以下、本発明の実施形態に係るテープ排出ガイド構造体、部品供給装置及び部品実装機について図面に基づいて説明する。なお、以下では、方向関係についてはXYZ直交座標軸を用いて説明する。左右方向をX軸方向とし、X軸方向と直交する前後方向をY軸方向とし、X軸方向及びY軸方向の両方向と直交する上下方向をZ軸方向とする。また、X軸方向において一方向となる左方向を「+X方向」と称し、X軸方向において一方向とは反対の他方向となる右方向を「−X方向」と称する。また、Y軸方向において一方向となる前方向を「+Y方向」と称し、Y軸方向において一方向とは反対の他方向となる後方向を「−Y方向」と称する。また、Z軸方向において一方向となる下方向を「−Z方向」と称し、Z軸方向において一方向とは反対の他方向となる上方向を「+Z方向」と称する。
[部品実装機の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る部品実装機10を上方から見た平面図である。図2は、部品実装機10に備えられる筒体17、テープ切断装置18及び部品供給装置1を側方から見た図である。部品実装機10は、基板19に部品を実装して実装基板を生産する装置である。部品実装機10は、部品供給装置がX軸方向(第1方向)に複数並んで配置される部品供給部と、本体フレーム11と、移動フレーム12と、コンベア13と、ヘッドユニット14と、第1駆動機構15と、第2駆動機構16と、筒体17と、テープ切断装置18と、を備える。
部品実装機10において、前記部品供給部には、部品を収納する部品収納テープをテープ送り方向(Y軸方向)に送出して部品を供給する部品供給装置が、X軸方向に複数並んで配置されている。部品供給部に配置される部品供給装置は、少なくとも1つの特定の部品供給装置が、図2に示すように、部品供給ユニット1Aとテープ排出ガイド構造体8とを備える部品供給装置1である。部品供給部には、テープ排出ガイド構造体8を備える部品供給装置1以外の他の部品供給装置が配置されていてもよい。他の部品供給装置は、テープ排出ガイド構造体8を備えていないこと以外は、部品供給装置1と同様に、部品収納テープをテープ送り方向(Y軸方向)に送出して部品を供給するように構成されている。テープ排出ガイド構造体8を備える部品供給装置1の詳細については、後述する。
本体フレーム11は、部品実装機10を構成する各部が配置される構造体であり、X軸方向及びY軸方向の両方向と直交する方向から見た平面視で略矩形状に形成されている。コンベア13は、X軸方向に延び、本体フレーム11に配置される。コンベア13は、基板19をX軸方向に搬送する。基板19は、コンベア13上を搬送されて、所定の作業位置(基板19上に部品が実装される実装位置)に位置決めされるようになっている。
移動フレーム12は、X軸方向に延び、本体フレーム11に、所定の移動方向(Y軸方向)に移動可能に支持される。この移動フレーム12にヘッドユニット14が搭載されている。ヘッドユニット14は、X軸方向に移動可能となるように、移動フレーム12に搭載される。すなわち、ヘッドユニット14は、移動フレーム12の移動に伴ってY軸方向に移動可能であり、且つ、移動フレーム12に沿ってX軸方向に移動可能である。ヘッドユニット14は、部品供給装置1とコンベア13により搬送された基板19の所定の作業位置とにわたって移動可能とされ、部品供給装置1により部品取出し位置に供給された部品を取出すとともに、その取出した部品を基板19上に実装する。
ヘッドユニット14は、先端にそれぞれ部品吸着用のノズルを備える複数本の実装用ヘッドと、これら実装用ヘッドをヘッドユニット14に対して昇降(Z軸方向の移動)およびノズル中心軸回りに回転させるためのサーボモーターを駆動源とするヘッド駆動機構とを備える。各実装用ヘッドのノズルは、それぞれ電動切替弁を介して負圧発生装置、正圧発生装置及び大気の何れかに連通可能とされている。つまり、ノズルに負圧が供給されることで当該ノズルによる部品の吸着保持(部品の取出し)が可能となり、その後、正圧が供給されることで当該部品の吸着保持が解除される。
第1駆動機構15は、本体フレーム11の+X方向側及び−X方向側の端部に配設される。第1駆動機構15は、移動フレーム12をY軸方向に移動させる機構である。第1駆動機構15は、例えば、駆動モーターと、Y軸方向に延び、駆動モーターに連結されるボールねじ軸と、移動フレーム12に配設されてボールねじ軸と螺合するボールナットと、を含んで構成される。このような構成の第1駆動機構15は、駆動モーターによるボールねじ軸の回転駆動に伴ってボールナットがボールねじ軸に沿って進退することにより、移動フレーム12をY軸方向に移動させる。
第2駆動機構16は、移動フレーム12に配設される。第2駆動機構16は、ヘッドユニット14を移動フレーム12に沿ったX軸方向に移動させる機構である。第2駆動機構16は、第1駆動機構15と同様に、例えば、駆動モーターと、X軸方向に延び、駆動モーターに連結されるボールねじ軸と、ヘッドユニット14に配設されてボールねじ軸と螺合するボールナットと、を含んで構成される。このような構成の第2駆動機構16は、駆動モーターによるボールねじ軸の回転駆動に伴ってボールナットがボールねじ軸に沿って進退することにより、ヘッドユニット14をX軸方向に移動させる。
筒体17は、図2に示すように、上部開口17A及び下部開口17Bを有する筒状に形成される。筒体17は、部品供給装置1に備えられるテープ排出ガイド構造体8が上部開口17Aから挿入されるとともに、部品供給装置1以外の他の部品供給装置から排出される部品収納テープを上部開口17Aから受け入れて当該部品収納テープの排出をガイドする。筒体17は、上部開口17A及び下部開口17Bを画定する壁部である第1壁部171と第2壁部172とを含む。筒体17において、第1壁部171は、X軸方向(第1方向)に並設される全ての部品供給装置に対向する長さを有する壁部である。第2壁部172は、第1壁部171にテープ送り方向上流側(−Y方向側)で対向して配置された壁部である。筒体17は、第1壁部171及び第2壁部172と、第1壁部171と第2壁部172とのX軸方向の端縁同士を接続する一対の側壁部とによって、上部開口17A及び下部開口17Bを有する箱形の筒状に形成される。詳細については後述するが、部品供給装置1のテープ排出ガイド構造体8は、筒体17内において第1壁部171に当接している。
また、筒体17において、第1壁部171は、上部開口17Aから鉛直下方側に向かって湾曲した湾曲領域部分171Aと、湾曲領域部分171Aの下端からテープ切断装置18に向かって鉛直下方側に直線状に延びる延設領域部分171Bと、を含む。
テープ切断装置18は、筒体17の下部開口17Bに面して配置され、下部開口17Bを介して筒体17から排出される部品収納テープを所定のタイミングで切断する。筒体17の下部開口17Bから排出される部品収納テープは、テープ切断装置18により短冊状に切断され、当該テープ切断装置18に備えられる回収ボックスにて回収される。
[部品供給装置の構成]
部品供給装置1は、図2に示すように、部品供給ユニット1Aとテープ排出ガイド構造体8とを備える。まず、部品供給ユニット1Aについて、図2に加えて図3を参照して説明する。図3は、部品供給装置1の部品供給ユニット1Aを側方から見た図である。部品供給ユニット1Aは、部品収納テープ100に収納された部品を部品取出し位置21に供給するためのユニットである。部品供給ユニット1Aによって部品取出し位置21に供給された部品は、部品実装機10に備えられるヘッドユニット14により部品収納テープ100から取出され、その後、基板19上に実装される。部品供給ユニット1Aの構成を説明するに先立って、部品収納テープ100について図4を参照して説明する。図4は、部品供給ユニット1Aに用いられる部品収納テープ100の構成を示す図である。図4(1)は、部品収納テープ100をテープ送り方向H1に沿って切断した状態の断面図である。図4(2)は、部品収納テープ100の斜視図である。
部品収納テープ100は、キャリアテープ101とカバーテープ102とからなる。キャリアテープ101は、部品Pを収納する部品収納部101aが所定の間隔をおいて複数配列されたテープである。また、キャリアテープ101には、その幅方向両端部にそれぞれ、後述するテープ送出部3における第1スプロケット311、第2スプロケット321及び第3スプロケット331の歯部と嵌合し、テープ送出部3により部品収納テープ100を送出させるための孔部101bが所定の間隔をおいて配列されている。なお、「部品収納テープ100の孔部101bが第1スプロケット311、第2スプロケット321及び第3スプロケット331の歯部と嵌合する」とは、歯部が孔部101bに嵌り込み、第1スプロケット311、第2スプロケット321及び第3スプロケット331の回転に連動した部品収納テープ100の送出が可能となった状態のことをいう。
カバーテープ102は、部品収納部101aを覆うようにキャリアテープ101に貼付されたテープである。カバーテープ102は、その幅方向両端部がそれぞれ溶融されることにより、キャリアテープ101に貼付されている。このため、部品収納テープ100において、キャリアテープ101の上面における幅方向両端部にはそれぞれ、カバーテープ102の溶融による融着部103が、カバーテープ102の幅方向の端縁内方側に沿って線状に形成されている。キャリアテープ101の幅方向において、融着部103は、孔部101bよりも内方側に設けられている。
上記のような構成の部品収納テープ100では、カバーテープ102の幅方向の端縁内方側に沿ってキャリアテープ101の幅方向両端部にそれぞれ形成された融着部103間の長さK1は、カバーテープ102の幅方向の長さと略等しく形成される。また、部品収納テープ100の幅方向の長さK2は、キャリアテープ101の幅方向の長さと同一となる。なお、部品収納テープ100は、例えば、その幅方向の長さK2が32mm以上の幅広のテープである。
図3に示すように、部品供給ユニット1Aは、装置本体2と、テープ送出部3と、テープ走行路形成部4と、部品露出部6と、蓋部材7とを備えている。装置本体2は、部品供給ユニット1Aを構成する各部を収容する筐体である。この装置本体2には、操作部22が付設されている。操作部22は、部品供給ユニット1Aを動作させるための指示がオペレーターによって入力される部分である。
図5は、部品供給ユニット1Aに備えられるテープ送出部3の構成を概略的に示す図であり、テープ送り方向H1から見た図である。図6は、部品供給ユニット1Aに備えられるテープ走行路形成部4の構成を示す斜視図である。図7は、部品供給ユニット1Aに備えられる部品露出部6の構成を示す斜視図である。
テープ送出部3は、部品収納テープ100を、部品収納部101aの配列方向に沿った所定のテープ送り方向H1に、カバーテープ102を上面側として部品取出し位置21に向けて送出する。テープ送出部3が部品取出し位置21に向けて部品収納テープ100を送出するときのテープ送り方向H1は、+Y方向と一致している。テープ送出部3は、所定の時間間隔で部品収納部101aが1つずつ部品取出し位置21に到達するように、部品収納テープ100をテープ送り方向H1に間欠送りする。なお、テープ送出部3は、部品取出し位置21に向けてテープ送り方向H1に部品収納テープ100を送出するローディング動作と、テープ送り方向H1とは逆方向の−Y方向に部品収納テープ100を送出するアンローディング動作とを、実行可能に構成されている。
テープ走行路形成部4は、テープ送出部3により送出される部品収納テープ100の、部品取出し位置21に至る走行路5を形成する。図3及び図6に示すように、テープ走行路形成部4は、一対のガイド壁41と、複数のガイドローラーである第1乃至第6ガイドローラー42,43,44,45,46,47とを含む。
一対のガイド壁41は、装置本体2内において、X軸方向に所定の間隔をおいて互いに対向して配置され、Y軸方向に延びる一対の壁部である。テープ送出部3により送出される部品収納テープ100は、その−Z方向側の面(下面)におけるX軸方向両端部がそれぞれ、一対のガイド壁41の+Z方向側の端面411(以下、「ガイド面411」という)によってガイドされる。すなわち、一対のガイド壁41のガイド面411に沿って走行路5が形成される。なお、一対のガイド壁41は、テープ送出部3における後述の第2テープ送出部32の一対の第2スプロケット321と、第3テープ送出部33の一対の第3スプロケット331とが配置される領域部分が、切り欠かれている。
一対のガイド壁41における互いに対向する内面同士の距離K3は、部品収納テープ100における融着部103間の長さK1と略等しくなるように設定されている。また、一対のガイド壁41における外面同士の距離K4は、部品収納テープ100の幅方向の長さK2と略等しくなるように設定されている。この距離K4は、走行路5の幅方向(X軸方向)の長さとなる。
一対のガイド壁41のガイド面411に沿って形成される走行路5は、図6に示すように、第1経路部分51と、第2経路部分52と、第3経路部分53とを含む。走行路5における第1経路部分51は、テープ送り方向H1の上流から下流に向かって、走行路5の幅方向(X軸方向)及びテープ送り方向H1と直交するZ軸方向の一方向側(−Z方向側)に傾く、スロープ部からなる経路である。第1経路部分51は、テープ送り方向H1の最上流側の第1領域511と、第1領域511のテープ送り方向H1下流側に連なる第2領域512と、第2領域512のテープ送り方向H1下流側に連なる第3領域513とを有する。第1経路部分51の第1領域511は、走行路5の幅方向(X軸方向)から見て、+Z方向(上方向)に凸の形状に形成されている。第1経路部分51の第2領域512は、走行路5の幅方向(X軸方向)から見て、−Z方向(下方向)に凸の形状に形成されている。
走行路5における第2経路部分52は、第1経路部分51のテープ送り方向H1上流側に連なる経路である。本実施形態では、第2経路部分52は、テープ送り方向H1の上流から下流に向かって水平に延びるように形成されている。
走行路5における第3経路部分53は、第1経路部分51のテープ送り方向H1下流側に連なり、部品取出し位置21に至る経路である。本実施形態では、第3経路部分53は、水平領域531と傾斜領域532とを有する。水平領域531は、第1経路部分51の第3領域513に連なり、テープ送り方向H1に沿って水平に延びる領域部分である。第3経路部分53における水平領域531のテープ送り方向H1下流端は、テープ送り方向H1において部品取出し位置21と一致している。このように、第3経路部分53において水平な領域部分となる水平領域531に部品取出し位置21が位置するような構成とすることによって、当該部品取出し位置21での部品収納テープ100からの部品Pの取り出し精度が向上する。なお、傾斜領域532は、水平領域531のテープ送り方向H1下流側に連なり、先下がりに傾斜した領域部分である。
テープ走行路形成部4を構成する第1乃至第6ガイドローラー42,43,44,45,46,47は、X軸方向に互いに離間した一対のローラーであり、X軸方向に延びる軸心回りに回転可能に構成される。第1乃至第6ガイドローラー42,43,44,45,46,47は、一対のガイド壁41のガイド面411とともに、走行路5における第1経路部分51を形成する。
第1ガイドローラー42は、第1経路部分51における第1領域511のテープ送り方向H1の上流端に配置されている。第1ガイドローラー42は、一対のガイド壁41のガイド面411よりも僅かに+Z方向側(上方向側)に突出している。第1ガイドローラー42は、テープ送出部3により送出される部品収納テープ100の、−Z方向側の面(下面)におけるX軸方向両端部をガイドする。
第2ガイドローラー43は、第1経路部分51における第1領域511に、第1ガイドローラー42よりもテープ送り方向H1の下流側に配置されている。第2ガイドローラー43は、一対のガイド壁41のガイド面411よりも僅かに+Z方向側(上方向側)に突出している。第2ガイドローラー43は、テープ送出部3により送出される部品収納テープ100の、−Z方向側の面(下面)におけるX軸方向両端部をガイドする。
第3ガイドローラー44は、第1経路部分51における第1領域511に、第2ガイドローラー43と対向するように配置されている。第3ガイドローラー44は、テープ送出部3により送出される部品収納テープ100の、+Z方向側の面(上面)におけるX軸方向両端部をガイドする。
第4ガイドローラー45は、第1経路部分51における第2領域512に、一対のガイド壁41のガイド面411と対向するように配置されている。第4ガイドローラー45は、テープ送出部3により送出される部品収納テープ100の、+Z方向側の面(上面)におけるX軸方向両端部をガイドする。
第5ガイドローラー46は、一対のガイド壁41のガイド面411と対向するように、第1経路部分51における第2領域512に、第4ガイドローラー45よりもテープ送り方向H1の下流側に配置されている。第5ガイドローラー46は、テープ送出部3により送出される部品収納テープ100の、+Z方向側の面(上面)におけるX軸方向両端部をガイドする。
第6ガイドローラー47は、第1経路部分51における第3領域513に、一対のガイド壁41のガイド面411と対向するように配置されている。第6ガイドローラー47は、テープ送出部3により送出される部品収納テープ100の、+Z方向側の面(上面)におけるX軸方向両端部をガイドする。
上述の如く、第1乃至第6ガイドローラー42,43,44,45,46,47は、X軸方向に延びる軸心回りに回転可能に構成されているので、テープ送出部3により送出される部品収納テープ100をガイドするときに生じる摩擦力を小さくすることができる。このため、第1乃至第6ガイドローラー42,43,44,45,46,47と、一対のガイド壁41のガイド面411とによって形成される第1経路部分51を、部品収納テープ100が走行するときの走行抵抗を軽減することができる。
なお、第1乃至第6ガイドローラー42,43,44,45,46,47と、一対のガイド壁41とによって構成されるテープ走行路形成部4について説明したが、テープ走行路形成部4はこのような構成に限定されるものではない。例えば、テープ走行路形成部4は、Z軸方向に対向したローラー対が複数配列された構成としてもよい。
図3及び図5を参照して、テープ送出部3の構成を具体的に説明する。テープ送出部3は、第1テープ送出部31と、第2テープ送出部32と、第3テープ送出部33とを含む。
第1テープ送出部31は、走行路5における第2経路部分52のテープ送り方向H1上流端に配置される。第1テープ送出部31は、先端が自由端とされた状態で部品収納テープ100を送出することにより、当該部品収納テープ100を、第2経路部分52及び第1経路部分51に走行させる。第1テープ送出部31は、一対の第1スプロケット311と、一対の第1ウォームホイール312と、一対の第1ウォーム313と、第1サーボモーター314と、第1ベルト315と、第1張架ローラー316と、を含む。
一対の第1スプロケット311は、X軸方向(テープ幅方向)に延びる軸心回りに回転可能に装置本体2に支持された、円板状のスプロケットである。一対の第1スプロケット311は、周方向に所定の間隔をおいて配列した複数の歯部311aを備える。一対の第1スプロケット311の歯部311aは、それぞれ、部品収納テープ100のキャリアテープ101の幅方向両端部に形成された孔部101bと嵌合可能である。また、一対の第1スプロケット311には、一方の方向のみに回転力を伝達するワンウェイクラッチが内蔵されている。
一対の第1ウォームホイール312はそれぞれ、一対の第1スプロケット311の各々と同軸上に設けられたウォーム歯車である。一対の第1ウォーム313はそれぞれ、一対の第1ウォームホイール312の各々と噛合する、ねじ状の歯車である。
第1サーボモーター314は、一対の第1スプロケット311を回転させるための駆動力を発する駆動源である。第1サーボモーター314は、駆動力を出力するためのモーター出力軸314aを有する。第1ベルト315は、無端ベルトであり、モーター出力軸314aと一対の第1ウォーム313との間に張設され、第1サーボモーター314が回転駆動することによって周回走行する。第1張架ローラー316は、第1ベルト315の外周面に当接し、当該第1ベルト315にテンションを付与するローラーである。
上記のように構成された第1テープ送出部31では、第1サーボモーター314の回転駆動力が第1ベルト315及び一対の第1ウォーム313を介して一対の第1ウォームホイール312に伝達され、これにより、一対の第1ウォームホイール312が回転する。一対の第1ウォームホイール312が回転すると、その回転に連動して一対の第1スプロケット311が回転する。一対の第1スプロケット311が回転すると、当該第1スプロケット311の歯部311aと嵌合する孔部101bを有するキャリアテープ101を含む部品収納テープ100が、送出される。
第2テープ送出部32は、第1テープ送出部31のテープ送り方向H1下流側に配置される。第2テープ送出部32は、走行路5における第1経路部分51のテープ送り方向H1下流端、換言すると第3経路部分53のテープ送り方向H1上流端に配置される。第2テープ送出部32は、第1テープ送出部31により送出されて第1経路部分51を走行する部品収納テープ100を受け入れて、当該部品収納テープ100を部品取出し位置21に向けて送出する。これにより、第2テープ送出部32は、部品収納テープ100を第3経路部分53に走行させる。
第2テープ送出部32は、第1テープ送出部31と同様に、一対の第2スプロケット321と、一対の第2ウォームホイール322と、一対の第2ウォーム323と、第2サーボモーター324と、第2ベルト325と、第2張架ローラー326と、を含む。
一対の第2スプロケット321は、X軸方向(テープ幅方向)に延びる軸心回りに回転可能に装置本体2に支持された、円板状のスプロケットである。一対の第2スプロケット321は、周方向に所定の間隔をおいて配列した複数の歯部321aを備える。一対の第2スプロケット321において、Z軸方向の他方向側(+Z方向側)に位置した歯部321aは、一対のガイド壁41のガイド面411から露出している。一対の第2スプロケット321の歯部321aは、それぞれ、部品収納テープ100のキャリアテープ101の幅方向両端部に形成された孔部101bと嵌合可能である。
一対の第2ウォームホイール322はそれぞれ、一対の第2スプロケット321の各々と同軸上に設けられたウォーム歯車である。一対の第2ウォーム323はそれぞれ、一対の第2ウォームホイール322の各々と噛合する、ねじ状の歯車である。
第2サーボモーター324は、一対の第2スプロケット321を回転させるための駆動力を発する駆動源である。第2サーボモーター324は、駆動力を出力するためのモーター出力軸324aを有する。第2ベルト325は、無端ベルトであり、モーター出力軸324aと一対の第2ウォーム323との間に張設され、第2サーボモーター324が回転駆動することによって周回走行する。第2張架ローラー326は、第2ベルト325の外周面に当接し、当該第2ベルト325にテンションを付与するローラーである。
上記のように構成された第2テープ送出部32では、第2サーボモーター324の回転駆動力が第2ベルト325及び一対の第2ウォーム323を介して一対の第2ウォームホイール322に伝達され、これにより、一対の第2ウォームホイール322が回転する。一対の第2ウォームホイール322が回転すると、その回転に連動して一対の第2スプロケット321が回転する。一対の第2スプロケット321が回転すると、当該第2スプロケット321の歯部321aと嵌合する孔部101bを有するキャリアテープ101を含む部品収納テープ100が、送出される。
なお、第1テープ送出部31により送出される部品収納テープ100の先端部が一対の第2スプロケット321に到達し、当該部品収納テープ100の先端部におけるキャリアテープ101の孔部101bが一対の第2スプロケット321の歯部321aと嵌合すると、第1サーボモーター314が停止する。このように第1サーボモーター314が停止すると第1スプロケット311の回転軸が停止するが、この回転軸と第1スプロケット311の間に介在するワンウェイクラッチにより、回転軸が回転しなくても、第1スプロケット311は、一対の第2スプロケット321の回転によって送出される部品収納テープ100の移動に連動して回転することができる。
第3テープ送出部33は、走行路5の第3経路部分53における水平領域531のテープ送り方向H1下流端に配置される。すなわち、第3テープ送出部33は、第2テープ送出部32のテープ送り方向H1下流側において部品取出し位置21に近設される。第3テープ送出部33は、第2テープ送出部32と連動して部品収納テープ100を送出する。第3テープ送出部33は、第2テープ送出部32により送出されて第3経路部分53を走行する部品収納テープ100を受け入れて、当該部品収納テープ100を部品取出し位置21を通過するように送出する。部品取出し位置21に近設して第3テープ送出部33を配置し、当該第3テープ送出部33により部品収納テープ100を受け入れる構成とすることによって、部品取出し位置21に対して高精度に位置決めされた状態で部品収納テープ100を送出することができる。
第3テープ送出部33は、一対の第3スプロケット331と、一対の第3ウォームホイール332とを含む。上記の「第3テープ送出部33が部品取出し位置21に近設される」とは、走行路5の幅方向(X軸方向)から見て、部品取出し位置21がテープ送り方向H1において一対の第3スプロケット331の範囲内に位置するように、第3テープ送出部33が配置されることをいう。走行路5の幅方向(X軸方向)から見て、部品取出し位置21は、一対の第3スプロケット331の頂部(最上端部)の真上であってもよいし、一対の第3スプロケット331の頂部の真上からY軸方向にずれた位置であってもよい。部品取出し位置21を、一対の第3スプロケット331の頂部の真上からY軸方向にずれた位置とする場合、テープ送り方向Hの下流側よりも上流側にずれた位置とするのがよい。これは、第3テープ送出部33の一対の第3スプロケット331によって送出される部品収納テープ100における部品取出し位置21を通過する領域部分が、引っ張られた状態となるため、当該領域部分の変形が少なく、部品取出し位置21に対して高精度に位置決めされた状態となるからである。
一対の第3スプロケット331は、X軸方向(テープ幅方向)に延びる軸心回りに回転可能に装置本体2に支持された、円板状のスプロケットである。一対の第3スプロケット331は、周方向に所定の間隔をおいて配列した複数の歯部331aを備える。一対の第3スプロケット331において、Z軸方向の他方向側(+Z方向側)に位置した歯部331aは、一対のガイド壁41のガイド面411から露出している。一対の第3スプロケット331の歯部331aは、それぞれ、部品収納テープ100のキャリアテープ101の幅方向両端部に形成された孔部101bと嵌合可能である。
一対の第3ウォームホイール332はそれぞれ、一対の第3スプロケット331の各々と同軸上に設けられたウォーム歯車である。一対の第3ウォームホイール332はそれぞれ、一対の第2ウォーム323の各々と噛合する。
上記のように構成された第3テープ送出部33では、第2テープ送出部32と同様に、第2サーボモーター324の回転駆動力が第2ベルト325及び一対の第2ウォーム323を介して一対の第3ウォームホイール332に伝達され、これにより、一対の第3ウォームホイール332が回転する。一対の第3ウォームホイール332が回転すると、その回転に連動して一対の第3スプロケット331が回転する。一対の第3スプロケット331が回転すると、当該第3スプロケット331の歯部331aと嵌合する孔部101bを有するキャリアテープ101を含む部品収納テープ100が、送出される。
次に、図7を参照して、部品供給ユニット1Aに備えられる部品露出部6の構成について説明する。部品露出部6は、テープ走行路形成部4が形成する走行路5上に配置される。部品露出部6は、テープ送出部3により送出されて走行路5を走行する部品収納テープ100の部品収納部101a内において部品Pを露出させる。この部品露出部6は、カバーテープ立ち上げ部61と、カバーテープ前処理部62と、カバーテープ後処理部63とを含む。
図8は、部品露出部6におけるカバーテープ立ち上げ部61の構成を示す斜視図である。カバーテープ立ち上げ部61は、走行路5上における第1経路部分51に配置される。カバーテープ立ち上げ部61は、走行路5における第1経路部分51を走行する部品収納テープ100のカバーテープ102に当接することにより、当該カバーテープ102をキャリアテープ101に対して+Z方向側(上方向側)へ立ち上げる、立ち上げ処理を行う。カバーテープ立ち上げ部61によるカバーテープ102の立ち上げ処理によって、部品収納テープ100の部品収納部101a内において部品Pが露出される。
本実施形態では、カバーテープ立ち上げ部61は、後述のカバーテープ前処理部62が備えるカバーテープ切断部622により切断されたカバーテープ102の切断部分102aに当接し、当該切断されたカバーテープ102の立ち上げ処理を行う。なお、カバーテープ前処理部62のカバーテープ切断部622は、カバーテープ102の幅方向両端部間の所定位置(例えば中央位置)を切断する。また、カバーテープ切断部622により切断されたカバーテープ102の切断部分102aは、走行路5に沿って線状に延びる。
カバーテープ立ち上げ部61は、立ち上げ領域拡張部611と、立ち上げ領域保持部612とを含む。
立ち上げ領域拡張部611は、カバーテープ立ち上げ部61におけるテープ送り方向H1の上流側の領域部分である。立ち上げ領域拡張部611のテープ送り方向H1の上流側端部611Aの先端は、カバーテープ立ち上げ部61の最上流端61Aとなり、カバーテープ102に対する当接の始点となる。立ち上げ領域拡張部611は、キャリアテープ101に対するカバーテープ102の+Z方向側(上方向側)への立ち上げ領域を、立ち上げ始点から融着部103に至る範囲にまで拡張させる。なお、カバーテープ102の立ち上げ始点は、カバーテープ102におけるカバーテープ立ち上げ部61の最上流端61Aとの当接の始点であり、本実施形態では、カバーテープ切断部622により切断されたカバーテープ102の切断部分102a上に位置する。また、立ち上げ領域拡張部611のテープ送り方向H1の上流側端部611Aは、後述の蓋部材7に固定されている。
立ち上げ領域拡張部611は、第1領域拡張片6111と第2領域拡張片6112とを有する。第1領域拡張片6111及び第2領域拡張片6112はそれぞれ、テープ送り方向H1に所定の長さを有する板状の部材であり、テープ送り方向H1の上流端同士が互いに接続されている。第1領域拡張片6111及び第2領域拡張片6112における接続部分が、立ち上げ領域拡張部611におけるテープ送り方向H1の上流側端部611Aとなる。
第1領域拡張片6111は、第2領域拡張片6112との接続部分であるテープ送り方向H1の上流端から下流端に向かって、走行路5における幅方向(X軸方向)の一方向側(+X方向側)端部に近づくように延びる。第1領域拡張片6111におけるテープ送り方向Hの上流端は、切断されたカバーテープ102の切断部分102aに当接する。第1領域拡張片6111におけるテープ送り方向H1の下流端は、その−Z方向側の端縁が、カバーテープ102の幅方向の一方向側(+X方向側)における融着部103との境界部分に当接する。
第2領域拡張片6112は、第1領域拡張片6111との接続部分であるテープ送り方向H1の上流端から下流端に向かって、走行路5における幅方向(X軸方向)の他方向側(−X方向側)端部に近づくように延びる。第2領域拡張片6112におけるテープ送り方向H1の上流端は、切断されたカバーテープ102の切断部分102aに当接する。第2領域拡張片6112におけるテープ送り方向H1の下流端は、その−Z方向側の端縁が、カバーテープ102の幅方向の他方向側(−X方向側)における融着部103との境界部分に当接する。
立ち上げ領域保持部612は、立ち上げ領域拡張部611のテープ送り方向H1下流端に接続部材613を介して接続される。立ち上げ領域保持部612は、立ち上げ領域拡張部611に対し、接続部材613を中心とした揺動が可能となるように接続されている。立ち上げ領域保持部612のテープ送り方向H1の下流側端部の先端は、カバーテープ立ち上げ部61の最下流端61Bとなり、カバーテープ102に対する当接の終点となる。立ち上げ領域保持部612は、立ち上げ領域拡張部611によって融着部103に至る範囲にまで拡張されたカバーテープ102の立ち上げ領域を、そのままの状態で保持する。立ち上げ領域保持部612が立ち上げ領域拡張部611に対し、接続部材613を中心とした揺動が可能となるように接続された構成のカバーテープ立ち上げ部61は、第1経路部分51上における部品収納テープ100の走行挙動の変化に対応して揺動可能となる。従って、カバーテープ立ち上げ部61によるカバーテープ102の立ち上げ処理の安定性の低下が防止される。
立ち上げ領域保持部612は、第1領域保持片6121と第2領域保持片6122とを有する。第1領域保持片6121及び第2領域保持片6122はそれぞれ、テープ送り方向H1に所定の長さを有する板状の部材である。
第1領域保持片6121は、テープ送り方向H1の上流端から下流端に向かって、走行路5における第1経路部分51に沿って延びる。第1領域保持片6121におけるテープ送り方向H1の上流端は、第1領域拡張片6111の下流端に接続部材613を介して接続されている。第1領域保持片6121は、第1領域拡張片6111に対し、接続部材613を中心とした揺動が可能となるように、装置本体2に支持されている。第1領域保持片6121におけるテープ送り方向H1の下流端は、カバーテープ立ち上げ部61の最下流端61Bとなる。第1領域保持片6121における−Z方向側の端縁は、カバーテープ102の幅方向の一方向側(+X方向側)における融着部103との境界部分に当接する。
第2領域保持片6122は、テープ送り方向H1の上流端から下流端に向かって、走行路5における第1経路部分51に沿って延びる。第2領域保持片6122におけるテープ送り方向H1の上流端は、第2領域拡張片6112の下流端に接続部材613を介して接続されている。第2領域保持片6122は、第2領域拡張片6112に対し、接続部材613を中心とした揺動が可能となるように、装置本体2に支持されている。第2領域保持片6122におけるテープ送り方向H1の下流端は、カバーテープ立ち上げ部61の最下流端61Bとなる。第2領域保持片6122における−Z方向側の端縁は、カバーテープ102の幅方向の他方向側(−X方向側)における融着部103との境界部分に当接する。
また、図8に示すように、カバーテープ立ち上げ部61が配置される第1経路部分51は、上述の如く、テープ送り方向H1の最上流側の第1領域511と、第1領域511のテープ送り方向H1下流側に連なる第2領域512と、第2領域512のテープ送り方向H1下流側に連なる第3領域513とを有する。
走行路5の幅方向(X軸方向)から見て第1経路部分51は、第1領域511と第2領域512とで、Z軸方向(上下方向)に関して曲がる方向が異なり、曲率の符号が変化する。このような第1経路部分51に沿って部品収納テープ100が走行すると、第1領域511の通過時と第2領域512の通過時とで、部品収納テープ100に対してZ軸方向(上下方向)に関して逆方向に撓もうとする力が作用する。このため、例えば第1経路部分51において、第1領域511と第2領域512とにわたってカバーテープ立ち上げ部61を配置すると、カバーテープ立ち上げ部61によるカバーテープ102の立ち上げ処理の安定性が低下する可能性がある。
そこで、図8に示すように、カバーテープ立ち上げ部61は、カバーテープ102に対する当接の始点となるテープ送り方向H1の最上流端61Aが、第1経路部分51における第1領域511と第2領域512との境界線S1上又はその近傍に位置するように、配置される。このような構成では、カバーテープ立ち上げ部61は、その最上流端61Aが第1領域511と第2領域512との境界線S1上又はその近傍に位置するので、第1領域511と第2領域512とにわたって配置されることなく、第2領域512に配置されることになる。従って、カバーテープ立ち上げ部61によるカバーテープ102の立ち上げ処理の安定性の低下が防止される。
また、部品収納テープ100が第1経路部分51の第1領域511及び第2領域512を走行するときには、撓みながら走行する。ここで、第1経路部分51を走行する部品収納テープ100は、第1経路部分51の上流側に配置される第1テープ送出部31により送出される場合と、第1経路部分51の下流側に配置される第2テープ送出部32により送出される場合とで、第1領域511と第2領域512との間の変曲点を境界として走行時の撓み方向が変化し、第1経路部分51上での走行挙動が変化する。具体的には、第1テープ送出部31により送出される部品収納テープ100は、第1領域511では+Z方向側(上方向側)に撓み、第2領域512では−Z方向側(下方向側)に撓む。また、第2テープ送出部32により送出される部品収納テープ100は、第1領域511では−Z方向側(下方向側)に撓み、第2領域512では+Z方向側(上方向側)に撓む。
本実施形態のカバーテープ立ち上げ部61においては、上述の如く、立ち上げ領域拡張部611の上流側端部611Aのみが後述の蓋部材7に固定されており、立ち上げ領域保持部612は、立ち上げ領域拡張部611に対し、接続部材613を中心とした揺動が可能となるように接続されている。これにより、カバーテープ立ち上げ部61は、第1経路部分51上における部品収納テープ100の走行挙動の変化に対応して揺動可能となる。従って、カバーテープ立ち上げ部61によるカバーテープ102の立ち上げ処理の安定性の低下が防止される。
また、図8に示すように、第1経路部分51においてカバーテープ立ち上げ部61が配置される第2領域512の、テープ送り方向H1下流側に連なる第3領域513は、走行路5の幅方向(X軸方向)から見て、+Z方向(上方向)に凸の形状に形成されている。
走行路5における第1経路部分51のテープ送り方向H1の最下流端に相当する、第3領域513のテープ送り方向H1の最下流端には、上述の如く、一対の第2スプロケット321を備える第2テープ送出部32が配置されている。第3領域513の形状が+Z方向(上方向)に凸の形状とされているのは、第1テープ送出部31により送出されて第3領域513を走行する部品収納テープ100の先端部におけるキャリアテープ101の孔部101bが、一対の第2スプロケット321の歯部321aと嵌合するときの嵌合性を、良好なものとするためである。更に、第2テープ送出部32によって、当該第2テープ送出部32が受け取った部品収納テープ100を、第1経路部分51のテープ送り方向H1下流側の第3経路部分53における部品取出し位置21に近設される第3テープ送出部33に向けて、確実に送出することができる。
第3領域513のテープ送り方向H1の最下流端の高さ位置は、キャリアテープ101の孔部101bの、一対の第2スプロケット321の歯部321aに対する嵌合性と、カバーテープ102の立ち上げ処理時におけるキャリアテープ101の座屈変形の防止効果とに鑑みて、設定される。第3領域513の最下流端の高さ位置は、第1経路部分51のテープ送り方向H1の最上流端に相当する第1領域511の最上流端の高さ位置とは同一とならないように、設定される。
次に、図3及び図7を参照して、部品露出部6のカバーテープ前処理部62及びカバーテープ後処理部63について説明する。
カバーテープ前処理部62は、走行路5における第1経路部分51のテープ送り方向H1上流側に連なる第2経路部分52に、カバーテープ立ち上げ部61とは離間して配置される。カバーテープ前処理部62は、第1テープ送出部31により送出され、先端が自由端とされた状態で第2経路部分52を走行する部品収納テープ100に対し、カバーテープ立ち上げ部61によるカバーテープ102の立ち上げ処理に先立って、カバーテープ102を切断する前処理を行う。これにより、部品収納テープ100のカバーテープ102に対し、カバーテープ立ち上げ部61の当接がスムーズなものとなり、カバーテープ立ち上げ部61によるカバーテープ102の立ち上げ処理がスムーズに実施される。
カバーテープ立ち上げ部61によるカバーテープ102の立ち上げ処理後の部品収納テープ100は、走行路5における第1経路部分51の下流側の第3経路部分53に、第2テープ送出部32により送出される。この第3経路部分53には、カバーテープ後処理部63が配置されている。カバーテープ後処理部63は、カバーテープ立ち上げ部61による立ち上げ処理後のカバーテープ102を、部品収納テープ100の幅方向に押し広げる後処理を行う。これにより、部品収納テープ100の部品収納部101a内における部品Pの露出度が大きくなる。従って、部品取出し位置21での部品Pの取り出し性を向上することができる。
部品露出部6におけるカバーテープ前処理部62の詳細な構成について、図9を参照して説明する。図9は、部品露出部6におけるカバーテープ前処理部62の構成を示す斜視図である。カバーテープ前処理部62は、挿入部材621と、カバーテープ切断部622と、支持部623とを含む。
挿入部材621は、先端が自由端とされた状態で第1テープ送出部31によって送出されて、第2経路部分52を走行する部品収納テープ100における、カバーテープ102とキャリアテープ101との間に挿入される部材である。挿入部材621は、平板状に形成されている。この挿入部材621は、基部6211と、当該基部6211におけるテープ送り方向H1の上流端に連なる先端部6212と、を有する。なお、挿入部材621の基部6211におけるテープ送り方向H1の下流端6211aには、後述の蓋部材7が接続されている。
挿入部材621において先端部6212は、基部6211との接続部分からテープ送り方向H1の上流端6212aに向かって、+Z方向側(上方向側)に傾くように、基部6211に対して先上がりに傾斜している。換言すると、挿入部材621がカバーテープ102とキャリアテープ101との間に挿入された状態において、基部6211はカバーテープ102と略平行で、先端部6212はキャリアテープ101から間隔をもって離れてカバーテープ102側に向かうように傾斜している。
挿入部材621の先端部6212を、上記のような傾斜構造とすることによって、カバーテープ102とキャリアテープ101との間に挿入部材621が挿入された状態で、第1テープ送出部31により部品収納テープ100が送出されるときに、キャリアテープ101における、隣接する部品収納部101a間に位置する収納部接続領域部分に、先端部6212が接触することを抑止することができる。このため、部品収納テープ100の良好な走行性が保持され、部品取出し位置21に向けて部品Pを効率良く供給することができる。
挿入部材621は、支持部623により支持されている。本実施形態では、支持部623は、挿入部材621の基部6211におけるテープ送り方向H1の下流端6211aに接続された後述の蓋部材7の上面に配置され、且つ、装置本体2に固定されている。このような構成によって、支持部623は、蓋部材7を介して挿入部材621を支持する。
カバーテープ切断部622は、先端が自由端とされた状態で第1テープ送出部31によって送出されて、第2経路部分52を走行する部品収納テープ100のカバーテープ102を切断する。カバーテープ切断部622は、カバーテープ102の幅方向両端部間の所定位置(例えば中央位置)を切断する。カバーテープ切断部622により切断されたカバーテープ102の切断部分102aは、走行路5に沿って線状に延びる。
カバーテープ切断部622は、カバーテープ102を切断する刃部6221と、保持部6222とを含む。保持部6222は、刃先が露出するように刃部6221を保持する保持面6222aを有する。
カバーテープ切断部622は、保持部6222の少なくともテープ送り方向H1上流側の領域部分6222bにおける保持面6222aとは反対側の面が、挿入部材621における基部6211の+Z方向側(上方向側)の面6211bに当接するように、蓋部材7を介して支持部623に支持されている。また、カバーテープ切断部622においては、保持部6222の保持面6222aに保持された刃部6221が、+Z方向側(上方向側)に臨んでいる。このような構成では、走行路5における第2経路部分52を走行する部品収納テープ100がカバーテープ切断部622を通過するときには、当該カバーテープ切断部622の上流端6222cとキャリアテープ101との間に挿入部材621が介在することになる。このため、カバーテープ切断部622の上流端6222cが、キャリアテープ101の部品収納部101aに収納される部品Pと接触することを、防止することができる。従って、カバーテープ切断部622との接触により部品Pにダメージが与えられることを防止することができる。
また、カバーテープ切断部622の保持部6222において、保持面6222aは、テープ送り方向H1の下流から上流に向かって先下がりに傾斜した傾斜面であることが望ましい。これにより、走行路5における第2経路部分52を走行してカバーテープ切断部622を通過するときに、部品収納テープ100は、傾斜面とされた保持部6222の保持面6222aに沿ってガイドされる。この結果、部品収納テープ100がカバーテープ切断部622を通過するときの走行抵抗を軽減することができる。
また、挿入部材621は、走行路5における第2経路部分52の幅方向(X軸方向)に延びる所定の軸心J1回りに揺動可能となるように、蓋部材7を介して支持部623に支持される構成としてもよい。また、カバーテープ切断部622は、挿入部材621の揺動に連動した揺動が可能となるように、保持部6222の少なくともテープ送り方向H1上流側の領域部分6222bが、挿入部材621における基部6211の+Z方向側(上方向側)の面6211bに当接されている。これにより、例えば部品収納テープ100が撓みながら走行路5を走行する場合、カバーテープ102とキャリアテープ101との間に挿入される挿入部材621及びカバーテープ切断部622が、その部品収納テープ100の撓みに応じて揺動可能となる。従って、挿入部材621の先端部6212の、キャリアテープ101における収納部接続領域部分への接触を、安定的に抑止することができる。
次に、部品供給装置1に備えられる蓋部材7について、図3及び図7を参照して説明する。蓋部材7は、部品露出部6による、部品収納部101a内において部品Pを露出させる露出処理後の部品収納テープ100の、部品収納部101aの各々の開口の少なくとも一部を覆う部材である。部品供給ユニット1Aが蓋部材7を備える構成とすることによって、露出処理後の部品収納テープ100がテープ送出部3により送出されるときにおける、部品収納部101aからの部品Pの飛び出しを、蓋部材7によって規制することができる。従って、部品供給ユニット1Aによる部品取出し位置21への部品供給を安定的に行うことができる。
本実施形態では、蓋部材7は、挿入部材621の基部6211におけるテープ送り方向H1の下流端6211aから、部品取出し位置21まで、走行路5に沿って延びる。また、挿入部材621の基部6211における下流端6211aに接続された蓋部材7は、テープ送出部3により送出される部品収納テープ100のカバーテープ102とキャリアテープ101との間に挿入された状態で、走行路5に沿って部品収納部101aを覆う。このため、蓋部材7は、カバーテープ102とキャリアテープ101との間に挿入された状態で、テープ送出部3により送出される部品収納テープ100の走行をガイドする機能を有する。
上述の如く、部品収納テープ100が第1経路部分51の第1領域511及び第2領域512を走行するときには、撓みながら走行する。このため、第1経路部分51の第1領域511及び第2領域512を走行する部品収納テープ100において、部品収納部101aを覆う蓋部材7とキャリアテープ101との接触による摩擦力が増大する可能性がある。
そこで、蓋部材7は、可撓性を有する部材であることが望ましい。このような構成では、部品収納テープ100が第1経路部分51の第1領域511及び第2領域512に沿って撓みながら走行するときに、蓋部材7がその部品収納テープ100の撓みに応じて撓むことになる。これにより、第1経路部分51の第1領域511及び第2領域512を走行する部品収納テープ100において、部品収納部101aを覆う蓋部材7とキャリアテープ101との接触による摩擦力の増大を抑止することができる。従って、部品収納テープ100が走行路5を走行するときの走行抵抗を軽減することができる。また、蓋部材7は、静電気を発生させないように、金属によって形成されることが望ましい。なお、蓋部材7は、プラスチック等からなる基材の表面に導電性を有する層が形成された構成であってもよい。
以上のように構成される部品供給ユニット1Aは、部品収納テープ100が巻回された複数のリール(不図示)を装着可能である。この部品供給ユニット1Aの部品供給動作は、図3を参照して説明すると、次の通りである。まず準備作業として、オペレーターは、部品供給ユニット1Aにおいて部品供給が先行して行われる部品収納テープ100(先行の部品収納テープ)が巻回されたリールを部品供給ユニット1Aに取り付ける。そして、オペレーターは、先行の部品収納テープ100の先端部を第1スプロケット311と嵌合された状態とする。このとき、先行の部品収納テープ100は、テープ支持部材24により支持されている。その後、オペレーターは、操作部22を操作し、第1スプロケット311を回転させる指示を入力して先行の部品収納テープ100を送出させ、部品収納テープ100の先端部を第2スプロケット321と嵌合させる。
上記の準備作業が終了した状態で、部品供給ユニット1Aの部品供給動作が開始される。部品供給ユニット1Aにおいて、第2スプロケット321は回転し、これにより先行の部品収納テープ100が送出される。このとき、第1スプロケット311は空転するように構成され、第2スプロケット321が回転することにより先行の部品収納テープ100を送出することができる。
次に、先行の部品収納テープ100が第2スプロケット321により送出されている状態で、オペレーターは、装置本体2からテープ支持部材24を取り外す。テープ支持部材24が取り外されると、図3に示すように、先行の部品収納テープ100がその自重によって鉛直下方側(−Z方向側)に変位する。これにより、先行の部品収納テープ100の第1スプロケット311との嵌合が解除される。このとき、先行の部品収納テープ100は、第2スプロケット321と嵌合されているので、第1スプロケット311との嵌合が解除されても、第2スプロケット321により送出され続ける。
次に、先行の部品収納テープ100が第2スプロケット321により送出されている状態で、オペレーターは、テープ支持部材24を装置本体2に装着し、後続の部品収納テープ100が巻回されたリールを部品供給ユニット1Aに取り付ける。そして、オペレーターは、後続の部品収納テープ100の先端部を第1スプロケット311と嵌合された状態とする。このとき、後続の部品収納テープ100は、テープ支持部材24により支持されている。このようにして、先行の部品収納テープ100の部品切れが発生していない状態で、後続の部品収納テープ100が巻回されたリールを装着することができる。
その後、先行の部品収納テープ100の全てがリールから引き出されると、後続の部品収納テープ100の送出が自動的に開始される。
図10は、部品供給ユニット1Aのテープ排出口23から排出された部品収納テープ100が、筒体17内において留まった状態を説明するための図である。図10は、部品供給装置1がテープ排出ガイド構造体8を備えていない場合において、テープ排出口23から排出される部品収納テープ100を筒体17内に直接的に排出させた状態を示す。
部品供給ユニット1Aにおいて、第3スプロケット331の歯部331aが先行の部品収納テープ100における後端の孔部101bから外れると、当該先行の部品収納テープ100を送出する送出力がなくなる。この場合、先行の部品収納テープ100は、全体がテープ排出口23から排出されていない状態であり、後端がテープ排出口23よりも内側に残った状態で留まっている。その後、後続の部品収納テープ100が部品供給ユニット1Aにより送出されると、後端がテープ排出口23よりも内側に残った状態で留まっている先行の部品収納テープ100は、後続の部品収納テープ100に押されて、テープ排出口23から排出される。部品供給装置1がテープ排出ガイド構造体8を備えていない場合、テープ排出口23から排出されて筒体17内に導かれた先行の部品収納テープ100は、当該筒体17内において後続の部品収納テープ100に押し出される。このとき、先行の部品収納テープ100は、傾いたりなどして筒体17内で姿勢が変化してしまう。また、筒体17内において先行の部品収納テープ100は、後続の部品収納テープ100に押し出されることなく筒体17内に留まる場合もある。このように、傾いたりなどして筒体17内で姿勢が変化する、あるいは、押し出されることなく筒体17内に留まると、部品収納テープ100が確実に排出されない虞がある。
特に、大型の部品Pの収納のために部品収納部101aの深さが深い、テープ幅方向の長さK2が32mm以上の幅広の部品収納テープ100は、リールの巻き癖等によってカールした状態では、筒体17内において第1壁部171と第2壁部172との間で突っ張ってしまい、鉛直下方に向かって自由落下することは期待できない。このような状態を考慮しても、部品収納テープ100が確実に排出されない虞がある。そこで、本実施形態に係る部品供給装置1は、テープ排出ガイド構造体8を備えている。
[テープ排出ガイド構造体の構成]
<第1実施形態>
図11は、本発明の第1実施形態に係るテープ排出ガイド構造体8の構成を示す斜視図である。テープ排出ガイド構造体8は、部品供給ユニット1Aのテープ排出口23から排出される部品収納テープ100の排出をガイドする構造体である。テープ排出ガイド構造体8は、ガイド本体81と一対の拘束部83とを備える。
テープ排出ガイド構造体8において、ガイド本体81は、テープ排出口23から排出される部品収納テープ100の上面部又は下面部を、テープ排出方向H2に沿ってガイドする部分である。部品収納テープ100の上面部は、キャリアテープ101に貼付されたカバーテープ102側の面である。部品収納テープ100の下面部は、前記上面部とは反対の、キャリアテープ101において部品収納部101aが配置される側の面である。本実施形態では、ガイド本体81は、部品収納テープ100の上面部をガイドする。具体的には、ガイド本体81は、部品収納テープ100の上面部において、キャリアテープ101の幅方向両端部にそれぞれ形成された融着部103間をガイドする。
前述したように、部品実装機10には、複数の部品供給装置が並んで配置されている。テープ排出ガイド構造体8を備えた部品供給装置1が、互いに隣接して複数配置された場合、テープ排出方向H2と直交するテープ幅方向H3において、ガイド本体81の変形が大きくなると、テープ排出ガイド構造体8同士が接触してしまう虞がある。そこで、ガイド本体81は、長方形板状に形成される。板状のガイド本体81は、テープ幅方向H3への変形が小さいので、隣接して配置されるテープ排出ガイド構造体8同士の接触を防止することができる。
また、ガイド本体81は、静電気を発生させないように、金属によって形成されることが望ましい。なお、ガイド本体81は、プラスチック等からなる基材の表面に導電性を有する層が形成された構成であってもよい。
また、部品供給ユニット1Aのテープ排出口23から排出される部品収納テープ100は、リールの巻き癖等によってカールした状態のものもある。ガイド本体81は、部品収納テープ100のカールした状態を矯正して部品収納テープ100を延ばした状態にできる程度の剛性を有している。
テープ排出ガイド構造体8において、一対の拘束部83は、テープ排出方向H2と直交するテープ幅方向H3において、ガイド本体81の両端部にそれぞれ接続される。一対の拘束部83は、ガイド本体81により上面部がガイドされつつ排出される部品収納テープ100のテープ幅方向H3への変位を拘束する。
部品供給ユニット1Aにおいて部品供給が先行して行われる先行の部品収納テープ100は、その上面部がガイド本体81にガイドされつつ排出される。先行の部品収納テープ100の後端が部品供給ユニット1Aのテープ排出口23から排出されると、部品供給ユニット1Aにより送出された後続の部品収納テープ100が、テープ排出ガイド構造体8に導かれる。そうすると、テープ排出ガイド構造体8において、先行の部品収納テープ100が後続の部品収納テープ100に押し出される。
ここで、テープ排出ガイド構造体8は、ガイド本体81のテープ幅方向H3の両端部にそれぞれ接続される一対の拘束部83を備えている。この一対の拘束部83は、ガイド本体81により上面部がガイドされつつ排出される部品収納テープ100のテープ幅方向H3への変位を拘束するよう構成されている。これにより、テープ排出ガイド構造体8において、先行の部品収納テープ100は、傾いたりなどして姿勢が変化することなく後続の部品収納テープに押し出される。従って、テープ排出ガイド構造体8は、部品供給ユニット1Aのテープ排出口23から排出される部品収納テープ100を確実に排出することが可能である。このため、テープ排出ガイド構造体8から導出された部品収納テープ100は、姿勢が変化することなく確実にテープ切断装置18に向けて下降する。
また、本実施形態のテープ排出ガイド構造体8においてガイド本体81は、可撓性を有する。そして、一対の拘束部83の各々は、図11に示すように、テープ排出方向H2に所定の間隔をおいて配列された複数の拘束部材831からなる。これにより、部品収納テープ100の排出をガイドするテープ排出ガイド構造体8の形状を、部品収納テープ100の排出性が良好な形状にすることができる。具体的には、テープ排出ガイド構造体8は、図2に示すように、筒体17の上部開口17Aから筒体17内に挿入されている。そして、テープ排出ガイド構造体8は、筒体17の第1壁部171の内面に当接している。ガイド本体81が可撓性を有し、且つ、一対の拘束部83の各々が複数の拘束部材831からなる構成とすることによって、テープ排出ガイド構造体8の形状を、筒体17の第1壁部171に沿った形状とすることができる。
このとき、筒体17の第1壁部171の内面に当接したテープ排出ガイド構造体8において、可撓性を有するガイド本体81は、図11に示すように、湾曲部811と延設部812とを含む形状となるように構成される。ガイド本体81において、湾曲部811は、テープ排出口23から鉛直下方側に向かって上に凸に湾曲した部分である。ガイド本体81において、延設部812は、湾曲部811のテープ排出方向H2の下流端から鉛直下方側に延びる部分である。ガイド本体81が湾曲部811と延設部812とを含む形状となるように構成されると、部品収納テープ100の排出をガイドするために必要なガイド本体81の長さを延設部812によって確保しつつ、部品供給ユニット1Aにおけるテープ送り方向H1に沿ったテープ排出口23からのガイド本体81の突出長さを、湾曲部811によって可及的に短くすることができる。これにより、部品供給ユニット1Aにおいてテープ排出口23に対してテープ送り方向H1上流側に配置される部品取出し位置21に向けてヘッドユニット14が移動するときの移動距離が長くなることを、防止することができる。
なお、ガイド本体81は、可撓性を有さず、湾曲部811と延設部812とを含む形状に、予め形成されていてもよい。
更に、テープ排出ガイド構造体8において、ガイド本体81の延設部812の下端81Aが、筒体17の第1壁部171において鉛直下方側に直線状に延びる延設領域部分171Bに達するように、ガイド本体81の延設部812が延びている。これにより、テープ排出ガイド構造体8において、後続の部品収納テープ100に押し出されるようにして排出される先行の部品収納テープ100は、その後端がガイド本体81の延設部812の下端81Aに到達すると、第1壁部171において鉛直下方側に直線状に延びる延設領域部分171Bに沿って、自由落下することになる。このようにして、テープ排出ガイド構造体8から導出された部品収納テープ100は、テープ切断装置18に向けて、筒体17内において第1壁部171の延設領域部分171Bに沿って自由落下する。テープ排出ガイド構造体8によってガイドされつつ、筒体17の下部開口17Bを介してテープ切断装置18に導かれた部品収納テープ100は、テープ切断装置18によって短冊状に切断される。
図12は、部品供給ユニット1Aのテープ排出口23から排出された部品収納テープ100の状態を説明するための図である。部品供給ユニット1Aのテープ排出口23から排出された部品収納テープ100は、部品収納部101aを開放するようにカバーテープ102がキャリアテープ101に対してテープ幅方向H3の外側へ広げられ、更にはそのカバーテープ102がキャリアテープ101の側方にて下方に折り曲げられている(図12(1)参照)。部品収納テープ100において、テープ幅方向H3の外側へ広げられ、下方に折り曲げられたカバーテープ102は、部品供給ユニット1Aのテープ排出口23から排出されたときに、押し広げるための力から開放されて矢印H4方向に起き上がろうとする(図12(2)参照)。
テープ排出ガイド構造体8による部品収納テープ100の排出時においてカバーテープ102が起き上がった状態であると、部品収納テープ100の排出時における排出抵抗となり、その部品収納テープ100の排出性が悪化する。更に、図12(2)に示すように、テープ排出方向H2が下方に向かって曲がる場合には、カバーテープ102が起き上がろうとする力は、より大きくなる。このため、カバーテープ102において下方に折り曲げられた状態を保とうとすると、カバーテープ102は波打ってしまう。このようにカバーテープ102が波打った状態である場合、部品収納テープ100の排出時において、より大きな排出抵抗となり、その部品収納テープ100の排出性がより顕著に悪化する。
そこで、テープ排出ガイド構造体8は、図11に示すように、一対のテープ導入案内部82を備える。一対のテープ導入案内部82は、ガイド本体81のテープ排出方向H2の上流端に対してテープ幅方向H3の外側にそれぞれ配置されている。一対のテープ導入案内部82は、部品供給ユニット1Aのテープ排出口23から排出される部品収納テープ100におけるテープ幅方向H3両端部の、一対の拘束部83におけるテープ排出方向H2最上流側の拘束部材831への導入を案内する。一対のテープ導入案内部82は、部品収納テープ100におけるテープ幅方向H3両端部の、拘束部材831への導入のための導入案内経路820を画定する。
一対のテープ導入案内部82により画定される導入案内経路820を部品収納テープ100が通過するとき、一対のテープ導入案内部82には、カバーテープ102が起き上がろうとする力が作用する。テープ排出方向H2が下方に向かって曲がる場合には、一対のテープ導入案内部82に作用する力は、より大きくなる。一対のテープ導入案内部82が、カバーテープ102の起き上がりを過度に押さえつけようとすると、部品収納テープ100の排出時における排出抵抗となり、その部品収納テープ100の排出性が悪化する可能性がある。そこで、一対のテープ導入案内部82は、カバーテープ102を拘束せずにカバーテープ102の起き上がりをある程度許容し、テープ幅方向H3両端部を包み込むようにして部品収納テープ100を案内する。
また、一対のテープ導入案内部82の各々は、テープ排出方向H2の上流端から下流端に向かって導入案内経路820が窄まった先窄まり形状に構成されている。具体的には、一対のテープ導入案内部82の各々は、導入案内経路820における、テープ排出方向H2に垂直な断面の断面積が、テープ排出方向H2の上流端から下流端に向かって漸減するように、先窄まり形状に構成される。そして、一対のテープ導入案内部82の各々におけるテープ排出方向H2の下流端は、一対の拘束部83を構成する複数の拘束部材831のうちの、テープ排出方向H2最上流側に配置される拘束部材831の上流端に入り込んでいる。
テープ排出ガイド構造体8が先窄まり形状に構成される一対のテープ導入案内部82を備える。これにより、部品収納テープ100のテープ幅方向H3両端部がテープ排出方向H2の最上流側に配置される拘束部材831へ導入される直前において、カバーテープ102が起き上がろうとする力に抗して当該カバーテープ102を、キャリアテープ101のテープ幅方向H3両端部を包み込むように外方側に折り畳んだ状態とすることができる。この結果、一対のテープ導入案内部82を介して一対の拘束部83の拘束部材831へ導入される部品収納テープ100においてカバーテープ102は、キャリアテープ101のテープ幅方向H3両端部を包み込むように外方側に折り畳まれた状態となっている。これにより、部品供給ユニット1Aのテープ排出口23から排出される部品収納テープ100のテープ幅方向H3両端部を、一対の拘束部83を構成する拘束部材831へスムーズに導入することができる。
また、一対のテープ導入案内部82は、静電気を発生させないように、金属によって形成されることが望ましい。なお、一対のテープ導入案内部82は、プラスチック等からなる基材の表面に導電性を有する層が形成された構成であってもよい。
次に、一対の拘束部83を構成する拘束部材831について、図13乃至図15を参照して詳細に説明する。図13は、テープ排出ガイド構造体8の一対の拘束部83を構成する拘束部材831を示す斜視図である。図14は、拘束部材831の形状を説明するための図である。図15は、拘束部材831による部品収納テープ100の拘束状態を説明するための図であり、テープ排出方向H2から見た図である。
一対の拘束部83を構成する拘束部材831は、接続部8311と、上面端対向部8312と、側面対向部8313と、下面端対向部8314とを含む。
拘束部材831において、接続部8311は、平板状に形成され、ガイド本体81のテープ幅方向H3の端部に接続される部分である。側面対向部8313は、平板状に形成され、ガイド本体81により上面部100Aがガイドされつつテープ排出方向H2に排出される部品収納テープ100における、テープ幅方向H3の端部の側端面部100Bに対向している。図13に示す例では、側面対向部8313は、2枚の板状部材83131,83132が連結された構造を有している。そして、側面対向部8313において、2枚の板状部材83131,83132が連結された角部分8313aがテープ幅方向H3の外側に突出している(図15参照)。拘束部材831が側面対向部8313を含む構成であることによって、ガイド本体81により上面部100Aがガイドされつつ排出される部品収納テープ100の、テープ幅方向H3への変位を、より確実に拘束することができる。
なお、拘束部材831の側面対向部8313の角部分8313aと、部品収納テープ100の側端面部100Bとの間の離間距離D1は、部品収納テープ100のテープ幅方向H3への変位を規制しつつ、部品収納テープ100の側面対向部8313との接触による排出抵抗を可及的に低減できる程度に、設定される。
拘束部材831において、下面端対向部8314は、平板状に形成され、図15に示すように、ガイド本体81により上面部100Aがガイドされつつテープ排出方向H2に排出される部品収納テープ100の下面部における、テープ幅方向H3の端部領域部分100Cに対向している。
テープ導入案内部82により拘束部材831に導入された部品収納テープ100において、カバーテープ102は、キャリアテープ101に対してテープ幅方向H3の外側へ広げられ、キャリアテープ101の両端部を包み込むように折り畳まれた状態である。拘束部材831を構成する下面端対向部8314は、折り畳まれた状態のカバーテープ102の、起き上がろうとする変位を規制する。
また、前述したように、ガイド本体81は、部品収納テープ100のカールした状態を矯正して部品収納テープ100を延ばした状態にできる程度の剛性を有している。カールした状態の部品収納テープ100がテープ排出ガイド構造体8に導かれた場合、拘束部材831における下面端対向部8314は、前記剛性を有したガイド本体81と協働して、部品収納テープ100のカールした状態を矯正する。これにより、テープ排出ガイド構造体8において、先行の部品収納テープ100は、より確実に、後続の部品収納テープ100に押し出される。従って、テープ排出ガイド構造体8は、部品供給ユニット1Aのテープ排出口23から排出される部品収納テープ100を確実に排出することが可能である。
拘束部材831において、上面端対向部8312は、平板状に形成され、図15に示すように、ガイド本体81により上面部100Aがガイドされつつテープ排出方向H2に排出される部品収納テープ100の上面部における、テープ幅方向H3の端部領域部分100Dに、押し広げられたカバーテープ102の上側から対向している。なお、上面端対向部8312が対向する部品収納テープ100の端部領域部分100Dは、部品収納テープ100の上面部において、キャリアテープ101の幅方向両端部にそれぞれ形成された融着部103よりも外側の領域部分である。
テープ導入案内部82により拘束部材831に導入された部品収納テープ100において、カバーテープ102は、キャリアテープ101に対してテープ幅方向H3の外側へ広げられ、キャリアテープ101の両端部を包み込むように折り畳まれた状態である。拘束部材831を構成する上面端対向部8312は、接続部8311を介してガイド本体81に接続され、また部品収納テープ100の上面部における端部領域部分100Dに、押し広げられたカバーテープ102の上側から対向している。このような上面端対向部8312は、広げられた状態のカバーテープ102の、テープ幅方向H3の内側(上面端対向部8312に対してガイド本体81が配置される側)への変位、及び上方への変位を規制する。
ここで、カバーテープ102が広げられた状態の部品収納テープ100が拘束部材831を通過するとき、上面端対向部8312には、カバーテープ102が起き上がろうとする力が作用する。テープ排出方向H2が下方に向かって曲がる場合には、上面端対向部8312に作用する力は、より大きくなる(図12(2)参照)。上面端対向部8312が、カバーテープ102の起き上がりを過度に押さえつけようとすると、部品収納テープ100の排出時における排出抵抗となり、その部品収納テープ100の排出性が悪化する可能性がある。そこで、上面端対向部8312は、広げられた状態のカバーテープ102の、テープ幅方向H3の内側への変位を規制しつつ、カバーテープ102の起き上がりをある程度許容するように、上方への変位を規制する。これにより、テープ排出ガイド構造体8において、先行の部品収納テープ100は、より確実に、後続の部品収納テープ100に押し出される。従って、テープ排出ガイド構造体8は、部品供給ユニット1Aのテープ排出口23から排出される部品収納テープ100を確実に排出することが可能である。
また、拘束部材831において上面端対向部8312は、テープ排出方向H2から見て、テープ幅方向H3の内側から外側に向かって前記広げられたカバーテープ102から離れている。図13に示す例では、上面端対向部8312は、テープ幅方向H3の内側から外側に向かって、前記広げられたカバーテープ102から離れるように先上がりに傾斜している。
前述のように、上面端対向部8312には、カバーテープ102が起き上がろうとする力が作用し、この力が部品収納テープ100の排出時における排出抵抗となり、部品収納テープ100の排出性が悪化する可能性がある。そこで、拘束部材831において上面端対向部8312を、テープ幅方向H3の内側から外側に向かって、前記広げられたカバーテープ102から離れた構成とする。これにより、上面端対向部8312に作用する力が低減され、部品収納テープ100の良好な排出性を維持することができる。
なお、拘束部材831の上面端対向部8312の最上端と、ガイド本体81との間の離間距離D2(図15参照)は、広げられた状態のカバーテープ102の、テープ幅方向H3の内側への変位を規制しつつ、カバーテープ102の起き上がりをある程度許容できるように、設定される。
また、拘束部材831における、部品収納テープ100の側端面部100Bに対して垂直下方の位置(図15に示す例では板状部材83132の略中央位置)と、ガイド本体81との間の離間距離D3は、テープ排出方向H2及びテープ幅方向H3に垂直な方向への部品収納テープ100の変位を規制しつつ、厚みの異なる複数種の部品収納テープ100の排出が可能となるように、設定される。テープ排出方向H2及びテープ幅方向H3に垂直な方向への部品収納テープ100の変位を規制することによって、先行の部品収納テープ100の後端に対する後続の部品収納テープ100の先端の、テープ排出方向H2及びテープ幅方向H3に垂直な方向に関するずれ量を小さくし、互いの部品収納テープ100の重なりを防止することができる。これにより、先行の部品収納テープ100は、より確実に、後続の部品収納テープ100に押し出される。
本実施形態のテープ排出ガイド構造体8では、拘束部材831において、平板状の上面端対向部8312、側面対向部8313、及び下面端対向部8314は、部品収納テープ100のテープ幅方向H3端部を包み込むように一体的に連結されている。上面端対向部8312、側面対向部8313、及び下面端対向部8314が一体的に連結された拘束部材831により構成される一対の拘束部83の各々によって、部品収納テープ100の排出時においてテープ幅方向H3両端部を包み込むようにガイドする案内経路8310(図13参照)を画定することができる。
また、テープ排出ガイド構造体8において、拘束部材831は、テープ排出方向H2の上流端から下流端に向かって案内経路8310が窄まった先窄まり形状に構成される。具体的には、拘束部材831は、案内経路8310における、テープ排出方向H2に垂直な断面の断面積が、テープ排出方向H2の上流側端縁831AAから下流側端縁831ABに向かって漸減するように、先窄まり形状に構成される(図14参照)。より詳しくは、拘束部材831において、平板状の上面端対向部8312、側面対向部8313を構成する板状部材83131,83132、及び下面端対向部8314のそれぞれの、テープ排出方向H2及びテープ幅方向H3に垂直な方向の長さが、テープ排出方向H2の上流から下流に向かって漸減するように、拘束部材831が先窄まり形状に構成される。但し、拘束部材831は、案内経路8310の断面積が漸減するように構成されていれば、上面端対向部8312、側面対向部8313及び下面端対向部8314の全ての長さが漸減するようになっていなくてもよい。
部品供給ユニット1Aのテープ排出口23から排出される部品収納テープ100は、上面部100Aがガイド本体81によってガイドされ、且つ、テープ幅方向H3両端部が一対の拘束部83によってガイドされながら、テープ排出方向H2に排出される。ここで、一対の拘束部83の各々を構成する各拘束部材831が、先窄まり形状に構成される。これにより、部品収納テープ100のテープ幅方向H3両端部が、一対の拘束部83の各拘束部材831間の隙間部分に入り込んでしまうことを防止することができる。また、各拘束部材831が先窄まり形状に構成されることによって、テープ排出方向H2に互いに隣接する拘束部材831間において、上流側の拘束部材831から排出されて起き上がろうとするカバーテープ102が、下流側の拘束部材831に進入できないということを防止することができる。従って、テープ排出ガイド構造体8は、部品供給ユニット1Aのテープ排出口23から排出される部品収納テープ100を確実に排出することが可能である。
また、拘束部材831は、静電気を発生させないように、金属によって形成されることが望ましい。なお、拘束部材831は、プラスチック等からなる基材の表面に導電性を有する層が形成された構成であってもよい。
なお、一対の拘束部83を構成する拘束部材831は、図13乃至図15に例示される構造に限定されるものではなく、図16乃至図18に示す変形例の拘束部材であってもよい。図16は、第1変形例の拘束部材831Aによる部品収納テープ100の拘束状態を説明するための図であり、テープ排出方向H2から見た図である。図17は、第2変形例の拘束部材831Bによる部品収納テープ100の拘束状態を説明するための図であり、テープ排出方向H2から見た図である。図18は、第3変形例の拘束部材831Cによる部品収納テープ100の拘束状態を説明するための図であり、テープ排出方向H2から見た図である。
まず、図16に示す拘束部材831Aは、全体として曲面形状に形成される。この曲面形状は、テープ導入案内部82により導入される部品収納テープ100において、キャリアテープ101の両端部を包み込むように折り畳まれた状態のカバーテープ102の形状に近似している。拘束部材831Aは、前述の拘束部材831と同様に、接続部8311Aと、上面端対向部8312Aと、側面対向部8313Aと、下面端対向部8314Aとを含む。
拘束部材831Aにおいて、接続部8311Aは、平板状に形成され、ガイド本体81のテープ幅方向H3の端部に接続される部分である。上面端対向部8312Aは、曲面状に形成され、ガイド本体81により上面部100Aがガイドされつつテープ排出方向H2に排出される部品収納テープ100の上面部における、テープ幅方向H3の端部領域部分100Dに、押し広げられたカバーテープ102の上側から対向している。上面端対向部8312Aは、テープ排出方向H2から見て、テープ幅方向H3の内側から外側に向かって前記広げられたカバーテープ102から離れている。図16に示す例では、上面端対向部8312Aは、テープ幅方向H3の内側から外側に向かって、前記広げられたカバーテープ102から離れるように湾曲している。
拘束部材831Aにおいて、側面対向部8313Aは、曲面状に形成され、ガイド本体81により上面部100Aがガイドされつつテープ排出方向H2に排出される部品収納テープ100におけるテープ幅方向H3の端部の側端面部100Bに対向している。図16に示す例では、側面対向部8313Aは、テープ幅方向H3の外側に突出するように湾曲した形状を有している。
拘束部材831Aにおいて、下面端対向部8314Aは、曲面状に形成され、ガイド本体81により上面部100Aがガイドされつつテープ排出方向H2に排出される部品収納テープ100の下面部における、テープ幅方向H3の端部領域部分100Cに対向している。
図16に例示される拘束部材831Aにおいて、側面対向部8313Aは、ガイド本体81により上面部100Aがガイドされつつ排出される部品収納テープ100のテープ幅方向H3への変位を拘束する。下面端対向部8314Aは、折り畳まれた状態のカバーテープ102の起き上がろうとする変位を規制するとともに、部品収納テープ100のカールした状態を矯正する。更に、上面端対向部8312Aは、広げられた状態のカバーテープ102の、テープ幅方向H3の内側への変位を規制しつつ、カバーテープ102の起き上がりをある程度許容するように、上方への変位を規制する。
ここで、拘束部材831Aの側面対向部8313Aの最側端と、部品収納テープ100の側端面部100Bとの間の離間距離D1Aは、前述の拘束部材831における離間距離D1(図15参照)と比較して、短く設定されている。このため、ガイド本体81により上面部100Aがガイドされつつ排出される部品収納テープ100のテープ幅方向H3への変位を、より確実に拘束することができる。
また、拘束部材831Aの上面端対向部8312Aの最上端と、ガイド本体81との間の離間距離D2Aは、前述の拘束部材831における離間距離D2(図15参照)と同程度に設定されている。更に、拘束部材831Aにおける、部品収納テープ100の側端面部100Bに対して垂直下方の位置と、ガイド本体81との間の離間距離D3Aは、前述の拘束部材831における離間距離D3(図15参照)と比較して、長く設定されている。但し、拘束部材831Aにおける離間距離D3Aは、テープ排出方向H2及びテープ幅方向H3に垂直な方向への部品収納テープ100の変位を規制することが可能なように、設定されている。
次に、図17に示す拘束部材831Bは、前述の拘束部材831と同様に、接続部8311Bと、上面端対向部8312Bと、側面対向部8313Bと、下面端対向部8314Bとを含む。
拘束部材831Bにおいて、接続部8311Bは、平板状に形成され、ガイド本体81のテープ幅方向H3の端部に接続される部分である。上面端対向部8312Bは、平板状に形成され、ガイド本体81により上面部100Aがガイドされつつテープ排出方向H2に排出される部品収納テープ100の上面部における、テープ幅方向H3の端部領域部分100Dに、押し広げられたカバーテープ102の上側から対向している。上面端対向部8312Bは、テープ排出方向H2から見て、テープ幅方向H3の内側から外側に向かって前記広げられたカバーテープ102から離れている。図17に示す例では、上面端対向部8312Bは、テープ幅方向H3の内側から外側に向かって、前記広げられたカバーテープ102から離れるように先上がりに傾斜している。
拘束部材831Bにおいて、側面対向部8313Bは、平板状に形成され、ガイド本体81により上面部100Aがガイドされつつテープ排出方向H2に排出される部品収納テープ100におけるテープ幅方向H3の端部の側端面部100Bに対向している。図17に示す例では、側面対向部8313Bは、2枚の板状部材83131B,83132Bが連結された構造を有している。そして、側面対向部8313Bにおいて、2枚の板状部材83131B,83132Bが連結された角部分8313Baがテープ幅方向H3の外側に突出している。
拘束部材831Bにおいて、下面端対向部8314Bは、平板状に形成され、ガイド本体81により上面部100Aがガイドされつつテープ排出方向H2に排出される部品収納テープ100の下面部における、テープ幅方向H3の端部領域部分100Cに対向している。
図17に例示される拘束部材831Bにおいて、側面対向部8313Bは、ガイド本体81により上面部100Aがガイドされつつ排出される部品収納テープ100のテープ幅方向H3への変位を拘束する。ここで、拘束部材831Bの側面対向部8313Bの角部分8313Baと、部品収納テープ100の側端面部100Bとの間の離間距離D1Bは、前述の拘束部材831における離間距離D1(図15参照)と比較して、短く設定されている。このため、ガイド本体81により上面部100Aがガイドされつつ排出される部品収納テープ100のテープ幅方向H3への変位を、より確実に拘束することができる。
また、拘束部材831Bにおいて、下面端対向部8314Bは、折り畳まれた状態のカバーテープ102の起き上がろうとする変位を規制するとともに、部品収納テープ100のカールした状態を矯正する。更に、拘束部材831Bにおいて、上面端対向部8312Bは、広げられた状態のカバーテープ102の、テープ幅方向H3の内側への変位を規制しつつ、カバーテープ102の起き上がりをある程度許容するように、上方への変位を規制する。
ここで、拘束部材831Bの上面端対向部8312Bの最上端と、ガイド本体81との間の離間距離D2Bは、前述の拘束部材831における離間距離D2(図15参照)、並びに前述の拘束部材831Aにおける離間距離D2A(図16参照)と比較して、短く設定されている。更に、拘束部材831Bにおける、部品収納テープ100の側端面部100Bに対して垂直下方の位置(図17に示す例では板状部材83132Bの略中央位置)と、ガイド本体81との間の離間距離D3Bは、前述の拘束部材831における離間距離D3(図15参照)、並びに前述の拘束部材831Aにおける離間距離D3A(図16参照)と比較して、短く設定されている。これにより、テープ排出方向H2及びテープ幅方向H3に垂直な方向への部品収納テープ100の変位を、より確実に規制することができる。このため、先行の部品収納テープ100の後端に対する後続の部品収納テープ100の先端の、テープ排出方向H2及びテープ幅方向H3に垂直な方向に関するずれ量が小さくなり、互いの部品収納テープ100の重なりが防止される。
但し、テープ排出方向H2及びテープ幅方向H3に垂直な方向への部品収納テープ100の変位を過度に規制してしまうと、カバーテープ102が起き上がろうとする力によって、部品収納テープ100の排出時における排出抵抗が大きくなる。このため、図17に例示される拘束部材831Bは、剛性が低く起き上がろうとする力が小さいカバーテープ102を有する部品収納テープ100の排出時に用いることが望ましい。
次に、図18に示す拘束部材831Cは、前述の拘束部材831と同様に、接続部8311Cと、上面端対向部8312Cと、側面対向部8313Cと、下面端対向部8314Cとを含む。拘束部材831Cは、接続部8311Cと上面端対向部8312Cとの間に配置される立設部8315Cを、更に含む。
拘束部材831Cにおいて、接続部8311Cは、平板状に形成され、ガイド本体81のテープ幅方向H3の端部に接続される部分である。上面端対向部8312Cは、平板状に形成され、ガイド本体81により上面部100Aがガイドされつつテープ排出方向H2に排出される部品収納テープ100の上面部における、テープ幅方向H3の端部領域部分100Dに、押し広げられたカバーテープ102の上側から対向している。上面端対向部8312Cは、テープ排出方向H2から見て、テープ幅方向H3の内側から外側に向かって前記広げられたカバーテープ102から離れている。図18に示す例では、上面端対向部8312Cは、テープ幅方向H3の内側から外側に向かって、前記広げられたカバーテープ102から離れるように先上がりに傾斜している。
拘束部材831Cにおいて、立設部8315Cは、接続部8311Cと上面端対向部8312Cとを連結する部分であって、ガイド本体81に対して略垂直に立ち上がるように構成される。
拘束部材831Cにおいて、側面対向部8313Cは、平板状に形成され、ガイド本体81により上面部100Aがガイドされつつテープ排出方向H2に排出される部品収納テープ100における、テープ幅方向H3の端部の側端面部100Bに対向している。図18に示す例では、側面対向部8313Cは、3枚の板状部材83131C,83132C,83133Cが連結された構造を有している。板状部材83131Cは上面端対向部8312Cに連結され、板状部材83133Cは下面端対向部8314Cに連結される。板状部材83132Cは、板状部材83131Cと板状部材83133Cとを連結する。そして、側面対向部8313Cにおいて、板状部材83132Cがテープ幅方向H3の外側に配置されている。
拘束部材831Cにおいて、下面端対向部8314Cは、平板状に形成され、ガイド本体81により上面部100Aがガイドされつつテープ排出方向H2に排出される部品収納テープ100の下面部における、テープ幅方向H3の端部領域部分100Cに対向している。
図18に例示される拘束部材831Cにおいて、側面対向部8313Cは、ガイド本体81により上面部100Aがガイドされつつ排出される部品収納テープ100のテープ幅方向H3への変位を拘束する。ここで、拘束部材831Cの側面対向部8313Cの板状部材83132Cと、部品収納テープ100の側端面部100Bとの間の離間距離D1Cは、前述の拘束部材831における離間距離D1(図15参照)、並びに前述の拘束部材831Bにおける離間距離D1B(図17参照)と比較して、短く設定されている。このため、ガイド本体81により上面部100Aがガイドされつつ排出される部品収納テープ100のテープ幅方向H3への変位を、より確実に拘束することができる。
また、拘束部材831Cにおいて、下面端対向部8314Cは、折り畳まれた状態のカバーテープ102の起き上がろうとする変位を規制するとともに、部品収納テープ100のカールした状態を矯正する。更に、拘束部材831Cにおいて、上面端対向部8312C及び立設部8315Cは、広げられた状態のカバーテープ102の、テープ幅方向H3の内側への変位を規制しつつ、カバーテープ102の起き上がりをある程度許容するように、上方への変位を規制する。
ここで、拘束部材831Cの上面端対向部8312Cの最上端と、ガイド本体81との間の離間距離D2Cは、前述の拘束部材831における離間距離D2(図15参照)、前述の拘束部材831Aにおける離間距離D2A(図16参照)、並びに前述の拘束部材831Bにおける離間距離D2B(図17参照)と比較して、短く設定されている。更に、拘束部材831Cにおける、部品収納テープ100の側端面部100Bに対して垂直下方の位置(図18に示す例では板状部材83133Cの略中央位置)と、ガイド本体81との間の離間距離D3Cは、前述の拘束部材831における離間距離D3(図15参照)、前述の拘束部材831Aにおける離間距離D3A(図16参照)、並びに前述の拘束部材831Bにおける離間距離D3B(図17参照)と比較して、短く設定されている。これにより、テープ排出方向H2及びテープ幅方向H3に垂直な方向への部品収納テープ100の変位を、より確実に規制することができる。このため、先行の部品収納テープ100の後端に対する後続の部品収納テープ100の先端の、テープ排出方向H2及びテープ幅方向H3に垂直な方向に関するずれ量が小さくなり、互いの部品収納テープ100の重なりが防止される。
但し、テープ排出方向H2及びテープ幅方向H3に垂直な方向への部品収納テープ100の変位を過度に規制してしまうと、カバーテープ102が起き上がろうとする力によって、部品収納テープ100の排出時における排出抵抗が大きくなる。このため、図18に例示される拘束部材831Cは、前述の拘束部材831Bと同様に、剛性が低く起き上がろうとする力が小さいカバーテープ102を有する部品収納テープ100の排出時に用いることが望ましい。
また、本実施形態のテープ排出ガイド構造体8は、図11に示すように、一対の終端テープ案内部84を備えている。一対の終端テープ案内部84について、図11に加えて図19乃至図21を参照して説明する。図19は、テープ排出ガイド構造体8の一対の終端テープ案内部84の構成を示す斜視図である。図20は、一対の終端テープ案内部84の形状を説明するための図である。図21は、一対の終端テープ案内部84による部品収納テープ100の拘束状態を説明するための図であり、テープ排出方向H2から見た図である。
一対の終端テープ案内部84は、ガイド本体81のテープ排出方向H2の下流端においてテープ幅方向H3の両端部にそれぞれ接続されている。一対の終端テープ案内部84の各々は、ガイド本体81により上面部100Aがガイドされつつ排出される部品収納テープ100のテープ幅方向H3両端部をガイドする。一対の終端テープ案内部84の各々は、接続部841と、上側面拘束部842と、下面拘束部843とを含む。
一対の終端テープ案内部84の各々において、接続部841は、平板状に形成され、ガイド本体81のテープ幅方向H3の端部に接続される部分である。接続部841においてテープ排出方向H2の上流側の領域部分が、ガイド本体81のテープ幅方向H3の端部に接続されている。上側面拘束部842は、ガイド本体81により上面部100Aがガイドされつつテープ排出方向H2に排出される部品収納テープ100における、テープ幅方向H3端部の上面部の端部領域部分100Dに対向するとともに、側端面部100Bに対向している。また、下面拘束部843は、ガイド本体81により上面部100Aがガイドされつつテープ排出方向H2に排出される部品収納テープ100の下面部における、テープ幅方向H3の端部領域部分100Cに対向している。
一対の終端テープ案内部84の各々において、上側面拘束部842と下面拘束部843とは、部品収納テープ100のテープ幅方向H3端部を包み込むように一体的に連結されている。一対の終端テープ案内部84の各々は、部品収納テープ100の排出時においてテープ幅方向H3両端部を包み込むようにガイドする終端案内経路840(図19参照)を画定する。そして、一対の終端テープ案内部84の各々は、テープ排出方向H2の上流端から下流端に向かって終端案内経路840が窄まった先窄まり形状に構成される。具体的には、一対の終端テープ案内部84の各々は、終端案内経路840における、テープ排出方向H2に垂直な断面の断面積が、テープ排出方向H2の上流側端縁84AAから下流側端縁84ABに向かって漸減するように、先窄まり形状に構成される(図20参照)。
上面部100Aがガイド本体81によってガイドされつつ排出される部品収納テープ100は、テープ幅方向H3両端部が一対の終端テープ案内部84によってガイドされながらテープ排出ガイド構造体8から導出される。テープ排出ガイド構造体8から導出された部品収納テープ100は、テープ切断装置18に向けて筒体17内を落下する。ここで、テープ切断装置18は、薄いカバーテープ102については切断しにくい。このため、キャリアテープ101に対してカバーテープ102が外側に広がり、カバーテープ102のみを切断しなければならない部分が存在すると、テープ切断装置18による部品収納テープ100の切断性が低下する。
そこで、一対の終端テープ案内部84の各々が、先窄まり形状に構成される。これにより、テープ排出ガイド構造体8から導出される直前において、部品収納テープ100のカバーテープ102が起き上がろうとする力に抗して当該カバーテープ102を、キャリアテープ101のテープ幅方向H3両端部を包み込むように外方側に折り畳んだ状態とすることができる。この結果、一対の終端テープ案内部84を介してテープ排出ガイド構造体8から導出される部品収納テープ100においてカバーテープ102は、キャリアテープ101のテープ幅方向H3両端部を包み込むように外方側に折り畳まれた状態となっている。これにより、テープ排出ガイド構造体8から導出された部品収納テープ100を、テープ切断装置18等を用いて短冊状に切断するときに、カバーテープ102をキャリアテープ101と一緒に切断することができ、その切断性を向上させることができる。
また、一対の終端テープ案内部84は、静電気を発生させないように、金属によって形成されることが望ましい。なお、一対の終端テープ案内部84は、プラスチック等からなる基材の表面に導電性を有する層が形成された構成であってもよい。
なお、テープ排出ガイド構造体8が筒体17内に配置された状態において、一対の終端テープ案内部84は、筒体17の第1壁部171における鉛直下方側に直線状に延びる延設領域部分171Bに当接している。一対の終端テープ案内部84により画定される終端案内経路840において、部品収納テープ100の排出側となる下流側端縁84ABの、テープ排出方向H2に垂直な断面の断面積は、拘束部材831により画定される案内経路8310の下流側端縁831ABの断面積よりも小さい。ところで、一対の終端テープ案内部84を通過するときの部品収納テープ100のテープ排出方向H2は、筒体17の延設領域部分171Bに沿って直線状であるので、部品収納テープ100が曲がることによるカバーテープ102の変形及び排出抵抗は小さい。従って、一対の終端テープ案内部84により画定される終端案内経路840における下流側端縁84ABの断面積は小さく設定されているけれども、一対の終端テープ案内部84を介した部品収納テープ100の導出性は良好に維持される。
また、一対の終端テープ案内部84の下流側端縁84ABと、テープ切断装置18のテープ切断位置との間の距離が、ある程度長い場合であっても、一対の終端テープ案内部84を介して導出される部品収納テープ100の、テープ切断装置18による切断性は良好である。一対の終端テープ案内部84の下流側端縁84ABとテープ切断装置18との間の距離は、カバーテープ102の折り畳み状態を維持し、部品収納テープ100のカールの矯正状態を維持しつつ、一対の終端テープ案内部84がテープ切断装置18と干渉しない程度に設定される。このとき、筒体17内におけるテープ排出ガイド構造体8の揺れや、部品収納テープ100の重さによるテープ排出ガイド構造体8の鉛直下方への垂れ下がり量等を考慮する。
また、一対の終端テープ案内部84の下流側端縁84ABとテープ切断装置18との間の距離は、下流側端縁84ABとテープ切断装置18との間での部品収納テープ100の最大カール時における、テープ厚さ方向のカール変位量が、筒体17における第1壁部171と第2壁部172との間の離間距離よりも小さくなるように、設定されてもよい。
更には、一対の終端テープ案内部84の下流側端縁84ABとテープ切断装置18との間の距離は、部品収納テープ100の重さによってテープ排出ガイド構造体8が鉛直下方へ最大限に垂れ下がった状態で、部品収納テープ100において互いに隣接する部品収納部101aの中心間の距離よりも小さくなるように、設定されてもよい。この場合、一対の終端テープ案内部84の下流側端縁84ABとテープ切断装置18との間で部品収納テープ100がカールすることはない。
また、図19乃至図21に示すように、一対の終端テープ案内部84の各々の接続部841は、先端折り曲げ部841Aを有している。先端折り曲げ部841Aは、接続部841においてガイド本体81に接続される領域部分とは反対の、テープ排出方向H2の下流側の先端部分が外側に折り曲げられることにより形成される。一対の終端テープ案内部84の各々において接続部841を、先端折り曲げ部841Aを有する構造とすることによって、部品収納テープ100がテープ排出ガイド構造体8から導出されるときに、一対の終端テープ案内部84に引っ掛かることを可及的に抑止することができる。
また、部品供給装置1は、部品供給ユニット1Aのテープ排出口23から排出される部品収納テープ100を確実に排出することが可能な、前述のテープ排出ガイド構造体8を備えている。このため、部品収納テープ100の排出不良に起因した、部品供給ユニット1Aによる部品Pの供給動作の中断を可及的に抑止することができる。従って、部品供給装置1は、部品Pの供給効率に優れた装置となる。
<第2実施形態>
図22A乃至図22Cは、本発明の第2実施形態に係るテープ排出ガイド構造体80Aの構成を示す斜視図である。テープ排出ガイド構造体80Aは、部品供給ユニット1Aのテープ排出口23から排出される部品収納テープ100の排出をガイドする構造体である。テープ排出ガイド構造体80Aは、前述のテープ排出ガイド構造体8と同様に、ガイド本体801Aと一対の拘束部803Aとを備える。
テープ排出ガイド構造体80Aにおいて、ガイド本体801Aは、テープ排出口23から排出される部品収納テープ100の上面部をガイドする部分である。ガイド本体801Aは、長方形板状に形成されている。
テープ排出ガイド構造体80Aにおいて、一対の拘束部803Aは、テープ幅方向H3において、ガイド本体801Aの両端部にそれぞれ接続される。一対の拘束部803Aは、ガイド本体801Aにより上面部がガイドされつつ排出される部品収納テープ100のテープ幅方向H3への変位を拘束する。
また、本実施形態のテープ排出ガイド構造体80Aにおいてガイド本体801Aは、可撓性を有する。そして、一対の拘束部803Aの各々は、テープ排出方向H2に所定の間隔をおいて配列された複数の拘束部材8031Aからなる。これにより、テープ排出ガイド構造体80Aの形状を、筒体17の第1壁部171に沿った形状とすることができる。
このとき、筒体17の第1壁部171の内面に当接したテープ排出ガイド構造体80Aにおいて、可撓性を有するガイド本体801Aは、図22Bに示すように、湾曲部8011Aと延設部8012Aとを含む形状となるように構成される。ガイド本体801Aにおいて、湾曲部8011Aは、テープ排出口23から鉛直下方側に向かって上に凸に湾曲した部分である。ガイド本体801Aにおいて、延設部8012Aは、湾曲部8011Aのテープ排出方向H2の下流端から鉛直下方側に延びる部分である。
なお、一対の拘束部803Aの各々を構成する拘束部材8031Aの、テープ排出方向H2に沿った長さは、テープ排出方向H2の下流から上流に向かって短くなるように、設定されている。すなわち、拘束部材8031Aのテープ排出方向H2に沿った長さは、ガイド本体801Aの湾曲部8011Aに対応する拘束部材8031Aが、延設部8012Aに対応する拘束部材8031Aよりも短く設定されている。これにより、筒体17の第1壁部171に沿った湾曲形状のテープ排出ガイド構造体80Aを実現することができる。
一対の拘束部803Aを構成する拘束部材8031Aは、上面端対向部80311Aと、側面対向部80312Aと、下面端対向部80313Aとを含む。
上面端対向部80311Aは、ガイド本体801Aのテープ幅方向H3の端縁から外側に連なるように設けられる。上面端対向部80311Aは、ガイド本体801Aにより上面部100Aがガイドされつつテープ排出方向H2に排出される部品収納テープ100の上面部における、テープ幅方向H3の端部領域部分100Dに、押し広げられたカバーテープ102の上側から対向している。拘束部材8031Aにおいて、上面端対向部80311Aは、広げられた状態のカバーテープ102の、テープ幅方向H3の内側への変位を規制しつつ、上方への変位を規制する。
側面対向部80312Aは、上面端対向部80311Aのテープ幅方向H3の端縁から下側に連なるように設けられる。側面対向部80312Aは、ガイド本体801Aにより上面部100Aがガイドされつつテープ排出方向H2に排出される部品収納テープ100におけるテープ幅方向H3の端部の側端面部100Bに対向している。拘束部材8031Aにおいて、側面対向部80312Aは、ガイド本体801Aにより上面部100Aがガイドされつつ排出される部品収納テープ100のテープ幅方向H3への変位を拘束する。
下面端対向部80313Aは、側面対向部80312Aの下端縁から内側に連なるように設けられる。下面端対向部80313Aは、ガイド本体801Aにより上面部100Aがガイドされつつテープ排出方向H2に排出される部品収納テープ100の下面部における、テープ幅方向H3の端部領域部分100Cに対向している。拘束部材8031Aにおいて、下面端対向部80313Aは、折り畳まれた状態のカバーテープ102の起き上がろうとする変位を規制するとともに、部品収納テープ100のカールした状態を矯正する。
また、テープ排出ガイド構造体80Aは、図22Cに示すように、上面突出片80311AAと、側面突出片80312AAと、下面突出片80313AAとを含む。
上面突出片80311AAは、隣接する拘束部材8031A間の隙間部分において、上面端対向部80311Aから前記隙間部分に向かって、外側に傾斜するように突設された突片である。側面突出片80312AAは、隣接する拘束部材8031A間の隙間部分において、側面対向部80312Aから前記隙間部分に向かって、外側に傾斜するように突設された突片である。下面突出片80313AAは、隣接する拘束部材8031A間の隙間部分において、下面端対向部80313Aから前記隙間部分に向かって、外側に傾斜するように突設された突片である。
部品供給ユニット1Aのテープ排出口23から排出される部品収納テープ100は、上面部100Aがガイド本体801Aによってガイドされ、且つ、テープ幅方向H3両端部が一対の拘束部803Aによってガイドされながら、テープ排出方向H2に排出される。ここで、テープ排出ガイド構造体80Aは、上面突出片80311AA、側面突出片80312AA、及び下面突出片80313AAを含むように構成される。これにより、部品収納テープ100のテープ幅方向H3両端部が、一対の拘束部803Aの各拘束部材8031A間の隙間部分に入り込んでしまうことを防止することができる。従って、テープ排出ガイド構造体80Aは、部品供給ユニット1Aのテープ排出口23から排出される部品収納テープ100を確実に排出することが可能である。
<第3実施形態>
図23A及び図23Bは、本発明の第3実施形態に係るテープ排出ガイド構造体80Bの構成を示す図である。図23Aは、テープ排出ガイド構造体80Bを側方から見た図である。図23Bは、テープ排出ガイド構造体80Bをテープ排出方向H2から見た図である。テープ排出ガイド構造体80Bは、部品供給ユニット1Aのテープ排出口23から排出される部品収納テープ100の排出をガイドする構造体である。テープ排出ガイド構造体80Bは、前述のテープ排出ガイド構造体8と同様に、ガイド本体801Bと一対の拘束部803Bとを備える。
テープ排出ガイド構造体80Bにおいて、ガイド本体801Bは、テープ排出口23から排出される部品収納テープ100の上面部をガイドする部分である。
テープ排出ガイド構造体80Bにおいて、一対の拘束部803Bは、テープ幅方向H3において、ガイド本体801Bの両端部にそれぞれ接続される。一対の拘束部803Bは、ガイド本体801Bにより上面部がガイドされつつ排出される部品収納テープ100のテープ幅方向H3への変位を拘束する。
一対の拘束部803Bの各々は、テープ排出方向H2に所定の間隔をおいて配列された複数の拘束部材8031Bからなる。また、ガイド本体801Bは、一対の拘束部803Bにおいてテープ幅方向H3に対向する拘束部材8031B間を連結する板状部材が、テープ排出方向H2に沿って複数配設されてなる。これにより、テープ排出ガイド構造体80Bの形状を、筒体17の第1壁部171に沿った形状とすることができる。
このとき、筒体17の第1壁部171の内面に当接したテープ排出ガイド構造体80Bにおいて、ガイド本体801Bは、図23Aに示すように、湾曲部8011Bと延設部8012Bとを含む形状となるように構成される。ガイド本体801Bにおいて、湾曲部8011Bは、テープ排出口23から鉛直下方側に向かって上に凸に湾曲した部分である。ガイド本体801Bにおいて、延設部8012Bは、湾曲部8011Bのテープ排出方向H2の下流端から鉛直下方側に延びる部分である。
一対の拘束部803Bを構成する拘束部材8031Bは、上面端対向部80311Bと、側面対向部80312Bと、下面端対向部80313Bとを含む。
上面端対向部80311Bは、ガイド本体801Bのテープ幅方向H3の端縁から外側に連なるように設けられる。上面端対向部80311Bは、ガイド本体801Bにより上面部100Aがガイドされつつテープ排出方向H2に排出される部品収納テープ100の上面部における、テープ幅方向H3の端部領域部分100Dに、押し広げられたカバーテープ102の上側から対向している。拘束部材8031Bにおいて、上面端対向部80311Bは、広げられた状態のカバーテープ102の、テープ幅方向H3の内側への変位を規制しつつ、上方への変位を規制する。
側面対向部80312Bは、上面端対向部80311Bのテープ幅方向H3の端縁から下側に連なるように設けられる。側面対向部80312Bは、ガイド本体801Bにより上面部100Aがガイドされつつテープ排出方向H2に排出される部品収納テープ100におけるテープ幅方向H3の端部の側端面部100Bに対向している。拘束部材8031Bにおいて、側面対向部80312Bは、ガイド本体801Bにより上面部100Aがガイドされつつ排出される部品収納テープ100のテープ幅方向H3への変位を拘束する。
下面端対向部80313Bは、テープ幅方向H2に平行な軸心回りに回転可能に側面対向部80312Bの内側に取り付けられたローラー部材である。下面端対向部80313Bは、ガイド本体801Bにより上面部100Aがガイドされつつテープ排出方向H3に排出される部品収納テープ100の下面部における、テープ幅方向H3の端部領域部分100Cに対向している。拘束部材8031Bにおいて、下面端対向部80313Bは、折り畳まれた状態のカバーテープ102の起き上がろうとする変位を規制するとともに、部品収納テープ100のカールした状態を矯正する。また、下面端対向部80313Bが回転可能なローラー部材であることによって、部品収納テープ100の排出を円滑(スムーズ)にすることができる。
また、前述のテープ排出ガイド構造体8は、図24に示すように、一対のカバー部材85を備えるよう、構成されていてもよい。図24は、テープ排出ガイド構造体8が備えるカバー部材85を示す斜視図である。なお、前述のテープ排出ガイド構造体80A,80Bも、テープ排出ガイド構造体8と同様に、一対のカバー部材85を備えるよう、構成されていてもよい。以下では、テープ排出ガイド構造体8に備えられる一対のカバー部材85について説明する。
一対のカバー部材85は、テープ排出ガイド構造体8における一対の拘束部83の各々を覆うカバーである。一対のカバー部材85の各々は、拘束部83を構成する複数の拘束部材831の配列方向(テープ排出方向H2)に沿って延びる帯状に形成される。一対のカバー部材85の各々は、各拘束部材831を覆うとともに、隣接する拘束部材831間の隙間部分をも覆うように構成される。
また、一対のカバー部材85の各々は、ポリウレタンフィルム等の伸縮性を有するフィルム材料により構成されてもよいし、伸縮性を有しないフィルム材料により構成されてもよい。伸縮性を有するフィルム材料により構成する場合、一対のカバー部材85の各々は、各拘束部材831に密着させた状態とする。一方、伸縮性を有しないフィルム材料により構成する場合、一対のカバー部材85の各々は、各拘束部材831との間に空気層が介在された状態とする。
前述したように、部品実装機10には、部品収納テープを用いて部品を供給する部品供給装置として、テープ排出ガイド構造体8を備えた部品供給装置1以外に、テープ排出ガイド構造体8を備えていない他の部品供給装置が配置されている。テープ排出ガイド構造体8を備えた部品供給装置1に隣接して他の部品供給装置が配置された場合、他の部品供給装置から排出される部品収納テープが、テープ排出ガイド構造体8における一対の拘束部83の各拘束部材831間の隙間部分に入り込んでしまう虞がある。この場合、筒体17内において、他の部品供給装置から排出される部品収納テープが確実に排出されない虞がある。
そこで、テープ排出ガイド構造体8における一対の拘束部83の各々を覆うように、一対のカバー部材85を設ける。これにより、他の部品供給装置から排出される部品収納テープが、テープ排出ガイド構造体8における一対の拘束部83の各拘束部材831間の隙間部分に入り込んでしまうことを防止することができる。従って、筒体17内において、他の部品供給装置から排出される部品収納テープが確実に排出される。
以上、本発明の実施形態に係るテープ排出ガイド構造体、部品供給装置及び部品実装機について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を採ることができる。
(1)上記の実施形態においては、テープ排出ガイド構造体8が部品供給装置1に備えられる構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。テープ排出ガイド構造体8は、例えば、部品実装機10の筒体17に取り付けられていてもよい。この場合、テープ排出ガイド構造体8は、一対のテープ導入案内部82におけるテープ排出方向H2の上流端が筒体17の上部開口17Aから外方に露出し、且つ、第1壁部171の内面に当接した状態で、筒体17内に取り付けられる。そして、部品供給ユニット1Aが部品実装機10の部品供給部にセットされると、部品供給ユニット1Aのテープ排出口23が、テープ排出ガイド構造体8における一対のテープ導入案内部82の上流端と接続される。これにより、部品供給ユニット1Aのテープ排出口23からの部品収納テープ100の排出を、テープ排出ガイド構造体8によってガイドすることができる。
(2)また、上記の実施形態においては、テープ排出ガイド構造体8のガイド本体81が、部品収納テープ100の上面部をガイドする構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。テープ排出ガイド構造体8のガイド本体81は、部品収納テープ100の下面部をガイドするよう構成されていてもよい。この場合、部品収納テープ100のテープ幅方向両端部をそれぞれ包み込む構造の一対の拘束部83は、例えば、連結部を介してガイド本体81のテープ幅方向両端部にそれぞれ接続される。このとき、連結部の、ガイド本体81と拘束部83との間の長さは、部品収納テープ100における部品収納部101aの深さに応じて設定される。
ここで、部品収納部101aの深さは、収納する部品のサイズに応じて設定される。このため、ガイド本体81が部品収納テープ100の下面部をガイドする構成とした場合、連結部の長さが異なる複数種のテープ排出ガイド構造体8を、部品収納部101aの深さに応じて作製する必要がある。従って、ガイド本体81が部品収納テープ100の上面部をガイドするよう構成されたテープ排出ガイド構造体8とするのがよい。
(3)また、上記の実施形態においては、テープ排出ガイド構造体8を備える部品供給装置1が、テープ幅方向H3の長さK2が32mm以上の幅広の部品収納テープ100を用いて部品Pを供給する構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。テープ排出ガイド構造体8は、部品供給装置から排出される、テープ幅方向H3の長さK2が例えば8mm程度の幅狭の部品収納テープの排出をガイドするよう構成されていてもよい。
(4)また、上記の実施形態においては、部品供給ユニット1Aの部品露出部6が、部品収納テープ100におけるカバーテープ102のテープ幅方向中央位置を切断して部品Pを部品収納部101a内で露出させる構成について説明したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。部品供給ユニット1Aの部品露出部6は、カバーテープ102のテープ幅方向の一方向側の端部を融着部103に沿って剥離し、これにより部品Pを部品収納部101a内で露出させる構成であってもよい。
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
本発明の一の局面に係るテープ排出ガイド構造体は、部品を収納する部品収納部が所定の間隔をおいて複数配列されたキャリアテープと、前記部品収納部を覆うように前記キャリアテープに貼付されたカバーテープとを含む部品収納テープを、前記カバーテープを上面側として送出して部品を供給する部品供給ユニットの、テープ排出口から排出される部品収納テープの排出をガイドするテープ排出ガイド構造体である。このテープ排出ガイド構造体は、前記テープ排出口から排出される前記部品収納テープの上面部又は下面部を、テープ排出方向に沿ってガイドするガイド本体と、前記テープ排出方向と直交するテープ幅方向において、前記ガイド本体の両端部にそれぞれ接続され、前記ガイド本体により上面部又は下面部がガイドされつつ排出される前記部品収納テープの前記テープ幅方向への変位を拘束する一対の拘束部と、を備える。
このテープ排出ガイド構造体によれば、部品供給ユニットにおいて部品供給が先行して行われる部品収納テープ(先行の部品収納テープ)は、その上面部又は下面部がガイド本体にガイドされつつ排出される。先行の部品収納テープの後端が部品供給ユニットのテープ排出口から排出されると、部品供給ユニットにより送出された後続の部品収納テープが、テープ排出ガイド構造体に導かれる。そうすると、テープ排出ガイド構造体において、先行の部品収納テープが後続の部品収納テープに押し出される。
ここで、テープ排出ガイド構造体は、テープ排出方向と直交するテープ幅方向において、ガイド本体の両端部にそれぞれ接続される一対の拘束部を備えている。この一対の拘束部は、ガイド本体により上面部又は下面部がガイドされつつ排出される部品収納テープのテープ幅方向への変位を拘束するよう構成されている。これにより、テープ排出ガイド構造体において、先行の部品収納テープは、傾いたりなどして姿勢が変化することなく後続の部品収納テープに押し出される。従って、テープ排出ガイド構造体は、部品供給ユニットのテープ排出口から排出される部品収納テープを確実に排出することが可能である。
上記のテープ排出ガイド構造体において、前記ガイド本体は、可撓性を有し、前記一対の拘束部の各々は、前記テープ排出方向に所定の間隔をおいて配列された複数の拘束部材からなる。
この態様では、部品収納テープの排出をガイドするテープ排出ガイド構造体の形状を、部品収納テープの排出性が良好な形状にすることができる。
上記のテープ排出ガイド構造体において、前記ガイド本体は、前記テープ排出口から鉛直下方側に向かって湾曲した湾曲部と、前記湾曲部のテープ排出方向下流端から鉛直下方側に延びる延設部とを含む形状となるように、構成される。
この態様では、部品収納テープの排出をガイドするために必要なガイド本体の長さを延設部によって確保しつつ、部品供給ユニットにおけるテープ送り方向に沿ったテープ排出口からのガイド本体の突出長さを、湾曲部によって可及的に短くすることができる。
上記のテープ排出ガイド構造体において、前記拘束部材は、前記部品収納テープの前記テープ幅方向端部の側端面部に対向した側面対向部と、前記部品収納テープの下面部における前記テープ幅方向の端部領域部分に対向した下面端対向部と、を含む。
この態様では、テープ排出ガイド構造体において一対の拘束部の各々を構成する拘束部材は、部品収納テープのテープ幅方向端部の側端面部に対向した側面対向部を含む。これにより、ガイド本体により上面部又は下面部がガイドされつつ排出される部品収納テープの、テープ幅方向への変位を、より確実に拘束することができる。
また、一対の拘束部の各々を構成する拘束部材は、部品収納テープの下面部におけるテープ幅方向の端部領域部分に対向した下面端対向部を、更に含む。部品供給ユニットのテープ排出口から排出される部品収納テープは、リールの巻き癖等によってカールした状態のものもある。このようなカールした状態の部品収納テープがテープ排出ガイド構造体に導かれた場合、拘束部材における下面端対向部によって、部品収納テープのカールした状態が矯正される。これにより、テープ排出ガイド構造体において、先行の部品収納テープは、より確実に、後続の部品収納テープに押し出される。従って、テープ排出ガイド構造体は、部品供給ユニットのテープ排出口から排出される部品収納テープを確実に排出することが可能である。
上記のテープ排出ガイド構造体において、前記テープ排出口から排出される前記部品収納テープは、前記部品収納部を開放するように前記カバーテープが前記キャリアテープに対して前記テープ幅方向の外側へ広げられている。そして、前記拘束部材は、前記部品収納テープの上面部における前記テープ幅方向の端部領域部分に、前記広げられたカバーテープの上側から対向した上面端対向部を、更に含む。
部品収納テープにおいて、キャリアテープに対してテープ幅方向の外側へ広げられたカバーテープは、部品供給ユニットのテープ排出口から排出されたときに、押し広げるための力から開放されて起き上がろうとする。部品収納テープの排出時においてカバーテープが起き上がった状態であると、部品収納テープの排出時における排出抵抗となり、その部品収納テープの排出性が悪化する。そこで、テープ排出ガイド構造体において、一対の拘束部の各々を構成する拘束部材が上面端対向部を含む構成とする。拘束部材において上面端対向部は、部品収納テープの上面部におけるテープ幅方向の端部領域部分に、前記広げられたカバーテープの上側から対向した部分である。このような上面端対向部は、広げられた状態のカバーテープの、テープ幅方向の内側への変位、及び上方への変位を規制する。これにより、テープ排出ガイド構造体において、先行の部品収納テープは、より確実に、後続の部品収納テープに押し出される。従って、テープ排出ガイド構造体は、部品供給ユニットのテープ排出口から排出される部品収納テープを確実に排出することが可能である。
上記のテープ排出ガイド構造体において、前記上面端対向部は、前記テープ排出方向から見て、前記テープ幅方向の内側から外側に向かって前記広げられたカバーテープから離れている。
前述のように、拘束部材の上面端対向部は、広げられた状態のカバーテープの、テープ幅方向の内側への変位、及び上方への変位を規制する。この場合、上面端対向部には、カバーテープが起き上がろうとする力が作用し、この力が部品収納テープの排出時における排出抵抗となり、部品収納テープの排出性が悪化する可能性がある。そこで、拘束部材において上面端対向部を、テープ幅方向の内側から外側に向かって、前記広げられたカバーテープから離れた構成とする。これにより、上面端対向部に作用する力が低減され、部品収納テープの良好な排出性を維持することができる。
上記のテープ排出ガイド構造体では、前記拘束部材において、前記上面端対向部、前記側面対向部、及び前記下面端対向部は、前記部品収納テープの前記テープ幅方向端部を包み込むように一体的に連結される。
この態様では、上面端対向部、側面対向部、及び下面端対向部が一体的に連結された拘束部材により構成される一対の拘束部の各々によって、部品収納テープの排出時においてテープ幅方向両端部を包み込むようにガイドする案内経路を画定することができる。
上記のテープ排出ガイド構造体において、前記拘束部材は、前記テープ排出方向の上流端から下流端に向かって窄まった先窄まり形状に構成される。
部品供給ユニットのテープ排出口から排出される部品収納テープは、上面部又は下面部がガイド本体によってガイドされ、且つ、テープ幅方向両端部が一対の拘束部によってガイドされながら、テープ排出方向に排出される。ここで、一対の拘束部の各々を構成する各拘束部材が、先窄まり形状に構成される。これにより、部品収納テープのテープ幅方向両端部が、一対の拘束部の各拘束部材間の隙間部分に入り込んでしまうことを防止することができる。従って、テープ排出ガイド構造体は、部品供給ユニットのテープ排出口から排出される部品収納テープを確実に排出することが可能である。
上記のテープ排出ガイド構造体は、前記ガイド本体の前記テープ排出方向下流端において前記テープ幅方向の両端部にそれぞれ接続され、前記ガイド本体により上面部又は下面部がガイドされつつ排出される前記部品収納テープの前記テープ幅方向両端部をガイドする一対の終端テープ案内部を、更に備える。そして、前記一対の終端テープ案内部の各々は、前記テープ排出方向の上流端から下流端に向かって窄まった先窄まり形状に構成される。
この態様では、上面部がガイド本体によってガイドされつつ排出される部品収納テープは、テープ幅方向両端部が一対の終端テープ案内部によってガイドされながらテープ排出ガイド構造体から導出される。ここで、一対の終端テープ案内部の各々が、先窄まり形状に構成される。これにより、テープ排出ガイド構造体から導出される直前において、部品収納テープのカバーテープが起き上がろうとする力に抗して当該カバーテープを、キャリアテープのテープ幅方向両端部を包み込むように外方側に折り畳んだ状態とすることができる。この結果、一対の終端テープ案内部を介してテープ排出ガイド構造体から導出される部品収納テープにおいてカバーテープは、キャリアテープのテープ幅方向両端部を包み込むように外方側に折り畳まれた状態となっている。これにより、テープ排出ガイド構造体から導出された部品収納テープを、例えばテープ切断装置等を用いて短冊状に切断するときに、カバーテープをキャリアテープと一緒に切断することができ、その切断性を向上させることができる。
上記のテープ排出ガイド構造体は、前記ガイド本体の前記テープ排出方向上流端に対して前記テープ幅方向の外側にそれぞれ配置され、前記テープ排出口から排出される前記部品収納テープにおける前記テープ幅方向両端部の、前記一対の拘束部における前記テープ排出方向最上流側の拘束部材への導入を案内する一対のテープ導入案内部を、更に備える。そして、前記一対のテープ導入案内部の各々は、前記テープ排出方向の上流端から下流端に向かって窄まった先窄まり形状に構成され、その下流端が前記テープ排出方向最上流側の拘束部材の上流端に入り込んでいる。
この態様では、部品供給ユニットのテープ排出口から排出される部品収納テープのテープ幅方向両端部は、一対のテープ導入案内部によってガイドされながら、一対の拘束部を構成する複数の拘束部材のうちの、テープ排出方向最上流側に配置される拘束部材へ導入される。ここで、一対のテープ導入案内部の各々が、先窄まり形状に構成される。これにより、部品収納テープのテープ幅方向両端部が一対の拘束部におけるテープ排出方向最上流側の拘束部材へ導入される直前において、カバーテープが起き上がろうとする力に抗して当該カバーテープを、キャリアテープのテープ幅方向両端部を包み込むように外方側に折り畳んだ状態とすることができる。この結果、一対のテープ導入案内部を介して一対の拘束部の拘束部材へ導入される部品収納テープにおいてカバーテープは、キャリアテープのテープ幅方向両端部を包み込むように外方側に折り畳まれた状態となっている。これにより、部品供給ユニットのテープ排出口から排出される部品収納テープのテープ幅方向両端部を、一対の拘束部を構成する拘束部材へスムーズに導入することができる。
上記のテープ排出ガイド構造体は、前記一対の拘束部の各々を覆う一対のカバー部材を、更に備える。そして、前記一対のカバー部材の各々は、前記拘束部を構成する前記複数の拘束部材の配列方向に沿って延びる帯状に形成され、各拘束部材を覆うとともに、隣接する拘束部材間の隙間部分をも覆うように構成される。
テープ排出ガイド構造体を介して部品収納テープの排出が行われない部品供給ユニット(以下、「他の部品供給ユニット」という)を想定した場合、他の部品供給ユニットから排出される部品収納テープが、テープ排出ガイド構造体における一対の拘束部の各拘束部材間の隙間部分に入り込んでしまう虞がある。この場合、他の部品供給ユニットから排出される部品収納テープが確実に排出されない虞がある。
そこで、テープ排出ガイド構造体における一対の拘束部の各々を覆うように、一対のカバー部材を設ける。これにより、他の部品供給ユニットから排出される部品収納テープが、テープ排出ガイド構造体における一対の拘束部の各拘束部材間の隙間部分に入り込んでしまうことを防止することができる。従って、他の部品供給ユニットから排出される部品収納テープが確実に排出される。
本発明の他の局面に係る部品供給装置は、部品を収納する部品収納部が所定の間隔をおいて複数配列されたキャリアテープと、前記部品収納部を覆うように前記キャリアテープに貼付されたカバーテープとを含む部品収納テープを用いて前記部品を供給する部品供給装置である。この部品供給装置は、前記部品収納テープをテープ排出口に向けて送出するテープ送出部と、前記テープ送出部により送出される前記部品収納テープの前記部品収納部内において前記部品を露出させる部品露出部とを含む部品供給ユニットと、前記テープ排出口から排出される前記部品収納テープの排出をガイドする、上記のテープ排出ガイド構造体と、を備える。
この部品供給装置によれば、部品供給ユニットのテープ排出口から排出される部品収納テープを確実に排出することが可能なテープ排出ガイド構造体を備えている。このため、部品収納テープの排出不良に起因した、部品供給ユニットによる部品の供給動作の中断を可及的に抑止することができる。従って、部品供給装置は、部品の供給効率に優れた装置となる。
本発明の他の局面に係る部品実装機は、部品収納テープをテープ送り方向に送出して部品を供給する部品供給装置が、前記テープ送り方向と交差する第1方向に複数並んで配置され、少なくとも1つの特定の部品供給装置が上記の部品供給装置である部品供給部と、前記複数の部品供給装置の各々によって供給される部品を取出すヘッドユニットと、上部開口及び下部開口を有する筒状に形成され、前記特定の部品供給装置に備えられる前記テープ排出ガイド構造体が前記上部開口から挿入されるとともに、前記特定の部品供給装置以外の他の部品供給装置から排出される部品収納テープを前記上部開口から受け入れて当該部品収納テープの排出をガイドする筒体と、前記筒体の前記下部開口に面して配置され、前記下部開口を介して前記筒体から排出される部品収納テープを所定のタイミングで切断するテープ切断装置と、を備える。
この部品実装機によれば、テープ排出ガイド構造体を備えた特定の部品供給装置を含む複数の部品供給装置によって供給される部品が、ヘッドユニットによって取出される。そして、部品供給後に各部品供給装置から排出される部品収納テープは、筒体を通過してテープ切断装置に導かれ、そのテープ切断装置によって短冊状に切断される。なお、テープ排出ガイド構造体を備えた特定の部品供給装置から排出される部品収納テープは、筒体内に挿入されたテープ排出ガイド構造体によってガイドされつつ、筒体の下部開口を介してテープ切断装置に向けて導出される。
上記の部品実装機において、前記筒体は、前記上部開口及び前記下部開口を画定する壁部であって、前記第1方向に並設される全ての部品供給装置に対向する長さを有する第1壁部と、前記第1壁部に前記テープ送り方向上流側で対向した第2壁部と、を含む。前記テープ排出ガイド構造体は、前記筒体内において前記第1壁部に当接している。
また、上記の部品実装機において、前記筒体の前記第1壁部は、前記上部開口から鉛直下方側に向かって湾曲した湾曲領域部分と、前記湾曲領域部分の下端から前記テープ切断装置に向かって鉛直下方側に直線状に延びる延設領域部分と、を含む。前記テープ排出ガイド構造体において前記ガイド本体は、その下端が、鉛直方向において前記第1壁部の前記延設領域部分に達するように、延びている。
この態様では、特定の部品供給装置に備えられるテープ排出ガイド構造体は、筒体の第1壁部の内面に当接している。更に、テープ排出ガイド構造体において、ガイド本体の下端が、第1壁部において鉛直下方側に直線状に延びる延設領域部分に達するように、ガイド本体の延設部が延びている。これにより、テープ排出ガイド構造体において、後続の部品収納テープに押し出されるようにして排出される先行の部品収納テープは、ガイド本体の下端に到達すると、第1壁部において鉛直下方側に直線状に延びる延設領域部分に沿って、自由落下することになる。このようにして、テープ排出ガイド構造体から導出された部品収納テープは、テープ切断装置に向けて、筒体内において第1壁部の延設領域部分に沿って自由落下する。
以上説明した通り、本発明によれば、部品供給ユニットのテープ排出口から排出される部品収納テープを確実に排出することが可能なテープ排出ガイド構造体、部品供給装置及び部品実装機を提供することができる。