JP6863542B1 - ダンボール材 - Google Patents
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Abstract
Description
ダンボール材には連続する矩形状のシート間に折目が設けられ、この折目でシートが交互に折り返されている。このような蛇腹折りのダンボール材では、連続するシートが上下に積み重ねられ、直方体状の荷姿に折り畳まれている。
・フィード工程:蛇腹折りのダンボール材を繰り出す工程
・ カット工程 :フィード工程で繰り出された平面状のダンボール材を切り出す工程
・フォールド工程:カット工程で切り出されたダンボール材から箱を組み立てる工程
・プリント工程:平面状もしくは組み立てられたダンボール材に印刷を施す工程
・ 荷詰め工程 :組み立てられる箱に内容物を収容する工程
本件は、上記の課題に鑑みて創案されたものであり、ダンボール材を用いて製造された箱の破れ(破損)を抑制することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用および効果であって、従来の技術では得られない作用および効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
本実施形態で主に例示するダンボール材は、連続するダンボールにおいて矩形状のシートが折り畳まれた蛇腹折りの製函用資材である。このダンボール材には、中芯に対して両側にライナが設けられた両面ダンボールが用いられる。
・方向 I :水平面に載置されたダンボール材における方向
・方向II:ダンボール材を製造する途中の半製品における方向
そのほか、特に断らない限り、本実施形態の「数値X〜数値Y」なる表現は、数値X以上であって数値Y以下の範囲を意味する。
下記の一実施形態では、ダンボール材の構成を項目[1]および[2]で述べる。項目[1]では、ダンボール材が折り畳まれた構造(以下「折畳構造」と称する)を説明する。項目[2]では、ダンボール材に用いられるシート(段ボールシート)の性状に関するパラメータを説明する。
そして、項目[1]および[2]の構成による作用および効果を項目[3]で述べる。
図1に示すように、ダンボール材1は、直方体状をなす製函用資材である。
ダンボール材1では、連続する矩形状のシート2(図1では一部のみに符合を付す)が折目F(図1では一部のみに符合を付す)で折り返され、折り返されたシート2が高さ方向に積み重ねられている。
このように折り畳まれたダンボール材1には、縦方向および高さ方向の双方に沿う一対の側面に、複数の折目Fが縦方向に沿って直線状に延在する。
・第一シート21:第二シート22の一側に連続するシート2
・第二シート22:第一シート21と第三シート23との双方に連続するシート2
・第三シート23:第二シート22の他側に連続するシート2
第一折目F1は、第一シート21に対して横方向の一方(図1では右方)へ向けて第二シート22が折り返される折目Fであり、ダンボール材1における横方向の他方(図1では左方)に配置される。第二折目F2は、第二シート22に対して横方向の他方(図1では左方)へ向けて第三シート23が折り返される折目Fであり、ダンボール材1における横方向の一方(図1では右方)に配置される。
第一シート21および第二シート22からなるシート対20では、第一端縁E1と第二端縁E2とが高さ方向に隣り合って配置される。
なお、ダンボール材1は、汚損や荷崩れを防ぐために、包装用のフィルムで被包(包装)されることが好ましい。
以下、ダンボール材1のパラメータを説明する。
まず、ダンボール材1のサイズや段数などの基本的なパラメータを述べる。その後に、ダンボール材1のシート2に関するパラメータを詳述する。
ダンボール材1のサイズは、下記の寸法L1〜L3から定まる。
・ 縦寸法L1 :縦方向の寸法(第一寸法)
・ 横寸法L2 :横方向の寸法(第二寸法)
・高さ寸法L3:高さ方向の寸法(第三寸法)
上記の寸法L1〜L3は、小さいほど製造される箱のサイズや形状の制約が大きくなるおそれがあり、大きいほど運搬や納入といった作業性が低下するおそれがある。これらの観点より、寸法L1〜L3は、下記の表2に示す範囲であることが好ましい。
たとえば、ダンボール材1の段数としては、たとえば10〜1000[段]のさまざまな段数が挙げられる。詳細を後述する折り畳みに関するパラメータが測定される対象のダンボール材については、所定の段数(たとえば100[段])未満の測定対象については、全段のそれぞれにおいてパラメータを測定するのが好ましい。一方、所定の段数(たとえば100[段])以上の測定対象については、部分的(たとえばパートに分けた部分や設定された領域)にパラメータを測定してもよい。
上記の坪量に中芯の段繰率を加味し、縦寸法L1および横寸法L2とシート2の段数N+1とを乗算すれば、ダンボール材1の重量が算出される。
本実施形態のダンボール材1は、製函資材に用いられた場合に破れにくい箱を製造することができるようにする観点に立脚して、性状に関する構成を備えている。具体的には、以下の観点Iに立脚して、性状に関する所定の構成を備えている。
・観点 I :組み立てられた箱の破れ(破損)を抑えること
上記の観点Iは、下記の課題Iを解決するための観点である。
・課題 I :組み立てられた箱の破れを招きやすいこと
上記の折目Fの箇所を起点にした破れは、多湿条件下でより発生しやすい傾向がある。そのため、上記の課題Iは、多湿条件下で、蛇腹折りのダンボール材1を用いて組み立てられた箱の破れを招きやすい課題ともいえる。
・構成1:サイズ剤の添加量が所定の範囲内である
・構成2:紙力増強剤の添加量が所定の範囲内である
・構成3:繊維長の長さ平均繊維長が所定の長さ範囲内である
・構成4:微細繊維量が所定の範囲内である
「紙力増強剤」は、ライナの表面強度向上や印刷時の紙粉発生を防止するために、ダンボール材1をなすライナに添加される薬品である。紙力増強剤の添加量[質量部]は、ライナを構成する全パルプの合計100[質量部]に対して含有される紙力増強剤の添加量[質量部]の割合である。
「微細繊維量」は、ライナを構成するパルプ繊維の合計(100[%])に対して微細繊維が含有される量の割合[%]である。ここで、微細繊維は、繊維長が0.0[mm]以上であって0.2[mm]以下である微細な繊維である。
つまり、ダンボール材1には、上述の観点Iに立脚して上記の構成1〜4が備えられている。
サイズ剤の添加量が所定の範囲を上回っている場合、ライナを構成するパルプ繊維間の水素結合をサイズ剤が阻害するため、課題Iを招くものと推察される。
紙力増強剤の添加量が多いほどライナの強度が増加する傾向にあるが、紙力増強剤の添加量が所定の範囲を上回っている場合、紙力増強剤が凝集して強度が低下するため、課題Iを招くものと推察される。
微細繊維量が所定の範囲を上回っていると、長繊維の割合が減ってパルプ繊維どうしの絡まりが少なくなり、課題Iを招くものと推察される。
紙力増幅剤の添加量は、0.1[質量部]以上であって4.0[質量部]以下であり、好ましくは0.5[質量部]以上であって3.5[質量部]以下であり、より好ましくは1.0[質量部]以上であって3.0[質量部]以下である。
微細繊維量は、23[%]以上であって48[%]以下であり、好ましくは30[%]以上であって47[%]以下であり、より好ましくは40[%]以上であって46[%]以下である。
本実施形態のダンボール材1は、上述の構成を備えることにより、ダンボール材1をなすライナの強度が確保されるので、ダンボール材1を用いて製造された箱の破れを抑制できる。とくに多湿条件下で折目Fの箇所を起点にした破れを抑制できる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
実施例および比較例において、パラメータの測定される対象となるダンボール材(以下「測定ダンボール材」と称する)は、両面ダンボールのシートである。
この測定ダンボール材は、下記のサイズである。
・ サ イ ズ :縦寸法1300[mm],
横寸法1150[mm],
高さ寸法1800[mm]
・ A フルート(シングルフルート),総厚:5.0[mm]
・ E フルート(シングルフルート),総厚:1.5[mm]
・ AB フルート(ダブルルフルート),総厚:8.5[mm]
・ No.1 :坪量120[g/m2],密度0.8[g/cm3]
・No.2,No.6〜25:坪量170[g/m2],密度0.8[g/cm3]
・ No.3 :坪量210[g/m2],密度0.8[g/cm3]
・ No.4 :坪量280[g/m2],密度0.8[g/cm3]
・ No.5 :坪量170[g/m2],密度0.6[g/cm3]
・測定装置:製品名「カナディアンスタンダードフリーネス」,熊谷理機工業株式会
社,製品番号「No.2580‐A」
>サイズ剤:薬剤名「サイズパイン N−830(荒川化学工業株式会社製)」(
下記の表3〜表6で「α」)を紙層の全パルプの合計100[質量部
]に対して0.3[質量部]で含有する
>紙力増強剤:薬剤名「PT−1001(荒川化学工業株式会社製)」を紙層の全
パルプの合計100[質量部]に対して0.2[質量部]で含有す
る
>硫酸バンド:紙層の全パルプの合計100[質量部]に対して5[質量部]で含
有する
>針葉樹クラフトパルプ:表層のパルプ繊維のうち10[質量%]の割合で含有し
た。また、針葉樹クラフトパルプは紙層の全パルプのう
ち6[質量%]であった。
>微細繊維量:ライナをなすパルプ繊維のうち33[%]であった。
上記の抄紙条件でライナ原紙の三層のうち表層を作成した。ライナ原紙の三層のうち中層と裏層との抄紙条件は上記の抄紙条件に限定されない。
品番「No.3」のライナ原紙は、坪量を210[g/m2]に変更した以外は、「No.1」のライナ原紙と同様の作成方法で作成された。
品番「No.4」のライナ原紙は、坪量を280[g/m2]に変更した以外は、「No.1」のライナ原紙と同様の作成方法で作成された。
・No.5:密度を0.6[g/cm3]に変更した
・No.6:微細繊維量を25[%]に変更して長さ平均繊維長を1.08[mm]
に変更した
・No.7:微細繊維量を45[%]に変更して長さ平均繊維長を0.95[mm]
に変更した
・No.8:表層のパルプのうち針葉樹クラフトパルプの含有される割合を20[質
量%]に変更し、長さ平均繊維長を1.50[mm]に変更した
・No.10:サイズ剤の添加量を5[質量部]に変更した
・No.11:サイズ剤を薬剤名「サイズパイン NT−78(荒川化学工業株式会
社製)」(下記の表3〜表6で「β」)に変更した
・No.12:サイズ剤を薬剤名「サイズパイン K−287(荒川化学工業株式会
社製)」(下記の表3〜表6で「γ」)に変更した
・No.13:紙力増強剤の添加量を1.5[質量部]に変更した
・No.15:微細繊維量を38[%]に変更して長さ平均繊維長を0.98[mm
]に変更した
・No.16:表層のパルプのうちダンボール古紙パルプの含有される割合を100
[質量%]に変更した
・No.17:微細繊維量を45[%]に変更して長さ平均繊維長を0.95[mm
]に変更し、サイズ剤の添加量を5.0[質量部]に変更した
]に変更した
・No.19:微細繊維量を50[%]に変更して長さ平均繊維長を0.94[mm
]に変更した
・No.20:表層のパルプのうち針葉樹クラフトパルプの含有される割合を20[
質量%]に変更し、長さ平均繊維長を1.60[mm]に変更した
・No.21:サイズ剤を添加しなかった
・No.23:紙力増強剤を添加しなかった
・No.24:紙力増強剤の添加量を5.0[質量部]に変更した
・No.25:表層のパルプのうち針葉樹クラフトパルプの含有される割合を20[
質量%]に変更し、サイズ剤の添加量を8.0[質量部]に変更し、
微細繊維量を50[%]に変更して長さ平均繊維長を1.60[mm
]に変更した
その上で、分析対象の上記ライナ原紙を下記手順A1〜A2により、中芯原紙から剥離し、ライナ原紙を乾燥後、粉砕機にて粉砕し、それら粉砕物を200〜300[μg]、2サンプルを熱分解ガスクロマトグラフ質量分析装置にかけて測定した。
この測定は、各サンプルについて2回ずつ行って、その平均値を薬剤含有濃度(対パルプ重量比)とした。
なお、各種薬剤の含有濃度が重量比で0.01[%],0.1[%],1[%],5[%],10[%]となるように、各種薬剤をろ紙(ADVANTEC製、円形定性ろ紙、No.2)に染込ませ、乾燥させたものを検量線用サンプルとした。各検量線用サンプルを粉砕し、それら粉砕物を200〜300[μg]を熱分解ガスクロマトグラフ質量分析装置にかけることで上記の検量線を作成した。
上記の品番「No.6」〜「No.8」,「No.15」,「No.17」〜「No.20」,「No.25」で微細繊維量や長さ平均繊維長は、繊維分級機(MAX−F700,相川鉄工株式会社製)を用いて調節された。品番「No.7」,「No.17」では繊維分級機を用いて微細繊維以外のパルプ繊維を取り除いた。
・No.26:坪量120[g/m2],密度0.65[g/cm3]〔OND−EM
120:王子マテリア株式会社製〕
・No.27:坪量160[g/m2],密度0.65[g/cm3]〔OND−EM
160:王子マテリア株式会社製〕
上記の実施例1〜19および比較例20〜29のそれぞれについて、表3〜表6に示すライナ繊維情報が測定された。なお、密度や、長さ平均繊維長,微細繊維,坪量など各種パラメータの測定値や、サイズ剤,紙力増強剤の質量部数には、測定誤差がプラスマイナス10%程度生じる可能性がある。
ルンケル比は、パルプ繊維の形状を示すパラメータであり、(ルンケル比)=(繊維壁厚の2倍)/(繊維内腔径)で算出される。ルンケル比が大きいほど剛直な繊維であることを示している。
長さ平均繊維長は、ライナを構成するパルプ繊維の長さ(繊維長)の平均値である。
微細繊維量は、ライナを構成するパルプ繊維の合計(100[%])に対して微細繊維が含有される量の割合[%]である。微細繊維は、繊維長が0.0[mm]以上であって0.2[mm]以下である微細な繊維である。
手順A1:ダンボール材の最上段から2段目を40[cm]角に切り出し、その40
[cm]角ダンボールシートを測定に供試した。切り出し位置はダンボール
シート幅の真ん中とした。それから、ダンボールシートをイオン交換水に
15分間浸漬し、イオン交換水から取り出す。
手順A2:手順A1で取り出したダンボールシートからライナ原紙(表ライナおよび
裏ライナ)のそれぞれを、ライナ原紙が破れないよう、手で剥がすことで
中芯原紙から分離する。
手順A3:手順A2で分離したライナ原紙と中芯原紙とのそれぞれを、イオン交換水
に浸し、濃度2%に調整した上で、24時間浸した。
手順A4:手順A3により濃度を調整したライナ原紙と中芯原紙とのそれぞれを24
時間浸した後、標準型離解機(熊谷理機工業社製)を用いて20分間離解
して、パルプを繊維状に分解する。
手順A5:手順A4で離解後のスラリー(パルプ繊維)を分取し、下記の繊維長測定
機を使用して、「ルンケル比」,「長さ平均繊維長」,「微細繊維量」を
測定した。
・繊維長測定機:品番FS−5 UHDベースユニット,バルメット社製
上記のようにして「ルンケル比」,「長さ平均繊維長」,「微細繊維量」が測定された実施例1〜19および比較例20〜29について、評価箱の破れやすさを評価した。
「破れやすさ」とは、箱に収容される内容物に対する耐荷重の軽重に対応する評価基準である。この破れやすさは、下記の手順B1〜B6に従う荷重試験で評価した。
・手順B1:測定ダンボール材から下記の形状・サイズにサンプルカッター(株式会
社ミマキエンジニアリング社製,CF2−1218)で評価箱の展開パ
ターンを切り抜く。
>形 状:A式段ボール箱が展開されたパターン
>サイズ:A式段ボール箱の側板の幅寸法356[mm],
A式段ボール箱の端板の幅寸法159[mm],
A式段ボール箱の高さ寸法256[mm]
・手順B2:手順B1で切り抜いた展開パターンで評価箱の底面をなす領域に下記の
罫線治具で下記の深さの罫線(折目)を手動でつけて、手組みで評価箱
を組み立てる。
>罫線治具:R罫(罫線幅2[mm],日本ダイスチール株式会社製)
>罫線深さ:測定ダンボール材の総厚の50[%]凹ませる
・手順B3:手順B2で組み立てた評価箱を下記の温湿度条件Aで1[時間]処理
する。
>温湿度条件A:温度30[℃],湿度90[%Rh]
・手順B4:手順B3で処理した後、上記の温湿度条件Aで評価箱に重さ15[kg
]のオモリを収容する。なお、オモリは評価箱の底面全体に荷重がかか
るように配置される。
・手順B5:手順B4の後、二人の作業員が評価箱を持ち上げて、30[秒]間保持
する。
・手順B6:手順B5にて評価箱に破れが発生したか否かを目視で確認する。
・5:評価箱の底面が全く変化していない。
・4:評価箱の底面に破れは生じないが、底面(評価箱の内側のライナ)に凹みや折
れが生じる。
・3:評価箱の底面に破れは生じないが、底面(評価箱の内側および外側の両ライナ
)に凹みや折れが生じる。
・2:評価箱の底面(評価箱の内側のライナ)に破れが生じる。
・1:評価箱を持ち上げて保持している最中にオモリがた後で評価箱に大きな破れが
生じ、オモリが評価箱から落下する。
上記の基準で「3」以上を良好な評価とし、「2」以下を不良な評価とした。
実施例1〜19および比較例20〜29の測定ダンボール材のそれぞれは、ウェット試験に加えて、下記の温湿度条件Bの乾燥条件下の荷重試験(ドライ試験)でも評価箱の破れやすさが評価される。
>温湿度条件B:温度23[℃],湿度50[%Rh]
ドライ試験は、手順B3,B4で温湿度条件Aを上記の温湿度条件Bに変更したことを除き、上記手順B1〜B6と同様である。
さらに、実施例9,10,11,12,15,16、19からは、サイズ剤の添加量が0.8[質量部]以上,紙力増強剤の添加量が1.0[質量部]以上,長さ平均繊維長が1.50[mm]以上,および、微細繊維量が40[%]以上の何れか一つを備えると、多湿条件下で破れ(破損)を防止できると言える。
比較例28からは、紙力増強剤の添加量が4.0[質量部]より大きいことにより、紙力増強剤が凝集してしまいライナの強度が低下し、破れやすくなるものと推測される。
比較例24,29からは、長さ平均繊維長が1.55[mm]より大きいことにより、長繊維間の隙間が多く吸水しやすくなり、多湿条件下でライナの強度が低下して、破れやすくなるものと推測される。
比較例20からは、微細繊維量が23[%]未満であることにより、長繊維間の隙間が多く吸水しやすくなり、多湿条件下でライナの強度が低下して、破れやすくなるものと推測される。
比較例21〜23,29からは、微細繊維量が48[%]よりも大きいことにより、長繊維が少なくなりパルプ繊維どうしの絡まりが少なく、ライナの強度が低下して、破れやすくなるものと推測される。
上述の実施形態はあくまでも例示に過ぎず、この実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせることもできる。
ダンボール材が製函システム用の資材である場合には、意図的に形成された切れ込みやミシン目などの追加加工が折目に施されていないことが好ましく、ダンボール材におけるライナの表層に設けられる罫線を起点(たとえば罫線を内側)に180[°]折り返される箇所が折目であることが好ましい。一方、ダンボール材が製函システム用以外の資材である場合には、切れ込みやミシン目などの加工が折目に施されていてもよい。
蛇腹折りのダンボール材には、従来の枚葉のダンボールシートと異なる、複数のシートが折目を介して連設された構造を活かした様々な活用方法がある。
例えば、蛇腹折りのダンボール材は、シートを展開した状態で、延在する方向の寸法が大きいウェブ状の紙資材として扱うこともできる。
災害用品としての利用:窓に貼り付けることで、台風時の窓割れ対策に利用で
きるほか、避難所でのプライバシー保護やストレス軽
減用のパーテーションとしての利用や、緩衝材や冷え
対策用の敷物として利用可能である。
イベント行事での利用:イベントや学校行事の看板等の創作物に利用可能であ
る。
建築/引越資材としての利用:建築現場や引越し現場で一時的にドアや壁、扉などを
守る必要がある場合、対象物に貼り付けるタイプの保
護材(養生材)として活用可能である。対象物に巻き
付けるタイプの保護材(梱包資材)として利用するこ
ともできる。
何れの利用方法においても、複数のシートが折目を介して連設された構造であることで、作業効率向上や、延在する方向の寸法を確保できるという利点がある。
10 段目(波目)
2 シート
20 シート対
21 第一シート
22 第二シート
23 第三シート
F 折目
L 補助線
L1 縦寸法(第一寸法)
L2 横寸法(第二寸法)
L3 高さ寸法(第三寸法)
Claims (3)
- 中芯の両側に対してライナを貼合した帯状に連続する両面ダンボールを交互に折り返して積み重ねた蛇腹折りのダンボール材であって、
前記ライナに添加されたサイズ剤の添加量が0.3[質量部]以上であって3.0[質量部]以下であり、
前記ライナに添加された紙力増強剤の添加量が0.2[質量部]以上であって3.0[質量部]以下であり、
前記ライナを構成するパルプ繊維の長さ平均繊維長が0.92[mm]以上であって1.50[mm]以下であり、
前記ライナを構成するパルプ繊維のうち、繊維長が0.0[mm]以上であって0.2[mm]以下である微細繊維の含有される量が25[%]以上であって45[%]以下である
ことを特徴とするダンボール材。 - 前記ライナの坪量が120[g/m2]以上であって280[g/m2]以下であり、
前記中芯の坪量が120[g/m2]以上であって160[g/m2]以下である
ことを特徴とする請求項1に記載のダンボール材。 - 前記両面ダンボール材のフルートがAフルート,EフルートおよびABフルートの何れか一つである
ことを特徴とする請求項1または2に記載のダンボール材。
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