JP6873222B1 - 光学部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】X線用の光学部品が、安定して製造できるようにする。
【解決手段】基板101の第1面151に支持基板102を貼り付けた後で、支持基板102に、開口105を有する枠状のマスクパターン104を形成し、マスクパターン104をマスクとして、支持基板102の厚さ方向へのエッチングは進行し、第1面151から基板101の厚さ方向へのエッチングは進行しないエッチング処理により、支持基板102の第4面154より支持基板102をエッチングし、第1面151を露出させる。
【選択図】 図1E

Description

本発明は、X線用の光学部品の製造方法に関する。
X線撮影では、従来、X線の吸収コントラストを用いた画像が利用されてきた。医療現場で被写体として取り扱う生体は、構成元素が水素、炭素、窒素、酸素といった原子番号が小さな元素から構成されている。このような生体の画像化には、バリウムなどの原子番号の大きな造影剤を用いる必要があった。しかしながら、多様な生体組織のすべてに造影剤を用いることはできないため、多種多様な生体に適用可能なX線画像化が喫緊の課題となっていた。この課題を解決するために、位相コントラスト法が開発された(特許文献1参照)。位相コントラスト法は、被写体を透過するX線の位相差を利用して画像化する。この位相コントラスト法では、タルボ干渉計を構成するための位相型回折格子と振幅型回折格子とが組み合わせて用いられている。
生体を透過するX線の波長の関係から、上述した回折格子は、段差が数μm程度の周期的な凹凸から構成されている(特許文献2参照)。また、高解像度で鮮明な画像を得るためには、回折格子の周期的凹凸構造を、高精度にかつ数mm以上のサイズの大面積に形成する必要がある。ここで要求される事項としては、回折格子を形成する基板は、まず、X線が透過することが必要なために厚さ数μmとされている。また、この基板は、1辺の長さがmm以上の大きさである。また、基板は、この基板を支持する支持構造体に取り付けられている。
特許第6369206号公報 特許第6296062号公報
しかしながら、上述した支持構造の製造では、厚さ数μmの極めて破損しやすい基板を支持構造体に取り付ける作業が必要となるため、製品歩留まりが低く、安定に製造することが容易ではない。このように、X線用の光学部品は、安定して製造することが容易ではないという問題がある。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、X線用の光学部品が、安定して製造できるようにすることを目的とする。
本発明に係る光学部品の製造方法は、X線が透過する材料から構成された基板の第1面に支持基板の第2面を貼り付ける第1工程と、基板の第1面と反対側の第3面に回折パターンを形成する第2工程と、支持基板の第2面と反対側の第4面に、回折パターンの形成領域に対応する箇所に開口を有する枠状のマスクパターンを形成する第3工程と、支持基板の第4面から、支持基板の厚さ方向へのエッチングは進行し、基板の第1面から基板の厚さ方向へのエッチングは進行しないエッチング処理により、マスクパターンをマスクとして支持基板の第4面より支持基板をエッチングし、基板の第1面を露出させる第4工程とを備え、回折パターンが形成された基板は、X線が透過する範囲の厚さとされている。
上記光学部品の製造方法の一構成例において、第4工程の前に、基板の第3面に回折パターンを覆う保護層を形成する第5工程を備える。
上記光学部品の製造方法の一構成例において、基板は、結晶から構成されて第1面が第1結晶面とされ、支持基板は、結晶から構成されて第2面が第2結晶面とされ、第4工程は、結晶の第1結晶面が、第2結晶面に対してエッチング速度の遅いエッチング処理で、マスクパターンをマスクとして支持基板の第4面より支持基板をエッチングし、基板の第1面を露出させる。
上記光学部品の製造方法の一構成例において、第2工程の前に、基板の第3面に、他基板を貼り付ける第6工程を備え、第2工程は、他基板を加工して回折パターンを形成し、他基板は、結晶から構成され、主表面が、第1結晶面および第2結晶面とは異なる第3結晶面とされている。
上記光学部品の製造方法の一構成例において、第4工程は、ウエットエッチングにより、マスクパターンをマスクとして支持基板の第4面より支持基板をエッチングし、基板の第1面を露出させる。
上記光学部品の製造方法の一構成例において、回折パターンにより回折格子が構成されている。
上記光学部品の製造方法の一構成例において、結晶は、Si、InP、およびGaAsのいずれかである。
また、光学部品は、X線が透過する材料から構成され、X線が透過する範囲の厚さとされた基板と、基板に第1面に貼り付けられ、第1面が露出する開口を有する枠状の支持基板と、基板の第1面と反対側の第3面に形成された回折パターンとを備える。
上記光学部品の一構成例において、基板と回折パターンとは、一体に形成されている。
上記光学部品の一構成例において、回折パターンは、凸パターンまたは凹パターンから構成されている。
以上説明したように、本発明によれば、X線が透過する材料から構成された基板と支持基板とを貼り合わせた後、基板の上に回折パターンを形成し、支持基板をエッチングして基板を露出させるので、X線用の光学部品が、安定して製造できる。
図1Aは、本発明の実施の形態1に係る光学部品の製造方法を説明する途中工程における光学部品の構成を示す断面図である。 図1Bは、本発明の実施の形態1に係る光学部品の製造方法を説明する途中工程における光学部品の構成を示す斜視図である。 図1Cは、本発明の実施の形態1に係る光学部品の製造方法を説明する途中工程における光学部品の構成を示す斜視図である。 図1Dは、本発明の実施の形態1に係る光学部品の製造方法を説明する途中工程における光学部品の構成を示す断面図である。 図1Eは、本発明の実施の形態1に係る光学部品の製造方法を説明する途中工程における光学部品の構成を示す斜視図である。 図1Fは、本発明の実施の形態1に係る光学部品の製造方法を説明する途中工程における光学部品の構成を示す断面図である。 図2Aは、本発明の実施の形態2に係る光学部品の製造方法を説明する途中工程における光学部品の構成を示す断面図である。 図2Bは、本発明の実施の形態2に係る光学部品の製造方法を説明する途中工程における光学部品の構成を示す斜視図である。 図2Cは、本発明の実施の形態2に係る光学部品の製造方法を説明する途中工程における光学部品の構成を示す断面図である。 図2Dは、本発明の実施の形態2に係る光学部品の製造方法を説明する途中工程における光学部品の構成を示す斜視図である。 図2Eは、本発明の実施の形態2に係る光学部品の製造方法を説明する途中工程における光学部品の構成を示す斜視図である。 図2Fは、本発明の実施の形態2に係る光学部品の製造方法を説明する途中工程における光学部品の構成を示す断面図である。 図2Gは、本発明の実施の形態2に係る光学部品の製造方法を説明する途中工程における光学部品の構成を示す斜視図である。 図3Aは、本発明の実施の形態3に係る光学部品の製造方法を説明する途中工程における光学部品の構成を示す断面図である。 図3Bは、本発明の実施の形態3に係る光学部品の製造方法を説明する途中工程における光学部品の構成を示す斜視図である。 図3Cは、本発明の実施の形態3に係る光学部品の製造方法を説明する途中工程における光学部品の構成を示す斜視図である。 図3Dは、本発明の実施の形態3に係る光学部品の製造方法を説明する途中工程における光学部品の構成を示す断面図である。 図3Eは、本発明の実施の形態3に係る光学部品の製造方法を説明する途中工程における光学部品の構成を示す斜視図である。 図3Fは、本発明の実施の形態3に係る光学部品の製造方法を説明する途中工程における光学部品の構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態に係る光学部品の製造方法について説明する。
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1に係る光学部品の製造方法について、図1A〜図1Fを参照して説明する。
まず、図1Aに示すように、基板101の第1面151に支持基板102の第2面152を貼り付ける(第1工程)。基板101は、例えば単結晶シリコン(Si)から構成され、厚さ20μmとされている。Siは、X線が透過する材料である。また、基板101は、第1面151を(111)面(第1結晶面)とされている。また、支持基板102は、例えば、単結晶Siから構成され、厚さ1mmとされている。支持基板102は、第2面152を、(100)面(第2結晶面)とされている。例えば、基板101と支持基板102とは、真空雰囲気中で1000℃に加熱して圧着接合することで、貼り合わせることができる。このようにして貼り合わされた基板101と支持基板102とは、以降の工程や取り扱いにおいて、分離することがない。
次に、図1Bに示すように、基板101の第1面151と反対側の第3面153に、マスクパターン103を形成する。マスクパターン103は、例えば、白金から構成することができる。また、マスクパターン103は、例えば、厚さ50nmとされている。また、マスクパターン103は、ラインアンドスペースパターンであり、ライン幅250nm、スペース幅250nmとされている。これらの幅は、回折格子を検討した場合、対象とするX線波長領域に適合する。
例えば、次に示す、いわゆるリフトオフ法により、白金からなるマスクパターン103が形成できる。まず、公知のフォトリソグラフィー技術により、マスクパターン103を形成する箇所に開口を有するレジストパターンを形成し、この上から、例えば、スパッタ法により白金を堆積して白金膜を形成する。この後、レジストパターンを除去することで、レジストパターン上の白金膜を除去すれば、レジストパターンの開口の箇所の白金膜が第3面153の上に残り、マスクパターン103とすることができる。
次に、マスクパターン103をマスクとして基板101をエッチング処理することで、図1Cに示すように、基板101の第1面151と反対側の第3面153aに回折パターン106を形成する(第2工程)。第3面153aは、エッチング処理により、第3面153が第1面151の側に後退した面である。第3面153aと第3面153とは、互いに平行である。
例えば、エッチングガスに、C48/SF6/O2を用いた、プラズマDeep−etching法により、回折パターン106が形成できる。例えば、回折パターン106は、厚さ(高さ)10μmとされ、平面視で10mm×10mmの領域に形成された、格子間隔が205nmの回折格子である。回折パターン106は、各格子(ライン)による凸パターンから構成されている。なお、回折パターン106を形成した後、マスクパターン103は除去する。ここで、回折パターン106が形成された段階で、基板101は、X線が透過する範囲の厚さとされている。
一方、図1Dに示すように、支持基板102の第2面152と反対側の第4面154に、回折パターン106の形成領域に対応する箇所に開口105を有する枠状のマスクパターン104を形成する(第3工程)。マスクパターン104は、例えば、白金から構成することができる。また、マスクパターン104は、例えば、厚さ50nmとされている。マスクパターン104は、前述したマスクパターン103と同様に、リフトオフ法により形成することができる。
次に、マスクパターン104をマスクとして支持基板102の第4面154より支持基板102をエッチングすることで、図1Eに示すように、基板101の第1面151を露出させる(第4工程)。この処理(パターニング)により、枠状の支持基板102が得られる。上述したエッチングは、支持基板102の第4面154から、支持基板102の厚さ方向へのエッチングは進行し、基板101の第1面151から基板101の厚さ方向へのエッチングは進行しないエッチング処理により実施する。
この例では、支持基板102を構成するSi単結晶の(111)面(第1結晶面)が、(100)面(第2結晶面)に対してエッチング速度の遅いエッチング処理で、マスクパターンをマスクとして支持基板102の第4面154より支持基板102をエッチングし、基板101の第1面151を露出させる。例えば、水酸化カリウム(KOH)溶液(水溶液)を用いたウエットエッチングで、上述した処理を実施する。例えば、33wt%のKOH溶液を用い、液温を90°として、エッチング処理を500分実施することで、厚さ1mmの支持基板102を貫通して基板101の第1面151を露出させることができる。
よく知られているように、KOH溶液を用いて単結晶Siをエッチング加工する場合、単結晶Siの(111)面は、他の(100)面や(110)面に比較してその溶解速度は 1/1000以下である。このため、支持基板102の第4面154が(100)面であり、基板101の第1面151が(111)面であれば、第4面154からKOH溶液でエッチング加工を実施すると、支持基板102の厚さ方向に進行するエッチングは、第1面151で停止する。また、白金は、KOH溶液にはエッチングされない。
以上のことより、マスクパターン104を用いた上述のエッチング処理によれば、マスクパターン104で覆われた支持基板102は、エッチングされることなく、元の厚さが保たれ、開口105では、第1面151が露出し、これ以上、厚さ方向へのエッチングは進行しない。この結果、基板101に、枠状の支持基板102が貼り付けられた一体構造が得られる。また、枠状に形成された支持基板102の開口している領域では、基板101が、第1面151および回折パターン106の形成されていない領域の第3面153aともに、露出した状態となる。なお、マスクパターン104を用いた上述のエッチング処理では、第4工程の前に、第3面153aおよび回折パターン106を、ワックスなどによる保護層で覆っておく(第5工程)。
この後、マスクパターン104を除去すれば、図1Fに示すように、X線が透過する材料から構成され、X線が透過する範囲の厚さとされた基板101と、基板101に第1面151に貼り付けられ、第1面151が露出する開口を有する枠状の支持基板102と、基板101の第1面151と反対側の第3面153aに形成された回折パターン106とを備える光学部品が得られる。この例では、基板101と回折パターン106とは、一体に形成されている。この光学部品は、例えば、X線タルボ干渉計に用いる位相格子素子とすることができる。
以上に説明したように、実施の形態1によれば、回折パターン106が形成された薄い基板101に、支持基板102を貼り付ける作業がないので、X線用の光学部品が、安定して製造できる。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について、図2A〜図2Gを参照して説明する。
まず、図2Aに示すように、基板111の第1面151に支持基板102の第2面152を貼り付ける(第1工程)。また、基板111の第3面153に、他基板112を貼り付ける(第6工程)。
基板111は、例えば単結晶Siから構成され、厚さ15μmとされている。この厚さは、X線が透過する範囲の厚さである。Siは、X線が透過する材料である。また、基板111は、第1面151を(111)面(第1結晶面)とされている。また、支持基板102は、例えば、単結晶Siから構成され、厚さ500μmとされている。支持基板102は、第2面152を、(100)面(第2結晶面)とされている。また、他基板112は、単結晶Siから構成され、厚さ20μmとされている。また、他基板112は、主表面を、(110)面(第3結晶面)とされている。いうまでもないが、(110)面は、(100)面および(111)面とは異なる結晶面である。
例えば、基板111および支持基板102、基板111および他基板112の各々は、真空雰囲気中で1000℃に加熱して圧着接合することで、貼り合わせることができる。このようにして貼り合わされた基板111、支持基板102、他基板112は、以降の工程や取り扱いにおいて、分離することがない。
次に、図2Bに示すように、他基板112の上に、マスクパターン113を形成する。マスクパターン113は、例えば、白金から構成することができる。また、マスクパターン113は、例えば、厚さ50nmとされている。また、マスクパターン113は、他基板112の上で、<111>方向に延在するラインアンドスペースパターンであり、ライン幅250nm、スペース幅250nmとされている。例えば、前述した実施の形態1と同様であり、リフトオフ法により、白金からなるマスクパターン113が形成できる。
一方、図2Cに示すように、支持基板102の第2面152と反対側の第4面154に、回折パターン116の形成領域に対応する箇所に開口105を有する枠状のマスクパターン104を形成する(第3工程)。マスクパターン104は、例えば、白金から構成することができる。また、マスクパターン104は、例えば、厚さ50nmとされている。マスクパターン104は、前述したマスクパターン113と同様に、リフトオフ法により形成することができる。
次に、マスクパターン113をマスクとして他基板112をエッチング処理することで、図2Dに示すように、基板111の第1面151と反対側の第3面153に回折パターン116を形成する(第2工程)。また、同時に、マスクパターン104をマスクとして支持基板102の第4面154より支持基板102をエッチングすることで、図2Eに示すように、基板111の第1面151を露出させる(第4工程)。この処理(パターニング)により、枠状の支持基板102が得られる。
上述したエッチングは、支持基板102の第4面154から、支持基板102の厚さ方向へのエッチングは進行し、基板111の第1面151から基板111の厚さ方向へのエッチングは進行しないエッチング処理により実施する。
この例では、支持基板102を構成するSi単結晶の(111)面(第1結晶面)が、(100)面(第2結晶面)に対してエッチング速度の遅いエッチング処理で、マスクパターンをマスクとして支持基板102の第4面154より支持基板102をエッチングし、基板111の第1面151を露出させる。例えば、KOH溶液を用いたウエットエッチングで、上述した処理を実施する。例えば、33wt%のKOH溶液を用い、液温を90°として、エッチング処理を270分実施する。
よく知られているように、KOH溶液を用いて単結晶Siをエッチング加工する場合、単結晶Siの(111)面は、他の(100)面や(110)面に比較してその溶解速度は 1/1000以下である。このため、支持基板102の第4面154が(100)面であり、基板111の第1面151が(111)面であれば、第4面154からKOH溶液でエッチング加工を実施すると、支持基板102の厚さ方向に進行するエッチングは、第1面151で停止する。
以上のことより、マスクパターン104を用いた上述のエッチング処理によれば、マスクパターン104で覆われた支持基板102は、エッチングされることなく、元の厚さが保たれ、開口105では、第1面151が露出し、これ以上、厚さ方向へのエッチングは進行しない。この結果、基板111に、枠状の支持基板102が貼り付けられた一体構造が得られる。
また、マスクパターン113は、<111>方向に延在するラインアンドスペースパターンとしている。このため、マスクパターン113を用いて他基板112をエッチングすると、マスクパターン113の長手方向の両側面に続いて現れる他基板112の加工面は、(111)面となる。前述したように、単結晶Siの(111)は、他の面に比較してほとんどエッチングされない。この結果、マスクパターン113を用いた他基板112のエッチングにより、形成される回折パターン116の長手方向の両側面は、ほとんどエッチングされずに形成される。また、このエッチング処理も、(111)面である第3面153で停止する。従って、このエッチング処理によれば、ほぼ、マスクパターン113の形状が転写された回折パターン116が形成できる。
例えば、回折パターン116は、厚さ(高さ)20μmとされ、平面視で10mm×10mmの領域に形成された、格子間隔が250nmの回折格子である。
この後、マスクパターン104およびマスクパターン113は除去すれば、図2Fに示すように、X線が透過する材料から構成され、X線が透過する範囲の厚さとされた基板111と、基板111に第1面151に貼り付けられ、第1面151が露出する開口を有する枠状の支持基板102と、基板111の第1面151と反対側の第3面153に形成された回折パターン116とを備える状態が得られる。
次に、図2Gに示すように、回折パターン116の格子の間を、金属層107で充填する。金属層107は、金(Au)などのX線を透過しない金属(重金属)から構成する。例えば、単結晶Siから構成した基板111を一方の電極としたAuの電解めっきにより、金属層107が形成できる。微細な間隔とされている回折パターン116の格子の間には、他の領域に比較してより早くめっきが進行する。従って、回折パターン116の格子の間以外の領域には、めっきの層をほとんど形成することなく、回折パターン116の格子の間を充填する金属層107が形成できる。なお、図2Gでは、回折パターン116の格子の間以外の領域の薄いめっき層は図示していない。
上述した実施の形態2に係る光学部品は、例えば、X線タルボ干渉計に用いる振幅格子素子とすることができる。
以上に説明したように、実施の形態2においても、回折パターン116が形成された薄い基板111に、支持基板102を貼り付ける作業がないので、X線用の光学部品が、安定して製造できる。
[実施の形態3]
次に、本発明の実施の形態3に係る光学部品の製造方法について、図3A〜図3Fを参照して説明する。
まず、図3Aに示すように、基板111の第1面151に支持基板102の第2面152を貼り付ける(第1工程)。また、基板111の第3面153に、他基板112を貼り付ける(第6工程)。
基板111は、例えば単結晶Siから構成され、厚さ15μmとされている。この厚さは、X線が透過する範囲の厚さである。Siは、X線が透過する材料である。また、基板111は、第1面151を(111)面(第1結晶面)とされている。また、支持基板102は、例えば、単結晶Siから構成され、厚さ500μmとされている。支持基板102は、第2面152を、(100)面(第2結晶面)とされている。また、他基板112は、単結晶Siから構成され、厚さ20μmとされている。また、他基板112は、主表面を、(110)面(第3結晶面)とされている。いうまでもないが、(110)面は、(100)面および(111)面とは異なる結晶面である。
例えば、基板111および支持基板102、基板111および他基板112の各々は、真空雰囲気中で1000℃に加熱して圧着接合することで、貼り合わせることができる。このようにして貼り合わされた基板111、支持基板102、他基板112は、以降の工程や取り扱いにおいて、分離することがない。
次に、図3Bに示すように、他基板112の上に、マスクパターン123を形成する。マスクパターン123は、例えば、白金から構成することができる。また、マスクパターン123は、例えば、厚さ50nmとされている。また、マスクパターン123は、中央の所定の領域に、ラインアンドスペースパターン状の開口123aを備える。ラインアンドスペースパターン状の開口123aは、ライン幅250nm、スペース幅250nmとされている。例えば、前述した実施の形態1,2と同様であり、リフトオフ法により、白金からなるマスクパターン123が形成できる。
次に、マスクパターン123をマスクとして他基板112をエッチング処理することで、図3Cに示すように、基板101の第1面151と反対側の第3面153に回折パターン126を形成する(第2工程)。なお、図3Cは、マスクパターン123は除去した後の状態を示している。回折パターン126は、中央の所定の領域に、ラインアンドスペースパターン状の開口126aを備える。例えば、エッチングガスに、C48/SF6/O2を用いた、プラズマDeep−etching法により、ラインアンドスペースパターン状の開口126aを備える回折パターン126が形成できる。回折パターン126は、開口126aによる凹パターンから構成されている。
一方、図3Dに示すように、支持基板102の第2面152と反対側の第4面154に、回折パターン126の形成領域に対応する箇所に開口105を有する枠状のマスクパターン104を形成する(第3工程)。マスクパターン104は、例えば、白金から構成することができる。また、マスクパターン104は、例えば、厚さ50nmとされている。マスクパターン104は、前述したマスクパターン123と同様に、リフトオフ法により形成することができる。
次に、マスクパターン104をマスクとして支持基板102の第4面154より支持基板102をエッチングすることで、図3Eに示すように、基板101の第1面151を露出させる(第4工程)。この処理(パターニング)により、枠状の支持基板102が得られる。上述したエッチングは、支持基板102の第4面154から、支持基板102の厚さ方向へのエッチングは進行し、基板101の第1面151から基板101の厚さ方向へのエッチングは進行しないエッチング処理により実施する。
この例では、支持基板102を構成するSi単結晶の(111)面(第1結晶面)が、(100)面(第2結晶面)に対してエッチング速度の遅いエッチング処理で、マスクパターンをマスクとして支持基板102の第4面154より支持基板102をエッチングし、基板101の第1面151を露出させる。例えば、前述した実施の形態1,2と同様に、KOH溶液を用いたウエットエッチングで、上述した処理を実施する。なお、マスクパターン104を用いた上述のエッチング処理では、第4工程の前に、開口126a内に露出する第3面153および回折パターン126を、ワックスなどによる保護層で覆っておく(第5工程)。
この後、マスクパターン104を除去すれば、図3Fに示すように、X線が透過する材料から構成され、X線が透過する範囲の厚さとされた基板101と、基板101に第1面151に貼り付けられ、第1面151が露出する開口を有する枠状の支持基板102と、基板101の第1面151と反対側の第3面153に形成された回折パターン126とを備える光学部品が得られる。この例では、基板101と回折パターン126とは、一体に形成されている。この光学部品は、例えば、X線タルボ干渉計に用いる位相格子素子とすることができる。
以上に説明したように、実施の形態3においても、回折パターン126が形成された薄い基板101に、支持基板102を貼り付ける作業がないので、X線用の光学部品が、安定して製造できる。
なお、上述した各実施例では、基板材料としてSiを用いたが、基板材料には、InPおよびGaAsを適用することもできる。例えば、臭素と臭化水素酸との水溶液や塩酸とリン酸との水溶液を用いたInPのウエットエッチングでは、(111)面が他の結晶面に比較してエッチングされ難い。また、例えば、アンモニア水溶液と過酸化水素水の混合液を用いたGaAsのウエットエッチングでは、(111)A面が他の結晶面に比較してエッチングされ難い。これらの、ウエットエッチングにおける結晶異方性を用いることで、InPまたはGaAsから構成した基板、支持基板、他基板を用いることで、前述同様の製造方法で、光学部品が製造できる。
以上に説明したように、本発明によれば、X線が透過する材料から構成された基板と支持基板とを貼り合わせた後、基板の上に回折パターンを形成し、支持基板をエッチングして基板を露出させるので、X線用の光学部品が、安定して製造できるようになる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
101…基板、102…支持基板、103…マスクパターン、104…マスクパターン、105…開口、106…回折パターン、151…第1面、152…第2面、153…第3面、153a…第3面、154…第4面。

Claims (6)

  1. X線が透過する材料から構成された基板の第1面に支持基板の第2面を貼り付ける第1工程と、
    前記基板の前記第1面と反対側の第3面に回折パターンを形成する第2工程と、
    前記支持基板の前記第2面と反対側の第4面に、前記回折パターンの形成領域に対応する箇所に開口を有する枠状のマスクパターンを形成する第3工程と、
    前記支持基板の前記第4面から、前記支持基板の厚さ方向へのエッチングは進行し、前記基板の前記第1面から前記基板の厚さ方向へのエッチングは進行しないエッチング処理により、前記マスクパターンをマスクとして前記支持基板の前記第4面より前記支持基板をエッチングし、前記基板の前記第1面を露出させる第4工程と
    を備え、
    前記回折パターンが形成された前記基板は、X線が透過する範囲の厚さとされ、
    前記基板は、結晶から構成されて前記第1面が第1結晶面とされ、
    前記支持基板は、前記結晶から構成されて前記第2面が第2結晶面とされ、
    前記第4工程は、前記結晶の前記第1結晶面が、前記第2結晶面に対してエッチング速度の遅いエッチング処理で、前記マスクパターンをマスクとして前記支持基板の前記第4面より前記支持基板をエッチングし、前記基板の前記第1面を露出させることを特徴とする光学部品の製造方法。
  2. 請求項1記載の光学部品の製造方法において、
    前記第4工程の前に、前記基板の前記第3面に前記回折パターンを覆う保護層を形成する第5工程を備えることを特徴とする光学部品の製造方法。
  3. 請求項1または2記載の光学部品の製造方法において、
    前記結晶は、Si、InP、およびGaAsのいずれかであることを特徴とする光学部品の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学部品の製造方法において、
    前記第2工程の前に、前記基板の前記第3面に、他基板を貼り付ける第6工程を備え、
    前記第2工程は、前記他基板を加工して前記回折パターンを形成し、
    前記他基板は、前記結晶から構成され、主表面が、前記第1結晶面および前記第2結晶面とは異なる第3結晶面とされている
    ことを特徴とする光学部品の製造方法。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の光学部品の製造方法において、
    前記第4工程は、ウエットエッチングにより、前記マスクパターンをマスクとして前記支持基板の前記第4面より前記支持基板をエッチングし、前記基板の前記第1面を露出させることを特徴とする光学部品の製造方法。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の光学部品の製造方法において、
    前記回折パターンにより回折格子が構成されている
    ことを特徴とする光学部品の製造方法。
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