JP6144866B2 - 粘接着剤組成物及びそれを用いた接着方法、並びに積層体及びタイヤ - Google Patents

粘接着剤組成物及びそれを用いた接着方法、並びに積層体及びタイヤ Download PDF

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本発明は、粘接着剤組成物及びそれを用いた接着方法、並びに積層体及びタイヤに関し、特に、フィルム層に対する接着力と、ゴム層に対する接着力との両方を向上させ、且つ、ガラス転移温度を低下させることが可能な粘接着剤組成物及びそれを用いた接着方法、並びに該方法により形成された積層体及び該積層体を使用したタイヤに関する。
タイヤのインナーライナー構造として、図1に示すような、樹脂フィルム層(フィルム層)10、粘接着剤層11、ブチルインナー層(ゴム層)12の3層構造が知られている。ここで、タイヤの内圧を保持するためにタイヤ内面に空気バリア層として配設されるブチルインナー層12には、ブチルゴムやハロゲン化ブチルゴム等を主原料とするゴム組成物が使用されている。また、樹脂フィルム層10として、熱可塑性樹脂及び熱可塑性エラストマーからなるフィルムを利用する技術が知られている。さらに、粘接着剤層11については、種々の材料が検討されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
前記3層構造のインナーライナー構造は、樹脂フィルム層10及びブチルインナー層12を有するため、耐空気透過性が高いものの、タイヤ重量が大きいという問題がある。
斯かる問題を解決すべく、ブチルインナー層12及びスキージー層13を除去して軽量化すること(図2)が検討されている。
この場合、樹脂フィルム層20又はカーカスコード層22に、メタロックR−46(東洋化学研究所(株)社製)、ケムロック6250(ロード・コーポレーション社製)等の市販粘接着剤を塗布して、樹脂フィルム層20と、カーカスコード層22とを接着する技術が知られている。
しかしながら、前記市販粘接着剤により形成された粘接着剤層21は、タック性が低く、樹脂フィルム層20に対する接着力と、カーカスコード層22に対する接着力との両方を向上させることは困難であるため、樹脂フィルム層20とカーカスコード層22との接着力が不十分となり、樹脂フィルム層20とカーカスコード層22とが剥離せずにタイヤを安定して生産できる粘接着剤を適用することが望まれている。
さらに、鉛、ハロゲン等を含有しない、より環境に優しい粘接着剤を用いることが要求されている。
斯かる問題を解決すべく、主鎖変性エラストマー(主鎖変性ポリマー)を用いて樹脂フィルム層20とカーカスコード層22とを加硫接着することが行われている。
しかしながら、樹脂フィルム層20とカーカスコード層22との接着力を向上させるために、主鎖変性エラストマー(主鎖変性ポリマー)の変性率を高くすると、該主鎖変性エラストマー(主鎖変性ポリマー)を含む粘接着剤のガラス転移温度(Tg)が上昇して、低温での弾性率が高くなるという問題がある。
特開平7−82418号公報 特開2007−98843号公報
本発明は、フィルム層に対する接着力と、ゴム層に対する接着力との両方を向上させ、且つ、ガラス転移温度を低下させることが可能な粘接着剤組成物及びそれを用いた接着方法、並びに積層体及びタイヤを提供することを目的とする。
さらに、本発明は、フィルム層に対する接着力と、ゴム層に対する接着力との両方を向上させ、且つ、ガラス転移温度を低下させることに加えて、低温弾性率の増加を抑制してクラックを防止できる粘接着剤組成物及びそれを用いた接着方法、並びに積層体及びタイヤを提供することを目的とする。
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、粘接着剤組成物が、ジエン骨格を有し、片末端のみ又は両末端のみが官能基によって変性された末端変性エラストマーを含むことにより、その目的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明の粘接着剤組成物は、ジエン骨格を有し、片末端のみが官能基によって変性された末端変性エラストマーを含み、前記末端変性エラストマーの含有量が、ゴム成分の5質量%〜60質量%であり、前記ゴム成分が、ジエン骨格を有する未変性エラストマーを更に含み、前記未変性エラストマーの含有量が、ゴム成分の95質量%〜40質量%であり、前記ゴム成分が末端変性エラストマー及び未変性エラストマーからなり、前記官能基が窒素含有官能基であり、前記窒素含有官能基がアミノ基であり、樹脂フィルム層と、天然ゴムからなるカーカスコード層を粘接着対象物にすることを特徴とする。
前記粘接着剤組成物のガラス転移温度が、−20℃以下であることが望ましい。
前記粘接着剤組成物は、架橋剤を更に含んでいてもよく、架橋促進剤を更に含んでいてもよい。
本発明の接着方法は、前記粘接着剤組成物を、フィルム層と未加硫ゴム層との間に配設し、前記フィルム層と前記未加硫ゴム層とを加硫することを特徴とする。
前記フィルム層は、ポリアミド系重合体、エチレン−ビニルアルコール系共重合体、ウレタン系重合体、オレフィン系重合体、及びジエン系重合体から選択される少なくとも1種を含んでいてもよい。
前記粘接着剤組成物を良溶媒に溶解してなる塗布液を、前記フィルム層又は前記未加硫ゴム層に塗布してもよい。
また、前記粘接着剤組成物を、シート状にした後に、前記フィルム層と前記未加硫ゴム層との間に配設してもよい。
本発明の積層体は、本発明の接着方法によりフィルム層と未加硫ゴム層とが接着されたことを特徴とする。
また、本発明のタイヤは、本発明の積層体を有することを特徴とする。
本発明によれば、フィルム層に対する接着力と、ゴム層に対する接着力との両方を向上させ、且つ、ガラス転移温度を低下させることが可能な粘接着剤組成物及びそれを用いた接着方法、並びに積層体及びタイヤを提供することができる。
さらに、本発明によれば、フィルム層に対する接着力と、ゴム層に対する接着力との両方を向上させ、且つ、ガラス転移温度を低下させることに加えて、低温弾性率の増加を抑制してクラックを防止できる粘接着剤組成物及びそれを用いた接着方法、並びに積層体及びタイヤを提供することができる。
インナーライナー構造の一例を示す概略構成図である。 インナーライナー構造の他の例を示す概略構成図である。
以下、本発明について、必要に応じて図面を参照しつつ具体的に説明する。
本明細書において、「主鎖」は分子の鎖の中で最も長い炭素鎖を意味し、「側鎖」は主鎖から枝分かれした炭素鎖を意味し、「末端」は主鎖の最も端の部分を意味する。
(粘接着剤組成物)
本発明の粘接着剤組成物は、少なくとも、末端変性エラストマー(末端変性ポリマー)を含有してなり、さらに必要に応じて、未変性エラストマー、架橋剤、架橋促進剤、その他の成分を含有してなる。ここで、前記末端変性エラストマー及び前記未変性エラストマーがゴム成分を構成する。
本発明の粘接着剤組成物のガラス転移温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、−20℃以下が好ましく、−50℃以下がより好ましい。
前記ガラス転移温度が−20℃を超えると、クラックが発生することがある。一方、前記ガラス転移温度が、より好ましい範囲内であると、低温クラック性の点で有利である。
なお、前記ガラス転移温度は、例えば、動的粘弾性測定装置(商品名:ARES、Rheometric Scientific社製)を用いて温度依存性測定することによって測定することができる。
<末端変性エラストマー>
前記末端変性エラストマーは、ジエン骨格を有し、片末端のみ又は両末端のみが官能基によって変性されたものである限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、共役ジエン単独重合体、芳香族ビニル化合物−共役ジエン共重合体等の共役ジエン系重合体、などが挙げられる。
前記末端変性エラストマーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ゴム成分の10質量%〜100質量%が好ましく、30質量%〜
80質量%がより好ましい。
前記末端変性エラストマーの含有量が、10質量%未満であると、フィルム層に対する接着力と、ゴム層に対する接着力との両方を向上させることができないことがある。一方、前記末端変性エラストマーの含有量が、前記より好ましい範囲内であると、フィルム層に対する接着力と、ゴム層に対する接着力との両方の点で有利である。
前記末端変性エラストマーの重量平均分子量(Mw)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1000〜2000000が好ましく、4000〜1000000がより好ましい。
前記重量平均分子量(Mw)が、1000以上であると、加硫後の疲労耐久性向上に寄与することができ、2000000以下であると、粘度を抑制して作業性を確保しやすい。一方、前記重量平均分子量(Mw)が、前記より好ましい範囲内であると、耐疲労性と作業性の両立の点で有利である。
なお、前記重量平均分子量(Mw)は、例えば、GPC(商品名:GPCシステム、島津製作所製)を用いて分子量分布測定することによって測定することができる。
−ジエン骨格−
前記ジエン骨格とは、主鎖に二重結合を含む、ジエン化合物が重合された重合体の構造を意味する。
前記ジエン骨格を有するエラストマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−官能基−
前記官能基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸素含有官能基、窒素含有官能基、などが挙げられる。
−−酸素含有官能基−−
前記酸素含有官能基としては、酸素原子を含有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エポキシ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、などが挙げられる。
−−窒素含有官能基−−
前記窒素含有官能基としては、窒素原子を含有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、アミノ基、イソシアネート基、などが挙げられる。
−末端変性−
前記末端変性とは、エラストマーの分子鎖の片末端のみ又は両末端のみが前記官能基によって変性されていることを意味する。ここで、「片末端のみ又は両末端のみ」とは、末端以外の部分は変性されていないことを意味する。
前記末端変性は、主鎖変性と比べて、立体障害が小さく、フレキシブルな構造であるため、変性率が低くても、高い接着力を発現する。このことにより、接着力と、低いガラス転移温度(Tg)との両立を可能にする。
前記末端変性は、より効果的に接着力を発揮する点で、両末端のみが変性されていることが好ましい。
−末端変性エラストマーの製造方法−
例えば、まず活性末端を有する共役ジエン系重合体を得た後、この共役ジエン系重合体の該活性末端に、前記変性基をもつ変性剤を反応させることにより、目的の末端変性エラストマーを製造することができる。また、Tgの高いセグメントを主鎖とする場合も同様である。
活性末端を有する共役ジエン系重合体は、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤としてアニオン重合により重合したもの、又は希土類金属化合物を重合開始剤として配位重合により重合したものであることが好ましい。
重合方法については特に制限はなく、溶液重合法、気相重合法、バルク重合法のいずれも用いることができるが、特に溶液重合法が好ましい。また、重合形式は、回分式及び連続式のいずれであってもよい。
前記共役ジエン系重合体に用いられる共役ジエン化合物としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上組み合わせて用いてもよいが、これらの中でも、1,3−ブタジエン、イソプレン及び2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンが特に好ましい。
また、これらの共役ジエン化合物との共重合に用いられる芳香族ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレン、3−ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4−シクロへキシルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、スチレンが特に好ましい。
更に、単量体として共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を用いて共重合を行う場合、それぞれ1,3−ブタジエン及びスチレンの使用が、単量体の入手の容易さ等の実用性面、及びアニオン重合特性がリビング性等の点で優れること等から、特に好適である。また、溶液重合法を用いた場合には、溶媒中の単量体濃度は、好ましくは5質量%〜50質量%、より好ましくは10質量%〜30質量%である。なお、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を用いて共重合を行う場合、仕込み単量体混合物中の芳香族ビニル化合物の含量は0質量%〜55質量%の範囲が好ましい。
−−アニオン重合−−
アニオン重合により、活性末端を有する重合体を得る方法としては、例えば共役ジエン系重合体の場合、有機アルカリ金属化合物を開始剤とし、有機溶媒中で共役ジエン化合物単独、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とをアニオン重合させる方法を用いることができる。
有機アルカリ金属化合物としては、ヒドロカルビルリチウム化合物、リチウムアミド化合物又は第1族金属アルコキシドを用いることが好ましい。第1族金属アルコキシドの第1族金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等が挙げられる。重合開始剤としてヒドロカルビルリチウム化合物を用いる場合、重合開始末端にヒドロカルビル基を有し、他方の末端が重合活性部位である共役ジエン系重合体が得られる。一方、重合開始剤としてリチウムアミド化合物を用いる場合は、重合開始末端に窒素含有官能基を有し、他方の末端が重合活性部位である共役ジエン系重合体が得られる。
なお、ヒドロカルビルリチウム化合物、リチウムアミド化合物等の有機リチウム化合物又は第1族金属アルコキシドの、重合開始剤としての使用量は、単量体100g当り0.2ミリモル(mmol)〜20ミリモル(mmol)の範囲が好ましい。
前記ヒドロカルビルリチウム化合物としては、例えば、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチルフェニルリチウム、4−フェニル−ブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、シクロペンチルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムとの反応生成物等が挙げられ、これらの中でも、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−デシルリチウム等のアルキルリチウムが好ましく、n−ブチルリチウムがより好ましい。
一方、前記リチウムアミド化合物としては、例えば、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジブチルアミド、リチウムジヘキシルアミド、リチウムジヘプチルアミド、リチウムジオクチルアミド、リチムジ−2−エチルヘキシルアミド、リチウムジデシルアミド、リチウム−N−メチルピペラジド、リチウムエチルプロピルアミド、リチウムエチルブチルアミド、リチウムメチルブチルアミド、リチウムエチルベンジルアミド、リチウムメチルフェネチルアミド等が挙げられる。
前記リチウムアミド化合物は、二級アミンとリチウム化合物から予備調製して重合反応に用いてもよいが、重合系中で生成させてもよい。ここで、前記二級アミンとしては、例えば、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジオクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジイソブチルアミン等の他、アザシクロヘプタン(即ち、ヘキサメチレンイミン)、2−(2−エチルヘキシル)ピロリジン、3−(2−プロピル)ピロリジン、3,5−ビス(2−エチルヘキシル)ピペリジン、4−フェニルピペリジン、7−デシル−1−アザシクロトリデカン、3,3−ジメチル−1−アザシクロテトラデカン、4−ドデシル−1−アザシクロオクタン、4−(2−フェニルブチル)−1−アザシクロオクタン、3−エチル−5−シクロヘキシル−1−アザシクロヘプタン、4−ヘキシル−1−アザシクロヘプタン、9−イソアミル−1−アザシクロヘプタデカン、2−メチル−1−アザシクロヘプタデセ−9−エン、3−イソブチル−1−アザシクロドデカン、2−メチル−7−t−ブチル−1−アザシクロドデカン、5−ノニル−1−アザシクロドデカン、8−(4’−メチルフェニル)−5−ペンチル−3−アザビシクロ[5.4.0]ウンデカン、1−ブチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタン、8−エチル−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン、1−プロピル−3−アザビシクロ[3.2.2]ノナン、3−(t−ブチル)−7−アザビシクロ[4.3.0]ノナン、1,5,5−トリメチル−3−アザビシクロ[4.4.0]デカン等の環状アミンが挙げられる。一方、リチウム化合物としては、上記ヒドロカルビルリチウム化合物を用いることができる。
本発明においては、重合開始剤の有機アルカリ金属化合物として、アルキルリチウムを用いることが好ましい。また、上記有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として、アニオン重合により活性末端を有する共役ジエン系重合体を製造する方法としては、特に制限はなく、例えば、重合反応に不活性な炭化水素溶媒中で、共役ジエン化合物単独で、又は共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との混合物を重合させることで共役ジエン系重合体を製造することができる。ここで、重合反応に不活性な炭化水素溶媒としては、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、プロペン、1−ブテン、イソブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
前記アニオン重合は、ランダマイザーの存在下で実施してもよい。該ランダマイザーは、共役ジエン化合物のミクロ構造を制御することができ、例えば、単量体としてブタジエンを用いた重合体のブタジエン単位の1,2−結合含量を制御したり、単量体としてスチレンとブタジエンを用いた共重合体のブタジエン単位とスチレン単位とをランダム化する等の作用を有する。
前記ランダマイザーとしては、例えば、ジメトキシベンゼン、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ビステトラヒドロフリルプロパン、トリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、1,2−ジピペリジノエタン、カリウム−t−アミレート、カリウム−t−ブトキシド、ナトリウム−t−アミレート等が挙げられる。これらランダマイザーの使用量は、重合開始剤の有機アルカリ金属化合物1モル当り0.01〜100モル当量の範囲が好ましい。
前記アニオン重合の重合温度は、0℃〜150℃の範囲が好ましく、20℃〜130℃の範囲が更に好ましい。また、該重合は、発生圧力下で実施できるが、通常は、使用する単量体を実質的に液相に保つのに十分な圧力下で行うのが好ましい。ここで、重合反応を発生圧力より高い圧力下で実施する場合、反応系を不活性ガスで加圧するのが好ましい。また、重合に使用する単量体、重合開始剤、溶媒等の原材料は、水、酸素、二酸化炭素、プロトン性化合物等の反応阻害物質を予め除去したものを用いるのが好ましい。
−−配位重合−−
一方、希土類金属化合物を重合開始剤として、配位重合で活性末端を有する共役ジエン系重合体を製造する場合は、下記(イ)成分、(ロ)成分、(ハ)成分を組み合わせて用いるのが更に好ましい。
前記配位重合に用いる(イ)成分は、希土類金属化合物、及び希土類金属化合物とルイス塩基との錯化合物等から選択される。ここで、希土類金属化合物としては、希土類元素のカルボン酸塩、アルコキサイド、β−ジケトン錯体、リン酸塩及び亜リン酸塩等が挙げられ、ルイス塩基としては、アセチルアセトン、テトラヒドロフラン、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、チオフェン、ジフェニルエーテル、トリエチルアミン、有機リン化合物、1価又は2価のアルコール等が挙げられる。前記希土類金属化合物の希土類元素としては、ランタン、ネオジム、プラセオジム、サマリウム、ガドリニウムが好ましく、これらの中でも、ネオジムが特に好ましい。また、(イ)成分として、具体的には、ネオジムトリ−2−エチルヘキサノエート、それとアセチルアセトンとの錯化合物、ネオジムトリネオデカノエート、それとアセチルアセトンとの錯化合物、ネオジムトリn−ブトキシド等が挙げられる。これら(イ)成分は一種単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。
前記配位重合に用いる(ロ)成分は、有機アルミニウム化合物から選択される。該有機アルミニウム化合物として、具体的には、式:R213Alで表されるトリヒドロカルビルアルミニウム化合物、式:R212AlH又はR21AlH2で表されるヒドロカルビルアルミニウム水素化物(式中、R21は、それぞれ独立して炭素数1〜30の炭化水素基である)、炭素数1〜30の炭化水素基をもつヒドロカルビルアルミノキサン化合物等が挙げられる。該有機アルミニウム化合物として、具体的には、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムヒドリド、アルキルアルミニウムジヒドリド、アルキルアルミノキサン等が挙げられる。これらの化合物は一種単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。なお、(ロ)成分としては、アルミノキサンと他の有機アルミニウム化合物とを併用するのが好ましい。
前記配位重合に用いる(ハ)成分は、加水分解可能なハロゲンを有する化合物又はこれらとルイス塩基の錯化合物;三級アルキルハライド、ベンジルハライド又はアリルハライドを有する有機ハロゲン化物;非配位性アニオン及び対カチオンからなるイオン性化合物等から選択される。かかる(ハ)成分として、具体的には、アルキルアルミニウム二塩化物、ジアルキルアルミニウム塩化物、四塩化ケイ素、四塩化スズ、塩化亜鉛とアルコール等のルイス塩基との錯体、塩化マグネシウムとアルコール等のルイス塩基との錯体、塩化ベンジル、塩化t−ブチル、臭化ベンジル、臭化t−ブチル、トリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。これら(ハ)成分は一種単独で用いても、二種以上を混合して用いてもよい。
前記重合開始剤は、上記の(イ),(ロ),(ハ)成分以外に、必要に応じて、重合用単量体と同じ共役ジエン化合物及び/又は非共役ジエン化合物を用いて予備的に調製してもよい。また、(イ)成分又は(ハ)成分の一部又は全部を不活性な固体上に担持して用いてもよい。上記各成分の使用量は、適宜設定することができるが、通常、(イ)成分は単量体100g当たり0.001ミリモル(mmol)〜0.5ミリモル(mmol)である。また、モル比で(ロ)成分/(イ)成分は5〜1,000、(ハ)成分/(イ)成分は0.5〜10が好ましい。
前記配位重合における重合温度は、−80〜150℃の範囲が好ましく、−20〜120℃の範囲が更に好ましい。また、配位重合に用いる溶媒としては、上述のアニオン重合で例示した反応に不活性な炭化水素溶媒を用いることができ、反応溶液中の単量体の濃度もアニオン重合の場合と同様である。更に、配位重合における反応圧力もアニオン重合の場合と同様であり、反応に使用する原材料も、水、酸素、二酸化炭素、プロトン性化合物等の反応阻害物質を実質的に除去したものが望ましい。
当該活性末端を有する共役ジエン系重合体としては、有機アルカリ金属化合物、特にアルキルリチウムを用いてアニオン重合してなるものが好ましい。
このようにして、活性末端を有し、かつ変性後の変性ポリマーの重量平均分子量が、好ましくは2,000以上50万以下になるように分子量が調整された共役ジエン系重合体(以下、LM−共役ジエン系重合体と称することがある。)が得られる。
−−変性反応−−
本発明においては、官能基を、一分子当たり、平均1個以下有する、低分子量変性共役ジエン系重合体を製造する。
そのためには、前述のようにして得られた活性末端を有する共役ジエン系重合体の該活性末端に、官能基を有する変性剤を反応させた後、該官能基を所望の官能基に変換する反応を行うことが好ましい。
前記所望の官能基が第一アミノ基である場合、変性剤として、加水分解により第一アミノ基を生成し得る前駆体官能基を有する単官能シラン化合物が用いられる。このようなシラン化合物の具体例としては、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピル(ジメチル)メトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピル(ジメチル)エトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピル(ジメチル)プロポキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピル(ジエチル)メトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピル(ジエチル)エトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピル(ジエチル)プロポキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチル(ジメチル)メトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチル(ジメチル)エトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチル(ジメチル)プロポキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチル(ジエチル)メトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチル(ジエチル)エトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノエチル(ジエチル)プロポキシシラン等を挙げることができる。これらの中でも、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピル(ジメチル)メトキシシラン、N,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピル(ジメチル)エトキシシラン及びN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピル(ジメチル)プロポキシシランが好ましい。
活性末端を有する共役ジエン系重合体の該活性末端に、上記のようなシラン化合物を反応させ、さらに加水分解することにより、下記一般式(1)
Figure 0006144866
(R及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜18の一価の炭化水素基、Aは炭素数2〜10の二価の炭化水素基、Polymはポリマー鎖を示す。)で表される、末端に第一アミノ基含有変性基を有する、変性共役ジエン系重合体が得られる。この場合、変性共役ジエン系重合体中の変性基の数は、一分子当たり、平均1個以下となる。
また、前記所望の官能基が第二アミノ基(環状イミノ基も含む)である場合、変性剤として、加水分解により第二アミノ基を生成し得る前駆体官能基を有する単官能シラン化合物が用いられる。このようなシラン化合物の具体例としては、N−メチル−N−トリメチルシリルアミノプロピル(ジメチル)メトキシシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアミノプロピル(ジメチル)エトキシシラン、N−トリメチルシリル(ヘキサメチレンイミン−2−イル)プロピル(ジメチル)メトキシシラン、N−トリメチルシリル(ヘキサメチレンイミン−2−イル)プロピル(ジメチル)エトキシシラン、N−トリメチルシリル(ピロリジン−2−イル)プロピル(ジメチル)メトキシシラン、N−トリメチルシリル(ピロリジン−2−イル)プロピル(ジメチル)エトキシシラン、N−トリメチルシリル(ピペリジン−2−イル)プロピル(ジメチル)メトキシシラン、N−トリメチルシリル(ピペリジン−2−イル)プロピル(ジメチル)エトキシシラン、N−トリメチルシリル(イミダゾール−2−イル)プロピル(ジメチル)メトキシシラン、N−トリメチルシリル(イミダゾール−2−イル)プロピル(ジメチル)エトキシシラン、N−トリメチルシリル(4,5−ジヒドロイミダゾール−5−イル)プロピル(ジメチル)メトキシシラン、N−トリメチルシリル(4,5−ジヒドロイミダゾール−5−イル)プロピル(ジメチル)エトキシシラン等を挙げることができる。
活性末端を有する共役ジエン系重合体の該活性末端に、上記のようなシラン化合物を反応させ、さらに加水分解することにより、下記一般式(2)、(3)で表される末端に第二アミノ基含有変性基を有する変性共役ジエン系重合体が得られる。
Figure 0006144866
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に炭素数1〜18の一価の炭化水素基、A及びAは、それぞれ独立に炭素数2〜10の二価の炭化水素基、Zは環内にイミノ基を有する環状有機化合物残基、Polymはポリマー鎖を示す。)
上記一般式(3)におけるZで表される環内にイミノ基を有する環状有機化合物残基としては、例えば、ヘキサメチレンイミン残基、ピロリジン残基、ピペリジン残基、イミダゾール−2−イル基、4,5−ジヒドロイミダゾール−5−イル基等が挙げられる。上記一般式(2)、(3)で表される末端に第二アミノ基含有変性基を有する変性共役ジエン系重合体においては、その中の変性基の数は、一分子当たり、平均1個以下となる。
前記所望の官能基がカルボキシ基である場合、変性剤として、加水分解によりカルボキシ基を生成し得る前駆体官能基を有する単官能シラン化合物が用いられる。このようなシラン化合物の具体例としては、メチル3−[(ジメチル)メトキシシリル]プロポキシアセテート、メチル3−[(ジメチル)エトキシシリル]プロポキシアセテート、メチル3−[(ジエチル)メトキシシリル]プロポキシアセテート、メチル3−[(ジエチル)エトキシシリル]プロポキシアセテート、メチル2−[(ジメチル)メトキシシリル]エトキシアセテート、メチル2−[(ジメチル)エトキシシリル]エトキシアセテート、メチル2−[(ジエチル)メトキシシリル]エトキシアセテート、メチル2−[(ジエチル)エトキシシリル]エトキシアセテート、メチル3−[3−[(ジメチル)メトキシシリル]プロポキシ]プロピオネート、メチル3−[3−[(ジメチル)エトキシシリル]プロポキシ]プロピオネート、メチル3−[3−[(ジエトキシ)メトキシシリル]プロポキシ]プロピオネート、メチル3−[3−[(ジエチル)エトキシシリル]プロポキシ]プロピオネート、メチル3−[2−[(ジメチル)メトキシシリル]エトキシ]プロピオネート、メチル3−[2−[(ジメチル)エトキシシリル]エトキシ]プロピオネート、メチル3−[2−[(ジエチル)メトキシシリル]エトキシ]プロピオネート、メチル3−[2−[(ジエチル)エトキシシリル]エトキシ]プロピオネート等を挙げることができる。
活性末端を有する共役ジエン系重合体の該活性末端に、上記のようなシラン化合物を反応させ、さらに加水分解することで、カルボン酸エステル基を遊離のカルボキシ基とすることにより、下記一般式(4)で表される末端にカルボキシ基含有変性基を有する変性共役ジエン系重合体が得られる。
Figure 0006144866
(式中、R及びRはそれぞれ炭素数1〜18の一価の炭化水素基、R10は炭素数1〜5の二価の炭化水素基、Aは、炭素数2〜10の二価の炭化水素基、Polymはポリマー鎖を示す。)
上記一般式(4)で表される末端にカルボキシ基含有変性基を有する変性共役ジエン系重合体においては、その中の変性基の数は、一分子当たり、平均1個以下となる。
前記所望の官能基がヒドロキシ基である場合、変性剤としてエチレンオキシド、プロピレンオキシドを用いることにより末端にヒドロキシ基含有変性基を有する変性共役ジエン系重合体が得られる。
また、変性剤としてグリシジル基を有する単官能シラン化合物を用い、活性末端を有する共役ジエン系重合体の該活性末端に反応させた後、該グリシジル基に、例えばアルコール類を反応させることにより、下記一般式(5)で表される末端にヒドロキシ基含有変性基を有する変性共役ジエン系重合体が得られる。
Figure 0006144866
(式中、R11及びR12はそれぞれ独立に炭素数1〜18の一価の炭化水素基、R13は炭素数1〜10の一価の炭化水素基、Aは、炭素数2〜10の二価の炭化水素基を示す。)
前記変性剤として用いるグリシジル基を有する単官能シラン化合物としては、例えば(2−グリシドキシエチル)ジメチルメトキシシラン、(2−グリシドキシエチル)ジメチルエトキシシラン、(2−グリシドキシエチル)ジエチルメトキシシラン、(2−グリシドキシエチル)ジエチルエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)ジメチルメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)ジメチルエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)ジエチルメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)ジエチルエトキシシラン等を挙げることができる。
また、このグリシドキシ基に反応させる上記アルコール類としては、例えばR18OH(R18は、炭素数1〜10の一価の炭化水素基である)を用いることができる。
このようにして得られた上記一般式(5)で表される末端にヒドロキシ基含有変性基を有する変性共役ジエン系重合体においては、その中の変性基の数は、一分子当たり、平均1個以下となる。
本発明においては、前記変性剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
この変性剤による変性反応は、溶液反応で行うのが好ましく、該溶液中には、重合時に使用した単量体が含まれていてもよい。また、変性反応の反応形式は特に制限されず、バッチ式でも連続式でもよい。
この変性反応においては、使用する共役ジエン系重合体は、少なくとも10%のポリマー鎖がリビング性を有するものが好ましい。
前記変性剤による変性反応において、該変性剤の使用量は、好ましくは0.5〜200mmol/kg・共役ジエン系重合体である。同含有量は、さらに好ましくは1〜100mmol/kg・共役ジエン系重合体であり、特に好ましくは2〜50mmol/kg・共役ジエン系重合体である。ここで、共役ジエン系重合体とは、製造時又は製造後、添加される老化防止剤等の添加剤を含まないポリマーのみの質量を意味する。変性剤の使用量を上記範囲にすることによって、所望の性状を有する変性基含有変性共役ジエン系重合体が得られる。
なお、前記変性剤の添加方法は、特に制限されず、一括して添加する方法、分割して添加する方法、あるいは、連続的に添加する方法等が挙げられるが、一括して添加する方法が好ましい。
本発明においては、このようにして共役ジエン系重合体の活性末端に変性反応を施した後、加水分解反応を行うことにより、前駆体官能基を第一アミノ基含有変性基、第二アミノ基含有変性基、カルボキシ基含有変性基に変換する。
加水分解反応は、酸性、中性、アルカリ性のいずれの条件でも行うことができるが、使用する変性剤の種類に応じて、適宜条件を選定すればよい。
なお、変性剤としてグリシジル基を有する単官能シラン化合物を用いて、末端変性を行った場合、変性反応後、アルコール類等を加え、該グリシジル基の開環反応を行い、末端にヒドロキシ含有変性基を有する共役ジエン系重合体とする。
このようにして、変性基を、一分子当たり、平均1個以下有する変性共役ジエン系重合体からなる、末端変性エラストマーが得られる。
<未変性エラストマー>
前記未変性エラストマーとしては、ジエン骨格を有し、未変性なものである限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記未変性エラストマーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ゴム成分の90質量%以下が好ましく、20質量%〜70質量%がより好ましい。
前記未変性エラストマーの含有量が、90質量%を超えると、フィルム層に対する接着力と、ゴム層に対する接着力との両方を向上させることができないことがある。一方、前記未変性エラストマーの含有量が、前記より好ましい範囲内であると、フィルム層に対する接着力と、ゴム層に対する接着力との両立の点で有利である。
前記未変性エラストマーの重量平均分子量(Mw)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1000〜3000000が好ましく、100000〜2000000がより好ましい。
前記重量平均分子量(Mw)が、1000以上であれば、加硫後の疲労耐久性向上に寄与することができ、3000000以下であれば、粘度を抑制して作業性を確保しやすい。一方、前記重量平均分子量(Mw)が、前記より好ましい範囲内であると、耐疲労性と作業性の両立の点で有利である。
なお、前記重量平均分子量(Mw)は、例えば、GPC(商品名:GPCシステム、島津製作所製)を用いて分子量分布測定することによって測定することができる。
−ジエン骨格−
前記ジエン骨格とは、主鎖に二重結合を含むジエン化合物が重合された重合体の構造を意味する。
前記ジエン骨格を有するエラストマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、天然ゴム(NR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−未変性−
前記未変性とは、エラストマーが全く変性されていない、即ち、エラストマー中に全く変性基が存在しないことを意味する。
<架橋剤>
前記架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、硫黄、酸化亜鉛、p,p’−ジベンゾイルキノンジオキシム、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、硫黄が、接着層の強度や耐疲労特性が優れている点で、好ましい。
前記架橋剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記ゴム成分100質量部に対して、0.5質量部〜10質量部であることが好ましい。
前記架橋剤の含有量が、0.5質量部以上であると架橋後の接着層強度の確保に寄与することができ、10質量部以下の場合、粘度を抑えて、作業性を確保することができる。
<架橋促進剤>
前記架橋促進剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、N,N’-ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、ジフェニルグアニジン、ジベンゾチアジルジスルフィド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド、ヘキサメチレンテトラミン、N,N’-ジフェニルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,N’-ジエチルチオ尿素、1,3-ジフェニルグアニジン、2-メルカプトベンゾチアゾール、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドが、フィルム層への接着力とゴムへの接着力の両立の点で、好ましい。
前記架橋促進剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記ゴム成分100質量部に対して、4質量部以下であることが好ましい。
前記架橋剤促進剤の含有量が、4質量部を超えると、フィルム層への接着力が低下することがある。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ステアリン酸、亜鉛華、粘着付与樹脂、老化防止剤、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−粘着付与樹脂−
前記粘着付与樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロジン系樹脂 、テルペン系樹脂 、フェノール系樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−老化防止剤−
前記老化防止剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、6-エトキシ-1,2-ジヒドロ-2,2,4-トリメチルキノリン、N-フェニル-1-ナフチルアミン、アルキル化ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物の精製品、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(接着方法)
本発明の接着方法は、少なくとも、配設工程と、加硫工程と含み、さらに、必要に応じて、その他の工程を含んでいてもよい。
<配設工程>
前記配設工程は、本発明の粘接着剤組成物を、フィルム層と未加硫ゴム層との間に配設する工程である。
ここで、前記粘接着剤組成物を、シート状にした後に、前記フィルム層と前記未加硫ゴム層との間に配設してもよい。
−フィルム層−
前記フィルム層の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記フィルム層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2000μm以下が好ましい。
前記フィルム層の厚みが、2000μmを超えると、疲労耐久性に劣ることがある。
前記フィルム層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアミド系重合体、エチレン−ビニルアルコール系共重合体、ウレタン系重合体、オレフィン系重合体、ジエン系重合体、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、エチレン−ビニルアルコール系共重合体が、空気保持性(ガス透過性)の点で、好ましい。
−未加硫ゴム層−
前記未加硫ゴム層の形状、構造、大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記未加硫ゴム層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、200μm〜5000μmが好ましい。
前記未加硫ゴム層の厚みが、200μm未満であると、配設時作業性が悪いことがあり、5000μmを超えると、疲労耐久性に劣ることがある。
前記未加硫ゴム層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、天然ゴム、乳化重合スチレンブタジエンゴム、溶液重合スチレンブタジエンゴム、高シス−ブタジエンゴム、低シス−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、水素化ニトリルゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、クロロプレンゴム、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、天然ゴムが、接着層との共架橋性、耐疲労性、タックの点で、好ましい。
また、前記未加硫ゴム層には、カーボンブラック、硫黄、加硫促進剤、老化防止剤、アロマティックオイル等の添加剤を適宜配合することができる。
−配設−
前記配設の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フィルム層又は未加硫ゴム層への塗布、などが挙げられる。
前記塗布としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、本発明の粘接着剤組成物を良溶媒に溶解してなる塗布液を用いることが好ましい。
前記塗布液の固形分濃度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10質量%〜40質量%が好ましい。
前記塗布液の固形分濃度が、10質量%未満であると、塗布液の粘度が低くすぎて塗布作業性が悪いことがあり、40質量%を超えると、塗布液の粘度が高すぎて塗布作業性が悪いことがある。
−−良溶媒−−
前記良溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、シクロヘキサン、THF、が挙げられる。
<加硫工程>
前記加硫工程は、フィルム層と未加硫ゴム層とを加硫する工程である。
−加硫−
前記加硫の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、120℃〜180℃の温度条件で0.1時間〜0.8時間、反応させることが好ましい。
前記温度が、120℃未満であると、ゴムへの接着力が不足することがあり、180 ℃を超えると、フィルム層への接着力が低下することがある。
<その他の工程>
前記その他の工程としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱圧着工程などが挙げられる。
(積層体)
本発明の積層体としては、本発明の接着方法により構成部材が接着されたものである限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、樹脂フィルム層(フィルム層)、粘接着剤層、及びカーカスコード層(ゴム層)の3層構造のものなどが挙げられる。
(タイヤ)
本発明のタイヤとしては、本発明の積層体を有するものである限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、空気入りタイヤが好ましい。
前記タイヤを製造する方法としては、慣用の方法を用いることができる。例えば、フィルム層を空気入りタイヤのインナーライナーとして用いる場合は、予め熱可塑性樹脂組成物を所定の幅と厚さのフィルム状に押し出し、それをタイヤ成形用ドラム上に円筒に貼りつける。その上に未加硫ゴムからなるカーカス層、ベルト層、トレッド層等の通常のタイヤ製造に用いられる部材を順次貼り重ね、ドラムを抜き去ってグリーンタイヤとする。次いで、このグリーンタイヤを常法に従って加熱加硫することにより、所望の空気入りタイヤを製造することができる。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(比較例1)
<接着>
表1の比較例1の欄に示す配合の組成物を、混練機(商品名:プラストミル、東洋精機製)を用いて、60℃〜120℃で、5分間混練し、粘接着剤組成物を得た。
得られた粘接着剤組成物に対して、良溶媒としてのトルエン(商品名:特級トルエン、関東化学製)を添加して、固形分濃度が15質量%の塗布液を作製した。
作製した塗布液を塗布した、エチレンビニルアルコールからなる樹脂フィルム層(フィルム層)と、天然ゴムからなるカーカスコード層(ゴム層)とを接着し、160℃の温度条件で、20分間加硫した。
<接着力測定>
樹脂フィルム層(フィルム層)とカーカスコード層(ゴム層)との接着力を引張試験機(商品名:ストログラフVE5D、東洋精機製)を用いて、幅25mmの試験片を、180℃で剥離して、測定した。測定結果を表1に示す。
<ガラス転移温度測定>
粘接着剤組成物のガラス転移温度を動的粘弾性測定装置(商品名:ARES、TA Instruments製)を用いて温度依存性測定して、測定した。測定結果を表1に示す。
<低温クラック性評価>
前述したように、前記樹脂フィルム層と、前記カーカスコード層とを前記粘接着剤組成物を用いて接着することにより作製したインナーライナー構造を用いて、常法によって試験用の乗用車用ラジアルタイヤ(タイヤサイズ195/65R15)を製造した。
前記試験用のタイヤ(195/65R15)を用いた実車にて、札幌・旭川などの寒冷地にて冬季1万キロ走行後、内面観察して、低温クラック性を評価した。評価結果を表1に示す。なお、評価基準は、以下の通りである。
○: 低温クラックなし。
△: 走査型電子顕微鏡による断面観察の結果、低温クラックあり。
×: 目視で低温クラックあり。
(比較例2)
比較例1において、表1の比較例1の欄に示す配合とする代わりに、表1の比較例2の欄に示す配合としたこと以外は、比較例1と同様にして、接着、接着力測定、ガラス転移温度測定、耐クラック性評価を行った。測定結果を表1に示す。
参考例1)
比較例1において、表1の比較例1の欄に示す配合とする代わりに、表1の参考例1の欄に示す配合としたこと以外は、比較例1と同様にして、接着、接着力測定、ガラス転移温度測定、耐クラック性評価、を行った。測定結果を表1に示す。
参考例2)
比較例1において、表1の比較例1の欄に示す配合とする代わりに、表1の参考例2の欄に示す配合としたこと以外は、比較例1と同様にして、接着、接着力測定、ガラス転移温度測定、耐クラック性評価、を行った。測定結果を表1に示す。
参考例3)
比較例1において、表1の比較例1の欄に示す配合とする代わりに、表1の参考例3の欄に示す配合としたこと以外は、比較例1と同様にして、接着、接着力測定、ガラス転移温度測定、耐クラック性評価、を行った。測定結果を表1に示す。
参考例4)
比較例1において、表1の比較例1の欄に示す配合とする代わりに、表1の参考例4の欄に示す配合としたこと以外は、比較例1と同様にして、接着、接着力測定、ガラス転移温度測定、耐クラック性評価、を行った。測定結果を表1に示す。
(比較例3)
比較例1において、表1の比較例1の欄に示す配合とする代わりに、表2の比較例3の欄に示す配合としたこと以外は、比較例1と同様にして、接着、接着力測定、ガラス転移温度測定、耐クラック性評価、を行った。測定結果を表2に示す。
(比較例4)
比較例1において、表1の比較例1の欄に示す配合とする代わりに、表2の比較例4の欄に示す配合としたこと以外は、比較例1と同様にして、接着、接着力測定、ガラス転移温度測定、耐クラック性評価、を行った。測定結果を表2に示す。
参考例5)
比較例1において、表1の比較例1の欄に示す配合とする代わりに、表2の参考例5の欄に示す配合としたこと以外は、比較例1と同様にして、接着、接着力測定、ガラス転移温度測定、耐クラック性評価、を行った。測定結果を表2に示す。
参考例6)
比較例1において、表1の比較例1の欄に示す配合とする代わりに、表2の参考例6の欄に示す配合としたこと以外は、比較例1と同様にして、接着、接着力測定、ガラス転移温度測定、耐クラック性評価、を行った。測定結果を表2に示す。
参考例7)
比較例1において、表1の比較例1の欄に示す配合とする代わりに、表2の参考例7の欄に示す配合としたこと以外は、比較例1と同様にして、接着、接着力測定、ガラス転移温度測定、耐クラック性評価、を行った。測定結果を表2に示す。
参考例8)
比較例1において、表1の比較例1の欄に示す配合とする代わりに、表2の参考例8の欄に示す配合としたこと以外は、比較例1と同様にして、接着、接着力測定、ガラス転移温度測定、耐クラック性評価、を行った。測定結果を表2に示す。
(比較例5)
比較例1において、表1の比較例1の欄に示す配合とする代わりに、表3の比較例5の欄に示す配合としたこと以外は、比較例1と同様にして、接着、接着力測定、ガラス転移温度測定、耐クラック性評価、を行った。測定結果を表3に示す。
(比較例6)
比較例1において、表1の比較例1の欄に示す配合とする代わりに、表3の比較例6の欄に示す配合としたこと以外は、比較例1と同様にして、接着、接着力測定、ガラス転移温度測定、耐クラック性評価、を行った。測定結果を表3に示す。
(実施例9)
比較例1において、表1の比較例1の欄に示す配合とする代わりに、表3の実施例9の欄に示す配合としたこと以外は、比較例1と同様にして、接着、接着力測定、ガラス転移温度測定、耐クラック性評価、を行った。測定結果を表3に示す。
(実施例10)
比較例1において、表1の比較例1の欄に示す配合とする代わりに、表3の実施例10の欄に示す配合としたこと以外は、比較例1と同様にして、接着、接着力測定、ガラス転移温度測定、耐クラック性評価、を行った。測定結果を表3に示す。
(実施例11)
比較例1において、表1の比較例1の欄に示す配合とする代わりに、表3の実施例11の欄に示す配合としたこと以外は、比較例1と同様にして、接着、接着力測定、ガラス転移温度測定、耐クラック性評価、を行った。測定結果を表3に示す。
(実施例12)
比較例1において、表1の比較例1の欄に示す配合とする代わりに、表3の実施例12の欄に示す配合としたこと以外は、比較例1と同様にして、接着、接着力測定、ガラス転移温度測定、耐クラック性評価、を行った。測定結果を表3に示す。
Figure 0006144866
Figure 0006144866
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表1〜表3において、*1〜*10は以下の通りである。
*1:末端以外の部分がエポキシ変性されたエポキシ化熱可塑性エラストマー:エポフレンドCT310、ダイセル化学工業製
*2:末端以外の部分がエポキシ変性されたエポキシ化熱可塑性エラストマー:エポフレンドAT501、ダイセル化学工業製
*3:天然ゴム(商品名:BC2X 、THAI NATURAL RUBBER 社製)
*4:水酸基末端ポリブタジエン(商品名:Poly bd 、出光興産株式会社製)
*5:カルボン酸末端ポリブタジエン(商品名:α、ω−ポリブタジエンカルボン酸−Cシリーズ、日本曹達株式会社製)
*6:アミノ基末端ポリブタジエン(自社特許:特開2010−13602記載のポリマー)
*7:HAFカーボン(商品名:シーストNB、東海カーボン社製)
*8:ブチルフェノールアセチレン樹脂(商品名:コレシン、BASF AKTIENGESELLS社製)
*9:N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン(商品名:アンチゲン6C、住友化学社製)
*10:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(商品名:ノクセラー CZ−G 、大内新興化学製)
表1〜表3より、末端変性エラストマーを添加した参考例1〜8及び実施例9〜12の粘接着剤組成物は、末端変性エラストマーを添加していない比較例1〜6の粘接着剤組成物よりも接着力を向上させ、且つ、ガラス転移温度を低下させることができることが分かる。
10 樹脂フィルム層(フィルム層)
11 粘接着剤層
12 ブチルインナー層(ゴム層)
13 スキージー層
14 カーカスコード層(ゴム層)
20 樹脂フィルム層(フィルム層)
21 粘接着剤層
22 カーカスコード層(ゴム層)

Claims (9)

  1. ジエン骨格を有し、片末端のみが官能基によって変性された末端変性エラストマーを含み、
    前記末端変性エラストマーの含有量が、ゴム成分の5質量%〜60質量%であり、
    前記ゴム成分が、ジエン骨格を有する未変性エラストマーを更に含み、
    前記未変性エラストマーの含有量が、ゴム成分の95質量%〜40質量%であり、
    前記ゴム成分が末端変性エラストマー及び未変性エラストマーからなり、
    前記官能基が窒素含有官能基であり、
    前記窒素含有官能基がアミノ基であり、
    樹脂フィルム層と、天然ゴムからなるカーカスコード層を粘接着対象物にすることを特徴とする粘接着剤組成物。
  2. ガラス転移温度が、−20℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の粘接着剤組成物。
  3. 架橋剤を更に含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の粘接着剤組成物。
  4. 架橋促進剤を更に含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の粘接着剤組成物。
  5. フィルム層と未加硫ゴム層とを接着する接着方法であって、請求項1から4のいずれかに記載の粘接着剤組成物をフィルム層と未加硫ゴム層との間に配設し、前記フィルム層と前記未加硫ゴム層とを加硫することを特徴とする接着方法。
  6. 前記粘接着剤組成物を良溶媒に溶解してなる塗布液を、前記フィルム層又は前記未加硫ゴム層に塗布することを特徴とする請求項5に記載の接着方法。
  7. 前記粘接着剤組成物を、シート状にした後に、前記フィルム層と前記未加硫ゴム層との間に配設することを特徴とする請求項5に記載の接着方法。
  8. 請求項5から7のいずれかに記載の接着方法によりフィルム層と未加硫ゴム層とが接着されたことを特徴とする積層体。
  9. 請求項8に記載の積層体を有することを特徴とするタイヤ。
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