JP5668316B2 - 調整値の算出方法、プログラム、及び、流体噴射装置 - Google Patents

調整値の算出方法、プログラム、及び、流体噴射装置 Download PDF

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Description

本発明は、調整値の算出方法、プログラム、及び、流体噴射装置に関する。
流体噴射装置の一つとして、媒体に対してインク(流体)を噴射するノズルが設けられたヘッドを有するインクジェットプリンター(以下、プリンター)が知られている。ヘッド内にて異なるインクを噴射する複数のノズル列が所定方向に並び、媒体とヘッドを所定方向に相対移動させながらインクを噴射するプリンターがある。このようなプリンターでは、各ノズル列による所定方向のドット形成位置が揃うように、各ノズル列の設計上の間隔に基づいて、各ノズル列の噴射タイミングが設定されている。
ただし、ノズルの加工精度の問題やヘッドの取り付け誤差などにより、設定された噴射タイミングでノズルからインクを噴射しても、各ノズル列による所定方向のドット形成位置が揃わない場合がある。そこで、各ノズル列を用いて実際にパターンを印刷し、そのパターンの結果に基づいて各ノズル列の噴射タイミングを調整する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開平9−99566号公報
プリンターの中には、複数のヘッドが千鳥状に配置されたプリンターがある。即ち、複数のヘッドが所定方向と交差する方向の異なる位置に配置され、且つ、所定方向にずれて配置されたプリンターである。このようなプリンターにパターンを印刷させる際に、各ヘッドがドットを形成する目標位置を同じにすると、所定方向にずれたヘッドから異なるタイミングでインクを噴射することになる。ヘッドによってインクの噴射タイミングが異なると、媒体とヘッドの相対移動時の速度変動の影響を受けた調整値が算出されてしまう虞がある。
そこで、本発明は、媒体とヘッドの相対移動時の速度変動の影響を抑制した調整値を算出することを目的とする。
前記課題を解決する為の主たる発明は、媒体に流体を噴射するノズルが所定方向に並んだノズル列をそれぞれ有する複数のヘッドが前記所定方向の異なる位置に前記所定方向と交差する方向にずれて配置された流体噴射装置の調整値の算出方法であって、前記媒体に対する前記複数のヘッドの相対位置を前記交差する方向に移動させながら、前記複数のヘッドの中の少なくとも2つ以上の前記ヘッドである検査ヘッドであり、前記交差する方向にずれて配置された前記ヘッドが含まれる全ての検査ヘッドの前記ノズル列から同時に流体を噴射させることによって、パターンを形成することと、前記検査ヘッドの前記交差する方向における各ドット形成位置を揃えるために、前記検査ヘッドによって前記パターンに形成される各ドットの前記交差する方向の位置に基づいて、各前記検査ヘッドからの流体の噴射タイミングを調整する調整値を算出することと、を有することを特徴とする調整値の算出方法である。
本発明の他の特徴は、本明細書、及び添付図面の記載により、明らかにする。
印刷システムの構成ブロック図である。 図2Aはプリンターの概略断面図であり、図2Bはプリンターの概略上面図である。 図3Aはヘッドの配置を示す図であり、図3Bはノズルの配置を示す図である。 図4Aは異なるノズル列の噴射タイミングの違いを説明する図であり、図4Bは双方向印刷のドット形成位置のずれを示す図である。 ドット形成位置に関する調整値の算出フローである。 テストパターンを印刷する検査ノズル列を説明する図である。 テストパターン用紙とヘッドの位置関係を説明する図である。 テストパターンを説明する図である。 図9Aは第1ヘッドの往路ラインのX方向の位置を示す図であり、図9Bは第1ヘッドの代表位置を示す図である。 第2ヘッド群に属するヘッドの代表位置を示す図である。 図11Aから図11Cはドット形成位置の調整をまとめた図である。 ヘッド間調整値の算出方法の変形例を説明する図である。 図13A及び図13Bはヘッド間調整値の算出方法の変形例を説明する図である。 図14Aから図14Cはヘッド間調整値の算出方法の変形例を説明する図である。 テストパターンの変形例を説明する図である。
===開示の概要===
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかとなる。
即ち、媒体に流体を噴射するノズルが所定方向に並んだノズル列をそれぞれ有する複数のヘッドが前記所定方向の異なる位置に前記所定方向と交差する方向にずれて配置された流体噴射装置の調整値の算出方法であって、前記媒体に対する前記複数のヘッドの相対位置を前記交差する方向に移動させながら、前記複数のヘッドの中の少なくとも2つ以上の前記ヘッドである検査ヘッドの前記ノズル列から同時に流体を噴射させることによって、パターンを形成することと、前記検査ヘッドの前記交差する方向における各ドット形成位置を揃えるために、前記検査ヘッドによって前記パターンに形成される各ドットの前記交差する方向の位置に基づいて、各前記検査ヘッドからの流体の噴射タイミングを調整する調整値を算出することと、を有することを特徴とする調整値の算出方法である。
このような調整値の算出方法によれば、媒体とヘッドの相対移動時の速度変動の影響を抑制した調整値を算出することができる。
かかる調整値の算出方法であって、各前記ヘッドは、前記交差する方向にずれて配置された複数の前記ノズル列を有し、前記検査ヘッドに属する少なくとも2つ以上の前記ノズル列である検査ノズル列から同時に流体を噴射させることによって、前記パターンを形成すること。
このような調整値の算出方法によれば、媒体とヘッドの相対移動時の速度変動の影響を抑制した調整値を算出することができる。
かかる調整値の算出方法であって、前記ヘッドが有する各前記ノズル列に割り当てられる流体の色の濃度に基づいて、前記検査ヘッドが有する複数の前記ノズル列の中から前記検査ノズル列を選択すること。
このような調整値の算出方法によれば、読み取り易いパターンを形成することができる。
かかる調整値の算出方法であって、前記パターンが形成される前記媒体の種類に基づいて、前記検査ヘッドが有する複数の前記ノズル列の中から前記検査ノズル列を選択すること。
このような調整値の算出方法によれば、読み取り易いパターンを形成することができる。
かかる調整値の算出方法であって、各前記検査ノズル列によって前記パターンに形成されるドットの前記交差する方向の位置であるドット形成位置を取得し、各前記検査ヘッドに属する前記検査ノズル列の前記ドット形成位置の平均値を、各前記検査ヘッドの代表位置として算出し、前記交差する方向における各前記検査ヘッドの前記代表位置が揃うように、各前記検査ヘッドからの流体の噴射タイミングを調整する前記調整値を算出すること。
このような調整値の算出方法によれば、調整値の算出処理を簡略化することができる。
かかる調整値の算出方法であって、前記媒体に対する前記複数のヘッドの相対位置を前記交差する方向の一の方向に移動させる往路時に、前記検査ノズル列によって形成するドットが前記交差する方向における所定の位置に形成されるように前記検査ノズル列から同時に流体を噴射させ、且つ、前記媒体に対する前記複数のヘッドの相対位置を前記交差する方向の他の方向に移動させる復路時に、前記検査ノズル列によって形成するドットが前記所定の位置に形成されるように前記検査ノズル列から同時に流体を噴射させることによって、前記パターンを形成し、前記往路時に各前記検査ノズル列によって前記パターンに形成されるドットの前記交差する方向の位置である第1のドット形成位置を取得し、各前記検査ヘッドに属する前記検査ノズル列の前記第1のドット形成位置の平均値を、各前記検査ヘッドの第1の代表位置として算出し、前記復路時に各前記検査ノズル列によって前記パターンに形成されるドットの前記交差する方向の位置である第2のドット形成位置を取得し、各前記検査ヘッドに属する前記検査ノズル列の前記第2のドット形成位置の平均値を、各前記検査ヘッドの第2の代表位置として算出し、各前記検査ヘッドの前記第1の代表位置と前記第2の代表位置とが揃うように、前記往路時と前記復路時のうちの少なくとも一方の時の各前記検査ヘッドからの流体の噴射タイミングを調整する他の調整値を算出すること。
このような調整値の算出方法によれば、調整値の算出処理を簡略化することができる。
また、媒体に流体を噴射するノズルが所定方向に並んだノズル列をそれぞれ有する複数のヘッドが前記所定方向の異なる位置に前記所定方向と交差する方向にずれて配置された流体噴射装置の調整値を、コンピューターに作成させるためのプログラムであって、前記媒体に対する前記複数のヘッドの相対位置を前記交差する方向に移動させながら、前記複数のヘッドの中の少なくとも2つ以上の前記ヘッドである検査ヘッドの前記ノズル列から同時に流体を噴射させることによって、パターンを形成することと、前記検査ヘッドの前記交差する方向における各ドット形成位置を揃えるために、前記検査ヘッドによって前記パターンに形成される各ドットの前記交差する方向の位置に基づいて、各前記検査ヘッドからの流体の噴射タイミングを調整する調整値を算出することと、をコンピューターに実行させるためのプログラムである。
このようなプログラムによれば、媒体とヘッドの相対移動時の速度変動の影響を抑制した調整値を算出することができる。
また、(A)媒体に流体を噴射するノズルが所定方向に並んだノズル列をそれぞれ有する複数のヘッドであって、前記所定方向の異なる位置に前記所定方向と交差する方向にずれて配置された複数のヘッドと、(B)前記媒体に対する前記複数のヘッドの相対位置を前記所定方向と交差する方向に移動させる移動機構と、(C)各前記ヘッドの前記交差する方向におけるドット形成位置を調整するための調整値を記憶する記憶部と、(D)前記移動機構によって前記媒体に対する前記複数のヘッドの相対位置を前記交差する方向に移動させながら、前記ノズルから流体を噴射させる画像形成動作を制御する制御部であって、前記調整値を算出するために、前記画像形成動作において、前記複数のヘッドの中の少なくとも2つ以上の前記ヘッドである検査ヘッドの前記ノズル列から同時に流体を噴射させることによって、パターンを形成する制御部と、(E)を有することを特徴とする流体噴射装置である。
このような流体噴射装置によれば、媒体とヘッドの相対移動時の速度変動の影響を抑制した調整値を算出するためのパターンを形成することができる。
===印刷システムについて===
以下、流体噴射装置をインクジェットプリンター(以下、プリンター)とし、プリンターとコンピューターが接続された印刷システムを例に挙げて説明する。
図1は、印刷システムの構成ブロック図である。図2Aは、プリンター1の概略断面図であり、図2Bは、プリンター1の概略上面図である。コンピューター60は、プリンター1と通信可能に接続されており、プリンター1に画像を印刷させるための印刷データをプリンター1に出力する。なお、コンピューター60には、アプリケーションプログラムから出力された画像データを印刷データに変換させるためのプログラム(プリンタードライバー)がインストールされている。
コントローラー10は、プリンター1の制御を行うための制御ユニットである。インターフェース部11はコンピューター60とプリンター1との間でデータの送受信を行うためのものである。CPU12はプリンター1全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー13はCPU12のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものである。CPU12はユニット制御回路14により各ユニットを制御する。なお、プリンター1内の状況を検出器群50が監視し、その検出結果に基づいて、コントローラー10は各ユニットを制御する。
搬送ユニット20は、媒体Sが連続する方向(以下、搬送方向)に、媒体Sを上流側から下流側に搬送するものである。モータによって駆動する搬送ローラー21によって印刷前のロール状の媒体Sを印刷領域に供給し、その後、印刷済みの媒体Sを巻取機構によりロール状に巻き取る。なお、印刷中に印刷領域に位置する媒体を下からバキューム吸着することで、媒体Sを所定の位置に保持することができる。
駆動ユニット30(移動機構)は、ヘッドユニット40を、媒体Sの搬送方向に対応するX方向(交差する方向に相当)と媒体Sの紙幅方向に対応するY方向(所定方向に相当)とに自在に移動させるものである。駆動ユニット30は、ヘッドユニット40をX方向に移動させるX軸ステージ31と、ヘッドユニット40をY方向に移動させるY軸ステージ32と、これらを移動させるモータ(不図示)とで、構成されている。
ヘッドユニット40は、画像を形成するためのものであり、複数のヘッド41を有する。ヘッド41の下面には、インク噴射部であるノズルが複数設けられ、各ノズルはインクが充填された圧力室と連通している。なお、ノズルからのインク噴射方式は、ピエゾ素子(駆動素子)に電圧をかけて、圧力室を膨張・収縮させることによりインクを噴射するピエゾ方式でもよいし、発熱素子(駆動素子)を用いてノズル内に気泡を発生させ、その気泡によってインクを噴射するサーマル方式でもよい。
図3Aは、ヘッドユニット40における複数のヘッド41の配置を示す図であり、図3Bは、ヘッド41におけるノズルの配置を示す図である。なお、ヘッド41およびノズルの配置をヘッドユニット40の上面から仮想的に見ている。ここでは、ヘッドユニット40が15個のヘッド41(1)〜41(15)を有するとする。ヘッドユニット40において、15個のヘッド41は、製造上の問題により図3Aに示すように千鳥状にY方向に並んでいる。即ち、15個のヘッド41は、Y方向の異なる位置に、X方向にずれて配置されている。説明のため、Y方向上端側のヘッド41から順に、第1ヘッド41(1)、第2ヘッド41(2)、…、第15ヘッド41(15)と呼ぶ。
各ヘッド41のノズル面には、図3Bに示すように、8つのノズル列が設けられている。各ノズル列はノズルを360個ずつ備え、360個のノズルはY方向に一定の間隔(360dpi)で整列している。説明のため、Y方向の上端側のノズルから順に小さい番号を付す(#1〜#360)。また、ここでは、8つのノズル列のX方向の間隔を一定の間隔Lとする。ヘッド41において、X方向の左側から順に、マットブラックインクを噴射するマットブラックノズル列(以下、Mk列)と、グリーンインクを噴射するグリーンノズル列Gr(以下、Gr列)と、オレンジインクを噴射するオレンジノズル列(以下、Or列)と、クリアインクを噴射するクリアノズル列Cl(以下、Cl列)と、フォトブラックインクを噴射するフォトブラックノズル列(以下、Pk列)と、シアンインクを噴射するシアンノズル列Cy(以下、Cy列)と、マゼンタインクを噴射するマゼンタノズル列(以下、Ma列)と、イエローインクを噴射するイエローノズル列(以下、Ye列)が設けられている。
また、Y方向に隣り合うヘッド(例えば、ヘッド41(1),41(2))のうち、上端側のヘッド(ヘッド41(1))の下端のノズルと下端側のヘッド(ヘッド41(2))の上端のノズルとの間隔がノズルピッチ(360dpi)となっている。そのため、ヘッドユニット40の下面では、ヘッドユニット40の幅長さに亘って、ノズルがY方向に一定の間隔(360dpi)で並んでいることになる。
最後に、印刷手順について説明する。まず、搬送ユニット20により印刷領域に媒体Sを供給する。そして、X軸ステージ31にてヘッドユニット40をX方向(媒体の搬送方向)に移動させながらノズルからインクを噴射する画像形成動作と、Y軸ステージ32によりX軸ステージ31を介して、ヘッドユニット40をY方向(紙幅方向)下端側に移動する搬送動作と、を繰り返す。その結果、先の画像形成動作により形成されたドット位置とは異なる位置に、後の画像形成動作によりドットを形成することができ、2次元の画像を印刷することができる。こうして印刷領域に位置する媒体への印刷が終了すると、搬送ユニット20により印刷が未だなされていない媒体部分が印刷領域に供給され、印刷領域の新たな媒体に画像が印刷される。以下、1回の画像形成動作を「パス」とも呼ぶ。
===ドット形成位置のずれについて===
図4Aは、X方向にずれて配置されたノズル列Ma,Yeの噴射タイミングの違いを説明する図である。図中では、X軸ステージ31によるヘッド41(ヘッドユニット40)のX方向への移動速度を「Vc」と示し、ノズルから噴射されるインク滴の速度を「Vm」と示す。ヘッド41のX方向へ移動中にノズルからインク滴が噴射される場合、インク滴は、ヘッド41が移動する側に、媒体Sに対して斜め方向に飛翔する。そのため、ドットを形成する媒体上の目標位置(例えば画素に対応する媒体上の単位領域)とノズルとが対向する前に、ノズルからインク滴を噴射させる必要がある。
図3Bに示すように、ヘッド41は、X方向にずれて配置された8つのノズル列を有する。各ノズル列によって形成されるドットが媒体上のX方向における同じ位置に形成されるように、各ノズル列からのインク滴の噴射タイミングが設定されている。例えば、図4Aに示すように、イエローノズル列(Ye列)はマゼンタノズル列(Ma列)よりもX方向の右側に距離Lだけ離れて配置されている。そのため、ヘッド41がX方向の右側へ移動する往路時には、Ma列よりもYe列に先にインク滴を噴射させる。そして、Ye列からインク滴を噴射させてから、ヘッド41が距離Lを進む時間の経過後に、Ma列からインク滴を噴射させる。その結果、イエローのドットとマゼンタのドットを重ねて形成することが出来る。
各ノズル列からのインク滴の噴射タイミングは、プリンター1の設計工程において、ヘッド41の移動速度Vc,インク滴の噴射速度Vm,ノズル面から媒体Sまでの距離(ペーパーギャップPG)に基づいて設定されている。ただし、プリンター1ごとに、ヘッドやノズルの特性差(インク滴の飛行曲がり、インク噴射量の変動)やX軸ステージ31の機械誤差が生じる。ゆえに、設計上の噴射タイミングでノズルからインク滴を噴射させても、媒体上の目標位置にドットを形成することができない場合がある。設計上の噴射タイミングで形成されるドットの位置が目標位置からずれる場合、異なるインクのドットを重ねて形成することが出来なくなってしまう。
図4Bは、ヘッド41がX方向の右側(一の方向)に移動する往路時にもヘッド41がX方向の左側(他の方向)に移動する復路時にも画像を形成する双方向印刷の様子を示す図である。設計上の噴射タイミングで形成されるドットの位置が目標位置からずれる場合、特に、双方向印刷を実施する際に、往復のドット形成位置のずれが目立ってしまう。例えば、図4Bに示すように、あるノズル列から設計上の噴射タイミングでインク滴を噴射すると、目標位置よりも手前側に(ヘッド41が移動する側の反対側に)、ドットが形成されてしまうとする。この場合、往路時には目標位置よりもX方向の左側にずれてドットが形成され、復路時には目標位置よりもX方向の右側にずれてドットが形成されてしまう。そのため、往復のドット形成位置のずれが大きく、画質が劣化してしまう。
===ドット形成位置の調整について===
<ドット形成位置の調整について>
図5は、ドット形成位置に関する調整値の算出フローである。前述のように、ヘッド41やノズルの特性差、X軸ステージ31の機械誤差が原因で、設計上の噴射タイミングでノズルからインクを噴射しても、目標位置からずれてドットが形成されてしまう場合がある。そこで、プリンター1ごとにドット形成位置に関する調整値を算出する。本実施形態では、プリンター1が有するヘッド41の数が多い。そのため、各ヘッド41に属する8つのノズル列のドット形成位置を揃え、且つ、揃えられた各ヘッド41のドット形成位置を異なるヘッド41間で揃える調整値を算出する処理は実施しない。本実施形態では、各ヘッド41の代表のドット形成位置を揃えるための「ヘッド間調整値(調整値に相当)」を算出する。各ヘッド41の代表のドット形成位置とは、各ヘッド41に属する少なくとも2列以上のノズル列のドット形成位置の平均値である。即ち、ヘッド間調整値は、テストパターンを印刷するヘッド41(検査ヘッド)のX方向における各ドット形成位置を揃えるための調整値に相当する。
また、本実施形態では、各ヘッド41に属する全てのノズル列の往復のドット形成位置を揃えることなく、各ヘッド41の往路時の代表のドット形成位置(第1の代表位置に相当)と復路時の代表のドット形成位置(第2の代表位置に相当)を揃えるための「往復調整値(他の調整値に相当)」を算出する。各ヘッド41の往路時の代表のドット形成位置とは、各ヘッド41に属する少なくとも2列以上のノズル列の往路時のドット形成位置の平均値である。また、各ヘッド41の復路時の代表のドット形成位置とは、各ヘッド41に属する少なくとも2列以上のノズル列の復路時のドット形成位置の平均値である。
このヘッド間調整値および往復調整値は、プリンター1の製造工程においてプリンター1ごとに算出されたり、ユーザーのもとでのメンテナンス時に算出されたりする。なお、調整値の算出対象となるプリンター1には、スキャナーとコンピューターが接続される。そして、プリンター1に接続されるコンピューターには、プリンター1が画像を印刷するための印刷データを作成するプリンタードライバーと、スキャナーを制御するためのスキャナードライバーと、調整値を算出するための「調整値算出プログラム」がインストールされている。以下、具体的な調整値の算出方法について説明する。
<S01:テストパターンの印刷>
図6は、テストパターンを印刷する検査ノズル列を説明する図であり、図7は、テストパターン用紙TSとヘッド41の位置関係を説明する図であり、図8は、テストパターンを説明する図である。調整値算出プログラムは、調整値の算出対象のプリンター1にテストパターンを印刷させる。テストパターンは、図8に示すように、Y方向に沿う「垂直ライン」と、X方向に沿う「水平ライン」と、往路時に形成されるY方向に沿う「往路ライン(実線)」と、復路時に形成されるY方向に沿う「復路ライン(点線)」を有する。なお、プリンター1が有する全てのヘッド41(1)〜41(15)がそれぞれ往路ラインおよび復路ラインを形成する。ゆえに、ヘッド41(1)〜41(15)が検査ヘッドに相当する。
本実施形態では、検査者が、往路ラインおよび復路ラインを形成するノズル列(以下、検査ノズル列とも呼ぶ)の数を任意に選択できるとする。調整値を算出する際に、検査ノズル列で形成された往路ラインや復路ラインのドット形成位置の平均値が用いられる(詳細は後述)。そのため、検査ノズル列の数を増やした方がより多くのノズル列の特性を考慮した調整値を算出することが出来る。即ち、より多くのノズル列のドット形成位置のずれを平均的に抑制する調整値を算出することが出来る。一方、検査ノズル列の数を増やすことで、調整値の算出処理時間が増えたり、インクやテストパターン用紙の消費量が増えたりしてしまう。そこで、検査者に検査ノズル列の数を設定させることによって、ユーザーの用途に応じた調整値の算出処理を実施することができる。
そのために、調整値算出プログラムは、まず、コンピューターのディスプレイにノズル列の数を入力するためのウィンドウを表示するなどの処理を実行する。調整値算出プログラムは、ヘッド41に属する8つのノズル列の中から入力された数のノズル列を検査ノズル列として選択する。調整値算出プログラムは、ヘッド41に属する各ノズル列に割り当てられるインクの色の濃度と、テストパターン用紙TSの種類とに基づいて、検査ノズル列を選択する。
調整値算出プログラムは、出来る限り濃い色のインク(視認され易い色のインク)が割り当てられるノズル列を検査ノズル列として選択する。例えば、検査ノズル列の候補がイエローノズル列Yeとマゼンタノズル列Maである場合、調整値算出プログラムは、マゼンタノズル列Maを検査ノズル列に選択する。そうすることで、濃い色のインクでテストパターンを印刷することができ、テストパターンを読み取り易くすることが出来る。テストパターンを読み取り易くすることで、往路ラインや復路ラインが形成される位置をより正確に取得することが出来る。
なお、製造工程のプリンター1では、各ノズル列に割り当てられるインクが実際にノズル列に充填される場合に限らず、全てのノズル列に同じ検査インクが充填される場合がある。この場合、どのノズル列を検査ノズル列として選択したとしても、テストパターンを印刷するインクの濃度は同じであり、テストパターンの読み取り易さは変わらない。ただし、本実施形態では、検査ノズル列で形成された往路ラインや復路ラインのドット形成位置の平均値が調整値を算出する際に用いられる。そのため、検査ノズル列として選択されたノズル列の特性がより調整値に反映することになり、ドット形成位置のずれをより抑制できる。濃い色のインクは淡い色のインクよりもドット形成位置のずれが目立ち易い。よって、濃い色のインクが割り当てられるノズル列を検査ノズル列として選択することで、濃い色のインクが割り当てられるノズル列の特性が反映された調整値を算出することができる。その結果、濃い色のインクのドット形成位置のずれをより抑制でき、画質劣化を抑制することができる。
また、調整値算出プログラムは、テストパターン用紙TSの種別に適したインクが割り当てられるノズル列を検査ノズル列として選択する。例えば、マットブラックインクは、マット紙や普通紙の印刷には適しているが、光沢紙に印刷するとインクが剥がれてしまう虞がある。そのため、調整値算出プログラムは、テストパターン用紙TSが光沢紙である場合、Mk列に割り当てられるマットブラックインクは濃い色であるが、光沢紙の印刷に適さないため、Mk列を検査ノズル列として選択しない。また、例えば、染料インクを普通紙に印刷する方が顔料インクを普通紙に印刷する場合に比べて滲み易い。そのため、調整値算出プログラムは、テストパターン用紙TSが普通紙である場合、顔料インクが割り当てられるノズル列を検査ノズル列として選択する。このように、テストパターン用紙TSの種別に適したインクが割り当てられるノズル列を検査ノズル列として選択することで、より読み取り易いテストパターンを印刷することが出来る。
本実施形態では、テストパターン用紙TSが光沢紙であり、検査者が検査ノズル列の数を「4」と入力したとする。この場合、調整値算出プログラムは、図6に示すように、ヘッド41に属する8つのノズル列の中から、オレンジノズル列(Or列)と、フォトブラックノズル列(Pk列)と、シアンノズル列(Cy列)と、マゼンタノズル列(Ma列)を、検査ノズル列として選択する。
そして、図6に示すように、検査ノズル列に属するノズル#1〜#360のうち、Y方向上端側の半分のノズル#1〜#180を、往路ラインを形成するノズルとし、Y方向下端側の半分のノズル#181〜#360を、復路ラインを形成するノズルとする。
また、本実施形態のプリンター1では、多くのヘッド41がY方向に並ぶ。そのため、プリンター1が有する全てのヘッド41によって形成される往路ライン及び復路ラインがY方向に並ぶテストパターンを形成すると、テストパターンのY方向の長さがスキャナーの読取範囲よりも大きくなってしまう場合がある。そこで、本実施形態では、図8に示すように、15個のヘッド41で形成される往路ライン及び復路ラインをX方向にずらしたテストパターンを形成する。図7に示すように、15個のヘッド41のうち、第8ヘッド41(8)から第15ヘッド41(15)を合わせて「第1ヘッド群」と呼び、第1ヘッド41(1)から第8ヘッド41(8)を合わせて「第2ヘッド群」と呼ぶ。
次に、テストパターンの印刷手順について説明する。調整値算出プログラムは、プリンタードライバーを介して、プリンター1に図8に示すテストパターンを印刷させる。印刷指令および印刷データを受信したプリンター1のコントローラー10(制御部に相当)は、まず、往路である最初のパス1で、第1ヘッド群(ヘッド41(8)〜41(15))に「往路ライン」を形成させる。次に、コントローラー10は、テストパターン用紙TSに対してヘッド41(ヘッドユニット40)をY方向下端側に搬送することなく、復路であるパス2で、第1ヘッド群に「復路ライン」を形成させる。なお、コントローラー10は、パス1かパス2の少なくとも何れか一方で、第1ヘッド群に「水平ライン」及び「垂直ライン」を形成させる。その後、コントローラー10は、ヘッド41をY方向下端側に搬送し、往路であるパス3で、第2ヘッド群(ヘッド41(1)〜41(8))に「往路ライン」を形成させる。次に、コントローラー10は、ヘッド41をY方向下端側に搬送することなく、復路であるパス4で、第2ヘッド群に「復路ライン」を形成させる。なお、コントローラー10は、パス3かパス4の少なくとも何れか一方で、第1ヘッド群に「水平ライン」及び「垂直ライン」を形成させる。
調整値算出プログラムからの印刷指令に基づいて、プリンター1のコントローラー10は、パス1の往路時に第1ヘッド群に属する全ヘッド41の全検査ノズル列から同時にインク滴を噴射させ、パス2の復路時に第1ヘッド群に属する全ヘッド41の全検査ノズル列から同時にインク滴を噴射させ、パス3の往路時に第2ヘッド群に属する全ヘッド41の全検査ノズル列から同時にインク滴を噴射させ、パス4の復路時に第2ヘッド群に属する全ヘッド41の全検査ノズル列から同時にインク滴を噴射させることによって、テストパターンを形成する。本実施形態のプリンター1では、図3Aに示すように、15個のヘッド41がY方向の異なる位置に配置され、且つ、X方向にずれて配置されている。奇数番号のヘッド41(1),41(3)…41(15)に対して、偶数番号のヘッド41(2),41(4)…41(14)が、X方向に距離Lhだけ右側にずれて配置されている。そのため、図8に示すテストパターンでは、第1ヘッド群に属するヘッド41(8)〜41(15)のうち、奇数番号のヘッド41によるライン(往路ライン及び復路ライン)に対して、偶数番号のヘッド41によるラインはX方向の右側にずれて形成されている。同様に、第2ヘッド群に属するヘッド41(1)〜41(8)のうち、奇数番号のヘッド41によるラインに対して、偶数番号のヘッド41によるラインはX方向の右側にずれて形成されている。また、各ヘッド41の各検査ノズル列によって形成する往路ラインと復路ラインの目標位置は、同じ目標位置(所定の位置に相当)とする。
このように本実施形態では、プリンター1に、同じヘッド群に属するヘッド41から同時にインク滴が噴射させることによって、テストパターンを形成させる。そのため、ヘッド41(ノズル)の特性差やヘッド41の取付誤差が無い場合、同じヘッド群に属する奇数番号のヘッド41により形成されるラインと偶数番号のヘッド41により形成されるラインのX方向の間隔は、奇数番号のヘッド41と偶数番号のヘッド41のX方向の間隔「Lh」となる。また、各ヘッド41の4つの検査ノズル列によって形成されるX方向のラインの間隔は、各検査ノズル列のX方向の間隔となる。例えば、Or列とPk列のX方向の間隔は「2L」であるため、ドット形成位置のずれが生じなければ、Or列により形成されるラインとPk列により形成されるラインの間隔は「2L」となる。
本実施形態のプリンター1では、ヘッド41(ヘッドユニット40)がX軸ステージ31によってX方向に移動しながらノズルからインク滴が噴射される。そのため、X軸ステージ31によるヘッド41の速度変動もドット形成位置のずれに影響する。例えば、X方向に所定の距離だけ離れた位置に2つのラインを形成するために設計上の噴射タイミングでインク滴を噴射しても、X軸ステージ31に速度変動が生じる場合、2つのライン間隔は所定の距離からずれてしまう。そのため、複数のヘッド41から同時にインク滴を噴射させてテストパターンを形成することで、X軸ステージ31の速度変動の影響を排除したラインを形成することが出来る。例えば、第1ヘッド群の第8ヘッド41(8)により形成されたラインと第1ヘッド群の第9ヘッド41(9)により形成されたラインの間隔のずれ(±Δl)は、X軸ステージ31の速度変動の影響を受けておらず、ヘッド41(ノズル)の特性差やヘッド41の取付誤差が原因で生じたずれである。
X軸ステージ31の速度変動の生じ方はX方向の位置によって異なる。そのため、X軸ステージ31の速度変動の影響を排除し、ヘッド41(ノズル)の特性差やヘッド41の取付誤差の影響を受けたライン間のずれに基づいて調整値を算出することで、X方向の位置によらずに平均的にドット形成位置のずれを抑制できる調整値を算出することができる。
また、本実施形態では、15個のヘッド41の中の1つのヘッド41を「基準のヘッド」とし、他のヘッド41の代表位置が基準のヘッドの代表位置に揃うように、他のヘッド41からの噴射タイミングを調整する。本実施形態では、15個のヘッド41の中のY方向の中央部に位置する第8ヘッド41(8)を「基準のヘッド」とする。そのため、図7に示すように、第1ヘッド群にも第2ヘッド群にも第8ヘッド41(8)を含める。即ち、図8のテストパターンにおいて、第8ヘッド41(8)は、X方向の左側の位置にも、X方向の右側の位置にも、往路ライン及び復路ラインを形成する。
そうすることで、第1ヘッド群に属するヘッド41も第2ヘッド群に属するヘッド41も、基準のヘッドである第8ヘッド41(8)と同時にインク滴を噴射することができる。よって、基準のヘッドである第8ヘッド41(8)のドット形成位置と他のヘッド41のドット形成位置とのずれは、X軸ステージ31の速度変動の影響を受けておらず、ヘッド41の特性差やヘッド41の取付誤差が原因で生じたずれとなる。ゆえに、X方向の位置によらずに平均的にドット形成位置のずれを抑制できる調整値を算出することができる。
また、第1ヘッド群にも第2ヘッド群にも第8ヘッド41(8)を含めることで、第1ヘッド群に属する偶数番号のヘッド41と第2ヘッド群に属する偶数番号のヘッド41は、第8ヘッド41(8)と同じ目標位置にラインを形成することになる。基準のヘッドと同じ目標位置にラインを形成することで、偶数番号のヘッド41のドット形成位置と基準のヘッドのドット形成位置とのずれ量の算出処理が容易となり、ヘッド間調整値の算出処理が容易となる。
このように基準のヘッドは、第1ヘッド群と共にラインを形成し、且つ、第2ヘッド群と共にラインを形成する。そのため、15個のヘッド41の中のY方向の中央部に位置するヘッド41(例えば、第8ヘッド41(8))を、基準のヘッドとする。仮に、15個のヘッド41の中のY方向の端部に位置するヘッド41(例えば、第1ヘッド41(1)や第15ヘッド41(15))を基準のヘッドにしたとする。この場合、第1ヘッド群と第2ヘッド群のうちの一方のヘッド群と共にラインを形成する際に、テストパターン用紙TSと基準のヘッドが対向できなかったり、スキャナーの読取範囲外に基準のヘッドがラインを形成してしまったりするからである。また、例えば、印刷中にヘッドユニット40がY方向に対して傾く場合、15個のヘッド41の中の両端の第1ヘッド41(1)と第15ヘッド41(15)のドット形成位置のずれ量が大きくなる。この場合、仮に、第1ヘッド41(1)を基準のヘッドにすると、第15ヘッド41(15)のヘッド間調整量が大きくなってしまう。そのため、15個のヘッド41の中の中央部に位置するヘッド41(例えば、第8ヘッド41(8))を基準のヘッドに設定するとよい。
<S02:テストパターンの読取結果の取得>
プリンター1がテストパターンを印刷した後、検査者は、テストパターン用紙TSをスキャナーにセットする。その後、スキャナードライバーは、スキャナーにセットされたテストパターンを読み取らせる。そして、調整値算出プログラムは、テストパターンの読取画像をスャナードライバーから取得する。なお、調整値算出プログラムは、テストパターンのうち、第1ヘッド群で印刷されたパターンの読取画像を「第1読取画像」として取得し、第2ヘッド群で印刷されたパターンの読取画像を「第2読取画像」として取得する。
<S03:読取画像の原点Oの決定>
次に、調整値算出プログラムは、各読取画像内の水平ラインを認識し、水平ラインの角度を算出する。なお、説明の簡略のため、スキャナーによる読取画像上の方向を、プリンター1で定める方向(X方向,Y方向)と同じにする。調整値算出プログラムは、水平ライン上の2点のX方向及びY方向の位置に基づき、X方向に対する水平ラインの角度θを算出する。その後、調整値算出プログラムは、水平ラインの角度θに基づいて、各読取画像の傾きを補正する。そうすることで、各ヘッド41によって印刷された往路ライン及び復路ラインをy方向に沿わせることができる。
次に、調整値算出プログラムは、各読取画像の原点Oを決定する。まず、調整値算出プログラムは、水平ライン上の2点のY方向の位置の平均値を、水平ラインのY方向の位置として算出する。その後、調整値算出プログラムは、予め設定されている水平ラインから原点OまでのY方向の距離に関するパラメーターを取得する。そして、調整値算出プログラムは、水平ラインのY方向の位置から取得したパラメーター分だけ上端側の位置であり、垂直ライン上の位置である点を、原点Oに決定する。その結果、図8に示すように垂直ラインの上端の点が原点Oとして決定される。
<S04:往路ラインの位置の取得>
次に、調整値算出プログラムは、各読取画像の原点Oを基準に、往路ラインのX方向の位置(第1のドット形成位置)を取得する。例えば、第1ヘッド41(1)のOr列の往路ラインのX方向の位置を取得する場合、調整値算出プログラムは、第2読取画像において、原点OからX方向の右側に所定の距離を離れた位置であり、原点OからY方向の下端側に所定の距離を離れた位置の範囲の読取データを取り出す。取り出した読取データの中には、第1ヘッド41(1)のOr列の往路ラインを読み取ったデータが含まれている。そして、調整値算出プログラムは、取り出した読取データの中の濃い読取階調値を示す画素のX方向の位置を、第1ヘッド41(1)のOr列の往路ラインのX方向の位置とする。また、同じ第1ヘッド41(1)のPk列の往路ラインのX方向の位置を取得する場合、調整値算出プログラムは、原点OからX方向の右側に所定の距離よりも更に右側に離れた位置であり、原点OからY方向の下端側に所定の距離を離れた位置の範囲の読取データを取り出す。そして、調整値算出プログラムは、取り出した読取データの中の濃い読取階調値を示す画素のX方向の位置を、第1ヘッド41(1)のPk列の往路ラインのX方向の位置とする。
こうして、調整値算出プログラムは、ヘッド41(1)〜41(15)ごと、検査ノズル列(Or列,Pk列,Cy列,Ma列)ごとに、往路ラインのX方向の位置を取得する。なお、往路ラインごとに、原点Oを基準とした読取データを取り出す範囲を規定するためのパラメーターが設定され、そのパラメーターを調整値算出プログラムが記憶している。また、本実施形態ではテストパターンをスキャナーに読み取らせて、往路ラインを読み取った画素の位置を往路ラインのX方向の位置としているが、これに限らない。例えば、目視によって、原点Oから各往路ラインまでのX方向の長さを測定し、その測定した長さを各往路ラインのX方向の位置としても良い。
<S05:各ヘッド41の代表位置の算出>
図9Aは、第1ヘッド41(1)によって形成された往路ラインのX方向の位置を示す図であり、図9Bは、第1ヘッド41(1)の代表位置を示す図である。次に、調整値算出プログラムは、各ヘッド41によって形成された4つの往路ラインのX方向の位置の平均値を、各ヘッド41の代表位置として算出する。例えば、第1ヘッド41(1)のOr列によって形成された往路ラインOr(1)のX方向の位置が「x1」であり、Pk列によって形成された往路ラインPk(1)のX方向の位置が「x2」であり、Cy列によって形成された往路ラインCy(1)のX方向の位置が「x3」であり、Ma列によって形成された往路ラインMa(1)のX方向の位置が「x4」であるとする。この場合、調整値算出プログラムは、以下の算出式によって、第1ヘッド41(1)の代表位置X(1)を算出する。
X(1)=(x1+x2+x3+x4)/4
調整値算出プログラムは、同様にして、他のヘッド41(2)〜41(15)の代表位置も算出する。なお、第8ヘッド41(8)に関しては、第1ヘッド群として形成した時の代表位置と第2ヘッド群として形成した時の代表位置の2つ代表位置が算出される。
<S06:ヘッド間調整値の算出>
図10は、第2ヘッド群に属するヘッド41(1)〜41(8)の代表位置を示す図である。本実施形態では、第8ヘッド41(8)を基準のヘッドとし、第8ヘッド41(8)のドット形成位置に他のヘッド41のドット形成位置が揃うように、ヘッド間調整値を算出する。ただし、偶数番号のヘッド41と奇数番号のヘッド41はX方向にずれて配置され、また、テストパターンを印刷する際に同時にインク滴を噴射している。そのため、図8に示すように、偶数番号のヘッド41と奇数番号のヘッド41はX方向の異なる位置を目標位置として往路ラインが形成されたことになる。
ゆえに、調整値算出プログラムは、偶数番号のヘッド41(8)の代表位置が、第8ヘッド41(8)の代表位置に揃うようにヘッド間調整値を算出する。即ち、偶数番号のヘッド41の基準の位置(以下、偶数基準位置)は第8ヘッド41(8)の代表位置となる。一方、調整値算出プログラムは、奇数番号のヘッド41の代表位置が、第8ヘッド41(8)の代表位置よりも距離LhだけX方向の左側の位置に揃うように、ヘッド間調整値を算出する。距離Lhは、奇数番号のヘッド41と第8ヘッド41(8)とのX方向の間隔である。即ち、奇数番号のヘッド41の基準の位置(以下、奇数基準位置)は第8ヘッド41(8)の代表位置よりも距離LhだけX方向の左側の位置となる。このようにヘッド間調整値を算出することで、プリンター1が有する15個のヘッド41の代表位置を揃えることが出来る。ただし、これに限らず、奇数番号のヘッド41の代表位置に距離Lhを加算した新たな代表位置を算出してもよい。この新たな代表位置が第8ヘッド41(8)の代表位置に揃うように、奇数番号のヘッド41のヘッド間調整値を算出するとよい。
なお、本実施形態では、プリンター1が有するヘッド41を第1ヘッド群と第2ヘッド群に分けて、テストパターンを形成している。よって、第1ヘッド群のヘッド41の代表位置は、第1ヘッド群と共に往路ラインを形成した第8ヘッド41(8)の代表位置に基づく基準の位置に揃える。一方、第2ヘッド群に属するヘッド41の代表位置は、第2ヘッド群と共に往路ラインを形成した第8ヘッド41(8)の代表位置に基づく基準の位置に揃える。
具体的には、図10に示すように、第8ヘッドの代表位置X(8)から距離LhだけX方向の左側の位置(X(8)−Lh)、即ち、奇数基準位置に対して、第7ヘッドの代表位置X(7)は、X方向の右側にずれている。つまり、第8ヘッド41(8)の往路時のドット形成位置に対して、第7ヘッド41(7)の往路時のドット形成位置が、平均してX方向の右側にずれると言える。そこで、第7ヘッド41(7)の往路時のドット形成位置が、奇数基準位置と第7ヘッドの代表位置X(7)との差の長さ((X(8)−Lh)−X(7))だけ、X方向の左側にずれるように、第7ヘッド41(7)の噴射タイミングを設計上の噴射タイミングよりも早くする。この早くする時間がヘッド間調整値に相当する。
逆に、第8ヘッドの代表位置X(8)、即ち、偶数基準位置に対して、第6ヘッドの代表位置X(6)は、X方向の左側にずれている。つまり、第8ヘッド41(8)の往路時のドット形成位置に対して、第6ヘッド41(6)の往路時のドット形成位置は、平均してX方向の左側にずれると言える。そこで、第6ヘッド41(6)の往路時のドット形成位置が、偶数基準位置と第6ヘッドの代表位置X(6)との差の長さ(X(8)−X(6))だけ、X方向の右側にずれるように、第6ヘッド41(6)の噴射タイミングを設計上の噴射タイミングよりも遅くする。この遅くする時間がヘッド間調整値に相当する。
また、奇数基準位置と第5ヘッドの代表位置X(5)は等しい。つまり、第8ヘッド41(8)の往路時のドット形成位置に対して、第5ヘッド41(5)の往路時のドット形成位置は、平均してずれないと言える。この場合、第5ヘッド41(5)の噴射タイミングを設計上の噴射タイミングから調整する必要はなく、ヘッド間調整値はゼロとなる。
このように各ヘッド41の噴射タイミングを調整することで、基準のヘッドである第8ヘッド41(8)の代表位置と他のヘッド41の代表位置を揃えることができる。本実施形態では、ノズル列ごとのドット形成位置を揃えて、更に、ノズル列ごとに揃えた各ヘッドのドット形成位置を異なるヘッド間で調整することはせずに、各ヘッド41の代表のドット形成位置を調整する。よって、算出する調整値の数を削減でき、調整値算出処理を簡略化することができる。
なお、調整値算出プログラムは、以下の式により、基準の位置(奇数基準位置または偶数基準位置)に対する各ヘッド41の代表位置のずれ量を算出する。
ヘッド(i)のずれ量=基準の位置−ヘッド(i)の代表位置
調整値算出プログラムは、このずれ量の大きさ(絶対値)に応じて、ヘッド間調整値(設計上の噴射タイミングからのずらし時間)を変動させる。ここで、読取画像上におけるX方向の右側を正の方向とする。この場合、例えば、第7ヘッドの代表位置X(7)の方が奇数基準位置X(8)−Lhよりも大きくなる。よって、第7ヘッド41(7)のずれ量「(X(8)−Lh)−X(7)」は負の値となる。即ち、あるヘッド41のずれ量が負の値となる場合、そのヘッド41からの噴射タイミングを設計上の噴射タイミングよりも早めるヘッド間調整値が設定される。逆に、あるヘッド41のずれ量が正の値となる場合、そのヘッド41からの噴射タイミングを設計上の噴射タイミングよりも遅くするヘッド間調整値が設定される。
また、ヘッド間調整値は、設計上の噴射タイミングと実際の噴射タイミングの差(時間)を示す値である。ノズルからインクを噴射するためには、そのノズルに対応する駆動素子(例:ピエゾ素子)に駆動波形を印加する。そこで、ノズルからのインク噴射タイミングを調整するために、例えば、駆動素子に駆動波形を印加するタイミングを調整してもよい。この場合、ヘッド間調整値は、「設計上の駆動波形の印加タイミングと実際に駆動波形を印加するタイミングの差(時間)」を示す値となる。また、駆動波形の印加タイミングを調整するに限らず、印刷データを調整しても良い。印刷データは、ドット形成の有無を示す画素データから構成される。そのため、ノズルからのインク噴射タイミングを調整するために、印刷データ上において、ドットを形成する画素データをX方向にずらしても良い。この場合、ヘッド間調整値は、「画素の数」に相当する。
また、本実施形態では、各ヘッド41の往路の代表位置を揃えるヘッド間調整値を算出しているが、これに限らない。例えば、各ヘッド41の復路の代表位置を揃えるヘッド間調整値を算出しても良い。
また、第8ヘッド41(8)の代表位置を基準の位置としているため、第8ヘッド41(8)の代表位置が印刷データの示す媒体上の目標位置からずれる場合、媒体における印刷画像のX方向の位置がずれてしまう。この場合、第8ヘッド41(8)の代表位置と印刷データの示す目標位置とのずれに応じて、X方向における印刷開始位置を調整してもよい。
<S07:復路ラインの位置の取得>
次に、調整値算出プログラムは、往路ラインのX方向の位置を算出した時と同様に、復路ラインのX方向の位置(第2のドット形成位置)を算出する。例えば、第1ヘッド41(1)のOr列の復路ラインのX方向の位置を取得する場合、調整値算出プログラムは、第2読取画像の中から、第1ヘッド41(1)のOr列の復路ラインを読み取ったデータが含まれる範囲の読取データを取り出す。そして、調整値算出プログラムは、取り出した読取データの中の濃い読取階調値を示す画素のX方向の位置を、第1ヘッド41(1)のOr列の復路ラインのX方向の位置とする。
<S08:各ヘッド41の復路の代表位置の算出>
次に、調整値算出プログラムは、各ヘッド41によって形成された4つの復路ラインのX方向の位置の平均値を、各ヘッド41の復路の代表位置として算出する。例えば、第1ヘッド41(1)の4つの検査ノズル列(Or列,Pk列,Cy列,Ma列)によってそれぞれ形成された復路ラインのX方向の位置が「x5,x6,x7,x8」であったとする。この場合、第1ヘッド41の復路の代表位置X’(1)は、式「(x5+x6+x7+x8)/4」によって算出される。調整値算出プログラムは、他のヘッド41に関しても同様に、復路の代表位置を算出する。
<S09:往復調整値の算出>
次に、調整値算出プログラムは、各ヘッド41の往路の代表位置と復路の代表位置を揃えるための往復調整値を算出する。そのために、調整値算出プログラムは、ヘッド41ごとに、往路の代表位置と復路の代表位置との差を算出する。例えば、第1ヘッド41(1)の往路の代表位置がX(1)であり、復路の代表位置がX’(1)であり、往路の代表位置X(1)に対して復路の代表位置X’(1)がX方向の右側にずれているとする。また、本実施形態では、往路の代表位置と復路の代表位置を揃えるために、往路の噴射タイミングは調整せずに、復路の噴射タイミングを調整する。この場合、調整値算出プログラムは、往路の代表位置X(1)と復路の代表位置X’(1)の差の長さ(X(1)−X’(1))だけ、復路の噴射タイミングを遅くする。この遅くする時間が第1ヘッド41(1)の往復調整値である。逆に、往路の代表位置に対して復路の代表位置がX方向の左側にずれている場合、復路の代表位置を右側にずらすために、復路の噴射タイミングを早くする。
各ヘッド41の往復調整値に基づいて、各ヘッド41の往路の代表位置と復路の代表位置をX方向に揃えることができる。つまり、各ヘッド41によって往路で形成されるラインと復路で形成されるラインのX方向のずれを平均的に抑制することができる。その結果、画質劣化を抑制することができる。本実施形態では、ノズル列ごとの往復のドット形成位置を調整せず、各ヘッドの往復の代表のドット形成位置を調整する往復調整値を算出する。よって、算出する調整値の数を削減でき、調整値算出処理を簡略化することができる。なお、往路の代表位置と復路の代表位置を揃えるために、復路の噴射タイミングだけを調整するに限らない。例えば、往復の代表位置を揃えるために、往路の噴射タイミングを調整してもよいし、往路と復路の両方の噴射タイミングを調整してもよい。
また、本実施形態のテストパターン(図8)では、ヘッド41ごとに、同じ目標位置に対して往路ラインと復路ラインを形成している。そのため、1つのテストパターンによって、ヘッド間調整値と往復調整値を算出することができる。このように、ヘッド間調整値と往復調整値を算出するためのテストパターンを共通化することで、調整値の算出処理を簡略化でき、テストパターン用紙TSやインクの消費を抑えることができる。
<S10:調整値の記憶>
調整値算出プログラムは、最後に、基準のヘッドである第8ヘッド41(8)以外の14個のヘッド41の「ヘッド間調整値」と、15個の全てのヘッド41の「往復調整値」を、調整値算出対象のプリンター1のメモリー13(記憶部)に記憶させる。こうして、ヘッド間調整値および往復調整値を記憶したプリンター1は工場から出荷される。なお、調整値算出プログラムが、ヘッド間調整値および往復調整値をプリンター1のメモリー13に記憶させるに限らず、調整値算出プログラムが算出したヘッド間調整値および往復調整値を検査者がプリンター1のメモリー13に記憶させても良い。
本実施形態では、プリンター1のメモリー13が、ノズル列ごとのドット形成位置を調整する調整値やノズル列ごとの往復のドット形成位置を調整する調整値を記憶せずに、各ヘッドの代表のドット形成位置を調整する14個のヘッド間調整値と、各ヘッドの往復の代表のドット形成位置を調整する15個の往復調整値だけを記憶する。よって、メモリー13が記憶する調整値の数を減らせて、メモリー容量を削減できる。
<まとめ>
図11Aから図11Cは、本実施形態のドット形成位置の調整をまとめた図である。図11Aは、X方向における同じ目標位置に対して設計上の噴射タイミングで形成されたラインの例を示す図である。図中には、第7ヘッド41(7)に属する8つのノズル列によって、往路と復路でそれぞれ形成された往路ライン群および復路ライン群と、第8ヘッド41(8)に属する8つのノズル列によって往路と復路でそれぞれ形成された往路ライン群および復路ライン群とを示す。ノズル列の特性差により、各ヘッド41の往路ラインはX方向にずれ、また、各ヘッド41の復路ラインもX方向にずれている。また、目標位置に対する実際のドット形成位置のずれやX軸ステージ31の往復の特性差により、各ヘッド41の往路ライン群と復路ライン群もX方向にずれている。また、ヘッド41の特性差やヘッド41の取り付け誤差により、第7ヘッドの往路ライン群(又は復路ライン群)と第8ヘッドの往路ライン群(又は復路ライン群)もX方向にずれている。
図11Bは、ヘッド間調整値を使用して形成したライン群を示す図であり、第7ヘッドの往路ライン群の位置を調整した様子を示す。本実施形態では、第8ヘッドを基準のヘッドとし、第8ヘッドの往路の代表位置に基づく基準の位置に他のヘッド41の往路の代表位置を揃えるヘッド間調整値を算出する。その結果、ヘッド間調整値によって、第8ヘッドの往路ライン群のX方向の位置と第7ヘッドの往路ライン群のX方向の位置をほぼ一致させることができる。
図11Cは、ヘッド間調整値と往復調整値の両方を使用して形成したライン群を示す図である。本実施形態では、ヘッド41ごとに、往路ラインの代表位置と復路ラインの代表位置を揃えるために、復路の噴射タイミングを調整する往復調整値を算出する。往復調整値によって、第8ヘッドの往路ライン群のX方向の位置と第8ヘッドの復路ライン群のX方向の位置をほぼ一致させることができる。ただし、第7ヘッドの往路ライン群のX方向の位置は、第8ヘッドの往路ライン群のX方向の位置に揃えるために、ヘッド間調整値によって調整されている。そのため、基準のヘッド以外のヘッド41の復路の噴射タイミングは、ヘッド間調整値と往復調整値の両方によって調整する。その結果、第7ヘッドの復路ライン群のX方向の位置は、第7ヘッドの往路ライン群や第8ヘッドのライン群のX方向の位置とほぼ一致させることができる。
同じヘッド41内のノズル列の特性差によるドット形成位置のずれに比べて、往復の特性差やヘッド41の特性差によるドット形成位置のずれの方が大きい傾向にある。そのため、図11Aにも示すように、同じヘッド41の往路ラインのずれや復路ラインのずれに比べて、往路ライン群と復路ライン群のずれや、異なるヘッド41の往路ライン群のずれ(又は復路ライン群のずれ)の方が大きくなる傾向にある。
よって、本実施形態では、各ヘッド41の往路ライン群と復路ライン群のずれを調整する往復調整値と、異なるヘッド41の往路ライン群のずれを調整するヘッド間調整値とを算出する。そして、ノズル列ごとのラインのずれは調整しない。その結果、図11に示すように、太いラインとして視認される各ヘッド41の往路ライン群や復路ライン群のずれを調整し、往路ラインと復路ラインの境目やヘッド41の境目を目立ち難くする。こうして本実施形態では、算出する調整値の数を減らして調整値算出処理を簡略化しつつ、画質劣化を抑制する。
===変形例===
前述の実施形態では、各ヘッド41に属するノズル列のドット形成位置の平均値を各ヘッド41の代表位置とし、各ヘッド41の代表位置を揃えるヘッド間調整値を算出しているが、これに限らない。例えば、各ヘッド41に属する1つのノズル列のドット形成位置を各ヘッド41の代表位置とし、各ヘッド41の代表位置を揃えるヘッド間調整値を算出してもよい。
また、例えば、各ヘッド41に属するノズル列のドット形成位置を揃える調整値を算出してもよい。そして、ヘッド41ごとに揃えたドット形成位置を異なるヘッド間で更に揃える調整値を算出してもよい。この場合にも、各ヘッド41にそれぞれ属する全ノズル列から同時にインク滴を噴射して、テストパターンを印刷するとよい。本来であれば、同じヘッド41内のノズル列によって形成されるラインのX方向の間隔は、ノズル列のX方向の間隔(図3BのL)となる。ただし、ノズル列の特性差が生じる場合、同じヘッド41内のノズル列によって形成されるラインのX方向の間隔は、ノズル列の間隔Lからずれてしまう。このずれ量に応じて、各ノズル列からの噴射タイミングを調整するとよい。また、全ノズル列から同時にインク滴を噴射しているため、各ノズル列によって形成されるラインのずれ量には、X軸ステージ31の速度変動の影響は含まれず、ノズル列の特性差の影響が含まれる。よって、X方向の位置によらずに平均的にドット形成位置のずれを抑制できる調整値を算出することができる。
また、前述の実施形態では、ヘッド41ごとに、往路の代表位置(往路ラインの平均の位置)と復路の代表位置(復路ラインの平均の位置)を揃える往復調整値を算出しているが、これに限らない。例えば、ノズル列ごとに往復調整値を算出してもよい。即ち、ノズル列ごとに、往路ラインと復路ラインのX方向の位置を揃える往復調整値を算出してもよい。
図12は、ヘッド間調整値の算出方法の変形例を説明する図である。前述の実施形態では、第8ヘッド41(8)を基準のヘッドとし、第8ヘッド41(8)の往路の代表位置に他のヘッド41の往路の代表位置を揃えるヘッド間調整値を算出しているが、これに限らない。例えば、図12に示すように、原点OからX方向の右側に所定の距離dだけ離れた位置を奇数基準位置とし、奇数番号のヘッド41のドット形成位置が奇数基準位置に揃うように、ヘッド間調整値を算出してもよい。また、原点OからX方向の右側に所定の距離d+Lhだけ離れた位置を偶数基準位置とし、偶数番号のヘッド41のドット形成位置が偶数基準位置に揃うように、ヘッド間調整値を算出してもよい。
図13A及び図13Bは、ヘッド間調整値の算出方法の変形例を説明する図である。前述の実施形態では、各ヘッド41の4つの検査ノズル列によって形成される往路ラインのX方向の位置の平均値を各ヘッド41の代表位置とし、各ヘッド41の代表位置が揃うようにヘッド間調整値を算出しているが、これに限らない。例えば、検査ノズル列ごとに、基準のヘッドの往路ラインの位置に基づく基準の位置(偶数基準位置および奇数基準位置)と、他のヘッド41の往路ラインと、のX方向のずれ量を算出し、そのずれ量の平均値に基づいて、各ヘッド41のヘッド間調整値を算出してもよい。
図13Aには、基準のヘッドである第8ヘッド41(8)の検査ノズル列Or列による往路ラインと、第2ヘッド41(2)の同じ検査ノズル列Or列による往路ラインが示される。調整値算出プログラムは、先に、第8ヘッド41(8)と第2ヘッド41(2)の各Or列による往路ラインのX方向のずれ量ΔOr2(=X(Or8)−X(Or2))を算出する。図13Bには、第8ヘッド41(8)の検査ノズル列Pk列による往路ラインと、第2ヘッド41(2)の同じ検査ノズル列Pk列による往路ラインが示される。調整値算出プログラムは、次に、第8ヘッド41(8)と第2ヘッド41(2)の各Pk列による往路ラインのX方向のずれ量ΔPk2(=X(Pk8)−X(Pk2))を算出する。同様にして、調整値算出プログラムは、他の検査ノズル列(Cy列,Ma列)に関しても、第8ヘッド41(8)と第2ヘッド41(2)の各検査ノズル列による往路ラインのX方向のずれ量(ΔCy2,ΔMa2)を算出する。
そして、調整値算出プログラムは、第8ヘッド41(8)と第2ヘッド41(2)の各検査ノズル列による往路ラインのX方向のずれ量の平均値(=(ΔOr2+ΔPk2+ΔCy2+ΔMa2)/4)を算出し、その平均値に基づいて各ヘッド41のヘッド間調整値を算出するとよい。図13に示すように、第8ヘッド41(8)の往路ラインに対して第2ヘッド41(2)の往路ラインが左側にずれて形成される場合、各検査ノズル列による往路ラインのずれ量の平均値にもその傾向が表れる。その場合、調整値算出プログラムは、その平均値の大きさ(絶対値の大きさ)に応じて、第2ヘッド41(2)の噴射タイミングを遅くするヘッド間調整値を算出するとよい。他のヘッド41に関しても同様にしてヘッド間調整値を算出するとよい。そうすることで、各ヘッド41が形成する往路ラインのずれを平均的に抑制することができる。
図14Aから図14Cは、ヘッド間調整値の算出方法の変形例を説明する図である。前述の実施形態では、各ヘッド41によって形成される往路ラインのX方向の位置の平均値を各ヘッド41の代表位置とし、各ヘッド41の代表位置が揃うようにヘッド間調整値を算出しているが、これに限らない。例えば、印刷データが示す媒体上の目標位置と実際に形成される往路ラインのドット形成位置との差に基づいて、先に、各検査ノズル列の噴射タイミングの調整値を算出しても良い。そして、各ヘッド41の検査ノズル列の噴射タイミングの調整値の平均値を、そのヘッド41のヘッド間調整値としても良い。
図14Aは、印刷データが示す偶数番号のヘッド41の目標位置に往路ラインが形成された様子を示す。原点Oに対して、X方向の右側に距離D1離れた地点をOr列の往路ラインの目標位置(偶数基準位置)とし、X方向の右側に距離D2離れた地点をPk列の往路ラインの目標位置とし、X方向の右側に距離D3離れた地点をCy列の往路ラインの目標位置とし、X方向の右側に距離D4離れた地点をMa列の往路ラインの目標位置とする。
図14Bは、目標位置からずれて第2ヘッド41(2)の往路ラインが形成された様子を示す。第2ヘッド41(2)の往路ラインは目標位置よりもX方向の右側にずれて形成されている。そのため、調整値算出プログラムは、第2ヘッド41(2)の噴射タイミングを設計上の噴射タイミングよりも早くする調整値を算出する。例えば、第2ヘッド41(2)の検査ノズル列Or列による往路ラインは目標位置よりも距離α1だけX方向の右側にずれて形成されている。よって、調整値算出プログラムは、第2ヘッド41(2)のOr列によるラインが距離α1だけ左側にずれて形成されるように、第2ヘッド41(2)のOr列の噴射タイミングを早くする調整値を算出する。調整値算出プログラムは、同様にして他の検査ノズル列(Pk列,Cy列,Ma列)に関しても目標位置に往路ラインが形成されるように、噴射タイミングを調整する調整値を算出する。そして、最後に、調整値算出プログラムは、各検査ノズル列の調整値の平均値を、第2ヘッド41(2)のヘッド間調整値として算出する。
図14Cは、目標位置からずれて第8ヘッド41(8)の往路ラインが形成された様子を示す。第8ヘッド41(8)の往路ラインは目標位置よりもX方向の左側にずれて形成されている。そのため、調整値算出プログラムは、第8ヘッド41(8)の噴射タイミングを設計上の噴射タイミングよりも遅くする調整値を算出する。調整値算出プログラムは、図14Bの第2ヘッド41(2)と同様に、検査ノズル列ごとに、目標位置と各検査ノズル列の往路ラインの位置との差に基づいて、噴射タイミングを調整する調整値を算出する。そして、最後に、調整値算出プログラムは、各検査ノズル列の調整値の平均値を、第8ヘッド41(8)のヘッド間調整値として算出する。他のヘッド41に関しても同様にしてヘッド間調整値を算出する。そうすることで、ヘッド41間のドット形成位置のずれを抑制できる。
また、各ヘッド41の往路ラインを、印刷データの示す目標位置に合わせるに限らず、第8ヘッド41(8)の往路ラインの位置に合わせてもよい。この場合、第8ヘッド41(8)に属する検査ノズル列の調整値の平均値と他のヘッド41に属する検査ノズル列の調整値の平均値との差を、ヘッド間調整値にすればよい。例えば、第8ヘッド41(8)と同じ様に目標位置よりも左側にずれて往路ラインが形成されるヘッド41の場合、そのヘッド41のヘッド間調整値は小さくなる。逆に、第8ヘッド41(8)とは反対に目標位置よりも右側にずれて往路ラインが形成されるヘッド41の場合、そのヘッド41のヘッド間調整値は大きくなる。
図15は、テストパターンの変形例を説明する図である。前述の実施形態では、図8に示すように、15個のヘッド41を第1ヘッド群と第2ヘッド群に分けて、各ヘッド群が形成するラインをX方向にずらしたテストパターンを印刷しているが、これに限らない。図15に示すように、全てのヘッド41によるラインをY方向に並べて印刷しても良い。この場合、全てのヘッド41に属する検査ノズル列から同時にインク滴が噴射されることによってテストパターンが形成される。そのため、X軸ステージ31の速度変動の影響を排除した調整値を算出することができる。なお、図15では、検査ノズル列の数を8つとし、ヘッド41ごとに8つの往路ラインが形成されている
また、前述の実施形態では、ヘッド間調整値を算出するためのテストパターンと、往復調整値を算出するためのテストパターンを共通化して、1つのテストパターン内に往路ラインと復路ラインを印刷しているが、これに限らない。各ヘッド41のドット形成位置のずれを調整するために、図15に示すように、往路ラインだけを印刷するテストパターンであってもよい。このようなテストパターンを印刷する場合には、ヘッドユニット40がX方向の右側に1回移動することで(1パスで・1回の画像形成動作で)、テストパターンが完成する。
ただし、全てのヘッド41によるラインがY方向に並んだテストパターンの場合、テストパターンのY方向の長さが長く、大きいスキャナーでテストパターンを読み取らせたり、テストパターンを2回に分けてスキャナーに読み取らせたりする必要がある。テストパターンを2回に分けてスキャナーに読み取らせる場合、基準のヘッドである第8ヘッド41(8)の往路ラインを重複して読み取らせると良い。そうすることで、1回目の読取範囲である第1読取範囲内の往路ラインは、同じタイミングで読み取られた第8ヘッド41(8)の往路ラインの位置に基づく基準の位置(偶数基準位置および奇数基準位置)に合わせるようにヘッド間調整値を算出できる。一方、2回目の読取範囲である第2読取範囲内の往路ラインは、同じタイミングで読み取られた第8ヘッド41(8)の往路ラインの位置に基づく基準の位置(偶数基準位置および奇数基準位置)に合わせるようにヘッド間調整値を算出できる。そうすることで、ヘッド間調整値の算出処理を容易にでき、また、スキャナーの読取誤差を排除したヘッド間調整値を算出することができる。なお、テストパターンを2回に分けてスキャナーに読み取らせる場合、第1読取範囲内にも第2読取範囲内にも水平ラインが含まれるように、水平ラインを2本印刷するとよい。
===その他の実施の形態===
上記の各実施形態は、主としてインクジェットプリンターを有する印刷システムについて記載されているが、調整値の算出方法等の開示が含まれている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<プリンターについて>
前述の実施形態では、印刷領域に搬送された連続用紙に対して、ヘッドユニット40を媒体搬送方向に移動しながら画像を形成する動作と、ヘッドユニット40を紙幅方向に移動する動作と、を繰り返して画像を形成し、その後、未だ印刷されていない媒体部分を印刷領域に搬送するプリンターを例に挙げているがこれに限らない。例えば、ノズル列方向に並ぶ複数のヘッドをノズル列方向と交差する移動方向に移動しながら単票紙に画像を形成する動作と、ヘッドに対して単票紙をノズル列方向に搬送する動作と、を繰り返すプリンターでもよい。また、ノズル列方向に複数のヘッド41が並んで固定されたヘッドユニット40の下に媒体を通して、ヘッドユニット40と媒体が対向する際に画像を形成するプリンター(所謂ラインプリンター)であっても良い。このようなプリンターにおいても、各ヘッドから同時にインク滴を噴射したテストパターンに基づいて調整値を算出することで、媒体を搬送する搬送ユニットの速度変動の影響を排除した調整値を算出することができる。
1 プリンター、10 コントローラー、11 インターフェース部、
12 CPU、13 メモリー、14 ユニット制御回路、
20 搬送ユニット、21 搬送ローラー、
30 駆動ユニット、31 X軸ステージ、32 Y軸ステージ、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、
50 検出器群、60 コンピューター

Claims (8)

  1. 媒体に流体を噴射するノズルが所定方向に並んだノズル列をそれぞれ有する複数のヘッドが前記所定方向の異なる位置に前記所定方向と交差する方向にずれて配置された流体噴射装置の調整値の算出方法であって、
    前記媒体に対する前記複数のヘッドの相対位置を前記交差する方向に移動させながら、前記複数のヘッドの中の少なくとも2つ以上の前記ヘッドである検査ヘッドであり、前記交差する方向にずれて配置された前記ヘッドが含まれる全ての検査ヘッドの前記ノズル列から同時に流体を噴射させることによって、パターンを形成することと、
    前記検査ヘッドの前記交差する方向における各ドット形成位置を揃えるために、前記検査ヘッドによって前記パターンに形成される各ドットの前記交差する方向の位置に基づいて、各前記検査ヘッドからの流体の噴射タイミングを調整する調整値を算出することと、
    を有することを特徴とする調整値の算出方法。
  2. 請求項1に記載の調整値の算出方法であって、
    各前記ヘッドは、前記交差する方向にずれて配置された複数の前記ノズル列を有し、
    前記検査ヘッドに属する少なくとも2つ以上の前記ノズル列である検査ノズル列から同時に流体を噴射させることによって、前記パターンを形成する、
    調整値の算出方法。
  3. 請求項2に記載の調整値の算出方法であって、
    前記ヘッドが有する各前記ノズル列に割り当てられる流体の色の濃度に基づいて、前記検査ヘッドが有する複数の前記ノズル列の中から前記検査ノズル列を選択する、
    調整値の算出方法。
  4. 請求項2または請求項3に記載の調整値の算出方法であって、
    前記パターンが形成される前記媒体の種類に基づいて、前記検査ヘッドが有する複数の前記ノズル列の中から前記検査ノズル列を選択する、
    調整値の算出方法。
  5. 請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の調整値の算出方法であって、
    各前記検査ノズル列によって前記パターンに形成されるドットの前記交差する方向の位置であるドット形成位置を取得し、
    各前記検査ヘッドに属する前記検査ノズル列の前記ドット形成位置の平均値を、各前記検査ヘッドの代表位置として算出し、
    前記交差する方向における各前記検査ヘッドの前記代表位置が揃うように、各前記検査ヘッドからの流体の噴射タイミングを調整する前記調整値を算出する、
    調整値の算出方法。
  6. 請求項5に記載の調整値の算出方法であって、
    前記媒体に対する前記複数のヘッドの相対位置を前記交差する方向の一の方向に移動させる往路時に、前記検査ノズル列によって形成するドットが前記交差する方向における所定の位置に形成されるように前記検査ノズル列から同時に流体を噴射させ、且つ、前記媒体に対する前記複数のヘッドの相対位置を前記交差する方向の他の方向に移動させる復路時に、前記検査ノズル列によって形成するドットが前記所定の位置に形成されるように前記検査ノズル列から同時に流体を噴射させることによって、前記パターンを形成し、
    前記往路時に各前記検査ノズル列によって前記パターンに形成されるドットの前記交差する方向の位置である第1のドット形成位置を取得し、
    各前記検査ヘッドに属する前記検査ノズル列の前記第1のドット形成位置の平均値を、各前記検査ヘッドの第1の代表位置として算出し、
    前記復路時に各前記検査ノズル列によって前記パターンに形成されるドットの前記交差する方向の位置である第2のドット形成位置を取得し、
    各前記検査ヘッドに属する前記検査ノズル列の前記第2のドット形成位置の平均値を、各前記検査ヘッドの第2の代表位置として算出し、
    各前記検査ヘッドの前記第1の代表位置と前記第2の代表位置とが揃うように、前記往路時と前記復路時のうちの少なくとも一方の時の各前記検査ヘッドからの流体の噴射タイミングを調整する他の調整値を算出する、
    調整値の算出方法。
  7. 媒体に流体を噴射するノズルが所定方向に並んだノズル列をそれぞれ有する複数のヘッドが前記所定方向の異なる位置に前記所定方向と交差する方向にずれて配置された流体噴射装置の調整値を、コンピューターに作成させるためのプログラムであって、
    前記媒体に対する前記複数のヘッドの相対位置を前記交差する方向に移動させながら、前記複数のヘッドの中の少なくとも2つ以上の前記ヘッドである検査ヘッドであり、前記交差する方向にずれて配置された前記ヘッドが含まれる全ての検査ヘッドの前記ノズル列から同時に流体を噴射させることによって、パターンを形成することと、
    前記検査ヘッドの前記交差する方向における各ドット形成位置を揃えるために、前記検査ヘッドによって前記パターンに形成される各ドットの前記交差する方向の位置に基づいて、各前記検査ヘッドからの流体の噴射タイミングを調整する調整値を算出することと、
    をコンピューターに実行させるためのプログラム。
  8. 体に流体を噴射するノズルが所定方向に並んだノズル列をそれぞれ有する複数のヘッドであって、前記所定方向の異なる位置に前記所定方向と交差する方向にずれて配置された複数のヘッドと、
    記媒体に対する前記複数のヘッドの相対位置を前記所定方向と交差する方向に移動させる移動機構と、
    前記ヘッドの前記交差する方向におけるドット形成位置を調整するための調整値を記憶する記憶部と、
    記移動機構によって前記媒体に対する前記複数のヘッドの相対位置を前記交差する方向に移動させながら、前記ノズルから流体を噴射させる画像形成動作を制御する制御部であって、
    前記調整値を算出するために、
    前記画像形成動作において、前記複数のヘッドの中の少なくとも2つ以上の前記ヘッドである検査ヘッドであり、前記交差する方向にずれて配置された前記ヘッドが含まれる全ての検査ヘッドの前記ノズル列から同時に流体を噴射させることによって、パターンを形成する制御部と、
    有することを特徴とする流体噴射装置。
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