JP6866681B2 - ポリエステル樹脂の製造方法およびトナーの製造方法 - Google Patents
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Description
これらの方法により画像を得るために用いられる装置は、通常、加熱体である定着部を有するため、装置内での温度が上昇する。そのため、トナーには、ブロッキングしないこと、つまり保存性が求められる。加えて、連続印刷時においても装置の汚れやカブリなどが見られないこと、すなわち耐久性もトナーには求められている。
例えば、特許文献1、2にはテレフタル酸等の多価カルボン酸から導かれる単位と、ビスフェノール誘導体等の多価アルコールから導かれる単位とを特定の割合で含むトナー用ポリエステル樹脂が開示されている。
粉砕法は、バインダー樹脂および他のトナー配合物(例えば顔料(着色剤)、離型剤等)を溶融混練し、得られた混練物を粉砕機などによって微粉砕し、分級することによってトナーを得る方法であり、工業的に広く用いられている。
ケミカル法は、例えばバインダー樹脂等を有機溶剤中に溶解させ、得られた樹脂溶液を水系媒体に分散させてバインダー樹脂を乳化した後、有機溶剤を除去し、得られた乳化粒子を凝縮し、凝縮粒子を分離して洗浄、乾燥することによってトナーを得る方法である。
そのため、トナーをケミカル法で製造する場合、バインダー樹脂には溶剤溶解性に優れることが重要である。
さらに、トナーの耐久性はバインダー樹脂の強度(樹脂強度)に影響するため、バインダー樹脂には高い樹脂強度も求められる。
[1] チタン触媒の存在下、多価カルボン酸と多価アルコールとを重合するポリエステル樹脂の製造方法であって、前記多価カルボン酸は3価以上のカルボン酸を含み、前記多価アルコールはシクロへキサン化合物を含む、ポリエステル樹脂の製造方法。
[2] 前記シクロへキサン化合物が1,4−シクロヘキサンジメタノールである、[1]に記載のポリエステル樹脂の製造方法。
[3] 前記多価アルコールはイソソルバイドをさらに含む、[1]または[2]に記載のポリエステル樹脂の製造方法。
[4] 前記多価アルコールはビスフェノール誘導体をさらに含む、[1]〜[3]のいずれか1つに記載のポリエステル樹脂の製造方法。
[6] 前記シクロへキサン化合物が1,4−シクロヘキサンジメタノールである、[5]に記載のトナーの製造方法。
[7] 前記ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸由来の構成単位として3価以上のカルボン酸由来の構成単位を含む、[5]または[6]に記載のトナーの製造方法。
[8] 前記ポリエステル樹脂は、多価アルコール由来の構成単位としてイソソルバイド由来の構成単位をさらに含む、[5]〜[7]のいずれか1つに記載のトナーの製造方法。
[9] チタン触媒の存在下で前記多価カルボン酸と多価アルコールとを重合し、前記ポリエステル樹脂を得る、[5]〜[8]のいずれか1つに記載のトナーの製造方法。
[10] 前記ポリエステル樹脂は、多価アルコール由来の構成単位としてビスフェノール誘導体由来の構成単位をさらに含む、[5]〜[9]のいずれか1つに記載のトナーの製造方法。
本発明のトナーの製造方法によれば、保存性に優れたトナーを製造できる。
以下、本発明のポリエステル樹脂の製造方法の一実施形態について説明する。
本実施形態のポリエステル樹脂の製造方法では、チタン触媒の存在下、多価カルボン酸および多価アルコールと、必要に応じて他の成分とを重合してポリエステル樹脂を製造する。
本実施形態のポリエステル樹脂の製造方法では、多価カルボン酸として少なくとも3価以上のカルボン酸を用いる。3価以上のカルボン酸を用いることで、樹脂強度の高いポリエステル樹脂を生産性よく製造できる。
3価以上のカルボン酸としては、例えばトリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸またはそれらの酸無水物や低級アルキルエステルなどが挙げられる。
これらのうち、3価以上のカルボン酸としては、沸点が高く、トナーから発生する揮発成分の原因物質になりにくい点で、トリメリット酸、トリメリット酸無水物が好ましい。
これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
2価のカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸またはそれらの低級アルキルエステル;フタル酸、セバシン酸、イソデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アジピン酸、フランジカルボン酸またはそれらのモノメチル、モノエチル、ジメチル、ジエチルエステルまたはそれらの酸無水物などが挙げられる。
テレフタル酸、イソフタル酸の低級アルキルエステルの例としては、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、イソフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジブチル、イソフタル酸ジブチルなどが挙げられる。
これらのうち、2価のカルボン酸としては、ハンドリング性およびコストに優れる点で、テレフタル酸、イソフタル酸、フランジカルボン酸が好ましい。
これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態のポリエステル樹脂の製造方法では、多価アルコールとして少なくともシクロへキサン化合物を用いる。シクロへキサン化合物を用いることで、樹脂強度の高いポリエステル樹脂を製造できる。加えて、得られるポリエステル樹脂は着色しにくいため、トナーとする際に用いる着色剤の色味に影響しにくく、カラートナーやクリアトナー用のバインダー樹脂として好適である。
シクロへキサン化合物としては、例えば1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2,3−シクロヘキサントリオール、1,3,5−シクロヘキサントリオールなどが挙げられる。
これらのうち、シクロへキサン化合物としては、樹脂強度がより高いポリエステル樹脂が得られる点で、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましく、その中でも特に、低コストでポリエステル樹脂を製造できる点から、1,4−シクロヘキサンジメタノールがより好ましく、トランス体/シス体の異性体混合物が特に低コストで原料が入手可能となるので特に好ましい。
これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
イソソルバイドとしては、例えばD−イソソルバイド、L−イソソルバイドなどが挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、適度な定着強度と帯電性を付与する観点より、ポリオキシプロピレン−(2.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−(2.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましい。
これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
他の2価のアルコールとしては、例えばエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール、水素添加ビスフェノールA、スピログリコール、ジオキサングリコール、ズルシッド、ヘキシッドなどが挙げられる。
これらの中でも、重合反応性やポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)を40℃以上に設計しやすい観点から、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましく、エチレングリコール、1,2−プロパンジオールが特に好ましい。
これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンが好ましい。
これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂の製造には、本発明の目的を損なわない範囲であれば、末端官能基数の調整や他の材料の分散性向上目的で、多価カルボン酸および多価アルコールに加えて、1価のカルボン酸や1価のアルコールを併用してもよい。
1価のカルボン酸としては、例えば安息香酸、p−メチル安息香酸等の炭素数30以下の芳香族カルボン酸;ステアリン酸、ベヘン酸等の炭素数30以下の脂肪族カルボン酸;桂皮酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和二重結合を分子内に1つ以上有する不飽和カルボン酸などが挙げられる。
1価のアルコールとしては、例えばベンジルアルコール等の炭素数30以下の芳香族アルコール;オレイルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の炭素数30以下の脂肪族アルコールなどが挙げられる。
これら1価のカルボン酸および1価のアルコールは、それぞれ1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
チタン触媒は反応活性が高く、触媒を用いない場合や他の触媒を用いた場合よりもエステル化反応時間が短く樹脂生産性を向上させ、樹脂オリゴマー量を低減できるので水分散後の粒径が均一化しやすい。チタン触媒以外の触媒、例えばスズ触媒やアンチモン触媒は原材料に分散している不均一触媒が一般的であり、水分散処理を行うとこれを核として粒子が凝集しやすく、ケミカルトナー用に適した粒径を安定して得られ難い傾向を示す。またスズ触媒やアンチモン触媒は環境汚染物資として懸念され、使用が制限される傾向にあるため、使用量を少なくして環境負荷と凝集への影響を低減しようとすると、重合時の反応性が低位となり重合時間延長による生産性の低下を招く。
液状のチタン触媒としては有機チタン化合物が挙げられ、固体状のチタン触媒としては無機チタン化合物が挙げられる。
アルコキシ基を有するチタンアルコキシド化合物としては、例えばテトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、テトラペントキシチタン、テトラオクトキシチタンなどが挙げられる。
カルボン酸チタン化合物としては、例えば蟻酸チタン、酢酸チタン、プロピオン酸チタン、オクタン酸チタン、シュウ酸チタン、コハク酸チタン、マレイン酸チタン、アジピン酸チタン、セバシン酸チタン、ヘキサントリカルボン酸チタン、イソオクタントリカルボン酸チタン、オクタンテトラカルボン酸チタン、デカンテトラカルボン酸チタン、安息香酸チタン、フタル酸チタン、テレフタル酸チタン、イソフタル酸チタン、1,3−ナフタレンジカルボン酸チタン、4,4−ビフェニルジカルボン酸チタン、2,5−トルエンジカルボン酸チタン、アントラセンジカルボン酸チタン、トリメリット酸チタン、2,4,6−ナフタレントリカルボン酸チタン、ピロメリット酸チタン、2,3,4,6−ナフタレンテトラカルボン酸チタンなどが挙げられる。
カルボン酸チタニル化合物としては、例えば安息香酸チタニル、フタル酸チタニル、テレフタル酸チタニル、イソフタル酸チタニル、1,3−ナフタレンジカルボン酸チタニル、4,4−ビフェニルジカルボン酸チタニル、2,5−トルエンジカルボン酸チタニル、アントラセンジカルボン酸チタニル、トリメリット酸チタニル、2,4,6−ナフタレントリカルボン酸チタニル、ピロメリット酸チタニル、2,3,4,6−ナフクレンテトラカルボン酸チタニルなどが挙げられる。
カルボン酸チタニル塩化合物としては、特に限定されないが、例えば上記のカルボン酸チタニル化合物に対するアルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウムなど)塩もしくはアルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム、バリウムなど)塩などが挙げられる。
これらの中でも、反応性と水分散液の粒径の観点で、テトラブトキシチタン、テトラプロポキシチタンが好ましい。また、チタンキレート化合物を用いる場合は、配位子が、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、オクチレングリコール、トリエタノールアミン、乳酸、乳酸アンモニウムから選ばれることが好ましい。
これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステル樹脂は、例えば、上述した多価カルボン酸および多価アルコールと、必要に応じて他の成分とを含む単量体混合物を公知のポリエステル重合方法により重合することで得られる。
3価以上のカルボン酸の含有量は、多価カルボン酸100モル%中、0.1〜23モル%が好ましく、1〜20モル%がより好ましく、5〜20モル%がさらに好ましい。3価以上のカルボン酸の含有量が0.1モル%以上であれば、ポリエステル樹脂の樹脂強度がより高まる。特に、3価以上のカルボン酸の含有量が5モル%以上であれば、ポリエステル樹脂の生産性がより向上する。一方、3価以上のカルボン酸の含有量が23モル%以下であれば、ポリエステル樹脂の溶剤溶解性およびトナーの保存性がより向上する。加えて、生産性を良好に維持しつつ、着色しにくいポリエステル樹脂が得られやすくなる。
3価以上のアルコールの含有量は、多価カルボン酸100モル部に対して1〜40モル部が好ましく、1〜35モル部がより好ましく、1〜30モル部がさらに好ましい。
さらに、ポリエステル樹脂の重合安定性を得る目的で、単量体混合物に安定剤を添加して重合してもよい。安定剤としては、例えばハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ヒンダードフェノール化合物などが挙げられる。
シクロヘキサン化合物由来の構成単位由来の構成単位の割合は、多価カルボン酸由来の構成単位100モル部に対して0.1〜40モル部が好ましく、0.1〜35モル部がより好ましく、1〜30モル部がさらに好ましく、5〜30モル部が特に好ましく、10〜30モル部が最も好ましい。
イソソルバイド由来の構成単位の割合は、多価カルボン酸由来の構成単位100モル部に対して20モル部未満が好ましく、0.1〜15モル部がより好ましく、0.1〜10モル部がさらに好ましく、1〜10モル部が特に好ましい。
ビスフェノール誘導体由来の構成単位の割合は、多価カルボン酸由来の構成単位100モル部に対して20モル部超、95モル部未満が好ましく、25〜90モル部がより好ましく、30〜80モル部がさらに好ましく、40〜60モル部が特に好ましい。
他の2価のアルコール由来の構成単位の割合は、多価カルボン酸由来の構成単位100モル部に対して10〜150モル部が好ましく、15〜120モル部がより好ましく、20〜100モル部がさらに好ましく、30〜80モル部が特に好ましく、50〜80モル部が最も好ましい。
3価以上のアルコール由来の構成単位の割合は、多価カルボン酸由来の構成単位100モル部に対して1〜40モル部が好ましく、1〜35モル部がより好ましく、1〜30モル部がさらに好ましい。
ポリエステル樹脂のTgは、示差走差熱量計の測定により求めたものである。具体的には、100℃で10分間加熱してメルトクエンチを行った後、昇温速度5℃/minで測定したときのチャートの低温側のベースラインと、Tg近傍にある吸熱カーブの接線との交点の温度を求め、これをTgとする。
ポリエステル樹脂のT4は、1mmφ×10mmのノズルにより、荷重294N(30Kgf)、昇温速度3℃/minの等速昇温下の条件で測定し、サンプル1.0g中の4mmが流出したときの温度である。
ポリエステル樹脂の酸価は、ポリエステル樹脂をベンジルアルコールに溶解し、フェノールフタレインを指示薬として、0.02規定のKOHベンジルアルコール溶液を用いて滴定して求めた値である。
ポリエステル樹脂のピークトップ分子量(Mp)は、1000〜300000が好ましく、1000〜30000がより好ましく、1000〜20000がさらに好ましい。
ポリエステル樹脂のMwおよびMpは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することができる。例えば、テトラヒドロフラン等の溶媒を溶離液とし、ポリスチレン換算分子量として求めることができる。
本実施形態のポリエステル樹脂の製造方法によれば、チタン触媒の存在下、多価カルボン酸と多価アルコールとを重合して製造するに際して、多価カルボン酸として少なくとも3価以上のカルボン酸を用い、多価アルコールとして少なくともシクロヘキサン化合物を用いるので、保存性に優れたトナーを得ることができ、溶剤溶解性および乳化性に優れ、樹脂強度が高いポリエステル樹脂を製造できる。
本実施形態のポリエステル樹脂の製造方法により得られるポリエステル樹脂は、溶剤溶解性および乳化性に優れるので、ケミカル法によりトナーを製造する際のバインダー樹脂として特に好適である。
本実施形態のポリエステル樹脂の製造方法により得られるポリエステル樹脂は、樹脂強度が高いので、該ポリエステル樹脂を用いれば、耐久性に優れるトナーが得られる。
しかも、本実施形態のポリエステル樹脂の製造方法により得られるポリエステル樹脂を用いれば、保存性にも優れたトナーを得ることができる。
次に、本発明のトナーの製造方法の一実施形態について説明する。
本実施形態のトナーの製造方法は、多価カルボン酸由来の構成単位と、多価アルコール由来の構成単位とを含むポリエステル樹脂を有機溶剤に溶解し、樹脂溶液を得る溶解工程と、樹脂溶液に水を加えてポリエステル樹脂を乳化し、ポリエステル樹脂の乳化粒子の分散液(以下、「樹脂粒子分散液」という。)を得る乳化工程と、樹脂粒子分散液中の樹脂粒子を凝集し、凝集粒子の分散液(以下、「凝集粒子分散液」ともいう。)を得る凝集工程と、凝集粒子分散液中の凝集粒子を融合・合一させて、トナー粒子を得る融合・合一工程とを含む。
溶解工程は、ポリエステル樹脂を有機溶剤に溶解し、樹脂溶液を得る工程である。
本実施形態のトナーの製造方法で用いるポリエステル樹脂は、多価アルコール由来の構成単位としてシクロへキサン化合物由来の構成単位を含む。シクロへキサン化合物由来の構成単位を含むポリエステル樹脂は樹脂強度が高いので、耐久性に優れたトナーが得られやすい。加えて、シクロへキサン化合物由来の構成単位を含むポリエステル樹脂は着色しにくいため、着色剤の色味に影響しにくい。
シクロへキサン化合物由来の構成単位の割合は、多価カルボン酸由来の構成単位100モル部に対して0.1〜40モル部が好ましく、0.1〜35モル部がより好ましく、1〜30モル部がさらに好ましく、5〜30モル部が特に好ましく、10〜30モル部が最も好ましい。
シクロへキサン化合物としては、ポリエステル樹脂の製造方法の説明において先に例示したシクロヘキサン化合物が挙げられ、これらの中でも、樹脂強度が高い点で、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノールが好ましく、その中でも特に、トナーの製造コストを低減できる点から、1,4−シクロヘキサンジメタノールがより好ましい。
3価以上のカルボン酸由来の構成単位の割合は、多価カルボン酸由来の構成単位100モル%中、0.1〜23モル%が好ましく、1〜20モル%がより好ましく、5〜20モル%がさらに好ましい。
3価以上のカルボン酸としては、ポリエステル樹脂の製造方法の説明において先に例示した3価以上のカルボン酸が挙げられ、これらの中でも、沸点が高く、トナーから発生する揮発成分の原因物質になりにくい点で、トリメリット酸、トリメリット酸無水物が好ましい。
イソソルバイド由来の構成単位の割合は、多価カルボン酸由来の構成単位100モル部に対して20モル部未満が好ましく、0.1〜15モル部がより好ましく、0.1〜10モル部がさらに好ましく、1〜10モル部が特に好ましい。
イソソルバイドとしては、ポリエステル樹脂の製造方法の説明において先に例示したイソソルバイドが挙げられる。
ビスフェノール誘導体由来の構成単位の割合は、多価カルボン酸由来の構成単位100モル部に対して20モル部超、95モル部未満が好ましく、25〜90モル部がより好ましく、30〜80モル部がさらに好ましく、40〜60モル部が特に好ましい。
ビスフェノール誘導体としては、ポリエステル樹脂の製造方法の説明において先に例示したビスフェノール誘導体が挙げられ、これらの中でも、適度な定着強度と帯電性を付与する観点より、ポリオキシプロピレン−(2.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−(2.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが好ましい。
他の2価のアルコール由来の構成単位の割合は、多価カルボン酸由来の構成単位100モル部に対して10〜150モル部が好ましく、15〜120モル部がより好ましく、20〜100モル部がさらに好ましく、30〜80モル部が特に好ましく、50〜80モル部が最も好ましい。
3価以上のアルコール由来の構成単位の割合は、多価カルボン酸由来の構成単位100モル部に対して1〜40モル部が好ましく、1〜35モル部がより好ましく、1〜30モル部がさらに好ましい。
2価のカルボン酸、他の2価のアルコールおよび3価以上のアルコールとしては、ポリエステル樹脂の製造方法の説明において先に例示した2価のカルボン酸、他の2価のアルコールおよび3価以上のアルコールが挙げられる。
1価のカルボン酸および1価のアルコールとしては、ポリエステル樹脂の製造方法の説明において先に例示した1価のカルボン酸および1価のアルコールが挙げられる。
ポリエステル樹脂のT4は、80〜160℃が好ましく、80〜155℃がより好ましく、80〜150℃がさらに好ましい。
ポリエステル樹脂の酸価は、1〜90mgKOH/gが好ましく、1〜85mgKOH/gがより好ましく、1〜80mgKOH/gがさらに好ましい。
ポリエステル樹脂のMwは、500〜1000000が好ましく、1000〜800000がより好ましく、5000〜500000がさらに好ましい。
ポリエステル樹脂のMpは、1000〜300000が好ましく、1000〜30000がより好ましく、1000〜10000がさらに好ましい。
チタン触媒としては、室温(20℃)で液状であってもよいし、固体状(粉体状)であってもよいが、ポリエステル樹脂の乳化性がより向上する点、特に乳化物の貯蔵安定性の観点から、液状のチタン触媒が好ましい。
液状のチタン触媒としては有機チタン化合物が挙げられ、固体状のチタン触媒としては無機チタン化合物が挙げられる。
有機チタン化合物および無機チタン化合物としては、ポリエステル樹脂の製造方法の説明において先に例示した有機チタン化合物および無機チタン化合物が挙げられる。
さらに、粗粉砕したポリエステル樹脂を数100μm程度(具体的には平均粒径が1mm未満となるように)に微粉砕してもよい。ポリエステル樹脂を微粉砕することで、後述する乳化工程においてポリエステル樹脂がより乳化しやすくなる。
有機溶剤としては、ポリエステル樹脂を溶解可能であれば特に制限されないが、例えば芳香族系有機溶剤、ケトン系有機溶剤、エステル系有機溶剤、アルコール系有機溶剤、グリコールエーテル系有機溶剤などが挙げられる。
芳香族系有機溶剤としては、例えばトルエン、キシレン、オルトキシレン、メタキシレン、パラキシレン、ベンゼン、エチルベンゼンなどが挙げられる。
ケトン系有機溶剤、としては、例えばメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトンなどが挙げられる。
エステル系有機溶剤としては、例えば酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどが挙げられる。
アルコール系有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、イソブタノール、イソプロピルアルコール、2−エチル−1−ヘキサノール、ベンジルアルコールなどが挙げられる。
グリコールエーテル系有機溶剤としては、例えばメチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、メチルトリグリコールなどが挙げられる。
乳化工程は、溶解工程で得られた樹脂溶液に水を加えてポリエステル樹脂を乳化し、樹脂粒子分散液を得る工程である。
樹脂粒子分散液は、樹脂溶液と水との混合物に、剪断力を付与することで得られる。この際、加熱しながら剪断力を付与してもよい。また、加熱しながら有機溶剤を留去してもよい。
剪断力の付与には、例えば回転剪断型ホモジナイザーや、ホモミキサー、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミル等の分散機を用いればよい。
加熱しながら剪断力を付与する場合は、ポリエステル樹脂のTg以上で行うことが好ましく、ポリエステル樹脂のTgより2℃以上高い温度で行うことがより好ましく、さらに好ましくは5℃以上である。ポリエステル樹脂のTg以上で加熱しながら剪断力を付与すれば、樹脂溶液と水との混合物の粘度が十分に下がり、ポリエステル樹脂を容易に乳化できる。
樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザ回析式粒度分布測定装置で測定される。
塩基性化合物としては、無機塩基性化合物および有機塩基性化合物のいずれであってもよい。
無機塩基性化合物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の水酸化アルカリ金属;アルカリ金属の炭酸塩や酢酸塩等の弱酸の塩あるいは部分中和塩;アンモニアなどが挙げられる。
有機塩基性化合物としては、例えばメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミン類;ジエタノールアミン等のアルカノールアミン類;コハク酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム等の脂肪酸塩などが挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤としては、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤;ラウリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤;ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のノニオン性界面活性剤などが挙げられる。
これらの中でも、乳化安定性などの観点から、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が好ましく、アニオン性界面活性剤がより好ましい。
これらは1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
凝集工程は、乳化工程で得られた樹脂粒子分散液中の樹脂粒子を凝集し、凝集粒子分散液を得る工程である。
凝集工程では、例えば樹脂粒子分散液に凝集剤を添加すると共に、樹脂粒子分散液のpHを酸性条件の2〜5程度に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加する。その後、樹脂粒子のTgから80℃程度までに加熱し、樹脂粒子分散液中の樹脂粒子を凝集させて、凝集粒子を形成させる。また、樹脂粒子分散液を回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、25℃程度の室温条件下で凝集剤を添加し、樹脂粒子分散液のpHを酸性条件の2〜5下程度に調整し、必要に応じて分散安定剤を添加した後に、上記加熱処理を行って凝集粒子を形成させてもよい。
無機金属塩としては、例えば塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の金属塩などが挙げられる。
凝集剤は、水性媒体に溶解させたものを樹脂粒子分散液に添加することが好ましく、凝集剤の添加時および添加終了後には十分な攪拌をすることが好ましい。
キレート剤としては、例えば酒石酸、クエン酸、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)などが挙げられる。
キレート剤の使用量は、ポリエステル樹脂100質量部に対して0.01〜5.0質量部が好ましく、0.1質量部以上3.0質量部未満がより好ましい。
着色剤分散液、荷電制御剤分散液、離型剤分散液、流動改質剤分散液、磁性体分散液等の配合物分散液は、樹脂粒子分散液と同様にして調製される。
配合物分散液を複数用いる場合、全ての配合物分散液中の配合物を同時に凝集してもよいし、任意の配合物分散液中の配合物を凝集した後に、別の配合物分散液をさらに添加して凝集してもよい。
配合物分散液中の配合物の凝集には、凝集剤を用いることが好ましい。
トナーをカラートナーとして用いる場合、イエロー系着色剤としてはベンジジンイエロー、モノアゾ系染顔料、縮合アゾ系染顔料などが挙げられ、マゼンタ系着色剤としてはキナクリドン、ローダミン系染顔料、モノアゾ系染顔料などが挙げられ、シアン系着色剤としてはフタロシアニンブルーなどが挙げられる。
着色剤の含有量は特に制限されないが、トナーの色調や画像濃度、熱特性に優れる点から、トナーの総質量に対して、2〜10質量%が好ましい。
トナーをカラートナーとして用いる場合、荷電制御剤としては無色ないし淡色で、トナーへの色調障害が少ないものが適しており、このような荷電制御剤としては、例えばサリチル酸またはアルキルサリチル酸のクロム、亜鉛、アルミニウム等との金属塩、金属錯体、アミド化合物、フェノール化合物、ナフトール化合物などが挙げられる。さらに、スチレン系、アクリル酸系、メタクリル酸系、スルホン酸基を有するビニル重合体を荷電制御剤として用いてもよい。
荷電制御剤の含有量は、トナーの総質量に対して、0.5〜5質量%が好ましい。荷電制御剤の含有量が0.5質量%以上であればトナーの帯電量が十分なレベルとなる傾向にあり、5質量%以下であれば荷電制御剤の凝集による帯電量の低下が抑制される傾向にある。
離型剤の融点は、上記トナー性能を考慮して適宜決定すればよい。
離型剤の含有量は特に制限されないが、上記のトナー性能を左右することから、トナーの総質量に対して、0.3〜15質量%が好ましい。離型剤の含有量の下限値は、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上が特に好ましい。また、離型剤の含有量の上限値は、13質量%以下がより好ましく、12質量%以下が特に好ましい。
これらの添加剤の含有量は、トナーの総質量に対して、0.05〜10質量%が好ましい。これらの添加剤の含有量が0.05質量%以上であればトナーの性能改質効果が十分に得られる傾向にあり、10質量%以下であればトナーの画像安定性が良好となる傾向にある。
磁性体としては、例えばフェライト、マグネタイト、鉄、コバルト、ニッケル等を含む強磁性の合金;化合物や強磁性元素を含まないが、適当に熱処理することによって強磁性を示すようになる合金(例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−スズ等のマンガンと銅とを含む、所謂ホイスラー合金、二酸化クロム等)などが挙げられる。
磁性体の含有量は特に制限されないが、トナーの粉砕性に大きく影響を与えるため、トナーの総質量に対して、3〜70質量%が好ましい。磁性体の含有量が3質量%以上であればトナーの帯電量が十分なレベルとなる傾向にあり、70質量%以下であればトナーの定着性や粉砕性が良好となる傾向にある。磁性体の含有量の上限値は、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下が特に好ましい。
融合・合一工程は、凝集工程で得られた凝集粒子分散液中の凝集粒子を融合・合一させて、粒子状のトナー(以下、「トナー粒子」ともいう。)を得る工程である。
融合・合一工程では、例えば凝集粒子分散液に対して、ポリエステル樹脂のTgから80℃程度までに加熱して、凝集粒子を融合・合一し、トナー粒子を形成する。
なお、凝集粒子分散液を加熱する前に、凝集粒子分散液を冷却したり、凝集粒子分散液のpHを3〜10に調整したり、凝集粒子分散液に凝集停止剤を添加したりして、凝集を停止することが好ましい。
トナー粒子の体積平均粒径は、レーザ回析式粒度分布測定装置で測定される。
本実施形態のトナーの製造方法においては、融合・合一工程の後に、洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程等の後処理工程を行ってもよく、後処理工程を行うことで乾燥した状態のトナー粒子が得られる。
固液分離工程では、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等の濾過方法を実施することが好ましい。
乾燥工程では、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等の乾燥方法を実施することが好ましい。
本実施形態のトナーの製造方法によれば、バインダー樹脂としてポリエステル樹脂を用いて製造するので、保存性に優れるトナーが得られる。しかも、このポリエステル樹脂はシクロヘキサン化合物由来の構成単位を含んでおり、樹脂強度が高い。よって、耐久性に優れるトナーが得られる。
また、本実施形態のトナーの製造方法はケミカル法によりトナーを製造する方法であり、効率よくトナーの小粒径化を図ることができる。
<ガラス転移温度(Tg)の測定>
ポリエステル樹脂のTgは、示差走差熱量計(島津製作所社製、「DSC−60」)を用いて、昇温速度5℃/minにおけるチャートのベースラインと吸熱カーブの接線との交点から測定した。測定試料は10mg±0.5mgをアルミパン内に計量し、ガラス転移温度以上の100℃で10分融解後、ドライアイスを用いて急冷却処理したサンプルを用いて行った。
ポリエステル樹脂のT4は、フローテスター(島津製作所社製、「CFT−500D」)を用いて、1mmφ×10mmのノズル、荷重294N、昇温速度3℃/minの等速昇温下で、樹脂サンプル1.0g中の4mmが流出したときの温度を測定し、これを軟化温度とした。
ポリエステル樹脂のAVは、以下のようにして測定した。
ポリエステル樹脂約0.2gを枝付き三角フラスコ内に精秤し(A(g))、ベンジルアルコール10mLを加え、窒素雰囲気下として230℃のヒーターにて15分加熱しポリエステル樹脂を溶解した。室温まで放冷後、ベンジルアルコール10mL、クロロホルム20mL、フェノールフタレイン溶液数滴を加え、0.02規定のKOH溶液にて滴定した(滴定量=B(mL)、KOH溶液の力価=p)。ブランク測定を同様に行い(滴定量=C(mL))、以下の式に従って算出した。
酸価(mgKOH/g)={(B−C)×0.02×56.11×p}/A
ポリエステル樹脂のMwおよびMpは、GPC法により、得られた溶出曲線のピーク値に相当する保持時間から、MwおよびMpを標準ポリスチレン換算により求めた。また、上記方法で得られたMpが1000以下の溶出曲線の面積割合(%)を求め、これを「ピーク分子量(Mp)<1000以下」とした。「ピーク分子量(Mp)<1000以下」は、ポリエステル樹脂中の低分子量体の割合を示す指標である。なお、溶出曲線のピーク値とは、溶出曲線が極大を示す点であり、極大値が2点以上ある場合は、溶出曲線が最大値を与える点のことである。測定条件を以下に示す。
・装置:東洋ソーダ工業社製、「HLC8020」
・カラム:東洋ソーダ工業社製、「TSKgelGMHXL」、(カラムサイズ:7.8mm(ID)×30.0cm(L))を3本直列に連結
・オーブン温度:40℃
・溶離液:THF
・試料濃度:4mg/10mL
・濾過条件:0.45μmテフロン(登録商標)メンブレンフィルターで試料溶液を濾過
・流速:1mL/分
・注入量:0.1mL
・検出器:RI
・検量線作成用標準ポリスチレン試料:東洋ソーダ工業社製のTSK standard、A−500(分子量5.0×102)、A−2500(分子量2.74×103)、F−2(分子量1.96×104)、F−20(分子量1.9×105)、F−40(分子量3.55×105)、F−80(分子量7.06×105)、F−128(分子量1.09×106)、F−288(分子量2.89×106)、F−700(分子量6.77×106)、F−2000(分子量2.0×107)。
ポリエステル樹脂の製造において、エステル化反応時の留出水をガラス瓶に取得し、留出水の透明性について5名の判定員に目視にて観察させ、以下の評価基準にて重合安定性を評価した。
○(良好):透明と判定した判定員が5名中、3名以上である。
×(劣る):透明と判定した判定員が5名中、2名以下である。
エステル化反応および縮合反応の合計時間(重合時間)を計測し、以下の評価基準にて生産性を評価した。
○(良好):重合時間が8時間未満である。
△(やや良好):重合時間が8時間以上、12時間未満である。
×(劣る):重合時間分が12時間以上である。
ポリエステル樹脂を3mm以下となるように粉砕した。粉砕後のポリエステル樹脂5gをシャーレ(CM−A128)に投入し、シャーレ用ターゲットマスクφ30mm(CM−A203)を設置した分光測色計(コニカミノルタ社製、「CM−5」)にて、SCE法、視野:2°、主光源:Cを選択して、L値およびb値を測定し、以下の評価基準にて着色性を評価した。なお、L値が高いほど、またb値が0に近いほど、カラートナーやクリアトナーのバインダー樹脂に適していることを意味する。
○(良好):L値が50以上であり、かつ、b値が−3以上、5未満である。
△(使用可能):L値が40以上50未満、および/または、b値が5以上、10未満である。
×(劣る):L値が40未満、および/または、b値が−3未満もしくは10以上である。
重合終了直後のポリエステル樹脂3gをポリテトラフルオロエチレン製のシート上に取り出し、厚さ3mmに簡易冷却成型して樹脂板を得た。得られた樹脂板の透明性について5名の判定員に目視にて観察させ、以下の評価基準にて透明性を評価した。
○(良好):透明と判定した判定員が5名中、3名以上である。
×(劣る):透明と判定した判定員が5名中、2名以下である。
ポリエステル樹脂5gを100mLの三角フラスコ内に秤量し(D(g))、メチルエチルケトン50gを加え、40℃に設定したウォーターバスに3時間浸漬し、ポリエステル樹脂をメチルエチルケトンに溶解させた。
別途、ガラスフィルター1GP100に6〜7分目までセライト545をきつく充填し、105℃の乾燥機で3時間以上乾燥して、乾燥したガラスフィルターを秤量した(E(g))。
次いで、乾燥したガラスフィルター内に、ポリエステル樹脂が溶解したメチルエチルケトン溶液を移して、吸引ろ過した。フィルター内に溶剤が残らないように吸引を続けた後、80℃の真空乾燥機で1時間以上乾燥して、ガラスフィルターを秤量し(F(g))、以下の式に従って溶剤(メチルエチルケトン)不溶分を算出した。
溶剤不溶分(質量%)=(F−E)/D×100
○(良好):溶剤不溶分が4質量%未満である。
△(使用可能):溶剤不溶分が4質量%以上、8質量%未満である。
×(劣る):溶剤不溶分が8質量%以上である。
ポリエステル樹脂20gをメチルエチルケトン80gに溶解させた。ポリエステル樹脂が溶解したメチルエチルケトン溶液に5質量%のアンモニア水溶液を、酸価が100%中和されるまで添加した後、蒸留水をさらに添加した。蒸留水の添加量は、アンモニア水溶液の添加量との合計が80gとなる量とした。次いで、撹拌機(IKA社製、「ウルトラミックス」)を用いて回転数8000rpmで5分間撹拌した。その後、丸底フラスコに移して70℃のウォーターバスに設置し、撹拌、減圧してメチルエチルケトンを留去した。留去物の質量が80gを超えた後、減圧を停止し、乳化物を得た。
得られた乳化物の粒子径をレーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置(堀場製作所社製、「LA−960」)を用いて測定し、以下の評価基準にて乳化性を評価した。
○(良好):0.02〜2000μmの範囲にピークが1つ存在する。
×(劣る):0.02〜2000μmの範囲にピークが2つ以上存在する。
ポリエステル樹脂の樹脂強度を以下のようにして測定した。なお、測定試料として、手動式成型機ハンディトライ(新興セルビック社製)を用い、縦80mm、横10mm、厚み2mm、テーパー2度の金型より得られた、ポリエステル樹脂の成型樹脂片を用いた。
JIS K 7116に準拠し、テンシロン万能試験機(オリエンテック社製、「RTC−1250A」)を用い、100mm/minの試験速度で、測定試料の破壊が起きるときの応力(最大破断荷重)を測定し、これを樹脂強度とした。
◎(極めて良好):最大破断荷重が10N以上である。
○(良好):最大破断荷重が5N以上、10N未満である。
×(劣る):最大破断荷重が5N未満である。
トナーの保存性は以下のようにして評価した。
まず、粗粉砕後のポリエステル樹脂10gをメチルエチルケトン40gに溶解させ、樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液50gと5質量%のアンモニア水溶液50gとを混合した後、80℃で加熱混合しながら3kPa abs以下まで減圧処理してメチルエチルケトンを留去し、樹脂粒子分散液を得た。
別途、凝集剤として無水硫酸アルミニウムを濃度が0.3質量%となるように蒸留水に溶解させ、凝集剤溶液を調製した。
得られた樹脂粒子分散液をホモジナイザー(IKA社製、「ULTRA−TURRAX T25digital」)を用いて回転数:5000rpmで攪拌しながら、凝集剤溶液を滴下し、樹脂粒子分散液中の樹脂粒子の90%以上を凝集させた。その後、フリーズドライにより凝集粒子を乾燥させた。
乾燥後の凝集粒子3g±0.5gをアルミニウム皿に計量し、温度50℃、湿度85%に調整された恒温恒湿度機(佐竹化学機械工業社製)内で72時間保管した。
恒温恒湿度機での保管後のアルミニウム皿上の凝集粒子について、目開き250μm(60メッシュ)の篩を通過した凝集粒子の割合(凝集粒子通過率)を下記式より求めた。
凝集粒子通過率(%)=(目開き250μmの篩を通過した凝集樹脂(g)/目開き250μmの篩を通過させる前の凝集粒子(g))×100
○(良好):凝集粒子通過率が80%以上である。
△(使用可能):凝集粒子通過率が70%以上80%未満である。
×(劣る):凝集粒子通過率が70%未満である。
<ポリエステル樹脂の製造>
表1に示す仕込み組成の多価カルボン酸および多価アルコールと、多価カルボン酸に対して500ppmのテトラ−n−ブトキシチタンとを蒸留塔備え付けの反応容器に投入した。
次いで昇温を開始し、反応系内の温度が265℃になるように加熱し、この温度を保持し、反応系からの水の留出がなくなるまでエステル化反応を行った。次いで、反応系内の温度を235℃とし、反応容器内を減圧し、反応系からポリアルコールを留出させながら縮合反応を実施した。
攪拌翼のトルクが所望の軟化温度を示す値を重合終点とし、重合終点となるまで縮合反応を実施した。次に反応装置の攪拌を停止し、装置内部を常圧とし、窒素により装置内部を加圧して装置下部より反応物を取り出して100℃以下に冷却し、ポリエステル樹脂を得た。得られたポリエステル樹脂を、3mmメッシュを吐出口に備えた粉砕器を用いて粗粉砕した。
得られたポリエステル樹脂のガラス転移温度、軟化温度、酸価、質量平均分子量およびピーク分子量を測定し、重合安定性、生産性、着色性、透明性、溶剤溶解性、乳化性および樹脂強度を評価した。これらの結果を表1に示す。
粗粉砕後のポリエステル樹脂100gをメチルエチルケトン400gに溶解させ、樹脂溶液を得た。
得られた樹脂溶液500gと5質量%のアンモニア水溶液400gとを混合した後、80℃で加熱混合しながら3kPa abs以下まで減圧処理してメチルエチルケトンを留去し、ピーク粒子径が0.1〜0.2μmの樹脂粒子分散液を得た。
着色剤(BASF社製、「PigmentRed122」)10gと、蒸留水40gと、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、「ネオゲンR」)1gとをホモジナイザー(IKA社製、「ULTRA−TURRAX T25digital」)を用いて攪拌混合した。さらに、超音波機器(シャープ社製、「UT−206H」)を用いて、10分間、50℃、100%出力にて分散処理を行い、着色剤分散液を得た。
離型剤としてカルナバワックス(東洋ペトロライド社製)20gと、蒸留水80gと、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、「ネオゲンR」)0.2gとを90℃で加熱混合し、ホモジナイザー(IKA社製、「ULTRA−TURRAX T25digital」)を用いて攪拌混合した。さらに、高圧ホモジナイザー(エムエステー社製、「LAB2000」)を用いて分散させ、離型剤分散液を得た。
凝集剤として無水硫酸アルミニウムを濃度が0.3質量%となるように蒸留水に溶解させ、凝集剤溶液を調製した。
表1、2に示す仕込み組成の多価カルボン酸および多価アルコールと、多価カルボン酸に対して500ppmのテトラ−n−ブトキシチタンまたは三酸化アンチモンとを蒸留塔備え付けの反応容器に投入した以外は、実施例1と同様にしてポリエステル樹脂およびトナーを製造し、各種測定および評価を行った。これらの結果を表1、2に示す。
・CHDM:1,4−シクロヘキサンジメタノール
・ジオールA:ビスフェノールAのプロピレンオキサイド誘導体(ポリオキシプロピレン−(2.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(PO2.3モル付加体))
・Sb2O3:三酸化アンチモン(固体状)
3価以上のカルボン酸であるトリメリット酸無水物を用いずにポリエステル樹脂を製造した比較例2の場合、ポリエステル樹脂の樹脂強度が低かった。また、ポリエステル樹脂の生産性にも劣っていた。
重合触媒としてチタン触媒の代わりに三酸化アンチモンを用いてポリエステル樹脂を製造した比較例3の場合、ポリエステル樹脂の透明性および乳化性に劣っていた。
また、本発明のトナーの製造方法によれば、保存性に優れたトナーを製造できる。
Claims (8)
- チタン触媒の存在下、多価カルボン酸と多価アルコールとを重合するポリエステル樹脂の製造方法であって、
前記多価カルボン酸は3価以上のカルボン酸を含み、
前記多価アルコールはシクロへキサン化合物及びビスフェノール誘導体を含み、
前記多価カルボン酸100モル部に対して、前記シクロへキサン化合物の量が0.1〜40モル部であり、前記ビスフェノール誘導体の量が40〜60モル部である、ポリエステル樹脂の製造方法。 - 前記シクロへキサン化合物が1,4−シクロヘキサンジメタノールである、請求項1に記載のポリエステル樹脂の製造方法。
- 前記多価アルコールはイソソルバイドをさらに含む、請求項1または2に記載のポリエステル樹脂の製造方法。
- 多価カルボン酸由来の構成単位と、多価アルコール由来の構成単位とを含むポリエステル樹脂を有機溶剤に溶解し、樹脂溶液を得る溶解工程と、
前記樹脂溶液に水を加えてポリエステル樹脂を乳化し、樹脂粒子分散液を得る乳化工程と、
前記樹脂粒子分散液中の樹脂粒子を凝集させる凝集工程と、
を含み、
前記ポリエステル樹脂は、多価アルコール由来の構成単位としてシクロへキサン化合物由来の構成単位及びビスフェノール誘導体由来の構成単位を含み、
前記多価カルボン酸由来の構成単位100モル部に対して、前記シクロへキサン化合物由来の構成単位の割合が0.1〜40モル部であり、前記ビスフェノール誘導体由来の構成単位の割合が40〜60モル部である、トナーの製造方法。 - 前記シクロへキサン化合物が1,4−シクロヘキサンジメタノールである、請求項4に記載のトナーの製造方法。
- 前記ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸由来の構成単位として3価以上のカルボン酸由来の構成単位を含む、請求項4または5に記載のトナーの製造方法。
- 前記ポリエステル樹脂は、多価アルコール由来の構成単位としてイソソルバイド由来の構成単位をさらに含む、請求項4〜6のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
- チタン触媒の存在下で前記多価カルボン酸と多価アルコールとを重合し、前記ポリエステル樹脂を得る、請求項4〜7のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
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