JP6857319B2 - 印刷方法、印刷装置、および印刷物 - Google Patents

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Description

本発明は、印刷方法、印刷装置、および印刷物に関する。
金属光沢を有するものは人々にきらびやかな印象を与えるため日常生活のあらゆる場面で目にする機会が多い。金属そのものを用いてその意匠性を付与する場合もあるが、基材に金属光沢を有する着色組成物をコートすることにより意匠性を付与することが多い。
前記コートする方法としては、光輝性を有する顔料を含む印刷インキを用いて各種印刷方式で印刷する方法や、接着剤や熱融着により転写箔する方法が用いられてきた。
金属光沢の中でも、とりわけ金色は富の象徴であり、太古の昔から人々に好まれてきており、正月などのおめでたい行事には欠かせない色である。一方、銀色も落ち着いた風合いで人気が高く、様々な場面で見かけることが多い。また、銀色は金色と異なり、その他の色の着色組成物と混合することにより、金色を含む様々な金属光沢色を表現することができるため、金色よりも汎用性が高く、産業上利用価値が高い。
従来、銀色の金属光沢を有する着色組成物に用いられる顔料としてはアルミニウム微粒子が広く使用されている。
また、インクジェット印刷技術の発展により、インクジェット印刷でも金属光沢を有する印刷物を得たいという要望が高まってきており、例えば特許文献1のように市販の鱗片状アルミニウム顔料や酸化チタン被覆マイカ顔料などを光輝顔料としてインクジェットインクに利用されている。
また、金属コロイドを含むインク組成物を多孔質の被印刷物の表面に印刷することで高い光沢性を有する印刷物を得る印刷方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
また、樹脂成分を含む水系樹脂インクを用いて下地層を設け、その下地層の上に光輝性インクを記録する記録方法も提案されている(特許文献3参照)。
しかしながら、従来の印刷方法では、金属光沢が失われたり、色味が不自然な銀色になってしまうという課題があった。
本発明は、自然な銀色の金属光沢を具備することが可能な印刷方法の提供を目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下のとおりである。即ち、
(1)銀粒子を含む銀インクと、色材、および溶媒を有するカラーインクとを、被印刷物に付与する印刷方法であって、被印刷物に前記カラーインクを付与して下地層を形成する工程と、前記下地層に前記銀インクを付与する工程とを有する印刷方法。
本発明によれば、自然な銀色の金属光沢を具備することが可能な印刷方法を提供することが出来る。
なお、本発明は上記(1)に記載のインクに係るものであるが、下記(2)〜(11)を発明の実施形態として含むのでこれらの実施形態についても合わせて説明する。
(2)前記銀粒子の平均粒子径が15nm以上100nm以下である前記(1)に記載の印刷方法。
(3)前記カラーインク、および銀インクが水を有し、水の含有率が20質量%以上75質量%以下である前記(1)または(2)に記載の印刷方法。
(4)前記被印刷物は少なくとも片面が、細孔を有するインク受容層を有する前記(1)乃至(3)のいずれか1項に記載の印刷方法。
(5)前記細孔の平均の直径が100nm以上400nm以下である前記(4)に記載の印刷方法。
(6)前記色材の平均粒子径が50nm以上400nm以下である前記(1)乃至(5)のいずれか1項に記載の印刷方法。
(7)前記カラーインク、および/または銀インクが樹脂を含む前記(1)乃至(6)のいずれか1項に記載の印刷方法。
(8)前記下地層の溶媒残存量が5質量%以上50質量%以下の状態で、前記銀インクを付与する工程を有する前記(1)乃至(7)のいずれか1項に記載の印刷方法。
(9)前記カラーインク、および/または銀インクをインクジェット方式で吐出して印刷する前記(1)乃至(8)のいずれか1項に記載の印刷方法。
(10)前記(1)乃至(9)のいずれか1項に記載の印刷方法に用いる印刷装置であって、カラーインク及び銀インクを収納する収納部を有し、該カラーインク及び銀インクを被印刷物に付与する印刷手段を具備する印刷装置。
(11)平均の直径が100nm以上400nm以下の細孔を有するインク受容層を有する被印刷物、平均粒子径が50nm以上400nm以下の色材を含む下地層、平均粒子径が15nm以上100nm以下の銀粒子を含む層を有し、写像性(2mm)の値が5以上である印刷物。
<印刷方法>
次に、本発明にかかる印刷方法の好適な実施形態について説明する。
本発明にかかる印刷方法は、銀粒子を含む銀インクと、色材、および溶媒を有するカラーインクとを、被印刷物に付与する印刷方法であって、被印刷物にカラーインクを付与して下地層を形成する工程と、下地層に前記銀インクを付与する工程とを有することを特徴とする印刷方法である。
本発明の印刷方法は、インクジェット印刷方法に制限されず広く使用することが可能である。インクジェット印刷方法以外にも、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
<下地層を形成する工程>
下地層形成工程は、後述するカラーインクを、被印刷物に付与し下地層を形成する工程である。
ところで、従来のインクジェット記録方法においては、被印刷物に直接光輝性インクを印字するか、あるいは色材を含まない樹脂インクを印字した後に、光輝性インクを印字する方法が知られている。直接光輝性インクを印字した場合、耐擦過性が不足し、また、特に光輝性インク中の光輝性顔料が銀ナノ粒子の場合、色味が不自然な銀色になってしまうという課題があった。また、色材を含まない樹脂インクを印字した後に、光輝性インクを印字した場合、耐擦過性はある程度向上するがまだ不十分であり、色味も不自然な銀色になってしまうという課題があった。
また、金属コロイドを含むインク組成物を多孔質の被印刷物の表面に印刷する従来の印刷方法では、多孔質の被印刷物の細孔が金属粒子まで吸収してしまうため、金属光沢が発現せず、また金属光沢を発現してもそのレベルは低い。また金属コロイドのプラズモン吸収に由来する色が発現してしまい、色味も不自然であるといった課題があった。具体的には、銀コロイドの場合は、金属光沢の弱い金色、あるいは金属光沢がない黄土色となる。
これに対して本発明では、カラーインクを被印刷物に付与して下地層を形成し、下地層に銀インクを付与することが特徴である。このような特徴を有することで、自然な銀色の金属光沢を具備することが可能な印刷方法を提供することが可能である。
<被印刷物>
紙に代表される通常の多孔質の被印刷物に、銀インクを印刷すると銀インク中の銀粒子まで被印刷物中に染み込み、銀粒子(ナノメートルオーダー)特有の黄色の発色になってしまい金属光沢も発現しない。
そこで、紙に代表される通常の多孔質の被印刷物にカラーインクを印刷した後に銀インクを印刷すると、カラーインク中の色材が被印刷物上に乗り細孔を形成する。カラーインクの上に銀インクを印刷するため、銀インク中の銀粒子が色材の上に乗っかるため、被印刷物の細孔に染み込むことなく画像を形成することが出来る。
本発明にかかる印刷方法であれば、被印刷物はどのようなものであっても、自然な銀色光沢を具備する印刷物を得ることができるが、被印刷物の少なくとも片面に細孔を有するインク受容層を有することが好ましく、前記細孔の平均の直径が100nm以上400nm以下であることがより好ましい。前記インク受容層を有する面に印刷することにより、インク受容層に、カラーインク中の色材以外の水などの構成成分が吸収されるため、被印刷物上に色材がしっかりと乗ることができ、その色材の上に銀インクを印刷することで被印刷物に染み込むことなく、銀粒子を被印刷物の上に付着させることができ、自然な銀色の金属光沢の画像を形成することができる。
<インク受容層>
インク受容層は、カラーインク中の色材を吸収することなく、色材以外の水などの構成成分を吸収するようなものであれば限定されないが、カラーインク中の色材以外の水などの構成成分を効率よく吸収し、色材のみが被印刷物上にのるという点から、細孔の平均の直径を100nm以上400nm以下とすることが好ましい。インク受容層の細孔の直径の測定方法は印刷媒体の印刷表面または切断面を光学顕微鏡、レーザー顕微鏡、SEM、TEMなどの顕微鏡で断面観察することにより測定することができる。
<インク受容層を構成する材料>
インク受容層を構成する材料としては、適切な細孔が存在し、カラーインク中の色材以外の水などの構成成分を吸収するのであれば特に限定されないが、被印刷物である紙やPET、塩ビ等への成膜性、膜均一性、密着性、安全性に優れているシリカかアルミナが好適な材料であり、シリカかアルミナを含む多孔質層が設けられた状態で市販されている印刷媒体でもよく、被印刷物に別途、アルミナまたはシリカを含む塗布液を用いて製膜してインク受容層を形成しても良い。インク受容層を形成する場合、市販のシリカやアルミナのゾルやゲル状のコーティング材を用いることが可能であり、膜形成方法としては、ブレードコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などで膜形成が可能である。
細孔を有するインク受容層を形成する材料としては、シリカやアルミナが好ましく、粒子が特殊処理により数珠状に連なったり分岐して繋がったもの(鎖状、パールネックレス状など)でもよい。また、その表面をアンモニア、カルシウム、アルミナ等のイオンや化合物で変性したものも使用できる。例えば、シリカのコート剤としてはスノーテックスS、スノーテックスN、スノーテックUP、ST−XS、ST−O、ST−C、ST−20(以上、日産化学社製)、カタロイドSI−350、カタロイドSI−30、SN、SA、S−20L、S−20H、S−30L、S−30H(以上、触媒化成工業製)、アエロジル200、200V、200CF、300(以上、日本アエロジル社製)等が挙げられる。アルミナのコート剤としてはアルミナクリアゾール5S、F1000、F3000、A2(以上、川研ファインケミカル社製)等が挙げられる。
<下地層の上に銀インクを付与する工程>
本工程では、下地層の上に、銀インクを付与して被印刷物上に銀色の金属光沢を有する画像を形成する。これにより印刷物が得られる。画像の膜厚は、好ましくは0.05〜1.0μmであり、より好ましくは0.08〜0.3μmである。この範囲内であると、耐擦過性と金属光沢、自然な色調の銀色を具備することができるため好ましい。
また下地層に銀インクを付与する際、下地層のカラーインクの溶媒残存量が5質量%以上50質量%以下であると、耐擦過性、金属光沢、自然な銀色光沢の両立の観点で好ましい。
下地層の加熱手段によって加熱すること、あるいは画像を形成する速度を調節することで、溶媒残存量は調整可能である。
本明細書では、「溶媒残存量」とは、下地層形成用カラーインクに含有される揮発成分の初期含有量から揮発した量を差し引いた値を意味する。
また、「揮発成分」とはインク組成物から固形成分を除いたその他の成分を意味する。一般的に、インク組成物における揮発成分は、溶媒(有機溶剤および水)、あるいは添加物としての有機溶剤(溶媒が水の場合は水溶性有機溶剤)等が挙げられる。一方、一般的にインク組成物における固形成分としては、顔料等の色材、分散剤としての樹脂あるいはレベリング剤として機能する添加剤としての樹脂、界面活性剤等が挙げられる。
尚、残存する揮発成分量は、印刷面に記録されたインクの質量から算出することができる。
<銀インク>
従来、光輝性顔料はパール顔料や金属粒子が挙げられる。パール顔料の代表例としては、二酸化チタン被覆雲母、魚鱗薄、酸塩化ビスマス等の真珠光沢や干渉光沢を有する顔料が挙げられるが、これらの粒子サイズはミクロンオーダーでありインクジェットヘッドでの吐出に制限があり好ましくない。また、粒子径を小さくしていきインクジェット吐出性を高めていくと吐出性はある程度確保されるが、粒子径が小さすぎてしまうため、干渉による光沢が原理的に発現しない。一方、金属粒子としてはアルミニウム、クロム、インジウム、銅、金等の粒子を挙げることができる。これらの中で毒性が弱く顔料として使用されるものとしてアルミニウム、金を挙げることができるが、アルミニウムは水と反応し酸化物を生じて経時で白色化してしまい、金は高価でありまた色味の調整に制限があるため好ましくない。
更に鱗片状アルミニウム顔料を用いた市販の光輝顔料は粒子径が大きくインクジェットヘッドで安定して吐出させることが出来ず、すぐに吐出不良を引き起こしてしまう。
本実施形態にかかる光輝性顔料は銀粒子である。銀は、各種金属の中でも白色度が高い金属であり、他色のインクと組み合わせることで、様々な金属色を実現することが出来るため好ましい。また、銀は水との反応性が弱いため水中でも安定である。その結果、環境負荷が低減できる水系光輝性インクへの展開が可能であり好ましい。
また、本発明の印刷方法に用いる銀インクは、インクジェットヘッドで安定して吐出させることができ、吐出安定性に優れる。
以下、銀インクに用いる銀粒子、有機溶剤、水、樹脂、添加剤等について説明する。
<銀粒子>
本実施形態にかかる銀インクは、銀粒子を含むものである。銀インクが、銀粒子を含むことにより、優れた金属光沢を有する画像を形成することができる。
銀粒子の平均粒子径は、15nm以上100nm以下が好ましく、30nm以上60nm以下であることがより好ましい。前記平均粒子径が15nm以上であると、インク受容層中に銀粒子が数多く入り込んでしまうことがなく、銀のナノ粒子としての色味(黄色)が反映して色味が不自然になること、あるいは金属光沢を発現しないことがないため好ましい。また、平均粒子径が100nm以下であると、経時で銀粒子が沈降したり、吐出が不安定になることがないため好ましい。なお、本明細書では、「平均粒子径」とは、特に断りのない限り、体積基準の平均粒子径を指すものとする。平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定することが出来る。レーザー回折式粒度分布測定装置としては、例えば、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計(例えば、「マイクロトラックUPA」日機装株式会社)を用いることが出来る。
銀インク中における銀粒子の含有率は、1.0質量%以上15.0質量%以下であることが好ましく、2.5質量%以上10.0質量%以下であることがより好ましい。この範囲内であると、銀インクの保存安定性、吐出安定性、銀色光沢の観点で好ましい。
また、銀粒子は、その表面に保護コロイドが付着した銀コロイドとして、水系分散媒中に分散していることが好ましい。これにより、銀粒子の水系分散媒への分散性が特に優れたものとなり、銀インクの保存安定性が著しく向上する。銀コロイドは、いかなる方法で調整されたものであってもよく、例えば、銀イオンを含む溶液を用意し、この銀イオンを保護コロイドの存在下で還元剤により還元することにより、得ることが出来る。(例えば、特開2006−299329号公報など。)これらの方法によって金属コロイドを製造する際に、還元反応の前後の、任意の時点で水溶液に界面活性剤等を加えると、金属粒子の分散安定性はさらに向上する。また、銀粒子の粒子径は、前記還元剤による還元反応の制御によって制御をすることが出来る。すなわち、還元剤の添加速度や反応温度を調整することで制御可能であり、例えば還元剤の添加速度を遅めたり、液温を低めることで、より小さい粒子径に調整することが可能である。
保護コロイドとしては、銀粒子表面を保護する役割を果たす有機物であれば特に限定されないが、カルボキシル基を有する有機化合物、高分子分散剤が好ましく、いずれかを単独で使用しても、併用しても構わないが、併用したほうが相乗効果があるため、より好ましい。
<カルボキシル基を有する有機化合物>
カルボキシル基を有する有機化合物のカルボキシル基の数は、1分子あたり、1以上であれば特に限定されず、例えば、1〜10、好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜3程度であってもよい。
なお、カルボキシル基を有する有機化合物において、一部又は全部のカルボキシル基は、塩(アミンとの塩、金属塩など)を形成していてもよい。特に、本発明では、カルボキシル基(特に、すべてのカルボキシル基)が、塩[特に、塩基性化合物との塩(アミンとの塩又はアミン塩など)を形成していない有機化合物(すなわち、遊離のカルボキシル基を有する有機化合物)を好適に使用できる。
また、カルボキシル基を有する有機化合物は、カルボキシル基を有している限り、カルボキシル基以外の官能基(又は金属化合物又は金属ナノ粒子に対する配位性基など)を有していてもよい。このようなカルボキシル基以外の官能基(又は配位性基)としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子など)、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子から選択された少なくとも1種のヘテロ原子を有する基{又は官能基、例えば、窒素原子を有する基[アミノ基、置換アミノ基(ジアルキルアミノ基など)、イミノ基(−NH−)、窒素環基(ピリジル基などの5〜8員窒素環基、カルバゾール基、モルホリニル基など)、アミド基(−CON<)、シアノ基、ニトロ基など]、酸素原子を有する基[ヒドロキシル基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基などのC1−6アルコキシ基)、ホルミル基、カルボニル基(−CO−)、エステル基(−COO−)、酸素環基(テトラヒドロピラニル基などの5〜8員酸素環基など)など]、硫黄原子を有する基[例えば、チオ基、チオール基、チオカルボニル基(−SO−)、アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基などのC1−4アルキルチオ基など)、スルホ基、スルファモイル基、スルフィニル基(−SO2−)など]、これらの塩を形成した基(アンモニウム塩基など)など}などが挙げられる。これらの官能基は、単独で又は2種以上組み合わせてカルボキシル基を有する有機化合物が有していてもよい。
カルボキシル基を有する有機化合物は、これらの官能基のうち、カルボキシル基と塩を形成可能な塩基性基(特に、アミノ基、置換アミノ基、イミノ基、アンモニウム塩基など)を有していない化合物であるのが好ましい。
代表的なカルボキシル基を有する有機化合物には、カルボン酸が含まれる。このようなカルボン酸としては、例えば、モノカルボン酸、ポリカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸(又はオキシカルボン酸)などが挙げられる。
モノカルボン酸としては、例えば、脂肪族モノカルボン酸[飽和脂肪族モノカルボン酸(例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプリル酸、カプロン酸、ヘキサン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、シクロヘキサンカルボン酸、デヒドロコール酸、コラン酸などのC1−34脂肪族モノカルボン酸、好ましくはC1−30脂肪族モノカルボン酸など)、不飽和脂肪族モノカルボン酸(例えば、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸、アビエチン酸などのC4−34不飽和脂肪族モノカルボン酸、好ましくはC10−30不飽和脂肪族モノカルボン酸)]、芳香族モノカルボン酸(安息香酸、ナフトエ酸などのC7−12芳香族モノカルボン酸など)などが挙げられる。
ポリカルボン酸としては、例えば、脂肪族ポリカルボン酸[例えば、脂肪族飽和ポリカルボン酸(例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などのC2−14脂肪族飽和ポリカルボン酸、好ましくはC2−10脂肪族飽和ポリカルボン酸など)、脂肪族不飽和ポリカルボン酸(例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ソルビン酸、テトラヒドロフタル酸などのC4−14脂肪族不飽和ポリカルボン酸、好ましくはC4−10脂肪族不飽和ポリカルボン酸など)など]、芳香族ポリカルボン酸(例えば、フタル酸、トリメリット酸などのC8−12芳香族ポリカルボン酸など)などが挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸としては、ヒドロキシモノカルボン酸[脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸(例えば、グリコール酸、乳酸、オキシ酪酸、グリセリン酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、コール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、12−オキソケノデオキシコール酸、グリココール酸、リトコール酸、ヒオデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸、アポコール酸、タウロコール酸などのC2−50脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸、好ましくはC2−34脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸、さらに好ましくはC2−30脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸など)、芳香族ヒドロキシモノカルボン酸(サリチル酸、オキシ安息香酸、没食子酸などのC7−12芳香族ヒドロキシモノカルボン酸など)など]、ヒドロキシポリカルボン酸[脂肪族ヒドロキシポリカルボン酸(例えば、タルトロン酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸などのC2−10脂肪族ヒドロキシポリカルボン酸など)など]などが挙げられる。
なお、これらのカルボン酸は、塩を形成していてもよく、無水物、水和物などであってもよい。なお、カルボン酸は、前記と同様に、塩(特に、アミンとの塩などの塩基性化合物との塩)を形成していない場合が多い。
カルボキシル基を有する有機化合物は、単独で又は2種以上組み合わせてもよい。
これらのカルボキシル基を有する有機化合物のうち、脂肪族ヒドロキシカルボン酸(脂肪族ヒドロキシモノカルボン酸および脂肪族ヒドロキシポリカルボン酸)などのヒドロキシカルボン酸が好ましく、脂肪族ヒドロキシカルボン酸の中でも、さらに、脂環族ヒドロキシカルボン酸(又は脂環族骨格を有するヒドロキシカルボン酸、例えば、コール酸などのC6−34脂環族ヒドロキシカルボン酸、好ましくはC10−34脂環族ヒドロキシカルボン酸、さらに好ましくはC16−30脂環族ヒドロキシカルボン酸)が好ましい。
また、コール酸などの多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸(例えば、縮合多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸、好ましくはC10−34縮合多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸、さらに好ましくはC14−34縮合多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸、特にC18−30縮合多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸)、デヒドロコール酸、コラン酸などの多環式脂肪族カルボン酸(例えば、縮合多環式脂肪族カルボン酸、好ましくはC10−34縮合多環式脂肪族カルボン酸、さらに好ましくはC14−34縮合多環式脂肪族ヒドロキシカルボン酸、特にC18−30縮合多環式脂肪族カルボン酸)などの多環式脂肪族カルボン酸(例えば、C10−50縮合多環式脂肪族カルボン酸、好ましくはC12−40縮合多環式脂肪族カルボン酸、さらに好ましくはC14−34縮合多環式脂肪族カルボン酸、特にC18−30縮合多環式脂肪族カルボン酸)は、嵩高い構造を有しており、銀粒子の凝集を抑制する効果が大きいためか好ましい。
なお、カルボキシル基を有する有機化合物の分子量は、例えば、1000以下(例えば、46〜900程度)、好ましくは800以下(例えば、50〜700程度)、さらに好ましくは600以下(例えば、100〜500程度)であってもよい。
また、カルボキシル基を有する有機化合物のpKa値は、例えば、1以上(例えば、1〜10程度)、好ましくは2以上(例えば、2〜8程度)程度であってもよい。
<高分子分散剤>
本発明では、保護コロイドを、前記カルボキシル基を有する有機化合物と高分子分散剤とで組み合わせて構成することが好ましい。このような組み合わせで保護コロイドを構成することにより、粗大粒子が著しく少ない銀粒子を含む銀コロイドが得られる。特に、本発明では、前記特定の保護コロイドの組み合わせにより、粗大粒子が少ないにもかかわらず、銀粒子の割合を大きくでき、銀コロイド(およびその分散液)の保存安定性にも優れている。
高分子分散剤(又は高分子型分散剤)としては、銀粒子を被覆可能であれば特に限定されないが、両親媒性の高分子分散剤(又はオリゴマー型分散剤)を好適に使用できる。
高分子分散剤としては、通常、塗料、インキ分野などで着色剤の分散に用いられている高分子分散剤が例示できる。このような分散剤には、スチレン系樹脂(スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体など)、アクリル系樹脂((メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体など)、水溶性ウレタン樹脂、水溶性アクリルウレタン樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(ニトロセルロース;エチルセルロースなどのアルキルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロースなどのアルキル−ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのカルボキシアルキルセルロースなどのセルロースエーテル類など)、ポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール(液状のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)、天然高分子(ゼラチン、デキストリンなど)、ポリエチレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物などが含まれる。
代表的な高分子分散剤(両親媒性の高分子分散剤)としては、親水性モノマーで構成された親水性ユニット(又は親水性ブロック)を含む樹脂(又は水溶性樹脂、水分散性樹脂)が含まれる。
前記親水性モノマーとしては、例えば、カルボキシル基又は酸無水物基含有単量体(アクリル酸、メタクリル酸などの(メタ)アクリル系単量体、マレイン酸などの不飽和多価カルボン酸、無水マレイン酸など)、ヒドロキシル基含有単量体(2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、ビニルフェノールなど)などの付加重合系モノマー;アルキレンオキシド(エチレンオキシドなど)などの縮合系モノマーなどが例示できる。前記縮合系モノマーは、ヒドロキシル基などの活性基(例えば、前記ヒドロキシル基含有単量体など)との反応により、親水性ユニットを形成していてもよい。親水性モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて親水性ユニットを形成していてもよい。
高分子分散剤は、少なくとも親水性ユニット(又は親水性ブロック)を含んでいればよく、親水性モノマーの単独又は共重合体(例えば、ポリアクリル酸又はその塩など)であってもよく、前記例示のスチレン系樹脂やアクリル系樹脂などのように、親水性モノマーと疎水性モノマーとのコポリマーであってもよい。疎水性モノマー(非イオン性モノマー)としては、(メタ)アクリル酸エステル[(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの(メタ)アクリル酸C1−20アルキル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)アクリル酸シクロアルキル、(メタ)アクリル酸フェニルなどの(メタ)アクリル酸アリール、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−フェニルエチルなどの(メタ)アクリル酸アラルキルなど]などの(メタ)アクリル系モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのスチレン系モノマー;α−C2−20オレフィン(エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ドデセンなど)などのオレフィン系モノマー;酢酸ビニル、酪酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル系モノマーなどが挙げられる。疎水性モノマーは、単独で又は2種以上組み合わせて疎水性ユニットを構成していてもよい。
高分子分散剤がコポリマー(例えば、親水性モノマーと疎水性モノマーとのコポリマー)である場合、コポリマーは、ランダムコポリマー、交互共重合体、ブロックコポリマー(例えば、親水性モノマーで構成された親水性ブロックと、疎水性モノマーで構成された疎水性ブロックとで構成されたコポリマー)、くし型コポリマー(又はくし型グラフトコポリマー)などであってもよい。前記ブロックコポリマーの構造は、特に限定されず、ジブロック構造、トリブロック構造(ABA型、BAB型)などであってもよい。また、前記くし型コポリマーにおいて、主鎖は、前記親水性ブロックで構成してもよく、前記疎水性ブロックで構成してもよく、親水性ブロックおよび疎水性ブロックで構成してもよい。
なお、前記のように、親水性ユニットは、アルキレンオキシド(エチレンオキシドなど)で構成された親水性ブロック(ポリエチレンオキシド、ポリエチレンオキシド−ポリプロピレンオキシドなどのポリアルキレンオキシド)などの縮合系ブロックで構成することもできる。親水性ブロック(ポリアルキレンオキシドなど)と疎水性ブロック(ポリオレフィンブロックなど)とは、エステル結合、アミド結合、エーテル結合、ウレタン結合などの連結基を介して結合していてもよい。これらの結合は、例えば、疎水性ブロック(ポリオレフィンなど)を変性剤[不飽和カルボン酸又はその無水物((無水)マレイン酸など)、ラクタム又はアミノカルボン酸、ヒドロキシルアミン、ジアミンなど]で変性した後、親水性ブロックを導入することにより形成してもよい。また、ヒドロキシル基やカルボキシル基などの親水性基を有するモノマー(前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートなど)から得られるポリマーと、前記縮合系の親水性モノマー(エチレンオキシドなど)とを反応(又は結合)させることにより、くし型コポリマー(主鎖が疎水性ブロックで構成されたくし型コポリマー)を形成してもよい。
さらに、共重合成分として、親水性の非イオン性モノマーを使用することにより、親水性と疎水性とのバランスを調整してもよい。このような成分としては、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート(例えば、数平均分子量200〜1000程度)などのアルキレンオキシ(特にエチレンオキシ)ユニットを有するモノマー又はオリゴマーなどを例示できる。また、親水性基(カルボキシル基など)を変性(例えば、エステル化)することにより親水性と疎水性とのバランスを調整してもよい。
高分子分散剤は、官能基を有していてもよい。このような官能基としては、例えば、酸基(又は酸性基、例えば、カルボキシル基(又は酸無水物基)、スルホ基(スルホン酸基)など)、ヒドロキシル基などが挙げられる。これらの官能基は、単独で又は2種以上組み合わせて高分子分散剤が有していてもよい。
これらの官能基のうち、高分子分散剤は、酸基、特に、カルボキシル基を有しているのが好ましい。
また、高分子分散剤が、酸基(カルボキシル基など)を有している場合、少なくとも一部又は全部の酸基(カルボキシル基など)は、塩(アミンとの塩、金属塩など)を形成していてもよいが、特に、本発明では、カルボキシル基(特に、すべてのカルボキシル基)などの酸基が、塩[特に、塩基性化合物との塩(アミンとの塩又はアミン塩など)]を形成していない高分子分散剤[すなわち、遊離の酸基(特にカルボキシル基)を有する高分子分散剤]を好適に使用できる。
酸基(特にカルボキシル基)を有する高分子分散剤において、酸価は、例えば、1mgKOH/g以上(例えば、2〜100mgKOH/g程度)、好ましくは3mgKOH/g以上(例えば、4〜90mgKOH/g程度)、さらに好ましくは5mgKOH/g以上(例えば、6〜80mgKOH/g程度)、特に7mgKOH/g以上(例えば、8〜70mgKOH/g程度)であってもよく、通常3〜50mgKOH/g(例えば、5〜30mgKOH/g)程度であってもよい。なお、酸基を有する高分子分散剤において、アミン価は0(又はほぼ0)であってもよい。
なお、高分子分散剤において、上記のような官能基の位置は、特に限定されず、主鎖であってもよく、側鎖であってもよく、主鎖および側鎖に位置していてもよい。このような官能基は、例えば、親水性モノマー又は親水性ユニット由来の官能基(例えば、ヒドロキシル基など)であってもよく、官能基を有する共重合性モノマー(例えば、無水マレイン酸など)の共重合によりポリマー中に導入することもできる。
高分子分散剤は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、高分子分散剤として、特開2004−207558号公報の記載の高分子分散剤(高分子量顔料分散剤)を使用してもよい。
また、高分子分散剤は、合成したものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。以下に、市販の高分子分散剤(又は少なくとも両親媒性の分散剤で構成された分散剤)を具体的に例示すると、ソルスパース13240、ソルスパース13940、ソルスパース32550、ソルスパース31845、ソルスパース24000、ソルスパース26000、ソルスパース27000、ソルスパース28000、ソルスパース41090などのソルスパースシリーズ[アビシア(株)製];ディスパービック160、ディスパービック161、ディスパービック162、ディスパービック163、ディスパービック164、ディスパービック166、ディスパービック170、ディスパービック180、ディスパービック182、ディスパービック184、ディスパービック190、ディスパービック191、ディスパービック192、ディスパービック193、ディスパービック194、ディスパービック2001、ディスパービック2050などのディスパービックシリーズ[ビックケミー(株)製];EFKA−46、EFKA−47、EFKA−48、EFKA−49、EFKA−1501、EFKA−1502、EFKA−4540、EFKA−4550、ポリマー100、ポリマー120、ポリマー150、ポリマー400、ポリマー401、ポリマー402、ポリマー403、ポリマー450、ポリマー451、ポリマー452、ポリマー453[EFKAケミカル(株)製];アジスパーPB711、アジスパーPAl11、アジスパーPB811、アジスパーPB821、アジスパーPW911などのアジスパーシリーズ[味の素(株)製];フローレンDOPA−158、フローレンDOPA−22、フローレンDOPA−17、フローレンTG−700、フローレンTG−720W、フローレン−730W、フローレン−740W、フローレン−745Wなどのフローレンシリーズ[共栄社化学(株)製];ジョンクリル678、ジョンクリル679、ジョンクリル62などのジョンクリルシリーズ[ジョンソンポリマー(株)製]などが挙げられる。
これらのうち、酸基を有する高分子分散剤には、ディスパービック190、ディスパービック194などが挙げられる。
高分子分散剤の数平均分子量は、例えば、1500〜100000、好ましくは2000〜80000(例えば、2000〜60000)、さらに好ましくは3000〜50000(例えば、5000〜30000)、特に7000〜20000程度であってもよい。
<有機溶剤>
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物も好適に使用される。炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールなどが挙げられる。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物は、記録媒体として紙を用いた場合に、インクの浸透性を向上させることができる。
有機溶剤のインク中における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
<水>
水は、水系インクの主な媒体であり、好ましい水は、イオン性の不純物を極力低減することを目的として、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、または超純水を用いることが出来る。また、紫外線照射、または過酸化水素添加等により滅菌した水を用いると、銀インクを長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができるので好ましい。銀インクにおける水の含有量は、特に制限なく、目的に応じて適宜選択することが出来るが20質量%以上75質量%以下が好ましく、20質量%以上65質量%以下がより好ましく、30質量%以上60質量%以下がさらに好ましい。この範囲内であると、環境負荷が少ないインクジェットインクとなるため好ましい。
<樹脂>
本発明において、カラーインク、および/または銀インクに樹脂を含ませると、耐擦過性や、被印刷媒体との密着性向上に効果があるため好ましい。樹脂は、水に可溶な水溶性樹脂、あるいは、水に分散可能な樹脂が好ましく、単独で用いても、併用しても構わない。
<水溶性樹脂>
水溶性樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、ゼラチン、カゼイン等のタンパク質、アラビアゴム等の天然ゴム、サボニン等のグルコキシド、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、リグニンスルホン酸塩、セラック等の天然高分子、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド、スチレン−アクリル酸共重合物塩、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合物塩、スチレン−マレイン酸共重合物塩、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合物塩、β−ナフタレンスルホン酸ホリマリン縮合物のナトリウム塩、ポリリン酸等のイオン性高分子、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンイミン等が挙げられる。
<水に分散可能な樹脂>
銀インク中に含有する水に分散可能な樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いても良い。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。
上記樹脂の含有量としては、銀インク中に0.1〜10.0質量%が好ましく、より好ましくは0.3〜4.0質量%である。この範囲内であると、耐擦過性、金属光沢を具備することができるため好ましい。
<添加剤>
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH4、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、NH(CH2CH2OH)3等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S−1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
Figure 0006857319
(但し、一般式(S−1)式中、m、n、a、及びbは、それぞれ独立に、整数を表わし、Rは、アルキレン基を表し、R’は、アルキル基を表す。)
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2〜16の化合物が好ましく、フッ素置換した炭素数が4〜16である化合物がより好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。 これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F−1)及び一般式(F−2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
Figure 0006857319
上記一般式(F−1)で表される化合物において、水溶性を付与するためにmは0〜10の整数が好ましく、nは0〜40の整数が好ましい。
一般式(F−2)
n2n+1−CH2CH(OH)CH2−O−(CH2CH2O)−Y
上記一般式(F−2)で表される化合物において、YはH、又はCm2m+1でmは1〜6の整数、又はCH2CH(OH)CH2−Cm2m+1でmは4〜6の整数、又はCp2p+1でpは1〜19の整数である。nは1〜6の整数である。aは4〜14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。この市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR、キャプストーンFS−30、FS−31、FS−3100、FS−34、FS−35(いずれも、Chemours社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)、ユニダインDSN−403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS−3100、FS−34、FS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF−151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN−403Nが特に好ましい。
インク中における界面活性剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、濡れ性、吐出安定性に優れ、画像品質が向上する点から、0.001質量%以上5質量%以下が好ましく、0.05質量%以上5質量%以下がより好ましい。
<消泡剤>
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
<防錆剤>
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
<pH調整剤>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
<カラーインク>
本発明における「カラーインク」とは、ブラックインク、白色インク等の無彩色インク、及び、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク等の有彩色インクを意味する。
カラーインクは、色材及び溶媒を含有する。前記溶媒としては、有機溶剤、水が挙げられる。
以下、カラーインクに用いる有機溶剤、水、色材、樹脂、添加剤等について説明する。
<有機溶剤>
前記有機溶剤としては、前記銀インクで用いたものと同じものを同様に使用することができる。
<水>
水は、水系インクの主な媒体であり、好ましい水は、イオン性の不純物を極力低減することを目的として、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、または超純水を用いることが出来る。また、紫外線照射、または過酸化水素添加等により滅菌した水を用いると、カラーインクを長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができるので好ましい。カラーインクにおける水の含有量は、特に制限なく、目的に応じて適宜選択することが出来るが20質量%以上75質量%以下が好ましく、20質量%以上65質量%以下がより好ましく、30質量%以上60質量%以下がさらに好ましい。この範囲内であると、環境負荷が少ないインクジェットインクとなるため好ましい。
<色材>
色材としては特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。また、混晶を使用しても良い。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられる。
さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
自然な銀色の金属光沢の印刷物を得るためには、ブラック色、シアン色、あるいは白色の色味を有する、顔料あるいは染料を用いることが好ましい。これらを用いることで、銀のナノ粒子に由来する色味を消し、自然な銀色を表現することができるため好ましい。
前記色材は、顔料であることが好ましく、インク中の色材の平均粒子径は50nm以上400nm以下が好ましい。この範囲であると自然な銀色の金属光沢を得ることができる。
色材の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
インク中の色材の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
顔料を分散してインクを得るためには、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加することで、水中に分散可能とする方法が挙げられる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能とする方法が挙げられる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<顔料分散体>
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を混合、分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いると良い。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、色材の平均粒子径は50nm以上400nm以下が好ましい。この範囲であると自然な銀色の金属光沢を得ることができる。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
<樹脂>
インク中に含有する樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いても良い。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合してインクを得ることが可能である。前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。
樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な定着性、高い画像硬度を得る点から、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着性、インクの保存安定性の点から、インク全量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。
インク中の固形分の粒径については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、吐出安定性、画像濃度などの画像品質を高くする点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上1000nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。固形分は樹脂粒子や顔料の粒子等が含まれる。粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
<添加剤>
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。
前記界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤としては、前記銀インクに用いたものと同様なものを同様に使用することができる。
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
また、本発明の用語における、画像形成、記録、印字、印刷等は、いずれも同義語とする。
本発明の印刷装置は、本発明の印刷方法に用いる印刷装置であって、カラーインク及び銀インクを収納する収納部を有し、該カラーインク及び銀インクを被印刷物に付与する印刷手段を具備する。
本発明の記録物は、平均の直径が100nm以上400nm以下の細孔を有するインク受容層を有する被印刷物、平均粒子径が50nm以上400nm以下の色材を含む下地層、平均粒子径が15nm以上100nm以下の銀粒子を含む層を有し、写像性(2mm)の値が5以上である。
尚、本発明では、「写像性値C」は、JIS−H8686で規定される写像性測定方法により得られる写像性値を意味する。具体的には、スリットを通して測定対象面に45度の角度で当てられた光の反射光(受光角45度)を、移動する光学くしを通して検知する光学装置と、検知した光量の波動を波形として記憶する計測装置とで構成された写像性測定装置を用い、光学くしを通して検知された光量の変動波形から、次の算式により写像性値Cが得られる。
Cl(n)=M−m/M+m×100
ここで、Cl(n)は、光学くし幅がn(mm)のときの写像性値(%)、Mは、光学くし幅がn(mm)のときの最高波高、mは、光学くし幅がn(mm)のときの最低波高を示す。本発明では、写像性測定装置として、スガ試験機ICM−1型を使用し、光学くし幅nを2.0mmとしている。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、例中の「部」は「質量部」である。
<ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョンAの調製>
攪拌機、還流冷却管及び温度計を挿入した反応容器に、ポリカーボネートジオール(1,6−ヘキサンジオールとジメチルカーボネートの反応生成物)1500g、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)220g及びジプロピレングリコールジメチルエーテル(bp171℃)1347gを窒素気流下で仕込み、60℃に加熱してDMPAを溶解させた。
次いで、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを1445g、ジブチルスズジラウリレート(触媒)を2.6g加え90℃まで加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを得た。
反応混合物を80℃まで冷却しこれにトリエチルアミン149gを添加・混合したものの中から4340gを抜き出して、強攪拌下のもと水5400g及びトリエチルアミン15gの混合溶液の中に加えた。
次いで、氷1500gを投入し、35質量%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液626gを加えて鎖延長反応を行い、固形分濃度が30%となるように溶媒を留去し、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂エマルジョン(ウレタン樹脂成分30%、水64%、ジプロピレングリコールジメチルエーテル6%)を得た。
次いで、得られたポリカーボネート変性ウレタン樹脂エマルジョンを10000gを抜き出し、強攪拌下のもと水2000gを加え、ポリカーボネート変性ウレタン樹脂エマルジョンA(ウレタン樹脂成分25%、水70%、ジプロピレングリコールジメチルエーテル5%)を得た。
得られたポリカーボネート変性ウレタン樹脂エマルジョンAをスライドガラス上に膜厚10μmとなるように塗布し、100℃30分で乾燥させて樹脂フィルムを成形し、微小表面硬度計(FISCHERSCOPE HM2000、フィッシャー製)を用いて、ビッカース圧子を9.8mNの荷重をかけて押し込んだ際のマルテンス硬度は120N/mm2であった。
[顔料分散液の製造例1(顔料分散液1)]
下記処方の材料をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製KDL型、メディア:直径0.3mmジルコニアボール)で7時間循環分散して顔料分散液1を得た。
<顔料分散液1処方>
・ピグメントブルー15:3 15部
・アニオン性界面活性剤(パイオニンA−51−B、竹本油脂社製) 2部
・イオン交換水 83部
[顔料分散液の製造例2〜4(顔料分散液2〜4)]
ピグメントブルー15:3を下記の表1に示す顔料に置き換えた以外は、顔料分散液の製造例1と同様にして顔料分散液2〜4を得た。
[顔料分散液の製造例5(顔料分散液5)]
下記処方の材料をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製KDL型、メディア:直径0.3mmジルコニアボール)で7時間循環分散し、次いで、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製KDL型、メディア:直径0.1mmジルコニアボール)で3時間循環分散して顔料分散液5を得た。
<顔料分散液5処方>
・ピグメントブルー15:3 15部
・アニオン性界面活性剤(パイオニンA−51−B、竹本油脂社製) 2部
・イオン交換水 83部
[顔料分散液の製造例6(顔料分散液6)]
下記処方の材料をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製KDL型、メディア:直径1.0mmジルコニアボール)で5時間循環分散して顔料分散液6を得た。
<顔料分散液6処方>
・ピグメントブルー15:3 15部
・アニオン性界面活性剤(パイオニンA−51−B、竹本油脂社製) 2部
・イオン交換水 83部
Figure 0006857319
[カラーインクの製造例1(カラーインク1)]
下記処方の材料を混合攪拌した後、0.2μmポリプロピレンフィルターで濾過してカラーインク1を作製した。
<インク処方>
・顔料分散液1 20部
・ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョンA 20部
・シリコーン系界面活性剤KF−351A(信越シリコーン社製) 1部
・2,4,7,9−テトラメチルデカン−4,7−ジオール 0.5部
・1,2−プロパンジオール(bp188℃) 20部
・3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(bp240℃) 15部
・防腐防黴剤プロキセルLV(アビシア社製) 0.1部
・イオン交換水 23.4部
[カラーインクの製造例2(カラーインク2)]
下記処方の材料を混合攪拌した後、0.2μmポリプロピレンフィルターで濾過してカラーインク2を作製した。
<インク処方>
・顔料分散液1 6部
・ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョンA 20部
・シリコーン系界面活性剤KF−351A(信越シリコーン社製) 1部
・2,4,7,9−テトラメチルデカン−4,7−ジオール 0.5部
・1,2−プロパンジオール(bp188℃) 27部
・3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(bp240℃) 15部
・防腐防黴剤プロキセルLV(アビシア社製) 0.1部
・イオン交換水 30.4部
[カラーインクの製造例3〜5(カラーインク3〜5)]
顔料分散液1を下記表2に示す顔料分散液の種類に変更した以外は、カラーインクの製造例1と同様にしてカラーインク3〜5を得た。
Figure 0006857319
[カラーインクの製造例6(カラーインク6)]
下記処方の材料を混合攪拌した後、0.2μmポリプロピレンフィルターで濾過してカラーインク6を作製した。
<インク処方>
・顔料分散液1 20部
・シリコーン系界面活性剤KF−351A(信越シリコーン社製) 1部
・2,4,7,9−テトラメチルデカン−4,7−ジオール 0.5部
・1,2−プロパンジオール(bp188℃) 25部
・3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(bp240℃) 15部
・防腐防黴剤プロキセルLV(アビシア社製) 0.1部
・イオン交換水 38.4部
[カラーインクの製造例7(カラーインク7)]
下記処方の材料を混合攪拌した後、0.2μmポリプロピレンフィルターで濾過してカラーインク7を作製した。
<インク処方>
・顔料分散液1 6部
・シリコーン系界面活性剤KF−351A(信越シリコーン社製) 1部
・2,4,7,9−テトラメチルデカン−4,7−ジオール 0.5部
・1,2−プロパンジオール(bp188℃) 32部
・3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(bp240℃) 15部
・防腐防黴剤プロキセルLV(アビシア社製) 0.1部
・イオン交換水 45.4部
[カラーインクの製造例8〜10(カラーインク8〜10)]
顔料分散液1を下記表3に示す顔料分散液の種類に変更した以外は、カラーインクの製造例6と同様にしてカラーインク8〜10を得た。
[カラーインクの製造例11(カラーインク11)]
下記処方の材料を混合攪拌した後、5.0μmポリプロピレンフィルターで濾過してカラーインク11を作製した。
<インク処方>
・顔料分散液5 20部
・ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョンA 20部
・シリコーン系界面活性剤KF−351A(信越シリコーン社製) 1部
・2,4,7,9−テトラメチルデカン−4,7−ジオール 0.5部
・1,2−プロパンジオール(bp188℃) 20部
・3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(bp240℃) 15部
・防腐防黴剤プロキセルLV(アビシア社製) 0.1部
・イオン交換水 23.4部
[カラーインクの製造例12(カラーインク12)]
下記処方の材料を混合攪拌した後、5.0μmポリプロピレンフィルターで濾過してカラーインク12を作製した。
<インク処方>
・顔料分散液6 20部
・ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョンA 20部
・シリコーン系界面活性剤KF−351A(信越シリコーン社製) 1部
・2,4,7,9−テトラメチルデカン−4,7−ジオール 0.5部
・1,2−プロパンジオール(bp188℃) 20部
・3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(bp240℃) 15部
・防腐防黴剤プロキセルLV(アビシア社製) 0.1部
・イオン交換水 23.4部
Figure 0006857319
[銀粒子分散液の製造例1(銀粒子分散液1)]
硝酸銀66.8g、カルボキシル基を有する高分子分散剤(ビッグケミー製、「ディスパービック190」、溶媒:水、不揮発成分40%、酸価10mgKOH/g、アミン価0)7.2g、及びコール酸(和光純薬製)1.8gを、イオン交換水100gに投入し、激しく撹拌し、懸濁液を得た。この懸濁液に対して、ジメチルアミノエタノール(和光純薬製)100gを水温が50℃を超えないように徐々に加えたのち、水温50℃のウォーターバス中で3時間加熱撹拌した。得られた反応液を、ガラスフィルタ(ADVANTEC製GC−90、ポアサイズ0.8マイクロメートル)でろ過し、銀を15質量%、水を37.8質量%含む銀粒子分散液を得た。この分散液について、透過型電子顕微鏡(日本電子(株)製)で銀粒子の粒径を確認したところ、一次粒子の個数平均粒子径は約15nmであった。
[銀粒子分散液の製造例2〜3(銀粒子分散液2〜3)]
下記表4の銀粒子の粒径になるようにジメチルアミノエタノールの加える速度と、水温を調節した以外は銀粒子分散液の製造例1と同様にして、銀粒子分散液2〜3を得た。
Figure 0006857319
[銀インクの製造例1(銀インク1)]
下記処方の材料を混合攪拌した後、0.2μmポリプロピレンフィルターで濾過して銀インク1を作製した。
<インク処方>
・銀粒子分散液1 33.4部
・2,4,7,9−テトラメチルデカン−4,7−ジオール 0.5部
・1,2−プロパンジオール(bp188℃) 10.2部
・3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(bp240℃) 15部
・防腐防黴剤プロキセルLV(アビシア社製) 0.1部
・イオン交換水 39.8部
・シリコーン系界面活性剤KF−351A(信越シリコーン社製) 1部
[銀インクの製造例2〜5(銀インク2〜5)]
銀粒子分散液1を下記表5に示す銀粒子分散液の種類、イオン交換水、1.2−プロパンジオールの量に変更した以外は、銀インクの製造例1と同様にして銀インク2〜5を得た。
Figure 0006857319
[銀インクの製造例6(銀インク6)]
下記処方の材料を混合攪拌した後、0.2μmポリプロピレンフィルターで濾過して銀インク6を作製した。
<インク処方>
・銀粒子分散液1 33.4部
・ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョンA 20部
・シリコーン系界面活性剤KF−351A(信越シリコーン社製) 1部
・2,4,7,9−テトラメチルデカン−4,7−ジオール 0.5部
・1,2−プロパンジオール(bp188℃) 14.9部
・3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(bp240℃) 15部
・防腐防黴剤プロキセルLV(アビシア社製) 0.1部
・イオン交換水 15.1部
[銀インクの製造例7〜8(銀インク7〜8)]
銀粒子分散液1を下記表6に示す銀粒子分散液の種類、イオン交換水、1.2−プロパンジオールの量に変更した以外は、銀インクの製造例6と同様にして銀インク7〜8を得た。
Figure 0006857319
[鱗片状アルミニウム分散液の製造例1(鱗片上アルミニウム分散液1)]
ステンレス容器内に、蒸留水41.7部と2−アミノ−2−メチルプロパノール0.8部を混合し、次に水酸基含有アクリル樹脂(関西ペイント株式会社製、メタクリル酸メチル33%、アクリル酸ブチル27%、メタクリル酸ヒドロキシエチル20%、アクリル酸ヒドロキシブチル10%、アクリル酸ヒドロキシプロピル3%、アクリル酸7%の共重合体であり、分子量=50,000、固形分55%)18.2部を投入し、高速ディスパーにて、十分混合させ、トリエチレングリコールモノnブチルエーテルを10部、サーフィノール104A(非イオン系界面活性剤、エアプロダクツ社製)を0.7部投入する。最後に、アルペースト7640NS(鱗片状アルミニウムペースト、東洋アルミニウム株式会社製、固形分70%、平均粒径16μm)28.6部を撹拌しながら投入し、均一になるまで十分混合して鱗片状アルミニウム分散液1を作製した。
[鱗片状アルミニウムインクの製造例1(鱗片上アルミニウムインク1)]
ステンレス容器内に、鱗片状アルミニウム分散液1を16部、脱イオン水60.5部を混合し、高速ディスパーにて撹拌混合し、続いて、トリエチレングリコールモノnブチルエーテル8部、ジエチレングリコール5部、グリセリン10部、サーフィノール465(表面調整剤、エアプロダクツ社製)0.5部を加え均一になるまで撹拌混合した。最後に、pH=8.0となるようにpH調整剤ジメチルエタノールアミンを微量加え、十分に攪拌混合した後に200メッシュのナイロンスクリーンを用いて濾過を行ない鱗片状アルミニウムインク1を作製した。
[実施例1〜26]
まず、インクジェットプリンタ(株式会社リコー製IPSiO GXe5500)を用いて、表7に示す被印刷物に対してベタ画像を25℃で、表7に示すカラーインクを印刷した。溶媒残存率が表7に示す値になった後に、インクジェットプリンタ(株式会社リコー製IPSiO GXe5500)を用いて表7に示す銀インクを印刷することにより、印刷物を得た。
[比較例1]
まず、インクジェットプリンタ(株式会社リコー製IPSiO GXe5500)を用いて、表7に示す被印刷物に対してベタ画像を25℃で、表7に示す銀インクを印刷することにより、印刷物を得た。
[比較例2]
まず、インクジェットプリンタ(株式会社リコー製IPSiO GXe5500)を用いて、表7に示す被印刷物に対してベタ画像を25℃で、下記に示す樹脂インクを印刷した。溶媒残存率が表7に示す値になった後に、インクジェットプリンタ(株式会社リコー製IPSiO GXe5500)を用いて表7に示す銀インクを印刷することにより、印刷物を得た。
[樹脂インクの製造例1(樹脂インク1)]
下記処方の材料を混合攪拌した後、0.2μmポリプロピレンフィルターで濾過して樹脂インク1を作製した。
<インク処方>
・ポリカーボネート系ウレタン樹脂エマルジョンA 40部
・シリコーン系界面活性剤KF−351A(信越シリコーン社製) 1部
・2,4,7,9−テトラメチルデカン−4,7−ジオール 0.5部
・1,2−プロパンジオール(bp188℃) 20部
・3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(bp240℃) 15部
・防腐防黴剤プロキセルLV(アビシア社製) 0.1部
・イオン交換水 23.4部
[比較例3]
まず、インクジェットプリンタ(株式会社リコー製IPSiO GXe5500)を用いて、表7に示す被印刷物に対してベタ画像を25℃で、上記鱗片状アルミニウムインク1を印刷することにより、印刷物を得た。
上記印刷物について、以下のようにして特性を評価した。結果を纏めて表7に示す。また、被印刷物の細孔の平均の直径については、印刷物表面のSEM観察により算出した。
Figure 0006857319
<耐擦過性評価>
乾燥後の記録物を学振型磨耗堅牢度試験機AB−301(商品名、テスター産業株式会社製)にセットし、接触部に白綿布(JIS L 0803準拠)を取り付けた摩擦子(荷重;300g)にて10回擦り、その劣化具合を目視にて観察し、以下の基準に従い耐磨耗性評価を実施した。
S:傷の数が5本未満であり、下地も見えない。
A:傷の数が5本以上10本未満であり、下地も見えない。
B:傷の数が10本以上あり、下地(被印刷物)が一部見えている。
C:傷の数が10本以上あり、下地(被印刷物)の大部分が露出してしまっている。
<光沢度評価>
乾燥後の記録物の20°光沢度を光沢度計(BYK Gardener社製、マイクロトリグロス)により測定し、下記の基準で評価した。Cランクは光沢度が低すぎてしまい、金属光沢を感じられないため実用できないレベルである。
〔評価基準〕
S:20°光沢度が800以上
A:20°光沢度が500以上、800未満
B:20°光沢度が250以上、500未満
C:20°光沢度が250未満
<写像性評価>
乾燥後の記録物の写像性値Cを、スガ試験機ICM−1型を使用し、JIS−H8686で規定される写像性測定方法により光学くし幅が2.0mmの写像性を測定し、下記の基準で評価した。Cランクは写像性が低すぎてしまい、鏡面性を感じられないため実用できないレベルである。
S:写像性値Cが50以上
A:写像性値Cが30以上、50未満
B:写像性値Cが5以上、30未満
C:写像性値Cが5未満
<色度評価>
乾燥後の、CIEL**b色座標を、X−Rite 938 分光測色濃度計を用いて測定し、下記の基準で評価した。Cランクは色味が自然な銀色とは言えず、不自然な色味となってしまうため実用できないレベルである。
<色彩値(a値):評価基準>
ランクA:−1.5≦a≦1.5
ランクB:−3.5≦a<−1.5 又は 1.5<a≦3.5
ランクC:a<−3.5 又は 3.5<a
<色彩値(b値):評価基準>
ランクA:−1.5≦b≦1.5
ランクB:−3.5≦b<−1.5 又は 1.5<b≦3.5
ランクC:b<−3.5 又は 3.5<b
<吐出安定性評価>
乾燥後の記録物を確認して、ノズル抜けの発生した数を基に吐出安定性の評価を行った。ノズル抜けの数が10以上(ランク3)であると記録物にムラやスジが生じ、使用に耐えないものとなる。なお、使用したプリンタのノズル数は、192個である。
A:ノズル抜けの数が0以上5以下
B:ノズル抜けの数が5以上10以下
C:ノズル抜けの数が10以上
特開2005−036079号公報 特許第4165860号公報 特許第5703624号公報

Claims (7)

  1. 銀粒子を含む銀インクと、色材、および溶媒を有するカラーインクとを、記録媒体に付与する印刷方法であって、
    前記色材はブラック色、シアン色、あるいは白色の色味を有する顔料であり
    前記記録媒体の細孔の平均直径は200nm以上430nm以下であり、
    前記色材の平均粒子径は50nm以上400nm以下であり、
    前記銀粒子の平均粒子径は30nm以上60nm以下であり、
    前記記録媒体に前記カラーインクを付与して下地層を形成する工程と、
    前記下地層に前記銀インクを付与して画像層を形成する工程と
    を有する、前記記録媒体上に前記下地層及び前記画像層を有する印刷物を得る印刷方法。
  2. 前記カラーインク、および銀インクが水を有し、水の含有率が20質量%以上75質量%以下である請求項に記載の印刷方法。
  3. 前記記録媒体は少なくとも片面が、細孔を有するインク受容層を有する請求項1又は2に記載の印刷方法。
  4. 前記細孔の平均の直径が200nm以上400nm以下である請求項に記載の印刷方法。
  5. 前記カラーインク、および/または銀インクが樹脂を含む請求項1乃至のいずれか1項に記載の印刷方法。
  6. 前記下地層の溶媒残存量が5質量%以上50質量%以下の状態で、前記銀インクを付与する工程を有する請求項1乃至のいずれか1項に記載の印刷方法。
  7. 前記カラーインク、および/または銀インクをインクジェット方式で吐出して印刷する請求項1乃至のいずれか1項に記載の印刷方法。
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