JP6882967B2 - エステル系エラストマー発泡粒子、発泡成形体及びそれらの製造方法 - Google Patents

エステル系エラストマー発泡粒子、発泡成形体及びそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、エステル系エラストマー発泡粒子、発泡成形体及びそれらの製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、融着性が向上した発泡成形体を与え得るエステル系エラストマー発泡粒子、融着性が向上した発泡成形体及びそれらの製造方法に関する。
従来、緩衝材や梱包材として、ポリスチレン、ポリプロピレン等からなる発泡粒子を複数個融着させた発泡成形体が汎用されている。発泡粒子を複数個融着させた発泡成形体は、押出発泡による発泡成形体に比べて、複雑な形状を形成可能であるという利点を有している。ポリスチレン、ポリプロピレン等からなる発泡成形体は、高い反発弾性が求められる用途では使用し難いという課題があった。そのため、高い反発弾性を実現できる発泡成形体が求められていた。
上記求めに応じて、特開2016−190989号公報(特許文献1)には、アミド系エラストマー発泡粒子を用いた発泡成形体が提案されている。
特開2016−190989号公報
本発明の発明者等は、アミド系エラストマー以外に、優れた反発弾性を有するエステル系エラストマーでも発泡粒子を製造できることを見い出している。ここで、複数の発泡粒子の融着体からなる発泡成形体には、発泡粒子相互の融着性が高いことが求められる。そのためエステル系エラストマーを基材樹脂とする発泡粒子から得られた発泡成形体においても、融着性を向上させることを検討した。
本発明の発明者等は、エステル系エラストマー発泡粒子が、紫外線を吸収し得る構造を有する芳香族化合物である融着向上剤を特定量含むことで、融着性の向上した発泡成形体を提供できることを意外にも見い出し本発明に至った。
かくして本発明によれば、基材樹脂としてのエステル系エラストマーと、融着向上剤とを含む樹脂組成物から構成され、前記融着向上剤が、紫外線を吸収し得る構造を有するベンゾトリアゾール系の化合物であり、前記融着向上剤が、前記エステル系エラストマー100質量部に対して、0.01〜5質量部含まれることを特徴とするエステル系エラストマー発泡粒子が提供される。
また、本発明によれば、上記エステル系エラストマー発泡粒子を製造する方法であって、
前記エステル系エラストマーと前記融着向上剤とを含む樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性粒子を得る工程と、前記発泡性粒子を発泡させる工程とを含むことを特徴とするエステル系エラストマー発泡粒子の製造方法が提供される。
更に、本発明によれば、上記エステル系エラストマー発泡粒子を型内発泡させて得られた発泡成形体が提供される。
また、本発明によれば、上記発泡成形体を製造する方法であって、
ゲージ圧0.05〜0.4MPaの水蒸気を加熱媒体として上記エステル系エラストマー発泡粒子を型内発泡させる工程を含むことを特徴とする発泡成形体の製造方法が提供される。
本発明のエステル系エラストマー発泡粒子は、融着性の向上した発泡成形体を提供できる。
また、以下のいずれかの場合、より融着性の向上した発泡成形体を製造し得るエステル系エラストマー発泡粒子を提供できる。
(1)融着向上剤が、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系及びトリアジン系の化合物から選択される。
(2)紫外線を吸収し得る構造が、2〜6個のベンゼン環と、水酸基と、窒素含有複素環又はカルボニル基とを有する構造である。
(3)融着向上剤が、ベンゾトリアゾール系の化合物であり、樹脂組成物が、1×10〜2×10Paの貯蔵弾性率(ビカット軟化温度Tv−10℃における固体粘弾性測定による貯蔵弾性率)を有する。
(4)樹脂組成物が、
(i)0〜65のショアD硬度
(ii)100〜200℃の融点
(iii)結晶化温度Tcにおける溶融粘弾性測定による貯蔵弾性率が1×10〜2×10Paの範囲
のいずれかの物性を少なくとも有する。
(5)エステル系エラストマー発泡粒子が、
(i)0.02〜0.4g/cmの嵩密度
(ii)10〜300μmの平均気泡径
(iii)60〜100%の独立気泡率
(iv)1.5〜15mmの平均粒子径
のいずれかの物性を少なくとも有する。
実施例1の発泡粒子の断面写真である。 実施例2の発泡粒子の断面写真である。 比較例1の発泡粒子の断面写真である。 比較例2の発泡粒子の断面写真である。 比較例3の発泡粒子の断面写真である。
(エステル系エラストマー発泡粒子)
本発明のエステル系エラストマー発泡粒子(以下、単に発泡粒子)は、基材樹脂としてのエステル系エラストマーと、融着向上剤とを含む樹脂組成物から構成される。融着向上剤は、紫外線を吸収し得る構造を有する芳香族化合物である。この芳香族化合物が発泡成形体を構成する発泡粒子相互の融着性を向上させる理由は定かではないが、本発明の発明者等は、紫外線を吸収し得る構造が、発泡粒子表面に存在するエステル系エラストマーの構造に何らかの作用(例えば、可塑作用、接着作用)を与えることで、融着性が向上したものと推定している。紫外線を吸収し得る構造と、融着性との関係を報告した文献は、発明者等が知る限り、存在していない。
(1)融着向上剤
融着向上剤は、紫外線を吸収し得る構造を有する芳香族化合物であり、発泡粒子相互の融着性を向上できさえすれば、特に限定されない。そのような芳香族化合物としては、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系、ベンゾエート系、サリチル酸系、シアノアクリル酸系、蓚酸アニリド系、マロン酸エステル系、ホルムアミジン系等が挙げられる。これらの中でも、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系及びトリアジン系の化合物が好ましい。ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系及びトリアジン系の化合物は、融着性を向上させる効果が高い。
また、融着向上剤は、紫外線を吸収し得る構造として、2〜6個のベンゼン環と、水酸基と、窒素含有複素環又はカルボニル基とを有する構造を有していてもよい。発明者等は、(i)ベンゼン環が、エステル系エラストマーの可塑作用の向上に、(ii)水酸基と窒素含有複素環、又は水酸基とカルボニル基が、発泡粒子相互の接着作用の向上に、それぞれ寄与していると推定している。
ベンゾトリアゾール系化合物には、例えば、一般式で示される化合物を使用できる。
Figure 0006882967
基R1〜R8は、同一又は異なって、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基である。アルキル基及びアルコキシ基は、炭素数6〜12のアリール基で置換されていてもよい。基R1〜R8中、隣接する2つの基は、互いに環を形成していてもよい。環は二重結合を有していてもよい。
具体的なベンゾトリアゾール系化合物としては、例えば、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2,2’−メチレンビス〔6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−tert−オクチルフェノール〕、2−(5−オクチルチオ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(t−ブチル)フェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4,6−ジ−(t−ブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−(1,1−ジメチルプロピル)フェノール、2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−ベンゾトリアゾール−2−イル−4,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミジルメチル)フェノール、メチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートとポリエチレングリコールの反応生成物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系化合物としては、Tinuvin234、Tinuvin P、Tinuvin PS、Tinuvin99−2、Tinuvin109、Tinuvin171、Tinuvin213、Tinuvin326、Tinuvin328、Tinuvin329、Tinuvin360、Tinuvin384−2、Tinuvin571、Tinuvin900、Tinuvin928、Tinuvin1130、Tinuvin Carboprotect(BASF社製)、LA−29、LA−31、LA−32、LA−36(ADEKA社製)、Sumisorb200、Sumisorb250、Sumisorb300、Sumisorb340、Sumisorb350(住化ケムテックス社製)、KEMISORB71、KEMISORB73、KEMISORB74、KEMISORB79、KEMISORB279(ケミプロ化成社製)、SEESORB701、SEESORB703、SEESORB704、SEESORB706、SEESORB707、SEESORB709(シプロ化成社製)等の市販品も使用できる。
ベンゾフェノン系化合物としては、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンジロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、1,4−ビス(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)−ブタン等が挙げられる。
ベンゾフェノン系化合物としては、Chimassorb81、Chimassorb90(BASF社製)、1413(ADEKA社製)、SEESORB100、SEESORB101、SEESORB101S、SEESORB102、SEESORB103、SEESORB105、SEESORB106、SEESORB107、SEESORB151(シプロ化成社製)、Sumisorb130(住化ケムテックス社製)、KEMISORB10、KEMISORB11、KEMISORB11S、KEMISORB12(ケミプロ化成社製)等の市販品も使用できる。
トリアジン系化合物としては、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシ−3−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(へキシル)オキシ]−フェノール、2−(4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヒドロキシフェニル、2,4−ビス[2−ヒドロキシ−4−ブトキシフェニル]−6−(2,4−ジブトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[2−(2−エチルヘキサノイルオキシ)エトキシ]フェノール、2,4−ジフェニル−6−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
トリアジン系化合物としては、CGL777、Tinuvin460、Tinuvin479、Tinuvin477、Tinuvin400、Tinuvin405、Tinuvin1577ED(BASF社製)、LA−46、LA−F70(ADEKA社製)等の市販品も使用できる。
ところで、融着向上剤は、紫外線を吸収し得る構造を有しているため、発泡成形体の紫外線による劣化を抑制できるという効果も奏する。
融着向上剤は、エステル系エラストマー100質量部に対して、0.01〜5質量部含まれている。含有量が0.01質量部未満の場合、融着性の向上効果が十分でないことがある。5質量部より多い場合、樹脂物性が変化し、例えば十分な反発弾性を得られなくなることがある。含有量は、0.1〜5質量部であることが好ましく、0.1〜3質量部であることがより好ましい。
(2)エステル系エラストマー
エステル系エラストマーは、発泡成形体を与えさえすれば特に限定されない。例えば、ハードセグメントとソフトセグメントとを含むエステル系エラストマーが挙げられる。
ハードセグメントは、例えば、ジカルボン酸成分及び/又はジオール成分から構成される。ジカルボン酸成分と、ジカルボン酸成分及びジオール成分との2成分から構成されていてもよい。
ジカルボン酸成分としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸等の脂肪族ジカルボン酸及びその誘導体、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びその誘導体に由来する成分が挙げられる。
ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール(例えば、1,4−ブタンジオール)等のC2−10アルキレングリコール、(ポリ)オキシC2−10アルキレングリコール、C5−12シクロアルカンジオール、ビスフェノール類又はこれらのアルキレンオキサイド付加体等が挙げられる。ハードセグメントは、結晶性を有していてもよい。
ソフトセグメントは、ポリエステルタイプ及び/又はポリエーテルタイプのセグメントを使用できる。
ポリエステルタイプのソフトセグメントとしては、ジカルボン酸類(アジピン酸のような脂肪族C4−12ジカルボン酸)とジオール類(1,4−ブタンジオールのようなC2−10アルキレングリコール、エチレングリコールのような(ポリ)オキシC2−10アルキレングリコール)との重縮合体、オキシカルボン酸の重縮合体やラクトン(ε−カプロラクトンのようなC3−12ラクトン)の開環重合体等の脂肪族ポリエステルが挙げられる。ポリエステルタイプのソフトセグメントは、非晶性であってもよい。ソフトセグメントとしてのポリエステルの具体例としては、カプロラクトン重合体、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート等のC2−6アルキレングリコールとC6−12アルカンジカルボン酸とのポリエステルが挙げられる。このポリエステルの数平均分子量は、200〜15000の範囲であってもよく、200〜10000の範囲であってもよく、300〜8000の範囲であってもよい。
ポリエーテルタイプのソフトセグメントとしては、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール)のような脂肪族ポリエーテルに由来するセグメントが挙げられる。ポリエーテルの数平均分子量は、200〜10000の範囲であってもよく、200〜6000の範囲であってもよく、300〜5000の範囲であってもよい。
ソフトセグメントは、脂肪族のポリエステルとポリエーテルとの共重合体(ポリエーテル−ポリエステル)のようなポリエーテル単位を有するポリエステル、ポリオキシアルキレングリコール(例えば、ポリオキシテトラメチレングリコール)のようなポリエーテルと脂肪族ジカルボン酸とのポリエステルに由来するセグメントであってもよい。
ハードセグメントとソフトセグメントとの質量割合は、20:80〜90:10であってもよく、30:70〜90:10であってもよく、30:70〜80:20であってもよく、40:60〜80:20であってもよく、40:60〜75:25であってもよい。
また、ジカルボン酸成分が、テレフタル酸成分とそれ以外のジカルボン酸成分である場合、エステル系エラストマーが、ハードセグメントを30〜80質量%の割合で含み、かつテレフタル酸成分以外のジカルボン酸成分を5〜30質量%の割合で含んでいてもよい。テレフタル酸成分以外のジカルボン酸成分の割合は5〜25質量%であってもよく、5〜20質量%でもよく、10〜20質量%でもよい。なお、ジカルボン酸成分の割合は、樹脂のNMRスペクトルを定量評価することにより入手できる。
テレフタル酸成分以外のジカルボン酸成分が、イソフタル酸成分であることが好ましい。イソフタル酸成分を含むことで、エラストマーの結晶化度が下がる傾向があり、発泡成形性が向上してより低密度の発泡成形体を得ることができる。
エステル系エラストマーには、東洋紡社製ペルプレン(PELPRENE)シリーズやバイロン(VYLON)シリーズが好適に使用できる。特に、ペルプレンシリーズを使用することが好ましい。
樹脂組成物は、1×10〜2×10Paの貯蔵弾性率(ビカット軟化点Tv−10℃における固体粘弾性測定による値)を有している。この範囲の貯蔵弾性率(固体粘弾性)を有することで、高反発弾性の発泡成形体を製造可能な発泡粒子を提供できる。貯蔵弾性率(固体粘弾性)は、1×10〜1.5×10Paの範囲であってもよく、1×10〜1×10Paの範囲であってもよく、1×10〜8×10Paの範囲であってもよい。ベンゾトリアゾール系の化合物である融着向上剤を含む、1×10〜2×10Paの貯蔵弾性率(固体粘弾性)を有する樹脂組成物は、より融着性の向上した発泡成形体を提供できる。
また、樹脂組成物は、
(i)0〜65のショアD硬度
(ii)100〜200℃の融点
(iii)結晶化温度Tcにおける溶融粘弾性測定による貯蔵弾性率が1×10〜2×10Paの範囲
のいずれかの物性を少なくとも有することが好ましい。
ショアD硬度が65より大きい場合、発泡時の軟化が困難になり、低密度の発泡成形体を得ることができないことがある。ショアD硬度は、20〜60の範囲であってもよく、25〜60の範囲であってもよく、30〜60の範囲であってもよい。
融点が100℃未満の場合、予備発泡工程後に収縮が起こり、成形が難しくなることがある。200℃より高い場合、発泡時の軟化が困難になり、低密度の発泡成形体を得ることができないことがある。融点は、120〜200℃の範囲であってもよく、120〜190℃の範囲であってもよい。
貯蔵弾性率(溶融粘弾性)が1×10Pa未満の場合、発泡後の冷却過程において発泡形状を維持することができずに収縮してしまうことがある。2×10Paより大きい場合、発泡時の軟化が困難になり、所望の発泡倍数(密度)が得られないことがある。貯蔵弾性率(溶融粘弾性)は、1×10〜1.5×10Paの範囲であってもよく、1×10〜1×10Paの範囲であってもよく、3×10〜1×10Paの範囲であってもよい。
(3)基材樹脂
基材樹脂には、本発明の効果を阻害しない範囲で、エステル系エラストマー以外に、他の樹脂が含まれていてもよい。他の樹脂は、公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂であってもよい。
基材樹脂は、他に、難燃剤、着色剤、帯電防止剤、展着剤、可塑剤、難燃助剤、架橋剤、充填剤、滑剤等を含んでいてもよい。
難燃剤としては、ヘキサブロモシクロドデカン、トリアリルイソシアヌレート6臭素化物等が挙げられる。
着色剤としては、カーボンブラック、グラファイト、酸化チタン等の無機顔料、フタロシアニンブルー、キナクリドンレッド、イソインドリノンエロー等の有機顔料、金属粉、パール等の特殊顔料が挙げられる。
帯電防止剤としては、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ステアリン酸モノグリセリド等が挙げられる。
展着剤としては、ポリブテン、ポリエチレングリコール、シリコンオイル等が挙げられる。
(4)発泡粒子の物性
発泡粒子は、
(i)0.02〜0.4g/cmの嵩密度
(ii)10〜300μmの平均気泡径
(iii)60〜100%の独立気泡率
(iv)1.5〜15mmの平均粒子径
のいずれかの物性を少なくとも有することが好ましい。
嵩密度が0.02g/cm未満の場合、収縮して外観不良を起こしたり、強度が低下することがある。0.4g/cmより大きい場合、軽量の発泡成形体を得ることができないことがある。嵩密度は、0.04〜0.4g/cmの範囲であってもよく、0.06〜0.4g/cmの範囲であってもよく、0.06〜0.3g/cmの範囲であってもよい。
平均気泡径が10μm未満の場合、収縮して外観不良を起こすことがある。300μmより大きい場合、成形時に発泡粒子同士の融着が悪くなり強度が低下することがある。平均気泡径は、10〜250μmの範囲であってもよく、10〜200μmの範囲であってもよい。
独立気泡率が60%未満の場合、内圧付与が難しくなり、成形性が低下することがある。独立気泡率は、65〜100%の範囲であってもよく、70〜100%の範囲であってもよい。
平均粒子径が1.5mm未満の場合、発泡粒子の製造自体が困難であり、かつ製造コストが増大することがある。15mmより大きい場合、型内成形により発泡成形体を作製する際に、金型への充填性が低下することがある。平均粒子径は、1.5〜12mmの範囲であってもよく、1.5〜9mmの範囲であってもよい。
(エステル系エラストマー発泡粒子の製造方法)
エステル系エラストマー発泡粒子は、エステル系エラストマー(基材樹脂)と融着向上剤とを含む樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性粒子を得る工程と、発泡性粒子を発泡させる工程とを含む方法により製造できる。
(1)発泡性粒子
発泡性粒子は、樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性粒子を得る工程(含浸工程)を経て得ることができる。
発泡剤は有機ガスであってもよく、無機ガスであってもよい。無機ガスとしては、空気、窒素及び二酸化炭素(炭酸ガス)等がある。有機ガスとしてはプロパン、ブタン、ペンタン等の炭化水素、フッ素系発泡剤が挙げられる。上記発泡剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
基材樹脂に含まれる発泡剤の量は、基材樹脂100質量部に対して、1〜12質量部であってもよい。1質量部未満であると、発泡力が低くなり、発泡倍数を高くすることが困難である。発泡剤の含有量が12質量部を超えると、可塑化効果が大きくなり、発泡時に収縮が生じて良好な発泡粒子を得られないことがある。発泡剤の量は5〜12質量部であってもよい。この範囲内であれば、発泡力を十分に高めることができ、より一層良好に発泡させることができる。
樹脂粒子に発泡剤を含浸させる方法としては、公知の方法を用い得る。例えば、オートクレーブ内に、樹脂粒子、分散剤及び水を供給して撹拌することによって、樹脂粒子を水中に分散させて分散液を製造し、この分散液中に発泡剤を圧入し、樹脂粒子中に発泡剤を含浸させる方法が挙げられる。
分散剤としては、特に限定されず、例えば、リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸ナトリウム、酸化マグネシウム等の難水溶性無機物や、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのような界面活性剤が挙げられる。
樹脂粒子への発泡剤の含浸温度は、低いと、樹脂粒子に発泡剤を含浸させるのに要する時間が長くなって生産効率が低下することがある。また、高いと、樹脂粒子同士が融着して結合粒が発生することがある。含浸温度は、−20〜120℃であってもよく、0〜120℃であってもよく、20〜120℃であってもよく、40〜120℃であってもよい。発泡助剤(可塑剤)や気泡調整剤を、発泡剤と併用してもよい。
発泡助剤(可塑剤)としては、アジピン酸ジイソブチル、トルエン、シクロヘキサン、エチルベンゼン等が挙げられる。
気泡調整剤としては、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸ビスアミド、高級脂肪酸塩、無機気泡核剤等が挙げられる。これら気泡調整剤は、複数種組み合わせてもよい。
高級脂肪酸アミドとしては、ステアリン酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸アミド等が挙げられる。
高級脂肪酸ビスアミドとしては、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド等が挙げられる。
高級脂肪酸塩としては、ステアリン酸カルシウムが挙げられる。
無機気泡核剤としては、タルク、珪酸カルシウム、合成あるいは天然に産出される二酸化ケイ素等が挙げられる。
上記以外に化学気泡剤としての役割も果たす気泡調整剤を使用してもよい。そのような気泡調整剤としては、重曹クエン酸、炭酸水素ナトリウム、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ヒドラゾジカルボンアミド等が挙げられる。
気泡調整剤の含有量は、発泡性粒子100質量部に対して、0.005〜2質量部であってもよく、0.01〜1.5質量部であってもよい。気泡調整剤が0.005質量部よりも少ない場合、気泡径の制御が難しくなることがある。気泡調整剤が2質量部よりも多い場合、樹脂物性が変化し、例えば成形体強度の低下が起こることがある。
(2)樹脂粒子
樹脂粒子の形状は、特に限定されず、真球状、楕円球状(卵状)、円柱状、角柱状、ペレット状又はグラニュラー状等が挙げられる。
樹脂粒子は原料ペレットをそのまま使用してもよく、任意のサイズや形状にリペレットしてもよい。
樹脂粒子は、長さ0.5〜5mm及び平均径0.5〜5mmを有してもよい。長さが0.5mm未満及び平均径が0.5mm未満の場合、発泡性粒子とした場合のガス保持性が低くなるため、発泡することが困難なことがある。長さが5mmより大きい及び平均径が5mmより大きい場合、発泡させた際、内部まで熱が伝わらないため、発泡粒子に有芯が生じてしまうことがある。ここで、樹脂粒子の長さL及び平均径Dは、ノギスを用いて次のように測定する。リペレットする際の押出方向の樹脂粒子の長さを長さL、押出方向に直交する方向の樹脂粒子の最小直径(最小径)及び最大直径(最大径)の平均値を平均径Dとする。
(3)発泡粒子
発泡粒子は、発泡性粒子を発泡させる工程(発泡工程)を経て得ることができる。
発泡粒子の形状は、特に限定されず、真球状、楕円球状(卵状)、円柱状、角柱状、ペレット状又はグラニュラー状等が挙げられる。
発泡工程では、発泡性粒子を発泡させて、発泡粒子を得ることができれば発泡温度、加熱媒体は特に限定されない。
発泡工程において、発泡性粒子に、合着防止剤を添加してもよい。合着防止剤の添加量は、発泡性粒子100質量部に対して、0.03〜0.3質量部の範囲でもよく、0.05〜0.25質量部の範囲でもよい。合着防止剤が0.03質量部よりも少ない場合、合着防止効果を十分にだすことができないことがある。合着防止剤が0.3質量部よりも多い場合、発泡成形体の強度低下が起こったり、洗浄コストが増えることがある。
なお、発泡前に、発泡性粒子の表面に、ステアリン酸亜鉛のような粉末状金属石鹸類、炭酸カルシウム及び水酸化アルミニウムを塗布してもよい。この塗布により、発泡工程における発泡性粒子同士の結合を減少できる。また、帯電防止剤、展着剤等の表面処理剤を塗布してもよい。
(発泡成形体)
(1)各種物性
発泡成形体は、0.02〜0.4g/cmの密度を有し得る。密度が0.4g/cmよりも大きい場合、発泡成形体の軽量性が低下することがある。密度が0.02g/cmよりも小さい場合、発泡成形体が収縮して外観不良を起こしたり、強度が低下することがある。密度は、0.04〜0.4g/cmの範囲であってもよく、0.06〜0.4g/cmの範囲であってもよく、0.06〜0.3g/cmの範囲であってもよい。
発泡成形体は、50〜100%の反発弾性率を有し得る。反発弾性率が50%よりも低い場合、反発弾性が求められる用途での使用が難しくなる。
発泡成形体は、0〜15%の圧縮永久歪を有し得る。圧縮永久歪が15%よりも大きい場合、圧縮応力がかかる環境下での使用が難しくなる。圧縮永久歪は0〜13%の範囲であってもよく、0〜11%の範囲であってもよい。
発泡成形体は、20〜65のアスカーC硬度を有し得る。アスカーC硬度が20よりも小さい場合、発泡成形体の形状安定性が低下することがある。65より大きい場合、例えば十分な反発弾性や柔軟性を得られない場合がある。アスカーC硬度は、20〜60の範囲であってもよく、20〜55の範囲であってもよい。
発泡成形体は、10〜100%の融着率を有し得る。融着率が10%未満の場合、発泡成形体に十分な強度を付与することができないことがある。融着率が10〜100%の場合、発泡成形体に十分な強度を付与することができる。融着率は、20〜100%であってもよく、30〜100%であってもよく、40〜100%であってもよく、50〜100%であってもよい。
発泡成形体は、例えば、建築資材、靴の部材、スポーツ用品、緩衝材、シートクッション、自動車部材等に用いることができる。具体的には、シューズのミッドソール・インソール・アウトソール部材、ラケットやバット等のスポーツ用品の打具類の芯材、パッドやプロテクター等のスポーツ用品の防具類、パッドやプロテクター等の医療・介護・福祉・ヘルスケア用品、自転車や車椅子等のタイヤ芯材、自動車等の輸送機器の内装材・シート芯材・衝撃吸収部材・振動吸収部材、防舷材やフロート等の衝撃吸収材、玩具、床下地材、壁材、鉄道車両、飛行機、ベッド、クッション等に用いることができる。
発泡成形体は、上記用途に応じて適切な形状を取り得る。
(2)製造方法
発泡成形体の製造方法は、ゲージ圧0.05〜0.4MPaの水蒸気を加熱媒体として発泡粒子を型内発泡させる工程を含む。例えば、多数の小孔を有する閉鎖金型内に発泡粒子を充填し、水蒸気で発泡粒子を加熱発泡させ、発泡粒子間の空隙を埋めると共に、発泡粒子を相互に融着させ、一体化させることにより得ることができる。その際、例えば、金型内への発泡粒子の充填量を調整する等して、発泡成形体の密度を調整できる。水蒸気のゲージ圧が0.05MPa未満の場合、発泡粒子を型内発泡することが難しくなり発泡粒子同士の融着が低下して、発泡成形体に十分な強度を付与できないことがある。0.4MPaより高い場合、発泡成形体が収縮して、外観が良好な発泡成形体を得られないことがある。水蒸気のゲージ圧は、0.05〜0.35MPaであってもよく、0.05〜0.3MPaであってもよく、0.1〜0.3MPaであってもよい。
更に、発泡粒子に不活性ガス又は空気(以下、不活性ガス等と称する)を含浸させて、発泡粒子の発泡力を向上させてもよい(内圧付与工程)。発泡力を向上させることにより、型内発泡時に発泡粒子同士の融着性が向上し、発泡成形体は更に優れた機械的強度を有する。なお、不活性ガスとしては、例えば、二酸化炭素、窒素、ヘリウム、アルゴン等が挙げられる。
発泡粒子に不活性ガス等を含浸させる方法としては、例えば、常圧以上の圧力を有する不活性ガス等雰囲気下に発泡粒子を置くことによって、発泡粒子中に不活性ガス等を含浸させる方法が挙げられる。発泡粒子は、金型内に充填する前に不活性ガス等が含浸されてもよいが、発泡粒子を金型内に充填した後に金型ごと不活性ガス等雰囲気下に置くことで含浸されてもよい。なお、不活性ガスが窒素である場合、ゲージ圧0.1〜2MPaの窒素雰囲気中に発泡粒子を20分〜24時間に亘って放置してもよい。
発泡粒子に不活性ガス等を含浸させた場合、発泡粒子をこのまま、金型内にて加熱、発泡させてもよいが、発泡粒子を金型内に充填する前に加熱、発泡させて、低嵩密度の発泡粒子とした上で金型内に充填して加熱、発泡させてもよい。このような低嵩密度の発泡粒子を用いることによって、低密度の発泡成形体を得ることができる。
また、発泡粒子の製造時に、合着防止剤を用いた場合、発泡成形体の製造時に、合着防止剤が発泡粒子に付着したまま成形を行ってもよい。また、発泡粒子相互の融着を促進するために、合着防止剤を成形工程前に洗浄して除去してもよい。
次に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<樹脂粒子のショアD硬度>
100℃で3時間乾燥した樹脂粒子を融点Tm+30℃の温度で熱プレスし、平滑な厚み3mm以上のフィルムを作製した。これを温度23±2℃、湿度50±5%の環境下で24時間以上状態調節後、テクロック社製「テクロックデュロメータタイプD」硬度計を用いて測定した。押針が試験片測定面に垂直になるように加圧面を密着させて、直ちに目盛を読み取った。試料の5箇所を測定し、これらの平均値をショアD硬度とした。
<樹脂粒子の融点Tm、結晶化温度Tc及び結晶化熱量>
融点及び結晶化温度は、JIS K7121:1987、JIS K7121:2012「プラスチックの転移温度測定方法」に記載されている方法で測定した。但し、サンプリング方法・温度条件に関しては以下のように行った。試料をアルミニウム製測定容器の底にすきまのないよう5〜7mg充てん後、アルミニウム製の蓋をした。次いで日立ハイテクサイエンス社製「DSC7000X、AS−3」又はSIIナノテクノロジー社製「DSC6220」示差走査熱量計を用い、窒素ガス流量20mL/分のもと、30℃から−70℃まで降温した後10分間保持し、−70℃から220℃まで昇温(1回目昇温)、10分間保持後220℃から−70℃まで降温(冷却)、10分間保持後−70℃から220℃まで昇温(2回目昇温)した時のDSC曲線を得た。なお、全ての昇温・降温は速度10℃/分で行い、基準物質としてアルミナを用いた。本発明において、融解温度(融点)とは、装置付属の解析ソフトを用いて、2回目昇温過程にみられる最も大きな融解ピークのトップの温度を読みとった値とした。
更に、結晶化温度は、装置付属の解析ソフトを用いて、冷却過程にみられる最も高温側の結晶化ピークのトップの温度を読み取った値とした。
結晶化熱量は、JIS K7122:1987、JIS K7122:2012「プラスチックの転移熱測定方法」に記載されている方法で測定した。冷却過程における最も高温側の結晶化ピークの結晶化熱量は、装置付属の解析ソフトを用い、高温側のベースラインからDSC曲線が離れる点と、そのDSC曲線が再び低温側のベースラインへ戻る点とを結ぶ直線と、DSC曲線に囲まれる部分の面積から算出された。
<樹脂粒子のビカット軟化温度Tv>
JIS K7206:2016「プラスチックー熱可塑性プラスチックービカット軟化温度(VST)の求め方」のA法に準拠して測定した。100℃で3時間乾燥した樹脂粒子を融点Tm+30℃で熱プレスをして、10mm×10mm×厚み5mmの試験片を作製した。安田精機製作所社製「HAD−6型」ヒートディストーションテスターを用いて、昇温速度50℃/時、試験荷重10Nの条件で3回測定を行い、これらの平均値をビカット軟化温度とした。
<樹脂粒子の貯蔵弾性率(固体粘弾性)>
90〜100℃で3時間乾燥した樹脂を熱プレス機にて、温度190〜200℃の条件下で、長さ120mm、幅10mm、厚さ0.7〜10mmの短冊状試料を作製した。固体粘弾性測定装置には、SIIナノテクノロジー社製「EXSTRAR DMS6100」粘弾性スペクトロメータを用いた。試料を長さ40〜50mmにサンプリングし、引張制御モードにて窒素雰囲気下で周波数1Hz、昇温速度5℃/分、測定温度30℃〜260℃、チャック間隔20mm、歪振幅5μm、最小張力/圧縮力20mN、張力/圧縮力ゲイン1.2、力振幅初期値20mNの条件で測定した。なお、解析は装置付属の解析ソフトを用いた。
<樹脂粒子の貯蔵弾性率(溶融粘弾性)>
本発明における動的粘弾性測定はAnton Paar社製「PHYSICA MCR301」粘弾性測定装置及び「CTD450」温度制御システムにて測定した。まず、90〜100℃で3時間乾燥した樹脂を熱プレス機にて、温度190〜200℃の条件下で直径25mm、厚さ3mmの円盤状試験片を作製した。次に試験片を測定開始温度220℃に加熱した粘弾性測定装置のプレート上にセットし窒素雰囲気下にて5分間に亘って加熱し溶融させた。その後、直径25mmのパラレルプレートにて間隔を2mmまで押しつぶし、プレートからはみ出した樹脂を取り除いた。更に測定開始温度220±1℃に達してから5分間加熱後、歪み0.025%、周波数1Hz、降温速度2℃/分、測定間隔30秒、ノーマルフォース0Nの条件下にて、動的粘弾性測定を行い、220〜80℃の範囲の貯蔵弾性率(溶融粘弾性)を測定した。
<発泡性粒子の含浸ガス量>
得られた発泡性粒子の質量W1(g)を直ちに計量し、温度23±2℃、湿度50±5%の環境下で24時間静置した。静置後、発泡性粒子の質量W2(g)を計量し、次式により発泡性粒子の含浸ガス量を算出した。
発泡性粒子の含浸ガス量(質量%)=(W1−W2)/W1×100
<発泡粒子の嵩密度>
発泡粒子を測定試料として任意の質量W(g)計量した。この測定試料をメスシリンダー内に自然落下させた後、メスシリンダーの底をたたいて体積を一定にし、試料の見掛け体積V(cm)を測定した。下記式に基づいて発泡粒子の嵩密度を算出した。
嵩密度(g/cm)=測定試料の質量W/測定試料の体積V
<発泡粒子の平均粒子径>
発泡粒子の直径の最大値と最小値をミツトヨ社製デジマチックキャリパで測定して、下記式により平均粒子径(mm)を算出した。無作為に選択した10個の発泡粒子の平均粒子径の平均値を平均粒子径とした。
平均粒子径(mm)=(直径の最大値+直径の最小値)/2
<発泡粒子の平均気泡径>
発泡粒子の平均気泡径は、次の方法で測定した。具体的には、発泡粒子の中心を通るように、剃刀を用いて発泡粒子を2等分して、切断面を日立製作所社製「S−3000N」又は日立ハイテクノロジーズ社製「S−3400N」走査電子顕微鏡にて、発泡粒子断面全体が写るように撮影した。撮影した画像をA4用紙に印刷し、気泡20個以上に接する発泡粒子断面の中心を通る任意の直線を描き、直線の長さLを測定すると共に、直線に接している気泡数Nを数えた。任意の直線は可能な限り接点でのみ接しないようにし、接してしまう場合は気泡数に含めた。気泡が小さく数えることが難しい場合は、写真を拡大して撮影、計測した。下記式により、発泡粒子3個の断面の平均気泡径Dを算出し、これらの平均値を平均気泡径とした。
平均弦長t(μm)=線長L/(気泡数N×写真の倍率)
平均気泡径D(μm)=平均弦長t/0.616
<発泡粒子の独立気泡率と連続気泡率>
東京サイエンス社製「空気比較式比重計1000型」の試料カップを準備し、この試料カップの80%程度を満たす量の発泡粒子の全重量A(g)を測定した。前記発泡粒子全体の体積B(cm3)を、空気比較式比重計を用いて1−1/2−1気圧法により測定し、標準球(大28.96cc 小8.58cc)にて補正を行った。続いて、蓋を閉じた状態で入れた発泡粒子がこぼれることのない金網製の空容器を水中に浸漬し、水中に浸漬した状態における金網製の空容器の重量C(g)を測定した。次に、この金網製の容器内に前記発泡粒子を全量入れた上で、この金網製の容器を水中に浸漬し、容器を数回振って、容器と発泡粒子に付着した気泡を除去後、水中に浸漬した状態における金網製の容器とこの金網製容器に入れた発泡粒子の全量とを併せた重量D(g)を測定した。なお、水中での重量測定には大和製衡社製「電子天秤HB3000」(最小目盛り0.01g)を使用した。そして、下記式により発泡粒子の見掛け体積E(cm3)を算出した。この見掛け体積E(cm3)と前記発泡粒子全体の体積B(cm3)に基づいて下記式1により発泡粒子の連続気泡率、式2より独立気泡率を算出した。なお、水1gの体積を1cm3、樹脂密度1.17g/cm(F)とし、試験数は5とした。試料は予め、JIS K7100−1999 記号23/50、2級の環境下で16時間保管した後、同環境下において測定を実施した。
式1
見掛け体積E(cm3)=A+(C−D)
連続気泡率(%)=100×(E−B)/E
式2
独立気泡率(%)=100×(B−(A/F))/E
<発泡粒子の含浸ガス量>
まず、内圧付与前の発泡粒子の質量W1(g)を計量した。次に、内圧付与後の発泡粒子の質量W2(g)を計量した。次式により発泡粒子の含浸ガス量を算出した。
発泡粒子の含浸ガス量(質量%)=(W2−W1)/W2×100
<発泡成形体の密度>
成形直後に発泡成形体を温度40℃で12時間乾燥し、乾燥後に温度23±2℃、湿度50±5%の環境下で72時間状態調節した。状態調節した発泡成形体の質量W(g)を小数点2桁まで測定すると共に、外寸をミツトヨ社製デジマチックキャリパで1/100mmまで測定して、見掛けの体積V(cm3)を求めた。発泡成形体の密度を次式により算出した。
発泡成形体密度(g/cm3)=発泡成形体質量W/見掛けの体積V
<発泡成形体のアスカーC硬度>
アスカーC硬度は、平滑な面を有する厚み10mm以上の試験片を温度23±2℃、湿度50±5%の環境下で72時間以上状態調節後、高分子計器社製「アスカーゴム・プラスチック硬度計C形」硬度計を用いて測定した。押針が試験片の平滑な測定面に垂直になるように加圧面を密着させて、直ちに目盛を読み取った。発泡粒子同士の融着面をさけて、試料の5箇所を測定し、これらの平均値をアスカーC硬度とした。
<発泡成形体の反発弾性率>
JIS K 6400−3:2011に準拠して測定した。高分子計器社製「FR−2」反発弾性試験機に、温度23±2℃、湿度50±5%の環境下で72時間以上状態調節した、同一の発泡体から切り出した試料を厚み40mm以上になるように重ねてセットし、500mmの高さ(a)から銅球(φ5/8インチ、16.3g)を自由落下させて、その反発最高到達時の高さ(b)を読み取り、式(b)/(a)×100により反発弾性率(%)を算出した。ただし、同一試験片を用いて3回測定を行い、これらの平均値を反発弾性率とした。
<発泡成形体の融着率>
発泡成形体の表面に、一対の長辺の中心同士を結ぶ直線に沿ってカッターナイフで深さ約5mmの切り込み線を入れた後、この切り込み線に沿って発泡成形体を2分割した。この2分割された発泡成形体の破断面の発泡粒子について、50個の発泡粒子を含む任意の範囲を設定し、この範囲内において発泡粒子内で破断している発泡粒子数(a)と、発泡粒子同士の界面で破断している発泡粒子数(b)を数え、下記式により融着率F(%)を算出した。
融着率F(%)=a/(a+b)×100
<発泡成形体の耐光性(強度低下率)>
JIS K 7350−2:2008「プラスチック−実験室光源による暴露試験方法−第2部:キセノンランプ」記載の方法に準拠して測定した。発泡成形体から切り抜いた、JIS K 6251規定のダンベル状1号試験片をスガ試験機社製「スーパーキセノンウェザーメーターSX75型」にセットし、光源:水冷式キセノンランプ、インナーフィルター:石英、アウターフィルター:#275、ブラックパネル設定温度:63℃、スプレー(噴霧)無し、暗転無し、放射照度:180W/m、波長域:300〜400nm、試験槽温度制御なし、試験槽設定湿度:50%、照射時間100時間の照射条件で、促進暴露試験を実施した。
未照射の試験片と照射後の試験片の引張強さ(MPa)をJIS K 6767:1999「発泡プラスチック−ポリエチレン−試験方法」に準拠して測定した。ミツトヨ社製デジマチックキャリパで試験片を1/100mmまで測定して、試験片の断面積(cm)を算出した。次に、日本電産シンポ社製「FGS−□TV」小型卓上試験機、及び「FGT−TV−ver2」専用アドインソフトを用いて、試験速度500mm/分で試験片が切断するまで引っ張り、切断時の最大荷重(N)を測定し、下記式により未照射と照射後の試験片の引張強さを算出した。
耐光性(強度低下率)を下記式により算出した。なお、試験回数は3回とし、これらの平均値を耐光性とした。
引張強さ(MPa)=最大荷重/試験片断面積
耐光性(%)=100−(照射後の引張強さ/未照射の引張強さ×100)
<実施例1>
(1)樹脂粒子
100℃で3時間乾燥したエステル系エラストマー(商品名:「ペルプレン GP−475」、東洋紡社製、ハードセグメント:ポリブチレンテレフタレート及びポリブチレンイソフタレート、ソフトセグメント:脂肪族ポリエーテル)100質量部、有機系気泡調整剤(エチレンビスステアリン酸アマイド、商品名:「花王ワックスEBFF」、花王社製)0.3質量部及び紫外線吸収剤(商品名:「Tinuvin234」、BASF社製)0.3質量部を単軸押出機に供給して、180〜280℃で溶融混練した。次に、溶融状態のエステル系エラストマー混合物を冷却して粘度を調整した後、単軸押出機の前端に取り付けたマルチノズル金型(直径1.3mmのノズルを8穴有する)の各ノズルから樹脂を押し出し、30〜50℃の水中でカットした。得られた樹脂粒子は、粒子の長さLが1.4〜1.8mm、粒子の平均径Dが1.4〜1.8mmであった。
(2)発泡性粒子
内容積5Lの撹拌機付オートクレーブに、樹脂粒子1.5kg(100質量部)、蒸留水3L、界面活性剤(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、商品名:「ニューレックスR」、油化産業社製)4gを投入し、密閉した後、撹拌状態で発泡剤のブタン(ノルマルブタン:イソブタン=7:3)16質量部を圧入した。次に、オートクレーブを100℃で2時間加熱して、25℃まで冷却した。冷却完了後にオートクレーブを除圧し、直ちに蒸留水で界面活性剤を洗浄し、脱水することで発泡性粒子を得た。発泡性粒子の含浸ガス量は、6.7質量%であった。
(3)発泡粒子
発泡性粒子1.5kg(100質量部)に合着防止剤(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、商品名:「エパン450」、第一工業製薬社製)0.25質量部を塗布した後、内容積50Lの撹拌機付円筒型予備発泡機に投入し、撹拌させながらゲージ圧0.12MPaの水蒸気で加熱して、発泡粒子を得た。
(4)発泡成形体
発泡粒子をオートクレーブに投入し、ゲージ圧0.3MPaの窒素ガスを圧入した後、室温で18時間静置して、発泡粒子に窒素ガスを含浸した(内圧付与)。窒素ガスの含浸量は、1.1質量%であった。
発泡粒子をオートクレーブから取り出して、直ちに水蒸気孔を有する400mm×300mm×厚み11mmの大きさの成形用キャビティ内に充填し、ゲージ圧0.16MPaの水蒸気で加熱成形を行い、発泡成形体を得た。
<実施例2>
(1)樹脂粒子
100℃で3時間乾燥したエステル系エラストマー(商品名:「ペルプレン GP−475」、東洋紡社製、ハードセグメント:ポリブチレンテレフタレート及びポリブチレンイソフタレート、ソフトセグメント:脂肪族ポリエーテル)100質量部と、紫外線吸収剤(商品名:「Tinuvin234」、BASF社製)1質量部とを二軸押出機に供給して、180〜280℃で溶融混練した。次に、溶融状態のエステル系エラストマー混合物を冷却して粘度を調整した後、二軸押出機の前端に取り付けたノズル金型(ノズル直径3mm)から樹脂を押し出し、30〜60℃の水で冷却固化してカットした。得られた樹脂粒子は、粒子の長さLが2〜3mm、粒子の平均径Dが2〜2.5mmであった。
(2)発泡性粒子
内容積5Lの撹拌機付オートクレーブに、樹脂粒子0.5kg(100質量部)、蒸留水3.5L、界面活性剤(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、商品名:「ニューレックスR」、油化産業社製)4gを投入し、密閉した後、撹拌状態で発泡剤のブタン(ノルマルブタン:イソブタン=7:3)18質量部を圧入した。次に、オートクレーブを100℃で2時間加熱して、25℃まで冷却した。冷却完了後にオートクレーブを除圧し、直ちに蒸留水で界面活性剤を洗浄し、脱水することで発泡性粒子を得た。発泡性粒子の含浸ガス量は、6.9質量%であった。
(3)発泡粒子
発泡性粒子0.5kg(100質量部)に合着防止剤(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、商品名:「エパン450」、第一工業製薬社製)0.25質量部を塗布した後、内容積50Lの撹拌機付円筒型予備発泡機に投入し、撹拌させながらゲージ圧0.13MPaの水蒸気で加熱して、発泡粒子を得た。
(4)発泡成形体
発泡粒子をオートクレーブに投入し、ゲージ圧0.25MPaの圧縮空気を圧入した後、室温で18時間静置して、発泡粒子に空気を含浸した(内圧付与)。空気の含浸量は、1.0質量%であった。
発泡粒子をオートクレーブから取り出して、直ちに水蒸気孔を有する300mm×50mm×厚み25mmの大きさの成形用キャビティ内に充填し、ゲージ圧0.16MPaの水蒸気で加熱成形を行い、発泡成形体を得た。
<比較例1>
(1)樹脂粒子
紫外線吸収剤(商品名:「Tinuvin234」、BASF社製)を添加しなかったこと以外は実施例1と同様の方法で樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子は、粒子の長さLが1.4〜1.8mm、粒子の平均径Dが1.4〜1.8mmであった。
(2)発泡性粒子
実施例1と同様の方法で発泡性粒子を得た。発泡性粒子の含浸ガス量は、6.9質量%であった。
(3)発泡粒子
実施例1と同様の方法で発泡粒子を得た。
(4)発泡成形体
実施例1と同様の方法で発泡成形体を得た。なお、内圧付与による発泡粒子の窒素ガス含浸量は、1.0質量%であった。
<比較例2>
(1)樹脂粒子
紫外線吸収剤(商品名:「Tinuvin234」、BASF社製)を添加しなかったこと以外は実施例2と同様の方法で樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子は、粒子の長さLが2〜3mm、粒子の平均径Dが2〜2.5mmであった。
(2)発泡性粒子
実施例2と同様の方法で発泡性粒子を得た。発泡性粒子の含浸ガス量は、6.5質量%であった。
(3)発泡粒子
実施例2と同様の方法で発泡粒子を得た。
(4)発泡成形体
実施例2と同様の方法で発泡成形体を得た。なお、内圧付与による発泡粒子の空気含浸量は、0.9質量%であった。
<比較例3>
(1)発泡性粒子
内容積5Lのオートクレーブに、比較例2で作製した樹脂粒子0.5kgを投入し、密閉した後、二酸化炭素(発泡剤)で大気圧からゲージ圧4MPaまで加圧した。次に、オートクレーブを23℃で24時間静置した後、除圧することで発泡性粒子を得た。発泡性粒子の含浸ガス量は、5.2質量%であった。
(2)発泡粒子
実施例2と同様の方法で発泡粒子を得た。
(3)発泡成形体
実施例2と同様の方法で発泡成形体を得た。なお、内圧付与による発泡粒子の空気含浸量は、0.7質量%であった。
実施例1〜2及び比較例1〜3の各種物性値をまとめて表1に示す。また、実施例1〜2及び比較例1〜3の発泡粒子の断面写真を図1〜5に示す。
Figure 0006882967
表1から、実施例1〜2の発泡成形体は、融着性が向上していることが分かる。また、耐光性も向上していることが分かる。

Claims (9)

  1. 基材樹脂としてのエステル系エラストマーと、融着向上剤とを含む樹脂組成物から構成され、前記融着向上剤が、紫外線を吸収し得る構造を有するベンゾトリアゾール系の化合物であり、前記融着向上剤が、前記エステル系エラストマー100質量部に対して、0.01〜5質量部含まれることを特徴とするエステル系エラストマー発泡粒子。
  2. 記樹脂組成物が、1×107〜2×108Paの貯蔵弾性率(ビカット軟化温度Tv−10℃における固体粘弾性測定による貯蔵弾性率)を有する請求項1に記載のエステル系エラストマー発泡粒子。
  3. 前記樹脂組成物が、
    (i)0〜65のショアD硬度
    (ii)100〜200℃の融点
    (iii)結晶化温度Tcにおける溶融粘弾性測定による貯蔵弾性率が1×106〜2×107Paの範囲
    のいずれかの物性を少なくとも有する請求項1又は2に記載のエステル系エラストマー発泡粒子。
  4. 前記エステル系エラストマー発泡粒子が、
    (i)0.02〜0.4g/cm3の嵩密度
    (ii)10〜300μmの平均気泡径
    (iii)60〜100%の独立気泡率
    (iv)1.5〜15mmの平均粒子径
    のいずれかの物性を少なくとも有する請求項1〜のいずれか1つに記載のエステル系エラストマー発泡粒子。
  5. 請求項1〜のいずれか1つに記載のエステル系エラストマー発泡粒子を製造する方法であって、
    前記エステル系エラストマーと前記融着向上剤とを含む樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性粒子を得る工程と、前記発泡性粒子を発泡させる工程とを含むことを特徴とするエステル系エラストマー発泡粒子の製造方法。
  6. 請求項1〜のいずれか1つに記載のエステル系エラストマー発泡粒子を型内発泡させて得られた発泡成形体。
  7. 前記発泡成形体が、
    (i)0.02〜0.4g/cm3の密度
    (ii)50〜100%の反発弾性率
    (iii)20〜65のアスカーC硬度
    のいずれかの物性を少なくとも有する請求項に記載の発泡成形体。
  8. 前記発泡成形体が、建築資材、靴の部材、スポーツ用品、緩衝材、シートクッション又は自動車部材として用いられる請求項又はに記載の発泡成形体。
  9. 請求項のいずれか1つに記載の発泡成形体を製造する方法であって、
    ゲージ圧0.05〜0.4MPaの水蒸気を加熱媒体として請求項1〜のいずれか1つに記載のエステル系エラストマー発泡粒子を型内発泡させる工程を含むことを特徴とする発泡成形体の製造方法。
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