JP6863142B2 - インク、液体吐出方法、及び液体吐出装置 - Google Patents

インク、液体吐出方法、及び液体吐出装置 Download PDF

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Description

本発明は、インク、液体吐出方法、及び液体吐出装置に関する。
金属光沢を有するものは人々にきらびやかな印象を与えるため、日常生活のあらゆる場面で目にする機会が多い。前記金属光沢を有するものは、金属そのものを用いてその意匠性を付与する場合もあるが、基材に金属光沢を有する着色組成物をコートすることにより意匠性を付与することが多い。
前記コートする方法としては、光輝性を有する顔料を含む印刷インキを用いて各種印刷方式で印刷する方法、接着剤や熱融着により転写箔する方法などが用いられてきた。
金属光沢の中でも、とりわけ金色は、富の象徴であり、太古の昔から人々に好まれてきており、正月などのおめでたい行事には欠かせない色である。一方、銀色も落ち着いた風合いで人気が高く、様々な場面で見かけることが多い。また、銀色は、金色とは異なり、その他の色の着色組成物と混合することにより、金色を含む様々な金属光沢色を表現することができるため、金色よりも汎用性が高く、産業上利用価値が高い。
従来、銀色の金属光沢を有する着色組成物に用いられる顔料としては、アルミニウム微粒子が広く使用されている。
また、インクジェット印刷技術の発展により、インクジェット印刷でも金属光沢を有する印刷物を得たいという要望が高まってきており、例えば、市販の鱗片状アルミニウム顔料や酸化チタン被覆マイカ顔料などを光輝性顔料として含むインクジェットプリンター用光輝性インクが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、金属コロイドを含むインク組成物を多孔質の被印刷体の表面に印刷することにより良好な金属光沢を有する印刷面を形成するための印刷方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
本発明は、耐光性に優れ、強い金属光沢を発現する画像を得ることができるインクを提供することを目的とする。
本発明は、50%累積体積粒径が100nm以下の銀、及び染料を含むインクであって、前記インクから前記銀を除いた染料溶液を用いて形成した画像に、波長340nmの照射光を、放射照度0.35W/m 、ブラックパネル温度89℃にて、24時間照射した耐光性試験において、前記耐光性試験前後の前記画像の色差ΔEが、10未満である。
本発明によると、耐光性に優れ、強い金属光沢を発現する画像を得ることができるインクを提供することができる。
図1は、シリアル型画像形成装置の一例を示す要部平面説明図である。 図2は、図1の装置の液体吐出ユニットの一例を示す要部側面説明図である。 図3は、図1の装置の液体吐出ユニットの他の一例を示す要部側面説明図である。
(インク)
本発明のインクは、50%累積体積粒径が100nm以下の銀、及び染料を含むインクであって、前記インクから前記銀を除いた染料溶液を用いて形成した画像に、波長340nmの照射光を、放射照度0.35W/m 、ブラックパネル温度89℃にて、24時間照射した耐光性試験において、前記耐光性試験前後の前記画像の色差ΔEが、10未満であり、更に必要に応じてその他の成分を含む。
本発明のインクは、従来のインク、及び印刷方法では、光輝顔料や金属コロイドの比重が有機顔料と比較して重いことに由来して顔料が沈降しやすいため、経時によりインクの吐出安定性が失われてしまい、ノズル抜けが発生したり、塗膜が不均一となるため金属光沢や鏡面性(写像性)が失われたり、色味が不自然な銀色になってしまうという問題があるという知見に基づくものである。
また、本発明のインクは、従来のインク、及び印刷方法では、微小の金属コロイドは、プラズモン発色を有するため、塗膜上で十分に粒子成長を起こさないと着色を起こしてしまい、望ましい色相を示さないという問題があるという知見に基づくものである。
さらに、本発明のインクは、従来のインク、及び印刷方法では、黒染料を混合することにより自然な銀色を再現することは可能であるが、得られた塗膜の耐光性が悪くなり、また、顔料を混合する場合や、黒顔料インクと紙面混色する記録方法を用いる場合は、堅牢性は得られるが光沢度が大幅に低下する。そのため、堅牢性を維持しつつ、光沢を維持し、望ましい色相へ調整する手段が得られていないという問題があるという知見に基づくものである。
従来の光輝性顔料としては、例えば、パール顔料、金属粒子などが挙げられる。前記パール顔料の代表例としては、二酸化チタン被覆雲母、魚鱗薄、酸塩化ビスマス等の真珠光沢や干渉光沢を有する顔料などが挙げられる。しかし、これらの粒子サイズは、ミクロンオーダーであり、インクジェットヘッドでの吐出に制限があり好ましくない。また、粒子径を小さくしてインクジェット吐出性を高めていくと、吐出性はある程度確保されるが、粒子径が小さすぎてしまうため、干渉による光沢が原理的に発現しないという問題がある。一方、金属粒子としては、例えば、アルミニウム、クロム、インジウム、銅、金等の粒子などが挙げられる。これらの中でも、毒性が弱く、顔料として使用されるものとして、アルミニウム、金、銀などが挙げられる。しかし、前記アルミニウムでは、水と反応し酸化物を生じて経時で白色化してしまうという問題がある。また、前記金では、高価であり、また、色味の調整に制限があるため好ましくないという問題がある。さらに、金属粒子では、いずれも有機顔料と比較すると比重が重いため、金属粒子を分散してインクとした際に、金属粒子が沈降しやすく、その結果としてノズル抜けが発生し、被印刷物に印刷した際に、被印刷物上に金属粒子が均一に付着しないため金属光沢や鏡面性(写像性)が損なわれてしまうという問題がある。
またさらに、鱗片状アルミニウム顔料を用いた市販の光輝顔料では、粒子径が大きくインクジェットヘッドで安定して吐出させることができず、すぐに吐出不良を引き起こしてしまうという問題がある。
本発明のインクにおける光輝性顔料としては、銀(銀粒子)を用いる。前記銀は、各種金属の中でも白色度が高い金属であり、他色のインクと組み合わせることにより、様々な金属色を実現することができるため好ましい。また、前記銀は、水との反応性が弱いため、水中でも安定である。その結果、環境負荷が低減できる水系光輝性インクへの展開が可能であり好ましい。
[色差ΔE]
前記インクから前記銀を除いた染料溶液を用いて形成した画像に、波長340nmの照射光を、放射照度0.35W/m 、ブラックパネル温度89℃にて、24時間照射した耐光性試験において、前記耐光性試験前後の前記画像の色差ΔEとしては、10未満であり、6以下が好ましく、5.1以下がより好ましい。前記色差ΔEが、10未満であると、耐光性に優れ、強い金属光沢を発現する画像を得ることができる。前記画像とは、記録媒体上に、付着量1,000mg/A4以上となるように均一に染料溶液で埋められているもの(べた画像)を意味する。
前記色差ΔEとしては、記録媒体(例えば、商品名:photo realistic gloss 235、ILFORD社製)上に、付与量が20g/mになるように、染料溶液を付与し、画像を得る。得られた画像を、例えば、キセノン・ウェザオメータ(装置名:Ci35AW、アトラス社製)を用いて、波長340nmの照射光を、放射照度0.35W/m 、ブラックパネル温度(ブラックパネル温度計、アトラス社製)89℃、乾球温度70℃、相対湿度50%RHにて、24時間照射する。その後、23℃、40%RHの環境下にて、分光測色濃度計(装置名:X−Rite939、X−Rite社製)を用いて画像の色特性(L、a、b)を測定する。得られた色特性において、前記照射前の色特性と、前記照射後の退色後の色特性との色差ΔEを下記式から算出することができる。
色差ΔE=(ΔL*2+Δa*2+Δb*20.5 ・・・ 式
前記インクから銀成分を除いた染料溶液は、液を作製する際にインク処方から銀分散液や樹脂粒子分散液を添加せず、代わりに水を添加することにより作製することができる。また、既に混合されているインクの場合は、インクから銀成分を除去することにより前記染料溶液を作製することができる。前記インク中の銀成分の除去は、遠心分離機にて、900,000×gで、100時間遠心して銀を沈殿又は浮遊分離し、凝集固形分として取り除くことで除去することができる。得られた上澄み成分はインクに可溶な成分であり、染料は含まれるが銀は含まれない液となっている。
得られた銀を含まない染料溶液を、バーコートやフレキソ印字、インクジェット印字などにて紙面に塗工することにより、銀の影響を排除して染料にて着色された画像(ベタ画像)を得ることができる。この画像を耐光性試験にて加速劣化させることにより、本発明のインクに使用することができる染料の可否を評価することができる。
前記染料溶液は、染料の、インク中での含有量と染料溶液での含有量が一致していればよく、溶剤、樹脂等のその他の成分の含有量は、一致していることを要しない。
<銀>
前記銀(以下、「銀粒子」とも称することがある)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記銀粒子を含むことにより、優れた金属光沢を有する画像を形成することができる。
前記銀粒子の50%累積体積粒径(D50)としては、動的光散乱法において、100nm以下であり、5nm以上100nm以下が好ましい。前記50%累積体積粒径(D50)が、100nm以下であると、経時にて銀粒子が沈降することを抑制でき、吐出が不安定になることを防止できる。また、前記50%累積体積粒径(D50)が、5nm以上であると、細孔を有するインク受容層を有する難吸収性記録媒体に銀粒子を含むインクを付与しても、また、多孔質を有するインク受容層中に銀粒子を含むインクを付与しても、インク受容層に銀粒子が数多く入り込んでしまうことがなく、銀のナノ粒子としての色味(黄色)が反映して色味が不自然になることや金属光沢を発現しないことを防止できる。
前記銀粒子の90%累積体積粒径(D90)としては、5,000nm以下が好ましく、2,000nm以下がより好ましい。前記90%累積体積粒径(D90)が、5,000nm以下であると、前記銀粒子がインクジェットヘッドのノズルに対して充分に小さく、安定して吐出することができる。さらに、前記銀粒子の90%累積体積粒径(D90)が、2,000nm以下であると、銀粒子の一次的な凝集が起こってもインクの吐出に影響を及ぼしにくく、連続吐出安定性を向上することができる。
前記銀粒子の50%累積体積粒径(D50)、及び90%累積体積粒径(D90)は、銀粒子の直径、存在数を求める測定を行い、結果を統計的に処理して得られる粒径加積曲線から、総質量の50質量%となるときの粒子の直径を50%累積体積粒径(D50)、総質量の90質量%となるときの粒子の直径を90%累積体積粒径(D90)とした値である。前記銀粒子の直径は、銀粒子自身の直径であってもよいし、銀粒子がコロイド状で分散している場合には、前記粒子コロイドの直径であってもよい。
前記銀粒子の直径は、水中分散状態である場合は、例えば、動的光散乱法に基づく粒子径分布測定装置を使用することによって求めることができる。動的光散乱法による粒子径分布測定装置としては、例えば、ナノトラック Wave−UT151(マイクロトラック・ベル株式会社製)、ナノトラック Wave−EX150(日機装株式会社製)、ELSZ−2、DLS−8000(以上、大塚電子株式会社製)、LB−550(株式会社堀場製作所製)などが挙げられる。
なお、上記以外でも、電子顕微鏡法によって測定することができる。前記電子顕微鏡により銀粒子の写真を得て、この写真を画像処理して計測することにより、銀粒子の直径を求めることができる。一例としては、写真よりランダムに写真中の50個以上の銀粒子の面積を求め、同等となる円の直径を計算し粒子径として求める。そして、得られた粒径から粒径加積曲線を求めることができる。
前記銀の含有量としては、インク全量に対して、1質量%以上15質量%以下が好ましく、2.0質量%以上10.0質量%以下がより好ましい。前記含有量が、1質量%以上15質量%以下であると、インクの保存安定性、吐出安定性、及び金属光沢(銀色光沢)を向上することができる。
[銀粒子の製造方法]
前記銀粒子の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、インゴット等を粉砕することにより得られた粗大粉末を所望の粒径まで粉砕する粉砕法、蒸着等の気相成膜法等によりフィルム上に形成した金属膜を前記フィルムから剥離して粉砕する方法(特に、液体中において剥離して粉砕を行い、液体中に分散する方法)、湿式還元法のような化学的な造粒法等の方法、溶融状態から粒子化する各種アトマイズ法などが挙げられる。
前記湿式還元法としては、例えば、硝酸銀の水溶液にアンモニア水を加えて銀アンミン錯体を形成した後、ホルマリン、ヒドラジンなどの還元剤を添加して銀に還元させて銀粉を得る方法や硝酸銀の水溶液に水酸化ナトリウムを加えて酸化銀粒子を生成させた後、ホルマリン、ヒドラジンなどの還元剤を添加して銀に還元させて銀粉を得る方法などを挙げることができる。その後、必要に応じて、銀粒子を含有する溶液を固液分離して固形分としての銀粒子と溶液に分離し、その銀粉を適当な洗浄剤で洗浄して銀粉に付着した液体を除去し、更に銀粉を乾燥して水分を除去し、解砕や分級などの処理を行うことで求める粒度の銀粒子を得ることができる。
前記アトマイズ法としては、例えば、溶融金属(溶湯)を水やガス等の冷却剤に衝突させ、微粉化して製造する方法などが挙げられる。前記アトマイズ法によると、粒径の揃った金属粒子を得ることができる。
[銀粒子分散液の製造方法]
前記銀粒子分散液の製造方法としては、銀粒子表面に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、銀粒子の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法などが挙げられる。
前記銀粒子の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、銀粒子をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能なものを用いることができる。この場合、インクに配合される銀粒子はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない銀粒子や、部分的に被覆された銀粒子が水中に分散していてもよい。
前記分散剤を用いて分散させる方法としては、例えば、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法などが挙げられる。
前記分散剤としては、銀粒子や使用するインクの系に応じて、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
これらの中でも、分散剤としては、アニオン界面活性剤、及びHLB値10以上20以下のノニオン界面活性剤のいずれかが好適である。
前記アニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、NH、Na、Ca等)、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩(例えば、NH、Na、Ca等)、ジアルキルサクシネートスルホン酸Na塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物Na塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩(例えば、NH、Na等)、ラウリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート塩、ジオクチルスルホコハク酸Na塩、ポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテルスルホン酸NH塩、オレイン酸塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジオクチルスルホコハク酸Na塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物Na塩、ポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテルスルホン酸NH塩が特に好ましい。
前記HLB値10以上20以下のノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、アセチレングリコールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン−β−ナフチルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテルが好ましい。
前記高分子型の分散剤としては、例えば、下記一般式(A)で表されるα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル共重合体、水溶性ポリウレタン樹脂、水溶性ポリエステル樹脂などが挙げられる。
Figure 0006863142
前記一般式(A)において、Rは、炭素数6〜30のアルキル基を表し、炭素数12〜22のアルキル基が好ましく、炭素数18〜22のアルキル基がより好ましい。nは、1以上の整数を表し、20〜100の整数が好ましい。
前記一般式(A)で表されるα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体は、原料として、炭素数が異なるオレフィンを含む、オレフィンの混合物を用いて合成することも可能である。
その場合は、Rとして、炭素数が異なるアルキル基がランダムに高分子鎖に導入された共重合体となる。
本発明においては、Rの炭素数が均一であるアルキル基が高分子鎖中に導入されたα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体だけでなく、前述のように、Rの炭素数が異なるアルキル基がランダムに高分子鎖中に導入されたα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体を、前記一般式(A)で表されるα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体として用いることも可能である。
前記一般式(A)で表されるα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体の重量平均分子量としては、5,000以上20,000以下が好ましい。前記重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算により測定することができる。
前記一般式(A)で表されるα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル共重合体、水溶性ポリウレタン樹脂及び水溶性ポリエステル樹脂は、常温においては固体であり、冷水には殆ど溶けないものである。しかし、前記共重合体及び前記樹脂の酸価と当量以上(好ましくは、酸価の1.0倍〜1.5倍)のアルカリ溶液又はアルカリ水溶液に溶解して用いた場合に分散剤としての効果を発現する。また、前記共重合体及び前記樹脂をアルカリ溶液又はアルカリ水溶液により溶解するには、加熱撹拌すると容易に溶解できる。前記α−オレフィン−無水マレイン酸共重合体におけるオレフィン鎖が長い場合は比較的溶け難く、不溶物が残る場合があるが、適当なフィルター等で不溶物を除いて用いれば、分散安定化剤としての効果は損なわれない。
前記アルカリ溶液又はアルカリ水溶液における塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物;アンモニア、トリエチルアミン、モルホリン等の塩基性物質;トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、コリン等のアルコールアミンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記一般式(A)で表されるα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記市販品としては、例えば、T−YP112、T−YP115、T−YP114、T−YP116(以上、星光PMC株式会社製)などが挙げられる。
前記スチレン−(メタ)アクリル共重合体としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記市販品としては、例えば、JC−05(星光PMC株式会社製)、ARUFON UC−3900、ARUFON UC−3910、ARUFON UC−3920(以上、東亞合成株式会社製)などが挙げられる。
前記水溶性ポリウレタン樹脂としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記市販品としては、例えば、タケラックW−5025、タケラックW−6010、タケラックW−5661(以上、三井武田ケミカル株式会社製)などが挙げられる。
前記水溶性ポリエステル樹脂としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記市販品としては、例えば、ニチゴポリエスターW−0030、ニチゴポリエスターW−0005S30WO、ニチゴポリエスターWR−961(以上、日本合成化学工業株式会社製)、ペスレジンA−210、ペスレジンA−520(以上、高松油脂株式会社製)などが挙げられる。
前記高分子型の分散剤の酸価としては、40mgKOH/g以上400mgKOH/g以下が好ましく、60mgKOH/g以上350mgKOH/g以下がより好ましい。
前記酸価が、40mgKOH/g以上であると、アルカリ溶液の溶解性が高くなり、400mgKOH/g以下であると、分散体の粘度を抑えることができ、インク粘度の上昇を抑制できる。そのため吐出を良好に保つことや分散体の分散安定性が高い状態で保つことができる。
前記高分子型の分散剤の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20,000以下が好ましく、5,000以上20,000以下がより好ましい。前記重量平均分子量が、5,000以上であると、顔料分散体の分散安定性が向上しやすく、20,000以下だと、アルカリ溶液の溶解性が高く、粘度が低いため分散体粘度を低下させることができる。前記重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算により測定することができる。
前記分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよく、高分子分散剤、低分子分散剤を複数種組み合わせて使用してもよい。複数種の分散剤を組み合わせて使用することで分散剤の特長を生かした分散体を作り上げることができ、銀粒子の分散性と経時安定性を高めることが可能となる。
前記分散剤の含有量としては、前記銀粒子100質量部に対して、1質量部以上100質量部以下が好ましく、10質量部以上50質量部以下がより好ましい。前記含有量が、1質量部以上であると、銀粒子を分散することができ、分散条件によっては一次粒子まで分散が可能となる。また、前記含有量が、100質量部以下であると、銀粒子に吸着していない過剰成分が余らず、インク物性に影響を与えない。そのため、画像滲みや、耐水性、耐擦性の劣化、ノズルからの吐出性が悪化し、経済性の悪化を抑制することができる。
前記銀粒子分散体は、水、銀粒子、分散剤、及び必要に応じてその他の成分を合わせて分散する。前記分散は分散機を用いることが好ましく、水中に前記分散剤を溶解させ、次に、前記銀粒子を加えて充分に湿潤させた後、ホモジナイザーによる高速撹拌、ビーズミルやボールミルのようなボールを用いた分散機、ロールミルのような剪断力を用いた混練分散機、超音波分散機等を用いる方法で分散することにより、銀粒子分散液を作製することができる。
このような銀粒子の状態を観察するには、例えば、透過型電子顕微鏡、反射型電子顕微鏡等による観察が有効である。また、銀粒子を確認するには顔料を樹脂に包埋して切断することにより断面を出して観察することが有効である。銀粒子分散液の分散状態を把握するには、個々の粒子を観察するには観察試料作製時に凍結レプリカ法を用いて分散液を凍結し、割面を蒸着などで固定化することにより、銀粒子の分散状態について状態を確認することが可能となる。
前記銀粒子の組成は、蛍光X線分析にてマクロな組成分析が可能であり、電子線マイクロアナライザ(EPMA)によって微小な部位に関しても組成分析を行うことができる。更に反射型電子顕微鏡(SEM)と組み合わせてエネルギー分散型X線分光法(EDX)を用いることにより、銀粒子ごとの組成を把握することができる。
これら以外にも、X線光電子分光法(XPS)にて組成の最表層の元素分析や元素の化学状態を把握可能であり、詳細な膜状態を把握することができる。更にスパッタ法による表面エッチングを行うことにより、三次元的な組成分布を把握することができる。
前記銀粒子分散液における銀粒子の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な分散性が得られ、また、インク処方の自由度を高める点から、1質量%以上50質量%以下が好ましく、1質量%以上30質量%以下がより好ましい。前記含有量が、1質量%以上であると、インクの処方として銀粒子濃度を調整することができる。また、前記含有量が、50質量%以下であると、分散液の粘度を低くすることができるため、インクを作製するときの取り扱いが容易になる。また、前記銀粒子の含有量が、30質量%以下であると、分散液製造時に撹拌しやすく分散効率を上げることができる。
前記銀粒子分散液は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子を除去することが好ましい。
[銀コロイドとして分散された銀粒子分散液の製造方法]
また、前記銀粒子は、その表面に保護コロイドが付着した銀コロイドとして、水系分散媒中に分散していることが好ましい。これにより、銀粒子の水系分散媒への分散性が特に優れたものとなり、インクの保存安定性が著しく向上する。前記銀コロイドは、いかなる方法で調整されたものであってもよく、例えば、銀イオンを含む溶液を用意し、この銀イオンを保護コロイドの存在下で還元剤により還元することにより、得ることができる(例えば、特開2006−299329号公報など)。これらの方法によって銀コロイドを製造する際に、還元反応の前後の、任意の時点で水溶液に界面活性剤等を加えると、銀粒子の分散安定性はさらに向上する。また、銀粒子の粒子径は、前記還元剤による還元反応の制御によって制御をすることができる。すなわち、還元剤の添加速度や反応温度を調整することにより制御可能であり、例えば、還元剤の添加速度を遅めたり、液温を低めることにより、より小さい粒子径に調整することが可能である。
保護コロイドとしては、銀粒子表面を保護する役割を果たす有機物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、カルボキシル基を有する有機化合物、高分子分散剤が好ましく、これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよいが、併用したほうが相乗効果があるため、より好ましい。
<<カルボキシル基を有する有機化合物>>
前記カルボキシル基を有する有機化合物のカルボキシル基の数は、1分子あたり、1以上であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
なお、カルボキシル基を有する有機化合物において、一部又は全部のカルボキシル基は、塩(アミンとの塩、金属塩など)を形成していてもよい。特に、本発明では、カルボキシル基(特に、すべてのカルボキシル基)が、塩[特に、塩基性化合物との塩(アミンとの塩又はアミン塩など)を形成していない有機化合物(すなわち、遊離のカルボキシル基を有する有機化合物)を好適に使用できる。
また、前記カルボキシル基を有する有機化合物としては、カルボキシル基を有している限り、カルボキシル基以外の官能基(又は金属化合物又は金属ナノ粒子に対する配位性基など)を有していてもよい。このようなカルボキシル基以外の官能基(又は配位性基)としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など)、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子から選択された少なくとも1種のヘテロ原子を有する基{又は官能基、例えば、窒素原子を有する基[アミノ基、置換アミノ基(ジアルキルアミノ基など)、イミノ基(−NH−)、窒素環基(ピリジル基などの5〜8員窒素環基、カルバゾール基、モルホリニル基など)、アミド基(−CON<)、シアノ基、ニトロ基など]、酸素原子を有する基[ヒドロキシル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのC1−6アルコキシ基)、ホルミル基、カルボニル基(−CO−)、エステル基(−COO−)、酸素環基(テトラヒドロピラニル基などの5〜8員酸素環基など)など]、硫黄原子を有する基[例えば、チオ基、チオール基、チオカルボニル基(−SO−)、アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基などのC1−4アルキルチオ基など)、スルホ基、スルファモイル基、スルフィニル基(−SO2−)など]、これらの塩を形成した基(アンモニウム塩基など)など}などが挙げられる。これらの官能基は、単独で又は2種以上組み合わせてカルボキシル基を有する有機化合物が有していてもよい。
前記カルボキシル基を有する有機化合物としては、これらの官能基のうち、カルボキシル基と塩を形成可能な塩基性基(特に、アミノ基、置換アミノ基、イミノ基、アンモニウム塩基など)を有していない化合物であるのが好ましい。
代表的なカルボキシル基を有する有機化合物としては、カルボン酸が含まれる。このようなカルボン酸としては、例えば、モノカルボン酸、ポリカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸(又はオキシカルボン酸)などが挙げられる。
前記モノカルボン酸としては、例えば、脂肪族モノカルボン酸[飽和脂肪族モノカルボン酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプリル酸、カプロン酸、ヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、シクロヘキサンカルボン酸、デヒドロコール酸、コラン酸などのC1−34脂肪族モノカルボン酸、好ましくはC1−30脂肪族モノカルボン酸など)、不飽和脂肪族モノカルボン酸(例えば、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸、アビエチン酸などのC4−34不飽和脂肪族モノカルボン酸、好ましくはC10−30不飽和脂肪族モノカルボン酸)]、芳香族モノカルボン酸(安息香酸、ナフトエ酸などのC7−12芳香族モノカルボン酸など)などが挙げられる。
前記ポリカルボン酸としては、例えば、脂肪族ポリカルボン酸[例えば、脂肪族飽和ポリカルボン酸(例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などのC2−14脂肪族飽和ポリカルボン酸、好ましくはC2−10脂肪族飽和ポリカルボン酸など)、脂肪族不飽和ポリカルボン酸(例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ソルビン酸、テトラヒドロフタル酸などのC4−14脂肪族不飽和ポリカルボン酸、好ましくはC4−10脂肪族不飽和ポリカルボン酸など)など]、芳香族ポリカルボン酸(例えば、フタル酸、トリメリット酸などのC8−12芳香族ポリカルボン酸など)などが挙げられる。
前記ヒドロキシカルボン酸としては、ヒドロキシモノカルボン酸[脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸(例えば、グリコール酸、乳酸、オキシ酪酸、グリセリン酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、コール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、12−オキソケノデオキシコール酸、グリココール酸、リトコール酸、ヒオデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、アポコール酸、タウロコール酸などのC2−50脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸、好ましくはC2−34脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸、さらに好ましくはC2−30脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸など)、芳香族ヒドロキシモノカルボン酸(サリチル酸、オキシ安息香酸、没食子酸などのC7−12芳香族ヒドロキシモノカルボン酸など)など]、ヒドロキシポリカルボン酸[脂肪族ヒドロキシポリカルボン酸(例えば、タルトロン酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸などのC2−10脂肪族ヒドロキシポリカルボン酸など)など]などが挙げられる。
なお、これらのカルボン酸は、塩を形成していてもよく、無水物、水和物などであってもよい。なお、カルボン酸は、前記と同様に、塩(特に、アミンとの塩などの塩基性化合物との塩)を形成していない場合が多い。
前記カルボキシル基を有する有機化合物としては、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
これらのカルボキシル基を有する有機化合物のうち、脂肪族ヒドロキシカルボン酸(脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸及び脂肪族ヒドロキシポリカルボン酸)などのヒドロキシカルボン酸が好ましく、脂肪族ヒドロキシカルボン酸の中でも、さらに、脂環族ヒドロキシカルボン酸(又は脂環族骨格を有するヒドロキシカルボン酸、例えば、コール酸などのC6−34脂環族ヒドロキシカルボン酸、好ましくはC10−34脂環族ヒドロキシカルボン酸、さらに好ましくはC16−30脂環族ヒドロキシカルボン酸)が好ましい。
また、前記コール酸などの多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸(例えば、縮合多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸、好ましくはC10−34縮合多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸、さらに好ましくはC14−34縮合多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸、特にC18−30縮合多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸)、デヒドロコール酸、コラン酸などの多環式脂肪族カルボン酸(例えば、縮合多環式脂肪族カルボン酸、好ましくはC10−34縮合多環式脂肪族カルボン酸、さらに好ましくはC14−34縮合多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸、特にC18−30縮合多環式脂肪族カルボン酸)などの多環式脂肪族カルボン酸(例えば、C10−50縮合多環式脂肪族カルボン酸、好ましくはC12−40縮合多環式脂肪族カルボン酸、さらに好ましくはC14−34縮合多環式脂肪族カルボン酸、特にC18−30縮合多環式脂肪族カルボン酸)は、嵩高い構造を有しており、銀粒子の凝集を抑制する効果が大きいためか好ましい。
なお、前記カルボキシル基を有する有機化合物の重量平均分子量は、例えば、1,000以下(例えば、46〜900程度)、好ましくは800以下(例えば、50〜700程度)、さらに好ましくは600以下(例えば、100〜500程度)であってもよい。前記重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算により測定することができる。
また、前記カルボキシル基を有する有機化合物のpKa値としては、例えば、1以上(例えば、1〜10程度)、好ましくは2以上(例えば、2〜8程度)程度であってもよい。
<<高分子分散剤>>
本発明では、保護コロイドを、前記カルボキシル基を有する有機化合物と高分子分散剤とで組み合わせて構成することが好ましい。このような組み合わせで保護コロイドを構成することにより、粗大粒子が著しく少ない銀粒子を含む銀コロイドが得られる。特に、本発明では、前記特定の保護コロイドの組み合わせにより、粗大粒子が少ないにもかかわらず、銀粒子の割合を大きくでき、銀コロイド(及びその分散液)の保存安定性にも優れている。
前記高分子分散剤(又は高分子型の分散剤)としては、銀粒子を被覆可能であれば特に限定されないが、両親媒性の高分子分散剤(又はオリゴマー型分散剤)を好適に使用できる。
前記高分子分散剤としては、通常、塗料、インキ分野などで着色剤の分散に用いられている高分子分散剤などが挙げられる。このような分散剤には、スチレン系樹脂(スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体など)、アクリル系樹脂((メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体など)、水溶性ウレタン樹脂、水溶性アクリルウレタン樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(ニトロセルロース;エチルセルロースなどのアルキルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロースなどのアルキル−ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのカルボキシアルキルセルロースなどのセルロースエーテル類など)、ポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール(液状のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)、天然高分子化合物(ゼラチン、デキストリンなど)、ポリエチレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物などが含まれる。
代表的な高分子分散剤(両親媒性の高分子分散剤)としては、親水性モノマーで構成された親水性ユニット(又は親水性ブロック)を含む樹脂(又は水溶性樹脂、水分散性樹脂)が含まれる。
前記親水性モノマーとしては、例えば、カルボキシル基又は酸無水物基含有単量体(アクリル酸、メタクリル酸などの(メタ)アクリル系単量体、マレイン酸などの不飽和多価カルボン酸、無水マレイン酸など)、ヒドロキシル基含有単量体(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ビニルフェノールなど)などの付加重合系モノマー;アルキレンオキシド(エチレンオキシドなど)などの縮合系モノマーなどが挙げられる。前記縮合系モノマーは、ヒドロキシル基などの活性基(例えば、前記ヒドロキシル基含有単量体など)との反応により、親水性ユニットを形成していてもよい。親水性モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて親水性ユニットを形成していてもよい。
前記高分子分散剤は、少なくとも親水性ユニット(又は親水性ブロック)を含んでいればよく、親水性モノマーの単独又は共重合体(例えば、ポリアクリル酸又はその塩など)であってもよく、前記例示のスチレン系樹脂やアクリル系樹脂などのように、親水性モノマーと疎水性モノマーとのコポリマーであってもよい。
前記疎水性モノマー(非イオン性モノマー)としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル[(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの(メタ)アクリル酸C1−20アルキル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸シクロアルキル、(メタ)アクリル酸フェニルなどの(メタ)アクリル酸アリール、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−フェニルエチルなどの(メタ)アクリル酸アラルキルなど]などの(メタ)アクリル系モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのスチレン系モノマー;α−C2−20オレフィン(エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ドデセンなど)などのオレフィン系モノマー;酢酸ビニル、酪酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル系モノマーなどが挙げられる。疎水性モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて疎水性ユニットを構成していてもよい。
前記高分子分散剤が、コポリマー(例えば、親水性モノマーと疎水性モノマーとのコポリマー)である場合、前記コポリマーは、ランダムコポリマー、交互共重合体、ブロックコポリマー(例えば、親水性モノマーで構成された親水性ブロックと、疎水性モノマーで構成された疎水性ブロックとで構成されたコポリマー)、くし型コポリマー(又はくし型グラフトコポリマー)などであってもよい。前記ブロックコポリマーの構造は、特に限定されず、ジブロック構造、トリブロック構造(ABA型、BAB型)などであってもよい。また、前記くし型コポリマーにおいて、主鎖は、前記親水性ブロックで構成してもよく、前記疎水性ブロックで構成してもよく、親水性ブロックおよび疎水性ブロックで構成してもよい。
なお、前記のように、前記親水性ユニットは、アルキレンオキシド(エチレンオキシドなど)で構成された親水性ブロック(ポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドなどのポリアルキレンオキシド)などの縮合系ブロックで構成することもできる。親水性ブロック(ポリアルキレンオキシドなど)と疎水性ブロック(ポリオレフィンブロックなど)とは、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、ウレタン結合などの連結基を介して結合していてもよい。これらの結合は、例えば、疎水性ブロック(ポリオレフィンなど)を変性剤[不飽和カルボン酸又はその無水物((無水)マレイン酸など)、ラクタム又はアミノカルボン酸、ヒドロキシルアミン、ジアミンなど]で変性した後、親水性ブロックを導入することにより形成してもよい。また、ヒドロキシル基やカルボキシル基などの親水性基を有するモノマー(前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなど)から得られるポリマーと、前記縮合系の親水性モノマー(エチレンオキシドなど)とを反応(又は結合)させることにより、くし型コポリマー(主鎖が疎水性ブロックで構成されたくし型コポリマー)を形成してもよい。
さらに、共重合成分として、親水性の非イオン性モノマーを使用することにより、親水性と疎水性とのバランスを調整してもよい。このような成分としては、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(例えば、数平均分子量200〜1,000程度)などのアルキレンオキシ(特にエチレンオキシ)ユニットを有するモノマー又はオリゴマーなどが挙げられる。また、親水性基(カルボキシル基など)を変性(例えば、エステル化)することにより親水性と疎水性とのバランスを調整してもよい。
前記高分子分散剤は、官能基を有していてもよい。このような官能基としては、例えば、酸基(又は酸性基、例えば、カルボキシル基(又は酸無水物基)、スルホ基(スルホン酸基)など)、ヒドロキシル基などが挙げられる。これらの官能基は、単独で又は2種以上組み合わせて高分子分散剤が有していてもよい。
これらの官能基のうち、高分子分散剤は、酸基、特に、カルボキシル基を有しているのが好ましい。
また、前記高分子分散剤が、酸基(カルボキシル基など)を有している場合、少なくとも一部又は全部の酸基(カルボキシル基など)は、塩(アミンとの塩、金属塩など)を形成していてもよいが、特に、本発明では、カルボキシル基(特に、すべてのカルボキシル基)などの酸基が、塩[特に、塩基性化合物との塩(アミンとの塩又はアミン塩など)]を形成していない高分子分散剤[すなわち、遊離の酸基(特にカルボキシル基)を有する高分子分散剤]を好適に使用できる。
前記酸基(特にカルボキシル基)を有する高分子分散剤において、酸価としては、例えば、1mgKOH/g以上(例えば、2mgKOH/g〜100mgKOH/g程度)、好ましくは3mgKOH/g以上(例えば、4mgKOH/g〜90mgKOH/g程度)、さらに好ましくは5mgKOH/g以上(例えば、6mgKOH/g〜80mgKOH/g程度)、特に7mgKOH/g以上(例えば、8mgKOH/g〜70mgKOH/g程度)であってもよく、通常3mgKOH/g〜50mgKOH/g(例えば、5mgKOH/g〜30mgKOH/g)程度であってもよい。なお、酸基を有する高分子分散剤において、アミン価は0mgKOH/g(又はほぼ0mgKOH/g)であってもよい。
なお、前記高分子分散剤において、上記のような官能基の位置は、特に限定されず、主鎖であってもよく、側鎖であってもよく、主鎖及び側鎖に位置していてもよい。このような官能基は、例えば、親水性モノマー又は親水性ユニット由来の官能基(例えば、ヒドロキシル基など)であってもよく、官能基を有する共重合性モノマー(例えば、無水マレイン酸など)の共重合によりポリマー中に導入することもできる。
前記高分子分散剤としては、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、前記高分子分散剤として、特開2004−207558号公報の記載の高分子分散剤(高分子量顔料分散剤)を使用してもよい。
また、前記高分子分散剤としては、合成したものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。以下に、前記市販品の高分子分散剤(又は少なくとも両親媒性の分散剤で構成された分散剤)を具体的に例示すると、ソルスパース13240、ソルスパース13940、ソルスパース32550、ソルスパース31845、ソルスパース24000、ソルスパース26000、ソルスパース27000、ソルスパース28000、ソルスパース41090などのソルスパースシリーズ(アビシア株式会社製);ディスパービック160、ディスパービック161、ディスパービック162、ディスパービック163、ディスパービック164、ディスパービック166、ディスパービック170、ディスパービック180、ディスパービック182、ディスパービック184、ディスパービック190、ディスパービック191、ディスパービック192、ディスパービック193、ディスパービック194、ディスパービック2001、ディスパービック2050などのディスパービックシリーズ(ビックケミー株式会社製);EFKA−46、EFKA−47、EFKA−48、EFKA−49、EFKA−1501、EFKA−1502、EFKA−4540、EFKA−4550、ポリマー100、ポリマー120、ポリマー150、ポリマー400、ポリマー401、ポリマー402、ポリマー403、ポリマー450、ポリマー451、ポリマー452、ポリマー453(以上、EFKAケミカル株式会社製);アジスパーPB711、アジスパーPAl11、アジスパーPB811、アジスパーPB821、アジスパーPW911などのアジスパーシリーズ(味の素株式会社製);フローレンDOPA−158、フローレンDOPA−22、フローレンDOPA−17、フローレンTG−700、フローレンTG−720W、フローレン−730W、フローレン−740W、フローレン−745Wなどのフローレンシリーズ(共栄社化学株式会社製);ジョンクリル678、ジョンクリル679、ジョンクリル62などのジョンクリルシリーズ(ジョンソンポリマー株式会社製)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらのうち、前記酸基を有する高分子分散剤としては、例えば、ディスパービック190、ディスパービック194などが挙げられる。
前記高分子分散剤の数平均分子量としては、例えば、1,500〜100,000、好ましくは2,000〜80,000(例えば、2,000〜60,000)、さらに好ましくは3,000〜50,000(例えば、5,000〜30,000)、特に7,000〜20,000程度であってもよい。前記数平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算により測定することができる。
<染料>
前記染料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記染料を含有することにより、銀粒子単独の色相より彩度が低いニュートラルな色相を得ることができ、メタリック塗膜の光沢性を維持した自然な金属光沢を得ることができる。また、染料の含有量を増やすことにより、彩度が高く色付いた金属光沢膜を得ることができ、光沢を損なわないことから意匠性の高い画像を得ることができる。
前記染料としては、例えば、水溶性染料などが挙げられる。
前記染料としては、耐光性が高い染料を用いることにより、メタリック塗膜の補色としてメタリック画像の色相を中性化し、より鮮やかな着色を行なうことができ、かつ銀粒子と同程度まで画像の耐久性を高めることができ、長期間にわたって自然な金属光沢を発現することができる。
このような高耐光性の染料としては、色相が中性であるブラック染料や、混合して中性色化できるプロセスカラーであるシアン染料、マゼンタ染料、イエロー染料があり、任意に混合して好ましい色相を発現するようにして用いることができる。
<<ブラック染料>>
前記インクは、ブラックインクを併せて用いることが好ましい。
前記ブラックインクに用いる染料としては、例えば、下記一般式(I)で表される化合物、下記一般式(I)で表される化合物の塩、下記一般式(II)で表される化合物、下記一般式(II)で表される化合物の塩などが挙げられる。
前記塩を形成する対イオンとしては、例えば、アルカリ金属、アンモニウム、有機アンモニウムなどのイオンなどが挙げられる。
前記アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなどが挙げられる。
前記有機アンモニウムとしては、例えば、メチルアミン、エチルアミン等の炭素数1乃至3のアルキルアミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどの、モノ、ジ又はトリ−(炭素数1乃至4のアルカノール)アミンのアンモニウム塩が挙げられる。また、対イオンは、カルシウム及びマグネシウム等のアルカリ土類金属であってもよい。
下記一般式(I)で表される化合物としては、例えば、特開2009−062515号公報、及び特開2007−224274号公報に詳細に記載されているものを用いることができる。
Figure 0006863142
(ただし、前記一般式(I)中、R10は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至4のアルコキシル基、炭素数1乃至4のアルキルアミノ基、カルボキシル−炭素数1乃至5のアルキルアミノ基、ビス−〔カルボキシ−炭素数1乃至5のアルキル〕アミノ基、炭素数1乃至4のアルカノイルアミノ基、フェニルアミノ基、スルホン酸基、ハロゲン原子、又はウレイド基を表し、〔C〕は、カルボキシル基又はスルホン酸基を有する脂肪族アミン残基であり、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
前記一般式(I)におけるR10としては、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至4のアルキルアミノ基、カルボキシル−炭素数1乃至5のアルキルアミノ基、ビス−〔カルボキシ−炭素数1乃至5のアルキル〕アミノ基、炭素数1乃至4のアルカノイルアミノ基、フェニルアミノ基、スルホン酸基、ハロゲン原子、又はウレイド基を表す。
前記炭素数1乃至4のアルキル基、前記炭素数1乃至4のアルキルアミノ基、前記炭素数1乃至4のアルキルアミノ基、及び前記炭素数1乃至4のアルカノイルアミノ基としては、ヒドロキシル基、又は炭素数1乃至4のアルコキシ基によって置換されていてもよい。
前記フェニルアミノ基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、又はアミノ基で置換されていてもよい。
前記一般式(I)におけるR10としては、炭素数が1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
前記一般式(I)における〔C〕としては、カルボキシル基又はスルホン酸基を有する脂肪族アミン残基を表す。
前記カルボキシル基又はスルホン酸基を有する脂肪族アミン残基としては、スルホエチルアミノ基、ジカルボキシメチルイミノ基が好ましく、スルホエチルアミノ基がより好ましい。
また、前記一般式(I)におけるMとしては、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。
前記一般式(I)で表される化合物の水を溶媒として測定した吸収スペクトルの最大吸収波長(λmax)としては、400nm以上440nm以下が好ましい。
前記一般式(I)で表される化合物としては、例えば、下記一般式(I−1)で表される化合物などが挙げられる。
Figure 0006863142
ただし、前記一般式(I−1)中、〔C〕、及びMは、一般式(I)中の〔C〕、及びMと同様である。
下記一般式(II)で表される化合物としては、例えば、特開2009−062515号公報、及び特開2007−224274号公報に詳細に記載されているものを用いることができる。
Figure 0006863142
(ただし、前記一般式(II)中、Aは、芳香族基、又は複素環基を表し、Bは、下記一般式(1)乃至(5)で表される基のいずれかを表し、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
Figure 0006863142
Figure 0006863142
Figure 0006863142
Figure 0006863142
Figure 0006863142
(ただし、前記一般式(1)乃至(5)中、R乃至Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、又はスルホン酸基を表す)
前記一般式(II)におけるAとしては、芳香族基又は複素環基を表し、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、ベンゾチアゾール環が好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環がより好ましい。前記芳香族基、及び前記複素環基としては、置換されていてもよい。
前記一般式(II)中のBとしては、前記一般式(1)乃至(5)で表される基であり、R乃至Rは、置換されていてもよく、前記一般式(2)で表される基が好ましく、前記一般式(2)中のRがアリール基又はピリジル基であることがより好ましい。前記アリール基又は前記ピリジル基としては、フェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、2−ピリジル基、4−ピリジル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが好ましい。
また、前記一般式(II)で表される化合物の水を溶媒として測定した吸収スペクトルの最大吸収波長(λmax)としては、590nm以上620nm以下が好ましい。
前記一般式(II)で表される化合物としては、下記構造式で表される化合物(K−1)を好適に用いることができる。
(K−1)
Figure 0006863142
<<イエロー染料>>
前記イエロー染料としては、例えば、下記一般式(III)で表される化合物、その塩などが挙げられる。
前記塩を形成する対イオンとしては、前記一般式(I)で表される化合物の塩を形成する対イオンと同様のものを用いることができる。
下記一般式(III)で表される化合物としては、例えば、特開2009−062515号公報、特開2007−224274号公報に詳細に記載されているものを用いることができる。
Figure 0006863142
(ただし、前記一般式(III)中、R、R、Y、及びYは、それぞれ独立に、一価の基を表し、X、及びXは、それぞれ独立に、ハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基を表し、Z、及びZは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
前記一般式(III)におけるR、R、Y及びYは、それぞれ独立に、一価の基を表し、例えば、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基)、アシルアミノ基(アミド基)、アミノカルボニルアミノ基(ウレイド基)、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、アゾ基、イミド基などが挙げられる。
これらの中でも、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基が好ましく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロ環基がより好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルキルスルホニル基が特に好ましい。
前記一価の基としては、置換されていてもよい。この場合の置換基としては、例えば、炭素数1乃至12の直鎖又は分岐鎖アルキル基、炭素数7乃至18の直鎖又は分岐鎖アラルキル基、炭素数2乃至12の直鎖又は分岐鎖アルケニル基、炭素数2乃至12の直鎖又は分岐鎖アルキニル基、炭素数3乃至12の直鎖又は分岐鎖シクロアルキル基、炭素数3乃至12の直鎖又は分岐鎖シクロアルケニル基などが挙げられる。これらの置換基は、染料の溶解性やインクの安定性を優れるものとするために、分岐鎖を有するものがより好ましく、さらには不斉炭素を有するものが特に好ましい。
前記一般式(III)中のX及びXとしては、それぞれ独立に、ハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基が好ましい。なお、前記ハメットは、有効合成化学 第23巻第8号(1965)、631頁〜642頁、総説などを参考して化学構造から算出することができる。
なお、本発明においては、各置換基をハメットのσp値により規定している。本発明においては、具体的にσp値が知られている置換基に限らず、ハメット則に基づいてσp値を算出した場合に、その範囲内に含まれるであろう置換基をも含むものとする。
前記一般式(III)で表される化合物としては、ベンゼン誘導体ではないが、本発明においては、置換基の電子効果を示す尺度として、置換位置に関係なく、σp値を用いるものとする。
前記一般式(III)におけるZ及びZとしては、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。
前記アルキル基、前記アルケニル基、前記アルキニル基、前記アラルキル基、前記アリール基、及び前記ヘテロ環基としては、置換されていてもよい。この場合の置換基としては、前記一価の基と同様のものを用いることができる。
前記一般式(III)におけるMとしては、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。
前記アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなどが挙げられる。
前記有機アンモニウムとしては、例えば、アセトアミド、ベンズアミド、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、及びフェニルアミノなどが挙げられる。
<<マゼンタ染料>>
前記マゼンタ染料としては、下記一般式(IV)で表される化合物、下記一般式(V)で表される化合物、下記一般式(VI)で表される化合物、これらの塩などが挙げられる。前記一般式(IV)〜(VI)で表される化合物の塩を形成する対イオンとしては、前記一般式(I)で表される化合物の塩を形成する対イオンと同様のものを用いることができる。
下記一般式(IV)で表される化合物については特開2009−062515号公報、国際公開第2009/060654号、特開2005−008868号公報に詳細に記載されているものを用いることができる。
Figure 0006863142
(ただし、前記一般式(IV)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1乃至8のアルキル基、炭素数1乃至4のヒドロキシアルキル基、シクロヘキシル基、(H(CHN(CH−で表されるアルキルアミノアルキル基(m:1乃至4、n:1乃至2、o:1乃至4)を表し、Yは、それぞれ独立に、−SOM、又は−(COOM)(n:1乃至2)を表し、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表し、Xは、−NH−(CH−NH−(n:2乃至6)で表される連結基を表す)
前記炭素数1乃至8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、3−メチルブチル基、1−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基などが挙げられる。
前記炭素数1乃至4のヒドロキシアルキル基におけるアルキルとしては、直鎖、分岐、及び環状のアルキルなどが挙げられる。これらの中でも、直鎖アルキルが特に好ましい。また、前記アルキルとしては、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、及び4−ヒドロキシブチルが好ましい。
前記(H(CHN(CH−で表されるアルキルアミノアルキル基としては、例えば、モノアルキルアミノアルキル基(m:1乃至4、n:1、o:1乃至4)、ジアルキルアミノアルキル基(m:1乃至4、n:2、o:1乃至4)などが挙げられる。
前記モノアルキルアミノアルキル基としては、例えば、モノ−炭素数1乃至4アルキルアミノ−炭素数1乃至4アルキル基などが挙げられる。
前記ジアルキルアミノアルキル基としては、ジ−炭素数1乃至4アルキルアミノ−炭素数1乃至4アルキル基が挙げられる。
本発明においては、前記一般式(IV)中のRとしては、水素原子、炭素数1乃至8のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
前記一般式(IV)におけるYとしては、それぞれ独立に、−SOM、又は−(COOM)(n:1乃至2)を表す。
前記一般式(IV)におけるXとしては、−NH−(CH−NH−(n:2乃至6)で表される連結基を表す。当該連結基中のnとしては、2であることが好ましい。
前記一般式(IV)におけるMとしては、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。
下記一般式(V)で表される化合物としては、特開2009−062515号公報、国際公開第2006/075706号パンフレット、及び特開2003−192930号公報に詳細に記載されているものを用いることができる。
Figure 0006863142
(ただし、前記一般式(V)中、Rは、水素原子、又はアルキル基を表し、Rは、下記一般式(a)で表される基、又は下記一般式(b)で表される置換基を有するトリアジンを表し、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
Figure 0006863142
(ただし、前記一般式(a)中、Rは、置換基としてカルボキシ基を有するアニリノ基、炭素数が1乃至8の無置換モノアルキルアミノ基、置換基としてスルホ基若しくはカルボキシ基を有する炭素数が1乃至8のモノアルキルアミノ基、炭素数が1乃至6の無置換ジアルキルアミノ基、又はフェノキシ基を表し、nは、1乃至2を表す)
Figure 0006863142
(ただし、前記一般式(b)中、Rは、アニリノ基、2−スルホアニリノ基、2,5−ジスルホアニリノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、4−メトキシ−2−スルホアニリノ基、2−カルボキシ−5−スルホアニリノ基、3−カルボキシ−4−ヒドロキシアニリノ基、又はアミノベンズイミダゾール基を表し、Rは、ヒドロキシル基、又はアミノ基を表す)
前記一般式(V)におけるRとしては、水素原子、又はアルキル基を表す。
前記アルキル基としては、インクを構成する水性媒体への溶解性の点から、炭素数1乃至3であることが好ましい。
また、前述のように一般式(V)におけるMは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。
前記一般式(a)におけるRは、置換基としてカルボキシ基を有するアニリノ基、炭素数が1乃至8の無置換モノアルキルアミノ基、置換基としてスルホ基若しくはカルボキシ基を有する炭素数が1乃至8のモノアルキルアミノ基、炭素数が1乃至6の無置換ジアルキルアミノ基、又はフェノキシ基を表す。
前記一般式(b)におけるRとしては、アニリノ基、2−スルホアニリノ基、2,5−ジスルホアニリノ基、2−エチルヘキシルアミノ基又はシクロヘキシルアミノ基、4−メトキシ−2−スルホアニリノ基、2−カルボキシ−5−スルホアニリノ基、3−カルボキシ−4−ヒドロキシアニリノ基、アミノベンズイミダゾール基を表す。
前記一般式(b)におけるRとしては、ヒドロキシル基、又はアミノ基を表す。
下記一般式(VI)で表される化合物としては、特開2009−062515号公報、及び特許第4783581号公報に詳細に記載されているものを用いることができる。
Figure 0006863142
(ただし、前記一般式(VI)中、R、R、R、及びRは、それぞれ独立に、アルキル基を表し、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
前記一般式(VI)におけるR、R、R、及びRとしては、それぞれ独立に、アルキル基を表す。
前記アルキル基としては、インクを構成する水性媒体への溶解性の点から、メチル基、エチル基、第1級プロピル基、及び第2級プロピル基が好ましい。
前記一般式(VI)におけるMとしては、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。
前記一般式(VI)で表される化合物としては、下記構造式で表される化合物(M−I)を好適に用いることができる。
(M−I)
Figure 0006863142
<<シアン染料>>
前記シアン染料としては、下記一般式(VII)で表される化合物、下記一般式(VIII)で表される化合物、その塩などが挙げられる。前記一般式(VII)及び前記一般式(VIII)で表される化合物の塩を形成する対イオンとしては、前記一般式(I)で表される化合物の塩を形成する対イオンと同様のものを用いることができる。
下記一般式(VII)で表される化合物としては、特開2009−062515号公報、及び特開2007−224274号公報に詳細に記載されているものを用いることができる。
Figure 0006863142
(ただし、前記一般式(VII)中、A、B、C、及びDは、それぞれ独立に、芳香族性を有する6員環を表し、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表し、Eは、アルキレン基を表し、Xは、スルホ置換アニリノ基、カルボキシル置換アニリノ基、又はホスホノ置換アニリノ基を表し、Yは、ヒドロキシル基、又はアミノ基を表し、L、m、及びnは、0≦L≦2、0≦m≦3、0.1≦n≦3を表し、かつL+m+nは1乃至4を表す)
前記一般式(VII)におけるA、B、C、及びDとしては、それぞれ独立に、芳香族性を有する6員環を表す。
前記一般式(VII)で表される化合物としては、例えば、A、B、C、及びDが、全てベンゼン環又は全て含窒素複素芳香環である化合物などが挙げられる。
前記一般式(VII)におけるEとしては、アルキレン基を表す。
前記アルキレン基の炭素数としては、2乃至12が好ましく、2乃至6がより好ましい。
前記一般式(VII)におけるXとしては、スルホ置換アニリノ基、カルボキシル置換アニリノ基、又はホスホノ置換アニリノ基を表す。
前記スルホ置換アニリノ基、前記カルボキシル置換アニリノ基、及び前記ホスホノ置換アニリノ基としては、スルホン酸基、カルボキシル基、ホスホノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アセチルアミノ基、ウレイド基、アルキル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン、アルキルスルホニル基、及びアルキルチオ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を1乃至4個有してもよい。
前記Xにおけるスルホン酸基、カルボキシル基、又はホスホノ基としては、塩の形態であってもよい。
前記塩を形成する対イオンとしては、例えば、アルカリ金属、アンモニウム、及び有機アンモニウム等のイオンなどが挙げられる。
前記一般式(VII)におけるYとしては、ヒドロキシル基又はアミノ基を表す。
前記一般式(VII)におけるMとしては、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。
下記一般式(VIII)で表される化合物としては、例えば、特開2007−224274号公報に詳細に記載されているものを用いることができる。
Figure 0006863142
(ただし、前記一般式(VIII)中、(R)tは、それぞれ独立に、水素原子、下記一般式(c)で表される基、又は下記構造式(d)で表される基を表し、Mは、Cuを表す)
Figure 0006863142
(ただし、前記一般式(c)中、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
前記一般式(c)中のMにおけるアルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなどが挙げられる。
前記一般式(c)中のMにおける有機アンモニウムとしては、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノメチル−1,3−プロパンジアミン、2−アミノエチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N−トリメチル−N’−ヒドロキシエチルアンモニウム、N,N,−ジメチル−N’,N’−ジ(ヒドロキシエチル)アンモニウム、N−メチル−N’,N’,N’−トリ(ヒドロキシエチル)アンモニウムなどが挙げられる。
Figure 0006863142
前記一般式(VIII)で表される化合物としては、下記構造式で表される化合物(C−I)を好適に用いることができる。
Figure 0006863142
また、前記染料としては、下記構造式で表される化合物(R−I)を好適に用いることができる。
(R−I)
Figure 0006863142
前記染料の含有量としては、画像濃度の向上、良好な定着性、及び吐出安定性の点から、インク全量に対して、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、0.3質量%以上10質量%以下が好ましく、1質量%以上10質量%以下がより好ましく、1質量%以上3.0質量%以下が特に好ましい。
[質量比(染料/銀)]
前記銀の含有量(質量%)と、前記染料の含有量(質量%)との質量比(染料/銀)としては、0.06〜1.50が好ましく、0.09〜1.20がより好ましく、0.09〜1.00がさらに好ましく、0.1〜1.00がさらに好ましく、0.12〜1.00が特に好ましく、0.2〜1.00が最も好ましい。前記質量比(染料/銀)が、0.06〜1.50であると、銀が造膜する際の銀間に、染料の近接を阻害せず、染料による着色の効果を得つつ、銀による金属光沢を効果的に発現することができる。
<有機溶剤>
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物も好適に使用される。炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどが挙げられる。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物は、記録媒体として紙を用いた場合に、インクの浸透性を向上させることができる。
前記有機溶剤としては、銀粒子の分散性を高めるという点から、炭素数6以下の多価アルコールを含むことが好ましい。
前記炭素数6以下の多価アルコールとしては、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、グリセリンなどが挙げられる。
前記炭素数6以下の多価アルコールの含有量としては、インク全量に対して、5質量%以上50質量%以下が好ましく、保存時における銀粒子の分散性を高めるという点から、10質量%以上25質量%以下がより好ましい。
有機溶剤のインク中における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<水>
前記水は、水系インクの主な媒体である。
前記水としては、イオン性の不純物を極力低減することを目的として、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水などが挙げられる。
また、紫外線照射、又は過酸化水素添加等により滅菌した水を用いると、インクを長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができるため好ましい。
前記水の含有量としては、特に制限なく、目的に応じて適宜選択することができるが、20質量%以上75質量%以下が好ましく、20質量%以上65質量%以下がより好ましく、30質量%以上60質量%以下が特に好ましい。前記含有量が、20質量%以上75質量%以下であると、環境負荷が少ないインクとすることができる。
<樹脂>
前記樹脂は、耐擦過性、及び記録媒体との密着性を向上することができる。
前記樹脂としては、例えば、水に可溶な水溶性樹脂、水に分散可能な樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<水溶性樹脂>>
前記水溶性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ゼラチン、カゼイン等のタンパク質、アラビアゴム等の天然ゴム、サボニン等のグルコキシド、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、リグニンスルホン酸塩、セラック等の天然高分子化合物、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド、スチレン−アクリル酸共重合物塩、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合物塩、スチレン−マレイン酸共重合物塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合物塩、β−ナフタレンスルホン酸ホリマリン縮合物のナトリウム塩、ポリリン酸等のイオン性高分子化合物、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンイミンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<水に分散可能な樹脂>
インク中に含有する樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いても良い。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。
また、前記ウレタン樹脂としては、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂粒子が好ましい。
樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な定着性、高い画像硬度を得る点から、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
また、前記樹脂粒子の体積平均粒径としては、金属光沢発現の点から、10nm以上30nm以下が最も好ましい。前記体積平均粒径が、10nm以上30nm以下であると、染料による発色を阻害せず、かつ塗膜の金属光沢(光沢度)と耐擦過性とが最もよく両立することができる。
前記樹脂の含有量としては、インク全量に対して、0.1質量%以上10.0質量%以下が好ましく、0.3質量%以上4.0質量%以下がより好ましい。前記含有量が、0.1質量%以上10.0質量%以下であると、耐擦過性、及び金属光沢を向上することができる。
<添加剤>
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S-1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
Figure 0006863142
(但し、一般式(S−1)式中、m、n、a、及びbは、それぞれ独立に、整数を表わし、Rは、アルキレン基を表し、R’は、アルキル基を表す。)
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2〜16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4〜16である化合物がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F−1)及び一般式(F−2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
Figure 0006863142
一般式(F−1)
上記一般式(F−1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0〜10の整数が好ましく、nは0〜40の整数が好ましい。
一般式(F−2)
2n+1−CHCH(OH)CH−O−(CHCHO)−Y
上記一般式(F−2)で表される化合物において、YはH、又はCmF2m+1でmは1〜6の整数、又はCHCH(OH)CH−CmF2m+1でmは4〜6の整数、又はCpH2p+1でpは1〜19の整数である。nは1〜6の整数である。aは4〜14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。 この市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR、キャプストーンFS−30、FS−31、FS−3100、FS−34、FS−35(いずれも、Chemours社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)、ユニダインDSN−403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS−3100、FS−34、FS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF−151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN−403Nが特に好ましい。
インク中における界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
<消泡剤>
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
<防錆剤>
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
<pH調整剤>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
(インクセット)
前記インクセットは、本発明のインクと、カラーインクとを有し、更に必要に応じてその他のインクを含む。
<カラーインク>
前記「カラーインク」とは、白色インク等の無彩色インク、ブラックインク、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク等の有彩色インクを意味する。
前記カラーインクは、色材及び溶媒を含有し、更に必要に応じて、水、色材、樹脂、その他の成分を含有する。
前記溶媒としては、例えば、有機溶剤、水などが挙げられる。
<有機溶剤>
前記有機溶剤としては、前記インクにおける有機溶剤と同様のものを用いることができる。
<水>
前記水としては、前記インクにおける水と同様のものを用いることができる。
<色材>
前記染料に加えて、色材としてその他にもあわせて顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。また、混晶を使用しても良い。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられる。
さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
前記カラーインク中の色材の体積平均粒径としては、50nm以上400nm以下が好ましい。色材の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
インク中の色材の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
顔料を分散してインクを得るためには、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加することで、水中に分散可能とする方法が挙げられる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能とする方法が挙げられる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<顔料分散体>
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を混合、分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いるとよい。
顔料分散体における顔料の体積平均粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、色材の体積平均粒径は50nm以上400nm以下が好ましい。この範囲であると自然な銀色の金属光沢を得ることができる。顔料の体積平均粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
<樹脂>
インク中に含有する樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いても良い。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。
樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な定着性、高い画像硬度を得る点から、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着性、インクの保存安定性の点から、インク全量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
インク中の固形分の粒径については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、吐出安定性、画像濃度などの画像品質を高くする点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上1000nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。固形分は樹脂粒子や顔料の粒子等が含まれる。粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
<添加剤>
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。
前記界面活性剤、前記消泡剤、前記防腐防黴剤、前記防錆剤、及び前記pH調整剤としては、前記インクにおける添加剤の消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、及びpH調整剤と同様なものを用いることができる。
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
(インクカートリッジ)
前記インクカートリッジは、前記インクセットに用いられるインク、及びカラーインクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材を有してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを少なくとも有するものなどが好適に挙げられる。
(液体吐出方法、及び液体を吐出する装置(液体吐出装置))
前記液体吐出方法は、記録媒体上に、本発明のインクを吐出する吐出工程を含み、定着工程を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の工程を含む。
前記液体を吐出する装置(以下、「液体吐出装置」とも称することがある)は、記録媒体と、本発明のインクと、を有し、 前記記録媒体上に、前記インクを吐出する吐出手段と、を有し、定着手段を有することが好ましく、更に必要に応じてその他の手段を有する。
<吐出工程及び吐出手段>
前記吐出工程は、本発明のインクに、刺激(エネルギー)を印加し、インク吐出用の各種のノズルからインクを吐出して、記録媒体に画像を記録する工程である。
前記吐出手段は、本発明のインクに、刺激(エネルギー)を印加し、インク吐出用の各種のノズルからインクを吐出して、記録媒体にインクを吐出する手段である。
前記刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱(温度)、圧力、振動、光、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適に挙げられる。
前記インクの吐出の態様としては、例えば、インク流路内の前記インクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる、いわゆるピエゾ方式(例えば、特公平2−51734号公報参照)、発熱抵抗体を用いてインク流路内にてインクを加熱して気泡を発生させる、いわゆるサーマル方式(例えば、特公昭61−59911号公報参照)、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、前記振動板と前記電極との間に発生させる静電力によって前記振動板を変形させることにより、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電方式(例えば、特開平6−71882号公報参照)などが挙げられる。
前記飛翔させる前記インクの液滴は、その大きさとしては、例えば、3pL以上40pL以下が好ましく、その吐出噴射の速さとしては、5m/s以上20m/s以下が好ましく、その駆動周波数としては、1kHz以上が好ましく、その解像度としては、300dpi以上が好ましい。
記録速度としては、8.0cm/sec以上が好ましく、16cm/sec以上がより好ましく、33cm/sec以上が特に好ましい。
<定着工程及び定着手段>
前記定着工程は、画像を記録した前記記録媒体を加熱乾燥してインクを定着する工程である。
前記定着手段は、画像を記録した前記記録媒体を加熱乾燥してインクを定着する手段である。
前記液体吐出方法、及び前記液体を吐出する装置としては、前記記録媒体に高画像品質な記録ができるが、より一層高画質で耐擦過性、及び密着性の高い画像の形成、並びに高速の記録条件にも対応できるようにするために、記録後に前記記録媒体を加熱することが好ましい。記録後に定着工程を含むと、インク中に含有される樹脂の造膜が促進されるため、記録物の画像硬度を向上させることができる。
前記定着工程は、乾燥するときに加熱することにより、乾燥速度を上げことができ、録媒体上に吐出されたインクをブリードさせずに定着することができる。
前記定着工程により、より一層高画質で耐擦性や接着性の高い画像を形成することができ、高速の印字条件にも対応できるようなる。
前記定着手段は、乾燥するときに加熱することにより、乾燥速度を上げることができ、生産速度を向上させることができる。
前記定着工程に用いる装置としては、多くの既知の装置を使用することができ、例えば、強制空気加熱、輻射加熱、伝導加熱、高周波乾燥、マイクロ波乾燥等の装置などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記定着温度(乾燥する温度)としては、インク中に含まれる有機溶媒の種類や量、及び添加する樹脂エマルジョンの最低造膜温度に応じて変更することができ、さらに印刷する基材の種類に応じても変更することができる。
前記定着温度(乾燥する温度)としては、乾燥性、及び造膜温度の点から、高いことが好ましく、20℃以上200℃以下がより好ましく、20℃以上120℃以下がさらに好ましく、40℃以上100℃以下が特に好ましく、50℃以上90℃以下が最も好ましい。前記定着温度が、20℃以上200℃以下であると、印刷する記録媒体の熱によるダメージを防止し、インクヘッドが温まることによる不吐出が生じることを抑制することができる。
本発明のインクセットに用いるインクは、インクジェット記録方法に制限されず、広く使用することが可能である。インクジェット記録方法以外にも、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、グラビアオフセットコート法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、Uコンマコート法、AKKUコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、4本乃至5本ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
以下は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)を用いた場合について説明するが、これらに代えて、あるいは、これらに加えて、銀粒子を含むインクを用いればよい。
ここで、前記インクを用いて記録を行うことができる液体を吐出する装置について、図面を参照しながら説明する。前記液体を吐出する装置には、キャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)、ライン型ヘッドを備えたライン型などがあるが、図1は、シリアル型画像形成装置の一例を示す要部平面説明図である。図2は、図1の装置の液体吐出ユニットの一例を示す要部側面説明図である。図3は、図1の装置の液体吐出ユニットの他の一例を示す要部側面説明図である。
図1に示すように、前記液体を吐出する装置は、シリアル型装置であり、主走査移動機構493によって、キャリッジ403は主走査方向に往復移動する。主走査移動機構493は、ガイド部材401、主走査モータ405、タイミングベルト408等を含む。ガイド部材401は、左右の側板491A、491Bに架け渡されてキャリッジ403を移動可能に保持している。そして、主走査モータ405によって、駆動プーリ406と従動プーリ407間に架け渡したタイミングベルト408を介して、キャリッジ403は主走査方向に往復移動される。
前記キャリッジ403には、本発明に係る液体吐出ヘッド404及びヘッドタンク441を一体にした液体吐出ユニット440を搭載している。液体吐出ユニット440の液体吐出ヘッド404は、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の液体を吐出する。また、液体吐出ヘッド404は、複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配置し、吐出方向を下方に向けて装着している。
前記液体吐出ユニットは、前記液体を吐出する装置を構成している部材のうち、側板491A、491B及び背板491Cで構成される筐体部分と、主走査移動機構493と、キャリッジ403と、液体吐出ヘッド404で構成されている。
なお、この液体吐出ユニットの例えば側板491Bに、維持回復機構420、及び供給機構494の少なくともいずれかを更に取り付けた液体吐出ユニットを構成することもできる。
液体吐出ヘッド404の外部に貯留されている液体を液体吐出ヘッド404に供給するための供給機構494により、ヘッドタンク441には、液体カートリッジ450に貯留されている液体が供給される。
供給機構494は、液体カートリッジ450を装着する充填部であるカートリッジホルダ451、チューブ456、送液ポンプを含む送液ユニット452等で構成される。液体カートリッジ450はカートリッジホルダ451に着脱可能に装着される。ヘッドタンク441には、チューブ456を介して送液ユニット452によって、液体カートリッジ450から液体が送液される。
前記液体を吐出する装置は、用紙410を搬送するための搬送機構495を備えている。搬送機構495は、搬送手段である搬送ベルト412、搬送ベルト412を駆動するための副走査モータ416を含む。
搬送ベルト412は、用紙410を吸着して液体吐出ヘッド404に対向する位置で搬送する。この搬送ベルト412は、無端状ベルトであり、搬送ローラ413と、テンションローラ414との間に掛け渡されている。吸着は静電吸着、あるいは、エアー吸引などで行うことができる。
そして、搬送ベルト412は、副走査モータ416によってタイミングベルト417及びタイミングプーリ418を介して搬送ローラ413が回転駆動されることによって、副走査方向に周回移動する。
さらに、キャリッジ403の主走査方向の一方側には搬送ベルト412の側方に液体吐出ヘッド404の維持回復を行う維持回復機構420が配置されている。
維持回復機構420は、例えば、液体吐出ヘッド404のノズル面(ノズルが形成された面)をキャッピングするキャップ部材421、ノズル面を払拭するワイパ部材422などで構成されている。
主走査移動機構493、供給機構494、維持回復機構420、及び搬送機構495は、側板491A、491B、背板491Cを含む筐体に取り付けられている。
このように構成した液体を吐出する装置においては、用紙410が搬送ベルト412上に給紙されて吸着され、搬送ベルト412の周回移動によって用紙410が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ403を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて液体吐出ヘッド404を駆動することにより、停止している用紙410に液体を吐出して画像を形成する。
このように、前記液体を吐出する装置では、液体吐出ヘッドを備えているので、高画質画像を安定して形成することができる。
次に、本発明に係る液体吐出ユニットの更に他の例について図1を参照して説明する。図1は、インクジェット記録装置における液体吐出ユニットの正面説明図である。
この液体吐出ユニットは、流路部品444が取付けられた液体吐出ヘッド404と、流路部品444に接続されたチューブ456で構成されている。
なお、流路部品444は、カバー442の内部に配置されている。流路部品444に代えてヘッドタンク441を含むこともできる。また、流路部品444の上部には液体吐出ヘッド404と電気的接続を行うコネクタ443が設けられている。
本発明において、液体を吐出する装置は、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて、液体を吐出させる装置である。前記液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
この液体を吐出する装置は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
また、液体を吐出する装置は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。
前記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
例えば、液体吐出ユニットとして、図2で示した液体吐出ユニット440のように、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。また、チューブなどで互いに接続されて、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。ここで、これらの液体吐出ユニットのヘッドタンクと液体吐出ヘッドとの間にフィルタを含むユニットを追加することもできる。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジが一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドを走査移動機構の一部を構成するガイド部材に移動可能に保持させて、液体吐出ヘッドと走査移動機構が一体化されているものがある。また、図2で示したように、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジと主走査移動機構が一体化されているものがある。
また、液体吐出ユニットとして、図1で示したように、ヘッドタンク若しくは流路部品が取付けられた液体吐出ヘッドにチューブが接続されて、液体吐出ヘッドと供給機構が一体化されているものがある。
主走査移動機構は、ガイド部材単体も含むものとする。また、供給機構は、チューブ単体、装填部単体も含むものする。
また、「液体吐出ヘッド」は、使用する圧力発生手段が限定されるものではない。例えば、上記実施形態で説明したような圧電アクチュエータ(積層型圧電素子を使用するものでもよい)以外にも、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを使用するものでもよい。
被印刷物としては、特に限定されず、一般的な記録媒体として用いられるものに限られず、壁紙や床材などの建材、衣料用などの布、テキスタイル、皮革等を適宜使用することができる。また、被印刷物を搬送する経路の構成を調整することで、セラミックスやガラス、金属を使用することもできる。記録媒体としては、次の例が挙げられる。
<記録媒体>
記録媒体としては特に制限はなく、普通紙、光沢紙、特殊紙、布などを用いることもできる。一般的な記録媒体として用いられるものに限られず、壁紙、床材、タイル等の建材、Tシャツなど衣料用等の布、テキスタイル、皮革等を適宜使用することができる。また、記録媒体を搬送する経路の構成を調整することにより、セラミックスやガラス、金属などを使用することもできる。
このような記録媒体で、難吸水性記録媒体を用いても良好な画像形成が可能である。
前記難吸水性記録媒体とは、水透過性、及び吸収性が低い表面を有する記録媒体をいい、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれ、より定量的には、「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法2000年版」の規格No.51「紙及び板紙−液体吸収性試験方法−ブリストー法」に記載されているブリストー(Bristow)法において、接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m以下である記録媒体をいう。
前記難吸水性記録媒体としては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィルム、印刷用コート紙、アート紙などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、塩化ビニル樹脂フィルム、印刷用コート紙が好ましい。
本発明のインクは、難吸水性記録媒体だけでなく、普通紙やインクジェット用紙のような多孔質媒体及び無機物コート多孔質媒体など、従来用いられてきた多孔質媒体に対しても十分な性能を示す。
(印刷物)
前記印刷物は、記録媒体と、前記記録媒体上に、前記液体を吐出する装置や前記液体吐出方法を用いて形成された印刷層を有する。
本発明のインクの用途は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、印刷物、塗料、コーティング材、下地用などに応用することが可能である。さらに、インクとして用いて2次元の文字や画像を形成するだけでなく、3次元の立体像(立体造形物)を形成するための立体造形用材料としても用いることができる。
立体造形物を造形するための立体造形装置は、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、インクの収容手段、供給手段、吐出手段や乾燥手段等を備えるものを使用することができる。立体造形物には、インクを重ね塗りするなどして得られる立体造形物が含まれる。また、記録媒体等の基材上にインクを付与した構造体を加工してなる成形加工品も含まれる。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された記録物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形する用途に好適に使用される。
また、本発明の用語における、画像形成、記録、印字、印刷等は、いずれも同義語とする。
以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
(樹脂エマルジョンの調製例1)
撹拌機、還流冷却管、及び温度計を挿入した反応容器に、ポリカーボネートジオール(1,6−ヘキサンジオールとジメチルカーボネートとの反応生成物(数平均分子量(Mn):1,200))1,500g、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)220g、及びN−メチルピロリドン(NMP)1,347gを窒素気流下で仕込み、60℃に加熱してDMPAを溶解させた。次いで、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート1,445g(5.5モル)、及びジブチルスズジラウリレート(触媒)2gを加えて90℃まで加熱し、4時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを得た。この反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン149gを添加、混合したものの中から、4,340gを抜き出して、強撹拌下にて、水5,400g、及びトリエチルアミン15gの混合溶液の中に加えた。次いで、氷1,500gを投入し、35質量%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液626gを加えて鎖延長反応を行い、固形分濃度が30質量%となるように溶媒を留去し、脂環式ジイソシアネートに由来する構造を有するポリカーボネート変性ウレタン樹脂エマルジョンAを得た。得られたポリカーボネート変性ウレタン樹脂エマルジョンAの樹脂(固形分)を単離し、固形分濃度が30質量%のポリカーボネート変性ウレタン樹脂エマルジョンAを得た。
得られたポリカーボネート変性ウレタン樹脂エマルジョンAをスライドガラス上に膜厚10μmとなるように塗布し、100℃、30分間で乾燥させて樹脂フィルムを成形し、微小表面硬度計(装置名:FISCHERSCOPE HM2000、フィッシャー社製)を用いて、ビッカース圧子を9.8mNの荷重をかけて押し込んだ際のマルテンス硬度は120N/mmであった。
また、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定したポリカーボネート変性ウレタン樹脂エマルジョンAに含まれる樹脂粒子の体積平均粒径は、24nmであった。
(銀粒子分散液の調製例1)
<銀粒子分散液1の調製>
硝酸銀66.8g、カルボキシル基を有する高分子分散剤(商品名:ディスパービック190、ビッグケミー社製、溶媒:水、不揮発成分40質量%、酸価:10mgKOH/g、アミン価:0mgKOH/g)7.2g、及びコール酸(和光純薬工業株式会社製)1.8gを、イオン交換水100gに投入し、激しく撹拌し、懸濁液を得た。この懸濁液に対して、ジメチルアミノエタノール(和光純薬工業株式会社製)100gを水温が50℃を超えないように徐々に加えたのち、水温60℃のウォーターバス中で2時間加熱撹拌して反応液を得た。得られた反応液を、ガラスフィルタ(商品名:GC−90、ADVANTEC社製、平均孔径:0.8μm)でろ過し、銀15.0質量%、及び水37.8質量%含む銀粒子分散液1を得た。得られた銀粒子分散液1の粒度分布を、粒度分析装置(Nanotrac Wave−EX150、日機装株式会社製)を用いて測定したところ、50%累積平均粒径(D50)が5nm、及び90%累積体積粒径(D90)が30nmであった。
(銀粒子分散液の調製例2〜4)
<銀粒子分散液2〜4の調製>
銀粒子分散液の調製例1において、下記表1に示す銀粒子の粒径(50%累積平均粒径、及び90%累積体積粒径)になるように、ジメチルアミノエタノールの加える速度と、水温を調節した以外は、銀粒子分散液の調製例1と同様にして、銀粒子分散液2〜4を得た。
Figure 0006863142
(顔料分散液の調製例1)
<顔料分散液1(黒顔料分散液1)の調製>
下記処方の材料をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、KDL型、メディア:直径0.3mmジルコニアボール)で7時間循環分散して黒顔料分散液1を得た。平均孔径が5μmのセルロースアセテートメンブランフィルターにて加圧濾過して粗大粒子を除去し、得られた黒顔料分散液1の粒度分布を、粒度分析装置(Nanotrac Wave−EX150、日機装株式会社製)を用いて測定したところ、50%累積体積粒径(D50)が102nm、及び90%累積体積粒径(D90)が177nmであった。
−黒顔料分散液1処方−
・カーボンブラック(商品名:FW−100、デグサ社製) 15質量部
・アニオン性界面活性剤(パイオニンA−51−B、竹本油脂株式会社製) 2質量部
・イオン交換水 83質量部
(実施例1〜9及び比較例1〜8)
下記表1〜4に示す材料を用いて、以下の手順でインクを調製した。
まず、有機溶剤、界面活性剤、及び水を30分間混合撹拌した後、染料水溶液、銀粒子分散体、及び必要に応じて黒顔料分散体を添加し、合計100質量%となるように残量の水を添加して30分間撹拌した。その後、インクのpHを確認しながらトリエタノールアミンを添加して撹拌し、pHを9に調整した。次いで、平均孔径が0.2μmセルロースアセテートメンブランフィルターを用いて加圧濾過し、粗大粒子を除去してインクを得た。
Figure 0006863142
Figure 0006863142
Figure 0006863142
Figure 0006863142
なお、前記表1〜4において、成分の商品名、及び製造会社名については下記の通りである。染料については、染料固形分の割合を示しており、それ以外の材料については製品状態を示している。
−染料−
・化合物(K−1):下記構造式で表される化合物
Figure 0006863142
・ブラック染料1:ランクセス株式会社製、商品名:BAYSCRIPT Black SP liquid
・C.I. Direct Black 19:オリヱント化学工業株式会社製
・C.I. Direct Black 168:クラリアント株式会社製
・Food Black 1:Sigma−Aldrich社製
・化合物(C−I):下記構造式で表される化合物
Figure 0006863142
・C.I. Direct Blue 199:富士フイルム株式会社製
・C.I. Acid Red 52:富士フイルム株式会社製
・染料(M−I):下記構造式で表される化合物
Figure 0006863142
・染料(R−I):下記構造式で表される化合物
Figure 0006863142
・化合物(Y−I):下記構造式で表される化合物
Figure 0006863142
・C.I.Direct Yellow 132:JPD社製
・C.I.Direct Yellow 142:JPD社製
−有機溶剤−
・1,2−プロパンジオール:関東化学株式会社製
・1,3−ブタンジオール:関東化学株式会社製
・1,2−ヘキサンジオール:関東化学株式会社製
・グリセリン:関東化学株式会社製
・3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン:関東化学株式会社製
−添加剤−
・シリコーン系界面活性剤:信越化学工業株式会社製、商品名:KF−351A
・2,4,7,9−テトラメチルデカン−4,7−ジオール:日信化学工業株式会社製、商品名:エンバイロジェムAD01
(ΔE)
インクジェットプリンター(装置名:IPSiOGXe5500、株式会社リコー製)の外装を外し、背面マルチ手差しフィーダーを取り付け、印字ヘッドを含めたインク供給経路に純水を通液することで洗浄し、洗浄液が着色しなくなるまで十分に通液して洗浄液を装置から抜ききって評価用印写装置とした。
実施例1〜9、及び比較例1〜8のインク処方から銀粒子分散液を水に置き換えた染料溶液を作製した。得られた各染料溶液を5Pa〜10Paの減圧条件で30分間撹拌することにより染料溶液中の気体を脱気し、インクカートリッジに充填して評価用インクカートリッジとした。充填動作を行い、全ノズルにインクが充填され異常画像が出ないことを確認し、プリンタ添付のドライバで、光沢紙きれいモードを選択後、ユーザー設定でカラーマッチングoffを印字モードとした。23℃、40%RHの環境下で、染料溶液付着量が20g/mとなるようにヘッドの駆動電圧を変更することで吐出量を調整し、記録媒体(商品名:photo realistic gloss 235、ILFORD社製)に対して、Microsoft Word2003にて作成した5cm×5cmの画像(ベタ画像)を得た。
得られた画像の色特性(L、a、b)を分光測色濃度計X−Rite939を用いて測色した。
次いで、退色画像データを得るため、キセノン・ウェザオメータ(装置名:Ci35AW。アトラス社製)を用いて、波長340nmの照射光を、放射照度0.35W/m 、B−Si/B−Siフィルター使用、ブラックパネル温度(ブラックパネル温度計、アトラス社製)89℃、乾球温度70℃、相対湿度50%RHの条件にて、画像に対して24時間照射を行った。その後、23℃、40%RHの環境下にて、前記と同様にして色特性を調べ、初期画像の色特性と退色画像の色特性から色差を下記の式で算出した。結果を下記表5及び6に示す。
色差ΔE=(ΔL*2+Δa*2+Δb*20.5
次に、得られたインクを用いて、下記のようにして、「光沢度」、及び「耐光性」を評価した。結果を下記表5に示す。比較例8のインクに関しては、室温環境下で1週間放置すると銀粒子が沈降して分離しており、超音波を加えても再分散しなかった。そのため、インクの保存安定性が不足しており、印字できなかった。
[画像の形成(吸収性記録媒体への画像の印字)]
得られた実施例1〜7、及び比較例1〜7を、前記ΔEにおける印字条件と同様にして、インクジェットプリンター(装置名:IPSiOGXe5500、株式会社リコー製)に充填し、インクジェット用光沢紙(商品名:クリスピア、セイコーエプソン株式会社製)に対して、Microsoft Word2003にて作成した5cm×5cmのベタ画像を上記印字条件にて印刷した後、23℃、40%RHの環境下で24時間乾燥させた。
(光沢度)
得られた画像の20°光沢度を光沢度計(装置名:マイクロトリグロス、BYK Gardener社製)により測定し、下記評価基準に基づいて、「光沢度」を評価した。Cランクは、光沢度が低すぎてしまい、金属光沢を感じられないため実用できないレベルである。
−評価基準−
S:20°光沢度が、800以上
A:20°光沢度が、500以上800未満
B:20°光沢度が、250以上500未満
C:20°光沢度が、250未満
(耐光性)
得られた画像の下に市販の普通紙(商品名:マイペーパー、株式会社リコー製)を5枚重ねて敷いた状態で、画像を分光測色濃度計(装置名:X−Rite939、X−Rite製)を用いて測色し、乾燥後の印字画像(初期画像)の色特性(L、a、b)を求めた。次いで退色画像データを得るため、キセノン・ウェザオメータ(装置名:Ci35AW、アトラス社製)を用いて、波長340nmの照射光を、放射照度0.35W/m B−Si/B−Siフィルター使用、ブラックパネル温度89℃、乾球温度70℃、相対湿度50%RHの条件にて24時間照射を行った(退色画像)。その後、23℃、40%RHの環境下にて、前記と同様にして色特性を求めた。そして、前記初期画像と退色画像との色差の最大値を求め、下記評価基準に基づいて、「耐光性」を評価した。
色差ΔE=(ΔL*2+Δa*2+Δb*20.5
−評価基準−
ランクA:3未満
ランクB:3以上8未満
ランクC:8以上10未満
ランクD:10以上
Figure 0006863142
[画像の形成(難吸収性記録媒体への画像の印字)]
得られた実施例1、8、及び9のインクを、上記印字条件と同様にインクジェットプリンター(装置名:IPSiOGXe5500、株式会社リコー製)に充填し、PPC普通紙(商品名:マイペーパー、株式会社リコー製)上に両面テープで固定した透明PETフィルム(商品名:エステルフィルムE5100、東洋紡株式会社製)に対して、Microsoft Word2003にて作成した5cm×5cmのベタ画像を上記印字条件にて印刷した後、50℃の恒温槽で1時間乾燥させた。
前記[画像の形成(吸収性記録媒体への画像の印字)]での画像における「光沢度」、及び「耐光性」と同様にして、「光沢度」、及び「耐光性」を評価した。また、以下のようにして、「耐擦過性」を評価した。結果を下記表6に示す。
(耐擦過性)
得られた画像を、学振型磨耗堅牢度試験機(装置名:AB−301、テスター産業株式会社製)にセットし、接触部に白綿布(JIS L 0803準拠)を取り付けた摩擦子(荷重;300g)にて10回擦り、その劣化具合を目視にて観察し、下記評価基準に基づいて、「耐擦過性」を評価した。Aが、実使用上、問題のないレベルである
A:傷の数が10本未満であり、下地も見えない
B:傷の数が10本以上であり、下地(被印刷物)が一部見えている
C:傷の数が10本以上であり、下地(被印刷物)の大部分が露出してしまっている
Figure 0006863142
本発明の態様としては、以下のとおりである。
<1>50%累積体積粒径が100nm以下の銀、及び染料を含むインクであって、
前記インクから前記銀を除いた染料溶液を用いて形成した画像に、波長340nmの照射光を、放射照度0.35W/m 、ブラックパネル温度89℃にて、24時間照射した耐光性試験において、前記耐光性試験前後の前記画像の色差ΔEが、10未満であることを特徴とするインクである。
<2> 前記染料が、下記一般式(I)〜(VIII)で表される化合物、及びその塩から選択される少なくとも1種を含む前記<1>に記載のインクである。
Figure 0006863142
(ただし、前記一般式(I)中、R10は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至4のアルコキシル基、炭素数1乃至4のアルキルアミノ基、カルボキシル−炭素数1乃至5のアルキルアミノ基、ビス−〔カルボキシ−炭素数1乃至5のアルキル〕アミノ基、炭素数1乃至4のアルカノイルアミノ基、フェニルアミノ基、スルホン酸基、ハロゲン原子、又はウレイド基を表し、〔C〕は、カルボキシル基又はスルホン酸基を有する脂肪族アミン残基であり、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
Figure 0006863142
(ただし、前記一般式(II)中、Aは、芳香族基、又は複素環基を表し、Bは、下記一般式(1)乃至(5)で表される基のいずれかを表し、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
Figure 0006863142
Figure 0006863142
Figure 0006863142
Figure 0006863142
Figure 0006863142
(ただし、前記一般式(1)乃至(5)中、R乃至Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、又はスルホン酸基を表す)
Figure 0006863142
(ただし、前記一般式(III)中、R、R、Y、及びYは、それぞれ独立に、一価の基を表し、X、及びXは、それぞれ独立に、ハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基を表し、Z、及びZは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
Figure 0006863142
(ただし、前記一般式(IV)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1乃至8のアルキル基、炭素数1乃至4のヒドロキシアルキル基、シクロヘキシル基、(H(CHN(CH−で表されるアルキルアミノアルキル基(m:1乃至4、n:1乃至2、o:1乃至4)を表し、Yは、それぞれ独立に、−SOM、又は−(COOM)(n:1乃至2)を表し、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表し、Xは、−NH−(CH−NH−(n:2乃至6)で表される連結基を表す)
Figure 0006863142
(ただし、前記一般式(V)中、Rは、水素原子、又はアルキル基を表し、Rは、下記一般式(a)で表される基、又は下記一般式(b)で表される置換基を有するトリアジンを表し、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
Figure 0006863142
(ただし、前記一般式(a)中、Rは、置換基としてカルボキシ基を有するアニリノ基、炭素数が1乃至8の無置換モノアルキルアミノ基、置換基としてスルホ基若しくはカルボキシ基を有する炭素数が1乃至8のモノアルキルアミノ基、炭素数が1乃至6の無置換ジアルキルアミノ基、又はフェノキシ基を表し、nは、1乃至2を表す)
Figure 0006863142
(ただし、前記一般式(b)中、Rは、アニリノ基、2−スルホアニリノ基、2,5−ジスルホアニリノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、4−メトキシ−2−スルホアニリノ基、2−カルボキシ−5−スルホアニリノ基、3−カルボキシ−4−ヒドロキシアニリノ基、又はアミノベンズイミダゾール基を表し、Rは、ヒドロキシル基、又はアミノ基を表す)
Figure 0006863142
(ただし、前記一般式(VI)中、R、R、R、及びRは、それぞれ独立に、アルキル基を表し、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
Figure 0006863142
(ただし、前記一般式(VII)中、A、B、C、及びDは、それぞれ独立に、芳香族性を有する6員環を表し、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表し、Eは、アルキレン基を表し、Xは、スルホ置換アニリノ基、カルボキシル置換アニリノ基、又はホスホノ置換アニリノ基を表し、Yは、ヒドロキシル基、又はアミノ基を表し、L、m、及びnは、0≦L≦2、0≦m≦3、0.1≦n≦3を表し、かつL+m+n=1乃至4を表す)
Figure 0006863142
(ただし、前記一般式(VIII)中、(R)tは、それぞれ独立に、水素原子、下記一般式(c)で表される基、又は下記構造式(d)で表される基を表し、Mは、Cuを表す)
Figure 0006863142
(ただし、前記一般式(c)中、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
Figure 0006863142
<3> 前記一般式(I)で表される化合物が、下記一般式(I−1)で表される化合物である前記<2>に記載のインクである。
Figure 0006863142
(ただし、前記一般式(I−1)中の〔C〕は、カルボキシル基又はスルホン酸基を有する脂肪族アミン残基であり、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
<4> 前記一般式(II)で表される化合物が、下記構造式で表される化合物である前記<2>から<3>のいずれかに記載のインクである。
Figure 0006863142
<5> 前記一般式(VI)で表される化合物が、下記構造式で表される化合物である前記<2>から<4>のいずれかに記載のインクである。
Figure 0006863142
<6> 前記一般式(VIII)で表される化合物が、下記構造式で表される化合物である前記<2>から<5>のいずれかに記載のインクである。
Figure 0006863142
<7> 前記銀の含有量が、1質量%以上15質量%以下である前記<1>から<6>のいずれかに記載のインクである。
<8> 前記銀の含有量(質量%)と、前記染料の含有量(質量%)との質量比(染料/銀)が、0.09〜1.00である前記<1>から<7>のいずれかに記載のインクである。
<9> 水、及び有機溶剤をさらに含む前記<1>から<8>のいずれかに記載のインクである。
<10> 前記有機溶剤が、炭素数6以下の多価アルコールを含む前記<9>に記載のインクである。
<11> 前記炭素数6以下の多価アルコールが、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、及びグリセリンから選択される少なくとも1種である前記<10>に記載のインクである。
<12> 前記炭素数6以下の多価アルコールの含有量が、5質量%以上50質量%以下である前記<10>から<11>のいずれかに記載のインクである。
<13> 前記染料の含有量が、0.1質量%以上15質量%以下である前記<1>から<12>のいずれかに記載のインクである。
<14> 樹脂粒子をさらに含み、
前記樹脂粒子の体積平均粒径が、10nm以上30nm以下である前記<1>から<13>のいずれかに記載のインクである。
<15> 前記樹脂粒子が、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂粒子である前記<14>に記載のインクである。
<16> 記録媒体上に、前記<1>から<15>のいずれかに記載のインクを吐出する吐出工程を含むことを特徴とする液体吐出方法である。
<17> 定着工程をさらに含む前記<16>に記載の液体吐出方法である。
<18> 記録媒体と、
前記<1>から<15>のいずれかに記載のインクと、
前記記録媒体上に、前記インクを吐出する吐出手段と、を有することを特徴とする液体吐出装置である。
<19> 定着手段をさらに有する前記<18>に記載の液体吐出方法である。
<20> 記録媒体上に、前記<16>から<17>のいずれかに記載の液体吐出方法を用いて形成された印刷層を有することを特徴とする印刷物である。
前記<1>から<15>のいずれかに記載のインク、前記<16>から<17>のいずれかに記載の液体吐出方法、前記<18>から<19>のいずれかに記載の液体を吐出する装置、及び前記<20>に記載の印刷物によると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
特開2005−036079号公報 特許第4165860号公報

Claims (8)

  1. 50%累積体積粒径が100nm以下の銀、及び染料を含むインクであって、
    前記染料が、下記一般式(I)〜(VIII)で表される化合物、及びその塩から選択される少なくとも1種を含み、
    前記インクから前記銀を除いた染料溶液を用いて形成した画像に、波長340nmの照射光を、放射照度0.35W/m 、ブラックパネル温度89℃にて、24時間照射した耐光性試験において、前記耐光性試験前後の前記画像の色差ΔEが、10未満であることを特徴とするインク。
    Figure 0006863142
    (ただし、前記一般式(I)中、R 10 は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基、カルボキシル基、炭素数1乃至4のアルキル基、炭素数1乃至4のアルコキシル基、炭素数1乃至4のアルキルアミノ基、カルボキシル−炭素数1乃至5のアルキルアミノ基、ビス−〔カルボキシ−炭素数1乃至5のアルキル〕アミノ基、炭素数1乃至4のアルカノイルアミノ基、フェニルアミノ基、スルホン酸基、ハロゲン原子、又はウレイド基を表し、〔C〕は、カルボキシル基又はスルホン酸基を有する脂肪族アミン残基であり、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
    Figure 0006863142
    (ただし、前記一般式(II)中、Aは、芳香族基、又は複素環基を表し、Bは、下記一般式(1)乃至(5)で表される基のいずれかを表し、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
    Figure 0006863142
    Figure 0006863142
    Figure 0006863142
    Figure 0006863142
    Figure 0006863142
    (ただし、前記一般式(1)乃至(5)中、R 乃至R は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環オキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、複素環スルホニルアミノ基、シアノ基、ニトロ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複素環チオ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、複素環スルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、複素環スルフィニル基、スルファモイル基、又はスルホン酸基を表す)
    Figure 0006863142
    (ただし、前記一般式(III)中、R 、R 、Y 、及びY は、それぞれ独立に、一価の基を表し、X 、及びX は、それぞれ独立に、ハメットのσp値が0.20以上の電子吸引性基を表し、Z 、及びZ は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
    Figure 0006863142
    (ただし、前記一般式(IV)中、Rは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1乃至8のアルキル基、炭素数1乃至4のヒドロキシアルキル基、シクロヘキシル基、(H(CH N(CH −で表されるアルキルアミノアルキル基(m:1乃至4、n:1乃至2、o:1乃至4)を表し、Yは、それぞれ独立に、−SO M、又は−(COOM) (n:1乃至2)を表し、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表し、Xは、−NH−(CH −NH−(n:2乃至6)で表される連結基を表す)
    Figure 0006863142
    (ただし、前記一般式(V)中、R は、水素原子、又はアルキル基を表し、R は、下記一般式(a)で表される基、又は下記一般式(b)で表される置換基を有するトリアジンを表し、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
    Figure 0006863142
    (ただし、前記一般式(a)中、R は、置換基としてカルボキシ基を有するアニリノ基、炭素数が1乃至8の無置換モノアルキルアミノ基、置換基としてスルホ基若しくはカルボキシ基を有する炭素数が1乃至8のモノアルキルアミノ基、炭素数が1乃至6の無置換ジアルキルアミノ基、又はフェノキシ基を表し、nは、1乃至2を表す)
    Figure 0006863142
    (ただし、前記一般式(b)中、R は、アニリノ基、2−スルホアニリノ基、2,5−ジスルホアニリノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、4−メトキシ−2−スルホアニリノ基、2−カルボキシ−5−スルホアニリノ基、3−カルボキシ−4−ヒドロキシアニリノ基、又はアミノベンズイミダゾール基を表し、R は、ヒドロキシル基、又はアミノ基を表す)
    Figure 0006863142
    (ただし、前記一般式(VI)中、R 、R 、R 、及びR は、それぞれ独立に、アルキル基を表し、Mは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
    Figure 0006863142
    (ただし、前記一般式(VII)中、A、B、C、及びDは、それぞれ独立に、芳香族性を有する6員環を表し、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表し、Eは、アルキレン基を表し、Xは、スルホ置換アニリノ基、カルボキシル置換アニリノ基、又はホスホノ置換アニリノ基を表し、Yは、ヒドロキシル基、又はアミノ基を表し、L、m、及びnは、0≦L≦2、0≦m≦3、0.1≦n≦3を表し、かつL+m+nは1乃至4を表す)
    Figure 0006863142
    (ただし、前記一般式(VIII)中、(R)tは、それぞれ独立に、水素原子、下記一般式(c)で表される基、又は下記構造式(d)で表される基を表し、Mは、Cuを表す)
    Figure 0006863142
    (ただし、前記一般式(c)中、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す)
    Figure 0006863142
  2. 前記銀の含有量が、1質量%以上15質量%以下である請求項1に記載のインク。
  3. 前記銀の含有量(質量%)と、前記染料の含有量(質量%)との質量比(染料/銀)が、0.09〜1.00である請求項1から2のいずれかに記載のインク。
  4. 水、及び有機溶剤をさらに含む請求項1から3のいずれかに記載のインク。
  5. 前記有機溶剤が、炭素数6以下の多価アルコールを含む請求項4に記載のインク。
  6. 樹脂粒子をさらに含み、
    前記樹脂粒子の体積平均粒径が、10nm以上30nm以下である請求項1から5のいずれかに記載のインク。
  7. 記録媒体上に、請求項1から6のいずれかに記載のインクを吐出する吐出工程を含むことを特徴とする液体吐出方法。
  8. 記録媒体と、
    請求項1から6のいずれかに記載のインクと、
    前記記録媒体上に、前記インクを吐出する吐出手段と、を有することを特徴とする液体吐出装置。
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