以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、同一の構成には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
実施の形態1.
図1から図8を参照して、実施の形態1に係る半導体デバイス12の製造方法を説明する。
図1及び図2を参照して、本実施の形態に係る半導体デバイス12の製造方法は、ウエハ11の主面11aの第1の領域15に、複数の半導体デバイス12を形成すること(S11)を備える。複数の半導体デバイス12は、第1の方向(例えば、x方向)と、第1の方向に交差する第2の方向(例えば、y方向)とに沿って配列されている。特定的には、第2の方向は、第1の方向に直交してもよい。ウエハ11の材料は、特に制限はないが、リン化インジウム(InP)、砒化ガリウム(GaAs)または窒化ガリウム(GaN)であってもよい。
複数の半導体デバイス12は、各々、半導体層、絶縁層及び電極を含んでもよい。例えば、スパッタ法、真空蒸着法または化学気相成長(CVD)法などを用いて、ウエハ11の主面11a上に半導体層、絶縁層及び電極が堆積されて、複数の半導体デバイス12が形成されてもよい。本実施の形態では、半導体デバイス12は、導波路型半導体レーザのような半導体レーザであり、活性領域13を含んでいる。複数の半導体デバイス12を分割することによって得られる複数の半導体デバイス12の各々の活性領域13から、光が放射される。ウエハ11を劈開すること(S14)によって複数の半導体デバイス12の各々に形成されるの一対の劈開面は、半導体レーザの共振器として機能してもよい。半導体デバイス12は、短い共振器長さを有する半導体レーザであってもよい。短い共振器長さは、300μm以下であってもよく、250μm以下であってもよい。短い共振器長さは、100μm以上であってもよく、150μm以上であってもよい。半導体デバイス12は、半導体レーザに限られず、例えば、発光ダイオード、トランジスタまたはダイオードであってもよい。
図1から図6を参照して、本実施の形態に係る半導体デバイス12の製造方法は、第1の領域15とは異なる主面11aの第2の領域16に複数の劈開起点部(20a−20g)を形成すること(S12)を備える。特定的には、複数の劈開起点部(20a−20g)は、複数の第1の溝20a−20gであってもよい。複数の劈開起点部(20a−20g)は、第2の方向に沿って配置されている。複数の第1の溝20a−20gは、第2の方向に沿って配置されている。複数の劈開起点部(20a−20g)は、各々、第1の方向に沿って延在している。複数の第1の溝20a−20gは、各々、第1の方向に沿って延在している。第2の方向に沿って配置される複数の第1の溝20a−20gの数は、7対に限られない。
複数の劈開起点部(20a−20g)は、それぞれ、複数の分割基準線71−77上に配置されている。複数の第1の溝20a−20gは、それぞれ、複数の分割基準線71−77上に配置されている。本明細書において、複数の分割基準線71−77は、ウエハ11を分割する基準となる線を意味する。具体的には、第1の溝20aは、分割基準線71上に配置されている。第1の溝20bは、分割基準線72上に配置されている。第1の溝20cは、分割基準線73上に配置されている。第1の溝20dは、分割基準線74上に配置されている。第1の溝20eは、分割基準線75上に配置されている。第1の溝20fは、分割基準線76上に配置されている。第1の溝20gは、分割基準線77上に配置されている。複数の分割基準線71−77は、第1の方向に平行であってもよい。複数の分割基準線71−77及び第1の方向は、ウエハ11の劈開面に平行であってもよい。
複数の劈開起点部(20a−20g)は、第1の方向において第1の領域15の一方側と他方側とに配置されてもよい。複数の第1の溝20a−20gは、第1の方向において第1の領域15の一方側と他方側とに配置されてもよい。第1の領域15は、第1の方向において、第1の領域15の一方側に配置された複数の第1の溝20a−20gと他方側に配置された複数の第1の溝20a−20gとの間に位置している。第1の領域15の一方側に配置された複数の第1の溝20a−20gは、それぞれ、第1の領域15から第1の等距離間隔離れてもよい。第1の領域15の他方側に配置された複数の第1の溝20a−20gは、それぞれ、第1の領域15から第2の等距離間隔離れてもよい。第2の等距離間隔は、第1の等距離間隔に等しくてもよい。
第1の領域15の一方側に配置された複数の第1の溝20a−20gと、第1の領域15の他方側に配置された複数の第1の溝20a−20gとは、第1の方向に沿って配置されている。第1の領域15の一方側に配置された複数の第1の溝20a−20gの各々と、第1の領域15の他方側に配置された複数の第1の溝20a−20gの各々とは、同一の分割基準線71−77上に配置されている。具体的には、第1の領域15の一方側に配置された第1の溝20aと、第1の領域15の他方側に配置された第1の溝20aとは、分割基準線71上に配置されている。第1の領域15の一方側に配置された第1の溝20bと、第1の領域15の他方側に配置された第1の溝20bとは、分割基準線72上に配置されている。第1の領域15の一方側に配置された第1の溝20cと、第1の領域15の他方側に配置された第1の溝20cとは、分割基準線73上に配置されている。第1の領域15の一方側に配置された第1の溝20dと、第1の領域15の他方側に配置された第1の溝20dとは、分割基準線74上に配置されている。第1の領域15の一方側に配置された第1の溝20eと、第1の領域15の他方側に配置された第1の溝20eとは、分割基準線75上に配置されている。第1の領域15の一方側に配置された第1の溝20fと、第1の領域15の他方側に配置された第1の溝20fとは、分割基準線76上に配置されている。第1の領域15の一方側に配置された第1の溝20gと、第1の領域15の他方側に配置された第1の溝20gとは、分割基準線77上に配置されている。
複数の劈開起点部(20a−20g)は、第1の方向において第1の領域15の一方側だけに配置されてもよいし、第1の方向において第1の領域15の他方側だけに配置されてもよい。複数の第1の溝20a−20gが形成されるウエハ11の第2の領域16の面積が減少され得て、複数の半導体デバイス12が形成される第1の領域15の面積が増加され得る。そのため、半導体デバイス12の収率は向上され得る。
複数の劈開起点部(20a−20g)は、互いに異なる劈開され難さを有している。特定的には、複数の第1の溝20a−20gの第1の深さ22a−22g及び第1の長さ23a−23gの少なくとも1つは互いに異なる。第1の深さ22a−22gは、主面11aに垂直な第3の方向(例えば、z方向)における複数の第1の溝20a−20gの長さである。第1の長さ23a−23gは、第1の方向における複数の第1の溝20a−20gの長さである。相対的に小さな第1の深さ22a−22gを有する第1の溝20a−20gは、相対的に大きな第1の深さ22a−22gを有する第1の溝20a−20gよりも劈開され難い。相対的に小さな第1の長さ23a−23gを有する第1の溝20a−20gは、相対的に大きな第1の長さ23a−23gを有する第1の溝20a−20gよりも劈開され難い。本実施の形態では、複数の第1の溝20a−20gの第1の深さ22a−22gは互いに異なる。複数の第1の溝20a−20gの第1の深さ22a−22gは、例えば、5μm以上50μm以下であってもよい。5μm以上の第1の深さ22a−22gを有する複数の第1の溝20a−20gは、それぞれ、複数の劈開起点部(20a−20g)として機能し得る。50μm以下の第1の深さ22a−22gを有する複数の第1の溝20a−20gは、ウエハプロセス中に、ウエハ11が割れることを防止し得る。
特定的には、第1の溝20dは、第2の方向における第1の領域15の一方の端部15aと、第2の方向における第1の領域15の他方の端部15bとの中間に位置する分割基準線74上に配置されている。第1の溝20bは、第2の方向における第1の領域15の一方の端部15aと分割基準線74との中間に位置する分割基準線72上に配置されている。第1の溝20fは、第2の方向における第1の領域15の他方の端部15bと分割基準線74との中間に位置する分割基準線76上に配置されている。第1の溝20aは、第2の方向における第1の領域15の一方の端部15aと分割基準線72との中間に位置する分割基準線71上に配置されている。第1の溝20cは、分割基準線72と分割基準線74との中間に位置する分割基準線73上に配置されている。第1の溝20eは、分割基準線76と分割基準線74との中間に位置する分割基準線75上に配置されている。第1の溝20gは、第2の方向における第1の領域15の他方の端部15bと分割基準線76との中間に位置する分割基準線77上に配置されている。
第1の溝20dの第1の深さ22d及び第1の長さ23dの少なくとも1つは、第1の溝20a−20c,20e−20gの第1の深さ22a−22c,22e−22g及び第1の長さ23a−23c,23e−23gの少なくとも1つよりも小さい。本実施の形態では、第1の溝20dの第1の深さ22dは、第1の溝20a−20c,20e−20gの第1の深さ22a−22c,22e−22gよりも小さい。第1の溝20dは、第1の溝20a−20c,20e−20gよりも劈開され難い。第1の溝20b,20fの第1の深さ22b,22f及び第1の長さ23b,23fの少なくとも1つは、第1の溝20a,20c,20e,20gの第1の深さ22a,22c,22e,22g及び第1の長さ23a,23c,23e,23gの少なくとも1つよりも小さい。本実施の形態では、第1の溝20b,20fの第1の深さ22b,22fは、第1の溝20a,20c,20e,20gの第1の深さ22a,22c,22e,22gよりも小さい。第1の溝20b,20fは、第1の溝20dよりも劈開され易く、かつ、第1の溝20a,20c,20e,20gよりも劈開され難い。第1の溝20a,20c,20e,20gは、それぞれ、第1の溝20b,20d,20fよりも劈開され易い。第1の溝20b,20fは、互いに等しい第1の深さ22b,22dを有してもよい。第1の溝20a,20c,20e,20gは、互いに等しい第1の深さ22a,22c,22e,22gを有してもよい。
複数の第1の溝20a−20gの第1の長さ23a−23gは、互いに同じであってもよい。複数の第1の溝20a−20gの第1の長さ23a−23gは、500μm以上であってもよく、ウエハ11の直径の1%以上であってもよく、ウエハ11の直径の2%以上であってもよい。複数の第1の溝20a−20gの第1の長さ23a−23gは、ウエハ11の直径の10%以下であってもよく、5%以下であってもよい。
複数の第1の溝20a−20gの第1の幅21a−21gは、互いに同じであってもよい。複数の第1の溝20a−20gの第1の幅21a−21gは、互いに異なってもよい。具体的には、第1の溝20dの第1の幅21dは、第1の溝20a−20c,20e−20gの第1の幅21a−21c,21e−21gより小さくてもよい。第1の溝20b,20fの第1の幅21b,21fは、第1の溝20a,20c,20e,20gの第1の幅21a,21c,21e,21gより小さくてもよい。第1の溝20b,20fは、互いに等しい第1の幅21b,21dを有してもよい。第1の溝20a,20c,20e,20gは、互いに等しい第1の幅21a,21c,21e,21gを有してもよい。
図3に示されるように、本実施の形態では、第1の方向に直交する断面において、複数の第1の溝20a−20gは、各々、V字形状を有する底部24を含んでもよい。複数の第1の溝20a−20gの各々は、ウエハ11の主面11aに実質的に垂直に延在する側面と、この側面に接続されかつV字形状を有する底部24とを含んでもよい。図4に示されるように、複数の第1の溝20a−20gは、各々、V字形状を有する底部24を含み、かつ、ウエハ11の主面11aから第1の溝の各々の底部24まで傾斜する側面を含んでもよい。図5に示されるように、複数の第1の溝20a−20gは、平坦な底部を有してもよい。複数の第1の溝20a−20gの各々は、ウエハ11の主面11aに実質的に垂直に延在する側面と、この側面に接続されかつウエハ11の主面11aに実質的に平行に延在する底部とを含んでもよい。
図1から図6を参照して、複数の劈開起点部(20a−20g)を形成することは、第2の領域16の一部をエッチングすることによって複数の第1の溝20a−20gを形成することを含む。例えば、ウエハ11の第2の領域16の一部をドライエッチングすることによって、複数の第1の溝20a−20gがウエハ11の第2の領域16に形成されてもよい。ウエハ11は、例えば、反応性イオンエッチング(RIE)法または誘導結合プラズマ(ICP)エッチング法のようなドライエッチング法によってエッチングされてもよい。ウエハ11の第2の領域16の一部をウェットエッチングすることによって、複数の第1の溝20a−20gがウエハ11の第2の領域16に形成されてもよい。ウエハ11は、例えば、フッ酸(HF)、水酸化カリウム(KOH)、塩酸(HCl)、臭化水素(HBr)、硫酸(H2SO4)及び硝酸(HNO3)の少なくとも1つを含むエッチング液を用いてエッチングされてもよい。ウエハ11の第2の領域16の一部をドライエッチングし、それからウェットエッチングすることによって、複数の第1の溝20a−20gがウエハ11の第2の領域16に形成されてもよい。
具体的には、図6に示されるように、ウエハ11の主面11a上に、複数の開口部17a−17gを有するマスク17が形成される。マスク17は、特に限定されないが、SiO2膜であってもよい。複数の開口部17a−17gの幅は、互いに同じであってもよい。複数の開口部17a−17gの幅は、第1の方向における複数の開口部17a−17gの長さである。複数の開口部17a−17gの幅は、互いに異なってもよい。具体的には、マスク17の開口部17dの幅は、マスク17の開口部17a,17c,17e,17gの幅より小さくてもよい。マスク17の開口部17b,17fの幅は、マスク17の開口部17a,17c,17e,17gの幅より小さくてもよい。マスク17の開口部17b,17fの幅は、互いに等しくてもよい。マスク17の開口部17a,17c,17e,17gの幅は、互いに等しくてもよい。
ドライエッチング法によって、マスク17の複数の開口部17a−17gから露出したウエハ11の部分をエッチングして、複数の第1の溝20a−20gは形成される。マスク17の複数の開口部17a−17gの幅が大きいほど、ウエハ11のエッチングレートは増加し、より深い第1の溝20a−20gが形成される。具体的には、マスク17の開口部17b,17fの幅はマスク17の開口部17dの幅より大きいため、第1の溝20b,20fの第1の深さ22b,22fは第1の溝20dの第1の深さ22dよりも大きい。マスク17の開口部17a,17c,17e,17gの幅はマスク17の開口部17b,17fの幅より大きいため、第1の溝20a,20c,20e,20gの第1の深さ22a,22c,22e,22gは第1の溝20b,20fの第1の深さ22b,22fよりも大きい。こうして、第1の深さ22a−22gが互いに異なる複数の第1の溝20a−20gが一度に形成され得る。
それから、ウェットエッチング法によって、ウエハ11はさらにエッチングされる。エッチングレートが面方位に依存するエッチング液を用いてウエハ11をエッチングすることによって、V字形状を有する底部24を含む複数の第1の溝20a−20gが形成されてもよい。こうして、図3に示される複数の第1の溝20a−20gが形成され得る。
本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法は、複数の劈開起点部(20a−20g)のうち相対的に劈開され難い劈開起点部(例えば、劈開起点部(20d))から順に、複数の劈開起点部(20a−20g)を起点としてウエハ11を劈開すること(S14)を備える。特定的には、複数の第1の溝20a−20gのうち第1の深さ22a−22g及び第1の長さ23a−23gの少なくとも1つが相対的に小さい第1の溝(例えば、第1の溝20d)から順に、複数の第1の溝20a−20gを起点としてウエハ11は劈開される。複数の第1の溝20a−20gのうち第1の深さ22a−22g及び第1の長さ23a−23gの少なくとも1つが最も小さい第1の溝(例えば、第1の溝20d)から、複数の第1の溝20a−20gのうち第1の深さ22a−22g及び第1の長さ23a−23gの少なくとも1つが最も大きい第1の溝(例えば、第1の溝20a,20c,20e,20g)まで、第1の深さ22a−22g及び第1の長さ23a−23gの少なくとも1つの順に、複数の第1の溝20a−20gを起点としてウエハ11は劈開される。ウエハ11を劈開すること(S14)は、ウエハ11の第2の方向における中央部でウエハ11を劈開して2つの分割されたウエハ11を得ることと、分割されたウエハ11の第2の方向における中央部で分割されたウエハ11を劈開することを1回以上行うこととを含む。
具体的には、図7に示されるように、主面11aとは反対側のウエハ11の裏面11bが粘着シート26に貼り付けられる。ウエハ11の主面11aがカバーシート27で覆われる。粘着シート26の両端とカバーシート27の両端とは、基台28に支持される。ホルダー29は、粘着シート26の両端とカバーシート27の両端とを、基台28に向けて押圧する。こうして、粘着シート26の両端とカバーシート27の両端とは、ホルダー29を用いて、基台28に固定される。
最初に、ウエハ11の第2の方向における中央部でウエハ11を劈開することによって、2つの分割されたウエハ11が得られる。具体的には、分割基準線74に沿って、ウエハ11は劈開される。図7及び図8に示されるように、ブレード25は、粘着シート26を介して、最も小さな第1の深さ22dを有しかつ第1の領域15の一方側に配置された第1の溝20dに対向して配置される。ブレード25は、第1の領域15の他方側に配置された第1の溝20dの下方に配置されていない。ブレード25は、分割基準線74に平行に配置されている。ブレード25を粘着シート26に押し当てて、ウエハ11の裏面11bから主面11aに向けてウエハ11に荷重を加える。ブレード25を用いて、第1の領域15の一方側に配置された第1の溝20dにのみ荷重が印加される。第1の領域15の他方側に配置された第1の溝20dには、荷重は印加されない。こうして、第1の領域15の一方側に配置された第1の溝20dを起点として、分割基準線74に沿って、ウエハ11は劈開される。
続いて、分割されたウエハ11の第2の方向における中央部で分割されたウエハ11が劈開される。分割基準線74に沿って分割されたウエハ11が、分割基準線72,76に沿って劈開される。分割基準線72に沿ってウエハ11を劈開することは、分割基準線76に沿ってウエハ11を劈開することの前に行われてもよいし、分割基準線76に沿ってウエハ11を劈開することの後に行われてもよい。ブレード25は、粘着シート26を介して、第1の溝20dに次いで小さな第1の深さ22b,22fを有しかつ第1の領域15の一方側に配置された第1の溝20b,20fに対向して配置される。ブレード25は、分割基準線72,76に平行に配置されている。ブレード25を粘着シート26に押し当てて、ウエハ11の裏面11bから主面11aに向けてウエハ11に荷重を加える。こうして、第1の領域15の一方側に配置された第1の溝20b,20fを起点として、分割基準線72,76に沿って、ウエハ11は劈開される。
続いて、分割されたウエハ11の第2の方向における中央部で分割されたウエハ11がさらに劈開される。分割基準線72,74,76に沿って分割されたウエハ11が、分割基準線71,73,75,77に沿って劈開される。分割基準線71に沿ってウエハ11を劈開することと、分割基準線73に沿ってウエハ11を劈開することと、分割基準線75に沿ってウエハ11を劈開すること、分割基準線77に沿ってウエハ11を劈開することとは、いかなる順序で行われてもよい。ブレード25は、粘着シート26を介して、第1の溝20b,20fに次いで小さな第1の深さ22a,22c,22e,22gを有しかつ第1の領域15の一方側に配置された第1の溝20a,20c,20e,20gに対向して配置される。ブレード25は、分割基準線71,73,75,77に平行に配置されている。ブレード25を粘着シート26に押し当てて、ウエハ11の裏面11bから主面11aに向けてウエハ11に荷重を加える。こうして、第1の領域15の一方側に配置された第1の溝20a,20c,20e,20gを起点として、分割基準線71,73,75,77に沿って、ウエハ11は劈開される。
本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法は、分割基準線81−87に沿って、バーの形状を有する分割されたウエハ11を分割すること(S15)をさらに備えてもよい。分割基準線81−87は、分割基準線71−77に交差している。バーの形状を有する分割されたウエハ11を分割することによって、ウエハ11が複数の半導体デバイス12に分割される。複数の半導体デバイス12が粘着シート26から剥離される。こうして、複数の半導体デバイス12が製造され得る。
本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法の効果を説明する。
本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法は、ウエハ11の主面11aの第1の領域15に、複数の半導体デバイス12を形成すること(S11)を備える。複数の半導体デバイス12は、第1の方向と第1の方向に交差する第2の方向とに沿って配列されている。本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法は、第1の領域15とは異なる主面11aの第2の領域16に複数の劈開起点部(20a−20g)を形成すること(S12)をさらに備える。複数の劈開起点部(20a−20g)は、第2の方向に沿って配置されている。複数の劈開起点部(20a−20g)は、互いに異なる劈開され難さを有している。複数の劈開起点部(20a−20g)を形成することは、第2の領域16の一部をエッチングすることによって複数の第1の溝20a−20gを形成することを含む。複数の第1の溝20a−20gは、各々、第1の方向に沿って延在している。本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法は、複数の劈開起点部(20a−20g)のうち相対的に劈開され難い劈開起点部(例えば、劈開起点部(20d))から順に、複数の劈開起点部(20a−20g)を起点としてウエハ11を劈開すること(S14)を備える。
本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法では、ウエハ11の劈開回数が増加するにつれて、相対的に劈開され易い劈開起点部(20a−20g)を起点として、ウエハ11は劈開される。そのため、ウエハ11の劈開回数が増加するにつれてウエハ11のサイズが小さくなって、ウエハ11を劈開する際に劈開起点部(20a−20g)に作用する曲げ応力が減少しても、ウエハ11は安定的に劈開され得る。本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法によれば、半導体デバイス12の収率及び製造効率が向上され得る。
また、ウエハ11をスクライブすることによって複数の傷が形成される比較例ではウエハ11に亀裂が発生するが、エッチングによって形成された本実施の形態の複数の第1の溝20a−20gは、ウエハ11に様々な方向に延在する亀裂が発生することを防止し得る。ウエハ11は、複数の分割基準線71−77に沿って安定的に劈開され得る。本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法によれば、半導体デバイス12の収率は向上され得る。
さらに、本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法では、複数の劈開起点部(20a−20g)に含まれる複数の第1の溝20a−20gは、ウエハ11の第2の領域16の一部をエッチングすることによって形成されている。ウエハ11をスクライブすることによって形成された比較例の複数の傷と比べて、ウエハ11をエッチングすることによって形成された本実施の形態の複数の第1の溝20a−20gは、第1の長さ23a−23g、第1の深さ22a−22g及び第1の幅21a−21gにおいてより小さなばらつきを有する。複数の第1の溝20a−20gの第1の長さ23a−23g、第1の深さ22a−22g及び第1の幅21a−21gを定める際に、複数の第1の溝20a−20gの第1の長さ23a−23g、第1の深さ22a−22g及び第1の幅21a−21gのばらつきをほとんど考慮する必要がない。
そのため、エッチングによって形成される複数の第1の溝20a−20gの第1の幅21a−21g及び第1の長さ23a−23gは、それぞれ、スクライブによって形成される複数の傷の幅及び長さよりも減少され得る。複数の第1の溝20a−20gが形成されるウエハ11の第2の領域16の面積が減少され得て、複数の半導体デバイス12が形成される第1の領域15の面積が増加され得る。また、エッチングによって形成される複数の第1の溝20a−20gの間の間隔は、スクライブによって形成される複数の第1の溝20a−20gの間の間隔よりも減少され得る。第1の領域15に形成される複数の半導体デバイス12の各々のサイズが減少され得て、1枚のウエハ11当たりに形成される複数の半導体デバイス12の数は増加し得る。本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法によれば、半導体デバイス12の収率及び製造効率は向上され得る。
本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法では、複数の劈開起点部(20a−20g)は、複数の第1の溝20a−20gであってもよい。複数の第1の溝20a−20gの第1の深さ22a−22g及び第1の長さ23a−23gの少なくとも1つは互いに異なる。第1の深さ22a−22gは、主面11aに垂直な第3の方向における複数の第1の溝20a−20gの長さである。第1の長さ23a−23gは、第1の方向における複数の第1の溝20a−20gの長さである。ウエハ11を劈開することは、複数の第1の溝20a−20gのうち第1の深さ22a−22g及び第1の長さ23a−23gの少なくとも1つが相対的に小さい第1の溝(例えば、第1の溝20d)から順に、複数の第1の溝20a−20gを起点としてウエハ11を劈開することを含む。本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法によれば、半導体デバイス12の収率及び製造効率は向上され得る。
本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法では、ウエハ11を劈開すること(S14)は、ウエハ11の第2の方向における中央部でウエハ11を劈開して2つの分割されたウエハ11を得ることと、分割されたウエハ11の第2の方向における中央部で分割されたウエハ11を劈開することを1回以上行うこととを含む。そのため、ウエハ11を劈開する際に、第2の方向において対称な曲げ応力が複数の劈開起点部(20a−20g)の各々に作用する。本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法によれば、半導体デバイス12の収率及び製造効率は向上され得る。
本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法では、第1の方向に直交する断面において、複数の第1の溝20a−20gは、各々、V字形状を有する底部24を含んでもよい。V字形状を有する底部24を含む複数の第1の溝20a−20gが形成されたウエハ11を劈開するとき、V字形状を有する底部24の先端に応力が集中する。第2の方向における複数の第1の溝20a−20gの各々の中心で、ウエハ11は最も劈開されやすい。V字形状を有する底部24を含む複数の第1の溝20a−20gは、より高い精度で複数の分割基準線71−77に沿ってウエハ11が分割されることを可能にする。本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法によれば、半導体デバイス12の収率及び製造効率は向上され得る。
本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法では、複数の劈開起点部(20a−20g)は、第1の方向において第1の領域15の一方側と他方側とに配置されてもよい。第1の領域15の一方側に配置された複数の第1の溝20a−20gと、第1の領域15の他方側に配置された複数の第1の溝20a−20gとは、第1の方向に沿って配置されている。そのため、ウエハ11は、より高い精度で、複数の分割基準線71−77に沿って分割され得る。本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法によれば、半導体デバイス12の収率は向上され得る。
実施の形態2.
図9から図12を参照して、実施の形態2に係る半導体デバイス12の製造方法を説明する。本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法は、実施の形態1の半導体デバイス12の製造方法と同様の工程を備えるが、以下の点で主に異なる。
本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法では、複数の劈開起点部(20a−20g)は、第1の方向において第1の領域15の一方側と他方側とに配置されている。複数の劈開起点部(20a−20g)は、第1の領域15の一方側と他方側とに交互に配置されている。具体的には、図9に示されるように、複数の第1の溝20b,20d,20fは、第1の領域15の一方側だけに配置されている。複数の第1の溝20a,20c,20e,20gは、第1の領域15の他方側だけに配置されている。
図9を参照して、複数の劈開起点部(20a−20g)のうち相対的に劈開され難い劈開起点部(例えば、劈開起点部(20d))から順に、複数の劈開起点部(20a−20g)を起点としてウエハ11は劈開される。特定的には、複数の第1の溝20a−20gのうち第1の深さ22a−22gが相対的に小さい第1の溝(例えば、第1の溝20d)から順に、複数の第1の溝20a−20gを起点としてウエハ11は劈開される。複数の劈開起点部(20a−20g)は、第1の領域15の一方側と他方側とに交互に配置されている。
図9から図11を参照して、ブレード25を用いて、ウエハ11は劈開されてもよい。ブレード25を用いて、複数の分割基準線71−77の各々において、第1の領域15の一方側及び他方側のうち、複数の第1の溝20a−20gの各々が形成されている側の第2の領域16にのみ荷重が印加される。複数の分割基準線71−77の各々において、第1の領域15の一方側及び他方側のうち、複数の第1の溝20a−20gの各々が形成されていない側の第2の領域16には、荷重は印加されない。そのため、ブレード25を用いて複数の劈開起点部(20a−20g)の一つである第1の劈開起点部(例えば、劈開起点部(20d))に荷重が印加されるときに、第1の劈開起点部が存在する第1の分割基準線(例えば、分割基準線74)に隣り合う第2の分割基準線(例えば、分割基準線73,75)上にある第2の劈開起点部(例えば、劈開起点部(20c,20e))を起点として、ウエハ11が劈開されることが防止され得る。
具体的には、ブレード25は、粘着シート(図示せず)を介して、最も小さな第1の深さ22dを有する第1の溝20dに対向して配置される。第1の溝20dは、第1の領域15の一方側にのみ配置されており、ブレード25は、第1の領域15の一方側の下方にのみ配置されている。ブレード25を粘着シート(図示せず)に押し当てて、ウエハ11の裏面11bから主面11aに向けてウエハ11に荷重を加える。第1の溝20dを起点として、分割基準線74に沿って、ウエハ11は劈開される。分割基準線74に隣り合う分割基準線73,75上にかつ第1の領域15の一方側に、第1の溝20c,20eは存在しない。ブレード25を用いて第1の溝20dに対応するウエハ11の部分に荷重が印加されるときに、第1の溝20dが存在する分割基準線74に隣り合う分割基準線73,75上にある第1の溝20c,20eを起点として、ウエハ11が劈開されることが防止され得る。
続いて、図9及び図11に示されるように、ブレード25は、粘着シート(図示せず)を介して、第1の溝20dに次いで小さな第1の深さ22bを有する第1の溝20bに対向して配置される。第1の溝20bは、第1の領域15の一方側にのみ配置されており、ブレード25は、第1の領域15の一方側の下方にのみ配置されている。ブレード25を粘着シート(図示せず)に押し当てて、ウエハ11の裏面11bから主面11aに向けてウエハ11に荷重を加える。第1の溝20bを起点として、分割基準線72に沿って、ウエハ11は劈開される。分割基準線72に隣り合う分割基準線71,73上にかつ第1の領域15の一方側に、第1の溝20a,20cは存在しない。ブレード25を用いて第1の溝20bに対応するウエハ11の部分に荷重が印加されるときに、第1の溝20bが存在する分割基準線72に隣り合う分割基準線71,73上にある第1の溝20a,20cを起点として、ウエハ11が劈開されることが防止され得る。同様に、ブレード25を用いて第1の溝20fに対応するウエハ11の部分に荷重が印加されるときに、第1の溝20fが存在する分割基準線76に隣り合う分割基準線75,77上にある第1の溝20e,20gを起点として、ウエハ11が劈開されることが防止され得る。
図9及び図12を参照して、ブレード25bを用いて、ウエハ11は劈開されてもよい。ブレード25bは、一対の突出部25s,25tを有している。ブレード25bを粘着シート(図示せず)に押し当てて、ウエハ11の裏面11bから主面11aに向けてウエハ11に荷重を加える。第1の領域15の一方側と他方側のうち複数の第1の溝20a−20gの各々が形成されている側から、第1の領域15の一方側と他方側のうち複数の第1の溝20a−20gの各々が形成されていない側に向けて、ウエハ11は劈開される。
具体的には、図9及び図12に示されるように、ブレード25bは、粘着シート(図示せず)を介して、最も小さな第1の深さ22dを有する第1の溝20dに対向して配置される。第1の溝20dは、第1の領域15の一方側にのみ配置されている。ブレード25bは、第1の領域15の一方側の下方と第1の領域15の他方側の下方とに配置されている。ブレード25bを粘着シート(図示せず)に押し当てて、ウエハ11の裏面11bから主面11aに向けてウエハ11に荷重を加える。ブレード25bの突出部25sは、第1の領域15の一方側に配置された第1の溝20dに対応するウエハ11の部分に荷重を印加する。ブレード25bの突出部25tが荷重を印加するウエハ11の部分には、第1の溝20dは形成されていない。そのため、第1の溝20dを起点として、第1の溝20dが形成されている第1の領域15の一方側から第1の溝20dが形成されていない第1の領域15の他方側に向けて、かつ、分割基準線74に沿って、ウエハ11は劈開される。
同様に、ブレード25bを用いて、第1の溝20b,20fの各々を起点として、第1の溝20b,20fの各々が形成されている第1の領域15の一方側から第1の溝20b,20fの各々が形成されていない第1の領域15の他方側に向けて、かつ、分割基準線72,76の各々に沿って、ウエハ11は劈開される。ブレード25bを用いて、第1の溝20a,20c,20e,20gの各々を起点として、第1の溝20a,20c,20e,20gの各々が形成されている第1の領域15の他方側から第1の溝20a,20c,20e,20gの各々が形成されていない第1の領域15の一方側に向けて、かつ、分割基準線71,73,75,77の各々に沿って、ウエハ11は劈開される。
図10及び図11に示されるように、本実施の形態のウエハ11をブレード25を用いて劈開するためには、ブレード25を第1の方向(例えば、x方向)と第2の方向(例えば、y方向)とに移動させる必要がある。これに対し、図12に示されるように、本実施の形態のウエハ11をブレード25bを用いて劈開するためには、ブレード25bを第2の方向(例えば、y方向)に移動させるだけでよい。そのため、本実施の形態のウエハ11をブレード25bを用いて劈開することによって、半導体デバイス12の製造効率は向上され得る。
本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法は、実施の形態1の半導体デバイス12の製造方法の効果に加えて、以下の効果を奏する。
本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法では、複数の第1の溝20a−20gは、第1の方向において第1の領域15の一方側と他方側とに配置されている。複数の第1の溝20a−20gは、第2の方向において、一方側と他方側とに交互に配置されている。そのため、ウエハ11に形成される複数の劈開起点部(20a−20g)の数が減少され得る。本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法によれば、ウエハプロセス中に、ウエハ11のハンドリングのような負荷がウエハ11に作用しても、複数の劈開起点部(20a−20g)を起点として、ウエハ11が割れる可能性が低減され得る。
さらに、ウエハ11を劈開するために複数の劈開起点部(20a−20g)の一つである第1の劈開起点部(例えば、劈開起点部(20d))に荷重が印加されるときに、第1の劈開起点部が存在する第1の分割基準線(例えば、分割基準線74)に隣り合う第2の分割基準線(例えば、分割基準線73,75)上にある第2の劈開起点部(例えば、劈開起点部(20c,20e))を起点として、ウエハ11が劈開されることが防止され得る。本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法によれば、半導体デバイス12の収率は向上され得る。
実施の形態3.
図13及び図14を参照して、実施の形態3に係る半導体デバイス12の製造方法を説明する。本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法は、実施の形態1の半導体デバイス12の製造方法と同様の工程を備えているが、以下の点で主に異なる。
本実施の形態では、複数の第1の溝40a−40gの第1の長さ43a−43gは互いに異なる。相対的に小さな第1の長さ43a−43gを有する第1の溝40a−40gは、相対的に大きな第1の長さ43a−43gを有する第1の溝40a−40gよりも劈開され難い。
具体的には、第1の溝40dの第1の長さ43dは、第1の溝40a−40c,40e−40gの各々の第1の長さ43a−43c,43e−43gよりも小さい。第1の溝40dは、第1の溝40a−40c,40e−40gよりも劈開され難い。第1の溝40b,40fの各々の第1の長さ43b,43fは、第1の溝40a,40c,40e,40gの各々の第1の長さ43a,43c,43e,43gよりも小さい。第1の溝40b,40fは、第1の溝40dよりも劈開され易く、かつ、第1の溝40a,40c,40e,40gよりも劈開され難い。第1の溝40a,40c,40e,40gは、それぞれ、第1の溝40b,40f,40fよりも劈開され易い。第1の溝40b,40fは、互いに等しい第1の長さ43b,43dを有してもよい。第1の溝40a,40c,40e,40gは、互いに等しい第1の長さ43a,43c,43e,43gを有してもよい。
複数の第1の溝40a−40gの第1の深さ42a−42gは、互いに同じであってもよい。複数の第1の溝40a−40gの第1の幅41a−41gは、互いに同じであってもよい。
第1の領域15の一方側に配置された複数の第1の溝40a−40gは、それぞれ、第1の領域15から第1の等距離間隔だけ離れてもよい。そのため、複数の第1の溝40a−40gの第1の長さ43a−43gが互いに異なっていても、半導体デバイス12の収率は低下しない。第1の領域15の他方側に配置された複数の第1の溝40a−40gは、それぞれ、第1の領域15から第2の等距離間隔だけ離れてもよい。そのため、複数の第1の溝40a−40gの第1の長さ43a−43gが互いに異なっていても、半導体デバイス12の収率は低下しない。第2の等距離間隔は、第1の等距離間隔に等しくてもよい。第1の領域15の一方側に配置された複数の第1の溝40a−40gと、第1の領域15の他方側に配置された複数の第1の溝40a−40gとは、第1の方向に沿って配置されている。
複数の第1の溝40a−40gは、各々、図4に示されるように、ウエハ11の主面11aから第1の溝40a−40gの各々の底部24まで傾斜する側面を含んでもよい。複数の第1の溝40a−40gは、各々、図5に示されるように、ウエハ11の主面11aに実質的に垂直に延在する側面と、この側面に接続されかつウエハ11の主面11aに実質的に平行に延在する底部とを含んでもよい。
本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法は、実施の形態1の半導体デバイス12の製造方法の効果と同様の効果を奏する。
実施の形態4.
図15及び図16を参照して、実施の形態4に係る半導体デバイス12の製造方法を説明する。本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法は、実施の形態1の半導体デバイス12の製造方法と同様の工程を備えているが、以下の点で主に異なる。
本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法では、複数の第1の溝50a−50gの第1の深さ52a−52g及び第1の長さ53a−53gは、それぞれ、互いに異なっている。相対的に小さな第1の深さ52a−52g及び第1の長さ53a−53gを有する第1の溝は、相対的に大きな第1の深さ52a−52g及び第1の長さ53a−53gを有する第1の溝50a−50gよりも劈開され難い。
具体的には、第1の溝50dの第1の深さ52d及び第1の長さ53dは、それぞれ、第1の溝50a−50c,50e−50gの各々の第1の深さ52a−52c,52e−52g及び第1の長さ53a−53c,53e−53gよりも小さい。第1の溝50dは、第1の溝50a−50c,50e−50gよりも劈開され難い。第1の溝50b,50fの各々の第1の深さ52b,52f及び第1の長さ53b,53fは、それぞれ、第1の溝50a,50c,50e,50gの各々の第1の深さ52a,52c,52e,52g及び第1の長さ53a,53c,53e,53gよりも小さい。第1の溝50b,50fは、第1の溝50dよりも劈開され易く、かつ、第1の溝50a,50c,50e,50gよりも劈開され難い。第1の溝50a,50c,50e,50gは、第1の溝50b,50fよりも劈開され易い。第1の溝50b,50fは、互いに等しい第1の深さ52b,52d及び第1の長さ53b,53dを有してもよい。第1の溝50a,50c,50e,50gは、互いに等しい第1の深さ52a,52c,52e,52g及び第1の長さ53a,53c,53e,53gを有してもよい。
複数の第1の溝50a−50gの第1の幅51a−51gは、互いに同じであってもよい。複数の第1の溝50a−50gの第1の幅51a−51gは、互いに異なってもよい。具体的には、第1の溝50dの第1の幅51dは、第1の溝50a−50c,50e−50gの第1の幅51a−51c,51e−51gより小さくてもよい。第1の溝50bの第1の幅51bと第1の溝50fの第1の幅51fとは、第1の溝50a,50c,50e,50gの第1の幅51a,51c,51e,51gより小さくてもよい。第1の溝50b,50fは、互いに等しい第1の幅51b,51dを有してもよい。第1の溝50a,50c,50e,50gは、互いに等しい第1の幅51a,51c,51e,51gを有してもよい。
複数の第1の溝50a−50gは、各々、図4に示されるように、ウエハ11の主面11aから第1の溝50a−50gの各々の底部24まで傾斜する側面を含んでもよい。複数の第1の溝50a−50gは、各々、図5に示されるように、ウエハ11の主面11aに実質的に垂直に延在する側面と、この側面に接続されかつウエハ11の主面11aに実質的に平行に延在する底部とを含んでもよい。
本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法は、実施の形態1の半導体デバイス12の製造方法の効果に加えて、以下の効果を奏する。本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法では、複数の第1の溝50a−50gの第1の深さ52a−52g及び第1の長さ53a−53gは、それぞれ、互いに異なっている。そのため、本実施の形態における複数の劈開起点部(50a−50g)の間の劈開され難さの差は、実施の形態1における複数の劈開起点部(20a−20g)の間の劈開され難さの差よりも大きい。本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法によれば、半導体デバイス12の収率及び製造効率は向上され得る。
実施の形態5.
図17から図20を参照して、実施の形態5に係る半導体デバイス12の製造方法を説明する。本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法は、実施の形態1の半導体デバイス12の製造方法と同様の工程を備えているが、以下の点で主に異なる。
複数の第1の溝90a−90gの第1の深さ92a−92g及び第1の長さ93a−93gの少なくとも1つは、第2の方向において、徐々に変化している。本実施の形態では、複数の第1の溝90a−90gの第1の深さ92a−92gが、第2の方向において、徐々に変化している。具体的には、第1の溝90aの第1の深さ92aは、第1の溝90bの第1の深さ92bよりも大きい。第1の溝90bの第1の深さ92bは、第1の溝90cの第1の深さ92cよりも大きい。第1の溝90cの第1の深さ92cは、第1の溝90dの第1の深さ92dよりも大きい。第1の溝90dの第1の深さ92dは、第1の溝90eの第1の深さ92eよりも大きい。第1の溝90eの第1の深さ92eは、第1の溝90fの第1の深さ92fよりも大きい。第1の溝90fの第1の深さ92fは、第1の溝90gの第1の深さ92gよりも大きい。
複数の第1の溝90a−90gの第1の長さ93a−93gは、互いに同じであってもよい。複数の第1の溝90a−90gの第1の幅91a−91gは、互いに同じであってもよい。複数の第1の溝90a−90gの第1の幅91a−91gは、互いに異なってもよい。特定的には、複数の第1の溝90a−90gの第1の幅91a−91gは、第2の方向において、徐々に変化してもよい。具体的には、第1の溝90aの第1の幅91aは、第1の溝90bの第1の幅91bより大きくてもよい。第1の溝90bの第1の幅91bは、第1の溝90cの第1の幅91cより大きくてもよい。第1の溝90cの第1の幅91cは、第1の溝90dの第1の幅91dより大きくてもよい。第1の溝90dの第1の幅91dは、第1の溝90eの第1の幅91eより大きくてもよい。第1の溝90eの第1の幅91eは、第1の溝90fの第1の幅91fより大きくてもよい。第1の溝90fの第1の幅91fは、第1の溝90gの第1の幅91gより大きくてもよい。
図18に示されるように、第1の方向に直交する断面において、複数の第1の溝90a−90gは、各々、V字形状を有する底部24を含んでもよい。複数の第1の溝90a−90gの各々は、ウエハ11の主面11aに実質的に垂直に延在する側面と、この側面に接続されかつV字形状を有する底部24とを含んでもよい。
ウエハ11を劈開することは、複数の第1の溝90a−90gの第1の深さ92a−92g及び第1の長さ93a−93gの少なくとも1つが相対的に小さい劈開起点部(例えば、劈開起点部(90g))から順に、複数の劈開起点部(90a−90g)を起点としてウエハ11を劈開することを含む。具体的には、図19及び図20を参照して、実施の形態1と同様に、本実施の形態では、ブレード25を用いて、ウエハ11は劈開されてもよい。最初に、第1の領域15の一方側に配置された第1の溝90gを起点として、分割基準線77に沿って、ウエハ11は劈開される。続いて、ウエハ11が、第1の領域15の一方側に配置された第1の溝90fを起点として、分割基準線76に沿って劈開される。続いて、ウエハ11が、第1の領域15の一方側に配置された第1の溝90eを起点として、分割基準線75に沿って劈開される。続いて、ウエハ11が、第1の領域15の一方側に配置された第1の溝90dを起点として、分割基準線74に沿って劈開される。続いて、ウエハ11が、第1の領域15の一方側に配置された第1の溝90cを起点として、分割基準線73に沿って劈開される。続いて、ウエハ11が、第1の領域15の一方側に配置された第1の溝90bを起点として、分割基準線72に沿って劈開される。最後に、ウエハ11が、第1の領域15の一方側に配置された第1の溝90aを起点として、分割基準線71に沿って劈開される。
複数の第1の溝90a−90gは、各々、図4に示されるように、ウエハ11の主面11aから第1の溝90a−90gの各々の底部24まで傾斜する側面を含んでもよい。複数の第1の溝90a−90gは、各々、図5に示されるように、ウエハ11の主面11aに実質的に垂直に延在する側面と、この側面に接続されかつウエハ11の主面11aに実質的に平行に延在する底部とを含んでもよい。
本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法は、実施の形態1の半導体デバイス12の製造方法の効果に加えて、以下の効果を奏する。本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法では、複数の第1の溝90a−90gの第1の深さ92a−92g及び第1の長さ93a−93gの少なくとも1つは、第2の方向において、徐々に変化している。そのため、複数の第1の溝90a−90gを起点としてウエハ11を劈開する際に、第2の方向におけるブレード25の移動距離が最も小さくなる。本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法によれば、ウエハ11を劈開する時間が短縮されて、半導体デバイス12の製造効率は向上され得る。
実施の形態6.
図21及び図22を参照して、実施の形態6に係る半導体デバイス12の製造方法を説明する。本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法は、実施の形態1の半導体デバイス12の製造方法と同様の工程を備えているが、以下の点で主に異なる。
複数の劈開起点部(18,20a−20g)を形成することは、複数の第1の溝20a−20gの少なくとも一部に充填部材18を充填することをさらに含む。充填部材18は、有機絶縁材料または二酸化珪素若しくは窒化珪素のような無機絶縁材料で構成されてもよい。充填部材18は、チタン(Ti)、白金(Pt)または金(Au)のような金属材料で構成されてもよい。充填部材18は、ウエハ11の主面11a上に形成された膜の一部であってもよい。例えば、充填部材18は、スピンコート法、インクジェット法または蒸着法などを用いて膜を形成することと、膜をエッチングすることとによって形成されてもよい。
複数の第1の溝20a−20gの各々に充填されている充填部材18の第2の深さ及び第2の長さの少なくとも1つが、複数の劈開起点部(18,20a−20g)の間で異なっている。第2の深さは、第3の方向における充填部材18の長さである。第2の長さは、第1の方向における充填部材18の長さである。本実施の形態では、複数の第1の溝20a−20g内における充填部材18の第2の長さが、複数の劈開起点部(18,20a−20g)の間で異なっている。複数の第1の溝20a−20gの第1の深さ22a−22g及び第1の長さ23a−23gの少なくとも1つが小さくなるにつれて、充填部材18の第2の深さ及び第2の長さの少なくとも1つは増加する。本実施の形態では、複数の第1の溝20a−20gの第1の深さ22a−22gが小さくなるにつれて、充填部材18の第2の長さは増加する。
具体的には、第1の溝20dの第1の深さ22dは、第1の溝20a−20c,20e−20gの第1の深さ22a−22c,22e−22gよりも小さく、かつ、第1の溝20d内における充填部材18の第2の長さは、第1の溝20a−20c,20e−20g内における充填部材18の第2の長さよりも大きい。第1の溝20b,20fの第1の深さ22b,22fは、第1の溝20a,20c,20e,20gの第1の深さ22a,22c,22e,22gよりも小さく、かつ、第1の溝20b,20f内における充填部材18の第2の長さは、第1の溝20a,20c,20e,20g内における充填部材18の第2の長さよりも大きい。第1の溝20b,20fの第1の深さ22b,22fは互いに等しく、かつ、第1の溝20b内における充填部材18の第2の長さと、第1の溝20f内における充填部材18の第2の長さとは、互いに等しくてもよい。第1の溝20a,20c,20e,20gの第1の深さ22a,22c,22e,22gは互いに等しく、かつ、第1の溝20a内における充填部材18の第2の長さと、第1の溝20c内における充填部材18の第2の長さと、第1の溝20e内における充填部材18の第2の長さと、第1の溝20g内における充填部材18の第2の長さとは互いに等しくてもよい。
複数の第1の溝20a−20gに代えて、実施の形態2の複数の第1の溝20a−20gがウエハ11に形成されてもよい。複数の第1の溝20a−20gに代えて、実施の形態3の複数の第1の溝40a−40gがウエハ11に形成されてもよい。複数の第1の溝20a−20gに代えて、実施の形態5の複数の第1の溝90a−90gがウエハ11に形成されてもよい。
本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法は、実施の形態1の半導体デバイス12の製造方法の効果に加えて、以下の効果を奏する。
本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法では、複数の劈開起点部(18,20a−20g)は、少なくとも一部が充填部材18で充填された複数の第1の溝20a−20gである。複数の第1の溝20a−20gの第1の深さ22a−22g及び第1の長さ23a−23gの少なくとも1つは互いに異なっている。第1の深さ22a−22gは、主面11aに垂直な第3の方向における複数の第1の溝20a−20gの長さである。第1の長さ23a−23gは、第1の方向における複数の第1の溝20a−20gの長さである。複数の劈開起点部(18,20a−20g)を形成することは、複数の第1の溝20a−20gの少なくとも一部に充填部材18を充填することをさらに含む。複数の第1の溝20a−20g内における充填部材18の第2の深さ及び第2の長さの少なくとも1つが複数の劈開起点部(18,20a−20g)の間で異なっている。第2の深さは、第3の方向における充填部材18の長さである。第2の長さは、第1の方向における充填部材18の長さである。複数の第1の溝20a−20gの第1の深さ22a−22g及び第1の長さ23a−23gの少なくとも1つが小さくなるにつれて、充填部材18の第2の深さ及び第2の長さの少なくとも1つは増加する。
複数の第1の溝20a−20gの第1の深さ22a−22g及び第1の長さ23a−23gの少なくとも1つが大きくなると、複数の劈開起点部(18,20a−20g)の各々は劈開され易くなる。さらに、複数の第1の溝20a−20g内における充填部材18の第2の深さ及び第2の長さの少なくとも1つが減少すると、複数の劈開起点部(18,20a−20g)の各々は劈開され易くなる。そのため、ウエハ11の劈開回数が増加するにつれてウエハ11のサイズが小さくなって、ウエハ11を劈開する際に劈開起点部(18,20a−20g)に作用する曲げ応力が減少しても、ウエハ11は安定的に劈開され得る。本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法によれば、半導体デバイス12の収率及び製造効率が向上され得る。
実施の形態7.
図23及び図24を参照して、実施の形態7に係る半導体デバイス12の製造方法を説明する。本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法は、実施の形態6の半導体デバイス12の製造方法と同様の工程を備えているが、以下の点で主に異なる。
充填部材18は、複数の第1の溝20a−20gの内部にのみ形成されてもよく、ウエハ11の主面11a上に形成されていなくてもよい。例えば、充填部材18は、インクジェット法を用いて形成されてもよい。例えば、充填部材18は、スピンコート法または蒸着法などを用いて膜を形成することと、膜をエッチングすることとによって形成されてもよい。
複数の第1の溝20a−20g内における充填部材18の第2の深さ及び第2の長さの少なくとも1つが、複数の劈開起点部(18,20a−20g)の間で異なっている。本実施の形態では、複数の第1の溝20a−20g内における充填部材18の第2の深さが、複数の劈開起点部(18,20a−20g)の間で異なっている。複数の第1の溝20a−20gの第1の深さ22a−22g及び第1の長さ23a−23gの少なくとも1つが小さくなるにつれて、充填部材18の第2の深さ及び第2の長さの少なくとも1つは増加する。本実施の形態では、複数の第1の溝20a−20gの第1の深さ22a−22gが小さくなるにつれて、充填部材18の第2の深さは増加する。
具体的には、第1の溝20dの第1の深さ22dは、第1の溝20a−20c,20e−20gの第1の深さ22a−22c,22e−22gよりも小さく、かつ、第1の溝20d内における充填部材18の第2の深さは、第1の溝20a−20c,20e−20g内における充填部材18の第2の深さよりも大きい。第1の溝20b,20fの第1の深さ22b,22fは、第1の溝20a,20c,20e,20gの第1の深さ22a,22c,22e,22gよりも小さく、かつ、第1の溝20b,20f内における充填部材18の第2の深さは、第1の溝20a,20c,20e,20g内における充填部材18の第2の深さよりも大きい。第1の溝20b,20fの第1の深さ22b,22fは互いに等しく、かつ、第1の溝20b内における充填部材18の第2の深さと、第1の溝20f内における充填部材18の第2の深さとは、互いに等しくてもよい。第1の溝20a,20c,20e,20gの第1の深さ22a,22c,22e,22gは互いに等しく、かつ、第1の溝20a内における充填部材18の第2の深さと、第1の溝20c内における充填部材18の第2の深さと、第1の溝20e内における充填部材18の第2の深さと、第1の溝20g内における充填部材18の第2の深さとは互いに等しくてもよい。
複数の第1の溝20a−20gに代えて、実施の形態2の複数の第1の溝20a−20gがウエハ11に形成されてもよい。複数の第1の溝20a−20gに代えて、実施の形態3の複数の第1の溝40a−40gがウエハ11に形成されてもよい。複数の第1の溝20a−20gに代えて、実施の形態5の複数の第1の溝90a−90gがウエハ11に形成されてもよい。
本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法は、実施の形態6の半導体デバイス12の製造方法と同様の効果を奏する。
実施の形態8.
図25及び図26を参照して、実施の形態8に係る半導体デバイス12の製造方法を説明する。本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法は、実施の形態6の半導体デバイス12の製造方法と同様の工程を備えているが、以下の点で主に異なる。
本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法では、複数の第1の溝50a−50gの第1の深さ52a−52g及び第1の長さ53a−53gは、それぞれ、互いに異なっている。本実施の形態における複数の第1の溝50a−50gは、実施の形態4における複数の第1の溝50a−50gと同様の構成を有してもよい。充填部材18は、実施の形態7のように、複数の第1の溝50a−50gの内部にのみ形成されてもよい。
本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法は、実施の形態6の半導体デバイス12の製造方法の効果に加えて、以下の効果を奏する。本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法では、複数の第1の溝50a−50gの第1の深さ52a−52g及び第1の長さ53a−53gは、それぞれ、互いに異なっている。そのため、本実施の形態における複数の劈開起点部(18,50a−50g)の間の劈開され難さの差は、実施の形態6における複数の劈開起点部(18,50a−50g)の間の劈開され難さの差よりも大きい。本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法によれば、半導体デバイス12の収率及び製造効率は向上され得る。
実施の形態9.
図27から図30を参照して、実施の形態9に係る半導体デバイス12の製造方法を説明する。本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法は、実施の形態6及び実施の形態8の半導体デバイス12の製造方法と同様の工程を備えているが、以下の点で主に異なる。
本実施の形態の複数の第1の溝60a−60gは、互いに等しい第1の深さ62a−62g、第1の長さ63a−63g及び第1の幅61a−61gを有している。本実施の形態の複数の劈開起点部(18,60a−60g)は、実施の形態6及び実施の形態8の複数の劈開起点部(18,20a−20g,50a−50g)と同様に、少なくとも一部が充填部材18で充填された複数の第1の溝60a−60gである。実施の形態6及び実施の形態8と同様に、複数の劈開起点部(18,60a−60g)を形成することは、複数の第1の溝60a−60gの少なくとも一部に充填部材18を充填することをさらに含む。複数の第1の溝60a−60g内における充填部材18の第2の深さ及び第2の長さの少なくとも1つが、複数の劈開起点部(18,60a−60g)の間で異なる。
図27及び図28に示されるように、複数の第1の溝60a−60g内における充填部材18の第2の長さが、複数の劈開起点部(18,60a−60g)の間で異なってもよい。具体的には、第1の溝60d内における充填部材18の第2の長さは、第1の溝60a−60c,60e−60g内における充填部材18の第2の長さよりも大きい。第1の溝60b,60f内における充填部材18の第2の長さは、第1の溝60a,60c,60e,60g内における充填部材18の第2の長さよりも大きい。第1の溝60b内における充填部材18の第2の長さと、第1の溝60f内における充填部材18の第2の長さとは、互いに等しくてもよい。第1の溝60a内における充填部材18の第2の長さと、第1の溝60c内における充填部材18の第2の長さと、第1の溝60e内における充填部材18の第2の長さと、第1の溝60g内における充填部材18の第2の長さとは互いに等しくてもよい。
図29及び図30に示されるように、複数の第1の溝60a−60g内における充填部材18の第2の深さが、複数の劈開起点部(18,60a−60g)の間で異なってもよい。具体的には、第1の溝60d内における充填部材18の第2の深さは、第1の溝60a−60c,60e−60g内における充填部材18の第2の深さよりも大きい。第1の溝60b,60f内における充填部材18の第2の深さは、第1の溝60a,60c,60e,60g内における充填部材18の第2の深さよりも大きい。第1の溝60b内における充填部材18の第2の深さと、第1の溝60f内における充填部材18の第2の深さとは、互いに等しくてもよい。第1の溝60a内における充填部材18の第2の深さと、第1の溝60c内における充填部材18の第2の深さと、第1の溝60e内における充填部材18の第2の深さと、第1の溝60g内における充填部材18の第2の深さとは互いに等しくてもよい。
ウエハ11を劈開することは、充填部材18の第2の深さ及び第2の長さの少なくとも1つが相対的に大きい劈開起点部(例えば、劈開起点部(18,60d))から順に、複数の劈開起点部(18,60a−60g)を起点としてウエハ11を劈開することを含む。充填部材18の第2の深さ及び第2の長さの少なくとも1つが最も大きい劈開起点部(例えば、劈開起点部(18,60d))から、充填部材18の第2の深さ及び第2の長さの少なくとも1つが最も小さい劈開起点部(例えば、劈開起点部(18,60a,60c,60e,60g))まで、充填部材18の第2の深さ及び第2の長さの少なくとも1つの順に、複数の劈開起点部(18,60a−60g)を起点としてウエハ11は劈開される。
最初に、ウエハ11の第2の方向における中央部でウエハ11は劈開される。具体的には、劈開起点部(18,60d)を起点として、分割基準線74に沿って、ウエハ11は劈開される。続いて、分割されたウエハ11の第2の方向における中央部で分割されたウエハ11は劈開される。具体的には、分割基準線74に沿って分割されたウエハ11は、劈開起点部(18,60b)及び劈開起点部(18,60f)を起点として、分割基準線72及び分割基準線76に沿って劈開される。分割基準線72に沿ってウエハ11を劈開することは、分割基準線76に沿ってウエハ11を劈開することの前に行われてもよいし、分割基準線76に沿ってウエハ11を劈開することの後に行われてもよい。
続いて、分割されたウエハ11の第2の方向における中央部で分割されたウエハ11がさらに劈開される。具体的には、劈開起点部(18,60a)、劈開起点部(18,60c)、劈開起点部(18,60e)及び劈開起点部(18,60g)を起点として、分割基準線71、分割基準線73、分割基準線75及び分割基準線77に沿って、ウエハ11は劈開される。分割基準線71に沿ってウエハ11を劈開することと、分割基準線73に沿ってウエハ11を劈開することと、分割基準線75に沿ってウエハ11を劈開すること、分割基準線77に沿ってウエハ11を劈開することとは、いかなる順序で行われてもよい。
複数の第1の溝60a−60gは、各々、図4に示されるように、ウエハ11の主面11aから第1の溝60a−60gの各々の底部24まで傾斜する側面を含んでもよい。複数の第1の溝60a−60gは、各々、図5に示されるように、ウエハ11の主面11aに実質的に垂直に延在する側面と、この側面に接続されかつウエハ11の主面11aに実質的に平行に延在する底部とを含んでもよい。充填部材18は、実施の形態7のように、複数の第1の溝60a−60gの内部にのみ形成されてもよい。
本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法は、実施の形態6及び実施の形態8の半導体デバイス12の製造方法と同様の効果を奏するが、以下の点で主に異なる。
本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法では、複数の劈開起点部(18,60a−60g)は、少なくとも一部が充填部材18で充填された複数の第1の溝60a−60gである。複数の劈開起点部(18,60a−60g)を形成することは、複数の第1の溝60a−60gの少なくとも一部に充填部材18を充填することをさらに含む。複数の第1の溝60a−60g内における充填部材18の第2の深さ及び第2の長さの少なくとも1つが劈開起点部の間で異なっている。第2の深さは、主面11aに垂直な第3の方向における充填部材18の長さである。第2の長さは、第1の方向における充填部材18の長さである。ウエハ11を劈開することは、充填部材18の第2の深さ及び第2の長さの少なくとも1つが相対的に大きい劈開起点部(例えば、劈開起点部(18,60d))から順に、複数の劈開起点部(18,60a−60g)を起点としてウエハ11を劈開することを含む。
複数の第1の溝60a−60g内における充填部材18の第2の深さ及び第2の長さの少なくとも1つが減少すると、複数の劈開起点部(18,60a−60g)の各々は劈開され易くなる。そのため、ウエハ11の劈開回数が増加するにつれてウエハ11のサイズが小さくなって、ウエハ11を劈開する際に劈開起点部(18,60a−60g)に作用する曲げ応力が減少しても、ウエハ11は安定的に劈開され得る。本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法によれば、半導体デバイス12の収率及び製造効率が向上され得る。
実施の形態10.
図31から図37を参照して、実施の形態10に係る半導体デバイス12の製造方法を説明する。本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法は、実施の形態1の半導体デバイス12の製造方法と同様の工程を備えているが、以下の点で主に異なる。
図32を参照して、本実施の形態では、複数の半導体デバイス12が、ウエハ11の主面11aにおいて、ウエハ11の劈開線78に対して傾いて形成されている。特定的には、活性領域13が延在する方向は、劈開線78に対して、ウエハ11の主面11a内において傾いている。複数の分割基準線71−77は、劈開線78に対して、ウエハ11の主面11a内において方位角θだけ傾いている。第1の方向は、劈開線78に対して、ウエハ11の主面11a内において方位角θだけ傾いている。本明細書において、劈開線78は、ウエハ11の劈開面とウエハ11の主面11aとの交線を意味する。ウエハ11の劈開面は、劈開性を有するウエハ11の結晶面を意味する。ウエハ11の主面11a内における、劈開線78に対する複数の半導体デバイス12、複数の分割基準線71−77及び第1の方向の傾きは、例えば、ウエハ11のオリフラの角度ずれ、または、フォトリソグラフィ工程における複数の半導体デバイス12のパターンずれなどに起因して発生する。
図31及び図32を参照して、本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法は、第1の領域15に複数の第2の溝30a−30gを形成すること(S13)を備える。複数の第2の溝30a−30gは、第2の方向に沿って配置されている。複数の第2の溝30a−30gは、各々、第1の方向に沿って延在している。複数の第2の溝30a−30gは、それぞれ、複数の分割基準線71−77に沿って延在している。第1の領域15に複数の第2の溝30a−30gを形成することは、第2の領域16に複数の第1の溝20a−20gを形成することと同じ工程で行われてもよい。
複数の第1の溝20a−20gと複数の第2の溝30a−30gとは、第1の方向に沿って配置されている。複数の第1の溝20a−20gの各々と複数の第2の溝30a−30gの各々とは、同一の分割基準線71−77の各々に沿って配置されている。具体的には、第1の溝20aと第2の溝30aとは、第1の方向に沿って配置されており、かつ、分割基準線71上に配置されている。第1の溝20bと第2の溝30bとは、第1の方向に沿って配置されており、かつ、分割基準線72上に配置されている。第1の溝20cと第2の溝30cとは、第1の方向に沿って配置されており、かつ、分割基準線73上に配置されている。第1の溝20dと第2の溝30dとは、第1の方向に沿って配置されており、かつ、分割基準線74上に配置されている。第1の溝20eと第2の溝30eとは、第1の方向に沿って配置されており、かつ、分割基準線75上に配置されている。第1の溝20fと第2の溝30fとは、第1の方向に沿って配置されており、かつ、分割基準線76上に配置されている。第1の溝20gと第2の溝30gとは、第1の方向に沿って配置されており、かつ、分割基準線77上に配置されている。複数の半導体デバイス12は、第1の領域15の一方側に配置された複数の第1の溝20a−20gと複数の第2の溝30a−30gとの間と、第1の領域15の他方側に配置された複数の第1の溝20a−20gと複数の第2の溝30a−30gとの間とに配置されている。
複数の第2の溝30a−30gは、互いに同じ形状を有してもよい。図32から図35に示されるように、複数の第2の溝30a−30gは、互いに異なる形状を有してもよい。複数の第2の溝30a−30gは、それぞれ、複数の第1の溝20a−20gと同じ形状を有してもよい。
図33に示されるように、本実施の形態では、第1の方向に直交する断面において、複数の第2の溝30a−30gは、各々、V字形状を有する底部34を含んでもよい。複数の第2の溝30a−30gの各々は、ウエハ11の主面11aに実質的に垂直に延在する側面と、側面に接続されかつV字形状を有する底部34とを含んでもよい。図34に示されるように、複数の第2の溝30a−30gは、各々、V字形状を有する底部34を含み、このV字形状を有する底部34は、ウエハ11の主面11aから第1の溝の各々の底部34まで傾斜する側面を含んでもよい。図35に示されるように、複数の第2の溝30a−30gは、平坦な底部を有してもよい。複数の第2の溝30a−30gの各々は、ウエハ11の主面11aに実質的に垂直に延在する側面と、側面に接続されかつウエハ11の主面11aに実質的に平行に延在する底部とを含んでもよい。
本実施の形態では、ウエハ11の主面11a内において、複数の分割基準線71−77及び第1の方向は、劈開線78に対して傾いている。ウエハ11を劈開する(S14)とき、複数の劈開起点部(20a−20g)の各々から、劈開線78に沿ってウエハ11は劈開される。分割線79は、劈開起点部から劈開線78に平行に進展する。本明細書において、分割線79は、分割面とウエハ11の主面11aとの交線を意味する。本明細書において、分割面は、ウエハ11を劈開するときに、実際にウエハ11が分割される面を意味する。
複数の第2の溝30a−30gは、ウエハ11の第1の領域15に形成されている。複数の第2の溝30a−30gは、複数の半導体デバイス12の間に形成されている。複数の第2の溝30a−30gの各々の内部にはウエハ11の材料が存在しないのに対し、複数の第2の溝30a−30gの周りには、ウエハ11の材料が存在する。そのため、複数の第2の溝30a−30gの各々の端部に、応力が発生する。この応力の方向は、分割基準線71−77に対して直交する。図36に示されるように、この応力は、分割基準線71−77に対して方位角θだけ傾いた分割線79を、複数の第2の溝30a−30gの端部において、分割基準線71−77に近づけるように補正する。
図33及び図34に示されるように、V字形状を有する底部34を含む複数の第2の溝30a−30gが形成されたウエハ11を劈開するとき、V字形状を有する底部34の先端に応力が集中する。第2の方向における複数の第2の溝30a−30gの各々の中心で、ウエハ11は最も劈開されやすい。V字形状を有する底部34を含む複数の第2の溝30a−30gは、より高い精度で、分割線79を分割基準線71−77に近づけることができる。
図37を参照して、複数の第2の溝30a−30gは、第1の方向において、複数列配置されてもよい。複数の半導体デバイス12は、第1の領域15の一方側に配置された複数の第1の溝20a−20gと複数の第2の溝30a−30gとの間と、第1の領域15の他方側に配置された複数の第1の溝20a−20gと複数の第2の溝30a−30gとの間と、複数の第2の溝30a−30gの間とに配置されている。第1の方向において複数列配置された複数の第2の溝30a−30gは、第1の方向において一列配置された複数の第2の溝30a−30gよりも、分割線79を、より多くの回数、分割基準線71−77に近づけるように補正し得る。第1の方向において複数列配置された複数の第2の溝30a−30gは、より高い精度で、分割線79を分割基準線71−77に近づけることができる。
第2の溝30a−30gは、第1の領域15の外に形成されてもよい。複数の劈開起点部(20a−20g)に代えて、実施の形態2の複数の劈開起点部(20a−20g)がウエハ11に形成されてもよい。複数の劈開起点部(20a−20g)に代えて、実施の形態3の複数の劈開起点部(40a−40g)がウエハ11に形成されてもよい。複数の劈開起点部(20a−20g)に代えて、実施の形態4の複数の劈開起点部(50a−50g)がウエハ11に形成されてもよい。複数の劈開起点部(20a−20g)に代えて、実施の形態5の複数の劈開起点部(90a−90g)がウエハ11に形成されてもよい。複数の劈開起点部(20a−20g)に代えて、実施の形態6及び実施の形態7の複数の劈開起点部(18,20a−20g)がウエハ11に形成されてもよい。複数の劈開起点部(20a−20g)に代えて、実施の形態8の複数の劈開起点部(18,50a−50g)がウエハ11に形成されてもよい。複数の劈開起点部(20a−20g)に代えて、実施の形態9の複数の劈開起点部(18,60a−60g)がウエハ11に形成されてもよい。
本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法は、実施の形態1の半導体デバイス12の製造方法の効果に加えて、以下の効果を奏する。
本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法は、第1の領域15に複数の第2の溝30a−30gを形成することを備える。複数の第2の溝30a−30gは、第2の方向に沿って配置されている。複数の第2の溝30a−30gは、各々、第1の方向に沿って延在している。複数の第1の溝20a−20gと複数の第2の溝30a−30gとは、第1の方向に沿って配置されている。
本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法によれば、ウエハ11の主面11a内において分割基準線71−77がウエハ11の劈開線78に対して傾いていても、第1の領域15に形成される複数の第2の溝30a−30gは、分割線79を分割基準線71−77に近づけるように補正することができる。複数の第2の溝30a−30gは、分割基準線71−77から大きくずれた位置でウエハ11が分割されることを防ぐことができる。本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法は、半導体デバイス12の収率を向上させることができる。
実施の形態11.
図38を参照して、実施の形態11に係る半導体デバイス12の製造方法を説明する。本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法は、実施の形態1の半導体デバイス12の製造方法と同様の工程を備えているが、以下の点で主に異なる。
本実施の形態の複数の劈開起点部(複数の第1の溝65a−65g)は、少なくとも第1の領域15の側の第1端部にテーパ部を含む。特定的には、複数の劈開起点部(複数の第1の溝65a−65g)のテーパ部は、第1の領域15の側の複数の劈開起点部(複数の第1の溝65a−65g)の第1端部から第1の領域15とは反対側の複数の劈開起点部(複数の第1の溝65a−65g)の第2端部にまで延在してもよい。ウエハ11の主面11aの平面視において、テーパ部は、第1の領域15に近づくにつれて先細になっている。
第1の方向(例えば、x方向)において、複数の第1の溝65a−65gの深さは、複数の劈開起点部(複数の第1の溝65a−65g)の第2端部から複数の劈開起点部(複数の第1の溝65a−65g)の第1端部まで一定であってもよい。第1の方向(例えば、x方向)において、複数の第1の溝65a−65gの深さは、複数の劈開起点部(複数の第1の溝65a−65g)の第2端部から複数の劈開起点部(複数の第1の溝65a−65g)の第1端部に近づくにつれて次第に浅くなってもよい。複数の第1の溝65a−65gのテーパ部のテーパ角度は、鋭角であってもよい。第1の溝65dのテーパ部のテーパ角度、第1の溝65b,65fのテーパ部のテーパ角度、及び、第1の溝65a,65c,65e,65gのテーパ部のテーパ角度は、互いに異なっている。第1の溝65b,65fのテーパ部のテーパ角度は互いに同じであり、かつ、第1の溝65a,65c,65e,65gのテーパ部のテーパ角度は互いに同じであってもよい。
図39に示されるように、本実施の形態の変形例では、複数の劈開起点部(複数の第1の溝67a−67g)のテーパ部は、第1の領域15とは反対側の複数の劈開起点部(複数の第1の溝67a−67g)の第2端部にまで延在していなくてもよい。複数の劈開起点部(複数の第1の溝67a−67g)のテーパ部は、第1の領域15の側の複数の劈開起点部(複数の第1の溝67a−67g)の第1端部に選択的に形成されてもよい。ウエハ11の主面11aの平面視において、本実施の形態の変形例の複数の第1の溝67a−67gは、本実施の形態の複数の第1の溝65a−65gよりも広い開口面積を有している。そのため、複数の第1の溝67a−67gの溝を形成する際に、複数の第1の溝67a−67gの深さと複数の劈開起点部(複数の第1の溝67a−67g)におけるウエハ11の割れ易さとがより容易に制御され得る。
第1の方向(例えば、x方向)において、複数の第1の溝67a−67gの深さは、複数の劈開起点部(複数の第1の溝67a−67g)の第2端部から複数の劈開起点部(複数の第1の溝67a−67g)の第1端部まで一定であってもよい。第1の方向(例えば、x方向)において、テーパ部における複数の第1の溝67a−67gの深さは、複数の劈開起点部(複数の第1の溝67a−67g)の第1端部に近づくにつれて次第に浅くなっており、かつ、テーパ部を除く複数の第1の溝67a−67gの深さは、一定であってもよい。複数の第1の溝67a−67gのテーパ部のテーパ角度は、鋭角であってもよい。第1の溝67dのテーパ部のテーパ角度、第1の溝67b,67fのテーパ部のテーパ角度、及び、第1の溝67a,67c,67e,67gのテーパ部のテーパ角度は、互いに等しくてもよいし、互いに異なってもよい。第1の溝67b,67fのテーパ部のテーパ角度は互いに同じであり、かつ、第1の溝67a,67c,67e,67gのテーパ部のテーパ角度は互いに同じであってもよい。
本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法は、実施の形態1の半導体デバイス12の製造方法の効果に加えて、以下の効果を奏する。
複数の劈開起点部(65a−65g,67a−67g)は、少なくとも第1の領域15の側の第1端部にテーパ部を含む。ウエハ11の主面11aの平面視において、テーパ部は、第1の領域15に近づくにつれて先細になっている。そのため、ウエハ11は、テーパ部の先端で最も割れやすい。複数の劈開起点部(65a−65g,67a−67g)を起点としてウエハ11を劈開するときに、劈開の位置の精度が向上され得る。本実施の形態の半導体デバイス12の製造方法は、半導体デバイス12の収率を向上させることができる。
今回開示された実施の形態1−11及びそれらの変形例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。矛盾のない限り、今回開示された実施の形態1−11及びそれらの変形例の少なくとも2つを組み合わせてもよい。本発明の範囲は、上記した説明ではなく請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。