JP6881113B2 - 炊飯器 - Google Patents

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Description

この発明は、炊飯器に関するものである。
鍋と、鍋を加熱する鍋加熱手段と、鍋の開口部を覆う蓋と、水タンク及び電磁誘導加熱式水タンク加熱手段を有する蒸気発生手段と、を備え、浸水工程及び蒸らし工程において鍋の開口部から鍋内に蒸気を投入することにより鍋内を均一かつ乾燥を防止した加熱を行う炊飯器であって、さらに炊き上げ工程の沸騰状態が維持されている間においても鍋内に蒸気を投入するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−144312号公報
しかしながら、特許文献1に示される炊飯器のように、鍋内を均一かつ乾燥を防止した加熱を行うための蒸気を、米から溶出したでんぷんを含む液体であるいわゆる「おねば」によって生成された泡に当てても、おねばは粘性が高く泡も丈夫であるため、おねばの泡を効果的に破壊することができない。このため、次々と生成されたおねばの泡が維持され、吹きこぼれが発生してしまう。そして、吹きこぼれを防止するためには、沸騰の途中で火力を落として加熱せざるを得ず、米飯の美味しさが損なわれてしまう。
この発明は、このような課題を解決するためになされたものである。その目的は、被加熱物の沸騰中における吹きこぼれを防止しつつ、被加熱物の沸騰中に大火力での加熱を継続することができる炊飯器を得ることにある。
この発明に係る炊飯器は、被加熱物を収容する鍋状容器と、前記鍋状容器を加熱する加熱手段と、前記加熱手段の加熱によって前記鍋状容器内の被加熱物の上に生成された泡状体に向けて液相の水を供給する給水手段と、を備える。
または、この発明に係る炊飯器は、被加熱物を収容する鍋状容器と、電力の供給を受けて前記鍋状容器を加熱する加熱手段と、前記加熱手段の加熱によって前記鍋状容器内の被加熱物が沸騰温度に達した後、前記加熱手段に供給される単位時間当たりの電力量が炊飯工程中で最大である時に、前記鍋状容器内に液相の水を供給する給水手段と、を備える。
この発明に係る食器洗浄機によれば、被加熱物の沸騰中における吹きこぼれを防止しつつ、被加熱物の沸騰中に大火力での加熱を継続することができるという効果を奏する。
この発明の実施の形態1に係る炊飯器の断面構造に制御系統の概略構成を併せて示す図である。 この発明の実施の形態1に係る炊飯器の炊飯工程における各部の温度、加熱コイルの投入電力及びポンプの通電状態の時系列変化を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る炊飯器の鍋状容器内の液面の一例を示す上面図である。 この発明の実施の形態1に係る炊飯器の給水エリアの一例を示す上面図である。 図3の液面と図4の給水エリアとの関係を示す上面図である。 比較例における鍋状容器内の液面と給水エリアとの関係を示す上面図である。 この発明の実施の形態1に係る炊飯器のスプレーパターンの一例を示す上面図である。 この発明の実施の形態1に係る炊飯器の鍋状容器内の液面に対するスプレーパターンの時間変化の一例を説明するための上面図である。 この発明の実施の形態1に係る炊飯器の鍋状容器内の液面に対するスプレーパターンの時間変化の一例を説明するための上面図である。 この発明の実施の形態1に係る炊飯器の鍋状容器内の液面に対するスプレーパターンの時間変化の一例を説明するための上面図である。 この発明の実施の形態1に係る炊飯器の鍋状容器内の液面が高い時の噴射角度の一例を示す部分断面図である。 この発明の実施の形態1に係る炊飯器の鍋状容器内の液面が中程度の高さの時の噴射角度の一例を示す部分断面図である。 この発明の実施の形態1に係る炊飯器の鍋状容器内の液面が低い時の噴射角度の一例を示す部分断面図である。 炊飯器の鍋状容器内の液面の高さに対する噴射角度が不適切な場合を説明するための部分断面図である。 この発明の実施の形態1に係る炊飯器の蒸気口と給水エリアとの関係を示す部分断面図である。 この発明の実施の形態1に係る炊飯器の蒸気口と給水エリアとの関係を示す上面図である。 比較例における炊飯器の蒸気口と給水エリアとの関係を示す部分断面図である。 比較例における炊飯器の蒸気口と給水エリアとの関係を示す上面図である。
この発明を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一又は相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化又は省略する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
実施の形態1.
図1から図18は、この発明の実施の形態1に係るものである。図1は炊飯器の断面構造に制御系統の概略構成を併せて示す図、図2は炊飯器の炊飯工程における各部の温度、加熱コイルの投入電力及びポンプの通電状態の時系列変化を示す図、図3は炊飯器の鍋状容器内の液面の一例を示す上面図、図4は炊飯器の給水エリアの一例を示す上面図、図5は図3の液面と図4の給水エリアとの関係を示す上面図、図6は比較例における鍋状容器内の液面と給水エリアとの関係を示す上面図、図7は炊飯器のスプレーパターンの一例を示す上面図、図8から図10は炊飯器の鍋状容器内の液面に対するスプレーパターンの時間変化の一例を説明するための上面図である。
また、図11は炊飯器の鍋状容器内の液面が高い時の噴射角度の一例を示す部分断面図、図12は炊飯器の鍋状容器内の液面が中程度の高さの時の噴射角度の一例を示す部分断面図、図13は炊飯器の鍋状容器内の液面が低い時の噴射角度の一例を示す部分断面図、図14は炊飯器の鍋状容器内の液面の高さに対する噴射角度が不適切な場合を説明するための部分断面図、図15は炊飯器の蒸気口と給水エリアとの関係を示す部分断面図、図16は炊飯器の蒸気口と給水エリアとの関係を示す上面図、図17は比較例における炊飯器の蒸気口と給水エリアとの関係を示す部分断面図、図18は比較例における炊飯器の蒸気口と給水エリアとの関係を示す上面図である。
この発明の実施の形態1に係る炊飯器100は、図1に示すように、鍋状容器1、本体10、蓋体20及び給水部30を備えている。鍋状容器1は、被加熱物を収容する炊飯釜である。したがって、ここでの被加熱物は、主に米及び水等の食品である。本体10は、炊飯器100の主要構造部分である。鍋状容器1は、本体10内に収容される。炊飯器100は、被加熱物が収容された鍋状容器1を、本体10の加熱コイル12で加熱することによって、被加熱物から米飯を炊き上げる加熱調理器である。
蓋体20は、本体10の上面の開口部を開閉可能に本体10に取り付けられている。蓋体20は、本体10の開口部を閉じると同時に、鍋状容器1の開口部も閉じる。給水部30は、鍋状容器1内に水を供給するためのものである。ここでは、給水部30は、本体10に着脱可能に取り付けられる。
なお、図1では制御系統の一部の構成及び信号線が炊飯器100の本体10の外側に描かれているが、これは図示の便宜上のものである。実際には、これらの構成及び信号線も、炊飯器100の本体10又は蓋体20の内部に備えられる。以下、炊飯器100が備える各構成要素の詳細について順に説明する。
(鍋状容器1の構成)
鍋状容器1は、被加熱物を収容する有底円筒形状の容器である。鍋状容器1は、例えば、誘導加熱によって発熱する磁性体の金属を含む。ここでは、鍋状容器1は、フランジ部1aを有している。フランジ部1aは、鍋状容器1の上端部外周から外側に突出している。ただし、鍋状容器1の構造は、図示の例に限定されない。
(本体10の構成)
本体10は、その外観が有底筒状である。本体10は、容器カバー11、加熱コイル12、鍋底温度センサ13及びヒンジ部14を備えている。また、本体10の内部には、時間計測部17及び制御部18が備えられる。
容器カバー11は、有底筒状に形成されている。容器カバー11の内側には、鍋状容器1が着脱自在に収容される。容器カバー11の底面中央には、孔部11aが形成されている。孔部11aの内側には、鍋底温度センサ13が挿入されている。
鍋底温度センサ13は、鍋状容器1の、ここでは特に底部の温度を検出する。鍋底温度センサ13は、例えば、サーミスタで構成される。鍋底温度センサ13は、ばね等の弾性手段によって上方に付勢されている。このため、鍋底温度センサ13は、容器カバー11に鍋状容器1が収容されると、鍋状容器1の底面に押し付けられて鍋状容器1の底面に接触する。鍋底温度センサ13は、検知した鍋状容器1の温度に関する温度情報を検知信号として制御部18に送る。このようにして、鍋底温度センサ13は、鍋状容器1の温度を検出する温度検出手段を構成している。
容器カバー11の底部には、加熱コイル12が設けられている。加熱コイル12は、孔部11aの周囲に円環状に配置されている。加熱コイル12は、制御部18の制御により通電されることで、鍋状容器1を誘導加熱する。この実施の形態1における加熱コイル12は、鍋状容器1を加熱する加熱手段を構成している。特に、ここで示す例では、加熱コイル12は、電力の供給を受けて鍋状容器1を加熱する加熱手段である。なお、鍋状容器1を加熱する加熱手段としては、加熱コイル12に代えて、電気ヒーターであるシーズヒーター等の他の加熱手段を用いてもよい。
制御部18は、炊飯器100の動作全般を制御する。特に、制御部18は、炊飯器100の炊飯工程における炊飯動作を制御する。時間計測部17は、制御部18による炊飯動作の制御時等に必要な経過時間を計測する。時間計測部17は、制御部18の指示を受けて経過時間を計測し、計測した経過時間に関する時間情報を制御部18に送る。
なお、制御部18及び時間計測部17の一方又は両方は、その機能を実現する制御回路のようなハードウェアで構成してもよい。また、制御部18及び時間計測部17の一方又は両方を、半導体メモリ等の記憶部に記憶されたソフトウェアプログラムと、このソフトウェアプログラムを実行するマイコン又はCPU(中央演算装置)のような演算装置とによって構成してもよい。
ヒンジ部14は、本体10の上部の一端側に設けられる。ヒンジ部14は、蓋体20が本体10の開口部を開閉できるように蓋体20を支持している。
(蓋体20の構成)
蓋体20は、外蓋21及び内蓋22を備えている。蓋体20は、外蓋21及び内蓋22を有している。外蓋21は、蓋体20の上部及び側部を構成している。外蓋21のヒンジ部14とは反対側の側面には、開ボタン25が設けられている。開ボタン25を押すと、図示しないばねの力によりヒンジ部14を中心に蓋体20が開くようになっている。外蓋21の上面には、操作表示部42が設けられている。外蓋21の内側(内蓋22側)には、蓋ヒーター24が取り付けられている。蓋ヒーター24は、内蓋22を加熱するためのものである。
内蓋22は、例えば、ステンレス等の金属で構成されている。内蓋22は、外蓋21の本体10側の面に係止材23を介して取り付けられている。内蓋22は、蓋体20を閉じたときに外蓋21より内側すなわち被加熱物の側に配置される。内蓋22の周縁部には、蓋パッキン22aが取り付けられている。蓋パッキン22aは、シール材である。蓋パッキン22aは、蓋体20が閉じられたときに、鍋状容器1の内側の上端部すなわち鍋状容器1のフランジ部1aの内側の部分と密着し、鍋状容器1内を外部から密閉する。ここで、鍋状容器1内又は鍋状容器1の内部とは、蓋体20が閉じられたときに鍋状容器1と内蓋22とで囲まれる領域のことである。
内蓋22には、内蓋蒸気口22bが形成されている。蓋ヒーター24には、蓋ヒーター蒸気口24aが形成されている。外蓋21には、外蓋蒸気口26が形成されている。これらの内蓋蒸気口22b、蓋ヒーター蒸気口24a及び外蓋蒸気口26は一続きになって、鍋状容器1の内部と外部とを連通している。このようにして、内蓋蒸気口22b、蓋ヒーター蒸気口24a及び外蓋蒸気口26は、鍋状容器1内で発生する蒸気を外部に排出するための蒸気口を構成している。
外蓋21の内側(内蓋22側)には、内部温度センサ43が取り付けられている。内部温度センサ43は、内蓋22及び蓋ヒーター24にそれぞれ形成された貫通孔内を通されるように配置されている。内部温度センサ43は、鍋状容器1の内部空間温度すなわち鍋状容器1内の被加熱物の上方における温度を検知する。内部温度センサ43は、例えば、サーミスタで構成される。内部温度センサ43は、検知した鍋状容器1内の温度に関する温度情報を制御部18に送る。
(給水部30を含む給水手段の構成)
給水部30は、水タンク31、タンク蓋32及びタンクカバー33を有している。水タンク31は、炊飯工程中に鍋状容器1内に供給するための水を貯留するためのものである。水タンク31は、例えばプラスチックからなる。水タンク31は、本体10の前面側すなわちヒンジ部14とは反対側に着脱可能に取り付けられている。水タンク31の前面側と側面部は、タンクカバー33により覆われている。水タンク31の取付位置を本体10の前面側とすることで、水タンク31の本体10への着脱を容易にできる。また、水タンク31内の水を誤って本体10内にこぼして本体10に水を掛けてしまう可能性を低減できる。したがって、炊飯器100の使い勝手を向上できる。
タンク蓋32は、水タンク31の上端の開口部に着脱可能に嵌め込まれる。タンク蓋32には、タンク側コネクタ34a及び連通管32bが設けられている。タンク側コネクタ34aには、連通管32bの上端が接続されている。連通管32bは、タンク側コネクタ34aから水タンク31の内部の下方に延びて配置されている。なお、タンク蓋32には、図示しないタンク通気孔が形成されている。このタンク通気孔により、タンク蓋32が取り付けられた水タンク31の内部と外部とが通じた状態になる。
水タンク31の底部には、水タンクヒーター15及び水タンク温度センサ16が設けられている。水タンクヒーター15は、水タンク31内に貯留されている水を加熱するためのものである。水タンクヒーター15は、制御部18の制御により通電されることで、水タンクヒーター15と接着固定された図示しない金属板を加熱する。この金属板は、水タンク31内の底面を構成している。したがって、加熱された金属板によって、水タンク31内に貯留されている水を加熱することができる。なお、水タンクヒーター15に代えて加熱コイル等の他の加熱手段を用いてもよい。
水タンク温度センサ16は、水タンク31内の水の温度を検知する。水タンク温度センサ16は、例えば、サーミスタで構成される。水タンク温度センサ16は前述の金属板に接触するよう配置される。水タンク温度センサ16は、検知した水タンク31の温度に関する温度情報を検知信号として制御部18に送る。
蓋体20の例えば外蓋21には、タンク側給水経路41a、ノズル側給水経路41b、ポンプ44及びスプレーノズル45が設けられている。また、外蓋21には、蓋側コネクタ34bが設けられている。蓋側コネクタ34bは、蓋体20が閉じた状態でタンク側コネクタ34aに接合する位置に配置されている。
蓋側コネクタ34bには、タンク側給水経路41aの一端が接続されているタンク側給水経路41aの他端は、ポンプ44の吸入側に接続されている。ポンプ44は、例えばギアポンプである。ポンプ44のモーターの回転動作は、制御部18によって制御される。ポンプ44の排出側には、ノズル側給水経路41bの一端が接続されている。そして、ノズル側給水経路41bの他端は、スプレーノズル45が接続されている。
スプレーノズル45は、外蓋21の内蓋22側に設置される。スプレーノズル45は、内蓋22と蓋ヒーター24にそれぞれ設けられた孔に挿入され、鍋状容器1内に露出している。スプレーノズル45はフルコーンタイプのスプレーを噴霧するノズルである。スプレーノズル45は、鍋状容器1側の先端から鍋状容器1内に向けて略円錐型に微小な水粒子を噴霧できる。すなわち、スプレーノズル45は、鍋状容器1内の被加熱物の液面の上方から液面に向けて液相の水を噴射する。
蓋体20が閉じた状態では、蓋側コネクタ34bとタンク側コネクタ34aとは、水密に接合する。開ボタン25を押して蓋体20が開くと、タンク側コネクタ34aと蓋側コネクタ34bとは離れる。このため、蓋体20が閉じられると、水タンク31の連通管32bからタンク側給水経路41a、ポンプ44及びノズル側給水経路41bを介して、スプレーノズル45までが通じた状態になる。
したがって、蓋体20が閉じた状態で、ポンプ44を動作させることにより、水タンク31内の水は、連通管32bを通って、タンク側コネクタ34aと蓋側コネクタ34bを経由し、タンク側給水経路41a、ポンプ44、ノズル側給水経路41bを順に通り、スプレーノズル45から微小な水粒子として鍋状容器1内に供給される。
このようにして構成された、実施の形態1における給水部30、蓋側コネクタ34b、タンク側給水経路41a、ノズル側給水経路41b、ポンプ44及びスプレーノズル45は、鍋状容器1内に液相の水を供給する給水手段の一例である。このように構成された給水手段の給水量は、ポンプ44のモーターの回転数が同じであれば、ポンプ44に通電される通電時間の長さに比例する。
なお、給水手段の具体的な構成は、この例に限られない。他に例えば、炊飯器100の外部の水道栓からスプレーノズル45に水を送ることができるようにしてもよい。そして、水道栓とスプレーノズル45との間の給水管に弁を設け、この弁の開度を調整することで、給水手段の給水量を変化させることができるようにしてもよい。
(操作表示部42)
前述したように、外蓋21の上面には操作表示部42が設けられている。この操作表示部42は、操作部と表示部とを備えている。操作部は、炊飯器100の使用者が行う各種の指示の操作を受け付ける例えばスイッチ等を備えている。操作表示部42の操作部でできる各種の指示には、具体的に例えば、炊飯の開始及び取り消し、炊飯される米の量(炊飯米量)の設定、予約設定等がある。操作表示部42は、入力された各種指示を指示情報として制御部18に送る。
また、操作表示部42の表示部は、各種情報を表示する例えば液晶ディスプレイを備えている。表示部に表示する情報には、例えば、炊飯メニュー、時間、炊飯する米の量等が含まれる。炊飯メニューとは、例えば、標準炊飯か早炊き炊飯か、仕上がりはかためかやわらかめか、米の種類は白米炊飯か無洗米炊飯か等の選択結果を示すものである。表示部には、現在の調理工程、調理完了までの残り時間等を表示、音又は光等により報知する機能も備えられている。
(その他の構成)
本体10には、炊飯器100を運搬するための図示しないハンドルを設けてもよい。ハンドルは、例えば、本体10の一端側と他端側の2箇所を繋ぐように設けられる。また、ハンドルは、本体10の側面上部の略前後中央、すなわち、ヒンジ部14の備えられる後部と給水部30の設けられる前部の間の略中央において回転可能に軸支されるようにするとよい。この際のハンドルの回転軸は、ヒンジ部14の回転軸と略平行となるようにすることが望ましい。このようにすることで、炊飯器100の運搬者がハンドルを持って炊飯器100を持ち上げると、ハンドルはその回転軸の略直上の位置まで回転し、運搬者はハンドルのみを持って炊飯器100を運搬することが可能となる。
(炊飯工程における制御)
制御部18は、操作表示部42から受け取った指示情報に従って、炊飯メニュー及び炊飯米量等に適合した炊飯プログラムを実行して、炊飯器100による炊飯工程を制御する。この炊飯工程においては、制御部18は、鍋底温度センサ13及び水タンク温度センサ16から受け取った温度情報と、時間計測部17から受け取った時間情報と、内部温度センサ43から受け取った温度情報とに基づいて、加熱コイル12に通電する高周波電流、並びに、水タンクヒーター15及びポンプ44に通電する電流を制御することで、指示された炊飯メニュー及び炊飯米量等に適合した炊飯が行われるようにする。
図2に示すのは、このように制御された炊飯工程における各部の温度変化と制御部18による制御内容との関係である。炊飯工程は、予熱工程、昇温工程、沸騰維持工程及び蒸らし工程で構成される。ただし、予熱工程及び蒸らし工程は省略可能である。炊飯を開始すると、炊飯工程のうちの予熱工程が最初に実行される。
予熱工程は、米及び水を含む被加熱物を予熱する工程である。予熱工程では、鍋状容器1内の水を沸騰させる前の段階で、鍋状容器1を予め設定された温度で予め設定された時間だけ加熱する。そして、この加熱により、米の吸水を促進して甘味成分である糖及び旨味成分であるアミノ酸等の呈味成分を生成する。
昇温工程は、予熱工程の終了後に、鍋状容器1内の被加熱物が沸騰するまで鍋状容器1を加熱する工程である。
沸騰維持工程は、鍋状容器1内の水の沸騰を維持するように鍋状容器1を加熱し、米のでんぷんの糊化を促進する工程である。沸騰工程は、さらに3つの工程に分かれている。具体的には、沸騰工程では、強火工程、弱火工程及びドライアップ工程の3つの工程が、この順で行われる。強火工程は強い沸騰状態を維持する工程である。弱火工程は強火工程よりも弱い加熱で沸騰を維持する工程である。ドライアップ工程は弱火工程よりも強い加熱で鍋状容器1内の底部に残った余分な水分を蒸発させる工程である。
蒸らし工程とは、米を蒸らすように鍋状容器1を加熱する工程である。蒸らし工程では、米飯粒の中心におけるでんぷんまで十分に糊化させ、米飯粒内の水分の分布を均一化するように、鍋状容器1を加熱する。蒸らし工程が終わると炊飯工程は終了となる。
図2に示す「加熱コイルへの電力」は、加熱手段である加熱コイル12に供給される単位時間当たりの電力量の大きさを示している。つまり、これは加熱手段による鍋状容器1の加熱の強さを表していると言える。同図に示すように、加熱コイル12に供給される単位時間当たりの電力量は、昇温工程と、昇温工程から続く沸騰維持工程中の強火工程の2つの工程で、炊飯工程中において最大となる。
また、同図に示すように、鍋状容器1内の被加熱物の温度は、昇温工程の終了時に沸騰温度(ここでは、例えば100℃)に達する。そして、被加熱物の温度は、沸騰維持工程中は沸騰温度に維持される。被加熱物の温度が沸騰温度になり被加熱物が沸騰すると、被加熱物の液中で気化した蒸気が泡となって浮き上がり、被加熱物の液面上に泡状体が生成される。
被加熱物には、いわゆる「おねば」が含まれる。おねばは、米から溶出したでんぷんを含む液体である。炊飯工程における沸騰維持工程中に被加熱物の上に生成される泡状体は、おねばでできている。おねばは粘性が高いため、おねばでできた泡状体は丈夫で消えにくい。このため、沸騰維持工程中に被加熱物の上に次々と生成されるおねばの泡が、既にある泡を下から押し上げることで泡状体の上端がせり上がっていく。そして、泡状体の上端が蓋体20の蒸気口にまで達し、内蓋22の内蓋蒸気口22bを経由して、蒸気口の外にまで飛散すると吹きこぼれが発生してしまう。
この発明の実施の形態1に係る炊飯器100においては、制御部18は、沸騰維持工程の強火工程において、ポンプ44に通電させる。したがって、強火工程中に、水タンク31内の水がスプレーノズル45から微小な水粒子として鍋状容器1内に供給される。すなわち、前述した給水手段は、加熱手段である加熱コイル12の加熱によって鍋状容器1内の被加熱物が沸騰温度に達した後、加熱手段に供給される単位時間当たりの電力量が炊飯工程中で最大である時に、鍋状容器1内に液相の水を供給する。
前述したように、沸騰維持工程中の強火工程では、被加熱物の沸騰により被加熱物の上に泡状体が生成される。給水手段のスプレーノズル45からは、略円錐型の範囲に微小な水粒子が噴霧される。したがって、前述した給水手段は、加熱手段である加熱コイル12の加熱によって鍋状容器1内の被加熱物の上に生成された泡状体に向けて液相の水を供給する。
泡状体の中には水蒸気が入っている。泡状体の中の水蒸気が膨張すると泡状体は大きくなる。このため、鍋状容器1の内部空間温度が高いほど泡状体が膨らんで大きくなりやすく、吹きこぼれに繋がってしまう。また、内蓋蒸気口22b付近の温度が沸騰温度である100℃付近の高温状態であると、内蓋蒸気口22b付近までせり上がった泡状体のサイズが小さくならないため、泡状体が蒸気口の外まで到達しやすく吹きこぼれやすい。特許文献1に示される炊飯器のように、鍋内を加熱するための高温の蒸気を泡状体に当てた場合、丈夫なおねばの泡状体を破壊できないばかりか、泡状体中の水蒸気を膨張させて吹きこぼれを促進してしまうおそれがある。
これに対し、この発明の実施の形態1に係る炊飯器100が備える給水手段は、液相の水を供給することで丈夫なおねばの泡状体を確実に破壊することができ、被加熱物の沸騰中における吹きこぼれを防止しつつ、被加熱物の沸騰中に大火力での加熱を継続することが可能である。
図2に示すように、沸騰維持工程の開始時、被加熱物は沸騰温度に達する一方で、鍋状容器1内において被加熱物が存在しない空間の温度である内部空間温度は、沸騰維被加熱物の沸騰温度(以下、単に「沸騰温度」ともいう)にまだ達していない。沸騰維持工程の開始後、強火工程の途中で初めて鍋状容器1の内部空間温度が沸騰温度になる。前述したように、鍋状容器1の内部空間温度が高いほど泡状体が成長し吹きこぼれやすくなる。
図2中に矢印Aで示す期間は、被加熱物温度が沸騰温度であり、かつ、鍋状容器1の内部空間温度も沸騰温度であって、なおかつ、加熱コイル12の電力すなわち火力が最大である。この矢印Aで示す期間は、沸騰が活発で、かつ、泡状体の成長が促進される条件が揃っているため、特に吹きこぼれが起こりやすい。この期間は、具体的には2〜5分ほどの長さである。
そこで、図2に示すように、この実施の形態1では、矢印Aで示す期間の開始前に、制御部18は、ポンプ44への通電を開始させる。すなわち、給水手段は、鍋状容器1の内部空間温度が、被加熱物の沸騰温度以下の時に水の供給を開始する。このようにすることで、沸騰が活発で、かつ、泡状体の成長が促進される条件が揃う前に、泡の破壊を開始することができ、より確実に吹きこぼれを抑制することが可能である。
泡状体を破壊し、吹きこぼれを抑えるためだけであれば、鍋状容器1の内部空間の温度を下げたり、泡状体に冷水を当てたりする手段が効果的である。しかし、その場合は鍋状容器1内の米の温度まで下がり、米が受け取る熱エネルギー量が小さくなってしまうため、美味しい米飯が炊けなくなってしまう。
そこで、この発明の実施の形態1に係る炊飯器100では、制御部18は水タンクヒーター15を制御して水タンク31内の水を加熱し、スプレーノズル45から鍋状容器1内へと熱水を供給する。すなわち、給水手段が供給する液相の水は、予め設定された温度以上の温度の熱水である。具体的には、給水手段が供給する液相の水の温度を、米の糊化温度以上で、かつ水の沸騰温度未満とする。米の糊化温度である60℃未満の水を鍋状容器1内に供給すると米の糊化反応が充分に起こらない可能性がある。そこで、給水手段のスプレーノズル45から供給する液相の水を60℃以上の熱水とすることで、米の糊化反応が阻害されることを抑制できる。
また、鍋状容器1の内部空間はできるだけ高温状態を維持して米に熱エネルギーを与えつつも、泡状体を壊して減少させるためには、給水手段が供給する液相の水の温度は、なるべく高い方がよい。そこで、供給する水の温度を、沸騰直前の温度、例えば90℃とすると、被加熱物の沸騰中における吹きこぼれを防止しつつ、美味しい米飯を炊くことができる。
なお、沸騰維持工程における鍋状容器1内の被加熱物は100℃の米と、100℃の水と、100℃以上の水蒸気とが混在した状況となっている。スプレーノズル45から供給する液相の水は、熱水とはいえ沸騰温度である100℃よりは低い。そこで、供給する水を微小な粒子状として拡散させることで、より少ない給水量で被加熱物上の広い範囲の泡状体に水を当てて破壊できるとともに、液相の水の供給が鍋状容器1内の温度環境に与える影響を極力小さくすることが可能である。したがって、鍋状容器1内の米に多くの熱エネルギーを与え、美味しい米飯を炊くことができる。
給水手段が供給した水粒子で泡状体を破壊すると、次の泡が形成されて再びせり上がってくるまで、一定の時間を要する。そこで、この実施の形態1においては、図2に示すように、ポンプ44に間欠的に通電し、スプレーノズル45から間欠的に水粒子を噴霧している。すなわち、給水手段は、間欠的に水を供給する。このようにすることで、鍋状容器1内に連続的に水を供給する場合と比較して、総給水量を少なく抑えつつも、吹きこぼれ発生を抑制できる。したがって、液相の水の供給が鍋状容器1内の温度環境に与える影響をさらに小さくし、鍋状容器1内の米に多くの熱エネルギーを与えて美味しい米飯を炊くことができる。
間欠的な給水は、具体的に例えば、5秒間のうち1秒間ポンプ44に通電する周期とする、すなわち、1秒間の通電と4秒間の通電遮断とを交互に繰り返す。このような間欠的な給水によって、充分に鍋状容器1内の泡状体を割ることができ、吹きこぼれを抑制可能である。また、数秒間に1、2秒だけポンプ44に通電し水粒子を噴霧させる方法であれば、総給水量が約40〜70gで済む。
制御部18は、水タンクヒーター15による水タンク31内の水の加熱を予熱工程又は昇温工程から開始させるとよい。水タンク31内の水の加熱を沸騰維持工程(強火工程)から開始すると、加熱が間に合わず、水タンク31内の水が前述の熱水の温度に到達する前に鍋状容器1内への水の供給を開始しなくてはならなくなる可能性がある。そこで、水タンク31内の水の加熱を事前に予熱工程又は昇温工程から開始しておくことで、このような事態を回避できる。
(給水手段の給水エリア)
次に、図3から図18を参照しながら、給水手段により鍋状容器1内に液相の水を供給する給水エリアについて説明する。前述したように、給水手段のスプレーノズル45は、鍋状容器1内に向けて略円錐型に微小な水粒子を噴霧する。したがって、給水手段は、鍋状容器1内の被加熱物の液面上の一定範囲内に広がるように液相の水を落下させる。この給水手段が液相の水を落下させる、鍋状容器1内の被加熱物の液面上のエリアを、ここでは「給水エリア」と呼ぶ。すなわち、給水手段は、鍋状容器1内の被加熱物の液面上に設定される給水エリア内に広がるように液相の水を落下させる。
図3に示すのは、鍋状容器1内に入れられた被加熱物の液面の外形(以下、単に「液面」ともいう)の一例である。前述のように、鍋状容器1は有底円筒形状である。このため、液面は、図3に示すように、例えば半径R1の円形状になる。
給水手段のスプレーノズル45は、鍋状容器1内に向けて略円錐型に微小な水粒子を噴霧する。このため、給水エリアは、図4に示すように、例えば半径R2の円形状になる。なお、給水エリアの半径R2は、半径R1以下となるように調整される。
スプレーノズル45は、蓋体20を閉じた状態で、炊飯器100の前後左右方向において鍋状容器1の中心と同じ位置にスプレーノズル45の中心がくるように配置されている。したがって、給水手段は、鍋状容器1内の被加熱物の液面における中心の直上から水を供給する。このため、図5に示すように、液面と給水エリアとは同心円状に重なる。
これに対し、スプレーノズル45の中心が、鍋状容器1内の被加熱物の液面における中心の直上からずれている場合、図6に示す比較例のように、液面に対して給水エリアが偏り、給水エリアに含まれない液面の部分が広くなる。その結果、給水エリアに含まれない液面の部分で発生した泡状体が増大することで吹きこぼれの原因となってしまう可能性がある。
また、図6中に破線で示す円弧Bの部分では、液面上でなく鍋状容器1の内壁にも水粒子が噴霧される。鍋状容器1の内壁に噴霧された水は、この内壁を伝わって落下し、円弧Bの部分の液面に供給されることになる。したがって、円弧Bの部分付近の米は他の部分と比べて過剰な水が存在することになる。そして、円弧Bの部分付近だけ米飯が軟らかすぎる炊き上がりとなってしまう可能性がある。
このように、鍋状容器1内の被加熱物の液面における中心の直上から給水手段が水を供給することで、吹きこぼれ発生を抑制しやすくできるとともに、米飯を均一に炊き上げることが可能である。
給水エリアの面積は、鍋状容器1内の被加熱物の液面の面積の半分以上とするのがよい。給水エリアの面積を液面の面積の半分未満にした場合、被加熱物に投入する熱エネルギー量、すなわち、加熱コイル12による加熱の強度によっては、給水による泡状体の破壊が泡状体の生成及び成長に追いつかなくなり、吹きこぼれてしまう可能性が高くなる。また、給水エリアの面積を液面の面積の半分未満にした場合、吹きこぼれを抑制するためにより多い水量を鍋状容器1内に供給することが必要になる。このため、水分過剰で軟らかくなり米飯の美味しさが損なわれてしまう場合がある。
このように、給水エリアの面積は、鍋状容器1内の被加熱物の液面の面積の半分以上とするのがよい。ただし、図5に示すように、給水エリアの半径R2を液面の半径R1と同等にし、給水エリアの面積が液面の面積と同等になるようにすることがより望ましい。このようにすることで、液面上に万遍なく水を落下させて泡状体を破壊し、より確実に吹きこぼれを抑制できる。
スプレーノズル45のスプレーパターン、すなわち、スプレーノズル45から噴射される水が液面上に落下する領域の形状は、円形状に限られず、他に例えば円環状でもよい。図7から図10を参照しながら、スプレーノズル45のスプレーパターンを円環状にした場合の給水エリアについて説明する。
図7に示すのは、ポンプ44のモーターが回転数S1で動作した時のスプレーパターンの一例である。図7の例では、ポンプ44のモーターの回転数S1の時、スプレーパターンは、外径R2、内径R3(R2>R3)の円環状である。
図8から図10は、回転数S1で図7のスプレーパターンとなるスプレーノズル45によって、ポンプ44のモーターが回転数を変化させた場合の液面とスプレーパターンとの関係を示すものである。図8は、ポンプ44のモーターが回転数S3で動作した時の液面とスプレーパターンの一例である。図9は、ポンプ44のモーターが回転数S2で動作した時の液面とスプレーパターンの一例である。図10は、ポンプ44のモーターが回転数S1で動作した時の液面とスプレーパターンの一例である。ここで、これらの回転数S1〜S3の大小関係は、S1>S2>S3である。
ポンプ44のモーターの回転数が小さく、スプレーノズル45に加わる水圧が小さくなると、スプレーノズル45から噴出される水の飛距離が短くなり、スプレーパターンの円環が小さくなる。図8の例では、ポンプ44のモーターの回転数S3の時、スプレーパターンは、円環状でなく、半径R5の円形状である。図9の例では、ポンプ44のモーターの回転数S2の時、スプレーパターンは、外径R4の円環状である。そして、図10の例は、ポンプ44のモーターの回転数S1の時であり、図7と同じくスプレーパターンは、外径R2、内径R3の円環状である。これらの径R2、R4、R5の大小関係は、R2>R4>R5である。
そこで、このような円環状のスプレーパターンとなるスプレーノズル45の場合には、ポンプ44のモーターの回転数をS3→S2→S1→S2→S3→S2→・・・等とS3とS1との間で周期的に変化させることで、スプレーノズル45からの水が落下する給水エリアを実質的に半径R2の円形状と同じにすることができる。
また、一般的なモーターの場合、停止した状態から回転を開始すると、不連続に目的の回転数(例えばS1)になるのではなく、目的の回転数になるまで連続的に回転数が増加する。逆に回転した状態から停止する時も、連続的に回転数が減少して停止する。このため、ポンプ44に間欠的に通電し、すなわち、ポンプ44への通電と通電遮断とを周期的に交互に繰り返すことで、モーターの回転数も増加と減少とを周期的に交互に繰り返す。したがって、ポンプ44に間欠的に通電することによっても、円環状のスプレーパターンとなるスプレーノズル45でもって、給水エリアを半径R2の円形状と実質的に同等にできる。
なお、スプレーノズル45の先端を可動式にし、スプレーノズル45から水を噴出する向きを変更できるようにしてもよい。このようにすることでも、液面上に万遍なく水を落下させて泡状体を破壊し、より確実に吹きこぼれを抑制できる。
スプレーノズル45の噴射角度は、鍋状容器1内の被加熱物の量に応じて変化させてもよい。図11から図14を参照しながら、鍋状容器1内の被加熱物の量と、スプレーノズル45の噴射角度との関係を説明する。
鍋状容器1内の被加熱物の量が変わると、鍋状容器1内の被加熱物の深さが変わるため、スプレーノズル45と鍋状容器1内の被加熱物の液面との距離が変わる。図11から図14に示す「液面H」は、炊飯器100の最大炊飯量に対応する被加熱物が鍋状容器1内に入っているときの液面の位置である。図11から図14に示す「液面L」は、炊飯器100の最小炊飯量に対応する被加熱物が鍋状容器1内に入っているときの液面の位置である。図11から図14に示す「液面M」は、炊飯器100の最大炊飯量と最小炊飯量の中間量に対応する被加熱物が鍋状容器1内に入っているときの液面の位置である。
スプレーノズル45は液面の上方から円錐状に水を噴射するため、スプレーノズル45と液面との距離が変化しても噴射角度が一定不変であると、スプレーノズル45からの水が液面に落下する領域すなわち給水エリアが変化してしまう。しかしながら、前述したように、給水エリアの面積は、液面の面積と同等になるようにすることが望ましい。
そこで、被加熱物の液面が「液面H」であるとき、図11に示すように、スプレーノズル45の噴射角度をθHにするとよい。また、被加熱物の液面が「液面M」であるとき、図12に示すように、スプレーノズル45の噴射角度をθMにするとよい。そして、被加熱物の液面が「液面L」であるとき、図13に示すように、スプレーノズル45の噴射角度をθLにするとよい。これらの図から分かるように、θH>θM>θLである。
スプレーノズル45の噴射角度は、スプレーノズル45に加わる水圧に応じて変化する。そこで、制御部18は、被加熱物の量が多いほどポンプ44のモーター回転数が大きくなるように制御して、被加熱物の量が多いほど噴射角度が大きくなるようにするとよい。
なお、スプレーノズル45の噴射角度を、液面よりも給水エリアが広くなるようにしても、液面全域に水を落下させることができる。しかしながら、例えば、図14に示すように、液面Lの時に噴射角度θMとすると、同図の破線で囲った斜線部分の範囲に噴射された水は、液面上でなく鍋状容器1の内壁に当たる。鍋状容器1の内壁に噴射された水は、この内壁を伝わって落下し、同図中の「鍋縁エリア」に供給されることになる。このため、「鍋縁エリア」の米は他の部分と比べて過剰な水が存在することになる。そして、「鍋縁エリア」だけ米飯が軟らかすぎる炊き上がりとなってしまう可能性がある。したがって、スプレーノズル45の噴射角度を常に大きくするのではなく、鍋状容器1内の被加熱物の量に応じて変化させた方がよい。
また、給水エリアは、蓋体20の蒸気口、特に内蓋蒸気口22bの直下を少なくとも含むように設定するとよい。図15から図18を参照しながら、給水エリアと内蓋蒸気口22bとの位置関係について説明する。図15及び図16に示すのは、この発明の実施の形態1に係る構成例である。図17及び図18に示すのは、比較例の構成である。
図15及び図16に示すように、この発明の実施の形態1に係る構成例では、内蓋蒸気口22bの直下は、給水エリア内に含まれている。ここで、前述したように、泡状体が内蓋蒸気口22bまで到達し、蒸気口の外にまで飛散すると吹きこぼれが発生する。内蓋蒸気口22bの直下に水を供給することで、内蓋蒸気口22bの直下の泡状体を消失させることができる。したがって、内蓋蒸気口22bまで泡状体が到達することを抑制でき、吹きこぼれ発生を抑制することが可能である。
これに対し、図17及び図18に示す比較例では、内蓋蒸気口22bを含む蓋体20の蒸気口の位置が、この発明の実施の形態1と異なっている。すなわち、図17及び図18に示す比較例では、内蓋蒸気口22bの直下は、給水エリアの外側である。この場合、内蓋蒸気口22bの直下には水が供給されない。したがって、内蓋蒸気口22bの直下の泡状体を消失させることができない。このため、内蓋蒸気口22bまで泡状体が到達することを抑制できず、吹きこぼれ発生を抑制することができない。
このように、給水エリアが、蓋体20の蒸気口、特に内蓋蒸気口22bの直下を少なくとも含むように設定することで、吹きこぼれ発生を少ない給水量で効率的に抑制できる。
1 鍋状容器
1a フランジ部
10 本体
11 容器カバー
11a 孔部
12 加熱コイル
13 鍋底温度センサ
14 ヒンジ部
15 水タンクヒーター
16 水タンク温度センサ
17 時間計測部
18 制御部
20 蓋体
21 外蓋
22 内蓋
22a 蓋パッキン
22b 内蓋蒸気口
23 係止材
24 蓋ヒーター
24a 蓋ヒーター蒸気口
25 開ボタン
26 外蓋蒸気口
30 給水部
31 水タンク
32 タンク蓋
32b 連通管
33 タンクカバー
34a タンク側コネクタ
34b 蓋側コネクタ
41a タンク側給水経路
41b ノズル側給水経路
42 操作表示部
43 内部温度センサ
44 ポンプ
45 スプレーノズル
100 炊飯器

Claims (9)

  1. 被加熱物を収容する鍋状容器と、
    前記鍋状容器を加熱する加熱手段と、
    前記加熱手段の加熱によって前記鍋状容器内の被加熱物の上に生成された泡状体に向けて液相の水を供給する給水手段と、を備えた炊飯器。
  2. 被加熱物を収容する鍋状容器と、
    電力の供給を受けて前記鍋状容器を加熱する加熱手段と、
    前記加熱手段の加熱によって前記鍋状容器内の被加熱物が沸騰温度に達した後、前記加熱手段に供給される単位時間当たりの電力量が炊飯工程中で最大である時に、前記鍋状容器内に液相の水を供給する給水手段と、を備えた炊飯器。
  3. 前記給水手段は、前記鍋状容器内の被加熱物の液面上に設定される給水エリア内に広がるように液相の水を落下させ、
    前記給水エリアの面積は、前記鍋状容器内の被加熱物の液面の面積の半分以上である請求項1又は請求項2に記載の炊飯器。
  4. 前記給水手段は、前記鍋状容器内の被加熱物の液面の上方から液面に向けて液相の水を噴射するノズルを備え、
    前記ノズルの噴射角度は、前記鍋状容器内の被加熱物の量に応じて変化する請求項3に記載の炊飯器。
  5. 前記鍋状容器の開口部を覆う蓋をさらに備え、
    前記蓋には、前記被加熱物から発生する蒸気を排出する蒸気口が形成され、
    前記給水エリアは、前記蒸気口の直下を少なくとも含む請求項3又は請求項4に記載の炊飯器。
  6. 前記給水手段は、前記鍋状容器内の被加熱物の液面における中心の直上から水を供給する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の炊飯器。
  7. 前記給水手段は、前記鍋状容器の内部空間温度が、被加熱物の沸騰温度以下の時に水の供給を開始する請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の炊飯器。
  8. 前記給水手段が供給する液相の水の温度は、米の糊化温度以上水の沸騰温度未満である請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の炊飯器。
  9. 前記給水手段は、間欠的に水を供給する請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の炊飯器。
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