JP2003510571A - 組織試料中の分子標的の臨床的有用性を評価するための高処理量システム - Google Patents

組織試料中の分子標的の臨床的有用性を評価するための高処理量システム

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Abstract

(57)【要約】 分子標的の臨床的有用性を立証するためのアプローチであって、大量の異なる組織試料を、標的分子とインサイチューで特異的に結合する染色剤と高処理量方式で接触させ、続いて組織試料中の標的分子と結合した染色剤の程度を決定することを伴うアプローチについて開示する。この目的のために、(i)数百個の少量の組織試料を有し、その上に試薬を適用しうる組織マイクロアレイ、(ii)組織試料に試薬を適用し、インサイチューハイブリダイゼーションおよび免疫組織化学的方法に必要な工程のほとんどを行うための自動染色器械、ならびに(iii)試料のそれぞれにおける標的の存在および/または量をユーザーが容易に確認できるようにする画像化器械、を含む装置を用いることが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 1.発明の分野 本発明は、組織中の分子標的の潜在的な臨床的有用性を評価するためのシステ
ムおよび方法、より詳細には、顕微鏡用スライド上にマウントされた大量の異な
る組織試料を対象として多くの供給元からの多数のユニークな標的に関する検査
を行えるように完全に自動化されている方法を目的とする。
【0002】発明の背景 21世紀の医学は個別化が進み、それぞれの患者に対する治療戦略は各人の特定
の遺伝子型または罹患組織の遺伝的特徴に大きく影響されるようになると広く予
想されている。このような取り組みは、しばしば「個人に適合化された医療(pe
rsonalized medicine)」または「薬理ゲノム学」と呼ばれる。中でも癌は遺伝
的異常によって生じるものであり、より個別化された治療が非常に強く求められ
ている疾患の一つである。いかなる所与の治療アプローチでも、一部の癌患者は
良好な反応を示すものの、別の患者は反応せずに、薬剤に起因する有害な副作用
によって重大な害を被るおそれがある。特異的な分子標的(DNA、RNAまたは蛋白
質)に作用する多くの新薬の設計が進んでいるため、患者の腫瘍の遺伝的プロフ
ァイルを入手することは、最適な治療過程の選択にますます重要な役割を果たす
ことになると考えられる。2005年までには臨床試験に参加する全被験者の半数が
薬理ゲノム学に基づく検査を用いて選択されると推定されているため(Genetic
Engineering News、1999年6月15日、p.17)、この情報は臨床試験に参加する患
者を選択するためにまず必要になると考えられる。最終的には、今後承認される
ほとんどの新たな医薬品には、薬剤と並行して用いるための対応した分子診断検
査が行われる可能性が高い。
【0003】 これから市場に出されるこの種の薬剤のうち最初のものの一つが、HER-2癌遺
伝子を過剰発現する転移性乳癌細胞を標的とするモノクローナル抗体であるハー
セプチン(HERCEPTIN)(登録商標)(Genentech, S. San Francisco、CA)であ
る。乳癌の女性患者の約25〜30%はHER-2癌遺伝子を過剰発現する癌を有してお
り、この遺伝子の存在は癌の進行が急速なことと相関がある。ハーセプチン(登
録商標)は、癌細胞の表面に大量に存在するHER-2増殖因子受容体と結合するこ
とによって作用する。この薬剤は、インサイチューハイブリダイゼーション(IS
H)によってHER-2遺伝子の増幅(すなわち、コピー数の増加)が確認された患者
、または免疫組織化学(IHC)の手法によって蛋白質の過剰発現が確認された患
者にのみ適応される。HER-2の状況から、ドクソルビカン(doxorubican)などの
従来の種々の治療薬に対する患者の反応を予測しうることも明らかになっている
【0004】 製薬会社およびバイオテクノロジー企業は、HER-2癌遺伝子のように、治療標
的としても、その標的と相互作用するように設計された薬剤による恩恵を最も受
けると考えられる患者を識別するためのツールとしても用いることができる、新
たな遺伝マーカーの探索に力を入れている。
【0005】 ヒトゲノムプロジェクトに参加した関係者の協力および高処理量遺伝子シーク
エンシング技術の利用により、研究に用いることができる遺伝子の数は急速に増
加している。さらに、このような遺伝子の機能、および治療的介入の標的として
の有用性を同定または確認するのに役立つ新たな技術が最近では登場している。
これらの技術には、遺伝子発現連続解析(SAGE)、および1回の実験で数千種の
遺伝子の発現パターンを計測し、薬物相互作用の標的となる可能性があるものを
数多く生成するcDNAマイクロアレイが含まれる。
【0006】 これらの新しい技術では、数百種の遺伝子の発現パターンを同時並行的にプロ
ファイル化することができるが、それらによって1回に検査できるのは1つの組織
試料に過ぎない。しかし、ほとんどの癌遺伝子は多くの種類の腫瘍で増幅または
過剰発現されるため、標的とする遺伝子または蛋白質、特に癌に関与すると考え
られる遺伝子の臨床的有用性を立証するには、疾患のさまざまなステージにある
患者から採取した数百種の試料を分析する必要がある。さらに、HER-2および他
の大半の癌マーカーは、腫瘍のみに存在する後天的(すなわち、体細胞性の)異
常である。病理学者または科学者が核酸または蛋白質をアッセイするのと同時に
組織標本の組織病理学的構造および形態を顕微鏡下で検査できるようにするには
、これらのマーカーがISHまたはIHCを用いて無傷細胞(インサイチュー)で同定
されるのが最もよい。例えば、ISHを用いて、特に顕微鏡下で観察した時に形態
学的に悪性と思われる細胞における遺伝的異常または癌の原因となる遺伝子の増
幅などの状態の存在を検索することができる。検出しようとする標的分子がRNA
配列である場合には、研究者はISHによって、特定の遺伝子が過剰発現または低
発現となる位置および組織を知ることができる。免疫組織化学的な手法により、
組織内部の標的抗原(通常は蛋白質)の検出が可能となる。アッセイしようとす
る組織の特定の細胞内の標的を検出するために組織の検索を行う目的には、特異
的抗原に対する抗体が用いられる。さらに、標的の蛋白質発現および細胞内局在
のレベルを高めることも可能である。このため、IHCにより、標的が細胞核内、
細胞質内または細胞膜上で発現されるか否かを半定量的な様式で確認することが
できる。
【0007】 最近、多数の腫瘍試料中の分子標的の同時並列的インサイチュー検出が可能と
なるように、米国政府の科学者がヒトゲノムプロジェクトの一環として「組織マ
イクロアレイ」を開発した(Kononen, J.ら、腫瘍標本の高処理量分子プロファ
イル化のための組織マイクロアレイ(Tissue microarrays for high-throughput
molecular profiling of tumor specimens)、Nature Med. 7、844〜847(1998
))。本明細書の別の箇所で述べるように、標準的な顕微鏡用スライド上にさま
ざまな腫瘍に由来する円形組織生検試料を最大1000個、グリッド状に配置するこ
とができる。これにより、核酸プローブまたは抗体を数百種の異なる試料に1回
で適用することが可能になる。
【0008】 組織マイクロアレイが登場したものの、ISHおよびIHCがいずれも複雑で時間が
かかる上に研究室によって違いがある高度に専門的な技術であることには現在も
変わりない。IHCでは、罹患状態の指標となるある種の形態的特徴を選択的染色
によって強調するために、スライドガラス上にマウントした組織切片または細胞
(例えば、血液または骨髄)に対して一連の処理段階を行うことが必要である。
典型的な段階には、パラフィンの除去および非特異的結合の軽減のための組織切
片の前処理、蛋白質の架橋によってマスキングされた抗原の化学固定剤からの回
収、抗体による処理およびインキュベーション、酵素標識がなされた二次抗体に
よる処理およびインキュベーション、抗体と結合するエピトープを有する組織切
片の発蛍光団または発色団の強調領域を生じさせるための基質の酵素との反応、
対比染色などが含まれる。これらのほとんどの段階の間には、前の段階による未
反応の残存試薬を除去するためにすすぎ洗いの段階が複数回加えられる。インキ
ュベーションは高温、通常は37℃前後で行うことができるが、組織を持続的に脱
水から保護する必要がある。研究室の間で試薬の使用および反応条件に一致しな
い点があると、しばしば不適切に異なる結果が得られる。
【0009】 ISH分析は、組織試料または感染性病原体の細胞に由来するユニークな、また
は反復性のヌクレオチド配列とのプローブの特異的結合親和性に依拠したもので
あり、多くの異なる試薬を用いる同様の一連の工程段階を必要とし、さらに複雑
なことにさまざまな温度を用いる必要もある。抗体と同じく、各プローブも組織
中での反応性に関して個別に最適化される必要がある。これらの変数には、プロ
ーブ長および標識、プローブ濃度、ハイブリダイゼーション条件、ストリンジェ
ンシー洗浄ならびに検出法が含まれる。
【0010】 分子標的の同定に取り組んでいる製薬会社およびバイオテクノロジー企業の大
半は、新薬を開発することに自らの資源を集中させており、企業内で、費用効果
が高く時宜を得た様式でISHおよびIHCを行おうとする意欲もインフラストラクチ
ャーも備えていない。製薬会社およびバイオテクノロジー企業のいずれにとって
も、医薬品開発において最も重要な要因の一つは販売に至るまでのスピードであ
る。重要な薬剤の上市が遅れることによる収入の減少は、1日当たり100万ドルを
上回ると推定されている(Genetic Engineering News、1999年9月1日)。生命に
かかわる疾患の場合には、この遅れが死亡率の上昇および疾患の進行をもたらす
おそれもある。
【0011】 このため、多数のユニークな分子標的をそれぞれ有する多くの製薬会社および
バイオテクノロジー企業に代わって高処理量ISHおよびIHCを実施しうるシステム
には大きな需要が存在することは明らかである。また、時宜を得た経済的な様式
で標的の臨床的有用性の確認またはバリデーションを行うために、数十種の分子
標的を用いて数百種の組織試料のスクリーニングを行うことのできるシステムに
対する需要もある。
【0012】 2.関連技術の説明発明の概要 本発明は、異なる患者、器官、疾患または疾患病期に由来する大量の組織中の
標的をスクリーニングすることによって分子標的の臨床的有用性を立証するため
の高処理量方式に用いうる装置および方法を目的とする。それぞれの組織試料に
対して、標的の量または位置を決定し、異なる器官または病状の異なる患者から
得た別の試料と比較する。例えば、特定の遺伝子の増幅または過剰発現の頻度が
再発型の癌の患者から得た腫瘍で高いことが明らかになれば、治療戦略の計画に
用いられる予後判定マーカー、ならびにその遺伝子またはその産物と相互作用す
る新たな薬剤を設計するための標的が得られる可能性がある。
【0013】 本発明の装置および方法は、潜在的な標的分子の種々の供給元に対して、特に
、自らの薬剤によって利益を受けると思われる患者を識別する一助となるISH/I
HCマーカーおよびインサイチュー技術を用いた自らの薬剤標的のバリデーション
を求めている製薬会社およびバイオテクノロジー企業に対してサービスを提供す
るために特に適合化される。
【0014】 最も好ましい態様において、本発明に係る装置は一般に(i)数百個の少量の
組織試料を有し、その上に試薬を適用しうる組織マイクロアレイ、(ii)組織試
料に試薬を適用し、ISHおよびIHCに必要な手順のほとんどを自動的に行うための
自動染色器械、ならびに(iii)試料のそれぞれにおける標的の存在および/ま
たは量をユーザーが容易に確認できるようにする画像化器械、を含む。
【0015】 本発明の重要な利点の1つは、検査またはバリデーションを行う標的を数多く
有する多数のクライアントに対して同じ器械を用いる本質的に同じサービスを行
うことによって得られる、規模および効率の経済性である。
【0016】 本発明のもう1つの利点は、組織マイクロアレイを自動染色器械と組み合わせ
て用いることによって達成される速度および高処理能である。
【0017】 本発明のさらにもう1つの利点は、それぞれが厳密に同じ様式で処理された多
数の異なる組織試料から得られた結果を正確に比較できる点である。
【0018】 本発明のさらにもう1つの利点は、個別化された染色または処理プロトコール
を、そのようなプロトコールに異なる温度パラメーターおよび他の条件が必要な
場合であっても、各試料に対して行うことができる点である。
【0019】 本発明のさらにもう1つの利点は、組織をマウントするスライドの表面全体の
温度をきめ細かく(すなわち、望ましい温度の±2℃以内に)調節できることで
ある。ISH、およびインサイチューPCRなどの関連プロセスにおけるDNA変性およ
びプローブハイブリダイゼーションには、このような精度が特に必要である。さ
らに、本発明に係る加熱は均一になされるため、このように狭い温度の範囲がス
ライドガラスの表面全体にわたって維持され、組織はスライド上の位置とは関係
なく一様に加熱される。加熱しようとする複数の組織試料のそれぞれを均一に加
熱することができるため、この特徴は、組織マイクロアレイを加熱する場合には
特に有益である。これにより、スライドの両端に位置する異なる組織試料におけ
る反応を比較する場合の精度が高まる。
【0020】 本発明のさらにもう1つの利点は、自動化によって人為的ミスがなくなり、生
産性が高まることである。
【0021】 本発明のさらにもう1つの利点は、研究環境で標的の評価またはバリデーショ
ンを行うために開発されたものと同じ染色プロトコール(試薬、時間、温度など
)を、引き続いて疾患の予後判定または治療の選択のために臨床(患者ケア)環
境で用いることができる点である。
【0022】 本発明の上記および以下で明らかになると思われる他の目的、利点および特徴
とあわせて、本発明の以下の詳細な説明、添付した特許請求の範囲、および図面
に示したいくつかの図を参照することにより、本発明の本質はより明瞭に理解さ
れると考えられる。
【0023】発明の詳細な説明 ここで、全体を通じて同様の部分が同様の参照番号によって指定されている図
面を詳細に参照すれば、図1には、参照番号10として概して指定される本発明に
係るシステムおよび装置の1つの好ましい態様が図示されている。システム10は
一般に、単一の顕微鏡用スライドガラス上にマウントされた数百種の微量の組織
試料からなるアレイを作製するための組織マイクロアレイ装置12、顕微鏡用スラ
イドガラス、ISH/IHCに必要な段階のほとんどを自動的に行うための染色装置14
、およびISH/IHC染色の結果を可視化して利用者が解析できるようにするための
画像化装置16を含む。好ましくは、システム10は、器官の種類、疾患および患者
の病歴によって分類され、保存された数千種の外科手術標本を有する1つまたは
複数の組織バンク18(a〜c)にアクセスする。使用および動作に際して、システ
ム10は、それぞれが1つまたは複数の分子標的22(DNA、RNAまたは蛋白質)をシ
ステムに供給し、アッセイした組織試料のスクリーニングに基づいて標的の臨床
的意義に関するデータ24を受け取る、製薬会社などのさまざまな標的20の多数の
供給元に対する役割を果たすように適合化される。
【0024】 以下に、システム10の前記の構成要素のそれぞれをより詳細に説明する。
【0025】定義 本明細書で用いる場合、以下の用語は以下の意味を有するものとする:
【0026】 「自動化」または「自動式」とは、実質的にコンピュータによって制御される
か機械によって駆動され、しかも通常の動作時に人為的な介入を実質的に受けな
い作業のことを意味する。
【0027】 「臨床的有用性」とは、標的の(i)標的と相互作用する薬剤もしくは治療法
の設計もしくは処方、または(ii)特定の薬剤もしくは治療法による恩恵を受け
る可能性が最も高いのはどの患者かの決定、に対する有用性を意味する。
【0028】 「異なる組織」とは、異なる患者、器官、疾患および/または疾患ステージに
由来する組織を意味する。
【0029】 「高処理量」とは、約20,000種を超える異なる組織試料を1日で処理しうる能
力を意味する。
【0030】 「供給元」および「標的の供給元」とは、本発明に係るシステムに少なくとも
1つの標的を供給し、システムによるサービスを受け、このシステムを用いる企
業とは別々の支配下に置かれている企業または類似の実体を意味する。
【0031】 「標的」および「標的分子」とは、核酸、蛋白質、抗原、糖質、脂質および低
分子を非制限的に含む、細胞内に認められる検出可能な分子を意味する。
【0032】 「組織」とは、器官の切片、腫瘍切片、体液、塗沫標本、凍結切片、細胞診標
本(cytology preps)および細胞株を非制限的に含む、標準的な顕微鏡用スライ
ドガラスにマウントされる細胞の任意の集合体を意味する。
【0033】 「組織アレイ」および「組織マイクロアレイ」とは、多数の異なる組織試料が
マウントされた顕微鏡用スライドガラスまたは類似の固体表面を意味する。
【0034】 「スクリーニングをする」とは、組織試料における標的の存在、不在、量、位
置および/または他の特徴を決定することを意味する。
【0035】 「染色剤(stain)」とは、組織中の標的分子に適用した際にその分子を顕微
鏡下で検出可能にする任意の生物的または化学的物質を意味する。染色剤には、
検出可能な核酸プローブ、抗体および色素が非制限的に含まれる。
【0036】 「処理すること」または「処理」とは、組織への染色剤の適用、ならびに加熱
、冷却、洗浄、すすぎ洗い、乾燥、蒸発抑制、パラフィン除去、細胞馴化、混合
、インキュベーションおよび/または蒸発を非制限的に含む、このような適用に
関連した他のプロセスを意味する。
【0037】組織マイクロアレイ 多数の腫瘍または他の組織試料における分子標的の同時並列的インサイチュー
検出が可能となるように、図2(a〜c)に図示した組織マイクロアレイ装置12が
提供される。これはNIH(Bethesda、MD)の米国国立ヒトゲノム研究所(Nationa
l Huma Genome Research Institute)で開発されたものであり、装置12、および
1000種もの円柱状組織生検標本が単一のアレイに配置された組織マイクロアレイ
15を作製するためのその使用は、コノーネン(Kononen, J.)ら、「腫瘍標本の
高処理量分子プロファイル化のための組織マイクロアレイ(Tissue microarrays
for high-throuput molecular profiling of tumor specimens)」、Nature Me
d. 7、844〜847(1998)に記載されており、これはその全体が参照として本明細
書に組み入れられる。
【0038】 アレイ(図2a)を作製するために必要な物質には、ドナーブロック26から組織
コア生検標本を打ち抜き採取するためにコルク穿孔器のように鋭利になっている
薄肉ステンレス鋼チューブ25、コア生検標本を収容ブロック28に移すためのスタ
イレット27、および接着テープ29が含まれる。組織の形態的に代表的な領域から
の試料採取のガイド役とするために、ドナーブロック26から作製されたヘマトキ
シリン・エオジン(H&E)染色切片30も提供される。
【0039】 組織マイクロアレイ15には、自動染色器械14による識別のためにバーコードラ
ベル17を施すことが好ましい。バーコードの代わりに、光学的読み取り可能な文
字もしくは記号、磁気ストリップなどを含む、他の機械可読式の表示または媒体
を用いてもよい。
【0040】組織染色器械 IHCおよびISHにはいずれも多数の反復処理段階が必要であるという観点から、
人的作業ならびにそれに付随する費用およびミスの割合を有意に低減させるため
、ならびに均一性を導入するために、自動染色器械14が提供される。用いるのに
好ましい装置は、ベンタナメディカルシステムズ社(Ventana Medical Systems,
Inc.)(Tucson、Arizona)から販売されているDISCOVERY(登録商標)自動染
色器械である。この器械は、放射状に配置されたスライドを支持する回転式カル
ーセル(carousel)を含む、マイクロプロセッサ制御式システムである。ステッ
ピングモーターがカルーセルを回転させて、各スライドガラスをスライドガラス
の上部に配置された一連の試薬ディスペンサーのいずれか一つの下に位置させる
。スライドガラスおよび試薬ディスペンサーの上にあるバーコードによってディ
スペンサーおよびスライドガラスのコンピュータ制御式の位置調整が可能になり
、コンピュータの適切なプログラミングによって種々の組織試料のそれぞれに異
なる試薬処理を行うことができるようになる。
【0041】 DISCOVERY(登録商標)器械を当技術分野で知られた他の器械とは識別し、シ
ステム10に含めるのに特に好適なものとする他にない特徴は、各スライドガラス
が別々の加熱台(heating platform)にマウントされているため、各試料の温度
を他の試料とは独立して正確に制御できる点である。この特徴は、核酸を用い、
比較的高温で比較的正確な温度調節を行う必要のあるインサイチューハイブリダ
イゼーション実験を行う場合には特に有利である。標的試料およびプローブの両
方のDNA二本鎖を変性させてそれらを一本鎖にするためには、温度を二本鎖の融
点以上、通常は65℃〜105℃に高める必要がある。同時に、試料を100℃以上に過
度に加熱すると細胞の形態が破壊されて顕微鏡下での観察が困難になるため、過
度に加熱しないことが不可欠である。ISHの場合には、プローブのハイブリダイ
ゼーションおよび洗浄が望ましいストリンジェンシーで行われるためにも正確な
温度調節が必要である。選択される温度は、プローブとテンプレートとのハイブ
リダイゼーションが可能な程度に低温である必要があると同時に、ミスマッチ型
のハイブリッド体が形成されない程度に高い必要がある。
【0042】 図4に示す通り、器械14は、自動染色器械32、ホストコンピュータ33(好まし
くは専用パーソナルコンピュータ)、バルク液体容器34、廃棄物容器36および関
連装備品を含む。器械14の詳細な説明は、いずれも1999年2月26日に提出された
、リチャーズ(Richards)らによる米国特許出願第09/259,240号、およびこれ
に対応するPCT国際出願第PCT/US99/04181号に記載されており、これらはいず
れもその全体が参照として本明細書に組み入れられる。器械32はコンピュータに
よって制御され、バーコードによって駆動される染色器械であり、これは標準的
な顕微鏡用スライドガラスまたは組織マイクロアレイにマウントまたは固定され
た組織または細胞に化学的および生物的試薬を自動的に適用する。最大20枚のス
ライドガラスが回転式カルーセルに環状に配置してマウントされ、このカルーセ
ルがコンピュータの指示によって回転し、各スライドをスライドの上方に配置さ
れた一連の試薬ディスペンサーのいずれか一つの下に位置させる。各スライドは
選択された試薬(例えば、DNA プローブ)を受け取り、洗浄、混合および/また
は加熱を最適な順序で必要な時間にわたって受ける。続いて、このようにして染
色または処理がなされた組織切片を利用者が装置から取り出し、染色された試料
を科学者または病理学者が解析して標的の存在、位置および存在量を明らかにす
るために、顕微鏡または他の画像化器械16による観察を行う。コンピュータ制御
式の自動化により、かかりきりにならない様式で(「walk-away」 manner)、す
なわちほとんど手作業を行わずに装置を用いることが可能になる。
【0043】 スライド温度の個別的な制御は、スライドの加熱およびそれぞれの温度の検出
用にカルーセルに放射状にマウントされた加熱台を有する、本発明に係る加熱シ
ステムによって行われる。同じくスライド用カルーセルに取り付けられたプリン
ト配線回路が個別的にモニタリングを行い、各加熱台を別々に制御する。情報お
よび電力は、スリップ・リング・アセンブリを介して回転式カルーセルと固定装
置との間を伝わる。この情報には、20枚のスライドのそれぞれを適切な時間にわ
たって加熱するために必要な上限および下限の温度パラメーターが含まれる。
【0044】 図3を見るとよくわかる通り、器械32は、蝶番式に取り付けられた蓋42を有す
る筐体40を含む。スライドカルーセル44は筐体40の内部にマウントされ、矢印A
の向きに回転する。以下にさらに詳細に述べるように、カルーセル44の周囲には
複数の加熱台50が放射状にマウントされ、その上には組織試料(標準的なものま
たはマイクロアレイ)を載せた標準的スライドガラスが配置される。器械32の重
要な特徴は各スライドの温度を個別的に制御することができ、各スライドの上面
の温度は一定であるという点である。器械32の内部には、米国特許出願第09/25
9,240号(前記)に提示および記載された洗浄液計量配分ノズル、リキッドカバ
ースリップ(Liquid Coverslip)(登録商標)計量配分ノズル、液体ナイフ(fl
uid knife)、洗浄容積調節ノズル、バーコード読み取りミラーおよび空気式ボ
ルテックスミキサーも収められている。
【0045】 蓋42の上には試薬カルーセル52が回転可能な形に取り付けられる。ディスペン
サー54は試薬トレー56(図5)に取り外し可能な形で取り付けられ、トレーはカ
ルーセル52にはまり込むように適合化される。試薬には、核酸プローブまたはプ
ライマー、ポリメラーゼ、一次および二次抗体、消化酵素、前固定剤、後固定剤
、読み取り用化学物質および対比染色剤を含む、従来法にてスライドに適用され
る任意の化学的または生物的物質が含まれうる。しかし、本発明の目的には、デ
ィスペンサー54は好ましくは、試薬がマイクロアレイ15中の微量の組織試料の全
体に均一に配分されるように改良する。これは、吹き付け角度が広がるようにデ
ィスペンサーの流出口を調節することによって、またはマイクロアレイの2つも
しくはそれ以上の異なる位置に試薬が滴下されるようにディスペンサーを移動さ
せることによって達成しうると思われる。
【0046】 試薬ディスペンサー54には好ましくは、コンピュータによる識別のためにバー
コードラベル58が施されている。各スライドに対して、単一の試薬を適用した後
に、温度が制御された環境で正確な時間にわたってインキュベートする。試薬の
混合は、スライドの縁に沿った向きに圧縮空気ジェット(図示せず)を吹き付け
、それによって試薬を回転させることによって行われる。適切なインキュベーシ
ョンの後、ノズルを用いてスライドから試薬を洗い流す。続いて、容積調節ノズ
ルを用いて、残った洗浄緩衝液の容積を調節する。続いて、気化を抑制するため
に、ノズルを介してリキッドカバースリップ(Liquid Coverslip)(登録商標)
溶液をスライドに適用する。エアーナイフによってリキッドカバースリップ(登
録商標)のプールを分割した後、次の試薬を適用する。プロトコールが完了する
まで、カルーセルを回転させながらこれらの段階を繰り返す。
【0047】 器械14により、顕微鏡用スライド上にマウントされた多数の組織試料に対して
、各試料が個別化された染色または処理プロトコールを受けるように自動染色ま
たは処理を行うことが可能となり、これはこのようなプロトコールに異なる温度
パラメーターが必要な場合であっても同様である。このため、ある所定の時間に
必要な加熱条件がそれぞれ異なるという事実があっても、異なるDNAプローブお
よび/または抗体を用いた染色手順を同時に実施することが可能である。さらに
、脱蝋が必要な試料(例えば、腫瘍切片)の自動処理を、このような予備的段階
が必要でない他の試料(例えば、塗沫標本)と同時に行うこともできる。
【0048】 IHCおよびISH検査の双方でしばしば生じる問題は、組織が保存される一般的な
様式に起因する。これまで何十年にもわたり、病理診断検査の中心は、ホルマリ
ン固定され、パラフィン包埋され、切片化された上でスライドガラス上にマウン
トされた組織ブロックであった。このような保存剤によって固定することは巨大
分子の架橋の原因となり、これはペプチドおよびDNAの両方に認められる。プロ
ーブを標的核酸に到達させ、抗体に対応する抗原を認識させるためには、これら
の架橋成分を除去する必要がある。抗原および/または核酸の「アンマスキング
」は一般に、多数の前処理、蛋白質分解消化および洗浄段階を用いて手作業で行
われる。細胞の抗原および核酸が検出可能になるように自動化が可能と思われる
細胞馴化の工程を含めることは、本発明の好ましい態様の一部である。
【0049】 染色の前には疎水性物質であるパラフィンの完全除去も必要であり、これはそ
れが抗体またはプローブの結合を妨げないようにするためである。脱パラフィン
処理は通常、キシレン、キシレン代替物またはトルエンなどのパラフィン溶媒で
ある除去用試薬を2回または3回連続的に用いて行われるが、これらは有毒で可燃
性であって環境破壊の原因ともなる。スライドの脱パラフィン処理のためのより
安全かつ迅速な方法は有益と考えられ、それを用いてもよい。
【0050】 マイクロアレイにマウントされた複数の組織を処理するためには、処理パラメ
ーターのいくつかを、通常の組織切片を処理する際に用いられているものと変え
る必要があると思われる。これらの変化には、例えば、組織の三次元構造を復元
するために細胞馴化の時間を延長することが含まれる。さらに、マイクロアレイ
を染色する際には、通常の切片に一般に存在するものとは標的の存在量が異なる
ため、試薬濃度を高めることも必要と考えられる。
【0051】 図6に目を向けると、約20個の加熱台50がスライドの加熱およびその温度のモ
ニタリングのためにカルーセル44に放射状にマウントされている。加熱台50のそ
れぞれは、顕微鏡用スライドガラスを載せた際に熱を伝導する、真鍮または類似
の物質でできたプレート52を含む。スライドカルーセルには、センサーのモニタ
リングおよび加熱器の制御のために電子制御用プリント基板(図示せず)も取り
付けられる。情報および電力は固定装置プラットフォームから回転カルーセルへ
とスリップ・リング・アセンブリを介して伝えられる。この情報には、リチャー
ズ(Richards)らによる前記の出願に記載された通りの電子機器を制御するため
のマイクロプロセッサ(コンピュータ32からダウンロードした後)との交信を通
じてスライドを加熱するために必要な温度パラメーター(上限および下限)が含
まれる。動作中にスライド温度がプログラムされた下限を下回ることが判明した
場合には、加熱台がスライドを加熱する。同様に、スライド温度が上限を上回る
ことが明らかになれば、加熱は停止される。必要な温度上昇速度(「ランプアッ
プ(ramp up)」とも呼ばれる)を満たすために、加熱器1個当たり約8ワットを
供給するのに十分な容量の電源を提供する。
【0052】 マイクロアレイ中の組織標本はスライドのさまざまな位置にマウントされるた
め、スライド表面を均一に加熱することは本発明の重要な目標である。従来の加
熱板ではしばしばまだら状に「高温部分」が生じ、プレート上のどの位置にスラ
イドを配置すべきかを知ることが困難であるため、手作業で行う場合であっても
、このことは伝導加熱にとっては難題である。異なる組織試料中の細胞が均一に
加熱されなければ、スライドの解釈を確実に行うことはできない。例えば、スラ
イドの一方の側の温度がプローブまたは組織DNAを変性させる程十分には高くな
い場合には、その側に位置する試料は偽陰性となる可能性がある。
【0053】 加熱台50による均一な加熱を確実に行うためには、抵抗加熱器(図示せず)を
プレート52の底面側に密着させる。真鍮プレートには、加熱パターン(heating
trace)が表面全体にわたっては連続的でなく、熱が産生されない空間によって
隔てられた隣接した線であることによって生じる局所的な不均一性がならされる
のに十分な伝導性がある。この間隔は0.015インチのオーダーであるため、スラ
イドが隣接する方のプレートの側では熱源の不均一性は感知されない。
【0054】 不均一な様式で熱が生じるように加熱パターンを改変することによっても、ス
ライド温度の均一性が得られるはずである。プレートの辺縁では中央部よりも多
くの熱が周囲の空気中に散逸する。この現象を代償するためには、スライドの中
央部の熱流を、リチャーズ(Richards)らによる出願、前記の14ページに記載さ
れたように調整する必要がある。その結果、スライドの任意の位置に置かれた試
料の間の温度差は±2℃以内になるはずである。
【0055】 以上を要約すれば、染色器械14は、組織マイクロアレイ15と組み合わせて用い
るためにディスペンサー54および検出化学反応に前記の修正を加える点を除き、
米国特許出願第09/259,240号に記載された器械と実質的に同じである。
【0056】その他の構成要素 組織アレイ切片に対して行ったアッセイ法の観察および解釈のための画像化装
置16が、好ましくは、システム10の一部として提供される。装置16は、DNAアレ
イの画像化に用いられるものなどの標準的な顕微鏡(蛍光または明視野)または
デジタル画像化システムを含みうる。このようなデジタル画像化システムは、電
子カメラ、フレーム取り込み装置、およびパーソナルコンピュータ(PC)にイン
ストールされた画像処理ソフトウエアを含む可能性が高いと思われる。電荷結合
素子(CCD)技術に基づいたさまざまな安価な電子カメラが市販されている。フ
レーム取り込み装置は、カメラとソフトウエアとの間のインターフェースとして
PCに追加することができるプリント回路基板である。画像処理ソフトはフレーム
取り込み装置に保存された画像データを用いるものであり、市販されている。染
色スライドの解釈を補助するために自動読み取り装置および光学スキャナーを用
いてもよい。
【0057】 システム10は、これまで数十年にわたって用いられてきた標準的なパラフィン
包埋組織のブロックを含む1つまたは複数の組織バンク18(a〜c)にアクセスで
きることが好ましい。本ブロックは、疾患の種類およびステージ、組織を切り出
した時点の患者の病歴、ならびに好ましくは外科手術後の臨床的追跡の内容別に
容易にアクセスできることが必要である。また、ブロックの固定方法(例えば、
ホルマリン)ならびに実施した診断検査の結果も特定されていることが望ましい
。このようなバンクは、外科病理部門があるほとんどの病院に存在する。例えば
、ジョンズホプキンズ大学医学センター(Johns Hopkins University Medical C
enter)(Baltimore、Maryland)には、100年分に及ぶ大規模な組織バンクがあ
る。
【0058】使用および動作 システム10に対する標的分子の供給元20には、遺伝子、遺伝子断片、mRNA配列
もしくは抗原を含む、特定の疾患または障害に関連があると考えられる新規標的
を同定した製薬会社およびバイオテクノロジー企業、研究機関ならびに大学の研
究室が含まれると考えられる。一般に彼らは、SAGEまたはDNAマイクロアレイな
どの前記の1つまたは複数の技術を用いて臨床試料の発現パターンをプロファイ
ル化することにより、標的の生物機能に関する見当または予想を得る。
【0059】 システム10の利用者はこのデータを用いて組織バンク18にアクセスし、さまざ
まな患者集団および疾患状態を代表する30〜1000種のブロックを選択すると考え
られる。選択されたブロックは供与体ブロック26として用いられる。選択する組
織試料の種類は主として、新たなインサイチューアッセイ法が診療に有用と思わ
れる疾患に依存すると思われる。これには、癌、関節炎、ならびに乾癬および湿
疹などの皮膚疾患が含まれると考えられる。また、クローン病、I型糖尿病およ
びある種の他の自己免疫疾患であると診断された患者からの組織もこれに含まれ
うる。さらに、病原体(例えば、ヒトパピローマウイルス)に感染した組織を、
種々の感染症に対する治療の選択を目的とするインサイチューアッセイ法を開発
するために用いることも可能である。
【0060】 腫瘍のスクリーニング用に適切な組織試料の選択を含む、マイクロアレイの作
製の一例は、シュラムル(Schraml)ら、Clinical Cancer Research、第5巻、19
66〜1975、1999年8月に開示されており、これはその全体が参照として本明細書
に組み入れられる。
【0061】 代表的な腫瘍領域を規定するために、各ブロックからH&E染色切片30[図2(a
)]を作製する。それぞれの「供与体」組織ブロックの腫瘍領域から直径0.6mm
の円柱状組織を打ち抜いて採取し、鋼管25を用いて収容用パラフィンブロックに
挿入する。0.6mmのアレイ構成要素の凝集を補助するパラフィン切片作製補助シ
ステム[接着剤がコーティングされたスライド(PSA-CS4x)、接着テープおよび
UV灯;Intermedics, Inc.、Hackensack、NJ]を用いて、この結果得られた多腫
瘍組織マイクロアレイブロックの5μm厚切片をスライドガラスに移行させる。
【0062】 標的がDNAまたはRNA配列である場合には、標的と選択的にハイブリダイズする
と考えられる核酸プローブを作製する。プローブ作製技術は、ヘリントン(Herr
ington)およびマクギー(McGee)、分子病理診断学(Diagnostic Molecular Pa
thology)、IRL Press(1992)に記載されている。
【0063】 標的が蛋白質の場合には、標的と選択的に結合すると思われる検出可能な抗体
を産生させる。抗体産生技術は、リデル(Lidell)およびクライヤー(Cryer)
、モノクローナル抗体に関する実践的手引き(A Practical Guide to Monoclona
l Antibodies)(1991)に記載されている。
【0064】 アレイから切り出した切片により、アレイ中の数百種の標本のそれぞれにお
けるDNA(蛍光インサイチューハイブリダイゼーション、FISH)、RNA(mRNA ISH
)または蛋白質(免疫組織化学、IHC)標的の同時並行的検出が可能になる。好
ましくは、染色プロトコールを自動的に行うためには染色器械14を用いる。また
は、マイクロアレイの手作業による染色を最初に行った後に、アレイの結果を確
認するために器械14を用いて通常の試料の自動染色を行ってもよい。
【0065】 アレイまたは通常の組織標本に対するインサイチューハイブリダイゼーション
(ISH)、インサイチュー、PCR、免疫組織化学(IHC)、特殊染色、ならびに種
々の化学的(非生物的)組織染色技術を行うために、染色器械14を用いてもよい
。さらに、本明細書に示した本発明の加熱システムによって、温度の必要条件が
異なる場合であっても、1回の動作で上記の2つまたはそれ以上の技術を用いるこ
ともできる。
【0066】 インサイチューハイブリダイゼーションは単独でも他の技術と組み合わせても
明らかに、本発明に係る器械を用いて有利に行いうる技術であるが、これはISH
では多くの段階を温度をきめ細かく制御し、正確な時間をかけて行う必要がある
ためである。後にハイブリダイゼーションが起こるようにDNAを十分に変性させ
るには、細胞の形態が破壊される温度まで過度に加熱することなく、正確な量の
熱を所定の時間にわたって加える必要がある。試料が異なれば、組織の種類なら
びにその調製および固定の方法に応じて、異なる時間および変性温度が必要にな
ると思われる。変性、ハイブリダイゼーションおよびハイブリダイゼーション後
の洗浄の段階にはそれぞれ温度および時間に関して特有の条件があり、それはプ
ローブおよび検査しようとする組織の詳細に依存する。DNAプローブは一般に30
〜65℃でハイブリダイズし、それが必要であるが、RNAプローブは一般により高
温でハイブリダイズし、ハイブリダイゼーションのための時間は標的のコピー数
、プローブのサイズおよび標本の種類によって異なり、30分から24時間の範囲に
及ぶ。細胞遺伝学標本に対する標準的な変性は約72℃で2分間かけて行われるが
、組織切片の場合の条件は55℃〜95℃、2分〜30分の範囲にわたる。ハイブリダ
イゼーション後の洗浄の温度は約65℃〜100℃、2分〜15分の範囲である。塩濃度
は0.1×〜2×SSCの範囲である。プローブ検出温度は室温から42℃、2分から30分
の範囲でさまざまである。
【0067】 プレート60および加熱器64は低質量であるため、スライドおよびそれ故にスラ
イド上の組織を急速に加熱および冷却することができる(すなわち、180秒で37
℃から95℃にすることができる)。加熱および冷却がこのように高速であること
から、インサイチューハイブリダイゼーションの効率が高くなる。同時にバック
グラウンドは減少し、結果として得られる検査の品質は大きく改善される。
【0068】 ISHの組織染色プロセスにはDNAのハイブリダイゼーションまたは変性が絶対的
に不可欠であり、92〜100℃の範囲の温度が急速に達成され、正確に制御および
維持される必要がある。本加熱台は、顕微鏡用スライド上の処理された組織を、
180秒未満かつ±2℃の精度で必要な範囲の温度にする。染色および診断の成功の
ためには、ハイブリダイズした組織の温度を急速に下げることが不可欠である。
420秒未満で必要温度の37℃となるように、ファンまたは他の急速冷却機能を追
加してもよい。
【0069】 本装置により、各ISH検査に関する特有の必要条件(すなわち、ハイブリダイ
ゼーション温度37〜45℃のストリンジェンシーおよび洗浄濃度)を損なうことな
く、数多くの種類の標本およびISH検査を同じ1回の動作で行うことが可能になる
。本システムを、同じ1回の動作で異なるスライドに対して複数の検出化学反応
を用いて動作させてもよい。本明細書で用いる「ISH」には、蛍光検出(FISH)
および非蛍光検出(例えば、明視野検出)の両方が含まれる。
【0070】 遺伝子および蛋白質の双方の異常を同時に観察できるように、ある種の組織切
片に対してISHおよびIHC染色の同時適用のために装置10を用いることもできる。
これは例えば、乳癌切片をHER-2/neuの遺伝子増幅および蛋白質発現の双方に関
してアッセイする場合には、この双方に臨床的意義があると考えられていること
から有益と思われる。ロス(Ross)ら、「乳癌におけるHer2/neu癌遺伝子(The
Her2/neu Oncogene in Breast Cancer)」、The Oncologist 1998;3:237〜2
53を参照のこと。
【0071】 パラフィン包埋切片には、初期の段階として包埋組織の脱パラフィン処理が必
要である。加熱台を用いると、個々のスライドの加熱が正確に制御され、組織中
に包埋されたパラフィンが融け出して水溶液中に浮遊するようになり、これを洗
い流せばよいため、キシレンなどの刺激の強い化学物質を用いずに済む。パラフ
ィンは水よりも密度が低く、ひとたび液化すると組織試料上の水性緩衝液中を上
方に向かい、この液体の最上部に浮遊する。続いて、液体パラフィンの上部に液
体または気体の流動物を通過させることにより、この液体パラフィンを顕微鏡用
スライドから除去し、組織試料から取り除くことができる。この手順の詳細は19
98年9月3日に提出された米国特許出願第60/099,018号に記載されており、これ
は本明細書に参照として組み入れられる。プラスチックなどのパラフィン以外の
包埋物質を除去するために類似の方法を用いてもよいが、エッチング試薬の添加
が必要になることもある。
【0072】 適切な水溶液中で加熱台50によって組織を加熱することにより、細胞内の標的
分子(蛋白質、核酸、糖質、脂質または低分子)への染色剤の到達性が改善され
ることが明らかになっている。到達性の低下は、組織の保存に用いられるアルデ
ヒド類による分子の架橋によって、または固定剤によって生じる他のコンフォメ
ーション変化によって引き起こされることがある。抗原の架橋は抗原性蛋白質の
化学修飾による抗原性の低下をもたらす。分子標的への染色剤(生物的または化
学的)の到達性を改善させるこの工程を、本明細書では「細胞馴化」と称する。
蛋白質標的の場合、好ましい馴化溶液はクエン酸緩衝液であり、好ましい温度は
最高約95℃であり、好ましい加熱時間は約1時間である。蛋白質標的の場合、好
ましい馴化溶液はクエン酸緩衝液であり、好ましい温度は最高約100℃、時間は
約42分である。加熱台による組織試料の加熱によって、アルデヒド処理組織にお
ける架橋の程度が低下するため、修飾された抗原は対応する抗体によって認識さ
れうる形態に復元され、そのために染色が増強される。RNA標的の場合には、好
ましい馴化溶液はクエン酸溶液であり、好ましい温度は最高約75℃であり、時間
は約1時間である。細胞馴化溶液としてはクエン酸緩衝液の代わりにも数多くの
選択肢がある。このような溶液の一覧は、分析形態学(Analytical Morphology
)、グー(Gu)編、Eaton Publishing Co.(1997)のpp.1〜40に記載がある。一
般に溶液はモル濃度、pHおよび組成がわかっている必要がある。馴化溶液にはド
デシル硫酸ナトリウム (SDS)、エチレングリコールを好ましくは添加する。
【0073】 本発明の装置とともに行われる典型的なインサイチューハイブリダイゼーショ
ン(ISH)、インサイチューPCR、免疫組織化学(IHC)、組織化学(HC)または
酵素組織化学(EHC)の方法には、リチャーズ(Richards)らの特許出願、前記
に記載されている段階が含まれる。
【0074】 染色されたスライドは、病理学者または病理補助スタッフにより、当技術分野
で知られた技術を用いてスコア化および分析がなされると考えられる。その結果
は好ましくは生物統計学者によって相関が検討され、組織中の標的の臨床的有用
性が明らかにされる。例えば、特定の種類の腫瘍における遺伝子標的の過剰発現
が、その遺伝子標的の発現を遮断するように設計された薬剤によって治療された
患者の生存期間の延長と相関づけられることが明らかになるかもしれない。そう
すれば、その薬剤を投与する患者の選択に用いる上で有用なインサイチューアッ
セイ法を開発することが可能であると考えられる。
【0075】 システム10により、大量の組織試料を高処理量方式でスクリーニングすること
が可能になるはずである。組織マイクロアレイ12および自動染色器械14の両方を
用いる場合には、それぞれが最大1000種の微小な組織試料を備えた20枚のスライ
ドに対する処理動作を1日に少なくとも1回、おそらくは2回行うことができると
思われる。したがって、システム10を用いれば1日に20,000種から40,000種の異
なる試料のスクリーニングすることができると思われる。
【0076】 本発明の現時点で好ましいいくつかの態様を本明細書で説明してきたが、本発
明の精神および範囲を逸脱することなく、記載された態様の変形および改変が成
されることは、本発明に関係する当業者には明らかであると考えられる。したが
って、本発明は添付する特許請求の範囲および該当する法の規定によって要求さ
れる程度のみによって限定されるものである。上記に引用した参考文献はその全
体が参照として本明細書に組み入れられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に係る方法の概略図である。
【図2】 図2a〜2cは、本発明に係る組織マイクロアレイ、および組織ブロ
ックからマイクロアレイを作製する際に用いる器械の斜視図である。
【図3】 図3は、本発明に係る染色器械の斜視図である。
【図4】 図4は、本発明に係る染色器械を、それと組み合わせて動作させ
るコンピュータおよび他の器械とともに示した斜視図である。
【図5】 図5は、本発明に係る染色器械を試薬ディスペンサーとともに示
した斜視図である。
【図6】 図6は、本発明に係る加熱台が組織マイクロアレイのスライドを
支持しているところを示した拡大斜視図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12M 1/40 C12M 1/40 B C12Q 1/02 C12Q 1/02 1/68 1/68 A G01N 1/28 G01N 1/30 1/30 33/53 M 33/53 35/00 E 35/00 37/00 102 37/00 102 1/28 F Fターム(参考) 2G045 AA35 BA14 BB24 BB51 DA13 FA16 FB02 FB03 FB16 2G052 AA28 AB20 AD06 AD26 AD46 BA02 CA03 CA04 FA08 GA31 HB02 2G058 BB02 BB09 CC09 EA11 EA14 FA05 FB02 FB12 GC02 GC03 GC05 GD05 4B029 AA07 AA12 AA21 AA23 BB15 BB20 CC03 CC08 FA15 4B063 QA01 QA12 QA18 QQ02 QQ42 QR32 QR38 QR55 QR82 QS20 QS34 QS36 QS39 QX01

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 標的分子の臨床的有用性を評価するための方法であって、 A.大量の異なる組織試料を提供する段階、 B.標的分子を提供する段階、 C.該標的分子とインサイチューで特異的に結合する染色剤(stain)を提供す
    る段階、 D.該染色剤を高処理量方式で該組織試料に適用する段階、および E.該組織試料中の該標的分子と結合した該染色剤の程度を決定する段階 を含む方法。
  2. 【請求項2】 高処理量方式が組織マイクロアレイの使用を含む、請求項1
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 高処理量方式が自動染色装置の使用を含む、請求項1記載の
    方法。
  4. 【請求項4】 高処理量方式が組織マイクロアレイおよび自動染色装置の双
    方の使用を含む、請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 臨床的有用性が、患者が特定の治療法に反応するか否かを判
    定するための診断マーカーとしての有用性を含む、請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 治療法が標的と相互作用する薬剤である、請求項5記載の方
    法。
  7. 【請求項7】 臨床的有用性が、標的が特定の組織において治療の選択のた
    めに適切であるとのバリデーションを含む、請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 複数の供給元から複数の標的分子が提供される、請求項1記
    載の方法。
  9. 【請求項9】 複数の供給元からの標的分子の臨床的有用性を判定するため
    の方法であって、 A.大量の異なる組織試料を提供する段階、 B.複数の供給元からの複数の標的分子を提供する段階、 C.該標的分子と特異的に結合する染色剤を提供する段階、 D.該染色剤を該組織試料に適用する段階、および E.該組織試料中の該標的分子と結合した該染色剤の程度を決定する段階 を含む方法。
  10. 【請求項10】 標的分子に臨床的有用性があるか否かを判定するための方
    法であって、 A.組織試料中の標的分子と特異的に結合する染色剤を提供する段階であって
    、該標的分子がアレイを用いて同定されたものである段階、 B.該染色剤を該組織試料に自動的に適用するための器械を提供する段階、 C.該器械を用いて該組織試料に該染色剤を適用する段階、および D.該標的分子と結合した該染色剤の程度を決定する段階 を含む方法。
  11. 【請求項11】 アレイが、固体支持体上にマウントされた複数の異なるオ
    リゴヌクレオチドを含む、請求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】 アレイが、固体支持体上に固定された複数の異なる組織試
    料を含む、請求項10記載の方法。
  13. 【請求項13】 高処理量である、請求項10記載の方法。
  14. 【請求項14】 器械が 第1のスライドを加熱するための第1の加熱器、および 第2のスライド(aide)を加熱するための第2の加熱器 を含んでいて、 該第1の加熱器が該第1のスライドを該第2のスライドの温度とは異なる温度に
    加熱することができる、請求項10記載の方法。
  15. 【請求項15】 第1および第2の加熱器が1つのカルーセル(carousel)に
    取り付けられている、請求項14記載の装置。
  16. 【請求項16】 第1および第2の加熱器の温度のモニタリングおよび制御の
    ための手段をさらに含む、請求項14記載の装置。
  17. 【請求項17】 A.固体表面、 B.該固体表面上にマウントされた複数の異なる組織、および C.機械可読式の標識であって、該組織が該機械によってどのように処理され
    るかを識別するための標識 を含む、組織マイクロアレイ。
  18. 【請求項18】 機械可読式の標識がバーコードラベルである、請求項17記
    載の組織マイクロアレイ。
  19. 【請求項19】 固体表面が顕微鏡用スライドガラスである、請求項17記載
    の組織マイクロアレイ。
  20. 【請求項20】 処理が機械による組織の自動染色を含む、請求項17記載の
    組織マイクロアレイ。
JP2001525405A 1999-09-24 2000-09-22 組織試料中の分子標的の臨床的有用性を評価するための高処理量システム Pending JP2003510571A (ja)

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