JP6879315B2 - タイヤ用積層体および空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、主として空気入りタイヤの空気透過防止層として用いられるタイヤ用積層体と、それを用いた空気入りタイヤに関する。
近年、空気入りタイヤの空気透過防止層(インナーライナー層)として、従来のブチル系ゴムからなるゴム層に替えて、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂中にエラストマー成分が分散した熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルム層を用いることが行われている。このとき、樹脂を主体としたフィルム層は一般的にゴムに対する接着性が低いことから、フィルム層は、接着性を付与するための接着ゴム層を介在してタイヤ内面に配設される。そのため、フィルム層と接着ゴム層とからなる積層体(以下、タイヤ用積層体と言う)を、インナーライナー層に用いることがある。
一方で、空気入りタイヤにおいては、環境負荷を低減するために走行時の燃費性能を向上することが求められている。そのため、燃費性能の更なる改善のために、空気入りタイヤの各部(特に、従来は発熱性があまり考慮されていなかった部材)を構成するゴム組成物について、発熱を抑制することが検討されている。例えば、上述のタイヤ用積層体をインナーライナー層に用いたタイヤでは、接着ゴム層の発熱性の影響が大きいことが判ってきたため、これを構成するゴム組成物についても発熱を抑制することが求められている。
ゴム組成物の発熱性の指標としては、一般に動的粘弾性測定による60℃におけるtanδ(以下、「tanδ(60℃)」という。)が用いられ、ゴム組成物のtanδ(60℃)が小さいほど発熱性が小さくなる。そして、ゴム組成物のtanδ(60℃)を小さくする方法として、例えばカーボンブラック等の充填材の配合量を少なくしたり、カーボンブラックの粒径を大きくすることが挙げられる。或いは、シリカを配合することも提案されている(例えば特許文献1を参照)。しかしながら、これらの方法では、必ずしもゴム硬度や耐疲労性が十分に得られず、タイヤに利用したとき(特に、上述の接着ゴム層に用いたとき)に、操縦安定性や耐久性への影響が懸念される。また、接着ゴム層としての性能(フィルム層に対する接着性)も十分に得られない虞がある。そのため、タイヤ用積層体(接着ゴム層として用いることを意図したタイヤ用ゴム組成物)において、タイヤに用いたときの操縦安定性、耐久性、接着性(剥離強度)を良好に確保しながら、低転がり性を向上する更なる対策が求められている。
特開2015‐059181号公報
本発明の目的は、転がり抵抗が低く、タイヤに用いたときの操縦安定性、耐久性、接着性(剥離強度)に優れるタイヤ用積層体と、それを用いた空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を達成する本発明のタイヤ用積層体は、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂中にエラストマー成分が分散した熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルム層と、該フィルム層を隣接部材に対して接着するための接着ゴム層とで構成されたタイヤ用積層体であって、前記接着ゴム層が、末端変性ブタジエンゴム20質量%〜70質量%と、天然ゴム30質量%〜80質量%とを含むゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックが20質量部〜80質量部、下記一般式(1)で表される化合物とホルムアルデヒドとの縮合物が0.5質量部〜20質量部、メチレンドナーが0.25質量部〜200質量部配合され、前記縮合物の配合量に対する前記メチレンドナーの配合量の比率が0.5〜10であり、前記末端変性ブタジエンゴムの重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)から求められる分子量分布(Mw/Mn)が2.0以下であり、前記末端変性ブタジエンゴムの末端の官能基がシラノール基、ポリオルガノシロキサン基、N−メチルピロリドン基からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする。
Figure 0006879315
(式中、R1、R2、R3、R4、R5は、水素、ヒドロキシル基または炭素原子数が1〜12個のアルキル基である。)
本発明のタイヤ用積層体は、接着ゴム層が上述の特定のゴム組成物で構成されているので、転がり抵抗を低減しながら、タイヤに用いたときの操縦安定性、耐久性、接着性(剥離強度)を向上することができる。特に、接着ゴム層を構成するゴム組成物が、特定の縮合物とメチレンドナーと末端変性ブタジエンゴムとを組み合わせて用いているので、発熱性を悪化させずに、ゴム物性を高めることができ、前述の性能をバランスよく改善することができる。
本発明においては、熱可塑性樹脂が、ポリビニルアルコール、エチレン‐ビニルアルコール共重合体、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン6/66、ナイロンMXD6、およびナイロン6Tからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これにより、フィルム層の物性を向上することができ、特に接着性(剥離強度)を向上するには有利になる。
本発明においては、エラストマー成分が、臭素化イソブチレン‐p‐メチルスチレン共重合体、無水マレイン酸変性エチレン‐α‐オレフィン共重合体、エチレン‐グリシジルメタクリレート共重合体、およびスチレン‐イソブチレン‐スチレンブロック共重合体、酸無水物変性スチレン‐イソブチレン‐スチレンブロック共重合体、および無水マレイン酸変性エチレン‐エチルアクリレート共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これにより、フィルム層の物性を向上することができ、特に接着性(剥離強度)を向上するには有利になる。
本発明では、メチレンドナーが、変性エーテル化メチロールメラミン、パラホルムアルデヒド、ヘキサメチレンテトラミン、ペンタメチレンテトラミン、およびヘキサメトキシメチルメラミンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。これにより、接着ゴム層の物性を向上することができ、特に接着性(剥離強度)を向上するには有利になる。
本発明では、接着ゴム層を構成するゴム組成物に配合される末端変性ブタジエンゴムの重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)から求められる分子量分布(Mw/Mn)が2.0以下である。このように分子量分布を狭くすることで、ゴム物性がより良好になり、転がり抵抗を低減しながら耐久性を向上するには有利になる。尚、「重量平均分子量Mw」と「数平均分子量Mn」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算により測定するものとする。
本発明では、接着ゴム層を構成するゴム組成物に配合される末端変性ブタジエンゴムの末端の官能基が、シラノール基、ポリオルガノシロキサン基、N−メチルピロリドン基からなる群から選ばれる少なくとも1種である。これにより、接着ゴム層がカーボンブラックを含む場合に、カーボンブラックとの親和性が高まり、カーボンブラックの分散性がより改善されるので、より効果的に、発熱性を低く維持しながらゴム硬度や耐久性を高めることができ、これら性能をバランスよく両立するには有利になる。
本発明のタイヤ用積層体は、空気入りタイヤ用インナーライナー材として用いることが好ましい。また、本発明のタイヤ用積層体で構成されたインナーライナー層を備えた空気入りタイヤは、上述の接着ゴム層を構成するゴム組成物の優れた物性により、転がり抵抗を低減しながら、操縦安定性、耐久性、接着性(剥離強度)を向上することができる。
本発明の実施形態からなる空気入りタイヤの子午線半断面図である。
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の空気入りタイヤは、トレッド部1と、このトレッド部1の両側に配置された一対のサイドウォール部2と、サイドウォール部2のタイヤ径方向内側に配置された一対のビード部3とを備えている。図1において、符号CLはタイヤ赤道を示す。尚、図1は子午線断面図であるため描写されないが、トレッド部1、サイドウォール部2、ビード部3は、それぞれタイヤ周方向に延在して環状を成しており、これにより空気入りタイヤのトロイダル状の基本構造が構成される。以下、図1を用いた説明は基本的に図示の子午線断面形状に基づくが、各タイヤ構成部材はいずれもタイヤ周方向に延在して環状を成すものである。
左右一対のビード部3間にはカーカス層4が装架されている。このカーカス層4は、各ビード部3に配置されたビードコア5の廻りに車両内側から外側に折り返されている。また、ビードコア5の外周上にはビードフィラー6が配置され、このビードフィラー6がカーカス層4の本体部と折り返し部とにより包み込まれている。一方、トレッド部1におけるカーカス層4の外周側には複数層のベルト層7が埋設されている。更に、ベルト層7の外周側にはベルト補強層8が設けられている。
上記空気入りタイヤにおいて、カーカス層4よりも内側であって、タイヤ空洞に面する部位には、インナーライナー層9が配設されている。このインナーライナー層9は、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂中にエラストマー成分が分散した熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルム層9Aと、このフィルム層9Aをインナーライナー層9を除いて最もタイヤ空洞側に位置するタイヤ構成部材(以下、「隣接部材」と言う場合がある)に対して接着するための接着ゴム層9Bとで構成されたタイヤ用積層体で構成されている。
本発明の空気入りタイヤは、インナーライナー層9として後述のタイヤ積層体を用いたものであれば、その具体的な構造は上述の基本構造に限定されるものではない。
タイヤ用積層体の接着ゴム層9Bを構成するタイヤ用ゴム組成物(以下、「本発明のタイヤ用ゴム組成部」と言う場合がある)において、ゴム成分はジエン系ゴムであり末端変性ブタジエンゴムを必ず含む。
末端変性ブタジエンゴムは、分子鎖の片末端または両末端が官能基を有する有機化合物で変性されたブタジエンゴムである。このような末端変性ブタジエンゴムを配合することにより、後述のカーボンブラックとの親和性を高くし分散性を改善するため、発熱性を低く維持しながら、カーボンブラックの作用効果を一層向上して、ゴム硬度を高めることができる。分子鎖の末端を変性する官能基としては、例えばアルコキシシリル基、ヒドロキシル基(水酸基)、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、アミド基、イミノ基、アルコキシル基、エポキシ基、アミド基、チオール基、エーテル基、シロキサン結合基を挙げることができる。なかでもヒドロキシル基(水酸基)、アミノ基、アミド基、アルコキシル基、エポキシ基、シロキサン結合基から選ばれる少なくとも一つであるとよい。ここで、シロキサン結合基は、−O−Si−O−構造を有する官能基とする。
ゴム成分(ジエン系ゴム)全体を100質量%としたとき、末端変性ブタジエンゴムの配合量は、20質量%〜100質量%、好ましくは20質量%〜70質量%である。末端変性ブタジエンゴムの配合量が20質量%未満であると低燃費性が悪化する。
末端変性ブタジエンゴムの重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)から求められる分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.1〜1.6である。このように、末端変性ブタジエンゴムとして分子量分布が狭いものを用いることで、ゴム物性がより良好になり、転がり抵抗を低減しながら、タイヤにしたときの操縦安定性、耐久性、および剥離強度を効果的に向上することができる。末端変性ブタジエンゴムの分子量分布(Mw/Mn)が2.0を超えるとヒステリシスロスが大きくなってゴムの発熱性が大きくなると共に、耐コンプレッションセット性が低下する。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、天然ゴム、末端変性ブタジエンゴム以外の他のジエン系ゴムを含有してもよい。他のジエン系ゴムとしては、例えば、末端変性していないブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリル‐ブタジエンゴム等が挙げられる。これらジエン系ゴムは、単独又は任意のブレンドとして使用することができる。
これら他のジエン系ゴムのなかでも天然ゴムを用いることが好ましく、天然ゴムを配合することで、タイヤ用ゴム組成物として充分なゴム強度を得ることができる。天然ゴムとしては、タイヤ用ゴム組成物に通常用いられるゴムを使用することができる。ゴム成分(ジエン系ゴム)全体を100質量%としたとき、天然ゴムの配合量は好ましくは20質量%〜80質量%、より好ましくは30質量%〜80質量%である。更に、天然ゴムに加えて、末端変性していない他のブタジエンゴムを併用することも好ましい。末端変性ブタジエンゴムと天然ゴムと他のブタジエンゴムを併用することで、シート性形成および接着時の界面形成性を向上することができる。末端変性していない他のブタジエンゴムとしては、タイヤ用ゴム組成物に通常用いられるゴムを使用することができる。ゴム成分(ジエン系ゴム)全体を100質量%としたとき、末端変性していない他のブタジエンゴムの配合量は好ましくは30質量%〜60質量%、より好ましくは30質量%〜50質量%である。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、充填剤としてカーボンブラックを配合することが好ましい。カーボンブラックを配合することでゴム組成物の強度を高めることができる。特に、本発明で使用するカーボンブラックは、窒素吸着比表面積N2 SAが好ましくは20m2 /g〜150m2 /g、より好ましくは20m2 /g〜120m2 /gである。このように特定の粒径のカーボンブラックを上述の末端変性ブタジエンゴムと組み合わせて配合することで、発熱性を低く維持しながら、ゴム硬度を効果的に高めることができる。カーボンブラックの窒素吸着比表面積N2 SAが好ましくは20m2 /g未満であるとタイヤにしたときの耐久性が悪化する。カーボンブラックの窒素吸着比表面積N2 SAが好ましくは150m2 /gを超えると発熱性が悪化する。
カーボンブラックの配合量は、上述のゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部〜80質量部、より好ましくは30質量部〜70質量部である。カーボンブラックの配合量が20質量部未満であると硬度が低下し、タイヤにしたときの耐久性が低下する。カーボンブラックの配合量が80質量部を超えると発熱性が悪化する。
本発明のゴム組成物は、カーボンブラック以外の他の無機充填剤を配合することができる。他の無機充填剤としては、例えばシリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、水酸化アルミニウム等を例示することができる。
本発明のゴム組成物は、下記一般式(1)で表される化合物とホルムアルデヒドとの縮合物を必ず含む。このような素材を用いることで、タイヤ用積層体におけるフィルム層9Aと接着ゴム層9Bとの接着が良好になる。
Figure 0006879315
(式中、R1、R2、R3、R4、R5は、水素、ヒドロキシル基または炭素原子数が1〜12個のアルキル基である。)
この縮合物の配合量は、ゴム成分100質量部に対して、0.5質量部〜20質量部、好ましくは2質量部〜8質量部である。これにより、タイヤ用積層体におけるフィルム層9Aと接着ゴム層9Bとの接着を良好にすることができる。この縮合物の配合量が0.5質量部未満であると、フィルム層9Aとの接着性が不足する。この縮合物の配合量が20質量部を超えると、ゴム組成物の硬度が過剰になり、タイヤの変形に追従できずにフィルム層9との剥離が生じる虞がある。
この縮合物としては、レゾール型縮合物やノボラック型縮合物を例示することができる。レゾール型縮合物としては、例えば、レゾール型フェノール系樹脂(アルキルフェノール・ホルムアルデヒド縮合体)を用いることができる。ノボラック型縮合物としては、例えば、ノボラック型フェノール樹脂(変性レゾルシン・ホルムアルデヒド縮合体)を用いることができる。レゾール型縮合物を用いた場合、自己反応性があるためメチレンドナーの添加が不要という利点がある。また、ノボラック型縮合物を用いた場合、反応制御が容易であり、メチレンドナーの添加量により接着性も制御できるという利点がある。特に、反応制御の観点から、ノボラック型縮合物を用いることが好ましい。
本発明のゴム組成物は、メチレンドナーが必ず配合される。メチレンドナーとしては、例えば、変性エーテル化メチロールメラミン、ヘキサメチレンテトラミン、ペンタメチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミン、メチロールメラミン、エーテル化メチロールメラミン、エステル化メチロールメラミン、ヘキサメトキシメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン、ヘキサキス(エトキシメチル)メラミン、ヘキサキス(メトキシメチル)メラミン、N,N′,N″−トリメチル−N,N′,N″−トリメチロールメラミン、N,N′,N″−トリメチロールメラミン、N−メチロールメラミン、N,N′−ビス(メトキシメチル)メラミン、N,N′,N″−トリブチル−N,N′,N″−トリメチロールメラミン、パラホルムアルデヒド等を用いることができる。なかでも、ホルムアルデヒドの放出温度の観点から、変性エーテル化メチロールメラミン、パラホルムアルデヒド、ヘキサメチレンテトラミン、ペンタメチレンテトラミン、およびヘキサメトキシメチルメラミンが好ましい。メチレンドナーの配合量は、ゴム成分100質量部に対して、0.25質量部〜200質量部、好ましくは3質量部〜24質量部である。特に、前述の縮合物の配合量に対するメチレンドナーの配合量の比率を0.5〜10、好ましくは1.5〜3.0に設定するとよい。メチレンドナーの配合量が0.25質量部未満であると、フィルム層9Aとの接着性が不足する。メチレンドナーの配合量が200質量部を超えると、ゴム組成物の硬度が過剰になり、タイヤの変形に追従できずにフィルム層9との剥離が生じる虞がある。縮合物の配合量に対するメチレンドナーの配合量の比率が0.5未満であると、フィルム層9Aとの接着性が不足する虞がある。縮合物の配合量に対するメチレンドナーの配合量の比率が10を超えると、ゴム組成物の硬度が過剰になり、タイヤの変形に追従できずにフィルム層9との剥離が生じる虞がある。
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、上記以外の他の配合剤を添加することができる。他の配合剤としては、加硫又は架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤、液状ポリマー、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂など、一般的に空気入りタイヤに使用される各種配合剤を例示することができる。これら配合剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量にすることができる。また混練機としは、通常のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、上述の配合や物性により、転がり抵抗を低減しながら、タイヤに用いたときの操縦安定性、耐久性、接着性(剥離強度)を向上することができる。特に、特定の縮合物とメチレンドナーと末端変性ブタジエンゴムとを組み合わせて用いているので、発熱を悪化させずに、接着性やゴム硬度を高めることが可能になり、前述の性能をバランスよく改善することができる。そのため、本発明のタイヤ用ゴム組成物は、インナーライナー層9に用いることを意図したタイヤ用積層体の接着ゴム層9Bに好適に用いることができる。本発明のタイヤ用ゴム組成物を接着ゴム層9Bとして用いたタイヤ用積層体は、その優れた接着性によりフィルム層9Aを隣接部材に確実に接着することができ、また、転がり抵抗が低いことでタイヤ全体の発熱性も低減することができる。更に、その優れた物性により、操縦安定性や耐久性についても良好に発揮することができる。
本発明のタイヤ用積層体のフィルム層9Aが熱可塑性樹脂で構成される場合、熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂〔例えば、ナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6(MXD6)、ナイロン6T、ナイロン9T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体〕及びそれらのN−アルコキシアルキル化物、例えば、ナイロン6のメトキシメチル化物、ナイロン6/610共重合体のメトキシメチル化物、ナイロン612のメトキシメチル化物、ポリエステル系樹脂〔例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸/ポリブチレンテレフタレート共重合体などの芳香族ポリエステル〕、ポリニトリル系樹脂〔例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、(メタ)アクリロニトリル/スチレン共重合体、(メタ)アクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体〕、ポリメタクリレート系樹脂〔例えば、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル〕、ポリビニル系樹脂〔例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体、塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合体(ETFE)〕、セルロース系樹脂〔例えば、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース〕、フッ素系樹脂〔例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリクロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフロロエチレン/エチレン共重合体〕、イミド系樹脂〔例えば、芳香族ポリイミド(PI)〕等を用いることができる。なかでも、ポリビニルアルコール、エチレン‐ビニルアルコール共重合体、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン6/66、ナイロンMXD6、およびナイロン6Tからなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
本発明のタイヤ用積層体のフィルム層9Aが熱可塑性樹脂中にエラストマー成分が分散した熱可塑性エラストマー組成物で構成される場合、熱可塑性樹脂については上述のものを使用することができる。エラストマー成分としては、例えば、ジエン系ゴム及びその水添物〔例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、エポキシ化天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR、高シスBR及び低シスBR)、ニトリルゴム(NBR)、水素化NBR、水素化SBR〕、オレフィン系ゴム〔例えば、エチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)、ブチルゴム(IIR)、イソブチレンと芳香族ビニル又はジエン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー〕、含ハロゲンゴム〔例えば、Br−IIR、CI−IIR、臭素化イソブチレン−p−メチルスチレン共重合体(BIMS)、クロロプレンゴム(CR)、ヒドリンゴム(CHR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、塩素化ポリエチレンゴム(CM)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレンゴム(M−CM)〕、シリコーンゴム〔例えば、メチルビニルシリコーンゴム、ジメチルシリコーンゴム、メチルフェニルビニルシリコーンゴム〕、含イオウゴム〔例えば、ポリスルフィドゴム〕、フッ素ゴム〔例えば、ビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系ゴム、含フッ素シリコーン系ゴム、含フッ素ホスファゼン系ゴム〕、熱可塑性エラストマー〔例えば、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー〕等を使用することができる。なかでも、臭素化イソブチレン‐p‐メチルスチレン共重合体、無水マレイン酸変性エチレン‐α‐オレフィン共重合体、エチレン‐グリシジルメタクリレート共重合体、およびスチレン‐イソブチレン‐スチレンブロック共重合体、酸無水物変性スチレン‐イソブチレン‐スチレンブロック共重合体、および無水マレイン酸変性エチレン‐エチルアクリレート共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることが好ましい。
表1〜2に示す配合からなる19種類のゴム組成物(標準例1、比較例1〜7、実施例1〜11)からなるゴムシートと、表3に示す組成の熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルム層とを積層してタイヤ用積層体を製造した。更に、製造したタイヤ用積層体をインナーライナー層に用いた空気入りタイヤ(タイヤサイズ195/65R15)を作製した(尚、実施例1〜11のうち、後述の変性BR1(Mw/Mn=2.5)を用いた実施例3、6と、天然ゴムを含まない実施例7〜9はそれぞれ参考例である)
熱可塑性樹脂中にエラストマー成分が分散した熱可塑性エラストマー組成物において、特定の熱可塑性樹脂とエラストマー成分との組成比は、特に限定されるものではなく、熱可塑性樹脂のマトリクス中にエラストマー成分が不連続相として分散した構造をとるように適宜決めればよい。熱可塑性樹脂とエラストマー成分との重量比は好ましくは90/10〜30/70である。
熱可塑性樹脂中にエラストマー成分が分散した熱可塑性エラストマー組成物には、インナーライナーとしての必要特性を損なわない範囲で相溶化剤などの他のポリマーを混合することができる。他のポリマーを混合する目的は、熱可塑性樹脂とエラストマー成分との相溶性を改良するため、材料の成型加工性をよくするため、耐熱性向上のため、コストダウンのため等があり、これに用いられる材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ABS、SBS、ポリカーボネート(PC)等が挙げられる。エラストマー成分は、熱可塑性樹脂との混合の際に、動的に加硫することもできる。動的に加硫する場合の加硫剤、加硫助剤、加硫条件(温度、時間)などは添加するエラストマー成分の組成に応じて適宜決定すればよく、特に限定されるものではない。
上述のフィルム層9Aと接着ゴム層9Bとからなる本発明のタイヤ用積層体は、各層の優れた物性によって、転がり抵抗を低減しながら、タイヤにしたときの操縦安定性、耐久性、接着性(剥離強度)を向上することができる。そのため、このタイヤ用積層体で構成されたインナーライナー層9を備えた空気入りタイヤは、低燃費性能、操縦安定性、耐久性、接着性(剥離強度)をバランスよく向上することができる。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1〜2に示す配合からなる19種類のゴム組成物(標準例1、比較例1〜7、実施例1〜11)からなるゴムシートと、表3に示す組成の熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルム層とを積層してタイヤ用積層体を製造した。更に、製造したタイヤ用積層体をインナーライナー層に用いた空気入りタイヤ(タイヤサイズ195/65R15)を作製した。
得られたタイヤ用積層体および空気入りタイヤについて、下記に示す方法により、剥離強度、低燃費性能、操縦安定性、耐久性の評価を行った。
剥離強度
得られたタイヤ用積層体のフィルム層と接着ゴム層とを、互いに反対方向(180°)に引っ張ったときの剥離力を測定した。得られた結果は、標準例1の値を100とする指数として、表1〜2の「剥離強度」の欄に示した。この指数値が大きいほど剥離力が大きく、フィルム層と接着ゴム層との接着性に優れることを意味する。
低燃費性能
各空気入りタイヤを標準リムに組み付けて、室内ドラム試験機(ドラム径:1707.6mm)を用いて、ISO28580に準拠して、空気圧210kPa、荷重4.82kN、速度80km/hの条件で転がり抵抗を測定した。評価結果は、測定値の逆数を用い、標準例1の値を100とする指数で示した。この指数値が大きいほど転がり抵抗が低く、低燃費性能に優れることを意味する。
操縦安定性
各空気入りタイヤを標準リムに組み付けて、試験車両に装着し、空気圧を230kPaとし、操縦安定性についてテストドライバーによる官能試験を実施した。評価結果は、標準例1を100とする指数にて示した。この指数値が大きいほど操縦安定性が優れていることを意味する。
耐久性
各空気入りタイヤを標準リムに組み付けて、室内ドラム試験機(ドラム径:1707mm)を用いて、JIS D‐4230に準拠して、JATMA 2018年版規定荷重耐久性試験終了後に、5時間ごとに荷重を20%ずつ増加して、タイヤが破壊するまでの走行距離を測定した。評価結果は、標準例1の測定値を100とする指数で示した。この指数値が大きいほど耐久性に優れることを意味する。
Figure 0006879315
Figure 0006879315
表1〜2において使用した原材料の種類を下記に示す。
・NR:天然ゴム、SIR‐20
・BR:ブタジエンゴム、JSR社製BR01
・変性BR1:末端変性ブタジエンゴム、JSR社製 BR54(ガラス転移温度Tg:−107℃、官能基:シラノール基、分子量分布Mw/Mn=2.5)
・変性BR2:下記の方法で合成した末端変性ブタジエンゴム(ガラス転移温度Tg:−93℃、官能基:ポリオルガノシロキサン基、分子量分布は下記を参照)
・変性BR3:末端変性ブタジエンゴム、日本ゼオン社製 Nipol BR1250H(ガラス転移温度Tg:−96℃、官能基:N−メチルピロリドン基、分子量分布Mw/Mn=1.1)
・CB:カーボンブラック、東海カーボン社製 シーストV(窒素吸着比表面積N2 SA:27m2 /g)
・ステアリン酸:日新理化社製
・アロマオイル:昭和シェル石油社製「デソレックス3号」
・酸化亜鉛:正同化学工業社製 酸化亜鉛3種
・縮合体:変性レゾルシン・ホルムアルデヒド縮合体、住友化学工業社製スミカノール620
・メチレンドナー:田岡化学工業社製 スミカノール507AP
・硫黄:5%油展処理硫黄
・加硫促進剤:大内新興化学工業社製 ノクセラーDM
変性BR2の合成方法
攪拌機付きオートクレーブに、窒素雰囲気下、シクロヘキサン5670g、1,3‐ブタジエン700gおよび、テトラメチルエチレンジアミン0.17mmolを仕込んだ後、シクロヘキサンと1,3‐ブタジエンとに含まれる重合を阻害する不純物の中和に必要な量のn‐ブチルリチウムを添加し、更に、重合反応に用いる分のn−ブチルリチウムを8.33mmol加えて、50℃で重合を開始した。重合を開始してから20分経過後に、1,3‐ブタジエン300gを30分間かけて連続的に添加した。重合反応中の最高温度は80℃であった。連続添加終了後、更に15分間重合反応を継続し、重合転化率が95%から100%の範囲になったことを確認してから、少量の重合溶液をサンプリングした。サンプリングした少量の重合溶液は、過剰のメタノールを添加して反応停止した後、風乾して、重合体を取得し、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)分析の試料とした。その試料を用いて、重合体(活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖に該当)のピークトップ分子量および分子量分布を測定したところ、それぞれ、「23万」および「1.04」であった。
前述の少量の重合溶液をサンプリングした直後、重合溶液に、1,6‐ビス(トリクロロシリル)ヘキサン0.288mmol(重合に使用したn‐ブチルリチウムの0.0345倍モルに相当)を40重量%シクロヘキサン溶液の状態で添加し、30分間反応させた。更に、その後、ポリオルガノシロキサンA0.0382mmol(重合に使用したn‐ブチルリチウムの0.00459倍モルに相当)を20重量%キシレン溶液の状態で添加し、30分間反応させた。その後、重合停止剤として、使用したn‐ブチルリチウムの2倍モルに相当する量のメタノールを添加した。これにより、変性ブタジエンゴムを含有する溶液を得た。この溶液に、ゴム成分100部あたり、老化防止剤として2,4‐ビス(n‐オクチルチオメチル)‐6‐メチルフェノール0.2部を添加した後、スチームストリッピングにより溶媒を除去し、60℃で24時間真空乾燥して、固形状の変性ブタジエンゴム(変性BR2)を得た。この変性ブタジエンゴム(変性BR2)について、重量平均分子量、分子量分布、カップリング率、ビニル結合含有量、および、ムーニー粘度を測定したところ、それぞれ、「51万」、「1.46」、「28%」、「11質量%」および「46」であった。
Figure 0006879315
表3において使用した原材料の種類を下記に示す。
・Br−IPMS:臭素化イソブチレン‐p‐メチルスチレン共重合体、エクソンモービルケミカル社製 Exxpro 3035
・変性EEA:無水マレイン酸変性エチレン‐エチルアクリレート共重合体、三井・デュポンポリケミカル社製 HPR‐AR201
・N6/66:ナイロン6/66共重合体、宇部興産社製 UBEウベナイロン5033B
・酸化亜鉛:正同化学工業社製、亜鉛華3号
・ステアリン酸:千葉脂肪酸社製 工業用ステアリン酸
・ステアリン酸亜鉛:日油社製 ステアリン酸亜鉛
表1〜2から明らかなように、実施例1〜11のタイヤ用積層体および空気入りタイヤは、標準例1に対して剥離強度、低燃費性能、操縦安定性、および耐久性をバランスよく維持または向上した。
一方、比較例1のタイヤ用積層体および空気入りタイヤは、末端変性ブタジエンゴムを含まないため、剥離強度、操縦安定性、および耐久性が悪化した。比較例2〜4のタイヤ用積層体および空気入りタイヤは、末端変性ブタジエンゴムの配合量が少なく、且つカーボンブラックの配合量が少ないため、剥離強度、操縦安定性、および耐久性が悪化した。比較例5〜7のタイヤ用積層体および空気入りタイヤは、末端変性ブタジエンゴムの配合量が少ないため、剥離強度、低燃費性能、操縦安定性、および耐久性を改善する効果が得られなかった。
1 トレッド部
2 サイドウォール部
3 ビード部
4 カーカス層
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 ベルト層
8 ベルト補強層
9 インナーライナー層
9A フィルム層
9B 接着ゴム層
CL タイヤ赤道

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂中にエラストマー成分が分散した熱可塑性エラストマー組成物からなるフィルム層と、該フィルム層を隣接部材に対して接着するための接着ゴム層とで構成されたタイヤ用積層体であって、
    前記接着ゴム層を構成するゴム組成物が、末端変性ブタジエンゴム20質量%〜70質量%と、天然ゴム30質量%〜80質量%とを含むゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックが20質量部〜80質量部、下記一般式(1)で表される化合物とホルムアルデヒドとの縮合物が0.5質量部〜20質量部、メチレンドナーが0.25質量部〜200質量部配合され、前記縮合物の配合量に対する前記メチレンドナーの配合量の比率が0.5〜10であり、前記末端変性ブタジエンゴムの重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)から求められる分子量分布(Mw/Mn)が2.0以下であり、前記末端変性ブタジエンゴムの末端の官能基がシラノール基、ポリオルガノシロキサン基、N−メチルピロリドン基からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とするタイヤ用積層体。
    Figure 0006879315
    (式中、R1、R2、R3、R4、R5は、水素、ヒドロキシル基または炭素原子数が1〜12個のアルキル基である。)
  2. 前記熱可塑性樹脂が、ポリビニルアルコール、エチレン‐ビニルアルコール共重合体、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン6/66、ナイロンMXD6、およびナイロン6Tからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用積層体。
  3. 前記エラストマー成分が、臭素化イソブチレン‐p‐メチルスチレン共重合体、無水マレイン酸変性エチレン‐α‐オレフィン共重合体、エチレン‐グリシジルメタクリレート共重合体、およびスチレン‐イソブチレン‐スチレンブロック共重合体、酸無水物変性スチレン‐イソブチレン‐スチレンブロック共重合体、および無水マレイン酸変性エチレン‐エチルアクリレート共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ用積層体。
  4. 前記メチレンドナーが、変性エーテル化メチロールメラミン、パラホルムアルデヒド、ヘキサメチレンテトラミン、ペンタメチレンテトラミン、およびヘキサメトキシメチルメラミンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用積層体。
  5. 請求項1〜に記載のタイヤ用積層体で構成されたことを特徴とする空気入りタイヤ用インナーライナー材。
  6. 請求項1〜に記載のタイヤ用積層体で構成されたインナーライナー層を備えた空気入りタイヤ。
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