JP6877550B2 - 組織試料用の全自動核酸抽出方法 - Google Patents

組織試料用の全自動核酸抽出方法 Download PDF

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Description

本発明は、組織試料用の核酸抽出方法に関し、より詳細には、組織化学染色又はその他の染色(例えば免疫組織化学、in situハイブリダイゼーション、ヘマトキシリン、エオジン染色等)に使用される組織試料を含むがこれらに限定されない、例えばスライド上にマウントされた組織試料などの組織試料から核酸(例えばDNA、RNA)を抽出するための自動化された方法に関する。
免疫組織化学(IHC)は、特定の抗原に特異的な抗体などの特異的な結合部分を使用して、生物学的試料中のタンパク質などの抗原を検出し、その位置を特定し、且つ/又は定量化する方法を指す。IHCは、組織試料内のどこに特定のたんぱく質が位置するかを正確に同定するかなりの利点を提供する。それはまた、組織自体を検査するための効果的な方法である。in situハイブリッド(ISH)は、核酸を検出し、その位置を特定し、且つ定量化する方法を指す。IHCとISHはどちらも、様々な生物学的試料、例えば組織(例えば新鮮凍結、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE))及び細胞学的試料に対して実施することができる。標的の認識は、様々な標識(例:発色性、蛍光性、発光性、放射性等)を用いて検出可能である。
がん患者組織試料の核酸配列解析は、この不均一で複雑な疾患の治療法を導き、理解を深めるために役立つ新しい知見を提供する。ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織を利用した分子研究の成功は、抽出されたDNA及び/又はRNAの量と質の両方にかかっている。過去の分析及び本解析で障害となっているのは、疾患の診断に広く使用されるFFPE組織からの核酸の抽出である。FFPE組織からの核酸の抽出は、一般的に面倒で困難であり、抽出プロセスの標準化はほとんど又はまったく行われていない。核酸の単離は通常、スライドからチューブ(例えばエッペンドルフチューブ)に組織試料を擦って、現在知られている手動方法(例えば市販のキット)を使用して核酸を単離及び精製することを伴う。これらの方法には、いくつかの欠点がある。例えば、試料を脱パラフィンする必要があったり、スクレイピングプロセス中に試料が損失したりするおそれがある。試料損失は、少量又は希少な試料では特に問題になる。さらに、市販のキットは高価で手動で且つ時間がかかり、しばしば一晩の酵素消化を必要とする。さらに、市販の手動核酸抽出キットは、有害な化学物質(例えば脱パラフィンのためのキシレン)の使用をしばしば必要とし、また、他の下流用途でさらに利用する前に核酸をさらに精製する必要がある。
驚くべきことに、自動染色装置でFFPE組織試料から核酸を抽出できることが発見された。抽出手順は完全に機器上で行なわれる。さらに、抽出はわずか数時間(例:2時間余り)で完了できる。すべての工程が自動化されているため、ユーザーが実際に操作する時間がなく(抽出中のばらつきやエラーを減らすのにも役立つ)、ユーザーへの化学物質の曝露もない。FFPE試料は広く使用されているため、本発明の核酸抽出法は、ほとんどの解剖学的病理試料に使用できる。さらなる利点としては、レトロスペクティブ試験で核酸を抽出できること、先に組織化学(例:免疫組織化学、in situハイブリダイゼーション)、染色(例:H&Eなど)で使用した試料から核酸を抽出する機能できることなどが挙げられる。本発明の方法は、染色済みスライド上で使用することができる。いくつかの実施態様では、本発明の方法は、未染色スライド上で使用することができる。また、同時に複数のスライド、例えば一度に30枚のスライドを使用することもできる。
これらの方法は、脱パラフィン工程、抗原回復工程、プロテアーゼ処理工程、組織からDNA又はRNAを溶出するための溶出工程(例:熱工程)を特徴とする。いくつかの実施態様では、これらの方法(例:RNA抽出法)はまた、グアニジンチオシアネート又は同等の試薬を特徴とするさらなる処理工程も特徴とする。本発明をいかなる理論又は機構にも限定することを望むものではないが、免疫組織化学(IHC)の手順中に典型的に使用される抗原回復工程が自動核酸抽出に有効であることは驚くべきことである。
本明細書に記載の自動核酸抽出法は、試料品質の向上をもたらし、且つ、市販のキットよりも試料収率が高い。抽出された核酸の解析は、本明細書の自動方法で抽出されたDNA及びRNAが、市販の方法を用いて抽出された試料よりもはるかに劣化が少ないことを示している。また、本明細書に記載の自動抽出方法は、組織の利用可能性が制限されている場合に役立つ可能性がある。組織試料の多くは組織染色に供され、分子解析を実施するのに十分な余剰組織がない。この自動方法は、以前に染色された組織からDNAを効率的に回収するための有用性を実証し、これにより余剰組織の必要がなくなり、ユーザーは単一の組織切片を染色し、同じ切片上で分子解析を実施することが可能になる。
本明細書に記載の自動方法を使用して抽出された核酸は、様々な下流用途に適している。例えば、本明細書に記載の自動方法を使用して抽出されたDNAは、PCRベースの解析、ゲル分析及び配列決定に使用可能なテンプレートであり得る。本明細書に記載の自動方法を用いて抽出されたRNAは、ゲル分析、cDNA合成、その後のPCR、配列決定等に有用であり得る。
一態様では、本発明は、スライド上に配置された1以上の組織試料(例:新鮮、凍結、FFPE組織試料等)から核酸を抽出するための自動方法を特徴とする。この方法は、自動スライド染色機を使用して、複数の核酸抽出試薬を1以上の組織試料に自動的に分配し、前記試薬が1以上のスライド上の1以上の組織試料に接触することができるように、1以上の組織試料をそれぞれ所定の順序で処理する。この方法はさらに、1以上の試料を前記試薬で処理し、それによって、抽出された核酸を含む1以上の抽出核酸試料を得ることを含む。
さらに、1以上の抽出核酸試料を1枚以上のスライドから(例えばチューブ又は他の容器の中へ)取り出すことをさらに含む。本方法は、1以上の抽出核酸試料から核酸を精製及び/又は解析することをさらに含み得る。いくつかの実施態様では、解析は、抽出核酸試料の増幅、抽出核酸試料の配列決定、これらの組み合わせ等を含み得る。
いくつかの実施態様では、抽出された核酸はDNAである。いくつかの実施態様では、抽出された核酸はRNAである。いくつかの実施態様では、核酸抽出試薬は、脱パラフィン溶液、緩衝液、洗剤、界面活性剤、プロテアーゼ、塩、酵素及びアルコールからなる群から選択される。いくつかの実施態様では、組織試料は、新鮮、凍結、ホルマリン固定又はパラフィン包埋(FFPE)である。いくつかの実施態様では、試料は液体の細胞学的試料である。いくつかの実施態様では、1以上の組織試料は、染色されている。
前述のように、いくつかの実施態様において本方法は、試料を脱パラフィン工程(例:試料を脱パラフィン溶液、緩衝液などで処理する工程)に供することを含む。いくつかの実施態様において本方法は、試料を抗原回復に供すること(例:試料を抗原回復溶液、緩衝液などで処理すること)を含む。いくつかの実施態様において本方法は、試料をプロテアーゼ処理工程(例:試料をプロテアーゼ、酵素などで処理する工程)に供することを含む。いくつかの実施態様において本方法は、試料を溶出工程(例:試料を熱で処理する工程)に供することを含む。
いくつかの実施態様において本方法は、上記の工程(例:脱パラフィン工程、抗原回復工程など)の前に望ましくない組織を切り取ることを特徴とする。
いくつかの実施態様では、抽出された核酸は10−500bpである。いくつかの実施態様では、抽出された核酸は50−500bpである。いくつかの実施態様では、抽出された核酸は100−1000bpである。いくつかの実施態様では、抽出された核酸は100−2000bpである。いくつかの実施態様では、抽出された核酸は10−3000bpである。いくつかの実施態様では、抽出された核酸は3000bpdを超える長さである。
本発明は、1枚以上のスライド上に配置された組織試料から核酸(例:DNA、RNA)を抽出するための自動方法を特徴とする。いくつかの実施態様では、本方法は、自動染色装置内で、1枚以上のスライド上の試料を脱パラフィン試薬で処理すること;1枚以上のスライド上の試料を抗原回復緩衝液で処理すること;1枚以上のスライド上の試料をプロテアーゼ緩衝液で処理すること;及び1枚以上のスライド上の試料を加熱して、それぞれの試料から単離された核酸を含む溶出液を得ることを含む。
いくつかの実施態様では、本方法は、1枚以上のスライド上の試料から溶出液を取り出すことをさらに含む。いくつかの実施態様では、本方法は、単離された核酸を精製することをさらに含む。いくつかの実施態様では、本方法は、単離された核酸に対して核酸増幅を行うことをさらに含む。いくつかの実施態様では、本方法は、単離された核酸を解析することをさらに含む。いくつかの実施態様では、解析することは、配列決定することを含む。いくつかの実施態様では、1枚以上のスライド上の試料がプロテアーゼで処理された後に、1枚以上のスライド上の該試料をグアニジンチオシアネートで処理することをさらに含む。
いくつかの実施態様では、1枚以上のスライド上の試料は、FFPE試料、新鮮試料又は凍結試料である。いくつかの実施態様において、試料は顕微解剖試料である。いくつかの実施態様において、1枚以上のスライド上の試料は、未染色試料である。いくつかの実施態様では、1枚以上のスライド上の試料は、染色された試料である。いくつかの実施態様では、染色された試料は、H&E又は免疫組織化学染料又はin situハイブリダイゼーション染料で染色された試料である。
いくつかの実施態様では、自動染色装置は、脱パラフィン試薬、抗原回復緩衝液及びプロテアーゼを1枚以上のスライド上の試料に分配するための1以上のディスペンサーを備える。いくつかの実施態様では、自動染色装置は、1枚以上のスライド上の試料を加熱するための発熱素子をさらに備える。
本発明は、1枚以上のスライド上に配置された組織試料から核酸を抽出するための自動方法を特徴とする。いくつかの実施態様では、本方法は、自動染色装置内で、1枚以上のスライド上の試料を脱パラフィン試薬で処理すること;1枚以上のスライド上の試料を抗原回復緩衝液で処理すること;1枚以上のスライド上の試料をプロテアーゼ緩衝液で処理すること;1枚以上のスライド上の試料をグアニジンチオシアネートで処理すること;及び1枚以上のスライド上の試料を加熱して、それぞれの試料から単離された核酸を含む溶出液を得ることを含む。
いくつかの実施態様では、本方法は、1枚以上のスライド上の試料から溶出液を取り出すことをさらに含む。いくつかの実施態様では、本方法は、単離された核酸を精製することをさらに含む。いくつかの実施態様では、本方法は、単離された核酸に対して核酸増幅を行うことをさらに含む。いくつかの実施態様では、本方法は、単離された核酸を解析することをさらに含む。いくつかの実施態様では、解析することは、配列決定することを含む。
いくつかの実施態様では、1枚以上のスライド上の試料は、FFPE試料、新鮮試料又は凍結試料である。いくつかの実施態様において、試料は顕微解剖試料である。いくつかの実施態様において、1枚以上のスライド上の試料は、未染色試料である。いくつかの実施態様では、1枚以上のスライド上の試料は、染色された試料である。いくつかの実施態様では、染色された試料は、H&E又は免疫組織化学染料又はin situハイブリダイゼーション染料で染色された試料である。
本発明はまた、1枚以上のスライド上に配置された組織試料から核酸(例:DNA、RNA)を抽出するための自動方法を特徴とする。本方法は、自動スライド染色装置において1以上の組織試料を含む1枚以上のスライドを受けること(ここで自動スライド染色装置は、複数の核酸抽出試薬を1以上の組織試料に自動的に分配して、1以上の組織試料をそれぞれ処理するように構成されている);前記試薬が1枚以上のスライド上の1以上の組織試料と接触するように、前記試薬を所定の順序で分配すること;及び1以上の試料を前記試薬で処理し、それによって抽出された核酸を含む1以上の抽出核酸試料を得ることを含み得る。
いくつかの実施態様では、本方法は、1以上の抽出核酸試料を1枚以上のスライドから取り出すことをさらに含む。いくつかの実施態様では、本方法は、1以上の抽出核酸試料から核酸を精製する方法をさらに含む。いくつかの実施態様では、本方法は、1以上の抽出核酸試料から核酸を解析する方法をさらに含む。いくつかの実施態様では、解析することは、核酸増幅を行うことを含む。いくつかの実施態様では、解析することは、核酸の配列決定を含む。
いくつかの実施態様では、核酸抽出試薬は、脱パラフィン溶液、緩衝液、洗剤、界面活性剤、プロテアーゼ、塩、酵素及びアルコールからなる群から選択される。いくつかの実施態様では、1以上の組織試料は、新鮮、凍結、ホルマリン固定又はパラフィン包埋である。いくつかの実施態様では、1以上の組織試料は、染色されている。
本発明はまた、スライド上の試料から核酸(例:DNA、RNA)を単離するための方法を特徴とする。いくつかの実施態様では、本発明は、自動染色装置のスライド上に試料を配置することと、自動染色装置で抽出プロトコールを実行することとを含む。いくつかの実施態様では、本方法は、試料を解剖機器のスライド上に配置すること;スライド上の試料を解剖して不要な組織を除去すること;試料を自動染色装置のスライド上に配置すること;及び自動染色装置上で抽出プロトコールを実行することを含む。抽出プロトコールは、試薬がスライド上の試料と接触するように前記試薬を所定の順序で分配するよう自動染色装置に指示し、それによって、単離された核酸を含む単離核酸試料を含む、スライドに乗せた試料上の溶出液を得る。
いくつかの実施態様では、本方法は、スライドに乗せた試料上の溶出液を取り出すことをさらに含む。いくつかの実施態様では、本方法は、単離された核酸を精製することをさらに含む。いくつかの実施態様では、本方法は、単離された核酸に対して核酸増幅を行うことをさらに含むいくつかの実施態様では、本方法は、単離された核酸を解析することをさらに含む。いくつかの実施態様では、解析することは、配列決定することを含む。いくつかの実施態様では、試薬にはグアニジンチオシアネートが含まれる。いくつかの実施態様では、試料は、FFPE試料、新鮮試料又は凍結した試料である。いくつかの実施態様において、試料は、未染色試料である。いくつかの実施態様において、試料は、染色された試料である。いくつかの実施態様では、染色された試料は、H&E又は免疫組織化学染料又はin situハイブリダイゼーション染料で染色された試料である。
本発明はまた、自動染色装置での核酸抽出のためのキットを特徴とする。本キットは、本明細書に開示の任意の試薬又はそれらの組み合わせを含み得る。例えば、本キットは、脱パラフィン緩衝液、抗原回復緩衝液、及びプロテアーゼ処理緩衝液を含み得る。本キットは、溶出緩衝液をさらに含み得る。本キットは、グアニジンチオシアネート処理試薬をさらに含み得る。
本発明はまた、ワークフロー方法、例えば本明細書に記載のように患者の腫瘍から組織切片を加工及び調製し、その試料からDNAを抽出するための方法も提供する。例えば、この方法は、患者の腫瘍から組織切片を調製すること、例えばミクロトームを使用して患者の腫瘍のFFPE組織試料を切片化すること;組織切片をスライド上にマウントすること:及び自動スライド染色機を利用して複数の核酸抽出試薬を組織切片に自動的に分配することにより、抽出核酸を含む抽出核酸試料を得ることを含み得る。
本発明はまた、本明細書に記載の方法を実施するための自動染色装置を提供する。本発明はまた、プロセッサーに接続されたメモリーを備える自動染色装置を提供し、ここでメモリーは、プロセッサーによって実行されると自動染色装置に本発明による方法のための動作を実行させるコンピューター可読命令を格納する。
本発明はまた、本発明による方法を実施するためのスライドホルダー、試薬及びディスペンサーを備える自動システムを提供する。いくつかの実施態様では、本システムは、プロセッサーに接続されたメモリーを備え、ここでメモリーは、プロセッサーによって実行されると自動システムに本明細書に記載の方法のための動作を実行させるコンピューター可読命令を格納する。いくつかの実施態様では、ディスペンサーは、スライドホルダー内のスライドに試薬を分配するように適合されている。
本発明はまた、ワークフロー方法を提供する。いくつかの実施態様では、スライド上の患者の組織から組織切片を調製すること;核酸を抽出するための本発明による方法を組織切片に適用することを含む。いくつかの実施態様では、この患者の組織は、腫瘍組織である。
本発明はまた、核酸を精製するための自動システムを提供する。いくつかの実施態様では、該システムは、試料を受け入れるための自動装置を備え、ここで自動装置は本発明による方法を実行し、該方法は核酸を精製する。
本発明はまた、核酸を解析するための自動システムも提供する。いくつかの実施態様では、該システムは、試料を受け入れるための自動装置を備え、ここで自動装置は、核酸を精製する、本発明による方法を実行し、自動装置はさらに、精製された核酸を解析するための方法を実行する。いくつかの実施態様では、核酸を解析するための方法は、核酸を増幅することを含む。いくつかの実施態様では、核酸を解析するための方法は、核酸を配列決定することを含む。
本発明はまた、核酸を増幅するための自動システムも提供する。いくつかの実施態様では、該システムは、試料を受け入れるための自動装置を備え、ここで自動装置は、核酸を精製する、本発明による方法を実行し、自動装置はさらに、精製された核酸を増幅するための方法を実行する。
本発明はまた、核酸を配列決定するための自動システムも提供する。いくつかの実施態様では、該システムは、試料を受け入れるための自動装置を備え、ここで自動装置は、核酸を精製する、本発明による方法を実行し、自動装置はさらに、精製された核酸を配列決定するための方法を実行する。
文脈、本明細書、及び当業者の知識から明らかなとおり、本明細書に記載のいかなる特徴又は特徴の組み合わせも、かかる組み合わせに含まれる特徴が相互に矛盾しない限り、本発明の範囲内に含まれる。本発明のさらなる利点及び態様は、以下の詳細な説明及び特許請求の範囲において明らかである。
本出願書類は、カラーで作成された画像を少なくとも1点含む。カラー画像が添付された本特許又は特許出願書類の写しは、請求及び必要な手数料の納入に応じて庁によって提供される。
本発明の核酸抽出方法の実施態様を示すフローチャートである。 市販のFFPE DNA抽出キット又は本発明の自動方法の何れかを使用して未染色スライドから抽出されたDNAの断片長を示す。グラフは、それぞれの方法で抽出した精製DNAの代表的な電気泳動図である。試料は、固定された扁桃の組織切片であった。すべての試料は同じ組織ブロックからのものであり、連続スライド切片が使用された。解析前に試料をカラム精製した。本発明の方法を用いて、比較的長いDNA断片をスライドから抽出した。 市販のFFPE DNA抽出キットと本発明の抽出方法との間の(GAPDHに対する)DNA抽出効率の比較を示す。試料には、肝臓試料(腫瘍及び正常試料)、扁桃試料、膀胱試料(腫瘍及び正常試料)、及び胎盤試料が含まれていた。肝臓試料は、6ヶ月前のものだった。扁桃試料は、7ヶ月前のものだった。膀胱試料は、21ヶ月前のものだった。胎盤試料は、10ヶ月前のものだった。試料は、未染色のものだった。エラーバーは、差異の標準誤差を表す。本発明の抽出方法は、同等(又はそれ以上)の効率を示した。 市販のFFPE DNA抽出キットと本発明の抽出法との間の(ACTBに対する)DNA抽出効率の比較を示す。試料には、肝臓試料(腫瘍及び正常試料)、扁桃試料、膀胱試料(腫瘍及び正常試料)、及び胎盤試料が含まれていた。肝臓試料は、6ヶ月前のものだった。扁桃試料は、7ヶ月前のものだった。膀胱試料は、21ヶ月前のものだった。胎盤試料は、10ヶ月前のものだった。試料は、未染色のものだった。エラーバーは、差異の標準誤差を表す。本発明の抽出方法は、同等(又はそれ以上)の効率を示した。 市販のFFPE DNA抽出キットと本発明の抽出法との間の(18s rRNAに対する)DNA抽出効率の比較を示す。試料には、肝臓試料(腫瘍及び正常試料)、扁桃試料、膀胱試料(腫瘍及び正常試料)、及び胎盤試料が含まれていた。肝臓試料は、6ヶ月前のものだった。扁桃試料は、7ヶ月前のものだった。膀胱試料は、21ヶ月前のものだった。胎盤試料は、10ヶ月前のものだった。試料は、未染色のものだった。エラーバーは、差異の標準誤差を表す。本発明の抽出方法は、同等(又はそれ以上)の効率を示した。 市販キットと比較した(増加倍率で表す)、本発明の自動方法を用いたDNA抽出効率を示す。使用された試料は、H&E染色スライド(4ミクロン組織切片)であった。 AVENIO Millisect(Roche Molecular Systems,Pleasanton,CA)で顕微解剖されたスライドの、本発明の自動抽出方法を用いたDNA抽出効率を市販のキットと比較して示す(市販キットと比較した増加倍率で示されている)。本発明の方法は、この市販のキットより優れている。 4ミクロン試料の、AVENIO Millisect(Roche Molecular Systems,Pleasanton,Ca)を用いる顕微解剖前、顕微解剖後(及び装置の切削経路)の画像を示す(図5の例で完了した解剖)。顕微解剖後の組織切片の画像において、白い領域は、スライド上に残された組織を示している。 本発明の自動方法と市販のFFPE DNA抽出キットを用いて抽出したRNAの質の比較を示す。グラフは、それぞれの方法で抽出した精製RNAの代表的な電気泳動図である。すべての濃度は正規化されており、すべての試料は同じ組織ブロックからのものであり、連続スライド切片が使用されたことに留意されたい。本発明の方法を用いて抽出されたRNAは、比較的質が高い。
定義
本明細書で使用される場合、用語「試料」及び「生物学的試料」とは、バイオマーカーを含有するか又は含有すると推定される任意の組成物、或いは特定のバイオマーカーの有無に関して試験される組成物を指すものとする。試料には、細胞、組織又は血液の精製又は分離成分、例えばDNA、RNA、タンパク質、無細胞部分又は細胞溶解物が含まれる。試料は、例えば腫瘍又は転移病変(例:原発腫瘍又は転移腫瘍)からのホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織試料とすることができる。試料はまた、予め凍結させた組織若しくは新鮮な組織由来のもの、又は液体試料由来のもの(例えば血液又は血液成分(血漿又は血清)、尿、精液、唾液、痰、粘液、精液、涙、リンパ液、脳脊髄液、綿棒から洗い落した物質等)とすることもできる。また試料には、個体から得られた、細胞株を含む細胞のin vitro培養物の構成要素及び成分が含まれ得る。試料は、個体から直接得られた試料、例えば細胞溶解物、又は赤血球が枯渇した血液から部分的に加工することもできる。
本明細書で使用される場合、用語「組織試料」とは、試料が得られた対象内に存在していたときの細胞間の横断面空間関係を保全する細胞試料を指すものとする。「組織試料」は、一次組織試料(即ち、対象により生成された細胞及び組織)又は異種移植片(即ち、対象内に移植された異質細胞試料)の両方を包含するものとする。
本明細書で使用される場合、「組織化学検出」とは、組織試料の構造間の断面関係の中でバイオマーカー又はその他の構造の顕微鏡検出を可能にするような方法で、該組織試料中のバイオマーカー又はその他の構造を検出試薬で標識することを伴うプロセスをいう。例としては、ホルマリン固定パラフィン包埋組織切片のアフィニティー組織化学(AHC)、免疫組織化学(IHC)、発色in situハイブリダイゼーション(CISH)、蛍光in situ ハイブリダイゼーション(FISH)、銀in situハイブリダイゼーション(SISH)及びH&E染色が含まれる。
本明細書で使用される場合、「切片」(「section」)という用語は、顕微鏡分析に適した組織試料の薄片を指し、典型的にはミクロトームを使用して切断される。動詞として使用される場合、「切片化する」(「section」)という用語は、典型的にはミクロトームを使用して組織試料の切片を作製することを指す。
本明細書で使用される場合、「対象」という用語は、ヒト又は非ヒト哺乳動物(例えば獣医学的対象)などの任意の多細胞脊椎生物を指す。
本明細書で使用される場合、用語「核酸」は、DNA(デオキシリボ核酸)及びRNA(リボ核酸)を包含する。
名詞として使用される場合、用語「染色剤」(「stain」)は、明視野顕微鏡法、蛍光顕微鏡法、電子顕微鏡法等を含む顕微鏡分析のために、細胞試料中の特定の分子または構造を視覚化するために使用され得る任意の物質を指す。動詞として使用される場合、用語「染色する」(「stain」)は、細胞試料(例:組織試料、細胞学的試料など)上に染色剤を付着させる任意のプロセスを指す。
特に定義しない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。例えば、Lackie, DICTIONARY OF CELL AND MOLECULAR BIOLOGY, Elsevier (4th ed. 2007); Sambrook et al., MOLECULAR CLONING, A LABORATORY MANUAL, Cold Springs Harbor Press (Cold Springs Harbor, N.Y. 1989)を参照のこと。用語「a」又は「an」は、「1以上」を意味する。「含む(備える)」(「comprise」、「comprises」、「comprising」)という用語は、工程又は要素の列挙の前にある場合、さらなる工程又は要素の追加は任意選択であり、除外されないことを意味する。
本発明は、スライド上に配置された1以上の組織試料から核酸を抽出するための自動方法を特徴とする。この方法は、自動スライド染色装置を利用して、組織試料上に複数の試薬を分配して、抽出核酸試料を作製する。抽出核酸試料は、核酸増幅、配列決定手順、さらなる精製等を含むがこれらに限定されない様々な下流用途において使用することができる。
市販のキットと比較して、本発明の抽出は、はるかに迅速に完了させることができる。例えば、多数のスライド(例えば約30枚のスライド)の場合、装置にスライドを配置し、機器を起動させ、機器が抽出プロセスを終了したら溶出した核酸をピペットで取り出すのに必要な約5分のハンズオンタイムを含め、約2.5時間で核酸法を完了することができる。(多数のスライド、例えば約24枚のスライドを加工するための)FFPE DNA単離キットは、脱パラフィン、溶解緩衝液及びプロテイナーゼKのピペッティング、注用溶解緩衝液およびプロテアーゼK、ボルテックス、スピニング、チューブの除去、さらなる緩衝液又はイソプロパノールのピペッティング、カラム精製、及び溶出に必要な約2.6時間のハンズオンタイムを含め、約5時間を要する。本発明の場合、必要なハンズオンタイムの短縮を含めた所要時間の短縮が、人件費の削減、エラーの削減、標準化の改善、及び試料のターンアラウンドタイムの改善に役立っている。本発明の方法はまた、市販のキット又は従来の方法でよく使用される有害な化学物質へのラボの職員の曝露をなくすことによって、安全性を向上させている。
簡単に言えば、本発明は、スライド上に配置された1以上の組織試料(例:新鮮、凍結、FFPE組織試料、液体細胞学的試料等)から核酸を抽出するための自動方法を特徴とする。該方法は、自動スライド染色機を使用して、複数の試薬を1以上の組織試料に自動的に分配し、前記試薬が1枚以上のスライド上の1以上の組織試料に接触することができるように、1以上の組織試料をそれぞれ所定の順序で処理する。この方法はさらに、1以上の試料を前記試薬で処理し、それによって、抽出された核酸を含む1以上の抽出核酸試料を得ることを含む。この方法は、1以上の抽出核酸試料を1枚以上のスライドから(例えばチューブ又は他の容器の中へ)取り出すことをさらに含む。
自動染色装置
本発明の方法は、自動染色装置(スライド染色機)又はその他の適切な自動スライド加工装置で実行される。自動染色装置(例:IHC/ISHスライド染色機)の具体的な例には、liPATH(Biocare Medical)、WAVE(Celerus Diagnostics)、DAKO OMNIS and DAKO AUTOSTAINER LINK 48(Agilent Technologies)、BENCHMARK XT(Ventana Medical Systems,Inc.)、BENCHMARK ULTRA(Ventana Medical Systems,Inc.)、BENCHMARK GX(Ventana Medical Systems,Inc.)、VENTANA H&E 600(Ventana Medical Systems,Inc.)、BENCHMARK Special Stains(Ventana Medical Systems,Inc.)、DISCOVERY XT(Ventana Medical Systems,Inc.)、VENTANA DISCOVERY ULTRA(Ventana Medical Systems,Inc.)、Leica BOND及びLab Vision Autostainer(Thermo Scientific)が含まれる。自動染色装置(自動スライド染色機)は、全体が参照により本明細書に援用される、Prichard, Overview of Automated Immunohistochemistry, Arch Pathol Lab Med., 第138巻, 1578-1582頁(2014)によっても説明されている。また、Ventana Medical Systems社は、自動分析を実行するためのシステム及び方法を開示している米国特許第5650327号、同第5654200号、同第6296809号、同第6352861号、同第6827901号及び同第6943029号、並びに米国特許出願公開第20030211630号及び同第20040052685号(これらの各々は、全体が参照により本明細書に援用される)を含めた複数の米国特許の譲受人である。本発明の方法は、適切な自動染色装置(又は自動スライド加工装置)で実行するように適合され得る。
自動スライド染色機は、典型的には、染色プロトコールを実装するための試薬をスライド上に分配するための染色機ユニットを少なくとも含む。市販の染色ユニットは、典型的には、次の原理のうちの1つで動作する:(1)スライドが水平に配置され、組織試料を含む試薬がスライドの表面にパドルとして分配される開放型個別スライド染色(例えばDAKO AUTOSTAINER Link 48(Agilent Technologies)及びIntelliPath(BioCare Medical)染色機に実装されている);(2)試料上に堆積させた不活性流体層で試薬を覆うか又は該流体層を通じて試薬を分配する液体オーバーレイ技術(例えばVENTANA BENCHMARK及びVENTANA DISCOVERY染色機器に実装されている);(3)スライド表面を別の表面(別のスライド又はカバープレート)の近くに平行に配置して狭い隙間を作り、それを通じて毛管力が液体試薬を吸い上げて試料との接触状態を保つキャピラリーギャップ染色(例えばDAKO TECHMATE、Leica BOND、及びDAKO OMNIS染色機で用いられている染色の原理)。キャピラリーギャップ染色を何回か繰り返しても、隙間内の流体は混ざらない(例えばDAKO TECHMATE及びLeica BONDで)。キャピラリーギャップ染色のいくつかの変形形態では、スライドと曲面の間に隙間ができ、互いに対向する表面の動きが混合をもたらすトランスレーティングギャップ技術(translating gap technology)(Ventana Medical Systems社に譲渡された米国特許第7820381号参照)及び、スライドに試料を適用するためにキャピラリーギャップ染色と同様の毛管力を利用し、次に試薬の混合を行うために互いに平行な対向表面を移動させてインキュベーション中に試薬を攪拌するダイナミックギャップ染色(dynamic gap staining)(例えば、DAKO OMNISスライド染色機(Agilent)に実装されている染色原理)などのように、試薬が隙間内で混合される。最近では、スライド上に試薬を付着させるためにインクジェット技術を使用することが提案されている。Ventana Medical Systems社に譲渡されたPCT公開番号WO2016−170008号を参照されたい。
一例として、VENTANA DISCOVERY ULTRA染色装置は、専用のバルク試薬供給ラインと個々のスライドヒーターとを備えた30の独立したスライド反応チャンバー、3−6リットルのオンボート容器内に35の試薬ポジションと最大7の異なるバルク試薬を保持する能力とを有する試薬カルーセルを備えたスライドドロワーを特徴とする。このシステムは、周囲温度から約100℃までのスライド温度範囲を有する。VENTANA BENCHMARK Special Stains染色装置は、各ポジションに独立した温度制御、3−6リットルのオンボート容器内に25の試薬ポジションと最大4のバルク溶液を保持する能力とを有する試薬カルーセルを有する、最大20枚のスライドを加工するためのスライドカルーセルを有する。BENCHMARK ULTRA染色装置は、各ポジションに独立した加工/機能性及び温度制御を備え、最大30枚のスライドを加工することができる。このシステムは、35の試薬ポジションを持つ試薬カルーセルと最大7の異なるバルク試薬を保持する能力とを備えた試薬カルーセルを有し、これらの試薬はプロセスを中断することなく変更できる。このシステムは、周囲温度から約100℃までのスライド温度範囲を有する。
この染色原理及び染色装置のリストは網羅的なものではなく、本方法及びシステムは、適切な試薬を試料に適用するために使用することができる任意の染色技術及びシステム(既知のもの及び将来開発されるものの両方)を含むことが意図されている。
試料
本発明の方法において使用される試料は、スライド上の組織試料である。組織試料は、(本明細書に記載の通り)自動染色装置での組織学的検査に適した任意のタイプのものであってよい。例えば、組織試料は、生検又は外科的切除を含んでもよい。組織試料は、がん腫又は健常組織の切片をさらに含んでもよい。組織試料は、液体細胞学的試料から採取できます。
試料を加工してスライドに接着させることができる。必要とされる加工工程は、計画された分析のタイプによって異なる。例えば、組織試料は、新鮮、凍結、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)等であり得る。いくつかの実施態様では、組織試料は、細胞又は組織の形状を維持するために固定される。一般的な固定剤には、ホルムアルデヒド、エタノール、メタノール及び/又はピクリン酸が含まれる。組織片は、それらの機械的強度及び安定性を高め、薄片に切断することをより容易にするためにパラフィンワックスに包埋され得る。
その後、組織試料をスライドにマウントすることができる。マウントは通常、観察及び分析のために試料を顕微鏡スライドに装着することを含む。いくつかの実施態様では、細胞は、スライド上で直接増殖させることができる。試料が緩い細胞(血液塗抹又はパップ塗抹など)の場合、試料をスライドに直接塗布することができる。その他のタイプの試料では、ミクロトームを使用して薄片(スライス)を作成し、その後これらのスライスを当該技術分野で知られている方法を使用してマウントすることができる。
一実施態様では、組織試料は、未染色であってもよい。他の実施態様では、組織試料は、本発明の核酸単離法が実施される前に染色される。例えば、試料を(固定及びマウントの前又は後に)染料溶液に浸漬し、続いてすすぎ及び観察することができる。さらに、染料をスライドにマウントされた試料に付着させることができる。そのような染色剤には、例えばヘマトキシリン及びエオシン染色剤、組織化学染色用の染色剤(例:免疫組織化学染色剤及びin situハイブリダイゼーション染色剤)、並びにその他の種類の染色剤が含まれる。これら及び他の種類の組織染色剤及び染色技術は、当業者に周知である。その後、染色されたスライドは、当該技術分野で周知の方法、例えば顕微鏡を用いて又はデジタルスキャンによって分析され得る。
FFPE組織の顕微解剖は、特定の関心領域の分子解析のためによく使用される。いくつかの実施態様では、本発明の組織試料は、顕微解剖された試料であり、例えば組織の1以上の切片が顕微解剖又は分離して、関心領域のみをスライド上に残すことができる。組織試料から分離又は解剖される1以上の切片は、当該技術分野で周知の方法を使用して生成することができる。例えば、臨床分子診断ラボにおける組織解剖は、標準的なガラススライドから直接(メス又はカミソリを介して)組織を手で擦ることによって行われることが多い。組織顕微解剖のために、レーザーキャプチャー顕微解剖(LCM)器具又はAVENIO Millisect組織顕微解剖システム(Roche Molecular Systems,Pleasanton,CA)が使用(sued)され得る。いくつかの実施態様では、染色されマウントされた組織切片(例えばH&E切片)の画像は、関心領域(例:腫瘍細胞)を識別するために予めマークされ、その後、解剖装置の装置ソフトウェアを使用して解剖を誘導し、組織の非関心領域(例:非がん腫切片)を取り除くために使用される。関心のある組織を表す、付着した残りの組織切片はその後、現在開示されているように、自動核酸抽出プロセスに供され得る。したがって、本発明の方法は、現在の手動の方法と比較して、より小さい組織切片からの核酸抽出を可能にする。
いくつかの実施態様では、本発明の方法は、4‐10ミクロンの単一の組織試料から核酸を抽出するのに有効である。現在の手動方法の大部分は、8‐10ミクロンの切片、又は単一の試料内にプールされた複数の切片を必要とする。小さい試料サイズのため、現行の方法はまた、希な又は希にしか発生しない遺伝子を含有する切片の抽出も可能にする。この方法はまた、非常に少量の組織が分析に利用可能であるときにも有用である。
自動抽出方法の概要
図1は、本発明の自動核酸抽出方法(100)の非限定的な実施態様を示している。例えば、この方法は、1以上の組織試料(115)を含む1枚以上のスライド(110)の使用を特徴とする。
図1の矢印を参照するに、自動核酸抽出方法(100)は、自動染色装置(120)(例:IHC/ISHスライド染色装置)又は試薬を分配するための少なくとも1つの装置を備える他の自動スライド加工システムに実装される。自動染色装置の概要は、上記の通りである。この染色原理のリストは網羅的なものではなく、本方法及びシステムは、適切な試薬を試料に適用するために使用することができる任意の染色技術(既知のもの及び将来開発されるものの両方)を含むことが意図されている。
標本(115)がパラフィン包埋された試料である場合、適切な脱パラフィン液を用いる自動染色装置(120)で試料(115)を脱パラフィンすることができる。廃棄物除去剤が脱パラフィン液を除去した後、任意の数の物質を試料(115)に連続的に適用することができる。この物質は、前処理、細胞溶解、変性、洗浄等のためのものであり得る。
自動染色装置(120)は、試料に様々な核酸抽出試薬(130)を適用することができる。試薬(130)には、緩衝液、洗剤、界面活性剤、プロテアーゼ、塩、酵素及びアルコールが含まれるが、これらに限定されない。試薬(130)は、流体(例えば気体、液体、又は気液混合物)等であり得る。試薬(130)は、溶液(例えば水溶液又は他の種類の溶液)などであってもよい。いくつかの実施態様では、試薬(130)には、包埋組織試料の脱パラフィンにおいて使用されるものが含まれる。このような試薬には、例えばキシレン及びアルコールが含まれ得る。これらの試薬は有毒であり、有害化学物質として規制されている。本発明の方法は自動染色装置(120)上で自動で実行されるため、本方法は、FFPE組織からの脱パラフィン及び核酸抽出に通常関連する化学曝露リスクを大幅に低減させる。
いくつかの実施態様では、自動スライド染色機(120)には、1以上の発熱又は冷却素子(140)が含まれている場合がある。一例では、これらの素子(140)は、当業者に知られているように、1以上の組織試料(115)を含有するスライド(110)の温度を上げるか又は下げるために使用される。
再び図1を参照するに、自動スライド染色装置(120)は、1以上の組織試料(115)を処理するために、複数の核酸抽出試薬(130)を1以上の組織試料(115)に自動的に分配するように構成されている。前述のように、このような核酸抽出試薬(130)は、組織試料(115)から核酸を抽出するように作用する。矢印(145)で示されているように、抽出試薬(130)で試料(115)を処理すると、抽出核酸試料(150)を含有するスライド(110)が得られる。
いくつかの実施態様では、矢印(155)で示されているように、抽出核酸試料(150)がスライド(110)から取り出され、レセプタクル(160)、例えばエッペンドルフチューブ又は試験管に入れられる。抽出試料(150)の取り出しは、当業者に知られている方法、例えばピペッティングによって、又は自動方法によって達成することができる。矢印(165)を参照するに、取り出した後、抽出核酸試料(150)は以降の下流プロセスにおいて、例えば核酸増幅技術又は配列決定法によって利用され、加工された抽出核酸試料(180が得られる。
矢印(167)を参照するに、いくつかの実施態様では、抽出した試料(150)を、当業者に知られている方法によってさらに精製し、精製された抽出核酸試料(170)を得ることができる。このような精製方法には、抽出精製(例:フェノール−クロロホルム抽出)、カラム精製、磁気ビーズ精製及び電気泳動精製等が含まれ得る。矢印(175)を参照するに、精製された抽出核酸試料(170)は、以降の下流プロセスにおいて、例えば核酸増幅技術又は配列決定法によって利用され、加工された抽出核酸試料(180が得られる。
現在記載されている自動方法100によって収集された核酸断片の集団は、現在の手動の方法によって収集された断片よりも長い。より長い断片は、配列決定用途及び、単一核酸多型、選択的スプライシング、エクソン−エクソン境界又はコピー数多型を調べる研究にとって有益である。自動方法(100)を使用して収集されたDNA断片の大半は、長さが1500塩基対を超える。これらの断片は、精製の必要なしにPCRなどの下流用途のために直接使用できるが、図1に示したように、所望ならば試料を精製することができる。
いくつかの実施態様では、抽出された核酸は10−500bpである。いくつかの実施態様では、抽出された核酸は50−500bpである。いくつかの実施態様では、抽出された核酸は100−1000bpである。いくつかの実施態様では、抽出された核酸は100−2000bpである。いくつかの実施態様では、抽出された核酸は10−3000bpである。いくつかの実施態様では、抽出された核酸は1500−3000bpである。いくつかの実施態様では、抽出された核酸は、少なくとも500bpの長さである。いくつかの実施態様では、抽出された核酸は、少なくとも1500bpの長さである。いくつかの実施態様では、抽出された核酸は3000bpdを超える長さである。
いくつかの実施態様では、溶出液(溶出工程から得られた抽出核酸を含む溶液の体積)は、20μl−100μlである。いくつかの実施態様では、溶出液は、100μl−500μlである。いくつかの実施態様では、溶出液は、50μl−500μlである。いくつかの実施態様では、溶出液は、100μl−800μlである。いくつかの実施態様では、溶出液は、50μL−1μLである。
DNA抽出法
本明細書におけるDNA抽出方法は、脱パラフィン工程、抗原回復工程、プロテアーゼ処理工程及び抽出工程(例:熱工程)を含む。
例えば、自動染色装置内で脱パラフィン緩衝液と共に、特定の温度(又は温度の範囲若しくは組み合わせ)で一定時間試料をインキュベートしてもよい。脱パラフィン緩衝液は、組織試料からパラフィンを除去するための試薬を含む。その後試料は、自動染色装置内で抗原回復緩衝液と共に、特定の温度(又は温度の範囲若しくは組み合わせ)で一定時間インキュベートされる。抗原回復緩衝液は、当業者には周知である。その後試料は、自動染色装置内でプロテアーゼ処理溶液と共に、特定の温度(又は温度の範囲若しくは組み合わせ)で一定時間インキュベートされる。プロテアーゼ処理溶液は、FFPE組織の切片の酵素消化のための試薬又はプロテアーゼを含む。プロテアーゼは、当業者に周知である(例えばエンドペプチダーゼ、例えばトリプシン、ペプシンなど)。溶出工程は、自動染色装置内で特定の温度(又は温度の範囲若しくは組み合わせ)で一定時間試料をインキュベートすることを含む。溶出工程に続いて、試料上のパドルを取り出す(ピペットで移す)。試料には、抽出されたDNAが含まれている。
脱パラフィン処理工程は、55℃−65℃(例えば55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃、61℃、62℃、63℃、64℃、65℃等)の第1の温度で一定時間、続いて70℃−80℃(例えば70℃、71℃、72℃、73℃、74℃、75℃、76℃、77℃、78℃、79℃、80℃等)の第2の温度で一定時間実施することができる。抗原回復工程は、90℃−100℃(例えば90℃、91℃、92℃、93℃、94℃、95℃、96℃、97℃)の温度で、25−45分(例えば25分、26分、27分、28分、29分、30分、31分、32分、33分、34分、35分、36分、37分、38分、39分、40分、41分、42分、43分、44分、45分)の間、実施することができる。プロテアーゼ処理工程は、35℃−40℃(例えば35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃等)の温度で、15−45分(例えば15分、16分、17分、18分、19分、20分、21分、22分、23分、24分、25分、26分、27分、28分、29分、30分、31分、32分、33分、34分、35分、36分、37分、38分、39分、40分、41分、42分、43分、44分、45分)の間、実施することができる。溶出工程は、90−100℃(例えば90℃、91℃、92℃、93℃、94℃、95℃、96℃、97℃、98℃、98℃、100℃等)の温度で15−25分(例えば15分、16分、17分、18分、19分、20分、21分、22分、23分、24分、25分))の間、実施することができる。本発明は、上記の処理温度又は時間に限定されない。
前述のように、本明細書に記載の自動方法を使用して抽出された核酸は、様々な下流用途に適している。例えば、本明細書に記載の自動方法を使用して抽出されたDNAは、PCRベースの解析、ゲル分析及び配列決定に使用可能なテンプレートであることが実証されている。
RNA抽出法
本明細書におけるRNA抽出方法は、脱パラフィン工程、抗原回復工程、プロテアーゼ処理工程、グアニジンチオシアネート工程、及び溶出工程(例:熱工程)を含む。グアニジンチオシアネート工程は、グアニジンチオシアネート又は同等の試薬を含み得る。
例えば、自動染色装置内で脱パラフィン緩衝液と共に、特定の温度(又は温度の範囲若しくは組み合わせ)で一定時間試料をインキュベートしてもよい。脱パラフィン緩衝液は、組織試料からパラフィンを除去するための試薬を含む。その後試料は、自動染色装置内で抗原回復緩衝液と共に、特定の温度(又は温度の範囲若しくは組み合わせ)で一定時間インキュベートされる。抗原回復緩衝液は、当業者には周知である。その後試料は、自動染色装置内でプロテアーゼ処理溶液と共に、特定の温度(又は温度の範囲若しくは組み合わせ)で一定時間インキュベートされる。プロテアーゼ処理溶液は、FFPE組織の切片の酵素消化のための試薬又はプロテアーゼを含む。プロテアーゼは、当業者に周知である(例えばエンドペプチダーゼ、例えばトリプシン、ペプシンなど)。グアニジンチオシアネート工程は、自動染色装置内でグアニジンチオシアネート(又は同等物)と共に、特定の温度(又は温度の範囲若しくは組み合わせ)で一定時間試料をインキュベートすることを含む。溶出工程は、自動染色装置内で特定の温度(又は温度の範囲若しくは組み合わせ)で一定時間試料をインキュベートすることを含む。溶出工程に続いて、試料上のパドルを取り出す(ピペットで移す)。試料には、抽出されたRNAが含まれている。
脱パラフィン処理工程は、55℃−65℃(例えば55℃、56℃、57℃、58℃、59℃、60℃、61℃、62℃、63℃、64℃、65℃等)の第1の温度で一定時間、続いて70℃−80℃(例えば70℃、71℃、72℃、73℃、74℃、75℃、76℃、77℃、78℃、79℃、80℃等)の第2の温度で一定時間実施することができる。抗原回復工程は、90℃−100℃(例えば90℃、91℃、92℃、93℃、94℃、95℃、96℃、97℃)の温度で、25−45分(例えば25分、26分、27分、28分、29分、30分、31分、32分、33分、34分、35分、36分、37分、38分、39分、40分、41分、42分、43分、44分、45分)の間、実施することができる。プロテアーゼ処理工程は、35℃−40℃(例えば35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃等)の温度で、15−45分(例えば15分、16分、17分、18分、19分、20分、21分、22分、23分、24分、25分、26分、27分、28分、29分、30分、31分、32分、33分、34分、35分、36分、37分、38分、39分、40分、41分、42分、43分、44分、45分)の間、実施することができる。グアニジンチオシアネート工程は、35℃−40℃(例えば35℃、36℃、37℃、38℃、39℃、40℃等)の温度で、10−25分(例えば10分、11分、12分、13分、14分、15分、16分、17分、18分、19分、20分、21分、22分、23分、24分、25分)の間、実施することができる。溶出工程は、90−100℃(例えば90℃、91℃、92℃、93℃、94℃、95℃、96℃、97℃、98℃、98℃、100℃等)の温度で15−25分(例えば15分、16分、17分、18分、19分、20分、21分、22分、23分、24分、25分))の間、実施することができる。本発明は、上記の処理温度又は時間に限定されない。
前述のように、本明細書に記載の自動方法を使用して抽出された核酸は、様々な下流用途に適している。例えば、本明細書に記載の自動方法を用いて抽出されたRNAは、ゲル分析、cDNA合成及びその後のPCR、並びに配列決定又はその他の用途に有用であり得る。
実施例1:抽出方法の分析
実施例1は、本発明による抽出方法の分析を記載している。本発明は、本実施例中のプロトコール又は試薬に限定されない。
組織、特にFFPE組織からの核酸の手動抽出は、面倒で難しいプロセスである。手動方法には、いくつかの制限がある。例えば、試薬は高価になり得、抽出プロトコールは長くなることがあり、しばしば一晩の酵素分解を必要とする。また、手動ワークフローでは、ヒューマンエラーの可能性も高くなる。本明細書に記載の通り、本発明の自動方法は、試料の手動操作の多くを排除し、脱パラフィン及び核酸抽出に必要な試薬の量を減少させる。加えて、手動工程を排除することは、抽出時間を削減する。本発明の方法はまた、手動方法よりも優れた品質の試料を提供し、本発明の方法はまた、DNA抽出効率に関して手動方法に匹敵する(又はそれよりも優れている)。
本発明の自動方法の抽出効率を決定するために、本発明の自動方法からのDNA収率を、FFPE組織用の市販のDNA抽出キットからのDNA収率と比較した。DNAは、未染色試料、H&E染色試料、免疫組織化学染色試料、及び顕微解剖試料から抽出された。抽出効率は試料タイプによって異なるが、本発明の自動方法は、試験されたすべての試料タイプにわたって同等以上の性能を実証した。
ある研究では、未染色結腸、乳房、肝臓及び前立腺の4ミクロンの連続組織切片からDNAが抽出された。自動方法を用いて抽出されたDNAを約500μlの緩衝液に懸濁させた。手動キットを使用して抽出したDNAを50μlの溶出緩衝液中で精製カラムから溶出し、その後緩衝液で希釈して、合計500μlにした。その後、DNA試料を、長さが異なる3つのDNA増幅アンプリコン:ACTB、GAPDH、及び18sについてリアルタイムPCR分析にかけた(表1を参照)。
表1.アンプリコンの長さ
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本発明の自動方法及び市販の手動の方法を用いた平均サイクルし閾値(Ct)値を以下の表2に示す。
表2:平均サイクル閾値(Ct)
Figure 0006877550
Ct値はすべて、市販の手動方法よりも自動方法の方が低く、自動化された試料がより効率的に増幅されたことを示す。相対的なコピー数の統計的分析は、自動方法が市販の方法と同等かそれ以上に高い収率を有することを示している(データは表示しない)。乳房組織の場合、自動方法は、試験された3つすべてのアンプリコン用の市販キットよりも優れていた。肺組織を使用して検査した何れのアンプリコンについても、抽出効率に統計的有意差はなかった。結腸及び前立腺については、自動方法の効率は同等以上であると見なされたが、アンプリコンに依存するようであった。この研究は、DNAが臨床的に関連性のある多くの組織タイプから効率的に単離され得ることを示し、自動方法の頑健性を実証している。
別の研究では、扁桃の4ミクロンの切片からDNAを抽出した。全自動方法と市販キットを用いて、扁桃から抽出したDNA断片の母集団をバイオアナライザー分析で評価した。電位図は、平均DNA断片長がこれら2つの方法間で大きく異なることを示した(本発明の自動方法によって収集された核酸断片の集団は、市販の手動方法によって収集された断片よりも長い)。市販の手動方法を用いて抽出された断片の大部分は、300bp未満の長さである(図2の上のパネル参照)。これに対し、完全自動方法で抽出されたDNA断片の大部分は、1500bpより長い(図2の下のパネル参照)。断片が長いほど、PCRベースの試験についてより高い効率が可能なり得、他の下流用途(例:配列決定用途、単一核酸多型を調査する研究、選択的スプライシング、エキソン−エキソン境界、コピー数変動)にも有益であり得る。前述のように、本発明の方法により収集した断片は、精製の必要なしに下流用途のために直接使用できるが、所望ならば試料を精製することができる。
図3A、図3B及び図3Cは、市販のFFPE DNA抽出キットと本発明の抽出方法間のDNA抽出効率(それぞれGAPDH、ACTB及び18sについて)の比較を示す。試料は未染色で、肝臓試料(腫瘍及び正常試料)、扁桃試料、膀胱試料(腫瘍及び正常試料)、及び胎盤試料が含まれていた。図3Aに示すように、本発明の抽出方法は、使用された肝臓、扁桃、膀胱及び胎盤試料において、GAPDH抽出に関して同等以上の効率を示した。図3Bに示すように、本発明の抽出方法は、使用された肝臓、膀胱及び胎盤試料においてACTB抽出に関して同等以上の効率を示した。図3Cに示すように、本発明の抽出方法は、使用された肝臓、膀胱及び胎盤試料において18S抽出に関して同等以上の効率を示した。
FFPE組織の分子解析は、多くの場合、組織の利用可能性の欠如のために実行できない。小さな組織試料とミクロ生検では、ごく少数の組織切片しか得られず、そのほとんどは組織染色用に取っておく。本発明の自動方法は、先に染色された組織切片からDNAを抽出することができ、限られた組織を有する試料の分子解析のための機会を提供する。染色された組織の使用はまた、異なる組織切片を比較するのではなく、同じ組織切片で染色及び分子解析を行う独自の機会をユーザーに提供する。
染色された組織からのDNA抽出効率を試験する別の研究では、サイトケラチン8及び18発現について、FFPE扁桃の連続切片(4μm厚)がH&E染色に、又は3,3’−ジアミノベンジジン(DAB)での免疫組織化学(IHC)染色に供された。自動抽出方法及び手動キットの両方を用いて、H&E及びIHC染色組織からDNAを抽出した。市販キットを使用して抽出されたDNA試料は、上記のように希釈された。
ACTB、GAPDH及び18sのリアルタイムPCR分析により、自動方法が市販のキットよりも染色された組織から有意に多くのDNAを回収することが明らかになった。両方の方法でのCt値を表3に示す。
表3.平均サイクル閾値(Ct)
Figure 0006877550
3つのアンプリコンのうち2つについては、自動方法を使用する場合、市販キットと比較して、増幅効率に統計的有意差がある(ACTBのp値=0.0397、GAPDHのp値:0.0025、18sのp値:0.1602)。18sに関しては統計的有意差は認められなかったが、Ct値には顕著な差があり、自動方法の抽出効率がより高いことを示唆している。
IHCの場合、自動方法を使用した平均Ct値は、市販品キットを使用した平均Ct値よりも低かった(表3参照)。3つのアンプリコンすべてについて、自動方法を使用する場合、市販キットと比較して、増幅効率に統計的有意差がある(ACTBのp値=0.342、GAPDHのp値:0.0163、18sのp値:0.0241)。要約すると、自動方法は市販のキットより優れており、H&E染色組織からは200−400倍多いDNA(図4参照)及びIHC染色組織からは8−10倍多いDNA(図5参照)を回収する。
顕微解剖は、本発明の自動抽出方法と組み合わせることができる。不要な組織を除去すると、スライド上に組織の関心領域が残り、その関心領域からのみ核酸抽出が可能になり、したがって試料が濃縮される。ある研究では、AVENIO MilliSect (Roche Molecular Systems,Pleasanton,CA)を使用して組織切片を解剖した(図6参照)。扁桃をモデルとして使用し、腫瘍と正常をシミュレートした。胚中心のクラスターが関心領域としてスライドに残された。扁桃のマントルゾーンは除去された。
解剖後、組織の関心領域を含むスライドは、本発明の自動方法と市販のマニュアルキットを介してDNA抽出に供された。市販のキットから抽出された試を上記のように希釈した。抽出後、qPCR分析を全試料について実施した。qPCR分析において使用されたアンプリコンは、ACTB、GAPDH及び18Sを含んでいた。表4に示すように、3つのすべてのアンプリコンについて、自動方法のCt値は市販のキットのCt値よりも大幅に低かった。これらの結果は、解剖された試料から、自動方法によってより多くのDNAが回収されたことを示している。
表4.平均サイクル閾値(Ct)
Figure 0006877550
自動方法によって抽出されたDNAは、複数の下流用途において首尾よく使用された。上記の研究では、DNAは、抽出後に精製の必要なしに直接qPCRに供された。DNAが懸濁している溶出緩衝液は、シグナルを生成せず、又はPCR産物を増幅せず(データは示さない)、この特定の用途のための精製の必要性を排除した。精製されたDNA試料は、前述のようにバイオアナライザー分析において使用された。
染色されたスライドと未染色スライドの両方から抽出されたDNAは、配列決定用途にも首尾よく使用された。抽出後、試料は、KAPA Pure Beat Cleanup(KAPA BioSystems Inc.)を使用して緩衝液交換された。重要なことに、配列解析では、染色したスライドから抽出されたDNAが配列決定用途に首尾よく使用され得る。さらに、自動方法を使用して抽出された試料は、市販のキットを使用して抽出された試料と比較して、カバレッジの均一性が高まることを実証している。
自動抽出方法は、FFPE組織からのRNA抽出のために使用することができる。図7を参照するに、自動方法を介したRNA抽出の質を、市販のFFPE RNA抽出キットによって抽出されたRNAと比較した。自動方法から抽出されたRNAは、装置から試料を取り出した後にカラム精製された。精製後、RNAをバイオアナライザーにかけた。抽出されたRNAのバイオアナライザー分析によって、自動方法によって抽出されたRNAは、市販キットを用いて抽出されたRNAよりもはるかに断片化が少ないことが示された(図7)。より長いRNA転写物は、PCRベースの手法及びいくつかのRNA配列を含む多くの下流用途にとって望ましいものであり得る。
自動方法によって抽出されたすべてのRNAをカラム精製した。精製後、RNAは、複数の下流用途に供された。まず、RNAをバイオアナライザー分析に直接使用した。RNAはまた、cDNA合成用のテンプレートとしても首尾よく使用され、cDNAはqPCRに供された。
実施例2:DNA抽出プロトコール
実施例2は、未染色組織での自動DNA抽出のプロトコールスキームの一例を記載する。本発明は、この例の中のプロトコールに限定されない。
自動スライド染色機のDNA抽出スキーム(工程2−5は自動スライド染色装置で実施)
1.装置にスライドを配置
2.脱パラフィン
3.抗原回復
4.プロテアーゼ処理
5.熱溶出
6.ユーザーが液体をピペットでスライドから取り出す(液体に抽出されたRNAが含まれている)
実施例3:RNA抽出プロトコール
実施例3は、未染色組織での自動RNA抽出のプロトコールの一例を記載する。本発明は、この例の中のプロトコールに限定されない。
自動スライド染色機のRNA抽出スキーム(工程2−6は自動スライド染色装置で実施)
1.装置にスライドを配置
2.脱パラフィン
3.抗原回復
4.プロテアーゼ処理
5.グアニジンチオシアン酸塩処理
6.熱溶出
7.ユーザーが液体をピペットでスライドから取り出す(液体に抽出されたRNAが含まれている)
本明細書に記載の自動RNA抽出方法は、手動技術に比べて改善されたものである。この自動方法は、30の試料からRNAを、多くの手動方法と比較してより速いターンアラウンドタイムである3時間以内に抽出することができる。この自動方法はまた、現行の方法よりも小さな組織試料(issue sample)で機能する。具体的には、この自動方法は、4ミクロンの単一組織切片からRNAを抽出することができる。多くの市販の方法は、10ミクロンの組織切片、又は1つの試料内にプールされた複数の4ミクロン切片を必要とする。さらに、本発明をいかなる理論又は機構にも限定することを望むものではないが、この自動方法は、長時間のプロテアーゼ処理なしに組織からRNAを放出することができる。多くの手動方法は、プロテアーゼで何時間も処理する。本自動方法は、短いプロテアーゼ処理を用いており、その結果、手動方法で抽出されたRNAの集団よりもはるかに分解が進んでいないRNAの集団をもたらす。分解が少ないことは、完全長の転写物の存在を示している可能性があり、それは、配列決定又はqPCR分析などの下流用途に関心のあるユーザーのためになり得る。
本明細書に記載されるもの以外に、上記説明から当業者には本発明の種々の修正例が明らかである。このような修正例も、特許請求の範囲に含まれることが意図される。本明細書に引用される各参照文献は、内容の全体が参照により本明細書に援用される。
本発明の好ましい実施態様を示し説明してきたが、添付の特許請求の範囲を超えない修正をそれに加えることができることは当業者には容易に明らかであろう。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によってのみ限定される。特許請求の範囲又は明細書に列挙される参照番号は、例示であり、特許庁による検討を容易にするためだけのものであり、いかようにも限定するものではない。いくつかの実施態様において、この特許出願に提示される図は、角度、寸法比等を含め、縮尺通りに描かれている。いくつかの実施態様において、図は代表的であるのみであり、特許請求の範囲は図の寸法により制限されない。いくつかの実施態様において、「含む/備える」(「comprising」)という語句を使用して本明細書に記載される発明の説明は、「からなる」と記載され得る実施態様を含み、したがって、「からなる」という語句を使用して本発明の1以上の実施態様を請求するための書面による説明要件が満たされる。
特許請求の範囲又は明細書に列挙した何れの参照番号も、単に本特許出願の審査を容易にするためのものであり、例示であり、特許請求の範囲を図面中の対応する参照番号を有する特定の特徴に限定することを決して意図しない。

Claims (16)

  1. 1枚以上のスライド上の試料を脱パラフィン試薬で処理すること;
    1枚以上のスライド上の試料を抗原回復緩衝液で処理すること;
    1枚以上のスライド上の試料をプロテアーゼ緩衝液で処理すること;及び
    1枚以上のスライド上の試料を加熱して、それぞれの試料から単離された核酸を含む溶出液を得ること
    を含む、自動染色装置内で1枚以上のスライド上に配置された組織試料から核酸を抽出するための自動方法。
  2. 1枚以上のスライド上の試料から溶出液を取り出すことをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 単離された核酸を精製することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
  4. 単離された核酸で核酸増幅を実施することをさらに含む、請求項2又は3に記載の方法。
  5. 単離された核酸を解析することをさらに含み、解析することが配列決定を含んでもよい、請求項2、3又は4に記載の方法。
  6. 核酸がDNAである、請求項1に記載の方法。
  7. 1枚以上のスライド上の試料がプロテアーゼで処理された後に、1枚以上のスライド上の該試料をグアニジンチオシアネートで処理することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  8. 核酸がRNAである、請求項7に記載の方法。
  9. 1枚以上のスライド上の試料がFFPE試料、新鮮試料、凍結試料、又は顕微解剖試料である、請求項1に記載の方法。
  10. 1枚以上のスライド上の試料が未染色試料である、請求項1に記載の方法。
  11. 1枚以上のスライド上の試料が染色された試料であり、染色された試料が、ヘマトキシリン及びエオシン(H&E)又は免疫組織化学染料又はin situハイブリダイゼーション染料で染色された試料であってもよい、請求項1に記載の方法。
  12. 請求項1−11の何れか一項に記載の1枚以上のスライド上に配置されている組織試料から核酸を抽出するための方法を実施するための自動システムであって、
    1枚以上のスライドを保持するためのスライドホルダー、
    脱パラフィン緩衝液、抗原回復緩衝液、及びプロテアーゼ緩衝液、
    1枚以上のスライド上の試料を加熱するための加熱するための加熱素子、並びに、
    1以上のディスペンサー
    を備える自動システム。
  13. プロセッサーに接続されたメモリーをさらに備え、メモリーが、プロセッサーによって実行されると請求項1−11の何れか一項に記載の方法のための動作を自動システムに実行させるコンピューター可読命令を記憶する、請求項12に記載のシステム。
  14. ディスペンサーが、スライドホルダー内の1枚以上のスライド上の組織試料上に、脱パラフィン試薬、抗原回復緩衝液、及びプロテアーゼ試薬を分配するために適合されている、請求項12に記載のシステム。
  15. 脱パラフィン緩衝液、プロテアーゼ試薬、及び抗原回復緩衝液を含む、自動染色装置内で1枚以上のスライド上に配置された組織試料から核酸を抽出するためのキット。
  16. グアニジンチオシアネートをさらに含む、請求項15に記載のキット。
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