JP6870887B2 - 再生アスファルト用添加剤、再生アスファルト舗装材、及び再生アスファルト用添加剤の製造方法 - Google Patents
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Description
アスファルト舗装廃材に含まれる劣化アスファルトは、かなり劣化が進行している。
これを再生するには、機械粉砕や熱解砕により破砕したアスファルト舗装廃材を加熱軟化処理する前後のどちらかで、再生アスファルト用添加剤を添加して、再生アスファルト舗装材とする処理方法が一般的である。
この再生処理で使用される再生アスファルト用添加剤は、アスファルト舗装廃材に含まれるアスファルトの低下した針入度及び伸度を回復するために添加されるものである。
しかしながら、近年、高芳香族系鉱油に含まれる多環芳香族炭化水素(PCA)の有害性が問題となっており、PCA含有量を低減させ、劣化アスファルトを再生可能である、再生アスファルト用添加剤が求められている。
再生処理が一度なされた後に、再度使用されて劣化した劣化アスファルトは、1回目と同様に再生アスファルト用添加剤を配合して再生処理を行っても、針入度及び伸度を回復させることが非常に難しい。
この改質アスファルトについても、劣化した場合には再生利用することが求められる。劣化改質アスファルトを再生利用するためには、アスファルトと共に樹脂も溶解する必要がある。
しかしながら、改質アスファルトに含まれる樹脂の存在に起因し、再生アスファルト用添加剤を配合しても、劣化改質アスファルトの回復が進行し難いといった弊害が生じ得る。
また、特許文献1に記載されたような、PCA含有量を制限した再生アスファルト用添加剤は、PCA含有量が少なくなる程、アロマ分が少なくなるため、劣化アスファルトや劣化改質アスファルトを軟化させる能力も低下する傾向があり、再生効果が発現され難い。
他にも、貯蔵時や輸送時の安全性や取扱性の観点から、再生アスファルト用添加剤の高引火点化も求められている。
[1]下記要件(1)〜(4)を満たす、再生アスファルト用添加剤。
・要件(1):多環芳香族炭化水素(PCA)の含有量が3質量%以下である。
・要件(2):引火点が250℃以上である。
・要件(3):40℃における動粘度が250〜2500mm2/sである。
・要件(4):前記再生アスファルト用添加剤を減圧蒸留した際の、初留点から留出量20体積%までの留出物の160℃における動粘度が3.50mm2/s未満である。
[2]上記[1]に記載の再生アスファルト用添加剤を、劣化アスファルトに配合してなる、再生アスファルト舗装材。
[3]引火点250℃未満のナフテン系鉱油(A)と、引火点250℃以上の鉱油(B)とを配合する工程を有する、再生アスファルト用添加剤の製造方法。
本発明の再生アスファルト用添加剤は、下記要件(1)〜(4)を満たすものである。
・要件(1):多環芳香族炭化水素(PCA)の含有量が3質量%以下である。
・要件(2):引火点が250℃以上である。
・要件(3):40℃における動粘度が250〜2500mm2/sである。
・要件(4):前記再生アスファルト用添加剤を減圧蒸留した際の、初留点から留出量20体積%までの留出物の160℃における動粘度が3.50mm2/s未満である。
本発明の再生アスファルト用添加剤は、上記要件(1)を満たすため、環境への負荷が少なく、人体への安全面も考慮した添加剤となり得る。
本明細書において、多環芳香族炭化水素(PCA)の含有量は、IP 346/02に準拠して測定された値を意味する。
本発明の再生アスファルト用添加剤は、上記要件(2)を満たすため、貯蔵時や輸送時の安全性や取扱性の面で優れている。
なお、上記要件(2)を満たす再生アスファルト用添加剤は、引火点が250℃以上であることで、日本の消防法では「可燃性液体類」に分類され、消防法上の貯蔵や運搬、取り扱い等の制限の面での利点もある。
また、要件(3)を満たすように動粘度を調整した再生アスファルト用添加剤とする観点から、本発明の一態様の再生アスファルト用添加剤の引火点としては、好ましくは400℃以下、より好ましくは380℃以下、更に好ましくは350℃以下である。
なお、本明細書において、引火点は、JIS K 2265に準拠し、クリーブランド開放式(COC)法により測定した値を意味する。
本発明の再生アスファルト用添加剤は、上記要件(3)で規定するとおり、40℃における動粘度が250〜2500mm2/sである。
40℃における動粘度が250mm2/s未満であると、引火点が低くなり、上記要件(2)を満たすように調整し難くなる。また、
また、40℃における動粘度が2500mm2/s超であると、劣化アスファルトや劣化改質アスファルトと混合する際のハンドリング性が劣り、均一に混合し難くなり、アスファルトの再生効果にムラが生じる可能性がある。また、流動性が極めて低いため、ローリーでの配送等を行う際のハンドリング性が著しく困難となる可能性がある。
なお、本明細書において、40℃における動粘度は、ASTM D445に準拠して測定した値を意味する。
一般的に、PCA含有量が少ない再生アスファルト用添加剤は、アロマ分も少ないため、劣化アスファルトや劣化改質アスファルトを軟化させる性能が低下し、劣化アスファルト等の再生効果が劣る傾向にある。
本発明の再生アスファルト用添加剤は、環境への負荷を低減する観点から、上記要件(1)で規定のとおり、PCA含有量を3質量%未満に調製しており、劣化アスファルト等の再生効果の低下を補う必要がある。
そして、当該留出物の160℃における動粘度が3.50mm2/s未満に調製した再生アスファルト用添加剤は、PCA含有量に依らず、既に再生処理が施された劣化アスファルトや、劣化改質アスファルトの再生効果が高いことを見い出した。
つまり、要件(4)では、劣化アスファルトや劣化改質アスファルトと再生アスファルト用添加剤との混合し再生処理を施す際の、前記留出物の動粘度を規定したものともいえる。
前記留出物は、低分子量であり、動粘度が低いものほど、既に再生処理が施された劣化アスファルトや、劣化改質アスファルトを軟化させる性能が高くなる傾向がある。
つまり、前記留出物の160℃における動粘度が3.50mm2/s以上である再生アスファルト用添加剤は、既に再生処理が施された劣化アスファルトや劣化改質アスファルトの再生に使用しても、これらの劣化アスファルトを軟化させ難く、針入度及び伸度を回復させることが難しい。
しかしながら、本発明の再生アスファルト用添加剤は、上記要件(2)を満たしつつも、要件(4)を満たすように調製されているため、高引火点で、貯蔵時や輸送時の安全性や取扱性の面でも有利であると共に、既に再生処理が施された劣化アスファルトや、劣化改質アスファルトの再生効果が高いものとなり得る。
なお、本明細書において、要件(4)で規定する前記留出物の収集方法、及び、当該留出物の160℃における動粘度の値は、実施例に記載の方法に基づく。
本発明の一態様の再生アスファルト用添加剤のアニリン点としては、上記要件(1)及び(2)を満たしつつも、劣化アスファルトの再生効果をより向上させた再生アスファルト用添加剤とする観点から、好ましくは70〜120℃、より好ましくは80〜115℃、更に好ましくは85〜110℃、より更に好ましくは90〜105℃である。
本明細書において、アニリン点は、JIS K 2256に準拠して測定された値を意味する。
しかしながら、本発明の再生アスファルト用添加剤は、上記要件(4)を満たすように調整されているため、比較的アニリン点が高くても、既に再生処理が施された劣化アスファルトや劣化改質アスファルトを軟化させる性能が高く、これらの劣化アスファルトの再生効果(特に、伸度の回復効果)が極めて高い。
芳香族分(%CA)が10以上であれば、既に再生処理が施された劣化アスファルトや劣化改質アスファルトの再生効果が高い再生アスファルト用添加剤とすることができる。
一方、芳香族分(%CA)が30以下であれば、上記要件(1)を満たし、環境への負荷を低減させた再生アスファルト用添加剤とすることができる。
なお、本明細書において、160℃における動粘度は、実施例に記載の方法により算出された値を意味する。
本発明の一態様の再生アスファルト用添加剤は、劣化アスファルトの再生効果を向上させる観点から、鉱油を含むことが好ましい。
ただし、本発明の一態様の再生アスファルト用添加剤は、本発明の効果を損なわない範囲で、合成油や添加剤を含有してもよい。
これらの鉱油は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記の精製処理としては、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製等が挙げられるが、少なくとも溶剤抽出、もしくは水素化分解を施すことが好ましい。
引火点250℃未満のナフテン系鉱油(A)は、要件(4)で規定する前記留出物として留出する成分となり易い。つまり、ナフテン系鉱油(A)が、既に再生処理が施された劣化アスファルトや劣化改質アスファルトを軟化させる性能を有する成分であり、劣化アスファルトの針入度及び伸度を回復に寄与する。
そのため、特に要件(4)を満たす再生アスファルトとする観点から、本発明の一態様の再生アスファルト用添加剤は、ナフテン系鉱油(A)を含有することが好ましい。
そこで、特に、要件(4)と共に、要件(2)を満たす再生アスファルト用添加剤とする観点から、本発明の一態様の再生アスファルト用添加剤は、ナフテン系鉱油(A)と共に鉱油(B)を含有することが好ましい。
なお、前記配合量比〔(A)/(B)〕は、使用するナフテン系鉱油(A)及び鉱油(B)の160℃動粘度や引火点に応じて適宜設定して、上記要件(2)及び(4)を満たす再生アスファルト用添加剤に調製することが好ましい。
当該精製処理としては、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製等が挙げられるが、少なくとも溶剤抽出を施すことが好ましい。
ナフテン系鉱油(A)のナフテン分(%CN)としては、好ましくは20〜70、より好ましくは30〜55、更に好ましくは35〜53である。
ナフテン系鉱油(A)のパラフィン分(%CP)としては、好ましくは20〜60、より好ましくは30〜55、更に好ましくは35〜53である。
なお、本明細書において、芳香族分(%CA)、ナフテン分(%CN)、及びパラフィン分(%CP)は、ASTM D−3238環分析(n−d−M法)により測定した値を意味する。
当該ナフテン系鉱油(B1)の含有量としては、鉱油(B)の全量(100質量%)基準で、好ましくは40〜100質量%、より更に好ましくは50〜100質量%、更に好ましくは55〜100質量%、より更に好ましくは60〜100質量%である。
ナフテン系鉱油(B1)のナフテン分(%CN)としては、好ましくは5〜70、より好ましくは10〜50、更に好ましくは12〜40である。
ナフテン系鉱油(B1)のパラフィン分(%CP)としては、好ましくは20〜80、より好ましくは30〜75、更に好ましくは40〜70である。
本発明の再生アスファルト用添加剤の製造方法としては、特に制限は無いが、上記要件(1)〜(4)を満たす再生アスファルト用添加剤を得る観点から、下記工程(I)を有する製造方法が好ましい。
・工程(I):引火点250℃未満のナフテン系鉱油(A)と、引火点250℃以上の鉱油(B)とを配合する工程。
また、工程(I)において、ナフテン系鉱油(A)及び鉱油(B)以外の鉱油や、合成油、並びに、添加剤等を含有してもよい。
本発明の再生アスファルト用添加剤を、既に使用された劣化アスファルトに配合することで、アスファルトの針入度及び伸度を回復させることができ、再生アスファルト舗装材とすることができる。
前記劣化アスファルトとしては、既に1以上の再生処理が施された再生アスファルトの劣化物を含むものであってもよく、また、アスファルトと樹脂を含む改質アスファルトの劣化物を含むものであってもよい。
本発明の再生アスファルト用添加剤を配合することで、既に1以上の再生処理が施された再生アスファルトの劣化物や、改質アスファルトの劣化物といった劣化アスファルトに対しても再生効果が高く、針入度及び伸度を回復した再生アスファルト舗装材とすることができる。
・工程(i):加熱溶解した劣化アスファルトに、本発明の再生アスファルト用添加剤を添加し、混合する工程。
また、加熱溶解した劣化アスファルトの温度としては、好ましくは120〜200℃、より好ましくは130〜180℃、更に好ましくは140〜170℃である。
ASTM D445に準拠して40℃及び100℃動粘度を測定し、これらの値から、ASTM D2270に準拠して粘度指数を算出した。そして、算出した粘度指数から、160℃における動粘度を、ASTM D341に準拠して、算出した。
(2)引火点(COC)
JIS K 2265に準拠し、クリーブランド開放式(COC)法により測定した。
(3)PCA含有量
IP 346/92に準拠して測定した。
(4)アニリン点
JIS K 2256に準拠して測定した。
(5)芳香族分(%CA)、ナフテン分(%CN)、パラフィン分(%CP)
ASTM D−3238環分析(n−d−M法)により測定した。
ASTM D6352に準拠し、ガスクロマトグラフ法蒸留試験を行い、得られた蒸留曲線から、20体積%までの留分が得られる蒸留温度を求めた。そして、その蒸留温度で対象物を減圧蒸留した際に得られた留分を「初留点から留出量20体積%までの留出物」とし、上記の方法に準拠して、当該留出物の160℃における動粘度を算出した。
ナフテン系原油を減圧蒸留し、留分として、蒸留塔の塔頂から塔底へ向かい順に、第1留分から第4留分と残渣油とに分留した際の第3留分を、フルフラール溶剤を用いた溶剤精製を施して溶剤抽出したラフィネートである、ナフテン系鉱油。
・鉱油(a−2):
鉱油(a−1)を、さらにヘックマン式蒸留装置にて、軽質分/重質分=50/50(体積比)となるように蒸留した際の重質分である、ナフテン系鉱油。
・鉱油(b−1):
ナフテン系原油を減圧蒸留し、留分として、蒸留塔の塔頂から塔底へ向かい順に、第1留分から第4留分と残渣油とに分留した際の残渣油である、ナフテン系鉱油。
・鉱油(b−2):
ナフテン系原油を減圧蒸留し、留分として、蒸留塔の塔頂から塔底へ向かい順に、第1留分から第4留分と残渣油とに分留した際の残渣分を、フルフラール溶剤を用いた溶剤精製を施して溶剤抽出したラフィネートである、ナフテン系鉱油。
・鉱油(b−3):
ナフテン系原油を減圧蒸留し、留分として、蒸留塔の塔頂から塔底へ向かい順に、第1留分から第4留分と残渣油とに分留した際の第4留分を、フルフラール溶剤を用いた溶剤精製を施して溶剤抽出したラフィネートである、ナフテン系鉱油。
・鉱油(b−4):
パラフィン系原油を常圧蒸留した際の残渣油をさらに減圧蒸留し、留分として、蒸留塔の塔頂から塔底へ向かい順に、第1留分から第4留分と残渣油とに分留した際の第4留分を、水素化精製を施し、さらに溶剤脱ろうを施した、パラフィン系鉱油。
表2及び3に示すように、上述の鉱油(a−1)〜(a−2)及び(b−1)〜(b−4)から選ばれる2種以上を、表2及び3に示す組み合わせ及び配合量比で混合し、再生アスファルト用添加剤を調製した。
なお、これら2つの再生試験において、アスファルトの針入度は及び伸度は、以下の方法に基づき測定した。
<針入度>
JIS K 2207に準拠し、25℃におけるアスファルトの針入度(単位:1/10mm)を測定した。
<伸度>
JIS K 2207に準拠し、15℃におけるアスファルトの伸度(単位:cm)を測定した。
(1−1)劣化ストレートアスファルト(1)の調製
針入度が70のJIS K 2207規格の60−80ストレートアスファルトを180℃に保ったギヤ式恒温槽で10日間静置し、針入度を19まで低下させ、強制劣化ストレートアスファルトを得た。
そして、この針入度19の強制劣化ストレートアスファルトと、針入度70のJIS K 2207規格の60−80ストレートアスファルトを混合し、針入度37の劣化ストレートアスファルト(1)を調製した。
なお、劣化ストレートアスファルト(1)の伸度は4であった。
針入度37の劣化ストレートアスファルト(1)をなるべく泡が出ない様に、ゆっくり混ぜながら、160℃で加熱溶解させた後、表2及び3に記載の配合量の再生アスファルト用添加剤を添加し、混合し、再生アスファルト(1)を得た。
再生アスファルト(1)を以下の基準で評価し、F評価であった場合には試験を終了した。
・A:針入度が68〜72、且つ、伸度が100を超えており、再生効果が認められる。
・F:針入度が68未満、及び/又は、伸度が100以下であり、再生効果が認められない。
1回目の再生試験でA評価と判断された再生アスファルト(1)を室温(25℃)まで冷却した後、再び180℃に保ったギヤ式恒温槽に入れ、2回目の劣化処理を行い、針入度を48に低下させた劣化ストレートアスファルト(2)を得た。
針入度48の劣化ストレートアスファルト(2)をなるべく泡が出ない様に、ゆっくり混ぜながら、160℃で加熱溶解させた後、表2及び3に記載の配合量の再生アスファルト用添加剤を添加し、混合し、再生アスファルト(2)を得た。
再生アスファルト(2)を以下の基準で評価し、F評価であった場合には試験を終了した。
・A:針入度が68〜72、且つ、伸度が100を超えており、再生効果が認められる。
・F:針入度が68未満、及び/又は、伸度が100以下であり、再生効果が認められない。
2回目の再生試験でA評価と判断された再生アスファルト(2)を室温(25℃)まで冷却した後、再び180℃に保ったギヤ式恒温槽に入れ、3回目の劣化処理を行い、針入度を48に低下させた劣化ストレートアスファルト(3)を得た。
針入度48の劣化ストレートアスファルト(3)をなるべく泡が出ない様に、ゆっくり混ぜながら、160℃で加熱溶解させた後、表2及び3に記載の配合量の再生アスファルト用添加剤を添加し、混合し、再生アスファルト(3)を得た。
再生アスファルト(3)を以下の基準で評価した。
・A:針入度が68〜72、且つ、伸度が100を超えており、再生効果が認められる。
・F:針入度が68未満、及び/又は、伸度が100以下であり、再生効果が認められない。
(1)劣化改質アスファルトの調製
針入度50であり、ストレートアスファルト及び樹脂を含む改質II型アスファルト(参照:舗装施工便覧(平成18年版)日本道路協会発行)を180℃に保ったギヤ式恒温槽で10日間静置し、針入度を25まで低下させ、強制劣化改質アスファルトを得た。
そして、針入度25の強制劣化改質アスファルトと、針入度50の改質アスファルトとを混合し、針入度37のプレ劣化改質アスファルトを調製した。このプレ劣化改質アスファルトの伸度は41であった。
次いで、この針入度37のプレ劣化改質アスファルト30質量部と、上記(1−1)で調製した、針入度37の劣化ストレートアスファルト(1)70質量部とを混合し、針入度37の劣化改質アスファルト(1)を得た。なお、劣化改質アスファルト(1)の伸度は18であった。
針入度37の劣化改質アスファルト(1)をなるべく泡が出ない様に、ゆっくり混ぜながら、160℃で加熱溶解させた後、表2及び3に記載の配合量の再生アスファルト用添加剤を添加し、混合し、再生改質アスファルト(1)を得た。
再生改質アスファルト(1)を以下の基準で評価した。
・A:針入度が68〜72、且つ、伸度が100を超えており、再生効果が認められる。
・F:針入度が68未満、及び/又は、伸度が100以下であり、再生効果が認められない。
また、比較例5〜7で調製した再生アスファルト用添加剤は、引火点が低く、貯蔵や運搬、取り扱い性に問題がある。加えて、比較例8で調製した再生アスファルト用添加剤は、PCA含有量が多く、環境面での問題を有する。
Claims (8)
- 引火点250℃未満のナフテン系鉱油(A)と、引火点250℃以上の鉱油(B)とを含有し、
前記ナフテン系鉱油(A)と前記鉱油(B)との配合量比〔(A)/(B)〕が、質量比で、1/99〜60/40であり、
下記要件(1)〜(4)を満たす、再生アスファルト用添加剤。
・要件(1):多環芳香族炭化水素(PCA)の含有量が3質量%以下である。
・要件(2):引火点が250℃以上である。
・要件(3):40℃における動粘度が250〜2500mm2/sである。
・要件(4):前記再生アスファルト用添加剤を減圧蒸留した際の、初留点から留出量20体積%までの留出物の160℃における動粘度が3.50mm2/s未満である。 - ナフテン系鉱油(A)のアニリン点が90℃未満である、請求項1に記載の再生アスファルト用添加剤。
- ナフテン系鉱油(A)が、ナフテン系原油を減圧蒸留して得られた減圧留分に1以上の精製処理を施して得られたものである、請求項1又は2に記載の再生アスファルト用添加剤。
- 鉱油(B)が、パラフィン系原油及びナフテン系原油から選ばれる1種以上の原油を減圧蒸留して得られた減圧留分に1以上の精製処理を施して得られたものである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の再生アスファルト用添加剤。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の再生アスファルト用添加剤を、劣化アスファルトに配合してなる、再生アスファルト舗装材。
- 前記劣化アスファルトが、アスファルトと樹脂とを含む改質アスファルトの劣化物を含有する、請求項5に記載の再生アスファルト舗装材。
- 前記劣化アスファルトが、既に1以上の再生処理が施された再生アスファルトの劣化物を含む、請求項5に記載の再生アスファルト舗装材。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の再生アスファルト用添加剤を製造する製造方法であって、
引火点250℃未満のナフテン系鉱油(A)と、引火点250℃以上の鉱油(B)とを配合する工程を有する、再生アスファルト用添加剤の製造方法。
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