JP7526343B1 - 緩衝材用紙および紙緩衝材 - Google Patents

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Abstract

【課題】緩衝性に優れる紙緩衝材が得られるとともに、折り曲げ加工性に優れ、ミシン目加工を施した形態で、十分な供給性を有する緩衝材用紙を提供することを目的とする。さらに、本発明は、前記緩衝材用紙から得られる、積層物および紙緩衝材を提供すること。【解決手段】原料パルプとして古紙パルプを含有する緩衝材用紙であって、原料パルプ中の古紙パルプの含有量が80質量%以上であり、坪量が50g/m2以上150g/m2以下であり、JIS P 8113:2006に準拠して測定される、縦方向の比引張強さと、横方向の比引張強さの相乗平均値が17.0Nm/g以上70.0Nm/g以下であり、緩衝材用紙の一方の面の表面電気抵抗および他方の面の表面電気抵抗が、いずれも8.00×1012Ω以下である、緩衝材用紙。【選択図】なし

Description

本発明は、緩衝材用紙および紙緩衝材に関する。
梱包用の段ボールケース等のケースの中に商品等の収容物を収納したときに生じるケースと収容物との隙間を埋め、また、輸送の際に生じる収容物に加わる振動・衝撃等を吸収するために、緩衝材が利用されている。
緩衝材として、エアーキャップ、エアークッション、発泡チップなどが使用されてきた。エアーキャップおよびエアークッションは、ポリエチレンなどの樹脂によって形成され、樹脂シートに多数の中空の突起が形成されたものである。発泡チップは、発泡性を有する樹脂により形成された、比較的小サイズの緩衝材であり、ケースと収容物との隙間を埋めるように詰めて使用する。
環境保護の観点から、上述したようなプラスチック製の緩衝材に代わり、紙製の緩衝材(紙緩衝材)が普及しつつある。
特許文献1は、従来緩衝材の利点、すなわち、安価に製造することができ、焼却処分時に有害ガスが発生しない等の点から廃棄処分が容易に行え、しかも、不定型であるので汎用性があるといった利点をそのまま有し、さらに、優れた緩衝効果を有する紙製緩衝材およびその製造方法を提供することを目的として、軸線方向に亘ってスリットが形成された中空ドラムの前記スリットから前記中空ドラム内に紙片を供給し、前記紙片の先端を前記中空ドラムの内面に引っ掛け、さらに前記紙片の供給を続けることによって、前記紙片を前記中空ドラム内においてジグザグに折り曲げ、次いで、前記中空ドラム内のジグザグに折り曲げられた前記紙片を、前記中空ドラム内をその軸線方向に沿って移動可能な圧縮板を移動させることによって、前記中空ドラムの端部側から圧縮して丸めることを特徴とする、紙製緩衝材の製造方法が開示されている。
特許第4331297号公報
特許文献1に記載の紙緩衝材の製造方法は、紙片から折り曲げられた紙緩衝材の製造方法について検討されているが、紙緩衝材に使用される緩衝材用紙自体について検討されていない。
本発明は、緩衝性に優れる紙緩衝材が得られるとともに、折り曲げ加工性に優れ、ミシン目加工を施した形態で、十分な供給性を有する緩衝材用紙を提供することを目的とする。さらに、本発明は、前記緩衝材用紙から得られる、積層物および紙緩衝材を提供することを目的とする。
なお、「供給性」とは、緩衝材用紙同士が重なって紙緩衝材作製機に供給されることを抑制できることを意味する。また、「折り曲げ加工性」とは、緩衝材用紙を、折り曲げることで折り目を形成して、紙緩衝材とする際の加工性を意味する。
本発明者らは、原料パルプとして古紙パルプを特定量含有する緩衝材用紙の坪量を特定の範囲内とし、縦方向の比引張強さと、横方向の比引張強さの相乗平均値、および、緩衝材用紙両面の表面電気抵抗を特定の値以下とすることにより、上記の課題が解決されることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の<1>~<8>に関する。
<1> 原料パルプとして古紙パルプを含有する緩衝材用紙であって、
原料パルプ中の古紙パルプの含有量が80質量%以上であり、
坪量が50g/m以上150g/m以下であり、
JIS P 8113:2006に準拠して測定される、縦方向の比引張強さと、横方向の比引張強さの相乗平均値が17.0Nm/g以上70.0Nm/g以下であり、
緩衝材用紙の一方の面の表面電気抵抗および他方の面の表面電気抵抗が、いずれも8.00×1012Ω以下である、緩衝材用紙。
<2> 水溶性樹脂および水懸濁性樹脂からなる群より選択される少なくとも1つを含有する表面層を両面に有する、<1>に記載の緩衝材用紙。
<3> 緩衝材用紙の一方の面の王研式平滑度および他方の面の王研式平滑度が、いずれも35秒以下である、<1>または<2>に記載の緩衝材用紙。
<4> 緩衝材用紙を構成するパルプ繊維の縦/横配向比が1.35以上1.95以下である、<1>~<3>のいずれか1つに記載の緩衝材用紙。
<5> 厚さが50μm以上250μm以下である、<1>~<4>のいずれか1つに記載の緩衝材用紙。
<6> 横方向に複数のミシン目部を有し、隣接するミシン目部同士の縦方向の距離が同一である、<1>~<5>のいずれか1つに記載の緩衝材用紙。
<7> <6>に記載の緩衝材用紙を、横方向に設けられた複数のミシン目部で交互に折り返して蛇腹状に積層してなる、積層物。
<8> <1>~<6>のいずれか1つに記載の緩衝材用紙または<7>に記載の積層物を構成する緩衝材用紙を折り曲げてなる、紙緩衝材。
本発明によれば、緩衝性に優れる紙緩衝材が得られるとともに、折り曲げ加工性に優れ、ミシン目加工を施した形態で、十分な供給性を有する緩衝材用紙が提供される。さらに、本発明によれば、前記緩衝材用紙から得られる、積層物および紙緩衝材が提供される。
本発明の一実施形態に係る、平行な複数のミシン目部を有する紙緩衝材用紙を示す図である。 本発明の一実施形態に係る積層物を示す図である。 実施例で使用した緩衝性を評価した装置を示す図である。 実施例で使用した折り曲げ加工性を評価した装置を示す図である。
[緩衝材用紙]
本実施形態の緩衝材用紙は、原料パルプとして古紙パルプを含有し、原料パルプ中の古紙パルプの含有量が80質量%以上であり、坪量が50g/m以上150g/m以下であり、JIS P 8113:2006に準拠して測定される、縦方向の比引張強さと、横方向の比引張強さの相乗平均値が17.0Nm/g以上70.0Nm/g以下であり、緩衝材用紙の一方の面の表面電気抵抗および他方の面の表面電気抵抗が、いずれも8.00×1012Ω以下である。
本実施形態によれば、緩衝性に優れる紙緩衝材が得られるとともに、折り曲げ加工性に優れ、ミシン目加工を施した形態で、十分な供給性を有する緩衝材用紙が提供される。なお、緩衝材用紙が十分な供給性を有することで、積層物を用いて緩衝材作製機に、用紙が重ならないように連続して供給することができ、緩衝材作製機の負荷を低減することができる。
上記の効果が得られる理由としては、緩衝材用紙が、原料パルプとして古紙パルプを含有し、原料パルプ中の古紙パルプの含有量が80質量%以上であり、坪量が50g/m以上150g/m以下であり、かつ、縦方向の比引張強さと、横方向の比引張強さの相乗平均値が17.0Nm/g以上70.0Nm/g以下であることにより、緩衝性に優れ、折り曲げ加工性に優れた緩衝材用紙が得られたと考えられる。また、緩衝材用紙の一方の面の表面電気抵抗および他方の面の表面電気抵抗が、いずれも8.00×1012Ω以下であることにより、ミシン目加工を施した形態で、紙緩衝材作製機に供給される際に緩衝材用紙が重なって供給されることを抑制できると考えられる。
また、本実施形態の緩衝材用紙は、緩衝材用紙の縦方向の比引張強さと、横方向の比引張強さの相乗平均値が17.0Nm/g以上70.0Nm/g以下であることにより、ミシン目加工を施した形態で積層性が良好である。「積層性」とは、積層物を構成する際に、緩衝材用紙同士の水平方向の位置のズレを抑制できることを意味する。積層性が良好であることで、緩衝材用紙を蛇腹折して得られた積層物を保管や搬送する際に、間隔を空けずに箱詰めすることができる。
なお、上記の効果が得られる理由は、これに限定されるものではない。
また、本実施形態の緩衝材用紙によれば、従来のプラスチックから形成された緩衝材に比べ、パルプを主体とする紙により形成されており、環境負荷が低減される。
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。
本明細書中、「X~Y」で表される数値範囲は、Xを下限値、Yを上限値として含む数値範囲を意味する。数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限および下限は任意に組み合わせることができる。
また、緩衝材用紙の縦方向とは、抄紙方向(MD)を意味し、また、横方向とは、抄紙方向と直交する方向(CD)を意味する。
なお、紙緩衝材の一方の面と他方の面とを、便宜上、「表」と「裏」で示すこともある。
本実施形態の緩衝材用紙は、紙基材を含み、紙基材は、原料としてパルプを含む。パルプの製法および種類は、特に限定されない。
なお、本実施形態の緩衝材用紙は、少なくとも紙基材を含み、これに、樹脂層等の塗工層や、ラミネート層等を有するものであってもよいが、紙基材のみからなることが好ましい。なお、後述する水溶性樹脂および水懸濁性樹脂からなる群より選択される少なくとも1つを含有する表面層は、紙基材の表面処理である。また、紙基材は、単層構成であっても、多層構成であってもよい。多層紙である場合、紙層の層数は、特に制限されないが、例えば、好ましくは2層以上7層以下、より好ましくは2層以上6層以下である。
<原料パルプ>
本実施形態において、紙基材を構成するパルプとしては、環境負荷低減の観点から、天然パルプ繊維が好ましく、天然パルプ繊維としては、木材繊維(化学パルプ、機械パルプ)、非木材繊維、古紙パルプなどが必要に応じて任意に使用される。木材繊維のうち化学パルプとしては、木材チップ蒸解時に苛性ソーダと硫化ナトリウムを使用するクラフトパルプや、亜硫酸と亜硫酸水素塩を使用する亜硫酸パルプなどが挙げられる。これらのパルプは未晒品でも、漂白処理を施したもの(晒品)でもよい。また、機械パルプとしては、丸太をグラインダーで磨砕して得られるグラウンドウッドパルプ(GP)、製材工場の廃材をリファイナーで磨砕(リファイニング)して得られるリファイナーグラウンドウッドパルプ(RGP)、木材チップを加熱、リファイニング処理して得られるサーモメカニカルパルプ(TMP)などが挙げられる。
これらの中でも、古紙パルプ、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)および広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)が好ましく使用される。
また、こうした木材繊維パルプのうち、針葉樹パルプの原料となる針葉樹としては、マツ、カラマツ、スギ、モミ、ヒノキ等が例示される。また、広葉樹パルプの原料となる広葉樹としては、ユーカリ、アカシア、カバ、ブナ、カエデ、ニレ、クリ等が例示される。
また、本実施形態で使用できる非木材繊維としては、コウゾ、ミツマタ、ガンピ、アマ、タイマ、ケナフ、チョマ、ジュート、サンヘンプなどの靱皮繊維類や、木綿、コットンリンターなどの種毛繊維類や、マニラ麻、サイザル麻、エスパルトなどの葉繊維類や、竹、イネワラ、ムギワラ、サトウキビバガスなどの茎繊維類などが挙げられる。特にコウゾ、ミツマタ、ケナフ、マニラ麻、サイザル麻、木綿、コットンリンターなどは、繊維長も長く、本実施形態の緩衝材用紙の強度を向上させることができるため好適に用いられる。非木材繊維の蒸解は、木材繊維と同様の方法で行うことができる。
本実施形態で使用できる古紙パルプとしては、段ボール古紙、雑誌古紙などが挙げられる。
これらのパルプ繊維は単独で、あるいは2種類以上を併用して使用することができる。また、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて合成樹脂繊維を混合することができる。使用できる合成樹脂繊維としては、例えば、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリ乳酸繊維などが挙げられる。
本実施形態では、後述する所望の比引張強さを得る観点、安価に緩衝材用紙を製造する観点から、原料パルプが少なくとも古紙パルプを含有し、古紙パルプに加えて、針葉樹パルプおよび/または広葉樹パルプを含有してもよい。
後述する所望の比引張強さを得る観点、および安価に緩衝材用紙を製造する観点から、原料パルプ中の古紙パルプの含有量は、好ましくは80質量%以上100質量%以下、より好ましくは85質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、よりさらに好ましくは95質量%以上である。
<任意成分>
紙基材は、必要に応じて、例えば、アニオン性、カチオン性、非イオン性もしくは両性の歩留剤、濾水性向上剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、填料、定着剤(硫酸バンド)、サイズ剤等の内添助剤、染料、蛍光増白剤等の任意成分を含んでいてもよく、乾燥紙力増強剤を含むことが好ましい。
乾燥紙力増強剤としては、カチオン化澱粉、ポリアクリルアミド、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。これらの中でも、後述する所望の比引張強さと引張強さを得る観点から、ポリアクリルアミド系の乾燥紙力増強剤が好ましい。
本実施形態の緩衝材用紙が乾燥紙力増強剤を含有する場合、乾燥紙力増強剤の含有量は、原料パルプ100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上3質量部以下、より好ましくは0.3質量部以上、さらに好ましくは0.5質量部以上であり、そして、より好ましくは2.0質量部以下、さらに好ましくは1.2質量部以下、よりさらに好ましくは1.0質量部以下である。
湿潤紙力増強剤としては、ポリアミドポリアミンエピクロロヒドリン、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。
填料としては、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、ホワイトカーボン、ベントナイト、ゼオライト、セリサイト、スメクタイト等の無機填料、アクリル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂等の有機填料が挙げられる。
本実施形態の緩衝材用紙が湿潤紙力増強剤を含有する場合、湿潤紙力増強剤の含有量は、原料パルプ100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上3質量部以下、より好ましくは0.05質量部以上、さらに好ましくは0.1質量部以上であり、そして、より好ましくは1.5質量部以下、さらに好ましくは0.5質量部以下である。
なお、本実施形態の緩衝材用紙は、湿潤紙力増強剤を含有しないことが好ましい。
サイズ剤としては、ロジンサイズ剤、合成サイズ剤、石油樹脂系サイズ剤等の内添サイズ剤、スチレン/アクリル酸共重合体、スチレン/メタクリル酸共重合体等の表面サイズ剤が挙げられる。
本実施形態の緩衝材用紙がサイズ剤を含有する場合、サイズ剤の含有量は、原料パルプ100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上3質量部以下、より好ましくは0.05質量部以上、さらに好ましくは0.1質量部以上であり、そして、より好ましくは1.5質量部以下、さらに好ましくは0.5質量部以下である。
なお、本実施形態の緩衝材用紙は、サイズ剤を含有しないことが好ましい。
本実施形態の緩衝材用紙が定着剤を含有する場合、定着剤の含有量は、原料パルプ100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上5質量部以下、より好ましくは0.1質量部以上、さらに好ましくは0.5質量部以上であり、そして、より好ましくは3質量部以下、さらに好ましくは1.5質量部以下である。
<表面層>
本実施形態の緩衝材用紙は、後述する所望の表面電気抵抗を得る観点から、水溶性樹脂および水懸濁性樹脂からなる群より選択される少なくとも1つを含有する表面層を有することが好ましく、水溶性樹脂を含有する表面層を有することが好ましい。
前記水溶性樹脂としては、酸化澱粉、カチオン化澱粉等の変性澱粉、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等が例示される。また、前記水懸濁性樹脂としては、澱粉等が挙げられる。なお、澱粉を用いる場合は、酵素変性、熱化学変性等の自家変性を行ってもよい。
前記表面層は、水溶性樹脂および水懸濁性樹脂化なる群より選択される少なくとも1つを有する表面層用液を、紙基材の表面に付与することによって形成してもよい。
前記表面層の付与量(固形分)は、好ましくは0.1g/m以上3.5g/m以下であり、より好ましくは0.3g/m以上、さらに好ましくは0.5g/m以上であり、そして、より好ましくは2.5g/m以下、さらに好ましくは1.5g/m以下である。なお、表面層は、片面のみに付与してもよいが、両面に付与することが好ましい。両面に付与する場合には、上記の好ましい付与量は、両面での好ましい付与量である。
なお、紙基材の一方の面の付与量と他方の面の付与量の比(一方の面の付与量/他方の面の付与量)は、好ましくは0.8/1.0~1.2/1.0、より好ましくは0.9/1.0~1.1/1.0である。
<緩衝材用紙の製造方法>
緩衝材用紙の製造方法は、上記の原料パルプを含むスラリーを抄紙して緩衝材用紙を得る工程を含むことが好ましい。
抄紙方法については、特に限定されず、例えばpHが4.5付近で抄紙を行う酸性抄紙法、pHが約6~約9で抄紙を行う中性抄紙法等が挙げられる。
抄紙工程では、必要に応じて、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙工程用薬剤を適宜添加できる。
抄紙機についても、特に限定されず、例えば長網式、円網式、傾斜式等の連続抄紙機、またはこれらを組み合わせた多層抄き合わせ抄紙機等が挙げられる。
本実施形態において、抄紙工程において、ワイヤー上に噴出される紙料の流れ速度(J)と、抄紙ワイヤー走行速度(W)との比である、ジェット/ワイヤー比(J/W比)は、後述する縦方向の比引張強度と横方向の比引張強度との比(縦方向の比引張強度/横方向の比引張強度)および緩衝材用紙を構成するパルプ繊維の縦/横配向比を所望の範囲とする観点から、適宜調整すればよい。
また、抄紙後、少なくとも一方の面上に、水溶性樹脂および水懸濁性樹脂からなる群より選択される少なくとも1つ含有する塗工液を塗布する塗布工程を含むことが好ましい。上記塗布工程により、表面層が形成される。塗布装置としては、サイズプレス機等を用いることができる。
上記抄紙工程、必要に応じて上記塗布工程を経て得られた緩衝材用紙にミシン目加工を施してミシン目部を形成することが好ましい。ミシン目加工工程は、例えば、上市されているミシン目加工機を用いて常法により行うことができる。上市されているミシン目加工機としては、例えば、ビジネスフォーム輪転印刷機(ミヤコシ社製MVF-18B)、自動ミシン機(ホリゾン・ジャパン社製VP-66A))、板紙罫入れ装置(日本T.M.C.社製、E-888)が挙げられる。
<緩衝材用紙の特性>
(坪量)
緩衝材用紙の坪量は、緩衝性および紙緩衝材とする際の折り曲げ加工性の観点から、50g/m以上150g/m以下である。緩衝材用紙の坪量は、緩衝性の観点から、好ましくは55g/m以上、より好ましくは65g/m以上、さらに好ましくは70g/m以上であり、そして、積層性および紙緩衝材とする際の折り曲げ加工性の観点から、好ましくは135g/m以下、より好ましくは110g/m以下、さらに好ましくは90g/m以下である。
緩衝材用紙の坪量は、JIS P 8124:2011に準拠して測定される。具体的には、実施例に記載の方法により測定される。
(厚さ)
緩衝材用紙の厚さは、緩衝性および紙緩衝材とする際の折り曲げ加工性の観点から、好ましくは50μm以上250μm以下であり、緩衝性の観点から、より好ましくは75μm以上、さらに好ましくは90μm以上、よりさらに好ましくは105μm以上、一層好ましくは120μm以上であり、そして、紙緩衝材とする際の折り曲げ加工性の観点から、より好ましくは220μm以下、さらに好ましくは190μm以下、よりさらに好ましくは160μm以下である。
緩衝材用紙の厚さは、JIS P 8118:2014に準拠して測定され、具体的には、実施例に記載の方法により測定される。
(密度)
本実施形態の緩衝材用紙の密度は、緩衝性および紙緩衝材とする際の折り曲げ加工性の観点から、好ましくは0.40g/cm以上0.90g/cm以下である。一般に、同じ坪量であれば、密度が低い方が、緩衝性に優れる紙緩衝材が得られる。
緩衝材用紙の密度は、より好ましくは0.45g/cm以上、さらに好ましくは0.50g/cm以上であり、そして、より好ましくは0.80g/cm以下、さらに好ましくは0.75g/cm以下、よりさらに好ましくは0.70g/cm以下、一層好ましくは0.65g/cm以下である。
緩衝材用紙の密度は、抄紙工程やキャレンダー処理におけるプレス圧を調整することにより、適宜調整することができる。
また、緩衝材用紙の密度は、緩衝材用紙の厚さおよび坪量から算出される。
(比引張強さ)
本実施形態の緩衝材用紙は、JIS P 8113:2006に準拠して測定される、縦方向の比引張強さと、横方向の比引張強さとの相乗平均値が17.0Nm/g以上70.0Nm/g以下である。前記相乗平均値が17.0Nm/g以上であると、緩衝性に優れるので好ましい。前記相乗平均値が70.0Nm/g以下であると、紙緩衝材とする際の折り曲げ加工性に優れるので好ましい。
また、前記相乗平均値は、緩衝性の観点から、好ましくは20.0Nm/g以上、より好ましくは23.0Nm/g以上、さらに好ましくは26.0Nm/g以上であり、積層性および紙緩衝材とする際の折り曲げ加工性の観点から、好ましくは60.0Nm/g以下、より好ましくは48.0Nm/g以下、さらに好ましくは40.0Nm/g以下、よりさらに好ましくは32.0Nm/g以下である。
なお、ミシン目部を有する緩衝材用紙は、ミシン目部を含まない縦方向の比引張強さと、ミシン目部を含まない横方向の比引張強さが前記範囲にある。
緩衝材用紙の、縦方向の引張強さと、横方向の引張強さは、JIS P 8113:2006に準拠して測定し、縦方向の引張強さを坪量で除した値(縦方向の比引張強さ)と、横方向の引張強さを坪量で除した値(横方向の比引張強さ)の相乗平均を算出する。具体的には、実施例に記載の方法により測定および算出される。
前記比引張強さは、原料パルプの種類、配合比、紙力剤(乾燥紙力増強剤)の配合量、緩衝材用紙の密度等により、所望の範囲に調整することができる。紙力剤の配合量を増やすと、比引張強さが高くなる傾向がある。また、古紙パルプ、NUKPおよびLUKPを使用する場合、NUKPの比率を増やすと、比引張強さが高くなる傾向がある。
縦方向の引張強さと、横方向の引張強さとの比(縦方向の引張強さ/横方向の引張強さ)(以下、比引張強さの縦横比ともいう)は、好ましくは1.0以上5.5以下である。比引張強さの縦横比が1.0以上であると、折り曲げ加工性に優れるので好ましい。また、比引張強さの縦横比が5.5以下であると、緩衝性に優れるので好ましい。
比引張強さの縦横比は、より好ましくは1.3以上、さらに好ましくは1.6以上であり、そして、より好ましくは4.0以下、さらに好ましくは3.3以下である。
なお、ミシン目部を有する緩衝材用紙は、「ミシン目部を含まない縦方向の引張強さ/ミシン目部を含まない横方向の引張強さ」が前記範囲にある。
比引張強さの縦横比は、抄紙工程におけるJ/W比を調整することで、適宜調整することができる。
(王研式平滑度)
本実施形態の緩衝材用紙は、供給性の観点から、一方の面の王研式平滑度および他方の面の王研式平滑度が、いずれも好ましくは35秒以下であり、より好ましくは25秒以下、さらに好ましくは20秒以下、よりさらに好ましくは15秒以下であり、下限は特に制限されないが、例えば、1秒以上である。緩衝材用紙の王研式平滑度は、JIS P 8155:2010に準拠して測定され、具体的には実施例に記載の方法で測定される。
緩衝材用紙の王研式平滑度は、キャレンダー処理工程での圧力、クルパック処理の条件等によって制御することができる。例えば、キャレンダー処理工程での圧力を高めると、平滑性が向上する(王研式平滑度が高くなる)傾向にある。また、クルパック処理装置の入側の製造スピードと出側の製造スピードの差を大きくすると、王研式平滑度が低下する傾向にある。
(表面電気抵抗)
本実施形態の緩衝材用紙は、供給性の観点から、一方の面の表面電気抵抗および他方の面の表面電気抵抗が、いずれも8.00×1012Ω以下であり、好ましくは6.00×1012Ω以下、より好ましくは4.00×1012Ω以下、さらに好ましくは2.50×1012Ω以下であり、下限は特に制限されないが、例えば、1.00×1011Ω以上である。緩衝材用紙の表面電気抵抗は、JIS K 6911:2006に準拠して測定され、具体的には実施例に記載の方法で測定される。
緩衝材用紙の表面電気抵抗は、紙の水分量、紙の厚さ、表面層の塗工量の条件等によって制御することができる。例えば、表面層の塗工量を多くすると、表面電気抵抗が低下する傾向にある。また、抄紙時のドライヤー負荷を低減することにより紙の水分量を多くすると、表面電気抵抗が低下する傾向にある。
(パルプ繊維の縦/横配向比)
本実施形態の緩衝材用紙は、パルプ繊維の縦/横配向比が、好ましくは1.35以上1.95以下であり、より好ましくは1.40以上、さらに好ましくは1.45以上、よりさらに好ましくは1.50以上、一層好ましくは1.55以上であり、そして、より好ましくは1.85以下、さらに好ましくは1.70以下、よりさらに好ましくは1.65以下である。パルプ繊維の縦/横配向比は、供給性および折り曲げ加工性の観点から前記下限以上であることが好ましく、積層性および緩衝性の観点から、上記上限以下であることが好ましい。
なお、緩衝材用紙の繊維の縦/横配向比は、実施例に記載の方法で測定される。
繊維配向比は、抄紙工程におけるJ/W比を調整することで、適宜調整することができる。
(ミシン目部の間隔)
本実施形態の緩衝材用紙(図1の符号10)は、横方向に複数のミシン目部(図1の符号1)を有し、隣接するミシン目部同士の縦方向の距離が同一であることが、積層物とする観点から好ましい。複数のミシン目部は、積層性の観点から、平行であることが好ましい。
「隣接するミシン目部同士の縦方向の距離が同一」とは、隣接するミシン目部間の距離のうちの最大値と最小値との差が最大値の10%以下であることを意味し、好ましくは5%以下、より好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下である。例えば、図1に示す緩衝材用紙において、互いに隣接するミシン目部間の距離のうちの最大値が200mm、最小値が180mmである場合、隣接するミシン目部同士の縦方向の距離が同一である。
また、「複数のミシン目部が平行である」とは、2本のミシン目部がなす角度がすべて5度以下であることを意味し、好ましくは3度以下、より好ましくは1度以下である。
ミシン目部の間隔は、積層物のサイズ、緩衝材作製機に供給できる緩衝材用紙のサイズや緩衝材の形状等に応じて適宜選択することができる。ミシン目部の間隔は、例えば、100mm以上500mm以下である。
(タイ部の長さ)
ミシン目部のタイ部の長さ(各繋ぎ部分の長さ)は、積層性および供給性の観点から、好ましくは0.5mm以上3.0mm以下であり、より好ましくは0.8mm以上、さらに好ましくは1.2mm以上であり、そして、より好ましくは2.4mm以下、さらに好ましくは1.8mm以下である。
(カット部の長さ)
ミシン目部のカット部の長さ(各切り込み線部分(図1符号1の各実線部分)の長さ)は、積層性および供給性の観点から、好ましくは0.5mm以上3.0mm以下であり、より好ましくは0.8mm以上、さらに好ましくは1.2mm以上であり、そして、より好ましくは2.4mm以下、さらに好ましくは1.8mm以下である。
(タイカット比)
ミシン目部のタイカット比(タイ部の長さ/カット部の長さ)は、積層性および供給性の観点から、好ましくは0.2以上3.0以下であり、より好ましくは0.5以上、さらに好ましくは0.8以上であり、そして、より好ましくは2.4以下、さらに好ましくは1.8以下、よりさらに好ましくは1.2以下である。
[積層物]
保管や搬送、緩衝材作製機に用紙を連続して供給する等の実用上の観点から、本実施形態のミシン目部を有する緩衝材用紙を、横方向に設けられた複数のミシン目部で交互に折り返して蛇腹状に積層して積層物(図2)とすることが好ましい。
図2に示すように、積層物20は、緩衝材用紙10を、ミシン目部1で交互に折り返して、蛇腹状に積層したものである。ミシン目部は、緩衝材用紙のCD方向に設けることが好ましい。
なお、積層枚数(ミシン目部の数+1)は、例えば、30以上1000以下とすることができる。
[紙緩衝材]
本実施形態の紙緩衝材は、本実施形態の緩衝材用紙または本実施形態の積層物を構成する緩衝材用紙を折り曲げてなる。折り曲げ加工は、緩衝材用紙のMD方向に沿って(CD方向に垂直に)、折り目が入るように行うことが好ましい。
また、その他の態様として、緩衝材用紙に凹凸加工を施して紙緩衝材としてもよく、また、これをさらに折り曲げて紙緩衝材としてもよい。なお、凹凸加工を施す場合、緩衝材用紙にクルパック処理(抄紙機上で縦方向に紙を微細に収縮する処理)等を施すことで、伸長性能を向上しておくことが好ましい。
緩衝材用紙の折り曲げは、人の手で行ってもよく、緩衝材作製機により手動または電動により行ってもよく、特に限定されない。なお、電動の緩衝材作製機により緩衝材用紙を折り曲げて、紙緩衝材を作製する場合であっても、折り曲げ加工性に劣る緩衝材用紙を使用した場合には、機械への負荷が高くなったり、緩衝材用紙が詰まる、破れる等の不具合を生じる傾向がある。
上市されている緩衝材作製機としては、例えば、Nuevopak社製X-FILLシリーズ、Nuevopak社製X-PADシリーズ、Ranpak社製Padpakシリーズ、Ranpak社製FillPakシリーズ、Storopack社製PAPERplusシリーズ、Sealed Air社製ProPadシリーズ、Sealed Air社製FasFillシリーズ等が例示される。
なお、緩衝材用紙の形状は、上述の積層物の他に、ロール状であってもよく、枚葉状であってもよい。
本実施形態の紙緩衝材は、梱包用の段ボールケース等のケースと、商品等の収容物との隙間を埋めるために使用されることが好ましく、これにより、輸送の際に生じる収容物に加わる振動・衝撃等を吸収するために、使用されることが好ましい。
以下に実施例と比較例とを挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
[評価および分析]
実施例および比較例の緩衝材用紙および紙緩衝材について、以下の評価および分析を行った。なお、以下の評価および分析において、坪量、厚さ、密度、比引張強さ、王研式平滑度、表面電気抵抗、繊維配向比、折り曲げ加工性および緩衝性はミシン目加工を施す前の緩衝材用紙で測定してもよく、ミシン目加工を施した後の緩衝材用紙にて測定してもよい。ミシン目加工により、測定結果に差異はない。
〔緩衝材用紙〕
<坪量>
緩衝材用紙(ミシン目部無し)を、長さ140,000mm幅380mmに断裁し、MD方向280mm間隔でCD方向にミシン目を入れて緩衝材用紙(ミシン目部有り)を得た。ミシン目加工は、後述の<積層性>と同様にして行った。
JIS P 8111:1998に規定された調湿環境下にて、緩衝材用紙を24時間調湿した。
JIS P 8124:2011に準拠して、調湿後の緩衝材用紙の坪量を測定した。
<厚さ>
緩衝材用紙(ミシン目部無し)を、長さ140,000mm幅380mmに断裁し、MD方向280mm間隔でCD方向にミシン目を入れて緩衝材用紙(ミシン目部有り)を得た。ミシン目加工は、後述の<積層性>と同様にして行った。
JIS P 8111:1998に規定された調湿環境下にて、緩衝材用紙を24時間調湿した。
JIS P 8118:2014に準拠して、調湿後の緩衝材用紙の厚さを測定した。
<密度>
測定した坪量と厚さから、坪量(g/m)÷厚さ(μm)の式で密度を算出した。
<比引張強さ>
緩衝材用紙(ミシン目部無し)を、長さ140,000mm幅380mmに断裁し、MD方向280mm間隔で、CD方向にミシン目を入れて緩衝材用紙(ミシン目部有り)を得た。ミシン目加工は、後述の<積層性>と同様にして行った。無作為に選択した隣接する2つのミシン目で緩衝材用紙(ミシン目部有り)を切り離し、ミシン目を有しない紙を試験紙とした。試験紙は5つ作製した。
JIS P 8111:1998に規定された調湿環境下にて、試験紙を24時間調湿した後、JIS P 8113:2006に準拠して、調湿後の試験紙の引張強さを測定した。なお、MD方向およびCD方向の引張強さを測定した。
試験は横型引張試験機(Lorentzen&Wattre社製、CODE SE-064)を用いて行い、得られた引張強さ(5つの試験片の引張強さの平均値)を坪量で割ることで比引張強さを算出した。
<王研式平滑度>
緩衝材用紙(ミシン目部無し)を、長さ140,000mm幅380mmに断裁し、MD方向280mm間隔で、CD方向にミシン目を入れて緩衝材用紙(ミシン目部有り)を得た。ミシン目加工は、後述の<積層性>と同様にして行った。無作為に選択した隣接する2つのミシン目で緩衝材用紙(ミシン目部有り)を切り離し、ミシン目を有しない紙を試験紙とした。試験紙は5つ作製した。
JIS P 8111:1998に規定された調湿環境下にて、試験紙を24時間調湿した。
JIS P 8155:2010に準拠して、調湿後の5つの試験片の表面および裏面について、王研式平滑度を測定して、平均値を算出して王研式平滑度の値とした。
<表面電気抵抗>
緩衝材用紙(ミシン目部無し)を、長さ140,000mm幅380mmに断裁し、MD方向280mm間隔で、CD方向にミシン目を入れて緩衝材用紙(ミシン目部有り)を得た。ミシン目加工は、後述の<積層性>と同様にして行った。無作為に選択した隣接する2つのミシン目で緩衝材用紙(ミシン目部有り)を切り離し、ミシン目を有しない紙を試験紙とした。試験紙は5つ作製した。
JIS P 8111:1998に規定された調湿環境下にて、試験紙を24時間調湿した。
JIS K 6911:2006に準拠して、調湿後の5つの試験紙の表面および裏面について、表面電気抵抗を測定して、平均値を算出して表面電気抵抗とした。
<繊維配向比>
<表面電気抵抗>と同様にして、24時間調湿した5つの試験紙を得た。
調湿後の各試験紙の繊維配向比は、野村商事社製のSONIC SHEET TESTER(SST)を用いて、緩衝材用紙の縦方向の超音波伝播速度(Vmd)と、横方向の超音波伝播速度(Vcd)とを測定し、その比(Vmd/Vcd)を算出し、5つの試験紙の前記比の平均値を繊維配向比とした。
<積層性>
緩衝材用紙(ミシン目部無し)を長さ140,000mm幅380mmに断裁し、MD方向280mm間隔でCD方向にミシン目を入れて緩衝材用紙(ミシン目部有り)を得た。緩衝材用紙(ミシン目部有り)を蛇腹折りにして積層物を得た。ミシン目加工と蛇腹折り加工は、ビジネスフォーム輪転印刷機(ミヤコシ社製MVF-18B)を用いて行った。ミシン目加工で使用したミシン刃は、タイ長さ1.5mm、カット長さ1.5mmであり、線圧は9.5N/mmとした。折り部の状態と積層物を構成する緩衝材用紙のズレを観察し、下の基準で評価した。評価がA~Cであれば、実用上問題はない。
なお、ズレは、最上と最下の紙の辺の位置の最大の差を示す。
「ズレ」について、図1に示す緩衝材用紙を例に取って補足説明する。図1に示す緩衝材用紙は、幅380mm、MD方向280mm間隔でCD方向にミシン目を入れた緩衝材用紙である。図1に示す緩衝材用紙(ミシン目部の数は例えば35)を用いて積層物を作製したことを想定したとき、「ズレ」は、測定点3aと3cのMD方向の距離および測定点3bと3dのMD方向の距離のうち大きい方である。

A:非ミシン目部での折りが見られず、ズレが5mm未満
B:非ミシン目部での折りが見られず、ズレが5mm以上10mm未満
C:非ミシン目部での折りが見られず、ズレが10mm以上15mm未満
D:非ミシン目部での折りが見られる、または、非ミシン目部での折りが見られず、ズレが15mm以上
<供給性>
緩衝材用紙(ミシン目部無し)を長さ140,000mm幅380mmに断裁し、MD方向280mm間隔でCD方向にミシン目を入れて緩衝材用紙(ミシン目部有り)を得た。緩衝材用紙(ミシン目部有り)を蛇腹折りにして積層物を得た。ミシン目加工と蛇腹折り加工は、ビジネスフォーム輪転印刷機(ミヤコシ社製MVF-18B)を用いて行った。ミシン目加工で使用したミシン刃は、タイ長さ1.5mm、カット長さ1.5mmであり、線圧は9.5N/mmとした。得られた積層物を緩衝材自動製造機(NUEVOPAK社製、X-FILLTM Aタイプ)に設置し、速度100m/minで繰り出すことで緩衝材用紙の長さ140,000mm分の緩衝材を作製した。
得られた緩衝材のうち、「緩衝材全体の長さ」に対する、「積層物を構成する緩衝材用紙がミシン目単位で連結して製造機に入って緩衝材となった部分の長さ」の割合(「X(%)」)を算出し、下記の基準で評価した。評価がA~Cであれば、実用上問題はない。なお、X(%)は、緩衝材用紙が連結して製造機に入って緩衝材となった箇所の数を測定し、以下の式により算出した。

X(%)=100×A/B

A:積層物を構成する緩衝材用紙が連結して製造機に入って緩衝材となった箇所の数×隣接するミシン目部間の距離(280mm)
B:緩衝材用紙全体の長さ(140,000mm)
なお、「積層物を構成する緩衝材用紙が連結して製造機に入って緩衝材となった箇所の数」は、積層物を構成する緩衝材用紙が2枚重なっているときは1と数え、3枚重なっているときは2と数えるように、n枚重なっているときはn―1枚と数える。

A:連結の割合が0.3%未満
B:連結の割合が0.3%以上0.7%未満
C:連結の割合が0.7%以上1.1%未満
D:連結の割合が1.1%以上
<折り曲げ加工性>
折り曲げ加工性は、緩衝材製造機の折り曲げ加工工程における走行、繰り出し安定性である。実施例では、実用の製造を模して、ラボ機にて下記の方法によって評価を行った。
緩衝材用紙(ミシン目部無し)を長さ140,000mm幅380mmに断裁し、MD方向280mm間隔でCD方向にミシン目を入れて緩衝材用紙(ミシン目部有り)を得た。緩衝材用紙(ミシン目部有り)を蛇腹折りにして積層物を得た。この積層物を、MD方向の先端部(5cm程度)を幅方向に3cm間隔で交互に折り返し、ハリセン状にしたものを紙緩衝材手動製造機(NUEVOPAK社製、 X-FILLTM MMタイプ)の折り曲げ加工部に通した。
次に紙緩衝材手動製造機を図3のようにテンシロン万能材料試験機(A&D社製、RTI1310)の下部に設置した。この時、紙緩衝材手動製造機の吐き出し口はテンシロン万能材料試験機の試験台から45℃の角度で、テンシロン万能材料試験機の上部チャックの下端と吐き出し口の中央の高さが揃い、吐き出し口の横方向の中央と上部チャックの中央が揃うよう設置した。
最後に吐き出し口から突出したハリセン状の緩衝材を上部チャックでつかみ、1000mm/minの速度で引張り上げた。
折り曲げ加工部を通過する際の荷重を測定し、試験回数5回の平均値により、下の基準で折り曲げ加工性を評価した。評価がA~Cであれば、実用上問題はない。なお、加工部通過時の荷重が大きいほど、加工時の抵抗が強いことを表し、実用上、紙詰まりの発生や走行性が不安定になり、処理速度を上げることが難しくなる。

A:最大荷重の平均値が8.0N未満
B:最大荷重の平均値が8.0N以上17.0N未満
C:最大荷重の平均値が17.0N以上22.0N未満
D:最大荷重の平均値が22.0N以上
〔紙緩衝材〕
<緩衝性>
緩衝材用紙(ミシン目部無し)を長さ140,000mm幅380mmに断裁し、MD方向280mm間隔でCD方向にミシン目を入れて緩衝材用紙(ミシン目部有り)を得た。緩衝材用紙(ミシン目部有り)を蛇腹折りにして積層物を得た。この積層物を、紙緩衝材自動製造機(PACWELL社製、NUEVOPAKTM X-FILLTM Aタイプ)に設置し、速度100m/minで繰り出し、長さ90cmの紙緩衝材を得た。
次に、コンクリート製の床の上に長さ22.5cm×幅18cm×高さ10cmの囲いを乗せ、得られた紙緩衝材を22.5cmごとに折り曲げ、囲い内の底面を覆うよう蛇腹状に設置した(図4)。
続いて、プラスチック容器に入った飲料(株式会社ヤクルト本社製、製品名:Newヤクルト、65mL)を底面を鉛直下方に向けた状態で高さ40cmから、上記囲い内の緩衝材の上に繰り返し垂直自由落下させ、容器にへこみや傷などの変形が生じるまでに要した回数をカウントした。試験は5回ずつ行い、変形が生じるまでの平均回数(小数第一位を四捨五入)により緩衝性を下記の基準で評価した。評価がA、Bであれば、実用上問題はない。
A:平均落下回数が8回以上
B:平均落下回数が4回以上8回未満
C:平均落下回数が4回未満
[実施例1]
パルプ原料として、古紙(段ボール古紙:雑誌古紙=85:15(質量比))パルプのパルプスラリーを得た。パルプ(固形分換算)100質量部に対して、内添紙力増強剤としてポリアクリルアミド系内添紙力増強剤(荒川化学工業株式会社製、PS117)を0.8質量部(固形分換算)、硫酸バンドを1.2質量部(固形分換算)添加し、紙料を調製した。この紙料を用いて設定坪量を80g/mとして、3層抄き長網抄紙機を用いて抄紙して、緩衝材用紙を得た。このとき、繊維配向比が1.60±0.03となるようにJ/W比を調節した。各層の設定坪量は表層22g/m、中層23g/m、裏層35g/mとした。その後コーターを用いて1.0%の水溶液に調整した酸化澱粉(王子コーンスターチ株式会社製、エースA)を、両面に、片面あたり0.6g/m(両面で1.2g/m)塗工後、紙厚が135μm±5μmになるようにキャレンダーを通して緩衝材用紙(ミシン目部無し)を得た。
[実施例2]
酸化澱粉を両面に、片面あたり0.4g/m(両面で0.8g/m)塗工した以外は実施例1と同様の条件で緩衝材用紙(ミシン目部無し)を得た。
[実施例3]
酸化澱粉を両面に、片面あたり0.2g/m(両面で0.4g/m)塗工した以外は実施例1と同様の条件で緩衝材用紙(ミシン目部無し)を得た。
[実施例4]
紙厚が115μm±5μmになるようにキャレンダーを通した以外は実施例1と同様の条件で緩衝材用紙(ミシン目部無し)を得た。
[実施例5]
紙厚が95μm±5μmになるようにキャレンダーを通した以外は実施例1と同様の条件で緩衝材用紙(ミシン目部無し)を得た。
[実施例6]
紙厚が145μm±5μmになるようにキャレンダーを通した以外は実施例1と同様の条件で緩衝材用紙(ミシン目部無し)を得た。
[実施例7]
繊維配向比が1.40±0.03となるようにJ/W比を調節した以外は実施例1と同様の条件で緩衝材用紙(ミシン目部無し)を得た。
[実施例8]
繊維配向比が1.50±0.03となるようにJ/W比を調節した以外は実施例1と同様の条件で緩衝材用紙(ミシン目部無し)を得た。
[実施例9]
繊維配向比が1.80±0.03となるようにJ/W比を調節した以外は実施例1と同様の条件で緩衝材用紙(ミシン目部無し)を得た。
[実施例10]
繊維配向比が1.90±0.03となるようにJ/W比を調節した以外は実施例1と同様の条件で緩衝材用紙(ミシン目部無し)を得た。
[実施例11]
設定坪量を60g/mとし、紙厚が100μm±5μmになるようにキャレンダーを通した以外は実施例1と同様の条件で緩衝材用紙(ミシン目部無し)を得た。
[実施例12]
設定坪量を130g/mとし、紙厚が215μm±5μmになるようにキャレンダーを通した以外は実施例1と同様の条件で緩衝材用紙(ミシン目部無し)を得た。
[実施例13]
内添紙力増強剤を1.5質量部(固形分換算)添加した以外は実施例1と同様の条件で緩衝材用紙(ミシン目部無し)を得た。
[実施例14]
内添紙力増強剤を2.8質量部(固形分換算)添加した以外は実施例1と同様の条件で緩衝材用紙(ミシン目部無し)を得た。
[比較例1]
酸化澱粉を塗工しなかった以外は実施例1と同様の条件で緩衝材用紙(ミシン目部無し)を得た。
[比較例2]
設定坪量を40g/mとし、紙厚が70μm±5μmになるようにキャレンダーを通した以外は実施例1と同様の条件で緩衝材用紙(ミシン目部無し)を得た。
[比較例3]
設定坪量を160g/mとし、紙厚が270μm±5μmになるようにキャレンダーを通した以外は実施例1と同様の条件で緩衝材用紙(ミシン目部無し)を得た。
[比較例4]
内添紙力増強剤を添加しなかった以外は実施例1と同様の条件で緩衝材用紙(ミシン目部無し)を得た。
[比較例5]
内添紙力増強剤を3.5質量部(固形分換算)添加した以外は実施例1と同様の条件で緩衝材用紙(ミシン目部無し)を得た。
得られた緩衝材用紙(ミシン目部無し)を用いて、上述した評価を行った。
結果を以下の表に示す。
実施例および比較例の結果から、本発明の緩衝材用紙は、緩衝性に優れる紙緩衝材が得られるとともに、折り曲げ加工性に優れ、ミシン目加工を施した形態で、十分な供給性を有することがわかる。
本発明の緩衝材用紙は、緩衝性に優れる紙緩衝材が得られるとともに、折り曲げ加工性に優れ、ミシン目加工を施した形態で、十分な供給性を有し、中でも、折り曲げ加工性に優れ、緩衝性に優れる紙緩衝材が得られること、特に緩衝性に優れることから、紙緩衝材に好適に使用される。
1 ミシン目部
2a 積層物とした際の最上面
2b 積層物とした際の最下面
3a、3b、3c、3d 積層性評価の測定点
10 緩衝材用紙
20 積層物

Claims (8)

  1. 原料パルプとして古紙パルプを含有する緩衝材用紙であって、
    原料パルプ中の古紙パルプの含有量が80質量%以上であり、
    坪量が50g/m以上150g/m以下であり、
    JIS P 8113:2006に準拠して測定される、縦方向の比引張強さと、横方向の比引張強さの相乗平均値が17.0Nm/g以上70.0Nm/g以下であり、
    緩衝材用紙の一方の面の表面電気抵抗および他方の面の表面電気抵抗が、いずれも8.00×1012Ω以下である、緩衝材用紙。
  2. 水溶性樹脂および水懸濁性樹脂からなる群より選択される少なくとも1つを含有する表面層を両面に有する、請求項1に記載の緩衝材用紙。
  3. 緩衝材用紙の一方の面の王研式平滑度および他方の面の王研式平滑度が、いずれも35秒以下である、請求項1に記載の緩衝材用紙。
  4. 緩衝材用紙を構成するパルプ繊維の縦/横配向比が1.35以上1.95以下である、請求項1に記載の緩衝材用紙。
  5. 厚さが50μm以上250μm以下である、請求項1に記載の緩衝材用紙。
  6. 横方向に複数のミシン目部を有し、隣接するミシン目部同士の縦方向の距離が同一である、請求項1に記載の緩衝材用紙。
  7. 請求項6に記載の緩衝材用紙を、横方向に設けられた複数のミシン目部で交互に折り返して蛇腹状に積層してなる、積層物。
  8. 請求項6に記載の緩衝材用紙または請求項7に記載の積層物を構成する緩衝材用紙を折り曲げてなる、紙緩衝材。
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