JP6879876B2 - 硬化性組成物及び硬化物 - Google Patents
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Description
このプロセスは、生産性の面で優位であるため、光学部材(プラスチックレンズ、プリズム及び光ファイバー等)、電気・電子部材(フレキシブルプリント配線板用ソルダーレジスト、メッキレジスト、多層プリント配線板用層間絶縁膜及び感光性光導波路等)、シーリング材、接着剤並びに紙及びプラスチック等のコーティング剤等幅広い分野で使用されている。
高屈折率化を実現する手段として、樹脂中の芳香環濃度を高める方法や金属酸化物の微粒子を分散させる方法が挙げられる。具体的には、フルオレン等の骨格を有するアクリレートモノマーを用いたもの(特許文献1)、高屈折率樹脂に金属酸化物の微粒子を分散させたもの(特許文献2)等が提案されている。
即ち、本発明は、一般式(1)で表される化合物(A)と、エチレン性不飽和結合を有さず水酸基及びフルオレン骨格を有する化合物(B)と、エチレン性不飽和結合及びアミド結合を有する化合物(C)と、ラジカル重合開始剤(D)とを含有する硬化性組成物であって、前記化合物(B)が、化学式(2)で表される化合物であり、前記化合物(C)が、一般式(3)で表される化合物、一般式(4)で表される化合物、ビニルピロリドン及び(メタ)アクリロイルモルホリンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である硬化性組成物(E);前記硬化性組成物(E)を硬化させてなる硬化物である。
また、上記式(1)中、x+y個あるAは、それぞれ独立に炭素数が2〜4のアルキレン基を表す。
炭素数が2〜4のアルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基及びブチレン基等が挙げられる。
前記の化合物(A)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記の化合物(B)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
一般式(3)で表される化合物、一般式(4)で表される化合物、ビニルピロリドン及び(メタ)アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリロイル」の表記は、アクリロイル及び/又はメタアクリロイルを意味し、「(メタ)アクリレート」の表記は、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味し、「(メタ)アクリル」の表記は、アクリル及び/又はメタクリルを意味する。
また、上記一般式(3)〜(4)中、R3、R4及びR6は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数が1〜3のアルキル基を表す。
炭素数が1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基及びiso−プロピル基等が挙げられる。
炭素数が2〜3のアルキレンオキシ基としては、エチレンオキシ基、1,2−プロピレンオキシ基及び1,3−プロピレンオキシ基等が挙げられる。
また、一般式(4)中、nは1〜3の整数である。
これらの内、プラスチック基材との密着性の観点から好ましいのは、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド及びN,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドである。
これらの内、プラスチック基材との密着性の観点から好ましいのは、N−ヒドロキシエチルアクリルアミドである。
ラジカル重合開始剤(D)は、1種を単独で用いても、2種以上を併用しても良い。
単官能(メタ)アクリレートとしては、ベンジルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、エトキシ化o−フェニルフェノール(メタ)アクリレート及びイソボルニルアクリレート等が挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートとしては、ビスフェノールA エチレンオキサイド1〜30モル付加物ジアクリレート、ポリプロピレングリコール(プロピレンオキシ基2〜20モル)ジアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
添加剤としては、金型離型剤(G)、酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤、耐電防止剤、着色剤、重合禁止剤、連鎖移動剤、充填剤、界面活性剤、可塑剤、分散剤及びチクソトロピー性付与剤(増粘剤)等が挙げられる。
中でも、2−エチルヘキシルアルコールのリン酸エステルとN,N−ジメチルステアリルアミンとの塩及びトリデカノールエチレンオキサイド(以下、EOと略記することがある)10モル付加物のリン酸エステルとN,N−ジメチルステアリルアミンとの塩が好ましい。
また、金型離型剤を構成するリン酸エステルと3級アミンの当量比は、0.5/1〜3/1が好ましく、更に好ましくは0.8/1〜2/1であり、特に好ましくは1:1である。
溶剤としては、他の成分との相溶性、分散性の観点から、有機溶剤が好ましい。このような有機溶剤としては、
アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール及びオクタノール等);
ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びシクロヘキサノン等);
エステル(酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等);
エーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル及びジエチレングリコールモノブチルエーテル等);
芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン及びキシレン等);
アミド(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド及びN−メチルピロリドン等)等が挙げられる。
これらの内、硬化性組成物(E)との相溶性の観点から好ましいのは、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、トルエン及びキシレンである。
前記の溶剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
以下に、本発明の硬化性組成物(E)を硬化させて、成形体を製造する方法について説明する。
本発明の硬化性組成物を(E)用いた成形体の製造方法は、特に限定されないが、微細な凹凸構造を有する三次元形状のプラスチックレンズは、例えば微細な凹凸構造を有する平らな金型を用いて硬化性組成物(E)を光硬化させ金型から離型することにより得ることができる。
本発明の硬化性組成物(E)を予め20〜50℃に温調し、成形体形状(例えば光学レンズ形状)が得られる上述の金型(型温は20〜50℃、好ましくは25〜40℃)にディスペンサー等を用いて、硬化後の厚みが20〜150μmとなるように塗工(又は充填)し、塗膜上からプラスチック基材(透明フィルムを含む)を空気が入らないように加圧積層する。
そして、該プラスチック基材上から活性エネルギー線を照射して該塗膜を硬化させる。 その後、硬化物を型から離型し、成形体(例えばレンズシート)を得る。
また、プラスチック基材は、後述の活性光線を用いて硬化させる場合、透明であることが好ましい。
本発明において、活性光線とは250nm〜830nmの波長を有する紫外線を意味する。
本発明の組成物を活性エネルギー線により硬化させる場合は、種々の活性エネルギー線照射装置[活性エネルギー線として活性光線を用いる場合は、フュージョンUVシステムズ(株)製、活性エネルギー線照射装置(型番:VPS/I600)]が使用できる。
使用するランプとしては、高圧水銀灯及びメタルハライドランプ等が挙げられる。
活性エネルギー線の照射量は、組成物の硬化性及び硬化物の可撓性の観点から好ましくは10〜10,000mJ/cm2、更に好ましくは100〜5,000mJ/cm2である。
具体的には、フィルム状やシート状で使われるほか、プラスチックレンズ(プリズムレンズ、レンチキュラーレンズ、マイクロレンズ、フレネルレンズ、視野角向上レンズ、視野角制御レンズ及びコントラスト向上レンズ等)、光学補償フィルム、位相差フィムル、電磁波シールド用フィルム、プリズム、光ファイバー、フレキシブルプリント配線用ソルダーレジスト、メッキレジスト、多層プリント配線板用層間絶縁膜及び感光性光導波路として有用である。
0であった。
撹拌装置及び温度計を取り付けたガラス製の反応容器に、2−エチルヘキシルアルコールのリン酸エステル[商品名「AP−8」、大八化学(株)製]55.6部を仕込んだ。ここにN,N−ジメチルステアリルアミン[商品名「ファーミンDM8098」、花王(株)製]44.4部を投入し50℃で2時間攪拌し、2−エチルヘキシルアルコールのリン酸エステルとN,N−ジメチルステアリルアミンの塩(G−1)を得た。
製造例1において、2−エチルヘキシルアルコールのリン酸エステルに代えて、トリデカノールEO10モル付加物のリン酸エステル[商品名「イオネット1310R」、三洋化成工業(株)製]55.6部を用いた以外は、製造例1と同様の操作でトリデカノールEO10モル付加物のリン酸エステルとN,N−ジメチルステアリルアミンの塩(G−2)を得た。
表1に示す配合組成(重量部)で、各原料を60℃で混合して、硬化性組成物(E−1)〜(E−7)及び比較用の硬化性組成物(E’−1)〜(E’−4)を得た。
(A−1):ビスフェノールフルオレン EO2モル付加物ジアクリレート[商品名「OGSOL EA −0200」、大阪ガスケミカル(株)製]
(A−2):ビスフェノールフルオレン EO6モル付加物ジアクリレート[商品名「KOMERATE−D064」、KPX Green Chemical社製]
(A−3):ビスフェノールフルオレン EO10モル付加物ジアクリレート[商品名「KOMERATE−D104」、KPX Green Chemical社製]
(A−4):ビスフェノールフルオレン EO20モル付加物ジアクリレート[商品名「KOMERATE−D204」、KPX Green Chemical社製]
(C−2):N,N−ジメチルアクリルアミド[商品名「ジメチルアクリルアミドDMAA」、KJケミカルズ(株)製]
(C−3):N,N−ジエチルアクリルアミド[商品名「ジエチルアクリルアミドDEAA」、KJケミカルズ(株)製]
(C−4):4−アクリロイルモルホリン[商品名「ACMO」、KJケミカルズ(株)製]
(D−2):2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド[商品名「イルガキュアTPO」、BASF社製]
(D−3):ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド[商品名「イルガキュア819」、BASF社製]
(D−4):2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン[商品名「イルガキュア907」、BASF社製]
(F−2):ビスフェノールA EO4モル付加物のジアクリレート[商品名:ネオマーBA−641、三洋化成工業(株)製]
(1)板ガラスの表面に、厚さが30μmになるように各硬化性組成物を塗工した(塗工面積が、後に貼り合わせる基材フィルムの面積以上になるように塗工)。
(2)縦100mm×横100mm×厚さ80μmの平坦なポリエステル樹脂製の基材フィルム[商品名「コスモシャインA4300」東洋紡績(株)製]を塗工面に乗せ、ローラーを上から転がして空気を押し出して貼り合わせた。
(3)基材フィルム側から活性エネルギー線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製]により、紫外線を1,000mJ/cm2照射して、硬化させ、硬化物を作成した。基材フィルムと密着した硬化物を板ガラスから剥離した。
(4)硬化物の屈折率を25℃の環境下で屈折率計[商品名:アッベ屈折率計4T、(株)アタゴ製]を用いて測定した。
(1)板ガラスの表面に、厚さが30μmになるように各硬化性組成物を塗工した(塗工面積が、後に貼り合わせる基材フィルムの面積以上になるように塗工)。
(2)縦100mm×横100mm×厚さ80μmの平坦なTAC樹脂製の基材フィルムとして「FTUV80」[富士写真フィルム(株)製]を塗工面に乗せ、ローラーを上から転がして空気を押し出して貼り合わせた。
(3)基材フィルム側から活性エネルギー線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製]により、紫外線を1,000mJ/cm2照射して、硬化させ、硬化物を作成した。基材フィルムと密着した硬化物を板ガラスから剥離した。
(4)板ガラスから剥離した硬化物をJIS K 5600−5−6に準拠し、25個(5個×5個)のマスができるよう2mm幅にカッターナイフで切込みを入れ、25マス中の剥離せず密着しているマス目の個数を数えた。
○:試験後にフィルム上にマス目25個全部が残っている。
×:試験後にフィルム上のマス目が1個以上欠けている。
(1)溝の深さ22μm、ピッチ幅50μmで平行に線を刻んで、微細に凹凸処理を施したSUS製の金型の表面に、金型の凹部分からの厚さが50μmになるように各硬化性組成物を塗工した。
(2)基材である厚さ80μmの上記記載のTAC樹脂製の基材フィルムを塗工面に乗せ、ローラーを上から転がして空気を押し出して貼り合わせた。
(3)TAC樹脂製の基材フィルム側から活性エネルギー線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製]により、活性エネルギー線を1,000mJ/cm2照射して、各硬化性組成物を硬化させ、硬化膜を作成した。
(4)フィルムと密着した硬化膜を金型から剥離し、凹凸の転写が再現されているかをレーザー顕微鏡で判定した。
◎:金型から剥離する際の力が5.0N/cmより小さく、金型に樹脂残りがなく、凹凸の転写が再現できている。
○:金型から剥離する際の力が5.0N/cm以上だが、金型に樹脂残りがなく、凹凸の転写が再現できている。
×:金型に樹脂残りがあるか、凹凸の転写が再現できていない。
なお、金型から剥離する際の力は、以下の方法で測定した。
TAC樹脂製の基材フィルムをたわみ性被着材とみなし、金型を剛性被着剤とみなして、JIS K6854−1に記載のはく離接着強さ試験方法に準拠して、平均剥離力(N)を算出した。
算出した平均剥離力を、ポリイミド樹脂製基材フィルムの幅[つかみ移動方向と垂直方向の長さ(cm)]で除した値を、本発明における金型から剥離する際の力(N/cm)とした。
一方、化合物(A)を含まない比較例1は屈折率が低く、金型離型性も悪い。
また、エチレン性不飽和結合を有さず水酸基及びフルオレン骨格を有する化合物(B)を含まない比較例2及び4は、屈折率又は基材への密着性のいずれかが低く、屈折率及び基材への密着性を高い水準で両立できない。
また、化合物(C)を含まない比較例3はTAC基材への密着性が悪い。
具体的には、フィルム状やシート状で使われるほか、プラスチックレンズ(プリズムレンズ、レンチキュラーレンズ、マイクロレンズ、フレネルレンズ、視野角向上レンズ、視野角制御レンズ及びコントラスト向上レンズ等)、光学補償フィルム、位相差フィムル、電磁波シールド用フィルム、プリズム、光ファイバー、フレキシブルプリント配線用ソルダーレジスト、メッキレジスト、多層プリント配線板用層間絶縁膜及び感光性光導波路として有用である。
Claims (3)
- 一般式(1)で表される化合物(A)と、エチレン性不飽和結合を有さず水酸基及びフルオレン骨格を有する化合物(B)と、エチレン性不飽和結合及びアミド結合を有する化合物(C)と、ラジカル重合開始剤(D)とを含有する硬化性組成物であって、前記化合物(B)が、化学式(2)で表される化合物であり、前記化合物(C)が、一般式(3)で表される化合物、一般式(4)で表される化合物、ビニルピロリドン及び(メタ)アクリロイルモルホリンからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である硬化性組成物(E)。
- 前記硬化性組成物の重量に基づいて、前記化合物(A)の重量割合が20〜90重量%であり、前記化合物(B)の重量割合が1〜20重量%であり、前記化合物(C)の重量割合が5〜50重量%であり、前記ラジカル重合開始剤(D)の重量割合が0.1〜10重量%である請求項1に記載の硬化性組成物。
- 請求項1又は2に記載の硬化性組成物を硬化させてなる硬化物。
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