閉デバイス又は内部真空密閉部材は、患者の皮膚に作成された切開部に、及び/又は上記切開部の内側に位置決めされるよう適合される。
医療デバイスは、患者の体内のキャビティと連通するよう適合されたデバイスチャンバを有してよく、内部真空密閉デバイスは、上記キャビティ及び医療デバイスが形成するチャンバ全体をチャンバの外側に対して密閉するように、体内に位置決めされるよう適合してよい。
一実施形態によると、第1の真空密閉部材は、患者の皮膚の内側のヒト組織と共に真空チャンバを生成する真空溝を備える。
一実施形態によると、真空密閉デバイスは、患者の皮膚の内側のヒト組織の別の部分と共に第2の真空チャンバを生成する第2の真空溝を備える、第2の真空密閉部材を備える。これら真空密閉部材のうちの少なくとも1つはループ状真空密閉部材であり、これは、患者の皮膚に作成された切開部、又は皮膚の切開部の内側を包囲するよう適合され、更に患者の体内のヒト組織に接続されるよう適合され、筋膜及び/又は筋膜の外側及び/又は筋膜の内側及び/又は腹壁の腹直筋の筋膜及び/又は腹膜の筋膜及び/又は脂肪組織及び/又は線維性組織及び/又は筋組織及び/又は身体の器官(これらは全て体内に位置している)を密閉する。真空密閉部材は、患者の皮膚に切開部が作成されている場合に、真空を用いてヒト組織を密閉するように配置されるよう適合される。
医療デバイスは更に保持デバイスを備えてよく、この保持デバイスは、患者の皮膚に対して位置決めされた医療デバイスを保持するよう適合され、更に患者の身体の内側から医療デバイスを保持するよう、並びに/又は患者の身体の内側及び身体の外側の皮膚の両方から医療デバイスを保持するよう、並びに/又は腹壁、胸壁及び生成された身体キャビティの壁のうちの少なくとも1つの両側をクランプ留めすることによって医療デバイスを保持するよう、並びに/又は真空密閉デバイスと一体化されるよう適合される。
一実施形態によると、真空密閉部材のうちの少なくとも1つは円形真空密閉部材である。
実施形態のうちのいずれか1つによる医療デバイスの真空密閉部材は、患者の皮膚をその外側において密閉するよう適合された、外部真空密閉部材を更に備えてよい。この外部密閉部材は、患者の体外から医療デバイスを保持するための保持部材として機能できる。外部真空密閉部材は、患者の皮膚に作成された切開部を包囲し、患者の皮膚にその外側において接続されるよう適合された、ループ状外部真空密閉部材であってよい。
医療デバイスは、患者の皮膚に作成された切開部を通した患者の体外から患者の体内への移動を可能とするよう適合された、閉鎖可能な身体ポートを更に備えてよい。一実施形態によると、医療デバイスは、患者の皮膚に作成された切開部を通した患者の体外から患者の体内への移動を可能とするよう適合された、少なくとも2つの閉鎖可能な身体ポートを備えてよい。
医療デバイスはまた、外科的処置の一部分を実施できる患者の体内のキャビティと流体連通するよう適合されたチャンバを取り囲むよう適合された壁を備えてよい。このチャンバは、その全体が患者の体外に配置されてよく、又は一部が体内、一部が体外に配置されてよく、又は完全に患者の体内に配置されてよい。チャンバは、このチャンバ内で外科的処置のステップを実施できるよう、500000mm3超の容積を有してよい。
一実施形態によると、上記壁は、周囲環境からチャンバの内側への移動を可能とするよう適合された閉鎖可能な壁ポートを備えてよい。この壁は可撓性及び/又は弾性及び/又は透明であってよく、例えば可塑化添加剤を用いてPVCから作製できる。
上記壁は、医療デバイスのチャンバ内及び/又は患者のキャビティの内側での手技を可能とする、少なくとも1つの一体化された手袋を更に備えてよい。
一実施形態によると、医療デバイスは、インセットを医療デバイスに接続するよう適合された連結器を更に備え、この連結器は:医療デバイスの壁;及び患者の皮膚に作成された切開部のうちの少なくとも1つに配置されるよう適合してよい。このインセットは例えば、手袋インセット、手アクセスインセット、ポートインセット、マルチポートインセット及びゲルポートインセットから選択されるインセットであってよい。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかにおける閉鎖可能な壁ポート及び閉鎖可能な身体ポートは、閉鎖可能な壁ポートを閉鎖可能な身体ポートに接続するための接続手段を更に備えてよい。閉鎖可能な身体ポートは第1の侵入可能な自己密閉ゲルを備えてよく、閉鎖可能な壁ポートは第2の侵入可能な自己密閉ゲルを備えてよく、第1及び第2の侵入可能な自己密閉ゲルは、壁及び接続された身体ポートによって互いに対して緊密に配置されるよう適合してよく、これによって第1及び第2の侵入可能な自己密閉ゲルは、非圧縮状態では密閉を提供し、圧縮状態では密閉を維持しながら自己密閉ゲルを通して手又は物体を挿入できるようにするよう適合された、単一の侵入可能な自己密閉ゲルとして作用する。
一実施形態では、チャンバを形成する壁は、チャンバ内の圧力を大気圧より高く保持するよう適合してよい。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかにおける医療デバイスは、大気圧未満の圧力を少なくとも1つの真空密閉部材内に生成するために、真空密閉デバイスに接続された圧力調整デバイスを更に備える、医療デバイスシステムの一部であってよい。この医療デバイスシステムは、圧力調整デバイスを制御するための制御ユニットを更に備えてよい。
一実施形態によると、医療デバイスは少なくとも1つのセンサを更に備えてよく、制御ユニットは、上記少なくとも1つのセンサからの入力に基づいてポンプを制御するよう適合してよい。このセンサは、患者の身体の生理学的パラメータを感知するよう適合してよく、上記生理学的パラメータは:患者の血流;患者の血液の飽和;患者の虚血マーカ;患者の皮膚の温度;及び患者の皮膚の色調から選択された生理学的パラメータであってよい。代替実施形態では、このセンサは医療デバイスの物理的パラメータを感知するよう適合してよい。この物理的パラメータは:密閉デバイス内の圧力;チャンバ内の圧力;及びチャンバからの流体の直接又は間接的な漏れから選択された物理的パラメータであってよい。医療デバイスシステムの実施形態のうちのいずれにおいて、制御ユニットは、真空密閉デバイスの圧力が患者の血流に実質的に影響しないように真空密閉デバイスの圧力を制御するよう適合してよい。
実施形態のうちのいずれかによる医療デバイス内の内部真空密閉部材は、取り囲まれた又は包囲された領域のサイズを調整できるよう調整可能な周を有してよい。
患者の皮膚に形成された切開部を介して上記患者の身体の内側に位置決めされるよう適合された、医療デバイスを提供する。この医療デバイスは、この医療デバイスと、少なくとも1つのヒト器官又は上記ヒト器官に関連し接触するヒト組織の少なくとも一部との間にシールを形成するために、上記少なくとも1つのヒト器官又は上記ヒト器官に関連し接触する上記ヒト組織の少なくとも一部に接続された状態で位置決めされてこれを密閉するよう適合された内部密閉部材を備える、内部密閉デバイスを備える。上記医療デバイスは、上記内部密閉デバイスに密閉状態で接続された医療デバイスチャンバを、この医療デバイスチャンバが:上記少なくとも1つのヒト器官;及び少なくとも1つの外科的に切開された器官のうちの少なくとも1つに接続された状態で配置されるように生成するよう適合された、壁を備える。外科的処置中に医療デバイスを移植する際に、医療デバイスチャンバを取り囲む壁と、上記少なくとも1つのヒト器官;及び上記少なくとも1つの外科的に切開された器官のうちの少なくとも1つのうちの少なくとも1つとによって、密閉された空間が生成される。
一実施形態によると、内部密閉デバイスは:真空を用いてヒト器官若しくは上記ヒト器官に関連し接触するヒト組織を密閉する、内部真空密閉デバイス;及び/又は圧力を用いてヒト器官若しくは上記ヒト器官に関連し接触するヒト組織を密閉する、内部圧力密閉デバイス;及び/又はヒト器官若しくは上記ヒト器官に関連し接触するヒト組織に接着接続することによって密閉する、内部接着密閉デバイスを備える。
内部密閉デバイスは:ヒト器官上;及び/又は上記ヒト器官に関連し接触するヒト組織上;及び/又は患者の少なくとも1つのヒト器官内に作成された切開部内;及び/又は少なくとも1つのヒト器官若しくは上記ヒト器官の内側に関連し接触するヒト組織の内側上;及び/又は少なくとも1つのヒト器官若しくは上記ヒト器官の外側に関連し接触するヒト組織の外側上に位置決めされるよう適合してよい。
上記器官は例えば:食道;胃;小腸;大腸;肛門;胆嚢;胆管;腎臓;腎盂;尿管;膀胱;尿道;血管;心臓;肺;気管支;身体の開口;筋膜;腹膜;脂肪組織;線維性組織;筋肉組織;及び身体器官であってよく、これらは全て身体の内側に位置する。また内部密閉デバイスは、患者の身体に切開部を作成した際に、ヒト器官又は上記ヒト器官に関連し接触する少なくとも1つのヒト組織を密閉するように配置されるよう適合してよい。
実施形態のうちのいずれかにおける医療デバイスチャンバは、患者の身体内の器官の内側のキャビティ及び/又は身体の切開部内に配置されたポートと連通するよう適合してよく、上記医療デバイスチャンバは上記少なくとも1つのヒト器官、上記器官内のキャビティ又は上記ヒト器官に関連し接触するヒト組織から延伸して、ヒトの身体の切開領域内のポートに到達してこれに接続され、並びに/又は身体の外側に配置された医療チャンバの一部及び/若しくは身体の外側に配置された医療チャンバの一部と連通し、身体の切開部に配置されチャンバの壁に接続されたポートは、開閉するように適合されることによって、上記ポートが開いている場合に身体の外側に配置された医療チャンバの一部分と連通できる。内部密閉デバイスは、上述の選択肢によって形成されるチャンバ全体を、その外側に対して密閉するために、身体の内側に位置決めされるよう適合される。
更に医療デバイスは、ヒト器官に切開部を作成する際に、少なくとも1つのヒト器官の内側からの流体又はその他の身体由来物質を密閉して、密閉された空間の外側に上記流体又はその他の身体由来物質が拡散するのを回避するよう適合してよい。
医療デバイスは、細菌を含有する身体由来物質を有する器官の切開、及び/又は上記少なくとも1つの器官若しくは上記器官に関連し接触するヒト組織の少なくとも一部の切除、及び/又は上記少なくとも1つの器官の内側若しくは外側からのいずれの身体由来物質の除去、及び/又は上記少なくとも1つの器官の内側若しくは外側からの、若しくは上記少なくとも1つの器官に関連する、いずれの身体組織の切除、及び/又は上記少なくとも1つの器官の異なる複数の部分の接続、及び/又は異なる複数の器官の異なる複数の部分の接続、及び/又は上記少なくとも1つの器官に関連する少なくとも1つの医療デバイスの配置、及び/又は少なくとも1つの身体機能の置換、及び/又は上記少なくとも1つの器官に関連する少なくとも1つの医療デバイスの配置、及び/又は上記少なくとも1つの器官に関連して少なくとも1つの医療デバイスを配置することによる、少なくとも1つの身体機能の置換を伴う外科的処置中に、密閉された空間を密閉するよう適合してよい。
実施形態のうちのいずれかにおける医療デバイスは、医療デバイスチャンバ内において、少なくとも1つのトロカール、及び/又は少なくとも1つのインセット、及び/又は少なくとも1つのポート、及び/又は少なくとも1つのカメラ、及び/又はチャンバ内に流体を注入するための少なくとも1つのチューブ若しくはチャネル、及び/又は少なくとも1つの吸引器具、及び/又は少なくとも1つのジアテルミー器具、及び/又は密閉された空間内で外科的処置を実施できるようにするための少なくとも1つの器具若しくはツールを受承するよう適合してよい。
一実施形態によると、医療デバイスの内部真空密閉部材は、ヒト器官又はヒト組織と共に真空チャンバを形成するよう適合された真空溝を備えてよい。
実施形態のうちのいずれかによる医療デバイスは、ヒトの身体の別の部分及び/又は異なる形状を有する同一の医療デバイスの部分と共に第2の真空チャンバを形成する少なくとも1つの第2の真空溝を備える、第2の又はそれ以上の真空密閉部材を備えてよく、このチャンバは、異なる複数の身体部分に接触するよう適合された2つ以上の内部真空密閉部材によって取り囲まれる。
本明細書に記載の内部真空密閉部材のうちの少なくとも1つは、ループ状真空密閉部材であってよく、これは、患者の上記少なくとも1つの器官に作成された切開部を包囲すること;及びヒト器官を包囲することのうちの少なくとも1つに適合される。上記少なくとも1つの真空密閉部材は、患者の器官に切開部が作成された場合に、真空を用いて上記少なくとも1つのヒト器官を密閉して、外科的処置を実施するための密閉された空間を生成するように配置されるよう適合してよい。
医療デバイスは更に保持部材を備えてよく、この保持部材は、切開部及び/又は患者の上記少なくとも1つの器官に対して位置決めされた医療デバイスを保持するよう適合され、更に患者の身体の内側から医療デバイスを保持するよう、並びに/又は患者の身体の内側及び身体の外側の皮膚の両方から医療デバイスを保持するよう、並びに/又は腹壁及び/若しくは胸壁及び/若しくは生成された身体キャビティの壁の両側をクランプ留めすることによって医療デバイスを保持するよう、並びに/又は真空密閉デバイスと一体化されるよう、並びに/又は身体の切開部に関連して配置された身体ポートに接続された医療デバイスを保持するよう、並びに/又は異なる複数の別個の位置に医療デバイスを保持するよう、適合される。
一実施形態によると、内部真空密閉部材は円形真空密閉部材である。
実施形態のうちのいずれか1つによる医療デバイスは、身体の切開部を、上記切開部の内側及び/又は上記切開部の切断部分に接続された組織の内側、上記切開部の外側及び/又は上記切開部の内側、並びに/又はキャビティの切開された壁の内側及び外側の両方において密閉するよう適合された、追加の真空密閉部材を更に備えてよい。
一実施形態によると、医療デバイスは、少なくとも1つの保持部材及び/又は少なくとも1つの圧力密閉部材及び/又は追加の真空密閉部材を更に備え、これは、身体の切開部又は上記切開部に関連する組織の内側並びに/又は外側並びに/又は内側及び外側の両方に配置されるよう適合される。
実施形態のうちのいずれかにおいて、上記追加の真空密閉部材は、患者の皮膚に作成された切開部を包囲するよう適合された追加のループ状真空密閉部材であり、この追加の真空密閉部材は:患者の皮膚に、その外側において;及び/又は患者のヒト組織に、身体の内側において;のうちの少なくとも1つに接続するよう適合されて:筋膜;及び/又は筋膜の外側;及び/又は筋膜の内側;及び/又は腹壁の腹直筋の筋膜;及び/又は腹膜;及び/又は脂肪組織;及び/又は線維化組織;及び/又は筋組織;及び/又は身体器官のうちの少なくとも1つを密閉し、これらは全て身体の内側に位置する。また上記少なくとも1つの追加の真空密閉部材は、患者の皮膚に切開部が作成されている場合に、切開部の近接した関係にあるヒト組織を、真空を用いて密閉するように配置されるよう適合してよい。
実施形態のうちのいずれかによる医療デバイスは:患者の身体の外側から患者の身体の内側への、患者の皮膚に作成された切開部を通した移動を可能とするよう適合された、閉鎖可能な身体ポート;及び/又は切開部の外側に配置されたチャンバの一部分を形成するよう適合された、チャンバの壁の別の部分に配置される閉鎖可能な壁ポートを更に備えてよく、上記閉鎖可能な壁ポートは、医療デバイスの外側から医療デバイスチャンバの内側への、壁ポートが設置された医療デバイスの壁を通した移動を可能とするよう適合される。
一実施形態によると、医療デバイスは更にマルチポートを備え、切開部の外側に形成されたチャンバの一部分は、外科的処置中に第1の形状から第2の形状へと変化するよう適合される。第1の形状では、医療デバイスは、患者の皮膚の切開部に近接した関係にマルチポートを位置決めできるようにし、これによって、皮膚の切開部に近接した関係に配置されたマルチポートを通した鍵穴手術を可能とする。第2の形状では、医療デバイスは、患者の皮膚の切開部から離間してマルチポートを位置決めできるようにし、これにより皮膚の外側に配置されたチャンバの一部分は:手袋を備えるインセットの内側に配置された手;装置;非身体部分;身体部分;外科的処置のために使用される器具及び部品のうちの少なくとも1つを受承できる十分な空間を有して形成されるよう適合される。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれか1つによる医療デバイスは、医療デバイスの壁に接続された身体ポート(この身体ポートは患者の皮膚の切開部に近接して配置されるよう適合される)と、内部密閉デバイスによって医療デバイスに対して密閉された、ヒト器官又は上記ヒト器官に関連し接触するヒト組織との間に、密閉されたトンネルを生成するよう適合してよく、これによって密閉された空間の内側に手術の対象を含む。患者の皮膚の切開部に近接した上記組織は、切開部の外側の患者の皮膚、及び/又は切開部内の、身体の内側の患者のヒト組織であってよい。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかにおけるマルチポートは、接続解除可能に接続されるよう適合された2部品ポートを備え、その2つの部分は壁に接続されて、身体の外側に配置された密閉されたチャンバの一部分を生成する。
医療デバイスは更に、患者の身体の外側から患者の身体の内側への、患者の皮膚に作成された切開部を通した移動を可能とするよう適合された:少なくとも2つの閉鎖可能な身体ポート;及び2つ、3つ又はそれ以上のポートを備える少なくとも2つの閉鎖可能なマルチポートを備えてよい。
一実施形態によると、医療デバイスの壁は、外科的処置の一部分を実施できるチャンバを取り囲むよう適合され、上記チャンバは、身体の外側に配置されるよう適合された第1の外部部分と、患者の身体の内側に配置されるよう適合された第2の内部部分との両方を有するキャビティと流体連通するよう適合してよく、医療デバイスは、上記チャンバの外部部分及び内部部分を:共に1つのチャンバを形成すること;及びチャンバの外部部分と内部部分との間に身体の切開部に近接して配置されるよう適合された閉鎖可能な身体ポートが、チャンバを、チャンバの2つの別個の閉鎖部分に分割できるようにすることのうちの少なくとも1つに適合させるように適合される。
本明細書に記載の実施形態のうちの1つにおいて、医療デバイスは、外科的処置を実施する際に、密閉された空間の内側に残っている身体部分を消毒及び/又は殺菌するために、殺菌剤の注入を可能とするため又は流体を注入するための、身体の外側から内側へと流体連通して到達するよう適合されたチューブ又はチャネルを備えてよい。
本明細書に記載の実施形態のうちのいくつかにおいて、医療デバイスは:ヒト器官若しくは上記ヒト器官に関連して接触するヒト組織から少なくとも1つの内部密閉デバイスを解放すること;及び少なくとも1つの内部密閉デバイスを用いて、第1の内部密閉デバイスが解放された後に密閉された空間を閉鎖状態に維持することのうちの少なくとも1つに適合してよい。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれか1つによると、医療デバイスは、密閉された空間から身体由来物質が漏れるのを回避するために、外科的処置の終了時に密閉された空間を閉鎖状態に維持するよう適合された、閉鎖用密閉デバイスを更に備えてよい。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかの密閉されたトンネルは:虫垂切除術;胆嚢摘出術;腎摘出術;子宮摘出術;卵巣摘出術;副腎摘出術;胃バイパス術;噴門形成術;腸内シャント;ヘルニア修復;脾臓摘出術;結腸又は小腸切除術;肝切除術;盲腸フィステル形成術;人工肛門形成術;十二指腸造瘻術;回腸フィステル形成術;虫垂造瘻術;食道造瘻術;胃造瘻術;尿路変更術;腎造瘻術;尿管造瘻術;膀胱造瘻術;内視鏡手術;直視下手術;直視下手術と内視鏡手術との組み合わせ;関節鏡視下手術;直視下関節手術;直視下関節手術と関節鏡視下手術との組み合わせ;凍結アブレーション;超音波ナイフ手術;分離した骨又は軟骨組織の除去;靭帯の挿入;ねじ、釘、プレート等の固定要素の挿入;人工関節置換術;潤滑処置;癌手術;別の医療デバイスの挿入;異質部品の挿入;直視下手術と腹腔鏡手術又は内視鏡手術との組み合わせを用いた医療デバイス及び他の異質部品の挿入;腹腔鏡又は関節鏡手術;細菌を含有する身体由来物質を有する器官の切開;少なくとも1つの器官又はヒト組織の少なくとも一部の摘出;少なくとも1つの器官の内側又は外側からのいずれの身体由来物質の摘出;少なくとも1つの器官の内側若しくは外側からの、又は少なくとも1つの器官に関連する、いずれの身体組織の摘出;少なくとも1つの器官の異なる複数の部分の接続、異なる複数の器官の異なる複数の部分の接続;少なくとも1つの器官に関連する少なくとも1つの医療デバイスの配置;少なくとも1つの身体機能の置換;少なくとも1つの器官に関連する少なくとも1つの医療デバイスの配置;並びに少なくとも1つの器官に関連する少なくとも1つの医療デバイスの配置による、少なくとも1つの身体機能の置換のうちの少なくとも1つを実施する際に、感染率を低減する。挿入用医療インプラントは例えば:関節形成補綴物;心臓補助装置;通電インプラント;制御論理;充填型審美用インプラント;移植可能な薬剤ディスペンサ;給電ユニット;血管インプラント;泌尿器科インプラント;腹部インプラント;薬剤放出インプラント;婦人科インプラント;活性及び不活性医療用インプラントのうちの少なくとも1つを備えてよい。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれか1つによる医療デバイスは:手術用器具;
内視鏡器具;メス;トロカール;ピンセット;縫合器具;鉗子;カメラ;クランプ器具;解剖器具;把持器具;接着器具;縫合又はステープル留め器具;切断器具;電磁又は超音波ジアテルミー;腹腔鏡把持器;腹腔鏡爪把持器;腹腔鏡石把持器;腹腔鏡針ホルダ;腹腔鏡フック;腹腔鏡下解剖器具;腹腔鏡ジアテルミー器具;関節鏡検査器具;関節置換器具;整形外科用器具;器具;及び機械のうちの少なくとも1つと共に使用されるよう適合してよい。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれか1つによる医療デバイスは、チャンバ内で外科的処置のステップを実施できるよう、500000mm3超の容積を有してよい。
いくつかの実施形態では、医療デバイスの壁は、周囲環境からチャンバの内側への移動を可能とするよう適合された閉鎖可能な壁ポートを備える。この壁は可撓性及び/又は弾性及び/又は透明であってよく、例えば可塑化添加剤を用いてPVCから作製できる。
医療デバイスの壁は、医療デバイスのチャンバ内及び/又は患者のキャビティの内側での手技を可能とする、少なくとも1つの一体化された手袋、又は一体化された手袋を備えるインセットを更に備えてよい。
実施形態のうちのいずれか1つによる医療デバイスは、インセット又はポートを医療デバイスに接続するよう適合された連結器を更に備えてよい。この連結器は:医療デバイスの壁;及び患者の皮膚に作成された切開部のうちの少なくとも1つに配置してよい。
上記インセットは:手袋インセット;手アクセスインセット;ポートインセット;マルチポートインセット;及びゲルポートインセットから選択されるインセットであってよい。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれか1つによる医療デバイスは、閉鎖可能な壁ポート/マルチポート、及び/又は患者の切開部に若しくは患者の切開部に近接した関係に配置されるよう適合された閉鎖可能な身体ポート/マルチポートを備えてよい。閉鎖可能な壁ポート/マルチポート及び閉鎖可能な身体ポート/マルチポートは、閉鎖可能な壁ポート/マルチポートを閉鎖可能な身体ポート/マルチポートに接続するための接続手段を備え、マルチポートは1つのマルチポートケーシング内に配置された2つ、3つ、4つ又はそれ以上のポートを備える。
閉鎖可能な身体ポートは第1の侵入可能な自己密閉ゲルを備えてよく、閉鎖可能な壁ポートは第2の侵入可能な自己密閉ゲルを備えてよく、第1及び第2の侵入可能な自己密閉ゲルは、壁及び接続された身体ポートによって互いに対して緊密に配置されるよう適合してよく、これによって第1及び第2の侵入可能な自己密閉ゲルは、非圧縮状態では密閉を提供し、圧縮状態では密閉を維持しながら自己密閉ゲルを通して手又は物体を挿入できるようにするよう適合された、単一の侵入可能な自己密閉ゲルとして作用する。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかにおいて、チャンバを形成する壁は、内視鏡手術を実施できるよう、チャンバ内の圧力を大気圧より高く保持するよう適合してよい。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかにおける内側又は外側真空密閉部材は:密閉された空間内に比較的大きな手術領域を取り囲むために:作成された切開部を包囲すること;患者の少なくとも1つの器官の又はその周辺の2つ以上の位置を包囲すること;及び2つ以上のヒト器官を包囲することのうちの少なくとも1つに適合された、ループ状真空密閉部材であってよい。上記少なくとも1つの真空密閉部材は、患者の器官に切開部が作成されている場合に、真空を用いて少なくとも1つのヒト器官又は関連する組織を密閉するよう配置されるよう適合される。
この閉鎖用密閉デバイスは、密閉された空間から身体由来物質が漏れるのを回避するために、外科的処置の終了時に密閉された空間を閉鎖状態に維持するために、真空を用いて密閉するよう適合してよい。
医療デバイスは閉鎖可能な壁マルチポートと、患者の切開部に又は患者の切開部に近接した関係で配置されるよう適合された、閉鎖可能な身体マルチポートとを更に備えてよい。閉鎖可能な壁ポート及び閉鎖可能な身体ポートは、閉鎖可能な壁ポートを閉鎖可能な身体ポートに接続するための接続手段を備えてよい。
医療デバイスは、身体の外側から身体の内側、チャンバの内側へと導入される、身体の外側からチャンバ内に流体を吸入及び注入できるよう適合された1つ又は2つ又はそれ以上の流体導管を更に備え、上記1つ又は2つ又はそれ以上の流体導管は:医療デバイス、壁、及び切開部に近接して配置された身体ポートのうちの少なくとも1つに一体化されること;並びに別個のチューブとして配置され、別個のチューブとして変位される流体導管の2つの端部を有し、これらの間で医療デバイス、壁、及び切開部に近接して配置された身体ポートのうちの少なくとも1つに一体化されるよう適合されることのうちの少なくとも1つに適合される。
医療デバイスチャンバは、実施される外科的処置の一部を包囲するよう適合してよく、また医療デバイスは更に:壁の一部分に配置された閉鎖可能な壁マルチポート;及び壁の第2の部分に配置され、患者の身体の切開部に又はこれに近接した関係に配置されるよう適合された、閉鎖可能な身体マルチポートを備えてよい。密閉デバイスは:壁及び閉鎖可能な身体ポートのうちの少なくとも1つに、密閉式で接続されること;並びに壁及び閉鎖可能な身体ポートのうちの少なくとも1つの一体部品となることのうちの少なくとも1つに適合してよく、また密閉デバイスは更に、患者の皮膚及び組織のうちの少なくとも1つを密閉するよう適合してよい。壁、壁マルチポート及び身体マルチポートは共に、外科的処置を実施する際に、患者の身体のキャビティと周囲環境との間のエアロックスルースを形成するよう適合される。
医療デバイスの壁及び身体ポートは、壁及び身体ポートを通して細長い物体を長手方向に変位させることができるように互いに対して位置決めしてよい。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかにおいて、医療デバイスの壁ポートは第1の位置と第2の位置との間で変位可能であり、第2の位置は身体ポートからより離間して配置される。壁マルチポートは:身体マルチポートに接続されること;身体マルチポートに当接すること;身体マルチポートにロックされること;身体マルチポートと共に一体型ポートを形成することのうちの少なくとも1つに適合してよい。
閉鎖可能な壁マルチポート及び閉鎖可能な身体マルチポートのうちの少なくとも1つは、侵入可能な自己密閉ゲルを備えてよく、これにより、壁マルチポート及び身体マルチポートの両方が上述のような侵入可能な自己密閉ゲルを備える場合に、自己密閉ゲルを通して物体又は手を挿入でき、これによって、物体、装置、器具又は手のうちの少なくとも1つを、壁マルチポート、更には身体マルチポートを通して患者の身体へと挿入でき、また身体部分を、身体の内側から身体マルチポート、続いて壁マルチポートを通してチャンバの外側へと移動させることができ、その一方で外科的処置中は密閉された環境を維持できる。
医療デバイスは:追加の身体ポート;追加の身体マルチポート;追加の身体インセット;追加の壁ポート;追加の壁マルチポート;及び追加の壁インセットのうちの少なくとも1つを更に備えてよい。壁ポート、壁マルチポート、身体ポート、身体マルチポート、壁インセット及び身体インセットのうちの少なくとも1つは:追加の身体ポート;追加の身体マルチポート;追加の身体インセット;追加の壁ポート;追加の壁マルチポート;及び追加の壁インセットのうちの少なくとも1つによって交換可能であってよい。
一実施形態では、医療デバイスは、壁をヒト組織に対して密閉するよう適合された密閉部材を備え、上記内部密閉部材は:圧力を大気圧未満に保持するよう適合された真空密閉部材;及び圧力を大気圧より高く保持して上記壁と上記ヒト組織との間を密閉するよう適合された真空密閉部材のうちの少なくとも1つを備える。
医療デバイスは、閉鎖可能な身体ポート及び閉鎖可能なマルチポートを更に備えてよい。閉鎖可能な身体ポートは、患者の皮膚に作成される切開部にチャンバの内側から配置されるよう適合された閉鎖可能な身体マルチポートを備えてよく、この身体マルチポートは、外科的処置を実施するために医療デバイスを患者の身体上に適用する際に:壁ポート;及び壁マルチポートのうちの少なくとも1つに接続されるよう適合してよい。閉鎖可能な壁ポートは閉鎖可能な壁マルチポートを備えてよく、この壁マルチポートは、外科的処置を実施するために医療デバイスを患者の身体上に適用する際に、患者の身体の切開部に配置された:身体ポート;及び身体マルチポートのうちの少なくとも1つに接続されるよう適合される。
一実施形態によると、壁は、第1のインセット及び相互接続可能なポートを備える可撓性壁であり、この相互接続可能なポートは、第1のポートと、相互接続可能なポートを形成するための第1のポート/マルチポート及び第1のインセットのうちの少なくとも1つと相互接続されるよう適合された第2の連結器とを備えてよく、上記第2の連結器は第1のポート/マルチポート又は第1のインセットから接続解除可能である。第1のポート/マルチポートは可撓性壁の第1の部分に接続されてよく、第1のインセットは可撓性壁の第3の部分に接続されてよく、第2の連結器は可撓性壁の第2の部分に接続されてよく、可撓性壁は、第1のポート及び/又は第1のインセット及び/又は第2の連結器と共にチャンバを形成するよう適合してよい。第2の連結器は閉鎖可能な開口を有してよく、上記チャンバは、外科的処置を実施する際に患者の皮膚に切開部が作成された後で、連結器を通して患者の身体の内側のキャビティへと連通できるよう適合してよい。第1のポート及び第1のインセットは、第1の位置において、患者の皮膚に近接した関係で第2の連結器に接続されるよう適合され、ここでチャンバは第1の比較的小さい容積を有してよく、第1のポート及び第1のインセットのうちの少なくとも1つは、第2の位置において、第2の連結器から接続解除されて、患者の皮膚から比較的離間した関係で第2の連結器から分離されるよう適合してよく、ここでチャンバは第2の比較的大きい容積を有する。
一実施形態によると、第1のポートは、第2の連結器から接続解除されると、閉鎖可能な壁ポート/マルチポートを形成する。
一実施形態によると、第2の連結器は、第1のポートが第2の連結器から接続解除されると、それ自体で閉鎖可能な身体ポート/マルチポートを形成する。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかにおける第1のポートは、2つ、3つ、4つ又はそれ以上の個別のポートを備えるマルチポートを備えてよい。
第1のインセットは、外科的処置を支援するために、外科用手袋及びデバイス又は器具取付部のうちの少なくとも1つを備えてよい。
医療デバイスは第1の連結器を備えてよく、第1のポート及び/又はマルチポート及び/又は第1のインセットは、第2の連結器に接続してよく、第2の連結器は第1の連結器に接続されるよう適合してよい。第1の連結器は第2の連結器に可逆的に直接接続されるよう適合される。
第1の連結器及び第2の連結器のうちの一方は突出部材を備えてよく、第1の連結器及び第2の連結器のうちの少なくとも1つは凹部を備えてよく、上記突出部材は、第1の連結器を第2の連結器にロックするために上記凹部と係合するよう適合してよい。上記凹部は、第1の連結器及び第2の連結器のうちの少なくとも1つの溝であってよい。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかにおける相互接続可能なポートは:第1のポート又は第1の連結器は第2の連結器と相互接続されている第1の状態において、この相互接続された相互接続可能なポートを通して外科医が内視鏡手術を実施できるようにするよう;及び第2の連結器が第1のポート又は第1の連結器から接続解除される第2の状態において、相互接続可能なポートの第1のポートと第2の連結器との間に可撓性壁によって形成されたチャンバ内で外科医が外科的処置の複数のステップを実施できるようにするよう、適合してよい。相互接続可能なポートは、上記第2の状態において、外科医が第2の連結器を通して患者の身体からチャンバ内へと標本を除去できるようにするよう、並びに:この標本をチャンバ内に配置すること;及び第1のポートを通してこの標本をチャンバから除去することのうちの少なくとも1つを実施できるようにするよう適合してよい。
医療デバイスの一実施形態によると、第2のポート(身体ポート)もまた、第2の連結器に配置されるよう適合してよい。第1のポート、第2の身体ポート及び第1の連結器のうちの1つは、外科医が標本の除去後に相互接続可能なポートを通して手術を継続できるように、第2の連結器から接続解除された後に第2の連結器に再接続されるよう適合してよい。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれか1つによる医療デバイスは、開創システムを更に備えてよく、これは:可撓性接続部材;皮膚に形成されることになる切開部の周囲において、患者の組織壁の内側に位置決めされるよう適合され、また可撓性接続部材に接続されるよう適合される、内側開創部材及び/又は保持部材及び/又は機械的密閉部材;並びに外側開創部材及び/又は外部保持部材及び/又は外部機械的部材を備え、上記外側開創部材及び/若しくは外部保持部材及び/若しくは外部機械的部材は、第1の可撓性壁、可撓性接続部材並びに第2の連結器及び/若しくは身体ポート及び/若しくは身体マルチポートのうちの少なくとも1つに接続され、かつ上記切開部に近接して配置されるか、又は上記外側開創部材、上記外部保持部材及び上記外部機械的部材のうちの少なくとも1つは、第2の連結器、身体ポート及び身体マルチポートのうちの少なくとも1つと一体の部分である。第2の連結器は:切開部の近傍:切開部内:及び切開部の周囲の患者の皮膚の外側のうちの少なくとも1つに位置決めされるよう適合され、切開部の周囲の患者の皮膚の外側に位置決めされるよう適合された第2の連結器の一体部分である。可撓性接続部材は、内側開創部材と外側開創部材とを相互接続しており、これによって内側及び外側開創部材を、切開部より大きくなるよう適合して、可撓性接続部材が皮膚及び組織を、皮膚に対して略平行な切開開口部において開創できるようにしてよい。従って可撓性接続部材は、内側開創部材、保持部材及び機械的密閉部材のうちの少なくとも1つと、外側開創部材、外部保持部材及び外部機械的密閉部材のうちの少なくとも1つとを直接又は間接的に相互接続し、これによって、内側及び外側開創部材、保持又は外部保持部材、並びに機械的密閉部材及び外部機械的密閉部材のうちの少なくとも1つを、切開部より大きくなるよう適合させ、可撓性接続部材が皮膚及び組織を、皮膚に対して略平行な切開開口部において開創できるようにしてよい。可撓性接続部材は、第1の可撓性壁及び第2の連結器のうちの少なくとも1つと接続された状態で配置されるよう適合されるか、又は第1の可撓性壁と一体の部分であり、これは切開部を通して身体キャビティ内へと配置されるよう適合され、また外科的処置中にチャンバから身体キャビティ内への切開部通路を拡張するために、内側及び外側開創部材と共に皮膚及び組織をその切開部の近傍において皮膚に対して略平行に開創するよう適合される。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれか1つによる医療デバイスは、密閉デバイスを更に備えてよく、これは:可撓性接続部材;皮膚に形成されることになる切開部の周囲において、患者の皮膚の内側に位置決めされるよう適合され、また可撓性接続部材に密閉状態で接続される、第1の密閉部材;及び第2の密閉部材を備え、上記第2の密閉部材は、第1の可撓性壁、可撓性接続部材及び第2の連結器のうちの少なくとも1つに密閉状態で接続されているか、又は切開部の周囲において患者の皮膚の外側に位置決めされるよう適合された第2の連結器と一体の部分である。上記可撓性接続部材は、第1及び第2の密閉部材を密閉状態で相互接続し、これによって第1及び第2の密閉部材は:第2の密閉部材と患者の皮膚又は組織との間;及び第1の密閉部材と患者の組織との間のうちの少なくとも1つを密閉するために、切開部より大きくなるよう適合される。可撓性接続部材は、第1の可撓性壁及び連結器のうちの少なくとも1つと接続されて密閉状態で、又は第1の可撓性壁と一体の部分として配置されるよう適合され、外科的処置中に第2の連結器、身体ポート又は身体マルチポートが開いている場合に、連通しているチャンバと身体キャビティとを合わせた容積を周囲環境に対して密閉することに関わるよう適合される。
一実施形態によると、第1のポートは、第2の連結器から接続解除された場合に閉鎖可能な壁ポートを形成する。第2の連結器は、第1のポートが第2の連結器から接続解除された場合に、それ自体で閉鎖可能な身体ポートを形成してよい。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかにおける医療デバイスは、チャンバを加圧流体供給源に接続するよう適合してよく、また医療デバイスは圧力を受承するよう適合され、加圧流体は:チャンバの外側の身体キャビティを充填する加圧流体と同一の圧力を保持すること;チャンバの外側の身体キャビティを充填する加圧流体より低い圧力を保持すること;及びチャンバの外側の身体キャビティを充填する加圧流体より高い圧力を保持することのうちの少なくとも1つに応じて、上記圧力を保持するよう適合される。
医療デバイスは:身体の外側に配置された流体供給源のためのニップル:及び身体の外側に配置された流体供給源のためのニップルと、流体の循環を可能とするためにチャンバを出る流体の流れを受承するよう適合された第2のニップルとの組み合わせのうちの少なくとも1つを更に備えてよい。
壁は、患者の身体と共に医療デバイスチャンバを形成するために、患者の身体上に少なくとも部分的に適用されるよう適合してよく、このチャンバ内では、実施されることになる外科的処置の一部分を包囲するために、密閉された環境を維持できる。医療デバイスは更に:壁の一部分に配置され、外科的処置を実施するために医療デバイスを患者の身体に適用する際に、身体キャビティに接続された患者の身体の切開部内に配置された閉鎖可能な身体ポートと着脱可能に接続されるよう適合された、閉鎖可能な壁ポート/マルチポート及びインセット;並びに患者の身体の切開部のうちの少なくとも1つに配置されるよう適合され、外科的処置を実施するために医療デバイスを患者の身体に適用する際に、閉鎖可能な壁ポート/マルチポートと着脱可能に接続されるよう更に適合された、閉鎖可能な身体ポート/マルチポート及びインセット;並びに医療デバイスを患者の身体に適用する際に、上記壁に接続され、患者の切開部を密閉するよう適合された、密閉デバイスのうちの少なくとも1つを備えてよい。閉鎖可能な壁ポート/マルチポート、壁及び密閉デバイスは、閉鎖可能な身体ポート並びに閉鎖可能な壁ポート及び閉鎖可能な身体ポートの両方に対して適合され、上述の閉鎖可能な身体ポート又はマルチポートは、外科的処置を実施するために患者の身体に医療デバイスを適用する際に、患者の身体のキャビティと周囲環境との間にエアロックスルース(18)を形成するよう適合され、マルチポートは、2つ、3つ、4つ、5つ又はそれ以上の一体化されたポートのうちの少なくとも1つを備える。
閉鎖可能な壁ポート/マルチポート、閉鎖可能な身体ポート/マルチポート並びに閉鎖可能な壁ポート/マルチポート及び閉鎖可能な身体ポート/マルチポート両方のうちの少なくとも1つは、外科的処置を実施するために患者の身体に医療デバイスを適用する際に、患者の身体のキャビティと周囲環境との間にエアロックスルースを形成するよう適合してよい。
閉鎖可能な壁ポート及び閉鎖可能な身体ポートは、閉鎖可能な壁ポート/マルチポート及び閉鎖可能な身体ポート/マルチポートを通して細長い物体を長手方向に変位させることができるように互いに対して位置決めしてよい。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれか1つにおいて、閉鎖可能な壁ポート及びインセットのうちの少なくとも1つは、閉鎖可能な壁ポート又はインセットが、切開部並びに閉鎖可能な身体ポート/マルチポート及びインセットのうちの少なくとも1つに比較的近接している第1の位置と、閉鎖可能な壁ポート/マルチポート及びインセットのうちの少なくとも1つが閉鎖可能な身体ポート/マルチポート又はインセットから比較的離間している第2の位置との間で変位可能であってよい。
閉鎖可能な身体ポート/マルチポート又はインセットを備える実施形態のうちのいずれかにおいて、閉鎖可能な壁ポート又はインセットは、外科的処置を実施するために医療デバイスを患者の身体に適用する際に、閉鎖可能な身体ポートに接続すること、及び閉鎖可能な身体ポートにロックされることのうちの少なくとも1つに適合してよい。
閉鎖可能な身体ポート及び閉鎖可能な壁ポートのうちの少なくとも1つは、侵入可能な自己密閉ゲルを備えてよく、これにより、密閉環境を維持しながら閉鎖可能な壁ポートを通して物体又は手を挿入できる。
一実施形態によると、医療デバイスは連結器を更に備え、この連結器は:切開部に配置されて、閉鎖可能な身体ポート、マルチポート及びインセットのうちの少なくとも1つに接続されるよう適合された連結部分;並びに壁に配置されて、閉鎖可能な壁ポート、マルチポート及び壁インセットのうちの少なくとも1つに接続されるよう適合された第2の連結部分のうちの少なくとも1つを備え、上記連結器は、閉鎖可能な身体ポート、マルチポート及びインセットのうちの少なくとも1つを、閉鎖可能な壁ポート、マルチポート又はインセットのうちの少なくとも1つに直接又は間接的に着脱可能に取り付けること、並びに上記連結部分を取り付けることのうちの少なくとも1つに適合される。
医療デバイスは、追加のポート及び追加のインセットのうちの少なくとも1つを更に備えてよく、閉鎖可能な壁ポート又はインセット及び閉鎖可能な身体ポート又はインセットのうちの少なくとも1つは、上記追加のポートと交換可能であってよい。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれか1つによる医療デバイスはエアロックスルースを備えてよく、これは:壁ポートから離間して配置される;壁ポートを部分的にエアロックスルース内で使用する;及びチャンバとチャンバの外側との間の物体の通過を可能とするために壁ポートと完全に一体である、のうちの少なくとも1つである。
実施形態のうちのいずれか1つによる医療デバイスの壁に関して、この壁の第2の別個の部分は、身体の外側に配置された外部医療デバイスチャンバを患者の身体と共に形成するために、患者の身体に少なくとも部分的に適用されるよう適合してよく、上記外部医療デバイスチャンバ内では、実施されることになる外科的処置の一部分を包囲するために、密閉された環境を維持できる。医療デバイスは、外科的処置を実施するために医療デバイスを患者の身体に適用する際に、患者の身体の切開部に配置されたポートと接続されるよう適合された、壁の一部分に配置された閉鎖可能な壁ポートを更に備えてよく、密閉デバイスは壁に接続され、患者の切開部を密閉するよう適合される。閉鎖可能な壁ポートは、外科的処置を実施するために医療デバイスを患者の身体に適用する際に、皮膚に配置された閉鎖可能なポートと共にエアロックスルースの少なくとも一部を形成するよう適合してよく、このエアロックスルースは、患者の身体に配置された医療デバイスチャンバと周囲環境との間にある。
一実施形態によると、閉鎖可能な壁ポートは、患者の身体の切開部に配置された開放可能なポートに対して、外科的処置を実施するために医療デバイスを患者の身体に適用する際に、これらポートを通して細長い物体を長手方向に変位できるように位置決めされるよう適合される。
一実施形態では、閉鎖可能な壁ポートは、閉鎖可能な壁ポートが、患者の皮膚及び皮膚開口に配置された皮膚ポートのうちの少なくとも1つに比較的近接している第1の位置と、外科的処置を実施するために医療デバイスを患者の身体に適用する際に、閉鎖可能な壁ポートが患者の皮膚から比較的離間している第2の位置との間で変位可能であってよい。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかにおける閉鎖可能な壁ポートは、外科的処置を実施するために医療デバイスを患者の身体に適用する際に、患者の身体のキャビティに接続されたポートに接続されること、及び患者の身体のキャビティに接続されたポートにロックされることのうちの少なくとも1つに適合してよい。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかにおける閉鎖可能な壁ポートは、侵入可能な自己密閉ゲルを備えてよく、これにより、チャンバ内に密閉環境を維持しながら閉鎖可能な壁ポートを通して物体又は手を挿入できる。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれか1つによる医療デバイスは、追加のポート、インセット及び連結器のうちの少なくとも1つを更に備えてよく、閉鎖可能な壁ポートは、外科的処置を実施するために医療デバイスを患者の身体に適用する際に、上記追加のポート、上記インセット及び上記連結器のうちの少なくとも1つによって置換されるよう適合される。
一実施形態によると、医療デバイスは、身体の内側に配置されたチャンバの内部部分と、身体の外側に配置されたチャンバの外部部分とを備える。医療デバイスチャンバの外部部分の壁は、実施されることになる外科的処置の一部分を包囲するために密閉された環境を維持できるよう適合された、第2の別個の壁を備える。この第2の壁は、内部チャンバに直接又は間接的に可逆的に接続できる外部チャンバを形成するよう適合される。医療デバイスは、上記第2の壁の一部分に配置された閉鎖可能な壁ポート又はマルチポートと、閉鎖可能な身体ポート/マルチポート及び連結器のうちの少なくとも1つとを更に備え、上記閉鎖可能な身体ポート/マルチポート及び連結器のうちの少なくとも1つは、上記第2の壁の第2の部分に配置され、かつ患者の身体の切開部に直接配置されるよう、又は身体の内側に配置されたチャンバの内部部分に間接的に接続されるよう更に適合され、また内部身体ポート、第2の連結器、保持部材、及び内側又は外側開創部材のうちの少なくとも1つに接続され、上記内部身体ポート、第2の連結器、保持部材、及び内側又は外側開創部材のうちの少なくとも1つは、チャンバの内部部分に更に接続される。医療デバイスは:壁又は第2の壁に接続され、患者の切開部の近傍又は患者の切開部内の皮膚及び/又は身体組織を密閉するよう適合された、追加の密閉デバイス;並びに患者の皮膚及び/又は身体組織を密閉するよう適合された、閉鎖可能な身体ポート又はマルチポート及び連結器のうちの少なくとも1つ、のうちの少なくとも1つを更に備える。壁ポート/マルチポートは、内部身体ポート又はマルチポート、第2の連結器、保持部材、及び内側又は外側開創部材のうちの少なくとも1つに接続されて、チャンバの内部部分及び外部部分を含む密閉された空間を形成するよう適合される。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかにおける壁は、実施されることになる外科的処置の一部を包囲するために密閉された環境を維持できる医療デバイスチャンバを形成するよう適合してよい。医療デバイスは、壁の一部分に配置された閉鎖可能な壁ポート、壁の一部分に配置されかつ患者の身体の切開部に更に配置されるよう適合された閉鎖可能な身体ポート、並びに壁に接続され、患者の皮膚及び/又は身体を密閉するよう適合された密閉デバイスを更に備えてよい。壁ポート及び身体ポートは共に、患者の身体のキャビティと周囲環境との間のエアロックスルースを形成してよく、また閉鎖可能な壁ポート、閉鎖可能な身体ポート並びに閉鎖可能な壁ポート及び閉鎖可能な身体ポートの両方のうちの少なくとも1つは、外科的処置を実施するために医療デバイスを患者の身体に適用する際に、患者の身体のキャビティと周囲環境との間のエアロックスルースを形成するよう適合される。
一実施形態では、閉鎖可能な壁ポート/マルチポートは、閉鎖可能な身体ポート又はマルチポート、第2の連結器、保持部材及び内側又は外側開創部材のうちの少なくとも1つに対して、取り付けられること、所定の位置に一体として設置されること、及びロックされることのうちのいずれか1つに適合される。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれか1つによる医療デバイスは、追加のポート又は追加のインセットを更に備えてよく、閉鎖可能な壁ポート/マルチポート及び閉鎖可能な身体ポート/マルチポートのうちの少なくとも1つは、上記追加のポート又は追加のインセットによって交換可能であってよい。
一実施形態によると、閉鎖可能な身体ポートは、患者の皮膚に形成されることになる切開部にチャンバの内側から配置されるよう適合された、閉鎖可能な身体マルチポートを備え、この閉鎖可能な身体マルチポートは、チャンバと患者の身体の内側との間の物体の通過を可能とするよう適合された少なくとも2つの閉鎖可能な身体ポートを備える。閉鎖可能な身体マルチポートは、外科的処置を実施するために医療デバイスを患者の身体に適用する際に、身体の内側のチャンバに接続される患者の身体の切開部に共に配置された壁ポート及び壁マルチポートのうちの少なくとも1つに接続されるよう適合してよく、上記閉鎖可能な壁ポートは少なくとも2つの閉鎖可能な壁ポートを備える壁マルチポートを備え、この壁マルチポートは、外科的処置を実施するために医療デバイスを患者の身体に適用する際に、身体の内側のチャンバに接続される患者の身体の切開部に配置された、閉鎖可能な身体ポート及び閉鎖可能な身体マルチポートのうちの少なくとも1つに接続されるよう適合される。
閉鎖可能な壁ポート及び/又は閉鎖可能な身体ポートは、弾性膜及び可撓性膜のうちの少なくとも1つを備えてよく、この膜は、非圧縮状態ではチャンバとチャンバの外側の環境との間を密閉し、圧縮状態ではこの膜を通して手又は物体を挿入できるよう適合してよい。
医療デバイスは、皮膚に形成されることになる切開部の周囲において患者の皮膚の内側に位置決めされるよう適合された第1の密閉部材と、上記切開部の周囲において患者の皮膚の外側に位置決めされるよう適合された第2の密閉部材と、第1及び第2の密閉部材を密閉状態で相互接続するばね式又は弾性接続部材とを有する、密閉デバイスを更に備えてよい。上記ばね式又は弾性接続部材は:(a)第2の密閉部材と患者の皮膚との間;(b)第1の密閉部材と患者の組織との間;及び(c)接続部材と切開部に関連する組織との間のうちの少なくとも1つを密閉してよい。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれか1つによる医療デバイスは:チャンバに供給される流体を濾過するための濾過ユニット;チャンバに供給される流体を直接又は間接的に滅菌するための滅菌ユニット;チャンバに供給される流体の温度を変更するよう適合された流体温度調節ユニット;流体を濾過するための濾過ユニット及びチャンバに供給される流体を直接又は間接的に滅菌するための滅菌ユニット;チャンバに供給される流体を濾過するための濾過ユニット及びチャンバに供給される流体の温度を変更するよう適合された流体温度調節ユニット;チャンバに供給される流体を直接又は間接的に滅菌するための滅菌ユニット及びチャンバに供給される流体の温度を変更するよう適合された流体温度調節ユニット;並びにチャンバに供給される流体を濾過するための濾過ユニット、チャンバに供給される流体を直接又は間接的に滅菌するための滅菌ユニット及びチャンバに供給される流体の温度を変更するよう適合された流体温度調節ユニットのうちの少なくとも1つを備えてよい。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれか1つによる医療デバイスは:医療デバイスの壁及び患者の皮膚のうちの少なくとも1つに設けられた、チャンバ及び患者の身体のキャビティのうちの少なくとも1つに流体を供給するための少なくとも1つの流入口;並びに医療デバイスの壁及び患者の皮膚のうちの少なくとも1つに設けられた、チャンバ及び身体キャビティのうちの少なくとも1つから流体を排出するための少なくとも1つの流出口のうちの少なくとも1つを更に備えてよい。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれか1つによる医療デバイスは、流体を流出口から流入口へと循環させるよう適合されたポンプを更に備えてよい。
壁及び身体ポートのうちの少なくとも1つは突出部材を備えてよく、また壁及び身体ポートのうちの少なくとも1つは凹部を備える。突出部材は、壁ポートを身体ポートにロックするために凹部と係合するよう適合してよい。凹部は壁ポート及び身体ポートのうちの少なくとも1つの溝であってよい。
一実施形態によると、壁ポートは第1の連結器に固定されるよう適合され、身体ポートは第2の連結器に固定されるよう適合され、上記第1及び第2の連結器は、壁ポートと身体ポートとを接続するために接続されるよう適合される。第1及び第2の連結器のうちの少なくとも1つは、磁石又は第1の磁性材料を備えてよく、第1及び第2の連結器のうちの少なくとも1つは、磁石又は磁性材料を備えてよく、上記磁石は、第1の連結器を第2の連結器にロックするために、磁石又は磁性材料と係合するよう適合してよい。
第1及び第2の連結器のうちの少なくとも1つは突出部材を備え、第1及び第2の連結器のうちの少なくとも1つは凹部を備え、突出部材は、第1の連結器を第2の連結器にロックするために凹部と係合するよう適合してよい。
一実施形態によると、凹部は第1の連結器及び第2の連結器のうちの少なくとも1つの溝である。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれか1つによる医療デバイスは、身体の内側に配置されたチャンバの内部部分と、身体の外側に配置されたチャンバの外部部分とを備え、壁の外部部分は、壁の内側部分に直接又は間接的に接続された医療デバイスの外部部分を形成するよう適合される。医療デバイスは、患者の身体の切開部内に少なくとも部分的に配置されるよう適合された、相互接続可能なポートを更に備える。この相互接続可能なポートは、相互接続されてこの相互接続可能なポートを形成するよう適合された第1及び第2のポートを備えてよく、第2のポートは第1のポートから接続解除可能であり、第1のポートは、可撓性である壁の第1の部分に接続され、第2のポートは上記可撓性壁の第2の部分に接続され、この可撓性壁は医療デバイスチャンバを形成するよう適合される。第1のポートは、第2のポートから接続解除されると、閉鎖可能な壁ポートを形成してよい。
第1のポートが第2のポートから接続解除されると、第2のポートは閉鎖可能な身体ポートを形成してよい。
チャンバは、第1及び第2のポートが相互接続されている場合に第1の容積を有してよく、第2のポートが第1のポートから接続解除されている場合に第2の容積を有してよく、第2の容積は第1の容積より大きくてよい。
第1の容積は100000mm3未満であってよく、第2の容積は500000mm3超であってよい。可撓性壁は、可撓性壁を膨張させることができるようにひだ状部分を備えてよい。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれか1つによる医療デバイスは、第1及び第2の連結器を備えてよく、第1のポートは第1の連結器に接続されてよく、第2のポートは第2の連結器に接続されてよい。第1及び第2の連結器のうちの少なくとも1つは突出部材を備えてよく、第1の連結器及び第2の連結器のうちの少なくとも1つは凹部を備えてよく、上記突出部材は、第1の連結器を第2の連結器にロックするために上記凹部と係合するよう適合してよい。上記凹部は、第1及び第2の連結器のうちの少なくとも1つの溝であってよい。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかにおいて、可撓性壁が形成するチャンバは、大気圧を超える圧力を保持するよう適合してよい。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれか1つによる医療デバイスは、相互接続可能なポートを備えてよく、この相互接続可能なポートは:第1及び第2のポートが相互接続された第1の状態において、この相互接続された相互接続可能なポートを通して外科医が内視鏡手術を実施できるようにするよう;及び第2のポートが第1のポートから接続解除された第2の状態において、相互接続可能なポートの第1のポートと第2のポートとの間に可撓性壁の外部部分によって形成されたチャンバ内で外科医が上記処置の複数のステップを実施できるようにするよう、適合される。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれか1つによる医療デバイスは、相互接続可能なポートを備えてよく、この相互接続可能なポートは:上記第2の状態において、外科医が第2のポートを通して患者の身体からチャンバ内へと標本を除去できるようにするよう、並びに:この標本をチャンバ内に配置すること;及び第2のポートを通してこの標本をチャンバから除去することのうちの少なくとも1つを実施できるようにするよう適合される。チャンバは、上記標本をチャンバ内に保持するためのパウチを更に備えてよい。このパウチは、除去した標本をチャンバ内で隔離するために、チャンバ内にパウチ−チャンバを生成するために閉鎖できる。
相互接続可能なポートの第1及び第2のポートは、外科医が標本の除去後に相互接続可能なポートを通して手術を継続できるように、接続解除された後に再接続されるよう適合してよい。
医療デバイスは、少なくとも1つの真空密閉部材内に大気圧未満の圧力を生成するための、真空密閉デバイスに接続された圧力調整デバイスを更に備えてよい。
医療デバイスは、圧力調整デバイス及びチャンバ内側の圧力のうちの少なくとも1つを制御するための制御ユニットを更に備えてよい。
医療デバイスはセンサ、モータ及びポンプを更に備えてよく、制御ユニットは、少なくとも1つのセンサからの入力に基づいてモータ及びポンプを制御するよう適合してよい。
医療デバイスは、患者の生理学的又は物理的パラメータを感知するよう適合された少なくとも1つのセンサを更に備えてよい。上記生理学的又は物理的パラメータは:患者の血流;患者の血液の飽和;患者の虚血マーカ;患者の皮膚の温度;患者の皮膚の色調;圧力;力;時間;運動;伸長;距離;及び容積から選択されるパラメータであってよい。代替実施形態では、センサは医療デバイスの機能的又は物理的パラメータを感知するよう適合してよい。上記機能的又は物理的パラメータは:密閉デバイス内の圧力;チャンバ内の圧力;チャンバからの流体の直接又は間接的な漏れ;力;時間;運動;伸長;距離;容積;電気的パラメータ;エネルギ;エネルギ収支;電圧;電流;及び温度から選択されるパラメータであってよい。
制御ユニットは、患者の血流に実質的に影響しないように真空密閉デバイスの圧力を制御するよう適合してよい。
一実施形態によると、医療デバイスは少なくとも1つの保持部材を備え、この保持部材は:リング状;円形屈曲可能形状;可撓性構造;少なくとも1つが切開部の内側に保持されるよう適合された2つの円形屈曲可能形状;身体の切開部より大きなサイズを有するよう適合された1つ、2つ又はそれ以上のリング状構造;切開部を通して導入するために屈曲可能となるよう適合され、切開部の内側に保持されるよう適合された、少なくとも1つのリング状構造;切開部の内側、切開部の外側、及び切開部の切断箇所に関連する組織に対してのうちの少なくとも1つに配置されるよう適合された2つ以上の保持部材部品(上記2つ以上の部品は上述の選択された場所において別個の部品として配置されるよう適合され、少なくとも2つの部品は互いに接続され、少なくとも2つの部品は互いに接続され、この接続は細長く、部品間の最も近い距離よりも有意に長い);手又はその他の部品が切開部を通過できるようにするために切開領域又は切開部の周を拡張できるよう適合された構造、のうちの少なくとも1つを備える。
一実施形態によると、少なくとも1つの保持部材は:壁に密閉状態で取り付けられること;壁に接続されていない別個の身体ポート又は身体マルチポートに密閉状態で取り付けられること;壁に接続された身体ポート又は身体マルチポートに密閉状態で取り付けられること;別個の身体ポート又は身体マルチポートから自由となった状態で配置されること;壁に接触するが壁に取り付けられていないチャンバ内に配置されること;切開部の近傍又は切開部内の組織に向かってチャンバの外側に配置されること;壁に接触するが壁に取り付けられないこと;及び上記保持部材が備える接着剤によって患者の皮膚に取り付けられることのうちの少なくとも1つに適合している。
実施形態のうちのいずれかにおける身体マルチポートは、接着剤によって皮膚に設置されるよう更に適合してよい。
身体マルチポートは、身体マルチポートの周縁に配置された第2の連結器を更に備えてよく、これは身体マルチポート及び第2の連結器を可逆的に接続できるようにするよう適合される。身体マルチポートは、皮膚の外側に配置されるよう更に適合され、第2の連結器は、身体マルチポートを接続解除した場合に、連結器内の手袋内に配置された手を通過させることができるように、皮膚の切開部より大きな内周サイズを有するよう適合され、皮膚は、手のためにより大きな切開部サイズを可能とすることができるよう、十分に弾性である。
一実施形態によると、医療デバイスは少なくとも1つの保持部材を備え、この保持部材は、医療デバイスを保持すること、及び医療デバイスを保持し、同時に切開部を身体の内側に対して密閉することのうちの少なくとも1つに適合され、第1の内部保持部材はその周において切開部より大きなサイズを有するよう適合され、また更に屈曲可能として、外科的処置を実施する際に屈曲して切開部壁の内側に導入されるよう適合される。保持部材は、切開部の内側から医療デバイスを保持するよう更に適合され、また、上記手の通過が可能な内周サイズを有し、かつ比較的小さな切開部を通した導入の後に周の形状を復元するよう適合され、医療デバイスは、切開部の外側に配置されるよう適合された第2の外部保持部材を更に備え、上記第1の内部保持部材及び第2の外部保持部材は、可撓性接続部材によって接続され、上記可撓性接続部材は、医療デバイスの壁と一体の部分、チャンバの外側に配置されるよう適合された別個の可撓性接続壁、及びチャンバの内側に配置されるよう適合された別個の可撓性接続壁のうちの少なくとも1つである。
一実施形態によると、第2の連結器が第2の外部保持部材と一体の部分であること、及び可撓性接続部材が医療デバイスの壁と一体の部分であることのうちの少なくとも1つが満たされる。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかにおける医療デバイスは、患者の皮膚の切開部に対してチャンバを密閉するよう適合された身体マルチポートを更に備えてよい。
医療デバイスは、身体の内側に配置されたチャンバの内部部分、及び身体の外側に配置されたチャンバの外部部分を更に備えてよい。チャンバの内部及び外部部分は、閉鎖可能な身体ポート又は2つ、3つ、4つ若しくはそれ以上のポートを備える身体マルチポートによって分割してよい。内部及び外部チャンバの両方は、内部及び外部チャンバの両方の内側の圧力を大気圧超まで上昇させるために、少なくとも1つの流体流入口及び少なくとも1つの流体流出口のうちの少なくとも1つを有するよう適合してよい。
密閉部材又は内部密閉部材は、切開部を通した導入中に変形可能であってよく、これにより、上記導入の後にその形状を復元できる。チャンバを取り囲む壁もまた、この壁を補強するループ状密閉部材を用いてその形状を維持するよう適合してよく、医療デバイスは、切開部から器官又は関連する組織上に配置された密閉部材への軸に対して垂直に壁内に配置された、複数のリング又はループ状補強材を備えてよい。
チャンバは、チャンバの外側の圧力がチャンバの内側より高い場合にその形状を実質的に維持するよう適合してよい。チャンバは大気圧超の圧力を有するよう適合してよく、チャンバの外側の身体キャビティは異なる圧力を有するよう適合してよい。
医療デバイスは、身体の内側に配置されたチャンバの内部部分、及び身体の外側に配置されたチャンバの外部部分を備えてよく、チャンバの内部及び外部部分は、閉鎖可能な身体ポート又は2つ、3つ、4つ若しくはそれ以上のポートを備える身体マルチポートによって分割され、内部及び外部チャンバの両方は、大気圧超の圧力を有するよう適合され、内部及び外部チャンバは、異なる圧力を有するよう適合される。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれか1つによる医療デバイスを用いた方法を提供する。本方法は:患者の皮膚に切開部を形成するステップ;ヒト器官又は上記器官に関連する組織を切開するステップ;内部密閉デバイスに密閉状態で接続された医療デバイスチャンバを生成するよう適合された壁を備える医療デバイスを配置するステップ;上記少なくとも1つの内部密閉デバイスを、ヒト器官若しくは上記器官に関連する組織上に配置するか、又はより多くの密閉デバイスを複数の異なる器官若しくは関連する組織上に配置するステップ;第1の密閉部材を備える第1の密閉デバイスによって、少なくとも1つのヒト器官又は上記ヒト器官に関連するか若しくは接触するヒト組織の少なくとも一部を密閉することにより、医療デバイスと上記少なくとも1つの人器官又はヒト組織のうちの少なくとも1つとの間にシールを生成するステップ;チャンバの壁に配置された閉鎖可能な壁ポート、切開部の近傍に配置された閉鎖可能な身体ポート、並びに切開された切開部に関連する組織上の切開部の近傍及び/又はその内側及び/又は外側に配置された第2の密閉部材のうちの少なくとも1つによって、医療デバイスチャンバを密閉するステップ;加圧流体でチャンバを充填するステップ;医療デバイスチャンバを、上記少なくとも1つのヒト器官及び外科的処置中に外科的に開かれる少なくとも1つの器官のうちの少なくとも1つと接続された状態で配置するステップ;医療デバイスチャンバと、上記少なくとも1つのヒト器官の少なくとも一部及び上記少なくとも1つの外科的に開かれる器官内のキャビティのうちの少なくとも1つとを取り囲む壁によって、又は壁及び1つ若しくは複数のポートによって、密閉空間を生成するステップ;並びに器具を用いて外科的処置を実施するステップを含む。
本方法は:患者の皮膚に作成した切開部を通した患者の身体の外側から患者の身体の内側への移動を可能とするステップを含む、マルチポートである閉鎖可能な身体ポートを切開部内又は切開部に近接した関係で配置するステップ;及び共に配置された2つ、3つ、4つ又はそれ以上のポートを備える上記マルチポートを通して外科的処置を実施するステップのうちの少なくとも1つを更に含んでよい。
本方法は:a.身体の外側にチャンバの外部部分を配置するステップを含む、医療デバイスを配置するステップ;b.外科的処置中に医療デバイスの形状を所定の方法で変更するステップ;c.身体ポート又は身体マルチポートを配置するステップ、及びチャンバの外側部分の壁に配置された壁ポート又は壁マルチポートを備えるチャンバを身体の外側に配置するステップ(身体ポートと壁ポートは可逆的に接続可能である);d.ポイントcに従って身体ポート又はマルチポートを壁ポート又は壁マルチポートと相互接続することによって、ポイントbに従って上記形状を変更し、これにより、上記ポートが相互接続されている場合はチャンバの容積が小さくなり、上記ポートが分離している場合はチャンバの容積が大きくなるステップ;e.相互接続されたポートがポイントdに従って接続されている場合は、相互接続された身体及び壁ポート又はマルチポートを通して、いずれの器具を用いて内視鏡による外科的処置を行い、上記ポートが分離している場合は、物体、装置又はインプラント、手袋、手袋内に配置された手、身体の部分及び外科的器具のうちの少なくとも1つを、外側の環境からチャンバの外部部分へ、更に続いてチャンバの内部部分へと移動させるステップ;f.ポイントeに従ってインプラントを操作するステップ;g.第2の外部密閉部材を用いて、皮膚の切開部の内側又は外側又は内側及び外側の両方を密閉することにより、患者の皮膚の切開部を密閉し、切開部に関連する組織と医療デバイスとの間、及び少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の少なくとも一部と医療デバイスとの間のうちの1つに密閉されたトンネルを生成して、手術の対象が密閉された空間の外側に達するのを防止し、密閉されたトンネルを生成することによって感染率を低減するステップのうちの少なくとも1つを更に含んでよい。
本方法は、密閉された空間内で実施される、以下の外科的処置:細菌を含有する身体由来物質を有する器官の切開;少なくとも1つの器官又はヒト組織の少なくとも一部の摘出;少なくとも1つの器官の内側又は外側からのいずれの身体由来物質の摘出;少なくとも1つの器官の内側若しくは外側からの、又は少なくとも1つの器官に関連する、いずれの身体組織の摘出;少なくとも1つの器官の異なる複数の部分の接続、異なる複数の器官の異なる複数の部分の接続;少なくとも1つの器官に関連する少なくとも1つの医療デバイスの配置、少なくとも1つの身体機能の置換;少なくとも1つの器官に関連する少なくとも1つの医療デバイスの配置、及び少なくとも1つの器官に関連する少なくとも1つの医療デバイスの配置による、少なくとも1つの身体機能の置換;虫垂切除術;胆嚢摘出術;腎摘出術;子宮摘出術;卵巣摘出術;副腎摘出術;胃バイパス術;噴門形成術;腸内シャント;ヘルニア修復;脾臓摘出術;結腸又は小腸切除術;肝切除術;盲腸フィステル形成術;人工肛門形成術;十二指腸造瘻術;回腸フィステル形成術;虫垂造瘻術;食道造瘻術;胃造瘻術;尿路変更術;腎造瘻術;尿管造瘻術;膀胱造瘻術;内視鏡手術;直視下手術;直視下手術と内視鏡手術との組み合わせ;関節鏡視下手術;直視下関節手術;直視下関節手術と関節鏡視下手術との組み合わせ;凍結アブレーション;超音波ナイフ手術;分離した骨又は軟骨組織の除去;靭帯の挿入;ねじ、釘、プレート等の固定要素の挿入;人工関節置換術;潤滑処置;癌手術;別の医療デバイスの挿入;異質部品の挿入;並びに直視下手術と腹腔鏡手術又は内視鏡手術との組み合わせを用いた医療デバイス及び他の異質部品の挿入のうちの少なくとも1つを更に含んでよい。
本方法は、医療デバイスチャンバ内に以下のようなその他のインプラント:関節形成補綴物;心臓補助装置;通電インプラント;制御論理;充填型審美用インプラント;移植可能な薬剤ディスペンサ;給電ユニット;血管インプラント;泌尿器科インプラント;腹部インプラント;薬剤放出インプラント;婦人科インプラント;活性及び不活性医療用インプラントのうちの少なくとも1つを配置するステップ、並びに/又は医療デバイスチャンバ内に以下のような器具:メス;トロカール;鉗子;縫合器具;ハサミ;カメラ;クランプ器具;解剖器具;把持器具;接着器具;縫合又はステープル留め器具;切断器具;電磁又は超音波ジアテルミー;腹腔鏡把持器;腹腔鏡爪把持器;腹腔鏡石把持器;腹腔鏡針ホルダ;腹腔鏡フック;腹腔鏡下解剖器具;腹腔鏡ジアテルミー器具;関節鏡検査器具;関節置換器具;整形外科用器具;未定義器具;手術器具;内視鏡器具;及び機械のうちの少なくとも1つを配置するステップを更に含んでよい。
上述の実施形態は全て、一般的ないずれの方法で組み合わせることができることに留意されたい。
患者の皮膚に形成された切開部を介して上記患者の身体の内側に位置決めされるよう適合された、医療デバイスを提供する。この医療デバイスは、この医療デバイスと、少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の少なくとも一部との間にシールを形成するために、上記少なくとも1つのヒト器官又は上記ヒト組織の少なくとも一部に接続された状態で位置決めされてこれを密閉するよう適合された第1の内部密閉部材を備える、第1の内部密閉デバイスを備える。上記医療デバイスは、医療デバイスと、少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の少なくとも一部との間にシールを形成するために、上記少なくとも1つのヒト器官又は上記ヒト組織の少なくとも一部に接続された状態で位置決めされてこれを密閉するよう適合された、第2の内部密閉部材と、上記第1及び第2の内部密閉デバイスに密閉状態で接続された医療デバイスチャンバを、少なくとも1つのヒト器官の一部分が第1の内部密閉部材と第2の内部密閉部材との間においてこの医療デバイスチャンバの内側に配置されるように生成するよう適合された、壁とを備える。
一実施形態によると、医療デバイスは、患者の皮膚の切開部に配置される身体ポートを更に備えてよく、壁はこのポートに接続され、これによって第1の内部密閉部材、第2の内部密閉部材及び身体ポートの間に医療デバイスチャンバが生成される。
第1及び第2の密閉部材のうちの少なくとも1つは、管状器官を包囲するよう適合してよい。
一実施形態によると、医療デバイスの壁は、ヒト器官又はヒト組織を医療デバイスチャンバ内に取り囲むために開閉されるよう適合された、閉鎖部分を備えてよい。この閉鎖部分はジッパーを備えてよい。この閉鎖部分は、第1の内部密閉デバイスと第2の内部密閉デバイスとの間に配置してよい。
一実施形態によると、第1の内部密閉デバイスは患者の腸を包囲してこれを密閉するよう適合され、第2の内部デバイスは患者の食道を包囲してこれを密閉するよう適合され、壁は患者の胃を被包するよう適合され、これによって患者の胃は、第1の密閉部材、第2の密閉部材及び壁の間の医療デバイスチャンバ内に配置される。
一実施形態によると、医療デバイスの第1の密閉部材は、第2の密閉部材より小さな周を有する。
内部密閉デバイスは:真空を用いてヒト器官又は上記ヒト器官に関連し接触するヒト組織を密閉する、内部真空密閉デバイス;圧力を用いてヒト器官又は上記ヒト器官に関連し接触するヒト組織を密閉する、内部圧力密閉デバイス;及びヒト器官又は上記ヒト器官に関連し接触するヒト組織に接着接続することによって密閉する、内部接着密閉デバイスのうちの少なくとも1つを備えてよい。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかの内部密閉デバイスは:ヒト器官上;上記ヒト器官に関連し接触するヒト組織上;患者の少なくとも1つのヒト器官内に作成された切開部内;少なくとも1つのヒト器官又は上記ヒト器官の内側に関連し接触するヒト組織の内側上;及び少なくとも1つのヒト器官又は上記ヒト器官の外側に関連し接触するヒト組織の外側上のうちの少なくとも1つに位置決めされるよう適合してよい。
上述の実施形態のうちのいずれか1つによる医療デバイスは、患者の身体内の器官の内側のキャビティ、身体の外側に配置された医療デバイスチャンバの一部分、及び身体の外側に配置された医療デバイスの一部分のうちの少なくとも1つと連通するよう適合してよく、身体の切開部に配置され壁に接続されたポートは、上記ポートが開いている場合に身体の外側に配置されたチャンバの上記部分と連通できるようにするために開閉するよう適合される。
上述の実施形態のうちのいずれか1つによる医療デバイスは、ヒト器官に切開部を作成する際に、少なくとも1つのヒト器官の内側からの流体又はその他の身体由来物質を密閉して、密閉された空間の外側に上記流体又はその他の身体由来物質が拡散するのを回避するよう適合してよい。
上述の実施形態のうちのいずれか1つによる医療デバイスは:細菌を含有する身体由来物質を有する器官の切開;上記少なくとも1つの器官又は上記器官に関連し接触するヒト組織の少なくとも一部の切除;上記少なくとも1つの器官の内側又は外側からのいずれの身体由来物質の除去;上記少なくとも1つの器官の内側若しくは外側からの、又は上記少なくとも1つの器官に関連する、いずれの身体組織の切除;上記少なくとも1つの器官の異なる複数の部分の接続;異なる複数の器官の異なる複数の部分の接続;上記少なくとも1つの器官に関連する少なくとも1つの医療デバイスの配置;少なくとも1つの身体機能の置換;上記少なくとも1つの器官に関連する少なくとも1つの医療デバイスの配置;及び上記少なくとも1つの器官に関連して少なくとも1つの医療デバイスを配置することによる少なくとも1つの身体機能の置換のうちの少なくとも1つを伴う外科的処置中に、密閉された空間を密閉するよう適合してよい。
医療デバイスの一実施形態によると、医療デバイスは、医療デバイスチャンバ内において:少なくとも1つのトロカール;少なくとも1つのインセット;少なくとも1つのポート:少なくとも1つのカメラ;チャンバ内に流体を注入するための少なくとも1つのチューブ又はチャネル;少なくとも1つの吸引器具;少なくとも1つのジアテルミー器具;及び密閉された空間内で外科的処置を実施できるようにするための少なくとも1つの器具又はツールのうちの少なくとも1つを受承するよう適合される。
一実施形態によると、内部真空密閉部材は、ヒト器官又はヒト組織と共に真空チャンバを形成するよう適合された真空溝を備える。
一実施形態によると、内部真空密閉デバイスは、ヒトの身体の別の部分と共に第2の真空チャンバを形成する少なくとも1つの第2の真空溝を備える、第2の又はそれ以上の真空密閉部材を備える。
内部真空密閉部材はループ状真空密閉部材であり、これは、患者の上記少なくとも1つの器官に作成された切開部を包囲すること;及びヒト器官を包囲することのうちの少なくとも1つに適合される。上記真空密閉部材のうちの少なくとも1つは、患者の皮膚に切開部が作成された場合に、真空を用いて上記少なくとも1つのヒト器官を密閉して、外科的処置を実施するための密閉された空間を生成するように配置されるよう適合される。
一実施形態によると、医療デバイスは更に保持部材を備えてよく、この保持部材は、切開部及び患者の上記少なくとも1つの器官のうちの少なくとも1つに対して位置決めされた医療デバイスを保持するよう適合され、少なくとも1つの上記保持部材は:患者の身体の内側から医療デバイスを保持すること:患者の身体の内側及び身体の外側の皮膚の両方から医療デバイスを保持すること:腹壁、胸壁及び生成された身体キャビティの壁のうちの少なくとも1つの両側をクランプ留めすることによって医療デバイスを保持すること;真空密閉デバイスと一体化されること;身体の切開部に関連して配置された身体ポートに接続された医療デバイスを保持すること;並びに異なる複数の別個の位置に医療デバイスを保持することのうちの少なくとも1つに更に適合される。
一実施形態によると、上記少なくとも1つの内部真空密閉部材は円形真空密閉部材である。
一実施形態によると、医療デバイスは、身体の切開部を密閉するよう適合され、かつ:上記切開部の内側;及び上記切開部の切断部分に接続された組織の内側のうちの少なくとも1つを密閉するよう適合された、追加の真空密閉部材を更に備える。
医療デバイスは、患者の皮膚の切開部をその外側において密閉するよう適合された追加の真空密閉部座位を更に備えてよい。
一実施形態によると、医療デバイスは、少なくとも1つの保持部材及び少なくとも1つの圧力密閉部材のうちの少なくとも1つを更に備え、これは、身体の切開部の内側、外側並びに内側及び外側の両方に配置されるよう適合され、また医療デバイスは、患者の切開部を密閉するよう適合され、かつ身体の切開部の内側、外側並びに内側及び外側の両方に配置されるよう適合された、追加の真空密閉部材を更に備える。
一実施形態によると、医療デバイスは追加の真空密閉部材を更に備え、上記追加の真空密閉部材は、患者の皮膚に作成された切開部を包囲するよう適合されたループ状真空密閉部材であり、この追加の真空密閉部材は:患者の皮膚に、その外側において;及び患者のヒト組織に、身体の内側において、のうちの少なくとも1つに接続するよう適合されて:筋膜;筋膜の外側;筋膜の内側;腹壁の腹直筋の筋膜;腹膜;脂肪組織;線維化組織;筋組織;及び身体器官のうちの少なくとも1つを密閉し、これらは全て身体の内側に位置する。また上記少なくとも1つの追加の真空密閉部材は、患者の皮膚に切開部が作成されている場合に、切開部の近接した関係にあるヒト組織を、真空を用いて密閉するように配置されるよう適合される。
一実施形態によると、医療デバイスは:患者の身体の外側から患者の身体の内側への、患者の皮膚に作成された切開部を通した移動を可能とするよう適合された、閉鎖可能な身体ポート;及び/又は切開部の外側に配置されたチャンバの一部分を形成するよう適合された、壁の別の部分に配置される閉鎖可能な壁ポートを更に備え、上記閉鎖可能な壁ポートは、医療デバイスの外側から医療デバイスチャンバの内側への、壁ポートが設置された医療デバイスの壁を通した移動を可能とするよう適合される。
一実施形態によると、医療デバイスは更にマルチポートを備え、またこの医療デバイスは、外科的処置中に第1の形状から第2の形状へと変化するよう適合された、切開部の外側に形成されたチャンバの一部分を備え、第1の形状では、医療デバイスは、患者の皮膚の切開部に近接した関係にマルチポートを位置決めできるようにし、これによって、皮膚の切開部に近接した関係に配置されたマルチポートを通した鍵穴手術を可能とすし、第2の形状では、医療デバイスは、患者の皮膚の切開部から離間してマルチポートを位置決めできるようにし、これにより皮膚の外側に配置されたチャンバの一部分は:手袋を備えるインセットの内側に配置された手;装置;非身体部分;身体部分;外科的処置のために使用される器具及び部品のうちの少なくとも1つを受承できる十分な空間を有して形成されるよう適合される。
一実施形態によると、医療デバイスは、患者の皮膚の切開部の近傍の組織と、内部密閉デバイスによって医療デバイスに対して密閉された、ヒト器官又は上記ヒト器官に関連し接触するヒト組織との間に、密閉されたトンネルを生成するよう適合され、これによって密閉された空間の内側に手術の対象を含むよう適合される。
一実施形態によると、医療デバイスは、医療デバイスの壁に接続された身体ポート(この身体ポートは患者の皮膚の切開部に近接して配置されるよう適合される)と、内部密閉デバイスによって医療デバイスに対して密閉された、ヒト器官又は上記ヒト器官に関連し接触するヒト組織との間に、密閉されたトンネルを生成するよう適合され、これによって密閉された空間の内側に手術の対象を含むことができる。
一実施形態によると、マルチポートは、接続解除可能に接続されるよう適合された2部品ポートを備え、これにより医療デバイスは第1及び第2の形状を取ることができる。この2つの部分は壁に接続されて、身体の外側に配置された密閉されたチャンバの一部分を生成する。
一実施形態によると、医療デバイスは更に、患者の身体の外側から患者の身体の内側への、患者の皮膚に作成された切開部を通した移動を可能とするよう適合された:少なくとも2つの閉鎖可能な身体ポート;及び2つ、3つ又はそれ以上のポートを備える少なくとも2つの閉鎖可能なマルチポートのうちの少なくとも1つを備える。
一実施形態によると、医療デバイスの壁は、外科的処置の一部分を実施できるチャンバを取り囲むよう適合され、上記チャンバは、身体の外側に配置されるよう適合された第1の外部部分と、患者の身体の内側に配置されるよう適合された第2の内部部分との両方を有するキャビティと流体連通するよう適合され、医療デバイスは、上記チャンバの外部部分及び内部部分を:1つのチャンバを形成すること;及びチャンバの外部部分と内部部分との間に身体の切開部に近接して配置されるよう適合された閉鎖可能な身体ポートが、チャンバを、チャンバの2つの別個の閉鎖部分に分割できるようにすることのうちの少なくとも1つに適合させるように適合される。
一実施形態によると、医療デバイスは、外科的処置を実施する際に、密閉された空間の内側に残っている身体部分を消毒又は殺菌するために、殺菌剤の注入を可能とするため又は流体を注入するための、身体の外側から内側へと流体連通して到達するよう適合されたチューブ又はチャネルを備える。
一実施形態によると、医療デバイスは:ヒト器官若しくは上記ヒト器官に関連して接触するヒト組織から少なくとも1つの内部密閉デバイスを解放すること;及び/又は少なくとも1つの内部密閉デバイスを用いて、内部密閉デバイスが解放された後に密閉された空間を閉鎖状態に維持することのうちの少なくとも1つに適合される。
一実施形態によると、医療デバイスは、密閉された空間から身体由来物質が漏れるのを回避するために、外科的処置の終了時に密閉された空間を閉鎖状態に維持するよう適合された、閉鎖用密閉デバイスを更に備える。
一実施形態によると、医療デバイスチャンバは500000mm3超の容積を有する。
一実施形態によると、壁は、周囲環境からチャンバの内側への移動を可能とするよう適合された閉鎖可能な壁ポートを備え、この壁は可撓性及び/又は弾性であってよい。
一実施形態によると、医療デバイスは、医療デバイスのチャンバ内及び/又は患者のキャビティの内側での手技を可能とする、少なくとも1つの一体化された手袋、又は一体化された手袋を備えるインセットを更に備える。
一実施形態によると、医療デバイスは、インセット又はポートを医療デバイスに接続するよう適合された連結器を更に備える。この連結器は:医療デバイスの壁;及び患者の皮膚に作成された切開部のうちの少なくとも1つに配置してよい。
一実施形態によると、上記医療デバイスは:手袋インセット;手アクセスインセット;ポートインセット;マルチポートインセット;及びゲルポートインセットから選択されるインセットを更に備える。
一実施形態によると、医療デバイスは、壁に配置された閉鎖可能な壁ポート又は壁マルチポート、及び患者の切開部に若しくは患者の切開部に近接した関係に配置されるよう適合された閉鎖可能な身体ポート又は身体マルチポートのうちの少なくとも1つを更に備え、閉鎖可能な壁ポート又はマルチポート及び閉鎖可能な身体ポート又は身体マルチポートは、閉鎖可能な壁ポート又は壁マルチポートを閉鎖可能な身体ポート又は身体マルチポートに接続するよう適合された接続手段を備え、マルチポートは1つのマルチポートケーシング内に配置された2つ、3つ、4つ又はそれ以上のポートを備える。
一実施形態によると、閉鎖可能な身体ポートは第1の侵入可能な自己密閉ゲルを備え、閉鎖可能な壁ポートは第2の侵入可能な自己密閉ゲルを備え、第1及び第2の侵入可能な自己密閉ゲルは、壁及び接続された身体ポートによって互いに対して緊密に配置されるよう適合され、これによって第1及び第2の侵入可能な自己密閉ゲルは、非圧縮状態では密閉を提供し、圧縮状態では密閉を維持しながら自己密閉ゲルを通して手又は物体を挿入できるようにするよう適合された、単一の侵入可能な自己密閉ゲルとして作用する。
一実施形態によると、チャンバを形成する壁は、内視鏡手術を実施できるよう、チャンバ内の圧力を大気圧より高く保持するよう適合される。
一実施形態によると、第1及び第2の内側密閉デバイスは:密閉された空間内に比較的大きな手術領域を取り囲むために:作成された切開部を包囲すること;患者の少なくとも1つの器官の又はその周辺の2つ以上の位置を包囲すること;及び2つ以上のヒト器官を包囲することのうちの少なくとも1つに適合された、ループ状真空密閉部材を備える。
一実施形態によると、少なくとも1つの真空密閉部材は、患者の器官に切開部が作成されている場合に、真空を用いて少なくとも1つのヒト器官又は関連する組織を密閉するよう配置されるよう適合される。
一実施形態によると、この閉鎖用密閉デバイスは、密閉された空間から身体由来物質が漏れるのを回避するために、外科的処置の終了時に密閉された空間を閉鎖状態に維持するために、真空を用いて密閉するよう適合される。
一実施形態によると、医療デバイスは、身体の外側から身体の内側、チャンバの内側へと導入される、身体の外側からチャンバ内に流体を吸入及び注入できるよう適合された少なくとも1つの流体導管を更に備え、上記少なくとも1つの流体導管は:医療デバイス及び壁又は切開部に近接して配置された身体ポートのうちの少なくとも1つに一体化されること;並びに別個のチューブとして変位される流体導管の2つの端部を有し、これらの間で医療デバイス及び壁又は切開部に近接して配置された身体ポートのうちの少なくとも1つに一体化されるよう適合される、別個のチューブとして配置されることのうちの少なくとも1つに適合される。
一実施形態によると、医療デバイスチャンバは、実施される外科的処置の一部を取り囲むよう適合され、この医療デバイスは更に:壁の一部分に配置された閉鎖可能な壁マルチポート;壁の第2の部分に配置され、患者の身体の切開部に又はこれに近接した関係に配置されるよう適合された、閉鎖可能な身体マルチポートを備え、密閉デバイスは:壁及び閉鎖可能な身体ポートのうちの少なくとも1つに、密閉式で接続されること;並びに壁及び閉鎖可能な身体ポートのうちの少なくとも1つの一体部品となることのうちの少なくとも1つに適合され、また密閉デバイスは更に、患者の皮膚又は組織のうちの少なくとも1つを密閉するよう適合され、壁、壁マルチポート及び身体マルチポートは共に、外科的処置を実施する際に、患者の身体のキャビティと周囲環境との間のエアロックスルースを形成するよう適合される。
一実施形態によると、実施形態のうちのいずれか1つによる医療デバイスの壁ポートは、第1の位置と第2の位置との間で変位可能であり、第2の位置は身体ポートからより離間して配置される。
一実施形態によると、医療デバイスの壁マルチポートは:身体マルチポートに接続されること;身体マルチポートに当接すること;身体マルチポートにロックされること;身体マルチポートと共に一体型ポートを形成することのうちの少なくとも1つに適合してよい。
一実施形態によると、閉鎖可能な壁マルチポート及び閉鎖可能な身体マルチポートのうちの少なくとも1つは、侵入可能な自己密閉ゲルを備え、これにより、自己密閉ゲルを通して物体又は手を挿入できる。
一実施形態によると、医療デバイスは:追加の身体ポート;追加の身体マルチポート;追加の身体インセット;追加の壁ポート;追加の壁マルチポート;及び追加の壁インセットのうちの少なくとも1つを更に備え、壁ポート、壁マルチポート、身体ポート、身体マルチポート、壁インセット及び身体インセットのうちの少なくとも1つは:追加の身体ポート;追加の身体マルチポート;追加の身体インセット;追加の壁ポート;追加の壁マルチポート;及び追加の壁インセットのうちの少なくとも1つによって交換可能である。
一実施形態によると、医療デバイスは、壁をヒト組織に対して密閉するよう適合された密閉部材を更に備え、この密閉部材は:圧力を大気圧未満に保持するよう適合された真空密閉部材;及び圧力を大気圧より高く保持するよう適合された真空密閉部材のうちの少なくとも1つを備える。
一実施形態によると、医療デバイスは、閉鎖可能な身体ポート及び閉鎖可能なマルチポートを更に備え、閉鎖可能な身体ポートは、患者の皮膚に作成される切開部にチャンバの内側から配置されるよう適合された閉鎖可能な身体マルチポートを備え、この身体マルチポートは、外科的処置を実施するために医療デバイスを患者の身体上に適用する際に:壁ポート;及び壁マルチポートのうちの少なくとも1つに接続されるよう適合され、また閉鎖可能な壁ポートは閉鎖可能な壁マルチポートを備え、この壁マルチポートは、外科的処置を実施するために医療デバイスを患者の身体上に適用する際に、患者の身体の切開部に配置された:身体ポート;及び身体マルチポートのうちの少なくとも1つに接続されるよう適合される。
一実施形態によると、壁は可撓性壁であり、医療デバイスは第1のインセット又は壁に配置された相互接続可能なポートを備え、この相互接続可能なポートは、第1のポート又はマルチポートと、相互接続可能なポートを形成するための第1のポート及び第1のインセットのうちの少なくとも1つと相互接続されるよう適合された第2の連結器とを備え、上記第2の連結器は第1のポート又は第1のインセットから接続解除可能であり、第1のポート又はマルチポートの少なくとも1つは可撓性壁の第1の部分に接続され、第1のインセットは可撓性壁の第3の部分に接続され、第2の連結器は可撓性壁の第2の部分に接続され、可撓性壁は、第2の連結器並びに第1のポート及び第1のインセットのうちの少なくとも1つと共にチャンバを形成するよう適合され、この第2の連結器は閉鎖可能な開口を可能とするよう適合され、上記チャンバは、外科的処置を実施する際に患者の皮膚に切開部が作成された後で、連結器を通して患者の身体の内側のキャビティへと連通できるよう適合される。第1のポート又はマルチポート及び第1のインセットのうちの少なくとも1つは、第1の位置において、患者の皮膚に近接した関係で第2の連結器に接続されるよう適合され、ここでチャンバは第1の比較的小さい容積を有し、第1のポート又はマルチポート及び第1のインセットのうちの少なくとも1つは、第2の位置において、第2の連結器から接続解除されて、患者の皮膚に対して比較的離間した位地で第2の連結器から分離されるよう適合され、ここでチャンバは第2の比較的大きい容積を有する。
一実施形態によると、第1のポートは、第2の連結器から接続解除されると、閉鎖可能な壁ポート又は閉鎖可能なマルチポートを形成する。
一実施形態によると、第2の連結器は、第1のポート又はマルチポートが第2の連結器から接続解除されると、それ自体で閉鎖可能な身体ポートを形成する。マルチポートは、2つ、3つ、4つ又はそれ以上の個別のポートを備えてよい。
一実施形態によると、第1のインセットは、外科的処置を支援するために、外科用手袋及びデバイス又は器具取付部のうちの少なくとも1つを備える。
一実施形態によると、医療デバイスは少なくとも1つの第1の連結器を更に備え、第1のポート又はマルチポート及び少なくとも1つのインセットのうちの少なくとも1つは第1の連結器に接続され、第1のポート又はマルチポート及び第1のインセットのうちの少なくとも1つは、第1の連結器に直接接続されるよう適合された第2の連結器に間接的に接続され、第1の連結器は第2の連結器に可逆的に直接接続されるよう適合される。
一実施形態によると、第1の連結器及び第2の連結器のうちの少なくとも1つは突出部材を備え、第1の連結器及び第2の連結器のうちの少なくとも1つは凹部を備え、上記突出部材は、第1の連結器を第2の連結器にロックするために上記凹部と係合するよう適合される。
一実施形態によると、相互接続可能なポートは:第1のポート又は第1の連結器は第2の連結器と相互接続されている第1の状態において、この相互接続された相互接続可能なポートを通して外科医が内視鏡手術を実施できるようにするよう;及び第2の連結器が第1のポート又は第1の連結器から接続解除される第2の状態において、相互接続可能なポートの第1のポートと第2の連結器との間に可撓性壁によって形成されたチャンバ内で外科医が外科的処置の複数のステップを実施できるようにするよう、適合される。
一実施形態によると、相互接続可能なポートは、上記第2の状態において、外科医が第2の連結器を通して患者の身体からチャンバ内へと標本を除去できるようにするよう、並びに:この標本をチャンバ内に配置すること;及び第1のポートを通してこの標本をチャンバから除去することのうちの少なくとも1つを実施できるようにするよう適合される。
一実施形態によると、医療デバイスは、これもまた第2の連結器に配置されるよう適合された、第2の身体ポートを更に備え、第1のポート、第2の身体ポート及び第1の連結器のうちの1つは、外科医が標本の除去後に相互接続可能なポートを通して手術を継続できるように、第2の連結器から接続解除された後に第2の連結器に再接続されるよう適合される。
一実施形態によると、医療デバイスは、チャンバを加圧流体供給源に接続するよう適合され、これによって医療デバイスは加圧流体を受承して:チャンバの外側の身体キャビティを充填する加圧流体と同一の圧力を保持すること;チャンバの外側の身体キャビティを充填する加圧流体より低い圧力を保持すること;及びチャンバの外側の身体キャビティを充填する加圧流体より高い圧力を保持することのうちの少なくとも1つを実施できる。
一実施形態によると、医療デバイスは:身体の外側に配置された流体供給源のためのニップル:及び身体の外側に配置された流体供給源のためのニップルと、流体の循環を可能とするためにチャンバを出る流体の流れを受承するよう適合された第2のニップルとの組み合わせのうちの少なくとも1つを更に備える。
一実施形態によると、医療デバイスは:チャンバに供給される流体を濾過するための濾過ユニット;チャンバに供給される流体を直接又は間接的に滅菌するための滅菌ユニット;チャンバに供給される流体の温度を変更するよう適合された流体温度調節ユニット;流体を濾過するための濾過ユニット及びチャンバに供給される流体を直接又は間接的に滅菌するための滅菌ユニット;チャンバに供給される流体を濾過するための濾過ユニット及びチャンバに供給される流体の温度を変更するよう適合された流体温度調節ユニット;チャンバに供給される流体を直接又は間接的に滅菌するための滅菌ユニット及びチャンバに供給される流体の温度を変更するよう適合された流体温度調節ユニット;並びにチャンバに供給される流体を濾過するための濾過ユニット、チャンバに供給される流体を直接又は間接的に滅菌するための滅菌ユニット及びチャンバに供給される流体の温度を変更するよう適合された流体温度調節ユニットのうちの少なくとも1つを更に備える。
一実施形態によると、医療デバイスは外科的処置を実施するために患者の身体に適用され、医療デバイスは:医療デバイスの壁及び患者の皮膚のうちの少なくとも1つに設けられた、チャンバ及び患者の身体のキャビティのうちの少なくとも1つに流体を供給するための少なくとも1つの流入口;並びに医療デバイスの壁及び患者の皮膚のうちの少なくとも1つに設けられた、チャンバ及び身体キャビティのうちの少なくとも1つから流体を排出するための少なくとも1つの流出口のうちの少なくとも1つを更に備える。
一実施形態によると、医療デバイスは、流体を流出口から流入口へと循環させるよう適合されたポンプを更に備える。
一実施形態によると、医療デバイスは壁を更に備え、この壁は、この可撓性壁を膨張させることができるようにひだ状部分を備える。
一実施形態によると、医療デバイスはセンサを更に備える。このセンサは:患者の血流;患者の血液の飽和;患者の虚血マーカ;患者の皮膚の温度;患者の皮膚の色調;圧力;力;時間;運動;伸長;距離;及び容積のうちの少なくとも1つを感知するよう適合されたセンサであってよい。
一実施形態によると、センサは:密閉デバイス内の圧力;チャンバ内の圧力;チャンバからの流体の直接又は間接的な漏れ;力;時間;運動;伸長;距離;容積;電気的パラメータ;エネルギ;エネルギ収支;電圧;電流;及び温度のうちの少なくとも1つを感知するよう適合されたセンサであってよい。
患者の身体の少なくとも部分的に内側に密閉されたチャンバを生成する方法を提供する。本方法は:患者の身体の皮膚に切開部を作成するステップ;管状壁に接続された、第1の内部密閉部材を備える第1の内部密閉デバイスを、切開部を通して挿入するステップ;医療デバイスと少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の少なくとも一部との間に第1のシールが生成されるように、上記少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の上記少なくとも一部に接続された状態で第1の内部密閉部材を位置決めするステップ;管状壁に接続された、第2の内部密閉部材を備える第2の内部密閉デバイスを、切開部を通して挿入するステップ;第1及び第2の内部密閉デバイス並びに管状壁間に医療デバイスチャンバを密閉状態で生成するために、医療デバイスと少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の少なくとも一部との間に第2のシールが生成されるよう、上記少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の上記少なくとも一部に接続された状態で第2の内部密閉部材を位置決めするステップを含む。
一実施形態によると、本方法は、患者の皮膚の切開部を通して少なくとも1つのトロカールを挿入するステップ、トロカール内に少なくとも1つの切開ツールを挿入するステップ、及び器官又は組織のある領域を切開するステップのうちの少なくとも1つを更に含む。
一実施形態によると、本方法は、患者の皮膚の切開部に身体ポートを配置するステップを更に含み、管状壁はこの身体ポートに接続され、これによって管状壁、第1の内部密閉デバイス、第2の内部密閉デバイス及び身体ポート間に密閉されたチャンバが生成される。
一実施形態によると、本方法は、第1及び第2の密閉デバイスがそれぞれ管状器官を包囲するように第1及び第2の内部密閉デバイスを位置決めするステップを含む、第1及び第2の密閉デバイスを位置決めするステップを更に含む。
一実施形態によると、本方法は、患者の腸を包囲する第1の密閉デバイス及び患者の食道を包囲する第2の内部密閉デバイスを位置決めするステップを含む、第1及び第2の密閉デバイスを位置決めするステップを更に含み、これにより壁が患者の胃を被包して、患者の胃は、第1の密閉部材、第2の密閉部材及び壁の間の医療デバイスチャンバ内に配置される。
一実施形態によると、壁は、医療デバイスチャンバ内でヒト器官又はヒト組織を取り囲むために開閉するよう適合された閉鎖部分を備え、本方法は壁を開放して患者の器官を包囲するステップ、及び壁を閉鎖して器官を被包するステップを含む。
一実施形態によると、内部密閉部材は内部真空密閉部材であり、本方法は、上記真空密閉部材に真空を印加して、印加された真空によって真空密閉部材を密閉するステップを更に含む。
一実施形態によると、内部密閉部材は内部圧力密閉部材であり、本方法は、上記圧力密閉部材に圧力を印加して、印加された圧力によって圧力密閉部材を密閉するステップを更に含む。
一実施形態によると、閉鎖部分はジッパーを備え、壁を閉鎖して器官を被包する上記ステップは、ジッパーを閉鎖するステップを含む。
一実施形態によると、本方法は、加圧流体でチャンバを充填するステップを更に含む。
一実施形態によると、本方法は、密閉された空間内で実施される、以下の外科的処置:細菌を含有する身体由来物質を有する器官の切開;少なくとも1つの器官又はヒト組織の少なくとも一部の摘出;少なくとも1つの器官の内側又は外側からのいずれの身体由来物質の摘出;少なくとも1つの器官の内側若しくは外側からの、又は少なくとも1つの器官に関連する、いずれの身体組織の摘出;少なくとも1つの器官の異なる複数の部分の接続、異なる複数の器官の異なる複数の部分の接続;少なくとも1つの器官に関連する少なくとも1つの医療デバイスの配置、少なくとも1つの身体機能の置換;少なくとも1つの器官に関連する少なくとも1つの医療デバイスの配置、及び少なくとも1つの器官に関連する少なくとも1つの医療デバイスの配置による、少なくとも1つの身体機能の置換;虫垂切除術;胆嚢摘出術;腎摘出術;子宮摘出術;卵巣摘出術;副腎摘出術;胃バイパス術;噴門形成術;腸内シャント;ヘルニア修復;脾臓摘出術;結腸又は小腸切除術;肝切除術;盲腸フィステル形成術;人工肛門形成術;十二指腸造瘻術;回腸フィステル形成術;虫垂造瘻術;食道造瘻術;胃造瘻術;尿路変更術;腎造瘻術;尿管造瘻術;膀胱造瘻術;内視鏡手術;直視下手術;直視下手術と内視鏡手術との組み合わせ;関節鏡視下手術;直視下関節手術;直視下関節手術と関節鏡視下手術との組み合わせ;凍結アブレーション;超音波ナイフ手術;分離した骨又は軟骨組織の除去;靭帯の挿入;ねじ、釘、プレート等の固定要素の挿入;人工関節置換術;潤滑処置;癌手術;別の医療デバイスの挿入;異質部品の挿入;並びに直視下手術と腹腔鏡手術又は内視鏡手術との組み合わせを用いた医療デバイス及び他の異質部品の挿入のうちの少なくとも1つを更に含む。
一実施形態によると、本方法は、医療デバイスチャンバ内に以下のようなその他のインプラント:関節形成補綴物;心臓補助装置;通電インプラント;制御論理;充填型審美用インプラント;移植可能な薬剤ディスペンサ;給電ユニット;血管インプラント;泌尿器科インプラント;腹部インプラント;薬剤放出インプラント;婦人科インプラント;活性及び不活性医療用インプラントのうちの少なくとも1つを配置するステップを更に含む。
一実施形態によると、本方法は、医療デバイスチャンバ内に以下のような器具:メス;トロカール;鉗子;縫合器具;ハサミ;カメラ;クランプ器具;解剖器具;把持器具;接着器具;縫合又はステープル留め器具;切断器具;電磁又は超音波ジアテルミー;腹腔鏡把持器;腹腔鏡爪把持器;腹腔鏡石把持器;腹腔鏡針ホルダ;腹腔鏡フック;腹腔鏡下解剖器具;腹腔鏡ジアテルミー器具;関節鏡検査器具;関節置換器具;整形外科用器具;未定義器具;手術器具;内視鏡器具;及び機械のうちの少なくとも1つを配置するステップを更に含む。
患者の皮膚に形成された切開部を介して上記患者の身体の内側に位置決めされるよう適合された、医療デバイスを提供する。この医療デバイスは:この医療デバイスと、少なくとも1つのヒト器官又は上記ヒト器官に関連し接触するヒト組織の少なくとも一部との間にシールを形成するために、上記少なくとも1つのヒト器官又は上記ヒト器官に関連し接触する上記ヒト組織の少なくとも一部に接続された状態で位置決めされてこれを密閉するよう適合された内部密閉部材を備える、内部密閉デバイス;及び内部密閉デバイスに密閉状態で接続された医療デバイスを、少なくとも1つのヒト器官又は組織の一部分が医療デバイスチャンバ内に配置されるように生成するよう適合された、管状壁を備え、上記内部密閉デバイスは、上記少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の一部分を取り囲むか又は包囲するために、調整可能な周を有する。
一実施形態によると、医療デバイスは、患者の皮膚の切開部に配置された身体ポートを更に備え、壁はこの身体ポートに接続され、これによって少なくとも1つのヒト器官の一部分が、第1の内部密閉部材、第2の内部密閉部材及び身体ポート間に生成された医療デバイスチャンバ内に配置される。
一実施形態によると、医療デバイスは第2の内部密閉デバイスを更に備え、この第2の内部密閉デバイスは、医療デバイスと、少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の少なくとも一部との間にシールを形成するために、上記少なくとも1つのヒト器官又は上記ヒト組織の少なくとも一部に接続された状態で位置決めされてこれを密閉するよう適合された、第2の内部密閉部材を備え、壁は第2の内部密閉部材に更に接続され、これによって少なくとも1つのヒト器官の一部分が第1の内部密閉部材と第2の内部密閉部材との間においてこの医療デバイスチャンバの内側に配置される。
一実施形態によると、第2の密閉部材は、上記少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の一部分を取り囲むか又は包囲するために、調整可能な周を有する。
一実施形態によると、第1及び第2の内部密閉部材のうちの少なくとも1つは円形であり、直径の調整によって周を調整できるよう、調整可能な直径を有する。
一実施形態によると、内部密閉デバイスは:真空を用いてヒト器官又は上記ヒト器官に関連し接触するヒト組織を密閉する、内部真空密閉デバイス;圧力を用いてヒト器官又はは上記ヒト器官に関連し接触するヒト組織を密閉する、内部圧力密閉デバイス;及びヒト器官又は上記ヒト器官に関連し接触するヒト組織に接着接続することによって密閉する、内部接着密閉デバイスのうちの少なくとも1つを備える。
一実施形態によると、内部密閉部材は、患者の組織の一部分に接続されてこれを密閉するよう適合された少なくとも1つの密閉表面を備え、この密閉表面は、内部密閉デバイスが組織の表面を軸方向に密閉できるよう、内部密閉デバイスの前方に配置される。
一実施形態によると、内部密閉デバイス部材は、患者の組織の一部分に接続されてこれを密閉するよう適合された少なくとも1つの密閉表面を備え、この密閉表面は、内部密閉デバイスが管状器官又は組織を軸方向に、即ち管状器官又は組織の外周を密閉できるよう、内部密閉デバイスの内周上に配置される。
一実施形態によると、内部密閉部材のうちの少なくとも1つはひだ状部分を備え、これにより、このひだ状部分の調整によって周を調整できる。
一実施形態によると、内部密閉デバイスは、ひだ状真空導管を備える内部真空密閉デバイスであり、上記ひだ状真空導管は、患者の組織に対する吸引を生成するよう適合された穿孔を備え、これによってひだ状真空導管と患者の器官又は組織との間に密閉が生成される。
一実施形態によると、医療デバイスは、ひだ状真空導管を患者の身体の外側の真空源に接続するよう適合された真空導管を更に備える。穿孔は、内部密閉デバイスが組織の平坦な表面を密閉できるよう、内部密閉デバイスの前方端部に配置してよい。一実施形態によると、穿孔はひだ状真空導管の内周上に配置され、これにより内部密閉デバイスは径方向に、従って管状器官又は組織の外周に対して密閉できる。
一実施形態によると、内部密閉デバイスは:ヒト器官上;上記ヒト器官に関連し接触するヒト組織上;患者の少なくとも1つのヒト器官内に作成された切開部内;少なくとも1つのヒト器官又は上記ヒト器官の内側に関連し接触するヒト組織の内側上;及び少なくとも1つのヒト器官又は上記ヒト器官の外側に関連し接触するヒト組織の外側上のうちの少なくとも1つに位置決めされるよう適合される。
一実施形態によると、医療デバイスチャンバは、患者の身体内の器官の内側のキャビティ、身体の外側に配置された医療デバイスチャンバの一部分、及び身体の外側に配置された医療デバイスの一部分のうちの少なくとも1つと連通するよう適合され、身体の切開部に配置され壁に接続されたポートは、上記ポートが開いている場合に身体の外側に配置されたチャンバの上記部分と連通できるようにするために開閉するよう適合される。
一実施形態によると、内部密閉デバイスは、上述の選択肢によって形成されるチャンバ全体を、その外側に対して密閉するために、身体の内側に位置決めされるよう適合される。
一実施形態によると、医療デバイスは、ヒト器官に切開部を作成する際に、少なくとも1つのヒト器官の内側からの流体又はその他の身体由来物質を密閉して、密閉された空間の外側に上記流体又はその他の身体由来物質が拡散するのを回避するよう適合される。
一実施形態によると、内部真空密閉部材は、ヒト器官又はヒト組織と共に真空チャンバを形成するよう適合された真空溝を備える。
一実施形態によると、内部真空密閉デバイスは、ヒトの身体の別の部分と共に第2の真空チャンバを形成する少なくとも1つの第2の真空溝を備える、第2の又はそれ以上の真空密閉部材を備える。
一実施形態によると、医療デバイスは、切開部の内側及び切開部の切断部分に接続された組織のうちの少なくとも1つを密閉するよう適合された、追加の真空密閉部材を更に備える。
一実施形態によると、医療デバイスは、患者の皮膚の切開部をその外側において密閉するよう適合された、追加の真空密閉部材を更に備える。
一実施形態によると、上記追加の真空密閉部材は、患者の皮膚に作成された切開部を包囲するよう適合されたループ状真空密閉部材であり、この追加の真空密閉部材は:患者の皮膚に、その外側において;及び患者のヒト組織に、身体の内側において、のうちの少なくとも1つに接続するよう適合されて:筋膜;筋膜の外側;筋膜の内側;腹壁の腹直筋の筋膜;腹膜;脂肪組織;線維化組織;筋組織;及び身体器官のうちの少なくとも1つを密閉し、これらは全て身体の内側に位置する。また上記少なくとも1つの追加の真空密閉部材は、患者の皮膚に切開部が作成されている場合に、切開部の近接した関係にあるヒト組織を、真空を用いて密閉するように配置されるよう適合される。
一実施形態によると、医療デバイスは:患者の身体の外側から患者の身体の内側への、患者の皮膚に作成された切開部を通した移動を可能とするよう適合された、閉鎖可能な身体ポート;及び/又は切開部の外側に配置されたチャンバの一部分を形成するよう適合された、壁の別の部分に配置される閉鎖可能な壁ポートのうちの少なくとも1つを備え、上記閉鎖可能な壁ポートは、医療デバイスの外側から医療デバイスチャンバの内側への、壁ポートが設置された医療デバイスの壁を通した移動を可能とするよう適合される。
一実施形態によると、閉鎖可能な壁又は身体ポートは、接続解除可能に接続されるよう適合された2部品ポートを備え、これにより医療デバイスは第1及び第2の形状を取ることができる。この2つの部分は壁に接続されて、身体の外側の密閉されたチャンバの一部分を生成する。
一実施形態によると、壁は500000mm3超の容積を有する医療デバイスチャンバを生成するよう適合される。
一実施形態によると、壁は可撓性及び/又は弾性である。
一実施形態によると、壁は、医療デバイスのチャンバ内及び/又は患者のキャビティの内側での手技を可能とする、少なくとも1つの一体化された手袋、又は一体化された手袋を備えるインセットを更に備える。
一実施形態によると、医療デバイスは、インセット又はポートを医療デバイスに接続するよう適合された連結器を更に備える。
一実施形態によると、上記連結器は、医療デバイスの壁、及び患者の皮膚に作成された切開部のうちの少なくとも1つに配置されるよう適合される。
一実施形態によると、上記医療デバイスは:手袋インセット;手アクセスインセット;ポートインセット;マルチポートインセット;及びゲルポートインセットから選択されるインセットを更に備える。
一実施形態によると、医療デバイスは、第1の侵入可能な自己密閉ゲルを備える閉鎖可能な身体ポート及び第2の侵入可能な自己密閉ゲルを備える閉鎖可能な壁ポートを更に備え、第1及び第2の侵入可能な自己密閉ゲルは、壁及び接続された身体ポートによって互いに対して緊密に配置されるよう適合され、これによって第1及び第2の侵入可能な自己密閉ゲルは、非圧縮状態では密閉を提供し、圧縮状態では密閉を維持しながら自己密閉ゲルを通して手又は物体を挿入できるようにするよう適合された、単一の侵入可能な自己密閉ゲルとして作用する。
一実施形態によると、チャンバを形成する壁は、チャンバ内の圧力を大気圧より高く保持するよう適合される。
一実施形態によると、壁ポートは、第1の位置と第2の位置との間で変位可能であり、第2の位置は身体ポートからより離間して配置される。
一実施形態によると、閉鎖可能な壁ポート及び閉鎖可能な身体ポートのうちの少なくとも1つは、弾性膜及び可撓性膜のうちの少なくとも1つを備え、この膜は、非圧縮状態ではチャンバとチャンバの外側の環境との間を密閉し、圧縮状態ではこの膜を通して手又は物体を挿入できるよう適合される。
一実施形態では、身体ポートは、皮膚に形成されることになる切開部の周囲において患者の皮膚の内側に位置決めされるよう適合された第1の密閉部材と、上記切開部の周囲において患者の皮膚の外側に位置決めされるよう適合された第2の密閉部材と、第1及び第2の密閉部材を密閉状態で相互接続するばね式又は弾性接続部材とを備え、上記ばね式又は弾性接続部材は:(a)第2の密閉部材と患者の皮膚との間;(b)第1の密閉部材と患者の組織との間;及び(c)接続部材と切開部に関連する組織との間のうちの少なくとも1つを密閉するよう適合される。
実施形態のうちのいずれか1つによる医療デバイスは:チャンバに供給される流体を濾過するための濾過ユニット;チャンバに供給される流体を直接又は間接的に滅菌するための滅菌ユニット;チャンバに供給される流体の温度を変更するよう適合された流体温度調節ユニット;流体を濾過するための濾過ユニット及びチャンバに供給される流体を直接又は間接的に滅菌するための滅菌ユニット;チャンバに供給される流体を濾過するための濾過ユニット及びチャンバに供給される流体の温度を変更するよう適合された流体温度調節ユニット;チャンバに供給される流体を直接又は間接的に滅菌するための滅菌ユニット及びチャンバに供給される流体の温度を変更するよう適合された流体温度調節ユニット;並びにチャンバに供給される流体を濾過するための濾過ユニット、チャンバに供給される流体を直接又は間接的に滅菌するための滅菌ユニット及びチャンバに供給される流体の温度を変更するよう適合された流体温度調節ユニットのうちの少なくとも1つを備える。
一実施形態によると、医療デバイスは外科的処置を実施するために患者の身体に適用され、医療デバイスは:医療デバイスの壁及び患者の皮膚のうちの少なくとも1つに設けられた、チャンバ及び患者の身体のキャビティのうちの少なくとも1つに流体を供給するための少なくとも1つの流入口;並びに医療デバイスの壁及び患者の皮膚のうちの少なくとも1つに設けられた、チャンバ及び身体キャビティのうちの少なくとも1つから流体を排出するための少なくとも1つの流出口のうちの少なくとも1つを更に備える。
一実施形態によると、医療デバイスは、流体を流出口から流入口へと循環させるよう適合されたポンプを更に備える。
一実施形態によると、壁及び身体ポートのうちの少なくとも1つは突出部材を備え、また壁及び身体ポートのうちの少なくとも1つは凹部を備え、突出部材は、壁ポートを身体ポートにロックするために凹部と係合するよう適合される。
一実施形態によると、凹部は壁ポート及び身体ポートのうちの少なくとも1つの溝である。
一実施形態によると、壁ポートは第1の連結器に固定されるよう適合され、身体ポートは第2の連結器に固定されるよう適合され、上記第1及び第2の連結器は、壁ポートと身体ポートとを接続するために接続されるよう適合される。
一実施形態によると、可撓性壁は、この可撓性壁を膨張させることができるようにひだ状部分を備える。
一実施形態によると、医療デバイスは、圧力、流れ、及び患者の生理学的又は物理的パラメータのうちの少なくとも1つを感知するよう適合された、少なくとも1つのセンサを更に備える。一実施形態によると、上記生理学的又は物理的パラメータは:患者の血流;患者の血液の飽和;患者の虚血マーカ;患者の皮膚の温度;患者の皮膚の色調;圧力;力;時間;運動;伸長;距離;及び容積から選択されるパラメータである。
患者の身体の少なくとも部分的に内側に密閉されたチャンバを生成する方法を提供する。本方法は:患者の身体の皮膚に切開部を作成するステップ;管状壁に接続された、内部密閉部材を備える内部密閉デバイスを、切開部を通して挿入するステップ;医療デバイスと少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の少なくとも一部との間にシールが生成されるように、上記少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の上記少なくとも一部に接続された状態で内部密閉部材を位置決めするステップ;並びに少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の一部分を取り囲むか又は包囲するために密閉部材の周を調整して、医療デバイスの管状壁、内部密閉デバイス及び器官又は組織によって密閉チャンバを生成するステップを含む。
一実施形態によると、本方法は、患者の皮膚の切開部を通して少なくとも1つのトロカールを挿入するステップ、トロカール内に少なくとも1つの切開ツールを挿入するステップ、及び器官又は組織のある領域を切開するステップのうちの少なくとも1つを更に含む。
一実施形態によると、本方法は、患者の皮膚の切開部に身体ポートを配置するステップを更に含み、管状壁はこの身体ポートに接続され、これによって管状壁、内部密閉デバイス及び身体ポート間に密閉されたチャンバが生成される。
一実施形態によると、本方法は:これもまた管状壁に接続された、第2の内部密閉部材を備える第2の内部密閉デバイスを、切開部を通して挿入するステップ;並びに医療デバイスの管状壁、第1及び第2の内部密閉デバイス並びに器官又は組織によって密閉された空間を生成するために、第2の医療デバイスと少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の少なくとも第2の部分との間にシールが生成されるよう、上記少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の少なくとも上記部分に接続された状態で第2の内部密閉部材を位置決めするステップを更に含む。
一実施形態によると、本方法は、上記少なくとも1つのヒト器官の一部分を取り囲むか又は包囲するために、第2の密閉部材の周を調整するステップを更に含む。
一実施形態によると、第1及び第2の内部密閉部材のうちの少なくとも1つは円形であり、直径の調整によって周を調整できるよう、調整可能な直径を有する。
一実施形態によると、内部密閉部材は内部真空密閉部材であり、本方法は、上記真空密閉部材に真空を印加して、印加された真空によって真空密閉部材を密閉するステップを更に含む。
一実施形態によると、内部密閉部材は内部圧力密閉部材であり、本方法は、上記圧力密閉部材に圧力を印加して、印加された圧力によって圧力密閉部材を密閉するステップを更に含む。
一実施形態によると、内部密閉デバイスは、患者の組織の一部分に接続されてこれを密閉するよう適合された少なくとも1つの密閉表面を備え、この密閉表面は内部密閉デバイスの前方に配置される。少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織に接続された状態で内部密閉部材を位置決めする上記ステップは、器官又は組織の表面に対して軸方向に内部密閉部材を適用するステップを更に含む。
一実施形態によると、内部密閉デバイスは、患者の組織の一部分に接続されてこれを密閉するよう適合された少なくとも1つの密閉表面を備え、この密閉表面は、内部密閉デバイスの内周上に配置される。少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の少なくとも一部に接続された状態で内部密閉部材を位置決めする上記ステップは、管状器官又は組織の外周に対して径方向に内部密閉部材を適用するステップを更に含む。
一実施形態によると、本方法は、加圧流体でチャンバを充填するステップを更に含む。
一実施形態によると、本方法は、密閉された空間内で実施される、以下の外科的処置:細菌を含有する身体由来物質を有する器官の切開;少なくとも1つの器官又はヒト組織の少なくとも一部の摘出;少なくとも1つの器官の内側又は外側からのいずれの身体由来物質の摘出;少なくとも1つの器官の内側若しくは外側からの、又は少なくとも1つの器官に関連する、いずれの身体組織の摘出;少なくとも1つの器官の異なる複数の部分の接続、異なる複数の器官の異なる複数の部分の接続;少なくとも1つの器官に関連する少なくとも1つの医療デバイスの配置、少なくとも1つの身体機能の置換;少なくとも1つの器官に関連する少なくとも1つの医療デバイスの配置、及び少なくとも1つの器官に関連する少なくとも1つの医療デバイスの配置による、少なくとも1つの身体機能の置換;虫垂切除術;胆嚢摘出術;腎摘出術;子宮摘出術;卵巣摘出術;副腎摘出術;胃バイパス術;噴門形成術;腸内シャント;ヘルニア修復;脾臓摘出術;結腸又は小腸切除術;肝切除術;盲腸フィステル形成術;人工肛門形成術;十二指腸造瘻術;回腸フィステル形成術;虫垂造瘻術;食道造瘻術;胃造瘻術;尿路変更術;腎造瘻術;尿管造瘻術;膀胱造瘻術;内視鏡手術;直視下手術;直視下手術と内視鏡手術との組み合わせ;関節鏡視下手術;直視下関節手術;直視下関節手術と関節鏡視下手術との組み合わせ;凍結アブレーション;超音波ナイフ手術;分離した骨又は軟骨組織の除去;靭帯の挿入;ねじ、釘、プレート等の固定要素の挿入;人工関節置換術;潤滑処置;癌手術;別の医療デバイスの挿入;異質部品の挿入;並びに直視下手術と腹腔鏡手術又は内視鏡手術との組み合わせを用いた医療デバイス及び他の異質部品の挿入のうちの少なくとも1つを更に含む。
一実施形態によると、本方法は、医療デバイスチャンバ内に以下のようなその他のインプラント:関節形成補綴物;心臓補助装置;通電インプラント;制御論理;充填型審美用インプラント;移植可能な薬剤ディスペンサ;給電ユニット;血管インプラント;泌尿器科インプラント;腹部インプラント;薬剤放出インプラント;婦人科インプラント;活性及び不活性医療用インプラントのうちの少なくとも1つを配置するステップを含む。
一実施形態によると、本方法は、医療デバイスチャンバ内に以下のような器具:メス;トロカール;鉗子;縫合器具;ハサミ;カメラ;クランプ器具;解剖器具;把持器具;接着器具;縫合又はステープル留め器具;切断器具;電磁又は超音波ジアテルミー;腹腔鏡把持器;腹腔鏡爪把持器;腹腔鏡石把持器;腹腔鏡針ホルダ;腹腔鏡フック;腹腔鏡下解剖器具;腹腔鏡ジアテルミー器具;関節鏡検査器具;関節置換器具;整形外科用器具;未定義器具;手術器具;内視鏡器具;及び機械のうちの少なくとも1つを配置するステップを含む。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかによる医療デバイスは、患者の身体の切開部に少なくとも部分的に配置されるよう適合された相互接続可能なポートを備えてよい。この相互接続可能なポートは、相互接続されて上記相互接続可能なポートを形成するよう適合された第1及び第2のポートを備え、第2のポートは第1のポートから接続解除可能である。第1のポートは可撓性壁の第1の部分に接続され、第2のポートは可撓性壁の第2の部分に接続され、可撓性壁は、外科的処置のステップを実施できるチャンバを形成するよう適合される。
一実施形態によると、相互接続可能なポートは、患者の身体のキャビティ内においてポートを通して内視鏡手術を実施することと、医療デバイスのチャンバの内側において、このチャンバに挿入された内視鏡器具又は手を用いて外科的処置の少なくとも1つのステップを実施することとの間での選択を可能とする。例えば、患者の身体に物体を挿入することになるか、又は患者の身体から標本を除去することになるまでは、腹腔鏡手術を実施してよく、この時点において相互接続されたポートは接続解除され、物体又は標本を医療デバイスのチャンバから患者のキャビティへと、又はその逆方向へと移動させることができる。
相互接続可能なポートの一実施形態によると、第1のポートは、第2のポートから接続解除されると、閉鎖可能な壁ポートを形成し、これによってチャンバを密閉状態のままとすることができる。
相互接続可能なポートの一実施形態によると、第2のポートは、第1のポートが第2のポートから接続解除されている場合、それ自体で閉鎖可能な身体ポートを形成し、これによってチャンバと患者のキャビティとは、相互接続可能なポートが分離していても、分離したままとなる。チャンバは第1のポートと第2のポートとが相互接続されている場合に第1の容積を有してよく、第2のポートが第1のポートから接続解除されている場合に第2の容積を有してよく、第2の容積は第1の容積より大きくてよい。一実施形態によると、第1の容積は100000mm3未満である。一実施形態によると、第2の容積は500000mm3超である。
一実施形態によると、医療デバイスは第1及び第2の連結器を備え、第1のポートは第1の連結器に接続され、第2のポートは第2の連結器に接続される。第1の連結器及び第2の連結器のうちの少なくとも1つは突出部材を備えてよく、第1の連結器及び第2の連結器のうちの少なくとも1つは凹部を備えてよく、この凹部は溝であってよく、上記突出部材は、第1の連結器を第2の連結器にロックするために上記凹部と係合するよう適合してよい。
一実施形態によると、相互接続可能なポートは:第1及び第2のポートが相互接続されている第1の状態において、この相互接続された相互接続可能なポートを通して外科医が手術を実施できるようにするよう;及び第2のポートが第1のポートから接続解除される第2の状態において、相互接続可能なポートの第1のポートと第2のポートとの間に可撓性壁によって形成されたチャンバ内で外科医が処置の複数のステップを実施できるようにするよう、適合される。相互接続可能なポートは、上記第2の状態において、外科医が第2のポートを通して患者の身体からチャンバ内へと標本を除去できるようにするよう、並びに:この標本をチャンバ内に配置すること;及び第2のポートを通してこの標本をチャンバから除去することのうちの少なくとも1つを実施できるようにするよう適合してよい。
一実施形態によると、第1及び第2のポートは、外科医が標本の除去後に相互接続可能なポートを通して手術を継続できるように、接続解除後に再接続されるよう適合される。
相互接続可能なポートは、第1及び第2の連結器のうちの少なくとも1つに着脱可能に固定されたインセットを更に備えてよく、これによって上記インセットを取り外して異なるインセットで置換できる。このインセットは、外科用手袋及びデバイス又は器具取付部のうちの少なくとも1つを含んでよい。
一実施形態によると、第1及び第2のポートのうちの少なくとも1つは弾性又は可撓性膜を備え、この弾性又は可撓性膜は、非圧縮状態では密閉を提供し、圧縮状態ではこの膜を通して手又は物体を挿入できるよう適合される。
相互接続可能なポートの一実施形態によると、第1のポートは第1の弾性又は可撓性膜を備えてよく、第2のポートは第2の弾性又は可撓性膜を備えてよく、第1及び第2の膜は共に緊密に配置されるよう適合してよく、これによって上記第1及び第2の膜は単一の弾性又は可撓性膜として作用し、これは、非圧縮状態において密閉を提供し、圧縮状態でこの膜を通して手又は物体を挿入できるよう適合される。第1及び第2の膜は、これら膜を通して器具を挿入できるようにする、複数の自己密閉孔を備えてよい。
一実施形態によると、相互接続可能なポートは:相互接続可能なポートと患者の皮膚との間を密閉するために、相互接続可能なポートと患者の皮膚との間に大気圧未満の圧力を保持するよう適合された、真空シール;及び相互接続可能なポートと患者の皮膚との間を密閉するために、相互接続可能なポートと患者の皮膚との間に大気圧超の圧力を保持するよう適合された、圧力シールのうちの少なくとも1つを更に備える。
上述の実施形態のうちのいずれか1つによる相互接続可能なポートは、流体を濾過するための濾過ユニット、流体を直接又は間接的に滅菌するための滅菌ユニット及び流体の温度を変更するよう適合された流体温度調節ユニットのうちの少なくとも1つを更に備えてよい。
相互接続可能なポートを用いて患者の身体に対して実施される外科的方法を更に提供する。相互接続可能なポートは第1及び第2のポートを備え、本方法は:患者の皮膚に切開部を生成するステップ;切開部に相互接続可能なポートを配置するステップ;第2のポートから第1のポートを接続解除して、第1及び第2のポートに接続された壁によってチャンバを形成するステップ;並びに上記チャンバ内で外科的処置のステップを実施するステップを含む。チャンバ内で外科的処置のステップを実施する上記ステップは:患者の身体のキャビティから標本を除去するステップ;第2のポートを通して上記標本を移動させるステップ;及び医療デバイスのチャンバ内に標本を配置するステップを含んでよい。この外科的方法は:第1及び第2のポートを再接続して、相互接続可能なポートを形成するステップ;及び上記相互接続可能なポートを通して、患者のキャビティ内で外科的ステップを実施するステップを更に含んでよい。
患者に対して外科的処置を実施するための医療デバイスを提供する。この医療デバイスは、内部に密閉された環境を維持できるチャンバを形成するために、患者の身体に少なくとも部分的に適用されるよう適合された壁を備え、このチャンバは、実施されることになる外科的処置の一部を包囲するよう適合される。壁の一部分は、単一の開放端部を有する細長い管状エンクロージャを直接又は間接的に形成し、この細長い管状エンクロージャはチャンバ内に延在し、また上記開放端部を通って細長い管状エンクロージャに挿入される患者の体肢の一部分にフィットするよう適合され、これにより外科的処置を患者の体肢の一部分に対して実施できる。またこの医療デバイスは、患者の体肢の一部分が細長い管状エンクロージャ内に配置される際に、このエンクロージャの内部から流体を排出するよう適合される、流体排出システムを備える。
細長い管状エンクロージャから流体を排出することによって、細長い管状エンクロージャの内側の壁は患者の体肢にぴったりとフィットでき、例えば患者の皮膚に捕捉された細菌又はウィルスが医療デバイスのチャンバ内の切開部位に移動するリスクを低減する。
一実施形態によると、細長い管状エンクロージャは、流体を細長い管状エンクロージャの内部から排出した場合に患者の皮膚に接触するよう適合された接着表面を備える。
一実施形態によると、細長い管状エンクロージャの第1の部分は接着表面を備えてよく、医療デバイスは、上記第1の部分を被覆するよう適合された分離層を更に備えてよく、この分離層は、接着層を患者の皮膚上に配置する際に第1の部分から除去されるよう適合してよい。
一実施形態によると、医療デバイスは、患者の体肢の皮膚と、医療デバイスの壁及び細長い管状エンクロージャのうちの少なくとも1つとの間を密閉するよう適合された、少なくとも1つの密閉デバイスを備える。この密閉デバイスは、調整可能な密閉力を印加するよう適合してよい。
一実施形態によると、上記密閉デバイスは、液圧、空気圧又は電気によって動力供給される圧力密閉部材を備える。
一実施形態によると、上記密閉デバイスは、壁及びエンクロージャのうちの少なくとも1つに取り付けられた真空密閉部材を備え、この真空密閉部材は、大気圧未満の圧力を供給することによって、患者の体肢の皮膚と壁及び細長い管状エンクロージャのうちの少なくとも1つとの間に真空シールを生成するよう適合される。
一実施形態によると、医療デバイスは、液圧、空気圧及び電気のうちの少なくとも1つによって動力供給される密閉部材に接続された圧力生成部材、並びに真空密閉部材に接続された真空生成部材のうちの少なくとも1つを更に備える。
一実施形態によると、身体マルチポートは細長い管状エンクロージャに固定される。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかにおける医療デバイスは、大気圧超の第1の圧力を保持するよう適合された第1のチャンバを形成するために、患者の身体に少なくとも部分的に適用されるよう適合された、壁を備えてよく、上記第1のチャンバ内では、実施されることになる外科的処置の一部を包囲するために、密閉された環境を維持できる。壁の一部分は、患者の皮膚に接触して、壁の一部分と患者の皮膚との間に実質的に気密性のシールを生成するよう適合され、これにより、患者内のキャビティと第1のチャンバとの間に流体連通を生成できるように、患者の皮膚を通して密閉された環境内で切開部を形成できる。壁は、上述のような切開部を形成した後、壁の一部分と患者の皮膚との間に実質的に気密性のシールを保持するよう適合される。医療デバイスは、外科的処置中に上述のような切開部を形成する際に、第1のチャンバ内の圧力を大気圧より高く保持するよう適合され、これによってキャビティとの流体連通を可能とし、この壁は、第1のチャンバ内で第1の圧力を維持できるよう設計された第1の壁の部分、及び医療デバイスと患者の身体との間に密閉を生成するよう適合された第2のチャンバ内で第2の圧力を維持できる設計された第2の壁の部分を備え、第1の圧力と第2の圧力とは異なる。このような医療デバイスを設けることによって、患者の皮膚及び/又は組織間を密閉するために第1の正圧又は負圧を提供でき、医療デバイスのチャンバ及び/又は患者の身体のキャビティ内に第2の正圧を提供できる。
医療デバイスの一実施形態によると、壁は上部及び底部を備え、この底部は、その表面が患者の皮膚の表面に接触してこれを押圧するよう適合され、これによって壁の底部と患者の皮膚との間を密閉する。第1の壁の部分は、第1のチャンバ内の圧力を大気圧より高くすることができるよう適合される。壁の底部は、密閉された環境内で患者の皮膚に切開部を作成する際に切断されるよう適合してよく、これによって密閉された環境内で切開部が形成され、切開部位に細菌が入り得るリスクが低減される。
一実施形態によると、壁の底部は、壁を患者の皮膚に固定すること、及び壁の底部と患者との間を密閉することのうちの少なくとも1つのために、接着表面を備える。
一実施形態によると、壁の底部は真空密閉部材を備え、この真空密閉部材は、少なくとも壁に取り付けられるか壁に一体化されるかして、真空密閉部材と患者の皮膚との間に大気圧未満の圧力を提供して、皮膚と壁との間に真空密閉を生成するよう適合される。
実施形態のうちのいずれかの医療デバイスは:密閉デバイスが印加する圧力を調整するよう適合された圧力調整デバイス;並びに密閉デバイスが印加する圧力、密閉デバイスを通過する血流及びチャンバからの流体の直接又は間接的な漏れのうちの少なくとも1つを監視するための監視ユニットのうちの少なくとも1つを更に備えてよい。密閉デバイスが印加する圧力又は患者の身体への影響を監視することによって、患者の身体への損傷を最小としながら十分な密閉を提供できるように、印加される力を適合できる。
一実施形態によると、密閉デバイスは、患者の四肢のいずれを包囲することなく皮膚の表面に適用されるよう適合された閉鎖型の幾何学的構成、及び/又は患者の四肢を包囲するよう適合された閉鎖型の幾何学的構成を有する。
医療デバイスは:少なくとも1つの手袋(この手袋は、チャンバの外側からこの手袋を用いてチャンバ内に密閉された環境を維持しながら、チャンバの内側で手技を実施できるように、壁に一体化される);少なくとも1つのインセット;及びチャンバの外側からこの手袋を用いてチャンバ内に密閉された環境を維持しながら、チャンバの内側で外科医が手技を実施できるように、一体型の手袋を備える少なくとも1つのインセットのうちの少なくとも1つを更に備えてよい。
一実施形態によると、壁は、患者の皮膚に接触してこれを押圧するよう適合された底部を備え、これにより壁の底部と患者の皮膚との間を密閉する。医療デバイスの壁は、チャンバ内の圧力を大気圧より高くすることができるよう適合される。壁の底部は、密閉された環境内で患者の皮膚の切開部を形成する際に切断されるよう適合してよい。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかにおいて、医療デバイスは、患者の身体に少なくとも部分的に適用されるよう適合され、かつ単独で又は患者の身体と共にチャンバを形成するよう更に適合された、壁を備えてよく、上記チャンバ内では、実施されることになる外科的処置の一部を包囲するために、密閉された環境を維持でき、壁の一部分は患者の皮膚に接触するよう適合される。また医療デバイスは、壁に取り付けられ、チャンバ内での手技を可能とするよう適合された、少なくとも1つの壁インセット又は壁ポートを備えてよく、壁インセット又は壁ポートは、このインセット又は壁ポートが患者の皮膚又は組織に対して固定される第1の位置と、このインセット又は壁ポートが患者の皮膚から第1の位置より離れており、インセット又は壁ポートが患者の皮膚又は組織に対して可動である第2の位置との間で変位可能である。ポート又はインセットを患者の皮膚からより離間させることによって、医療デバイスのチャンバ内での手又は器具を用いた手技が可能となり、皮膚に近接させることにより、内視鏡器具又は手を用いた患者の身体のキャビティ内での手技が容易になる。
一実施形態によると、壁インセット又は壁ポートは、このインセット又は壁ポートを患者の皮膚又は組織に直接又は間接的に固定するよう適合された第1の連結器を備える。
一実施形態によると、壁は、第1及び第2の連結器を備え、第1の連結器は第1の位置に位置決めされるよう適合され、第2の連結器は、壁インセット又は壁ポートを第1の位置にロックするために第1の連結器に接続されるよう適合される。
医療デバイスは、壁の別の部分又は患者の皮膚若しくは組織に設置されるよう適合された、身体インセット又は身体ポートを更に備えてよい。第1の連結器は、身体ポート又は身体インセットと接続された状態で位置決めされるよう適合してよく、壁ポート及び身体ポートは、第1及び第2の連結器を第1の位置で接続した場合に、一体型のポートを形成するよう適合してよい。身体ポートは、第1の連結器に接続されるよう適合された第2の連結器を備えてよい。
一実施形態によると、チャンバは、壁インセット又は壁ポートが第1の位置にある場合に第1の容積を有してよく、またインセット又は壁ポートが第2の位置にある場合に、第1の容積より大きい第2の容積を有する。
外科的処置を実施する際に患者の身体に適用されるよう適合された壁の一部分は、この壁の一部分と患者の皮膚との間に大気圧未満の圧力を保持して、壁の上記一部分と患者の皮膚との間を密閉するよう適合された、真空密閉部材を更に備える。この真空密閉部材は、壁の一部分と患者の皮膚との間に実質的に気密性のシールを生成するよう適合してよく、これにより、患者内のキャビティとチャンバとの間に流体連通を生成できるように、患者の皮膚を通して密閉された環境内で切開部を形成できる。
患者に対して内視鏡による外科的処置を実施するための医療デバイスを提供する。この医療デバイスは壁を備え、この壁は、実施されることになる外科的処置の一部を包囲するために密閉された環境を維持できるチャンバを単独で又は患者の身体と共に形成するために、患者の身体に少なくとも部分的に適用されるよう適合される。医療デバイスの壁の一部分は、外科的処置を実施する際に患者の皮膚に接触するよう適合され、真空密閉部材は、皮膚と壁との間の第2のチャンバ内、又は第2のチャンバ内及び皮膚と患者の皮膚に接触する壁との間に、ある圧力を維持するよう適合され、この圧力はチャンバ内の圧力とは異なり、壁の一部分と患者の皮膚との間に密閉を提供するために大気圧未満である。よってこの真空密閉部材は、チャンバ内に大気圧より高い圧力を維持することができ、また真空密閉部材内を大気圧未満とすることができる。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかにおける真空密閉部材は、連続的に配置されるよう適合された、複数の真空密閉溝を備えてよい。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかにおける医療デバイスは、追加の身体ポート、追加の身体インセット、追加の壁ポート及び追加の壁インセットのうちの少なくとも1つを更に備えてよく、壁ポート及び身体ポートのうちの少なくとも1つは、上記追加のポート又は追加のインセットによって交換可能である。
一実施形態によると、外科的処置を実施する際に患者の身体に適用されるよう適合された壁の一部分は:壁の一部分と患者の皮膚との間を密閉するために、壁の一部分と患者の皮膚との間に大気圧未満の圧力を保持するよう適合された、真空密閉部材;及び壁と患者の皮膚との間を密閉するために、壁と患者の皮膚との間に大気圧より高い圧力を保持するよう適合された、圧力密閉部材のうちの少なくとも1つを更に備える。
一実施形態によると、真空密閉部材又は圧力密閉部材は、壁の一部分と患者の皮膚との間に実質的に気密性のシールを生成するよう適合され、これにより、患者内のキャビティとチャンバとの間に流体連通を生成できるように、患者の皮膚を通して密閉された環境内で切開部を形成できる。
一実施形態によると、閉鎖可能な身体マルチポートのうちの少なくとも1つは、患者の皮膚に形成されることになる切開部内に、チャンバの内側から配置されるよう適合してよく、身体マルチポートは、外科的処置を実施するために医療デバイスを患者の身体に適用する際に、壁ポート及び壁マルチポートのうちの少なくとも1つに接続されるよう適合され、閉鎖可能な壁ポートは閉鎖可能な壁マルチポートを備え、この壁マルチポートは、外科的処置を実施するために医療デバイスを患者の身体に適用する際に、患者の身体の切開部に配置された身体ポート及び身体マルチポートのうちの少なくとも1つに接続されるよう適合される。
一実施形態によると、本明細書に記載の実施形態のうちのいずれか1つにおける医療デバイスは、第1及び第2のチャンバを備え、第2のチャンバは、医療デバイスと患者との間の密閉を生成するために患者の皮膚及び/又は組織に吸引力を印加するために、負圧を保持するよう適合される。第1のチャンバは、患者の皮膚の切開部を介して患者のキャビティと流体連通するよう適合してよく、チャンバと患者のキャビティは、同一の圧力を有し、かつ医療デバイスによって部分的に取り囲まれた、連結容積を形成する。第1のチャンバは5mmHg~120mmHgの正圧を保持するよう適合してよく、第2のチャンバは5mmHg~120mmHgの負圧を保持するよう適合される。
上述の実施形態のうちのいずれか1つによる医療デバイス、医療デバイスの第1のチャンバ内に5mmHg超の圧力を生成するよう適合された圧力生成部材、及び医療デバイスと患者の皮膚及び/又は組織との間に密閉を生成するために、医療デバイスの第2のチャンバ内に5mmHgの負圧を生成するよう適合された真空生成デバイスを備える、システムを更に提供する。
実施形態のうちのいずれか1つによる医療デバイス、医療デバイスの第1のチャンバ内に5mmHg超の圧力を生成するよう適合された第1の圧力生成部材、及び医療デバイスと患者の皮膚及び/又は組織との間に密閉を生成するために、医療デバイスの第2のチャンバ内に5mmHg超の第2の圧力を生成するよう適合された第2の圧力生成デバイスを備える、第2のシステムを更に提供する。
密閉部材の第1の圧力が、密閉デバイス上のチャンバ内の圧力によって印加される力に耐えることができるように、第2の圧力は第1の圧力より高くてよい。
患者に股関節手術を実施するための医療デバイスを提供する。この医療デバイスは、単独で又は患者の身体と共にチャンバを形成するために患者の身体上に少なくとも部分的に配置されるよう適合された壁を備え、これによって密閉された手術環境をチャンバ内に生成できる。このチャンバは、密閉された手術環境を維持しながら、患者の皮膚の股関節手術の切開部、及び実施されることになる股関節手術の少なくとも1つのステップを包囲するよう適合される。医療デバイスは、壁に接続され、かつ壁と患者の皮膚又は組織との間を密閉するよう適合された、密閉デバイスを更に備え、この密閉デバイスは、脚、骨盤領域、腹部領域、鼠蹊部領域、臀部領域、胸部領域及び腰背部領域のうちの1つ又は複数の少なくとも一部分を少なくとも部分的に包囲する、特別なループを形成し、これによって密閉デバイスは、股関節手術の切開部位と、肛門外口、尿道口及び会陰領域のうちの少なくとも1つとの間を密閉する。密閉された環境を生成することによって、感染のリスクを実質的に低減できる。感染のリスクは、患者の関節の内側に人工補綴物手術を実施する場合に特に高く、これが、制御下の環境を維持することが重要である理由である。密閉デバイスは、尿道及び肛門の両方を、密閉された手術環境を形成する取り囲まれたチャンバから排除するように位置決めされる。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかによる医療デバイスは、壁に接続され、かつ壁と患者の皮膚又は組織との間を密閉するよう適合された、第1の密閉デバイスを更に備え、これにより、チャンバを密閉された状態に維持したまま、股関節手術の切開部及び股関節手術の手術野の少なくとも一部を、肛門外口、尿道口及び会陰領域の少なくとも一部のうちの少なくとも1つから密閉する。この密閉デバイスは、密閉デバイスの第1の部分、及びチャンバの密閉に関連することになる患者の少なくとも1つの脚又はその延長部分を包囲することによって、医療デバイスを所定の位置に保持するよう適合された、第1の保持部材のうちの少なくとも1つを備える。医療デバイスは、密閉デバイスの第2の部分、及びチャンバの密閉に更に関連することになる患者の骨盤、腹部又は胸部領域の高さのうちの少なくとも1つから選択される、脚より上の高さにおいて、全身を左から右に包囲することによって、医療デバイスを所定の位置に保持するよう適合された、第2の保持部材のうちの少なくとも1つを更に備える。医療デバイスは、密閉デバイスの第3の部分を更に備え、この第3の部分は、これが鼠蹊部領域又はその延長部分に出会う脚の正中頭蓋部分から、患者の腹背両面の正中矢状面の、股関節手術を実施する側である側方の頭蓋方向に密閉されるよう適合され、密閉デバイスの第3の部分は、第2の密閉デバイスに出会うまで頭蓋方向に少なくとも部分的に延在し、壁は密閉デバイスの第1、第2及び第3の部分と相互接続されて、チャンバ並びに/又はチャンバを密閉してチャンバから、肛門外口、尿道口及び会陰部領域の少なくとも一部のうちの少なくとも1つを排除するよう適合された第3の保持部材を密閉する。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれか1つによる医療デバイスは、患者の体肢の少なくとも一部分の周りに、この体肢の長手方向軸に関して径方向にチャンバを配置するための、スリットを備えてよい。このスリットは、医療デバイスの壁に設置された閉鎖要素によって少なくとも部分的に閉鎖されるよう適合してよい。
医療デバイスは、チャンバを上記体肢の少なくとも一部分の周りに配置する際に、スリットの第1及び第2の側に配置される、第1及び第2の部分を備えてよい。この第1及び第2の部分は、接着表面及び機械的接続部材のうちの少なくとも1つを用いて相互接続されるよう適合される。
一実施形態によると、壁に取り付けられた少なくとも1つのインセット又は壁ポートは、壁が少なくとも部分的に患者の身体に適用されている場合に、このインセット又はポートが患者の皮膚又は組織の比較的近傍にあり、患者の皮膚又は組織に直接又は間接的に接続されている第1の位置と、このインセット又は壁ポートが患者の皮膚から第1の位置より離れている第2の位置との間で変位可能となるよう適合される。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかにおける医療デバイスは、患者の膝関節を少なくとも部分的に被包するチャンバ、及び壁の一部分に配置された閉鎖可能な壁ポート又はインセットを形成するよう適合してよく、このチャンバは、外科的処置のための密閉された環境を維持しながら、実施されることになる膝関節手術の少なくとも一部を包囲するよう適合される。閉鎖可能な壁ポート又はインセットは、患者の身体の膝領域の切開部に配置された身体ポートに対して、当接すること、取り付けられること、及び固定位置に配置されることのうちの少なくとも1つに適合し、これによって膝関節手術の関節鏡によるステップを実施できる。
医療デバイスを用いて患者に膝関節手術の一部分を実施する方法を提供する。この方法は、実施されることになる膝関節手術の一部を包囲するために密閉された環境を維持できるチャンバを形成するために、患者の膝に壁を適用するステップを含む。この壁は、閉鎖可能な壁ポートを身体ポートに接続する閉鎖可能な壁ポートを備え、これによって閉鎖可能な壁ポートは、身体ポートに当接するか又は身体ポートに取り付けられ、これによって膝関節手術の関節鏡によるステップを実施できる。
患者に外科的所持を実施するための医療デバイスを提供する。この医療デバイスは:実施されることになる外科的処置の一部を包囲するために密閉された環境を維持できるチャンバを患者の身体を共に形成するために、患者の身体に少なくとも部分的に適用されるよう適合された壁;壁の一部分に配置され、かつ外科的処置を実施するために患者の身体に医療デバイスを適用する際に、身体キャビティに接続された患者の身体の切開部に配置された閉鎖可能な身体ポートに着脱可能に接続されるよう適合された、閉鎖可能な壁ポート及びインセットのうちの少なくとも1つ;患者の身体の切開部に配置されるよう適合され、かつ外科的処置を実施するために患者の身体に医療デバイスを適用する際に、閉鎖可能な壁ポートに着脱可能に接続されるよう更に適合された、閉鎖可能な身体ポート及びインセットのうちの少なくとも1つ;並びに壁に接続され、かつ患者の身体に医療デバイスを適用する際に患者の皮膚を密閉するよう適合された、密閉デバイスを備える。閉鎖可能な壁ポート、閉鎖可能な身体ポート並びに閉鎖可能な壁ポート及び閉鎖可能な身体ポートの両方のうちの少なくとも1つは、外科的処置を実施するために患者の身体に医療デバイスを適用する際に、患者の身体内のキャビティと周囲環境との間のエアロックスルースを形成するよう適合される。
実施形態のうちのいずれか1つによる医療デバイスは:身体ポート又は身体インセットのうちの少なくとも1つと一体の部分;壁ポート又は壁インセットのうちの少なくとも1つと一体の部分;患者の皮膚に近接した関係に配置されるよう適合され、壁ポート又はインセットに接続されるよう更に適合された、身体連結器;及び医療デバイスの壁に近接した関係に配置されるよう適合された壁連結器のうちの少なくとも1つとなるよう適合された連結器を更に備えてよい。この連結器は、身体ポート又はインセットに接続されるよう、更に適合してよい。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかにおける壁は、チャンバを少なくとも部分的に充填する液体を保持するよう適合してよく、この液体は等張液及び抗生物質液のうちの少なくとも1つであってよい。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかの医療デバイスは、膝関節処置での使用のために適合してよく、従って医療デバイスに患者の脚を入れることができるように配設される第1の開口、及び医療デバイスから患者の脚を出すことができるように配設される第2の開口のうちの少なくとも1つを備える。
一実施形態によると、医療デバイスは、流体流出口から流体を回収する、及び流体流入口に流体を供給するための、流体システムを備える。この流体システムは、流体を流体流出口から流体流入口へと循環させるための流体ポンプを更に備えてよい。この流体システムは、流体を濾過するための濾過ユニット、流体を直接又は間接的に滅菌するための滅菌ユニット及び流体の温度を変更するよう適合された流体温度調節ユニットのうちの少なくとも1つを更に備えてよい。
実施形態のうちのいずれかにおける医療デバイスは、ツールにエネルギ供給するために、チャンバの外側から密閉された環境内へとエネルギを伝達するよう適合されたエネルギ伝達連結器を更に備えてよい。この医療デバイスは、医療デバイスを患者に接続された状態で配置する前に密閉された環境内に事前に配置された、エネルギを消費するツールを保持するよう適合してよい。
いずれの実施形態による医療デバイスは:壁に配置され、流体をチャンバに供給するよう適合された第1の流体流入口;壁に配置され、チャンバから流体を排出するよう適合された第1の流体流出口;関節の領域内の患者の皮膚の切開部に配置されるよう適合された、関節に流体を供給するための第2の流体流入口;及び関節の領域内の患者の皮膚の切開部に配置されるよう適合された、関節から流体を排出するための第2の流体流出口を備えてよい。流体は、等張液及び抗生物質液等の液状流体であってよい。流体システムは、第1又は第2の流体流出口から第1又は第2の流体流入口へと循環させるための流体ポンプを備えてよい。
医療デバイスは、密閉部材内の圧力が、10mmHg〜160mmHg、20mmHg〜140mmHg、30mmHg〜120mmHg、30mmHg〜100mmHg、40mmHg〜100mmHg、40mmHg〜80mmHg及び50mmHg〜70mmHgのうちの1つとなるように、密閉部材内の圧力を調整するよう適合された、圧力調整デバイスを備えてよい。圧力調整デバイスは、ガス状流体を密閉部材へ送出するための流体ポンプ、液状流体を密閉部材へ送出するための流体ポンプ、圧力を引き起こすことに関わるばね式デバイス、及び圧力を引き起こすことに関わる予備充填されたリザーバのうちの少なくとも1つを備えてよい。
実施形態のうちのいずれにおいて、監視ユニットは、患者の体肢を取り囲み、取り囲まれた体肢に収縮期血圧より高い圧力を印加して血流を瞬間的に停止させることによって、患者の血圧を定期的に測定するか又は患者の血圧を監視するよう適合してよい。監視ユニットは、1〜5分、5〜10分、10〜20分及び20〜30分のうちの1つの間隔で患者の血圧を測定するよう適合してよい。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかによる医療デバイスは、密閉された環境を維持しながら、チャンバの外側からチャンバの内側へとエネルギを伝達するためのエネルギ伝達部材、及びチャンバの外側からチャンバの内側へと情報を伝達するための情報伝達部材を更に備えてよい。上記エネルギ伝達部材は、空気圧エネルギ、液圧エネルギ及び動力学的エネルギのうちの少なくとも1つを伝達するよう適合してよい。一実施形態によると、エネルギ伝達部材はバルブを備え、これにより、医療デバイスの壁を通して動力学的エネルギ、空気圧エネルギ及び液圧エネルギのうちの少なくとも1つを伝達できるようにするために、エネルギ伝達部材を開放できる。
一実施形態によると、エネルギ伝達部材は、無線リンク及びケーブル接続のうちの少なくとも1つを介して電気エネルギを伝達するよう適合してよい。代替実施形態では、エネルギ伝達部材は、チャンバの外側に位置決めされた第1のコンダクタと、チャンバの内側に位置決めされた第2のコンダクタとの間の磁場によって電気エネルギを伝達するための、誘導性連結器を備えてよい。
本明細書に記載の実施形態のうちのいずれかによる医療デバイスは、医療デバイスの壁を通してチャンバの外側からチャンバの内側へと情報を伝達するよう適合された情報伝達部材を更に備えてよい。一実施形態によると、情報伝達部材は、光学情報伝達部材、容量性情報伝達部材、誘導性情報伝達部材及び無線系情報伝達部材のうちの少なくとも1つを備える。光学情報伝達部材は、赤外線情報伝達部材であってよい。医療デバイスの壁を通してエネルギを伝達する上記ステップは、医療デバイスの壁を通して空気圧エネルギ、液圧エネルギ及び動力学的エネルギのうちの少なくとも1つを伝達するステップを含んでよい。
医療デバイスの壁の一部は、細長い管状エンクロージャを形成してよく、この細長い管状エンクロージャは、医療デバイスの壁と細長い管状エンクロージャとの間にチャンバを形成するために、医療デバイスのチャンバ内に延在して患者の皮膚と接触し、チャンバの密閉された環境から患者の皮膚を分離するよう適合される。
医療デバイスは、チャンバから流体を排出するための排出バルブを更に備えてよい。この排出バルブは、排出された流体を濾過するための濾過ユニットに接続してよい。医療デバイスは、排出バルブの開放を制御するための制御システムを更に備えてよい。この制御システムは、チャンバ内の圧力、チャンバ内の視認性の手動検出、チャンバ内の視認性、チャンバ内の蒸気の検出、チャンバ内の温度及び時間関連変数のうちの少なくとも1つに基づいて、排出バルブを制御するよう適合してよい。
内視鏡を用いた外科的処置において使用するための医療デバイスを更に提供する。この医療デバイスは、チャンバを取り囲む可撓性壁を備える。医療デバイスは、可撓性壁に位置決めされ、かつトロカールのトロカール接続部分に接続されるよう適合されたデバイス接続部分を更に備え、これによって、壁によって取り囲むチャンバと患者内のキャビティとの間に流体連通が生成される。
医療デバイスは、チャンバ内に取り囲まれ、トロカールを通して患者のキャビティ内で動作するよう適合された、手術用器具を更に備えてよい。
手術用器具はハンドル部分を備えてよい。このハンドル部分は、チャンバの外側からこのハンドル部分を操作できるよう、操作可能に壁によって被包してよい。
一実施形態によると、医療デバイスは、チャンバと周囲環境との間を密閉するよう適合された、侵入可能な第2の自己密閉膜を備える。
第2の自己密閉膜は、医療デバイスとトロカールとを接続した場合にこの自己密閉膜がトロカールの第1の自己密閉膜に当接するように、医療デバイスのデバイス接続部分に位置決めしてよく、これにより一体型の自己密閉膜が形成され、この一体型の自己密閉膜を通して、医療デバイスに含まれた内視鏡機器をトロカールに挿入できる。
第2の接続部分は、トロカールの外側に係合すること及びトロカールの内側に係合することのうちの一方によって、トロカールの第1の接続部分に接続されるよう適合された、スリーブを備えてよい。このスリーブは、スリーブとトロカールとの間を密閉するための密閉部材を備えてよい。
医療デバイスのデバイス接続部分は、トロカール接続部分の対応する凹部又は突出部材に係合するよう適合された凹部又は突出部材を備えてよい。
患者に内視鏡手術を実施するための医療デバイスシステムを更に提供する。この医療デバイスシステムは、チャンバを取り囲む可撓性壁を備える、医療デバイスを備える。医療デバイスは、可撓性壁に位置決めされたデバイス接続部分と、患者内のキャビティとの流体連通を確立するために患者の皮膚を通して位置決めされるよう適合されたトロカールとを備え、上記トロカールはトロカール接続部分を備える。医療デバイスのデバイス接続部分は、医療デバイスのチャンバと患者のキャビティとの間の流体連通を確立するために、トロカールのトロカール接続部分に接続されるよう適合してよい。
一実施形態によると、壁ポートは、壁ポートが患者の組織又は皮膚の比較的近傍にある第1の位置と、壁ポートが患者の皮膚から第1の位置より離れている第2の位置との間で変位可能である。
一実施形態によると、壁ポートは身体ポートにロックされるよう適合される。
一実施形態によると、壁ポート及び身体ポートのうちの少なくとも1つは、無菌環境を維持したまま、壁ポートを通して物体又は手を挿入できるように、侵入可能な自己密閉ゲルを備える。
一実施形態によると、チャンバは大気圧より高い圧力を有する流体を保持するよう適合される。
医療デバイスに関連して記載されている身体ポートのうちのいずれかは、少なくとも2つのポートを備える身体マルチポートであってよく、上記ポートは、1つ又は複数のツール、1つ又は複数のデバイス及びヒトの身体の1つ又は複数の部分のうちの少なくとも1つを、患者の身体の外側から患者の身体の内側に、又はその逆の方向に通過させることができるよう適合される。身体ポートは、1つ又は複数のツール、1つ又は複数のデバイス及びヒトの身体の1つ又は複数の部分のうちの少なくとも1つを、患者の身体の外側から患者の身体の内側に、又はその逆の方向に通過させることができるよう適合された1つのポートを更に備えてよい。
本明細書に記載の内視鏡器具は例えば:内視鏡把持器;内視鏡爪把持器;内視鏡石把持器;内視鏡針ホルダ;内視鏡フック;カメラ;ハサミ;ナイフ;超音波切開器;吸引器具;内視鏡切開器又は内視鏡ジアテルミー器具であってよい。
実施形態のうちのいずれかにおける医療デバイスは、医療デバイスのチャンバの中を視認できるようにする透明層を備える壁を有してよい。
実施形態のうちのいずれかにおける医療デバイスは、外科的処置の一部を実施できる無菌環境を維持するために大気圧より高い圧力を保持するよう適合されたチャンバを形成するために、患者の身体に少なくとも部分的に適用されるよう適合された壁を備えてよい。壁の一部分は、患者内のキャビティとチャンバとの間の流体連通を生成できるよう、無菌環境において患者の皮膚を通して切開部を形成できるようにするために、患者の皮膚に接触して、壁の一部分と患者の皮膚との間に実質的に気密性のシールを生成するよう適合される。壁は、上述のような切開部が形成された後、壁の一部分と患者の皮膚との間のシールを維持するよう適合され、医療デバイスは、外科的処置中に上述のような切開部を形成した場合に、キャビティと流体連通しているチャンバ内において、大気圧より高い圧力を保持するよう適合される。患者の皮膚に切開部を作成する前に無菌チャンバを生成することによって、切開部を無菌環境において作成でき、これにより、切開部の生成に関連して患者の身体に細菌が入るリスクは劇的に低減される。
実施形態のうちのいずれかにおける医療デバイスは上部及び底部を備えてよく、この底部は、その表面が患者の皮膚の表面に接触してこれを押圧するよう適合され、これによって壁の上記底部と患者の皮膚との間を密閉し、壁は、チャンバ内の圧力を大気圧より高くすることができるよう適合される。
実施形態のうちのいずれかにおける医療デバイスは、壁を患者の身体に適用した場合に壁の一部分と患者の身体との間を密閉するよう適合された壁密閉デバイスを備えてよい。密閉デバイスは、壁の一部分を患者の体に対して、空気圧によって、液圧によって又は機械的に押圧するよう適合された圧力密閉部材を備え、これによってチャンバは、外科的処置中にチャンバの内側の圧力を周囲の大気圧より高くすることができるように、大気圧から少なくとも部分的に密閉され、従って壁密閉デバイスは、医療デバイスを患者の身体に少なくとも部分的に適用した後、患者の身体に接触しているチャンバの壁に切開部を形成する際、及びチャンバの一部を形成する患者の皮膚に切開部を形成する際のうちの少なくとも1つにおいて、チャンバを密閉するよう適合される。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、壁の一部分が、開放端部を有する細長い管状エンクロージャを直接又は間接的に形成することである。このエンクロージャはチャンバ内に延在し、また上記開放端部を通ってエンクロージャに挿入される患者の体肢の一部分にフィットするよう適合される。他の実施形態では、医療デバイスは、患者の上記体肢を包囲し、かつ患者の皮膚と壁との間を密閉するよう適合された、密閉部材を備えてよい。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、チャンバを取り囲む壁が剛性であってよい一方で、上記エンクロージャが、上記体肢をエンクロージャ内に容易に挿入できるようにするために折り畳み可能又は変形可能であってよいことである。しかしながら他の実施形態では、チャンバを取り囲む壁が部分的又は全体的に折り畳み可能であることも同様に考えられる。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、医療デバイスが、無菌環境内での手技を可能にする、壁に一体化された2つの手袋を更に備えてよいことである。これらの手袋は、手袋を壁に接続し、かつ無菌環境内での手袋の自由な運動を可能にするひだ状部分を用いて、壁に接続してよい。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、壁が少なくとも部分的に折り畳み可能である場合、この壁が、チャンバを画定するためにガス状流体によって膨張可能であってよいことである。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、密閉部材が真空密閉部材を備えてよいことであり、この真空密閉部材は、この真空密閉部材を、患者の皮膚と壁との間に真空密閉を生成するために1バール未満の圧力を保持するよう適合することによって、患者の体肢と部分的に折り畳み可能である壁との間を密閉するよう適合される。真空は、真空導管を用いて真空密閉部材に接続された真空ポンプによって生成される。この真空密閉部材は、例えば半剛性ポリマー材料から作製してよい。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、体肢の一部分をエンクロージャ内に配置した後にエンクロージャから空気を排出し、これにより患者の体肢の周囲の壁を締め付けるための、空気排出システムである。この空気排出システムは、エンクロージャと流体連通することによってエンクロージャからの空気の排出を可能とする導管を備えてよい。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、壁及びエンクロージャのうちの少なくとも1つに取り付けられ、かつ患者の体肢の皮膚と壁及びエンクロージャのうちの少なくとも1つとの間に圧力密閉を生成するために、上記体肢の皮膚を押圧する空気圧を用いて患者の皮膚を押圧するよう適合された、空気圧式密閉部材である。上記空気圧は、空気圧ポンプから圧力密閉部材内のキャビティに加圧ガスを移送するよう適合された流体導管を用いて、空気圧ポンプが空気圧式密閉部材に接続されることによって生成してよい。圧力密閉部材は膨張可能であってよく、これによりキャビティのサイズ及び/又は形状を変化させて、空気圧密閉部材が体肢の皮膚を押圧でき、これによって体肢と空気圧式密閉部材との間を密閉できるようにすることができる。空気圧式密閉部材は、例えば弾性ポリマー等の弾性材料から作製できる。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、接着剤が、壁及びエンクロージャの少なくとも1つを患者の皮膚に対して固定すること、並びに患者の皮膚と壁及びエンクロージャのうちの少なくとも1つとの間を密閉することのうちの少なくとも1つを提供するよう適合してよいことである。この接着剤は例えば患者の体肢を包囲してシールを生成してよい。この接着剤は、例えば3Mの感圧接着剤Scotch−Grip 4268−NF等の感圧接着剤であってよい。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、壁が円筒形又は管状構造を有することである。壁が少なくとも部分的に折り畳み可能である場合、壁は、加圧ガスを含むタンクに接続されていてよい空気圧導管によって膨張可能であってよい。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、チャンバ内に空気圧力を伝達するための空気圧システムである。この空気圧システムは、ここで示す例では無菌環境内で操作されるよう適合された整形外科用鋸である、空気圧式ツールに接続されてよい。無菌環境及び空気圧システムに供給される圧力はそれぞれ、空気圧導管に接続された制御/監視システムによって制御及び監視してよい。壁は、患者の体肢を包囲できる空気圧式密閉部材を用いて、上記体肢に対して密閉されてよい。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、医療デバイスに空気圧式密閉部材が組み込まれてよいことである。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、2つのジッパー閉鎖式連続開口を備えるエアロックスルースであり、外側ジッパーは、チャンバの外側からジッパー間のエアロックスルース内において物体を配置する及び/又は除去するために開くことができ、内側ジッパーは、物体を配置する及び/又はエアロックスルースから除去するためにチャンバの内側から開くことができる。例えばエアロックスルースは、環境を無菌状態に保持したまま、無菌環境から標本を除去するために使用してよく、又はこのエアロックスルースは、医療器具又はインプラントを無菌環境に挿入するために使用してよい。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、腹腔鏡ポートを備えるマルチポートであり、これを通して腹腔鏡トロカール又は内視鏡器具を挿入できる。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、無菌環境に器具を保持するための器具取付部である。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、チャンバ及び無菌環境内の視認を可能にするための折り畳み不可の透明窓である。壁が少なくとも部分的に折り畳み可能である場合、折り畳み不可の透明窓は、部分的に折り畳み可能な壁が好ましくは透明な材料から作製されている場合、例えば医療デバイスが完全に膨張しない、又は材料の継ぎ目若しくは湾曲部にある場合であっても、限られた視認性を提供できるため、外科医が処置に対して適切な視覚的な制御を有することを保証する。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、自己密閉アクセスポートであり、これは例えば、ゲルタイプの材料を含むポートであってよい。自己密閉アクセスポートは、トロカール及び/又は器具並びにヒトの手の挿入を可能とすることによってチャンバ内での手技を可能とすることができる。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、チャンバ内で患者の体肢に直接接続された内視鏡用身体ポートである。この内視鏡用ポートは例えば、トロカールを用いて、また器具を無菌環境の内側から操作することにより、又は器具が壁の壁ポート若しくは壁の自己密閉ポート及び無菌環境内のポートに到達することにより、無菌環境内で関節鏡手術を実施することを可能することができる。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、チャンバに入る流体の温度を調節するためのシステムである。システムの温度調節部分は、折り畳み可能な壁を膨張させるガス状流体を加熱又は冷却するために提供してよい。周囲環境が低温である場合、システムの温度調節部分を用いて無菌環境の温度を上昇させ、患者及び外科医の両方にとって有益な手術条件を提供してよい。周囲環境が高温である場合、システムの温度調節部分を用いて無菌環境の温度を低下させ、患者及び外科医にとって有益な手術環境を提供し、並びに細菌及びウィルス感染を阻害する温度を提供してよい。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、チャンバに入るガス状流体を滅菌するよう適合された滅菌ユニットである。チャンバに入るガス状流体は加圧タンクから出発してよく、事前に滅菌されていてよい。他の実施形態では、ガス状流体は加圧された周囲空気である。周囲の空気を使用して折り畳み可能な壁を膨張させ、手術環境を構成する実施形態では、この空気は適切に滅菌する必要がある。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、医療デバイスのチャンバを通して流体を循環させるためのシステムである。このシステムは、チャンバに流体を供給するために壁に配置された流入口及びチャンバから流体を排水するための流出口においてに接続された流体導管を備えてよい。流体は送出ユニットを用いて循環され、不純物を除去して流体を滅菌するよう適合された滅菌/濾過ユニットを介して循環される。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、ガス中で浮遊してよい粒子を除去するよう適合された濾過ユニットである。この濾過ユニットは、周囲環境からのガスの添加を可能にするための流入口を更に備えてよい。循環する流体が液体である場合、液体の透明性は、外科医が処置の視覚的な制御を有することを可能にするために極めて重大である。液体は、本実施形態では不純物の除去のために濾過され、その透明性が維持され、滅菌される。濾過ユニットは例えば活性炭を含有するフィルタを備えてよい
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、医療デバイスを、例えば脚又は腕である患者の体肢に関連して配置されるよう適合してよいことである。この医療デバイスは例えば、病院環境、及び第三世界の国々若しくは大惨事が発生した地域といった感染のリスクがかなり高い環境の両方において切除術を実施するために使用できる。医療デバイスは、水又は電力へのアクセスが無い極めて辺鄙な場所でも、感染症のリスクなしに、完全に取り囲まれた環境において外科的処置を実施できるようにすることができる。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、自己密閉ポートである。この自己密閉ポートは、上記自己密閉ポートの剛性部分に固定された自己密閉膜を備えてよい。自己密閉膜は、この膜の中央の小さな自己密閉孔を有してよい。この自己密閉膜は例えば、無菌環境と外側環境との間に気密シールを生成するために十分に緊縮していながら、上記小さな自己密閉孔にヒトの手を通過させるために十分に大きく変形できるよう、十分な弾性を有する、ゲルタイプ材料から作製してよい。自己密閉ポートは、患者の皮膚の内側に位置決めされるよう適合された1つの身体内リングと、患者の皮膚の外側に配置されるよう適合された1つのリングとを備える開創器に固定してよい。身体内リングと、患者の皮膚の外側に配置されるよう適合されたリングとの間に、皮膚を開創するために切開部の切断表面に圧力を印加して、創傷を開いた状態に保持するよう適合された、開創器膜を位置決めする。開創器膜は、好ましくは弾力性又は弾性ポリマー材料から作製される。患者の皮膚の外側に配置されるよう適合されたリングは、創傷を開いた状態に保持するために開創器膜上に適切な圧力を生成するよう適合されたばね式のロールアップシステムであってよい、一体型のロールアップシステムを備えてよい。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、開創器膜に接続された自己密閉ポートであり、この開創器膜は、開創器膜の一端をポートの剛性部分にぴったりと固定できるように十分な弾性を有する材料から形成される。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、外側の環境からチャンバを分離する壁が、接着剤を用いて又はチャンバの外側と内側との間の圧力差を用いて患者の皮膚に固定されるよう適合されることである。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、医療デバイスが、例えばインセット又はポートであってよいリング状の物体を固定するための上側及び下側連結器を更に備えてよいことであり、ここでインセットは例えば外科用手袋又は保持デバイスであってよく、ポートは内視鏡用ポート又は手アクセスポートであってよい。この連結器は、連結器から上記物体を解放するための解放レバーを備えてよい。このレバーは、物体の溝を固定するために後部からばねで留められたラッチ部材に接続してよい。下側連結器に固定されたインセットは例えば外科用手袋であってよく、患者の身体内での手技が可能となる。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、上側連結器が使用されていない場合に上側連結器の開口を閉鎖するよう適合された、バルブ部材である。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、連結器を、例えば外科用手袋から、3つの内視鏡用ポートを備えるマルチポートへ、物体を変更できるよう適合してよいことである。内視鏡システムを手アクセス又は手技システムに迅速に切り替えることができることは、処置中に合併症が発生した場合に極めて重要であり得、またこれは、腹腔鏡手術から直視下手術への従来の転換、合併症及び/又は術後治療のリスクを上昇させるような問題を不可避的に引き起こす転換の必要を排除できる。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、医療デバイスを、外科的処置の開始前に患者に適用されるよう適合してよいことである。医療デバイスは例えば、接着剤を用いて患者の腹部領域に固定されるよう適合してよい。外科的処置の開始前に医療デバイスを患者に固定することによって、患者の切開部を医療デバイスのチャンバの内側で形成できる。医療デバイスは例えば加圧流体源に接続されてよく、この加圧流体は、流体導管を通してチャンバへと導いてよい。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、医療デバイスのチャンバを、部分的にチャンバ内で、かつ部分的に患者内で腹腔鏡手術を実施できるように、1バール超の圧力を有するガス状流体を保持するよう適合してよいことである。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、医療デバイスが、壁に着脱可能に固定された1つの腹腔鏡用ポートを備えてよいことである。この腹腔鏡用ポートは、連結器を用いて着脱可能に取り付けられるよう適合してよい。医療デバイスは、腹腔鏡用ポートを別のインセット又はポートに交換しながら壁の孔を閉鎖するためのバルブ部材を更に備えてよく、これにより、チャンバ内の無菌環境を維持しながら上記インセット又はポートを交換できる。着脱可能なインセット又はポートは、連結器を用いて壁に固定でき、これによって迅速に交換できるよう適合してよい。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、壁に一体化してよい外科用手袋である。この外科用手袋により、医療デバイスのチャンバを気密状態で閉鎖したまま、このチャンバ内での手技を可能とすることができる。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、医療デバイスが、通常の腹腔鏡手術開始前に位置決めしてよい膨脹可能な医療デバイスであるものの、上記手術が完全に終了して医療デバイスが膨張する時、例えば標本を除去しようとする時まで、膨張していないままであることである。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、チャンバの内側から透明窓を清掃するための清掃デバイスである。この清掃デバイスは、透明窓に近接して配置されるノズルへ、流体導管を介して透明窓の清掃を支援するよう適合される流体を供給するための装置を備えてよい。流体は、例えば食塩水等の等張液、又は例えばクロルヘキシジン等の消毒液である。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、医療デバイスが、窓から物体を機械的に除去するために流体を窓の上に噴霧した後に窓をきれいに拭き取るための、窓接触部材を更に備えてよいことである。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、医療デバイスを、患者の腹部領域に適用されるよう適合してよいことである。医療デバイスは、真空導管を用いて真空ポンプに接続されてよい真空溝に沿って患者に影響を及ぼす真空を用いて、患者に固定されるよう適合してよい。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、本明細書に開示されている実施形態のうちのいずれかによる壁に位置決めしてよい、着脱可能なポートである。このポートは、ポートの迅速な交換を可能とする連結器を用いて取り付けてよい。このポートは例えば自己密閉ポートであってよく、これはこの自己密閉ポートの剛性部分に固定された自己密閉膜を備えてよい。自己密閉膜は、この膜の中央に配置された小さな自己密閉孔を有してよい。この自己密閉膜は例えば、無菌環境と外側環境との間に気密シールを生成するために十分に緊縮していながら、上記小さな自己密閉孔にヒトの手を通過させるために十分に大きく変形できるよう、十分な弾性を有する、ゲルタイプ材料から作製してよい。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、医療デバイスが、不純物を除去して流体を任意に滅菌するよう適合された濾過ユニットを含んでよいことである。この濾過ユニットは、ガス中で浮遊してよい粒子を除去するよう適合してよい。濾過ユニットは、周囲環境からのガスの添加を可能にするための流入口を更に備える。循環流体が液体である場合、流体の透明性は、外科医が処置の視覚的な制御を有することを可能にするために極めて重要である。液体は、本実施形態では、不純物の除去のために濾過され、透明性を維持し、滅菌される。濾過ユニットは例えば、活性炭を含むフィルタを備えてよい。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、例えば外科用手袋から、内視鏡用ポートを備える内視鏡用ポートユニットへと、連結器内の物体を変更できる連結器である。内視鏡システムを手アクセス又は手技システムに迅速に切り替えることができることは、処置中に合併症が発生した場合に極めて重要であり得、またこれは、腹腔鏡手術から直視下手術への従来の転換、合併症及び/又は術後治療のリスクを上昇させるような問題を不可避的に引き起こす転換の必要を排除できる。他の実施形態では、腹腔鏡用ポート及び外科用手袋を更に、例えば器具又はインプラントを保持する保持デバイスに交換してよい。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、患者の切開部を無菌環境で形成できるよう、医療デバイスを、外科用処置の開始前に患者に適用されるよう適合してよいことである。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、医療デバイスの壁が少なくとも部分的に折り畳み可能である場合、この壁を、流体導管を通して医療デバイスに入る加圧流体によって膨張するよう適合してよいことである。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、医療デバイスが、手術開始前に患者の皮膚に接触した状態で配置されるよう適合されることであり、患者の皮膚に接触している壁の全部分は接着剤を備え、これによって患者の切開部は壁を通って、更に患者の皮膚を通って延在する。これにより、患者の皮膚が適切に消毒されていない場合に、感染性物質が患者の皮膚から患者の切開部へと移動し得るリスクが低減される。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、連結器が壁と一体であってよいことである。この連結器は、例えばポートから外科用手袋又は保持部材の形態のインセットに、物体を変更できるようにすることができる。連結器は、チャンバの無菌環境を無菌のままとすることができるよう、物体を交換する際に連結器の孔を閉鎖するためのバルブ部材を更に備えてよい。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、医療デバイスが、例えば外科用器具及び/又はインプラント若しくはインプラントの一部を保持するよう適合してよい保持デバイスを備えてよいことである。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、医療デバイスが、壁に一体化された連結器を備えることである。例えば、チャンバとチャンバの外側との間で物体を移動させるためのエアロックを連結器に固定してよい。このエアロックは、このエアロックを無菌環境から分離する第1のバルブ部材と、エアロックを外側環境から分離する第2のバルブ部材とを備えてよい。第1のバルブと第2のバルブとの間に設けることができるエアロック空間を用いて、例えば医療器具若しくはデバイスをチャンバ内へと通過させるか、又は標本若しくは試料をチャンバの外へと通過させることができる。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、上側連結器を用いて、医療デバイス内で手技及び準備を行うことができることであり、これは器具の準備若しくは変更又は移植のためのインプラントの準備に必要であり得る。上記手技は、連結器によって壁に固定された手袋を用いて実施してよい。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、外科用手袋を上側連結器に固定してよいことである。他の実施例では、外科用手袋を例えば、本明細書に記載の他の実施形態を参照して更に開示されているような外科用ポート又は保持デバイスに交換してよい。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、医療デバイスの連結器が、物体を解放するための解放レバーを備えてよいことである。このレバーは、上記物体の溝を固定するために後部からばねで留められていてよいラッチ部材に接続してよい。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、医療デバイスを、連結器内の物体を外科用手袋から内視鏡用ポートを備えるマルチポートに変更できるよう適合してよいことである。内視鏡システムから手アクセスシステム又は手技システムへ迅速に切り換えることができることは、処置中に合併症が発生した場合に極めて重要であり得、またこれは、腹腔鏡手術から直視下手術への従来の転換、合併症及び/又は術後治療のリスクを上昇させるような問題を不可避的に引き起こす転換の必要を排除できる。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、チャンバを、患者の皮膚に切開部を生成した後で、患者の皮膚の切開部を介して患者の身体内のキャビティと流体連通するよう適合してよいことである。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、医療デバイスを、チャンバ内の圧力を1バールより高く保持するよう適合してよいことである。医療デバイスは、患者の皮膚に医療デバイスを固定する接着剤を用いて、チャンバ内の圧力を1バールより高く保持できるものであってよい。医療デバイスは、患者内のキャビティとチャンバとの間に流体連通を生成する切開部を患者の皮膚に形成する前に、医療デバイスの壁と患者の皮膚との間に実質的に気密性のシールを生成するために、患者の皮膚に接続された状態で位置決めされるよう適合してよい。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、医療デバイスが、壁がチャンバを、500000mm3超の容積を有するように形成することによって、チャンバ内での手技を可能とするよう適合されることである。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、医療デバイスが、壁と患者の皮膚との間を密閉するために、壁と患者の皮膚との間に大気圧未満の圧力を保持するよう適合された、真空密閉部材を備えてよいことである。真空密閉部材は、真空溝に沿って患者に影響を及ぼす真空を用いて患者に固定されてよい。この真空溝は、真空導管を用いて真空ポンプに接続されてよい。この構成により、例えば流体導管を通してチャンバに送達される加圧流体タンク内の加圧流体を用いて、チャンバ内及び無菌環境内の圧力を1バール超に維持できる。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、医療デバイスが、チャンバと外部環境との間の物体の通過を可能とするために、チャンバと外部環境との間に開口を更に備えてよいことである。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、医療デバイスが、患者の皮膚を押圧することによって医療デバイス内の無菌環境と外側環境との間を密閉するために膨張するよう適合された、圧力シーリングを更に備えてよいことである。この圧力シーリングは例えば、この実施形態では加圧タンクである圧力源に接続された流体導管を通して膨張させることができる。医療デバイスの壁は例えば、膨張した圧力シーリングによって生成された力に耐えられるよう適合された接着剤を用いて、患者に固定してよい。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、患者の皮膚に対して医療デバイスの壁を押圧するバンドによって、壁の固定を支援するか又は置換してよいことである。このバンドは、患者の皮膚と壁との間を密閉するために必要な圧力が特に大きい必要がある場合に必要となり得、上記圧力は例えば医療デバイスの位置決めに左右され得る。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、医療デバイスが、医療デバイスのチャンバ内に位置決めしてよい着脱可能なポート構成を備えてよいことである。このポート構成は、患者の皮膚の内側において切開部の周囲に配置されるよう適合された身体内リングと、患者の皮膚の外側において切開部の周囲に配置されるよう適合された外側リングとを備える開創器に固定してよい。身体内リングと外側リングとの間に、これらリングと皮膚又はヒト組織との間を密閉するために、及び更に皮膚を開創することによって切開部を開いたままに維持するために、切開部において皮膚又はヒト組織に圧力を印加するよう適合された、環状開創器膜が位置決めされる。この開創器膜は、弾力性又は弾性ポリマー材料から作製してよい。外側リングは、ばねで留められており、創傷を開いた状態に保持するために開創器膜上に適切な圧力を生成するよう適合された一体型ロールアップシステムを備えてよい。
上記ポート構成は、外側リングに取り付けられる剛性環状台座、台座の径方向穿孔内に配設されたばね式ラッチ部材、及びばねの作用に対してラッチ部材を引き出せるようにするためにラッチ部材に接続されたハンドレバーを有する連結器を含んでもよい。このポート構成は、連結器が保持する自己密閉身体ポートを更に含んでよい。この身体ポートは、連結器のラッチ部材を受承する外周溝を有する剛性リングに固定された、ディスク状の自己密閉膜を備えてよい。この自己密閉膜は、この膜の中央に小さな自己密閉孔を有する。この自己密閉膜は例えば、チャンバと外側環境との間に気密シールを生成するために十分に緊縮していながら、上記小さな自己密閉孔にヒトの手を通過させるために十分に大きく変形できるよう、十分な弾性を有する、ゲルタイプ材料から作製してよい。
上記連結器は、身体ポートの迅速な交換を可能とする。よって外科医は、身体ポートの溝からラッチ部材の係合を解除することによって身体ポートを除去できるようにするために、上記ハンドレバーを単に引くことにより、上記ポート構成から身体ポートを解放できる。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、医療デバイスが、例えばインセット又はポートであってよいリング状の物体を固定するための上側及び下側連結器を更に備えてよいことであり、ここでインセットは例えば外科用手袋又は保持デバイスであってよく、ポートは、自己密閉ポート等の内視鏡用ポート又は手アクセスポートであってよい。この連結器は、上記物体を解放するための解放レバーを備えてよい。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、医療デバイスが、上側連結器が使用されていない場合に上側連結器の開口を閉鎖するよう適合されたバルブ部材を備えてよいことである。上側連結器は例えば医療デバイス内での手技及び準備を行うために使用され、これは器具の準備若しくは変更又は移植のためのインプラントの準備に必要であり得る。下側連結器は例えば、患者の身体内での腹腔鏡操作、又は例えば標本を除去するため若しくはインプラントを位置決めするための手技のために使用してよい。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、例えば外科用手袋であるインセットを下側連結器に固定してよいことである。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、医療デバイスが、壁と一体の連結器を有してよいことである。この連結器は、例えばポートから外科用手袋又は保持部材の形態のインセットに、物体を変更できるようにすることができる。連結器は、無菌環境を無菌のままとすることができるよう、物体を交換する際に連結器の孔を閉鎖するためのバルブ部材を備えてよい。保持部材は例えば、外科用器具及び/又はインプラント若しくはインプラントの一部を保持するよう適合してよい。本実施形態によると、医療デバイスの壁は、真空密閉によって患者の皮膚に固定されるよう適合してよい。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、医療デバイスの壁の少なくとも一部分が部分的に折り畳み可能であってよいこと、及びこの壁の折り畳み可能な部分を、チャンバを画定するためにガス状流体によって膨張するよう適合してよいことである。壁の折り畳み可能な部分は、流体導管を通してチャンバに入る加圧流体によって膨張してよい。窓が一体化されている壁の膨張により、この窓は、患者に対して実施される処置を視認するために適切な位置に位置決めされる。壁の折り畳み可能な部分の膨張は、チャンバ内の圧力が1バールを超えるまで継続してよく、これはいくつかの用途において必要である。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、医療デバイスを、直視下手術と内視鏡手術との間の線維を必要とする場合の外科的処置において使用してよいことである。医療デバイスの壁の一部分は、第1の位置と第2の位置との間で変位可能であってよく、ここで、壁が、外科医にとって医療デバイスのチャンバ内において高い運動の自由度を可能とするための第2の位置にある場合、医療デバイスは互いから分離された上側連結器及び下側連結器を有し、また壁が、患者の身体内に更に到達するために腹腔鏡トロカール又は手アクセスの使用を可能とすることができる第1の位置にある場合、上側連結器は下側連結器にロックされる。医療デバイスは更に、例えば外科的処置において使用するために医療デバイスを準備するために、無菌環境内での手技が必要となる実施形態において使用してよい。他の用途は例えば、外科医が腹腔鏡手術が終了した後、患者の身体から標本を除去したい場合である。これらの例では、医療デバイスの壁が第1の位置にあり、患者の皮膚に近接している状態で、内視鏡手術を実施してよく、その後壁は、外側環境に接触することなく、かつ内視鏡手術において腹部を充填することが多い圧力を解放することなく、標本を患者の身体から除去して医療デバイスのチャンバ内に配置できるようにするために、第2の位置へと変位させてよい。下側連結器は、下側連結器に対して上側連結器を解放及び/又はロックするためのレバーを備えてよい。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、エアロックを備える物体を、例えば連結器を用いて医療デバイスの壁に連結してよいことである。上記エアロックは、外部環境と医療デバイスのチャンバとの間で物体を移動させるために適合させることができる。このエアロックは、エアロック内に物体を取り囲むことができるよう、エアロックの各側に内壁及び外壁を備えてよい。外科用手袋に交換できる物体の別の例は、内視鏡手術を実施するための内視鏡用ポートといった、ポートである。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、上側及び/又は下側連結器が、物体を交換するべき場合に連結器の開口を閉鎖するためのバルブ部材を備えてよいことである。このバルブ部材は例えばフラップバルブであってよい。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、手術開始前に医療デバイスの壁を患者の皮膚に接触するよう配置してよいこと、並びに患者の皮膚に接触する壁の全部分が接着剤を備えてよく、これによって患者の切開部が壁を通って、更に患者の皮膚を通って延在することである。これにより、患者の皮膚が適切に消毒されていない場合に、感染性物質が患者の皮膚から患者の切開部へと移動し得るリスクが低減される。患者の身体は、例えば圧力タンクに接続された流体導管から、身体内をより良好に視認できるようにするために、膨張させることができる。しかしながら患者の身体を、患者の身体の別の切開部を通して膨張させることも同様に考えられる。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、医療デバイスに連結された物体を、医療デバイスの壁を第1の位置にロックしたまま、即ち上側連結器を下側連結器にロックしたまま、異なる複数の物体に交換してよいことである。例えば、一体型外科用手袋をエアロックと交換してよく、このエアロックは、このエアロックを滅菌環境から分離する第1のバルブ部材と、このエアロックをチャンバの外側の環境から分離する第2のバルブ部材とを備える。第1のバルブと第2のバルブとの間に設けることができるエアロック空間を用いて、例えば医療器具若しくはデバイスをチャンバ内へと通過させるか、若しくは標本若しくは試料をチャンバの外へと通過させてよく、又は上記エアロック空間は、例えば手術器具及び/若しくはインプラントの一部を保持するよう適合してよい保持部材と交換するか、又は内視鏡用ポートを備える内視鏡用ポートユニットと交換してよい。本実施形態によると、医療デバイスは、医療デバイスの壁の大部分を接着性とすることによって及び真空密閉を用いて、患者の皮膚に固定されるよう適合してよい。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、医療デバイスが、医療デバイスのチャンバから患者の身体のキャビティへの通過を可能とする開口を保持するための、患者の皮膚に配置される保持器を備えてよいことである。この開口により、患者のキャビティ及び医療デバイスのチャンバの両方の中に、外部環境の圧力より高い圧力を存在させることができ、これにより、従来のトロカールを用いて、及び医療デバイスの使用による手のアクセスを用いての両方によって、半内視鏡手術が実施できるようになる。上記保持器は本明細書において開示されている保持器であってよく、又はフックを用いた従来の保持器を含む異なる保持器であってよい。医療デバイス及び/又は患者の身体の内部での手技のために、医療デバイスの壁には、例えば解放レバーを備える上側連結器を用いて、外科用手袋が取り付けられており、これら両方については本出願全体を通して更に説明する。
本明細書に開示されている様々な実施形態に含まれ得る別の特徴は、医療デバイスのチャンバが、チャンバ内での物体の操作を可能とするために、及び/又はチャンバ内にかなりのサイズの物体を配置するために、500cm3より大きい容積を有してよいことである。
異なる複数の態様若しくはある態様のいずれの部分又は異なる複数の実施形態若しくはある実施形態のいずれの部分は、全ていずれの可能な方法で組み合わせてよい。いずれの方法又はある方法のいずれのステップは、装置に関する説明とみなしてもよく、また同様に、いずれの装置実施形態、態様又はある態様の部分若しくはある実施形態の部分は方法の説明とみなしてよく、これら全ては、その詳細の最小単位に至るまでいずれの可能な方法で組み合わせてよい。いずれの詳細な説明は、その最も広範な概略において総体的な概説として解釈されるべきものであり、いずれの実施形態又は実施形態の部分及びいずれの方法又は方法の部分はいずれの方法で組み合わせてよいことに留意されたい。
これより、添付の図面を参照して本発明を例示的に説明する。
真空密閉デバイスを用いて患者の身体に対して固定及び/又は密閉されるよう適合される医療デバイスが提供される。真空密閉デバイスは、患者の身体の内側の一部分、つまり患者の皮膚の内側と医療デバイスとの間に大気圧未満の圧力(負圧)を適用するよう適合される。上記負圧は、患者の身体の内側の一部分を真空密閉デバイスに対して押し付ける吸引力を生じさせ、これにより患者の身体の内側の一部分と医療デバイスとの間に密閉接続部分を形成する。真空密閉デバイスは、例えば筋組織、筋膜、脂肪組織、患者の皮膚の内側、皮下組織、患者の体内で作成された切開の表面、身体の器官又は線維性組織に接続し、これらを密閉するよう適合できる。真空密閉デバイスによる接続及び密閉に適した筋肉組織は、例えば、腹直筋の内側若しくは外側、腹横筋の内側若しくは外側、内腹斜筋の内側若しくは外側、外腹斜筋の内側若しくは外側、又は上記筋肉のいずれかの切開の表面等の腹部の筋肉を含む。真空密閉デバイスによる接続及び密閉に適した筋肉膜は、例えば、横筋筋膜、内腹斜筋膜、外腹斜筋膜、腹直筋筋膜、及び壁側筋膜を含む。真空密閉デバイスによる接続及び密閉に適した脂肪組織は、例えば、腹膜外脂肪組織及び皮下脂肪組織を含む。身体器官は、例えば、食道、胃、小腸若しくは大腸、又は肛門等の消化器系の器官であってよく、器官は更に患者の胆嚢若しくは胆管、又は例えば尿道、膀胱、尿管若しくは腎臓等の泌尿器系の器官であってよい。
真空密閉部材は患者の身体の内側の患者の身体の一部分に接続し、これを密閉するので、皮膚の表面は影響を受けずに維持できる。つまり、皮膚の血腫又は変色は発生しない。更に、患者の皮膚の表面的な血流は実質的に影響を受けずに維持され、皮膚の部分における虚血のリスクを低減する。
医療デバイスは、真空密閉デバイスを用いて、又は例えば皮膚及び/若しくは例えば腹壁等の筋肉層及び/若しくは筋膜層の一部分の圧搾若しくはクランプ留めによって医療デバイスを固定するよう適合できる追加の保持部材を用いて患者の身体に固定できる。
本明細書に提供される医療デバイスは、その異なる実施形態で、手のアクセス若しくは挿入又は手術領域からの物体若しくは器具の除去を可能にするために、内視鏡手術若しくは直視下手術で又は内視鏡手術及び直視下手術の組合せで使用できる。いくつかの実施形態では、医療デバイスは関節鏡手術で使用されるよう適合でき、その場合医療デバイスは液体で充填されるよう適合される1つ又は複数のチャンバを備えることができる。医療デバイスの密閉特性は、例えば、患者の身体の中での、患者の身体の外での、又は患者の身体の内側と外側の間で到達する完全に無菌且つ閉鎖された手術環境を作り出すための手段として使用できる。無菌且つ閉鎖された手術環境は、直視下手術、内視鏡手術、関節鏡手術又はその併用において使用されてよい。医療デバイスはこのようにして、適切な手術室が利用できない状況での小型の手術室として使用できる。医療デバイスが小型の手術室として使用される例では、医療デバイスは特定の外科的処置に適合され、その場合、その特定の手術で必要とされる物体及び/又は器具は、医療デバイスの中に事前に配置され、物体及び/又は器具の出荷及び取扱い、並びにいつでも物体及び/又は器具を無菌に維持することを容易にする。更に、関節鏡手術が単独のポート若しくはマルチポートを用いた直視下関節手術と組み合わせることができるだけではなく、本明細書に示す医療デバイスは、従来の腹腔鏡手術及び/又は単孔式腹腔鏡下手術及び/又は経管孔的内視鏡手術及び/又は用手補助腹腔鏡下手術及び/又は直視下手術及び/又は組合せマルチポート腹腔鏡手術のいずれかを組み合わせる可能性も提供できる。
本明細書に示す医療デバイスは、例えば虫垂切除術、胆嚢摘出術、腎摘出術、子宮摘出術、卵巣摘出術、副腎摘出術、胃バイパス、噴門形成術、腸管バイパス形成、ヘルニア修復、脾臓摘出術、結腸又は小腸の切除術、肝臓切除術、虫垂フィステル形成、結腸フィステル形成、十二指腸造瘻、回腸フィステル形成、虫垂フィステル形成、食道造瘻、胃造瘻、尿瘻形成、腎フィステル形成、尿管フィステル形成、膀胱造瘻のために適合してよく、有益に使用できる。関節鏡手術及び直視下関節手術を組み合わせるだけではなく、内視鏡手術及び直視下手術も組み合わせることができ、例えば冷凍切除技術又は超音波メス技術も含む。関節鏡手術では、医療デバイスは、分離された骨若しくは軟骨組織の除去又は靭帯若しくはねじ、釘、プレート、人工関節等の固定要素若しくは潤滑のための要素等の挿入のために使用できる。更に、任意の種類のがん手術が、適用可能な場合、医療デバイスを使用できる。医療デバイスは、まだ腹腔鏡手術又は関節鏡手術と結び付けられている身体の中に任意の種類の医療デバイス又は他の異物を挿入する機会も提供する。
本明細書に示す医療デバイスは、その異なる実施形態において、腹腔鏡手術、胃鏡検査手術、及び関節鏡手術等の内視鏡手術に対する補完物として使用され、手のアクセス又は物体若しくは器具の挿入若しくは膨張させた手術領域からの除去を可能にできる。医療デバイスは、更に内視鏡手術から直視下手術への変換の可能性に備えて、上記変換に関連する合併症を削減するために使用できる。いくつかの実施形態では、医療デバイスは、例えば関節鏡手術において循環する液体と共に使用できる。いくつかの実施形態では、医療デバイスは、直視下手術、内視鏡手術又はその併用において使用される完全に無菌且つ閉鎖された手術環境を作り出すための手段として使用できる。医療デバイスは、このようにして適切な手術室が利用できない状況において小手術室として使用できる。医療デバイスが小手術室として使用される例では、医療デバイスは特定の外科的処置に適合され、その場合、その特定の手術で必要とされる物体及び/又は器具は、医療デバイスの中に事前に配置され、物体及び/又は器具の出荷及び取扱い、並びにいつでも物体及び/又は器具を無菌に維持することを容易にする。本明細書に開示されている実施形態は、外科的処置を細菌感染及びウィルス感染のリスクを低減するより密閉された環境で実施できるようにする。外科的処置の間に使用される無菌製品等の大部分は消耗品であるため、外科的処置に適切な環境を生成することは高価で多大な時間を必要とし、且つ環境上の負担となる。手術室は、一般に、手術環境の粒子数を削減する特別な空気濾過換気システムを装備している。手術室が適切に滅菌されていても、空気は適切に濾過され、医療スタッフは適切な保護服を使用し、その領域は、手術室の中へ及び外への医療スタッフの通過と共に滅菌する必要があり、エラーのリスクが大きい。通常の外科的処置は、手術を実施する、手術を支援する、麻酔の訓練を受ける又は麻酔に関与する10人もの異なるスタッフメンバーを必要とする。医療スタッフのこれらのメンバーのうちの数人は、同時に行われている外科的処置に関与している、又は以後の処置を準備する若しくは調整する必要がある可能性があるため、手術室の管理された環境から、手術室の外部のより管理が緩い環境に移動する必要がある。患者の身体のより近くで手術フィールドを密閉することによって、最高レベルの無菌性を有する必要がある区域を小さくすることができ、このことはまた、手術の最も敏感な領域に直接的に接する必要があるスタッフの数を削減し、任意の医療スタッフが手術の最も敏感な領域から手術室の外部へ通過する必要性を排除する。
ヒトの身体の中から物質を除去することを必要とする外科的措置では、この処置は好ましくは低侵襲手術で行われる。低侵襲手術は、より小さな切開部により感染のリスクがより低く、回復の時間がより短く、処置後に残る瘢痕がより小さいため有利である。例えば腸の器官のある部分を除去するとき、腸のどの程度を除去する必要があるのか、及び除去を要する腸がどこに位置しているのかが明確ではないことがある。大部分の場合、これは、腹腔鏡手術及び関節鏡手術の技術で周知である、患者の身体内の小さな切開部を通して挿入されるトロカールに配置される光ファイバカメラを使用して光学検査によって決定できる。光学検査を可能にするために、身体内のキャビティを形成する必要があり、これは通常、トロカールを通して導入される加圧されたCO2ガスを用いて行われる。腸の器官のある部分の除去に戻ると、この除去は、通常はφ18mm超ではない腹腔鏡トロカールのサイズによって制限される。本明細書に示す医療デバイスは、従来の腹腔鏡手術及び/又は単孔式腹腔鏡下手術及び/又は経管孔的内視鏡手術及び/又は用手補助腹腔鏡下手術及び/又は直視下手術のいずれかを組み合わせる可能性を提供できる。腸の器官の一部分が一時的に患者の身体の外に置かれる外科的処置では、腸の器官のこれらの部分は、外科的処置が終了した後の瘢痕組織の形成を削減するためにいつでも湿らせておく必要がある。本明細書に開示されている医療デバイスのチャンバの中に上記腸の一部分を保存することによって、腸は、悪化する瘢痕組織が形成されるリスク又は患者が感染等で術後の問題を抱えるリスクを低減する管理され、密閉され、温度調節され、湿った環境に保つことができる。
用手補助腹腔鏡下手術では、外科医は腹部の小さな切開部を通して手を挿入することがある。用手補助腹腔鏡下手術は、知覚及び頭上のテレビ画面上で処置全体を視覚的に観察する可能性を維持しながら、手術用器具を案内する可能性を提供する利点を有する。更に、用手補助腹腔鏡下手術は、大きな組織を無傷で除去し、例えばがんの評価を可能にすることができる。また、用手補助腹腔鏡下手術は、まだ腹腔鏡検査技法を学習中である外科医にとっても有利となり得る。医療デバイスは、低侵襲手術(MAS)の主要な考えを失わないようにし、手を患者の身体の内側に入れた状態での手術の完了を可能にすることによってMASの安全性及び効率を強化してよい。医療デバイスは、内視鏡カメラのより優れた表示及び拡張を容易にするために腹腔内圧を維持することを可能にする。
以下では、本発明の実施形態の詳細な説明が添付図面に関して示す。図面が図示のためだけであり、決して本発明の範囲を制限していないことが理解される。従って、「上へ」又は「下へ」等の方向に対するあらゆる参照は図に示されている方向を参照しているに過ぎない。同じ参照番号を有する特徴が同じ機能を有することが留意されるべきであり、同じ最後の2桁、つまり74、474、774を有する異なる実施形態の特徴が類似していることも更に留意されるべきである。従って、明確に相反しない限り、ある実施形態における特徴は同じ最後の2桁を有する別の実施形態の特徴と交換できる。従って、同じ最後の2桁を有する類似する特徴の説明は、特徴の根本的な考え方を説明し、これにより特徴の多用途性を示す上で互いを補完すると見られるべきである。
内視鏡検査法は、内視鏡手術又は内視鏡器具を使用する低侵襲手術の任意の形と理解されるべきである。内視鏡検査法は、例えば、単孔式腹腔鏡下手術(SILS)、関節鏡手術、例えば、胃鏡検査及び直腸鏡検査を含む経管孔的内視鏡手術(NOTES)、並びに用手補助内視鏡下手術を含む。内視鏡手術は、腹部、胸部、関節、及び例えばヘルニアの修復又は骨盤手術の間に外科医により形成された任意のキャビティ等であるが、これに限定されるものではないヒトの身体の多くの異なるキャビティで使用できる。
インセットは、壁のくぼみ、つまり壁の部分を構成するために医療デバイスの壁の中に挿入できる部分として理解されるべきである。インセットは、例えば、連結器若しくは医療デバイスの壁の開口にロックされてよい、又は医療デバイスの壁に一体化されてよい円形の物体であってよい。インセットは、例えば一体化した手袋、又は例えばインプラントを保持するためのデバイス若しくは器具取付部を備えることができる。インセットは、医療デバイスの壁に位置決めされると、チャンバ内の環境を、壁によって取り囲まれ、密閉され、従って通過できないように保つ。つまり、インセットを通して物体を移動することはできない。
真空は、密閉特性を提供するために使用されるときは、負圧、つまり大気圧未満の圧力であり、従って真空が適用される領域に対して吸引力を提供するとして理解されるべきであり、真空は絶対真空として理解されるべきではない。
医療インプラントは、例えば:関節形成補綴物;心臓補助装置;通電インプラント;制御論理;充填美容インプラント;埋入型薬剤ディスペンサ;給電ユニット;血管インプラント;泌尿器科インプラント;腹部インプラント;薬剤放出インプラント;婦人科インプラント;又は他の種類の活性若しくは不活性インプラントであってよい。
器具、手術用器具又は内視鏡器具は、例えば、外科用メス、トロカール、鉗子、縫合器具、ハサミ、カメラ、クランプ器具、解剖器具、把持器具、縫合器具若しくはステープル器具等の接合器具又は外科用メス若しくは電磁ジアテルミー若しくは超音波ジアテルミー等の切断器具であってよく、器具、手術用器具又は内視鏡器具は、例えば腹腔鏡把持器、腹腔鏡爪把持器、腹腔鏡石把持器;腹腔鏡針ホルダ、腹腔鏡フック、腹腔鏡下解剖器具又は腹腔鏡ジアテルミー器具であってよい。任意の整形外科タイプの器具又は機械だけではなく関節鏡手術又は関節置換術にも使用される多くの異なる種類の器具が他の例である。
生理学的なパラメータ又は物理的なパラメータは、例えば、任意の種類の圧力、力、時間、運動、伸長、距離、容積、患者の血圧、患者の血流、患者の血液の飽和又は乳酸塩等の虚血マーカ、患者の皮膚の温度、皮膚の状態等のうちの少なくとも1つを含むが、これに限定されるものではない。
デバイスの機能パラメータは、例えば、任意の種類の圧力、力、時間、運動、伸長、距離、容積、電気的パラメータ、エネルギ、エネルギ収支、電圧、電流、任意のデジタル又はアナログのセンサ入力、及び温度のうちの少なくとも1つであるが、これに限定されるものではない。
添付の図中の参照番号は、以下の要素を参照し、以下のリスト中、例が列挙されているが、それらは単に、要素がどのようにして実装され得るのかの例として見られるべきであり、用語の範囲を制限するとして理解されるべきではない。
A=周囲環境、医療デバイスのチャンバによって、又は患者の身体の中で取り囲まれた若しくは部分的に取り囲まれた手術環境の外部の環境。
C=チャンバ
F=脂肪
I=切開部
L=脚部
M=筋肉
O=物体
P=腹膜
R1、R2=位置1、位置2
S=皮膚
ST=皮下組織
T=腫瘍
VP=真空穿孔
0=医療デバイス
1=例えばチャンバを取り囲む医療デバイスの層等の壁。壁は剛性の壁又は可撓性で弾性の及び/又は膨張可能な壁であってよい。壁は透明、半透明、及び/又は気密であってよく、可塑剤添加剤を有するポリ塩化ビニル(PVC)等の透明なポリマー材料から作製してよい。壁は、例えばガラス又はアクリルガラス、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート等の透明なポリマー材料、アクリル繊維材料又はポリアクリロニトリルを含有する共重合体等の剛性の透明な材料であってよい。
2=手袋は、例えば周囲環境の外部から又は第2のチャンバからの医療スタッフによる手技を可能にする、医療デバイスの壁のくぼみを表す。
ひだ状部分は、例えば壁の材料の拡張を可能にする複数のしわを備える可撓性壁部分を示す。ひだ状部分は更に弾性であってよい。
4=エンクロージャ
5=密閉デバイスは、例えば、密閉機能又は固定機能を共に実施する任意の密閉要素又は固定要素又は要素の組合せを示す。
5’=真空密閉部材は、例えば大気圧未満の圧力を維持することによって密閉を提供する際に必要となる要素を示す。
5’’=圧力密閉部材は、例えば要素を押し付けることによって密閉を提供する際に必要となる要素を示し、このことは大気圧を超える流体圧力を維持することを含んでよい。
5’’’=接着密閉部材は、例えば接着を用いて密閉を提供する際に必要となる要素を示す。
6=例えば導管の外部の圧力よりも低い圧力を移動するときに真空導管がつぶれないよう設計された可撓性のポリマー導管等の真空導管。導管は、例えば環状の金属輪状の要素によって再補強してよく、これにより導管はその可撓性を維持する。
7=例えば接着表面から付着防止表面を除去できるように付着防止表面を有する層等の分離層。付着防止表面は、例えばPTFE被覆面を備えてよい。
8=例えばチャンバからの空気を排出できるように大気圧未満の圧力を生成するよう適合されるポンプ等の真空ポンプは、例えばピストン又は膜ポンプの形態であってよい。
9=例えば液体又はガス状流体を移動することができる任意のポンプ等の流体ポンプは、ピストン又は膜ポンプの形態であってよい。
10=例えば流体又はガス状流体を移動することができる任意の導管等の流体導管は、例えば可撓性のポリマー管類であってよい。
11=例えば取り囲まれた空間等のチャンバ。
12=タンク
13=大気圧とは異なる圧力を有してよい気体の流体を扱うためのシステム等の空気圧システム。空気圧システムは、空気圧式ツールに動力を提供する又はチャンバを膨張させるためのシステムであってよい。空気圧システムは、例えば空気圧/流体導管、バルブ、ゲージ、圧力センサ、滅菌ユニット/濾過ユニット/温度調節ユニット/加湿ユニット、ポンプ及び/又は空気圧エネルギを消費するツールを備えてよい。
15=例えば流体の流量又は圧力を監視又は制御するためのゲージ又はバルブ等の制御システム/監視システム。
16=整形外科のドリル、鋸、リーマ、ステープラ等の外科使用のための動力ツール。
17=例えば壁の一方の側面から壁の他方の側面へポートを通して物体を移動できるように、壁に配置される閉鎖可能/開放可能な任意のポート等の壁ポート。壁ポートは、例えば、自己密閉シリコン若しくはゲル膜又はアイリスバルブ若しくはフラップバルブを備えてよい。
18=例えば物体の移動中にいつでも第1の領域と第2の領域の間になんらかの形の閉鎖が提供されるように、スルースチャンバを介して上記第1の領域と上記第2の領域の間での物体の移動を可能にする任意の要素等のエアロックスルース。
19=標準的なジッパー、密閉された標準的なジッパー又はジップロック(登録商標)タイプのジッパー等のジッパー。
20=器具及び/又はデバイス取付部は、例えば外科的処置において又は外科的処置の周囲で必要となり得る物体を保持できる任意の取付部又は保持デバイスを示す。
21=例えば任意の透明なシート材料等の窓。
22=物体がポートを通して身体の外側から身体内のキャビティに移動され得るように、身体に配置される任意の閉鎖可能/開放可能なポート等の身体ポート。身体ポートは、例えば自己密閉シリコン若しくはゲル膜又はアイリスバルブ若しくはフラップバルブを備えてよい。
23=例えばポリマー材料又はガラス又は炭素繊維から作製される、例えば平らな弾性シート材料等の弾性要素。
24=壁と同じシート材料から作製され、弾性要素を案内するよう適合される医療デバイスの壁のスロット等のガイドスロット。
25=例えば底部を持ち上げるために医療デバイスの壁の底部及び医療デバイスの壁の上部を接続するよう適合されるポリマーワイヤ等の持ち上げ部材。
26=例えばユニットを通過する通過ガス状流体又は液状流体の滅菌、濾過、温度調節、及び加湿を可能にするよう適合される複合ユニット等の滅菌ユニット/濾過ユニット/温度調節ユニット/加湿ユニット。
26a=例えば電気的な熱若しくは化学的な熱等の熱の使用、及び/又はUV光等の照射、及び/又は化学的な滅菌剤の添加を含んでよい滅菌方法を使用する等の滅菌ユニット。
26b=例えばフィルタ布地等の機械的フィルタ及び/若しくは活性炭等の化学的フィルタを備える、又は機械的フィルタと化学的フィルタの組合せによるユニット等の濾過ユニット。
26c=例えば電気的若しくは化学的な加熱素子等の加熱素子、又は冷却機要素若しくは液体水素若しくはドライアイス等の化学的な冷却素子等の冷却素子を含むユニット等の温度調節ユニット。
26d=例えば水の粒子を導入する又は流体を蒸発水と混合することによって、例えば通過するガス状流体の湿度を増すよう適合されるユニット等の加湿ユニット。
27=例えば液体又はガス状流体を移動できる任意のポンプ等の循環ポンプは、例えばピストン又は膜ポンプの形態であってよい。
28=循環する流体を扱うためのシステム等の流体循環用のシステム。流体循環用のシステムは、例えば流体導管、バルブ、ゲージ、圧力センサ、滅菌ユニット/濾過ユニット/温度調節ユニット/ユニット、及び流体ポンプを備えてよい。
29=例えば液体又はガス状流体を移動できる任意の導管等の流体導管は、例えば可撓性のポリマー管類であってよい。
30=流入口、30’=身体内の流入口
31=流出口、31’=身体内の流出口
32=例えば、金属又はポリマーコイルばね等の、力が加えられるときに弾性作用を提供するよう適合される弾性部材等のばね。
33=突出部材 33’磁石
34=凹部/溝
35=例えば皮下に等、患者の身体の内側に位置決めされるよう適合されるリング等の身体内リング、つまり内側開創器部材。
36=例えば密閉する及び/又は接続する及び/又は開創器を使うために適合される可撓性及び/又は弾性のシート材料等の接続部材。
37=外側リング、つまり例えば皮膚に接続された状態で患者の身体の外側に位置決めされるよう適合される、例えばリング等の外側開創器部材。
38=例えば開口又は穴を閉鎖するよう適合されるバルブ部材は、例えばフラップバルブを備えてよい。
39=レバー
42=インセットは、例えば任意の交換可能な部分又は任意のくぼみ若しくは突起を示す。
42’=壁部分に設けられたインセット等の壁のインセット。
42’’=患者の身体の中に設けられるよう適合されるインセット等の身体インセット。
43=自己密閉膜は、例えば可撓特性又は弾性特性を有するよう適合される膜を示し、これにより膜は膜を通した物体の移動を可能にし、その後膜の可撓特性及び/又は弾性特性によってひとりでに閉じる。
44=例えば外部の力が膜に影響を及ぼさないときにそれだけで密閉するよう適合される膜内の穴等の自己密閉穴。
45=台座
46=例えばシート材料を巻くための手技式のシステム、ばね式のシステム又は動力システム等のロールアップシステム。
47=相互接続されたポートは、例えば身体ポート及び壁ポート等の少なくとも2つのポートの接続によって形成される閉鎖可能/開放可能なポートを示す。
48=例えば複数の閉鎖可能なポート又はポートユニットを含む、閉鎖可能なポート又はポートユニット等のマルチポート。
48’=壁部分での位置決めのために適合されるマルチポート等の壁マルチポート。
48’’=例えば患者の身体の中での位置決めのために適合されるマルチポート等の身体マルチポート。
49=サポートは、例えば力を吸収する又は移動させるよう適合される任意の構造要素を示す。
50=表面が他の物体に付着するように、接着物質又は接着合成物を備えたシート材料の表面等の接着表面。上記物質又は合成物は、例えば3Mの感圧接着剤Scotch−Grip 4268−NF等の感圧接着剤であってよい。
51=例えば機械的な作業を生成する又は移動させるよう適合される、電気モータ、空気圧モータ、液圧モータ又は燃焼モータ等のモータ。
52=例えばなんらかの形の運動エネルギを移動させるよう適合される任意の要素等の運動エネルギ移動部材。
53=例えば第1の運動エネルギ移動部材から第2の運動エネルギ移動部材に運動エネルギを移動できる任意の連結器等の運動エネルギ連結器。
54=Oリング
55=例えばデータ等のなんらかの形の情報を伝達するよう適合される任意の要素等の情報伝達部材。
56=ガス状流体又は液状流体の移動を扱うことができる任意の連結器等の流体連結器。
57=磁石
58=例えば電気エネルギを移動するよう適合される任意の要素等の電気エネルギ連結器で、電気エネルギ連結器は、標準的な電気連結器又は無線エネルギを移動するための連結器であってよい。
59=スリーブ
60=例えば穴あけツール又はフライス削りツールを把持するためのチャック等のツールホルダ。
61=例えば窓を拭くための軟質ポリマー要素を備える部材等の窓接触部材。
62=(窓清掃用の)流体導管
63=(窓清掃用の)ノズル
64=(窓清掃用の)流体配設
65=例えば腹腔鏡手術又は関節鏡手術で使用されるカメラ等の内視鏡カメラ等のカメラ。上記カメラは光ファイバ技術に基づいたカメラであってよい。
66=コイル
67=圧力生成部材
68=例えばひだ状構造がある壁を有するチャンバ等のベローズ。
69=例えば外科的処置で使用される器具等の、例えばインプラント又は医療器具等の医療装置等の物体。
70=切開部開創器
71=内壁
72=接続部
73=感知プローブ
74=ダイオード
75=検出器
76=カフ
77=例えば医療デバイスの一部分を被覆する目的で着脱可能なシート材料等のカバーシート。
78=リード線
79=例えば患者の皮膚に作成された切開部の周囲で皮膚を開創するよう適合される要素等の開創器部材。
80=例えばインセット若しくはポート等の物体を固定する又は追加の連結器に結合するよう適合される、例えば機械的な要素等の連結器。
81=例えば患者の身体から除去されなければならない身体由来物質等の標本で、標本は、例えば腫瘍、腸管系の一部分又は患者の虫垂又は胆嚢等の器官であってよい。
82=パウチ
83=例えば突出部が第1の位置にあるときに上記突出部を保持し、上記突出部が第2の位置にあるときは上記突出部を放すことができる凹部等の鍵穴凹部。
84=接続部分
85=ブッシュ
86=アイリスバルブ
87=例えば医療デバイスを保持し、患者の皮膚を係合することによって、患者の身体に固定する機械的な要素等の保持部材。
88=例えば第1の端部を第2の端部に対して密閉するよう適合される磁気操作式又は真空操作式の閉鎖部分等の閉鎖部分。
89=例えば把持器具、例えば縫合器具若しくはステープル器具等の接合器具、又は外科用メス若しくは電磁ジアテルミー若しくは超音波ジアテルミー等の切断器具であってよい、外科用器具及び/又は内視鏡器具等の器具で、器具は、腹腔鏡把持器、腹腔鏡爪把持器、腹腔鏡石把持器、腹腔鏡針ホルダ、腹腔鏡フック、腹腔鏡下解剖器具又は腹腔鏡ジアテルミー器具であってよい。
89s=例えばステープラを用いて患者の組織又は皮膚を接合するよう適合される接合器具等のステープル器具。
92=例えば患者内のキャビティの中への器具の挿入を可能にするために患者の身体の中に挿入されるよう適合される中空の要素等のトロカール。
93=調整デバイス
94=密閉サブデバイス
95=例えば食道、胃、小腸、大腸、肛門、胆嚢、胆管、腎臓、腎盤、尿管、膀胱、尿道、心臓、肺又は気管支等の器官。
96=例えば保持できる構造上の要素等の保持部材。
97=穴
98=例えば監視される入力パラメータを受信し、上記受信された入力に基づいて何らかの形の出力を提供するよう適合されるユニット等の監視ユニット。
99=例えばそれを通して挿入された何かを受承することができるくぼみの穴又は開口等の開放端部。
図1a〜5uは、患者の脚又は腕等の患者の体肢に対する外科的処置のために適合される医療デバイスの実施形態を示す。医療デバイスは、例えば足の手術、足首の手術、膝の手術、又は大腿骨、脛骨若しくは腓骨を含む骨折手術を実施するために使用できる。患者の腕に対する手術は、例えば、手の手術、肘の手術、肩の手術、及び例えば肩甲骨、鎖骨、上腕骨、橈骨又は尺骨に対する骨折手術を含む。
図1aは、外科的処置を実施するための医療デバイス0の実施形態を示す。医療デバイス0は、外科的処置を実施するために密閉された環境を維持できるチャンバCを取り囲む少なくとも部分的に折り畳み可能な壁1を備える。少なくとも部分的に折り畳み可能な壁1は、開放端部99を有する少なくとも1つの細長い管状エンクロージャ4を形成する壁部分を備える。エンクロージャ4はチャンバC内に延在し、その開放端部を通してエンクロージャの中に挿入された患者の体肢の一部分にフィットするよう適合される。図1aに示す実施形態では、体肢は患者の脚である。
医療デバイス0は、患者の脚を包囲し、患者の皮膚と上記少なくとも部分的に折り畳み可能な壁1との間をするよう適合される密閉デバイス5を備える。図1aに示す密閉デバイスは、患者の皮膚に対して圧力を印加し、これによりシールを提供する弾性ポリマー材料を備えた、弾性密閉部材を備える。図1aに示す実施形態に従って、細長いエンクロージャ4を備える壁1の部分だけが、細長いエンクロージャ4の中へ上記体肢を挿入できるようにするために折り畳み可能又は変形可能である。それに対してチャンバを取り囲む壁1の残りの部分は剛性であるが、他の実施形態では、密閉された環境を取り囲む壁1全体が折り畳み可能であることが等しく考えられる。
図1bは、図1aの実施形態に類似した実施形態の医療デバイス0を示し、相違点は図1bの実施形態が、密閉された環境の中での手技を可能にする壁1に一体化された2つの手袋2a、2bを更に備える点である。手袋2a、2bは、壁1に手袋2a、2bを接続し、密閉された環境の中で手袋2a、2bの自由な動きを可能にするひだ状部分3によって壁1に接続される。
図1cは、図1aに示す実施形態に類似した実施形態による医療デバイス0を示し、その違いは、第2の密閉デバイス5bを備える医療デバイス0がより末端の位置で体肢を包囲する細長い管状のエンクロージャ4を構成する壁1に固定される点であり、これにより患者の足を隔離することができ、足は消毒するのが非常に困難であるため、このことは有利である。
図1dは、図1bの実施形態に類似した医療デバイス0の実施形態を示し、その違いは、図1dの実施形態は、腕の形態である体肢を受承するよう適合される点である。
図2aは、患者の皮膚と医療デバイスとの間に真空シールを形成するための1バール未満の圧力(低圧力)を保持するよう適合されている真空密閉部材5’によって、患者の体肢と部分的に折り畳み可能な壁1との間をするよう適合される真空密閉部材5’を密閉デバイスが備える実施形態における上記密閉デバイスを詳細に示す。真空は、真空導管6によって真空密閉部材5’に接続された真空ポンプ8によって形成される。真空密閉部材5’は、例えば半剛性ポリマー材料から作製してよい。
図2bは、体肢の一部分が細長いエンクロージャ4に配置された後に細長いエンクロージャ4内の空気を排出し、これにより患者の体肢の周囲のエンクロージャ4の壁1を締め付ける空気排出システムを備える、医療デバイスの実施形態を示す。空気排出システムは、細長いエンクロージャ4と流体連通し、これによりエンクロージャ4からの空気又は流体の排出を可能にする真空導管6を備える。
図2cは、密閉デバイスが体肢の皮膚を押し付ける空気圧を使用して患者の体肢と部分的に折り畳み可能な壁1との間をするよう適合される空気圧式密閉部材5’’を備える実施形態における密閉デバイスを詳細に示す。空気圧は、圧力密閉部材5’’の中で流体ポンプ9からチャンバ11に加圧ガスを移送するよう適合される流体導管10によって圧力密閉部材5’’に接続されている流体ポンプ9によって生成され、上記空気圧式密閉部材5’’は、空気圧式密閉部材5’’が体肢の皮膚を押し付けることができるようにし、これにより体肢と空気圧式密閉部材5’’との間をするために、キャビティ11のサイズ及び/又は形状を変更できるように膨張させることができる。空気圧式密閉部材5’’は、例えば弾性ポリマー等の弾性材料から作製してよい。
図2dは、接着剤が患者の皮膚及び医療デバイスの細長いエンクロージャ4に接触することによって患者の体肢と部分的に折り畳み可能な壁1との間をするよう適合される接着密閉部材5’’’を密閉デバイスが備える実施形態で密閉デバイスを詳細に示す。図2dに示す実施形態では、接着密閉部材5’’’は患者の体肢(この場合は脚)を包囲し、それによりシールを形成する。接着剤は、例えば3Mの感圧接着剤Scotch−Grip 4268−NF等の感圧接着剤であってよい。
図2e〜2iの医療デバイスは、医療デバイスのチャンバC内に延在する細長い管状のエンクロージャ4を備える。細長い管状のエンクロージャ4は、患者の皮膚に面し、患者の皮膚からの細菌がチャンバCの環境を汚染するリスクを低減するために患者の皮膚にぴったりと付着するよう適合される接着表面を有する。
図2eは、梱包及び出荷のために空気が抜かれたときの医療デバイス0の実施形態を示す。医療デバイス0は、可塑剤添加剤を含むポリ塩化ビニル(PVC)等の透明なポリマー材料から作製される可撓性壁1を備える。壁1は、外科的処置のステップを実施できる密閉された環境を含むためのチャンバCを形成するよう適合される。医療デバイス0はチャンバに流体を供給し、このようにしてチャンバを膨張させるための壁1に位置決めされる流体流入口30を備える。流体流入口30は、(図2cの流体ポンプ9、又は図3aの加圧タンク12等の加圧タンク等の)流体ポンプ等の流体提供部材に接続されるよう適合される。供給される流体は、CO2ガス等のガス状流体、又は食塩水若しくは抗生剤液等の液状流体であってよい。医療デバイス0の壁1は、患者の体肢を挿入するよう適合される単一の開放端部99を有する細長い管状エンクロージャ4を形成する。エンクロージャ4はチャンバ内で延在し、開放端部99を通って細長い管状エンクロージャ4の中に挿入される体肢の一部分にフィットするよう適合され、これにより外科的処置は、部分的にチャンバの中で患者の上記体肢の一部分に対して実施できる。医療デバイス0は、患者の体肢の一部分が細長い管状エンクロージャ4に配置されるときに、細長い管状エンクロージャ4の内部から流体を排出するよう適合される流体排出システムを更に備える。流体排出システムは、(例えば図2bで8として開示されている)真空ポンプ等の真空生成部材に接続されるよう適合される真空導管6を備える。
図2eに示す実施形態による医療デバイス0は、適合密閉力を提供するよう適合される加圧密閉部材5’’を備える密閉デバイスを更に備える。流体導管10aは、空気圧を提供するための空気圧によって動力を供給される密閉部材5’’に接続される。流体導管10aの他方の端部は、空気ポンプ又は加圧タンク等の圧力生成部材に接続される。代替実施形態では、密閉デバイスは液圧によって又は電気によって動力を供給されてよい。
細長い管状エンクロージャ4の内側は、患者の皮膚に付着するよう適合される接着表面であり、これにより患者の皮膚の切開は、細長い管状エンクロージャ4の壁1を通して実施される。細長い管状エンクロージャ4の接着層が患者の皮膚に対してぴったりと付着するため、患者の皮膚からの細菌が上記切開の領域に進入するリスクは大幅に削減される。接着表面は、例えば3Mの感圧接着剤Scotch−Grip 4268−NF等の感圧接着剤を備えてよい。医療デバイス0が包まれるとき、医療デバイス0は(図2fで4aとして示す)細長い管状エンクロージャの第1の部分の接着表面を、(図2fで4bとして示す)細長い管状エンクロージャの第2の部分から分離するよう適合される分離層7を更に備え、これにより細長い管状エンクロージャは(図2eに示す)平坦なパッケージとして包まれた後、容易に拡張する又は膨張させることができる。分離層7は、接着表面から除去するのが容易である付着防止面を備える。付着防止面は、例えばPTFEで被覆された面であってよい。分離層7は、細長い管状エンクロージャ4が拡張した又は膨らんだ後に分離部分7を容易に除去することができるように把持部分7’を更に備える。
医療デバイス0は、チャンバの中に器具を保持するために適合されるチャンバの中に配置される器具取付部20を更に備える。
図2fは、分離層7、細長い管状エンクロージャ4の壁の第1の4a部分及び第2の4b部分、並びにチャンバを形成する医療デバイスの壁1を断面で見ることができる左からの断面図で、図2eに示す実施形態による医療デバイスを示す。
図2gは、医療デバイス0の壁1が壁1に位置決めされ、流体導管10bに接続される流体流入口30を通した流体の注入によって膨張し、これによりチャンバCが形成されるときの医療デバイス0を示す。チャンバCに進入する流体は濾過を必要とすることがあり、従って流体導管10bは濾過ユニットを通過してよい。濾過ユニットは、フィルタ布地等の機械的フィルタによって、又は活性炭等の化学的フィルタを用いて、又は機械的フィルタと化学的フィルタの組合せによって粒子を除去するよう適合される。更に、チャンバCに進入する流体を滅菌するために滅菌デバイスを流体導管10bに設けてよい。滅菌デバイスは、例えば、熱を用いて流体を滅菌する滅菌デバイス、化学的な滅菌デバイス、又は紫外線放射等の放射を用いて滅菌する滅菌デバイスであってよい。また、流体温度調節デバイスを通過する流体の温度を変更するために流体回路10bに流体温度調節デバイスを設けてもよい。流体滅菌デバイス、温度調節デバイス、及び温度調節ユニットを更に例えば図210に示す。
図2gでは、細長い管状エンクロージャ4は、真空導管6を通して膨張させられ、このことが細内環状エンクロージャ4の中に加圧流体を提供している。細長い可能エンクロージャ4の内面が接着表面50であるときにも、細長い管状エンクロージャ4の膨張は、患者の体肢の細長い管状エンクロージャ4の中への差込みを容易にする。膨張の間、圧力上昇が細長い管状エンクロージャ内で可能であるように、開放端部99はカバリング部材(不図示)によって覆われてよい。細長い管状エンクロージャ4は、カバリング部材が除去され、細長い管状エンクロージャ4内の圧力が放出されてもその形状を保持するのに十分に剛性の透明ポリマー材料から作製される。膨張、従って医療デバイス0が包まれたときに接続された細長い管状エンクロージャ4の壁1の第1の部分及び第2の部分を分離した後に、分離層7は、把持部分7’を用いて細長い管状エンクロージャ4の中から分離層7を引き出すことによって除去される。器具取付部20は、更にチャンバCの上部に配置されるとして図2gに示されているが、取付部20の位置は取付部20によって保持される特定の器具のために適合されてよい。
図2gに示す実施形態による医療デバイス0は、流体導管10aを介して加圧流体を供給される圧力シール5’’を備える。ただし、代替実施形態では、圧力密閉部材5’’が真空密閉部材、弾性密閉部材等の機械的に押す密閉部材、又は(例が本明細書の他の実施形態に関連して示す)接着密閉部材で置換されることも等しく考えられる。
流体導管10a、10bは、例えば、(本開示を通して開示されている)空気ポンプ又は加圧タンク等の圧力生成部材に接続される。
医療デバイス0は、患者の生理学的なパラメータを監視するよう適合され、密閉部材の膨張、つまりチャンバCの膨張を調整でき、これにより患者の体肢の血流が密閉部材5’’内の圧力によって又はチャンバC内の圧力によって妨げられないように、密閉部材5’’又は膨張可能な壁1を膨張させる圧力生成部材を制御するよう適合される監視ユニットを更に備えてよい。監視ユニットは、図209a〜209gに関して更に説明される。
医療デバイス0は、外科医が、チャンバCで密閉された環境を維持しながら、チャンバCの内側で手技を行うためにチャンバCの外側から手袋を使用できるように壁1に一体化された手袋を更に備えてよい。一体化された手袋の例を図2b、2iに示す。
図2hは、患者の体肢が細長い管状エンクロージャ4の中に挿入され、密閉部材5’’が膨張し、これにより実質的に気密のシールが周囲環境Aと細長い管状エンクロージャ4との間に形成されたときの医療デバイス0を示す。真空導管6は、真空導管6が細長い管状エンクロージャ4と流体連通するように密閉部材5’’に一体化され、一方密閉部材5’’は細長い管状エンクロージャ4と周囲環境Aとの間をを提供する。
図2iは、細長い管状エンクロージャ4内の膨らんだ流体が真空導管6によって排出され、これにより細長い管状エンクロージャ4の壁1が上記体肢をぴったりと取り囲み、患者の皮膚上の接着層50が形成されるように、細長い管状エンクロージャ4の内側の接触面50が患者の体肢の皮膚に付着するときの医療デバイス0を示す。接着層は、医療デバイス0のチャンバCの内側での外科的処置の始まりに切断される。そうでなければチャンバCの環境に曝露されることになる皮膚のすべてを覆う接着層50によって、患者の皮膚からの細菌がチャンバCの環境を汚染するリスクは大幅に削減される。図2iは、医療デバイス0の壁1内に一体化され、医療デバイス0のチャンバCの中での手技を可能にする手袋2a、2bを更に示す。
細長い管状エンクロージャ4の壁1及び患者の皮膚で切開が実施された後、チャンバCと患者のキャビティとの間に流体連通を生成するために細長い管状エンクロージャ4の壁1に、及び患者の皮膚にポートが配置されてよい。ポートは壁に一体化されることによって細長い管状エンクロージャ4の壁1に固定されることもあれば、ポートは、例えば図4a〜4cを参照して開示されているように、患者の皮膚に固定されてもよい。図4a〜4cに開示されているポートは、チャンバCの中から作製される、細長い管状エンクロージャ4の壁及び患者の皮膚の切開部の周囲で患者の皮膚の内側に位置決めされるよう適合される第1の密閉部材、患者の皮膚の切開部の周囲で、チャンバの内側の患者の皮膚の外側に位置決めされるよう適合される第2の密閉部材、及び細長い管状エンクロージャ4を有する密閉デバイスを備える。この密閉デバイスは、第1の密閉部材及び第2の密閉部材を密閉相互接続する弾性接続部材を更に備え、これにより弾性接続部材は第2の密閉部材と細長い管状エンクロージャ4との間、及び/又は第1の密閉部材と患者の組織との間をする。
医療デバイス0は、医療デバイス0のチャンバCと周囲環境Aとの間で移動を可能にするために医療デバイス0の壁1に設けられた壁ポートを更に備えてよい(例えば、図3a〜3eに17として開示されているこのような壁ポート)。壁ポートは、非圧縮状態ではチャンバCと周囲環境Aとの間をし、圧縮状態では膜を通して手又は物体を挿入できるようにするよう適合される弾性膜を備えてよい。
代替実施形態では、医療デバイス0は、チャンバCから流体を排出するための壁に設けられる流出口、流出口部材から(例えば、図3eに開示されている)流入口部材30へ流体を循環させるよう適合されるポンプを更に備えてよい。
図3aは、医療デバイス0が、円筒形又は管状構造を有する部分的に折り畳み可能な壁1を備える、医療デバイス0の実施形態を示す。部分的に折り畳み可能な壁1は、ここでは加圧ガスを含んだタンク12に接続されている流体導管10bによって膨張させることができる。タンク12は、部分的に折り畳み可能な壁1によって取り囲まれたチャンバCの中に空気力を伝達するために流体導管10aに更に接続される。本明細書の実施形態に示すように、流体導管10aは、ここで示す例では、チャンバCの中で操作されるよう適合される整形外科用鋸である空気圧式ツール16に接続されている。チャンバC及び流体導管10aに提供される圧力は、それぞれ流体導管10a、10bに接続された2つの制御/監視システム15a、15bによって制御され、監視される。示されている実施形態では、部分的に折り畳み可能な壁1は、(更に図2cに関して開示されている)患者の体肢を包囲する空気圧式密閉部材5’’によって上記体肢から密閉される。図3aでは、流体導管10cによって流体圧力を受け取る空気圧式密閉部材5’’を組み込んだ医療デバイス0を示すが、空気圧式密閉部材5’’が、本明細書に開示されている他の密閉部材のうちのいずれかによって支援される又は置換されることも等しく考えられる。図3aに示す医療デバイス0は、2つのジッパー閉鎖式連続開口を備えるエアロックスルース18を更に備え、外側ジッパー19aはチャンバCの外側からジッパー19a、19bの間のエアロックスルース18内においてインプラント等の物体69を配置する及び/又は除去するために開くことができ、内側ジッパー19bは、物体69を配置する及び/又はエアロックスルース18から除去するためにチャンバCの内側から開くことができる。例えばエアロックスルース18を用いて、環境を閉鎖された状態に保ちながらチャンバCから標本を除去でき、又はエアロックスルース18を用いて医療デバイス0又はインプラントをチャンバCの中に挿入できる。図3aに関連して開示されている医療デバイス0は、腹腔鏡トロカール又は内視鏡器具を挿入できる(オプションと見なされる)壁ポート17を更に備える。図3aを参照して開示された実施形態による医療デバイス0は、チャンバCの中に器具を保持するための器具取付部20を更に含む。
図3bは、図3aに示す実施形態に類似した医療デバイス0を示すが、図3bによる医療デバイス0の部分的に折り畳み可能な壁1は、チャンバC内の視認を可能にするための折り畳み不可の透明窓21を備える。折り畳み不可の透明窓21は、部分的に折り畳み可能な壁1が好ましくは透明な材料から作製されている場合、例えば医療デバイス0が完全に膨張しない、又は材料の継ぎ目若しくは湾曲部にある場合であっても、限られた視認性を提供できるため、外科医が処置に対して適切な視覚的な制御を有することを保証する。図3bに示す医療デバイス0は、Applied medical inc.ランチョサンタマルガリータ、カリフォルニア州から入手可能なGelPort等のゲルタイプの材料を備えてよい自己密閉膜43を備える壁ポート17を更に備える。自己密閉膜17を有する壁ポート18は、人間(例えば、外科医)の手だけではなくトロカール及び/又は器具の挿入を可能にし、チャンバC内での手技を可能にする。図3bに示す医療デバイス0は、チャンバCの中で、患者の体肢と直接接続する内視鏡ポートを組み込む2つの身体ポート23を更に備える。身体ポート23は例えば、トロカールを用いた関節鏡手術を、チャンバCの中で及びチャンバCの内側から操作される器具によって、又は折り畳み可能壁1のポート17から、チャンバC内の身体ポート23に達する器具によってのどちらかで実施できるようにする。
図3b’は、その中での手技を可能にするために部分的に折り畳み可能な壁1の壁ポート17の自己密閉膜43を通して外科医の腕が挿入される場合の、図3bによる医療デバイス0の実施形態を示す。壁ポート17を通した手技は、例えば、万一処置中に合併症が発生した場合、又は手術の特定のステップに追加の手が必要とされる場合に最後の手段として使用できる。図3b’は、流体循環のための内部システム28’及び流体循環のための外部システム28を更に示す。両方のシステムとも、チャンバCへ流体を供給するために部分的に折り畳み可能な壁1に配置される流入口30及びチャンバCから流体を排水するための流出口31において接続される外部システム28内、並びに身体キャビティで流体を循環させるために患者の身体内の流入口30’及び患者の身体内の流出口31’に接続される内部システム28’内に、流体導管29、29’を備える。流体は、ポンプユニット27、27’を用いて循環され、また不純物を除去し、流体を滅菌し、温度調節するよう適合される、滅菌ユニット26a、濾過ユニット26b及び温度調節ユニット26cを含むものとして開示されている外部システム内の滅菌/濾過/温度調節ユニット26’を介して、循環される。流体がガス状流体である実施形態では、濾過ユニットは、ガス中で浮遊してよい粒子を除去するよう適合される。濾過ユニット26aは、周囲環境からのガスの添加を可能にするための流入口を更に備えてよい。循環する流体が液体である場合、液体の透明性は、外科医が処置の視覚的な制御を有することを可能にするために極めて重大である。液体は、本実施形態では、不純物の除去のために濾過され、その透明性が維持され、滅菌される。濾過ユニット26aは例えば、活性炭を含むフィルタを備えてよい。
滅菌方法は、電気的な熱又は化学的な熱等の熱の使用を含んでよく、またUV光等の放射を使用して、及び/又は化学的な滅菌剤の添加によって滅菌を実施することも更に考えられる。
図3cは、チャンバCに進入する流体の温度調節を行うためのユニット26cが追加された、図3aにも示す医療デバイス0の実施形態を示す。システムの温度調節部分は、医療デバイス0を膨張させるガス状流体を加熱する又は冷却するために提供できる。周囲環境が寒い場合、システム24の温度調節部分を用いて、患者と外科医の両者に有利な手術状況を提供するためにチャンバの温度を上げることができる。周囲環境が暑い場合、システム24の温度調節部分は、患者と外科医の両方に有利な手術状況を提供するため、並びに細菌感染及びウィルス感染を阻止する温度を提供するための両方のために密閉された環境の温度を下げるために使用できる。温度調節ユニット24は、必要とされる温度を設定するための温度調節器を備えてよい。図3cは、膝関節プロテーゼ又は移植される膝関節プロテーゼの一部分であるエアロックスルース18内の物体を更に示す。プロテーゼは、図3aを参照して更に開示されているエアロックスルース18を通してチャンバCの中に挿入されている。
図3dは、図3cによる医療デバイス0を示すが、これは医療デバイス0に進入するガス状流体を滅菌するよう適合される滅菌ユニット26aを更に備える。本明細書に開示されている実施形態では、医療デバイス0に進入するガス状流体は加圧タンク12から生じ、事前に滅菌できるが、他の実施形態では、ガス状流体は、(例えば、図3eを参照して更に開示されている)周囲空気であることが考えられる。周囲空気が医療デバイス0を膨張させ、手術環境を構成するために使用される実施形態では、この空気は適切に滅菌される必要がある。
図3cは、医療デバイス0が、医療デバイス0のチャンバCを通して流体を循環させるためのシステム28を備える医療デバイス0の実施形態を示す。システムは、チャンバCに流体を供給するための、部分的に折り畳み可能な壁1に配置される流入口30で、及びチャンバCから流体を排水するための流出口31で接続される流体導管29を備える。流体は、ポンプユニット27を用いて循環され、不純物を除去し、流体を滅菌し、温度調節するよう適合される滅菌/濾過/温度調節ユニット26を介して循環される。流体がガス状流体である実施形態では、濾過ユニットはガス中で浮遊してよい粒子を除去するよう適合される。濾過ユニットは、周囲環境からのガスの添加を可能にするための入口を更に備える。循環流体が液体である場合、流体の透明性は、外科医が処置の視覚的な制御を有することを可能にするために極めて重要である。液体は、本実施形態では、不純物の除去のために濾過され、その透明性が維持され、滅菌される。濾過ユニットは例えば、活性炭を含むフィルタを備えてよい。
滅菌方法は、電気的な熱又は化学的な熱等の熱の使用を含んでよく、滅菌はUV光等の放射を使用して及び/又は化学的な滅菌剤の添加によって実施されることが更に考えられる。
図1a〜3eは、例えば脚又は腕等の患者の体肢を対象にする医療デバイスの異なる実施形態を示す。医療デバイスは例えば、病院環境、及び第三世界の国々若しくは大惨事の地域といった感染のリスクがかなり高い環境の両方において切除術を実施するために使用できる。開示されている医療デバイスは、非常に遠い場所での感染症のリスクなしに、及び水又は電気へのアクセスなしに、完全に取り囲まれた環境で外科的処置を実施できるようにする。
図4aは、壁ポート17が壁ポートの剛性部分45に固定される自己密閉膜43を備えるクローズアップで壁ポート17を断面で示す。自己密閉膜43は、膜43の中心に小さな自己密閉穴44を有する。自己密閉膜43は、例えば、密閉された環境と外部環境との間に気密シールを形成するほど十分に収縮する一方で、人間の手が小さな密閉穴44を通過するほど十分に大きな変形を可能にするほど弾性であるゲルタイプ材料から作製される。壁ポート17は、壁1の内側に位置決めされるよう適合される第1のチャンバ内リング35、及び壁1の外側に配置されるよう適合される第2の外側リング37を用いて医療デバイスの壁1内の穴に固定される。チャンバ内リング35と壁1の外側に配置されるよう適合される外側リング37との間に、弾性接続部材36が位置決めされる。接続部材36は、好ましくは弾力性又は弾性のポリマー材料から作製される。壁1の外側に配置されるよう適合される外側リング37は、接続部材36に適切な圧力を生成するよう適合されるばね式のロールアップシステムであってよい一体化されたロールアップシステムを備える。
図4bは、壁ポート17の代替実施形態を示し、その違いは、接続部材36が、開創器膜36の一端が壁ポート17の合成部分45に固定固定できるほど弾性の材料から作製される点である。
図4cは、壁ポート17の代替実施形態を示し、その違いは、接続部材36が、同様にベローズ68を膨張させるための圧力生成部材67に接続され、医療デバイスの壁1に実質的に垂直な方向で接続部材36を締め付ける膨張させることができるベローズ68に接続される点である。
図5aは、医療デバイス0が、医療デバイス0内のチャンバCの環境を周囲環境Aから分離する壁1を備える医療デバイス0の実施形態を示す。壁1は、接着剤を用いて又はチャンバCの内側と周囲環境Aとの間の圧力差を用いて患者の皮膚Sに固定するよう適合される。医療デバイス0は、インセット42、又は例えば図1〜3に開示されているポート17;23等のポートであってよいリング状の物体を固定するための上部連結器80a及び下部連結器80bを更に備え、例えばインセットは、本明細書の多様な実施形態で開示されている手術用手袋2、つまり保持デバイスである。ポートは、更に図4a、4bに関して開示されているポート等の手アクセスポートであってよい。連結器80a;80bは、インセット42又はポートを解放するための解除レバー39を備える。レバー39は、物体の凹部34を固定するために後部から装填されるばね32である突出部材32に接続される。図5aに開示されている実施形態では、下側連結器80bに固定されるインセット42は患者の身体の中での手技を可能にする手術用手袋2である。図5aに示す医療デバイス0は、上側連結器80aが使用されていないときに、上側連結器80aの開口を閉鎖するよう適合されるバルブ部材38を更に備える。
図5bは、手術用手袋2の形態のインセット42が下側連結器80bに固定される場合の、下側連結器80bを更に詳細に示す。患者の皮膚Sの外側に配置されるよう適合される身体内リング35及び外側リング37を備える開創器システムは、開創器膜が皮膚Sを開創し、これにより切開部を開放しておくために切開部の切断された表面に圧力を印加するように位置決めされる開創器膜の形態の接続部材36を更に備える。開創器膜36は、切開部が開放されたままとなるように、開創器膜36を締めるための外側リング37の内側のロールアップシステム42の中に巻き込まれる。
図5cは、手術用手袋2を備えるインセット42から3つの内視鏡ポートを備えるマルチポート48への下側連結器80b内の物体の交換を示す。純粋に内視鏡的なシステムから手アクセスシステム又は手技システムへ迅速に切り換えることができることは、処置中に合併症が発生した場合に極めて重要であり得、またこれは、腹腔鏡手術から直視下手術への従来の転換、合併症及び/又は術後治療のリスクを上昇させるような問題を不可避的に引き起こす転換の必要を排除できる。
図5dは、壁1に一体化されている連結器80を示す医療デバイス0の断面を示す。連結器80は、例えば、本明細書の他の実施形態に開示されている壁ポート17等のポートから、手術用手袋2又は器具取付部/デバイス取付部20の形態のインセット42への物体の交換を可能にする。連結器80は、医療デバイス0の環境が無菌のままとなることができるように物体を交換する必要があるときに、連結器80の穴を閉鎖するためのバルブ部材38を備える。器具取付部つまりデバイス取付部20は、例えば手術用器具及び/又はインプラント若しくはインプラントの部品を保持するよう適合できる。医療デバイス0は、本実施形態に従って接着表面50を含む医療デバイスの壁の大きな部分によって患者の皮膚に固定されるよう適合される。
図5eは、連結器80内のインセットのポートが、第1のバルブ部材38aと第2のバルブ部材38bとの間に配置されるスルースチャンバを取り囲む第1のバルブ部材38a及び第2のバルブ部材38bを備えるエアロックスルース18で置換されている場合の、図5dと同一の実施形態による医療デバイス0を示す。エアロックスルース18は、周囲環境Aからチャンバへの物体の移動、及びその逆を可能にするために使用できる。
図5fは、患者の皮膚Sの切開部が、第1の連結器80aに係止された手袋2を備えるインセット42を用いてどのようにして外科医によって形成されるのかを示す。第2の連結部80bは真空密閉部材5’を含む密閉デバイスを用いて固定され、密閉される。図5fに示す医療デバイスは、患者の身体の中に部分的に設けられる、患者の皮膚の切開が終わるまで取り付けることのできない第2の密閉部材35;36を更に備える。開示されている2つの異なる密閉部材5’;35;36は、いくつかの実施形態では密閉部材のうちの1つだけによって、又は本明細書の他の部分に開示されている接着密閉部材又は圧力密閉部材等の異なる密閉部材によって置換できる。第1の連結器80aは、外科医が患者の身体の内側にアクセスできるように開かれてよい、又は医療デバイスの壁1によって取り囲まれるチャンバCから患者の身体を分離するために閉じられてよいアイリスバルブ86を備える。
図5gは、第2の密閉デバイス35、36、37が患者の皮膚の切開部切れ目に配置されている場合の、医療デバイスを示す。チャンバCを取り囲む壁1は、例えば標本を除去する又は膝関節に人工補綴物部品を配置するために等、患者の身体の中で異なる角度により良くアクセスできるようにするために第1の連結部80aを第2の連結部80bに対して移動できるようにする弾性又は可撓性である。図5fの実施形態は、チャンバが周囲環境及び患者のキャビティのうちの少なくとも1つから密閉されるように連結器80aを閉鎖するために第1の連結器80aに配置されるアイリスバルブ86を更に備える。アイリスバルブ86の閉鎖は、圧力及び/又は密閉された環境が患者の身体の中で維持できるのと同時に、チャンバC内で圧力を維持することなくチャンバCの中に活動を可能にする。
図5hは、患者の身体内の切開部切れ目に少なくも部分的に配置されるよう適合される医療デバイス0を示す。医療デバイスは、相互接続されるよう適合される第1の連結器及び第2の連結器80a;80bを備える。第1の連結器80aは、第2の連結器80bから切断されるよう適合され、第1の連結器80aは可撓性壁1の第1の部分に接続され、第2の連結器80bは可撓性壁1の第2の部分に接続される。可撓性壁1は、密閉された環境を維持できるチャンバを形成し、チャンバCは、第1の連結器80aが第2の連結器80bから切り離されるとかなり拡張され、従って壁1に取り囲まれたチャンバの中に手術空間を生成する。第1の連結器80a及び第2の連結器80bは、インセット42b;42c、エアロックスルース18又は(開示されたマルチポート48等の)ポートをロックするためのラッチシステムを備える。インセット42は、例えば、患者の身体の中で若しくは取り囲まれたチャンバの中での手技用の手袋2を備えるインセット42b、又はチャンバ内部で器具若しくは医療デバイスを保持するための器具取付口つまりデバイス取付口20を備えるインセットであってよい。代わりに、インセット42b;42cは、第1のバルブ部材38a及び第2のバルブ部材38b、又はチャンバ若しくは患者の身体のキャビティの中への手術用器具89若しくはカメラ88の挿入を可能にする複数のポートを備える、マルチポート48等のポート付きのエアロックスルース18で置換できる。
図5hに示す実施形態では、医療デバイスは、真空導管6に接続される真空固定部材5’を用いて患者の身体に固定され、真空導管6は同様に真空源に接続される。更に図5hの医療デバイスは、皮膚Sで形成される切開部の周囲の患者の皮膚Sの内側に位置決めされるよう適合される身体内リング35の形態の第1の密閉部材と、上記切開部の周囲の患者の皮膚Sの外側に位置決めされるよう適合される外側リング37の形態の第2の密閉部材とを有する第2の密閉デバイス、並びに身体内リング35及び外側リング37を密閉状態で相互接続するばね式の又は弾性の接続部材36を備える。ばね式の又は弾性の接続部材36は、第2の連結部80b及び患者の皮膚のうちの少なくとも1つ、身体内リング35並びに患者の組織の間を密閉する。図5hに示すように、外科医は患者の身体の中に腹腔鏡器具を挿入するために第1の連結器80aに配置されたマルチポート48を使用できる。
図5iは、図5hに示す実施形態に非常に類似している実施形態におけるポートを示し、その違いは、壁1’がベローズ構造を有し、従ってその空気が抜かれた状態にあるときにより少ない空間を占有するという点である。ベローズ構造は、壁1’を小さなパッケージの中に梱包し、従って処置を妨害しないようにできる。いくつかの用途では、壁は、処置のなんらかの部分がうまくいかず、腹腔鏡手術から直視下手術への変換が必要とされるとき等、非常に特殊な機会又は緊急時にだけ使用できる。次いで、チャンバは圧力を保持できるため、膨張させたチャンバの使用は、患者内のキャビティの圧力を維持できるようにする。図5iは、患者の身体内のキャビティの目視検査を可能にするために患者の皮膚に配置されるカメラ65も示し、上記カメラはポート及び密閉された環境の外側に配置される。
図5jは、医療デバイス0が、壁1に一体化された手袋2と、医療デバイス0の外側で皮膚Sに配置されるカメラ65とを備える、医療デバイス0の実施形態を示す。医療デバイス0は、患者の皮膚Sの切開部を通して患者の膝の部位内に配置されるトロカール92を更に備える。手術用器具89は、医療デバイスの壁1の自己密閉膜43を通り、更に患者の皮膚Sの切開部に配置されるトロカール92を通り、患者の身体のキャビティの中に移動する。図5jは、手袋2を使用してチャンバC内で外科医がどのようにして膝を処置するのかを概略で示す。
図5k、5lは、外科医が医療デバイスの壁1に一体化された手袋2を使用して患者の膝から標本81を除去する場合の、医療デバイスを示す。
図5mは、標本81を一体化された手袋の内部に入れることができるように、外科医が一体型手袋2を裏返した場合の、医療デバイス0を示す。手袋2の内側の標本81を隔離することによって、標本81は、患者の身体の残りの部分及び周囲環境の両方から除去され、これにより、患者の身体の他のいかなる部分又は医療スタッフを感染症に感染させるリスクがなくなる。
図5nは、図5jを参照して開示された実施形態に類似した実施形態を示し、その違いは、医療デバイスが患者の股関節に対して処置を実施するために適合されている点である。
図5oは、医療デバイスが壁1に一体化された手袋2及び医療デバイスの外側の皮膚Sに配置されるカメラ65を備える医療デバイスの実施形態を示す。医療デバイスは、医療デバイスのチャンバCの内側で患者の皮膚Sを通して、患者の膝の部位の中に配置されるトロカールを更に備える。図5oは、外科医が手袋を使用してどのようにして密閉された環境で膝を処置するのかを示す。
図5pは、医療デバイス0が患者の皮膚Sに配置され、これにより密閉された環境を生成するためにチャンバCを取り囲む壁1を備える実施形態による医療デバイス0を示す。医療デバイス0は、2つのトロカール92a;92bを更に備え、一方92は医療デバイス0の壁1と患者の皮膚Sの両方を通って移動し、従って1つの単独のトロカールによって、腹腔鏡ツールを医療デバイス0の壁1と患者の皮膚の両方を通して患者の中に挿入することを可能にする。他方のトロカール92bはチャンバCの内側に配置され、患者の皮膚Sを通して腹腔鏡ツールを挿入することを可能にする。内視鏡器具は、本実施形態では、ツール92bに対して密閉する壁の膜43を通して壁1によって取り囲まれるチャンバCの中に挿入される。
図5qは、図3a〜3eに示す実施形態に類似し、その特徴と組み合わせることが可能な実施形態における医療デバイスを示す。その違いは、医療デバイス0の壁1がチャンバC内に延在する細長い管状のエンクロージャを形成するのではなく、代わりに壁1が患者の体肢がそれを通して挿入される穴97を備える点である。穴97は、導管10を用いて分散される液圧力又は空気圧力を用いて皮膚を押す加圧密閉部材5’’によって患者の皮膚に対して密閉するよう適合される密閉デバイスにより周囲を囲まれている。壁1は、例えばジッパーとして設計される図5qに示す、密閉デバイス及び閉鎖デバイスを備える壁の接続部分72を用いて開くことができることによって、患者の体肢(この場合は脚の周囲に配置される。
図5rは、その開放状態にあるときの、図5qに示す実施形態に類似した実施形態による医療デバイスを示す。図5qに示す実施形態と図5rに示す実施形態との違いは、図5rに示す医療デバイスが、閉じる内側壁、つまり壁1の一部であり、医療デバイスが組み立てられるときに患者の皮膚から医療デバイスのチャンバを分離するよう適合される層71を備える点である。医療デバイスは、医療デバイスが組み立てられるときに患者の体肢を包囲するよう適合される真空5’密閉部材又は圧力5’’密閉部材を備える。壁1の異なる部分の間の接続部分72は、図5qだけではなく図5rでも、チャンバを形成するために壁1の部分を互いに接続するために適合されるジッパー19として設計される。
図5sは、本書に示す他の実施形態に類似した実施形態における医療デバイス0を示し、その違いは、医療デバイス0が、液体を用いる関節鏡下処置を実施できる液体操作環境が形成されるように液体を含むよう適合されるという点である。図5sに示す実施形態は、医療デバイス0が関節鏡下股関節処置のために適合され、人工補綴物部品及びツールが壁1内のチャンバCの内側に、従ってチャンバCの内側の液体の中に事前に配置される実施形態で示す。
図5tは、図5sに示す実施形態に類似した実施形態による医療デバイス0を示し、その違いは、システムがチャンバCの内側で流体を循環させるために提供される点である。液体システムは、液体をチャンバCの中に注入するための流入口30、及びチャンバC内部の液体が循環できるようにするための流出口31を備える。
図5Uは、図5tに示す実施形態と類似する実施形態による医療デバイス0を示し、その違いは、チャンバCが液体を保持するよう適合されるのではなく、むしろCO2ガス等のガス状流体を保持するよう適合される点である。
図6aは、医療デバイス200の壁201が膨脹可能であり、医療デバイス200がその膨張した状態にあるときの実施形態における医療デバイス200を示す。チャンバCは空気が抜かれているとき、つまり、第1の連結器280a及び第2の連結器280bが相互に接続されるとき、チャンバCは第1の容積を有し、チャンバCが膨張して第1の連結器280aが第2の連結器280bから切断されている時、チャンバCは第2の容積を有し、第2の容積は第1の容積よりも大きい。図6aに示す実施形態に従って、第2の容積は500000mm3よりも大きい。図6aに示す実施形態に従って、チャンバCは膨脹可能な壁201によって形成され、大気圧を超える圧力を保持するよう適合される。
図6a〜6gに示す実施形態に従って、チャンバCは、身体の他のいかなる部分も汚染せず、処置が終了するまで標本の除去を遅延する可能性を生成するために、患者の身体の中から除去された標本281を保持するためのパウチ282を更に備える。パウチ282は、チャンバCの中に除去された標本281を隔離するためにチャンバCの中でパウチチャンバを形成するために閉じることができるパウチ282であってよい。
図6aでは、患者の皮膚Sの切開部Iが、第1の連結器280aに係止され、チャンバCの中での手技を可能にする手袋202を備えるインセット242を用いて外科医によって形成されている状態を示す。患者の身体の中に部分的に設けられる密閉デバイスは、患者の皮膚の切開が終了するまで取り付けることができないため、第2の連結器280bは真空密閉部材205’によって固定され、密閉される。開示されている2つの異なる密閉デバイスは、いくつかの実施形態では、密閉デバイス、又は本明細書の他の部分に開示されている圧力密閉デバイスの接着剤等の異なるシールのうちの1つだけによって置換されることがある。
図6bは、第2の密閉235、236、237が患者の皮膚Sの切開部I切れ目に配置されているときの医療デバイスを示す。チャンバCを取り囲む壁201は、外科医が、例えば標本281を除去するために等、患者の身体の中で異なる角度により良くアクセスするために第2の部品231aを第1の部品231bに対して移動できるようにする弾性又は可撓性である。図6bの実施形態は、チャンバCが周囲環境A及び患者のキャビティのうちの少なくとも1つから密閉されるように、第2の下側連結器280bの穴を閉鎖するために第2の連結器280bに配置されるアイリスバルブ286を更に備える。アイリスバルブ286の閉鎖は、圧力及び/又は密閉された環境が患者の身体の中で維持できるのと同時に、チャンバC内で圧力を維持することなくチャンバCの中でキャビティを維持することを可能にする。
図6cは、手袋202を備えるインセット242が取り外され、複数のポートを備える身体マルチポート248によって置換されるときの図6a、6bによる医療デバイスを示す。マルチポートは、手術用器具289を使用して膨らんだ医療デバイスのチャンバCの中で、又は(図6dに示すように)第1の連結器及び第2の連結器が接続されているときに、ヒトの患者の身体の中で物体を操作するために使用され得る。
図6dは、手術用器具289を患者の身体の中で処置するために使用できるように、第1の連結器及び第2の連結器280a;280bが接続されるときの医療デバイスを示す。内視鏡カメラ288は、患者の身体内のキャビティの目視検査を可能にするためにマルチポート248に設けられてよい。腹腔鏡的に患者の腸から標本281を切除するプロセスが図6dに示す。第1の連結器280aは、第1の連結器280aの凹部(図6cの234)を係合する第2の連結器280bの突出部材(図6cの233)によって第2の連結器280bに接続される。
図6eでは、手袋202を備えるインセット242が、外科医が患者の身体のキャビティの中で、及び医療デバイスの壁201によって取り囲まれるチャンバCの中で手術できるようにするために上側連結器280aに固定されている。ひだ状部分203を備える手袋202を備えるインセット242によって、外科医は、前のステップで腸から切開された標本281を除去するために患者のキャビティの中に達することができる。
図6fは、手袋202を備えるインセットを下側連結器280に対して移動できるように医療デバイスの壁201が折り畳み可能であることを示し、このことは、外科医に患者の腸からはがれた標本281を除去するときに追加の自由を与える。
図6gは、標本281が身体の他のいかなる部分も汚染しないように、除去された標本281をパウチ282の中に入れるステップを示す。パウチ282は、チャンバCの中に除去された標本281を隔離するためにチャンバCの中でパウチチャンバを形成するために閉じることができるパウチ282であってよい。
図6hは、患者の身体の切開部切れ目に少なくとも部分的に配置されるよう適合される医療デバイス200を示す。医療デバイス200は、相互接続されるよう適合される第1の連結器280a及び第2の連結器280bを備える。第1の上側連結器280aは、第2の下側連結器280bから切断されるよう適合され、第1の上側連結器280aは可撓性壁201の第1の部分に接続され、第2の下側連結器280bは可撓性壁201の第2の部分に連結される。可撓性壁201は、密閉された環境で維持できるチャンバCを形成し、チャンバCは、第1の連結器280aが第2の連結器280bから切り離されるとかなり拡張され、従って壁201に取り囲まれたチャンバの中に手術空間を生成する。第1の280a連結器及び第2の280b連結器は、第1の連結器280aにインセット242又は壁ポートをロックするためのラッチシステムを備える。インセット242b;242cは、例えば、患者の身体の中で若しくは取り囲まれたチャンバの中での手技用の手袋2、又はチャンバ内部で器具若しくは医療デバイスを保持するための器具取付口、即ちデバイス取付口220であってよい。代わりに、インセット242b;242cは、患者の身体のキャビティの中への手術用器具289若しくはカメラ265の挿入を可能にする、第1のバルブ部材238a及び第2のバルブ部材238b、又は図6hに示す壁マルチポート248等の壁ポート217付きの、エアロックスルース218で置換できる。
図6hに示す実施形態では、医療デバイスは、真空導管206に接続される真空固定部材205’を用いて患者の身体に固定され、真空導管206は同様に真空源に接続される。更に図6hの医療デバイスは、皮膚で形成される切開部の周囲の患者の皮膚Sの内側に位置決めされるよう適合される身体内リングの形態の第1の密閉部材235と、上記切開部の周囲の患者の皮膚の外側に位置決めされるよう適合される外側リングの形態の第2の密閉部材237とを有する第2の密閉デバイス、並びに第1の密閉部材235及び第2の密閉部材237を密閉状態で相互接続するばね式の又は弾性の接続部材236を備える。ばね式の又は弾性の接続部材236は、下側連結部280b及び患者の皮膚Sのうちの少なくとも1つ、第1の密閉部材235並びに患者の組織の間を密閉する。
図6iは、図6hに示す実施形態に非常に類似しているが、壁201’がベローズ構造を有し、従ってその空気が抜かれた状態にあるときにより少ない空間を占有するという相違点がある実施形態におけるポートを示す。ベローズ構造は、壁201’を小さなパッケージの中に梱包し、従って処置を妨害しないようにできる。いくつかの用途では、壁は、処置のなんらかの部分がうまくいかず、腹腔鏡手術から直視下手術への変換が必要とされるとき等、非常に特殊な機会又は緊急時にだけ使用できる。次いで、チャンバは圧力を保持できるため、膨張させたチャンバの使用は、患者内のキャビティの圧力を維持できるようにする。カメラ265も図6iに示され、医療デバイスの外側に配置され、内科患者内のキャビティの目視検査を可能にする。
図7は、患者の身体と共にチャンバCを形成するために患者の身体の上に少なくとも部分的に適用されるよう適合される壁801を備える医療デバイス800を示し、その中では実施される外科的処置のちの部分を包囲するために密閉環境を維持できる。医療デバイスは、壁801の一部分に配置される上側連結器880a、患者の身体の切開部に配置される下側連結器880bに配置される閉鎖可能な身体ポート822を更に備え、医療デバイス800は、壁801に接続され、患者の皮膚に対して密閉するよう適合される密閉デバイス805を更に備える。図7に開示されている密閉デバイスは、患者の皮膚に付着するよう適応された接着表面850を備える。
上側連結器880aは、連結器880aにおいて第1の物体から(壁ポート又は壁インセット等の)第2の物体へ変化するときに連結器880aを閉じるためのバルブ838を備える。図8に示す実施形態に従って、医療デバイスは患者の皮膚の内側に位置決めされるよう適合される1つの身体内リング835、及び患者の皮膚の外側に配置されるよう適合される1つのリング837を備える開創器を備える。身体内リング835と、患者の皮膚の外側に配置されるよう適合される上記リング837との間には、皮膚を開創するために切開部の切断表面の圧力を印加し、これにより創傷を開いたままにしておくよう適合される開創器膜836が位置決めされる。開創器膜836は、好ましくは弾力性又は弾性ポリマー材料から作製される。患者の皮膚の外側に配置されるよう適合されるリング837は、創傷を開いたままにしておくために開創器膜836に対する適切な圧力を生成するよう適合されるばね式のロールアップシステムであってよい一体化されたロールアップシステム846を備える。下側連結器880bは、いくつかの実施形態では、周囲環境から密閉された環境を分離する壁801の一体部分である剛性部品に固定される。連結器880aは、そ内の中心に置かれる物体を解放するための解放レバー839を備える。レバー839は、物体のポートの凹部つまり溝834を固定するために後部からばねで留められる832、突出ラッチ部材833に接続される。他の実施形態では、医療デバイス800は、異なる設計の開創器836を設けられる、又はまったく何も設けられない。
図8は、真空導管806を介して真空ポンプ808に接続される真空密閉部材805’を用いて患者の皮膚に固定されるときの図7に示す医療デバイス800を示す。真空密封部材805’は、大気圧未満の圧力を保持する真空密閉部材805’を用いて医療デバイスと患者の皮膚Sとの間をするよう適合される。密閉された環境はここでは大気圧を超える圧力を保持するよう適合され、ここでは圧力タンク812である圧力源に接続される流体導管810を通して膨らむよう適合される。医療デバイスは、キャビティ内の視認性の高めるために、患者の腹部を膨張させ、それにより形成できるように大気圧を超える密閉環境内の圧力を保持するよう適合される。他の実施形態では、真空密閉部材805’は、患者の皮膚Sに接続されるよう適合される接着部分によって支援される、又は置換されることがある。
図9aは、医療デバイス800の上側連結器880aが第1の位置及び第2の位置にあってよい実施形態における医療デバイス800を示し、第2の位置は図9aに開示され、一方第1の位置は患者の皮膚により近く位置し、図9bに開示されている。医療デバイスは、例えば、直視下手術と腹腔鏡手術との遷移が必要とされる外科的処置で使用できる。医療デバイス800は、第1の位置が、患者の身体の中でのさらなる手の届く範囲のための腹腔鏡トロカール又は手のアクセスの使用を可能にできる一方、壁ポート831aが、医療デバイス800のチャンバCの中での外科医のより大きな運動の自由を可能にするために身体ポートにロックされるように第2の位置に配置できる。医療デバイスは、例えば、外科的処置で使用するために医療デバイス800を準備するために、密閉された環境での手技が必要とされる実施形態で更に使用できる。他の用途は、例えば、外科医が、腹腔鏡手術が終了後に患者の身体から標本を除去することを希望することがある。腹腔鏡手術は、これらの例では、医療デバイス800が(図9bに示すように)第1の位置にあり、患者の皮膚Sに近い状態で実施され、その後医療デバイス800は、患者の身体から標本を除去し、周囲環境に接触することなく、及び腹腔鏡手術で通常腹部を充填する圧力の解放なしに、医療デバイス800のチャンバCの中に入れることができるために第2の位置に配置できる。図9a〜11に示す実施形態に従って、壁801は、第1の位置と第2の位置との間での移動を可能にするように折り畳み可能である。下側連結器880bは、上側連結器880aを解放する、及び/又は下側連結器880bにロックするためのレバー839を備える。医療デバイス800は、真空密閉部材805を用いて患者に固定される、図9aに示す実施形態に従っている。
図9bは、第1の位置にロックされる、つまり、上側連結器880aが下側連結器880bにロックされるときに医療デバイス800を示す。一体化された手術用手袋802は、ここで患者の身体の中で大きな自由をもった手技を可能にする。医療デバイスは2つのレバー839a、839bを備え、第1のレバー839aは上側連結器880aに接続され、インセット842又は(ここでは手術用手袋802を備える壁インセット842aである)ポートを上側連結器880aにロックするよう適合され、一方第2のレバー839bは上側連結器880aを下側連結器880bにロックするために下側連結器880bに接続される。医療デバイス800は、上から見られるときに円形である、図9a〜11に示す実施形態に従っており、これにより医療デバイス800は、第1の位置に配置されるときにドーナツ状となる。
図10は、第1の位置にロックされるとき、つまり、上側連結器880aが下側連結器880bに連結されるときの医療デバイス800を示す。図7〜9bに示す実施形態を参照して開示されている一体化される手術用手袋802は、例が図10に示す複数の異なる物体によって交換できる。図10は、周囲環境からエアロック818を分離する第1のバルブ部材838a、及びチャンバCの密閉された環境からエアロック818を分離する第2のバルブ838bを備えるエアロック818を示す。エアロック818は、第1のバルブ838aと第2のバルブ838bとの間に設けられ、例えば医療デバイス800を密閉された環境の中に通すために、又は密閉された環境の中から標本又はサンプルを通過させるために使用できる。図10は、例えば手術用器具及び/又はインプラントの一部を保持するよう適合できるデバイス取付口つまり器具取付口820を備えるインセット842cを更に示す。インセットは、代わりに、(上側連結器880aの位置決めに依存することがある)内視鏡壁又は身体ポートと交換できる。医療デバイス800は、接着表面850を備える医療デバイス800の大きな部分によって、及び真空密閉部材805’を用いて患者の皮膚Sに固定されるよう適合される本実施形態に従っている。
図11は、図7〜10を参照して更に開示されている、壁ポート831aの上部連結部が身体ポート831bの下側連結器にロックされた状態でその第1の位置にあるときの医療デバイス800を示す。医療デバイス800は、2つのレバー839a及び839bを備え、この場合の第1のレバー839aは、手術用手袋802を備えるインセット842aを上側連結器880aにロックし、上側連結器880aを下側連結器880bにロックする。
図12は、例えばインセット又はポートであってよいリング形状の物体を固定するための上部連結器980a、中央連結器980b及び下部連結器980cを備える医療デバイス900を示し、リング形状の物体は例えば手術用手袋902又はデバイス取付口/器具取付口を備えるインセット942となることがあり、ポートは、図4a、4bを参照して開示されている自己密閉ポート等の内視鏡ポート又は手アクセスポートであってよい。連結器980a;b;cは、物体を解放するための解放レバー939を備える。レバー939は、物体の凹部つまり溝934を固定するために後部からばねで留められる932である突出ラッチ部材933に接続される。図12に開示されている実施形態では、下側連結器980cに固定されるインセット942は、患者の身体の中で手技を可能にする手術用手袋902である。図12に示す医療デバイスは、上側連結器980aが使用されていないとき、上部連結部980aの開口を閉鎖するよう適合されるバルブ部材938を更に備える。上側連結器980aは、例えば、医療デバイス900内での手技及び準備のために使用することができ、これにより器具の準備若しくは交換、又は体内移植用のインプラントの準備に必要となることがある。下部連結部980cは、例えば患者の身体の中での腹腔鏡操作、又は例えば標本を除去するため、若しくはインプラントを位置決めするため等の手技のために使用される。上側連結器980aは、チャンバCが密閉されるように連結器980aの穴を閉鎖するためのバルブ938を備える。医療デバイス900は、壁部分901’に配置され、バルブ938’を備える中間連結器980bを更に備える。上側連結器980a及び中間連結部980b内のバルブ938は、チャンバCの部分を形成するエアロックスルース918を共に形成する。エアロックスルース918は、チャンバCから第1のバルブ938’を通ってスルース918の中に、更に第2のバルブ938を通って密閉された環境の外側の周囲環境への物体の可逆通過を可能にし、逆の場合も同じであり、これにより汚染のリスクが削減される。第1のバルブ938’は、物体が通過するために開放されるよう適合され、一方第2のバルブ938はそれ自体で閉じたままとなり、このようにして物体は第2のバルブ938を通過せず、このことが、物体がエアロックスルース918のチャンバCから、作動領域の部分であるチャンバCへ通過する間に医療デバイスを密閉できるようにする。
図13は、例えばインセット又はポートであってよいリング形状の物体を固定するための上部連結器1080a及び下部連結器1080bを備える医療デバイスを示し、インセットは、例えば手術用手袋1002を備えるインセット1042、又はデバイス取付口/器具取付口を備えるインセットである。ポートは、図4a、4bを参照して開示されている自己密閉ポート等の内視鏡ポート又は手アクセスポートである。連結器は物体を解放するための解放レバー1039を備える。レバー1039は、物体の凹部つまり溝1034を固定するために後部からばねで留められる1032であるラッチ突出部材1033に接続される。図13に開示されている実施形態では、下側連結器1080bに固定されるインセット1042は、患者の身体の中での手技を可能にする手術用手袋1002を備える。図13に示す医療デバイスは、上側連結器1080aが使用されていないときに、上側連結器1080aの開口を閉鎖するよう適合されるバルブ部材1038を更に備える。上側連結器1080aは、例えば、医療デバイス1000内での手技及び準備のために使用することができ、これにより器具の準備若しくは交換、又は体内移植用のインプラントの準備に必要となることがある。下側連結器1080bは、例えば、患者の身体の中での内視鏡操作、又は例えば標本を除去する又はインプラントを位置決めするための手技に使用される。
図14は、手袋1102を備えるインセット1142が上側連結器1180aに配置され、除去され、壁/ここでは、複数のポートを備えるマルチポートの形の身体ポート1117;1122によって置換されるときの手術用ポートを示す。上側連結器1180aは、このようにして壁ポートを形成する。壁ポート1117は、(図15に示すように)第1の上側連結器1180a及び下側連結器1180bが接続されるときに、手術用器具1189を使用して膨らんだ医療デバイスのチャンバCの中で、又はヒトの患者の身体の中で物体を操作するために使用されてよい。
図15は、上部及び下側連結器1180a;bが接続され、手術用器具1189が患者の身体の中で操作するために使用できるように相互接続されたポートを形成するときの医療デバイスを示す。内視鏡カメラ1165は、患者の身体内のキャビティの目視検査を可能にするための身体ポート1122に設けられてよい。腹腔鏡的に患者の腸から標本1181を切除するプロセスが図15に示す。
図16は、壁ポート1117が上側連結器1180aに接続され、身体ポート1122が下側連結器1118bに接続される医療デバイスの代替実施形態を示す。上側連結器及び下側連結器1180a;1180bは、壁ポート1117及び身体ポート1122が接続され、相互接続されたポート1147を形成するように磁気接続部材1133’a、1133’bを用いて接続される。第1の及び第2の部品は、それぞれ、第1の部品1131b及び第2の部品1131aに配置されるマルチポートインセットで1134で溝の形態の凹部に係合するよう適合される突出ラッチ部材1133を備えるラッチシステムを備える。マルチポートインセットは、非圧縮状態では密閉を提供し、圧縮状態では手術用器具を膜を通して挿入できるようにするよう適合される弾性膜1143a、1143bを備える。第2の部品1131aの弾性膜1143a及び第1の部品1131bの弾性膜1143bは、それらが、非圧縮状態で密閉を提供し、圧縮状態で、器具1189を膜1143a、1143bを通って挿入できるようにするよう適合される単一の弾性膜の機能を果たすように互いに緊密に配置されるよう適合される。弾性膜は、器具1189が移動する複数の自己密閉穴1144を備える。膜1143a、1143bは、器具をぴったりと包囲し、従って患者のキャビティと周囲環境との間のシールを維持する。図16に示す実施形態に類似した代替実施形態では、上記第1の部品及び上記第2の部品のうちの少なくとも1つは侵入可能な自己密閉ゲルを備え、これにより物体又は手はシールを維持しながら手術用ポートを通して挿入できる。ほぼ図16の実施形態においてのように、第1の部品1131bは第1の侵入可能自己密閉ゲルを備え、第2の部品1131aは第2の侵入可能自己密閉ゲルを備えてよい。第1の及び第2の侵入可能自己密閉ゲルは、それらが、非圧縮状態で密閉を提供し、圧縮状態でシールを維持しながら手又は物体を自己密閉ゲルを通して挿入できるよう適合される単一の侵入可能自己密閉ゲルの機能を果たすように、互いに緊密に配置されるよう適合されてよい。
図17aは、第1の位置にロックされるとき、つまり上側連結器1131aが下側連結器1131bにロックされるときの医療デバイス1100を示す。一体化された手術用手袋1102は、ここで患者の身体の中での大きな自由をもった手技を可能にする。医療デバイスは2つのレバー1139a及び1139bを備え、第1のレバー1139aは上側連結器1180aに接続され、(ここでは手術用手袋1102である)物体を連結器1180aにロックするよう適合され、一方第2のレバー1139bは、上側連結器1180aを下側連結器1180bにロックするために下側連結器1180bに接続される。医療デバイス1100は、上から見られるときに円形の図17a〜17bに示す実施形態に従っており、これにより医療デバイス1100は、第1の位置に配置されるときにドーナツ状となる。
図17bは、上側連結器1180aが下側連結器1180bにロックされているときの物体の交換を示す。手術用手袋1102を備える上記物体は除去され、例えば外部環境と医療デバイスのチャンバとの間で物体を移動するためのエアロック1118によって置換できる。エアロック1118は、エアロック1118の各側面に内側壁1138b及び外側壁1138aを備え、エアロック1118内で物体を取り囲むことを可能にする。手術用手袋1102が交換できる物体の別の例は、ここでは腹腔鏡手術を実施するための腹腔鏡ポートを備える身体マルチポートとして示すポートデバイス1122である。いくつかの実施形態(不図示)では、上側連結器及び/又は下側連結器は、物体を交換する必要があるときに連結器の開口を閉じるためのバルブ部材を備え、上記バルブ部材は例えばフラップバルブであってよい。
図18a〜18eは、医療デバイスが壁1101の底部部分を備えていない、つまり壁部分が患者の皮膚に接触し、医療デバイスの壁にチャンバCを完全に被包させる医療デバイスの実施形態を示す。図18a〜18eに示す実施形態では、チャンバCは患者の皮膚に垂直の円形の断面を有する。ただし、他の実施形態では、医療デバイスが異なる形状を有する断面を有することが等しく考えられる。
図18aは、外科的処置の部分を包囲するために、患者の皮膚Sと共にチャンバCを取り囲むよう適合される壁1101を備える、外科的処置を実施するための医療デバイスを示す。壁ポート1131aは、(図18aに示す手袋インセット1102等の)インセットを位置決めできる壁1101に配置される。医療デバイス1100は、壁1101に接続され、患者の身体に対して密閉するよう適合されるシール1105’を更に備え、これによりチャンバCは壁1101及び患者の身体によって形成される。図18aに示す実施形態では、医療デバイスは患者の皮膚Sと真空シール1105’との間で、大気圧未満の圧力を維持するよう適合される真空シール1105’を備え、患者の皮膚Sに向かって密閉することによってチャンバCを密閉する。代替実施形態では、真空シール1105’は圧力シールと患者の皮膚Sとの間で大気圧を超える圧力を保持して、患者の皮膚Sに向かって密閉することによってチャンバCを密閉するよう適合される圧力シールによって置換されてよい、又は支援されてよい。
図18bは、好ましくは透明の可撓性材料から作製される壁1101が壁ポートによって圧縮され、患者の皮膚Sの切開部に配置される身体ポートにより近く移動されるときの図18bを参照して説明される実施形態の医療デバイス1100を示す。壁1101は、チャンバCに流体を供給するための流入口1130を備え、壁1101は、チャンバCが流体によって膨らむように大気圧を超えるチャンバC内の圧力を保持するよう適合される。腹腔鏡手術では、患者内部のキャビティは、腹腔鏡手術を目視検査下で実施できる領域を生成するために加圧流体を用いて膨張させられる。チャンバCが大気圧を超える圧力を保持するよう適合されるため、患者の皮膚の切開が実施されたとしても患者のキャビティ内の圧力は維持できる。代替実施形態では、医療デバイスは、チャンバCから流体を排出するための壁1101に設けられた流体流出口を更に備え、その場合、医療デバイスは流出口から流入口に流体を循環させるよう適合されるポンプを備えてよい。流入口1101は、チャンバCに供給される流体を濾過するための濾過ユニット、チャンバCに供給される流体を直接的に又は間接的に滅菌するための滅菌部材、チャンバCに供給される流体の温度を変更するよう適合される流体温度調節デバイスのうちの少なくとも1つに更に接続されてよい。
図18bに示す実施形態では、身体ポートは突出部材1133を備え、壁ポートは突出部材1133を受承するよう適合される溝の形態の凹部1134を備える。突出部材1133は、身体ポートに壁ポートをロックするための溝1134を係合するよう適合される。突出部材1133は、壁ポートを、接続後、身体ポートから迅速に放すことができるように突出部材1133を操作するためのレバー1139に接続される。
図18cは、壁ポートに固定される手袋インセットに位置決めされる手袋1102を用いた患者のキャビティ内での手技を可能にする、患者の身体内の切開部切れ目に配置される身体ポートに壁ポートが着脱自在に接続される場合の、医療デバイスを示す。壁ポートは、壁ポートの溝1134に係合する身体ポートの突出部材1133によって身体ポートにロックされる。チャンバCは、壁ポートが身体ポートに接続されるときにより小さい容積を有する。図18cに示す実施形態に従って、より小さい容積は100000mm3より小さいが、他の実施形態では、より小さい容積は50000mm3、150000mm3より小さい、250000mm3より小さい、又は350000mm3より小さいのうちの1つより小さくてよい。一方、(図18aにおいてのように)壁ポートが身体ポートから切断されるときのより大きな容積は、チャンバCの中で手技を行うことをできるようにするために500000m3よりも大きい。
図18dは、壁ポートが身体ポートに接続され、図18cに示す手袋1102が、患者の身体の内側への2つの平行な物体の通過を可能にするよう適合されるマルチポートインセット1122、又は患者のキャビティとエアロックスルースのチャンバとの間をする第1のバルブ1138bと、エアロックスルース1118と周囲環境との間をする第2のバルブ1138aとを備えるエアロックスルース1118のいずれかによって置換され、これにより患者のキャビティを、物体が周囲環境からキャビティに移動される際であっても常に密閉できる場合の、医療デバイスを示す。
図18eは、壁ポートと身体ポートの両方が円盤状の自己密閉膜1143a、1143bを備えるときの実施形態を示す。身体ポートでは、自己密閉膜はポートの上部に位置決めされるのに対し、壁ポートでは、膜1143aは壁ポートの底部に位置決めされる。自己密閉膜1143a、1143bは、器具1188を自己密閉膜1143a、1143bを通して挿入できるように小さい自己密閉穴1144を有する。例えば、自己密閉膜1143a、1143bは、ゲルタイプの材料から作製してよい。壁ポート、及び身体ポートは壁ポートが接続されるときに一体化したポートを形成してよく、膜1143a、113bは、器具1189が一体化されたポートで(第1の膜及び第2の膜1143a、1143bから作製される)一体化された密閉膜に係合するように互いと接触する。ポートが2つの離間された膜を有すると、上記2つの膜は器具1189を単一の一体化された膜として働く上記2つの一体化された膜よりも遠くに移動する能力を減ずる。密閉膜1143a、1143bは、非拡張状態でシールを提供し、拡張状態で膜1143a、1143bを通して器具1189を挿入できるよう適合される。
図18eは、身体ポート用の固定/密閉デバイスを更に示す。上記固定/密閉デバイスは、皮膚で実施される切開の周囲の患者の皮膚の内側に位置決めされるよう適合される身体内リング1135である第1の密閉部材1135、切開部の周囲の患者の皮膚の外側に位置決めされるよう適合される外側リング1137の形態の第2の密閉部材1137、並びに第1の1135密閉部材及び第2の1137密閉部材を密閉状態で相互接続する開創器膜1136の形態のばね式の又は弾性の接続部材1136を備える。ばねで留められる又は弾性の接続部材1136は身体ポートと患者の組織との間をする。固定/密閉デバイスは、更に皮膚を開創し、これにより切開部を開いたままにする。開創器膜1136は、好ましくは弾力性又は弾性のポリマー材料から作製される。外側リング1137は、ばねで留められ、切開部を開いたままにするために開創器膜1136に対する適切な圧力を生成するよう適合されてよい一体化されたロールアップシステム1146を備える。
図18fは、壁ポート1131aが、壁1131aの凹部1134(溝)から切り離されているレバー1139に接続される突出部材1133によって身体ポート1131bから切断され、これにより外科的処置の追加ステップが医療デバイス1100のチャンバCの内部で実施できる場合の、医療デバイス1100を示す。例えば、切断は、標本が患者のキャビティから除去され、キャビティから除去されるべきである場合に必要となり得る。図18fに示す実施形態では、標本は、外科的処置が終了される間にチャンバCに位置決めされてよく、これによりチャンバCの環境は、標本が患者内のキャビティから除去される必要があるときに周囲環境から密閉されたままとなることがある。代替実施形態では、壁1101は、チャンバCの中に標本を保持するためのパウチを更に備えてよい。上記パウチは閉鎖可能なパウチであってよく、これにより除去された標本をチャンバCの中に隔離するためにパウチ‐チャンバを形成できる。
図18gは、医療デバイスが、患者の皮膚Sと共にチャンバCを形成する患者の皮膚S上に部分的に付けられる壁1101を備え、チャンバCの中では、実施される外科的処置の部分を包囲するために密閉された環境を維持できる、医療デバイス1100の実施形態を示す。医療デバイスは、壁1101の一部分に配置され、閉鎖可能な身体ポート1122に接続され、身体ポート1122の自己密閉部材1143を用いて閉鎖可能となるよう適合される閉鎖可能な壁ポート1117を更に備える。身体ポート1122は、医療デバイスが外科的処置を実施するために患者の皮膚Sに付けられるときに、医療デバイスのチャンバCを患者の身体のキャビティに接続する患者の皮膚Sの切開部に配置されている。医療デバイスは、真空シール1105’であり、壁1101に接続され、患者の皮膚Sに対して密閉するよう適合される、図123’gに開示されている実施形態における密閉デバイス1105’を更に備える。このようにして壁ポート1147aは、医療デバイスが外科的処置を実施するために患者の身体に付けられるときに患者の身体のキャビティと周囲環境との間で、身体ポート1147bと共にエアロックスルースを形成する。
閉鎖可能な壁ポート1147aは、閉鎖可能な壁ポート1147aが閉鎖可能な身体ポート1147bにロックされるように、突出部材の形態の身体ポート1147bの相互接続部材に接続するよう適合される凹部1134を備える相互接続部材を備える。
図18gに示す真空シール1105’は、真空シール1105’に負圧を供給するための真空導管1106に接続される。真空導管は、同様に、(例えば図2aを参照して開示されている)真空ポンプ等の真空生成部材に接続される。
る謡導管1110に接続される流体流入口1130は、図18gに更に示す。流体流入口は、医療デバイス1100の壁1101を膨張させるためにチャンバCに流体を供給するために適合される。
図18hは切開が患者の皮膚Sで行われ、壁ポート1147aが、壁ポート1117の凹部つまり溝1134に係合する身体ポートの突出部材1133を用いて身体ポート1147bに接続されるときの医療デバイスを示す。突出部材1133は、突出部材を引き戻すための解放レバー1139bに接続され、これにより壁ポート1117を身体ポート1122から解放する。
図18iは、身体ポート1122が医療デバイス1100の密閉デバイス1105’及び/又は壁1101に取り付けられるサポート1149a、1149を用いて固定される、図18a〜18hを参照して開示されている医療デバイスの代替実施形態を示す。図18iは、壁ポート1117が、(例えば図18hに示すような)壁ポート1117が身体ポート1122に固定される第1の位置と、壁ポート1117が身体ポート1122から切り離される第2の位置との間で変位されており、身体ポート1122からより離れて位置決めされるときの壁ポート1117を示す。壁ポート1117及び身体ポート1122は、壁ポート1117及び身体ポート1122に位置決めされる自己密閉膜を用いて閉鎖可能である。
図18jは、図18g〜18iを参照して開示されている実施形態に類似した医療デバイスの一実施形態を示し、その違いは、壁ポート1117が患者の皮膚の壁ポートを固定し、密閉するために患者の皮膚の切開部に配置されるよう適合される一部分を備える点である。上記一部分は、切開部の周囲の患者の皮膚の内側に位置決めされるよう適合される身体内リング1135の形態の第1の密閉部材を備える切開部に配置されるよう適合されるシールを備える。上記シールは、切開部の周囲の患者の皮膚の外側に位置決めされるよう適合される外側リング1137の形態の第2の密閉部材、並びに第1の1135密閉部材及び第2の1137密閉部材を密閉状態で相互接続するばね式の又は弾性の接続部材1136を更に備え、これによりばね式の又は弾性の接続部材1136は、第2の密閉部材と患者の皮膚S、及び/又は第1の密閉部材と患者の皮膚の内側の患者の組織との間をする。
図18kは、壁ポート1117の一部分が患者の皮膚Sでの切開部に配置され、これにより身体内リング1135が壁ポート1117を患者の皮膚Sに固定するときの、図18jに示す医療デバイスを示す。ポート1117/1122は、ここで周囲環境から患者のキャビティを分離し、患者のキャビティの内側でポート1117/1122を通して腹腔鏡ステップを実施できるようにする身体ポートとなる。標本を患者のキャビティから除去する必要がある場合、切開部に配置される壁ポートの上記部分は切開部から引き戻すことができる、又は上記部分は壁ポートの残りの部分から切断し、このようにして壁ポートを通して医療デバイスのフルサイズのチャンバ内で手術のステップを実施できるようにする一方で、創傷を開いたままにしておくことができる。
図19に示す実施形態では、細長い管状のエンクロージャは、患者の体肢の一部分の周囲にチャンバを形成し、患者の皮膚に接続された内側壁1671と、外側壁1601との間で位置決めされる接続部分1672によって閉じられる壁1601を配置することによって形成される。医療デバイスの1つの部分を医療デバイスの第2の部分に接続する接続部分は、例えば接着剤、機械接続システム又は真空システムを用いて作製できる。チャンバCは、側面図において患者の体肢を包囲して配置される。内側層1671は、重複部分と共に配置され、接続部分1672はジッパーを用いて閉じられる。医療デバイスは、本明細書では、圧力密閉部材又は真空密閉部材1605’;1605’’を具備する。
図20は、患者の上半身の一部分に適用され、このようにして腹部領域又は胸部での外科的処置を可能にする医療デバイスを示す。チャンバは、スリットを備え、接続部1672を用いて接続され、圧力1605’シール又は真空1605’’シールを用いて患者の皮膚に対して密閉される医療デバイスを用いて患者の周囲に巻き付けられる。スリット及び接続部材は、体肢の長さ軸との関係で放射状に患者の体肢の少なくとも一部分の周囲にチャンバを配置することを可能にする。
図21aは、医療デバイス1600が患者の2本の脚及び上半身を相応して受承するよう適合される3つの開放端部を備える、医療デバイスの実施形態を示す。医療デバイス1600は、このようにして、患者を取り囲み、外科的処置を実施できる隔離された環境を提供するために膨張するよう適合されているパンツ状のチャンバを提供するために患者の上に取り付けられるよう適合される1対のパンツとして設計される。患者の膝上で患者の脚を包囲する開放端部には、ここでは真空1606導管又は圧力1614導管に接続されるよう適合される真空1605’シール又は圧力1605’’シールとして示す、シールが装備される。患者の上半身を包囲する上記開口端は、接着シール1605を備えられるが、接着シールが患者の脚を包囲する開示されたシール等の真空シール又は圧力シールによって支えられる、又は置換されることも等しく考えられる。医療デバイスは医療デバイスのチャンバの内側で流体を循環させるためのシステムを備える。上記システムは、チャンバから、流体を加熱する1626a及び/又は流体を滅菌する1626bためのユニットへの流出口1631に接続される第1の導管1629’を備える。上記システムは、濾過ユニット1626cと、流体を第2の導管1629へ、そして医療デバイスの壁に配置される流入口1620へ循環させるためのポンプ1627とを更に備える。また、医療デバイスは壁に配置され、周囲環境とチャンバとの間の移動を可能にするための4つのポート1647を備えるマルチポート1648と共に示す。また、医療デバイスは患者の身体内の関節又はキャビティの中で手術を実施できるようにするための患者の皮膚に配置される内視鏡ポート1622も備える。ジッパーで閉じられる開口1619が、医療デバイスの壁に更に設けられ、周囲環境からチャンバの内側への、例えば医療デバイス及び/又はインプラントの移動を可能にするよう適合される。図157aに示す医療デバイス1600は例えば、股関節手術での使用に理想的であり、この場合手術領域全体を周囲環境から隔離でき、チャンバ内を循環する無菌の液体又は気体内で手術を実施できる。
図21bは、図21bの医療デバイスは、チャンバが患者の身体を含むことなく壁1601によって形成されるように内側層1671を更に備えるという相違点がある、図21aを参照して説明される特徴を備える実施形態における医療デバイス1600を示す。内側層1671は、壁1601によって形成される管状のエンクロージャを形成する。内側層は、このようにしてチャンバ内の環境が、例えば患者の皮膚の上に常駐できる最近によって汚染されないように患者の皮膚からチャンバを分離する。内側層は、患者の皮膚の非常に小さな一部分だけがチャンバ内の環境に曝露される必要があるように患者の皮膚に切開部が形成されるときに切断できる。内側層1671は、例えば接着ポリマー層であってよい。図21bに示す実施形態では、2つの身体ポート1622が内側層の壁に配置される。身体ポートは壁の中に事前に配置されてよい、又は医療デバイスが患者の身体と共に位置決めされた後に壁に配置されてよい。医療デバイス1600を患者の身体に適用した後、内側壁1671及び患者の身体の中にポート1622を配置することの優位点は、ポート1622を、患者の皮膚に配置する前に医療デバイスのチャンバの内部に含むことができ、これによりチャンバが身体ポート1622用の無菌パッケージの役割を果たす点である。
図21cは、図21aを参照して開示された実施形態の特徴を含む実施形態の医療デバイスを示す。その違いは、図21cの実施形態が、壁、及びチャンバと患者の皮膚との間に配置されるよう適合される密閉デバイスを備える追加の密閉サブデバイス1694を備える点である。密閉サブデバイスは、肛門又は尿道の開口と、チャンバとの間での接続を回避するためにチャンバから肛門又は尿道の開口を分離するために形成される。密閉サブデバイス1694は、接着シール、圧力シール、又は真空シールであってよい鼠蹊部1694’;1694’’内のシールを備える。密閉サブデバイスは、患者の上半身を包囲する医療デバイス1600の開放端部に接続関節1694’’’で更に接続されるが、密閉サブデバイスが医療デバイス1600と患者の皮膚との間をするよう適合される別個のシールを備えることが更に考えられる。
図22aは、図22aの医療デバイスが患者の片側に配置され、鼠蹊部で密閉1605;1605’;1605’’を提供するよう適合されるだけであるという相違点がある図21aに示す医療デバイスに類似する医療デバイスを示す。図22aの構造の1つの優位点は、肛門及び尿道開口がチャンバから分離されており、デバイス内の流体容積が図21aに開示されている実施形態の流体容積に比較してより小さい点である。図22aに含まれる特徴は、図21aに開示されている実施形態に含まれる特徴に同等である。
図22bは、図22aに示す実施形態に類似した実施形態の医療デバイスを示し、その違いは、図22bの実施形態の医療デバイスが図21bと同様に内側壁1671を備える点である。内側壁1671は、患者の脚がそれを通して配置される細長い管状エンクロージャを形成する。細長い管状エンクロージャを形成する内側壁1671は、このようにしてチャンバが、患者の皮膚を巻き込むことなく壁1601及び内側壁1671によって形成されるように、患者の皮膚を医療デバイスから分離する。
図23aは、図21aを参照して開示されている実施形態に類似した医療デバイス1600の実施形態を示し、その違いは、図23aの実施形態が4つの開放端部を備え、患者の上半身を収容し、患者の腕、首及び胸で密閉するよう適合される点である。シールは、本明細書に開示されているシール1605;1605’;1605’’、つまり接着、圧力、又は真空のうちのいずれか1つである。医療デバイスは、すべて図21aを参照して更に説明される、流体を循環させるためのシステム、壁1648及び身体1622ポート、並びにジッパーで閉じられる開口1619を更に備える。図23aの実施形態は、例えば関節鏡下型関節処置を実施するために適している。
図23bは、図23aに開示されている実施形態の特徴を備える医療デバイスの実施形態を示し、その違いは、図21bに関して説明される実施形態においてとほぼ同じく、図23bの実施形態の医療デバイスが、内側壁1671を備える点である。内側壁1671は、患者の皮膚を医療デバイスのチャンバから分離するよう適合され、外科的処置を実施するために患者で切開が実施される必要があるときに切断できる。
図24aは、図24aの医療デバイスが患者の片側に配置され、患者の胸の側部に沿って密閉1605を提供するよう適合されるだけであるという相違点のある図23aに示す医療デバイス1600に類似した医療デバイス1600を示す。図24aの構造での1つの優位点は、デバイス内の流体容積が図23aに開示されている実施形態の流体容積に比較して小さいという点である。図24aに含まれる特徴は、図23aに開示されている実施形態に含まれる特徴に同等である。
図24bは、図24bの実施形態の医療デバイスが、図23bを参照して説明される実施形態においてとほぼ同じく内側壁1671を備えるという相違点のある図24aに説明される医療デバイスに類似した医療デバイスの実施形態を示す。内側壁1671は、患者の皮膚を医療デバイスのチャンバから分離するよう適合され、外科的処置を実施するために患者の切開が実施される必要があるときに切断できる。
図25aは、医療デバイスが患者の状態を包囲し、これにより患者の皮膚に対して密閉を提供するよう適合される1つの開放端部だけを備える、医療デバイスの実施形態を示す。上記密閉は、本明細書に開示されているシール、つまり接着シール、圧力シール、又は真空シールのうちの任意の1つを備えてよい。医療デバイスは、すべてが更に図21aを参照して説明される流体を循環させるためのシステム、壁1648及び身体1622ポート、並びにジッパーで閉じられる開口1619を更に備える。図25aの実施形態は、例えば、骨盤を含む関節鏡下処置を実施するために適している。
図25bは、図25bの実施形態の医療デバイスが、図21bを参照して説明される実施形態においてとほぼ同じく、内側壁1671を備えるという相違点がある図25bに説明される医療デバイスに類似した医療デバイスの実施形態を示す。内側壁1671は、患者の皮膚を医療デバイスのチャンバから分離するよう適合され、外科的処置を実施するための患者の切開が実施される必要があるときに切断できる。内側壁1671は、患者の足は適切に滅菌するのが困難であるため有益であるチャンバから患者の足を分離するという優位点を有する。
図26aは、図25aの医療デバイスが鼠蹊患者の片側に配置され、鼠蹊部に密閉1605;1605’;1605’’を提供するようにだけ適合されるという相違点のある、図25aに示す医療デバイスに類似した医療デバイスを示す。図26aの構造での1つの優位点は、肛門及び尿道開口がチャンバから分離され、デバイス内の流体容積が図25aに開示されている実施形態の流体容積に比較してより小さい点である。図26aに含まれる特徴は、図25aに開示されている実施形態に含まれる特徴に同等である。
図26bは、図26aに示す実施形態に類似した実施形態の医療デバイスを示し、その違いは、図26bの実施形態の医療デバイスが図25b、21bと同様に内側壁1671を備える点である。内側壁1671は、患者の足が配置される細長い管状エンクロージャを形成する。細長い管状エンクロージャを形成する内側壁は、このようにして、チャンバが患者の皮膚を巻き込むことなく壁1601及び内側壁1671によって形成されるように、医療デバイスのチャンバから患者の皮膚を分離する。内側壁1671は、患者の足は適切に滅菌するのが困難であるため有益であるチャンバから患者の足を分離するという優位点を有する。
図26c、26dは、図22a、22b、26a、26bに示す医療デバイスに類似した医療デバイスを示す。図26c、26に示す医療デバイスは、密閉され、制御された環境で患者に対して股関節手術を実施するために適合し、これにより感染のリスクは大幅に削減できる。感染のリスクは特に、患者の関節の内側で人工補綴物手術を実施するときに大きく、これは制御された環境の維持が最も重要であるためである。図26cの医療デバイスは、患者の身体と共に、及びいくつかの例では、皮膚Sからの細菌が外科的処置の切開部に進入するリスクを低減するために患者の皮膚Sに対して付けられる接着表面と共にチャンバ(C)を形成する患者の身体に配置される壁1601を備える。壁1601はチャンバCを取り囲み、これにより密閉された外科的環境を維持しつつ、患者の皮膚Sでの股関節手術の切開、及び股関節手術の少なくとも1つのステップが実施できる密閉された外科環境がチャンバCの中に形成される。医療デバイスは、壁1601に接続され、壁1601と患者の皮膚Sとの間をするよう適合される密閉デバイス1605を更に備える。密閉デバイス1605は、すべてが図27を参照して更に定義される脚(LG図27)、骨盤領域(PV図27)、腹部(AB図27)、鼠蹊部(IN図7)、殿部領域(GL図27)、胸部領域(TH図27)及び腰部領域(LB図27)のうちの一部分を包囲する特殊なループを形成し、これにより密閉デバイス1605は、股関節手術の切開部位と肛門外口及び/又は尿道口及び/又は会陰領域との間をする。図26cを参照して開示されている実施形態の密閉デバイス1605は、膝上方の脚の前方部に対して腹背両面方向で脚の上で側面方向に密閉し、密閉はその後、脚の頭蓋方向部分つまり近位部分に向かって頭蓋方向に曲がり、更に患者の腹背両面の正中矢状面の側面の頭方向で、股関節手術が実施される側で鼠蹊部又はその延長部分を横切る。密閉は患者の腹部を横切って頭側で続行し、次いで背外側方向で曲がり、胸部領域の下部側面部を横切り、腰部領域まで内側足背方向で続行する。正中矢状面に到達する前に、密閉デバイスは殿部領域を横切って尾(caudal)方向へ曲がり、密閉デバイスと交差し、従って股関節手術で実施される切開の領域を包囲する特殊ループを形成するまで続行する。図26cに示す特殊ループを形成する密閉デバイス1605の配置は、肛門領域、尿道領域及び会陰領域は適切に殺菌することが非常に困難であるため最も重要である医療デバイスの密閉チャンバCからこれらの領域を除外する。
図26cに示す医療デバイスは、医療デバイスの密閉された環境の中への器具の挿入のために適合される(マルチポートの形をした)壁ポート1617を更に備える。上記器具は、図401〜40pを参照して開示されている連結器を装備してよく、これにより上記器具は、医療デバイスの密閉された環境で使用されないときに密閉されたままで保つことができる。医療デバイスは、患者の皮膚で形成される切開部に配置される(マルチポートの形をした)身体ポート1622を更に備え、上記身体ポートは手術用器具を使用する患者のキャビティでの操作を可能にする。壁ポート1617及び/又は身体ポート1622は、壁ポート1617及び身体ポート1622を、例えば本明細書の他の実施形態に開示されている接続されるよう適合されるポートのいずれかを使用して相互接続されたポートを形成するために接続できるように連結器1680を備えてよい。壁ポート1617は、このようにして、壁ポート1617を身体ポート1622との関係で移動できるように壁1601の可撓性部分及び/又は弾性部分に固定してよい。壁ポート1617又は身体ポート1622は、壁1601に固定される連結器1680を用いて医療デバイス1600の壁1601に取り付けられてよく、これにより壁ポート1617及び/又は身体ポート1612は壁1601に着脱可能に固定され、このようにして追加ポート又は(例えば本明細書に開示されているインセットのうちのいずれかのような)インセットによって置換できる。連結器の異なる実施形態は、本明細書に開示され、図26cに開示されている実施形態による医療デバイスで使用され得る。
医療デバイスの壁は、医療デバイスの壁1601を解放するためのジッパー1619を更に備える。ジッパー1619は、例えば大気圧を超える圧力を有するチャンバCの中に流体を入れるよう適合されるジップロック型ジッパーであってよい。医療デバイスの壁1601は、患者の脚が外科的処置の間に移動できるように可撓性壁又は弾性壁であってよく、このことは、例えば人工補綴物手術において、移植される人工補綴物を位置合わせし、移植される人工補綴物の機能性を試験するために必要とされることがある。
図26cの医療デバイスは、(本開示の他の実施形態で更に説明される)滅菌ユニット/濾過ユニット1626a、1626b及び温度調節ユニット1626cに接続される流体流入口1630及び流体流出口1631を備えた流体循環システムを更に備える。流体は循環ポンプ1627によって循環される。医療デバイスのチャンバCに入れられる流体は、患者の股関節の関節鏡下処置で使用される、CO2ガスのようなガス状流体又は等張流体若しくは抗生物質流体等の液状流体となることがある。
図1662cの実施形態で示す密閉部材1605は、患者の皮膚Sに付着することによって患者の皮膚Sに医療デバイスを取り付ける及び/又は密閉するよう適合される接着密閉部材を備える。ただし、接着密閉部材は、本開示の他の実施形態に開示されている圧力密閉部材及び/又は真空密閉部材等の圧力密閉部材又は真空密閉部材によって支援されてよい、又は置換されてよい。
代替実施形態では、医療デバイスの壁は、例えばチャンバCの中で手技を可能にするための手袋のデバイス取付口及び/又は器具取付口を備えてよい壁1601に位置決めされるインセットを更に備えてよい。
図1662c、1662dに開示されている医療デバイスを使用して股関節外科的処置を実施するとき、股関節手術の切開部位における切開部は、医療デバイスが配置され、患者の皮膚Sに対して密閉された後に医療デバイスのチャンバCの内側で作成される。
一実施形態に従って、身体ポート、壁ポート、第2の壁ポート及び第2の身体ポートのうちの少なくとも1つは、マルチポートに一体化され、外科的処置を実施するときに患者の切れ目切開部を介して患者の身体の内側への物体の通過を可能にするよう適合される少なくとも2つのポートを備えるマルチポートを備える。
図26cの医療デバイスは、医療デバイスの壁に固定され、密閉された環境を維持しながら医療デバイスのチャンバの中への物体の挿入を可能にするよう適合されるエアロックスルーる又は液体ロックスルースを更に備えてよい。エアロックスルース又は液体ロックスルースは、本明細書に説明される実施形態のいずれかによるエアロックスルース又は液体ロックスルースであってよい。
図27は、肋骨の下から頭方向CRで鎖骨に達する胸部領域THを示す解剖図である。胸部領域の下方では、腹部ABが尾(caudal)方向CVで肋骨の下方から恥骨結合に到達し、骨盤の端部に従って、骨盤の下方で鼠蹊部INが下腹部から大腿部の上部に到達する。骨盤領域PVは頭‐尾(CR−CV)方向で骨盤骨に沿って患者の身体を包囲する全体領域を意味すると定義される。患者の脚LGは、腸骨稜までの脚全体として定義され、腸骨稜上方では脚の延長部分PLGとして定義される領域が開始し、更に頭方向で到達する。患者の身体の後部側では、腰部LBの領域が殿部領域GLの上方の領域として定義され、殿部領域は下部腰椎の範囲内で殿部筋肉の下部から殿部筋肉の上部に到達し、腰椎LBの領域は次いで中位の胸椎まで続く。方向インジケータVDは腹背両面方向を示し、RLは左右方向を示す。
図28は、医療デバイスが、医療デバイスを固定し、患者の皮膚Sを押すことによって患者の皮膚Sに対して密閉するよう適合される圧力密閉部材を備える密閉デバイス1605の使用を可能にする保持部材1696を備える相違点のある、図26cに示す実施形態に同一の医療デバイスの一実施形態を示す。保持部材1696は配置され、患者の腹部領域及び腰部(図27を参照)を包囲するよう適合される。代替実施形態では、保持部材1696は、配置され、患者の身体の下部で患者の単一の脚又は患者の脚療法を包囲するよう適合されてよく、これにより保持部材は殿部領域及び鼠蹊部及び骨盤領域を包囲する。
図29aは、層1601が、梱包及び/又は輸送のために折り畳むことができ、外科的処置において使用する際に膨張させることができるように折り畳み可能である、医療デバイスの実施形態を示す。図29aの実施形態では、層1601は、可撓性ポリマー材料又は不織布材料等の可撓性材料から作製される。材料は、医療デバイスの密閉された環境の中を視認できるよう、透明又は半透明であってよい。医療デバイスを、液体又はガス状流体を循環するためのシステム1628と共に示す。上記流体は、壁1601の流出口1631から第1の導管1629aを通り、ポンプ1626を経由し、滅菌1627c、濾過1627b及び加熱1627a用のシステムを経由し、第2の導管1629bを通って流入口1630まで循環する。
図29bは、図29aを参照して開示されている実施形態の特徴を備え、医療デバイスと患者の皮膚との間をするために患者の脚Lを包囲する真空シール1605a’、1605b’を更に備える医療デバイスを示す。真空シール1605a’、1605b’は、真空導管1606a、1606bを通って真空ポンプ1608に接続され、真空ポンプ1608から真空シール1605a’、1605b’に真空を伝達する。図29bを参照して説明される真空シールはシール1605a、1605bと組み合わせて使用でき、シール1605a、1605bは、例えば、患者の皮膚に対して押すことによって、又はシール1605a、1605bなしで密閉し、その場合真空シールは層1601の第2の部分1601bに実質的に一体化できる、2つの弾性リング形状部材1605a、1605bを含む。
図30は、層1601が、梱包及び/又は輸送のために折り畳むことができ、外科的処置において使用する際に膨張させることができるように折り畳み可能である、医療デバイスの実施形態を示す。図30の実施形態では、層1601は、可撓性ポリマー材料又は不織布材料等の可撓性材料から作製される。材料は、医療デバイスの密閉された環境の中を視認できるよう、透明又は半透明であってよい。医療デバイスを、液体又はガス状流体を循環するためのシステム1628と共に示す。上記流体は、壁1601の流出口1631から第1の導管1629aを通り、ポンプ1626を経由し、滅菌1627c、濾過1627b及び加熱1627a用のシステムを経由し、第2の導管1629bを通って流入口1630まで循環する。
図31は、医療デバイスが密閉された環境の中を見ることを可能にするために折り畳み不可の透明窓1621を備える、実施形態による医療デバイスを示す。窓は、好ましくは、図30を参照して更に開示されているように、層が折り畳み可能な層である実施形態で使用される。例えば医療デバイスが完全に膨らんでいない場合、又は医療デバイスが材料の継ぎ目又は湾曲部に入っている場合等、部分的に折り畳み可能な層は、好ましくは透明な材料から作製されているとしても限られた視認性を提供することがあるため、折り畳み不可の透明窓1621は、外科医が処置に対して十分な視覚的な制御を有することを保証する。折り畳み不可の透明窓1621は、例えばアクリルガラス、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリル繊維材料若しくはポリアクリロニトリルを含む共重合体から作製される、又は強化ガラスから作製されることがある。他の実施形態(不図示)では、医療デバイスは、密閉された環境の内側から透明窓1621を清掃するための清掃デバイスを更に備える。清掃デバイスは、透明窓に近接して配置されるノズルへ、流体導管を介して透明窓の清掃を支援するよう適合される流体を供給するための装置を備えてよい。流体は、例えば食塩水等の等張液、又は例えばクロルヘキシジン等の消毒液である。医療デバイスは、窓から物体を機械的に除去するために流体を窓の上に噴霧した後に窓をきれいに拭き取るための窓接触部材を更に備えてよい。図31に示す実施形態は、層1601に位置決めされる連結器1631を更に備える。図31に示す実施形態では、連結器1631は、連結器1631に連結できる物体のねじ山に対応するねじ山を備える。図1に示す連結器1631は、物体が連結器1631に配置されていないとき、又はそれ以外の場合連結器1631が開かれたままであってよい物体を交換する間に閉じることができるバルブ部材1638を更に備える。連結器1631に配置できる物体の例は図31に示されているが、他の適切な物体も考えられ、本発明の範囲は、図示されている特定の物体に制限されるべきではなく、むしろ交換可能な物体を有するという概念は本発明の一部と見なされるべきである。図31に示す物体の例は、ここで更に説明される。つまり、周囲の環境とエアロック1618との間の外側開口1638及びエアロック1618と医療デバイスの密閉された環境との間の内側開口1682を備えるエアロック1618を示す。エアロック1618は、例えば人工補綴物又は人工補綴物部品又は手術用器具の移動を可能にするために、周囲の環境とエアロックとの間及びエアロックと医療デバイスの密閉された環境との間での移動を可能にできる。エアロックは、例えば、患者の身体からの標本の移動を可能にできる、密閉された環境からエアロックの中へ、及び更に周囲の環境の中への物体の移動を更に可能にできる。密閉された環境の中への移動、及び密閉された環境の中からの移動の両方ともエアロックを用いて、密閉された環境を密閉したままにしつつ実施できる。図31は、人工補綴物部品又は手術用器具のための保持部材1681を更に示す。保持部材1681を配置する、又は保持部材を別の保持部材に交換することによって、例えば処置における異なるステップ又は予期しない事象が異なる器具を必要とする場合に使用できる、人工補綴物部品又は手術用器具は密閉された環境の中に導入できる。ポートユニット1617が更に示され、図31に示すポートユニットは、腹腔鏡器具及び/又は関節鏡器具のために適合される3つのポートを備える。いくつかの実施形態では、上記ポートユニットは密閉された環境の中への手のアクセスを可能にできる単一のより大きなポートユニットを備え、上記単一のより大きなポートユニットは例えばゲルポート型ポートユニットである。
図32は、1バール未満の圧力を保持するよう適合され、このようにして患者の皮膚と医療デバイスとの間に真空シールを形成する真空密閉部材1605a’、1605b’によって患者の皮膚と医療デバイスとの間をするよう適合される真空密閉部材1605a’、1605b’を更に備える。真空密閉部材1605a’、1605b’は、真空ポンプ1608から真空シール1605a’、1605b’に真空を伝達する真空導管1606a、1606bを通して真空ポンプ1608に接続される。図32を参照して説明される真空シールは他のタイプのシールと組み合わせて使用できる。
図33は、その中での手技を可能にするために部分的に折り畳み可能な壁1701の壁ポート1717bを通して外科医の腕が挿入される場合の、図3bによる医療デバイスの実施形態を示す。自己密閉壁ポート1717bを通した手技は、例えば、万一処置中に合併症が発生した場合、又は手術の特定のステップに追加の手が必要とされる場合に最後の手段として使用できる。図33は、流体循環のための内部システム1728’及び流体循環のための外部システム1728を更に示す。両方のシステムとも、チャンバCへ流体を供給するために部分的に折り畳み可能な壁1701に配置される流入口1730及びチャンバCから流体を排水するための流出口1731において接続される外部システム1728内、並びに身体キャビティで流体を循環させるために患者の身体内の流入口1730’及び患者の身体内の流出口1731’に接続される内部システム1728’内に、流体導管1729、1729’を備える。流体は、ポンプユニット1727、1727’を用いて循環され、また不純物を除去し、流体を滅菌し、加熱するよう適合される、滅菌ユニット1726a、濾過ユニット1726b及び加熱ユニット1726cを含むものとして開示されている外部システム内の滅菌/濾過/温度調節ユニット1726’を介して、循環される。流体がガス状流体である実施形態では、濾過ユニットは、ガス中で浮遊してよい粒子を除去するよう適合される。濾過ユニット1726aは、周囲環境からのガスの添加を可能にするための流入口を更に備えてよい。循環する流体が液体である場合、液体の透明性は、外科医が処置の視覚的な制御を有することを可能にするために極めて重大である。液体は、本実施形態では、不純物の除去のために濾過され、透明性を維持し、滅菌される。濾過ユニット1726aは例えば、活性炭を含むフィルタを備えてよい。
滅菌方法は、電気的な熱又は化学的な熱等の熱の使用を含んでよく、またUV光等の放射を使用して、及び/又は化学的な滅菌剤の添加によって滅菌を実施することも更に考えられる。
図34aは、患者に外科的処置を実施するための医療デバイス1900の実施形態を示す。医療デバイス1900は、患者の脚oである患者の身体の体肢に少なくとも部分的に手寄与されて、チャンバCを形成するよう適合される壁1901を備える。チャンバCは、図34aに示すように、それ自体、外部壁1901と、チャンバCの中で伸長し、このようにして患者の皮膚とチャンバCとの間に層を形成する細長い管状エンクロージャ1904を形成する壁1901の一部分との間で形成されてよい。細長い管状エンクロージャ1904は、密閉部材1905’’が位置決めされる壁1901の領域で壁1901の残りの部分に固定される。外科的処置が実施されるとき、細長い管状エンクロージャ1904の壁は、患者の皮膚の切開部が作成できるように切断される。患者の皮膚に切開部を作成する前に層を患者の皮膚と接触させることによって、患者の皮膚に存在するどのような最近も切開の領域に到達するリスクが低減される。細長い管状エンクロージャ1904を形成する壁の層は、壁1901が患者の皮膚Sに付着するように接着表面を備えてよく、このことが更にチャンバCと患者の皮膚Sとの間の接続点を削減し、従って患者の皮膚に存在する細菌が切開の領域に到達し、感染症を引き起こすリスクを更に削減する。代替実施形態では、チャンバCは、患者の身体と共に形成されてよく、この場合、細長い管状エンクロージャ1904は省略される。
図3aに示す密閉は、チャンバCが周囲大気から少なくとも実質的に密閉され、チャンバCの内側の圧力が外科的処置の間の周囲大気圧よりも高くなることができるようにするように、患者の身体に対して壁1901を空気圧で又は液圧で押すよう適合される圧力密閉部材1905’’である。他の実施形態では、本明細書に示す他の実施形態等の他の実施形態では、密閉1905’’は、例えば、弾性バンドと結合されてよい調整可能なバンドを用いて機械的に動力を提供されてよい。
圧力密閉1905’’は、チャンバCと患者のキャビティとの間での流体連通を生成するために切開がチャンバCの内側で実施できるように、医療デバイスが患者の身体に少なくとも部分的に適用された後にチャンバCを密閉するよう適合される。密閉部材1905’’は、切開によって影響を受けないままとなり、従って力の影響を受けることなく密閉するよう適合される。圧力密閉部材1905’’は、加圧流体を圧力密閉部材1905’’に提供するために流体導管1910と流体連通する。流体導管1910は、代わりに、密閉部材1905’’内で圧力を調整するために周囲環境からの加圧された空気で圧力密閉1905’’を充填するよう適応されるポンプの形をした圧力調整デバイス1993に接続される。ポンプ1993は、他の実施形態では、加圧流体を備えるタンク(例えば、図35の実施形態で開示されているタンク2012)によって置換されてよい。
図34aの実施形態は、密閉部材1905’’に固定される監視プローブ1973に接続されるリード線に接続される監視ユニット1998を更に備える。監視プローブ1973は、密閉1905’’での圧力の変化を検出するよう適合される圧力センサを備える。代替実施形態では、監視ユニット1998は、例えば、超音波流量計を用いて周囲血管での血流を測定することによって患者の血圧を測定するよう適合されてよい。超音波流量計は、流れ方向で及び流れ方向に反して伝搬する超音波パルスの遷移時間の差異を測定する。この時間差は超音波ビームの経路に沿った流体の平均速度の基準である。絶対遷移時間を使用することによって、平均化された流体速度を計算できる。血圧の測定は、密閉部材1905’’が周囲環境からチャンバCを密閉するために十分な圧力を提供できるようにする一方で、密閉部材1905’’が密閉部材1905’’を通過する血流を妨げないように、密閉部材1905’’の調整を可能にする。圧力調整デバイス1993は、例えば、密閉部材1905’’内の圧力が収縮期血圧未満になり、従って血流を妨げないように密閉部材1905’’の圧力を調整するよう適合されてよい。収縮期血圧は患者の年齢に伴っていくぶん変化するが、90mmHG〜160mmHGの範囲内にあるべきである。密閉部材1905’’の圧力は、従って血流を妨げないその範囲の値を超えてはならない。圧力は例えば、10mmHG〜160mmHg、20mmHg〜140mmHg、30mmHg〜120mmHg、30mmHg〜100mmHg、40mmHg〜100mmHg、40mmHg〜80mmHg、及び50mmHg〜70mmHgの範囲内である。
図34bは、周囲大気圧よりも低い真空密閉部材1905’の圧力を用いて医療デバイス1901と患者の皮膚Sとの間に密閉を提供する真空密閉部材1905’によって圧力密閉部材が置換される図34aに開示されている圧力密閉部材1905’’の代替策を示す。真空密閉部材の負圧は、例えば真空導管1906を用いて接続される真空ポンプによって提供される。真空密閉部材1905’の負圧は、真空密閉部材1905’に接続される監視プローブ1973に接続される真空監視ユニット1998’を用いて監視されてよい。真空密閉部材1905’の動作及び効果は、図34iを参照して更に詳細に説明される。
代替実施形態では、密閉部材1905’’の圧力は、監視される必要はなく、密閉部材1905’’を通過した血流が実質的に影響を受けないままとなるように制御されるだけである。血流は上述されるように、超音波流量計を用いて測定されてよい。真空調整デバイス1993は、他の実施形態では、患者の血圧、患者の血流、及び/又は患者の皮膚での温度に対する反応として真空密閉部材1905’の圧力を調整するよう適合されてよい。
医療デバイスは、チャンバCの内側の圧力を測定するための圧力センサを更に備えてよい。チャンバCの内側の温度を測定することによって、密閉1905’’での流体の漏れを決定することができ、このことが密閉部材1905’’の制御において入力として使用できる。
図34cは、プローブ1973が患者の脚の背面で患者の膝領域に位置決めされる、医療デバイスの代替実施形態を示す。プローブ1973は、例えば患者のその領域からの血流が十分であると判断するために患者の身体の温度を感知するよう適合される温度感知プローブ1973であってよい。血流が妨げられるとき、患者の皮膚の温度は上昇し、このことは、例えば図34cの1993として示す圧力調整デバイスに対する入力変数として使用できる。代替実施形態では、プローブ1973は、患者の血流を測定するための超音波流量計であってよい。プローブ1973は、好ましくは、血管がこの領域ではより表面近くにあるため、脚の膝領域で背面に配置される。プローブ1973は、例えば膝窩静脈、膝窩動脈、伏在静脈、及び/又は脛骨動脈の血流を測定するよう適合されてよい。
図34cは、医療デバイスが2台の監視ユニット1998’;1998’’を備える医療デバイスの実施形態を示し、第1の監視ユニット1998’は、超音波流量計プローブ1973’’を用いて患者の領域での血流を監視するよう適合され、第2の監視ユニット1998’’は、圧力感知プローブ1973’を用いて密閉デバイスの圧力、チャンバの圧力、及びチャンバからの流体の直接的な漏れ又は間接的な漏れのうちの少なくとも1つを監視するよう適合される。
開示されている実施形態のいずれにおいても、医療デバイスは2台の監視ユニット1998’;1998’’を備えると等しく考えられ、第1の監視ユニットは患者の血圧を監視するよう適合され、第2の監視ユニット1998’’は、密閉デバイスの圧力、チャンバCの圧力、及びチャンバCからの直接的な漏れ又は間接的な漏れを監視するよう適合される。
開示されている実施形態のいずれにおいても、医療デバイスは2台の監視ユニット1998’;1998’’を備えると等しく考えられ、第1の監視ユニット1998’は患者の身体の温度を監視するよう適合され、第2の監視ユニット1998’’は、密閉デバイスの圧力、チャンバCの圧力、及びチャンバCからの直接的な漏れ又は間接的な漏れを監視するよう適合される。
図34cは、第1の1998’監視ユニット及び第2の監視ユニット1998’’からの入力に基づいて密閉デバイス1905’’の圧力を調整するよう適合される圧力調整デバイス1993を更に示し、これにより密閉部材1905’’の結果として生じる圧力は、十分な密閉を提供することと、患者の血流を影響を受けないまま維持することとの間を調停できる。圧力調整デバイスは、圧力源(例えば、ポンプ)から流体導管1910を用いて圧力調整デバイスに分散される圧力を制御するよう適合される電気的に制御される圧力調整バルブを備える。
密閉部材1905’’は、ガス状流体を用いて、又は液状流体を用いて加圧されるよう適合される密閉部材1905’’であってよい。液状流体は、流体ポンプを用いて送出してよい。密閉部材1905’’がガス状流体によって加圧されるよう適合される実施形態では、ガス状流体は(例えば、図35で2012として示す)圧力タンクから出現してよい、又は空気ポンプ1908によって供給される加圧周囲空気であってよい。
図34a〜34hの実施形態における密閉部材1905’’は、例えば図34b、34iに示され、更に本説明を通して開示されているような真空密閉部材1905’で置換されてよい。真空密閉部材1905’は、壁1901と患者の皮膚との間の大気圧未満の圧力を保持して、壁1901と患者の皮膚との間をするよう適合される。
図209dは、図209aに示す実施形態に類似した医療デバイスの実施形態を示し、その違いは、密閉1905’’及び細長い可能エンクロージャ1904’を有する医療デバイスが、患者の腕である体肢にフィットするよう適合される点である。
図209eは、図209bに示す実施形態に類似した医療デバイスの実施形態を示し、その違いは、密閉1905’’及び細長い可能エンクロージャ1904’を有する図209dに示す実施形態が、患者の腕である体肢にフィットするよう適合される点である。上記実施形態は、患者の血圧を感知するよう適合され、血管が表面に近い患者の上での内側に位置決めされるよう適合される超音波流量感知プローブ1973を備える。超音波流量感知プローブ1973は、橈側皮静脈、尺側皮静脈、肘正中皮静脈、上腕動脈、尺骨動脈、及び橈骨動脈のうちの1つ又は複数での流量を検出するよう適合されてよい。
図209fは、医療デバイスが、図34a〜34fを参照して開示されている密閉1905’’に同等な圧力密閉部材1905’’を備える実施形態を示す。上記医療デバイスは、血圧計として操作される血圧監視ユニット1998’’’を更に備える。血圧監視ユニットは、患者の上腕の周囲にぴったりと配置される膨張可能なカフ1976を備える。圧力監視ユニット1998’’’は、カフ1976がまず収縮期動脈圧を超える圧力まで膨張した後、約30秒の期間に亘って拡張期血圧未満に低下することによって操作される。カフ1976を通過する血流が流れていないとき、カフ1976圧力は基本的に一定となる。血流が存在するが制限されるとき、血圧監視ユニット1998’’’の圧力センサによって監視されるカフ1976圧力は動脈の周期的な拡張及び収縮に同調して周期的に変わる。収縮期血圧及び拡張期血圧の値は、このようにして計算できる。代替実施形態では、振動圧力の測定は、患者の腕の関連する場所での血圧を測定する超音波流量計によって支援されてよい、又は置換されてよい。血圧監視ユニット1998’’’は、例えば1〜5分、5〜10分、10〜20分、又は20〜30分の間隔で等、周期的に患者の血圧を測定するよう適合されてよい。血圧の周期的な監視は、密閉部材1905’’が十分な密閉を提供する一方で、患者の腕の血流が実質的に影響を受けない、又は周期的に閉塞されるように密閉部材1905’’を膨張させる/空気を抜くことを可能にする。
チャンバCが大気圧を超える圧力で膨らまされる場合、密閉はチャンバCの内側の圧力からの圧力によって生じる力を超える密閉力を提供する必要がある。密閉の圧力は、次いで、例えば10mmHg、20mmHg、30mmHg、40mmHg、50mmHg、60mmHg、又は100mmHg分、チャンバCの圧力を超えてよい。例として、密閉1905’’の圧力は、収縮期血圧を超えないように120mmHgとなることがあり、チャンバCの圧力は、患者の皮膚に印加され、密閉力を提供する結果として生じる圧力が40mmHgとなるように80mmHgとなることがある。
図34hは、図34gを参照して説明される実施形態に類似した医療デバイスの実施形態を示し、その違いは、医療デバイスが患者の脚である患者の体肢に位置決めされるよう適合され、従って密閉部材1905’’及び細長い管状エンクロージャが患者の脚に位置決めされるために適合される点である。
図34i、34j(34jは、34iの一部分の断面拡大部分である)は、医療デバイスが調整デバイス1993’に接続される真空監視ユニット1998’を更に備える医療デバイスの実施形態を示す。圧力監視ユニット1998は、壁1901に位置決めされるブッシュ1985を用いて医療デバイスの壁1901を貫通する感知リード線1978を介して圧力感知プローブ1973に接続される。圧力感知プローブ1973は、密閉部材1905’’の圧力を感知し、真空密閉部材1905’の圧力の調整で使用される圧力信号を圧力調整デバイス1993’に提供するよう適合される。圧力調整デバイス1993’は、真空密閉部材1905’の圧力を調整するために真空導管1906を用いて真空密閉部材1905’と接続する真空ポンプ1908に同様に接続される。
図34i、図34jに示す実施形態は、患者の脚の領域でチャンバCの内側に配置されるプローブ1973である真空監視ユニット1998’に対する代替策又は補足物も示す。代替プローブ又は補足するプローブ1973は、(例えば、超音波を用いて)チャンバCの圧力、患者の血圧、及び患者の血流を測定するよう適合されてよい。
患者の血流又は血圧を測定することによって、調整デバイス1993’は、患者の血流が影響を受けないままとなるように密閉部材1905’の圧力を調整するよう適合できる。
図34i、図34jに示す実施形態は、このようにして、真空密閉部材1905’の圧力を感知するよう適合される第1の監視ユニット1998’、及びチャンバCの圧力又は患者の血流若しくは血圧を感知するよう適合される第2の監視ユニット1998’’を備える医療デバイスを示す。医療デバイスは、チャンバCを密閉された状態に維持することと、患者の血流を影響されないように維持することとの間を調停するために、第1の1998’監視ユニット及び第2の1998’’監視ユニットの両方からの入力に応答して真空密閉部材1905’の圧力を調整するよう適合される調整デバイス1993’を更に備える。調整デバイス1993’は、例えば:−135mmHg〜0mmHg;−115mmHg〜0mmHg;−100mmHg〜0mmHg;−50mmHg〜0mmHg;−30mmHg〜0mmHg;−20mmHg〜0mmHg;−10mmHg〜0mmHg;及び−5mmHg〜0mmHgのうちの少なくとも1つの間に負圧を保ち、従って患者の血流を実質的に影響受けないままにするために真空密閉部材1905’の圧力を調整するよう適合されてよい。
一実施形態に従って、チャンバCの圧力は大気圧を超えた5mmHgと75mmHgの間であり、真空密閉部材の負圧は‐6mmHgと‐76mHgとの間である。
真空密閉部材1905’は、患者内のキャビティとチャンバCとの間の流体連通が形成されるように、密閉された環境で患者の皮膚を通して切開を実施できるようにするために、壁1901と患者の皮膚との間に実質的に気密のシールを形成するよう適合される。
図35は、密閉部材2005’’が患者の皮膚と壁2001との間をするときに、チャンバCとチャンバCの外側の環境との間での物体Oの通過を可能にするために壁2001に設けられる外側ジッパー及び内側ジッパー2019a、2019bを備えるエアロックスルース2018を更に備える医療デバイスの実施形態を示す。
図34a〜36を参照して説明される実施形態のいずれかの壁2001は、少なくとも部分的に折り畳み可能であってよく、流体によって膨らまされるよう適合されてよい。図35に示す実施形態に従って、流体は圧力容器2012に入れられ、流体導管2010bを用いてチャンバCに輸送される圧縮されたガス状流体であってよい。圧力容器及び/又はチャンバCの圧力は、制御デバイス/監視デバイス2015bを用いて監視されてよい。制御デバイス/監視デバイスは、他の実施形態では、デジタルユニットとして実装されてよい。更に他の実施形態では、制御デバイス/監視デバイスは、チャンバ又はチャンバ内の物体が損傷を受けないようなレベルで膨張率を維持するために流体導管2010bの圧縮流体の流量を測定するよう適合できる。図35に示す実施形態によるチャンバCは、大気圧を超える圧力を維持するよう適合され、密閉部材2005’’は、このようにして、大気圧を超えるチャンバCの圧力が維持できるように、医療デバイスの壁2001と患者の皮膚との間をするよう適合される。一定の加圧により、密閉されたチャンバCにあらゆる粒子が進入することは略不可能となるため、大気圧を超える圧力を有することにより、直視下手術及び腹腔鏡手術の併用が可能となり、切開部部位を汚染するリスクが低下する。
図35に示す実施形態は、外科医がチャンバCの密閉された環境を維持しつつ、チャンバCの外側から手袋2002a、2002bを使用してチャンバCの内側で手技を行うことができるように壁2001に一体化された2つの手袋2002a、200bを更に備える。
密閉部材2005’’は、実施形態のいずれかで、患者の皮膚への固定、並びに/又は患者の皮膚と壁2001及びエンクロージャのうちの少なくとも1つとの間の密閉を提供するよう適合される接着剤によって支援されてよい、又は置換されてよい。
図35は、患者の体肢の膝領域に位置決めされる身体ポート2022を更に示す。身体ポート2022は、例えば光ファイバカメラ等の光学検査デバイス、又は関節鏡下手術又若しくは腹腔鏡下手術に適した1つ若しくは複数の手術用器具のために適合されてよい。
図35の医療デバイスは、医療デバイスのチャンバC内に延在する細長い管状エンクロージャ2004を更に備える。管状エンクロージャ2004は、患者の皮膚に接触し、医療デバイスのチャンバCの密閉された環境から患者の皮膚を分離するよう適合される。細長い管状エンクロージャ2004は、例えば患者の脚を受承して患者の脚を包囲するために適した、可撓性又は弾性の管状エンクロージャ2004である。従ってチャンバCの中で実施される外科的処置のステップは、患者の皮膚にアクセスするために管状エンクロージャ2004を通して切断することにより、患者の膝にアクセスするための皮膚の切開部を形成できることを含む。管状エンクロージャ2004は、管状エンクロージャ2004を患者の皮膚に対して固定してこれを密閉できるように、患者の皮膚に面する側に接着剤を備えてよい。細長い管状エンクロージャ2004を患者の皮膚に対してしっかりと固定することによって、患者の皮膚に存在する細菌によって引き起こされる感染症のリスクは削減される。
図35に示す医療デバイスの実施形態は、医療デバイスのチャンバCで流体、特に液状流体を循環させるための流体システムを更に備える。流体システムは、壁2001に配置され、チャンバCに流体を供給するために適合される流体流入口2030’’を備える。流体流入口2030’’は、膝関節領域から流体を排出するために、患者の膝領域の患者の皮膚の切開部に位置決めされる流体流出口2031’’に接続される流体導管2029による。
関節鏡下手術を実施するとき、関節領域は加圧流体を用いて拡張される。加圧流体は、このようにして手術中に膝関節の領域を充填する。関節内での目視検査を可能にするために、液体は完全に透明である必要がある。ただし、外科的処置が開始されるとき、流体は体液、おもに血液によって汚染される。流体は、従って外科的処置を通して関節内の視認性を維持するために迅速に循環され、濾過される、又は新しい流体によって置換される必要がある。チャンバCを液体で充填し、膝領域の切開部を介してチャンバCを排出することによって、汚染された液体の主要な部分は流体流出口2031’’を通して排出され、濾過されるとチャンバCの中にリサイクルされる。流体を濾過するために、濾過ユニット2026b’’が流体導管に設けられ、濾過ユニット2026b’’はフィルタ織物等の機械的なフィルタによって、又は活性炭等の化学的なフィルタを用いて、又は機械的フィルタ及び化学的フィルタの組合せによって粒子を除去するよう適合される。流体導管2029の上にやはり設けられているのは、循環流体を滅菌するための滅菌ユニット2026a’’である。滅菌ユニット2026a’’は、例えば熱を用いて流体を滅菌する滅菌デバイス、化学滅菌デバイス、又はUV放射線等の放射線を用いて滅菌する滅菌デバイスである。流体温度調節ユニット2026c’’も、流体温度調節デバイス2026c’’を通過する流体の温度を変更するために流体導管2029上に設けられてよい。例えば流体は、例えば蠕動ポンプ、ギアポンプ、膜ポンプ又は遠心分離ポンプであるポンプ2027’’を用いて循環される。
チャンバCの液体は、食塩水若しくはホウ酸等の等張液、又は抗生物質液であってよい。
医療デバイスの代替実施形態では、医療デバイスは、患者の脚が医療デバイスを出ることができるように配設される第2の開口を備えてよい。
図35に示す医療デバイスは、患者の皮膚を機械的に押圧することによって密閉するよう適合される圧力密閉部材2005’’を備える。しかしながら圧力密閉部材2005’’を真空密閉部材によって支援又は置換することも同様に考えられ、上記真空密閉部材は、本明細書の他の実施形態のいずれかに開示されている真空密閉部材等の、大気圧未満の圧力を保持し、それにより密閉を提供するよう適合された真空密閉部材である。
圧力密閉部材2005’’は例えば、圧力密閉部材2005’’内で圧力を生成するために加圧流体を提供する圧力タンク2012と流体連通してよい。
図35に示す医療デバイスは、チャンバCの外側から密閉された環境の中にエネルギを伝達するよう適合されたエネルギ伝達連結器2056を更に備え、これによりチャンバC内のツール2016にエネルギ供給できる。図35に示す連結器2056は、チャンバC内で空気圧式ツール2016にエネルギ供給するために空気圧エネルギを伝達するよう適合される空気圧式連結器2056である。ただし、他の実施形態では、エネルギ伝達連結器が、直接、液圧によって又は磁気によって機械的エネルギを伝達するよう適合され、従ってエネルギ消費ツールは機械エネルギ又は液圧エネルギの消費者であることが等しく考えられる。更に、エネルギ伝達連結器が、電気エネルギを消費するツールがチャンバCの中で操作できるように電気エネルギを伝達するよう適合されることが考えられる。ツールは、整形外科の鋸若しくは整形外科のドリル等の整形外科のパワーツール、又は光若しくは目視検査を提供するための手術用器具、つまりカメラであってよい。
エネルギ消費ツール2016は、医療デバイスが患者に接続された状態で配置される前にチャンバCの中に事前に配置でき、これによりチャンバCが患者の皮膚に接触して位置決めされた後にチャンバCの中に及びチャンバCの中から何も移動される必要はなく、このようにして周囲環境から密閉されたチャンバCを維持する。
図35の実施形態は、患者のキャビティの中での操作を可能にするために患者の皮膚に位置決めされるポート2022を更に備える。代替実施形態(不図示)では、ポート2022は、複数の物体が同じポートで同時に使用され得るように少なくとも2つのポートを備えてよい。例えば、このようなマルチポートは、操作用の2台の手術用器具及び関連する領域の目視検査用の1台のカメラを受承するよう適合されてよい。代替実施形態では、第1のポートは手術用器具を取り扱うよう適合され、第2のポートはチャンバCから患者の身体のキャビティへの物体の移動を可能にするよう適合され、物体は、例えば患者に埋め込まれる人工補綴物部品、腫瘍等の除去される患者の身体の部分を含んでよい。ポートのうちの1つ又は複数は、非拡張状態で密閉された環境と密閉された環境の外側の環境との間をし、拡張状態で手を弾性膜を通して挿入できるよう適合される弾性膜を備えてよい。
図36は、図35を参照して開示されている実施形態に類似した医療デバイスの実施形態を示す。外科医の腕は、その中での手技を可能にするために部分的に折り畳み可能な壁2101の自己密閉壁ポート2122を通して挿入される。自己密閉壁ポート2122を通した手技は、例えば、万一処置中に合併症が発生した場合に、又は手術の特定のステップのために追加の手が必要とされる場合に最後の手段として使用できる。
図36の実施形態は、流体循環のための2つのシステムを更に示す。患者の関節内の流体循環のための1つの内部システム2128’、及びチャンバCでの流体循環のための1つの外部システム2128。両方のシステムとも流体導管2129;2129’を備える。外部システム2128では、流体導管は、チャンバCへ流体を供給するために部分的に折り畳み可能な壁2101に配置される流入口2130、及びチャンバCから流体を排水するための流出口2131で接続され、内部システム2128’では、流体導管は、身体キャビティで流体を循環させるために患者の身体の流入口2130’及び患者の身体の流出口2131’に接続される。流体は、ポンピングユニット2127;2127’を用いて循環され、滅菌ユニット/濾過ユニット/温度調節ユニット2126’を介して循環される。開示されている外部システム2128は、不純物を除去し、流体を滅菌し、温度調節するよう適合される滅菌2126aユニット、濾過2126bユニット、及び温度調節2126ユニットを含む。流体がガス状流体である実施形態では、濾過ユニット2126bは、ガスの中で懸濁される粒子を除去するよう適合される。濾過ユニット2126aは、周囲環境からの気体の追加を可能にするための流入口を更に備えてよい。循環流体が液体である場合、液体の透明性は、外科医が処置の視覚的な制御を有することができるようにするために非常に重要である。液体は、本実施形態では、不純物の除去及び透明性維持のために濾過され、滅菌される。濾過ユニット2126aは、例えば活性炭を含んだフィルタを備えてよい。循環される液体は、例えば等張液及び抗生物質液である。
滅菌方法は、電気的な熱又は化学的な熱等、熱の使用を含み、滅菌はUV光等の照射を使用して、及び/又は化学的な滅菌剤の添加によって実施されることが更に考えられる。
代替実施形態では、図36に示す医療デバイスは、医療デバイスが、患者の脚が医療デバイスを出ることができるように配設される第2の開口を備えるように改変されてよい。このような実施形態は、例えば膝関節手術であるときに医療デバイスを更に小型にする。
図36の医療デバイスは、医療デバイスのチャンバC内に延在する細長い管状エンクロージャ2104を更に備える。管状エンクロージャ2104は、患者の皮膚に接触し、医療デバイスのチャンバCから患者の皮膚を分離するよう適合される。細長い管状エンクロージャ2004は、例えば患者の脚を受承して患者の脚を包囲するために適した、可撓性又は弾性の管状エンクロージャ2104である。従ってチャンバCの中で実施される外科的処置のステップは、患者の皮膚にアクセスするために管状エンクロージャ2104を通して切断することにより、患者の膝にアクセスするための皮膚の切開部を形成できることを含む。管状エンクロージャ2104は、管状エンクロージャ2104を患者の皮膚に対して固定してこれを密閉できるように、患者の皮膚に面する側に接着剤を備えてよい。細長い管状エンクロージャ2104を患者の皮膚に対してしっかりと固定することによって、患者の皮膚に存在する細菌によって引き起こされる感染症のリスクは削減される。
図36に示す医療デバイスは、患者の皮膚を機械的に押圧することによって密閉するよう適合される圧力密閉部材2105’’を備える。しかしながら圧力密閉部材2105’’を真空密閉部材によって支援又は置換することも同様に考えられ、上記真空密閉部材は、本明細書の他の実施形態のいずれかに開示されている真空密閉部材等の、大気圧未満の圧力を保持し、それにより密閉を提供するよう適合された真空密閉部材である。
圧力密閉部材2105’’は例えば、圧力密閉部材2105’’内で圧力を生成するために加圧流体を提供する圧力タンク2112と流体連通してよい。
図36に示す医療デバイスは、チャンバCの外側から密閉された環境の中にエネルギを伝達するよう適合されたエネルギ伝達連結器2156を更に備え、これによりチャンバC内のツール2116にエネルギ供給できる。図211に示す連結器2156は、チャンバC内で空気圧式ツール2116にエネルギ供給するために空気圧エネルギを伝達するよう適合される空気圧式連結器2156である。ただし、他の実施形態では、エネルギ伝達連結器が、直接、液圧によって又は磁気によって機械的エネルギを伝達するよう適合され、従ってエネルギ消費ツールは機械エネルギ又は液圧エネルギの消費者であることが等しく考えられる。更に、エネルギ伝達連結器が、電気エネルギを消費するツールがチャンバの中で操作できるように電気エネルギを伝達するよう適合されることが考えられる。ツールは、整形外科の鋸若しくは整形外科のドリル等の整形外科のパワーツール、又は光若しくは目視検査を提供するための手術用器具、つまりカメラであってよい。連結器は、図37a〜39を参照して更に開示されている。
エネルギ消費ツール2116は、医療デバイスが患者に接続された状態で配置される前に密閉された環境の中に事前に配置ができ、これによりチャンバCが患者の皮膚に接触して位置決めされた後にチャンバCの中に及びチャンバCの中から何も移動される必要はなく、このようにして周囲環境から密閉されたチャンバCを維持する。
図37a〜39は、チャンバCに密閉された環境を維持する一方、周囲環境から医療デバイス2100のチャンバCの中にエネルギ及び/又は情報を伝達するためのシステムを示す。上記システムは、本明細書に開示されている医療デバイスの環境のいずれかでチャンバCにエネルギ及び/又は情報を伝達するために使用できる。エネルギは、チャンバCの中で使用されるエネルギ消費ツール、又は視覚情報を供給するためにチャンバCの内側で必要とされる光学器具又は撮像器具に提供できる。情報連結器は、チャンバCの内側のエネルギ供給されたツールに情報(例えば制御情報)を供給するために、又はチャンバの中から外部の医療関係者に情報を提供するために必要とされる。チャンバから供給される情報は、例えばチャンバの内側に設けられる内視鏡カメラによって提供される、例えば視覚情報、又はチャンバ内の感知プローブによって提供されるセンサ情報を含むことがある。センサ情報は、例えば、体温、血圧、若しくは血流等の患者の生理学的パラメータ、又はシール内若しくはチャンバ内の圧力等の医療デバイスの物理的パラメータに関係するセンサ情報であってよい。
図37aは、図214を参照して開示されている実施形態に類似した医療デバイス2100の実施形態を示す。その違いは、流体流入口が患者の身体のキャビティを膨張させる適合される流体身体流入口2130’である点である。流体は、次いで患者のキャビティと医療デバイス2100のチャンバCとの間に流体連通を生成するトロカール2192を通して医療デバイス2100の密閉されたチャンバCに移動される。図37aに示す医療デバイス2100は、患者の身体に適用されて密閉されたチャンバCを形成するよう適合される壁2101を備え、密閉されたチャンバCでは、実施される外科的処置の一部を包囲するために密閉された環境を維持できる。医療デバイス2100は、密閉されたチャンバCの外側から密閉されたチャンバCの内側にエネルギを伝達するための運動エネルギ伝達部材2152a、2152bを更に備える。医療デバイス2100の外側に位置決めされる運動エネルギ伝達部材2152aの第1の部分は、電気エネルギを運動エネルギに変換する電気モータ2151に接続される。運動エネルギ伝達部材2152aの第1の部分は、他端では、医療デバイス2100の壁2101の外側に位置決めされるよう適合される外部部品2153a及び医療デバイス2100の壁2101の内側に配置されるよう適合される内部部品2153bを備える運動エネルギ連結器2153に接続される。運動エネルギ連結器は、例えば誘電連結器又は磁気連結器を用いて医療デバイス2100の壁2101を通して無線でチャンバCの内側からチャンバCの外側に運動エネルギを無線で伝達するよう適合される。運動エネルギ連結器の内部部品2153bは、整形外科のドリル等の運動エネルギ消費ツール2116に接続される運動エネルギ伝達部材2152bの第2の部分に接続される。
流体身体流入口2130’は流体導管2110に接続され、流体導管2110は同様に、患者の身体のキャビティに進入する流体を濾過し、滅菌し、温度調節するための温度調節ユニット2126c、滅菌ユニット2126a、及び濾過ユニット2126bを介して加圧流体タンク2112に接続される。濾過は例えば流体から粒子を除去することができ、流体の温度調節は、環境を外科的処置又は医療関係者により適切にするための流体の加熱、又は例えばチャンバCの細菌の成長率を削減するための流体の冷却であってよい。
図37bは、患者の腹部に配置される医療デバイス2100の実施形態を示す。医療デバイス2100は、患者の腹部の中での外科的処置が実施できるように、患者の皮膚Sを通して位置決めされる3つのトロカール2192a、2192b、2192cを備える。医療デバイス2100は、トロカール2192aのうちの1つに位置決めされる内視鏡カメラ2165から視覚情報を伝達するための情報連結器2155a、2155bを備える。視覚情報は、情報伝達連結器2155bの内装部品へのリード線2178bを介して、情報伝達連結器2155aの外装部品に伝達され、更に別のリード線2178aを介して、内視鏡カメラ2165によって取り込まれる視覚情報を表示するための表示デバイスに伝達される。
図38aは、流体エネルギ伝達連結器2156を更に詳細に示す。流体連結器2156は、流体導管2110aを介して接続されている図38aに示す加圧流体タンク2112等のチャンバCの外側の圧力源2112から、流体連結器の外部部分2156aへの加圧流体の移動を可能にする。流体連結器の外部部分2156aは、流体導管2110が医療デバイスの壁2110を貫通する流体連結器管2156’に接続されるときに開くよう適合されるバルブ2138を備える。流体連結器2156a;2156bが流体導管2110aに結合されていないとき、バルブ2138は閉じたままとなり、従って流体は、チャンバCの外側の流体導管2110aからチャンバCの内側の流体導管2110bにだけ移動でき、チャンバCの環境には絶対に移動することができず、このようにしてチャンバCの環境を密閉されたままとすることができる。管2156’は、流体導管2110aを管2156’にロックするために流体導管2110aの突出部材2133を受承するよう適合される溝の形態の凹部2134を備える。突出部材2133は、流体導管2110aの摺動自在の外部部分2110a’によって凹部2134の中に押し込まれる小さな球形のボール2133である。外部部分2110a’の左方向への摺動により、球形のボール2133は外部部分2110a’の凹部に係合し、このようにして管2156’の凹部2133から除去され、このようにして流体導管2110aを管2156’から解放する。流体導管2110aの接続部分の内側は、管2156’と流体導管2110aの接続部分との間に密閉を提供する複数のOリング2154を備える。流体連結器2156bの内部は外部部分2156aと同一であり、このようにして流体導管の内部部分2110bを管2156’に接続し、対応する方法で流体の移動を可能にする。
図38bは、流体エネルギ伝達連結器2156の代替実施形態を詳細に示す。代替実施形態は、2つの流体エネルギ伝達連結器2156αを備え、これにより流体エネルギを回ることができる。流体は第1の流体エネルギ伝達連結器2156βを通してチャンバCに進入し、第2のエネルギ連結器2156を通してチャンバCを出て、これによりチャンバCの密閉された環境に流体は追加されない。
図38cは、運動エネルギ伝達連結器2153を詳細に示す。連結器2153は、回転運動エネルギを接触せずに医療デバイスの壁101を通して伝達するよう適合される。運動エネルギ伝達連結器2153は、外部部品2153aの磁石が、運動エネルギ伝達部材2152aが回転するのにつれて回転するように、運動エネルギ伝達部材2152aに接続される磁石を備える外部部品2153aを備える。運動エネルギ伝達連結器2153は、運動エネルギ伝達部材2152bに接続される内部部品2153bを更に備え、運動エネルギ伝達部材2152bは同様に運動エネルギを消費するチャンバCの内側のツールに接続される。内部部品2153bは、外部部品2153aの磁石と磁気的に係合するよう適合される磁石又は磁気材料を備え、これにより内側部品2153bの磁石又は磁気材料は外部部品2153aの磁石と共に回転する。連結器は、連結器2153の中心に配置され、連結器2153の外部部品2153a及び内部部品2153bを保持し、位置合わせするよう適合される保持磁石2157を更に備え、これにより回転エネルギは、医療デバイスの壁2101を通してチャンバCの外側からチャンバCの内側へ接触なしに伝達でき、従ってチャンバCは、チャンバCの外側からチャンバCの内側に運動エネルギを伝達しつつ、密閉されたままである。
図38dは、運動エネルギ伝達連結器2153の外部部品2153a及び内部部品2153bを磁気的に保持し、位置合わせする保持磁石2157a;2157bを用いて接続され、これにより運動エネルギがチャンバCの外側からチャンバCの内側に伝送できるときの図38cに示す実施形態の運動エネルギ伝達連結器2153を示す。運動エネルギ伝達連結器2153の外部部品2153aは、電気エネルギを回転運動エネルギに変換する電気モータ2151に同様に接続される運動エネルギ伝達部材2152aに接続される。内部部品2153bは、回転力を伝達するよう適合されるワイヤ等の運動エネルギ伝達部材2152bに接続され、運動エネルギ伝達部材2152bは同様に、整形外科のドリル又は整形外科のリーマ等の運動エネルギを消費するチャンバCの内側のツールに接続される。
図38cは、誘導を用いてチャンバCの外側からチャンバCの内側にエネルギを伝達するよう適合される電気エネルギ伝達連結器2158を示す。エネルギ伝達連結器2158は、電気エネルギのなんらかの形の供給に接続されるリード線2178aに接続される第1のコイル2166aを備える、第1の外部部品を備える。第2の部品は、電気エネルギを消費するチャンバC内のツールに同様に接続される第2のリード線2178bに接続される第2のコイル2166bを備える。内部部品と外部部品の両方とも、電気エネルギが十分に伝達されるように電気エネルギ伝達連結器2158を保持し、位置合わせするよう適合される磁石2157a;2157bを更に備える。図38eの電気エネルギ伝達連結器2158を使用すると、電気エネルギはチャンバCの外側からチャンバCの内側に無線で伝達でき、これにより電気エネルギの伝達中チャンバCを密閉されたままにすることができる。電気エネルギを消費するツールは、整形外科のドリル等の機械的なツール、カメラのような光学器具、又はジアテルミー器具等の電気器具であってよい。電気エネルギ伝達連結器2158は、例えばバイナリ電気パルスの形態の情報を伝達するよう、更に適合できる。情報は、例えば、医療デバイスのチャンバCの内側に配置されるカメラから医療デバイスのチャンバCの外側への光学情報である。
図38fは、チャンバCの外側からチャンバCの内側に運動エネルギを伝達するための運動エネルギ伝達部材2152の実施形態を示す。運動エネルギ伝達部材のデバイスは、医療デバイス2100の壁2110を通して位置決めされるよう適合されるスリーブ2159を備える。スリーブ2159は医療デバイスの壁2101のひだ状部分2103に固定され、ひだ状部分2103はチャンバCでのスリーブ2159の移動を可能にするよう適合され、これにより医療デバイス2100のチャンバCの内側で送達される運動エネルギの位置を変更できる。モータ2151はスリーブ2159に位置決めされ、回転運動エネルギを伝達するよう適合される細長い運動エネルギ伝達部材2152に接続される。細長い運動エネルギ伝達部材2152は、(図示すドリル等の)運動エネルギを消費するツール2116を固定できるツールホルダ2160に同様に接続される。運動エネルギを消費するツール2116は、スリーブ2159とツール2116との間でベアリング及び密閉として働くOリング2154を介してスリーブ2159に密閉状態で接続される。Oリング2154はツールとスリーブ2159との間に密閉を提供するため、スリーブ2159の中空の内側は医療デバイスのチャンバCから密閉され、このようにしてチャンバCは、運動エネルギがチャンバCの外側とチャンバCの内側との間で伝達されるときに周囲環境から密閉される。回転運動エネルギを供給する電気モータ2151は、並進運動エネルギを供給するモータによって置換されることがあり、この場合、回転運動エネルギを伝達する運動エネルギ伝達部材2152は、例えば並進鋸刃又は旋回ツールに栄進運動エネルギを伝達するよう適合される運動エネルギ伝達部材によって置換される。
図38cは、医療デバイスのチャンバCの内側からチャンバCの外側に情報を無線で伝達するよう適合される情報伝達部材2155の実施形態を示す。情報伝達部材2155は、医療デバイスの壁2101の外側に位置決めされ、壁2101に接続される外部部品2155aを備える。外部部品2155aは、IR光パルスの形態の情報を発するよう適合される赤外線(IR)ダイオード2174a、及びIR光パルスの形態の情報を受信するよう適合されるIR検出器2175aを備える。情報伝達部材2155は、IRダイオード2174aが、内部部品2155bのIR検出器によって受信できるIR光パルスの形態の情報を発することができ、従って医療デバイスの壁2101を通して、外部部品2155aから内部部品2155bに情報を伝達できるように、医療デバイスの壁2101に接続され、情報伝達部材2155aの外部部品2155aと位置合わせされる、医療デバイスの壁2101の内側に配置されるよう適合される内部部品2155bを更に備える。内部部品2155bは、外部部品2155aのIR検出器2175aと位置合わせされるIRダイオード2174bを更に備え、これにより情報は、IR検出器2175aによって検出されるIR光パルスを用いて医療デバイスの壁2101を通して、チャンバCの内側から伝達できる。
チャンバCの内側からチャンバCの外側に伝達される情報は、例えば、リード線2178bcを用いて情報伝達部材2155の内部部品2155bに伝達される医療デバイスのチャンバCの内側に配置されるカメラ2165によって取り込まれる画像データである。画像データが情報伝達部材2155を用いて医療デバイスの壁2101を通して無線で送信された後、情報はリード線2178aを用いて表示ユニットに伝達され、これにより医療関係者は医療デバイスのチャンバCの内側に配置されるカメラ2165によって取り込まれる画像を見ることができる。チャンバCに伝達される必要のある情報は、例えばズームレベル及び/又は解像度等のチャンバCの内側に配置されるカメラ2165のための設定値を例えば含む。
代替実施形態では、IRダイオードは、本発明の概念から離れることなく、なんらかの他のタイプの発光ダイオード(LED)及び対応する検出器によって置換できる。光パルスの送信に基づき情報伝達部材を有することにまつわる1つの優位点は、無線信号が発せられないことであり、このことは無線伝達によって手術室内の他の電子機器が乱れるリスクを低減する。
図38hは、情報伝達部材2155が、チャンバCの内側からチャンバCの外側へ、逆の場合も同じく無線信号を送信し、受信するよう適合される第1の無線トランシーバ2155a及び第2の無線トランシーバ2155bを備える、情報伝達部材2155の実施形態を示す。第1の無線トランシーバ2155a及び第2の無線トランシーバ2155bは、それぞれリード線2178a;2178bを用いて情報を送信する及び/又は受信するユニットに結合される。情報を送信する、及び/又は受信するユニットは、例えばチャンバCの外側にある制御ユニット又は監視装置、及びチャンバCの内側にある光学器具又はセンサである。
図39は、医療デバイス2100の壁2101がチャンバCを形成する医療デバイス2100の実施形態を示し、チャンバCの中では、密閉された環境が外科的処置の部分を包囲するために維持できる。医療デバイス2100は、血圧計として操作される血圧監視ユニットを備える監視ユニット2198を更に備える。血圧監視ユニットは、患者の脚の周囲にぴったりと配置されるカフ2176に接続される。血圧監視ユニットは、カフ2176がまず収縮期動脈圧力を超える圧力まで膨張した後、約30秒の期間に亘って拡張期血圧未満に低下することによって操作される。カフ2176を通過する血流が流れていないとき、カフ2176圧力は基本的に一定となる。血流が存在するが制限されるとき、血圧監視ユニットに接続される圧力感知プローブ2173’によって監視されるカフ2176圧力は、動脈の周期的な拡張及び収縮に同調して周期的に変わる。収縮期血圧及び拡張期血圧の値は、このようにして計算できる。流量は、リード線2178b’に接続され、膝の側面側等の患者の脚の関連する場所で血流を測定するよう適合される超音波流量計2173’’を使用して測定される。血圧監視ユニットは、例えば1〜5分、5〜10分、10〜20分、又は20〜30分の間隔で等、周期的に患者の血圧を測定するよう適合されてよい。医療デバイス2100は、(図38a、38bを参照して開示されている流体エネルギ伝達連結器等の)流体エネルギ伝達連結器を更に備える。流体エネルギ伝達連結器2156は、流体導管の第1の部分2110b’を流体導管の第2の部分2110b’’に接続する。流体導管の第1の部分2110b’は、流体導管2110b’に加圧流体を供給するために圧力生成部材2167に接続される。流体導管の第2の部分2110b’’は、膨張可能なカフ2176に接続される。医療デバイスは、(医療デバイス2100の壁2101を通して)監視ユニット2198に感知された血流の値を無線で伝達するために、図38g、38hに示す無線情報伝達部材等の無線情報伝達部材2155を更に備える。監視ユニットは、カフ2176を膨張させる圧力を生成する圧力生成部材2167にリード線2178cを介して同様に接続される。カフ2176を膨張させる圧力生成部材にフィードバックを提供することによって、患者の脚の血流は調節できる。
図39に示す実施形態は、患者の血液の飽和、つまり乳酸塩等の虚血マーカ等の患者の身体の生理学的パラメータを感知するよう適合される侵襲感知プローブ2173’’’を更に備える。侵襲センサ2173’’’はリード線2178b’’’に接続され、2173’’’は、侵襲センサ2173’’’からの情報が情報伝達部材2155の外部部品2155aに、更にリード線2178aを介して感知された生理学的パラメータを監視するための監視ユニット2198に無線で送信されるように情報伝達部材2155の内部部品2155bに同様に接続される。監視ユニット2198は、密閉部材2105’’の圧力及び/又はカフ2176の圧力が、カフ2176の圧力を感知する圧力センサ2173’、患者の脚の血管の血流を感知する超音波血流センサ2173’’、及び患者の物理的パラメータを感知する侵襲センサ2173’’’のうちの1つ又は複数からの入力に基づいて調節できるように、圧力生成部材2167にフィードバックを提供するために圧力生成部材2167に接続される。上述の監視によって、患者の脚が十分に飽和されていることを保証することと、圧力シールが細長い管状エンクロージャ2104と周囲環境との間で十分な密閉を提供することを保証することとの間を調停できる。
図40a〜40q’’’’は、腹腔鏡手術が手術全体の間に完全に被包されたままとなることができるように内視鏡手術を実施するための医療デバイスを示す。通常の腹腔鏡手術の間、トロカール内の密閉膜の中で、及び患者の皮膚を貫通する膨張デバイスに接続された状態で、トロカールが配置される切開部で漏れが発生する。手術を完全に被包したままにすることの優位点は、腹腔鏡ガスの使用の減少、感染症のリスクのさらなる削減、及び手術で使用される、例えばジアテルミー器具からの煙を含んだ腹腔鏡ガスが手術室の環境を汚染するリスクの削減を含む。デバイスが、より少ない腹腔鏡ガスを消費する手術を可能にするという優位点は、医療デバイスが野外手術に使用され、その場合腹腔鏡ガスの供給が制限される可能性があるときに特に重要である。
図40a〜40dの医療デバイス2200では、トロカールは、トロカール2292の第1の部分p1が壁2201によって形成されるチャンバの内側に配置され、トロカール2292の第2の部分p2がチャンバの外側に配置され、従ってトロカールの第2の部分p2を患者の皮膚を通して患者のキャビティの中に挿入できるように、医療デバイス2200の下部壁を通して配置される。トロカール2292の第2の部分p2は、トロカール2292の患者の中への挿入の前に除去される保護シートによって保護される。トロカール2292の内側は、好ましくは、トロカール2292が患者の皮膚を通して挿入されるときに、周囲環境、及び患者のキャビティ内の環境から壁2201によって取り囲まれるチャンバを分離する膜を備える。内視鏡器具2289は、壁2201によって完全に被包され、従ってトロカール2292の膜を通して挿入されていないときにチャンバに完全に配置される。内視鏡器具2289は、このようにしてトロカール2292が患者の皮膚を通して位置決めされるまでチャンバの内側に位置決めすることができ、従って内視鏡器具2289は、チャンバの内側、又は患者の中に形成されるキャビティの内側のどちらかに位置決めされる。
図40aは、内視鏡手術を実施するための医療デバイスを示す。医療デバイスは、外科的処置のステップを実施できるチャンバを形成するよう適合される壁2201を備える。接着部分2250を備える壁2201の一部分は、患者の皮膚に固定されるよう適合される。医療デバイス2200は、チャンバの中に取り囲まれる内視鏡器具2289を備える。医療デバイスは、医療デバイスの壁2201によって取り囲まれるチャンバと患者のキャビティとの間で流体連通が確立できるように、医療デバイス2200の壁2201を通して位置決めされるトロカール2292を更に備える。トロカール2292の第1の部分p1は医療デバイス2200のチャンバの内側に配置され、トロカール2292の第2の部分p2はチャンバの外側に位置決めされる。医療デバイスは、医療デバイス2200のチャンバを膨張させるためのシステムに接続されるよう適合される壁2201に配置される流体流入口2230を備える。上記システムは、加圧流体を備えるタンク2212に接続される流体導管を備える。システムは、チャンバに進入する流体の温度調節をするための温度調節ユニット2226c、及びチャンバに進入する流体を滅菌及び/又は濾過するための滅菌システム2226a及び/又は濾過システム2226bを更に備える。手術用器具2289は、ハンドル部分2289’がチャンバの外側から操作できるように壁2201によって手術可能な状態で被包されるハンドル部分2289’を備える。
図40bは、カバリングシート2277が医療デバイス2200の接着表面2250から除去されており、これによりトロカール2292の第2の部分p2及び医療デバイス2200の壁2201の接着表面2250が、医療デバイス2200を患者の皮膚Sに固定できるように曝露される、図40aに示す実施形態による医療デバイス2200を示す。
図40cは、壁2201の接着部分2250が患者の皮膚Sに固定され、壁2201が、外科的処置を実施できるチャンバCが形成されるように膨らまされるときの図40a、40bに示す実施形態による医療デバイスを示す。医療デバイス2200の壁2201は、可撓性又は弾性であり、大気圧を超える圧力を保持するよう適合される。上記壁は、例えば、可塑剤添加剤を有するポリ塩化ビニル(PVC)等の可撓性ポリマー材料、又はシリコーン等の弾性ポリマー材料から作製される。医療デバイス2200の壁2201は、医療デバイス2200の壁2201の流入口2230を通して、図220aを参照して開示されている膨張のためのシステムを用いて膨らまされる。医療デバイス2200は、医療デバイス2200の壁2201に配置され、医療デバイス2200のチャンバCの中で操作を可能にする手袋2202a;2202bを更に備える。代替実施形態では、図40a〜40cに示す医療デバイスは、接着部分2250を支援する、又は置換する真空密閉部材を備えてよい。
図40a〜40cに示す医療デバイスは、排出バルブ等のチャンバから流体を排出するための排出バルブ、及び図40q’’に示すシステムを更に備えてよい。
図40dは、内視鏡手術を実施するために使用されるときの、図40a〜40cに示す医療デバイスを使用する内視鏡システムを示す。医療デバイス2200’の壁2201の中で取り囲まれている内視鏡カメラ2265を備える第1の医療デバイス2200’は、患者内のキャビティで目視検査を可能にするために使用される。第2の2200’’医療デバイス及び第3の医療デバイス2200’’’は、患者の腸の腫瘍Tを除去する等の内視鏡的処置を実施するために患者のキャビティの中に手術用器具2289を挿入するために提供される。各医療デバイスは、医療デバイス2200の壁2201の接着部分2250を用いて患者の皮膚Sに固定される。各医療デバイスが患者の皮膚Sに密閉状態で固定されることによって、細菌が進入するリスクを低減する密閉された内視鏡システムが形成される。
図40e〜40qは、密閉された環境で内視鏡的処置を実施するためのシステムを示す。システムは患者の皮膚を通して位置決めされるよう適合される内視鏡トロカールを備え、これにより内視鏡的処置は患者のキャビティの内側で実施でき、医療デバイスはトロカールを通して挿入される器具を被包するよう適合できる。器具を被包することによって、器具は、患者の身体の外側にあるときにも無菌に保つことができ、これにより特定のトロカールで使用される器具は、トロカールが、患者の身体の外側にある間に汚染されるリスクなしに交換できる。被包された内視鏡手術は、例えば、患者の関節内での関節鏡下外科的処置において、又は例えば野戦病院において、及び第三世界諸国の病院において等、無菌に保つことが困難である環境において等、感染症のリスクが特に高いときに使用できる。図40e〜40qの実施形態は、密閉された内視鏡システムを形成するために必要とされる特徴の代替実施形態を示す。密閉された内視鏡システムでの追加の優位点は、患者のキャビティを膨張させるために使用される流体が内視鏡システムの密閉された領域の外側に漏れず、このことが流体の消費を最小限に保つ点である。ただし、特徴はそれが図示す特定の実施形態に制限されず、機能する医療デバイスシステムを形成するための実施形態のいずれと組み合わせて使用することもできる。
図40eは、患者の身体の外側に位置決めされるよう適合される第1の部分p1、並びに患者の皮膚Sを通して及び患者の身体のキャビティの中に位置決めされるよう適合される第2の部分p2を有するトロカール2292を示す。トロカール2292は、トロカール2292に固定され、患者の皮膚Sの表面を密閉して、固定するよう適合される接着表面2250を用いて患者の皮膚Sに固定されるよう適合される。トロカール2292は、患者の身体のキャビティと周囲環境との間をするよう適合される自己密閉膜2243の形態の、トロカール2292内部のシール2243を更に備える。自己密閉膜2243は、例えばシリコーン自己密閉膜、又は例えばApplied medical inc.から入手可能なゲルポート等のゲル型自己密閉膜を備える。トロカール2292は、図40h、40h’、401〜40oに示す医療デバイス等の医療デバイスにトロカール2292を接続するための接続部分2284aを更に備える。図40eに示されている実施形態の接続部分2284aは、トロカール2292の接続部分2284aを包囲する溝2234の形態の凹部2234を備える。凹部2234は、医療デバイスの接続部分の突出部分を受承するよう適合される。ただし、代替実施形態では、接続部分2284aは、異なる構成を有することがあり、接続部分は、例えば突出部分を備え、医療デバイスの凹部に接続されるよう適合されている。
図40fは、トロカール2292が患者の皮膚Sに対する真空シールを提供するために大気圧未満の圧力を保持するよう適合される真空密閉部材2205’を備える実施形態を示す。真空密閉部材2205’は、(本出願に開示されている他の実施形態で参照番号xx08として示す)真空ポンプ等の真空源と流体連通する真空導管2206を介する。真空密閉部材2205’は、接着剤である、患者の皮膚Sに接触する表面によって支援されてよい。
図40gは、トロカール2292が(本出願に開示されている他の実施形態で参照番号xx12として示す加圧流体タンク、又は本出願に開示されている他の実施形態で参照番号xx09として示す流体ポンプ等の)圧力源に流体導管2210を介して接続される圧力シール2205’’を備える、トロカールの代替実施形態を示す。膨らまされているとき、圧力シール2205’は、患者の皮膚Sの外側にある第1の拡張部2205’’、及び患者の皮膚Sの内側にある第2の拡張部2205’’を有する膨張したチャンバを形成し、これにより皮膚S(及び組織)は、第1の拡張部2205’’によって外側から、及び第2の拡張部2205’’によって内側から押される。皮膚S(及び組織)は、膨張している上記膨張可能なチャンバ2205’’によって患者の皮膚Sに対して平行な方向で更に押され、密閉はこのようにして患者の皮膚S及び組織に対して、並びに患者の皮膚Sに平行な方向で皮膚Sの切開部の端部に対して外側から垂直に提供される。
図40g’は、図220gに示す実施形態に類似した実施形態を示し、その違いは、図220g’の圧力シール2205’’が2つの別々のチャンバ2205’’a及び2205’’bを備え、第1のチャンバ2205’’aは、その外側から患者の皮膚Sの表面を押すよう適合される点である。そして、圧力シール2205’’の第2のチャンバ2205’’bは、その内側から患者の皮膚S及び組織を押すよう適合される。2つの別々のチャンバは、トロカール2292の内側を通る流体導管2210’を用いて互いと流体連通するよう適合される。
図40g’’は、サポート2249a、2249bに接続されるばね2232;2232bを用いて皮膚S及び組織を押す旋回サポート2249a;2249bを備える実施形態を示す。外部旋回サポート2249aは、外部サポート2249aに接続され、外部サポート2249aに押す力を印加するばね2232aによって、患者の皮膚Sに実質的に垂直で、従ってトロカール2292に実質的に平行な方向で、患者の皮膚Sの表面を押すよう適合される。内部旋回サポート2249bは、内部旋回サポート2249bに接続され、内部サポート2249bに押す力を印加するばね2232bによって、患者の皮膚Sに実質的に垂直で、従ってトロカール2292に実質的に平行な方向で、患者の身体の内側から患者の皮膚S及び組織の内側を押すよう適合される。内部旋回サポート及び外部旋回サポート2249a;2249bは、トロカール2292に対して折り畳むことができ、これによりトロカール2292は、患者の皮膚Sで形成される切開部を通して挿入できる。
図40hは、被包された内視鏡手術を実施するためのシステムの実施形態を示す。上記システムは、図40eを参照して更に説明されるトロカール2292、及びトロカール2292に接続されるよう適合される医療デバイス2200を備える。医療デバイス2200は、内視鏡器具2289が取り囲まれるチャンバを取り囲む可撓性壁2201を備える。医療デバイス2200は、可撓性壁2201に位置決めされ、トロカール2292の接続部分2284aに接続するよう適合される接続部分2284bを備え、これにより壁2201によって取り囲まれるチャンバと患者内のキャビティとの間で流体連通が形成される。医療デバイス2200の接続部分2284bは、ばね2232によってオリフィスの端部に押し付けられる突出するボールの形態の突出部材2233を備える。トロカール2292の接続部分2284aの凹部2234がばね22232及びボール2233を収容するキャビティと位置合わせされるとき、ボール2233はばね2232によって凹部2234の中に押し込まれ、このようにして医療デバイス2200を接続し、トロカール2292に固定する。
医療デバイス2200の接続部分2284bは、内視鏡器具2289を挿入できる中心の小さい自己密閉穴を備える自己密閉膜2243bを備える。自己密閉膜2243bはトロカールの接続部分2284aで位置決めされ、これにより自己密閉膜2243bは、医療デバイス2200及びトロカール2292が接続されるとき、トロカール2292の自己密閉膜2243aに当接する。2つの自己密閉膜2243a:2243bは、このようにして単一の膜として働く2つの自己密閉膜2243a;2243bを通して内視鏡器具2289の挿入を可能にする一体化された事故密閉膜を形成し、これによりチャンバ及び患者のキャビティが周囲環境から完全に密閉されたままとなる一方で、医療デバイス2200のチャンバと患者のキャビティとの間の流体連通が形成できる。
図40hの手術用器具2289は、手術用器具を操作するためのハンドル部分2289’を備える。手術用器具2289の端部で小さな把持部分を操作するための図40hに示す実施形態では、ハンドル部分は、チャンバの外側からハンドル部分を操作できるように壁2201によって手術可能な状態で被包される。
図40h’は、図40hに示す実施形態に類似した医療デバイスの実施形態を示し、その違いは、医療デバイスの壁2201が、ハンドル部分2289’がトロカール2292のより近くに移動されるとひだ状部分2203を圧縮できるようにひだ状部分2203を備え、これにより手術用器具が患者のキャビティの中で操作を実施できる点である。医療デバイスの壁2201は、壁2201によって取り囲まれるチャンバの密閉された環境の外側でハンドル部分が保たれるようにハンドル部分2289’のすぐ下方で手術用器具に固定される。一方、膜2243a;2243bを通して、及び患者のキャビティの中に挿入されるよう適合される手術用器具2289の部分は、壁2201によって被包され、従って密閉された環境に保たれる。
図40h’の実施形態は、第1の及び第2のカバリングシート2277a;2277bを更に示し、第1のカバリングシート2277aは、自己密閉膜2243aを含んだトロカール2292の接続部分2284aを被覆するよう適合される。第2のカバリングシートは医療デバイス2200の接続部分2284bを被覆するよう適合され、これにより自己密閉部材2243bは覆われる。2つのカバリングシート2277a;2277bは、自己密閉膜2243a;2243bが曝露されるように、医療デバイス2200及びトロカール2292が接続される前に除去されるよう適合される。カバリングシート2277a;bは、好ましくは、PTFE面等の付着防止面で覆われる薄いポリマー材料から作製される。
図40iは、図40eに示す実施形態に類似したトロカール2292の実施形態を示し、その違いは、図40iに示す実施形態が、トロカール2292に固定され、患者のキャビティの中に挿入されるよう適合されるトロカール2292の部分p2を取り囲むよう適合される壁2201を備え、これによりこの部分p2を無菌に保つことができる点である。図40iに示す実施形態は、膜2243aを含むトロカールの接続部分2284aを被覆するカバリングシート2277a’、及び患者の皮膚にトロカール2292を固定するよう適合されるトロカール2292の接着表面2250を被覆するカバリング部分2277a’’を更に備える。接着部分2250は壁2201に固定される。
図40jは、切開Iが実施され、患者のキャビティの中へのトロカールの挿入を可能にするときの患者の皮膚Sを示す。
図40kは、接着表面2250を被覆するカバリングシート2277a’’が除去され、従って接着表面2250を曝露し、接着表面2250が患者の皮膚Sに接触する接着表面2250によって患者の皮膚Sに固定されるときの図40kに示す実施形態によるトロカール2292を示す。医療デバイス2200の壁2201は、例えば可塑剤添加剤を有するポリ塩化ビニル(PVC)等の可撓性ポリマー材料、又はシリコーン等の弾性ポリマー材料から作製される。
図220lは、ひだ状部分が形成されるように、部分p2が、圧縮されているトロカールの可撓性壁2201によって患者の皮膚を通して患者のキャビティの中に挿入されるときのトロカール2292を示す。保護カバー2277a’は、トロカールの接続部分2284aから除去され、自己密閉膜2243aを曝露する。
図40mは、図40lに示すトロカール2292、及びトロカール2292に接続するための接続部分2284bを備える医療デバイス2200を示す。医療デバイスは、医療デバイス2200の接続部分2284bを覆い、従って医療デバイス2200の接続部分2284bの自己密閉膜2243bを被覆するための着脱自在のカバリングシート2277bを備える図40hを参照して開示されている医療デバイスである。
図40n’は、それぞれトロカール2292及び医療デバイス2200の接続部分2284a;2284bを示す。トロカール2292の自己密閉膜2243aは、膜2243aの中心に配置され、自己密閉膜2243aの材料の弾性特性を用いて自己密閉膜2243aを通した器具2289の挿入を可能にする小さい自己密閉穴2244aを備える。自己密閉膜2243aは、例えばApplied medical inc.から入手可能なゲルポートの自己密閉膜である。図40n’は、医療デバイス2200の接続部分2284bを更に詳細に示す。医療デバイス2200は、内視鏡器具2289が取り囲まれるチャンバCを取り囲む可撓性壁2201を備える。接続部分2284bは、可撓性壁2201に位置決めされ、トロカール292の接続部分2284aに接続するよう適合され、これにより壁2201によって取り囲まれるチャンバCと患者内のキャビティとの間に流体連通が形成される。医療デバイス2200の接続部分2284bは、ばね2232によってオリフィスの端部に対して押し付けられた突出ボールの形態の突出部材2233を備える。ボール2233は、このようにしてトロカールの接続部分2284aからボール2233に作用する力によってばね2232を収容するキャビティの中に押し込むことができる。トロカール2292の接続部分2284aの凹部2234がばね2232及びボール2233を収容するキャビティと位置合わせされるとき、ボール2233はばね2232によって凹部2234の中に押し入れられ、このようにして医療デバイス2200を接続し、トロカール2292に固定する。医療デバイス2200の接続部分2284bは、自己密閉膜2243bを通した器具2289の挿入を可能にするよう適応される小さい自己密閉穴2244bを備える自己密閉膜2243bを備える。
図40n’’は、トロカール2292及び医療デバイス2200が接続されているときの医療デバイス2200を示す。ボール2233は、ばね2232によって凹部2234の中に押し入れられ、このようにして医療デバイス2200を接続し、トロカール2292に固定する。トロカールの自己密閉膜2243aは、一体化された自己密閉膜が形成されるように医療デバイス2200の自己密閉膜2243bに当接する。トロカール2292の小さい自己密閉穴2244aは、自己密閉膜2243a;2243bの材料の弾性によって一体化された自己密閉膜を通して手術用器具を挿入できるように、医療デバイス2200の小さい自己密閉穴2244bと位置合わせされる。
図40n’’’は、チャンバCからトロカール2292の内側に自己密閉膜2243a;2243bの拡張されたオリフィスを通して挿入された器具2289と接続されるときのトロカール2292及び医療デバイス2200を示す。
図40oは、手術用器具2289の把持部分2289’’が、患者の腸系の腫瘍Tの除去を支援する等、患者のキャビティの中で外科的処置のステップを実施できるように、患者内のキャビティでの操作用の手術用器具2289が一体化された自己密閉膜を通して、及びトロカール2292を通して、及び患者のキャビティの中に挿入されるときの、接続されたトロカール2292及び医療デバイス2200を備える医療デバイスシステムを示す。医療デバイス2200の壁2201’及びトロカールの壁2201’’の両方とも、ひだ状部分2203が形成されるように圧縮される。壁2201’;2201’’は、手術用器具2289が患者のキャビティの中で移動でき、従ってキャビティ内のさまざまな位置に達することができるように更に可撓性である。
図40pは、医療デバイス2200’が異なる手術用器具を取り囲む医療デバイス2200’’;2200’’に交換されるときの医療デバイスシステムを示す。把持手術用器具2289を取り囲む医療デバイス2200’は、例えば内視鏡カメラ226tを取り囲む医療デバイス2200’’’又はステープル器具2289sを取り囲む医療デバイスに交換できる。手術用器具/カメラ2289;2289s;2265が、医療デバイス2200がトロカール2292から切断される前に両方の自己密閉膜2243a;2243bを通して患者のキャビティ及びトロカール2292の内側から引き戻されるにつれ、手術用器具2200のチャンバC及びトロカール2292の内側は処置の全てのステップの間に周囲環境Aから密閉される。トロカール2292で使用される手術用器具は、このようにして異なる器具が必要とされるときに手術部位から除去し、器具が手術部位を汚染するリスクなしに使用に戻すことができ、上記システムを、より無菌ではない環境で内視鏡的処置を実施するときに使用するのに極めて適したものにする。
図40q’は、図40cに示すトロカールが、チャンバCから流体を排出するための排出バルブ2238を備える医療デバイス2200に接続される実施形態による医療デバイスシステムを示す。排出される流体は、キャビティの中で目視検査を可能にするために患者のキャビティを膨張させるために使用される気体又は液体である。気体又は液体は、外科的処置のステップによって汚染されることがある。CO2ガス等の腹腔鏡ガスは、外科的処置の間にキャビティの内側で使用されるジアテルミー器具からの煙によって汚染されることがあり、このことはチャンバC及びキャビティ内の良好な視認性を得る可能性に影響を及ぼす。排出バルブ2238は流体導管2210に接続され、流体導管2210は、ジアテルミー器具の使用からの煙等の不快な煙が外科的処置の間に手術室の環境の中に放出されないように排出される流体を濾過するよう適合される濾過ユニット2226bに同様に接続される。濾過ユニット2226bは、更に排出バルブ2238の開放を制御するための制御システムである。制御システムは、例えばチャンバCの圧力、チャンバCの視認性、チャンバCでの煙の検出、チャンバCの温度、及び/又は時間に関係したパラメータに基づいて排出バルブを制御できる。
図40q’’は、図40q’の実施形態に類似した実施形態による医療デバイスシステムを示し、その違いは、チャンバCを取り囲む壁2201がより大きく、これによりハンドル部分2289’を含んだ手術用器具2289全体がチャンバCに取り囲まれる点である。医療デバイス2200は、手術用器具2289のハンドル部分2289’が、一体化された手袋2202a;2202bを使用して外科医によってチャンバCの中で操作できるように、医療デバイス2200の壁2201に一体化された手袋2202a;2202bを更に備える。医療デバイス2200の壁2201は、手術用器具がシールを通して挿入されるときに、患者の身体の膨らまされたキャビティとの流体接続によって医療デバイス2200のチャンバCの中に膨らまされる、大気圧を超える圧力を保持するよう適合される。
図40q’’’は、医療デバイスが外科的処置の特定のステップを実施するための異なる医療デバイスに交換されるときに(例えば図40pに示す医療デバイスの交換)切断された後に医療デバイス2200がトロカール2292に再接続されるときに、新しい無菌膜が曝露できるように着脱可能である複数の自己密閉膜2243’;2243’’;2243’’’を接続部分2284a;2284bが備える代替実施形態を示す。自己密閉膜の積層体は、次の2243’’等に付着する第1の2243’自己密閉膜を用いて互いに接続される。自己密閉膜2243’;2243’’;2243’’’が除去されるのに伴い自己密閉膜の積層体が薄くなるにつれ、曝露される自己密閉膜がトロカール2292の曝露された自己密閉膜に接続された状態で配置され、従って相互接続された自己密閉膜が形成できるように、曝露された自己密閉膜は送られる必要がある。自己密閉膜2243’;2243’’;2243’’’の積層体は、自己密閉膜2243’;2243’’;2243’’’等の送り方向に垂直な接続部分2284a;2284bの穿孔に位置決めされるばねの作用によって送られる。
図40q’’’’は、医療デバイス2200の接続部2284bが、トロカール2292の接続部分2284aに、その外側でトロカール2292に係合することにより接続するよう適合されるスリーブ2259を備える医療デバイスシステムの代替実施形態を示す。スリーブ2259は、スリーブ2259とトロカール2292との間をするためのOリング2254の形態の密閉部材を備える。図40q’’’は、患者のキャビティを流体で膨張させるための流体システムを更に示す。流体システムは、患者の皮膚Sを通して配置され、流体導管2210に接続される流体流入口2230’を備え、流体導管2210は加圧流体を備えるタンク2212に同様に接続される。患者のキャビティの中への流体の流れは、流体導管2210の一部分に配置され、例えばマノメータ及び患者のキャビティに進入する流体の流量及び/又は圧力を適合するための制限バルブを備える制御/監視システム2215を用いて制御される/監視される。
図41aは、医療デバイスを使用して患者の身体の内側に無菌環境を形成する方法を説明するフローチャートである。本方法は、a患者の身体の皮膚に切開部を作成するステップを含み、この切開部は、直視下手術の大半に関しては比較的大きな切開部であってよく、又は鍵穴手術により適した比較的小さな切開部であってよい。次いで、本方法は:b上記切開部を通して、第1の内部密閉部材を備える第1の内部密閉デバイスを挿入し、第1の内部密閉デバイスが管状壁に接続される挿入するステップ;c少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の少なくとも一部に接続された状態で第1の内部密閉部材を位置決めすることにより、医療デバイスと少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の少なくとも一部との間に第1のシールを生成するステップ;d上記切開部を通して、第2の内部密閉部材を備える第2の内部密閉デバイスを挿入し、第2の内部密閉デバイスが管状壁と接続されるステップ;e少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の少なくとも一部に接続された状態で第2の内部密閉部材を位置決めすることにより、医療デバイスと少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の少なくとも一部との間に第2のシールを生成し、従って医療デバイスチャンバが第1の内部密閉デバイスと第2の密閉デバイスと管状壁との間に密閉状態で形成されるステップを含む。
図41bは、更に図41の方法を示すフローチャートであり、任意選択で:f患者の皮膚の切開部を通して少なくとも1つのトロカールを挿入するステップ;gトロカールの中に少なくとも1つの切開ツールを挿入するステップ;及びh器官又は組織の領域を切開するステップのうちの少なくとも1つを含んでよい。更に本方法は、任意選択で、i患者の皮膚の切開部に身体ポートを配置し、管状壁が身体ポートに接続され、これにより管状壁と、第1の内部密閉デバイスと、第2の内部密閉デバイスと、身体ポートとの間に密閉されたチャンバが形成されるステップを含んでよい。
第1の内部密閉デバイス及び第2の内部密閉デバイスを位置決めするステップは、第1の密閉デバイス及び第2の密閉デバイスが管状の器官をそれぞれ包囲するように第1の密閉デバイス及び第2の密閉デバイスを位置決めすることを含んでよく、第1の内部密閉デバイス及び第2の内部密閉デバイスを位置決めするステップは、患者の腸を包囲する第1の密閉デビスを位置決めするステップ、及び患者の食道を包囲する第2の内部密閉デバイスを位置決めすることを含んでよく、これにより壁が患者の意を被包し、従って患者の胃は、第1の密閉部材と第2の密閉部材と壁との間の密閉されたチャンバに配置される。
図41bのフローチャートは更に、本方法が更に、任意選択で、j真空密閉部材に真空を適用し、印加された真空によって真空密閉部材を密閉するステップを含んでよく、この場合内部密閉部材は内部真空密閉部材であることを示す。
本方法は更に、k本明細書の他の実施形態に関連して開示されているような加圧流体でチャンバを充填するステップを含んでよい。
加えて、本方法は更に、密閉されたチャンバの中で実施される以下の外科的処置:細菌を含有する身体由来物質を有する器官の切開;少なくとも1つの器官又はヒト組織の少なくとも一部の摘出;少なくとも1つの器官の内側又は外側からのいずれの身体由来物質の摘出;少なくとも1つの器官の内側若しくは外側からの、又は少なくとも1つの器官に関連する、いずれの身体組織の摘出;少なくとも1つの器官の異なる複数の部分の接続、異なる複数の器官の異なる複数の部分の接続;少なくとも1つの器官に関連する少なくとも1つの医療デバイスの配置;少なくとも1つの身体機能の置換;少なくとも1つの器官に関連する少なくとも1つの医療デバイスの配置、及び少なくとも1つの器官に関連する少なくとも1つの医療デバイスの配置による、少なくとも1つの身体機能の置換;虫垂切除術;胆嚢摘出術;腎摘出術;子宮摘出術;卵巣摘出術;副腎摘出術;胃バイパス術;噴門形成術;腸内シャント;ヘルニア修復;脾臓摘出術;結腸又は小腸切除術;肝切除術;虫垂フィステル形成術;人工肛門形成術;十二指腸造瘻術;回腸フィステル形成術;虫垂造瘻術;食道造瘻術;胃造瘻術;尿路変更術;腎胃造瘻術;尿管造瘻術;膀胱造瘻術;内視鏡手術;直視下手術;直視下手術と内視鏡手術との組み合わせ;関節鏡手術;直視下関節手術;直視下関節手術と関節鏡手術との組み合わせ;凍結切除;超音波ナイフ手術;分離した骨又は軟骨組織の除去;靭帯の挿入;ねじ、釘、プレート等の固定要素の挿入;人工関節置換術;潤滑処置;癌手術;別の医療デバイスの挿入;異質部品の挿入;直視下手術と腹腔鏡手術又は内視鏡手術との組み合わせを用いた医療デバイス及び他の異質部品の挿入のうちの少なくとも1つを含んでよい。
本方法は更に、医療デバイスチャンバ内に以下のようなその他のインプラント:関節形成補綴物;心臓補助装置;通電インプラント;制御論理;充填美容インプラント;埋入型薬剤ディスペンサ;給電ユニット;血管インプラント;泌尿器科インプラント;腹部インプラント;薬剤放出インプラント;婦人科インプラント;活性及び不活性医療用インプラントのうちの少なくとも1つを配置するステップを含んでよい。
本方法は更に、医療デバイスチャンバ内に以下のような器具:メス;トロカール;鉗子;縫合器具;ハサミ;カメラ;クランプ器具;解剖器具;把持器具;接着器具;縫合又はステープル留め器具;切断器具;電磁又は超音波ジアテルミー;腹腔鏡把持器;腹腔鏡爪把持器;腹腔鏡石把持器;腹腔鏡針ホルダ;腹腔鏡フック;腹腔鏡下解剖器具;腹腔鏡ジアテルミー器具;関節鏡検査器具;関節置換器具;整形外科用器具;未定義器具;手術器具;内視鏡器具;及び機械のうちの少なくとも1つを配置するステップを含んでよい。
図42aは、患者の身体の少なくとも部分的に内側に密閉されたチャンバを形成する方法のフローチャートである。本方法は:a患者の身体の皮膚に切開部を作成するステップ;b上記切開部を通して、内部密閉部材を備える内部密閉デバイスを挿入し、内部密閉デバイスが管状壁に接続されるステップ;c少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織のうちの少なくとも1つに接続された状態で内部密閉部材を位置決めすることにより、医療デバイスと少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織のうちの少なくとも1つとの間にシールを生成するステップ;並びにd少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の一部分を取り囲む又は包囲するために密閉部材の周を調整することにより、医療デバイスの管状壁、内部密閉デバイス及び器官又は組織の間に密閉されたチャンバを生成するステップを含む。
図42bは、図42aの方法が更に、任意選択で:e患者の皮膚の切開部を通して少なくとも1つのトロカールを挿入するステップ;fトロカールの中に少なくとも1つの切開ツールを挿入するステップ;及びg器官又は組織の領域を切開するステップのうちの少なくとも1つを含んでよいことを示すフローチャートである。
本方法は更に、h患者の皮膚の切開部に身体ポートを配置し、管状壁が身体ポートに接続され、これにより管状壁と内部密閉デバイスと身体ポートとの間に密閉されたチャンバが生成されるステップを含んでよい。
図41bのフローチャートは更に、本方法が更に、任意選択で、j真空密閉部材に真空を適用し、印加された真空によって真空密閉部材を密閉するステップを含んでよく、この場合内部密閉部材は内部真空密閉部材であることを示す。
本方法は更に、k本明細書の他の実施形態に関連して開示されているような加圧流体でチャンバを充填するステップを含んでよい。
一実施形態では、本方法は更に:切開部を通して、第2の内部密閉部材を備える第2の内部密閉デバイスを挿入し、第2の内部密閉デバイスも管状壁に接続されるステップ;少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の少なくとも第2の部分に接続された状態で第2の内部密閉部材を位置決めすることにより、第2の医療デバイスと、少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の少なくとも部分との間にシールを生成し、従って医療デバイスの管状壁、第1の内部密閉デバイス及び第2の内部密閉デバイス、器官又は組織によって密閉されたチャンバを生成するステップを含んでよい。
内部密閉部材は、患者の組織部分に接続し、患者の組織部分に対して密閉するよう適合される少なくとも1つの密閉面を備えてよく、密閉面は内部密閉デバイスの前部に、又は内部部材の内周に配置されてよい。少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の少なくとも一部に接続された状態で内部密閉部材を位置決めするステップは、更に、器官又は組織の表面に対して軸方向に、又は管状の器官又は組織の周に対して半径方向に内部密閉部材を適用することを含んでよい。
加えて、本方法は更に、密閉されたチャンバの中で実施される以下の外科的処置:細菌を含有する身体由来物質を有する器官の切開;少なくとも1つの器官又はヒト組織の少なくとも一部の摘出;少なくとも1つの器官の内側又は外側からのいずれの身体由来物質の摘出;少なくとも1つの器官の内側若しくは外側からの、又は少なくとも1つの器官に関連する、いずれの身体組織の摘出;少なくとも1つの器官の異なる複数の部分の接続、異なる複数の器官の異なる複数の部分の接続;少なくとも1つの器官に関連する少なくとも1つの医療デバイスの配置;少なくとも1つの身体機能の置換;少なくとも1つの器官に関連する少なくとも1つの医療デバイスの配置、及び少なくとも1つの器官に関連する少なくとも1つの医療デバイスの配置による、少なくとも1つの身体機能の置換;虫垂切除術;胆嚢摘出術;腎摘出術;子宮摘出術;卵巣摘出術;副腎摘出術;胃バイパス術;噴門形成術;腸内シャント;ヘルニア修復;脾臓摘出術;結腸又は小腸切除術;肝切除術;虫垂フィステル形成術;人工肛門形成術;十二指腸造瘻術;回腸フィステル形成術;虫垂造瘻術;食道造瘻術;胃造瘻術;尿路変更術;腎胃造瘻術;尿管造瘻術;膀胱造瘻術;内視鏡手術;直視下手術;直視下手術と内視鏡手術との組み合わせ;関節鏡手術;直視下関節手術;直視下関節手術と関節鏡手術との組み合わせ;凍結切除;超音波ナイフ手術;分離した骨又は軟骨組織の除去;靭帯の挿入;ねじ、釘、プレート等の固定要素の挿入;人工関節置換術;潤滑処置;癌手術;別の医療デバイスの挿入;異質部品の挿入;直視下手術と腹腔鏡手術又は内視鏡手術との組み合わせを用いた医療デバイス及び他の異質部品の挿入のうちの少なくとも1つを含んでよい。
本方法は更に、医療デバイスチャンバ内に以下のようなその他のインプラント:関節形成補綴物;心臓補助装置;通電インプラント;制御論理;充填美容インプラント;埋入型薬剤ディスペンサ;給電ユニット;血管インプラント;泌尿器科インプラント;腹部インプラント;薬剤放出インプラント;婦人科インプラント;活性及び不活性医療用インプラントのうちの少なくとも1つを配置するステップを含んでよい。
本方法は更に、医療デバイスチャンバ内に以下のような器具:メス;トロカール;鉗子;縫合器具;ハサミ;カメラ;クランプ器具;解剖器具;把持器具;接着器具;縫合又はステープル留め器具;切断器具;電磁又は超音波ジアテルミー;腹腔鏡把持器;腹腔鏡爪把持器;腹腔鏡石把持器;腹腔鏡針ホルダ;腹腔鏡フック;腹腔鏡下解剖器具;腹腔鏡ジアテルミー器具;関節鏡検査器具;関節置換器具;整形外科用器具;未定義器具;手術器具;内視鏡器具;及び機械のうちの少なくとも1つを配置するステップを含んでよい。
図43aは、患者の身体の少なくとも部分的に密閉されたチャンバを形成する方法のフローチャートである。本方法は:a患者の身体の皮膚に切開部を作成するステップ;b切開部を通して、内部真空密閉部材を備える内部真空密閉デバイスを挿入するステップ;c患者の身体の内側の組織に対して内部真空密閉部材を位置決めするステップ;及びd内部真空密閉部材を使用して、患者の身体の内側の一部分と内部真空密閉部材との間に大気圧未満の圧力を印加することにより、患者の身体の内側の一部分を内部真空密閉部材に対して押圧して、医療デバイスと患者の皮膚の内側のヒト組織との間に真空シールを生成する吸引力を生成するステップを含む。
図43bは、図42aの方法が更に、任意選択で:e患者の皮膚の切開部を通して少なくとも1つのトロカールを挿入するステップ;fトロカールの中に少なくとも1つの切開ツールを挿入するステップ;及びg器官又は組織の領域を切開するステップのうちの少なくとも1つを含んでよいことを示すフローチャートである。
方法は更に、任意選択で、h真空密閉デバイスが患者の血流に実質的に影響を及ぼさないように真空密閉デバイスの圧力を制御するステップを含んでよい。
方法は更に、任意選択で、j加圧流体で密閉されたチャンバを充填するステップを含んでよい。
患者の身体の内側の組織に対して内部真空密閉部材を位置決めするステップは、筋膜、腹壁の腹直筋の筋膜、腹膜、脂肪組織、線維性組織、筋組織及び身体器官のうちの少なくとも1つに対して内部真空密閉部材を位置決めすることを含んでよい。
内部真空密閉部材は調整可能な周を有してよく、これにより取り囲まれる又は包囲される領域のサイズを調整できる。調整可能な周を有する真空密閉部材の実施形態の例は、例えば図50b’、50b’’、51b’、52b’を参照して説明される。
加えて、本方法は更に、密閉されたチャンバの中で実施される以下の外科的処置:細菌を含有する身体由来物質を有する器官の切開;少なくとも1つの器官又はヒト組織の少なくとも一部の摘出;少なくとも1つの器官の内側又は外側からのいずれの身体由来物質の摘出;少なくとも1つの器官の内側若しくは外側からの、又は少なくとも1つの器官に関連する、いずれの身体組織の摘出;少なくとも1つの器官の異なる複数の部分の接続、異なる複数の器官の異なる複数の部分の接続;少なくとも1つの器官に関連する少なくとも1つの医療デバイスの配置;少なくとも1つの身体機能の置換;少なくとも1つの器官に関連する少なくとも1つの医療デバイスの配置、及び少なくとも1つの器官に関連する少なくとも1つの医療デバイスの配置による、少なくとも1つの身体機能の置換;虫垂切除術;胆嚢摘出術;腎摘出術;子宮摘出術;卵巣摘出術;副腎摘出術;胃バイパス術;噴門形成術;腸内シャント;ヘルニア修復;脾臓摘出術;結腸又は小腸切除術;肝切除術;虫垂フィステル形成術;人工肛門形成術;十二指腸造瘻術;回腸フィステル形成術;虫垂造瘻術;食道造瘻術;胃造瘻術;尿路変更術;腎胃造瘻術;尿管造瘻術;膀胱造瘻術;内視鏡手術;直視下手術;直視下手術と内視鏡手術との組み合わせ;関節鏡手術;直視下関節手術;直視下関節手術と関節鏡手術との組み合わせ;凍結切除;超音波ナイフ手術;分離した骨又は軟骨組織の除去;靭帯の挿入;ねじ、釘、プレート等の固定要素の挿入;人工関節置換術;潤滑処置;癌手術;別の医療デバイスの挿入;異質部品の挿入;直視下手術と腹腔鏡手術又は内視鏡手術との組み合わせを用いた医療デバイス及び他の異質部品の挿入のうちの少なくとも1つを含んでよい。
本方法は更に、医療デバイスチャンバ内に以下のようなその他のインプラント:関節形成補綴物;心臓補助装置;通電インプラント;制御論理;充填美容インプラント;埋入型薬剤ディスペンサ;給電ユニット;血管インプラント;泌尿器科インプラント;腹部インプラント;薬剤放出インプラント;婦人科インプラント;活性及び不活性医療用インプラントのうちの少なくとも1つを配置するステップを含んでよい。
本方法は更に、医療デバイスチャンバ内に以下のような器具:メス;トロカール;鉗子;縫合器具;ハサミ;カメラ;クランプ器具;解剖器具;把持器具;接着器具;縫合又はステープル留め器具;切断器具;電磁又は超音波ジアテルミー;腹腔鏡把持器;腹腔鏡爪把持器;腹腔鏡石把持器;腹腔鏡針ホルダ;腹腔鏡フック;腹腔鏡下解剖器具;腹腔鏡ジアテルミー器具;関節鏡検査器具;関節置換器具;整形外科用器具;未定義器具;手術器具;内視鏡器具;及び機械のうちの少なくとも1つを配置するステップを含んでよい。
図44a〜49cは、医療デバイスが、患者の身体の内側で組織に対して密閉を可能にする内部密閉デバイスを備え、これにより皮膚の表面は密閉デバイスによって影響を受けないままとなり、従って血腫又は跡が患者の皮膚に出現しない、医療デバイスの実施形態を示す。内部密閉デバイスは例えば、筋膜、腹膜、脂肪組織、線維性組織、筋組織に対して、又は患者の皮膚の内側に対して密閉できる。患者の身体の内側に内部密閉デバイスを適用する追加の優位点は、身体の追加の領域を内部密閉デバイス又は接続部材によって隔離できる、又は取り囲むことができ、内部密閉デバイスを患者の身体の外部にある医療デバイスに接続する点である。図44a〜49cに示す実施形態では、内部密閉デバイスは内部真空密閉部材を備えて示されているが、全ての実施形態では、内部真空密閉部材が、本明細書の他の実施形態の密閉デバイスに関係して説明されるように等、圧力又は接着剤を用いて密閉するよう適合される内部密閉部材に交換されることが等しく考えられる。患者の身体の内側の組織に対して密閉するための方法及び構造は、本明細書の医療デバイスの実施形態のいずれかと組み合わせて使用することができ、患者の身体と医療デバイスとの間に密閉を供給するための原理として見られるべきである。実施形態のすべてにおいて、医療デバイスのチャンバは大気圧を超える圧力を有する流体を保持する適合され、これにより腹膨らんだ腹部キャビティでの腔鏡外科的処置が実施できる。大気圧を超える圧力を有するチャンバを充填する流体は、(全ての実施形態で図示されない)医療デバイスの壁に位置決めされる流体流入口を通して流体ポンプによって供給できる。
図44aは、患者の皮膚Sに作成される切開部Iとの関係で位置決めされるよう適合される医療デバイス2500の実施形態を示す。医療デバイス2500は、医療デバイス2500と患者の皮膚Sの内側のヒト組織との間に真空シールを形成するために、患者の身体の内側に位置決めされるよう適合される内部真空密閉部材2505’iを備える真空密閉デバイスを備える。図44aに示す状態で、患者の皮膚Sの切開部Iは、チャンバCの中で手技を可能にする手袋2502を備える第1の連結器2580aに係止されるインセット2542を用いて外科医によって作成されている。図44aに示す実施形態では、医療デバイスは、患者の皮膚Sの表面に接続されるよう適合される真空密閉部材2505’を用いて切開部Iを形成するプロセスの間に、患者の皮膚Sに固定され、真空密閉部材2505’は、このようにして、内部真空密閉部材2505’iが位置決めされた後に密閉デバイス2500を適所に保持するための保持部材2587として機能する。内部真空密閉部材2505’は、患者の身体の内側で患者の身体の一部分に接続されるべきであるため、内部真空密閉部材は、切開部が皮膚Sに形成されるまで適用できない。
図44aに示す実施形態では、医療デバイス2500は、無菌環境を維持できるチャンバCを取り囲む壁2501を備える医療デバイスである。患者の皮膚Sの切開部Iが形成されるとき、チャンバCと患者の身体のキャビティとの間の流体連通が生じ、流体連通がチャンバCから患者の身体のキャビティへ、又はその逆に物体又は医療デバイスを移動するために使用され得る。壁2501は、上側連結器及び下側連結器2580a、2580bに接続され、可塑剤添加剤を有するポリ塩化ビニル(PVC)等の透明な折り畳み可能なポリマー材料から作製される。
図4bは、切開部Iが終了され、内部真空密閉部材2505’iが患者の皮膚を通して挿入され、患者の皮膚Sの内側の皮下組織STに接続された状態で配置されるときの医療デバイス2500を示す。内部真空密閉部材2505’iは、内部真空密閉部材2505’iと共に内部密閉デバイスを形成する身体内リングに接続される。身体内リングは、医療デバイスの外部部bンを内部密閉デバイスに接続し、患者の身体のキャビティと医療デバイスのチャンバCとの間の流体連通が開かれたままとなるように切開部を開創する接続部材2536に同様に接続される。チャンバCを取り囲む壁2501は、外科医が、例えば腫瘍等の標本2581を除去するために、患者の身体の中で異なる角度によりよいアクセスを得るために下側連結器2580bと関係して上側連結器2580aを移動できるようにする、弾性又は可撓性である。図44bの実施形態は更に、チャンバCが周囲環境A及び患者のキャビティのうちの少なくとも1つから密閉されるように第2の下側連結器2580bの穴を閉じるための第2の連結器2580bに配置されるアイリスバルブ2586を更に備える。アイリスバルブ2586の閉鎖は、圧力及び/又は密閉環境が患者の身体の中で維持できるのと同時に、チャンバCで圧力を維持することなくチャンバCの中でキャビティの維持を可能にする。
図44cは、図44bを参照して示す実施形態に同一の医療デバイスの実施形態を示し、唯一の相違点は、真空密閉部材2505’が、密閉する接着密閉部材2505’’’によって置換され、接着力を用いて医療デバイスを保持している点である。
図44dは、図44a、44bを参照して示す実施形態に非常に類似した医療デバイス2500の実施形態を示し、その違いは、内部真空密閉部材2505’が皮膚Sに作成される切開部Iの表面に係合するよう適合される点である。内部真空密閉部材2505’iは、従って患者の身体の外側から容易にアクセス可能となるため有利である切断面に係合し、血腫も後も皮膚Sの表面には形成されない。係合された切断面は患者の皮膚及び/又は皮下脂肪組織、及び/又は筋肉層、及び又は金膜層及び/又は腹膜の切断面だけを含む。
図44eは、内部真空密閉部材2505’iが、その外側で患者の腹膜Pに係合するよう適合される医療デバイス2500の実施形態を示す。腹膜Pは、腹部キャビティの内壁を形成する漿膜であり、真空密閉部材2505’iは、その外側に位置決めされ、従って腹部筋肉Mと腹膜Pとの間の脂肪組織に配置される。腹膜Pに係合することにより、接続部材2536(又は開創器)が皮膚S及び筋肉層Mの切断面を覆い、このようにして切断面から、切開部形成時に発生することがある小さな出血からの血液等の体液を取り囲む。
図44fは、内部真空密閉部材2505’iがその内部で患者の腹膜Pに係合するよう適合される医療デバイス2500の実施形態を示す。真空密閉部材2505’iはその内側に位置決めされ、従って腹部キャビティと腹膜Pとの間に配置される。内側で腹膜に係合することによって、接続部材2536(又は開創器)は皮膚S、筋肉層M、及び腹膜Pの切断面を覆い、従って切断面から切開部形成時に発生することがある小さな出血からの血液等の体液を取り囲む。腹膜Pの内側に係合する内部真空密閉部材2505’iは、接続部材2536が、外科的処置を実施できるトンネルが患者の身体の外側から腹部キャビティに維持できるように腹膜Pを開創できるようにする。
図44gは、患者の皮膚S、脂肪組織F、筋肉層M及び腹膜Pの詳細な断面図である。図44gに示す実施形態では、内部密閉部材2505’iは2つの選択される位置、即ち筋肉層Mの外側の、脂肪がある程度切断されている位置、又は筋肉層Mの内側の、腹膜Pが筋肉層Mから分離されている位置に位置決めされる。
図44hは、図44a〜44fにおいて2505’として示した外部真空密閉部材が、患者の皮膚Sに対する真空を提供しない機械的保持部材2587に置換されている実施形態による、医療デバイスを示す。この医療デバイスと、患者の身体の内側に位置決めされた真空密閉部材2505’iとを位置決めすると、接続部材又は開創器は緊締され、これによって保持部材2587と、患者の身体の内側に配置された内部真空密閉部材2505’iとが、皮膚Sの表面上に皮膚Sに対して押圧され、これによって医療デバイス2500は、患者の身体の内側に配置された内部真空密閉部材2505’iによって患者の身体に対して固定され、機械的保持部材2587は患者の皮膚Sを圧迫する。
図45は、患者の小腸2595上の腫瘍2581の形態の標本を除去する際の、図44a〜44f、46a〜49cに示す実施形態の医療デバイスの一部分を示す。医療デバイスは、壁ポート2517の形態のインセット2542が、インセット2542の凹部に係合する突出部材2533を用いてラッチ係合されている、上側連結器2580aを備える。医療デバイスは更に、身体ポート2522を備えるインセット2542がラッチ係合されている下側連結器2380bを備える。壁ポート2517及び身体ポート2522の両方は、ディスク状の自己密閉膜2543a、2543bを備える。身体ポート2522では、自己密閉膜2543bは身体ポート2522の頂部に位置決めされ、壁ポート2517では、膜2543aは壁ポート2517の底部に位置決めされる。自己密閉膜2543a、2543bは、自己密閉膜2543a、2543bを通して器具2589又はカメラ2565を挿入できるよう、小さな自己密閉孔2544を有する。代替実施形態では、自己密閉膜2543a、2543bは、これら膜2543a、2543bのいずれの場所に器具を挿入できるようにするゲルタイプ材料から作製される。
図45は、患者の小腸2595上の腫瘍2581の形態の標本を除去する際の、図44a〜44g、46a〜49cに示す実施形態の医療デバイスの一部分を示す。この実施形態は図44hまで続いているが、この場合は腹腔鏡手術のための2つのポートが接続されている。壁ポート2517及び身体ポート2522は接続されると相互接続ポートを形成する。この相互接続ポートでは、膜2543a、2543bは互いに接触し、これにより器具2589は、相互接続ポート内の(第1及び第2の膜2543a、2543bで構成された)相互接続された密閉膜に係合する。ポート2517、2522が2つの離間した膜を備えていれば、これら2つの膜は、2つの一体の膜が単一の膜として機能する状態より更に遠方へと器具を移動させることができる能力を低減することになる。密閉膜2543a、2543bは、非拡張状態ではシールを提供し、膨張状態では膜2543a、2543bを通して器具を挿入できるようにするよう適合される。
接続部材2536を巻くためのロールアップシステムを下側連結器2580bの台座に接続することにより、接続部材2536を緊締して、患者の皮膚Sに形成された切開部Iを開いたまま維持する開創器として機能させることができる。接続部材2536は、患者の皮膚の内側に配置されるよう適合された身体内リング2535に上記ロールアップシステムを接続する。この身体内リング2535は、内部真空密閉部材2505’iに接続され、身体内リング及び真空密閉部材2505’iは共に密閉デバイスを形成する。内部真空密閉部材2505’iは、真空導管2506を介して真空ポンプ等の真空生成部材(図示せず)に接続される。真空密閉部材2505’i内の圧力並びに/又は患者の血流及び/若しくは血圧を感知するよう適合された監視ユニットを、医療デバイス内に更に組み込んでよい。真空生成部材は更に、密閉することと、患者の血流が実質的に影響されないよう維持することとの間を調停するために、上記監視ユニットからの入力に応答して真空密閉部材2505’i内の圧力を調整するために、監視ユニットに接続してよい。真空生成部材は:−135mmHg〜0mmHg;−115mmHg〜0mmHg;−100mmHg〜0mmHg;−50mmHg〜0mmHg;−30mmHg〜0mmHg;−20mmHg〜0mmHg;−10mmHg〜0mmHg;−5mmHg〜0mmHgのうちの少なくとも1つに負圧を維持して、患者の血流が実質的に影響されないよう維持するために、真空密閉部材2505’i内の圧力を調整するよう適合してよい。真空生成部材は、チャンバCを密閉された状態に維持することと、患者の血流を影響されないように維持することとの間を調停するために、上記監視ユニットからの入力に応答して真空密閉部材2505’i内の圧力を調整するための、監視ユニットに接続してよい。真空生成部材は:−135mmHg〜0mmHg;−115mmHg〜0mmHg;−100mmHg〜0mmHg;−50mmHg〜0mmHg;−30mmHg〜0mmHg;−20mmHg〜0mmHg;−10mmHg〜0mmHg;−5mmHg〜0mmHgのうちの少なくとも1つに負圧を維持して、患者の血流が実質的に影響されないよう維持するために、真空密閉部材2505’i内の圧力を調整するよう適合してよい。
上側連結器2580a及び下側連結器2580bは、上側及び下側連結器2580a、2580bの台座に設けられた磁石2533’a、2533’bを用いて連結され、上側及び下側連結器2580a、2580bそれぞれのインセット2542は、ばね2532の作用に対して突出部材2533を引っ込める解放レバー2539a、2539bを用いて、解放及び交換できる。
図46aは、例えば図45を参照して説明したものと同様の特徴を含む医療デバイスの代替実施形態を示し、図46aの実施形態は膝関節手術に使用されるよう適合されている点が異なる。この医療デバイスは、患者の皮膚Sの内側に係合して患者の皮膚Sの内側を密閉するよう適合された内部真空密閉部材2505’iを備える。手袋部材2502を備えるインセット2542は、患者の膝関節又は医療デバイスのチャンバC内での手技を可能とするために、上側連結器2580aにラッチ係合される。なお、切開部の相対的なサイズは、膝を形成する骨の部分に比べて極めて大きく、またデバイスは手に比べて極めて大きいが、原理を説明する。
図46bは、外科医が患者の膝関節内で手技を実施する際の、図46aを参照して示した医療デバイスの実施形態を示す。医療デバイスの壁2501は可撓性又は弾性であり、これによって(手袋部材2502がラッチ係合された)上側連結器2580aは、下側連結器2580bに対して、従って患者の身体に対して移動できる。
図47は、腹腔鏡器具2589を用いた処置を患者の身体の内側で実施できるように、マルチポートインセット2542が上側及び下側連結器2580a、2580bにロックされている場合の、図44a〜46bを参照して説明した実施形態と同様の実施形態による医療デバイスを示す。しかしながら上側及び下側連結器2580a、2580bのマルチポートインセット2542は、図47に示すような別のインセットに交換できる。マルチポートインセットを交換できるインセットは例えば、チャンバC内の密閉された環境を維持しながら、連結器2580a、2580bを通した物体の移動を可能とする、エアロックスルース2518を備えるインセット2542aであってよい。エアロックスルース2518は、周囲環境からエアロックスルース2518を分離する第1のバルブ部材2538aと、チャンバCの密閉された環境からエアロックスルース2518の領域を分離する第2のバルブ部材2538bとを備える。あるいはマルチポートインセットは、上側連結器2580aに配置できかつチャンバC内及び/又は患者の身体のキャビティ内での操作を可能とする手袋2502を備える、インセット2542bに交換してよい。更なる選択肢は、外科的処置を実施するためにチャンバC内で使用してよい複数の異なる器具を保持するための保持部分を備えてよい、デバイス又は器具取付部2520を備えるインセット2542cである。マルチポートインセット2548は、インセットの代替例2542dとしても示されている。上側及び/又は下側連結器2580a、2580bにおけるインセット2542の交換は、上側及び下側連結器2580a、2580bが(図47に示すように)接続されている場合又は(例えば図44a〜44fに示すように)分離されている場合に実施できる。
図48は、医療デバイス2500が、周囲環境Aから密閉されたチャンバCを取り囲む壁2501を備える、医療デバイス2500の実施形態を示す。壁2501は、接着表面2550を用いて患者の皮膚Sに固定され、密閉される。医療デバイス2500は、医療デバイス2500と患者の身体との間を密閉する密閉デバイスを共に構成する身体内リング2535及び内部真空密閉部材2505’iを用いて、皮膚Sに作成された切開部に固定されるよう適合された、下側連結器2580bを備える。内部真空密閉部材2505’iは、医療デバイス2500の壁2501の外側に配置された真空ポンプ2508の形態の真空生成部材に接続される。真空生成部材2508と真空密閉部材2505との間の接続は、流体連結器2556を用いて医療デバイス2500の壁2501を通して移動される真空導管2506を用いて、作成される。ここで説明される実施形態によると、医療デバイスのチャンバCは、大気圧より高い圧力を有する流体を保持するよう適合され、これによって、膨張した腹部キャビティによって内視鏡手術を実施できる。大気圧より高い圧力を有するチャンバCを充填する流体は、医療デバイス2500の壁2501に位置決めされた流体流入口2530を通して、流体ポンプ2509によって供給される。真空密閉部材2505’i内の圧力並びに/又は患者の血流及び/若しくは血圧を感知するよう適合された監視ユニットを、医療デバイス2500内に更に組み込んでよい。
真空生成部材2508は更に、密閉することと、患者の血流が実質的に影響されないよう維持することとの間を調停するために、上記監視ユニットからの入力に応答して内部真空密閉部材2505’i内の圧力を調整するために、監視ユニット(図示せず)に接続してよい。真空生成部材2508は:−135mmHg〜0mmHg;−115mmHg〜0mmHg;−100mmHg〜0mmHg;−50mmHg〜0mmHg;−30mmHg〜0mmHg;−20mmHg〜0mmHg;−10mmHg〜0mmHg;−5mmHg〜0mmHgのうちの少なくとも1つに負圧を維持して、患者の血流が実質的に影響されないよう維持するために、真空密閉部材2505’i内の圧力を調整するよう適合してよい。監視ユニットの動作の例については、図34a〜34jを参照して更に説明する。
図49aは、医療デバイスが患者の身体の外側のチャンバを取り囲まず、患者の皮膚Sに接続された連結器2580のみを備える、医療デバイスの実施形態を示す。連結器2580内には、連結器2580にラッチ係合された、身体マルチポート2542を備えるインセット2542を設ける。接続部材2536を巻くためのロールアップシステム2537を下側連結器2580bの台座に接続することにより、接続部材2536を緊締して、患者の皮膚Sに生成された切開部Iを開いたまま維持する開創器として機能させることができる。接続部材2536は、患者の皮膚Sの内側に配置されるよう適合された身体内リング2535に上記ロールアップシステムを接続する。この身体内リング2535は、内部真空密閉部材2505’iに接続され、身体内リング2535及び真空密閉部材2505’iは共に密閉デバイスを形成する。内部真空密閉部材2505’iは、真空導管2506を介して真空ポンプ等の真空生成部材(図示せず)に接続される。
図49bは、図49aに示す医療デバイスと同様の医療デバイスの実施形態を示し、唯一の違いは、連結器2580にラッチ係合されたインセット2542が、小さな自己密閉孔25544を備える自己密閉膜2543を有する身体ポートを備えるインセットに交換されている点である。図49cでは、外科医の手が膜2543の孔2544を通して配置され、患者の身体内での手技が可能となっている。
図50a〜53は、患者の身体の内側の器官又は組織を密閉するための医療デバイスの実施形態を示し、これにより、外科的処置の一部分を実施できる密閉されたトンネルを、患者の身体の内側の領域と、皮膚Sの切開部、患者の身体の外部のチャンバ又は周囲環境との間に生成する。生成された密閉されたトンネルは例えば、密閉された環境内で開かれた器官又は組織の内容物を包含でき、これによって患者の身体の残りの部分は、術野からの汚染を受けない。医療デバイスは、組織又は器官を密閉するための密閉デバイスを備え、これは負圧を用いて組織若しくは器官を密閉するための真空密閉部材、又は圧力を印加することによって組織若しくは器官を密閉するよう適合された圧力密閉部材、又は組織若しくは器官の表面への接着によって組織若しくは器官を密閉するよう適合された接着密閉部材を備えてよい。密閉デバイスは、医療デバイスの壁に密閉状態で接続され、この壁は、外科的処置が部分的に実施される密閉されたチャンバを取り囲むよう適合される。医療デバイスは腹腔鏡手術において使用されるよう適合してよく、この場合少なくとも1つの腹腔鏡トロカールが、取り囲まれた環境を密閉し、又は医療デバイスは直視下手術において使用されるよう適合してよく、この場合医療デバイスの壁は患者の皮膚の周囲を密閉して、周囲環境と、患者の器官又は組織に接続された医療デバイスのチャンバとの間に流体連通を確立する。異なる実施形態では、医療デバイスはヒト組織又は器官を係合するよう適合してよく、上記ヒト組織又は器官は例えば:食道;胃;小腸;大腸;肛門;胆嚢;胆管;腎臓;腎盤;尿管;膀胱;尿道;血管;心臓;肺;気管支;身体の孔;筋膜;腹膜;脂肪組織;線維性組織;又は筋組織のうちの1つであってよい。図50a〜53に示す実施形態では、内部真空密閉部材を備える内部密閉デバイスが示されているが、全ての実施形態において、内部真空密閉部材を、本明細書の他の実施形態の密閉デバイスに関連して記載されているように圧力又は接着剤を用いて密閉するよう適合された、内部密閉部材に交換することも同様に考えられる。実施形態のいずれかにおける医療デバイスは、加圧流体供給源に接続されたチャンバを有してよく、これによって医療デバイスは加圧流体を受承でき、そして:チャンバの外側の身体キャビティを充填する加圧流体と同一の圧力を保持すること;チャンバの外側の身体キャビティを充填する加圧流体よりも低い圧力を保持すること;及びチャンバの外側の身体キャビティを充填する加圧流体よりも高い圧力を保持することのうちの少なくとも1つが可能である。医療デバイスは、身体の外側に配置された流体供給源のためのニップル、及び流体の循環を可能とするためにチャンバを出る流体の流れを受承するよう適合された第2のニップルと組み合わされた、身体の外側に配置された流体供給源のためのニップルのうちの少なくとも1つを更に備えてよい。患者の身体の内側の器官又は組織を密閉するための方法及び構造は、本明細書に記載の医療デバイスの実施形態のうちのいずれかと組み合わせて用いてよく、患者の身体と医療デバイスとの間の密閉を提供するための原理として理解される。
図50aは、患者の皮膚Sに作成された切開部Iを介して患者の身体の内側に位置決めされるよう適合された、身体内部分2600’を有する医療デバイス2600を示す。医療デバイス2600は、患者の胃2695に接続された状態で位置決めされ、かつ患者の胃2695を密閉するよう適合された、内部又は器官密閉部材2605oを備える密閉デバイス2605oを備える。医療デバイス2600は、第1の密閉デバイス2505oに密閉状態で接続された医療デバイスチャンバCを生成するよう適合された、可撓性壁2601を更に備え、これにより医療デバイスチャンバCは、胃2695に接続された状態で配置される。第1の密閉デバイス及び医療デバイスの壁2601により、外科的処置中に密閉された空間が生成され、これにより外科的処置の一部を密閉された空間内で実施でき、従って周囲環境から隔離でき、これによって感染症のリスク、及び周囲環境に存在するスタッフのメンバーが患者の身体からの粒子によって汚染されるリスクが低減される。内部真空密閉部材2605oは、胃2695と共に真空チャンバを生成するよう適合された真空溝を備える。図50aに示す密閉デバイスは内部真空密閉部材2606oを備えるが、代替実施形態では、内部密閉デバイスが、胃の表面に接触する生体適合性接着剤を用いて胃2695を密閉することも同様に考えられる。更なる代替実施形態では、密閉デバイスが、患者の胃に圧力を印加することによって密閉するよう適合された圧力密閉部材を備えることも更に考えられる。圧力密閉部材は例えば、膨張することによって患者の胃を押圧するよう適合された膨脹可能な部分を備える、空気圧式圧力密閉部材であってよい。
図50aに示す腹腔鏡器具2689a、2689bは、可撓性壁2601によって動作可能に被包されたハンドル部分2689a’、2689b’を備え、これによりハンドル部分2689a’、2689b’は、チャンバCの外側から操作できる。
図50a’は、図50aを参照して説明した医療デバイスの代替実施形態を示す。図50a’の代替実施形態では、医療デバイスは、医療デバイスと食道2695eとの間にシールを生成するために患者の食道2695eを包囲して配置されるよう適合された第1の内部密閉部材2605o’を備える、第1の内部密閉デバイスを備える。医療デバイスは更に、医療デバイスと患者の腸2695iとの間にシールを生成するために患者の腸2695iを包囲して配置されるよう適合された第2の内部密閉部材2605o’’を備える、第2の内部密閉デバイスを備える。第1及び第2の密閉部材2605o’、2605o’’はそれぞれ、食道及び腸に接続されてこれを密閉するよう適合された、少なくとも1つの密閉表面を備える。この密閉表面は、内部密閉デバイス2605o’、2605o’’の内周上に配置され、これによって内部密閉デバイス2605o’、2605o’’を径方向に、従って食道2695e及び腸2695iの外周を密閉できる。
密閉部材2605o’、2605o’’が腸2695i及び食道2695eを包囲して配置されているため、医療デバイスの壁2601は可撓性であり、患者の胃を取り囲み、これによって胃に対する外科的処置は、患者の身体の内側において、医療デバイスの密閉されたチャンバの内側で実施できる。壁は、開閉できるよう適合された閉鎖部分2688を備え、これにより壁は、チャンバ内に患者の胃を取り囲むために、患者の胃の周囲に延在できる。
密閉デバイス2605o’、2605o’’は、本明細書に記載の他の実施形態を参照して説明した密閉デバイス等の密閉デバイスであってよい。密閉デバイス2605o’、2605o’’は、図50a’に示すような真空密閉デバイスであってよく、食道2695e及び腸2695iそれぞれを、真空を使用することによって密閉する。真空は、患者の身体の外側の真空生成部材に取り付けられた真空導管2606によって供給される。真空密閉部材2605o内の圧力を感知するよう適合された監視ユニット、並びに/又はチャンバC内の圧力並びに/若しくは患者の血流及び/若しくは血圧を監視するための監視ユニットを、医療デバイスに更に組み込んでよい。真空生成部材は、チャンバCを密閉状態に維持することと、患者の血流が影響を受けないよう維持することとの間を調停するために、両監視ユニットからの入力に応答して、真空密閉部材2605o’、2605o’’内の圧力を調整するための監視ユニットに接続してよい。真空生成部材は:−135mmHg〜0mmHg;−115mmHg〜0mmHg;−100mmHg〜0mmHg;−50mmHg〜0mmHg;−30mmHg〜0mmHg;−20mmHg〜0mmHg;−10mmHg〜0mmHg;−5mmHg〜0mmHgのうちの少なくとも1つに負圧を維持して、患者の血流が実質的に影響されないよう維持するために、真空密閉部材2605o内の圧力を調整するよう適合してよい。
代替実施形態では、密閉デバイス2605o’、2605o’’は、食道2695e及び腸2695iそれぞれを真空を使用することによって密閉する圧力密閉デバイスであってよく、又は食道2695e及び腸2695iに接着するよう接触することによって密閉する接着密閉デバイスであってよい。
密閉チャンバ内で実施するのに適した外科的処置の一例は、Roux en−Y胃バイパス術である。というのはこのような処置は胃及び腸の切開を伴い、これは有利には患者の腹部キャビティの残りの部分から隔離された状態で実施されるためである。
チャンバを形成する壁は、チャンバ内の圧力を大気圧より高く保持するよう適合してよい。
図50bは、密閉部材2605oに固定された壁2601が、皮膚Sの切開部に配置された切開部開創器2670に更に固定される、医療デバイスの代替実施形態を示す。切開部開創器2670は、患者の皮膚Sの切開部の切断部分よりも切開部を若干小さくすることによって、皮膚Sの切開部の切断表面を密閉する。従って皮膚Sの弾性は、開創器部材2670と皮膚Sとの間のシールを生成する開創器部材2670を制限する。開創器部材2670内には、腹腔鏡用マルチポート2648が位置決めされ、これにより複数の腹腔鏡器具2689a、2689b、2665を同時に使用できる。腹腔鏡用マルチポート2648は複数のポート又は孔を備え、これらを通して腹腔鏡器具2689a、2689b又は腹腔鏡カメラ2665を挿入及び操作できる。各ポートは、腹腔鏡器具2689又はカメラ2665とマルチポート2648との間を密閉する弾性ポリマーシート材料を備える膜シールを備える。患者の身体の内側のチャンバCを形成する医療デバイスの壁2601の内部部分は、壁2601が、皮膚Sの切開部を通して挿入された後でも所定の形状を取るように、上記所定の形状を有するよう適合される。上記所定の形状は例えば、患者の身体内の特定の器官に接続するのに適するよう適合された所定の形状であってよい。壁はその形状を維持するために、この壁に、切開部から器官又は組織に配置された密閉部材への軸に対して垂直に配置された、1つ又は複数のリング又はループ状補強材を備えてよい。図50bに示す実施形態は更に、術野を洗浄及び/又は吸引するために患者の組織又は器官に洗浄用流体を供給するための、流体導管2610を備える。流体導管を通して供給される流体は例えば、クロロヘキシジン又は過酸化水素等の滅菌流体であってよい。他の実施形態では、医療デバイスは、身体の外側からチャンバ内へと流体を吸引及び噴射できるよう適合された、身体の外側から身体の内側、チャンバの内側へとつながる1つ、2つ又はそれ以上の流体導管を備えてよく、上記1つ、2つ又はそれ以上の流体導管は:別個のチューブとして配置された、医療デバイス、壁及び切開部の近傍に配置された身体ポートのうちの少なくとも1つに一体化されること;並びに流体導管の2つの端部を別個のチューブとして変位させ、その間において、医療デバイス、壁及び切開部の近傍に配置された身体ポートのうちの少なくとも1つに一体化されるよう適合されることのうちの少なくとも1つに適合してよい。
図50bに示す密閉デバイスは、図50a、50a’に示す実施形態と同様の内部真空密閉部材2605oを備える。真空密閉部材2605oは、真空導管2606を用いて真空ポンプ等の真空源又は真空生成部材(図示せず)に接続される。真空密閉部材2605o内の圧力を感知するよう適合された監視ユニット、並びに/又はチャンバC内の圧力並びに/若しくは患者の血流及び/若しくは血圧を監視するための監視ユニットを、医療デバイスに更に組み込んでよい。真空生成部材は、チャンバCを密閉された状態に維持することと、患者の血流が実質的に影響されないよう維持することとの間を調停するために、上記監視ユニットからの入力に応答して真空密閉部材2605o内の圧力を調整するために、監視ユニットに接続してよい。真空生成部材は:−135mmHg〜0mmHg;−115mmHg〜0mmHg;−100mmHg〜0mmHg;−50mmHg〜0mmHg;−30mmHg〜0mmHg;−20mmHg〜0mmHg;−10mmHg〜0mmHg;−5mmHg〜0mmHgのうちの少なくとも1つに負圧を維持して、患者の血流が実質的に影響されないよう維持するために、真空密閉部材2605o内の圧力を調整するよう適合してよい。
切開部開創器部材2670によって提供される密閉は、例えば図267c、267dを参照して説明された例又は本明細書に記載の他のいずれの例に関して、真空密閉部材(2505’)を備える追加の密閉デバイスといった、追加の密閉デバイスによって、支援若しくは置換してよい。
図50b’は、図50bを参照して説明した実施形態と同様の医療デバイスの実施形態を示し、その違いは、内部密閉部材を備える内部密閉デバイスが、この場合は胃である器官の取り囲まれた領域のサイズを調整できるよう、調整可能な周を有する内部密閉部材2605oaを備える点である。図50b’の実施形態では、真空密閉部材2605oaは、拡張可能なひだ状真空導管であり、これはこの真空導管を短くすることによって周を短くすることができるよう、ひだ状部分2603を備える。拡張可能な真空導管は、患者の組織に対して吸引力を印加するよう適合された真空穿孔VPを備え、これにより、組織が拡張可能な真空導管のひだ状部分に適合して、密閉部材2605oaと患者の組織との間に密閉が生成される。密閉部材2605oaの周が調整可能であることにより、実施されることになる外科的処置に取り囲まれた領域を適合させることができ、又は密閉部材2605oaを、患者の組織に係合した後により小さくすることができ、チャンバ内に患者の組織の一部分をより良好に取り囲むことができる。
拡張可能な真空導管2605oaは、拡張可能な真空導管を、患者の身体の外側に配置された真空生成部材に接続する、真空導管2606に接続される。
図50b’を参照して説明した実施形態では、真空穿孔VPは内部真空密閉部材の前方端部に配置され、これによって密閉部材は組織の平坦な表面を密閉できる。
図50b’’は、調整可能な真空密閉部材2605oaの代替実施形態であり、この調整可能な真空密閉部材は、真空チャネルIC、OCを備え、これら真空チャネルIC、OCは、真空密閉部材の周、従って真空密閉部材2605oaが取り囲む領域を調整できるようにするために、内側チャネルICを外側チャネルOCに対して変位させることができるよう、互いに変位可能に配置される。真空チャネルIC、OCは好ましくは、ハードシリコーン、ポリウレタン又はラバー材料といった半可撓性又は半弾性材料から作製される。
図50cは、図50a、50b、50b’を参照して示した実施形態と同様の医療デバイス2600の代替実施形態を示し、その違いは、図50cの医療デバイスが、本明細書に記載の他の実施形態を参照して更に説明されるような、インセット2642を固定できる医療デバイス2600の壁2601に固定された上側連結器2680aを備える点である。上側連結器2680aは、図50cに示す、真空密閉部材2605’を用いて患者の皮膚Sに接続される下側連結器2680bに接続されている状態である。真空密閉部材2605’は、患者の皮膚Sに医療デバイスを固定してこれを密閉し、更に、下側壁部分を真空密閉部材2605’に密閉状態で接続し、真空密閉部材2605’を下側連結器に接続し、下側連結器を上側壁部分2601’に接続することによって、下側壁部分2601’’を上側壁部分2601’に接続する。従って真空密閉部材2605’は、動作位置に配置された場合に医療デバイスを所定の位置に保持する保持部材2687として機能する。この実施形態は当然、記述及び図面の両方の形態における本出願の他の異なる実施形態の様々な補集合又は部分及び断片の全てを使用できる。例えば真空密閉部材2605’は、本明細書中の他の場所で説明されているように、切開部又は切開部の内側に配置してよい。更に、デバイスを所定の位置に保持するにあたって、真空密閉を伴う必要はない。壁に固定され皮膚に配置された開創器も魅力的な選択肢である。
下側壁部分2601’’は、真空密閉部材2605’から患者の皮膚Sに作成された切開部を通って移動して、患者の胃2695に接続されてこれを密閉する内部真空密閉部材2605oを備える内部密閉デバイスに接続される。これによって、相互接続された連結部26808a、2680bから胃2695の部分へのトンネルが生成され、これは内部真空密閉部材2605oに接続される。連結器2680a、2680bはそれぞれ、インセット2642を解放するための解放レバー2639a、2639bを備える。これらレバー2639a、2639bは、インセットの凹部2634に固定するために後部からばね2632で留められた突出部材2633に接続される。
上側及び下側連結器2680a、2680bにラッチ係合されたマルチポートインセット2642は、図50cに示すような別のインセットに交換できる。マルチポートインセットを交換できるインセット2642は例えば、チャンバCの密閉された環境を維持しながら、連結器2680a;bを通した物体の移動を可能とする、エアロックスルース2618を備えるインセット2642aであってよい。このエアロックスルース2618は、エアロック2618の領域を周囲環境から分離する第1のバルブ部材2638aと、エアロック2618の領域をチャンバCの密閉された環境から分離する第2のバルブ部材2638bとを備える。あるいはマルチポートインセット2642は、上側連結器2680aに配置できかつチャンバC内及び/又は患者の身体のキャビティ内での操作を可能とする手袋2602を備える、インセット2642bに交換してよい。更なる選択肢は、外科的処置を実施するためにチャンバC内で使用してよい複数の異なる器具を保持するための保持部分を備えてよい、デバイス又は器具取付部2620を備えるインセット2642cである。マルチポートインセット2548は、インセットの代替例2542dとしても示されている。上側及び/又は下側連結器2680a、2680bにおけるインセット2642の交換は、上側及び下側連結器(図50cに示すように)接続されている場合又は(例えば図50dに示すように)分離されている場合に実施できる。図50cに記載の特徴を、図50a、50b、50b’の医療デバイス実施形態のうちのいずれと組み合わせてよい。
図50dは、上側連結器2680aが下側連結器2680bから接続解除されることにより、外部壁部分2601’によってより大きな外部チャンバC’が形成された状態の、図50cに示す医療デバイスの実施形態を示す。外部壁部分2601’は、可撓性ポリマー材料から作製され、これにより上側連結器2680aは下側連結器2680bに関して移動させることができ、腹腔鏡ツール2689a、2689b及びカメラ2665を患者の身体の内側で移動できるようにする。下側連結器2680b内のインセット2642’’は省略してよく、これにより単一のチャンバが外部及び内部壁部分2601’、2601’’によって形成される。(インセットがマルチポートを備える実施形態において)下側インセット2642’’を省略することにより、腹腔鏡器具の可動範囲が増大する。図50dに示す実施形態は、患者の身体の内側から医療デバイスを皮膚Sの内側に対して固定するための、機械的保持部材2687を更に備える。代替実施形態では、保持部材は、リング状;円形屈曲可能形状;可撓性構造;少なくとも1つが切開部の内側に保持されるよう適合された2つの円形屈曲可能形状;身体の切開部より大きなサイズを有するよう適合された1つ、2つ又はそれ以上のリング状構造;切開部を通して導入するために屈曲可能となるよう適合され、切開部の内側に保持されるよう適合された、少なくとも1つのリング状構造;切開部の内側、切開部の外側、及び切開部の切断箇所に関連する組織に対してのうちの少なくとも1つに配置されるよう適合された2つ以上の保持部材部品(上記2つ以上の部品は上述の選択された場所において別個の部品として配置されるよう適合され、少なくとも2つの部品は互いに接続され、少なくとも2つの部品は互いに接続され、この接続は細長く、部品間の最も近い距離よりも有意に長い);手又はその他の部品が切開部を通過できるようにするために切開領域又は切開部の周を拡張できるよう適合された構造、のうちの少なくとも1つを備える。
図50eは、図50dに示す実施形態と同様の代替実施形態を示し、その違いは、外部壁部分2601’が、下側連結器2680bにラッチ係合されたインセット2642’’に接続された底部にあり、これによって外部壁部分2601’及びこれに伴ってチャンバC’の外部部分を連結器から接続解除して、下側連結器2680bにおける直接的な腹腔鏡手術又は直視下手術を可能とすることができる点である。上側連結器にラッチ係合されたインセット2642’を除去すると、マルチポートを備えるインセット又は(本明細書の他の実施形態において説明したような)手袋部材を備えるインセットは下側連結器にラッチ係合でき、医療デバイス2600の内部チャンバC’’内での腹腔鏡手術又は手技が可能となる。
図51aは、医療デバイス2600が、例えば腸2695の腫瘍2681の除去といった、患者の小腸又は大腸2695に対する手術の実施のために適合される、医療デバイスの実施形態を示す。図50a〜50d’を参照して開示されている実施形態におけるように、医療デバイス2600は、患者の腸2695を密閉する真空密閉部材2605oを備える密閉デバイスを備える。医療デバイスは、チャンバCを取り囲む壁2601を備える。2つの腹腔鏡把持器具2689a、2689b及び腹腔鏡カメラ2665は、医療デバイス2600の壁2601に一体化され、壁2601に取り囲まれ、これによって器具2689a、2689b及びカメラ2665は気密的に取り囲まれ、従って、壁2601によって取り囲まれたチャンバC内にその全体が配置され、周囲環境から密閉される。医療デバイス2600の壁2601は、患者の皮膚Sに作成された切開部Iを通過して、患者の身体の外側のチャンバCの一部分から患者の身体の内側に配置されたチャンバCの一部分へのトンネルを形成し、これによって、患者の身体の外側及び患者の身体の内側のチャンバCの密閉された環境の内側において外科的ステップを実施できる。
壁2601は、可塑化添加剤を含むPVCといった透明な可撓性ポリマー材料から作製される。壁2601の下側部分は、患者の器官(腸)2695を密閉するために患者の器官(腸)2695に係合する内部真空密閉部材2605oに接続される。内部真空密閉部材2605oは、真空導管2606を介して、(図示されていないが例えば図48に関連して更に説明されている)真空生成部材に接続される。
図51bは、医療デバイスが、例えば腸2695の一部分の除去といった、患者の小腸又は大腸2695に対する手術の実施のために適合される、医療デバイスの実施形態を示す。医療デバイスは、それぞれ患者の腸2695を包囲するよう適合された第1及び第2の内部真空密閉部材2605o’、2605o’’を備え、これにより患者の腸2695の一部分は、医療デバイス2600の下側壁部分2601’’によって取り囲まれたチャンバC内に取り囲まれる。第1及び第2の真空密閉部材2605o’、2605o’’は、医療デバイス2600の壁2601に位置決めされた第1及び第2の流体連結器2656’、2656’’を通して、医療デバイスの壁2601’を通って延在する第1及び第2の真空導管2606’、2606’’に接続される。第1及び第2の真空導管2606’、2606’’はそれぞれ、真空ポンプ等の真空生成部材(図示せず)に接続される。真空密閉部材2605o内の圧力並びに/又は患者の血流及び/若しくは血圧を感知するよう適合された監視ユニットを、医療デバイス内に更に組み込んでよい。真空生成部材は、チャンバCを密閉状態に維持することと、患者の血流が実質的に影響されないよう維持することとの間を調停するために、上記監視ユニットからの入力に応答して真空密閉部材2605o内の圧力を調整するために、監視ユニットに接続してよい。真空生成部材は:−135mmHg〜0mmHg;−115mmHg〜0mmHg;−100mmHg〜0mmHg;−50mmHg〜0mmHg;−30mmHg〜0mmHg;−20mmHg〜0mmHg;−10mmHg〜0mmHg;−5mmHg〜0mmHgのうちの少なくとも1つに負圧を維持して、患者の血流が実質的に影響されないよう維持するために、真空密閉部材2605o内の圧力を調整するよう適合してよい。
患者の身体に配置されたチャンバCの一部分は、例えば(本明細書に記載の他の実施形態を参照して更に説明されている)自己密閉ゲルを備える、侵入可能な自己密閉膜2643の形態の閉鎖密閉デバイスによって更に隔離される。この侵入可能な密閉膜は、腹腔鏡器具2689a、2689b及びカメラ2665によって侵入されるよう適合され、これによって、医療デバイスの下側チャンバC’’内で腹腔鏡手術を実施できる。代替実施形態では、閉鎖密閉デバイスは、例えば磁力又は真空を用いる等の代替的な方法で動作させることができる。チャンバC’の外部部分を取り囲む医療デバイスの壁2601’の外部部分は、切開部Iに位置決めされた切開部開創器2670を通して患者の皮膚Sに侵入する。切開部開創器2670は例えば患者の臍に位置決めしてよく、これによりいずれの瘢痕を残すことなく処置を実施できる。腹腔鏡器具2689a、2689b及びカメラ2665は、腸2695内で腹腔鏡手術を実施するために器具2689a、2689bを腸2695に対して移動させることができるよう、医療デバイスの可撓性壁2601’に一体化される。
ここで患者の身体の内側の医療デバイスの一部分に移ると、患者の身体の内側の壁2601’’の一部分は、閉鎖部分2688を備える壁2601によって腸2695の一部分を包囲するよう適合され、上記閉鎖部分2688は、真空導管2606’、2606’’を通して真空生成部材によって供給される真空を用いて操作される。代替実施形態では、閉鎖部分は、例えば磁力等の代替的な方法で動作させることができる。壁2601’’の内部部分は、患者の身体の内側に位置決めされて患者の小腸又は大腸を包囲し、真空が第1及び第2の真空密閉部材2605o’、2605o’’に印加され、これによって密閉部材2605o’、2605o’’と壁2601’’との間に密閉が生成され、これによって患者の身体の内側のチャンバC’’の下側部分を取り囲む。
腸2695の一部分が除去される外科的処置では、手術は部分的に、チャンバC’’の下側部分において実施できる。腸2695は適切な部分において切断され、生成された端部部分は、縫合又はステープラを用いて接続される。除去される部分は、自己密閉膜を通して引き出されてチャンバC’の上部部分に位置決めされ、チャンバC’’の下部部分は、患者の腹部に腸内容物が移動しないように、適切に洗浄できる。下側チャンバC’を適切に洗浄する際、内部真空密閉部材2605o’、2605o’’は解放され、閉鎖部分2688は開放され、医療デバイスを腸2695から除去できる。
図51bの原理は、より多くの器官及びより大きな空間を取り囲むよう、容易に僅かに適合させることができる。例えばroux−en−y処置又は胃バイパス術を実施でき、胃を含む腸及び食道を、あるいは腸又は食道のシールに関連する胃の密閉部分を、密閉空間の内側に取り囲んで密閉する。
図51b’は、図51bに示す実施形態と同様の医療デバイスの実施形態を示し、その違いは、第1及び第2の真空密閉部材2605oa’、2605oa’’が調整可能であることによって、密閉部材の周を調整できる点である。調整可能な真空密閉部材2605oa’、2605oa’’は、図50b’を参照して開示されている真空密閉部材(2605oa)と極めて類似しており、その違いは、ひだ状真空導管の内周上に真空穿孔が配置されており、これによって内部密閉デバイスを径方向に、従って図51b’に示す腸等の管状器官又は組織の外周を密閉できる点である。
図51b’に示す実施形態では、第1及び第2の調整可能な真空密閉部材は異なる様式で調整され、これによってチャンバCを形成する壁は、第1の密閉部材2605oa’の周を第2の密閉部材2605oa’’よりも小さく調整することにより、小腸から大腸への接続部分における腸2695の一部分を密閉できる。
図51b’に開示されている実施形態では、調整可能な密閉部材は、患者の身体の外側に配置された真空生成部材に接続された真空導管2606’、2606’’に接続された調整可能な真空導管からなる、調整可能な真空密閉部材2605oa’、2605oa’’である。真空生成部材は、チャンバCを密閉状態に維持することと、患者の血流が実質的に影響されないよう維持することとの間を調停するために、上記監視ユニットからの入力に応答して真空密閉部材2605o内の圧力を調整するために、監視ユニットに接続してよい。真空生成部材は:−135mmHg〜0mmHg;−115mmHg〜0mmHg;−100mmHg〜0mmHg;−50mmHg〜0mmHg;−30mmHg〜0mmHg;−20mmHg〜0mmHg;−10mmHg〜0mmHg;−5mmHg〜0mmHgのうちの少なくとも1つに負圧を維持して、患者の血流が実質的に影響されないよう維持するために、調整可能な真空密閉部材2605oa’、2605oa’’内の圧力を調整するよう適合してよい。しかしながら代替実施形態では、調整可能な密閉部材を、調整可能な圧力密閉部材及び/又は調整可能な接着密閉部材とすることも同様に考えられる。
本明細書に記載の切開部の周囲を密閉するためのあらゆる他の解決策:皮膚の開創器、ポート、マルチポート若しくはインセットを用いて及び/又は外部リザーバを併用して皮膚を壁に接続するための、皮膚の直接ポート及び/又は開創器を使用する様々な密閉方法;並びに本明細書に開示されている実施形態のあらゆる他の断片を、この実施形態と共に使用してよいことは明らかである。外部及び内部チャンバと、これらの間の閉鎖可能なポートとの組み合わせを、腹腔鏡手術を継続しながら身体から身体の部分を取り出す、及び身体に医療インプラントを導入するスルースとして使用してよく、またポートを手袋インセットに交換すること、及び手で支援される手術によって鍵穴手術を継続するために身体の内側で必要な圧力を維持できるようにすることを組み合わせる。当然のことながら、同一の原理を関節鏡手術にも適用してよい。
図51cは、図51bに示す実施形態と同様の医療デバイスの実施形態を示し、その違いは、患者の身体の外側に密閉されたチャンバが存在しない点である。切開部開創器2670は、患者の皮膚Sに作成された切開部Iに位置決めされ、これは弾性の皮膚Sが切開部開創器2670を制限することにより、患者の皮膚Sの密閉を提供する。切開部開創器2670内には、腹腔鏡器具2689a、2689b及びカメラ2665を患者の身体のキャビティ内で動作させて患者の腸2695に対して外科的処置を実施できるようにするために、身体マルチポート2648’’が位置決めされる。図51cに示す実施形態は、侵入可能な自己密閉ゲル等の侵入可能な自己密閉膜2643を備え、これは、切開部開創器2670に位置決めされた身体マルチポート2648’’間の第1の密閉されたチャンバC’と、侵入可能な自己密閉膜2643との間に密閉を提供する。侵入可能な自己密閉膜2643により、医療デバイスを患者の腸から除去して(これは閉鎖部分2688の開放を必要とする)下側チャンバC’’を患者の腹部キャビティに接続しながら、例えば腸の一部分を上側チャンバC’へと引き出すことができるようになる。
切開部開創器2670は、切開部開創器の全ての実施形態と同様に、例えば患者の臍に位置決めしてよく、これによりいずれの瘢痕を患者の皮膚に残すことなく処置を実施できる。
図52aは、胆嚢摘除術、即ち胆嚢2695の外科的除去に適合された医療デバイスの実施形態を示す。この医療デバイスは、胆管Bを包囲し、真空を用いて胆管Bを密閉するよう適合された内部真空密閉部材2605oを備える、内部密閉デバイスを備える。密閉デバイスは医療デバイスの可撓性壁2601に密閉状態で接続されてチャンバCを取り囲むよう適合され、このチャンバC内において、外科的処置の一部分を、周囲環境から密閉された状態で実施できる。密閉デバイスが壁2601に接続されることにより、胆嚢2695はチャンバの内側に位置するようになり、これによりチャンバC内において、腹部の残りの部分から胆嚢2695を分離して除去でき、これによって切開部及び胆嚢2695の開放部分を、全処置の間、腹部のキャビティの残りの部分から密閉された状態に維持できる。胆嚢2695を除去したら、縫合又はステープラによって胆管Bを閉鎖し、内部真空密閉部材2605oは、医療デバイスが引き出されるにつれて胆管Bを更に制限し、医療デバイスの除去中、チャンバCを常に密閉されたままとする。胆管Bが最終的に内部真空密閉部材2605oから離れると、内部真空密閉部材2605oは完全に閉鎖され、従ってチャンバCは患者の身体内の完全に密閉された環境となり、これは、除去された胆嚢2695を腹部の環境に一切曝露することなく、皮膚Sの切開部を通して除去できる。
本明細書に記載の切開部の周囲を密閉するためのあらゆる他の解決策:開創器、ポート、マルチポート若しくはインセットを用いて及び/又は外部リザーバを併用して皮膚を壁に接続するための、皮膚の直接ポート及び/又は開創器を使用する様々な密閉方法;並びに本明細書に開示されている実施形態のあらゆる他の断片を、この実施形態と共に使用してよい。外部及び内部チャンバと、これらの間の閉鎖可能なポートとの組み合わせを、腹腔鏡手術を継続しながら身体から胆嚢を取り出す、及び身体にいずれの部分を導入するスルースとして使用してよく、またポートを手袋インセットに交換すること、及び手で支援される手術によって鍵穴手術を継続するために身体の内側で必要な圧力を維持できるようにすることを組み合わせる。感染率は低減されることになる。胆嚢を外科的に切開する動作の回数は、手による支援によって低減されることになる。このような場合には、手と良好な視認性とを両立するために、カメラを別の位置に導入することになる。また、皮膚の外側からのチューブを用いて、術野の密閉された空間の内側を消毒できる。このチューブはデバイスと一体の部分を形成してよい。
図52bは、図52aに示す実施形態と同様の医療デバイスの実施形態を示し、その違いは、患者の身体の外側に密閉されたチャンバが存在しない点である。切開部開創器2670は、患者の皮膚Sに作成された切開部Iに位置決めされ、これは弾性の皮膚Sが切開部開創器2670を制限することにより、患者の皮膚Sの密閉を提供する。切開部開創器2670内には、腹腔鏡器具2689a、2689b及びカメラ2665を患者の身体のキャビティ内で動作させて胆嚢摘除術を実施できるようにするために、身体マルチポート2648’’が位置決めされる。医療デバイスの壁はその上部部分において切開部開創器2670に密閉状態で接続され、これにより真空密閉部材2605oと壁2601で取り囲まれた切開部開創器2670との間に密閉されたチャンバCが生成され、このチャンバC内で胆嚢が除去される。胆嚢2695を除去したら、縫合又はステープラによって胆管Bを閉鎖し、内部真空密閉部材2605oは、医療デバイスが引き出されるにつれて胆管Bを更に制限し、医療デバイスの除去中、チャンバCを常に密閉されたままとする。胆管Bが最終的に真空密閉部材2605oから離れると、内部真空密閉部材2605oは完全に閉鎖され、従ってチャンバCは患者の身体内の完全に密閉された環境となり、これは、除去された胆嚢2695を腹部の環境に一切曝露することなく、皮膚Sの切開部を通して除去できる。切開部開創器2670は例えば患者の臍に位置決めしてよく、これによりいずれの瘢痕を残すことなく処置を実施できる。
図52b’は、図52bに示す実施形態と同様の医療デバイスの実施形態を示し、その違いは、密閉部材が調整可能な周を有する調整可能な密閉部材2605oaである点であり、これにより調整可能な密閉部材を拡張して胆嚢2695を覆うように移動させ、これを引き出して、医療デバイスのチャンバCの内側に胆嚢を取り囲むことができ、これにより胆嚢に関連する外科的処置を密閉されたチャンバCの内側で実施できる。図52a’において開示されている実施形態において、密閉部材2605oaは、真空密閉部材の内周に配置された真空穿孔を備える密閉表面を備える、調整可能な真空密閉部材であり、これにより密閉表面は、医療デバイスの壁が形成する密閉されたチャンバ内に胆嚢を取り囲むために、管状の胆管を径方向に密閉する。
図52b’’は、調整可能な真空密閉部材2605oaが拡張された状態にあり、これによって胆嚢2695が上記調整可能な真空密閉部材2605aを通過でき、そして医療デバイスのチャンバ内に胆嚢を取り囲むことができる場合の、図52b’に示す医療デバイスの実施形態を示す。真空穿孔VPは真空密閉部材2605oaの内周の表面に沿って径方向に配置され、これによって調整可能な真空密閉部材は、胆管の外周に対して吸引動作を実施する。
図52b’’’は、図52b’に示す実施形態と同様の医療デバイスの実施形態を示し、その違いは、患者の身体の外側に密閉されたチャンバが存在しない点である。切開部開創器2670は、患者の皮膚Sに作成された切開部Iに位置決めされ、これは弾性の皮膚Sが切開部開創器2670を制限することにより、患者の皮膚Sの密閉を提供する。切開部開創器2670内には、腹腔鏡器具2689a、2689b及びカメラ2665を患者の身体のキャビティ内で動作させて胆嚢摘除術を実施できるようにするために、身体マルチポート2648’’が位置決めされる。医療デバイスの壁はその上部部分において切開部開創器2670に密閉状態で接続され、これにより真空密閉部材2605oと壁2601で取り囲まれた切開部開創器2670との間に密閉されたチャンバCが生成され、このチャンバC内で胆嚢2695が除去される。胆嚢2695を除去したら、縫合又はステープラによって胆管Bを閉鎖し、内部真空密閉部材2605oは、医療デバイスが引き出されるにつれて胆管Bを更に制限し、医療デバイスの除去中、チャンバCを常に密閉されたままとする。胆管Bが最終的に真空密閉部材2605oから離れると、内部真空密閉部材2605oは完全に閉鎖され、従ってチャンバCは患者の身体内の完全に密閉された環境となり、これは、除去された胆嚢2695を腹部の環境に一切曝露することなく、皮膚Sの切開部を通して除去できる。切開部開創器2670は例えば患者の臍に位置決めしてよく、これによりいずれの瘢痕を残すことなく処置を実施できる。
図53は、虫垂切除術、即ち虫垂2695’の除去のために適合された医療デバイスの実施形態を示す。医療デバイス2600は、(虫垂が接続されている)大腸2695’’の遠位端部を包囲し、真空を用いて大腸2695’’を密閉するよう適合された真空密閉部材2605oを備える、内部密閉デバイスを備える。密閉デバイスは医療デバイス2600の可撓性壁2601に密閉状態で接続されてチャンバCを取り囲むよう適合され、このチャンバC内において、外科的処置の一部分を、周囲環境から密閉された状態で実施できる。密閉デバイスが壁2601に接続されることにより、虫垂2695’はチャンバCの内側に位置するようになり、これによりチャンバC内において、腹部の残りの部分から虫垂2695’を分離して除去でき、これによって切開部並びに虫垂及び大腸2695”の開放部分を、全処置の間、腹部のキャビティの残りの部分から密閉された状態に維持できる。虫垂2695’を除去したら、内部真空密閉部材2605oは、医療デバイスが引き出されるにつれて大腸2695’’を更に制限し、医療デバイス2600の除去中、チャンバCを常に密閉されたままとする。大腸2695’’が最終的に内部真空密閉部材2605oから離れると、内部真空密閉部材2605oは完全に閉鎖され、従ってチャンバCは患者の身体内の完全に密閉された環境となる。従ってチャンバC内に虫垂を有する医療デバイス2600は、虫垂2695’を腹部の環境に一切曝露することなく、皮膚Sの切開部Iを通して除去できる。胆嚢摘除術及び腸の一部分の除去に関して開示されている実施形態(図51b、51b’、51c、52a、52a’、52b、52b’、52b’’)と同様に、図53の実施形態を調整することによって、患者の身体の外側のチャンバの一部分を省略して、身体マルチポートを切開部開創器2670内に位置決めしてよい。
本明細書に記載の切開部の周囲を密閉するためのあらゆる他の解決策:開創器、ポート、マルチポート若しくはインセットを用いて及び/又は外部リザーバを併用して皮膚を壁に接続するための、皮膚の直接ポート及び/又は開創器を使用する様々な密閉方法;並びに本明細書に開示されている実施形態のあらゆる他の断片を、この実施形態と共に使用してよいことは明らかである。外部及び内部チャンバと、これらの間の閉鎖可能なポートとの組み合わせを、身体から虫垂を取り出すスルースとして使用してよく、これにより、虫垂を含む密閉された空間全体を取り出すことができる。ポートを手袋インセットに交換すること、及び手で支援される手術によって鍵穴手術を継続するために身体の内側で必要な圧力を維持できるようにすることを、組み合わせることができる。
異なる複数の態様若しくはある態様のいずれの部分又は異なる複数の実施形態若しくはある実施形態のいずれの部分は、全ていずれの可能な方法で組み合わせてよい。いずれの方法又はある方法のいずれのステップは、装置に関する説明とみなしてもよく、また同様に、いずれの装置実施形態、態様又はある態様の部分若しくはある実施形態の部分は方法の説明とみなしてよく、これら全ては、その詳細の最小単位に至るまでいずれの可能な方法で組み合わせてよい。いずれの詳細な説明は、その最も広範な概略において総体的な概説として解釈されるべきものであり、いずれの実施形態又は実施形態の部分及びいずれの方法又は方法の部分はいずれの方法で組み合わせてよいことに留意されたい。本明細書に記載の全ての実施例は総体的な説明の一部とみなされるべきものであり、従って一般的ないずれの方法で組み合わせることができる。
これより、群A〜Dにおいて例示的な番号付き実施形態を提供し、これらの群の中で番号を付ける。番号付き実施形態は本発明の範囲を限定するものとして理解されるべきではなく、本発明の範囲は添付の請求項によって定義される。異なる番号付き実施形態における参照番号は、上記番号付き実施形態において説明される要素に対応する添付の図面中の要素の例としてのみ理解されるべきものである。
番号付き実施形態A1〜70:
1.患者の皮膚に形成された切開部を介して前記患者の身体の内側に位置決めされるよう適合された、医療デバイスであって:
‐上記医療デバイスと、少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の少なくとも一部との間にシールを形成するために、上記少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の少なくとも一部に接続された状態で位置決めされてこれを密閉するよう適合された第1の内部密閉部材を備える、第1の内部密閉デバイス;
‐上記医療デバイスと、少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の少なくとも一部との間にシールを形成するために、上記少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の少なくとも一部に接続された状態で位置決めされてこれを密閉するよう適合された第2の内部密閉部材を備える、第2の内部密閉デバイス;並びに
‐第1の内部密閉デバイス及び第2の内部密閉デバイスに対して密閉式で接続される医療デバイスチャンバを、少なくとも1つのヒト器官の一部分が第1の内部密閉部材と第2の内部密閉部材との間の医療デバイスチャンバ内に配置されるように形成するよう適合された、壁
を備える、医療デバイス。
2.患者の皮膚の切開部に配置される身体ポートを更に備え、第1の内部密閉部材と第2の内部密閉部材と上記身体ポートとの間に医療デバイスチャンバが形成されるように、上記壁がこのポートに接続される、実施形態1に記載の医療デバイス。
3.第1及び第2の密閉部材のうちの少なくとも1つは、管状器官を包囲するよう適合されている、実施形態1又は2に記載の医療デバイス。
4.上記壁は、医療デバイスチャンバ内のヒト器官又はヒト組織を取り囲むために開閉されるよう適合された閉鎖部分を備える、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の医療デバイス。
5.上記閉鎖部分はジッパーを備える、実施形態4に記載の医療デバイス。
6.上記閉鎖部分は第1の内部密閉デバイスと第2の内部密閉デバイスとの間に配置される、実施形態4又は5に記載の医療デバイス。
7.第1の内部密閉デバイスは、患者の腸を包囲してこれを密閉するよう適合され、第2の内部密閉デバイスは、患者の食道を包囲してこれを密閉するよう適合され、上記壁は、患者の胃が第1の密閉部材と第2の密閉部材と壁との間の医療デバイスチャンバ内に配置されるように、患者の胃を被包するよう適合される、実施形態6に記載の医療デバイス。
8.第1の密閉部材は、第2の密閉部材よりも小さな周を有する、実施形態1〜7のいずれか1つに記載の医療デバイス。
9.内部密閉デバイスは:
a.真空を用いてヒト器官又は上記ヒト器官に関連し接触するヒト組織を密閉する、内部真空密閉デバイス;
b.圧力を用いてヒト器官又は上記ヒト器官に関連し接触するヒト組織を密閉する、内部圧力密閉デバイス;及び
c.ヒト器官又は上記ヒト器官に関連し接触するヒト組織に接着接続することによって密閉する、内部接着密閉デバイス
のうちの少なくとも1つを備える、実施形態1に記載の医療デバイス。
10.内部密閉デバイスは:
a.ヒト器官上;
b.上記ヒト器官に関連し接触するヒト組織上;
c.患者の少なくとも1つのヒト器官内に作成された切開部内;
d.少なくとも1つのヒト器官又は上記ヒト器官の内側に関連し接触するヒト組織の内側;及び
e. 少なくとも1つのヒト器官又は上記ヒト器官の外側に関連し接触するヒト組織の外側
のうちの少なくとも1つに位置決めされるよう適合される、実施形態1〜9のいずれか1つに記載の医療デバイス。
11.医療デバイスチャンバは:
‐患者の身体内の組織内側のキャビティ;
‐身体の外側に配置された医療チャンバの一部分;及び
‐身体の切開部に配置され上記壁に接続されたポートが開閉するように適合されることによって、上記ポートが開いている場合に身体の外側に配置された医療チャンバの一部分と連通できる、身体の外側に配置された上記医療チャンバの上記一部分
のうちの少なくとも1つと連通するよう適合される、実施形態1〜10のいずれか1つに記載の医療デバイス。
12.医療デバイスは、ヒト器官に切開部を作成する際に、少なくとも1つのヒト器官の内側からの流体又はその他の身体由来物質を密閉して、密閉された空間の外側に上記流体又はその他の身体由来物質が拡散するのを回避するよう適合される、実施形態1〜11のいずれか1つに記載の医療デバイス。
13.医療デバイスは:
a.細菌を含有する身体由来物質を有する器官の切開;
b.少なくとも1つの器官又は上記器官に関連し接触するヒト組織の少なくとも一部の摘出;
c.少なくとも1つの器官の内側又は外側からのいずれの身体由来物質の摘出;
d.少なくとも1つの器官の内側若しくは外側からの、又は少なくとも1つの器官に関連する、いずれの身体組織の摘出;
e.少なくとも1つの器官の異なる複数の部分の接続;
f.異なる複数の器官の異なる複数の部分の接続;
g.少なくとも1つの器官に関連する少なくとも1つの医療デバイスの配置;
h.少なくとも1つの身体機能の置換;
i.少なくとも1つの器官に関連する少なくとも1つの医療デバイスの配置;及び
j.少なくとも1つの器官に関連する少なくとも1つの医療デバイスの配置による、少なくとも1つの身体機能の置換
のうちの少なくとも1つを伴う外科的処置中に、密閉された空間を密閉するよう適合される、実施形態1〜12のいずれか1つに記載の医療デバイス。
14.医療デバイスは、医療デバイスチャンバ内に:
a.少なくとも1つのトロカール;
b.少なくとも1つのインセット;
c.少なくとも1つのポート;
d.少なくとも1つのカメラ;
e.チャンバ内に流体を注入するための少なくとも1つのチューブ又はチャネル;
f.少なくとも1つの吸引器具;
g.少なくとも1つのジアテルミー器具;及び
h.密閉された空間内で外科的処置を実施できるようにするための少なくとも1つの器具又はツール
のうちの少なくとも1つを受承するよう適合される、実施形態1〜13のいずれか1つに記載の医療デバイス。
15.内部真空密閉部材は、ヒト器官又はヒト組織と共に真空チャンバを形成するよう適合された真空溝を備える、実施形態9〜14のいずれか1つに記載の医療デバイス。
16.内部真空密閉デバイスは、ヒトの身体の別の部分と共に第2の真空チャンバを形成する少なくとも1つの第2の真空溝を備える、第2の又はそれ以上の真空密閉部材を備える、実施形態9〜15のいずれか1つに記載の医療デバイス。
17.内部真空密閉部材のうちの少なくとも1つは:患者の少なくとも1つの器官に作成された切開部を包囲すること;及びヒト器官を包囲することのうちの少なくとも1つに適合された、ループ状真空密閉部材であり、上記真空密閉部材のうちの少なくとも1つは、患者の皮膚に切開部が作成されている場合に、外科的処置を実施するための密閉された空間を形成するために、真空を用いて少なくとも1つのヒト組織を密閉するように配置されるよう適合される、実施形態9〜16のいずれか1つに記載の医療デバイス。
18.医療デバイスは、切開部;及び患者の少なくとも1つの器官のうちの少なくとも1つに関連して位置決めされた医療デバイスを保持するよう適合された、少なくとも1つの保持部材を更に備え、上記少なくとも1つの保持部材は更に:
‐患者の身体の内側から医療デバイスを保持すること;
‐患者の身体の内側と身体の外側上の皮膚との両方から医療デバイスを保持すること;
‐腹壁;胸壁;及び形成された身体のキャビティの壁のうちの少なくとも1つの両側でのクランプ留めによって医療デバイスを保持すること;
‐真空密閉デバイスと一体化されること;
‐身体の切開部に関連して配置された身体ポートに接続された医療デバイスを保持すること;
‐異なる複数の別個の位置に医療デバイスを保持すること
のうちの少なくとも1つに適合される、実施形態1〜17のいずれか1つに記載の医療デバイス。
19.少なくとも1つの内部真空密閉部材は円形真空密閉部材である、実施形態9〜18のいずれか1つに記載の医療デバイス。
20.身体の切開部を密閉するよう適合され、切開部の内側;及び切開部の切断部分に接続された組織のうちの少なくとも1つを密閉するよう適合される、追加の真空密閉部材を更に備える、実施形態9〜19のいずれか1つに記載の医療デバイス。
21.患者の皮膚の切開部をその外側において密閉するよう適合された追加の真空密閉部材を更に備える、実施形態9〜20のいずれか1つに記載の医療デバイス。
22.身体の切開部の内側、外側又は内側及び外側の両方に配置されるよう適合された、少なくとも1つの保持部材及び少なくとも1つの圧力密閉部材のうちの少なくとも1つを更に備え、上記医療デバイスは、患者の切開部を密閉するよう適合され、かつ身体の切開部の内側、外側又は内側及び外側の両方に配置されるよう適合された、追加の真空密閉部材を更に備える、実施形態9〜21のいずれか1つに記載の医療デバイス。
23.追加の真空密閉部材は、患者の皮膚に作成された切開部を包囲するよう適合されたループ状真空密閉部材であり、この追加の真空密閉部材は更に:
‐患者の皮膚に、その外側において;及び
‐患者のヒト組織に、身体の内側において
のうちの少なくとも1つに接続するよう適合されて:
a.筋膜
b.筋膜の外側
c.筋膜の内側
d.腹壁の腹直筋の筋膜;
e.腹膜;
f.脂肪組織;
g.線維化組織
h.筋組織;及び
i.身体器官
のうちの少なくとも1つを密閉し、上記a〜iは全て身体の内側に位置し、また上記少なくとも1つの追加の真空密閉部材は、患者の皮膚に切開部が作成されている場合に、切開部の近接した関係にあるヒト組織を、真空を用いて密閉するように配置されるよう適合される、実施形態20〜22のいずれか1つに記載の医療デバイス。
24.医療デバイスは:患者の身体の外側から患者の身体の内側への、患者の皮膚に作成された切開部を通した移動を可能とするよう適合された、閉鎖可能な身体ポート;及び切開部の外側に配置されたチャンバの一部分を形成するよう適合された、壁の別の部分に配置される閉鎖可能な壁ポートのうちの少なくとも1つを備え、上記閉鎖可能な壁ポートは、医療デバイスの外側から医療デバイスチャンバの内側への、壁ポートが設置された医療デバイスの壁を通した移動を可能とするよう適合される、実施形態1〜23のいずれか1つに記載の医療デバイス。
25.医療デバイスはマルチポートを更に備え、医療デバイスは、外科的処置中に第1の形状から第2の形状へと変化するよう適合された、切開部の外側に形成されたチャンバの一部分を備え:
a.第1の形状の医療デバイスは、患者の皮膚の切開部に近接した関係にマルチポートを位置決めでき、これにより、皮膚の切開部に近接した関係に配置されたマルチポートを通した内視鏡手術が可能となり;
b.第2の形状の医療デバイスは、患者の皮膚の切開部から離間してマルチポートを位置決めでき、これにより、皮膚の外側に配置されたチャンバの一部分は:インセットの内側に配置された、手袋を備える手;装置;非身体部分;身体部分;器具及び外科的処置に使用される部品のうちの少なくとも1つを受承するために十分な空間を有して形成されるよう適合される、実施形態1〜24のいずれか1つに記載の医療デバイス。
26.医療デバイスは、実施形態20〜23に記載の患者の皮膚の切開部に近接した組織と、内部密閉デバイスによって医療デバイスに対して密閉されたヒト器官又は上記ヒト器官に関連して接触するヒト組織との間に、密閉されたトンネルを形成するよう適合され、これにより手術対象物を密閉された空間の内側に含むよう適合される、実施形態1〜25のいずれか1つに記載の医療デバイス。
27.医療デバイスは、患者の皮膚の切開部に近接して配置されるよう適合された、医療デバイスの壁に接続された身体ポートと、内部密閉デバイスによって医療デバイスに対して密閉されたヒト器官又は上記ヒト器官に関連して接触するヒト組織との間に、密閉されたトンネルを形成するよう適合され、これによりチャンバは手術対象物を密閉された空間内に含むことができる、実施形態1〜26のいずれか1つに記載の医療デバイス。
28.マルチポート及び実施形態25に記載の医療デバイスは、医療デバイスが第1の形状及び第2の形状を取ることができるようにする、取り外し可能に接続されるよう適合された2部品ポートを備え、2つの部分は壁に接続されて、身体の外側に配置された密閉されたチャンバの一部分を形成する、実施形態1〜27のいずれか1つに記載の医療デバイス。
29.医療デバイスは、患者の身体の外側から患者の身体の内側への、患者の皮膚に作成された切開部を通した移動を可能とするよう適合された:少なくとも2つの閉鎖可能な身体ポート;及び2つ、3つ又はそれ以上のポートを備える少なくとも2つの閉鎖可能なマルチポートのうちの少なくとも1つを備える、実施形態1〜28のいずれか1つに記載の医療デバイス。
30.医療デバイスの壁は、外科的処置の一部分を実施できるチャンバを取り囲むよう適合され、上記チャンバは、身体の外側に配置されるよう適合された第1の外部部分と、患者の身体の内側に配置されるよう適合された第2の内部部分との両方を有するキャビティと流体連通するよう適合され、医療デバイスは、上記チャンバの外部部分及び内部部分を:1つのチャンバを形成すること;及びチャンバの外部部分と内部部分との間に身体の切開部に近接して配置されるよう適合された閉鎖可能な身体ポートが、チャンバを、チャンバの2つの別個の閉鎖部分に分割できるようにすることのうちの少なくとも1つに適合させるように適合される、実施形態1〜29のいずれか1つに記載の医療デバイス。
31.医療デバイスは、外科的処置を実施する際に、密閉された空間の内側に残っている身体部分を消毒又は殺菌するために、殺菌剤の注入を可能とするため又は流体を注入するための、身体の外側から内側へと流体連通して到達するよう適合されたチューブ又はチャネルを備える、実施形態1〜30のいずれか1つに記載の医療デバイス。
32.医療デバイスは:ヒト器官又は上記ヒト器官に関連して接触するヒト組織から少なくとも1つの内部密閉デバイスを解放すること;及び少なくとも1つの内部密閉デバイスを用いて、内部密閉デバイスが開放された後に密閉された空間を閉鎖状態に維持することのうちの少なくとも1つに適合される、実施形態1〜31のいずれか1つに記載の医療デバイス。
33.密閉された空間から身体由来物質が漏れるのを回避するために、外科的処置の終了時に密閉された空間を閉鎖状態に維持するよう適合された、閉鎖用密閉デバイスを更に備える、実施形態1〜32のいずれか1つに記載の医療デバイス。
34.医療デバイスチャンバは500000mm3超の容積を有する、実施形態1〜33のいずれか1つに記載の医療デバイス。
35.上記壁は、周囲環境からチャンバの内側への移動を可能とするよう適合された閉鎖可能な壁ポートを備える、実施形態1〜34のいずれか1つに記載の医療デバイス。
36.上記壁は可撓性及び/又は弾性である、実施形態1〜35のいずれか1つに記載の医療デバイス。
37.上記壁は、医療デバイスチャンバ内及び/又は患者のキャビティの内側での手技を可能とする、少なくとも1つの一体化された手袋、又は一体化された手袋を備えるインセットを備える、実施形態1〜36のいずれか1つに記載の医療デバイス。
38.インセット又はポートを医療デバイスに接続するよう適合された連結器を更に備える、実施形態1〜37のいずれか1つに記載の医療デバイス。
39.連結器は:医療デバイスの壁;及び患者の皮膚に作成された切開部のうちの少なくとも1つに配置される、実施形態38に記載の医療デバイス。
40.
a.手袋インセット;
b.手アクセスインセット;
c.ポートインセット;
d.マルチポートインセット;及び
e.ゲルポートインセット
から選択されるインセットを更に備える、実施形態1〜39のいずれか1つに記載の医療デバイス。
41.医療デバイスは、壁に配置された閉鎖可能な壁ポート又は壁マルチポート;及び患者の切開部に又は患者の切開部に近接した関係に配置されるよう適合された閉鎖可能な身体ポート又は身体マルチポートのうちの少なくとも1つを備え、閉鎖可能な壁ポート又は壁マルチポート及び閉鎖可能な身体ポート又は身体マルチポートは、閉鎖可能な壁ポート又は壁マルチポートを閉鎖可能な身体ポート又は身体マルチポートに接続するよう適合された接続部分を備え、マルチポートは1つのマルチポートケーシング内に配置された2つ、3つ、4つ又はそれ以上のポートを備える、実施形態1〜40のいずれか1つに記載の医療デバイス。
42.閉鎖可能な身体ポートは第1の侵入可能な自己密閉ゲルを備え、閉鎖可能な壁ポートは第2の侵入可能な自己密閉ゲルを備え、第1及び第2の侵入可能な自己密閉ゲルは、壁及び接続された身体ポートによって互いに対して緊密に配置されるよう適合され、これによって第1及び第2の侵入可能な自己密閉ゲルは、非圧縮状態では密閉を提供し、圧縮状態では密閉を維持しながら自己密閉ゲルを通して手又は物体を挿入できるようにするよう適合された、単一の侵入可能な自己密閉ゲルとして作用する、実施形態41に記載の医療デバイス。
43.チャンバを形成する壁は、チャンバ内の圧力を大気圧より高く保持するよう適合される、実施形態1〜42のいずれか1つに記載の医療デバイス。
44.第1及び第2の内部密閉デバイスは、密閉された空間内に比較的大きな手術領域を取り囲むために:作成された切開部を包囲すること;患者の少なくとも1つの器官の又はその周辺の2つ以上の位置を包囲すること;及び2つ以上のヒト器官を包囲することのうちの少なくとも1つに適合された、ループ状真空密閉部材を備え、少なくとも1つの真空密閉部材は、患者の器官に切開部が作成されている場合に、真空を用いて少なくとも1つのヒト器官又は関連する組織を密閉するよう配置されるよう適合される、実施形態1〜43のいずれか1つに記載の医療デバイス。
45.閉鎖用密閉デバイスは、密閉された空間から身体由来物質が漏れるのを回避するために、外科的処置の終了時に密閉された空間を閉鎖状態に維持するために、真空を用いて密閉するよう適合される、実施形態33に記載の医療デバイス。
46.身体の外側から身体の内側、チャンバの内側へと導入される、身体の外側からチャンバ内に流体を吸入及び注入できるよう適合された少なくとも1つの流体導管を備え、上記少なくとも1つの流体導管は:
医療デバイス及び壁又は切開部に近接して配置された身体ポートのうちの少なくとも1つに一体化されること;並びに
別個のチューブとして配置され、流体導管の2つの端部を別個のチューブとして変位させ、その間において、医療デバイス及び壁又は切開部に近接して配置された身体ポートのうちの少なくとも1つに一体化されるよう適合されること
のうちの少なくとも1つに適合される、実施形態1〜45のいずれか1つに記載の医療デバイス。
47.医療デバイスチャンバは、実施される外科的処置の一部を取り囲むよう適合され、医療デバイスは更に:
・壁の一部分に配置された閉鎖可能な壁マルチポート(17);
・壁の第2の部分に配置され、患者の身体の切開部に又はこれに近接した関係に配置されるよう適合された、閉鎖可能な身体マルチポート(22);及び
を更に備え、
・密閉デバイス(05)は:
○壁及び閉鎖可能な身体ポートのうちの少なくとも1つに、密閉式で接続されること;並びに
○壁及び閉鎖可能な身体ポートのうちの少なくとも1つの一体部品となること
のうちの少なくとも1つに適合され、
密閉デバイスは更に、患者の皮膚又は組織のうちの少なくとも1つを密閉するよう適合され、
壁、壁マルチポート及び身体マルチポートは共に、外科的処置を実施する際に、患者の身体のキャビティと周囲環境との間のエアロックスルース(18)を形成するよう適合される、実施形態1〜46のいずれか1つに記載の医療デバイス。
48.壁ポートは第1の位置と第2の位置との間で変位可能であり、第2の位置は身体ポートからより離間して配置される、実施形態46又は47に記載の医療デバイス。
49.壁マルチポートは:
a.身体マルチポートに接続されること;
b.身体マルチポートに当接すること;
c.身体マルチポートにロックされること;及び
d.身体マルチポートと共に一体型ポートを形成すること
のうちの少なくとも1つに適合される、実施形態46〜48のいずれか1つに記載の医療デバイス。
50.閉鎖可能な壁マルチポート及び閉鎖可能な身体マルチポートのうちの少なくとも1つは、侵入可能な自己密閉ゲルを備え、自己密閉ゲルを通して物体又は手を挿入できる、実施形態46〜49のいずれか1つに記載の医療デバイス。
51.医療デバイスは:追加の身体ポート;追加の身体マルチポート;追加の身体インセット;追加の壁ポート;追加の壁マルチポート;及び追加の壁インセットのうちの少なくとも1つを更に備え、壁ポート、壁マルチポート、身体ポート、身体マルチポート、壁インセット及び身体インセットのうちの少なくとも1つは:追加の身体ポート;追加の身体マルチポート;追加の身体インセット;追加の壁ポート;追加の壁マルチポート;及び追加の壁インセットのうちの少なくとも1つによって交換可能である、実施形態1〜50のいずれか1つに記載の医療デバイス。
52.圧力を大気圧未満に保持するよう適合された真空密閉部材(05’);及び圧力を大気圧より高く保持するよう適合された真空密閉部材(05”)のうちの少なくとも1つを備える、実施形態23に記載の、壁をヒト組織に対して密閉するよう適合された密閉部材を備える、実施形態1〜51のいずれか1つに記載の医療デバイス。
53.実施形態24に記載の閉鎖可能な身体ポート及び閉鎖可能なマルチポートを含み:
・閉鎖可能な身体ポートは、患者の皮膚に作成される切開部にチャンバの内側から配置されるよう適合された閉鎖可能な身体マルチポートを備え、この身体マルチポートは、外科的処置を実施するために医療デバイスを患者の身体上に適用する際に:
○壁ポート;及び
○壁マルチポート
のうちの少なくとも1つに接続されるよう適合されること;並びに
・閉鎖可能な壁ポートは閉鎖可能な壁マルチポートを備え、この壁マルチポートは、外科的処置を実施するために医療デバイスを患者の身体上に適用する際に、患者の身体の切開部に配置された:
○身体ポート;及び
○身体マルチポート
のうちの少なくとも1つに接続されるよう適合されること
のうちの少なくとも1つを満たす、実施形態1〜52のいずれか1つに記載の医療デバイス。
54.壁は可撓性壁であり、医療デバイスは第1のインセット(42、42’、42”)又は壁に配置された相互接続可能なポート(47)を備え、この相互接続可能なポートは:
−第1のポート又はマルチポート(17;22);並びに
−相互接続可能なポートを形成するための第1のポート及び第1のインセットのうちの少なくとも1つと相互接続されるよう適合された、第1のポート又は第1のインセットから取り外し可能な第2の連結器;
を備え:
第1のポート又はマルチポートは可撓性壁(01)の第1の部分に接続されること;及び
第1のインセットは可撓性壁(01)の第3の部分に接続されること
のうちの少なくとも1つを満たし、
第2の連結器は可撓性壁の第2の部分に接続され、
可撓性壁は、第2の連結器並びに第1のポート及び第1のインセットのうちの少なくとも1つと共にチャンバ(C)を形成するよう適合され、
第2の連結器は閉鎖可能な開口を可能とするよう適合され、
上記チャンバは、外科的処置を実施する際に患者の皮膚に切開部が作成された後で、連結器を通して患者の身体の内側のキャビティへと連通できるよう適合され、
第1のポート又はマルチポート及び第1のインセットのうちの少なくとも1つは、第1の位置において、患者の皮膚に近接した関係で第2の連結器に接続されるよう適合され、ここでチャンバは第1の比較的小さい容積を有し、
第1のポート又はマルチポート及び第1のインセットのうちの少なくとも1つは、第2の位置において、第2の連結器から接続解除されて、患者の皮膚から比較的離間した関係で第2の連結器から分離されるよう適合され、ここでチャンバは第2の比較的大きい容積を有する、実施形態1〜53のいずれか1つに記載の医療デバイス。
55.第1のポート(17)は、第2の連結器から接続解除されると、閉鎖可能な壁ポート又は閉鎖可能なマルチポートを形成する、実施形態54に記載の医療デバイス。
56.第2の連結器は、第1のポート又はマルチポートが第2の連結器から接続解除されると、それ自体で閉鎖可能な身体ポートを形成する、実施形態54又は55に記載の医療デバイス。
57.第1のポートは、2つ、3つ、4つ又はそれ以上の個別のポートを備えるマルチポートを備える、実施形態54〜56のいずれか1つに記載の医療デバイス。
58.第1のインセット(42、42’、42”)は、外科的処置を支援するために、外科用手袋(02)及びデバイス又は器具取付部(20)のうちの少なくとも1つを備える、実施形態54〜57のいずれか1つに記載の医療デバイス。
59.医療デバイスは少なくとも1つの第1の連結器(80a)を備え、第1のポート又はマルチポート;及び第1のインセットのうちの少なくとも1つは、第1の連結器に接続され、第1のポート又はマルチポート;及び第1のインセットのうちの少なくとも1つは、第2の連結器に間接的に接続され、第1の連結器に直接接続されるよう適合され、第1の連結器は第2の連結器に可逆的に直接接続されるよう適合される、実施形態54〜58のいずれか1つに記載の医療デバイス。
60.第1の連結器及び第2の連結器のうちの少なくとも1つは突出部材(33)を備え、第1の連結器及び第2の連結器のうちの少なくとも1つは凹部(34)を備え、上記突出部材は、第1の連結器を第2の連結器にロックするために上記凹部と係合するよう適合される、実施形態59に記載の医療デバイス。
61.上記凹部は、第1の連結器及び第2の連結器のうちの少なくとも1つの溝である、実施形態60に記載の医療デバイス。
62.相互接続可能なポートは:
a.第1の状態において、第1のポート又は第1の連結器は第2の連結器と相互接続されると、この相互接続された相互接続可能なポートを通して外科医が内視鏡手術を実施できるようにするよう;及び
b.第2の状態において、第2の連結器が第1のポート又は第1の連結器から接続解除されると、第1のポートと相互接続ポートの第2の連結器との間に可撓性壁によって形成されたチャンバ内で外科医が外科的処置の複数のステップを実施できるようにするよう
適合される、実施形態59〜61のいずれか1つに記載の医療デバイス。
63.相互接続可能なポートは、上記第2の状態において、外科医が第2の連結器を通して患者の身体からチャンバ内へと標本を除去できるようにするよう、並びに:この標本をチャンバ内に配置すること;及び第1のポートを通してこの標本(81)をチャンバから除去することのうちの少なくとも1つを実施できるようにするよう適合される、実施形態62に記載の医療デバイス。
64.医療デバイスは、これもまた第2の連結器に配置されるよう適合された第2の身体ポートを備え、第1のポート、第2の身体ポート及び第1の連結器のうちの少なくとも1つは、外科医が標本の除去後に相互接続ポートを通して手術を継続できるように、第2の連結器から接続解除された後に第2の連結器に再接続されるよう適合される、実施形態59〜63のいずれか1つに記載の医療デバイス。
65.医療デバイスはチャンバを加圧流体供給源に接続するよう適合され、これにより医療デバイスは加圧流体を受承して:チャンバの外側の身体キャビティを充填する加圧流体と同一の圧力;チャンバの外側の身体キャビティを充填する加圧流体より低い圧力;及びチャンバの外側の身体キャビティを充填する加圧流体より高い圧力のうちのいずれか1つを保持できる、実施形態1〜64のいずれか1つに記載の医療デバイス。
66.身体の外側に配置された流体供給源のためのニップル:及び身体の外側に配置された流体供給源のためのニップルと、流体の循環を可能とするためにチャンバを出る流体の流れを受承するよう適合された第2のニップルとの組み合わせのうちの少なくとも1つを備える、実施形態65に記載の医療デバイス。
67.医療デバイスは:
a.チャンバに供給される流体を濾過するための濾過ユニット(26b);
b.チャンバに供給される流体を直接又は間接的に滅菌するための滅菌ユニット(26a);
c.チャンバに供給される流体の温度を変更するよう適合された流体温度調節ユニット(26c);
d.流体を濾過するための濾過ユニット(26b)、及びチャンバに供給される流体を直接又は間接的に滅菌するための滅菌ユニット(26a);
e.チャンバに供給される流体を濾過するための濾過ユニット(26b)、及びチャンバに供給される流体の温度を変更するよう適合された流体温度調節ユニット(26c);
f.チャンバに供給される流体を直接又は間接的に滅菌するための滅菌ユニット(26a)、チャンバに供給される流体の温度を変更するよう適合された流体温度調節ユニット(26c);並びに
g.チャンバに供給される流体を濾過するための濾過ユニット(26b)、チャンバに供給される流体を直接又は間接的に滅菌するための滅菌ユニット(26a)、及びチャンバに供給される流体の温度を変更するよう適合された流体温度調節ユニット(26c)
のうちの少なくとも1つを備える、実施形態1〜66のいずれか1つに記載の医療デバイス。
68.外科的処置を実施するために医療デバイスを患者の身体に適用する際、医療デバイスは:
a.流体を:
・チャンバ;及び
・患者の身体のキャビティ;
のうちの少なくとも1つに供給するための:
i.医療デバイスの壁;及び
ii.患者の皮膚
のうちの少なくとも1つに設けられた少なくとも1つの流入口(30);並びに
b.流体を:
・チャンバ;及び
・身体キャビティ
のうちの少なくとも1つから排出するための:
iii.医療デバイスの壁;及び
iv.患者の皮膚
のうちの少なくとも1つに設けられた少なくとも1つの流出口(31)
のうちの少なくとも1つを更に備える、実施形態1〜67のいずれか1つに記載の医療デバイス。
69.流体を流出口から流入口へと循環させるよう適合されたポンプ(27)を更に備える、実施形態68に記載の医療デバイス。
70.壁は、可撓性壁を膨張させることができるように、ひだ状部分を備える、実施形態1〜69のいずれか1つに記載の医療デバイス。
71.センサを更に備える、実施形態1〜70のいずれか1つに記載の医療デバイス。
72.上記センサは:
a.患者の血流;
b.患者の血液の飽和;
c.患者の虚血マーカ;
d.患者の皮膚の温度;
e.患者の皮膚の色調;
f.圧力;
g.力;
h.時間;
i.運動;
j.伸長;
k.距離;及び
l.容積
のうちの少なくとも1つを感知するよう適合される、実施形態71に記載の医療デバイス。
73.上記センサは:
a.密閉デバイス内の圧力;
b.チャンバ内の圧力;
c.チャンバからの流体の直接又は間接的な漏れ;
d.力;
e.時間;
f.運動;
g.伸長;
h.距離;
i.容積;
j.電気的パラメータ;
k.エネルギ;
l.エネルギ収支;
m.電圧;
n.電流;及び
o.温度
のうちの少なくとも1つを感知するよう適合される、実施形態71に記載の医療デバイス。
番号付き実施形態B1〜13
1.患者の身体の少なくとも部分的に内側に、密閉されたチャンバを生成する方法であって、上記方法は:
−患者の身体の皮膚に切開部を作成するステップ;
−上記切開部を通して、管状壁に接続された、第1の内部密閉部材を備える第1の内部密閉デバイスを挿入するステップ;
−上記第1の内部密閉部材を、少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の少なくとも一部に接続された状態で位置決めして、医療デバイスと、上記少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の上記少なくとも一部との間に第1のシールを生成するステップ;
−上記切開部を通して、管状壁に接続された、第2の内部密閉部材を備える第2の内部密閉デバイスを挿入するステップ;並びに
−上記第2の内部密閉部材を、少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の少なくとも一部に接続された状態で位置決めして、医療デバイスと、上記少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の上記少なくとも一部との間に第2のシールを生成し、第1及び第2の内部密閉デバイスと上記管状壁との間に密閉状態の医療デバイスチャンバを生成するステップ
を含む、方法。
2.
−患者の皮膚の切開部を通して少なくとも1つのトロカールを挿入するステップ;
−上記トロカールに少なくとも1つの解剖用ツールを挿入するステップ;及び
−器官又は組織のある領域を解剖するステップ
のうちの少なくとも1つを更に含む、実施形態1に記載の方法。
3.患者の皮膚の切開部に身体ポートを配置するステップを更に備え、管状壁、第1の内部密閉デバイス、第2の内部密閉デバイス及び上記身体ポートの間に密閉されたチャンバが生成されるように、上記管状壁がこの身体ポートに接続される、実施形態1又は2に記載の方法。
4.第1及び第2の内部密閉デバイスを位置決めする上記ステップは、第1及び第2の密閉デバイスそれぞれが管状器官を包囲するように第1及び第2の密閉デバイスを位置決めするステップを含む、実施形態1〜3のうちのいずれか1つに記載の方法。
5.第1及び第2の内部密閉デバイスを位置決めする上記ステップは、患者の胃が第1の密閉部材、第2の密閉部材及び上記壁の間の密閉されたチャンバ内に配置されるように、上記壁が患者の胃を被包するよう、患者の腸を包囲するように第1の密閉デバイスを位置決めするステップ及び患者の食道を包囲するように第2の内部密閉デバイスを位置決めするステップを含む、実施形態4に記載の方法。
6.上記壁は、医療デバイスチャンバ内のヒト器官又はヒト組織を取り囲むために開閉されるよう適合された閉鎖部分を備え、本方法は:
−上記壁を開放して患者の器官を取り囲むステップ;及び
−上記壁を閉鎖して上記器官を被包するステップ
を含む、実施形態1〜5のうちのいずれか1つに記載の方法。
7.内部密閉部材は内部真空密閉部材であり、本方法は、上記真空密閉部材に真空を印加して、印加された真空によって上記真空密閉部材を密閉するステップを更に含む、実施形態1〜6のうちのいずれか1つに記載の方法。
8.内部密閉部材は内部圧力密閉部材であり、本方法は、上記圧力密閉部材に圧力を印加して、印加された圧力によって上記圧力密閉部材を密閉するステップを更に含む、実施形態1〜6のうちのいずれか1つに記載の方法。
9.上記閉鎖部分はジッパーを備え、上記壁を閉鎖して器官を被包する上記ステップは、上記ジッパーを閉鎖するステップを含む、実施形態6に記載の方法。
10.加圧流体で上記チャンバを充填するステップを更に含む、実施形態1〜9のうちのいずれか1つに記載の方法。
11.密閉されたチャンバ内で実施される、以下の外科的処置:
a.細菌を含有する身体由来物質を有する器官の切開;
b.少なくとも1つの器官又はヒト組織の少なくとも一部の摘出;
c.少なくとも1つの器官の内側又は外側からのいずれの身体由来物質の摘出;
d.少なくとも1つの器官の内側若しくは外側からの、又は少なくとも1つの器官に関連する、いずれの身体組織の摘出;
e.少なくとも1つの器官の異なる複数の部分の接続、異なる複数の器官の異なる複数の部分の接続;
f.少なくとも1つの器官に関連する少なくとも1つの医療デバイスの配置、少なくとも1つの身体機能の置換;
g.少なくとも1つの器官に関連する少なくとも1つの医療デバイスの配置、及び少なくとも1つの器官に関連する少なくとも1つの医療デバイスの配置による、少なくとも1つの身体機能の置換;
h.虫垂切除術;
i.胆嚢摘出術;
j.腎摘出術;
k.子宮摘出術;
l.卵巣摘出術;
m.副腎摘出術;
n.胃バイパス術;
o.噴門形成術;
p.腸内シャント;
q.ヘルニア修復;
r.脾臓摘出術;
s.結腸又は小腸切除術;
t.肝切除術;
u.虫垂フィステル形成術;
v.人工肛門形成術;
w.十二指腸造瘻術;
x.回腸フィステル形成術;
y.虫垂造瘻術;
z.食道造瘻術;
aa.胃造瘻術;
bb.尿路変更術;
cc.腎造瘻術;
dd.尿管造瘻術;
ee.膀胱造瘻術;
ff.内視鏡手術;
gg.直視下手術;
hh.直視下手術と内視鏡手術との組み合わせ;
ii.関節鏡視下手術;
jj.直視下関節手術;
kk.直視下関節手術と関節鏡視下手術との組み合わせ;
ll.凍結アブレーション;
mm.超音波ナイフ手術;
nn.分離した骨又は軟骨組織の除去;
oo.靭帯の挿入;
pp.ねじ、釘、プレート等の固定要素の挿入;
qq.人工関節置換術;
rr.潤滑処置;
ss.癌手術;
tt.別の医療デバイスの挿入;
uu.異質部品の挿入;並びに
vv.直視下手術と腹腔鏡手術又は内視鏡手術との組み合わせを用いた医療デバイス及び他の異質部品の挿入
のうちの少なくとも1つを更に含む、実施形態1〜10のうちのいずれか1つに記載の方法。
12.医療デバイスチャンバ内に以下のようなその他のインプラント:関節形成補綴物;心臓補助装置;通電インプラント;制御論理;充填美容インプラント;埋入型薬剤ディスペンサ;給電ユニット;血管インプラント;泌尿器科インプラント;腹部インプラント;薬剤放出インプラント;婦人科インプラント;活性及び不活性医療用インプラントのうちの少なくとも1つを配置するステップを含む、実施形態1〜11のうちのいずれか1つに記載の方法。
13.医療デバイスチャンバ内に以下のような器具:メス;トロカール;鉗子;縫合器具;ハサミ;カメラ;クランプ器具;解剖器具;把持器具;接着器具;縫合又はステープル留め器具;切断器具;電磁又は超音波ジアテルミー;腹腔鏡把持器;腹腔鏡爪把持器;腹腔鏡石把持器;腹腔鏡針ホルダ;腹腔鏡フック;腹腔鏡下解剖器具;腹腔鏡ジアテルミー器具;関節鏡検査器具;関節置換器具;整形外科用器具;未定義器具;手術器具;内視鏡器具;及び機械のうちの少なくとも1つを配置するステップを含む、実施形態1〜12のうちのいずれか1つに記載の方法。
番号付き実施形態C1〜43:
1.患者の皮膚に形成された切開部を介して前記患者の身体の内側に位置決めされるよう適合された、医療デバイスであって:
‐上記医療デバイスと、少なくとも1つのヒト器官又は上記ヒト器官に関連し接触するヒト組織の少なくとも一部との間にシールを形成するために、上記少なくとも1つのヒト器官又は上記ヒト器官に関連し接触する上記ヒト組織の少なくとも一部に接続された状態で位置決めされてこれを密閉するよう適合された内部密閉部材を備える、内部密閉デバイス;及び
‐上記内部密閉デバイスに密閉状態で接続された医療デバイスチャンバを、少なくとも1つのヒト器官又は組織の一部分が上記医療デバイスチャンバの内側に配置されるように生成するよう適合された、管状壁
を備え、
‐内部密閉部材は、上記少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の一部分を取り囲むか又は包囲するための、調整可能な周を有する、医療デバイス。
2.患者の皮膚の切開部に配置された身体ポートを更に備え、第1の内部密閉部材、第2の内部密閉部材及び上記身体ポートの間に生成された医療デバイスチャンバの内側に少なくとも1つのヒト器官の一部分が配置されるように、上記壁がこの身体ポートに接続される、実施形態1に記載の医療デバイス。
3.上記医療デバイスと、少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の少なくとも一部との間にシールを形成するために、上記少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の少なくとも一部に接続された状態で位置決めされてこれを密閉するよう適合された第2の内部密閉部材を備える、第2の内部密閉デバイスを更に備え、上記壁は、少なくとも1つのヒト器官の一部分が第1の内部密閉部材と第2の内部密閉部材との間の医療デバイスチャンバの内側に配置されるよう、第2の内部密閉デバイスに更に接続される、実施形態1に記載の医療デバイス。
4.第2の密閉部材は、上記少なくとも1つのヒト器官又は組織の一部分を取り囲むか又は包囲するための、調整可能な周を有する、実施形態3に記載の医療デバイス。
5.第1及び第2の内部密閉部材のうちの少なくとも1つは円形であり、調整可能な直径を有し、この直径の調整によって周を調整できる、実施形態1〜4のいずれか1つに記載の医療デバイス。
6.内部密閉デバイスは:
a.真空を用いてヒト器官又は上記ヒト器官に関連し接触するヒト組織を密閉する、内部真空密閉デバイス;
b.圧力を用いてヒト器官又は上記ヒト器官に関連し接触するヒト組織を密閉する、内部圧力密閉デバイス;及び
c.ヒト器官又は上記ヒト器官に関連し接触するヒト組織に接着接続することによって密閉する、内部接着密閉デバイス
のうちの少なくとも1つを備える、実施形態1に記載の医療デバイス。
7.内部密閉部材は、患者の組織部分に接続されてこれを密閉するよう適合された少なくとも1つの密閉表面を備え、この密閉表面は、内部密閉デバイスが組織の表面を軸方向に密閉できるよう、内部密閉デバイスの前方に配置される、実施形態6に記載の医療デバイス。
8.内部密閉部材は、患者の組織の一部分に接続されてこれを密閉するよう適合された少なくとも1つの密閉表面を備え、この密閉表面は、内部密閉デバイスが管状器官又は組織を径方向に、従って管状器官又は組織の外周を密閉できるよう、内部密閉デバイスの内周上に配置される、実施形態6に記載の医療デバイス。
9.内部密閉部材のうちの少なくとも1つはひだ状部分を備え、このひだ状部分の調節によって周を調節できる、実施形態1〜8のうちの1つに記載の医療デバイス。
10.内部密閉デバイスは、ひだ状真空導管を備える内部真空密閉デバイスであり、上記ひだ状真空導管は、上記ひだ状真空導管と患者の器官又は組織との間に密閉を生成できるように、患者の組織に対する吸引を生成するよう適合された穿孔を備える、実施形態6に記載の医療デバイス。
11.上記ひだ状真空導管を患者の体外の真空源に接続するよう適合された真空導管を更に備える、実施形態10に記載の医療デバイス。
12.上記穿孔は、内部密閉デバイスが組織の平坦な表面を密閉できるよう、内部密閉デバイスの前方端部に配置される、実施形態10又は11に記載の医療デバイス。
13.上記穿孔は、内部密閉デバイスが管状器官又は組織を径方向に、従って管状器官又は組織の外周を密閉できるよう、ひだ状真空導管の内周上に配置される、実施形態10又は11に記載の医療デバイス。
14.内部密閉デバイスは:
a.ヒト器官上;
b.上記ヒト器官に関連し接触するヒト組織上;
c.患者の少なくとも1つのヒト器官内に作成された切開部内;
d.少なくとも1つのヒト器官又は上記ヒト器官の内側に関連し接触するヒト組織の内側上;及び
e.少なくとも1つのヒト器官又は上記ヒト器官の外側に関連し接触するヒト組織の外側上
のうちの少なくとも1つに位置決めされるよう適合される、実施形態1〜13のいずれか1つに記載の医療デバイス。
15.医療デバイスチャンバは:
‐患者の身体内の組織内側のキャビティ;
‐身体の外側に配置された医療チャンバの一部分;及び
‐身体の切開部に配置され上記壁に接続されたポートが開閉するように適合されることによって、上記ポートが開いている場合に身体の外側に配置された医療チャンバの一部分と連通できる、身体の外側に配置された上記医療チャンバの上記一部分
のうちの少なくとも1つと連通するよう適合され、内部密閉デバイスは、上述の選択肢によって形成されるチャンバ全体を、その外側に対して密閉するために、身体の内側に位置決めされるよう適合される、実施形態1〜14のいずれか1つに記載の医療デバイス。
16.医療デバイスは、ヒト器官に切開部を作成する際に、少なくとも1つのヒト器官の内側からの流体又はその他の身体由来物質を密閉して、密閉された空間の外側に上記流体又はその他の身体由来物質が拡散するのを回避するよう適合される、実施形態1〜15のいずれか1つに記載の医療デバイス。
17.内部真空密閉部材は、ヒト器官又はヒト組織と共に真空チャンバを形成するよう適合された真空溝を備える、実施形態6〜16のいずれか1つに記載の医療デバイス。
18.内部真空密閉デバイスは、ヒトの身体の別の部分と共に第2の真空チャンバを形成する少なくとも1つの第2の真空溝を備える、第2の又はそれ以上の真空密閉部材を備える、実施形態6〜17のいずれか1つに記載の医療デバイス。
19.切開部の内側;及び切開部の切断部分に接続された組織のうちの少なくとも1つを密閉するよう適合される、追加の真空密閉部材を更に備える、実施形態6〜18のいずれか1つに記載の医療デバイス。
20.患者の皮膚の切開部をその外側において密閉するよう適合された追加の真空密閉部材を更に備える、実施形態6〜19のいずれか1つに記載の医療デバイス。
21.追加の真空密閉部材は、患者の皮膚に作成された切開部を包囲するよう適合されたループ状真空密閉部材であり、この追加の真空密閉部材は更に:
‐患者の皮膚に、その外側において;及び
‐患者のヒト組織に、身体の内側において
のうちの少なくとも1つに接続するよう適合されて:
a.筋膜
b.筋膜の外側
c.筋膜の内側
d.腹壁の腹直筋の筋膜;
e.腹膜;
f.脂肪組織;
g.線維化組織;
h.筋組織;及び
i.身体器官
のうちの少なくとも1つを密閉し、上記a〜iは全て身体の内側に位置し、また上記少なくとも1つの追加の真空密閉部材は、患者の皮膚に切開部が作成されている場合に、切開部の近接した関係にあるヒト組織を、真空を用いて密閉するように配置されるよう適合される、実施形態20に記載の医療デバイス。
22.医療デバイスは:患者の身体の外側から患者の身体の内側への、患者の皮膚に作成された切開部を通した移動を可能とするよう適合された、閉鎖可能な身体ポート;及び切開部の外側に配置されたチャンバの一部分を形成するよう適合された、壁の別の部分に配置される閉鎖可能な壁ポートのうちの少なくとも1つを備え、上記閉鎖可能な壁ポートは、医療デバイスの外側から医療デバイスチャンバの内側への、壁ポートが設置された医療デバイスの壁を通した移動を可能とするよう適合される、実施形態1〜21のいずれか1つに記載の医療デバイス。
23.上記閉鎖可能な壁又は身体ポートは、医療デバイスが第1の形状及び第2の形状を取ることができるようにする、取り外し可能に接続されるよう適合された2部品ポートを備え、2つの部品は壁に接続されて、身体の外側に配置された密閉されたチャンバの一部分を形成する、実施形態22に記載の医療デバイス。
24.上記壁は、500000mm3超の容積を有する医療デバイスチャンバを生成するよう適合される、実施形態1〜23のいずれか1つに記載の医療デバイス。
25.上記壁は可撓性及び/又は弾性である、実施形態1〜24のいずれか1つに記載の医療デバイス。
26.上記壁は、医療デバイスのチャンバ内及び/又は患者のキャビティの内側での手技を可能とする、少なくとも1つの一体化された手袋、又は一体化された手袋を備えるインセットを備える、実施形態1〜25のいずれか1つに記載の医療デバイス。
27.インセット又はポートを医療デバイスに接続するよう適合された連結器を更に備える、実施形態1〜26のいずれか1つに記載の医療デバイス。
28.連結器は:医療デバイスの壁;及び患者の皮膚に作成された切開部のうちの少なくとも1つに配置される、実施形態27に記載の医療デバイス。
29.
a.手袋インセット;
b.手アクセスインセット;
c.ポートインセット;
d.マルチポートインセット;及び
e.ゲルポートインセット
から選択されるインセットを更に備える、実施形態26に記載の医療デバイス。
30.第1の侵入可能な自己密閉ゲルを備える閉鎖可能な身体ポートと、第2の侵入可能な自己密閉ゲルを備える閉鎖可能な壁ポートとを更に備え、第1及び第2の侵入可能な自己密閉ゲルは、壁及び接続された身体ポートによって互いに対して緊密に配置されるよう適合され、これによって第1及び第2の侵入可能な自己密閉ゲルは、非圧縮状態では密閉を提供し、圧縮状態では密閉を維持しながら自己密閉ゲルを通して手又は物体を挿入できるようにするよう適合された、単一の侵入可能な自己密閉ゲルとして作用する、実施形態1〜29のいずれか1つに記載の医療デバイス。
31.チャンバを形成する壁は、チャンバ内の圧力を大気圧より高く保持するよう適合される、実施形態1〜30のいずれか1つに記載の医療デバイス。
32.壁ポートは第1の位置と第2の位置との間で変位可能であり、第2の位置は身体ポートからより離間して配置される、実施形態22〜31のいずれか1つに記載の医療デバイス。
33.閉鎖可能な壁ポート及び閉鎖可能な身体ポートのうちの少なくとも1つは、弾性膜及び可撓性膜のうちの少なくとも1つを備え、上記膜は、非圧縮状態においてチャンバとチャンバの外側の環境との間を密閉し、かつ圧縮状態において膜を通して手又は物品を挿入できるようにするよう適合される、実施形態22〜31のいずれか1つに記載の医療デバイス。
34.身体ポートは、患者の皮膚の内側において、上記皮膚に対して実施される切開部の周辺に位置決めされるよう適合された第1の密閉部材(35)と、患者の皮膚の外側において上記切開部の周辺に位置決めされるよう適合された第2の密閉部材(37)と、上記第1及び第2の密閉部材を密閉状態で相互接続するばね式又は弾性接続部材(36)とを備え、上記ばね式又は弾性接続部材は:(a)第2の密閉部材と患者の皮膚との間;(b)第1の密閉部材と患者の組織との間;及び(c)接続部材と組織との間のうちの少なくとも1つを、切開部に関して密閉するよう適合される、実施形態1〜33のいずれか1つに記載の医療デバイス。
35.医療デバイスは:
a.チャンバに供給される流体を濾過するための濾過ユニット(26b);
b.チャンバに供給される流体を直接又は間接的に滅菌するための滅菌ユニット(26a);
c.チャンバに供給される流体の温度を変更するよう適合された流体温度調節ユニット(26c);
d.流体を濾過するための濾過ユニット(26b)、及びチャンバに供給される流体を直接又は間接的に滅菌するための滅菌ユニット(26a);
e.チャンバに供給される流体を濾過するための濾過ユニット(26b)、及びチャンバに供給される流体の温度を変更するよう適合された流体温度調節ユニット(26c);
f.チャンバに供給される流体を直接又は間接的に滅菌するための滅菌ユニット(26a)、チャンバに供給される流体の温度を変更するよう適合された流体温度調節ユニット(26c);並びに
g.チャンバに供給される流体を濾過するための濾過ユニット(26b)、チャンバに供給される流体を直接又は間接的に滅菌するための滅菌ユニット(26a)、及びチャンバに供給される流体の温度を変更するよう適合された流体温度調節ユニット(26c)
のうちの少なくとも1つを更に備える、実施形態1〜34のいずれか1つに記載の医療デバイス。
36.外科的処置を実施するために医療デバイスを患者の身体に適用する際、医療デバイスは:
a.流体を:
・チャンバ;及び
・患者の身体のキャビティ;
のうちの少なくとも1つに供給するための:
i.医療デバイスの壁;及び
ii.患者の皮膚
のうちの少なくとも1つに設けられた少なくとも1つの流入口(30);並びに
b.流体を:
・チャンバ;及び
・身体キャビティ
のうちの少なくとも1つから排出するための:
i.医療デバイスの壁;及び
ii.患者の皮膚
のうちの少なくとも1つに設けられた少なくとも1つの流出口(31)
のうちの少なくとも1つを更に備える、実施形態1〜35のいずれか1つに記載の医療デバイス。
37.流体を流出口から流入口へと循環させるよう適合されたポンプ(27)を更に備える、実施形態36に記載の医療デバイス。
38.
a.壁及び身体ポートのうちの少なくとも1つは突出部材を備え、
b.壁及び身体ポートのうちの少なくとも1つは凹部を備え、
上記突出部剤は、上記凹部と係合して壁ポートを身体ポートに対してロックするよう適合される、実施形態22〜37のいずれか1つに記載の医療デバイス。
39.上記凹部は、壁及び身体ポートのうちの少なくとも1つの溝である、実施形態38に記載の医療デバイス。
40.壁ポートは第1の連結器(80a)に固定されるよう適合され、身体ポートは第2の連結器(80b)に固定されるよう適合され、上記第1及び第2の連結器は、壁ポートと身体ポートとを接続するために接続されるよう適合される、実施形態22〜39のいずれか1つに記載の医療デバイス。
41.上記可撓性壁は、この可撓性壁を膨張させることができるように、ひだ状部分(03)を備える、実施形態25〜40のいずれか1つに記載の医療デバイス。
42.圧力;流れ;及び患者の生理学的又は身体的パラメータのうちの少なくとも1つを感知するよう適合された少なくとも1つのセンサを更に備える、実施形態1〜41のいずれか1つに記載の医療デバイス。
43.上記生理学的又は身体的パラメータは:
a.患者の血流;
b.患者の血液の飽和;
c.患者の虚血マーカ;
d.患者の皮膚の温度;
e.患者の皮膚の色調;
f.圧力;
g.力;
h.時間;
i.運動;
j.伸長;
k.距離;及び
l.容積
から選択されるパラメータである、実施形態42に記載の医療デバイス。
番号付き実施形態D1〜14
1.患者の身体の少なくとも部分的に内側に、密閉されたチャンバを生成する方法であって、上記方法は:
−患者の身体の皮膚に切開部を作成するステップ;
−上記切開部を通して、管状壁に接続された、内側密閉部材を備える内側密閉デバイスを挿入するステップ;
−上記内側密閉部材を、少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の少なくとも一部に接続された状態で位置決めして、医療デバイスと、上記少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の上記少なくとも一部との間にシールを生成するステップ;
−上記少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の一部分を取り囲むか又は包囲するために密閉部材の周を調整して、医療デバイスの管状壁、内側密閉デバイス及び上記器官又は組織によって密閉されたチャンバを生成するステップ
を含む、方法。
2.
−患者の皮膚の切開部を通して少なくとも1つのトロカールを挿入するステップ;
−上記トロカールに少なくとも1つの解剖用ツールを挿入するステップ;及び
−器官又は組織のある領域を解剖するステップ
のうちの少なくとも1つを更に含む、実施形態1に記載の方法。
3.患者の皮膚の切開部に身体ポートを配置するステップを更に備え、管状壁、内側密閉デバイス及び上記身体ポートの間に医療デバイスチャンバが形成されるように、上記壁がこの身体ポートに接続される、実施形態1又は2に記載の方法。
4.
−切開部を通して、これもまた管状壁に接続された、第2の内側密閉部材を備える第2の内側密閉デバイスを挿入するステップ;並びに
−上記第2の内側密閉部材を、上記少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の少なくとも1つの第2の部分に接続された状態で位置決めして、第2の医療デバイスと、上記少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の上記少なくとも部分との間にシールを生成し、医療デバイスの管状壁、第1及び第2の内側密閉デバイス並びに上記器官又は組織によって密閉されたチャンバを生成するステップ
を更に含む、実施形態1〜3のいずれか1つに記載の方法。
5.上記少なくとも1つのヒト器官の一部分を取り囲むか又は包囲するために第2の密閉部材の周を調整するステップを更に含む、実施形態4に記載の方法。
6.上記第1及び第2の内側密閉部材のうちの少なくとも1つは円形であり、調整可能な直径を有し、この直径の調整によって周を調整できる、実施形態1〜5のいずれか1つに記載の方法。
7.内側密閉部材は内側真空密閉部材であり、本方法は、上記真空密閉部材に真空を印加して、印加された真空によって上記真空密閉部材を密閉するステップを更に含む、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の方法。
8.内側密閉部材は内側圧力密閉部材であり、本方法は、上記圧力密閉部材に圧力を印加して、印加された圧力によって上記圧力密閉部材を密閉するステップを更に含む、実施形態1〜6のいずれか1つに記載の方法。
9.内側密閉部材は、患者の組織の一部分に接続されてこれを密閉するよう適合された少なくとも1つの密閉表面を備え、この密閉表面は内側密閉デバイスの前方に配置され、上記内側密閉部材を少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の少なくとも一部に接続された状態で位置決めする上記ステップは、内側密閉部材を器官又は組織の表面に対して軸方向に適用するステップを更に含む、実施形態1〜8のいずれか1つに記載の方法。
10.内側密閉部材は、患者の組織の一部分に接続されてこれを密閉するよう適合された少なくとも1つの密閉表面を備え、この密閉表面は内側密閉デバイスの内周上に配置され、上記内側密閉部材を少なくとも1つのヒト器官又はヒト組織の少なくとも一部に接続された状態で位置決めする上記ステップは、内側密閉部材を管状器官又は組織の外周に対して径方向に適用するステップを更に含む、実施形態1〜8のいずれか1つに記載の方法。
11.加圧流体で上記チャンバを充填するステップを更に含む、実施形態1〜10のいずれか1つに記載の方法。
12.密閉されたチャンバ内で実施される、以下の外科的処置:
a.細菌を含有する身体由来物質を有する器官の切開;
b.少なくとも1つの器官又は上記器官に関連するヒト組織の少なくとも一部の摘出;
c.少なくとも1つの器官の内側又は外側からのいずれの身体由来物質の摘出;
d.少なくとも1つの器官の内側若しくは外側からの、又は少なくとも1つの器官に関連する、いずれの身体組織の摘出;
e.少なくとも1つの器官の異なる複数の部分の接続、異なる複数の器官の異なる複数の部分の接続;
f.少なくとも1つの器官に関連する少なくとも1つの医療デバイスの配置、少なくとも1つの身体機能の置換;
g.少なくとも1つの器官に関連する少なくとも1つの医療デバイスの配置、及び少なくとも1つの器官に関連する少なくとも1つの医療デバイスの配置による、少なくとも1つの身体機能の置換;
h.虫垂切除術;
i.胆嚢摘出術;
j.腎摘出術;
k.子宮摘出術;
l.卵巣摘出術;
m.副腎摘出術;
n.胃バイパス術;
o.噴門形成術;
p.腸内シャント;
q.ヘルニア修復;
r.脾臓摘出術;
s.結腸又は小腸切除術;
t.肝切除術;
u.盲腸フィステル形成術;
v.人工肛門形成術;
w.十二指腸造瘻術;
x.回腸フィステル形成術;
y.虫垂造瘻術;
z.食道造瘻術;
aa.胃造瘻術;
bb.尿路変更術;
cc.腎胃造瘻術;
dd.尿管造瘻術;
ee.膀胱造瘻術;
ff.内視鏡手術;
gg.直視下手術;
hh.直視下手術と内視鏡手術との組み合わせ;
ii.関節鏡視下手術;
jj.直視下関節手術;
kk.直視下関節手術と関節鏡視下手術との組み合わせ;
ll.凍結切除;
mm.超音波ナイフ手術;
nn.分離した骨又は軟骨組織の除去;
oo.靭帯の挿入;
pp.ねじ、釘、プレート等の固定要素の挿入;
qq.人工関節置換術;
rr.潤滑処置;
ss.癌手術;
tt.別の医療デバイスの挿入;
uu.異質部品の挿入;並びに
vv.直視下手術と腹腔鏡手術又は内視鏡手術との組み合わせを用いた医療デバイス及び他の異質部品の挿入
のうちの少なくとも1つを更に含む、実施形態1〜11のいずれか1つに記載の方法。
13.医療デバイスチャンバ内に以下のようなその他のインプラント:関節形成補綴物;心臓補助装置;通電インプラント;制御論理;充填美容インプラント;埋入型薬剤ディスペンサ;給電ユニット;血管インプラント;泌尿器科インプラント;腹部インプラント;薬剤放出インプラント;婦人科インプラント;活性及び不活性医療用インプラントのうちの少なくとも1つを配置するステップを含む、実施形態1〜12のいずれか1つに記載の方法。
14.医療デバイスチャンバ内に以下のような器具:メス;トロカール;鉗子;縫合器具;ハサミ;カメラ;クランプ器具;解剖器具;把持器具;接着器具;縫合又はステープル留め器具;切断器具;電磁又は超音波ジアテルミー;腹腔鏡把持器;腹腔鏡爪把持器;腹腔鏡石把持器;腹腔鏡針ホルダ;腹腔鏡フック;腹腔鏡下解剖器具;腹腔鏡ジアテルミー器具;関節鏡検査器具;関節置換器具;整形外科用器具;未定義器具;手術器具;内視鏡器具;及び機械のうちの少なくとも1つを配置するステップを含む、実施形態1〜13のいずれか1つに記載の方法。
以上の異なる複数の番号付き実施形態又はある実施形態のいずれの部分の、異なる複数の態様又はある態様のいずれの部分は、全ていずれの可能な方法で組み合わせてよい。いずれの方法実施形態又はいずれの方法実施形態のいずれのステップは、装置の説明としても理解され得、またいずれの装置実施形態、装置実施形態の態様又は部分は、方法の説明としても理解され得、これらは全て、その最小単位においていずれの可能な方法で組み合わせてよい。いずれの詳細な説明は、その最も広い範囲において一般的な概要の説明として解釈されるものとする。