JP6878289B2 - 接着剤組成物、硬化体、電子部品及び組立部品 - Google Patents

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Description

本発明は、接着性に優れ、かつ、低温でのリワークが容易な接着剤組成物に関する。また、本発明は、該接着剤組成物の硬化体、並びに、該接着剤組成物の硬化体を有する電子部品及び組立部品に関する。
近年、薄型、軽量、低消費電力等の特徴を有する表示素子として、液晶表示素子、有機EL表示素子等が広く利用されている。これらの表示素子では、通常、液晶又は発光層の封止、基板、光学フィルム、保護フィルム等の各種部材の接着等に光硬化型樹脂組成物が用いられている。また、携帯電話、携帯ゲーム機等、各種表示素子付きモバイル機器が普及している現代において、表示素子の小型化は最も求められている課題であり、小型化の手法として、画像表示部を狭額縁化することが行われている(以下、狭額縁設計ともいう)。
しかしながら、表示素子の小型化に伴い、充分に光の届かない部分に光硬化型樹脂組成物が塗布されることがあり、その結果、光の届かない部分に塗布された光硬化型樹脂組成物は硬化が不充分となるという問題があった。この問題は、狭額縁設計の表示素子において特に顕著であった。そこで、光の届かない部分に塗布された場合でも充分に硬化できる樹脂組成物として光熱硬化型樹脂組成物を用い、光硬化と熱硬化とを併用することも行われているが、高温での加熱により素子等に悪影響を与えるおそれがあった。
また、近年、半導体チップ等の電子部品では、高集積化、小型化が要求されており、例えば、接着剤層を介して複数の薄い半導体チップを接合して半導体チップの積層体とすることが行われている。このような半導体チップの積層体は、例えば、一方の半導体チップ上に接着剤を塗布した後、該接着剤を介して他方の半導体チップを積層し、その後、接着剤を硬化させる方法、一定の間隔を空けて保持した半導体チップ間に接着剤を充填し、その後、接着剤を硬化させる方法等により製造されている。
このような電子部品の接着に用いられる接着剤として、例えば、特許文献1には、数平均分子量が600〜1000であるエポキシ化合物を含有する熱硬化型の接着剤が開示されている。しかしながら、特許文献1に開示されているような熱硬化型の接着剤は、熱により損傷する可能性のある電子部品の接着には適さないものであった。
高温での加熱を行わずに樹脂組成物を硬化させる方法として、湿気硬化型樹脂組成物を用いる方法が検討されている。例えば、特許文献2には、樹脂中のイソシアネ−ト基が空気中又は被着体中の湿気(水分)と反応することによって架橋硬化する湿気硬化型樹脂組成物が開示されている。しかしながら、特許文献1に開示されているような熱硬化型の接着剤は、熱により損傷する可能性のある電子部品の接着には適さないものであった。また、熱硬化型の接着剤は、長時間大きな荷重がかかると接着特性が低下しやすいため、信頼性の高い接着剤を得ることが困難であり、特に狭額縁設計の表示素子では大きな問題であった。
特開2000−178342号公報 特開2002−212534号公報
今般、本発明者らは、リワーク性を付与した新しいタイプの湿気硬化型樹脂組成物の着想を得たが、上述したような湿気硬化型樹脂組成物は、接着性とリワーク性(再剥離性)とを両立させることが困難であった。特に、高温条件でリワークを実施すると電子部品等を損傷させるという問題があるため、固定時には高温での加熱を必要とせずに硬化して優れた接着性を有し、かつ、リワーク時には低温条件での加熱で容易に剥離することが可能な樹脂組成物の検討が必要であった。
本発明は、接着性に優れ、かつ、低温でのリワークが容易な接着剤組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、該接着剤組成物の硬化体、並びに、該接着剤組成物の硬化体を有する電子部品及び組立部品を提供することを目的とする。
本発明は、湿気硬化型樹脂と発泡剤とを含有する接着剤組成物である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、湿気硬化型樹脂組成物に発泡剤を配合することにより、接着性に優れ、かつ、低温でのリワークが容易な接着剤組成物を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の接着剤組成物は、接着剤としての使用後、強固な接着力を有しながらも、リワークに際しては、比較的低温で加熱することにより接着部分を剥離させることができる、いわゆる熱剥離型接着剤組成物である。
本発明の接着剤組成物は、発泡剤を含有する。
上記発泡剤を含有することにより、本発明の接着剤組成物は、低温でのリワーク性に優れるものとなる。
上記「発泡剤」としては、例えば、無機発泡剤、有機発泡剤、熱膨張性粒子等が挙げられる。上記発泡剤の形状は特に限定されないが、粒子形状であることが好ましい。
なお、上記「無機発泡剤」及び上記「有機発泡剤」は、加熱による分解等の作用によりガスを発生させるものを意味する。また、上記「熱膨張性粒子」は、熱可塑性樹脂からなるシェル内にコア剤として低沸点化合物を内包してなり、加熱によりコア剤が揮発してシェル内のガス圧が増し、シェルを構成する熱可塑性樹脂が軟化して体積が増大する粒子を意味する。
上記無機発泡剤としては、例えば、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム等や、ポリリン酸アミド、ポリリン酸アンモニウム、リン酸メラミン等や、マグネシウム末、アルミニウム末等の軽金属や、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ナトリウム等の水素化物や、アジ化ナトリウム等のアジ化物等が挙げられる。
上記有機発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物や、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジニトロソ−N,N’−ジメチルテレフタルアミド等のニトロソ化合物や、p−トルエンスルホニルヒドラジド、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ヒドラゾルカルボンアミド等のヒドラジド化合物や、p−トルエンスルホニルアジド、アセトン−p−スルホニルヒドラゾン、メラミン、尿素、ジシアンジアミド、でんぷん、セルロース、糖類、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
上記熱膨張性粒子のシェルを構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンや、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ポリアクリロニトリル等が挙げられる。なかでも、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、メチルメタクリレート−アクリロニトリル共重合体が好ましい。
上記熱膨張性粒子は、湿気によるシェルの軟化を抑制する観点から、シェルの表面の一部又は全部が上記熱可塑性樹脂以外の材料により被覆されていてもよい。被覆の態様としては、例えば、無機材料及び/又は有機材料による薄膜コーティングや、微粒子による表面被覆等が挙げられる。
上記無機材料及び/又は有機材料による薄膜コーティングとしては、例えば、電解めっき又は無電解めっきによる表面被覆、シランカップリング剤による表面被覆等が挙げられる。
上記電解めっき又は上記無電解めっきに用いられるめっき材料としては、例えば、銅、アルミニウム、金、銀、ニッケル、鉛、半田等の金属材料が挙げられる。なかでも、コストの観点から、銅、ニッケルが好ましい。上記電解めっき又は上記無電解めっきにより形成されるめっき層は、単層であってもよいし、複層であってもよい。
上記無機材料及び/又は有機材料による薄膜コーティングによって形成される被覆層の厚みの好ましい下限は10nm、好ましい上限は10μmである。上記被覆層の厚みの範囲がこの範囲であることにより、湿気によるシェルの軟化を充分に抑制することができ、かつ、熱膨張性粒子の発泡を適切に制御することができる。上記被覆層の厚みのより好ましい下限は100nm、より好ましい上限は4μmである。
上記被覆層の被覆率の好ましい下限は30%である。上記被覆層の被覆率が30%以上であることにより、湿気によるシェルの軟化を充分に抑制することができ、かつ、熱膨張性粒子の発泡を適切に制御することができる。上記被覆層の被覆率のより好ましい下限は60%である。
上記被覆層の被覆率の実質的な上限は100%である。
上記微粒子による表面被覆を行う場合、該微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、マグネシア等が挙げられる。なかでも、コストの観点から、シリカ、アルミナが好ましい。
上記微粒子の平均粒子径の好ましい下限は10nm、好ましい上限は1μmである。上記微粒子の平均粒子径がこの範囲であることにより、湿気によるシェルの軟化を充分に抑制することができ、かつ、熱膨張性粒子の発泡を適切に制御することができる。上記微粒子の平均粒子径のより好ましい下限は20nm、より好ましい上限は500nmである。
なお、上記微粒子の平均粒子径は、レーザー回折散乱法により測定することができる。レーザー回折散乱法には、例えば、Mastersizer Hydro 2000SM(Malvern社製)等を用いることができる。
上記微粒子の被覆率の好ましい下限は30%である。上記微粒子の被覆率が30%以上であることにより、湿気によるシェルの軟化を充分に抑制することができ、かつ、熱膨張性粒子の発泡を適切に制御することができる。上記微粒子の被覆率のより好ましい下限は60%である。
上記微粒子の被覆率の実質的な上限は100%である。
上記熱膨張性粒子のコア剤となる低沸点化合物としては、例えば、エタン、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、n−へキサン、n−ヘプタン、イソオクタン、シクロヘキサン等の低分子量の炭化水素や、テトラメチルシラン、トリメチルエチルシラン等のテトラアルキルシランや、アゾジカルボンアミド等が挙げられる。なかでも、イソブタン、イソペンタン、イソオクタン等の単体又は混合物が好ましい。
上記熱膨張性粒子中の上記低沸点化合物の含有量の好ましい下限は5重量%、好ましい上限は50重量%である。上記低沸点化合物の含有量が5重量%以上であることにより、得られる熱膨張性粒子が発泡性能により優れるものとなる。上記低沸点化合物の含有量が50重量%以下であることにより、得られる熱膨張性粒子がシェルの強度により優れるものとなり、より高い発泡倍率で発泡できるものとなる。上記熱膨張性粒子中の上記低沸点化合物の含有量のより好ましい下限は10重量%、より好ましい上限は30重量%である。
上記熱膨張性粒子のうち市販されているものとしては、例えば、031−DU−40、031−WUF−40、051−DU−40、551−DU−40、053−DU−40、053−WU−40、007−WUF−40、461−DU−40、461−DU−20(いずれもアクゾノーベル社製)、F−30、F−36、F−36LV、F−48、FN−80GS、F−50、F−65(いずれも松本油脂製薬社製)等が挙げられる。
上記発泡剤は、発泡開始温度の好ましい下限が60℃、好ましい上限が130℃である。上記発泡剤の発泡開始温度が60℃以上であることにより、得られる接着剤組成物が接着性により優れるものとなる。上記発泡剤の発泡開始温度が130℃以下であることにより、得られる接着剤組成物が低温でのリワーク性により優れるものとなる。上記発泡剤の発泡開始温度のより好ましい下限は70℃、より好ましい上限は110℃であり、更に好ましい上限は100℃である。
なお、上記発泡剤の発泡開始温度は、熱機械分析装置(TMA)で上記発泡剤を加熱した際に、高さ方向の変位がプラスに転じたときの温度を意味する。
上記発泡剤が粒子形状である場合、上記発泡剤の平均粒子径の好ましい下限は5μm、好ましい上限は20μmである。上記発泡剤の平均粒子径が5μm以上であることにより、得られる接着剤組成物中の発泡剤の発泡効率が高い為に接着剤組成物の剥離性が優れるものとなる。上記発泡剤の平均粒子径が20μm以下であることにより、得られる接着剤組成物の接着力が優れるものとなる。上記発泡剤の平均粒子径のより好ましい上限は18μmである。かかる平均粒子径の効果は、上記発泡剤が熱膨張性粒子である場合に顕著に確認される。
なお、上記発泡剤の平均粒子径は、レーザー回折散乱法により測定することができる。レーザー回折散乱法には、例えば、Mastersizer Hydro 2000SM(Malvern社製)等を用いることができる。
本発明の接着剤組成物100重量部中における上記発泡剤の含有量の好ましい下限は1重量部、好ましい上限は50重量部である。上記発泡剤の含有量がこの範囲であることにより、得られる接着剤組成物が接着性とリワーク性とを両立する効果により優れるものとなる。上記発泡剤の含有量のより好ましい下限は5重量部、より好ましい上限は40重量部であり、更に好ましい上限は20重量部である。
本発明の接着剤組成物は、湿気硬化型樹脂を含有する。
上記湿気硬化型樹脂としては、例えば、湿気硬化型ウレタン樹脂、加水分解性シリル基含有樹脂等が挙げられる。なかでも、湿気硬化型ウレタン樹脂が好ましい。
上記湿気硬化型ウレタン樹脂は、ウレタン結合とイソシアネート基とを有し、分子内のイソシアネート基が空気中又は被着体中の水分と反応して硬化する。
上記湿気硬化型ウレタン樹脂は、1分子中にイソシアネート基を1個のみ有していてもよいし、2個以上有していてもよい。なかでも、分子の主鎖両末端にイソシアネート基を有することが好ましい。
上記湿気硬化型ウレタン樹脂は、1分子中に2個以上の水酸基を有するポリオール化合物と、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物とを反応させることにより、得ることができる。
上記ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との反応は、通常、ポリオール化合物中の水酸基(OH)とポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基(NCO)のモル比で[NCO]/[OH]=2.0〜2.5の範囲で行われる。
上記湿気硬化型ウレタン樹脂の原料となるポリオール化合物としては、ポリウレタンの製造に通常用いられている公知のポリオール化合物を使用することができ、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアルキレンポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。これらのポリオール化合物は、単独で用いられてもよいし、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
上記ポリエステルポリオールとしては、例えば、多価カルボン酸とポリオールとの反応により得られるポリエステルポリオール、ε−カプロラクトンを開環重合して得られるポリ−ε−カプロラクトンポリオール等が挙げられる。
上記ポリエステルポリオールの原料となる上記多価カルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタル酸、2,6−ナフタル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカメチレンジカルボン酸、ドデカメチレンジカルボン酸等が挙げられる。
上記ポリエステルポリオールの原料となる上記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオール等が挙げられる。
上記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラヒドロフランの開環重合物、3−メチルテトラヒドロフランの開環重合物、及び、これら若しくはその誘導体のランダム共重合体又はブロック共重合体、ビスフェノール型のポリオキシアルキレン変性体等が挙げられる。
上記ビスフェノール型のポリオキシアルキレン変性体は、ビスフェノール型分子骨格の活性水素部分にアルキレンオキシド(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド等)を付加反応させて得られるポリエーテルポリオールであり、ランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。上記ビスフェノール型のポリオキシアルキレン変性体は、ビスフェノール型分子骨格の両末端に、1種又は2種以上のアルキレンオキシドが付加されていることが好ましい。ビスフェノール型としては特に限定されず、A型、F型、S型等が挙げられ、好ましくはビスフェノールA型である。
上記ポリアルキレンポリオールとしては、例えば、ポリブタジエンポリオール、水素化ポリブタジエンポリオール、水素化ポリイソプレンポリオール等が挙げられる。
上記ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、ポリヘキサメチレンカーボネートポリオール、ポリシクロヘキサンジメチレンカーボネートポリオール等が挙げられる。
上記湿気硬化型ウレタン樹脂の原料となるポリイソシアネート化合物としては、芳香族ポリイソシアネート化合物、脂肪族ポリイソシアネート化合物が好適に用いられる。
上記芳香族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートの液状変性物、ポリメリックMDI、トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート等が挙げられる。
上記脂肪族ポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
上記ポリイソシアネート化合物としては、なかでも、蒸気圧及び毒性の低い点、扱いやすさの点からジフェニルメタンジイソシアネート及びその変性物が好ましい。
上記ポリイソシアネート化合物は、単独で用いられてもよいし、2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
また、上記湿気硬化型ウレタン樹脂は、下記式(1)で表される構造を有するポリオール化合物を用いて得られたものであることが好ましい。下記式(1)で表される構造を有するポリオール化合物を用いることにより、接着性に優れる組成物、及び、柔軟で伸びがよい硬化物を得ることができ、上記ラジカル重合性化合物との相溶性に優れるものとなる。なかでも、プロピレングリコール、テトラヒドロフラン(THF)化合物の開環重合化合物、又は、メチル基等の置換基を有するテトラヒドロフラン化合物の開環重合化合物からなるポリエーテルポリオールを用いたものが好ましい。
Figure 0006878289
式(1)中、Rは、水素原子、メチル基、又は、エチル基を表し、lは、0〜5の整数、mは、1〜500の整数、nは、1〜10の整数である。lは、0〜4であることが好ましく、mは、50〜200であることが好ましく、nは、1〜5であることが好ましい。
なお、lが0の場合とは、Rと結合した炭素が直接酸素と結合している場合を意味する。
上記加水分解性シリル基含有樹脂は、分子内の加水分解性シリル基が空気中又は被着体中の水分と反応して硬化する。
上記加水分解性シリル基含有樹脂は、1分子中に加水分解性シリル基を1個のみ有していてもよいし、2個以上有していてもよい。なかでも、分子の主鎖両末端に加水分解性シリル基を有することが好ましい。
上記加水分解性シリル基は、下記式(2)で表される。
Figure 0006878289
式(2)中、Rは、それぞれ独立に、置換されていてもよい炭素数1以上20以下のアルキル基、炭素数6以上20以下アリール基、炭素数7以上20以下のアラルキル基、又は、−OSiR (Rは、それぞれ独立に、炭素数1以上20以下の炭化水素基である)で示されるトリオルガノシロキシ基である。また、式(2)中、Xは、それぞれ独立に、ヒドロキシ基又は加水分解性基である。更に、式(2)中、aは、1〜3の整数である。
上記加水分解性基は特に限定されず、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基等が挙げられる。なかでも、活性が高いことから、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アシルオキシ基が好ましく、加水分解性が穏やかで取扱いやすいことから、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が更に好ましい。また、安全性の観点からは、反応により脱離する化合物がそれぞれエタノール、アセトンである、エトキシ基、イソプロペノキシ基が好ましい。
上記ヒドロキシ基又は上記加水分解性基は、1個のケイ素原子に対して、1〜3個の範囲で結合することができる。上記ヒドロキシ基又は上記加水分解性基が1個のケイ素原子に対して2個以上結合する場合には、それらの基は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上記式(2)におけるaは、硬化性の観点から、2又は3であることが好ましく、3であることが特に好ましい。また、保存安定性の観点からは、aは、2であることが好ましい。
また、上記式(2)におけるRとしては、例えば、メチル基、エチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基等のアリール基、ベンジル基等のアラルキル基、トリメチルシロキシ基、クロロメチル基、メトキシメチル基等があげられる。なかでも、メチル基が好ましい。
上記加水分解性シリル基としては、例えば、メチルジメトキシシリル基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリス(2−プロペニルオキシ)シリル基、トリアセトキシシリル基、(クロロメチル)ジメトキシシリル基、(クロロメチル)ジエトキシシリル基、(ジクロロメチル)ジメトキシシリル基、(1−クロロエチル)ジメトキシシリル基、(1−クロロプロピル)ジメトキシシリル基、(メトキシメチル)ジメトキシシリル基、(メトキシメチル)ジエトキシシリル基、(エトキシメチル)ジメトキシシリル基、(1−メトキシエチル)ジメトキシシリル基、(アミノメチル)ジメトキシシリル基、(N,N−ジメチルアミノメチル)ジメトキシシリル基、(N,N−ジエチルアミノメチル)ジメトキシシリル基、(N,N−ジエチルアミノメチル)ジエトキシシリル基、(N−(2−アミノエチル)アミノメチル)ジメトキシシリル基、(アセトキシメチル)ジメトキシシリル基、(アセトキシメチル)ジエトキシシリル基等が挙げられる。
上記加水分解性シリル基含有樹脂としては、例えば、加水分解性シリル基含有(メタ)アクリル樹脂、分子鎖末端又は分子鎖末端部位に加水分解性シリル基を有する有機重合体、加水分解性シリル基含有ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
上記加水分解性シリル基含有(メタ)アクリル樹脂は、主鎖に加水分解性シリル基含有(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸アルキルエステルとに由来する繰り返し構造単位を有することが好ましい。
上記加水分解性シリル基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸3−(トリメトキシシリル)プロピル、(メタ)アクリル酸3−(トリエトキシシリル)プロピル、(メタ)アクリル酸3−(メチルジメトキシシリル)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(トリメトキシシリル)エチル、(メタ)アクリル酸2−(トリエトキシシリル)エチル、(メタ)アクリル酸2−(メチルジメトキシシリル)エチル、(メタ)アクリル酸トリメトキシシリルメチル、(メタ)アクリル酸トリエトキシシリルメチル、(メタ)アクリル酸(メチルジメトキシシリル)メチル等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸n−ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。
上記加水分解性シリル基含有(メタ)アクリル樹脂を製造する方法としては、具体的には例えば、国際公開第2016/035718号に記載されている加水分解性ケイ素基含有(メタ)アクリル酸エステル系重合体の合成方法等が挙げられる。
上記分子鎖末端又は分子鎖末端部位に加水分解性シリル基を有する有機重合体は、主鎖の末端及び側鎖の末端の少なくともいずれかに加水分解性シリル基を有する。
上記主鎖の骨格構造は特に限定されず、例えば、飽和炭化水素系重合体、ポリオキシアルキレン系重合体、(メタ)アクリル酸エステル系重合体等が挙げられる。
上記ポリオキシアルキレン系重合体としては、例えば、ポリオキシエチレン構造、ポリオキシプロピレン構造、ポリオキシブチレン構造、ポリオキシテトラメチレン構造、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体構造、ポリオキシプロピレン−ポリオキシブチレン共重合体構造を有する重合体等が挙げられる。
上記分子鎖末端又は分子鎖末端部位に加水分解性シリル基を有する有機重合体を製造する方法としては、具体的には例えば、国際公開第2016/035718号に記載されている、分子鎖末端又は分子鎖末端部位のみに架橋性シリル基を有する有機重合体の合成方法が挙げられる。また、上記分子鎖末端又は分子鎖末端部位に加水分解性シリル基を有する有機重合体を製造する他の方法としては、例えば、国際公開第2012/117902号に記載されている反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体の合成方法等が挙げられる。
上記加水分解性シリル基含有ポリウレタン樹脂を製造する方法としては、例えば、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物とを反応させてポリウレタン樹脂を製造する際に、更に、シランカップリング剤等のシリル基含有化合物を反応させる方法等が挙げられる。具体的には例えば、特開2017−48345号公報に記載されている加水分解性シリル基を有するウレタンオリゴマーの合成方法等が挙げられる。
上記シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシ−エトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。なかでも、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランが好ましい。これらのシランカップリング剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
更に、上記湿気硬化型樹脂は、ラジカル重合性官能基を有していてもよい。
上記湿気硬化型樹脂が有していてもよいラジカル重合性官能基としては、不飽和二重結合を有する基が好ましく、特に反応性の面から(メタ)アクリロイル基がより好ましい。
なお、ラジカル重合性官能基を有する湿気硬化型樹脂は、後述するラジカル重合性化合物には含まず、湿気硬化型樹脂として扱う。
上記湿気硬化型樹脂の重量平均分子量は特に限定されないが、好ましい下限は800、好ましい上限は1万である。上記湿気硬化型樹脂の重量平均分子量がこの範囲であることにより、得られる接着剤組成物が硬化時に架橋密度が高くなり過ぎずに柔軟性により優れるものとなり、かつ、塗布性により優れるものとなる。上記湿気硬化型樹脂の重量平均分子量のより好ましい下限は2000、より好ましい上限は8000、更に好ましい下限は2500、更に好ましい上限は6000である。
なお、本明細書において上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による重量平均分子量を測定する際のカラムとしては、例えば、Shodex LF−804(昭和電工社製)等が挙げられる。また、GPCで用いる溶媒としては、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
本発明の接着剤組成物100重量部中における上記湿気硬化型樹脂の含有量の好ましい下限は20重量部、好ましい上限は90重量部である。上記湿気硬化型樹脂の含有量がこの範囲であることにより、得られる接着剤組成物が優れた耐候性や硬化物の柔軟性を維持しつつ、湿気硬化性により優れるものとなる。上記湿気硬化型樹脂の含有量のより好ましい下限は30重量部、より好ましい上限は70重量部である。
本発明者らは、接着性とリワーク性とを両立する効果をより向上させるために、被着体と接触している単位面積あたりの発泡剤の量を多くすることを目的として、本発明の接着剤組成物を含む接着層を厚くすることを検討した。図1は、(a)接着層の厚みが小さい場合、及び、(b)大きい場合における、本発明の接着剤組成物による被着体の接着状態を示す模式図である。
図1に示されるように、被着体1を接着する接着剤組成物2からなる接着層の厚み3が大きいほど、単位面積4あたりの接着剤組成物2に存在する発泡剤5の量が多くなる。そのため、接着層の厚み3を、接着性を維持できる限度で大きな厚みとすることで、接着性とリワーク性とを両立する効果がより向上される。この場合、接着層の厚み3を維持するために、前処理として光硬化させることが好ましい。そこで、光硬化性を発現させるため、本発明の接着剤組成物は、ラジカル重合性化合物及び光ラジカル重合開始剤を含有することが好ましい。即ち、上記ラジカル重合性化合物及び上記光ラジカル重合開始剤を含有することにより、光硬化性と湿気硬化性とが担保され、接着性とリワーク性との両立がより効果的なものとなる。このような本発明の接着剤組成物は、特に表示素子用封止剤や狭額縁設計の筐体接続に用いる接着剤に好適に用いることができる。
上記ラジカル重合性化合物としては、光重合性を有するラジカル重合性化合物であればよく、分子中にラジカル重合性官能基を有する化合物であれば特に限定されない。なかでも、ラジカル重合性官能基として不飽和二重結合を有する化合物が好適であり、特に反応性の面から(メタ)アクリロイル基を有する化合物(以下、「(メタ)アクリル化合物」ともいう)が好適である。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル又はメタクリロイルを意味し、上記「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味する。
上記(メタ)アクリル化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル化合物、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。また、上記ウレタン(メタ)アクリレートは、残存イソシアネート基を有さない。
上記(メタ)アクリル酸エステル化合物のうち単官能のものとしては、例えば、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド等のフタルイミドアクリレート類、各種イミド(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリル酸エステル化合物のうち2官能のものとしては、例えば、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、カーボネートジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエーテルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリブタジエンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記(メタ)アクリル酸エステル化合物のうち3官能以上のものとしては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応させることにより得られるもの等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートを合成するための原料となるエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スルフィド型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アルキルポリオール型エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、グリシジルエステル化合物、ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートのうち市販されているものとしては、例えば、EBECRYL860、EBECRYL3200、EBECRYL3201、EBECRYL3412、EBECRYL3600、EBECRYL3700、EBECRYL3701、EBECRYL3702、EBECRYL3703、EBECRYL3800、EBECRYL6040、EBECRYL RDX63182(いずれもダイセル・オルネクス社製)、EA−1010、EA−1020、EA−5323、EA−5520、EA−CHD、EMA−1020(いずれも新中村化学工業社製)、エポキシエステルM−600A、エポキシエステル40EM、エポキシエステル70PA、エポキシエステル200PA、エポキシエステル80MFA、エポキシエステル3002M、エポキシエステル3002A、エポキシエステル1600A、エポキシエステル3000M、エポキシエステル3000A、エポキシエステル200EA、エポキシエステル400EA(いずれも共栄社化学社製)、デナコールアクリレートDA−141、デナコールアクリレートDA−314、デナコールアクリレートDA−911(いずれもナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートは、例えば、イソシアネート化合物に対して、水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を、触媒量のスズ系化合物存在下で反応させることによって得ることができる。
上記イソシアネート化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリックMDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添XDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート等が挙げられる。
また、上記イソシアネート化合物としては、ポリオールと過剰のイソシアネート化合物との反応により得られる鎖延長されたイソシアネート化合物も使用することができる。
上記ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、カーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。
上記水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等の二価のアルコールのモノ(メタ)アクリレートや、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等の三価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート又はジ(メタ)アクリレートや、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートのうち市販されているものとしては、例えば、M−1100、M−1200、M−1210、M−1600(いずれも東亞合成社製)、EBECRYL230、EBECRYL270、EBECRYL4858、EBECRYL8402、EBECRYL8411、EBECRYL8412、EBECRYL8413、EBECRYL8804、EBECRYL8803、EBECRYL8807、EBECRYL9260、EBECRYL1290、EBECRYL5129、EBECRYL4842、EBECRYL210、EBECRYL4827、EBECRYL6700、EBECRYL220、EBECRYL2220、KRM7735、KRM−8295(いずれもダイセル・オルネクス社製)、アートレジンUN−9000H、アートレジンUN−9000A、アートレジンUN−7100、アートレジンUN−1255、アートレジンUN−330、アートレジンUN−3320HB、アートレジンUN−1200TPK、アートレジンSH−500B(いずれも根上工業社製)、U−2HA、U−2PHA、U−3HA、U−4HA、U−6H、U−6LPA、U−6HA、U−10H、U−15HA、U−122A、U−122P、U−108、U−108A、U−324A、U−340A、U−340P、U−1084A、U−2061BA、UA−340P、UA−4100、UA−4000、UA−4200、UA−4400、UA−5201P、UA−7100、UA−7200、UA−W2A(いずれも新中村化学工業社製)、AI−600、AH−600、AT−600、UA−101I、UA−101T、UA−306H、UA−306I、UA−306T(いずれも共栄社化学社製)等が挙げられる。
また、上述した以外のその他のラジカル重合性化合物も適宜使用することができる。
上記その他のラジカル重合性化合物としては、例えば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド化合物、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタム等のビニル化合物等が挙げられる。
上記ラジカル重合性化合物は、硬化性を調整する等の観点から、単官能ラジカル重合性化合物と多官能ラジカル重合性化合物とを含有することが好ましい。上記単官能ラジカル重合性化合物と上記多官能ラジカル重合性化合物とを含有することにより、得られる接着剤組成物が硬化性及びタック性により優れるものとなる。なかでも、上記多官能ラジカル重合性化合物としてウレタン(メタ)アクリレートを上記単官能ラジカル重合性化合物と組み合わせて用いることが好ましい。また、上記多官能ラジカル重合性化合物は、2官能又は3官能であることが好ましく、2官能であることがより好ましい。
上記ラジカル重合性化合物が、上記単官能ラジカル重合性化合物と上記多官能ラジカル重合性化合物とを含有する場合、上記多官能ラジカル重合性化合物の含有量は、上記単官能ラジカル重合性化合物と上記多官能ラジカル重合性化合物との合計100重量部に対して、好ましい下限が2重量部、好ましい上限が45重量部である。上記多官能ラジカル重合性化合物の含有量がこの範囲であることにより、得られる接着剤組成物が硬化性及びタック性により優れるものとなる。上記多官能ラジカル重合性化合物の含有量のより好ましい下限は5重量部、より好ましい上限は35重量部である。
本発明の接着剤組成物100重量部中における上記ラジカル重合性化合物の含有量の好ましい下限は10重量部、好ましい上限は80重量部である。上記ラジカル重合性化合物の含有量がこの範囲であることにより、得られる接着剤組成物に光硬化性と湿気硬化性との両方により優れるものとなる。上記ラジカル重合性化合物の含有量のより好ましい下限は30重量部、より好ましい上限は59重量部である。
上記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、チタノセン系化合物、オキシムエステル系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、チオキサントン等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、IRGACURE184、IRGACURE369、IRGACURE379、IRGACURE651、IRGACURE784、IRGACURE819、IRGACURE907、IRGACURE2959、IRGACURE OXE01、ルシリンTPO(いずれもBASF社製)、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル(いずれも東京化成工業社製)等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤の含有量は、上記ラジカル重合性化合物100重量部に対して、好ましい下限が0.01重量部、好ましい上限が10重量部である。上記光ラジカル重合開始剤の含有量がこの範囲であることにより、得られる接着剤組成物が光硬化性及び保存安定性により優れるものとなる。上記光ラジカル重合開始剤の含有量のより好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は5重量部である。
本発明の接着剤組成物は、ワックスを含有することが好ましい。
上記ワックスを含有することにより、本発明の接着剤組成物は、リワーク時の加熱により発泡剤が発泡するとともに硬化体が軟化するため、リワーク性により優れるものとなる。
なお、本明細書において、上記「ワックス」とは、23℃で固体であり、加温することで液体となる有機物を意味する。
上記ワックスの融点の好ましい下限は60℃、好ましい上限は130℃である。上記ワックスの融点がこの範囲であることにより、得られる接着剤組成物が接着性とリワーク性とを両立する効果により優れるものとなる。上記ワックスの融点のより好ましい下限は75℃、より好ましい上限は100℃である。
なお、上記ワックスの融点は、示差走査熱量測定により求めることができる。
上記ワックスとしては、具体的には例えば、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、酸化ポリエチレンワックス等のオレフィン系ワックス又はパラフィン系ワックスや、カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックス等の脂肪族エステル系ワックスや、脱酸カルナバワックスや、バルチミン酸、ステアリン酸、モンタン酸等の飽和脂肪族酸系ワックスや、プラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸等の不飽和脂肪族酸系ワックスや、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール等の飽和アルコール系ワックス又は脂肪族アルコール系ワックスや、ソルビトール等の多価アルコール系ワックスや、リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミド等の飽和脂肪酸アミド系ワックスや、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸ビスアミド系ワックスや、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミド等の不飽和酸アミド系ワックスや、m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミド等の芳香族ビスアミド系ワックスや、スチレン等のビニル系モノマーをポリオレフィンにグラフト重合させたグラフト変性ワックスや、ベヘニン酸モノグリセリド等の脂肪酸と多価アルコールとを反応させた部分エステルワックスや、植物性油脂を水素添加して得られるヒドロキシル基を有するメチルエステルワックスや、エチレン成分の含有割合が高いエチレン−酢酸ビニル共重合体ワックスや、アクリル酸等の飽和ステアリルアクリレートワックス等の長鎖アルキルアクリレートワックスや、ベンジルアクリレートワックス等の芳香族アクリレートワックス等が挙げられる。なかでも、パラフィン系ワックス、サゾールワックスが好ましい。
上記ワックスのうち市販されているものとしては、例えば、HSクリスタ−6100、HSクリスタ−7100(いずれも豊国製油社製)、H1、H1N6、C105、H105、C80、spray30、spray105(いずれもSasol社製)、ParaffinWax−155、ParaffinWax−150、ParaffinWax−145、ParaffinWax−140、HNP−3、HNP−9、HNP−51、SP−0165、Hi−Mic−2095、Hi−Mic−1090、Hi−Mic−1080、Hi−Mic−1070、NPS−6010、FT115、SX105、FNP−0090(いずれも日本精蝋社製)等が挙げられる。
本発明の接着剤組成物100重量部中における上記ワックスの含有量の好ましい下限は1重量部、好ましい上限は40重量部である。上記ワックスの含有量がこの範囲であることにより、得られる接着剤組成物が接着性とリワーク性とを両立する効果により優れるものとなる。上記ワックスの含有量のより好ましい下限は5重量部、より好ましい上限は20重量部である。
本発明の接着剤組成物は、上記湿気硬化型樹脂の湿気硬化反応を促進させる触媒を含有することが好ましい。上記触媒を含有することにより、本発明の接着剤組成物は、湿気硬化性により優れるものとなる。
上記触媒としては、具体的には例えば、ジラウリル酸ジn−ブチルスズ、ジ酢酸ジn−ブチルスズ、オクチル酸スズ等のスズ化合物、トリエチルアミン、U−CAT651M(サンアプロ社製)、U−CAT660M(サンアプロ社製)、U−CAT2041(サンアプロ社製)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、2,6,7−トリメチル−1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等のアミン化合物、オクチル酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛等の亜鉛化合物、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト等を用いることができる。
本発明の接着剤組成物100重量部中における上記触媒の含有量の好ましい下限は0.01重量部、好ましい上限は5重量部である。上記触媒の含有量がこの範囲であることにより、得られる接着剤組成物の保存安定性等を悪化させることなく、湿気硬化反応を促進させる効果により優れるものとなる。上記触媒の含有量のより好ましい下限は0.25重量部、より好ましい上限は3重量部である。
本発明の接着剤組成物は、充填剤を含有することが好ましい。
上記充填剤を含有することにより、本発明の接着剤組成物は、好適なチクソ性を有するものとなり、塗布後の形状を充分に保持することができる。
上記充填剤は、一次粒子径の好ましい下限が1nm、好ましい上限が50nmである。上記充填剤の一次粒子径がこの範囲であることにより、得られる接着剤組成物が塗布性及び塗布後の形状保持性により優れるものとなる。上記充填剤の一次粒子径のより好ましい下限は5nm、より好ましい上限は30nm、更に好ましい下限は10nm、更に好ましい上限は20nmである。
なお、上記充填剤の一次粒子径は、NICOMP 380ZLS(PARTICLE SIZING SYSTEMS社製)を用いて、上記充填剤を溶媒(水、有機溶媒等)に分散させて測定することができる。
また、上記充填剤は、本発明の接着剤組成物中において二次粒子(一次粒子が複数集まったもの)として存在する場合があり、このような二次粒子の粒子径の好ましい下限は5nm、好ましい上限は500nm、より好ましい下限は10nm、より好ましい上限は100nmである。上記充填剤の二次粒子の粒子径は、本発明の接着剤組成物又はその硬化物を、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて観察することにより測定することができる。
上記充填剤としては、無機充填剤が好ましく、例えば、シリカ、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム等が挙げられる。なかでも、得られる接着剤組成物が紫外線透過性に優れるものとなることから、シリカが好ましい。これらの充填剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わせて用いられてもよい。
上記充填剤は、疎水性表面処理がなされていることが好ましい。上記疎水性表面処理により、得られる接着剤組成物が塗布後の形状保持性により優れるものとなる。
上記疎水性表面処理としては、シリル化処理、アルキル化処理、エポキシ化処理等が挙げられる。なかでも、形状保持性を向上させる効果に優れることから、シリル化処理が好ましく、トリメチルシリル化処理がより好ましい。
上記充填剤を疎水性表面処理する方法としては、例えば、シランカップリング剤等の表面処理剤を用いて、充填剤の表面を処理する方法等が挙げられる。
具体的には例えば、上記トリメチルシリル化処理シリカは、シリカをゾルゲル法等の方法で合成し、シリカを流動させた状態でヘキサメチルジシラザンを噴霧する方法や、アルコール、トルエン等の有機溶媒中にシリカとヘキサメチルジシラザンと水とを加えた後、水と有機溶媒とをエバポレーターで蒸発乾燥させる方法等により作製することができる。
本発明の接着剤組成物100重量部中における上記充填剤の含有量の好ましい下限は1重量部、好ましい上限は20重量部である。上記充填剤の含有量がこの範囲であることにより、得られる接着剤組成物が塗布性及び塗布後の形状保持性により優れるものとなる。上記充填剤の含有量のより好ましい下限は2重量部、より好ましい上限は15重量部であり、更に好ましい下限は3重量部、更に好ましい上限は10重量部、特に好ましい下限は4重量部である。
本発明の接着剤組成物は、遮光剤を含有してもよい。
上記遮光剤を含有することにより、本発明の接着剤組成物は、遮光性に優れるものとなり、例えば、表示素子に用いた場合に光漏れを防止することができる。また、上記遮光剤を配合した本発明の接着剤組成物を用いて製造した表示素子は、接着剤組成物が充分な遮光性を有するため、光の漏れ出しがなく高いコントラストを有し、優れた画像表示品質を有するものとなる。
なお、本明細書において、上記「遮光剤」は、可視光領域の光を透過させ難い能力を有する材料を意味する。
上記遮光剤としては、例えば、酸化鉄、チタンブラック、アニリンブラック、シアニンブラック、フラーレン、カーボンブラック、樹脂被覆型カーボンブラック等が挙げられる。また、上記遮光剤は、黒色を呈するものでなくてもよく、可視光領域の光を透過させ難い能力を有する材料であれば、シリカ、タルク、酸化チタン等、充填剤として挙げた材料等も上記遮光剤に含まれる。なかでも、チタンブラックが好ましい。
上記チタンブラックは、波長300〜800nmの光に対する平均透過率と比較して、紫外線領域付近、特に波長370〜450nmの光に対する透過率が高くなる物質である。即ち、上記チタンブラックは、可視光領域の波長の光を充分に遮蔽することで本発明の接着剤組成物に遮光性を付与する一方、紫外線領域付近の波長の光は透過させる性質を有する遮光剤である。従って、光ラジカル重合開始剤として、上記チタンブラックの透過率の高くなる波長(370〜450nm)の光によって反応を開始可能なものを用いることで、本発明の接着剤組成物の光硬化性をより増大させることができる。また一方で、本発明の接着剤組成物に含有される遮光剤としては、絶縁性の高い物質が好ましく、絶縁性の高い遮光剤としてもチタンブラックが好適である。
上記チタンブラックは、光学濃度(OD値)が、3以上であることが好ましく、4以上であることがより好ましい。また、上記チタンブラックは、黒色度(L値)が9以上であることが好ましく、11以上であることがより好ましい。上記チタンブラックの遮光性は高ければ高いほど良く、上記チタンブラックのOD値に好ましい上限は特に無いが、通常は5以下となる。
上記チタンブラックは、表面処理されていないものでも充分な効果を発揮するが、表面がカップリング剤等の有機成分で処理されているもの、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウム等の無機成分で被覆されているもの等、表面処理されたチタンブラックを用いることもできる。なかでも、有機成分で処理されているものは、より絶縁性を向上できる点で好ましい。
上記チタンブラックのうち市販されているものとしては、例えば、12S、13M、13M−C、13R−N(いずれも三菱マテリアル社製)、ティラックD(赤穂化成社製)等が挙げられる。
上記チタンブラックの比表面積の好ましい下限は5m/g、好ましい上限は40m/gであり、より好ましい下限は10m/g、より好ましい上限は25m/gである。また、上記チタンブラックのシート抵抗の好ましい下限は、樹脂と混合された場合(70%配合)において、10Ω/□であり、より好ましい下限は1011Ω/□である。
本発明の接着剤組成物において、上記遮光剤の一次粒子径は、表示素子の基板間の距離以下等、用途に応じて適宜選択されるが、好ましい下限は30nm、好ましい上限は500nmである。上記遮光剤の一次粒子径がこの範囲であることにより、粘度及びチクソ性が大きく増大することなく、得られる接着剤組成物が基板への塗布性及び作業性により優れるものとなる。上記遮光剤の一次粒子径のより好ましい下限は50nm、より好ましい上限は200nmである。
なお、上記遮光剤の一次粒子径は、上記充填剤の一次粒子径と同様にして測定することができる。
本発明の接着剤組成物100重量部中における上記遮光剤の含有量の好ましい下限は0.05重量部、好ましい上限は10重量部である。上記遮光剤の含有量がこの範囲であることにより、得られる接着剤組成物が、優れた描画性、基板等に対する接着性、及び、硬化後の強度を維持したまま、遮光性により優れるものとなる。上記遮光剤の含有量のより好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は2重量部、更に好ましい上限は1重量部である。
本発明の接着剤組成物は、更に、必要に応じて、着色剤、イオン液体、溶剤、金属含有粒子、反応性希釈剤等の添加剤を含有してもよい。
本発明の接着剤組成物を製造する方法としては、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリーミキサー、ニーダー、3本ロール等の混合機を用いて、湿気硬化型樹脂と、発泡剤と、必要に応じて添加するラジカル重合性化合物及び光ラジカル重合開始剤や添加剤とを混合する方法等が挙げられる。
本発明の接着剤組成物は、含有する水分量が100ppm以下であることが好ましい。上記水分量が100ppm以下であることにより、保存中の上記湿気硬化型樹脂と水分との反応を抑制することができ、接着剤組成物がより保存安定性に優れるものとなる。上記水分量は80ppm以下であることがより好ましい。
なお、上記水分量は、カールフィッシャー水分測定装置により測定することができる。
本発明の接着剤組成物における、コーンプレート型粘度計を用いて25℃、1rpmの条件で測定した粘度の好ましい下限は50Pa・s、好ましい上限は1000Pa・sである。上記粘度がこの範囲であることにより、接着剤組成物を基板等の被着体に塗布する際の作業性により優れるものとなる。上記粘度のより好ましい下限は80Pa・s、より好ましい上限は500Pa・s、更に好ましい上限は400Pa・sである。
なお、本発明の接着剤組成物の粘度が高すぎる場合は、塗布時に発泡剤が発泡しない程度の低温で加温することで塗布性を向上させることができる。
本発明の接着剤組成物のチクソトロピックインデックスの好ましい下限は1.3、好ましい上限は5.0である。上記チクソトロピックインデックスがこの範囲であることにより、接着剤組成物を基板等の被着体に塗布する際の作業性により優れるものとなる。上記チクソトロピックインデックスのより好ましい下限は1.5、より好ましい上限は4.0である。
なお、本明細書において上記チクソトロピックインデックスとは、コーンプレート型粘度計を用いて25℃、1rpmの条件で測定した粘度を、コーンプレート型粘度計を用いて25℃、10rpmの条件で測定した粘度で除した値を意味する。
本発明の接着剤組成物は、硬化後の1mm厚みの硬化物の光学濃度(OD値)が1以上であることが好ましい。上記OD値が1以上であることにより、遮光性に優れ、表示素子に用いた場合に光の漏れ出しを防止し、高いコントラストを得ることができる。上記OD値は1.5以上であることがより好ましい。
上記OD値は高いほど良いが、上記OD値を高くするために遮光剤を多く配合しすぎると、増粘による作業性の低下等が生じることから、遮光剤の配合量とのバランスをとるため、上記硬化体のOD値の好ましい上限は4である。
なお、上記接着剤組成物の硬化後のOD値は、光学濃度計を用いて測定することができる。
本発明の接着剤組成物は、硬化後、リワーク時の加熱により容易に剥離することができる。
上記リワーク時の加熱温度の好ましい下限は60℃、好ましい上限は120℃である。上記加熱温度がこの範囲であることにより、電子部品等を損傷させることなく容易に剥離することができる。上記リワーク時の加熱温度のより好ましい下限は75℃、より好ましい上限は110℃である。
本発明の接着剤組成物の硬化体もまた、本発明の1つである。硬化前の接着剤組成物に湿気硬化型ウレタン樹脂が含まれているので、本発明の硬化体は、ウレア結合及び/又はウレタン結合を有している。本発明の硬化体に含まれる成分は、本発明の接着剤組成物に含有される成分及び該成分が本発明の接着剤組成物の硬化にあたり化学反応等により変化した成分である。
本発明の接着剤組成物の硬化体を有する電子部品もまた、本発明の1つである。本発明の接着剤組成物は、特に小型化や狭額縁設計を必要とする電子部品において、上述した優れた効果を奏する。
本発明の電子部品において、本発明の接着剤組成物は、主に被着体の接着に用いられる。
本発明の接着剤組成物を用いて接着することが可能な被着体としては、金属、ガラス、プラスチック等の各種の被着体が挙げられる。
上記被着体の形状としては、例えば、フィルム状、シート状、板状、パネル状、トレイ状、ロッド(棒状体)状、箱体状、筐体状等が挙げられる。
上記金属としては、例えば、鉄鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ニッケル、クロム又はその合金等が挙げられる。
上記ガラスとしては、例えば、アルカリガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等が挙げられる。
上記プラスチックとしては、例えば、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、エチレンプロピレン共重合体樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体(N6/66/610)、ナイロンMXD6(MXD6)、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合体等のポリアミド系樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、PET/PEI共重合体、ポリアリレート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸/ポリブチレンテレフタレート共重合体等の芳香族ポリエステル系樹脂、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、メタクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリロニトリル/スチレン/ブタジエン共重合体等のポリニトリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸エチル等のポリメタクリレート系樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体等のポリビニル系樹脂等が挙げられる。
また、上記被着体としては、表面に金属メッキ層を有する複合材料も挙げられ、該複合材料のメッキの下地材としては、例えば、上述した、金属、ガラス、プラスチック等が挙げられる。
更に、上記被着体としては、金属表面を不動態化処理することにより不動態皮膜を形成した材料も挙げられ、該不動態化処理としては、例えば、加熱処理、陽極酸化処理等が挙げられる。特に、国際アルミニウム合金名が6000番台の材質であるアルミニウム合金等の場合は、上記不動態化処理として硫酸アルマイト処理又はリン酸アルマイト処理を行うことで、接着性を向上させることができる。
また、第1の基板、第2の基板、及び、本発明の接着剤組成物の硬化体を有し、上記第1の基板の少なくとも一部は、上記第2の基板の少なくとも一部と上記接着剤組成物の硬化体を介して接合されている組立部品もまた、本発明の1つである。
上記第1の基板及び上記第2の基板は、それぞれ少なくとも1つの電子部品を有することが好ましい。
本発明によれば、接着性に優れ、かつ、低温でのリワークが容易な接着剤組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該接着剤組成物の硬化体、並びに、該接着剤組成物の硬化体を有する電子部品及び組立部品を提供することができる。
(a)接着層の厚みが小さい場合、及び、(b)大きい場合における、本発明の接着剤組成物による被着体の接着状態を示す模式図である。 (a)は、接着性評価用サンプルを上から見た場合を示す模式図であり、(b)は、接着性評価用サンプルを横から見た場合を示す模式図である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(合成例1(湿気硬化型ウレタン樹脂の作製))
ポリオール化合物として100重量部のポリテトラメチレンエーテルグリコール(三菱化学社製、「PTMG−2000」)と、0.01重量部のジブチル錫ジラウレートとを500mL容のセパラブルフラスコに入れ、真空下(20mmHg以下)、100℃で30分間撹拌し、混合した。その後常圧とし、ポリイソシアネート化合物としてジフェニルメタンジイソシアネート(日曹商事社製、「Pure MDI」)26.5重量部を入れ、80℃で3時間撹拌して反応させ、湿気硬化型ウレタン樹脂(重量平均分子量2700)を得た。
(実施例1〜7、比較例1〜3)
表1に記載された配合比に従い、各材料を、遊星式撹拌装置(シンキー社製、「あわとり練太郎」)にて撹拌した後、セラミック3本ロールにて均一に混合して実施例1〜7、比較例1〜3の接着剤組成物を得た。
<評価>
実施例及び比較例で得られた各接着剤組成物について以下の評価を行った。結果を表1に示した。なお、比較例3で得られた接着剤組成物については、樹脂が硬化せず、各評価におけるサンプルの作製ができなかったため、以下の評価は行わなかった。
(接着性)
実施例及び比較例で得られた各接着剤組成物を、ディスペンス装置を用いて、アルミニウム基板に約1mmの幅で塗布し、UV−LED(波長365nm)を用いて、紫外線を1000mJ/cm照射することによって光硬化させた。次いで、該アルミニウム基板にガラス板を貼り合わせ、100gの重りを置き、一晩放置することにより湿気硬化させて、接着性評価用サンプルを得た。
図2に接着性評価用サンプルを上から見た場合を示す模式図(図2(a))、及び、接着性評価用サンプルを横から見た場合を示す模式図(図2(b))を示した。
作製した接着性評価用サンプルを、25℃及び80℃において引張り試験機(島津製作所社製、「Ez−Graph」)を用いて、剪断方向に5mm/secの速度で引張り、アルミニウム基板とガラス板とが剥がれる際の強度を測定した。
測定された強度が18N/cm以上であった場合を「◎」、18N/cm未満14N/cm以上であった場合を「○」、14N/cm未満10N/cm以上であった場合を「△」、10N/cm未満であった場合を「×」として接着性を評価した。
(信頼性)
上記「(接着性)」の評価で作製した接着性評価用サンプルと同様にして信頼性評価用サンプルを作製した。
作製した信頼性評価用サンプルを地面に対して垂直にぶら下げ、アルミニウム基板の端に300gの重りをつるした状態で80℃のオーブンに入れた。
オーブンに入れてから72時間以上経過してもアルミニウム基板とガラスとが剥がれていなかった場合を「◎」、24時間以上72時間未満で剥がれた場合を「○」、12時間以上24時間未満で剥がれた場合を「△」、12時間未満で剥がれていた場合を「×」として信頼性を評価した。
(リワーク性)
上記「(接着性)」の評価で作製した接着性評価用サンプルと同様にしてリワーク性評価用サンプルを得た。
作製したリワーク評価用サンプルを、100℃において引張り試験機(島津製作所社製、「Ez−Graph」)を用いて、剪断方向に5mm/secの速度で引張り、アルミニウム基板とガラス板とが剥がれる際の強度を測定した。
測定された強度が5N/cm以下であった場合を「◎」、5N/cmを超え10N/cm以下であった場合を「○」、10N/cmを超え18N/cm以下であった場合を「△」、18N/cmを超えた場合を「×」としてリワーク性を評価した。
Figure 0006878289
本発明によれば、接着性に優れ、かつ、低温でのリワークが容易な接着剤組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該接着剤組成物の硬化体、並びに、該接着剤組成物の硬化体を有する電子部品及び組立部品を提供することができる。
1 被着体
2 接着剤組成物
3 接着層の厚み
4 単位面積
5 発泡剤
6 アルミニウム基板
7 接着剤組成物
8 ガラス板

Claims (10)

  1. 湿気硬化型樹脂と発泡剤とラジカル重合性化合物と光ラジカル重合開始剤とを含有することを特徴とする接着剤組成物。
  2. 前記発泡剤は、発泡開始温度が60℃〜130℃であることを特徴とする請求項1記載の接着剤組成物。
  3. 前記発泡剤は、粒子形状であり、平均粒子径が5〜20μmであることを特徴とする請求項1又は2記載の接着剤組成物。
  4. 前記接着剤組成物100重量部中における発泡剤の含有量が1〜50重量部であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の接着剤組成物。
  5. 前記湿気硬化型樹脂は、湿気硬化型ウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の接着剤組成物。
  6. ワックスを含有することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の接着剤組成物。
  7. 請求項1、2、3、4、5又は6記載の接着剤組成物の硬化体であって、ウレア結合及び/又はウレタン結合を有することを特徴とする硬化体。
  8. 請求項1、2、3、4、5又は6記載の接着剤組成物の硬化体を有することを特徴とする電子部品。
  9. 第1の基板、第2の基板、及び、請求項1、2、3、4、5又は6記載の接着剤組成物の硬化体を有し、
    前記第1の基板の少なくとも一部は、前記第2の基板の少なくとも一部と前記接着剤組成物の硬化体を介して接合されていることを特徴とする組立部品。
  10. 前記第1の基板及び前記第2の基板は、それぞれ少なくとも1つの電子部品を有することを特徴とする請求項記載の組立部品。
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