JP6873563B2 - ロック付回転装置 - Google Patents
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Description
車椅子固定装置は、車椅子を所定の位置に固定する装置であり、例えば、一端がドラムに係止されたワイヤの他端を車椅子に取付けてワイヤを牽引することで、車椅子をワイヤの張力によって所定の位置に固定する機構が採用されている(例えば、特許文献1)。
このラチェット機構は、歯車(ギヤ)等の回転部材にラチェット爪と呼ばれる係止部材を噛み込ませてロックするので簡単な構成ではあるが、ロック状態とするために、装置自体の作動操作の前にロック状態の解除作業が必要となる。つまり、装置本来の動作のためには、ロック解除と作動操作との2モーションが必要となる。
このような2モーション作業は、緊急時等の早急に操作をする必要がある場合には、手間がかかるので、早急に作業をする必要がある状態とならないような配慮が必要となる。
即ち、本発明のロック付回転装置によれば、ロックされた状態から早急に作業することができる。
なお、以下の説明に関しては便宜上、図1乃至図5中に示した矢印の方向によって、ロック付回転装置1の前後方向、及び左右方向を規定して記述する。また、図1、図3、及び図4によって示される側をロック付回転装置1の表側と規定し、図2、及び図5によって示される側をロック付回転装置1の裏側と規定して記述する。
先ず、ロック付回転装置1の構成について、図1及び図2を用いて説明する。
本実施形態におけるロック付回転装置1は、対象物を回転させて作用を生じさせる回転装置の一例であって、当該対象物である回転体(ドラム33)に巻き付けられたワイヤ34を用いて、所定の位置に車椅子を固定するための固定装置である。
また、回転機構3は、基体2の左側に配置される第一回転機構3L、及び基体2の右側に配置される第二回転機構3Rにより構成される。
第一回転機構3Lは、主ギヤとしての第一主ギヤ31及び副ギヤとしての第一副ギヤ32などにより構成される。本実施形態では、主ギヤは第一回転体と直接接続して第一回転体を回転するギヤであり、副ギヤは操作部等の操作によって回転させられることで主ギヤを回転させるギヤである。
また、第一主ギヤ31は、軸心Gaの方向の一方側(本実施形態においては、基体2側)において、当該第一主ギヤ31と同軸に配置されるドラム33と接続されている。第一主ギヤ31とドラム33とは、一体的に回転可能に接続されている。当該ドラム33には、ワイヤ34が巻き取られている。
以下の説明においては、主に第二回転機構3Rの概要について記載する。
また、第二主ギヤ35は、軸心Gcの方向の一方側(本実施形態においては、基体2側)において、当該第二主ギヤ35と同軸に配置される、回転体としての第二回転体の一例であるドラム37と接続されている。第二主ギヤ35とドラム37とは、一体的に回転可能に接続されている。当該ドラム37には、ワイヤ38が巻き取られている。
また、第二副ギヤ36の周縁部における軸心Gdの方向の他方側(本実施形態においては、基体2側との反対側)の領域には、歯列が形成される有歯部としての第二有歯部36Aと、歯列が形成されていない無歯部としての第二無歯部36Bとが形成されている。
つまり、第二副ギヤ36の第二有歯部36Aは、第一副ギヤ32の第一有歯部32Aと第二主ギヤ35の歯列とに噛合する。一方、第二無歯部36Bが第二主ギヤ35に面することで、第二副ギヤ36と第二主ギヤ35との噛合が解除される。
ロック部材4は、第一副ギヤ32と係合して当該第一副ギヤ32の回転を抑制するためのものである。ロック部材4が第一副ギヤ32の回転を抑制することにより、第一主ギヤ31は回転が抑制されることになる。
ロック部材4は、操作部4aと係合部4bとを有している。ロック部材4は、例えば略L字形状の部材により形成され、操作部4aが一方に延長され、操作部4aの基端部より当該操作部4aの延長方向に対して直交方向に係合部4bが延長されている。
また、側壁部2bにおいて、第一副ギヤ32の近傍には、切欠き部2dが形成されている。
また、ロック部材4は、操作部4aの基端部において、第一副ギヤ32の軸心Gbと平行に設けられる軸心Geを有し、当該軸心Geを中心として、係合部4bの先端が前後方向へ回転可能となるように基体2に支持される。
また、軸心Geを中心にして、ロック部材4の係合部4bを後方に回転または揺動させることにより、係合部4bの先端は、第一副ギヤ32の突状部32aに対して離間方向に移動し、当該突状部32aとの係合状態が解除される。
回転レバー5は、ロック部材4を回転させて、係合部4bの先端を、第一副ギヤ32の突状部32aに対して近接離間方向に移動させる機能を有するものである。
回転レバー5は、レバー本体51及び操作ピン52を有する。
また、レバー本体51は、基体2に対して第一副ギヤ32の軸心Gbと同軸に回転可能に支持される。
そして、これらの長孔51a・51a内に、第一副ギヤ32のガイド部32b・32bが各々貫通するとともに、当該長孔51a内の端部にガイド部32bが当接することにより、前記長穴51aは、第一副ギヤ32と係合する係合部として機能する。
または、レバー本体51に長穴51aを設けることなく、当該レバー本体51の幅方向両側において起立するガイド部を第一副ギヤ32に設ける構成としてもよい。要するには、長穴51aは、レバー本体51と第一副ギヤ32とが相対回転した後に、レバー本体51と第一副ギヤ32との係合関係が生じる係合部および被係合部の構成として設けられればよい。
即ち、操作ピン52の延長方向の端部が、ロック部材4の操作部4aと当接することにより、操作ピン52及びロック部材4は、一時的に接続された状態となり、操作ピン52の延長方向の端部は、ロック部材4と接続する接続部として機能する。
また、回転レバー5は、レバー本体51の長孔(係合部)51a内の端部に、第一副ギヤ32のガイド部(被係合部)32bが当接し、長穴(係合部)51aとガイド部(被係合部)32bとが係合した状態で、第一副ギヤ32と共に移動する第二移動範囲Y(図4(c)を参照)において、基体2に対して相対移動する。
次に、本実施形態におけるロック付回転装置1の動作手順について、図1乃至図5を用いて説明する。
先ず始めに、図1及び図2に示すように、ロック付回転装置1は「ロック状態」となっており、ロック部材4の係合部4bの先端が、第一副ギヤ32の突状部32aに当接して係合し、当該第一副ギヤ32の回転が抑制された状態となっている。
また、第一副ギヤ32は、第一有歯部32Aを介して、第一主ギヤ31及び第二副ギヤ36と噛合された状態(噛合状態)となっており、これにより、第一主ギヤ31及び第二副ギヤ36の回転も抑制された状態となっている。
さらに、第二副ギヤ36は、第二有歯部36Aを介して、第二主ギヤ35と噛合された状態(噛合状態)となっており、これにより、第二主ギヤ35の回転も抑制された状態となっている。
よって、回転レバー5の回転に伴って、第一副ギヤ32が共に回転されることはなく、回転レバー5は単独で回転される。
よって、第一副ギヤ32は、依然として停止した状態にあり、回転レバー5は単独で回転される。
これにより、ロック部材4の係合部4bは、軸心Geを中心にして後方に向かって回転(揺動され)され、係合部4bの先端が、第一副ギヤ32の突状部32aに対して離間方向に移動し、当該突状部32aとの係合状態が解除される。
即ち、後述するように、第二移動範囲Yでの回転レバー5の回転に伴って第一副ギヤ32が共に回転される際、ロック部材4の係合部4bが、第一副ギヤ32の回転を妨げない位置に位置すればよく、ロック部材4の係合部4bの先端が、第一副ギヤ32の突状部32aより僅かに離間した状態となる回転レバー5の位置を前記位置P2に設定してもよい。
この状態において、ロック部材4の係合部4bは、付勢部材6によって、軸心Geを中心にして後方に回転(揺動)する方向に、常に付勢された状態となり、係合部4bと、第一副ギヤ32の突状部32aとの解除状態が保持される。
第一副ギヤ32が回転すると、当該第一副ギヤ32と噛合された第一主ギヤ31及び第二副ギヤ36も伴に回転され、さらに、第二副ギヤ36と噛合された第二主ギヤ35も回転される。
これにより、第一主ギヤ31及び第二主ギヤ37は、自由に回転可能な「解除状態」となり、ロック付回転装置1の「ロック状態」を解除して「解除状態」へ切り替える切替え操作は終了する。
また、前記回転レバー5は、長穴(係合部)51aとガイド部(被係合部)32bとが非係合の状態で第一副ギヤ32に対して相対移動する第一移動範囲Xと、長穴(係合部)51aとガイド部(被係合部)32bとが係合状態で第一副ギヤ32と共に移動する第二移動範囲Yとにおいて、基体2に対して相対移動する構成となっている。
そして、第二移動範囲Yに至るまでの第一移動範囲Xでの移動において、回転レバー5は、ロック部材4を、ロック部材4と第一副ギヤ32のロック状態を解除するための解除移動をさせ、第二移動範囲Yでの移動において、回転レバー5は、第一副ギヤ32を基体2に対して相対回転させて、第一副ギヤ32の第一有歯部32Aと第一主ギヤ31の歯列とが噛合している噛合状態から、第一副ギヤ32の第一無歯部32Bが第一主ギヤ31に面する解除状態へと遷移させる構成となっている。
これに対して、本実施形態におけるロック付回転装置1においては、回転レバー5を回転させる1モーションの動作によって、これらのロック解除及び作動操作を行うことが可能となり、ロックされた状態から早急に作業することができる。
また、第二副ギヤ36は、第一副ギヤ32の第一有歯部32Aと第二主ギヤ37の歯列とに噛合する第二有歯部36Aと、前記第二主ギヤ36に面することで噛合が解除される第二無歯部36Bとを有する構成となっている。
そして、第一主ギヤ31が第一副ギヤ32によって回転される際に、第二主ギヤ35が第二副ギヤ36によって回転される構成となっている。
2 基体
2a 平面部
2b 側壁部
2c 棚面部
2d 切欠き部
2e 切欠き部
3 回転機構
3L 第一回転機構
3R 第二回転機構
4 ロック部材
4a 操作部
4b 係合部
5 回転レバー
5a レバー本体
6 付勢部材
31 第一主ギヤ
32 第一副ギヤ
32A 第一有歯部
32B 第一無歯部
32a 突状部
32b ガイド部
33 ドラム
34 ワイヤ
35 第二主ギヤ
36 第二副ギヤ
36A 第二有歯部
36B 第二無歯部
37 ワイヤ
51 レバー本体
51a 長穴(係合部)
52 操作ピン(接続部)
Ga 軸心
Gb 軸心
Gc 軸心
Gd 軸心
Ge 軸心
P1 位置
P2 位置
P3 位置
X 第一移動範囲
Y 第二移動範囲
Claims (3)
- 回転体に接続する主ギヤと、前記主ギヤと噛合する副ギヤとを有する回転機構と、
前記回転機構を支持する基体と、
前記副ギヤと係合して回転を抑制するロック部材と、
前記副ギヤと同軸で回転して前記ロック部材を移動させる回転レバーと
を備えたロック付回転装置であって、
前記回転レバーは、前記副ギヤと係合する係合部と、前記ロック部材と接続する接続部とを有し、
前記副ギヤは、前記主ギヤと噛合する有歯部と、前記主ギヤに面することで前記主ギヤとの噛合が解除される無歯部と、前記ロック部材が係合する係止部と、前記回転レバーの前記係合部と係合する被係合部とを有し、
前記回転レバーは、
前記係合部と前記被係合部とが非係合の状態で前記副ギヤに対して相対移動する第一移動範囲と、前記係合部と前記被係合部とが係合状態で前記副ギヤと共に移動する第二移動範囲とにおいて、基体に対して相対移動し、
前記第二移動範囲に至るまでの前記第一移動範囲での移動において、前記回転レバーは、前記ロック部材を、前記ロック部材と前記副ギヤのロック状態を解除するための解除移動をさせ、
前記第二移動範囲での移動において、前記回転レバーは、前記副ギヤを前記基体に対して相対回転させて、前記副ギヤの有歯部と前記主ギヤの歯列とが噛合している噛合状態から、前記副ギヤの無歯部が前記主ギヤに面する解除状態へと遷移させるロック付回転装置。 - 前記副ギヤを第一副ギヤとし、前記主ギヤを第一主ギヤとし、
第二回転体に接続する第二主ギヤと、前記第二主ギヤと噛合する第二副ギヤとを有する第二回転機構を有し、
前記第二回転機構は前記基体により支持され、
前記第二副ギヤは、前記第一副ギヤの第一有歯部と前記第二主ギヤの歯列とに噛合する第二有歯部と、前記第二主ギヤに面することで噛合が解除される第二無歯部とを有し、
前記第一主ギヤが前記第一副ギヤによって回転される際に、前記第二主ギヤが前記第二副ギヤによって回転される
請求項1に記載のロック付回転装置。 - 前記回転レバーの前記係合部は、前記回転レバーの回転方向に長さを有する孔であり、
前記被係合部は、前記孔と遊嵌する径を有する突部である
請求項1または2に記載のロック付回転装置。
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JP2017206440A JP6873563B2 (ja) | 2017-10-25 | 2017-10-25 | ロック付回転装置 |
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JP2017206440A JP6873563B2 (ja) | 2017-10-25 | 2017-10-25 | ロック付回転装置 |
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JP2017206440A Active JP6873563B2 (ja) | 2017-10-25 | 2017-10-25 | ロック付回転装置 |
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