JP6863543B1 - ダンボール材 - Google Patents
ダンボール材 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6863543B1 JP6863543B1 JP2021001414A JP2021001414A JP6863543B1 JP 6863543 B1 JP6863543 B1 JP 6863543B1 JP 2021001414 A JP2021001414 A JP 2021001414A JP 2021001414 A JP2021001414 A JP 2021001414A JP 6863543 B1 JP6863543 B1 JP 6863543B1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- corrugated cardboard
- cardboard material
- liner
- less
- sheet
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
- 239000011111 cardboard Substances 0.000 title claims abstract description 121
- 239000000463 material Substances 0.000 title claims abstract description 108
- 239000000835 fiber Substances 0.000 claims abstract description 130
- 238000010586 diagram Methods 0.000 abstract 1
- 239000000123 paper Substances 0.000 description 41
- 238000000034 method Methods 0.000 description 23
- 239000000047 product Substances 0.000 description 18
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 16
- 230000008569 process Effects 0.000 description 13
- 239000010410 layer Substances 0.000 description 11
- 238000011156 evaluation Methods 0.000 description 10
- 238000005520 cutting process Methods 0.000 description 8
- 239000003814 drug Substances 0.000 description 7
- 229940079593 drug Drugs 0.000 description 7
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 7
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 7
- 238000004806 packaging method and process Methods 0.000 description 6
- 238000011088 calibration curve Methods 0.000 description 5
- 239000002655 kraft paper Substances 0.000 description 5
- 238000000197 pyrolysis Methods 0.000 description 5
- 239000000126 substance Substances 0.000 description 5
- 238000009826 distribution Methods 0.000 description 4
- 239000011122 softwood Substances 0.000 description 4
- 230000009471 action Effects 0.000 description 3
- 230000008859 change Effects 0.000 description 3
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 3
- 239000005022 packaging material Substances 0.000 description 3
- 239000002344 surface layer Substances 0.000 description 3
- XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N water Substances O XLYOFNOQVPJJNP-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- XEEYBQQBJWHFJM-UHFFFAOYSA-N Iron Chemical compound [Fe] XEEYBQQBJWHFJM-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- QAOWNCQODCNURD-UHFFFAOYSA-N Sulfuric acid Chemical compound OS(O)(=O)=O QAOWNCQODCNURD-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 239000003795 chemical substances by application Substances 0.000 description 2
- 230000007423 decrease Effects 0.000 description 2
- 238000012986 modification Methods 0.000 description 2
- 230000004048 modification Effects 0.000 description 2
- 238000007639 printing Methods 0.000 description 2
- 238000012545 processing Methods 0.000 description 2
- 230000001681 protective effect Effects 0.000 description 2
- 230000009467 reduction Effects 0.000 description 2
- 238000012360 testing method Methods 0.000 description 2
- 229920001131 Pulp (paper) Polymers 0.000 description 1
- 230000015572 biosynthetic process Effects 0.000 description 1
- 239000010897 cardboard waste Substances 0.000 description 1
- 238000010276 construction Methods 0.000 description 1
- 238000007796 conventional method Methods 0.000 description 1
- 238000005336 cracking Methods 0.000 description 1
- 238000011161 development Methods 0.000 description 1
- 239000003623 enhancer Substances 0.000 description 1
- 229910052742 iron Inorganic materials 0.000 description 1
- 229920006280 packaging film Polymers 0.000 description 1
- 239000012785 packaging film Substances 0.000 description 1
- 238000012856 packing Methods 0.000 description 1
- 238000005192 partition Methods 0.000 description 1
- 239000002994 raw material Substances 0.000 description 1
- 230000004044 response Effects 0.000 description 1
- 239000011265 semifinished product Substances 0.000 description 1
- 238000004513 sizing Methods 0.000 description 1
- 239000002002 slurry Substances 0.000 description 1
- 238000002791 soaking Methods 0.000 description 1
- 210000003518 stress fiber Anatomy 0.000 description 1
- 229920006302 stretch film Polymers 0.000 description 1
- 239000002562 thickening agent Substances 0.000 description 1
- 238000012384 transportation and delivery Methods 0.000 description 1
- 238000011144 upstream manufacturing Methods 0.000 description 1
- YSGSDAIMSCVPHG-UHFFFAOYSA-N valyl-methionine Chemical compound CSCCC(C(O)=O)NC(=O)C(N)C(C)C YSGSDAIMSCVPHG-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Wrappers (AREA)
- Paper (AREA)
Abstract
Description
ダンボール材には連続する矩形状のシート間に折目が設けられ、この折目でシートが交互に折り返されている。このような蛇腹折りのダンボール材では、連続するシートが上下に積み重ねられ、直方体状の荷姿に折り畳まれている。
・フィード工程:蛇腹折りのダンボール材を繰り出す工程
・ カット工程 :フィード工程で繰り出された平面状のダンボール材を切り出す工程
・フォールド工程:カット工程で切り出されたダンボール材から箱を組み立てる工程
・プリント工程:平面状もしくは組み立てられたダンボール材に印刷を施す工程
・ 荷詰め工程 :組み立てられる箱に内容物を収容する工程
本件は、上記の課題に鑑みて創案されたものであり、折目の箇所の罫割を抑制することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用および効果であって、従来の技術では得られない作用および効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
本実施形態で主に例示するダンボール材は、連続するダンボールにおいて矩形状のシートが折り畳まれた蛇腹折りの製函用資材である。このダンボール材には、中芯に対して両側にライナが設けられた両面ダンボールが用いられる。
・方向 I :水平面に載置されたダンボール材における方向
・方向II:ダンボール材を製造する途中の半製品における方向
そのほか、特に断らない限り、本実施形態の「数値X〜数値Y」なる表現は、数値X以上であって数値Y以下の範囲を意味する。
下記の一実施形態では、ダンボール材の構成を項目[1]および[2]で述べる。項目[1]では、ダンボール材が折り畳まれた構造(以下「折畳構造」と称する)を説明する。項目[2]では、ダンボール材に用いられるシート(段ボールシート)の性状に関するパラメータを説明する。
そして、項目[1]および[2]の構成による作用および効果を項目[3]で述べる。
図1に示すように、ダンボール材1は、直方体状をなす製函用資材である。
ダンボール材1では、連続する矩形状のシート2(図1では一部のみに符合を付す)が折目F(図1では一部のみに符合を付す)で折り返され、折り返されたシート2が高さ方向に積み重ねられている。
このように折り畳まれたダンボール材1には、縦方向および高さ方向の双方に沿う一対の側面に、複数の折目Fが縦方向に沿って直線状に延在する。
・第一シート21:第二シート22の一側に連続するシート2
・第二シート22:第一シート21と第三シート23との双方に連続するシート2
・第三シート23:第二シート22の他側に連続するシート2
第一折目F1は、第一シート21に対して横方向の一方(図1では右方)へ向けて第二シート22が折り返される折目Fであり、ダンボール材1における横方向の他方(図1では左方)に配置される。第二折目F2は、第二シート22に対して横方向の他方(図1では左方)へ向けて第三シート23が折り返される折目Fであり、ダンボール材1における横方向の一方(図1では右方)に配置される。
第一シート21および第二シート22からなるシート対20では、第一端縁E1と第二端縁E2とが高さ方向に隣り合って配置される。
なお、ダンボール材1は、汚損や荷崩れを防ぐために、包装用のフィルムで被包(包装)されることが好ましい。
以下、ダンボール材1のパラメータを説明する。
まず、ダンボール材1のサイズや段数などの基本的なパラメータを述べる。その後に、ダンボール材1のシート2に関するパラメータを詳述する。
ダンボール材1のサイズは、下記の寸法L1〜L3から定まる。
・ 縦寸法L1 :縦方向の寸法(第一寸法)
・ 横寸法L2 :横方向の寸法(第二寸法)
・高さ寸法L3:高さ方向の寸法(第三寸法)
上記の寸法L1〜L3は、小さいほど製造される箱のサイズや形状の制約が大きくなるおそれがあり、大きいほど運搬や納入といった作業性が低下するおそれがある。これらの観点より、寸法L1〜L3は、下記の表2に示す範囲であることが好ましい。
たとえば、ダンボール材1の段数としては、たとえば10〜1000[段]のさまざまな段数が挙げられる。詳細を後述する折り畳みに関するパラメータが測定される対象のダンボール材については、所定の段数(たとえば100[段])未満の測定対象については、全段のそれぞれにおいてパラメータを測定するのが好ましい。一方、所定の段数(たとえば100[段])以上の測定対象については、部分的(たとえばパートに分けた部分や設定された領域)にパラメータを測定してもよい。
上記の坪量に中芯の段繰率を加味し、縦寸法L1および横寸法L2とシート2の段数N+1とを乗算すれば、ダンボール材1の重量が算出される。
本実施形態のダンボール材1は、折目Fの箇所に破れ(罫割)が生じにくいようにする観点に立脚して、性状に関する構成を備えている。具体的には、以下の観点Iに立脚して、性状に関する所定の構成を備えている。
・観点 I :折目Fの箇所で罫割を抑えること
上記の観点Iは、下記の課題Iを解決するための観点である。
・課題 I :折目Fの箇所で罫割を招きやすいこと
蛇腹折りのダンボール材1で折目Fは連続するシートを180[°]折り返す箇所である。蛇腹折りのダンボール材1では、この折目Fの箇所に罫割が発生しやすい傾向がある。そのため、上記の課題Iは、蛇腹折りのダンボール材1で折目Fの箇所に罫割を招きやすい課題といえる。
・構成1:ライナの密度が所定の範囲内である
・構成2:繊維長の長さ平均繊維長が所定の長さ範囲内である
・構成3:微細繊維量が所定の範囲内である
「長さ平均繊維長」は、ライナを構成するパルプ繊維の長さ(繊維長)の平均である。この長さ平均繊維長は、下記の微細繊維を含むパルプ繊維の長さの平均である。
「微細繊維量」は、ライナを構成するパルプ繊維の合計(100[%])に対して微細繊維が含有される量の割合[%]である。ここで、微細繊維は、繊維長が0.0[mm]以上であって0.2[mm]以下である微細な繊維である。
つまり、ダンボール材1には、上述の観点Iに立脚して上記の構成1〜3が備えられている。
密度が所定の範囲を上回っている場合、パルプ繊維間の隙間がなくなってライナを折り曲げたときに応力が逃げ難くなり、課題Iを招くものと推察される。
長さ平均繊維長が短いほどライナの強度が低減する傾向にあり、長さ平均繊維長が所定の長さ範囲を下回っていると、ライナの強度が不十分になり、課題Iを招くものと推察される。
微細繊維量が所定の範囲を下回っていると、繊維長の長いパルプ繊維(長繊維)の割合が増して長繊維間の隙間が多くなり、課題Iを招くものと推察される。
微細繊維量が所定の範囲を上回っていると、長繊維の割合が減ってパルプ繊維どうしの絡まりが少なくなってライナの強度が不十分になり、課題Iを招くものと推察される。
長さ平均繊維長は、0.98[mm]以上であって1.55[mm]以下であり、好ましくは1.00[mm]以上であって1.53[mm]以下であり、より好ましくは1.10[mm]以上であって1.52[mm]以下である。
微細繊維量は、15[%]以上であって38[%]以下であり、好ましくは17[%]以上であって37[%]以下であり、より好ましくは18[%]以上であって36[%]以下である。
本実施形態のダンボール材1は、上述の構成を備えることにより、ダンボール材1をなすライナの強度が確保されるので、ダンボール材1で折目Fの箇所の破れ(罫割)を抑制できる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例において、パラメータの測定される対象となるダンボール材(以下「測定ダンボール材」と称する)は、両面ダンボールのシートである。
この測定ダンボール材は、下記のサイズである。
・ サ イ ズ :縦寸法1300[mm],
横寸法1150[mm],
高さ寸法1800[mm]
測定ダンボール材は、作業者が手作業で、帯状に延在するダンボールウェブを上記のサイズとなるように蛇腹折りに折り畳んで作成された。
・ A フルート(シングルフルート),総厚:5.0[mm]
・ E フルート(シングルフルート),総厚:1.5[mm]
・ AB フルート(ダブルルフルート),総厚:8.2[mm]
・ No.1 :坪量120[g/m2],密度0.8[g/cm3]
・No.2,No.6〜11:坪量170[g/m2],密度0.8[g/cm3]
・ No.3 :坪量210[g/m2],密度0.8[g/cm3]
・ No.4 :坪量280[g/m2],密度0.8[g/cm3]
・ No.5 :坪量170[g/m2],密度0.7[g/cm3]
・ No.12,14 :坪量170[g/m2],密度0.5[g/cm3]
・ No.13,15 :坪量170[g/m2],密度0.9[g/cm3]
・測定装置:製品名「カナディアンスタンダードフリーネス」,熊谷理機工業株式会
社,製品番号「No.2580‐A」
>サイズ剤:薬剤名「サイズパイン N−830(荒川化学工業株式会社製)」を
紙層の全パルプの合計100[質量部]に対して0.3[質量部]で
含有する
>紙力増強剤:薬剤名「PT−1001(荒川化学工業株式会社製)」を紙層の全
パルプの合計100[質量部]に対して0.5[質量部]で含有す
る
>硫酸バンド:紙層の全パルプの合計100[質量部]に対して5[質量部]で含
有する
>針葉樹クラフトパルプ:表層のパルプ繊維のうち10[質量%]の割合で含有し
た。また、針葉樹クラフトパルプは紙層の全パルプのう
ち6[質量%]であった。
>微細繊維量:ライナをなすパルプ繊維のうち36.7[%]であった。
上記の抄紙条件でライナ原紙の三層のうち表層を作成した。ライナ原紙の三層のうち中層と裏層との抄紙条件は上記の抄紙条件に限定されない。
品番「No.3」のライナ原紙は、坪量を210[g/m2]に変更した以外は、「No.1」のライナ原紙と同様の作成方法で作成された。
品番「No.4」のライナ原紙は、坪量を280[g/m2]に変更した以外は、「No.1」のライナ原紙と同様の作成方法で作成された。
・No.5:密度を0.7[g/cm3]に変更した
・No.6:微細繊維量を16.5[%]に変更した
・No.7:微細繊維量を19.8[%]に変更した
・No.8:微細繊維量を26.8[%]に変更した
・No.9:表層のパルプのうち針葉樹クラフトパルプの含有される割合を20[質
量%]に変更し、長さ平均繊維長を1.50[mm]に変更した
・No.11:微細繊維量を40.1[%]に変更した
・No.12:密度を0.5[g/cm3]に変更した
・No.13:密度を0.9[g/cm3]に変更した
・No.14:微細繊維量を13.9[%]に変更し、密度を0.5[g/cm3]
に変更した
・No.15:表層のパルプのうち針葉樹クラフトパルプの含有される割合を20[
質量%]に変更して、微細繊維量を40.1[%]に変更し、密度を
0.9[g/cm3]に変更した
その上で、分析対象の上記ライナ原紙を下記手順A1〜A2により、中芯原紙から剥離し、ライナ原紙を乾燥後、粉砕機にて粉砕し、それら粉砕物を200〜300[μg]、2サンプルを熱分解ガスクロマトグラフ質量分析装置にかけて測定した。
この測定は、各サンプルについて2回ずつ行って、その平均値を薬剤含有濃度(対パルプ重量比)とした。
なお、各種薬剤の含有濃度が重量比で0.01[%],0.1[%],1[%],5[%],10[%]となるように、各種薬剤をろ紙(ADVANTEC製、円形定性ろ紙、No.2)に染込ませ、乾燥させたものを検量線用サンプルとした。各検量線用サンプルを粉砕し、それら粉砕物を200〜300[μg]を熱分解ガスクロマトグラフ質量分析装置にかけることで上記の検量線を作成した。
上記の品番「No.6」〜「No.11」,「No.14」,「No.15」で微細繊維量や長さ平均繊維長は、繊維分級機(MAX−F700,相川鉄工株式会社製)を用いて調節された。
・No.16:坪量120[g/m2],密度0.65[g/cm3]〔OND−EM
120:王子マテリア株式会社製〕
・No.17:坪量160[g/m2],密度0.65[g/cm3]〔OND−EM
160:王子マテリア株式会社製〕
上記の実施例1〜19および比較例20〜29のそれぞれについて、表3〜表5に示すライナ繊維情報が測定された。なお、密度や、長さ平均繊維長,微細繊維,坪量など各種パラメータの測定値には、測定誤差がプラスマイナス10%程度生じる可能性がある。
ルンケル比は、パルプ繊維の形状を示すパラメータであり、(ルンケル比)=(繊維壁厚の2倍)/(繊維内腔径)で算出される。ルンケル比が大きいほど剛直な繊維であることを示している。
長さ平均繊維長は、ライナを構成するパルプ繊維の長さ(繊維長)の平均値である。
微細繊維量は、ライナを構成するパルプ繊維の合計(100[%])に対して微細繊維が含有される量の割合[%]である。微細繊維は、繊維長が0.0[mm]以上であって0.2[mm]以下である微細な繊維である。
手順A1:ダンボール材の最上段から2段目を40[cm]角に切り出し、その40
[cm]角ダンボールシートを測定に供試した。切り出し位置はダンボール
シート幅の真ん中とした。それから、ダンボールシートをイオン交換水に
15分間浸漬し、イオン交換水から取り出す。
手順A2:手順A1で取り出したダンボールシートからライナ原紙(表ライナおよび
裏ライナ)のそれぞれを、ライナ原紙が破れないよう、手で剥がすことで
中芯原紙から分離する。
手順A3:手順A2で分離したライナ原紙と中芯原紙とのそれぞれを、イオン交換水
に浸し、濃度2%に調整した上で、24時間浸した。
手順A4:手順A3により濃度を調整したライナ原紙と中芯原紙とのそれぞれを24
時間浸した後、標準型離解機(熊谷理機工業社製)を用いて20分間離解
して、パルプを繊維状に分解する。
手順A5:手順A4で離解後のスラリー(パルプ繊維)を分取し、下記の繊維長測定
機を使用して、「ルンケル比」,「長さ平均繊維長」,「微細繊維量」を
測定した。
・繊維長測定機:品番FS−5 UHDベースユニット,バルメット社製
上記のようにして「ルンケル比」,「長さ平均繊維長」,「微細繊維量」が測定された実施例1〜11および比較例12〜19について、罫割性と地合いを評価した。
「罫割性」とは、測定ダンボール材で連続するシートどうしを折り返した折目の箇所での破れにくさに対応する評価基準である。
「地合い」とは、測定ダンボール材をなすライナを構成するパルプ繊維の分布の均一性に対応する評価基準である。地合いが悪いほど、繊維分布が不均一となりライナに強度ノムラが生じやすくなり罫割を招きやすい傾向がある。
・手順B1:測定ダンボール材をパレットに静置して、ストレッチフィルムで包装し
た後、下記の温湿度条件で24[時間]放置する
>温湿度条件:温度10[℃],湿度10[%Rh]
・手順B2:手順B1の後、下記の振動機を用いて下記の条件で測定ダンボール材に
衝撃を加える
>振動機:製品名「多軸振動試験装置」,品番「DS−3000−15L」,IM
V株式会社製
>加 振 力:30[kN]
>加振方法:ランダム波、
>周 波 数:100[Hz]
・手順B3:上記の手順B1,B2の後に折目に罫割が発生したか否かを目視で確認
する。
・◎:手順B2の後に何れの折目にも罫割が全く生じない。
・〇:手順B2の後に一[箇所]以上の折目で罫割が生じた。
・△:手順B1の後に一[箇所]以上の折目で罫割が生じた。
・×:手順B1の前に(蛇腹折りに折り畳む時点で)一[箇所]以上の折目で罫割が
生じた。
上記の基準で「〇」以上を良好な評価とし、「△」以下を不良な評価とした。
地合いは、下記の基準で評価した。
・◎:パルプ繊維のムラがない。
・〇:パルプ繊維にムラが生じている(雲状地合)。
・×:パルプ繊維の凝集物が観察された。
上記の基準で「〇」以上を良好な評価とし、「×」以下を不良な評価とした。
長さ平均繊維長が0.98[mm]以上であって1.05[mm]以下である実施例1〜7では、地合いで「◎」の評価が得られた。
実施例9〜11からは、密度が0.80[g/cm3]以上であり、長さ平均繊維長が1.10[mm]以上であり、微細繊維量が18[%]以上の何れか一つを備えると、折目の箇所で罫割を防止できると言える。
実施例1〜7からは、長さ平均繊維長が0.99[mm]以上であって1.00[mm]以下であると地合いが良好になると言える。
比較例16,18からは、密度が0.50[g/cm3]未満であることにより、パルプ繊維間の隙間が多く発生してライナの強度が不十分になり、罫割が生じやすくなるものと推測される。
また、比較例13〜15では長さ平均繊維長が0.98[mm]未満で微細繊維量が38[%]よりも大きいことにより短繊維と長繊維の差が目立たず、地合いが良好になるものと推測される。比較例19では、微細繊維量が38[%]よりも大きいが長さ平均繊維長が長さ1.55[mm]よりも大きいため、短繊維と長繊維との差がはっきり見やすくなり、地合いがやや劣るものと推測される。
比較例12からは、微細繊維量が15[%]未満であることにより、繊維長の長いパルプ繊維(長繊維)の割合が増して長繊維間の隙間が多くなり、罫割が生じやすくなるものと推測される。
上述の実施形態はあくまでも例示に過ぎず、この実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせることもできる。
ダンボール材が製函システム用の資材である場合には、意図的に形成された切れ込みやミシン目などの追加加工が折目に施されていないことが好ましく、ダンボール材におけるライナの表層に設けられる罫線を起点(たとえば罫線を内側)に180[°]折り返される箇所が折目であることが好ましい。一方、ダンボール材が製函システム用以外の資材である場合には、切れ込みやミシン目などの加工が折目に施されていてもよい。
蛇腹折りのダンボール材には、従来の枚葉のダンボールシートと異なる、複数のシートが折目を介して連設された構造を活かした様々な活用方法がある。
例えば、蛇腹折りのダンボール材は、シートを展開した状態で、延在する方向の寸法が大きいウェブ状の紙資材として扱うこともできる。
災害用品としての利用:窓に貼り付けることで、台風時の窓割れ対策に利用で
きるほか、避難所でのプライバシー保護やストレス軽
減用のパーテーションとしての利用や、緩衝材や冷え
対策用の敷物として利用可能である。
イベント行事での利用:イベントや学校行事の看板等の創作物に利用可能であ
る。
建築/引越資材としての利用:建築現場や引越し現場で一時的にドアや壁、扉などを
守る必要がある場合、対象物に貼り付けるタイプの保
護材(養生材)として活用可能である。対象物に巻き
付けるタイプの保護材(梱包資材)として利用するこ
ともできる。
何れの利用方法においても、複数のシートが折目を介して連設された構造であることで、作業効率向上や、延在する方向の寸法を確保できるという利点がある。
10 段目(波目)
2 シート
20 シート対
21 第一シート
22 第二シート
23 第三シート
F 折目
L 補助線
L1 縦寸法(第一寸法)
L2 横寸法(第二寸法)
L3 高さ寸法(第三寸法)
Claims (3)
- 中芯の両側に対してライナを貼合した帯状に連続する両面ダンボールを交互に折り返して積み重ねた蛇腹折りのダンボール材であって、
前記ライナの密度が0.70[g/cm3]以上であって0.80[g/cm3]以下であり、
前記ライナを構成するパルプ繊維の長さ平均繊維長が1.00[mm]以上であって1.50[mm]以下であり、
前記ライナを構成するパルプ繊維のうち、繊維長が0.0[mm]以上であって0.2[mm]以下である微細繊維の含有される量が16.5[%]以上であって36.7[%]以下である
ことを特徴とするダンボール材。 - 前記ライナの坪量が120[g/m2]以上であって280[g/m2]以下であり、
前記中芯の坪量が120[g/m2]以上であって160[g/m2]以下である
ことを特徴とする請求項1に記載のダンボール材。 - 前記両面ダンボール材のフルートがAフルート,EフルートおよびABフルートの何れか一つである
ことを特徴とする請求項1または2に記載のダンボール材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021001414A JP6863543B1 (ja) | 2020-04-21 | 2021-01-07 | ダンボール材 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020075604A JP6822594B1 (ja) | 2020-04-21 | 2020-04-21 | ダンボール材 |
JP2021001414A JP6863543B1 (ja) | 2020-04-21 | 2021-01-07 | ダンボール材 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020075604A Division JP6822594B1 (ja) | 2020-03-31 | 2020-04-21 | ダンボール材 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP6863543B1 true JP6863543B1 (ja) | 2021-04-21 |
JP2021172444A JP2021172444A (ja) | 2021-11-01 |
Family
ID=75520955
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021001414A Active JP6863543B1 (ja) | 2020-04-21 | 2021-01-07 | ダンボール材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6863543B1 (ja) |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4313354B2 (ja) * | 2005-10-07 | 2009-08-12 | 大王製紙株式会社 | 段ボール外装用ライナ |
JP5283409B2 (ja) * | 2008-03-25 | 2013-09-04 | 大王製紙株式会社 | 段ボール用ライナーの製造方法 |
JP2012057285A (ja) * | 2010-09-13 | 2012-03-22 | Oji Paper Co Ltd | 微細植物繊維含有紙シート |
JP5963240B2 (ja) * | 2012-03-02 | 2016-08-03 | 大王製紙株式会社 | 段ボール用ライナ原紙 |
JP5977100B2 (ja) * | 2012-07-04 | 2016-08-24 | 大王製紙株式会社 | 段ボール用ライナー |
JP6684425B1 (ja) * | 2019-10-11 | 2020-04-22 | 王子ホールディングス株式会社 | ダンボール材およびこれを用いたダンボール箱 |
-
2021
- 2021-01-07 JP JP2021001414A patent/JP6863543B1/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2021172444A (ja) | 2021-11-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6684425B1 (ja) | ダンボール材およびこれを用いたダンボール箱 | |
JP6947319B1 (ja) | ダンボール材およびこれを用いたダンボール箱 | |
JP6822594B1 (ja) | ダンボール材 | |
JP6863543B1 (ja) | ダンボール材 | |
JP6863542B1 (ja) | ダンボール材 | |
JP6822593B1 (ja) | ダンボール材 | |
WO2021200988A1 (ja) | ダンボール材 | |
JP7107459B1 (ja) | 蛇腹折りダンボール材及びこれを用いた自動包装システム | |
JP6798634B1 (ja) | ダンボール材 | |
JP6841374B1 (ja) | ダンボール材 | |
JP6841373B1 (ja) | ダンボール材 | |
JP6911990B2 (ja) | ダンボール材およびこれを用いたダンボール箱 | |
JP6741182B1 (ja) | ダンボール材およびこれを用いたダンボール箱 | |
JP6741181B1 (ja) | ダンボール材およびこれを用いたダンボール箱 | |
JP6741180B1 (ja) | ダンボール材およびこれを用いたダンボール箱 | |
JP6870773B2 (ja) | ダンボール材 | |
JP2021171951A (ja) | ダンボール材およびこれを用いたダンボール箱 | |
WO2020246163A1 (ja) | ダンボール材およびこれを用いたダンボール箱 | |
JP2021062604A (ja) | ダンボール材およびこれを用いたダンボール箱 | |
JP2021160833A (ja) | ダンボール材およびこれを用いたダンボール箱 | |
JP2021160737A (ja) | ダンボール材およびこれを用いたダンボール箱 | |
JP2020196629A (ja) | ダンボール材およびこれを用いたダンボール箱 | |
JP2021160340A (ja) | ダンボール材およびこれを用いたダンボール箱 | |
JP2021160339A (ja) | ダンボール材およびこれを用いたダンボール箱 | |
JP2020196628A (ja) | ダンボール材およびこれを用いたダンボール箱 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210108 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20210108 |
|
A975 | Report on accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005 Effective date: 20210225 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210302 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210315 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6863543 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |