JP6874344B2 - 液滴吐出装置および液滴の吐出方法 - Google Patents
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この形態の液滴吐出装置によれば、搬送部において媒体の搬送量に誤差が生じた場合であっても、角度変更部による媒体に対するヘッドの配置角度の変更によって、媒体上における液滴の着弾位置を簡易に調整することができる。
この形態の液滴吐出装置によれば、簡易な構成の角度変更機構によって、媒体に対するヘッドの配置角度を変更することができる。
この形態の液滴吐出装置によれば、圧電素子の変形量の誤差が液滴の着弾位置の変位量に反映される度合いが小さくなるため、圧電素子の変形量の誤差に起因する液滴の着弾位置の位置ずれが抑制される。
この形態の液滴吐出装置によれば、キャリッジによって、媒体の搬送方向に交差する方向にヘッドを走査させることができるため、ヘッドを小型化しつつ、媒体上における液滴の吐出領域を拡大させることができる。また、角度変更部がヘッドとともにキャリッジに搭載されているため、角度変更部による液滴の着弾位置の調整を、キャリッジでのヘッドの配置姿勢を基準におこなうことができ、液滴の着弾位置の調整が容易化される。
この形態の液滴吐出装置によれば、キャリッジによって、媒体の搬送方向に交差する方向にヘッドを走査させることができるため、ヘッドを小型化しつつ、媒体上における液滴の吐出領域を拡大させることができる。また、角度変更機構をキャリッジの外部に設けることができ、キャリッジの小型化・軽量化が可能である。
この形態の液滴吐出装置によれば、ヘッドの配置角度の変更によって、ヘッドに対する液体の供給が阻害されてしまうことが抑制される。
この形態の液滴吐出装置によれば、ヘッドの配置角度の変更による液滴の着弾位置の調整のための制御が簡易化される。
この形態の方法によれば、媒体の搬送量に誤差が生じた場合であっても、ヘッドの媒体に対する配置角度の変更によって、媒体上における液滴の着弾位置を簡易に調整することができる。
図1は、第1実施形態における液滴吐出装置100Aの構成を示す概略図である。図1には、互いに直交する矢印X,Y,Zを図示してある。各矢印X,Y,Zは、水平面に配置されて使用される通常の使用状態にあるときの液滴吐出装置100Aの配置姿勢を基準とする方向を示している。以下では、矢印X,Y,Zが示す方向をそれぞれ「X方向」、「Y方向」、「Z方向」と呼ぶ。X,Y方向は、水平面に平行な方向である。X方向は、液滴吐出装置100Aの主走査方向(後述)に平行であり、液滴吐出装置100Aの副走査方向(後述)に平行である。Z方向は、重力方向とは反対の方向である。以下の説明において、「上」あるいは「下」と呼ぶときは、特に断らない限り、重力方向を基準とする上下方向を意味している。矢印X,Y,Zは、後に参照される各図においても、図1に対応するように、適宜、図示してある。
図5は、第2実施形態における液滴吐出装置100Bのヘッド駆動部30Bが備える角度変更機構35Bの構成を示す概略図である。第2実施形態の液滴吐出装置100Bは、角度変更機構35Bの構成が異なっている点以外は、第1実施形態の液滴吐出装置100A(図1)の構成とほぼ同じである。第2実施形態の液滴吐出装置100Bは、第1実施形態で説明したのと同様な吐出処理(図4)を実行する。
図6Aおよび図6Bを参照して、第3実施形態における液滴吐出装置100Cのヘッド駆動部30Cが備える角度変更機構35Cの構成を説明する。図6Aは、ヘッド32の回動角度θが0°のときのヘッド駆動部30Cの状態を示しており、図6Bは、ヘッド32が回動角度θ(θ>0°)の傾斜しているときのヘッド駆動部30Cの状態を示している。第3実施形態の液滴吐出装置100Cは、ヘッド駆動部30Cの構成が異なっている点以外は、第1実施形態の液滴吐出装置100A(図1)の構成とほぼ同じである。第3実施形態の液滴吐出装置100Cは、第1実施形態で説明したのと同様な吐出処理(図4)を実行する。
図7は、第4実施形態における液滴吐出装置100Dの構成を示す概略図である。第4実施形態の液滴吐出装置100Dの構成は、画像検出部40を備えている点以外は、第1実施形態の液滴吐出装置100A(図1)とほぼ同じである。第4実施形態の液滴吐出装置100Dは、媒体MDに対して印刷画像を形成する際に、第1実施形態で説明したのと同じ吐出処理(図4)を実行する。なお、第4実施形態の液滴吐出装置100Dには、ヘッド駆動部30Aの代わりに、第2実施形態や第3実施形態で説明したヘッド駆動部30B,30Cが適用されてもよい。
上記の各実施形態で説明した種々の構成は、例えば、以下のように変形することが可能である。以下に説明する変形例はいずれも、上記の各実施形態と同様に、本願発明を実施するための形態の一例として位置づけられる。なお、以下の説明において、各実施形態の液滴吐出装置100A〜100Dは、特に区別する必要がない場合には、符号を省略して、「液滴吐出装置」と総称する。同様に、ヘッド駆動部30A〜30Dについても「ヘッド駆動部」と総称し、角度変更機構35A〜35Dについても「角度変更機」と総称する。
上記の各実施形態の液滴吐出装置では、圧電素子37の伸縮変形によって、ヘッド32を回動させて、搬送路上の媒体MDに対するヘッド32の配置角度を変更している。これに対して、各実施形態の液滴吐出装置においては、圧電素子37以外の手段を用いて、ヘッド32の配置角度を変更してもよい。例えば、ソレノイドや、磁歪素子、ステップモーター、その他のMEMSなどを用いて、液滴吐出領域における媒体MDの表面に対してヘッド32を傾斜させてもよい。ヘッド32の配置姿勢を媒体MDに対して傾斜させる構成は、ヘッド32を回動軸を中心に回動させる構成に限定されない。例えば、ヘッド32のY方向における両端にそれぞれ圧電素子を設け、それぞれのZ方向への伸縮変形量を異ならせることによって、媒体MDに対するヘッド32の配置姿勢を傾斜させてもよい。
上記第1実施形態および第3実施形態の液滴吐出装置100A,100Cにおいては、圧電素子37を伸長変形させて、ヘッド32の下面32sをY方向側に向けて、液滴の着弾位置をY方向側に変位させている。これに対して、上記第1実施形態および第3実施形態の液滴吐出装置100A,100Cにおいては、圧電素子37を収縮変形させて、ヘッド32の下面32sをY方向とは逆の方向側に向けて、液滴の着弾位置を当該方向側に変位させてもよい。上記の各実施形態の液滴吐出装置では、ヘッド32の下側に配置された圧電素子37を伸長変形させてヘッド32の片側を持ち上げて、ヘッド32を回動させている。これに対して、ヘッド32の上側に配置された圧電素子37を収縮変形させてヘッド32の片側を引き上げ、ヘッド32を回動させてもよい。
上記第1実施形態の角度変更機構35Aでは、圧電素子37を伸長変形させて、圧電素子37によって直接的にヘッド32のY方向側の端部を持ち上げて、ヘッド32の下面32sの角度を変更している。これに対して、角度変更機構35Aは、圧電素子37とヘッド32との間に、梃子を設け、圧電素子37が、当該梃子を介して、ヘッド32の配置角度を変更させる構成を有していてもよい。この場合には、梃子は、例えば、棒状の部材によって構成される。そして、支点として機能する梃子の回動軸をキャリッジ31に設け、力点として機能する梃子の一端を、圧電素子37に接触させて、圧電素子37の伸縮変形によってZ方向に変位させる。また、作用点として機能する梃子の他端を、ヘッド32のY方向側の端部に連結させ、梃子の回動により、ヘッド32を傾斜させる。この構成によれば、圧電素子37の伸縮変形量xに対する液滴の着弾位置の変位量αの割合をさらに小さくすることができる。なお、この構成においては、梃子は、ヘッド32に対してX方向に並列に配列されるように設けられていることが望ましい。これによって、角度変更機構35Aが、Y方向に大型化してしまうことが抑制される。なお、この梃子を用いた構成は、他の実施形態の角度変更機構35B,35Cに適用されてもよい。
上記の各実施形態の液滴吐出装置においては、ヘッド32は、キャリッジ31に搭載されており、主走査方向PDに往復移動するように構成されている。これに対して、液滴吐出装置のヘッド32は、キャリッジ31に搭載されていなくてもよく、主走査方向PDに移動しなくてもよい。液滴吐出装置は、ヘッド32が、X方向にわたって複数のノズル32nが配列されたラインヘッドによって構成されたラインプリンターとして構成されてもよい。
上記の各実施形態の液滴吐出装置では、ヘッド32を回動させて、ノズル32nの開口方向と、液滴吐出領域における媒体MDの表面と、の間の角度を変更している。これに対して、各実施形態の液滴吐出装置では、液滴吐出領域における媒体MDの表面が、ヘッド32の下面32sに対して傾斜するように、媒体支持部24を回動させて、ノズル32nの開口方向と、液滴吐出領域における媒体MDの表面と、の間の角度を変更してもよい。
上記の第4実施形態の液滴吐出装置は、上述した媒体MDの厚み検出処理に代えて、あるいは、それに加えて、以下に説明する圧電素子37の特性変化を検出処理を実行するものとしてもよい。この検出処理では、制御部10は、まず、媒体MDの厚み検出処理のステップS100〜S140と同様な処理を実行する。そして、画像検出部40によって取得された撮像データから、ヘッド32が第1角度θaのときのドットの記録位置と、第2角度θbのときのドットの記録位置と、を検出し、両者間の搬送方向TD(副走査方向SD)における離間距離を取得する。制御部10は、同じ厚みを有する媒体MDに対して取得されたその離間距離の値を不揮発的に記憶する。同じ厚みを有する媒体MDに対する離間距離の経時的な変化は、圧電素子37の印加電圧に対する伸縮の度合いの経時的変化を表していると解釈できる。制御部10は、その離間距離が前回取得したときの値から著しく変化しているときには、圧電素子37の特性が著しく変化している可能性があるものとして、ユーザーにその旨を報知する。あるいは、制御部10は、その離間距離に基づいて、圧電素子37に印加する電圧を補正するものとしてもよい。このように、ヘッド32を所定の角度だけ回動させたときの液滴の着弾位置の変位量を検出することによって、圧電素子37の現在の特性を検出することができるため、圧電素子37のメンテナンス性や制御性が高められる。
上記各実施形態の液滴吐出装置では、搬送量検出部25によって、光学的に媒体MDの搬送量を検出している。これに対して、液滴吐出装置は、光学的な方法以外の方法によって、媒体MDの搬送量を検出してもよい。液滴吐出装置は、例えば、媒体MDに接触させたローターの回転数に基づいて、媒体MDの搬送量を検出してもよい。
上記の各実施形態の液滴吐出装置の構成は、プリンター以外の他の液滴吐出装置に適用されてもよい。例えば、媒体に洗浄液を吐出する洗浄装置に適用されてもよい。この場合に、ヘッド32には、複数のノズル32nが設けられていなくてもよく、一つのノズル32nのみが設けられていてもよい。
上記実施形態において、ソフトウェアによって実現された機能及び処理の一部又は全部は、ハードウェアによって実現されてもよい。また、ハードウェアによって実現された機能及び処理の一部又は全部は、ソフトウェアによって実現されてもよい。ハードウェアとしては、例えば、集積回路、ディスクリート回路、または、それらの回路を組み合わせた回路モジュールなど、各種回路を用いることができる。
Claims (7)
- 液滴吐出装置であって、
複数のノズルを備え、前記複数のノズルから液滴を媒体に向かって吐出可能なヘッドと、
前記媒体を、前記ヘッドに対して搬送方向に移動させる搬送部と、
前記搬送部による前記媒体の搬送量を検出する搬送量検出部と、
前記ヘッドに対向している前記媒体の表面に対する前記ヘッドの配置角度を変更して、前記ノズルの中心軸と前記媒体の表面との交点を前記搬送方向に変位させる角度変更機構と、
前記搬送部と、前記角度変更機構と、を制御する制御部と、
を備え、
前記角度変更機構は、
前記ヘッドが回動する回動軸と、
前記回動軸から前記媒体の搬送方向に沿って離れた位置に設置され、前記ヘッドの回動方向に沿って伸縮変形して、前記ヘッドに対向する前記媒体の表面に対して前記ヘッドが傾斜するように、前記ヘッドを前記回動軸を中心に回動させる圧電素子と、
を含み、
前記ヘッドは、前記複数のノズルを、前記回動軸と前記圧電素子との間に間隔を開けて配列しており、
前記制御部は、前記搬送部に予め決められた目標搬送量に応じて前記媒体の搬送を実行した後に、前記搬送量検出部によって検出された前記搬送量と前記目標搬送量との差に応じた角度で、前記角度変更機構に前記ヘッドの前記配置角度を変更させて、前記回動軸と前記圧電素子との間に間隔を開けて配列された前記複数のノズルからの前記媒体上における前記液滴の着弾位置を調整する、
液滴吐出装置。 - 請求項1に記載の液滴吐出装置であって、
前記圧電素子の前記伸縮変形による前記ヘッドの回動によって前記ノズルの中心軸と前記媒体の表面との交点が前記搬送方向に変位する距離を変位量とするとき、前記圧電素子が伸縮する長さに対する前記変位量の割合は1より小さい、液滴吐出装置。 - 請求項1または請求項2に記載の液滴吐出装置であって、さらに、
前記ヘッドを搭載し、前記ヘッドとともに、前記搬送方向に交差する方向に移動するキャリッジを備え、
前記角度変更機構は、前記ヘッドとともに前記キャリッジに搭載されており、前記キャリッジにおける前記ヘッドの配置姿勢を変更して、前記ヘッドの前記配置角度を変更する、液滴吐出装置。 - 請求項1または請求項2に記載の液滴吐出装置であって、さらに、
前記ヘッドを搭載し、前記ヘッドとともに、前記搬送方向に交差する方向に移動するキャリッジを備え、
前記角度変更機構は、前記ヘッドに対向している前記媒体の表面に対して、前記キャリッジごと前記ヘッドを傾斜させて、前記ヘッドの前記配置角度を変更する、液滴吐出装置。 - 請求項3または請求項4に記載の液滴吐出装置であって、さらに、
前記ヘッドに接続され、前記ヘッドに液体を供給する配管部材を備え、
前記配管部材は、前記キャリッジに固定されている固定部を有し、少なくとも、前記ヘッドと前記固定部との間において撓み変形する、液滴吐出装置。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の液滴吐出装置であって、
前記制御部は、前記搬送量と前記目標搬送量との差と、前記ヘッドの前記配置角度の変化量と、の間の関係を予め記憶しており、前記関係を用いて、前記ヘッドの前記配置角度を決定する、液滴吐出装置。 - ヘッドが有する複数のノズルから媒体に向かって液滴を吐出する方法であって、
前記複数のノズルは、前記ヘッドを回動可能に支持する回動軸と、前記回動軸から前記媒体の搬送方向に沿って離れた位置に設置され、前記ヘッドの回動方向に沿って伸縮変形する圧電素子との間に間隔を開けて配列されており、
前記ヘッドに対して、前記媒体を、予め決められた目標搬送量に応じて搬送方向に移動させる搬送工程と、
前記搬送工程における前記媒体の搬送量を検出する搬送量検出工程と、
前記圧電素子を駆動して、前記ヘッドに対向する前記媒体の表面に対して前記ヘッドが傾斜するように、前記ヘッドを前記回動軸を中心に回動させ、前記ヘッドに対向している前記媒体の表面に対する前記ヘッドの配置角度を、前記搬送量検出工程において検出された前記搬送量と前記目標搬送量との差に応じて変更して、前記ノズルの中心軸と前記媒体の表面との交点を前記搬送方向に変位させ、前記回動軸と前記圧電素子との間に間隔を開けて配列された前記複数のノズルからの前記媒体上における前記液滴の着弾位置を調整する角度変更工程と、
を備える、方法。
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