JP6534291B2 - アスファルト再生添加剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明はアスファルト再生添加剤組成物に関する。
アスファルト類の瀝青材料は道路舗装材として広く使用されている。舗装材料としては骨材や各種充填材にアスファルトを適量加熱混合したアスファルト混合物が使用される。舗装材料は経時的に紫外線、酸素、温度によって劣化した結果、アスファルトは針入度低下、軟化点上昇、粘度上昇することになる。これはアスファルト混合物中のアスファルトの酸化劣化及び組成が変化することによるものであり、舗装面の亀裂、砕石の飛散等の現象が発生する原因となる。
このような現象に対応するため、舗装面の改修、敷き直しが必要になり、大量の廃アスファルト混合物が発生する。回収された廃アスファルト混合物は洗浄、粒度調整し、新アスファルト混合物と混合し舗装材として使用されるが、この際、劣化アスファルトの組成・性状を回復させるために再生添加剤が使用されている。廃アスファルト混合物の再生添加剤については、既に下記特許文献1〜3などが提案されている。しかし、これらの技術は、ストレートアスファルトの再生材に対しては、廃アスファルトに対して3〜5質量%程度添加することにより効果が認められるものの、再生材に改質アスファルトが多量に混入した場合や極度に劣化が進行した場合には再生効果が大幅に低下するため、廃アスファルトに対して15質量%以上の添加が必要となる。
かかる廃アスファルト再生添加剤として性能を確保するため低粘度、高芳族分の石油系鉱油の混合物が使用されていたが、平成22年11月に改定された社団法人日本道路協会の「舗装再生便覧」で規定された「再生用添加剤の標準的性状」に準拠し、且つ、環境安全性の観点から、低芳香族化を図る必要がある。しかし、低粘度化することによる引火点の低下、低芳香族化することによる再生効果の低下等の課題を解決しなければならない。
特開2009−221381号公報 特開2006−233130号公報 特開2005−154469号公報
本発明は、このような状況下、従来の再生添加剤と比較し、貯蔵・取扱い安全性、環境安全性はもとより、改質アスファルトが混入した劣化アスファルトや極度に劣化したアスファルトに対しての再生効果を向上させることにより、アスファルト舗装廃材の活用を更に推進し、省資源化を可能にするアスファルト再生添加剤を提供することを目的とする。
本発明者等はこのような状況下で、前記課題を達成するため鋭意研究を重ねた結果、所定の鉱油および植物油に、アルキルベンゼンおよび/またはアルキルナフタレンを所定量配合することにより、動粘度、引火点、薄膜加熱試験後の粘度比、質量変化率が「再生用添加剤の標準的性状」の範囲内であり、且つ、芳香族分、特に多環芳香族分を低減できる再生添加剤を見出した。
すなわち、本発明は、(A)中東系原油またはナフテン系原油から得られる60℃における動粘度が80mm/s以下の減圧蒸留油5〜40質量%、(B)中東系原油またはナフテン系原油から得られる60℃における動粘度が150mm/s以上の減圧蒸留油20〜60質量%、(C)植物油10〜50質量%、および(D)60℃における動粘度が1〜50mm/s、アニリン点が80℃以下のアルキルベンゼンおよび/またはアルキルナフタレン5〜30質量%を含有してなるアスファルト再生添加剤組成物に関する。
また、本発明は、芳香族分が15質量%以下、多環芳香族分が3質量%以下、引火点が250℃以上、60℃における動粘度が80〜100mm/s、アニリン点が85℃以下、流動点が−15℃以下であることを特徴とする前記アスファルト再生添加剤組成物に関する。
また、本発明は、廃アスファルト組成物100質量部に、前記アスファルト再生添加剤組成物2〜20質量部を添加してなる再生アスファルト組成物に関する。
本発明のアスファルト再生添加剤組成物は、前述した日本道路協会の「舗装再生便覧」で規定された「再生用添加剤の標準的性状」に準拠していることは勿論のこと、冬季・寒冷地での取り扱いを容易にし、また、極度に劣化した廃アスファルトや改質アスファルトが混入した廃アスファルトとの相互溶解性を向上させ、再生性能を高めることができるため、添加剤の削減が図れ、経済的に優位なばかりではなく、舗装面からの砕石の飛散、舗装面のひび割れなどの問題もなく、動的安定度についても新アスファルト舗装材とほぼ同等な再生アスファルトを提供することが可能となる。
以下、本発明について詳述する。
本発明のアスファルト再生添加剤組成物における(A)成分は、中東系原油またはナフテン系原油から得られる60℃における動粘度(以下、60℃動粘度とも記す。)が80mm/s以下の減圧蒸留油である。
(A)成分は、中東系原油またはナフテン系原油を常圧蒸留して得られる残渣油を減圧蒸留して留出する潤滑油留分を溶剤精製および/または水素化精製して得られる。
溶剤精製は、上記潤滑油留分を、ケトン類、フルフラール等の芳香族系抽出溶剤に接触させることにより行われる。
水素化精製は、上記潤滑油留分を、水素化触媒の存在下、水素化処理条件下で水素と接触させることにより行われる。水素化精製触媒としては、コバルト、モリブデン、ニッケル、クロム、タングステン、白金、パラジウム等の1種または2種以上の金属の酸化物および/または硫化物、あるいはさらに還元ニッケル等の水素化活性成分をアルミナ、シリカ−アルミナ等の無機酸化物に担持したものが用いられる。
(A)成分の減圧蒸留油の60℃動粘度は80mm/s以下であり、好ましくは70mm/s以下である。下限については特に限定はないが、30mm/s以上であることが好ましく、40mm/s以上がより好ましい。
本発明のアスファルト再生添加剤組成物における(A)成分の配合割合は、添加剤全量基準で5〜40質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。(A)成分の配合割合が5質量%未満の場合は粘度および流動点が高くなり冬季・寒冷地においての作業性が低下するため好ましくない。さらに、アニリン点も上昇し再生アスファルトとの相溶性が低下することになる。一方、40質量%を超えると引火点が低下し、消防法に定められた危険物としての取り扱いの必要があり、さらに、再生合材の安定度が低下することになり好ましくない。
本発明のアスファルト再生添加剤組成物における(B)成分は、中東系原油またはナフテン系原油から得られる60℃動粘度が150mm/s以上の減圧蒸留油である。
(B)成分は、中東系原油またはナフテン系原油を常圧蒸留して得られる残渣油を減圧蒸留することにより得られる。
(B)成分の減圧蒸留油の60℃動粘度は150mm/s以上であり、好ましくは200mm/s以上である。上限については特に限定はないが、20000mm/s以下であることが好ましく、18000mm/s以下がより好ましい。
本発明のアスファルト再生添加剤組成物における(B)成分の配合割合は、添加剤全量基準で20〜60質量%であり、好ましくは25〜55質量%である。(B)成分の配合割合が20質量%未満の場合は引火点が低下し、消防法に定められた危険物としての取り扱いの必要があり、さらに、再生合材の安定度が低下することになり好ましくない。さらに、アニリン点も上昇し再生アスファルトとの相溶性が低下することになる。一方、60質量%を超えると粘度および流動点が高くなり、冬季・寒冷地においての作業性が低下することになり作業効率上好ましくない。
本発明のアスファルト再生添加剤組成物は、(C)成分として植物油を含有する。
植物油としては、菜種油、綿実油、大豆油、ゴマ油、パーム油等の各種天然植物油を挙げることができ、これらの2種以上を混合して用いても良い。なお植物油には、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の脂肪酸が含まれていることから、本発明においては、(C)成分として植物油に替え、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の各種脂肪酸を単独で若しくは混合して用いることができる。
(C)成分の60℃動粘度は15mm/s以上であることが好ましく、より好ましくは20〜50mm/sである。
本発明のアスファルト再生添加剤組成物における(C)成分の配合割合は、添加剤全量基準で10〜50質量%であり、好ましくは20〜40質量%である。(C)成分の配合割合が10質量%未満の場合はアニリン点も上昇し再生アスファルトとの相互溶解性が低下することになり、50質量%を超えると前述した再生添加剤の標準性状に適合しないことになり好ましくない。
本発明のアスファルト再生添加剤組成物における(D)成分は、60℃動粘度が1〜50mm/s、アニリン点が80℃以下のアルキルベンゼンおよび/またはアルキルナフタレンである。
(D)成分を配合することにより、劣化アスファルト中のレジン分との相溶性を向上させ、廃アスファルトの再生効果を向上させることができる。
(D)成分のアルキルベンゼンとしては、60℃動粘度が1〜50mm/s、好ましくは2〜30mm/s、より好ましくは5〜20mm/sであり、アニリン点が80℃以下、好ましくは20℃〜75℃である。
(D)成分のアルキルナフタレンとしては、60℃動粘度が5〜50mm/sのものが好ましく、より好ましくは10〜50mm/sであり、アニリン点が80℃以下、好ましくは20〜75℃である。
アルキル基の炭素数については特に限定はないが、上記の60℃動粘度およびアニリン点を満たす必要があることから、通常10〜20である。
(D)成分の含有量は5〜30質量%であり、好ましくは8〜25質量%である。(D)成分の含有量が5質量%未満の場合はアスファルト中の樹脂成分との相溶性が低下するため、再生効果の向上を実現することができない。一方、30質量%を超えるとアスファルト組成物の安定性が低下することや設備のシール材への影響ため好ましくない。
本発明のアスファルト再生添加剤組成物は、前記(A)〜(D)成分を混合することによって得られる。
本発明のアスファルト再生添加剤組成物は、作業環境の観点から芳香族分が15質量%以下、多環芳香族分が3質量%以下、また、引火点が250℃以上、60℃動粘度が80〜100mm/s、アニリン点が85℃以下、流動点が−15℃以下の性状を有するものであることが好ましい。
本発明のアスファルト再生添加剤組成物の芳香族分は15質量%以下であることが好ましい。また、多環芳香族分は3質量%以下であることが好ましく、より好ましくは1質量%以下である。
芳香族分が15質量%を超えると作業環境安全性の観点から好ましくない。特にEU基準におけるIP346法による多環芳香族成分については、発がん性の問題があり、3質量%以下にすることが好ましい。
本発明のアスファルト再生添加剤組成物の60℃動粘度は80〜100mm/sであることが好ましく、より好ましくは85〜95mm/sである。また、引火点は250℃以上であることが好ましく、より好ましくは260℃以上である。
一般に石油系鉱油は粘度が低下すると引火点も低下する傾向であるが、本発明においては、(A)成分および(B)成分を基材とし、さらに低粘度で高引火点の(C)植物油を配合することにより、この課題を解決し得る。
本発明のアスファルト再生添加剤組成物のアニリン点は85℃以下であることが好ましく、より好ましくは40〜75℃である。
一般にアニリン点を低下させるためには、芳香族分含量が20質量%を超えることになり、多環芳香族分を3質量%以下にすることが困難であり、環境安全性の問題が生ずる。この問題を解決するために本発明者等は(C)植物油を配合することにより、芳香族分15質量%以下であるにもかかわらず、アニリン点を85℃以下とすることを実現したものである。
アニリン点を85℃以下にすることにより、極度に劣化した廃アスファルトや改質アスファルトが混入した廃アスファルトとの相互溶解性を向上させ、再生性能を高めることができ、再生効果の向上により、添加剤の削減が図れ、経済的に優位なばかりではなく、製造したアスファルト合材の動的安定度低下防止に効果がある。
本発明のアスファルト再生添加剤組成物の流動点は−15℃以下であることが好ましく、より好ましくは−20℃以下である。流動点を−15℃以下にすることにより、冬季寒冷地においての作業性の向上に繋がる。
また、本発明のアスファルト再生添加剤組成物のJIS−K−2207に準拠した薄膜加熱試験後の質量変化は±3%以内で、60℃の粘度変化は2以下であることが好ましい。
なお、本発明において、動粘度、引火点、アニリン点、流動点、芳香族分、多環芳香族分、針入度については、それぞれJIS−K−2283、JIS−K−2265、JIS−K−2256、JIS−K−2269、ASTMD−3238、IP346/92およびJIS−K−2207に準拠し測定したものである。
本発明のアスファルト再生添加剤組成物は、舗装材から回収された廃アスファルトの再生に供される。この廃アスファルト舗装材中のアスファルトは、近年、再生材を使用したものや改質アスファルトが混入しているため、新アスファルトと比較し大幅に針入度が低下している。すでに提案されている再生添加剤は、一般に、廃アスファルトの針入度が20以上に適しており、20未満では、廃アスファルトに対しての添加量10質量%以上必要となり、舗装材としての性能が低下することになる。しかし、本発明の添加剤は、針入度20以上はもとより、針入度20未満の廃アスファルトの再生をも可能としたものである。
本発明のアスファルト再生添加剤組成物は、廃アスファルト中のアスファルト成分100質量部に対し、2〜20質量部配合することが好ましく、より好ましくは5〜15質量部である。配合量が2質量部より少ないと針入度、軟化点の回復効果が十分に得られず、20質量部より多いとアスファルト組成物の安定度が低下するため好ましくない。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(a)中東系原油の常圧蒸留により得られた350℃以上の常圧残渣油をさらに30〜100mmHgの減圧下で減圧蒸留して得られた減圧沸点320〜380℃の留分を水素化精製して得られた60℃動粘度が45.2mm/sの鉱油を10質量部、(b)ナフテン系原油の常圧蒸留により得られた350℃以上の常圧残渣油をさらに50〜150mmHgの減圧下で減圧蒸留した残渣油をフルフラール処理して得られた60℃動粘度が17100mm/sの鉱油を30質量部、(c)60℃動粘度が21.0mm/sの大豆油を50質量部、および(d)60℃動粘度15.2mm/s、アニリン点42℃のアルキルナフタレンを10質量部混合してアスファルト再生添加剤組成物を製造した。得られた組成物の芳香族分は10.5質量%、多環芳香族分は0.4質量%、引火点は256℃、60℃動粘度は83.6mm/s、アニリン点は62℃、流動点は−22.5℃であった。
(実施例2)
(a)中東系原油の常圧蒸留により得られた350℃以上の常圧残渣油をさらに30〜100mmHgの減圧下で減圧蒸留して得られた減圧沸点350〜420℃の留分を水素化精製して得られた60℃動粘度が61.2mm/sの鉱油を20質量部、(b)ナフテン系原油の常圧蒸留により得られた350℃以上の常圧残渣油をさらに50〜150mmHgの減圧下で減圧蒸留した残渣油をフルフラール処理して得られた60℃動粘度が512mm/sの鉱油を40質量部、(c)60℃動粘度が46.2mm/sの大豆油とパーム油の混合物を30質量部、および(d)60℃動粘度11.8mm/s、アニリン点58℃のアルキルベンゼンを10質量部混合してアスファルト再生添加剤組成物を製造した。得られた組成物の芳香族分は12.3質量%、多環芳香族分は0.5質量%、引火点は266℃、60℃動粘度は87.5mm/s、アニリン点は70℃、流動点は−22.5℃であった。
(実施例3)
(a)中東系原油の常圧蒸留により得られた350℃以上の常圧残渣油をさらに30〜100mmHgの減圧下で減圧蒸留して得られた減圧沸点300〜350℃の留分を水素化精製して得られた60℃動粘度が38.2mm/sの鉱油を25質量部、(b)ナフテン系原油の常圧蒸留により得られた350℃以上の常圧残渣油をさらに50〜150mmHgの減圧下で減圧蒸留した残渣油をフルフラール処理して得られた60℃動粘度が521mm/sの鉱油を50質量部、(c)60℃動粘度が21.0mm/sの菜種油と大豆油の混合物を10質量部、および(d)60℃動粘度30.4mm/s、アニリン点60℃のアルキルナフタレンを15質量部混合してアスファルト再生添加剤組成物を製造した。得られた組成物の芳香族分は13.2質量%、多環芳香族分は0.7質量%、引火点は272℃、60℃動粘度は89.5mm/s、アニリン点は73℃、流動点は−20℃であった。
(比較例1)
実施例1においてアルキルナフタレンを配合しなかったことを除いては、実施例1と同様にしてアスファルト再生添加剤組成物を製造した。得られた組成物の芳香族分は15.5質量%、多環芳香族分は0.7質量%、引火点は262℃、60℃動粘度は101.0mm/s、アニリン点は89℃、流動点は−15.0℃であった。
(比較例2)
実施例2においてアルキルベンゼンを配合しなかったことを除いては、実施例2と同様にしてアスファルト再生添加剤組成物を製造した。得られた組成物の芳香族分は18.0質量%、多環芳香族分は1.1質量%、引火点は278℃、60℃動粘度は126.0mm/s、アニリン点は92℃、流動点は−12.5℃であった。
(比較例3)
(a)中東系原油の常圧蒸留により得られた350℃以上の常圧残渣油をさらに30〜100mmHgの減圧下で減圧蒸留して得られた減圧沸点300〜350℃の留分を水素化精製して得られた60℃動粘度が38.2mm/sの鉱油を10質量部、(b)ナフテン系原油の常圧蒸留により得られた350℃以上の常圧残渣油をさらに50〜150mmHgの減圧下で減圧蒸留した残渣油をフルフラール処理して得られた60℃動粘度が520mm/sの鉱油を40質量部、および(c)60℃動粘度が21.0mm/sの大豆油を50質量部混合してアスファルト再生添加剤組成物を製造した。得られた組成物の芳香族分は18.5質量%、多環芳香族分は2.7質量%、引火点は258℃、60℃動粘度は81.2mm/s、アニリン点は86℃、流動点は−12.5℃であった。
(比較例4)
(a)中東系原油の常圧蒸留により得られた350℃以上の常圧残渣油をさらに30〜100mmHgの減圧下で減圧蒸留して得られた減圧沸点350〜420℃の留分を水素化精製して得られた60℃動粘度が61.2mm/sの鉱油を25質量部、(b)ナフテン系原油の常圧蒸留により得られた350℃以上の常圧残渣油をさらに50〜150mmHgの減圧下で減圧蒸留した残渣油をフルフラール処理して得られた60℃動粘度が2610mm/sの鉱油を50質量部、および(c)60℃動粘度が21.0mm/sの菜種油と大豆油の混合物を25質量部混合してアスファルト再生添加剤組成物を製造した。得られた組成物の芳香族分は18.2質量%、多環芳香族分は3.1質量%、引火点は278℃、60℃動粘度は82.5mm/s、アニリン点は85℃、流動点は−15.0℃であった。
(添加剤の再生効果の確認試験1)
廃アスファルト混合物より溶剤回収した針入度20、軟化点68℃のアスファルト100質量部に、実施例1〜3および比較例1〜4で製造した再生添加剤組成物10質量部を添加した結果を表1に示す。
Figure 0006534291
(添加剤の再生効果の確認試験2)
改質II型アスファルトを165℃で96時間撹拌し、加熱劣化させた、針入度が16、軟化点が78℃のアスファルト100質量部に、実施例1〜3および比較例1〜4で製造した再生添加剤組成物10質量部を添加した結果を表2に示す。
Figure 0006534291
(添加剤の再生効果の確認試験3)
廃アスファルト混合物より溶剤回収した針入度20、軟化点68℃のアスファルト50質量%と60−80ストレートアスファルトを50質量%混合したアスファルトに実施例1〜3および比較例1〜2の再生添加剤を所定量添加し、アスファルト量5.8質量%の再生密粒度アスファルト混合物を製造した。本混合物でマーシャル供試体を成型し、圧裂係数を測定した。マーシャル供試体成型条件は突固温度140±3℃、突固回数両面75回である。測定結果を表3および表4に示す。
Figure 0006534291
Figure 0006534291
実施例1〜3に示した本発明の再生添加剤は社団法人日本道路協会が定めた「再生添加剤の標準性状」に合致しており、且つ、比較例3〜4に示したような従来提案されている再生添加剤と比較し、表1、表2のとおり、針入度および軟化点の回復効果が大きく、再生能力が優れている。また、マーシャル供試体による圧裂係数の測定結果では、設計圧裂係数0.6MPa/mmの場合、実施例1〜3の再生添加剤では、アスファルトに対し添加量2.6〜2.7質量%であり、比較例1〜4の再生添加剤添加量3.6〜4.0質量%と比較し、大幅に添加量の削減が可能である。更に、設計圧裂係数0.9MPa/mmの場合、実施例1〜3の再生添加剤では、アスファルトに対し添加量1.7〜1.9質量%であり、比較例1〜4の再生添加剤添加量2.4〜2.8質量%と比較し、大幅に添加量の削減が可能である。
本発明は、アスファルト舗装廃材の活用を推進し、省資源化を可能にするため産業上の利用価値は大きい。

Claims (2)

  1. (A)中東系原油またはナフテン系原油から得られる60℃における動粘度が80mm/s以下の減圧蒸留油5〜40質量%、(B)中東系原油またはナフテン系原油から得られる60℃における動粘度が150mm/s以上の減圧蒸留油20〜60質量%、(C)植物油10〜50質量%、および(D)60℃における動粘度が1〜50mm/s、アニリン点が80℃以下のアルキルベンゼンおよび/またはアルキルナフタレン5〜30質量%を含有してなる、芳香族分が15質量%以下、多環芳香族分が3質量%以下、引火点が250℃以上、60℃における動粘度が80〜100mm /s、アニリン点が85℃以下、流動点が−15℃以下であることを特徴とするアスファルト再生添加剤組成物。
  2. 廃アスファルト組成物100質量部に、請求項1記載のアスファルト再生添加剤組成物2〜20質量部を添加してなる再生アスファルト組成物。
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