JP6878735B2 - 加工米飯の製造方法 - Google Patents

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本発明は、耐老化性に優れた加工米飯の製造方法に関するものであり、特に、冷蔵保存後に、加熱しなくても、そのままでも食することが可能な加工米飯の製造方法に関する。
従来より、老化を抑制するための対策が施された種々の加工米飯が提供されている。例えば、下記特許文献1には、トレハロースを含有させた米飯食品が開示されており、この米飯食品は、冷蔵保存下での耐老化性を有するものであった。
特開平8−168350号公報
しかし、上記米飯食品は、冷蔵保存した後、食する前には電子レンジ等で温め、冷蔵保存中に老化した糊化澱粉を再糊化してから食することを前提としたものであり、冷蔵保存後に加熱処理することなく、そのまま食することに対応できるもではなかった。
そこで、本発明は、冷蔵保存下での耐老化性に優れ、冷蔵保存後に加熱しなくても、そのまま食することが可能な加工米飯の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は上記問題点を解決するために創作されたものであって、第1には、加工米飯の製造方法であって、原料米を水とともに加熱することにより、原料米に含有される澱粉が糊化された糊化飯を得る加熱工程(S10)と、加熱工程終了直後の糊化飯に対して、トレハロースからなる水溶性の保水剤と、マルトースからなる水溶性の保水剤と、トレハロースとマルトースとを混合した水溶性の保水剤のうちのいずれかの保水剤と、デキストリンからなる水溶性の浸透抑制剤とを水に溶かした水溶液である改質剤を添加することにより、改質剤が糊化飯に付着した改質剤付着糊化飯を得る添加工程(S20)と、添加工程終了直後の改質剤付着糊化飯を蒸らすことにより、改質剤が各糊化飯粒の内部に吸収された加工米飯を得る蒸らし工程(S30)とを有し、上記保水剤は、加工米飯粒中の水分が蒸発するのを抑制する性質を有し、上記浸透抑制剤は、吸収された改質剤が加工米飯粒の表層部から深層部に浸透するのを抑制する性質を有することを特徴とする。
第1の構成によれば、糊化飯に改質剤を付着させて得られた改質剤付着糊化飯を蒸らすことにより、改質剤を糊化飯(糊化飯粒の集合体)の全体に均一に分散させることができるとともに、改質剤を各糊化飯粒に強制的に吸収させることができ、改質剤が浸透抑制剤を含有することから、改質剤の加工米飯粒中での浸透(移動)が抑制され、吸収された改質剤の一部は加工米飯粒の深層部まで浸透するが、その大部分は、加工米飯粒の深層部までは浸透せず、表層部に滞留し、表層部及び深層部ともに改質剤添加前の糊化飯粒が含有していた水分に改質剤に由来の水分が加わり、その結果、表層部の水分量が深層部の水分量よりも多くなる。本発明の加工米飯の場合、加工米飯粒中の水分の分布が均一ではなく偏在しており、表層部の水分量が深層部の水分量よりも多くなっているので、本発明の加工米飯を冷蔵保存する場合、冷蔵保存を開始しても、直ぐには深層部での乾燥が進行せず、表層部の乾燥が幾分進行して、表層部の水分量と深層部の水分量がほぼ同一となった後でなければ、毛管吸引力等による水分の移動が始まらないと考えられ、更に、水分が偏在していることにより、保水剤も表層部に集中的に存在し、保水剤の濃度が局所的に高くなっているので、トレハロース等の保水剤の原料米に対する添加量が同一で、保水剤の分布が均一の従来の加工米飯粒の場合に比べて、表層部での保水剤による水分の蒸発抑制効果はより強く発揮されると考えられる。つまり、本発明は、改質剤付着糊化飯を蒸らすことにより、改質剤の浸透を抑制するのみならず、糊化飯粒への吸収をも抑制する浸透抑制剤を含有する改質剤を強制的に糊化飯粒に吸収させ、また、保水剤と浸透抑制剤とを併用し、改質剤に由来の水分と、保水剤とを表層部に偏在させることにより、冷蔵保存の開始から深層部の乾燥が始まるまでの時間を通常米飯や従来の加工米飯よりも長くすることができるので、冷蔵保存下での耐老化性に優れ、冷蔵保存後に、加熱しなくても、そのまま食することができる加工米飯を得ることができるのである。
また、第2には、上記第1の構成において、上記加工米飯においては、浸透抑制剤により、加工米飯粒の表層部が加工米飯粒の深層部よりも多くの水分を含んでいることを特徴とする。
また、第3の構成として、以下の構成としてもよい。すなわち、「加工米飯の製造方法であって、原料米を水とともに加熱することにより、原料米に含有される澱粉が糊化された糊化飯を得る加熱工程(S10)と、加熱工程終了直後の糊化飯に対して、水溶性の保水剤と、水溶性の浸透抑制剤とを水に溶かした水溶液である改質剤を添加することにより、改質剤が糊化飯に付着した改質剤付着糊化飯を得る添加工程(S20)と、添加工程終了直後の改質剤付着糊化飯を蒸らすことにより、改質剤が各糊化飯粒の内部に吸収された加工米飯を得る蒸らし工程(S30)とを有し、上記保水剤は、加工米飯粒中の水分が蒸発するのを抑制する性質を有し、トレハロース、マルトースのいずれか一方又は両方を混合したものであり、上記浸透抑制剤は、糊化飯粒に吸収された改質剤が加工米飯粒の表層部から深層部に浸透するのを抑制する性質を有し、水溶性デキストリン、水溶性加工澱粉、水溶性大豆多糖類、水溶性セルロース誘導体のいずれか1種類又は2種類以上を混合したものであり、上記加工米飯においては、浸透抑制剤により、加工米飯粒の表層部が加工米飯粒の深層部よりも多くの水分を含んでいることを特徴とする。」としてもよい。
この構成によれば、上記第1の構成や第2の構成の場合と同様の理由により、耐老化性に優れた加工米飯を得ることができる。
本発明に基づく加工米飯の製造方法によれば、糊化飯に改質剤を付着させて得られた改質剤付着糊化飯を蒸らすことにより、改質剤の浸透を抑制するのみならず、糊化飯粒への吸収をも抑制する浸透抑制剤を含有する改質剤を強制的に糊化飯粒に吸収させることができ、吸収された改質剤の一部は加工米飯粒の深層部まで浸透するが、その大部分は、加工米飯粒の深層部までは浸透せず、表層部に滞留する。つまり、浸透抑制剤と保水剤とを併用し、改質剤に由来の水分と、保水剤とを表層部に偏在させることにより、冷蔵保存の開始から深層部の乾燥が始まるまでの時間を通常米飯や従来加工米飯よりも長くすることができるので、冷蔵保存下での耐老化性に優れ、冷蔵保存後に、加熱しなくても、そのまま食することができる加工米飯を得ることができるのである。
本発明の加工米飯の製造方法の各工程を示すフローチャートである。
本発明においては、冷蔵保存下での耐老化性に優れ、冷蔵保存後に、加熱しなくても、そのままでも食することが可能な加工米飯の製造方法を提供するという目的を以下のようにして実現した。
まず、以下の説明において使用する用語について予め説明する。本明細書において、「糊化飯」とは、複数の「糊化飯粒」の集合体を指し、「加工米飯」とは、複数の「加工米飯粒」の集合体を指すこととし、「吸収」とは、改質剤が糊化飯粒の外部から糊化飯粒の内部に入り込む現象のことをいい、「浸透」とは、糊化飯粒の内部に吸収された改質剤が加工米飯粒の内部で移動する現象のことをいう。つまり、一般的には、水分が界面を境にした一方側から他方側へと移動することについても浸透という場合が少なくないが、本明細書においては、改質剤が糊化飯粒の外部から糊化飯粒の内部に入り込む現象と、加工米飯粒の内部の改質剤が加工米飯粒の内部で移動する現象とを明確に区別するために、上記のように「吸収」と「浸透」とを使い別けることとする。
以下、本発明の加工米飯の製造方法について図1を使用して説明する。図1に示すように、本発明の加工米飯の製造方法においては、まず、原料米を水とともに加熱することにより、原料米に含有される澱粉が糊化された糊化飯を得る(加熱工程)(S10)。原料米としては、精白したうるち米、うるち米の玄米、アルファ化された加工米等が挙げられ、これらの中から1種類を選択するか、又は、2種類以上を選択し、混合して、得られた混合米を原料米とすればよい。この加熱工程により、原料米が吸水して膨潤した状態となる。
次に、加熱工程終了直後の糊化飯に対して、液状の改質剤を添加することにより、改質剤が糊化飯に付着した改質剤付着糊化飯を得る(添加工程)(S20)。上記改質剤は、水溶性の保水剤(具体的には、粉末状又は顆粒状の保水剤)と、水溶性の浸透抑制剤(具体的には、粉末状又は顆粒状の浸透抑制剤)とを水に溶かした水溶液である。上記保水剤は、加工米飯粒中の水分が蒸発するのを抑制する性質を有するものであり、その成分としては、例えば、トレハロース、マルトースが好適である。つまり、トレハロース、マルトースのいずれか一方又は両方を混合したものを保水剤とすればよい。また、上記浸透抑制剤は、改質剤が、糊化飯粒が改質剤(特に、改質剤由来の水分)を吸収することにより得られた加工米飯粒の表層部(加工米飯粒の表面近くの部分)から加工米飯粒の深層部(加工米飯粒の中心部及びその付近の部分であり、加工米飯粒の表層部を除く部分)に浸透することを抑制する性質を有するとともに、糊化飯粒への改質剤(特に、改質剤由来の水分)の吸収を抑制するものであり、その成分としては、例えば、水溶性デキストリン、水溶性加工澱粉、水溶性大豆多糖類、水溶性セルロース誘導体が好適である。つまり、水溶性デキストリン、水溶性加工澱粉、水溶性大豆多糖類、水溶性セルロース誘導体のいずれか1種類又は2種類以上を混合したものを浸透抑制剤とすればよい。
次に、添加工程終了直後の改質剤付着糊化飯を準密閉空間内に1分〜30分間静置することで、準密閉空間内の改質剤付着糊化飯を蒸らし、改質剤付着糊化飯を蒸らすことにより、糊化飯に付着した改質剤を各糊化飯粒に吸収させる。(蒸らし工程)(S30)。つまり、改質剤が浸透抑制剤を含有するため、この改質剤を糊化飯粒の表面に付着させただけでは、改質剤は糊化飯粒の内部に充分に吸収されないが、改質剤付着糊化飯を蒸らすことにより、改質剤が糊化飯粒の外部から内部に吸収されるのである。また、吸収された改質剤の一部は、加工米飯粒の深層部まで浸透するが、その大部分は、改質剤が浸透抑制剤を含有することにより、深層部までは浸透せず、表層部に滞留する。
また、上記準密閉空間とは、完全に密閉された空間(真正の密閉空間)ではないが、それに近い密閉状態の空間のことであり、つまり、小径の穴、隙間等を介して空間の内外が互いに連通している不完全な密封状態ではあるが、この空間内で発生した水蒸気や該水蒸気が凝結した微細水滴である湯気を閉じ込め充満させることが可能な程度に充分に閉ざされた空間のことであり、この閉じ込められた水蒸気や湯気により、準密閉空間内の改質剤付着糊化飯は蒸されるのである。
また、静置時間(蒸らし時間)を1分〜30分間としたのは、蒸らし時間が1分間未満の場合には、改質剤を糊化飯(糊化飯粒の集合体)の全体に均一に分散させるとともに、各糊化飯粒に充分に吸収させることができないため、本発明の効果が得られず、蒸らし時間が30分超過の場合には、改質剤が浸透抑制剤を含有していても、水分の浸透が徐々に進行し、加工米飯の深層部に浸透した改質剤(改質剤の水分)の量が過多となって、冷蔵保存後の加工米飯(冷蔵保存により幾分か乾燥した状態の加工米飯)の深層部の水分量が過多となり、余分な水分が加工米飯の食味や食感に悪影響を及ぼすためである。
なお、加熱工程終了直後の糊化飯の温度は、約60℃〜約100℃であり、この糊化飯に常温の改質剤を添加することにより、改質剤付着糊化飯の温度は、加熱工程終了直後の糊化飯の温度よりも低くなるが、改質剤付着糊化飯の温度は、蒸らし工程で改質剤付着糊化飯を蒸らすことができる程度の温度以上の温度(50℃以上の温度)であることが必要であり、改質剤を添加することにより、改質剤付着糊化飯の温度が50℃未満の温度に下がってしまう場合は、それを避けるために、加熱により適宜温度とした改質剤を添加するようにすればよい。
この方法によれば、糊化飯に改質剤を付着させて得られた改質剤付着糊化飯を蒸らすことにより、改質剤を糊化飯(糊化飯粒の集合体)の全体に均一に分散させることができるとともに、改質剤を各糊化飯粒に強制的に吸収させることができ、改質剤が浸透抑制剤を含有することから、改質剤の加工米飯粒中での浸透(移動)が抑制され、吸収された改質剤の一部は加工米飯粒の深層部まで浸透するが、その大部分は、加工米飯粒の深層部までは浸透せず、表層部に滞留し、表層部及び深層部ともに改質剤添加前の糊化飯粒が含有していた水分に改質剤に由来の水分が加わり、その結果、表層部の水分量が深層部の水分量よりも多くなる。なお、通常米飯粒や、トレハロースを添加した水とともに原料米を炊飯して得られた従来の加工米飯粒においては、飯粒中の水分の分布はほぼ均一であり、つまり、表層部と深層部の水分量はほぼ同一である。
一般に、材料中にほぼ均一に水分が分散している湿り材料(例えば、通常米飯や従来の加工米飯)を乾燥させる場合、まず、初期段階の恒率乾燥期間では、水分が材料表面から蒸発するとともに、材料表面からの水分蒸発速度に相当する速度で材料内部の水分が、毛管吸引力等により、材料表面に移動し、湿り材料の乾燥速度はほぼ一定に保たれ、その後の減率乾燥期間では、材料内部からの水分の移動速度が材料表面での水分の蒸発速度よりも小さくなり、湿り材料の乾燥速度が減少しながら乾燥が更に進行し、やがて湿り材料の含水率が、それ以上乾燥させられない状態の含水率である平衡含水率となり乾燥が終了するのだが、本発明の加工米飯の場合、加工米飯粒中の水分の分布が均一ではなく偏在しており、表層部の水分量が深層部の水分量よりも多くなっているので、本発明の加工米飯を冷蔵保存する場合、冷蔵保存を開始しても、直ぐには深層部での乾燥が進行せず、表層部の乾燥が幾分進行して、表層部の水分量と深層部の水分量がほぼ同一となった後でなければ、上記湿り材料の場合と同様の毛管吸引力等による水分の移動が始まらないと考えられ、更に、水分が偏在していることにより、保水剤も表層部に集中的に存在し、保水剤の濃度が局所的に高くなっているので、トレハロース等の保水剤の原料米に対する添加量が同一で、保水剤の分布が均一の従来の加工米飯粒の場合に比べて、表層部での保水剤による水分の蒸発抑制効果はより強く発揮されると考えられる。
ちなみに、改質剤添加直後の蒸らし工程を省略した場合には、改質剤が浸透抑制剤を含有することから、改質剤の一部分だけしか糊化飯粒に吸収されずに、大部分が糊化飯粒の表面上(糊化飯粒の外部)に残ってしまい、単に表面に付着しているだけの改質剤は、改質剤が保水剤を含有していても、外気に直接さらされ、容易に蒸発して、加工米飯の耐老化性の向上に対する影響力が弱いので、従来の加工米飯よりも耐老化性に劣る加工米飯を得ることしかできない。また、改質剤が浸透抑制剤を含有しない場合には、蒸らし工程の有無にかかわらず、添加した改質剤の大部分が容易に糊化飯粒に吸収され、吸収された改質剤は、加工米飯粒の内部の全体に均一に拡散し、表層部での水分の蒸発が進行することにより深層部の乾燥が進行してしまうので、改質剤が保水剤を含有していても、原料米に対する保水剤の添加量が同一であれば、従来の加工米飯と同等の耐老化性を有する加工米飯を得ることしかできない。
つまり、本発明は、改質剤付着糊化飯を蒸らすことにより、改質剤の浸透を抑制するのみならず、糊化飯粒への吸収をも抑制する浸透抑制剤を含有する改質剤を強制的に糊化飯粒に吸収させ、また、保水剤と浸透抑制剤とを併用し、改質剤に由来の水分と、保水剤とを表層部に偏在させることにより、冷蔵保存の開始から深層部の乾燥が始まるまでの時間を通常米飯や従来の加工米飯よりも長くすることができるので、冷蔵保存下での耐老化性に優れ、冷蔵保存後に、加熱しなくても、そのまま食することができる加工米飯を得ることができるのである。
以下に実施例を示し本発明について更に詳細に説明する。まず、重量比で水100に対して、トレハロース粉末45、デキストリン粉末20の割合で、水にトレハロースとデキストリンとを溶かして水溶液を調製し、この水溶液を改質剤とした。
次に、精白したうるち米の生米約500gを水洗し、生米に付着している汚れを落とすとともに、生米に吸水させ、この水洗済み生米を水中に約90分間浸漬して、更に吸水させ、得られた吸水済み生米を水中から取り出し、一旦水きりした後、加熱用容器に入れ、更に吸水済み生米と水との合計重量が約1200gとなるように加熱用容器に注水した後、加熱用容器の内容物を加熱し、生米が含有する澱粉に水和させて糊化飯を調製した(加熱工程)。
次に、加熱工程終了直後に、得られた糊化飯をそのまま蒸らすことなく、間髪入れずに、加熱用容器内に上記改質剤約165gを噴霧し(添加工程)、得られた改質剤付着糊化飯をそのまま準密閉状態の加熱用容器内に約10分間静置し、加熱用容器内で発生し加熱用容器内に充満した水蒸気及び湯気により、改質剤付着糊化飯を蒸らして本発明の加工米飯を得た(蒸らし工程)。なお、加熱工程終了直後の糊化飯の温度は、約90℃であったが、これに常温の改質剤を噴霧することにより、改質剤付着糊化飯の温度は、約80℃となり、蒸らし工程終了直後の加工米飯の温度は約74℃であった。
次に、得られた加工米飯を撹拌混合した後、減圧冷却により約20℃まで冷却し、減圧冷却直後の加工米飯から検査用試料を採取し、残りの加工米飯を約0℃〜約10℃の範囲で管理された冷蔵庫内で保存し、24時間冷蔵後、48時間冷蔵後、72時間冷蔵後に、該加工米飯から、検査用試料を採取し、各試料について、検査員により、実食による官能検査を行い、各試料の食味及び食感について総合的に評価した。その結果を下記表1に示す。
また、比較例1として、本発明の製造方法から蒸らし工程を省略した方法により加工米飯を調製した。つまり、本発明の加工米飯の場合と同一の条件で吸水済み生米を準備し、加熱工程、添加工程を経て得られた加工米飯(比較例1)を蒸らすことなく、撹拌混合した後、減圧冷却により約20℃まで冷却し、減圧冷却直後の加工米飯(比較例1)から検査用試料を採取し、残りの加工米飯(比較例1)を約0℃〜約10℃の範囲で管理された冷蔵庫内で保存し、本発明の加工米飯の場合と同様に各所定時間経過後に該加工米飯(比較例1)から検査用試料を採取し、各試料について、検査員により、実食による官能検査を行い、各試料の食味及び食感について総合的に評価した。その結果を下記表1に示す。
また、比較例2として、トレハロースだけが改質剤として添加された従来の加工米飯を調製した。つまり、本発明の加工米飯の場合と同一の条件で吸水済み生米を準備し、これを加熱用容器入れ、更に吸水済み生米と水との合計重量が約1300gとなるように加熱用容器に注水するとともに、トレハロース45gを投入し、トレハロースを加熱用容器内の水に溶かした後、加熱用容器の内容物を加熱し、加熱終了後に得られたトレハロース含有糊化飯を加熱用容器内で約10分間蒸らして、従来の加工米飯を調製した。次に、得られた加工米飯(比較例2)を撹拌混合した後、減圧冷却により約20℃まで冷却し、減圧冷却直後の加工米飯(比較例2)から検査用試料を採取し、残りの加工米飯(比較例2)を約0℃〜約10℃の範囲で管理された冷蔵庫内で保存し、本発明の加工米飯の場合と同様に各所定時間経過後に該加工米飯(比較例2)から検査用試料を採取し、各試料について、検査員により、実食による官能検査を行い、各試料の食味及び食感について総合的に評価した。その結果を下記表1に示す。
また、比較例3として、通常の米飯を調製した。つまり、本発明の加工米飯の場合と同一の条件で吸水済み生米を準備し、これを加熱用容器入れ、更に吸水済み生米と水との合計重量が約1300gとなるように加熱用容器に注水した後、加熱用容器の内容物を加熱し、加熱終了後に得られた糊化飯を加熱用容器内で約10分間蒸らして、通常の米飯を調製した。次に、得られた通常米飯を撹拌混合した後、減圧冷却により約20℃まで冷却し、減圧冷却直後の通常米飯から検査用試料を採取し、残りの通常米飯を約0℃〜約10℃の範囲で管理された冷蔵庫内で保存し、本発明の加工米飯の場合と同様に各所定時間経過後に該通常米飯から検査用試料を採取し、各試料について、検査員により、実食による官能検査を行い、各試料の食味及び食感について総合的に評価した。その結果を下記表1に示す。
表1に示すように、比較例1の加工米飯は、耐老化性の点において、比較例3の通常米飯と同等で、比較例2の加工米飯は、耐老化性の点において、本発明の加工米飯よりも劣ることが確認された。これに対して、本発明の加工米飯については、冷蔵保存下で72時間経過しても、老化の進行がなく、電子レンジなどによって再加熱しなくても、そのまま食することができ、比較例2及び比較例3の加工米飯よりも、冷蔵保存下での耐老化性に優れていることが確認された。
Figure 0006878735
S10 加熱工程
S20 添加工程
S30 蒸らし工程

Claims (2)

  1. 加工米飯の製造方法であって、
    原料米を水とともに加熱することにより、原料米に含有される澱粉が糊化された糊化飯を得る加熱工程(S10)と、
    加熱工程終了直後の糊化飯に対して、トレハロースからなる水溶性の保水剤と、マルトースからなる水溶性の保水剤と、トレハロースとマルトースとを混合した水溶性の保水剤のうちのいずれかの保水剤と、デキストリンからなる水溶性の浸透抑制剤とを水に溶かした水溶液である改質剤を添加することにより、改質剤が糊化飯に付着した改質剤付着糊化飯を得る添加工程(S20)と、
    添加工程終了直後の改質剤付着糊化飯を蒸らすことにより、改質剤が各糊化飯粒の内部に吸収された加工米飯を得る蒸らし工程(S30)とを有し、
    上記保水剤は、加工米飯粒中の水分が蒸発するのを抑制する性質を有し、上記浸透抑制剤は、吸収された改質剤が加工米飯粒の表層部から深層部に浸透するのを抑制する性質を有することを特徴とする加工米飯の製造方法。
  2. 上記加工米飯においては、浸透抑制剤により、加工米飯粒の表層部が加工米飯粒の深層部よりも多くの水分を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の加工米飯の製造方法。
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