以下、本発明の望ましい例を示す。但し、本発明は、以下の例に限定されない。
第3目印部は、第2目印部側から第1目印部側に向けて延びる形状で描かれた線状の図形を含んでいてもよい。このように第3目印部が構成されていれば、第3目印部に含まれる線状の図形により、第2目印部と第1目印部とが対応付けられていることを、ユーザに対して視覚面で直感的に分かりやすく伝えることができる。
第1目印部は、あたためモードに対応する所定単語が示された第1文字表示部を含んでいてもよい。第2目印部は、第1文字表示部の所定単語と同一の単語が示された第2文字表示部及び発光部を含んでいてもよい。このように、第1目印部に設けられた第1文字表示部と第2目印部に設けられた第2文字表示部のそれぞれにおいてあたためモードに対応する所定単語が示されていれば、ユーザは、第1目印部と第2目印部の関連性をより確証をもって認識することができる。ゆえに、ユーザは、あたためモードを実行する場合に、火力操作レバーを点火後に温め火力位置に移動させるような対応をより確実に行いやすくなる。
点火火力位置にあるときの火力操作レバーの位置よりも温め火力位置にあるときの火力操作レバーの位置に近い位置に、第1目印部、第2目印部、第3目印部がそれぞれ設けられていてもよい。このように温め火力位置にあるときの火力操作レバーの位置に近い位置となるように、第1目印部、第2目印部、第3目印部がそれぞれ設けられていれば、発光部が発光している場合(即ち、あたためモードに設定される場合)に、第1目印部、第2目印部、第3目印部が同時にユーザの目に入りやすくなる。ユーザは、発光状態となっている第2目印部と第1目印部との関連性をより確実に認識し、火力操作レバーを点火後に温め火力位置に移動させる対応をより確実に行いやすくなる。
パネル部には、あたためモード以外のモードが選択された場合に発光する第2発光部を備えた第4目印部が形成されていてもよい。そして、第2目印部と第4目印部とが複数段に並んだ形でモード表示部が構成されていてもよい。更に、火力操作レバー及び第1目印部の下方側にモード表示部が設けられていてもよい。そして、モード表示部の最上段において第1目印部と所定方向に対向する形態で第2目印部が設けられていてもよい。このようにモード表示部の最上段において第1目印部と所定方向に対向する形態で第2目印部が設けられていれば、複数のモード表示を行い得るパネル構成を採用しつつ、第1目印部と第2目印部とを対向状態で近づけることができる。よって、複数のモード表示を行い得る構成であっても、第2目印部が発光状態となっているときに第1目印部をより強く印象付けることができる。
ガスコンロは、少なくとも発光部が発光する場合に、第3目印部の少なくとも一部からパネル部の外部に向けて光を導出させる光導出部を有していてもよい。このように光導出部が設けられていれば、発光部が発光している時期(あたためモードの設定中)に、第3目印部を光らせた状態とすることができ、ユーザに第3目印部をより一層印象付けることができる。ゆえに、ユーザは、第3目印部によってなされる対応関係(第2目印部と第1目印部との対応関係)をより一層意識することになり、火力操作レバーを点火後に温め火力位置に移動させる対応がより行われやすくなる。
光導出部は、所定操作に応じて発光部が発光した場合に当該発光部からの光を導いてパネル部の外側に導出する構成であってもよい。このように光導出部が構成されていれば、発光部の光を利用して第3目印部を光らせることができるようになり、第3目印部を光らせるための専用の発光部などを削減しやすくなる。
<実施例1>
以下、本発明を具現化した実施例1について、図面を参照して説明する。
(ガスコンロの基本構成)
図1〜図4等を参照し、ガスコンロ1の基本構成を説明する。
図1〜図4等で示すガスコンロ1は、テーブルガスコンロとして構成され、天板部30と装置本体1Aを備え、装置本体1Aの上端部に天板部30が固定された構成をなす。図2は、装置本体1Aの外観を示すものであり、図1で示すガスコンロ1から天板部30、排気口カバー80、五徳18,19などを取り外した状態の外観を示すものである。図3は、装置本体1Aから天板部30を取り外し、更に排気口カバー80を取り外した分解斜視図である。図2〜図4では、右側の操作パネル65の具体的デザインを省略して示している。また、図1〜図4では、左側の操作パネル69の具体的デザインを省略して示している。
本構成では、ガスコンロ1が平坦な載置面に載置されたときの載置面と直交する方向が上下方向である。また、上下方向と直交する方向のうち側壁部4A、4Bが向かい合う方向が左右方向であり、上下方向及び左右方向と直交する方向が前後方向である。ガスコンロ1では、図4のように平面視したときの長手方向が左右方向となっており、短手方向が前後方向となっている。また、ガスコンロ1では、正面視したときの長手方向が左右方向となっており、短手方向が上下方向となっている。
装置本体1Aは、図2のような構成をなし、ガスコンロ1から天板部30及び天板部30に対する取付物(排気口カバー80、五徳18,19など)を取り外した残りの部分を指す。装置本体1Aは、外殻を構成する筐体部2、梁部材20、右側バーナ14、左側バーナ15、ガス供給装置16,17、グリル庫12、排気路13などを備える。
筐体部2は、例えば金属材料によって構成され、上端部が開口する略直方体状に構成されている。筐体部2は、ガスコンロ1の外殻をなすとともにガスバーナ(右側バーナ14、左側バーナ15、グリルバーナ10)、グリル庫12などを収容するケースとして機能する。筐体部2は、主に、筐体本体部4、梁部材20、前パネル5などを備えた構成をなし、上端側が開放した箱状形態をなす。図2のように、筐体本体部4は、ガスコンロ1の左右両側に配置される一対の側壁部4A,4Bと、後端側に配置される後壁部4Cと、下面側に配置される底壁部(図示略)とを備える。側壁部4A,4B、後壁部4C、底壁部は互いに連結されており、筐体本体部4は、上端側及び前端側が開放した箱状形態をなす。梁部材20は、筐体本体部4の内部に配置され、筐体本体部4内の前側の位置において左右方向に延びた形態で架設される架設部22を備える。筐体本体部4の一対の側壁部4A,4Bの間には、ガスバーナ(右側バーナ14、左側バーナ15、グリルバーナ10等)、グリル庫12、排気路13などの各種部品が収容される。
図1、図2のように、前パネル5は、ガスコンロ1の前面部として機能する部分である。図2のように、前パネル5は、上述した筐体本体部4及び梁部材20に対して前側から装着される。図2の例では、筐体本体部4の左右両側に前パネル5がそれぞれ装着され、2つの前パネル5の間には、グリル庫12のグリル扉12Aが開閉可能に装着されている。
図1、図3のように、天板部30は、ガスコンロ1の上面部として機能する。図3のように、天板部30は、板状に構成された天板本体31と、天板本体31の周縁部に取り付けられる外枠体50と、天板本体31と外枠体50とによって構成される板状構造体35に形成された開口部に取り付けられる内枠体40と、を備え、全体として板状の形態をなす。天板部30は、筐体部2の上端部に対して当該上端部の開口を閉塞する形態で固定される。
図2のように、グリル庫12は、調理対象物を収容可能に構成され、装置本体1Aの左右方向中央部付近に設置されるとともに、前後左右上下が囲まれた箱状形態をなし、調理対象物を庫内に収容し得る構成をなす。排気路13は、装置本体1Aの上部後端側においてグリル庫12内の空間から連通する構成をなす。排気路13は、グリル庫12内の排気を行うための経路であり、グリル庫12で生じた排気を天板部30に形成された排気口40Aに誘導するように機能する。排気路13の端部には開口部13Aが形成されている。開口部13Aは、排気路13の上部後端側において上方側に開放した形態をなし、天板部30の排気口40Aの下側に位置している(図1、図3参照)。図1のように、排気口カバー80は、排気口40Aを覆う構成で配置されている。排気口カバー80は、天板部30上に載置される形で着脱可能に設置されている。排気口カバー80は、複数の通気孔80Aを備え、通気孔80Aを介して排気口40A(図3)から排出される排気を外部(ガスコンロ1の上方側)に放出する。
図1のように、グリル庫12のグリル扉12Aは、上述した2つの前パネル5の間に設けられており、これら前パネル5とともに、装置本体1Aの前面部を構成する。グリル扉12Aは、装置本体1Aの前面部の幅方向略中央付近に設けられている。グリル扉12Aは、グリル庫12の前方側に引き出し可能とされており、使用者はグリル扉12Aに設けられた取っ手を掴みつつグリル扉12Aを前方に引き出すことにより、グリル庫12内に収納された受け皿及び焼き網等を一体的に外部に取り出すことができる。
図2のように、筐体部2内には、右側バーナ14、左側バーナ15、グリルバーナ10などが収容されている。図1、図3のように、天板本体31の左右両側には、円形状の一対の開口部32,33が形成され、これら開口部32,33にそれぞれ挿入される形態で右側バーナ14及び左側バーナ15が天板部30の上方側に向けて突出して配置されている。右側バーナ14及び左側バーナ15の各周囲には、五徳18,19が夫々設置されている。ガスコンロ1の使用時には、五徳18,19の各上部にフライパン、鍋等の調理容器(図示略)が載置される。
右側バーナ14へのガス供給経路には、ガス供給装置16が設けられている。ガス供給装置16は、右側バーナ14の点火消火を行うとともに、右側バーナ14にガスを供給するための装置として機能する。ガス供給装置16は、右側バーナ14の点火又は消火を行うための操作部である点火スイッチ16Aと、装置本体1Aの前方側に延出する火力操作レバー16Bと備える。ガス供給装置16は、火力操作レバー16Bの左右方向の変位に応じて右側バーナ14へのガス供給量を調整するように動作する。左側バーナ15へのガス供給経路には、ガス供給装置17が設けられている。ガス供給装置17は、左側バーナ15の点火消火を行うとともに、左側バーナ15にガスを供給するための装置として機能する。ガス供給装置17は、左側バーナ15の点火又は消火を行うための操作部である点火スイッチ17Aと、装置本体1Aの前方側に延出する火力操作レバー17Bと備える。ガス供給装置17は、火力操作レバー17Bの左右方向の変位に応じて左側バーナ15へのガス供給量を調整するように動作する。
グリルバーナ10は、グリル庫12内で火炎を発生させてグリル庫12内を加熱することで、グリル庫12内に収容された調理対象物を加熱するように機能する。グリルバーナ10へのガス供給経路には、ガス供給装置11が設けられている。ガス供給装置11は、グリルバーナ10の点火消火を行うとともに、グリルバーナ10にガスを供給するための装置として機能する。ガス供給装置11は、グリルバーナ10の点火又は消火を行うための操作部である点火スイッチ11Aと、装置本体1Aの前方側に延出する火力操作レバー11B,11Cと備える。点火スイッチ11Aは、点火操作部の一例に相当し、筐体部2の前面部側から露出し、グリルバーナ10を点火するために操作される部位である。ガス供給装置11は、火力操作レバー11B,11Cの左右方向の変位に応じてグリルバーナ10へのガス供給量を調整するように動作する。火力操作レバー11B(上火用火力調整つまみ)は、グリルバーナ10における上側バーナの火力を調整するレバーであり、火力操作レバー11C(下火用火力調整つまみ)は、グリルバーナ10における下側バーナの火力を調整するレバーである。
ガスコンロ1は、図6のような電気的構成をなす。
図6のように、ガスコンロ1は制御回路70を備える。制御回路70は、CPU70A、ROM70B、RAM70C、フラッシュメモリ70Dに加え、図示しないタイマ、グリルタイマ、I/Oインタフェイス等を備える。タイマ、グリルタイマはプログラムで作動するものである。CPU70Aはガスコンロ1の各種動作を統括制御する。ROM70Bはガスコンロ1の各種制御プログラムを記憶し得る。
制御回路70には、電源回路61、スイッチ入力回路62、サーミスタ入力回路64、操作パネル入力回路66、イグナイタ回路68、ブザー装置73、音声装置75、表示装置77等が各々接続されている。また、図示しない安全弁を動作させる安全弁回路(図示省略)や、図示しない電磁弁を動作させる電磁弁回路(図示省略)なども制御回路70に接続されている。電源回路61は電池ボックスに搭載される2つの乾電池60からの電力供給を受け、各種回路に印加する直流電源を生成する機能を有する。スイッチ入力回路62は、点火スイッチ16A,17A,11Aの押下を各々検出する。操作パネル入力回路66は操作パネルにおける各種操作の入力を行う。
サーミスタ63は、グリル庫12の内部又はグリル庫12からの排気が流れる排気路13内の温度を検出する。サーミスタ63はグリル庫12又は排気路13内の所定位置に配置され、サーミスタ63が設置された位置の温度に応じた検出値を生成する。サーミスタ入力回路64は、サーミスタ63で生成された検出値に対応する電圧信号(例えば、検出値そのもの、或いは検出値を増幅した増幅信号など)を制御回路70に与える。なお、図6では、グリル庫12又は排気路13に配置されるサーミスタ63を例示しているが、右側バーナ14付近や左側バーナ15付近など、様々な場所にサーミスタを設けることができる。
イグナイタ回路68は、各バーナにそれぞれ設けられたイグナイタ67A,67B,67Cを各々駆動する。イグナイタ回路68は、点火スイッチ16Aの点火操作に応じて右側バーナ14のイグナイタ67Aを駆動し、イグナイタ67Aで火花を放電させて右側バーナ14に点火する。イグナイタ回路68は、点火スイッチ17Aの点火操作に応じて左側バーナ15のイグナイタ67Bを駆動し、イグナイタ67Bで火花を放電させて左側バーナ15に点火する。イグナイタ回路68は、点火スイッチ11Aの点火操作に応じてグリルバーナ10のイグナイタ67Cを駆動し、イグナイタ67Cで火花を放電させてグリルバーナ10に点火する。
ブザー装置73は、圧電ブザー装置などの公知のブザー装置として構成されている。音声装置75は、メロディ、メッセージなどの音声を発する装置である。音声装置は、スピーカとスピーカーに対して音声信号を与える駆動回路とを備え、制御回路70からの指示に対応した音声を発する。表示装置77は、複数の表示部と、これら表示部を駆動する複数の表示制御回路とを備える。複数の表示部の中には、図1で示す表示器82や図9で示す発光部(発光部84Aや第2発光部84B〜84D)などが含まれ、制御回路70の制御によって表示器82や発光部(発光部84Aや第2発光部84B〜84D)の表示内容を変化させうる。
次に、ガスコンロ1の加熱調理モードについて説明する。ガスコンロ1では、グリル庫12において複数種類の加熱調理モードが設定可能である。複数種類の加熱調理モードの中には、少なくとも「通常モード」と「オートモード」とが含まれ、「オートモード」の中には、「あたためモード」「干物モード」「切身モード」「姿焼モード」が含まれる。通常モードは、このようなオートモード(「あたためモード」「干物モード」「切身モード」「姿焼モード」)がなされないモードである。これらのうち、「あたためモード」は、モード選択スイッチ65A(実行操作部)に対して所定の操作がなされたときに実行されるモードであり、例えば、加熱調理がなされた後に冷えた調理済み対象物を再加熱するような調理に適したモードである。勿論、このような場面以外の場面で適用してもよい。
ここで、図7等を参照し、「あたためモード」での調理制御について説明する。なお、ここでは便宜的に「あたためモード」と称しているが、同趣旨のモードであれば、モードの名称は別の名称でもよい。
図1等で示すガスコンロ1では、ガスコンロ1の電源がオン状態となっている場合(電源回路から各部品に動作電力が供給されているとき)において所定の開始条件が成立したときに、制御回路70によって図7で示す調理制御が実行される。所定の開始条件は、例えば、「「あたためモード」に設定されているときに点火スイッチ11Aが押される」という条件である。
ガスコンロ1では、ガスコンロ1の電源がオン状態となっているときに、図8で示す操作パネル65を操作することでモードを切り替えることができるようになっている。具体的には、電源オン状態のときに図9のようにモード選択スイッチ65Aが押圧されると、モードの設定状態が切り替わる。例えば、「通常モード」のときにモード選択スイッチ65Aが押されると、「あたためモード」に切り替わり、その後、モード選択スイッチ65Aが押される毎に、「干物モード」「切身モード」「姿焼モード」に切り替わる。「姿焼モード」のときにモード選択スイッチ65Aが押されると、再び「通常モード」に戻る。この例では、例えば、「通常モード」のときにモード選択スイッチ65Aを1回押す操作が、「あたためモード」に設定するための所定操作である。また、「姿焼モード」のときにモード選択スイッチ65Aを2回押す操作、「切身モード」のときにモード選択スイッチ65Aを3回押す操作、「干物モード」のときにモード選択スイッチ65Aを4回押す操作が「あたためモード」に設定するための所定操作である。「あたためモード」に設定された場合、「あたためモード」に設定されていることを示すモード設定情報がメモリなどに記憶される。また、「あたためモード」のときにモード選択スイッチ65Aが押されると、「あたためモード」の設定が解除され、「干物モード」に切り替わる。この場合、「あたためモード」に設定されていることを示すモード設定情報が解除され、「干物モード」に設定されていることを示すモード設定情報がメモリなどに記憶される。
「あたためモード」に設定された場合、あたためモードを示す文字表示(「あたため」の文字)にて隣接して配置された表示ランプ(発光部84A)を点灯させるように制御回路70によって制御がなされ、この場合、その他の表示ランプ(第2発光部84B,84C,84D)は点灯しない。「干物モード」「切身モード」「姿焼モード」の各々が設定される場合、表示ランプ(第2発光部84B,84C,84D)のうちの設定モードに対応するランプが点灯し、対応しないランプは点灯しない。「通常モード」のときには、表示ランプ(発光部84A及び第2発光部84B,84C,84D)は点灯しない。
図1等で示すガスコンロ1では、上述した所定操作によって「あたためモード」に設定されているときに点火スイッチ11Aが押された場合に、制御回路70が図7の調理制御を実行し、「あたためモード」に対応した加熱制御を実行する。
まず、「あたためモード」に設定されているときのグリルバーナ10の点火操作について説明する。図5のようにガスコンロ1には、連動機構11Dが設けられている。連動機構11Dは、火力操作レバー11B,11Cの少なくともいずれかが点火火力位置(最大火力位置)にない状態で点火スイッチ11Aが押圧操作された場合に、火力操作レバー11B,11Cのうち点火火力位置(第1位置)にないレバーを点火スイッチ11A(点火操作部)の操作と連動させて右端の点火火力位置に移動させるように構成されている。例えば、火力操作レバー11B,11Cがいずれも温め火力位置(第2位置)にあるときに点火スイッチ11Aによってグリルバーナ10を点火する操作がなされた場合、点火スイッチ11Aの変位と連動させて火力操作レバー11B,11Cの両方を右端の点火火力位置(図8の二点鎖線P1、図10参照)に移動させるように動作する。火力操作レバー11B,11Cのいずれか又は両方が点火火力位置(最大火力位置)にある状態で点火スイッチ11Aが押圧操作された場合、連動機構11Dは、点火火力位置にあるレバーについては連動させずにそのままの位置とし、点火火力位置にないレバーを右端の点火火力位置に移動させる。なお、スイッチの直線的移動又は回動(押圧操作)に応じて所定位置(点火火力位置)にないレバーを所定位置に移動させる連動機構は、特開平10−238751号公報、特許第3128466号公報、特開2015−215143号公報などに開示された公知の様々な機構を採用することができる。
火力操作レバー11Bの点火火力位置(第1位置)は、グリルバーナ10のうちの上バーナを最大火力に設定する位置である。火力操作レバー11Cの点火火力位置(第1位置)は、グリルバーナ10のうちの下バーナを最大火力に設定する位置である。火力操作レバー11Bの温め火力位置(第2位置)は、グリルバーナ10のうちの上バーナを最小火力に設定する位置である。火力操作レバー11Cの温め火力位置(第1位置)は、グリルバーナ10のうちの下バーナを最大火力に設定する位置である。つまり、図8で示す二点鎖線P1のように火力操作レバー11B、11Cがいずれも点火火力位置にあるときには、グリルバーナ10に対するガス供給量が最大となり、図8で示す二点鎖線P2又は図10のように火力操作レバー11B、11Cがいずれも温め火力位置にあるときには、グリルバーナ10に対するガス供給量が最小となる。
このような連動機構11Dが設けられているため、点火スイッチ11Aの押圧操作時には、図10のように火力操作レバー11B,11Cを点火火力位置(グリルバーナ10に対して最大量のガスが供給される最大火力位置)に設定した状態でグリルバーナ10に対応するイグナイタで火花放電を行うことができる。
「あたためモード」を実施する場合、このように点火スイッチ11Aの押圧操作に応じてグリルバーナ10が点火された後、使用者によって、火力操作レバー11B,11Cの両方が図8の二点鎖線P2で示す左端の温め火力位置(最小火力位置)に移動されることが望ましい。このため、図1、図8のように操作パネル65には、第1目印部91、第2目印部92、第3目印部93が設けられている。これら、第1目印部91、第2目印部92、第3目印部93は、点火火力位置にあるときの火力操作レバー11B,11Cの位置(図8で示す二点鎖線P1の位置)よりも温め火力位置にあるときの火力操作レバー11B,11Cの位置(図8で示す二点鎖線P2の位置)に近い位置にそれぞれ設けられている。
第1目印部91は、火力操作レバー11B,11Cの温め火力位置を示す目印である。
第1目印部91は、あたためモードに対応する所定単語(具体的には、「あたため」の文字)が表された第1文字表示部91Aと、所定の図形(例えば、四角形の図形)が表された図形表示部91Bとを含んでおり、これら第1文字表示部91Aと図形表示部91Bとが上下に近接して配置されている。第1文字表示部91Aは、操作パネル65の前方側から視認可能となるように操作パネル65の前面部に「あたため」の文字が表されている。図8の二点鎖線P2で示すように、火力操作レバー11B,11Cはいずれも、温め火力位置(可動範囲の左端位置)にあるときに第1目印部91の上に位置する。なお、図8の二点鎖線P1で示すように、火力操作レバー11B,11Cはいずれも、点火火力位置(可動範囲の右端位置)にあるときには、所定の文字(上火、下火の文字表示部96)及び図形部分(右側となるにつれて幅が広くなる線状図形95の最も幅が広い部分)の上に位置する。線状図形95は、上下の幅が火力の大きさを示し、火力操作レバー11B,11Cの位置が右側になるほど火力が大きくなることを示している。
図9(A)のように第2目印部92は、表示ランプとして構成された発光部84Aと第2文字表示部85Aとを備える。図9(B)のように、発光部84Aは、発光素子88Aと導出部88Bとを具備する。発光素子88Aは、例えば、LEDなどの発光素子によって構成されており、外部からモード選択スイッチ65A(実行操作部)に対して上述の所定操作(あたためモードに設定するための操作)が行われた場合に発光する。導出部88Bは、上述の所定操作に応じて発光素子88Aが発光した場合に当該発光素子88Aからの光を外部に導出する部分である。本構成では、操作パネル65の前面部が例えば樹脂シートなどのシート部材によって構成されており、導出部88Bは、この樹脂シートに形成された透光性の窓部として構成されている。導出部88Bは、後方側に配置された発光素子88Aからの光を通過させて前方側に導き得る構成であればよく、樹脂材料などからなる透明部として構成されていてもよく、半透明部として構成されていてもよい。或いは、上記樹脂シートに形成された孔部として構成されていてもよい。なお、図9の構成では、導出部88Bの周囲(例えば「あたため」の文字が表された部分など)は、遮光性のシート材によって構成されている。第2文字表示部85Aは、操作パネル65の前方側から視認可能となるように第1文字表示部91Aの所定単語と同一の単語(即ち、「あたため」の文字)が示された文字表示部分である。
図8のように、第3目印部93は、第1目印部91と第2目印部92とを対応付ける目印となっている。第3目印部93は、第2目印部92の近傍(具体的には、第2文字表示部85Aの近傍)から第1目印部91の近傍(具体的には、第1文字表示部91Aの近傍)に向けて延びる形状で描かれた線状の図形となっている。図8の例では、第3目印部93は、点線が直角に折れ曲がった線状の図形となっており、第2文字表示部85Aの近くから左右方向の延びる点線と第1文字表示部91Aの近くから上下方向の延びる点線とによって折れ曲がった点線図形が構成されている。
更に、操作パネル65(パネル部)には、図9のような複数の第4目印部94が形成されており、各第4目印部94は、あたためモード以外のモードが選択された場合に発光する第2発光部84B,84C,84Dをそれぞれ備えている。具体的には、表示ランプとして構成された第2発光部84Bと「干物」の文字で表された文字表示部85Bによって一番上の第4目印部94が構成され、表示ランプとして構成された第2発光部84Cと「切身」の文字で表された文字表示部85Cによって中段の第4目印部94が構成され、表示ランプとして構成された第2発光部84Dと「姿焼」の文字で表された文字表示部85Dによって一番下の第4目印部94が構成されている。そして、第2目印部92と複数の第4目印部94とが複数段に並んだ形でモード表示部83が構成されている。そして、火力操作レバー11B,11C及び第1目印部91の下方側にモード表示部83が設けられており、モード表示部83の最上段において第1目印部91と所定方向(斜め上下方向)に対向する形態で第2目印部92が設けられている。
ガスコンロ1では、「あたためモード」に設定されているときに点火スイッチ11Aが押された場合、制御回路70が図7の調理制御を実行し、まず、第1タイマ(グリルバーナ10の点火が開始してからの経過時間を計測するタイマ)を動作させ、グリルバーナ10の点火が開始してからの経過時間の計測を開始する(ステップS1)。
制御回路70は、ステップS1の後、焼き加減情報を取得する(ステップS2)。ガスコンロ1では、電源がオン状態となっているときに、図8で示す操作パネル65を操作することで焼き加減を切り替えることができるようになっている。具体的には、電源オン状態のときに図11のように焼き加減選択スイッチ65Bが押圧されると、焼き加減の設定状態が切り替わる。例えば、「標準モード」のときに焼き加減選択スイッチ65Bが押されると、「強めモード」に切り替わり、その後、モード選択スイッチ65Aが押される毎に、「弱めモード」「標準モード」「強めモード」・・・と順番に切り替わる。「強めモード」に設定された場合には「強めモード」に設定されていることを示す焼き加減設定情報が、「標準モード」に設定された場合には「標準モード」に設定されていることを示す焼き加減設定情報が、「弱めモード」に設定された場合には「弱めモード」に設定されていることを示す焼き加減設定情報がメモリなどに記憶される。このようなモード設定(焼き加減の設定)は、図7で示す調理制御の開始前に行うようにしてもよく、図7で示す調理制御の開始後に行えるようにしてもよい。制御回路70は、ステップS2の処理を実行する場合、例えばメモリを参照し、焼き加減設定情報がいずれのモードを示すものであるかを確認する。
なお、本構成では、「強めモード」に設定されている場合、強めモードを示す文字表示(「強め」の文字)にて隣接して配置された表示ランプ86Aを点灯させるように制御回路70によって制御がなされ、この場合、その他の表示ランプ86B,86Cは消灯させる。同様に、「標準モード」に設定された場合、標準モードを示す文字表示(「標準」の文字)にて隣接して配置された表示ランプ86Bを点灯させるとともにその他の表示ランプ86A,86Cは消灯させ、「弱めモード」に設定された場合、弱めモードを示す文字表示(「弱め」の文字)にて隣接して配置された表示ランプ86Cを点灯させるとともにその他の表示ランプ86A,86Bは消灯させる。
制御回路70は、ステップS2の後、カットオフ温度を算出する(ステップS3)。カットオフ温度は、サーミスタ63の検出値によって把握される検出温度と比較するための閾値温度である。カットオフ温度(閾値温度)は、グリルバーナ10が点火状態となってから時間が経過するほど低く設定される。例えば、カットオフ温度(閾値温度)をYとし、グリルバーナ10が点火状態となってからの経過時間をXとした場合、制御回路70は、「強めモード」に設定されている場合には、Y=A×X+Bの式にてカットオフ温度(閾値温度)Yを算出し、「標準モード」に設定されている場合には、Y=A×X+Cの式にてカットオフ温度(閾値温度)Yを算出し、「弱めモード」に設定されている場合には、Y=A×X+Dの式にてカットオフ温度(閾値温度)Yを算出する。B,C,Dの値はいずれも正の固定値(定数)であり、B>C>Dである。また、Aの値は負の固定値(定数)である。各式の関係は、図12にも示す。なお、図12は、標準モードに設定された場合の一例を示しており、強めモードのときの式(Y=A×X+B)及び弱めモードのときの式(Y=A×X+D)は、二点鎖線にて仮想的に示している。
ステップS3では、「強めモード」「標準モード」「弱めモード」のうちの現在(ステップS3の実行時点)の設定モードに対応する演算式をY=A×X+B、Y=A×X+C、Y=A×X+Dの中から選択する。そして、現在(ステップS3の実行時点)における第1タイマのカウント値(ステップS1からの経過時間)をXとして、カットオフ温度(閾値温度)Yを算出する。
制御回路70は、ステップS3の後、サーミスタ63の検出値に基づいて、サーミスタ63の配置位置(グリル庫12内又は排気路13内)の検出温度Tを取得する。そして、ステップS4で取得した検出温度TとステップS3で算出したカットオフ温度(閾値温度)Yとを比較し、検出温度Tがカットオフ温度(閾値温度)Yに到達しているか否かを判断する(ステップS5)。制御回路70は、ステップS5において検出温度Tがカットオフ温度(閾値温度)Y未満であると判定した場合、処理をステップS2に戻し、ステップS2以降の処理を再び行う。
制御回路70は、ステップS5において検出温度Tがカットオフ温度(閾値温度)Y以上であると判定した場合、処理をステップS6に進め、グリルバーナ10の消火を行う。ステップS6では、ステップS6の実行時点での第1タイマのカウント値(ステップS1の実行後の経過時間ta)も取得する。本構成では、制御回路70は、制御部の一例に相当し、グリルバーナ10が点火状態となってから時間が経過するにつれてカットオフ温度(閾値温度)を低く設定し、サーミスタ63(温度センサ)で検出された温度Tがカットオフ温度(閾値温度)に達した場合にグリルバーナ10を消火状態に切り替えるように機能する。なお、図12の説明図では、矢印F1がグリルバーナ10の点火タイミングを示し、矢印F2がグリルバーナ10の消火タイミングを示す。この間の期間は、グリルバーナ10が点火しており、グリル庫12内の温度は上昇する。一方、グリルバーナ10の消火事件(矢印F2で示すタイミング)以降は、グリル庫12に残存する余熱によってグリル庫12内の調理対象物が温められる。
制御回路70は、ステップS6の後、ステップS7にて第2タイマ(グリルバーナ10が消火してからの経過時間を計測するタイマ)を動作させ、グリルバーナ10が消火してからの経過時間の計測を開始する(ステップS7)。制御回路70は、ステップS7の後、ステップS8にて設定時間(第2時間)を算出する。制御部の一例に相当する制御回路70は、グリルバーナ10が点火状態となってからサーミスタ63(温度センサ)で検出される温度Tがカットオフ温度(閾値温度)に達するまでの時間(具体的には、ステップS6で取得した、経過時間ta)が短いほど設定時間(第2時間)t2を長く設定する。設定時間t2の算出は、例えば、t2=E×ta+Fのような一次式(但し、Eは負の定数、Fは正の定数、taはステップS6で取得した経過時間)で算出してもよい。或いは、t2=G/taのような反比例の式(但し、Gは正の定数)で算出してもよい。或いは、サーミスタ63(温度センサ)で検出される温度Tがカットオフ温度(閾値温度)に達するまでの時間(経過時間ta)が短いほど設定時間(第2時間)t2を長く設定するように経過時間taと設定時間(第2時間)t2とを対応付けたテーブルデータを用意しておき、経過時間taに基づいて対応付けられた設定時間(第2時間)t2を決定するようにしてもよい。
制御回路70は、ステップS8の後、ステップS9にて、ステップS7で開始した第2タイマのカウント値(グリルバーナ10が消火してからの経過時間)が第2時間t2に到達したか否かを判断する。第2時間t2は、設定時間(第1時間)t1よりも短い時間であり、予め決められた固定時間であってもよく、設定時間(第2時間)t1の値に基づいて算出される時間であってもよい。例えば、第2時間t2は、設定時間(第1時間)t1から一定時間t3(例えば30秒)だけ減算して得られた時間(即ちt2=t1−t3)であってもよく、設定時間(第1時間)t1の一定割合(例えば80%)の時間などであってもよい。制御回路70は、第2タイマのカウント値(グリルバーナ10が消火してからの経過時間)が第2時間t2に到達するまではステップS9の判断を繰り返し行い、第2タイマのカウント値(経過時間)が第2時間t2に到達した場合にはステップS10に処理を進め、予告通知を開始する。
制御回路70は、ステップS10で予告通知を開始する場合、例えば、ブザー装置73を鳴動させ、所定の音(例えば、ピピッという音)を所定回数発する。ステップS10で予告通知を行うときのブザー装置73の音は、ステップS12で報知処理を行うときの音よりも小さく設定すると良い。制御回路70は、ステップS10の後、ステップS11にて、ステップS7で開始した第2タイマのカウント値(グリルバーナ10が消火してからの経過時間)が設定時間t1(第1時間)に到達したか否かを判断する。制御回路70は、第2タイマのカウント値(グリルバーナ10が消火してからの経過時間)が第1時間t1に到達するまではステップS11の判断を繰り返し行い、第2タイマのカウント値(経過時間)が第1時間t1に到達した場合にはステップS12に処理を進め、報知処理を行う。制御回路70は、ステップS12で報知処理を開始する場合、例えば、音声装置75を動作させ、所定の音声(例えば、所定のメロディ)を所定時間流す。なお、メロディーに限定されず、例えば、「あたためが終了しました」といったメッセージを音声で発するようにしてもよい。本構成では、制御回路70、ブザー装置73、音声装置75が報知部として機能し、グリルバーナ10を消火状態に切り替えてから設定時間(第1時間)t1が経過するまでは所定の報知(所定の音声報知)を行わず、設定時間t1が経過した後に所定の報知を行うようになっている。この報知部は、制御回路70がステップS6でグリルバーナ10を消火状態に切り替えてから設定時間t1よりも短い第2時間t2が経過したときに第1の音声報知とは異なる第2の音声報知(例えば、ブザー装置73によるブザーの鳴動)を行い、ステップS6でグリルバーナ10を消火状態に切り替えてから設定時間t1が経過したときに第1の音声報知(例えば、音声装置75によるメロディの演奏)を行う。なお、ステップS8の後、所定のタイミングから設定時間t1が経過するまでの間、残時間(ステップS7からの時間経過が設定時間t1(第1時間)に達するまでの残時間)を継続的に表示するようにカウントダウン機能を持たせてもよい。例えば、ステップS10の実行後、表示器82に上記残時間を数値表示するようにしてもよい。
次に、本構成の主な効果を例示する。
ガスコンロ1は、連動機構11Dを有しており、連動機構11Dは、少なくとも火力操作レバー11B,11Cが温め火力位置にあるときに点火スイッチ11A(点火操作部)によってグリルバーナ10を点火する操作がなされた場合に火力操作レバー11B,11Cを点火火力位置に移動させるように動作する。つまり、火力操作レバー11B,11Cが温め火力位置となっている場合であっても、グリルバーナ10を点火する操作がなされた場合にはその操作に連動させて火力操作レバー11B,11Cを適正の位置(火力を相対的に高める位置である点火火力位置)に設定することができる。ゆえに、調理対象物を温めるモードを実行する場合であってもグリルバーナ10の点火をより確実に行うことができる。更に、モード選択スイッチ65A(実行操作部)に対して所定操作(所定のあたためモードを実行するための操作)が行われた場合に第2目印部92の発光部84Aが発光する構成となっている。従って、ユーザは、発光部84Aが発光しているか否かによってあたためモードに設定されているか否かを把握することができる。しかも、このように構成された第2目印部92と、火力操作レバー11B,11Cの温め火力位置を示す目印である第1目印部91とを対応付けるように第3目印部93が形成されているため、ユーザは、第2目印部92が発光状態にあるとき(所定のあたためモードに設定されているとき)に、この第2目印部92に対応付けられた第1目印部91を意識することができるようになる。従って、ユーザは、あたためモードを実行する場合、点火時に点火火力位置となっていた火力操作レバー11B,11Cを点火後に温め火力位置に移動させるような対応をより確実に行いやすくなり、点火後の過剰な加熱を抑制し得る構成を、より簡易に実現することができる。
第3目印部93は、第2目印部92から第1目印部91に向けて延びる形状で描かれた線状の図形を含んでいる。このように第3目印部93が構成されていれば、第3目印部93に含まれる線状の図形により、第2目印部92と第1目印部91とが対応付けられていることを、ユーザに対して視覚面で直感的に分かりやすく伝えることができる。
第1目印部91は、あたためモードに対応する所定単語(あたためモードの略称である「あたため」の単語)が示された第1文字表示部91Aを含んでいる。第2目印部92は、第1文字表示部91Aの所定単語と同一の単語(「あたため」の単語)が示された第2文字表示部85A及び発光部84Aを含んでいる。このように、第1目印部91に設けられた第1文字表示部91Aと第2目印部92に設けられた第2文字表示部85Aのそれぞれにおいてあたためモードに対応する所定単語(「あたため」の単語)が示されていれば、ユーザは、第1目印部91と第2目印部92の関連性を、より確証をもって認識することができる。ゆえに、ユーザは、あたためモードを実行する場合に、火力操作レバー11B,11Cを、点火後に温め火力位置に移動させるような対応をより確実に行いやすくなる。なお、所定単語と同一の単語ではなく、同義又は類似する意味の単語であっても良い。
点火火力位置にあるときの火力操作レバー11B,11Cの位置よりも温め火力位置にあるときの火力操作レバー11B,11Cの位置に近い位置に、第1目印部91、第2目印部92、第3目印部93がそれぞれ設けられている。このように温め火力位置にあるときの火力操作レバー11B,11Cの位置に近い位置となるように、第1目印部91、第2目印部92、第3目印部93がそれぞれ設けられていれば、発光部84Aが発光しているとき(即ち、あたためモードに設定される場合)に、第1目印部91、第2目印部92、第3目印部93が同時にユーザの目に入りやすくなる。ユーザは、発光状態となっている第2目印部92と第1目印部91との関連性をより確実に認識し、火力操作レバー11B,11Cを点火後に温め火力位置に移動させる対応をより確実に行いやすくなる。
操作パネル65(パネル部)には、あたためモード以外のモードが選択された場合に発光する第2発光部84B,84C,84Dをそれぞれ備えた各第4目印部94が形成されている。そして、第2目印部92と複数の第4目印部94とが複数段に並んだ形でモード表示部83が構成されている。更に、火力操作レバー11B,11C及び第1目印部91の下方側にモード表示部83が設けられ、モード表示部83の最上段において第1目印部91と所定方向(具体的には、斜め上下方向)に対向する形態で第2目印部92が設けられている。このようにモード表示部83の最上段において第1目印部91と所定方向に対向する形態で第2目印部92が設けられていれば、複数のモード表示を行い得るパネル構成を採用しつつ、第1目印部91と第2目印部92とを対向状態で近づけることができる。よって、複数のモード表示を行い得る構成であっても、第2目印部92が発光状態となっているときに第1目印部91をより強く印象付けることができる。
<実施例2>
次に、図13、図14などを参照し、実施例2について説明する。
実施例2は、第3目印部293の構成が実施例1の第3目印部93と異なり、第3目印部293の構成以外は実施例1と同様である。よって、以下では、第3目印部293の構成を重点的に説明し、実施例1と同様の構成をなす部分については、実施例1と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図13、図14(A)のように、実施例2のガスコンロに設けられた第3目印部293は、図9(B)で示す導出部88Bとは異なる光導出部288を備えている。光導出部288は、少なくとも発光部84Aが発光する場合に、第3目印部293の少なくとも一部から操作パネル65(パネル部)の外部に向けて光を導出させるように構成されている。光導出部288は、光誘導部材としての反射板288A、288Bと、窓部288Cとを備え、所定操作(あたためモードに設定する操作)に応じて発光部84Aが発光した場合に当該発光部84Aからの光を導いて操作パネル65(パネル部)の外側に導出する構成となっている。図14(A)の構成では、発光部84Aの光源である発光素子88Aが発光した場合、一部の光が導出部88Bから導出され、一部の光が反射板288A、288Bで反射して窓部288Cを介して操作パネル65の外部に導かれるようになっている。本構成でも、操作パネル65の前面部が例えば樹脂シートなどのシート部材によって構成されており、窓部288Cは、この樹脂シートに形成された透光性の窓部として構成されている。窓部288Cは、後方側に配置された発光素子88Aからの光を通過させて前方側に導き得る構成であればよく、樹脂材料などからなる透明部として構成されていてもよく、半透明部として構成されていてもよい。或いは、上記樹脂シートに形成された孔部として構成されていてもよい。
このように光導出部288が設けられていれば、発光部84Aが発光する場合(あたためモードに設定される場合)に、第3目印部293を光らせた状態とすることができ、ユーザに第3目印部93をより一層印象付けることができる。ゆえに、ユーザは、第3目印部93によってなされる対応関係(第2目印部92と第1目印部91との対応関係)をより一層意識することになり、火力操作レバー11B,11Cを点火後に温め火力位置に移動させる対応がより行われやすくなる。
光導出部288は、所定操作に応じて発光部84Aが発光した場合に当該発光部84Aからの光を導いて操作パネル65(パネル部)の外側に導出する構成となっている。このように光導出部288が構成されていれば、発光部84Aの光(具体的には、発光素子88Aからの光)を利用して第3目印部293を光らせることができるようになり、第3目印部293を光らせるための専用の発光部などを削減しやすくなる。
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような例も本発明の技術的範囲に含まれる。
実施例2では、光導出部の一例として光導出部288を例示したが、図14(B)のような光導出部298としてもよい。図14(B)では、発光素子88Aが、導光板298Aの側部に光を当てるエッジライト型として構成されており、導光板298Aは、発光素子88Aからの光を取り込んで、導出部88B及び窓部288Cのそれぞれに向けて前方側に光を導出する構成となっている。なお、窓部288Cは、実施例2と同様の構成をなす。
実施例2では、発光部84Aの光を利用して第3目印部293を光らせていたが、第3目印部293を光らせるための専用の発光部を設けるようにしてもよい。この場合、専用の発光部と、第3目印部293に設けられた窓部(窓部288Cと同様の窓部)が光導出部の一例に相当する。