JP2017119390A - 液体吐出装置、液体吐出方法及びプログラム - Google Patents

液体吐出装置、液体吐出方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】調整チャートと実際に印刷する画像の周波数特性の差によって発生する画像の位置ズレをタイミング調整により解消する。【解決手段】インクを所望の位置に着滴できるよう吐出タイミングを調整するための少なくとも2段階の駆動周波数セット分の調整パターンPaが記録された調整チャート110を出力する調整チャート出力手段と、記録する画像の周波数特性に応じて調整チャート出力手段から出力された調整チャート110の調整パターンPaのセットの中から選択された調整パターンPaのずれ量の調整値を選択する外部入力手段と、選択された調整値に基づいて印刷ヘッドの吐出タイミングを調整する吐出位置調整手段とを備えた。【選択図】図9

Description

本発明は、液体吐出装置、液体吐出方法及びプログラムに関する。
近年、コンピュータの出力装置として、印刷ヘッドからインクを吐出して印刷を行うインクジェット記録装置が普及している。インクジェット記録装置は、液体を吐出する装置であり、プリンタ、ファクシミリ、複写装置、プロッタ等の画像記録装置として用いられている。インクジェット記録装置は、インク滴を吐出するノズルと、ノズルが連通するインク流路(吐出室、圧力室、加圧液室、液室等ともいう)と、インク流路内のインクを加圧するエネルギーを発生するエネルギー発生手段と、を備えた印刷ヘッドを搭載し、エネルギー発生手段を駆動することで、インク流路内インクを加圧しているノズルからインク滴を吐出させて画像を記録する。
この印刷ヘッドには、インク流路内のインクを加圧するエネルギーを発生するエネルギー発生手段として、圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク滴を吐出させるピエゾ型のものがある。また、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを平行に配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力により振動板を変形させることで、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のものがある。
このようなインクジェット記録装置には、シリアル方式と称される印刷方式があり、その方式に、さらに片方向印刷と双方向印刷がある。シリアル方式の印刷方式とは、印刷ヘッドを印刷媒体に対して主走査方向(印刷媒体の進行方向に対して垂直方向)に移動しながら複数色のインクを吐出して印刷媒体にドット画像を形成するものである。片方向印刷とは、主走査方向に往復動する印刷ヘッドが、往路時または復路時の片方でインクを吐出してドット画像を形成し、双方向印刷とは、往路時または復路時の双方でインクを吐出してドット画像を形成するものである。双方向印刷では、双方向で印刷を行うため、片方向印刷に比べて大幅に印刷速度を向上させることができる。
これらのインクジェット記録装置において、高品質な画像を印刷媒体上に印刷するために、主走査方向の位置が異なる複数のノズルがある場合には、それぞれ所定の位置にドットが形成されるように、インクの吐出タイミングが調整されている。
更に、双方向印刷を行う場合には、主走査方向の往路時に形成されるドット(以下、往ドットという)と、復路時に形成されるドット(以下、復ドットという)とが、それぞれ所定の位置に形成されるように、インクの吐出タイミングが調整されている。このタイミング調整は、所定のテストパターンを用いて行われる。
図15は、従来のドットのずれ調整を行うテストパターン示す図である。このテストパターンは、双方向印刷における往ドットと復ドットのドット形成位置のずれを調整するためのものである。図15に示したテストパターンは、往ドットによる縦罫線(上段の罫線)51は、所定のタイミング信号に従って印刷されている。また、復ドットによる罫線番号1,2 ,3,・・・,の縦罫線(下段の罫線)52は、それぞれ往ドットを形成するための所定のタイミング信号から段階的にずらしたタイミング信号に従って印刷されている。
なお、往ドットによる縦罫線51と復ドットによる縦罫線52とは、主走査方向の位置が一部重複するように印刷されている(図15では、罫線番号3の縦罫線51,52)。罫線番号1,2では、復ドットは印刷ヘッドの駆動タイミングが早いため、往ドットで形成した縦罫線51−1対して早く着弾する側(図15では右)にずれている。罫線番号3では、往ドットによる縦罫線51と復ドットによる縦罫線52とは一致している。また、罫線番号4以降では、復ドットは印刷ヘッドの駆動タイミングが徐々に遅くなるため、復ドットの縦罫線52は、往ドットの縦罫線51に対して徐々に遅く着弾する側(図15では左)にずれてゆく。
ユーザは、これらの縦罫線51,52の位置が最もよく一致している罫線の番号(図1 5では「3」)を選択して、その罫線番号に対応した印刷ヘッドの駆動タイミングでインクを吐出するように調整する。
しかしながら、図15に示した従来の縦罫線状のテストパターンでは、ドットの位置ずれが判別しにくい傾向にあり、ドット間の形成位置の相対的なずれを調整する際の精度が不十分となる。
これを解決するために、例えば、特開2004−358759号公報(引用文献1)あるいは特開2011−143715号公報(引用文献2)には、印刷ヘッドにより異なるタイミングで印刷媒体上に像を形成する第1のドットと第2のドットとの間の形成位置ずれを調整するための調整チャートを印刷媒体上に印刷形成し、調整チャートを構成する形成位置ずれを調整する際の基準となる調整パターンと、形成位置ずれを調整する際の調整用となる調整パターンとを、印刷ヘッドに配置されてなる複数のノズルで印刷媒体の搬送方向に間引いて印字しつつ、それを印刷ヘッドの移動方向に少なくとも1列以上印字し、かつ、少なくとも1列以上の空白列を、印刷ヘッドの移動方向に等間隔に複数回印刷形成し、基準となる調整パターンと、調整用となる調整パターンとにより印刷位置ずれを調整する方法が提案されている。
インクジェットヘッドは、常に同じ大きさの滴を同じ速度で吐出できることが求められている。理想的には、吐出条件に応じた駆動波形を随時選定することで、吐出状態の均一化を図ることは可能である。しかし、1色当たり数百から数千のノズルを持つ近年のインクジェットヘッドの場合、そのような制御を行おうとすると、大がかりなシステムが必要となる。スタンドアロンの小規模なシステムでは、共通の駆動波形で賄うケースがほとんどである。そのため、1種類の駆動波形では、入力された画像データの中に存在する様々なドット生成パターン(=駆動周期)に追従することができない。その結果、駆動周期(駆動周波数特性)に応じた吐出滴の変動、具体的には吐出時の液面(メニスカス面)の変動あるいはインク供給力の変動(高周波駆動時ほど高速供給が求められる)による滴量、吐出速度の変動が発生してしまうことになる。
液滴の吐出速度のずれは、紙面に着弾する打滴位置のずれに直結する。滴量の変動も、飛翔時の空気抵抗が変化することで想定していた速度が変動し、結果的に打滴位置のずれにつながる。
本発明は、このような背景に鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする課題は、調整チャートと実際に印刷する画像の周波数特性の差によって発生する画像の位置ズレを解消することにある。
前記課題を解決するため、本発明は、液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドを被記録媒体に対して当該被記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復動させる移動手段と、前記液体に対して異なったノズル列を割り当て、ノズル列と直交する方向に相対的に被記録媒体を移動させながら液体を吐出して記録させる制御手段と、を備えた液体吐出装置であって、前記制御手段が、前記液体を所望の位置に着滴できるよう吐出タイミングを調整するための少なくとも2段階の駆動周波数セット分の調整パターンが記録された調整チャートを出力する調整チャート出力手段と、記録する画像の周波数特性に応じて前記調整チャート出力手段から出力された前記調整チャートの前記調整パターンのセットの中から選択された前記調整パターンのずれ量から調整値を選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された前記調整値に基づいて前記液体吐出ヘッドの吐出タイミングを調整するタイミング調整手段と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、調整チャートと実際に印刷する画像の周波数特性の差によって発生する画像の位置ズレを解消することができる。なお、上記以外の構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかになる。
本発明の実施形態に係る液体吐出装置としてのインクジェット記録装置の要部構成を示す斜視図である。 図1に示したインクジェット記録装置の内部構成を示す側面図である。 調整パターンを段階的にずらして記録した例を示す説明図である。 本発明の実施形態における第1の調整パターンを示す図である。 本発明の実施形態における第2の調整パターンを示す図である。 本発明の実施形態における第3の調整パターンを示す図である。 調整パターン間のずれ量の差が記録解像度より大きい調整パターンを出力し、その平均値を取る従来技術を示す図である。 本発明の実施形態における調整チャートの一部を抜粋して拡大した図である。 本発明の実施形態において出力される調整チャートの一例を示す図である。 ハーフトーン処理後の画像データをイメージした説明図である。 本発明の実施形態におけるインクジェット記録装置の印刷位置ずれ調整の構成を示す機能ブロック図である。 図11におけるインクジェット記録装置の機能的構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る制御処理プログラムをコンピュータに実行させる場合の構成例を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る制御処理プログラムをコンピュータネットワークで配信する場合の構成例を示すブロック図である。 従来のドットのずれ調整を行うテストパターン示す図である。
本発明は、あらかじめ実際に印刷を行う画像データの周波数特性に応じた周波数ピッチの調整チャートを使用して各周波数における最適調整値を取得し、この最適調整値から位置ずれを補正する補正値を求め、当該補正値を使用して印刷上の位置ズレを解消することを特徴としている。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は本実施形態に係る液体吐出装置としてのインクジェット記録装置の要部構成を示す斜視図である。図2は図1に示したインクジェット記録装置の内部構成を示す側面図である。
インクジェット記録装置は、装置本体1の内部に、主走査方向に移動可能なキャリッジ、キャリッジに搭載したインクジェットヘッドからなる印刷ヘッド14、印刷ヘッド14にインクを供給するサブタンク15等で構成される印字機構部2を収納している。また、装置本体1の下部には、前方側から多数枚の被記録媒体としての用紙3を積載可能な給紙カセット4(あるいは給紙トレイでも適用可能)を抜き差し自在に装着されている。また、インクジェット記録装置は、用紙3を手差しで給紙するための手差しトレイ5を開閉可能に備えており、給紙カセット4あるいは手差しトレイ5から給送される用紙3を取り込み、印字機構部2により所要の画像を印字した後、図示右側に装着された排紙トレイ6に排紙する。
印字機構部2は、主ガイドロッド11と従ガイドロッド12とでキャリッジ13を主走査方向(図2で紙面垂直方向)に摺動自在に保持する。このキャリッジ13には、印刷ヘッド14が複数のインク吐出口を主走査方向と交差する方向に配列され、インク滴吐出方向を下方に向けて装着されている。印刷ヘッド14は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色のインク滴を吐出するインクジェットヘッドを備えている。また、キャリッジ13には印刷ヘッド14に各色のインクを供給するためのサブタンク15が装着されている。
サブタンク15は、上方に大気と連通する大気口が、下方に印刷ヘッド14にインクを供給する供給口が形成され、内部にインク残量を検知するセンサと、インクが充填された多孔質体と、を有している。印刷ヘッドに供給されるインクは、多孔質体の毛管力によりわずかな負圧に維持されている。本実施形態におけるサブタンク15の容量は、インクジェット記録装置の高速化に伴うキャリッジ13の軽量化のため、必要最小限の大きさになっている。したがって、サブタンク15の中のインクが少なくなるとインクを補給しなければならないこととなる。
印刷ヘッド14として、ここでは各色の印刷ヘッドを用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個の印刷ヘッドでもよい。さらに、印刷ヘッド14として用いるインクジェットヘッドは、その吐出機構として、圧電素子などの電気機械変換素子で液室壁面を形成する振動板を介してインクを加圧するピエゾ型、通電により発熱する発熱体を備える膜沸騰式を利用するサーマル型、あるいは、インク流路壁面を形成する振動板とこれに対向する電極との間の静電力で振動板を変位させてインクを加圧する静電型などが適用可能である。なお、本実施形態では例えばピエゾ型インクジェットヘッドが使用される。
キャリッジ13は後方側(用紙搬送方向下流側)で主ガイドロッド11が貫通した状態で摺動自在に装着され、前方側(用紙搬送方向上流側)で従ガイドロッド12に摺動自在に載置されている。そして、このキャリッジ13を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ17で回転駆動される駆動プーリ18と従動プーリ19との間にタイミングベルト20が掛け渡されている。キャリッジ13はこのタイミングベルト20に固定され、主走査モータ17の正逆回転によりキャリッジ13が往復駆動される。
一方、給紙カセット4にセットした用紙3を印刷ヘッド14の下方側に搬送するために、給紙ローラ21、フリクションパッド22、給紙側ガイド部材23、搬送ローラ24、従動コロ25、および先端コロ26を備えている。給紙ローラ21およびフリクションパッド22は給紙カセット4から用紙3をピックアップし、1枚ずつに分離し、給装するためのものである。給紙側ガイド部材23は用紙3を給紙ローラ21から搬送ローラ24に案内するためのものである。搬送ローラ24は、給紙された用紙3を反転させて搬送するためのもので、搬送コロは25は、用紙3を搬送ローラ24の周面に押し付け、先端コロ26は搬送ローラ24からの用紙3の送り出し角度を規定する。搬送ローラ24は副走査モータ27によってギヤ列を介して回転駆動される。
また、キャリッジ13の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ24から送り出された用紙3を印刷ヘッド14の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材29を設けている。この印写受け部材29の用紙搬送方向下流側には、搬送コロ31、第1拍車32、排紙ローラ33、第2拍車34および排紙側ガイド部材35,36が設けられている。搬送コロ31および第1拍車32は、用紙3を排紙方向へ送り出すために回転駆動される。排紙ローラ33および第2拍車34は、用紙3を排紙トレイ6に送り出すためのものである。排紙側ガイド部材35,36は、対となって排紙経路を形成する。
用紙3に像を記録するときには、キャリッジ13を移動させながら印字信号に応じて印刷ヘッド14を駆動することにより、停止している用紙3にインクを吐出して1行分を往路で記録し、所定量用紙3を搬送した後、次の行の記録を復路で行う(以下、双方向印刷という)。
そして、記録終了信号、または、用紙3の後端が記録領域に到達した信号を受信することで、記録動作を終了させ、用紙3を排紙する。なお、用紙3への記録は往復路のいずれか一方向で行うことも可能である(以下、片方向印刷という)。
そして、双方向印刷あるいは片方向印刷で記録した像がずれている場合は、所定の調整チャートを出力して調整値を設定する。この調整チャートによる調整方法については後述する。
また、キャリッジ13の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、印刷ヘッド14の吐出不良の回復、サブタンク15にインクを供給するメインのインクタンク等で構成される回復装置37が配置されている。回復装置37は、キャッピング手段、吸引手段、クリーニング手段およびインク補給手段を備えている。キャリッジ13は、印字待機中はこの回復装置37側に移動され、キャッピング手段により印刷ヘッド14はキャッピングされ、吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
また、吐出不良が発生した場合などには、キャッピング手段により印刷ヘッド14の吐出口を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出す。次いで、クリーニング手段により吐出口面に付着したインクやゴミ等が除去され、吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、装置本体1下部に設置された廃インク溜(図示せず)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
また、サブタンク15内にインクがなくなった場合には、インクの補給はキャリッジ13が所定の位置にきたときに回復装置37により行われる。イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色別のインクタンクを備えた回復装置37は、Y、M、C、Kの色毎のサブタンク15とチューブ等を介して直結されており、常に一定の圧力がかけられている。また、回復装置37にはインク供給ノズルとバルブとが備え付けられており、インク供給の必要が生じた際に、バルブが開いてインク供給ノズルよりインクが流れ出し、サブタンク15へのインクの供給が可能になる。
以上のように構成されたインクジェット記録装置において、双方向印刷をした際に、往路で記録された画像と復路で記録された画像とがずれている場合に、印刷位置ずれ調整(印刷位置ずれ補正)を行う。以下、この印刷位置ずれ調整について説明する。
印刷位置の位置ずれの調整は、あらかじめ設定された調整チャートを印刷して調整値を設定することに行われる。なお、片方向印刷の調整を行うことも可能である。この実施形態におけるインクジェット記録装置は、インクを吐出するための複数のノズル列を有する少なくとも1つの印刷ヘッド14と、印刷ヘッド14を移動させる移動手段(キャリッジ13)と、被記録媒体である印刷媒体(以下、用紙3と称す。)を搬送する搬送手段(給紙ローラ21、搬送ローラ24等)と、を有し、印刷ヘッド14により異なるタイミングで用紙3上に像を形成する第1のドット(基準色ドット)と第2のドット(調整色ドット)との間の形成位置ずれを調整するための調整チャートを用紙3上に印刷形成するインクジェット記録装置である。複数のノズル列は各列が副走査方向に並び、各ノズル列から同一色のインクが吐出される。
なお、インクジェット記録装置において印刷形成された調整チャートは、少なくとも1色以上の色で印刷形成されており、複数の調整パターンにより構成されている。調整チャートを構成する複数の調整パターンは、印刷ヘッド14に配置されているノズルを、用紙3の搬送方向に間引いて印刷し、それを印刷ヘッド14の移動方向に少なくとも1列以上印刷し、次に少なくとも1列以上の空白列を1セットとし、その1セットとした少なくとも1列以上の空白列を等間隔に複数回印刷形成する。なお、用紙3の搬送方向にノズルを間引いているのは、ドットの打ち込みによりインク滲みが発生し視認性が低下することを抑止するためである。また、印刷ヘッド14の移動方向に等間隔に印刷するのは、印刷ヘッド14の移動方向の速度変動や印刷むらを平均化して精度の向上と視認性の向上を図るためである。
ここで、具体的に図を参照し、本発明の特徴となる印刷位置ずれ調整方法について以下に説明する。
図3は、調整パターンを段階的にずらして記録した例を示す説明図である。また、本発明における調整チャートの一例として、ブラック(K)の往復路調整パターン、ブラックの往路に対するシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y) 各色の往路調整パターンと、ブラック(K)の往路に対するシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色の復路調整パターンとにより構成されている場合について、図4、図5および図6を参照して説明する。
なお、図3(a)は記録解像度より大きなずれを設け往路と復路の印刷ドット(印刷された線)の差を容易に区別できるようにした例である。一方、図3(b)は記録解像度と同じずれを設けた例である。記録解像度と同じずれでは、往路と復路の印刷ドット(印刷された線)の差を区別することは容易でない。
図4は、印刷ヘッド14に配置されているノズルを副走査方向(用紙3の搬送方向)に間引いて印刷し、それを主走査方向(印刷ヘッド14の移動方向)に2列印字し、次に2列の空白列を1セットとし、前記1セットを複数回、等間隔に主走査方向に印刷した第1の調整パターンP1を示す図である。まず、これをブラック(K)の往路の調整パターンとする。
なお、ブラック(K)の往路の調整パターンとその他の調整パターンとは同じパターンで構成されており、基準色となるブラック(K)の往路の調整パターンを用紙3の主走査方向に等間隔に複数配置し、調整色の前記調整パターンは主走査方向に段階的にずらして印刷される。このとき、基準色と調整色との調整パターンは、ずれが一致したパターン同士では、ドットが重なるように印刷される。
図4に示す第1の調整パターンP1のパターン構成は、副走査方向のドット間隔(図4「A」)よりも主走査方向のドット間隔(図4「B」)を大きくして構成されている。これは、高解像度での視認性の向上のためである。しかし、副走査方向のドット間隔(図4「A」)と主走査方向のドット間隔(図4「B」)とを同じ構成、あるいは副走査方向のドット間隔を大きくすることも可能である。低解像度では、ドットサイズが大きく制御されているため、副走査方向と主走査方向とのドット間を狭くし過ぎるとインク滲みが発生する。そこで、記録解像度に対して余裕を持たせた間隔にするのが、視認性の点で有効となる。
図5は、基準色と調整色との重なり方によるパターンの濃度変化で印刷タイミングの調整を行う場合の第2の調整パターンP2を示す図である。なお、図5では、基準色となるブラック(K)の往路に対して、調整色となるブラック復路は同じ色で形成される。
基準色と調整色との印刷タイミングがずれていると、図5(a)のように基準色調整パターンPbの主走査方向のドット間に調整色調整パターンPcが打たれるため、地肌部の面積が小さくなり濃度が濃く見える。最も印刷タイミングが合うと基準色調整パターンPbと調整色調整パターンPcとは重なって打たれるため、地肌部の面積が大きくなり濃度が薄く見えることとなる(図5(c)参照)。図5(b)は基準色調整パターンPbと調整色調整パターンPcが1ドットずれている例である。
なお、濃度が最も濃い部分を、印刷タイミングが合っている部分と設定することも可能である。この場合、単一印刷ヘッドでの双方向印刷や同じ色の印刷ヘッドを複数搭載している場合に好適となる。この時、主走査方向の速度変動や印刷むらを吸収することも可能となる。
図6は、基準色と調整色との重なり方によるパターンの色味で印刷タイミングの調整を行う場合の第3の調整パターンP3を示す図である。なお、基準色となるブラック(K)の往路に対して、ブラック復路以外の調整色(イエロー往路等)は別な色で形成される。
図6に示すように、基準色をブラック(K)、調整色をイエロー(Y)とした場合、基準色(K)と調整色(Y)との印刷タイミングがずれていると基準色調整パターンPbの主走査方向のドット間に調整色調整パターンPcが打たれるため、第3の調整パターンP3全体がイエロー系に見えることとなる(図6(a))。
また、基準色(K)と調整色(Y)との印刷タイミングが合っている場合は、基準色調整パターンPbと調整色調整パターンPcは同じ部分に打たれるため、イエロー(Y)はブラック(K)に吸収されてしまい全体がブラックに見えることとなる(図7(c))。この色味を見ることで印刷タイミングが合っている位置を決定する。この場合、複数の色の印刷ヘッド14を搭載している場合に有効となる。特にイエロー(Y)は単色では視認性が非常に悪いが、同じ位置に同じパターンを繰り返し重ね描きすることで視認性を向上させることが可能である。
さらに、位置ズレを目視でより正確に判断できるように、ある程度ズレ量が開いたチャート同士を比較させ、その勝敗(パターン位置の一致性)を元に、最適な補正量を算出するようにさせてもよい。
図7は調整パターン間のずれ量の差が記録解像度より大きい調整パターンを出力し、その平均値を取る従来技術を示す図である。例えば、図7に示すように、記録解像度よりも大きな精度の候補から選択する粗い調整を複数回行うことによって、記録解像度で微調整を行ったのと同じ結果を得ている。例えば、図7における組1では“−3,0,+3”から“0”が選択され、組2では“−2,+1,+4”から“+1”が選択され、組3では“−4,−1,+2”から“+2”が選択される。よって、これらの調整パラメータの平均値は、以下のように“+1”なる。
1/3 * (0+1+2) = +1
そして、前記粗い調整を複数回行うため、最終的に調整したい精度よりも大きな距離を設定し、これを、基準となる調整パターンと調整用の調整パターンのずれ量の単位とする。ずれ量をこの単位で段階的に変化させることによって、ずれ量がこの単位で変化する複数の調整パターンからなる記録パターンが生成される。さらに複数の組(記録パターン)を相互に前記調整したい精度分ずらして記録することによって、図7に示すパターン群を作ることができる。
この平均値を、印刷位置ずれを調整する際の基準となる色と、印刷位置ずれを調整する際の調整用となる色の印刷位置ずれ量を補正する補正値として、形成位置調整を実施する。本実施形態においても、最適調整値を選択した後、その選択された最適調整値に基づいて補正値が求められる。このように、従来の調整チャートは、重ね位置のずらし量に応じたパッチを複数配置して構成されるが、基本的なパターンデータは1種類のみである。
図8は、調整チャート110の一部を抜粋して拡大した図である。同図に示すように、図8に示した調整チャート110は、複数のパッチ110aが印刷されている。各パッチ110aは基準色調整パターンPbと調整色調整パターンPcのドットパターンからなり、1ドット間隔の縦線で構成されている。調整チャート110では、この1ドット間隔の縦線パターンをズラしていき、基準色調整パターンPbと調整色調整パターンPcが一致したところが最適調整値として選択される。パターンPcが一致したところはユーザが指定し、その位置に対応する最適調整値の選択は、例えばプリンタドライバあるいはプリンタコントローラで行われる。
しかし、このとき吐出周波数的には、1ドットおきのパターンでの最適値が判明しただけで、その他の周期のライン、例えば2ドットおき、4ドットおきといった周期のパターンでは、また異なったズラし位置が最適値として選択される可能性がある。そして、実際に印刷される画像データにおいて、最も頻度の高い周期で調整を行わなければ、位置を調整したことにはならない。
そこで、本実施形態では、1枚の調整チャート110上に複数の周波数特性に対応したパッチ110a群を配置し(図9)、各パッチ110aにおける調整色調整パターンPcをずらして基準色調整パターンPbと一致する若しくは最も近いずれ量の位置(最適調整値)を探し、周波数毎にずれ量補正の最適な補正値を算出するようにした。この算出は、後述の吐出位置調整手段113によって行われる。このとき、縦線パターンの間隔は、図9の調整チャート110に示すように、連続吐出時(間隔0:連続ドット)、1/2周期(1ドット(画素)おき)、1/4周期(3ドット(画素)おき)、1/8周期(7ドット(画素)おき)...と2の階乗の間隔とするのが好ましい。これは、インクジェット記録装置のマルチパス記録動作上、主走査方向への記録パス数がほぼ偶数回に限定されるためである(1パス→2パス→4パス→8パス...等)。もちろん、ある程度間隔が広くなれば、周波数的な影響はほとんどなくなり、無視できるものと考えられる。
そのため、少なくともインクジェット記録装置で良く使用される連続吐出〜4パス(1/4周期:3ドットおき)程度までの調整パターンをチャート上に用意しておけば、機能的には十分と考えられる。なお、連続吐出〜4パスは、記録するときの「きれい」、「速い」などの記録モードにおける最高周波数が基準であり、その最高周波数の1/1、1/2、1/4の周波数セットの記録パターンが用意されていればよい。
また、各パッチ110aは、図9に示したようなドット列の調整パターンPaである。この調整パターンPaは3ドットおきの例である。入力された画像データの周波数特性については、前述のように主走査方向の画素出現の頻度をカウントしていけばよい。
なお、図9では、図9中の四角(□)で示した1つのパッチ110aが設定された周波数特性における1つの調整パターンPaを示し、上のー3〜+3の数値は、基準となる調整パターンに対するずれ量を示している。
図10は、ハーフトーン処理後の画像データをイメージした説明図である。図10では、主走査方向にドットが発生し、次のドットが発生するまでの間隔(これが周波数特性となる)を毎行カウントし、積分していくことで最も頻度の高い周波数特性が判明する。図10の例では、第1の主走査方向L1では、間隔2が1、間隔4が1、間隔∞が2である。また、第2の主走査方向L2では、間隔0が3、間隔2が1、間隔∞が2である。これを毎行カウントし、積分していく。
なお、マルチパス記録にて、複数回の主走査パスを行う場合は、そのパス数より少ない間隔のデータは除外する。例えば2パス記録の場合、主走査方向にドットが連続して記録されることはないので、間隔0はシーケンス上発生し得ない。そこで、間隔0の集計分は除外する。
このように一度に複数の周波数特性に応じた最適調整値をそれぞれ明らかにしておき、入力された画像データで最も使用頻度の高い周波数特性に応じた最適調整値を設定することによって、印刷画像上のズレを最小限に抑えることが可能となる。
すなわち、本実施形態では、あらかじめ調整チャート110をユーザあるいはスキャナで読み取って各周波数における最適調整値を取得し、実際に印刷を行う画像データの周波数特性に応じた補正値を滴用することで、印刷上の位置ズレを解消することができる。
スキャナで読み取る場合には、例えば、キャリッジ13に図示しない読み取りセンサを設け、調整チャート110を読み取る。すなわち、調整チャート110に光を照射し、調整チャート110からの反射光を受光し、調整チャート110上の調整パターンPtのセンサ出力値を得る。読み取りセンサは、例えば、例えば発光部と受光部を備えた反射型光学センサを使用する。
読み取りセンサでは、発光部は、光を発光し、その発光部から発光された光が調整チャート110の表面で反射する。受光部は、調整チャート110の表面で反射した反射光(反射光強度)を検出し、調整チャート110上の調整パターンPtのセンサ出力値を得る。読み取りセンサは、受光部で取得した調整パターンPaのセンサ出力値を後述の吐出位置調整手段113に出力する。吐出位置調整手段113では、調整パターンPaのうち基準色調整パターンPbと調整色調整のパターンPcが一致した位置を検出し、その位置を最適調整値として選択する。
なお、読み取りセンサの構成やその検知方法は、調整チャート110に記録された調整パターンPaを検知することができれば特に限定するものではなく、あらゆる構成や検知方法が適用可能である。また、読み取りセンサの配置位置についても同様に、調整チャート110に記録した調整パターンPaを検知することが可能であれば特に限定するものではなく、任意の位置に配置することが可能である。例えば、キャリッジ13と一体型にして配置しても良く、キャリッジ13と別に配置してもよい。
図11は、本実施形態におけるインクジェット記録装置の印刷位置ずれ調整の構成を示す機能ブロック図である。図12は、図11におけるインクジェット記録装置の機能的構成を示すブロック図である。
図11において、インクジェット記録装置100は、パーソナルコンピュータ(PC)120に接続され、パーソナルコンピュータ120から送られてくる画像データに基づいて用紙3に画像を記録する。インクジェット記録装置100は、印刷制御部101、記憶メモリ102、印刷ヘッド103、走査手段104および調整チャートデータ106を備えている。
インクジェット記録装置100は、図1および図2における装置本体1およびその内部機構に対応する。印刷制御部101はCPU,ROM,RAM,タイマーなどを有するマイクロコンピュータシステムで構成され、記録装置100を統括的に制御するものである。記憶メモリ102は、各種パラメータを読み出し・書込み可能に記憶するものである。印刷ヘッド103は図1および図2における印刷ヘッド14およびその付属機構に対応する。走査手段104は図1および図2におけるキャリッジ13、主走査モータ17およびタイミングベルト20などを含む印字機構部2に対応する。
調整チャートデータ106は、基準パターンデータ107および調整パターンデータ108を有するメモリデータである。なお、この調整チャートデータ106のデータは記憶メモリ102に記憶しておいてもよい。あるいは、パーソナルコンピュータ120内のメモリに記憶させておいてもよい。また、パーソナルコンピュータ120は、調整チャートデータ106に最適調整値を入力する調整値入力部121を備えている。
図12において、記録手段111は、図2の印字機構部2により実現される機能である。この記録手段111は、インクを吐出するための複数のノズルからなる少なくとも1つの印刷ヘッド103を走査させて用紙3上に画像を記録するものである。
調整チャート出力手段112は、印刷ヘッド103により異なるタイミングで記録媒体(用紙3)上に画像を形成する第1のドットと第2のドットの間の印刷位置ずれを調整するための調整チャート110を出力する。ここで、第1のドットは基準のドット(基準色ドット)であり、第2のドットは基準に対するずれを検出するドット(調整色ドット)である。
吐出位置調整手段113は、調整チャート出力手段112により出力された(手順1)調整チャート110の複数の調整パターンの中から前記一致した調整パターンを最適調整値として選択し(手順2)、選択された最適調整値における調整パターンのずれ量から調整(補正)値を求め(手順3)、これを新たな調整値として設定し(手順4)、印刷ヘッド103の吐出位置を調整する(手順5)。なお、最適調整値を選択した後の補正値の求め方自体は前記特許文献1及び2に記載されているように公知なので、ここでは詳細な説明は省略する。また、一致した調整パターン(最適調整値)の選択は、ユーザが選択し、あるいは前述のスキャナを使用した読み取りセンサの検出結果に基づいて行われる。さらに、手順2は調整値入力部121の機能として、手順3−5は吐出位置調整手段113の機能として実行される。
外部入力手段115は、記録装置100とデータ相互通信可能に接続されるパーソナルコンピュータ120によって実現される機能であり、例えば調整値入力部121に対応する。
これまで説明してきた実施の形態における印刷位置ずれ調整方法の処理動作を、プログラム化し、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、コンピュータ上で実行することもできる。また、この処理方法の一部をネットワーク上に有し、通信回線を通して実現することもできる。
すなわち、この実施の形態で説明した印刷位置ずれ調整方法の処理方法は、図13に示すように、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータ(CPU130)で実行することにより実現される。このプログラムは、キーボード135の操作などにより、メモリ131、ハードディスク134、フレキシブルディスク137、CD−ROM(Compact-Disc Read Only Memory)136、MO(Magneto Optical)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータ(CPU130)によって記録媒体から読み出し、必要に応じて表示装置133に表示することによって実行される。また、必要に応じてこの処理方法のデータを通信装置132から外部装置に送受信することも可能である。
また、このプログラムは、図14に示すように、上記記録媒体を介して、インターネット140などのネットワークによってパーソナルコンピュータなどの装置141〜143に配布することができる。
すなわち、このプログラムは、例えばコンピュータに内蔵されている記録媒体としてのハードディスクに、あらかじめインストールした状態で提供することができる。また、このプログラムは、プログラムは記録媒体に一時的あるいは永続的に格納し、コンピュータにユニットとして組み込み、あるいは着脱式の記録媒体として利用することで、パッケージソフトウェアとして提供することができる。
記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、CD−ROM、MOディスク、DVD、BD、磁気ディスク、半導体メモリなどが利用できる。
プログラムは、ダウンロードサイトから、LAN(Local Area Network)やインターネットといったネットワークを介して、有線または無線でコンピュータに転送し、そのコンピュータにおいて、内蔵するハードディスクなどの記憶装置にダウンロードさせるようにすることができる。
このように本発明は、コンピュータに上述の調整方法を実行させるためのプログラムとしての形態も、あるいは、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としての形態も可能である。ここで、上記プログラムはコンピュータに組み込み可能なプリンタドライバを含むものとする。
すなわち、本発明による印刷位置ずれの調整方法を実現するためのプログラムやデータを記憶した記録媒体としては、具体的には、CD−ROM、光磁気ディスク、DVD−ROM、FD、フラッシュメモリ、メモリカードや、メモリスティックおよびその他各種ROMやRAM等が想定でき、これら記録媒体に上述した本発明の各実施形態におけるステップをコンピュータに実行させ、上述した印刷位置ずれの調整方法の機能を実現するためのプログラムを記録して流通させることにより、当該機能の実現を容易にする。そしてコンピュータ等の情報処理装置に上記のごとくの記録媒体を装着して情報処理装置によりプログラムを読み出すか、もしくは情報処理装置が備えている記録媒体に当該プログラムを記憶させておき、必要に応じて読み出すことにより、本発明に関わる印刷位置ずれの調整方法の機能を実行することができる。
なお、本発明に係る液体吐出装置は、実施形態においてインクジェット記録装置を例示しているが、そもとも液体吐出ヘッドを駆動させて液体を吐出させる装置である。液体吐出装置は、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて液体を吐出させる装置である。液体吐出装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
また、液体吐出装置は、本実施形態では、画像形成装置のように液体吐出ヘッドから液体を吐出して記録媒体に画像を形成するように構成された記録装置(プリンタ)であるが、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
なお、前述した液体が付着可能なものとは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子(圧電部材)などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着する全てのものが含まれる。液体が付着可能なものの材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
以上のように、本実施形態によれば、次のような効果を奏する。なお、以下の説明において、特許請求の範囲における各構成要素と本実施形態における各部とを対応させ、用語の異なる場合には、後者をかっこ書きで示す。
(1) 本実施形態に係る液体吐出装置(インクジェット記録装置1,100)は、液体(インク)を吐出する液体吐出ヘッド(印刷ヘッド14)と、前記液体吐出ヘッド(印刷ヘッド14)を被記録媒体(用紙3)に対して当該被記録媒体(用紙3)の搬送方向と直交する方向に往復動させる移動手段(キャリッジ13)と、前記液体(インク)に対して異なったノズル列(例えば基準色調整パターンPbのドットを形成するノズルと、調整色調整パターンPcのドットを形成するノズルの列)を割り当て、ノズル列と直交する方向に相対的に被記録媒体を移動させながら液体を吐出して記録させる制御手段(印刷制御部101)と、を備え、前記制御手段(印刷制御部101)が、前記液体を所望の位置に着滴できるよう吐出タイミングを調整するための少なくとも2段階の駆動周波数セット分の調整パターンPaが記録された調整チャート110を出力する調整チャート出力手段112と、記録する画像の周波数特性に応じて前記調整チャート出力手段から出力された前記調整チャート110の前記調整パターンPaのセットの中から選択された前記調整パターンPaのずれ量から調整値を選択する選択手段(調整値入力部121)と、前記選択手段(調整値入力部121)によって選択された調整値に基づいて前記液体吐出ヘッド(印刷ヘッド14)の吐出タイミングを調整するタイミング調整手段(吐出位置調整手段113)と、を含むので、調整チャート110と実際に印刷する画像の周波数特性の差によって発生する画像の位置ズレを解消することができる。また、調整チャート110には、前記液体を所望の位置に着滴できるよう吐出タイミングを調整するための少なくとも2段階の駆動周波数セット分の調整パターンPaが記録されているので、最初に前記調整チャート110を出力すれば、対象とする駆動周波数の調整パターンPaのずれ量の評価が1回で済み、効率的に吐出タイミングの調整が可能となる。
(2) 前記(1)に係る液体吐出装置(インクジェット記録装置1,100)において、前記少なくとも2段階の駆動周波数セットが、前記液体吐出ヘッド(印刷ヘッド14)の記録モードで駆動可能な最高周波数に対して、少なくとも1/1、1/2、1/4の周波数セットを含むので、例えば「きれい」、「速い」などの記録モードで記録する際の最高周波数に対して、マルチパス記録動作の主走査方向への記録パス数に対応した周波数特性の調整パターンPaとすることができる。
(3) 前記(1)または(2)に係る液体吐出装置(インクジェット記録装置1,100)において、前記記録する画像の周波数特性が、主走査方向に打滴されるドット間隔の組み合わせの内、最も頻度の高いドット間隔であるので、ずれ量の補正が最も頻度の高いドット間隔、すなわち、最も頻度の高い周波数特性の画像なので、ずれ量の少ない高画質の画像を得ることができる。
(4) 前記(1)ないし(3)のいずれかに係る液体吐出装置(インクジェット記録装置1,100)において、前記調整パターンPaが基準色パターン(基準色調整パターンPb)と調整色パターン(調整色調整パターンpc)を含み、基準色パターンと調整色パターンが一致または最も近い調整値を最適調整値として選択するので、容易に周波数特性毎に最適調整値の選択が可能となる。
(5) 前記(4)に係る液体吐出装置(インクジェット記録装置1,100)において、前記最適調整値がユーザの目視により選択されるので、ユーザ自身が最適調整値を決めることができる。
(6) 前記(4)に係る液体吐出装置(インクジェット記録装置1,100)において、前記最適調整値が光学的読み取り手段の検出出力に基づいて選択されるので、自動的に最適調整値を決めることができる。
(7) 本実施形態に係る液体吐出方法は、液体吐出ヘッド(印刷ヘッド14)により液体(インク)を吐出し、移動手段(キャリッジ13)により前記液体吐出ヘッド(印刷ヘッド14)を被記録媒体(用紙3)に対して当該被記録媒体(用紙3)の搬送方向と直交する方向に往復動させ、前記液体(インク)に対して異なったノズル列を割り当て、ノズル列と直交する方向に相対的に被記録媒体(用紙3)を移動させながら前記液体(インク)を吐出して記録する液体吐出方法であって、調整チャート出力手段112によって前記液体(インク)を所望の位置に着滴できるよう吐出タイミングを調整するための少なくとも2段階の駆動周波数セット分の調整パターンPaが記録された調整チャート110を出力し、記録する画像の周波数特性に応じて前記調整チャート出力手段112から出力された前記調整チャート110の前記調整パターンPaのセットの中から選択された前記調整パターンPaのずれ量から調整値を選択し、選択された前記調整値に基づいて前記液体吐出ヘッド(印刷ヘッド14)の吐出タイミングを調整するので、前記(1)の液体吐出装置(インクジェット記録装置1,100)と同様の効果を奏する。
(8) コンピュータ(CPU130)に、液体吐出ヘッド(印刷ヘッド14)により液体(インク)を吐出させる手順と、移動手段(キャリッジ13)により前記液体吐出ヘッド(印刷ヘッド14)を被記録媒体(用紙3)に対して当該被記録媒体(用紙3)の搬送方向と直交する方向に往復動させる手順と、前記液体(インク)に対して異なったノズル列を割り当て、ノズル列と直交する方向に相対的に被記録媒体(用紙3)を移動させながら液体(インク)を吐出して記録させる手順と、を実行させるためのプログラムであって、前記記録させる手順が、調整チャート出力手段112によって前記液体(インク)を所望の位置に着滴できるよう吐出タイミングを調整するための少なくとも2段階の駆動周波数セット分の調整パターンPaが記録された調整チャート110を出力する手順(手順1)と、記録する画像の周波数特性に応じて前記調整チャート出力手段112から出力された前記調整チャート110の前記調整パターンPaのセットの中から選択された前記調整パターンPaのずれ量から調整値を選択する手順(手順2)と、選択された前記調整値に基づいて前記液体吐出ヘッド(印刷ヘッド14)の吐出タイミングを調整する手順(手順3−5)と、を含むので、当該プログラムがダウンロードされたコンピュータ(CPU130)が、当該プログラムを実行することにより、前記(1)の液体吐出装置(インクジェット記録装置1,100)と同様の効果を奏する。
なお、上述する実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更実施が可能である。例えば、上記実施の形態におけるドットの位置調整は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色を用いて行っているが、この4色に限定するものではなく、他色を使用している場合でも同じように印刷位置ずれ調整を行うことが可能である。また、上記実施の形態では、基準色をブラック(K) の往路としているが、これに限定するものではなく、基準色は何色でもよく、また復路でも適用可能である。
1,100 インクジェット記録装置(液体吐出装置)
3 用紙(被記録媒体)
13 キャリッジ(移動手段)
14,103 印刷ヘッド(液体吐出ヘッド)
101 印刷制御部(制御手段)
110 調整チャート
112 調整チャート出力手段
113 吐出位置調整手段(タイミング調整手段)
115 外部入力手段(選択手段)
121 調整値入力部
130 CPU(コンピュータ)
Pa 調整パターン
Pb 基準色調整パターン
Pc 調整色調整パターン
特開2004−358759号公報 特開2011−143715号公報

Claims (8)

  1. 液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドを被記録媒体に対して当該被記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復動させる移動手段と、
    前記液体に対して異なったノズル列を割り当て、当該ノズル列と直交する方向に相対的に被記録媒体を移動させながら前記液体を吐出して記録させる制御手段と、
    を備えた液体吐出装置であって、
    前記制御手段は、
    前記液体を所望の位置に着滴できるよう吐出タイミングを調整するための少なくとも2段階の駆動周波数セット分の調整パターンが記録された調整チャートを出力する調整チャート出力手段と、
    記録する画像の周波数特性に応じて前記調整チャート出力手段から出力された前記調整チャートの前記調整パターンのセットの中から選択された前記調整パターンのずれ量の調整値を選択する選択手段と、
    前記選択手段によって選択された前記調整値に基づいて前記液体吐出ヘッドの吐出タイミングを調整するタイミング調整手段と、
    を含む液体吐出装置。
  2. 請求項1に記載の液体吐出装置であって、
    前記少なくとも2段階の駆動周波数セットが、前記液体吐出ヘッドの記録モードで駆動可能な最高周波数に対して、少なくとも1/1、1/2、1/4の周波数セットを含む液体吐出装置。
  3. 請求項1または2に記載の液体吐出装置であって、
    前記記録する画像の周波数特性が、主走査方向に打滴されるドット間隔の組み合わせの内、最も頻度の高いドット間隔である液体吐出装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の液体吐出装置であって、
    前記調整パターンが基準色パターンと調整色パターンを含み、前記基準色パターンと前記調整色パターンが一致した、または最も近い調整値を選択する液体吐出装置。
  5. 請求項4に記載の液体吐出装置であって、
    前記調整値がユーザの目視により選択される液体吐出装置。
  6. 請求項4に記載の液体吐出装置であって、
    前記調整値が光学的読み取り手段の検出出力に基づいて選択される液体吐出装置。
  7. 液体吐出ヘッドにより液体を吐出し、移動手段により前記液体吐出ヘッドを被記録媒体に対して当該被記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復動させ、前記液体に対して異なったノズル列を割り当て、当該ノズル列と直交する方向に相対的に被記録媒体を移動させながら前記液体を吐出して記録する液体吐出方法であって、
    調整チャート出力手段によって前記液体を所望の位置に着滴できるよう吐出タイミングを調整するための少なくとも2段階の駆動周波数セット分の調整パターンが記録された調整チャートを出力し、
    記録する画像の周波数特性に応じて前記調整チャート出力手段から出力された前記調整チャートの前記調整パターンのセットの中から選択された前記調整パターンのずれ量から調整値を選択し、
    選択された前記調整値に基づいて前記液体吐出ヘッドの吐出タイミングを調整する液体吐出方法。
  8. コンピュータに、
    液体吐出ヘッドにより液体を吐出させる手順と、
    移動手段により前記液体吐出ヘッドを被記録媒体に対して当該被記録媒体の搬送方向と直交する方向に往復動させる手順と、
    前記液体に対して異なったノズル列を割り当て、当該ノズル列と直交する方向に相対的に被記録媒体を移動させながら前記液体を吐出して記録させる手順と、
    を実行させるためのプログラムであって、
    前記記録させる手順が、
    調整チャート出力手段によって前記液体を所望の位置に着滴できるよう吐出タイミングを調整するための少なくとも2段階の駆動周波数セット分の調整パターンが記録された調整チャートを出力する手順と、
    記録する画像の周波数特性に応じて前記調整チャート出力手段から出力された前記調整チャートの前記調整パターンのセットの中から選択された前記調整パターンのずれ量から調整値を選択する手順と、
    選択された前記調整値に基づいて前記液体吐出ヘッドの吐出タイミングを調整する
    手順と、
    を含むプログラム。
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