JP2021004305A - 物流用緩衝材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、柔軟な触感を有しつつも、被包装物を積載しても変形し難い物流用緩衝材を提供することを課題とする。【解決手段】 本発明の物流用緩衝材は、熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体からなり、該発泡粒子成形体のタイプCデュロメータ硬さが30未満であり、該発泡粒子成形体の平均表層膜厚(S)が2〜15μmであり、該発泡粒子成形体の平均気泡膜厚(A)に対する該平均表層膜厚(S)の比(S/A)が1〜5である。【選択図】 なし

Description

本発明は、物流用緩衝材に関し、詳しくは熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体からなる物流用緩衝材に関する。
熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体は、柔軟性に富み、軽量で、衝撃吸収性能に優れることから、緩衝材として使用されてきた。その一例として特許文献1に開示された緩衝材用発泡体がある。
特開2017−186504号公報
しかし、この特許文献1に記載の緩衝材は、アスカーC硬度(タイプCデュロメータ硬さ)が30以上であることを必要とし、より柔軟な触感を有する緩衝材を得ようとして、アスカーC硬度を30未満とした場合、被包装物を積載すると変形してしまうという欠点があった。
本発明は、前記問題を解決し、柔軟な触感を有しつつも、被包装物を積載しても変形し難い物流用緩衝材を提供することを課題とする。
本発明によれば、以下に示す物流用緩衝材が提供される。
[1]熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体からなる物流用緩衝材において、
該発泡粒子成形体のタイプCデュロメータ硬さが30未満であり、
該発泡粒子成形体を構成する発泡粒子の平均表層膜厚(S)が2〜15μmであり、
該発泡粒子成形体の平均気泡膜厚(A)に対する該平均表層膜厚(S)の比(S/A)が1〜5であることを特徴とする物流用緩衝材。
[2]前記発泡粒子成形体の平均気泡膜厚(A)が1〜5μmである、前記1に記載の物流用緩衝材。
[3]前記発泡粒子成形体の独立気泡率が60〜95%である、前記1又は2に記載の物流用緩衝材。
[4]前記発泡粒子成形体の25%歪時における圧縮応力が20〜100kPaである、前記1〜3のいずれかに記載の物流用緩衝材。
[5]前記熱可塑性エラストマーがオレフィン系熱可塑性エラストマーである、前記1〜4のいずれかに記載の物流用緩衝材。
[6]前記発泡粒子成形体の密度が30〜100kg/mである前記1〜5のいずれかに記載の物流用緩衝材。
本発明の物流用緩衝材は、タイプCデュロメータ硬さ30未満の熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体であるので、表面において柔軟な触感を有している物流用緩衝材である。さらに、該発泡粒子成形体が、特定範囲の気泡膜厚により定まる気泡構造を有していることにより、被包装物の積載に対して変形しにくいものとなる。
以下、本発明の物流用緩衝材について詳細に説明する。
本発明の物流用緩衝材は、熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体(以下、単に発泡粒子成形体または成形体ともいう。)からなり、該発泡粒子成形体の基材は熱可塑性エラストマーである。
該熱可塑性エラストマーは、特に限定されるものではなく、例えば、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、アミド系熱可塑性エラストマー(TPA)、エステル系熱可塑性エラストマー(TPEE)等を挙げることができる。これらの熱可塑性エラストマーは、単独又は2種以上混合して用いることができる。
該熱可塑性エラストマーのショアA硬度は、65〜90であり、好ましくは75〜90であり、より好ましくは76〜88である。なお、ショアA硬度は、ASTM D2240に基づいて測定された値である。
前記の熱可塑性エラストマーの中では、特に、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)が、弾性、機械的強度、柔軟性、加工性のバランスに優れることから好ましい。
オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)としては、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィンをハードセグメントとし、エチレン−プロピレンゴム等のゴム成分をソフトセグメントとする熱可塑性エラストマーが挙げられる。
また、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)の具体例としては、ポリエチレンブロックとエチレン/α−オレフィン共重合体ブロックとのブロック共重合体等が例示される。
前記熱可塑性エラストマーがオレフィン系熱可塑性エラストマーである場合には該オレフィン系熱可塑性エラストマーは架橋されていてもよい。
この場合には、該オレフィン系熱可塑性エラストマーの熱キシレン不溶分が3〜70重量%であることが好ましい。熱キシレン不溶分が前記範囲内であれば、さらに、気泡膜が十分な強度を有し、発泡粒子が特定の独立気泡構造を形成でき、後述する気泡膜厚により定まる気泡構造を形成しやすくなり、被包装物を積載してもより変形しにくいものとなる。該熱キシレン不溶分は、発泡粒子を構成しているオレフィン系熱可塑性エラストマーの架橋状態を示す指標の一つである。
かかる観点から、該熱キシレン不溶分の下限は、5重量%であることがより好ましく、更に好ましくは10重量%である。また、その上限は、60重量%であることがより好ましく、更に好ましくは55重量%である。
該オレフィン系熱可塑性エラストマーの熱キシレン不溶分の測定は、次のように行う。
発泡粒子成形体の一部を切断した試験片約1.0gを秤量し、試料重量W1とし、秤量した試験片を150mlの丸底フラスコに入れ、100mlのキシレンを加え、マントルヒーターで加熱して6時間還流させた後、溶け残った残査を100メッシュの金網でろ過して分離し、80℃の減圧乾燥器で8時間以上乾燥し、この際に得られた乾燥物重量W2を測定し、この重量W2の試料重量W1に対する重量百分率[(W2/W1)×100](%)から求め、N=5の平均値として求めることができる。
本発明に用いられる発泡粒子成形体においては、発泡粒子成形体の表面におけるタイプCデュロメータ硬さが30未満であり、好ましくは28以下である。従って、該発泡粒子成形体は、物流用緩衝材として柔軟な触感を有し、被包装物の保護性に優れるものである。なお、上記観点から、該硬さは15〜25であることが好ましい。
該成形体表面のタイプCデュロメータ硬さは、JIS K7312(1996年)に基づき、タイプCデュロメータ(アスカーC型硬度計)を用いて測定される硬さを意味する。
該発泡粒子成形体の平均表層膜厚(S)は2〜15μmである。該平均表層膜厚(S)がこの範囲内であれば、熱可塑性エラストマーからなる発泡粒子成形体の表層部の気泡を形成する気泡膜が、衝撃に耐え得る十分な厚さを有しつつ、表面の柔軟性を発揮するものとなる。前記観点から、発泡粒子成形体の平均表層膜厚は、3〜13μmであることが好ましく、4〜12μmであることがより好ましい。
該発泡粒子成形体の平均気泡膜厚(A)に対する該平均表層膜厚(S)の比(S/A)は1〜5である。全体の平均の気泡膜厚(A)に対する平均表層膜厚(S)の比がこの範囲内であることにより、表層の気泡膜厚(S)が平均気泡膜厚(A)より大きく形成された気泡構造を有することとなり、物流用緩衝材としての、表面の柔軟性と被包装物に対する変形防止を両立可能な、バランスに優れる物流用緩衝材が形成される。前記観点から、該比(S/A)は1.5〜4.5であることが好ましく、2〜4であることがより好ましい。
本発明に用いられる発泡粒子成形体は、熱可塑性エラストマーで形成された気泡膜を有し、平均表層膜厚(S)が前記範囲内であると共に、比(S/A)が前記範囲内であることにより、発泡粒子成形体としては、圧縮永久歪を低く抑えることができ、特に、被包装物の積載の繰り返し使用による変形を防止することができる。
該発泡粒子成形体の平均気泡膜厚(A)は1〜10μmであることが好ましい。平均気泡膜厚(A)がこの範囲内であれば、熱可塑性エラストマーからなる気泡膜が、さらに外力からの繰り返しの荷重に耐え、被包装物による変形防止効果を発揮するものとなる。
該平均気泡膜厚(A)は次のように測定される。平均気泡膜厚(A)は、発泡粒子成形体を無作為に切断した該切断面を走査型電子顕微鏡にて300倍に拡大して写真を撮影して得られた断面写真において、融着部を除く少なくとも20箇所における気泡膜の厚みを計測し、それらの値の算術平均値を発泡粒子成形体の気泡膜厚みとする。
平均表層膜厚(S)は、次のように測定される。
前記切断面において、成形体の表層部の拡大写真を撮影する。該断面写真において、無作為に選択した20箇所以上において、発泡粒子成形体の最表面(成形スキン)から発泡粒子の最外に位置する気泡までの長さ(平均表層膜厚)を測定し、それらの測定値を算術平均することにより、平均表層膜厚(S)を求めることができる。
上記のような特定の気泡膜厚を有する気泡構造は、例えば、発泡粒子を製造する際の気泡調整剤、公知の分散媒放出発泡方法において、発泡温度、特定の原料硬度を有する熱可塑性エラストマーを特定の倍率に発泡させること、または熱可塑性エラストマーの架橋構造などを調整すること等によって形成させることができる。
本発明においては、前記発泡粒子成形体の独立気泡率は60〜95%であることが好ましい。
前記の平均表層膜厚(S)、比(S/A)が特定範囲内であることに加え、該発泡粒子成形体を構成する発泡粒子が前記範囲の独立気泡率を有する気泡構造であることによって、圧縮時の気泡構造が適度に保持され、表面の柔軟性を有しつつ、被包装物の積載による変形に対して回復し得るものとなる。前記観点から、前記発泡粒子成形体の独立気泡率は65〜90%であることが好ましい。
発泡粒子成形体の独立気泡率は、発泡粒子成形体の中心部から成形スキン層を除いて25×25×30mmの測定用サンプルを切り出し、該サンプルを大気圧下、相対湿度50%、23℃の条件の恒温室内にて1日間静置後、ASTM−D2856−70に記載されている手順Cに準じ、東芝・ベックマン株式会社製空気比較式比重計930により測定される。
本発明においては、前記発泡粒子成形体の25%歪時の圧縮応力が20〜100kPaであることが好ましい。
本発明の物流用緩衝材は、前記の平均表層膜厚(S)、比(S/A)が特定範囲内であることにより、圧縮初期の圧縮応力が小さく、よりソフトな緩衝性を有し、被包装物の保護性に優れるものとなる。
該発泡粒子成形体の25%歪時における圧縮応力の測定は、JIS K6767:1999に基づき、発泡粒子成形体から縦50mm×横50mm×厚み20mmの直方体形状の試験片を切り出し、温度23℃、相対湿度50%の環境下で圧縮速度を10mm/分とし、25%歪み時の荷重を求め、これを試験片の受圧面積で除して算出することにより行う。
本発明においては、該発泡粒子成形体の25%歪時の圧縮永久歪が2%未満であることが好ましい。前記範囲内であれば、物流用緩衝材として、被包装物を積載した際の変形が小さいものとなる。これらの効果は、該発泡粒子成形体が、熱可塑性エラストマーを基材とし、前記の気泡膜厚みにより規定される気泡膜構造を有すること、特定の独立気泡率を有する気泡構造を有することの相乗効果によるものであると考えられる。
発泡粒子成形体の圧縮永久歪は、JIS K6767(1999年)に準拠して測定することができる。具体的には、発泡粒子成形体を25%歪ませた状態で、23℃で22時間圧縮した後、大気圧で温度23℃の温度下に開放してから22時間経過後に測定される値である。
本発明の発泡粒子成形体の密度は30〜100kg/mである。この範囲の密度の発泡粒子成形体は緩衝材として好適なものである。かかる観点から、該密度は40〜80kg/mであることがより好ましい。
なお、基材として前記ショアA硬度を有する熱可塑性エラストマーを用い、該密度の発泡体を形成することにより、気泡膜が十分な強度を有し、発泡粒子が特定の独立気泡構造を維持でき、被包装物を積載してもより変形しにくいものとなる。
該成形体密度は、温度23℃、相対湿度50%の環境下で24時間以上放置した発泡粒子成形体を適当な大きさの直方体状のサンプル(成形スキンは取り除く)に切り分ける。そして、各サンプルの外形寸法から各サンプルの見掛け体積を求め、これらの合計をサンプルの見掛け体積:Hとする。なお、各サンプルの合計重量Wを見掛け体積Hで割算することにより、発泡粒子成形体の密度[kg/m]が求められる。まず、温度23℃、相対湿度50%の環境下で24時間以上放置した発泡粒子成形体を適当な大きさの直方体状のサンプル(成形スキンは取り除く)に切り分ける。そして、各サンプルの外形寸法から各サンプルの見掛け体積を求め、これらの合計をサンプルの見掛け体積:Hとする。なお、各サンプルの合計重量Wを見掛け体積Hで割算することにより、発泡粒子成形体の密度[kg/m3]が求められる。まず、温度23℃、相対湿度50%の環境下で24時間以上放置した発泡粒子成形体を適当な大きさの直方体状のサンプル(成形スキンは取り除く)に切り分ける。そして、各サンプルの外形寸法から各サンプルの見掛け体積を求め、これらの合計をサンプルの見掛け体積:Hとする。なお、各サンプルの合計重量Wを見掛け体積Hで割算することにより、発泡粒子成形体の密度[kg/m3]が求められる。
次に、本発明の発泡粒子成形体の製造方法について説明する。
本発明に用いられる発泡粒子成形体は、原料として熱可塑性エラストマーを用いて熱可塑性エラストマー粒子(以下、単にエラストマー粒子ともいう。)を作製した後(エラストマー粒子製造工程)、得られたエラストマー粒子を用いて熱可塑性エラストマー発泡粒子(以下、単に発泡粒子ともいう。)を作製し(発泡粒子製造工程)、得られた発泡粒子を用いて型内成形を行うことにより作製される。
前記エラストマー粒子は、前記熱可塑性エラストマーや公知の気泡調整剤等の原料を押出機に供給し、混練して溶融混練物とし、該溶融混練物を押出機からストランド状に押出し、水冷した後、所定の長さに切断する方法等、公知の造粒方法より、製造される(エラストマー粒子製造工程)。
前記エラストマー粒子を用いて、公知の分散媒放出発泡方法、押出発泡方法により、発泡粒子が製造される(発泡粒子製造工程)。
例えば、発泡粒子製造工程としては、エラストマー粒子をカオリンやアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の分散剤等と共に、オートクレーブなどの密閉容器で、水などの分散媒体に分散させ、撹拌下で加熱して樹脂粒子を軟化、架橋させ、発泡剤を含浸させて発泡性樹脂粒子とし、その後、発泡適正温度で密閉容器内の圧力よりも低い圧力の雰囲気下に分散媒と共に放出されて発泡粒子とされる分散媒放出発泡方法が挙げられる。
本発明に用いられる発泡粒子成形体を構成する熱可塑性エラストマーはジクミルパーオキサイド等の架橋剤を用いて架橋されていることが好ましい。架橋剤の添加は、発泡粒子製造工程において行うことができる。架橋剤の配合量は、エラストマー粒子100重量部に対して、好ましくは0.1重量部以上8重量部以下であり、より好ましくは0.2重量部以上5重量部以下である。
前記発泡粒子には、高温ピークを形成させることができる。例えば、エラストマー粒子を密閉容器内で分散媒体に分散させて加熱する際に、熱可塑性エラストマーの融解終了温度(Te)以上に昇温することなく、熱可塑性エラストマーの融点(Tm)よりも15℃低い温度以上、融解終了温度(Te)未満の範囲内の任意の温度(Ta)で十分な時間、好ましくは10〜60分程度保持することによって、融解させた結晶の一部又は全部を再結晶化させることにより高温ピークが形成される。
該発泡粒子の粒子重量は、0.8mg以上15mg以下であることが好ましく、1mg以上6mg以下であることがさらに好ましい。該粒子重量がこの記範囲内であれば、発泡粒子の製造が容易であるとともに、発泡粒子を型内成形する際に、発泡粒子を金型内に充填させることが容易であり、優れた発泡粒子成形体を得ることができる。
本発明に用いられる発泡粒子成形体は、前記発泡粒子を用いて型内成形を行うことにより得られる。
即ち、該発泡粒子成形体は、発泡粒子を成形型内に充填し、スチーム等の加熱媒体を用いて加熱成形を行う型内成形法により得ることができる。必要に応じて発泡粒子に内圧を付与してから型内成形を行うことができる。また、成形方法としては、圧縮成形法、クラッキング成形法、加圧成形法、圧縮充填成形法、常圧充填成形法(例えば、特公昭46−38359号公報、特公昭51−22951号公報、特公平4−46217号公報、特公平6−22919号公報、特公平6−49795号公報等参照)などが挙げられる。
本発明の物流用緩衝材は前記発泡粒子成形体からなるものであり、物流用緩衝材として、スペーサー、輸送用箱、輸送用トレイ等の用途に好適に用いられる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。但し、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
次に、実施例、比較例において、次に示す基材樹脂、気泡調整剤を用いた。
[基材]
(1)熱可塑性エラストマー「TPO」
ダウ・ケミカル社製「INFUSE 9530」(ポリエチレンブロックとエチレン/α−オレフィン共重合体ブロックとを有するオレフィン系熱可塑性エラストマー、密度887kg/m、融点120℃、タイプAデュロメータ硬さ86、曲げ弾性率28MPa、反発弾性率55%)
前記熱可塑性エラストマーの物性は次のように測定した。
密度は、ASTM D792に準拠して測定した。
原料の熱可塑性エラストマーのタイプAデュロメータ硬さ、成形体のタイプCデュロメータ硬さは、JIS K7312(1996)に基づきタイプCデュロメータを用いて測定した。測定時間は3秒とした。
(融点及び融解終了温度)
熱可塑性エラストマーの融点及び融解終了温度は、JIS K7121:1987に基づき、測定した。具体的には、ペレット状のTPO約5mgを試験片として、熱流束示差走査熱量測定法に基づき、試験片の状態調節として「(2)一定の熱処理を行なった後、融解温度を測定する場合」を採用し、加熱速度10℃/分及び冷却速度10℃/分、窒素流入量10mL/分の条件下で、TPOの融点及び融解終了温度を測定した。なお、測定装置として、熱流束示差走査熱量測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)社製、型番:DSC7020)を用いた。
実施例1〜4、比較例1
<樹脂粒子の製造工程>
表1に示すエラストマー100重量部に、前記気泡調整剤を1000ppm添加して押出機に投入し、溶融混練してφ2mmのダイからストランド状に押し出し、水中で冷却してからペレタイザーにて粒子重量約5mgとなるようにカットして造粒し、エラストマー粒子を得た。
<発泡粒子の製造工程>
得られたエラストマー粒子1kgを分散媒として水3リットル、分散剤としてカオリン3g、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.4g、樹脂粒子100重量部に対して、架橋剤としてジクミルパーオキサイド0.8重量部、発泡剤として二酸化炭素(ドライアイス)7重量部を容積5Lの密閉容器内に仕込み、撹拌下160℃でエラストマーを架橋させた後、分散媒とともに大気圧下に放出して、架橋された発泡粒子を得た。
<発泡粒子成形体の製造工程>
表1に示した製造条件で得られた発泡粒子を密閉容器に投入し、0.2MPa(G)の圧縮空気で12時間加圧して発泡粒子内に0.10MPa(G)の内圧を付与し、取り出した後、縦250mm、横200mm、厚み33mmの平板形状の金型を用いて、成形型を完全に閉鎖させないで前記金型の開き部分を6.6mm(金型開き部分の体積を330cm)として前記発泡粒子を充填した後、水蒸気で加熱後、冷却して金型より成形体を取り出す型内成形を行って成形体を得た。次に、得られた成形体を60℃に調整されたオーブン内で12時間養生した後に取り出し、発泡粒子成形体を得た。
得られた発泡粒子成形体について、前記に記載した方法により、発泡粒子成形体の成形体密度、タイプCデュロメータ硬さ、独立気泡率、平均気泡膜厚(A)、平均表層膜厚(S)、比(S/A)、熱キシレン不溶分等の諸物性を測定した。測定結果を表1に示す。
発泡粒子の高温ピーク熱量は次のように測定した。
発泡粒子成形体から発泡粒子を採取し、該発泡粒子を略2等分に切断して試験片とし、試験片約2.5mgを、熱流束示差走査熱量計によって23℃から200℃まで10℃/分の加熱速度で加熱したときに得られるDSC曲線から高温ピーク熱量(S)を求めた。
実施例で得られた発泡粒子成形体からなる物流用緩衝材は、熱可塑性エラストマーを基材とし、特定の気泡構造を有する発泡粒子成形体からなるので、柔軟な触感を有しているにも関わらず、25%圧縮永久歪が低く、物流用緩衝材として用いた場合、被包装物の積載による変形に耐え得るものであった。

Claims (6)

  1. 熱可塑性エラストマー発泡粒子成形体からなる物流用緩衝材において、
    該発泡粒子成形体のタイプCデュロメータ硬さが30未満であり、
    該発泡粒子成形体の平均表層膜厚(S)が2〜15μmであり、
    該発泡粒子成形体の平均気泡膜厚(A)に対する該平均表層膜厚(S)の比(S/A)が1〜5であることを特徴とする物流用緩衝材。
  2. 前記発泡粒子成形体の平均気泡膜厚(A)が1〜5μmである、請求項1に記載の物流用緩衝材。
  3. 前記発泡粒子成形体の独立気泡率が60〜95%である、請求項1又は2に記載の物流用緩衝材。
  4. 前記発泡粒子成形体の25%歪時における圧縮応力が20〜100kPaである、請求項1〜3のいずれかに記載の物流用緩衝材。
  5. 前記熱可塑性エラストマーがオレフィン系熱可塑性エラストマーである、請求項1〜4のいずれかに記載の物流用緩衝材。
  6. 前記発泡粒子成形体の密度が30〜100kg/mである請求項1〜5のいずれかに記載の物流用緩衝材。

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