JP6863142B2 - インク、液体吐出方法、及び液体吐出装置 - Google Patents
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Description
金属光沢の中でも、とりわけ金色は、富の象徴であり、太古の昔から人々に好まれてきており、正月などのおめでたい行事には欠かせない色である。一方、銀色も落ち着いた風合いで人気が高く、様々な場面で見かけることが多い。また、銀色は、金色とは異なり、その他の色の着色組成物と混合することにより、金色を含む様々な金属光沢色を表現することができるため、金色よりも汎用性が高く、産業上利用価値が高い。
また、インクジェット印刷技術の発展により、インクジェット印刷でも金属光沢を有する印刷物を得たいという要望が高まってきており、例えば、市販の鱗片状アルミニウム顔料や酸化チタン被覆マイカ顔料などを光輝性顔料として含むインクジェットプリンター用光輝性インクが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明のインクは、50%累積体積粒径が100nm以下の銀、及び染料を含むインクであって、前記インクから前記銀を除いた染料溶液を用いて形成した画像に、波長340nmの照射光を、放射照度0.35W/m 2 、ブラックパネル温度89℃にて、24時間照射した耐光性試験において、前記耐光性試験前後の前記画像の色差ΔEが、10未満であり、更に必要に応じてその他の成分を含む。
本発明のインクは、従来のインク、及び印刷方法では、光輝顔料や金属コロイドの比重が有機顔料と比較して重いことに由来して顔料が沈降しやすいため、経時によりインクの吐出安定性が失われてしまい、ノズル抜けが発生したり、塗膜が不均一となるため金属光沢や鏡面性(写像性)が失われたり、色味が不自然な銀色になってしまうという問題があるという知見に基づくものである。
また、本発明のインクは、従来のインク、及び印刷方法では、微小の金属コロイドは、プラズモン発色を有するため、塗膜上で十分に粒子成長を起こさないと着色を起こしてしまい、望ましい色相を示さないという問題があるという知見に基づくものである。
さらに、本発明のインクは、従来のインク、及び印刷方法では、黒染料を混合することにより自然な銀色を再現することは可能であるが、得られた塗膜の耐光性が悪くなり、また、顔料を混合する場合や、黒顔料インクと紙面混色する記録方法を用いる場合は、堅牢性は得られるが光沢度が大幅に低下する。そのため、堅牢性を維持しつつ、光沢を維持し、望ましい色相へ調整する手段が得られていないという問題があるという知見に基づくものである。
またさらに、鱗片状アルミニウム顔料を用いた市販の光輝顔料では、粒子径が大きくインクジェットヘッドで安定して吐出させることができず、すぐに吐出不良を引き起こしてしまうという問題がある。
前記インクから前記銀を除いた染料溶液を用いて形成した画像に、波長340nmの照射光を、放射照度0.35W/m 2 、ブラックパネル温度89℃にて、24時間照射した耐光性試験において、前記耐光性試験前後の前記画像の色差ΔEとしては、10未満であり、6以下が好ましく、5.1以下がより好ましい。前記色差ΔEが、10未満であると、耐光性に優れ、強い金属光沢を発現する画像を得ることができる。前記画像とは、記録媒体上に、付着量1,000mg/A4以上となるように均一に染料溶液で埋められているもの(べた画像)を意味する。
前記色差ΔEとしては、記録媒体(例えば、商品名:photo realistic gloss 235、ILFORD社製)上に、付与量が20g/m2になるように、染料溶液を付与し、画像を得る。得られた画像を、例えば、キセノン・ウェザオメータ(装置名:Ci35AW、アトラス社製)を用いて、波長340nmの照射光を、放射照度0.35W/m 2 、ブラックパネル温度(ブラックパネル温度計、アトラス社製)89℃、乾球温度70℃、相対湿度50%RHにて、24時間照射する。その後、23℃、40%RHの環境下にて、分光測色濃度計(装置名:X−Rite939、X−Rite社製)を用いて画像の色特性(L*、a*、b*)を測定する。得られた色特性において、前記照射前の色特性と、前記照射後の退色後の色特性との色差ΔEを下記式から算出することができる。
色差ΔE=(ΔL*2+Δa*2+Δb*2)0.5 ・・・ 式
前記染料溶液は、染料の、インク中での含有量と染料溶液での含有量が一致していればよく、溶剤、樹脂等のその他の成分の含有量は、一致していることを要しない。
前記銀(以下、「銀粒子」とも称することがある)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記銀粒子を含むことにより、優れた金属光沢を有する画像を形成することができる。
なお、上記以外でも、電子顕微鏡法によって測定することができる。前記電子顕微鏡により銀粒子の写真を得て、この写真を画像処理して計測することにより、銀粒子の直径を求めることができる。一例としては、写真よりランダムに写真中の50個以上の銀粒子の面積を求め、同等となる円の直径を計算し粒子径として求める。そして、得られた粒径から粒径加積曲線を求めることができる。
前記銀粒子の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、インゴット等を粉砕することにより得られた粗大粉末を所望の粒径まで粉砕する粉砕法、蒸着等の気相成膜法等によりフィルム上に形成した金属膜を前記フィルムから剥離して粉砕する方法(特に、液体中において剥離して粉砕を行い、液体中に分散する方法)、湿式還元法のような化学的な造粒法等の方法、溶融状態から粒子化する各種アトマイズ法などが挙げられる。
前記銀粒子分散液の製造方法としては、銀粒子表面に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、銀粒子の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法などが挙げられる。
前記分散剤としては、銀粒子や使用するインクの系に応じて、例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
これらの中でも、分散剤としては、アニオン界面活性剤、及びHLB値10以上20以下のノニオン界面活性剤のいずれかが好適である。
その場合は、Rとして、炭素数が異なるアルキル基がランダムに高分子鎖に導入された共重合体となる。
本発明においては、Rの炭素数が均一であるアルキル基が高分子鎖中に導入されたα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体だけでなく、前述のように、Rの炭素数が異なるアルキル基がランダムに高分子鎖中に導入されたα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体を、前記一般式(A)で表されるα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体として用いることも可能である。
前記一般式(A)で表されるα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル共重合体、水溶性ポリウレタン樹脂及び水溶性ポリエステル樹脂は、常温においては固体であり、冷水には殆ど溶けないものである。しかし、前記共重合体及び前記樹脂の酸価と当量以上(好ましくは、酸価の1.0倍〜1.5倍)のアルカリ溶液又はアルカリ水溶液に溶解して用いた場合に分散剤としての効果を発現する。また、前記共重合体及び前記樹脂をアルカリ溶液又はアルカリ水溶液により溶解するには、加熱撹拌すると容易に溶解できる。前記α−オレフィン−無水マレイン酸共重合体におけるオレフィン鎖が長い場合は比較的溶け難く、不溶物が残る場合があるが、適当なフィルター等で不溶物を除いて用いれば、分散安定化剤としての効果は損なわれない。
前記市販品としては、例えば、T−YP112、T−YP115、T−YP114、T−YP116(以上、星光PMC株式会社製)などが挙げられる。
前記市販品としては、例えば、JC−05(星光PMC株式会社製)、ARUFON UC−3900、ARUFON UC−3910、ARUFON UC−3920(以上、東亞合成株式会社製)などが挙げられる。
前記市販品としては、例えば、タケラックW−5025、タケラックW−6010、タケラックW−5661(以上、三井武田ケミカル株式会社製)などが挙げられる。
前記市販品としては、例えば、ニチゴポリエスターW−0030、ニチゴポリエスターW−0005S30WO、ニチゴポリエスターWR−961(以上、日本合成化学工業株式会社製)、ペスレジンA−210、ペスレジンA−520(以上、高松油脂株式会社製)などが挙げられる。
前記酸価が、40mgKOH/g以上であると、アルカリ溶液の溶解性が高くなり、400mgKOH/g以下であると、分散体の粘度を抑えることができ、インク粘度の上昇を抑制できる。そのため吐出を良好に保つことや分散体の分散安定性が高い状態で保つことができる。
前記高分子型の分散剤の重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20,000以下が好ましく、5,000以上20,000以下がより好ましい。前記重量平均分子量が、5,000以上であると、顔料分散体の分散安定性が向上しやすく、20,000以下だと、アルカリ溶液の溶解性が高く、粘度が低いため分散体粘度を低下させることができる。前記重量平均分子量は、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレン換算により測定することができる。
前記分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよく、高分子分散剤、低分子分散剤を複数種組み合わせて使用してもよい。複数種の分散剤を組み合わせて使用することで分散剤の特長を生かした分散体を作り上げることができ、銀粒子の分散性と経時安定性を高めることが可能となる。
これら以外にも、X線光電子分光法(XPS)にて組成の最表層の元素分析や元素の化学状態を把握可能であり、詳細な膜状態を把握することができる。更にスパッタ法による表面エッチングを行うことにより、三次元的な組成分布を把握することができる。
前記銀粒子分散液は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子を除去することが好ましい。
また、前記銀粒子は、その表面に保護コロイドが付着した銀コロイドとして、水系分散媒中に分散していることが好ましい。これにより、銀粒子の水系分散媒への分散性が特に優れたものとなり、インクの保存安定性が著しく向上する。前記銀コロイドは、いかなる方法で調整されたものであってもよく、例えば、銀イオンを含む溶液を用意し、この銀イオンを保護コロイドの存在下で還元剤により還元することにより、得ることができる(例えば、特開2006−299329号公報など)。これらの方法によって銀コロイドを製造する際に、還元反応の前後の、任意の時点で水溶液に界面活性剤等を加えると、銀粒子の分散安定性はさらに向上する。また、銀粒子の粒子径は、前記還元剤による還元反応の制御によって制御をすることができる。すなわち、還元剤の添加速度や反応温度を調整することにより制御可能であり、例えば、還元剤の添加速度を遅めたり、液温を低めることにより、より小さい粒子径に調整することが可能である。
前記カルボキシル基を有する有機化合物のカルボキシル基の数は、1分子あたり、1以上であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
本発明では、保護コロイドを、前記カルボキシル基を有する有機化合物と高分子分散剤とで組み合わせて構成することが好ましい。このような組み合わせで保護コロイドを構成することにより、粗大粒子が著しく少ない銀粒子を含む銀コロイドが得られる。特に、本発明では、前記特定の保護コロイドの組み合わせにより、粗大粒子が少ないにもかかわらず、銀粒子の割合を大きくでき、銀コロイド(及びその分散液)の保存安定性にも優れている。
前記疎水性モノマー(非イオン性モノマー)としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル[(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの(メタ)アクリル酸C1−20アルキル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸シクロアルキル、(メタ)アクリル酸フェニルなどの(メタ)アクリル酸アリール、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−フェニルエチルなどの(メタ)アクリル酸アラルキルなど]などの(メタ)アクリル系モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのスチレン系モノマー;α−C2−20オレフィン(エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ドデセンなど)などのオレフィン系モノマー;酢酸ビニル、酪酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル系モノマーなどが挙げられる。疎水性モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて疎水性ユニットを構成していてもよい。
前記染料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記染料を含有することにより、銀粒子単独の色相より彩度が低いニュートラルな色相を得ることができ、メタリック塗膜の光沢性を維持した自然な金属光沢を得ることができる。また、染料の含有量を増やすことにより、彩度が高く色付いた金属光沢膜を得ることができ、光沢を損なわないことから意匠性の高い画像を得ることができる。
このような高耐光性の染料としては、色相が中性であるブラック染料や、混合して中性色化できるプロセスカラーであるシアン染料、マゼンタ染料、イエロー染料があり、任意に混合して好ましい色相を発現するようにして用いることができる。
前記インクは、ブラックインクを併せて用いることが好ましい。
前記ブラックインクに用いる染料としては、例えば、下記一般式(I)で表される化合物、下記一般式(I)で表される化合物の塩、下記一般式(II)で表される化合物、下記一般式(II)で表される化合物の塩などが挙げられる。
前記アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなどが挙げられる。
前記有機アンモニウムとしては、例えば、メチルアミン、エチルアミン等の炭素数1乃至3のアルキルアミン類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどの、モノ、ジ又はトリ−(炭素数1乃至4のアルカノール)アミンのアンモニウム塩が挙げられる。また、対イオンは、カルシウム及びマグネシウム等のアルカリ土類金属であってもよい。
前記炭素数1乃至4のアルキル基、前記炭素数1乃至4のアルキルアミノ基、前記炭素数1乃至4のアルキルアミノ基、及び前記炭素数1乃至4のアルカノイルアミノ基としては、ヒドロキシル基、又は炭素数1乃至4のアルコキシ基によって置換されていてもよい。
前記フェニルアミノ基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、又はアミノ基で置換されていてもよい。
前記カルボキシル基又はスルホン酸基を有する脂肪族アミン残基としては、スルホエチルアミノ基、ジカルボキシメチルイミノ基が好ましく、スルホエチルアミノ基がより好ましい。
前記イエロー染料としては、例えば、下記一般式(III)で表される化合物、その塩などが挙げられる。
これらの中でも、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、アルコキシ基、アミド基、ウレイド基、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基が好ましく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロ環基がより好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、アルキルスルホニル基が特に好ましい。
前記一般式(III)で表される化合物としては、ベンゼン誘導体ではないが、本発明においては、置換基の電子効果を示す尺度として、置換位置に関係なく、σp値を用いるものとする。
前記アルキル基、前記アルケニル基、前記アルキニル基、前記アラルキル基、前記アリール基、及び前記ヘテロ環基としては、置換されていてもよい。この場合の置換基としては、前記一価の基と同様のものを用いることができる。
前記アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなどが挙げられる。
前記有機アンモニウムとしては、例えば、アセトアミド、ベンズアミド、メチルアミノ、ブチルアミノ、ジエチルアミノ、及びフェニルアミノなどが挙げられる。
前記マゼンタ染料としては、下記一般式(IV)で表される化合物、下記一般式(V)で表される化合物、下記一般式(VI)で表される化合物、これらの塩などが挙げられる。前記一般式(IV)〜(VI)で表される化合物の塩を形成する対イオンとしては、前記一般式(I)で表される化合物の塩を形成する対イオンと同様のものを用いることができる。
前記(H(CH2)m)nN(CH2)o−で表されるアルキルアミノアルキル基としては、例えば、モノアルキルアミノアルキル基(m:1乃至4、n:1、o:1乃至4)、ジアルキルアミノアルキル基(m:1乃至4、n:2、o:1乃至4)などが挙げられる。
前記モノアルキルアミノアルキル基としては、例えば、モノ−炭素数1乃至4アルキルアミノ−炭素数1乃至4アルキル基などが挙げられる。
前記ジアルキルアミノアルキル基としては、ジ−炭素数1乃至4アルキルアミノ−炭素数1乃至4アルキル基が挙げられる。
前記アルキル基としては、インクを構成する水性媒体への溶解性の点から、炭素数1乃至3であることが好ましい。
また、前述のように一般式(V)におけるMは、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。
前記アルキル基としては、インクを構成する水性媒体への溶解性の点から、メチル基、エチル基、第1級プロピル基、及び第2級プロピル基が好ましい。
前記一般式(VI)におけるMとしては、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。
前記シアン染料としては、下記一般式(VII)で表される化合物、下記一般式(VIII)で表される化合物、その塩などが挙げられる。前記一般式(VII)及び前記一般式(VIII)で表される化合物の塩を形成する対イオンとしては、前記一般式(I)で表される化合物の塩を形成する対イオンと同様のものを用いることができる。
前記一般式(VII)で表される化合物としては、例えば、A、B、C、及びDが、全てベンゼン環又は全て含窒素複素芳香環である化合物などが挙げられる。
前記アルキレン基の炭素数としては、2乃至12が好ましく、2乃至6がより好ましい。
前記スルホ置換アニリノ基、前記カルボキシル置換アニリノ基、及び前記ホスホノ置換アニリノ基としては、スルホン酸基、カルボキシル基、ホスホノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アセチルアミノ基、ウレイド基、アルキル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン、アルキルスルホニル基、及びアルキルチオ基からなる群から選ばれる少なくとも1つの置換基を1乃至4個有してもよい。
前記Xにおけるスルホン酸基、カルボキシル基、又はホスホノ基としては、塩の形態であってもよい。
前記塩を形成する対イオンとしては、例えば、アルカリ金属、アンモニウム、及び有機アンモニウム等のイオンなどが挙げられる。
前記一般式(VII)におけるMとしては、それぞれ独立に、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、又は有機アンモニウムを表す。
前記一般式(c)中のMにおける有機アンモニウムとしては、例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノメチル−1,3−プロパンジアミン、2−アミノエチル−1,3−プロパンジアミン、N,N,N−トリメチル−N’−ヒドロキシエチルアンモニウム、N,N,−ジメチル−N’,N’−ジ(ヒドロキシエチル)アンモニウム、N−メチル−N’,N’,N’−トリ(ヒドロキシエチル)アンモニウムなどが挙げられる。
前記銀の含有量(質量%)と、前記染料の含有量(質量%)との質量比(染料/銀)としては、0.06〜1.50が好ましく、0.09〜1.20がより好ましく、0.09〜1.00がさらに好ましく、0.1〜1.00がさらに好ましく、0.12〜1.00が特に好ましく、0.2〜1.00が最も好ましい。前記質量比(染料/銀)が、0.06〜1.50であると、銀が造膜する際の銀間に、染料の近接を阻害せず、染料による着色の効果を得つつ、銀による金属光沢を効果的に発現することができる。
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
前記炭素数6以下の多価アルコールとしては、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、グリセリンなどが挙げられる。
前記水は、水系インクの主な媒体である。
前記水としては、イオン性の不純物を極力低減することを目的として、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水などが挙げられる。
また、紫外線照射、又は過酸化水素添加等により滅菌した水を用いると、インクを長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができるため好ましい。
前記樹脂は、耐擦過性、及び記録媒体との密着性を向上することができる。
前記樹脂としては、例えば、水に可溶な水溶性樹脂、水に分散可能な樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水溶性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ゼラチン、カゼイン等のタンパク質、アラビアゴム等の天然ゴム、サボニン等のグルコキシド、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、リグニンスルホン酸塩、セラック等の天然高分子化合物、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド、スチレン−アクリル酸共重合物塩、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合物塩、スチレン−マレイン酸共重合物塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合物塩、β−ナフタレンスルホン酸ホリマリン縮合物のナトリウム塩、ポリリン酸等のイオン性高分子化合物、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンイミンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
インク中に含有する樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いても良い。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH4、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、NH(CH2CH2OH)3等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S-1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F−1)及び一般式(F−2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
上記一般式(F−1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0〜10の整数が好ましく、nは0〜40の整数が好ましい。
一般式(F−2)
CnF2n+1−CH2CH(OH)CH2−O−(CH2CH2O)a−Y
上記一般式(F−2)で表される化合物において、YはH、又はCmF2m+1でmは1〜6の整数、又はCH2CH(OH)CH2−CmF2m+1でmは4〜6の整数、又はCpH2p+1でpは1〜19の整数である。nは1〜6の整数である。aは4〜14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。 この市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR、キャプストーンFS−30、FS−31、FS−3100、FS−34、FS−35(いずれも、Chemours社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)、ユニダインDSN−403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS−3100、FS−34、FS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF−151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN−403Nが特に好ましい。
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
前記インクセットは、本発明のインクと、カラーインクとを有し、更に必要に応じてその他のインクを含む。
前記「カラーインク」とは、白色インク等の無彩色インク、ブラックインク、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク等の有彩色インクを意味する。
前記カラーインクは、色材及び溶媒を含有し、更に必要に応じて、水、色材、樹脂、その他の成分を含有する。
前記溶媒としては、例えば、有機溶剤、水などが挙げられる。
前記有機溶剤としては、前記インクにおける有機溶剤と同様のものを用いることができる。
前記水としては、前記インクにおける水と同様のものを用いることができる。
前記染料に加えて、色材としてその他にもあわせて顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。また、混晶を使用しても良い。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられる。
さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加することで、水中に分散可能とする方法が挙げられる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能とする方法が挙げられる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を混合、分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いるとよい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
インク中に含有する樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いても良い。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
前記インクカートリッジは、前記インクセットに用いられるインク、及びカラーインクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材を有してなる。
前記液体吐出方法は、記録媒体上に、本発明のインクを吐出する吐出工程を含み、定着工程を含むことが好ましく、更に必要に応じてその他の工程を含む。
前記吐出工程は、本発明のインクに、刺激(エネルギー)を印加し、インク吐出用の各種のノズルからインクを吐出して、記録媒体に画像を記録する工程である。
前記吐出手段は、本発明のインクに、刺激(エネルギー)を印加し、インク吐出用の各種のノズルからインクを吐出して、記録媒体にインクを吐出する手段である。
記録速度としては、8.0cm2/sec以上が好ましく、16cm2/sec以上がより好ましく、33cm2/sec以上が特に好ましい。
前記定着工程は、画像を記録した前記記録媒体を加熱乾燥してインクを定着する工程である。
前記定着手段は、画像を記録した前記記録媒体を加熱乾燥してインクを定着する手段である。
前記液体吐出方法、及び前記液体を吐出する装置としては、前記記録媒体に高画像品質な記録ができるが、より一層高画質で耐擦過性、及び密着性の高い画像の形成、並びに高速の記録条件にも対応できるようにするために、記録後に前記記録媒体を加熱することが好ましい。記録後に定着工程を含むと、インク中に含有される樹脂の造膜が促進されるため、記録物の画像硬度を向上させることができる。
前記定着工程は、乾燥するときに加熱することにより、乾燥速度を上げことができ、録媒体上に吐出されたインクをブリードさせずに定着することができる。
前記定着工程により、より一層高画質で耐擦性や接着性の高い画像を形成することができ、高速の印字条件にも対応できるようなる。
前記定着手段は、乾燥するときに加熱することにより、乾燥速度を上げることができ、生産速度を向上させることができる。
前記定着温度(乾燥する温度)としては、インク中に含まれる有機溶媒の種類や量、及び添加する樹脂エマルジョンの最低造膜温度に応じて変更することができ、さらに印刷する基材の種類に応じても変更することができる。
前記定着温度(乾燥する温度)としては、乾燥性、及び造膜温度の点から、高いことが好ましく、20℃以上200℃以下がより好ましく、20℃以上120℃以下がさらに好ましく、40℃以上100℃以下が特に好ましく、50℃以上90℃以下が最も好ましい。前記定着温度が、20℃以上200℃以下であると、印刷する記録媒体の熱によるダメージを防止し、インクヘッドが温まることによる不吐出が生じることを抑制することができる。
以下は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)を用いた場合について説明するが、これらに代えて、あるいは、これらに加えて、銀粒子を含むインクを用いればよい。
記録媒体としては特に制限はなく、普通紙、光沢紙、特殊紙、布などを用いることもできる。一般的な記録媒体として用いられるものに限られず、壁紙、床材、タイル等の建材、Tシャツなど衣料用等の布、テキスタイル、皮革等を適宜使用することができる。また、記録媒体を搬送する経路の構成を調整することにより、セラミックスやガラス、金属などを使用することもできる。
このような記録媒体で、難吸水性記録媒体を用いても良好な画像形成が可能である。
前記難吸水性記録媒体とは、水透過性、及び吸収性が低い表面を有する記録媒体をいい、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれ、より定量的には、「JAPAN TAPPI紙パルプ試験方法2000年版」の規格No.51「紙及び板紙−液体吸収性試験方法−ブリストー法」に記載されているブリストー(Bristow)法において、接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m2以下である記録媒体をいう。
本発明のインクは、難吸水性記録媒体だけでなく、普通紙やインクジェット用紙のような多孔質媒体及び無機物コート多孔質媒体など、従来用いられてきた多孔質媒体に対しても十分な性能を示す。
前記印刷物は、記録媒体と、前記記録媒体上に、前記液体を吐出する装置や前記液体吐出方法を用いて形成された印刷層を有する。
立体造形物を造形するための立体造形装置は、公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、インクの収容手段、供給手段、吐出手段や乾燥手段等を備えるものを使用することができる。立体造形物には、インクを重ね塗りするなどして得られる立体造形物が含まれる。また、記録媒体等の基材上にインクを付与した構造体を加工してなる成形加工品も含まれる。前記成形加工品は、例えば、シート状、フィルム状に形成された記録物や構造体に対して、加熱延伸や打ち抜き加工等の成形加工を施したものであり、例えば、自動車、OA機器、電気・電子機器、カメラ等のメーターや操作部のパネルなど、表面を加飾後に成形する用途に好適に使用される。
撹拌機、還流冷却管、及び温度計を挿入した反応容器に、ポリカーボネートジオール(1,6−ヘキサンジオールとジメチルカーボネートとの反応生成物(数平均分子量(Mn):1,200))1,500g、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)220g、及びN−メチルピロリドン(NMP)1,347gを窒素気流下で仕込み、60℃に加熱してDMPAを溶解させた。次いで、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート1,445g(5.5モル)、及びジブチルスズジラウリレート(触媒)2gを加えて90℃まで加熱し、4時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを得た。この反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン149gを添加、混合したものの中から、4,340gを抜き出して、強撹拌下にて、水5,400g、及びトリエチルアミン15gの混合溶液の中に加えた。次いで、氷1,500gを投入し、35質量%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液626gを加えて鎖延長反応を行い、固形分濃度が30質量%となるように溶媒を留去し、脂環式ジイソシアネートに由来する構造を有するポリカーボネート変性ウレタン樹脂エマルジョンAを得た。得られたポリカーボネート変性ウレタン樹脂エマルジョンAの樹脂(固形分)を単離し、固形分濃度が30質量%のポリカーボネート変性ウレタン樹脂エマルジョンAを得た。
また、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定したポリカーボネート変性ウレタン樹脂エマルジョンAに含まれる樹脂粒子の体積平均粒径は、24nmであった。
<銀粒子分散液1の調製>
硝酸銀66.8g、カルボキシル基を有する高分子分散剤(商品名:ディスパービック190、ビッグケミー社製、溶媒:水、不揮発成分40質量%、酸価:10mgKOH/g、アミン価:0mgKOH/g)7.2g、及びコール酸(和光純薬工業株式会社製)1.8gを、イオン交換水100gに投入し、激しく撹拌し、懸濁液を得た。この懸濁液に対して、ジメチルアミノエタノール(和光純薬工業株式会社製)100gを水温が50℃を超えないように徐々に加えたのち、水温60℃のウォーターバス中で2時間加熱撹拌して反応液を得た。得られた反応液を、ガラスフィルタ(商品名:GC−90、ADVANTEC社製、平均孔径:0.8μm)でろ過し、銀15.0質量%、及び水37.8質量%含む銀粒子分散液1を得た。得られた銀粒子分散液1の粒度分布を、粒度分析装置(Nanotrac Wave−EX150、日機装株式会社製)を用いて測定したところ、50%累積平均粒径(D50)が5nm、及び90%累積体積粒径(D90)が30nmであった。
<銀粒子分散液2〜4の調製>
銀粒子分散液の調製例1において、下記表1に示す銀粒子の粒径(50%累積平均粒径、及び90%累積体積粒径)になるように、ジメチルアミノエタノールの加える速度と、水温を調節した以外は、銀粒子分散液の調製例1と同様にして、銀粒子分散液2〜4を得た。
<顔料分散液1(黒顔料分散液1)の調製>
下記処方の材料をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製、KDL型、メディア:直径0.3mmジルコニアボール)で7時間循環分散して黒顔料分散液1を得た。平均孔径が5μmのセルロースアセテートメンブランフィルターにて加圧濾過して粗大粒子を除去し、得られた黒顔料分散液1の粒度分布を、粒度分析装置(Nanotrac Wave−EX150、日機装株式会社製)を用いて測定したところ、50%累積体積粒径(D50)が102nm、及び90%累積体積粒径(D90)が177nmであった。
・カーボンブラック(商品名:FW−100、デグサ社製) 15質量部
・アニオン性界面活性剤(パイオニンA−51−B、竹本油脂株式会社製) 2質量部
・イオン交換水 83質量部
下記表1〜4に示す材料を用いて、以下の手順でインクを調製した。
まず、有機溶剤、界面活性剤、及び水を30分間混合撹拌した後、染料水溶液、銀粒子分散体、及び必要に応じて黒顔料分散体を添加し、合計100質量%となるように残量の水を添加して30分間撹拌した。その後、インクのpHを確認しながらトリエタノールアミンを添加して撹拌し、pHを9に調整した。次いで、平均孔径が0.2μmセルロースアセテートメンブランフィルターを用いて加圧濾過し、粗大粒子を除去してインクを得た。
・化合物(K−1):下記構造式で表される化合物
・C.I. Direct Black 19:オリヱント化学工業株式会社製
・C.I. Direct Black 168:クラリアント株式会社製
・Food Black 1:Sigma−Aldrich社製
・化合物(C−I):下記構造式で表される化合物
・C.I. Acid Red 52:富士フイルム株式会社製
・染料(M−I):下記構造式で表される化合物
・C.I.Direct Yellow 142:JPD社製
・1,2−プロパンジオール:関東化学株式会社製
・1,3−ブタンジオール:関東化学株式会社製
・1,2−ヘキサンジオール:関東化学株式会社製
・グリセリン:関東化学株式会社製
・3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン:関東化学株式会社製
・シリコーン系界面活性剤:信越化学工業株式会社製、商品名:KF−351A
・2,4,7,9−テトラメチルデカン−4,7−ジオール:日信化学工業株式会社製、商品名:エンバイロジェムAD01
インクジェットプリンター(装置名:IPSiOGXe5500、株式会社リコー製)の外装を外し、背面マルチ手差しフィーダーを取り付け、印字ヘッドを含めたインク供給経路に純水を通液することで洗浄し、洗浄液が着色しなくなるまで十分に通液して洗浄液を装置から抜ききって評価用印写装置とした。
実施例1〜9、及び比較例1〜8のインク処方から銀粒子分散液を水に置き換えた染料溶液を作製した。得られた各染料溶液を5Pa〜10Paの減圧条件で30分間撹拌することにより染料溶液中の気体を脱気し、インクカートリッジに充填して評価用インクカートリッジとした。充填動作を行い、全ノズルにインクが充填され異常画像が出ないことを確認し、プリンタ添付のドライバで、光沢紙きれいモードを選択後、ユーザー設定でカラーマッチングoffを印字モードとした。23℃、40%RHの環境下で、染料溶液付着量が20g/m2となるようにヘッドの駆動電圧を変更することで吐出量を調整し、記録媒体(商品名:photo realistic gloss 235、ILFORD社製)に対して、Microsoft Word2003にて作成した5cm×5cmの画像(ベタ画像)を得た。
得られた画像の色特性(L*、a*、b*)を分光測色濃度計X−Rite939を用いて測色した。
色差ΔE=(ΔL*2+Δa*2+Δb*2)0.5
得られた実施例1〜7、及び比較例1〜7を、前記ΔEにおける印字条件と同様にして、インクジェットプリンター(装置名:IPSiOGXe5500、株式会社リコー製)に充填し、インクジェット用光沢紙(商品名:クリスピア、セイコーエプソン株式会社製)に対して、Microsoft Word2003にて作成した5cm×5cmのベタ画像を上記印字条件にて印刷した後、23℃、40%RHの環境下で24時間乾燥させた。
得られた画像の20°光沢度を光沢度計(装置名:マイクロトリグロス、BYK Gardener社製)により測定し、下記評価基準に基づいて、「光沢度」を評価した。Cランクは、光沢度が低すぎてしまい、金属光沢を感じられないため実用できないレベルである。
−評価基準−
S:20°光沢度が、800以上
A:20°光沢度が、500以上800未満
B:20°光沢度が、250以上500未満
C:20°光沢度が、250未満
得られた画像の下に市販の普通紙(商品名:マイペーパー、株式会社リコー製)を5枚重ねて敷いた状態で、画像を分光測色濃度計(装置名:X−Rite939、X−Rite製)を用いて測色し、乾燥後の印字画像(初期画像)の色特性(L*、a*、b*)を求めた。次いで退色画像データを得るため、キセノン・ウェザオメータ(装置名:Ci35AW、アトラス社製)を用いて、波長340nmの照射光を、放射照度0.35W/m 2 B−Si/B−Siフィルター使用、ブラックパネル温度89℃、乾球温度70℃、相対湿度50%RHの条件にて24時間照射を行った(退色画像)。その後、23℃、40%RHの環境下にて、前記と同様にして色特性を求めた。そして、前記初期画像と退色画像との色差の最大値を求め、下記評価基準に基づいて、「耐光性」を評価した。
色差ΔE=(ΔL*2+Δa*2+Δb*2)0.5
−評価基準−
ランクA:3未満
ランクB:3以上8未満
ランクC:8以上10未満
ランクD:10以上
得られた実施例1、8、及び9のインクを、上記印字条件と同様にインクジェットプリンター(装置名:IPSiOGXe5500、株式会社リコー製)に充填し、PPC普通紙(商品名:マイペーパー、株式会社リコー製)上に両面テープで固定した透明PETフィルム(商品名:エステルフィルムE5100、東洋紡株式会社製)に対して、Microsoft Word2003にて作成した5cm×5cmのベタ画像を上記印字条件にて印刷した後、50℃の恒温槽で1時間乾燥させた。
得られた画像を、学振型磨耗堅牢度試験機(装置名:AB−301、テスター産業株式会社製)にセットし、接触部に白綿布(JIS L 0803準拠)を取り付けた摩擦子(荷重;300g)にて10回擦り、その劣化具合を目視にて観察し、下記評価基準に基づいて、「耐擦過性」を評価した。Aが、実使用上、問題のないレベルである
A:傷の数が10本未満であり、下地も見えない
B:傷の数が10本以上であり、下地(被印刷物)が一部見えている
C:傷の数が10本以上であり、下地(被印刷物)の大部分が露出してしまっている
<1>50%累積体積粒径が100nm以下の銀、及び染料を含むインクであって、
前記インクから前記銀を除いた染料溶液を用いて形成した画像に、波長340nmの照射光を、放射照度0.35W/m 2 、ブラックパネル温度89℃にて、24時間照射した耐光性試験において、前記耐光性試験前後の前記画像の色差ΔEが、10未満であることを特徴とするインクである。
<2> 前記染料が、下記一般式(I)〜(VIII)で表される化合物、及びその塩から選択される少なくとも1種を含む前記<1>に記載のインクである。
<4> 前記一般式(II)で表される化合物が、下記構造式で表される化合物である前記<2>から<3>のいずれかに記載のインクである。
<8> 前記銀の含有量(質量%)と、前記染料の含有量(質量%)との質量比(染料/銀)が、0.09〜1.00である前記<1>から<7>のいずれかに記載のインクである。
<9> 水、及び有機溶剤をさらに含む前記<1>から<8>のいずれかに記載のインクである。
<10> 前記有機溶剤が、炭素数6以下の多価アルコールを含む前記<9>に記載のインクである。
<11> 前記炭素数6以下の多価アルコールが、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、及びグリセリンから選択される少なくとも1種である前記<10>に記載のインクである。
<12> 前記炭素数6以下の多価アルコールの含有量が、5質量%以上50質量%以下である前記<10>から<11>のいずれかに記載のインクである。
<13> 前記染料の含有量が、0.1質量%以上15質量%以下である前記<1>から<12>のいずれかに記載のインクである。
<14> 樹脂粒子をさらに含み、
前記樹脂粒子の体積平均粒径が、10nm以上30nm以下である前記<1>から<13>のいずれかに記載のインクである。
<15> 前記樹脂粒子が、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂粒子である前記<14>に記載のインクである。
<16> 記録媒体上に、前記<1>から<15>のいずれかに記載のインクを吐出する吐出工程を含むことを特徴とする液体吐出方法である。
<17> 定着工程をさらに含む前記<16>に記載の液体吐出方法である。
<18> 記録媒体と、
前記<1>から<15>のいずれかに記載のインクと、
前記記録媒体上に、前記インクを吐出する吐出手段と、を有することを特徴とする液体吐出装置である。
<19> 定着手段をさらに有する前記<18>に記載の液体吐出方法である。
<20> 記録媒体上に、前記<16>から<17>のいずれかに記載の液体吐出方法を用いて形成された印刷層を有することを特徴とする印刷物である。
Claims (8)
- 50%累積体積粒径が100nm以下の銀、及び染料を含むインクであって、
前記染料が、下記一般式(I)〜(VIII)で表される化合物、及びその塩から選択される少なくとも1種を含み、
前記インクから前記銀を除いた染料溶液を用いて形成した画像に、波長340nmの照射光を、放射照度0.35W/m 2 、ブラックパネル温度89℃にて、24時間照射した耐光性試験において、前記耐光性試験前後の前記画像の色差ΔEが、10未満であることを特徴とするインク。
- 前記銀の含有量が、1質量%以上15質量%以下である請求項1に記載のインク。
- 前記銀の含有量(質量%)と、前記染料の含有量(質量%)との質量比(染料/銀)が、0.09〜1.00である請求項1から2のいずれかに記載のインク。
- 水、及び有機溶剤をさらに含む請求項1から3のいずれかに記載のインク。
- 前記有機溶剤が、炭素数6以下の多価アルコールを含む請求項4に記載のインク。
- 樹脂粒子をさらに含み、
前記樹脂粒子の体積平均粒径が、10nm以上30nm以下である請求項1から5のいずれかに記載のインク。 - 記録媒体上に、請求項1から6のいずれかに記載のインクを吐出する吐出工程を含むことを特徴とする液体吐出方法。
- 記録媒体と、
請求項1から6のいずれかに記載のインクと、
前記記録媒体上に、前記インクを吐出する吐出手段と、を有することを特徴とする液体吐出装置。
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