JP7107459B1 - 蛇腹折りダンボール材及びこれを用いた自動包装システム - Google Patents

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Abstract

【課題】蛇腹折りダンボール材で折目での罫割れを抑制する。【解決手段】蛇腹折りダンボール材1は、ISO 16065-2:2007に準拠して測定されたライナに用いるライナ原紙のパルプ繊維の長さ加重平均繊維長が、0.7[mm]以上であって1.2[mm]以下であり、ライナのパルプ繊維のうち、ISO 16065-2:2007に準拠して測定されたパルプ繊維長が0.01[mm]以上であって0.50[mm]未満である小サイズ繊維の個数割合が40[%]以上であって55[%]以下であり、ライナのパルプ繊維のうちパルプ繊維長が0.50[mm]以上であって1.20[mm]未満である中サイズ繊維の個数割合が25[%]以上であって45[%]以下であり、ライナのパルプ繊維のうちパルプ繊維長が1.20[mm]以上であって10.00[mm]未満である大サイズ繊維の個数割合が5[%]以上であって25[%]以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、蛇腹折りダンボール材及びこれを用いた自動包装システムに関する。
製函用資材として、蛇腹折り(「ファンフォールド」とも称される)ダンボール材が知られている。蛇腹折りダンボール材は、中芯に対してライナを貼合した帯状に連続するダンボールを蛇腹折りに折り重ねたものである。このような蛇腹折りダンボール材は、複数の折目で折り返されたダンボールが多段に積み重ねられて、略直方体状の荷姿をなす(例えば特許文献1を参照)。
特表2013-513869号公報
蛇腹折りダンボール材は、ダンボールが折目で略180°折り返されて多段に積み重ねられた荷姿では、折目の部分をなすライナに負荷がかかりやすい。そのため、蛇腹折りダンボール材の物性によっては、積み重ねられたダンボールの荷重や運搬時の衝撃などによって、折目の箇所でライナに破れ(罫割れ)が生じることがあった。
よって、蛇腹折りダンボール材において、折目の箇所での罫割れを抑制するうえで改善の余地がある。
本件は、上記の課題に鑑みて創案されたものであり、蛇腹折りダンボール材において折目の箇所での罫割れを抑制することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用及び効果であって、従来の技術では得られない作用及び効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
本件は、中芯に対してライナを貼合した帯状に連続するダンボールを、前記ダンボールの面において前記ダンボールが帯状に延在する方向に対し交差する方向に延びた複数の折目で交互に折り返して積み重ねられた蛇腹折りダンボール材である。この蛇腹折りダンボール材は、ISO 16065-2:2007に準拠して測定された前記ライナに用いるライナ原紙のパルプ繊維の長さ加重平均繊維長が、0.7[mm]以上であって1.2[mm]以下であり、前記ライナの前記パルプ繊維のうち、ISO 16065-2:2007に準拠して測定されたパルプ繊維長が0.01[mm]以上であって0.50[mm]未満である小サイズ繊維の個数割合が40[%]以上であって55[%]以下であり、前記ライナの前記パルプ繊維のうち、ISO 16065-2:2007に準拠して測定されたパルプ繊維長が0.50[mm]以上であって1.20[mm]未満である中サイズ繊維の個数割合が25[%]以上であって45[%]以下であり、前記ライナの前記パルプ繊維のうち、ISO 16065-2:2007に準拠して測定されたパルプ繊維長が1.20[mm]以上であって10.00[mm]未満である大サイズ繊維の個数割合が5[%]以上であって25[%]以下である。
本件の蛇腹折りダンボール材によれば、折目の箇所での罫割れを抑制することができる。
本実施形態の蛇腹折りダンボール材の斜視図である。 測定ダンボール材をなす両面ダンボールの平面図である。 測定ダンボール材の側面図である。
以下、実施形態としての蛇腹折りダンボール材を説明する。
本実施形態で例示する蛇腹折りダンボール材(以下、単に「ダンボール材」ともいう)は、帯状に連続するダンボールが複数の折目で交互に折り返して積み重ねられた蛇腹折りの製函用資材である。このダンボール材には、中芯に対して両側にライナが設けられた両面ダンボールが用いられる。
上記の両面ダンボールには、一つの中芯及び二つのライナのそれぞれに対応する三つの原紙(資材)から構成されたシングルフルートのダンボールのほか、いわゆる「複両面ダンボール」や「複々両面ダンボール」のように三つ以上の中芯及び二つのライナのそれぞれに対応する五つ以上の原紙から構成されたマルチフルートのダンボールも含まれる。
ダンボール材が製函されると、ダンボール箱となる。
詳細に言えば、自動包装システムの製函用資材に用いられたダンボール材は、シートが順繰りに送り出されるフィード工程,送り出されたシートが箱の展開パターンに切り抜かれるカット工程,箱の形状に折り立てられるフォールド工程といった種々の工程を経てダンボール箱に製函される。
この自動包装システムには、本実施形態のダンボール材を用いて内容物を梱包するためのダンボール箱を製造する製函機構が設けられている。製函機構は、上記の種々の工程を自動的に実施する周知の製函システムを用いることができる。
なお、ダンボール箱を組み立てる製函システムは、特に制限されないが、たとえば自動包装システムの全自動システムである「CMC社製のカートンラップ1000」,「Neopost社製のCVP-500」,「オーエスマシーナリー社製のTXP-600」や、半自動システムの「Pack Size社製のEM7」,「Panotec社製のCompack」を用いることができる。
本実施形態では、ダンボール材が水平面に載置された状態を前提に、下記のように方向を定義する。
縦方向(図中には「CD」と記す)及び横方向(図中には「MD」と記す)は水平に沿う方向であり、ダンボール(折目)の沿う平面が延在する方向である。これらの縦方向と横方向とは互いに直交する。高さ方向(図中には「TD」と記す)は、鉛直方向に沿う方向であり、縦方向及び横方向の双方に直交する。
縦方向は、ダンボール材を平面状に展開した状態で、帯状に連続する両面ダンボールの幅方向に対応する。横方向は、平面状に展開した両面ダンボールが帯状に連続する方向(延在する方向)に対応する。高さ方向は、ダンボール材において両面ダンボールが折り重ねられた方向に対応する。
MD(Machine Direction)方向は、「流れ方向」とも称され、ダンボール材の製造過程及びダンボール材を用いた製函システムにおける工程が上流から下流へ進捗する方向であり、帯状に連続する両面ダンボールの延在する方向に対応する。CD(Cross Direction)方向は、MD方向の沿う平面においてMD方向に直交する方向であり、帯状に連続する両面ダンボールの幅方向に対応する。TD(Transverse Direction)方向は、MD方向及びCD方向の双方に直交する方向であり、両面ダンボールの高さ方向に対応する。
そのほか、特に断らない限り、本実施形態の「数値X~数値Y」なる表現は、数値X以上であって数値Y以下の範囲を意味する。
[I.一実施形態]
下記の一実施形態では、ダンボール材の構成を項目[1]及び[2]で述べる。項目[1]では、ダンボール材が折り畳まれた構造(以下「折畳構造」と称する)を説明する。項目[2]では、ダンボール材に用いられるダンボール(シート)の性状に関するパラメータを説明する。
そして、項目[1]及び[2]の構成による作用及び効果を項目[3]で述べる。
[1.折畳構造]
図1に示すように、ダンボール材1は、直方体状をなす製函用資材である。
ダンボール材1では、帯状に連続するシート2(図1では一部のみに符合を付す)が折目F(図1では一部のみに符合を付す)で折り返され、折り返されたシート2が高さ方向に積み重ねられている。
このように折り畳まれたダンボール材1には、縦方向及び高さ方向の双方に沿う一対の側面に、複数の折目Fが縦方向に沿って直線状に延在する。
ここで、連続する三つのシート2(図1では二点鎖線で示す)に着目して、ダンボール材1の折畳構造を説明する。
・第一シート21:第二シート22の一側に連続するシート2
・第二シート22:第一シート21と第三シート23との双方に連続するシート2
・第三シート23:第二シート22の他側に連続するシート2
第一シート21と第二シート22との間に第一折目F1が設けられ、第一折目F1を介してシート21,22が連続している。第二シート22と第三シート23との間に第二折目F2が設けられ、第二折目F2を介してシート22,23が連続している。
第一折目F1は、第一シート21に対して横方向の一方(図1では右方)へ向けて第二シート22が折り返される折目Fであり、ダンボール材1における横方向の他方(図1では左方)に配置される。第二折目F2は、第二シート22に対して横方向の他方(図1では左方)へ向けて第三シート23が折り返される折目Fであり、ダンボール材1における横方向の一方(図1では右方)に配置される。
第一シート21では、横方向(折目Fと交差する方向)に延在する第一端縁E1(図1には手前側の端縁のみに符号を付す)にダンボールの段目10(波目)が露出する。同様に、第二シート22には、横方向(折目Fと交差する方向)に延在する第二端縁E2(図1には手前側の端縁のみに符号を付す)にダンボールの段目10が露出する。
第一シート21及び第二シート22からなるシート対20では、第一端縁E1と第二端縁E2とが高さ方向に隣り合って配置される。
上記の折畳構造を有するダンボール材1によれば、ロール状に巻回することの困難な資材であっても直方体状に折り畳むことができる。すなわち、ロール状に巻回可能な資材よりも高い強度をもつダンボールのシート2をコンパクトな荷姿にすることができる。このように強度の確保されたシート2が折り畳まれたダンボール材1は、強度の要求される箱を製造する製函システムの包装資材に用いて好適である。
そのほか、折目Fは、ダンボールの段目10に沿って設けられている。言い換えれば、MD方向に対して垂直な段目10のダンボール材1が製造される。
なお、ダンボール材1は、汚損や荷崩れを防ぐために、包装用のフィルムで被包(包装)されることが好ましい。
[2.パラメータ]
以下、ダンボール材1のパラメータを説明する。
まず、ダンボール材1のサイズや段数などの基本的なパラメータを述べる。その後に、ダンボール材1の物性に関するパラメータを詳述する。
[2-1.基本的なパラメータ]
ダンボール材1のサイズは、下記の寸法L1~L3から定まる。
・ 縦寸法L1 :縦方向の寸法
・ 横寸法L2 :横方向の寸法
・高さ寸法L3:高さ方向の寸法
上記の寸法L1~L3は、小さいほど製造される箱のサイズや形状の制約が大きくなるおそれがあり、大きいほど運搬や納入といった作業性が低下するおそれがある。
これらの観点より、寸法L1~L3は、下記の範囲であることが好ましい。
縦寸法L1は、500~2500[mm]の範囲であることが好ましく、700~2000[mm]の範囲であることがより好ましい。横寸法L2は、800~2500[mm]の範囲であることが好ましく、1000~22000[mm]の範囲であることがより好ましい。高さ寸法L3は、700~2000[mm]の範囲であることが好ましく、1200~20000[mm]の範囲であることがより好ましい。
そのほか、ダンボール材1における折目Fの本数をN[本]とおけば、シート2の枚数はN+1[枚]である。この場合には、N+1[段]のシート2がダンボール材1において重ね合わせられている。
たとえば、ダンボール材1の段数としては、たとえば10~1000[段]のさまざまな段数が挙げられる。詳細を後述する折り畳みに関するパラメータが測定される対象のダンボール材については、所定の段数(たとえば100[段])未満の測定対象については、全段のそれぞれにおいてパラメータを測定するのが好ましい。一方、所定の段数(たとえば100[段])以上の測定対象については、部分的に(たとえばパートに分けた部分や設定された領域の)パラメータを測定してもよい。
なお、ダンボール材1に用いられるシート2には、任意の坪量を設定することができる。シート2に採用される坪量の範囲としては、50~1500[g/m2]の範囲が挙げられ、好ましくは100~1000[g/m2]の範囲が挙げられ、より好ましくは200~800[g/m2]の範囲が挙げられ、さらに好ましくは200~600[g/m2]の範囲が挙げられる。
上記の坪量に中芯の段繰率を加味し、縦寸法L1及び横寸法L2とシート2の段数N+1とを乗算すれば、ダンボール材1の重量が算出される。
[2-2.物性に関するパラメータ]
本実施形態のダンボール材1は、折目Fの箇所でライナに破れ(罫割れ)が生じにくいようにする観点に立脚して、ダンボール材1の物性に関する構成を備えている。具体的には、以下の観点に立脚して、ダンボール材1に用いるライナの物性に関する所定の構成を備えている。
・観点:折目Fの箇所でライナの罫割れを抑えること
上記の観点は、下記の課題を解決するための観点である。
・課題:折目Fの箇所でライナの罫割れを招きやすいこと
蛇腹折りダンボール材1における折目Fは、連続するシートが180[°]折り返される箇所である。ダンボール材1では、この折目Fの箇所でライナに罫割れが発生しやすい傾向がある。そのため、上記の課題は、蛇腹折りダンボール材1で折目Fの箇所でライナに罫割れを招きやすい課題といえる。
ダンボール材1は、上記の観点及び課題に対応して、ライナを構成するパルプ繊維のパルプ繊維長に関し、下記の構成1~4を備えている。
・構成1:小サイズ繊維の個数割合が所定の第一割合範囲内である
・構成2:中サイズ繊維の個数割合が所定の第二割合範囲内である
・構成3:大サイズ繊維の個数割合が所定の第三割合範囲内である
・構成4:パルプ繊維の長さ加重平均繊維長が所定の長さ範囲内である
「パルプ繊維長」は、ISO 16065-2:2007に準拠して測定されたパルプ繊維の長さに対応するパラメータである。
「小サイズ繊維」は、パルプ繊維長が0.01[mm]以上であって0.50[mm]未満である短いサイズのパルプ繊維である。
「小サイズ繊維の個数割合」は、ライナを構成するパルプ繊維のうち小サイズ繊維が含有される割合である。
「中サイズ繊維」は、パルプ繊維長が0.50[mm]以上であって1.20[mm]未満である中サイズのパルプ繊維である。
「中サイズ繊維の個数割合」は、ライナを構成するパルプ繊維のうちの中サイズ繊維が含有される割合である。
「大サイズ繊維」は、パルプ繊維長が1.20[mm]以上であって10.00[mm]未満である中サイズのパルプ繊維である。
「大サイズ繊維の個数割合」は、ライナを構成するパルプ繊維のうち大サイズ繊維が含有される割合である。
「長さ加重平均繊維長」は、ISO 16065-2:2007に準拠して測定された、パルプ繊維長の平均値に対応するパラメータである。
本願の発明者は、ダンボール材1をなすライナが上記の構成1~4の全てを兼ね備えていれば、上述の課題が抑えられる傾向にあるとの知見を得た。逆に言えば、上記の構成1~4の少なくとも何れか一つを備えていないライナを用いたダンボール材は、課題が生じやすい傾向にあることを見出した。
つまり、ダンボール材1には、上述の観点に立脚して上記の構成1~4が備えられている。
以下、構成1,3をはじめ構成2,4について、物性の傾向を述べる。
構成1の小サイズ繊維の個数割合が多いほど、繊維どうしの相対的な変位が許容される傾向にあり、衝撃(外力)に対する緩衝性が高い傾向にある。この小サイズ繊維の個数割合の多いダンボール材1が折り重ねられた状態について言えば、ダンボール材1において折目Fをなすライナに加わる衝撃が緩和(緩衝)されやすくなる。小サイズ繊維の個数割合が少ないダンボール材1では衝撃によって折目Fの破損を招きやすいのに対して、このような衝撃が小サイズ繊維の個数割合が多いダンボール材1では緩和され、折目Fを破損させる衝撃を緩和する緩衝効果を発揮する傾向にある。
構成3の大サイズ繊維の個数割合が多いほど、パルプの繊維間結合が増大する傾向があり、強度を向上させる傾向にある。大サイズ繊維の個数割合の多いダンボール材1が折り重ねられた状態について言えば、ダンボール材1において折目Fをなすライナの強度が確保される傾向にある。大サイズ繊維の個数割合が少ないダンボール材1では折目Fの強度不足によって破損を招きうるのに対して、大サイズ繊維の個数割合が多いダンボール材1では折目Fの強度が確保されることによって折目Fの破損が抑制される傾向にある。
そのため、構成1によりライナの緩衝効果が確保できる。また、構成3によりライナの強度を確保できる。さらに、構成2により、構成1による緩衝効果と構成3によるライナの強度確保との両者を底上げすることができる。また、構成4を満足する場合、構成1~3を全て満足しやすいため、緩衝効果及び強度確保を安定して確保することができる傾向にある。
よって、構成1~4を兼ね備えることにより、ダンボール材1において折目Fの箇所で罫割れが生じることを抑制することができる。
一方、構成1~4(特に構成1,2及び3)の少なくとも何れか一つを満足しない場合、緩衝効果とライナの強度確保との少なくとも一方が不十分になり、罫割れが生じやすくなる。
たとえば、構成1の小サイズ繊維の個数割合が第一割合範囲を下回る場合には、小サイズ繊維の個数割合が少ないため緩衝効果が不十分になり、罫割れが生じやすくなるものと推察される。一方、小サイズ繊維の個数割合が第一割合範囲を上回る場合には、相対的に中サイズ繊維及び大サイズ繊維の個数割合が減少するためライナの強度が不十分になり、罫割れが生じやすくなるものと推察される。
大サイズ繊維の個数割合が第三割合範囲を下回る場合には、大パルプ繊維の個数割合が少ないためライナの強度が不十分になり、罫割れが生じやすくなるものと推察される。一方、大サイズ繊維の個数割合が第三割合範囲を上回る場合には、相対的に中サイズ繊維及び小サイズ繊維の個数割合が減少するため緩衝効果が不十分になり、罫割れが生じやすいものと推察される。
中サイズ繊維の個数割合が第二割合範囲を下回る又は上回る場合、小サイズ繊維及び大サイズ繊維の少なくとも一方の個数割合が過大又は過少となり上記の構成1及び3の少なくとも何れか一方を満足せず、緩衝効果とライナの強度との少なくとも一方が不十分になるものと推察される。
長さ加重平均繊維長が所定の長さ範囲を超える場合、上記の構成1~3の少なくとも何れか一つを満足しない傾向がある。
第一割合範囲は、40[%]以上であって55[%]以下であり、好ましくは45[%]以上であって55[%]以下であり、より好ましくは45[%]以上であって50[%]以下である。
第二割合範囲は、25[%]以上であって45[%]以下であり、好ましくは27[%]以上であって43[%]以下であり、より好ましくは30[%]以上であって40[%]以下である。
第三割合範囲は、5[%]以上であって25[%]以下であり、好ましくは10[%]以上であって25[%]以下であり、より好ましくは10[%]以上であって20[%]以下である。
所定の長さ範囲は、0.7[mm]以上であって1.2[mm]以下であり、好ましくは0.75[mm]以上であって1.15[mm]以下であり、より好ましくは0.8[mm]以上であって1.1[mm]以下である。
[3.作用及び効果]
本実施形態のダンボール材1は、上述の構成1~4を兼ね備えることにより、ダンボール材1において折目Fの箇所でライナに罫割れが生じることを抑制することができる。
本実施形態のダンボール材1と、これを用いて内容物を梱包するためのダンボール箱を製造する製函機構と、を備えた自動包装システムによれば、ダンボール材1の罫割れが抑制されているので、ライナに破れのない適正なダンボール箱を製造することができる。
[II.実施例]
以下、実施例1~16及び比較例1~9を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
実施例1~16及び比較例1~9において、パラメータの測定される対象となるダンボール材(以下「測定ダンボール材」と称する)は、帯状の両面ダンボール(ダンボールウェブ)を複数の折目で蛇腹折りに折り畳んだものである。
図2は、測定ダンボール材をなす両面ダンボール1Wの説明図であって、平面状に広げた両面ダンボール1Wの平面図である。図2に示すように、この両面ダンボール1Wは下記のサイズである。
・ サ イ ズ :縦寸法:800[mm],
横寸法:21000[mm]
上記の両面ダンボール1Wには横方向に1000[mm]間隔で離間した20[個]の折目Fが設けられる。
測定ダンボール材は、上記の両面ダンボール1Wを下記の温湿度条件で24[時間]静置した後に、作業者が手作業で上記20[個]の折目Fで交互に折り畳んで作成した。
>温湿度条件:温度23[℃],湿度50[%Rh]
この測定ダンボール材は、下記のサイズである。
・ サ イ ズ :縦寸法:800[mm],
横寸法:1000[mm]
高さ寸法:21[段]
実施例1~16及び比較例1~9には、下記の表1に示すフルートの両面ダンボールが採用された。
実施例1~16及び比較例1~9の両面ダンボールには、下記表1に示す坪量,紙厚,密度及びパルプ混合比率のライナと、下記表1に示す坪量,紙厚及び密度の中芯とが使用された。
なお、坪量はJIS P 8124:2011に準拠して測定した。紙厚は、JIS P 8118:2014に準拠して測定した。密度は、測定した紙厚及び坪量に基づいて算出した。
具体的には、実施例1~16及び比較例1~9の両面ダンボールには、以下に示す三種のフルートのうち何れか一つのフルートを採用した。
・ A フルート(シングルフルート),総厚:5.0[mm]
・ B フルート(シングルフルート),総厚:3.0[mm]
・ AC フルート( ダブルフルート),総厚:9.0[mm]
実施例1~16及び比較例1~9において表ライナ及び裏ライナには、下記の手順A1~A2で作成されたライナ原紙を用いた。
・手順A1:下記三種類のパルプスラリーをマスターバッチとして作成した
>パルプスラリーx:パルプ繊維長が0.00[mm]以上であって0.50[
mm]未満と想定されるパルプスラリー
>パルプスラリーy:パルプ繊維長が0.50[mm]以上であって1.20[
mm]未満と想定されるパルプスラリー
>パルプスラリーz:パルプ繊維長が1.20[mm]以上と想定されるパルプ
スラリー
・手順A2:手順A1で作成した各パルプスラリーの混合比率の調整や坪量の調整を含
む処理により、所望の物性に調整したライナ原紙を得た
上記の手順A1においてマスターバッチは、下記の手順A10~A12で作成した。
・手順A10:下記三種のパルプα,β及びγにイオン交換水を加えて濃度2[質量%
]に調整した後、JIS P8220-1:2012に準拠して下記の
標準型離解機により20分間離解処理を実施した。
>パルプ α:針葉樹晒クラフトパルプ
>パルプ β:広葉樹晒クラフトパルプ
>パルプ γ:ダンボール古紙パルプ
>標準型離解機:品番No.2532,熊谷理機工業株式会社製
・手順A11:パルプα,β及びγを混合して、混合したパルプに対し下記の「32メ
ッシュワイヤー」を用いて、32メッシュワイヤーを通過したパルプス
ラリーxを回収した。パルプスラリーxのフリーネス(CSF)は40
0[ml]である。なお、CSFは、JIS-P8220に準拠して標
準離解機にて試料を離解処理した後、JIS-P8121に準拠してカ
ナダ標準濾水度試験機にて測定した濾水度の値である。
>32メッシュワイヤー:線形0.29[mm],目開き0.50[mm],空間率
40.4[%],株式会社奥谷金網製作所製
・手順A12:上記の手順A11で「32メッシュワイヤー」を通過しなかったパルプ
を回収して、回収したパルプに対し下記の「12メッシュワイヤー」を
用いて、12メッシュワイヤーを通過したパルプスラリーyを回収する
とともに、12メッシュワイヤーを通過しなかったパルプスラリーzを
回収した。パルプスラリーyのCSFは450[ml]であり、パ
ルプスラリーzのCSFは500[ml]である。
>12メッシュワイヤー:線形0.90[mm],目開き1.22[mm],空間率
33.2[%],株式会社奥谷金網製作所製
上記の手順A2において、各実施例1~16及び比較例1~9のライナ原紙は以下のように作成された。
・実施例1:パルプスラリーx,y,zを下記表1の混合比率で混合し、多層抄き抄紙
機を使用して抄紙を行って三層で構成される坪量100[g/m2]で紙
厚120[μm]のダンボール用ライナ原紙として、下記の抄紙条件で
作成された。また、密度0.83[g/m3]となるように適宜カレンダ
ー処理を実施した。
>抄紙条件:カチオン性の紙力増強剤を紙層の全パルプの合計100[質量部]に対し
て0.5[質量部]で含有する。なお、全てのカチオン性の紙力増強剤を
表層に含有させた。なお、ライナ原紙の三層のうち中層と裏層との抄紙条
件は上記の抄紙条件に限定されない。
・実施例2,13~16:ライナ原紙の坪量を160[g/m2],紙厚を180[μ
m],密度を0.89[g/m3]に変更した点を除き、実
施例1と同様に作成した。
・実施例3:ライナ原紙の坪量を280[g/m2],紙厚を310[μm],密度を
0.90[g/m3]に変更した点を除き、実施例1と同様に作成した。
・実施例4~12,比較例1~9:パルプスラリーx,y,zを下記表1の混合比率
で混合した点を除き、実施例2と同様に作成した。
実施例1~16の中芯には、下記の中芯原紙を用いた。
・実施例1:坪量100[g/m2],紙厚120[μm],密度0.83[g/cm3
]〔OND-EM100:王子マテリア株式会社製〕
・実施例2,4~12,15,16:坪量120[g/m2],紙厚135[μm],
密度0.89[g/cm3]〔OND-EM12
0:王子マテリア株式会社製,JIS規定の
MC級中芯原紙〕
・実施例3:坪量200[g/m2],紙厚220[μm],密度0.91[g/cm3
O]〔ND-EM200:王子マテリア株式会社製,JIS規定のMC
級中芯原紙〕
・実施例13:坪量120[g/m2],紙厚135[μm],密度0.89[g/
cm3]〔OPN-EM120:王子マテリア株式会社製,JIS規
定のMA級中芯原紙〕
・実施例14:坪量120[g/m2],紙厚135[μm],密度0.89[g/
cm3]〔OND-NB120:王子マテリア株式会社製,JIS
規定のMC級中芯原紙〕
・比較例1~9:坪量120[g/m2],紙厚135[μm],密度0.89[g/
cm3]〔OND-EM120:王子マテリア株式会社製,JIS規
定のMC級中芯原紙〕
各実施例1~16及び比較例1~9において測定ダンボール材をなす両面ダンボール1Wは以下の手順C1~C2で作成された。
・手順C1:中芯にライナを貼合するコルゲータ処理を1回実施して、片面ダンボール
が作成される。
・手順C2:片面ダンボールトにライナを貼合するコルゲータ処理を実施することで、
両面ダンボール(シングルフルート)が作成される。手順C1,C2を繰
り返し、両面ダンボールに更に片面ダンボールを貼合することで、マルチ
フルートの両面ダンボールが作成される。
なお、両面ダンボールを作成するための装置としては、中芯とライナ(表ライナ及び裏ライナの一方)を加熱加圧ロールで貼合して片面ダンボールを作成するシングルフェーサと、作成した片面ダンボールの中芯側にライナ(表ライナ及び裏ライナの他方)を積層して、加圧しながら熱盤上を走行させ貼合するダブルフェーサとを有する周知のコルゲータを用いることができる。
コルゲータにおける加熱加圧条件は特に限定されない。一例として、加熱加圧条件は、シングルフェーサにおいて加熱温度120~200[℃],線圧20~40[kN/m],加圧時間0.01~0.20[秒]であって、ダブルフェーサにおいて加熱温度120~200[℃],線圧0.1~1.0[kN/m],加圧時間2~7[秒]であることが好ましい。
Figure 0007107459000002
上記の実施例1~16及び比較例1~9のそれぞれについて、下記の表2に示すパルプ繊維長の情報が測定された。測定したパルプ繊維長の情報は、「小サイズ繊維の個数割合(第一割合範囲)」と、「中サイズ繊維の個数割合(第二割合範囲)」と、「大サイズ繊維の個数割合(第三割合範囲)」と、「長さ加重平均繊維長」との四種のパラメータである。なお、各種パラメータの測定値には、プラスマイナス10%程度の測定誤差が生じる可能性がある。
Figure 0007107459000003
「小サイズ繊維」は、パルプ繊維長が0.01[mm]以上であって0.50[mm]未満である短いサイズのパルプ繊維である。ここで、小サイズ繊維の下限値は、後述する繊維長測定機で測定し得る下限値に対応する。
「中サイズ繊維」は、パルプ繊維長が0.50[mm]以上であって1.20[mm]未満である中サイズのパルプ繊維である。
「大サイズ繊維」は、パルプ繊維長が1.20[mm]以上であって10.00[mm]未満である中サイズのパルプ繊維である。ここで、大サイズ繊維の上限値は、ライナ原紙に用い得るパルプ繊維のサイズの上限として一般的な値を設定している。すなわち、大サイズ繊維の上限値を超える大きなパルプ繊維はライナ原紙に用いられないのが一般的である。
各実施例1~16及び比較例1~9のライナにおけるパルプ繊維長は、ISO 16065-2:2007に準拠して測定した。
具体的には以下の手順D1~D5でライナのパルプ繊維を離解して、パルプ繊維長を測定した。
・手順D1:測定ダンボール材の下記切り出し位置から下記寸法で正方形の測定用サン
プルシートを切り出す
>寸法:縦方向40[cm]
横方向40[cm]
>切り出し位置:測定ダンボール材の任意の段における縦方向の端縁から中央側へ離
間した任意の位置(言い換えれば、幅方向の中央付近)
・手順D2:上記の手順D1で切り出した測定用サンプルシートをイオン交換水に15
分間浸漬し、その後、イオン交換水から取り出す。
・手順D3:上記の手順D2で取り出した測定用サンプルシートから、ライナ原紙(表
ライナ及び裏ライナ)のそれぞれを破れないよう手で剥がして、ライナ原紙
と中芯原紙とを分離する。
・手順D4:上記の手順D3で分離したライナ原紙をイオン交換水に浸して固形分濃度
2[質量%]に調整して、24[時間]浸漬する。
・手順D5:上記の手順D4でライナ原紙を24[時間]浸漬した後、ISP8220
-2:2012に準拠して下記の標準型離解機を用いて20分間離解処理
を行い、パルプを繊維状に離解する。
>標準型離解機:品番No.2532,熊谷理機工業株式会社製
上記の手順D5の後に未離解パルプが存在する場合は、再度上記の手順D5を実施して、パルプを繊維状に離解する。
なお、上記の手順D5において、処理対象のライナ原紙が樹脂層を有する場合には、樹脂層を有した形態のまま上記離解処理を行ってよい。ただし、樹脂層を除去し得る場合、樹脂層を除去した後に上記の離解処理を行うことが好ましい。また、処理対象のライナ原紙が合紙である場合は合紙を分離した後に上記の離解処理を行うことが好ましい。
・手順D6:上記の手順D5の離解処理で得られたパルプ繊維を用いて、下記の繊維長
測定機を用いて、上記の四種のパラメータを測定した。
>繊維長測定機:型式FS-5 UHDベースユニット付,バルメット社製
なお、上記の繊維長測定機は、付属のカメラを用いてパルプ繊維の1本1本を検出し、測定可能である。そのため、離解処理で得られたパルプ繊維を用いて、測定用サンプルシート(測定ダンボール材の一部)をなすライナ原紙に含まれる全パルプ繊維のうち、「小サイズ繊維の個数割合」と、「中サイズ繊維の個数割合」と、「大サイズ繊維の個数割合」と、全パルプ繊維における「長さ加重平均繊維長」との四種のパラメータを測定可能である。ここで、「個数割合」とは、全パルプ繊維の本数に対する所定サイズ(長さ)のパルプ繊維の本数の割合である。
測定ダンボール材の一部について測定した上記の四種のパラメータの数値は、測定ダンボール材(全体)をなすライナ原紙に含まれる全パルプ繊維に関する数値とみなすことができる。
――評価――
上記のようにして、「小サイズ繊維の個数割合」,「中サイズ繊維の個数割合」,「大サイズ繊維の個数割合」及び「長さ加重平均繊維長」が測定された実施例1~16及び比較例1~9について、罫割性を評価した。
「罫割性」とは、測定ダンボール材で連続するシートどうしを折り返した折目の箇所でのライナの破れにくさに対応する評価基準である。
罫割性は、下記の手順E1~E5に従う荷重試験で評価した。
・手順E1:測定ダンボール材の最上段に下記の鉄板を載せた
>鉄板:品番「SPHC900サイズ」,鉄板市場社,寸法900[mm]×110
0[mm]
図3は、上述した測定ダンボール材1Mの側面図であって、最上段に鉄板5を載せた状態を示す。図3に示すように、測定ダンボール材1Mには、横方向の一側の折目FAと他側の折目FBとのそれぞれが10[個]ずつ設けられている。鉄板5は、測定ダンボール材1Mに対して、縦方向及び横方向の中央に位置するように最上段の上側を向いた面に載置されている。
・手順E2:上記の手順E1の後、下記の温湿度条件で24[時間]静置した
>温湿度条件:温度23[℃],湿度50[%Rh]
・手順E3:上記の手順E2の後、鉄板を載置したまま、下記のビルトインチャンバーに下記の条件で24[時間]放置した
>ビルトインチャンバー:型式「TBR-3HW2P3AC」、エスペック株式会社
>条件:温度5[℃],Dry条件
・手順E4:上記の手順E3の後、下記の振動機を用いて下記の条件で測定ダンボール材に衝撃を加えた
>振動機:製品名「多軸振動試験装置」,品番「DS-3000-15L」,IMV
株式会社製
>加 振 力:30[kN]
>加振方法:ランダム波、
>周 波 数:100[Hz]
>試験時間:3[時間]
・手順E5:上記の手順E3及びE4の後、全ての折目FA及びFBの状態を目視で確
認した
上記の罫割性は、下記の基準で評価した。
・4:手順E4の後に何れの折目にもライナに破れが生じない
・3:手順E4の後に一[箇所]以上の折目でライナに破れAが生じた
・2:手順E4の後に一[箇所]以上の折目でライナに破れBが生じた
・1:手順E3の後に、一[箇所]以上の折目でライナに破れBが生じた
「破れA」は、ライナを構成する複数層のうち表層にのみ破れが生じ、中芯までは見えていない状態である。
「破れB」は、ライナが破れて中芯まで見えている状態である。
上記の基準で「3」以上を良好な評価とし、「2」以下を不良な評価とした。
実施例1~16では、小サイズ繊維の個数割合が40[%]以上であって55[%]以下であり、中サイズ繊維の個数割合が25[%]以上であって45[%]以下であり、大パルプ繊維の個数割合が5[%]以上であって25[%]以下であって、長さ加重平均繊維長が0.7[mm]以上であって1.2[mm]以下であり、罫割性で「3」以上の評価が得られた。
小サイズ繊維の個数割合が45[%]以上であって、大パルプ繊維の個数割合が10[%]以上である実施例1~3,6~8,10,11,13~16では、罫割性で「4」の評価が得られた。
一方、小サイズ繊維の個数割合が40[%]未満又は55[%]よりも大きいか、中サイズ繊維の個数割合が25[%]未満又は45[%]よりも大きいか、大パルプ繊維の個数割合が5[%]未満又は25[%]よりも大きいか、長さ加重平均繊維長が0.7[mm]未満又は1.2[mm]よりも大きい比較例1~9では、罫割性で「2」以下の評価が得られた。
比較例1~9に鑑みて実施例1~16からは、小サイズ繊維の個数割合が40[%]以上であって55[%]以下であり、中サイズ繊維の個数割合が25[%]以上であって45[%]以下であり、大パルプ繊維の個数割合が5[%]以上であって25[%]以下であって、長さ加重平均繊維長が0.7[mm]以上であって1.2[mm]以下であれば、測定ダンボール材の折目の箇所で罫割れが抑制されると言える。
実施例4,5,9,12に鑑みて、実施例1~3,6~8,10,11,13~16からは、更に、小サイズ繊維の個数割合が45[%]以上であって、大パルプ繊維の個数割合が10[%]以上であれば、折目の箇所で罫割れを防止できると言える。
比較例1~4からは、小パルプ繊維の個数割合の数値が40[%]未満である場合、小パルプ繊維の個数割合が少ないため緩衝効果が不十分になり、折目に破れ(罫割れ)が生じやすくなるものと推察される。
比較例5~7からは、小パルプ繊維の個数割合の数値が55[%]よりも大きい場合、相対的に中パルプ繊維及び大パルプ繊維の個数割合が減少するためライナの強度が不十分になり、罫割れが生じやすくなるものと推察される。
比較例8からは、大パルプ繊維の個数割合の数値が5[%]未満である場合、大パルプ繊維の個数割合が少ないためライナの強度が不十分になり、折目に破れ(罫割れ)が生じやすいものと推察される。
比較例3,4,7,9からは、大パルプ繊維の個数割合の数値が25[%]よりも大きい場合、相対的に中パルプ繊維及び小パルプ繊維の個数割合が減少するため緩衝効果が不十分になり、罫割れが生じやすいものと推察される。
比較例1,4,6~9からは、中パルプ繊維の個数割合の数値が25[%]未満であるか、又は、45[%]よりも大きい場合、小パルプ繊維及び大パルプ繊維の少なくとも一方の個数割合が過大又は過少となり、緩衝効果とライナの強度との少なくとも一方が不十分になるものと推察される。
比較例5,6からは、長さ加重平均繊維長が、0.7[mm]未満である又は1.2[mm]よりも大きい場合には、小サイズ繊維の個数割合と、中サイズ繊維の個数割合と、大サイズ繊維の個数割合との少なくとも何れか一つを満足しない傾向がある。
[III.変形例]
上述の実施形態はあくまでも例示に過ぎず、この実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせることもできる。
たとえば、ダンボール材には、中芯に対して片側にライナが設けられた片面ダンボールが用いられてもよい。
ダンボール材が製函システム用の資材である場合には、意図的に形成された切れ込みやミシン目などの追加加工が折目に施されていないことが好ましく、ダンボール材におけるライナの表層に設けられる罫線を起点(たとえば罫線を内側)に180[°]折り返される箇所が折目であることが好ましい。一方、ダンボール材が製函システム用以外の資材である場合には、切れ込みやミシン目などの加工が折目に施されていてもよい。
上述した蛇腹折りダンボール材の用途は、製函システムに適用される製函用資材としての用途に限らない。
蛇腹折りダンボール材には、従来の枚葉のダンボールシートと異なる、複数のシートが折目を介して連設された構造を活かした様々な活用方法がある。
例えば、蛇腹折りダンボール材は、シートを展開した状態で、延在する方向の寸法が大きいウェブ状の紙資材として扱うこともできる。
ウェブ状の紙資材として利用方法としては、例えば下記の用途を例に挙げることができる。
災害用品としての利用:窓に貼り付けることで、台風時の窓割れ対策に利用で
きるほか、避難所でのプライバシー保護やストレス軽
減用のパーテーションとしての利用や、緩衝材や冷え
対策用の敷物として利用可能である。
イベント行事での利用:イベントや学校行事の看板等の創作物に利用可能であ
る。
建築/引越資材としての利用:建築現場や引越し現場で一時的にドアや壁、扉などを
守る必要がある場合、対象物に貼り付けるタイプの保
護材(養生材)として活用可能である。対象物に巻き
付けるタイプの保護材(梱包資材)として利用するこ
ともできる。
何れの利用方法においても、複数のシートが折目を介して連設された構造であることで、作業効率向上や、延在する方向の寸法を確保できるという利点がある。
1 ダンボール材
1W 両面ダンボール
1M 測定ダンボール材
10 段目(波目)
2 シート
20 シート対
21 第一シート
22 第二シート
23 第三シート
F 折目
FA,FB 折目
L 補助線
L1 縦寸法
L2 横寸法
L3 高さ寸法

Claims (4)

  1. 中芯に対してライナを貼合した帯状に連続するダンボールを、前記ダンボールの面において前記ダンボールが帯状に延在する方向に対し交差する方向に延びた複数の折目で交互に折り返して積み重ねられた蛇腹折りダンボール材であって、
    ISO 16065-2:2007に準拠して測定された前記ライナに用いるライナ原紙のパルプ繊維の長さ加重平均繊維長が、0.7[mm]以上であって1.2[mm]以下であり、
    前記ライナの前記パルプ繊維のうち、ISO 16065-2:2007に準拠して測定されたパルプ繊維長が0.01[mm]以上であって0.50[mm]未満である小サイズ繊維の個数割合が40[%]以上であって55[%]以下であり、
    前記ライナの前記パルプ繊維のうち、ISO 16065-2:2007に準拠して測定されたパルプ繊維長が0.50[mm]以上であって1.20[mm]未満である中サイズ繊維の個数割合が25[%]以上であって45[%]以下であり、
    前記ライナの前記パルプ繊維のうち、ISO 16065-2:2007に準拠して測定されたパルプ繊維長が1.20[mm]以上であって10.00[mm]未満である大サイズ繊維の個数割合が5[%]以上であって25[%]以下である
    ことを特徴とする蛇腹折りダンボール材。
  2. 前記小サイズ繊維の個数割合が45[%]以上であり、
    前記大サイズ繊維の個数割合が10[%]以上である
    ことを特徴とする請求項1に記載の蛇腹折りダンボール材。
  3. 前記ライナの坪量が100[g/m2]以上であって280[g/m2]以下であり、
    前記中芯の坪量が100[g/m2]以上であって200[g/m2]以下であり、
    前記ダンボールがシングルフルート又はダブルフルートである
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の蛇腹折りダンボール材。
  4. 請求項1~3の何れか1項に記載の蛇腹折りダンボール材と、
    前記蛇腹折りダンボール材を用いて内容物を梱包するためのダンボール箱を組み立てるための製函機構と、を備えた
    ことを特徴とする自動包装システム。
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