一例として示す天井鉄筋構造材14Aの斜視図である図1等の添付の図面を参照し、本発明に係る天井鉄筋構造材の詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、天井鉄筋構造材14Aの正面図であり、図3は、天井鉄筋構造材14Aを使用して作られた一例として示す天井スラブ構造物10Aの側面図である。図4は、天井鉄筋構造材14Aを使用して作られた天井スラブ構造物10Aの下面図である。図1,2では、前後方向を矢印X、幅方向を矢印Yで示し、上下方向を矢印Zで示す。
天井鉄筋構造材14Aは、鉄筋コンクリート造の戸建て住宅(建造物)の鉄筋コンクリート製の天井スラブ構造物10Aの構築に使用される。天井スラブ構造物10Aは、天井鉄筋構造材14A(天井鉄筋構造材14B,14Cを含む)から作られた戸建て住宅(2階建て住宅や3階建て住宅)の鉄筋コンクリート製の外壁構造物12A(外壁構造物12B,12Cを含む)(外壁13)の上(頂部30)に設置(連結)され、戸建て住宅の天井11として使用される。天井スラブ構造物10Aは、複数の天井鉄筋構造材14Aと、天井鉄筋構造材14Aの上面に打設されたコンクリート15とから形成されている。なお、建造物には、戸建て住宅の他に、低層階ビルや中層階ビル、地下室、倉庫、車庫等のあらゆる建造物が含まれる。
それら天井鉄筋構造材14Aは、前後方向へ長く、戸建て住宅の天井11に敷設されて幅方向へ並んでいる。それら天井鉄筋構造材14Aは、前後方向へ延びる所定面積の鉄板ベース16と、鉄板ベース16の上面20に設置された複数の鉄筋トラス17と、鉄板ベース16の下面21(室内側)に設置された天井仕上げボード18と、天井仕上げボード18を鉄板ベース16に固定する複数の固定ボルト19とから形成されている。
鉄板ベース16は、フラットな上面20およびフラットな下面21を有するとともに、前後方向へ延びる両側縁部22と幅方向へ延びる両端縁部23とを有する。鉄板ベース16の両側縁部22の間には、前後方向へ延びるとともに鉄板ベース16の上面20から上方へ凸となる複数の凸条24(縦条)が形成されている。それら凸条24は、鉄板ベース16を折り曲げることから作られている。幅方向へ隣り合う鉄筋トラス17の間に延びる鉄板ベース16の第1部位25と鉄筋トラス17の後記する下端筋32の間に延びる鉄板ベース16の第2部位26と両側縁部22とには、ボルト螺着孔27が作られている。
鉄板ベース16の一方の側縁部22には、第1係合部28が作られ、鉄板ベース16の他方の側縁部22には、第2係合部29が作られている。第1係合部28は、鉄板ベース16の一方の側縁部22を鉄板ベース16の上面20に向かって折り曲げることから作られている。第2係合部29は、鉄板ベース16の他方の側縁部22を鉄板ベース16の下面21に向かって折り曲げることから作られている。
各鉄板ベース16は、一方の鉄板ベース16の第1係合部28に他方の鉄板ベース16の第2係合部29が嵌め込まれ、それら係合部28,29どうしが互いに係合することで、各鉄板ベース16が幅方向へつながっている。それら鉄板ベース16は、隣り合う鉄板ベース16どうしが連結された状態で幅方向へ並んでいる。なお、戸建て住宅の外壁13の頂部30に位置する(載置された)鉄板ベース16の両側縁部22には、第1および第2係合部28,29が作られておらず、フラット(平坦)である。鉄板ベース16の縦横寸法や厚み寸法、面積に特に制限はなく、縦横寸法や厚み寸法、面積を自由に選択することができる。
それら鉄筋トラス17は、鉄板ベース16の上面20に配置され、幅方向へ所定寸法離間しつつ幅方向へ平行して並ぶとともに、前後方向へ延びている。1つの鉄板ベース16に2つの鉄筋トラス17が配置固定されているが、1つの鉄板ベース16に配置する鉄筋トラス17の数に特に制限はなく、鉄板ベース16の面積や鉄筋トラス17の大きさ等に応じて鉄板ベース16に配置する鉄筋トラス17の数を自由に選択することができる。
それら鉄筋トラス17は、1本の上端筋31と2本(一対)の下端筋32と2本(一対)の第1および第2ラチス筋33a,33bとから組み立てられている。鉄筋トラス17の上端筋31や下端筋32、第1および第2ラチス筋33a,33bのうちの少なくとも1つ(好ましくは下端筋32と第1および第2ラチス筋33a,33b)には、幅方向へ延びていて上下方向へ並ぶ複数の補強筋34(横筋やフープ筋等)(図10参照)が結束線(針金)(図示せず)によって連結されている。
上端筋31は、鉄を延伸した鉄棒から作られ、その周面に複数の節(リブ)を有する異形金属棒(異形鉄筋)が使用されている。上端筋31は、幅方向に隣り合う(隣接する)凸条24の間に位置し、鉄板ベース16の上面20から上方へ所定寸法離間して前後方向へ直状に延びている。各鉄筋トラス17において幅方向へ並ぶ上端筋31の前後方向の長さ寸法は略同一であり、それら上端筋31が幅方向へ所定寸法離間しつつ、幅方向へ並行して並んでいる。
それら下端筋32は、鉄を延伸した鉄棒から作られ、その周面に複数の節(リブ)を有する異形金属棒(異形鉄筋)が使用されている。下端筋32は、幅方向に隣り合う(隣接する)凸条24の間に位置(凸条24から内側へ所定寸法離間して位置)するとともに、それらラチス筋33a,33bの幅方向外方に位置し、上端筋31の側方であって上端筋31の幅方向両側に位置している。それら下端筋32は、鉄板ベース16の上面20から上方へ所定寸法離間して前後方向へ直状に延びている。各鉄筋トラス17において幅方向へ並ぶ下端筋32の前後方向の長さ寸法は略同一であり、それら下端筋32が幅方向へ所定寸法離間しつつ、幅方向へ並行して並んでいる。
第1および第2ラチス筋33a,33bは、鉄を延伸した鉄棒から作られている。それらラチス筋33a,33bは、幅方向に隣り合う(隣接する)凸条24の間に位置(凸条24から内側へ所定寸法離間して位置)するとともに、鉄板ベース16の上面20と上端筋31との間に位置し、上下方向へ波状に曲折(起伏)を繰り返しながら前後方向へ延びている。それらラチス筋33a,33bは、上端筋31の側に位置する凸部35と、鉄板ベース16の上面20の側に位置する凹部36と、凸部35および凹部36の間において前後方向へ傾斜して延びる中間部37とを有する。
第1および第2ラチス筋33a,33bの上下方向へ波状に曲折を繰り返す角度は一定であり、単位長さ(たとえば1m)当たりのラチス筋33a,33bの曲折を繰り返す回数は同一である。ラチス筋33a,33bの上下方向へ波状に曲折を繰り返す角度は自由に変えることができ、その角度を調節(単位長さ当たりのラチス筋33a,33bの曲折を繰り返す回数を調節)することで、ラチス筋33a,33bの凸部35どうしの前後方向の離間寸法を調節することができ、ラチス筋33a,33bの凹部36どうしの前後方向の離間寸法を調節することができる。
第1および第2ラチス筋33a,33bは、上端筋31を挟んで幅方向へ対称型に配置されている。したがって、幅方向に並ぶそれらラチス筋33a,33bの凸部35どうしの位置が一致し、中間部37どうしの位置が一致しているとともに、凹部36どうしの位置が一致している。それらラチス筋33a,33bは、前後方向に隣り合う(隣接する)凸部35どうしの離間寸法が等しく、凸部35が前後方向へ等間隔で並んでいるとともに、前後方向に隣り合う(隣接する)凹部36どうしの離間寸法が等しく、凹部36が前後方向へ等間隔で並んでいる。
第1および第2ラチス筋33a,33bは、図2に示すように、鉄板ベース16に対して垂直ではなく、鉄板ベース16に対して所定角度で傾斜し、その凸部35から凹部36に向かって幅方向外方へ末広がりになっている。それらラチス筋33a,33bの傾斜角度について特に制限はなく、その傾斜角度を自由に変えることができる。それらラチス筋33a,33bの凸部35は、凸状に折り曲げられ、上方へ向かって凸となるように曲折している。それら凸部35は、上端筋31の周面に当接し、凸部35のうちの上端筋31と交差する部分(交差箇所)が上端筋31にスポット溶接によって溶着(固定)されている。
第1および第2ラチス筋33a,33bの中間部37は、下端筋32の幅方向内方(内側)に位置し、中間部37のうちの下端筋32と交差当接する部分(交差箇所)が下端筋32にスポット溶接によって溶着(固定)されている。それらラチス筋33a,33bの凹部36は、凹状に折り曲げられ、下方へ向かって凹となるように曲折しつつ、鉄板ベース16の前面と並行するように幅方向外方へ折り曲げられている(幅方向外方へ屈曲している)。凹部36は、幅方向外方へ折り曲げられて幅方向へ延びる屈曲部分38を有する。
それら屈曲部分38は、幅方向外方へ向かって凸となるように弧を画き、鉄板ベース16の凸条24に位置している。屈曲部分38は、鉄板ベース16の凸条24と2箇所で交差当接し、凸条24と交差する部分(交差箇所)がスポット溶接によって凸条24に溶着(固定)されている。天井鉄筋構造材14Aでは、ラチス筋33a,33bの凹部36が幅方向外方へ折り曲げられておらず、凹部36に屈曲部分38が作られていなくてもよい。この場合、ラチス筋33a,33bの凹部36が凸条24と1箇所に交差当接し、凸条24と交差する凹部36の部分(交差箇所)がスポット溶接によって凸条24に溶着(固定)される。
上端筋31や下端筋32、第1および第2ラチス筋33a,33bは、それらの太さについて特に制限はなく、施工する天井11の大きさや天井11に必要な強度等に合わせて上端筋31や下端筋32、ラチス筋33a,33bの太さを自由に変えることができる。上端筋31や下端筋32、第1および第2ラチス筋33a,33bは鉄から作られているが、鉄以外の金属から作ることもできる。また、上端筋31や下端筋32、ラチス筋33a,33bが鉄から作られている場合は、それらにメッキ等の防錆処理が施されていてもよい。
上端筋31とラチス筋33a,33bの凸部35とのスポット溶接や下端筋32とラチス筋33a,33bの中間部37とのスポット溶接では、図示はしていないが、電極と移動機構とを備えた自動溶接機が使用される。自動溶接機によるスポット溶接の一例は、上端筋31およびラチス筋33a,33bの凸部35を各電極で挟み込み、下端筋32およびラチス筋33a,33bの中間部37を各電極で挟み込みつつ、それら電極で上端筋31と凸部35とを押圧するとともに、それら電極で下端筋32と中間部37とを押圧し、それら電極に所定の電流を流す(所定の電圧を印可する)。
それら電極から流れた電流は、上端筋31とラチス筋33a,33bの凸部35とに流れ、上端筋31および凸部35を加熱溶融するとともに、下端筋32とラチス筋33a,33bの中間部37とに流れ、下端筋32および中間部37を加熱溶融する。次に、それら電極が上端筋31および凸部35から離間するとともに、電極が下端筋32および中間部37から離間し、上端筋31および凸部35や下端筋32および中間部37が自然に冷却され、上端筋31と凸部35とが溶着するとともに、下端筋32と中間部37とが溶着する。上端筋31と凸部35とをスポット溶接し、下端筋32と中間部37とをスポット溶接することで、鉄筋トラス17が作られる。
鉄板ベース16の凸条24とラチス筋33a,33bの凹部36の屈曲部分38との自動溶接機によるスポット溶接による溶接の一例は、凸条24および屈曲部分38を各電極で挟み込みつつ、それら電極で凸条24と屈曲部分38とを押圧し、それら電極に所定の電流を流す(所定の電圧を印可する)。それら電極から流れた電流は、凸条24と屈曲部分38とに流れ、凸条24および屈曲部分38を加熱溶融する。次に、それら電極が凸条24および屈曲部分38から離間し、凸条24および屈曲部分38が自然に冷却され、凸条24と屈曲部分38の部分(交差箇所)とが溶着する。
天井仕上げボード18は、所定の厚み寸法を有するとともに、鉄板ベース16と略同一の面積を有し、その平面形状が前後方向へ長い矩形に成形されている。天井仕上げボード18は、戸建て住宅(建造物)の室内に露出する。天井仕上げボード18の鉄板ベース16の第1および第2部位25,26や両側縁部22に作られたボルト螺着孔27と同一の位置には、ボルト螺着孔39が作られている。
天井仕上げボード18には、天然木化粧合板や木目合板、プリント合板等の木質系化粧ボード、ポリエステル化粧板やメラミン化粧板、タップ樹脂化粧板、特殊樹脂化粧板等の合成樹脂系化粧ボード、石膏ボード(GB−R)や化粧石膏ボード(GB−D)、不燃積層石膏ボード(GB−NC)、化粧セラミックボード、ロックウール板等の無機質系化粧ボード、後面に所定のデザインが印刷(プリント)された表面処理鋼板やアルミ化粧ボード、ステンレス化粧ボード等の金属系化粧ボードのいずれかが使用されている。
また、天井仕上げボード18には、表面材に表面処理鋼板を使用し、しん材として石膏ボード、ロックウール化粧吸音板等を張り合わせた複合ボード、表面材に表面処理鋼板を使用し、しん材として硬質プラスチックフォームを接着させた複合ボード、表面材にアルミニウム合金塗装板を使用し、しん材として石膏ボード、ロックウール化粧吸音板等を張り合わせた複合ボード、表面材にアルミニウム合金塗装板を使用し、しん材として硬質プラスチックフォームを接着させた複合ボード、表面材に塗装ステンレス鋼板を使用し、しん材として石膏ボード、ロックウール化粧吸音板などを張り合わせた複合ボード、表面材に塗装ステンレス鋼板を使用し、しん材として硬質プラスチックフォームを接着させた複合ボード等の各種の複合ボードが使用されている。
固定ボルト19は、鉄を延伸した鉄棒から作られ、頭部40と螺子が形成された螺子部41とを有する。固定ボルト19は、その螺子部41が鉄板ベース16の第1および第2部位25,26と両側縁部22とに作られたボルト螺着孔27と天井仕上げボード18に作られたボルト螺着孔39とに螺着され、天井仕上げボード18を鉄板ベース16に固定している。なお、鉄板ベース16の下面21に接着剤(図示せず)が塗布され、天井仕上げボード18がその接着剤および固定ボルト19によって鉄板ベース16に固定されていてもよい。
固定ボルト19の螺子部41の鉄板ベース16の上面20から上方への露出寸法L1は、鉄板ベース16の上面20から鉄筋トラス17の下端筋32までの上下寸法L2と同一である。なお、露出寸法L1は、鉄板ベース16の上面20から鉄筋トラス17の上端筋31までの上下寸法L3のうちの少なくとも鉄板ベース16の上面20から鉄筋トラス17の下端筋32までの上下寸法L2と同一であればよい。固定ボルト19の螺子部41は、鉄板ベース16の上面20から上方へ露出し、鉄板ベース16(天井鉄筋構造材14A)の上面20において硬化したコンクリート15と一体化している。
図5は、一例として示す第1外壁鉄筋構造材42Aの斜視図であり、図6は、一例として示す第2外壁鉄筋構造材43Aの斜視図である。図7は、第1および第2外壁鉄筋構造材42A,43Aを使用して作られた一例として示す外壁構造物12Aの側面図であり、図8は、第1および第2外壁鉄筋構造材42A,43Aを使用して作られた外壁構造物12Aの正面図である。図9は、第1および第2外壁鉄筋構造材42A,43Aを使用して作られた外壁構造物12Aの背面図である。図5〜図7では、前後方向を矢印X、幅方向を矢印Yで示し、上下方向を矢印Zで示す。
第1および第2外壁鉄筋構造材42A,43Aは、鉄筋コンクリート造の戸建て住宅(建造物)の鉄筋コンクリート製の外壁構造物12Aの構築に使用される。外壁構造物12Aは、戸建て住宅(2階建て住宅や3階建て住宅)の基礎46に連結され、戸建て住宅の外壁13として使用される。外壁構造物12Aは、複数の第1外壁鉄筋構造材42Aと、第1外壁鉄筋構造材42Aの内側(室内側)に位置して第1外壁鉄筋構造材42Aに対向する複数の第2外壁鉄筋構造材43Aと、複数本のセパレーター44と、第1および第2外壁鉄筋構造材42A,43Aの間のスペース45に打設されたコンクリート15とから形成されている。第1および第2外壁鉄筋構造材42A,43Aは、上下方向へ長く、鉄筋コンクリート造の戸建て住宅の基礎46に連結されている。第1および第2外壁鉄筋構造材42A,43Aは、基礎46から上方へ延びるとともに、幅方向へ並んでいる。
それら第1外壁鉄筋構造材42Aは、上下方向へ延びる所定面積の第1鉄板ベース16aと、第1鉄板ベース16aの後方(室内側)に位置して第1鉄板ベース16aの対向面47(後面)に設置された複数の第1鉄筋トラス17aと、第1鉄板ベース16aの前方(室外側)に位置して第1鉄板ベース16aの非対向面48(前面)に設置された外断熱材49とから形成されている。それら第2外壁鉄筋構造材43Aは、上下方向へ延びる所定面積の第2鉄板ベース16bと、第2鉄板ベース16bの前方(室外側)に位置して第2鉄板ベース16bの対向面50(前面)に設置された第2鉄筋トラス17bと、第2鉄板ベース16bの後方(室内側)に位置して第2鉄板ベース16bの非対向面51(後面)に設置された内装ボード52とから形成されている。
第1および第2鉄板ベース16a,16bは、フラットな対向面47,50およびフラットな非対向面48,51を有するとともに、上下方向へ延びる両側縁部22と幅方向へ延びる両端縁部23とを有する。第1および第2鉄板ベース16a,16bの両側縁部22の間には、上下方向へ延びるとともに鉄板ベース16a,16bの対向面47,50から前後方向前方へ凸となる複数の凸条24が形成されている。それら凸条24は、鉄板ベース16a,16bを折り曲げることから作られている。第1鉄板ベース16aの幅方向へ隣り合う(隣接する)凸条24の間(隣り合う(隣接する)鉄筋トラス17aの間)には、鉄板ベース16aの非対向面48から前方へ延びる複数の連結片53が形成されている。
それら連結片53は、第1鉄板ベース16aを切断して作られ、上下方向へ凸となって延びる切断線と幅方向へ直状に延びる折曲線とに囲繞された鉄板ベース16aの部位が連結片53を画成している。それら連結片53は、折曲線を中心に第1鉄板ベース16aに対して略直角に折り曲げられ、鉄板ベース16aから前方へ延びている。折り曲げられる以前の連結片53(第1鉄板ベース16aの部位)は、鉄板ベース16aにおいて上下方向へ延びている。それら連結片53は、第1鉄板ベース16aから前方へ向かうにつれて次第に先細りの鋭角に成形され、鉄板ベース16aの非対向面48から前方へ延びた状態で外断熱材49に突き刺さっている。なお、第2鉄筋構造材43aの第2鉄板ベース16bには、連結片53が形成されていない。
第1および第2鉄板ベース16a,16bの一方の側縁部22には、第1係合部28が作られ、他方の側縁部22には、第2係合部29が作られている。第1係合部28や第2係合部29は、図1の天井鉄筋構造材14Aの鉄板ベース16に作られたそれらと同一である。各第1鉄板ベース16aは、一方の鉄板ベース16aの第1係合部28に他方の鉄板ベース16aの第2係合部29が嵌め込まれ、それら係合部28,29どうしが互いに係合することで、鉄板ベース16aが幅方向へつながっている。それら第1鉄板ベース16aは、隣り合う第1鉄板ベース16aどうしが連結された状態で幅方向へ並んでいる。各第2鉄板ベース16bは、一方の鉄板ベース16bの第1係合部28に他方の鉄板ベース16bの第2係合部29が嵌め込まれ、それら係合部28,29どうしが互いに係合することで、鉄板ベース16bが幅方向へつながっている。それら第2鉄板ベース16bは、隣り合う第2鉄板ベース16bどうしが連結された状態で幅方向へ並んでいる。
それら第1鉄筋トラス17aは、第1鉄板ベース16aの対向面47に配置され、幅方向へ所定寸法離間しつつ幅方向へ平行して並ぶとともに、上下方向へ延びている。なお、第1鉄筋トラス17aの数に特に制限はなく、第1鉄板ベース16aの面積や鉄筋トラス17aの大きさ等に応じて鉄板ベース16aに配置する鉄筋トラス17aの数を自由に選択することができる。第1鉄筋トラス17aは、第1鉄板ベース16aの対向面47から後方へ離間して上下方向へ延びる1本の上端筋31と、第1鉄板ベース16aと上端筋31との間に位置して上下方向へ延びる2本(一対)の下端筋32と、第1鉄板ベース17aと上端筋31との間で前後方向へ波状に曲折を繰り返しながら上下方向へ延びる2本(一対)の第1および第2ラチス筋33a,33bとから組み立てられている。
それら第2鉄筋トラス17bは、第2鉄板ベース16bの対向面50に配置され、幅方向へ所定寸法離間しつつ幅方向へ平行して並ぶとともに、上下方向へ延びている。なお、第2鉄筋トラス17bの数に特に制限はなく、第2鉄板ベース16bの面積や鉄筋トラス17bの大きさ等に応じて鉄板ベース16bに配置する鉄筋トラス17bの数を自由に選択することができる。第2鉄筋トラス17bは、第2鉄板ベース16bの対向面50から前方へ離間して上下方向へ延びる1本の上端筋31と、第2鉄板ベース16bと上端筋31との間に位置して上下方向へ延びる2本(一対)の下端筋32と、第2鉄板ベース16bと上端筋31との間で前後方向へ波状に曲折を繰り返しながら上下方向へ延びる2本(一対)の第1および第2ラチス筋33a,33bとから組み立てられている。
上端筋31や下端筋32、第1および第2ラチス筋33a,33bは、図1の天井鉄筋構造材14Aの鉄筋トラス17のそれらと同一であるから、図1と同一の符号を付すとともに、図1の説明を援用することで、上端筋31や下端筋32、第1および第2ラチス筋33a,33bの説明は省略する。上端筋31およびラチス筋33a,33bの凸部35、下端筋32およびラチス筋33a,33bの中間部37、ラチス筋33a,33bの凹部36の屈曲部分38および第1および第2鉄板ベース16a,16bの凸条24は、既述の自動溶接機によるスポット溶接によって溶着(固定)されている。
第1鉄筋トラス17aでは、上端筋31と下端筋32と第1および第2ラチス筋33a,33bとのうちの少なくとも1つ(好ましくは下端筋32と第1および第2ラチス筋33a,33b)が基礎46から上方へ延びる基礎鉄筋54に結束線(針金)(図示せず)によって連結されている。第2鉄筋トラス17bでは、上端筋31と下端筋32と第1および第2ラチス筋33a,33bとのうちの少なくとも1つ(好ましくは下端筋32と第1および第2ラチス筋33a,33b)が基礎46から上方へ延びる基礎鉄筋54に結束線(図示せず)によって連結されている。さらに、幅方向へ延びていて上下方向へ並ぶ複数の補強筋34(横筋やフープ筋等)が第1および第2鉄筋トラス17a,17bの上端筋31や下端筋32、第1および第2ラチス筋33a,33bのうちの少なくとも1つに結束線(図示せず)によって連結されている。
外壁構造物12Aでは、幅方向へ隣り合う(隣接する)第1鉄筋トラス17aの間に第2鉄筋トラス17bが位置し、幅方向へ隣り合う(隣接する)第2鉄筋トラス17bの間に第1鉄筋トラス17aが位置している。第1鉄筋トラス17aの上端筋31は、第2鉄板ベース16bと第2鉄筋トラス17bの下端筋32との間であって、幅方向へ隣り合う(隣接する)第2鉄筋トラス17bの第1ラチス筋33aと第2ラチス筋33bとの間に位置している。第1鉄筋トラス17aの上端筋31と第2鉄板ベース16bとの間には、スペースが形成されている。
第2鉄筋トラス17bの上端筋31は、第1鉄板ベース16aと第1鉄筋トラス17aの下端筋32との間であって、幅方向へ隣り合う(隣接する)第1鉄筋トラス17aの第1ラチス筋33aと第2ラチス筋33bとの間に位置している。第2鉄筋トラス17bの上端筋31と第1鉄板ベース16aとの間には、スペースが形成されている。第1鉄筋トラス17aの下端筋32は、第2鉄筋トラス17bの上端筋31の側に位置し、第2鉄筋トラス17bの下端筋32は、第1鉄筋トラス17aの上端筋31の側に位置している。
それら外断熱材49(ボード状断熱材)は、所定の厚み寸法を有するとともに、第1鉄板ベース16aと略同一の面積を有し、その平面形状が上下方向へ長い矩形に成形されている。それら外断熱材49は、それら第1外壁鉄筋構造材42Aの外側(第1鉄筋ベース16aの直前)に配置され、第1鉄板ベース16aに形成された連結片53の先端部55に突き刺さっている。外断熱材49には、押出発泡ポリスチレンフォーム(スタイロフォーム)(発泡プラスチック)が使用されている。外断熱材12Aには、押出発泡ポリエチレンフォームの他に、ポリプロピレンフォーム、フェノールフォーム、PET樹脂発泡体等(発泡プラスチック)を使用することもできる。外断熱材49の室外側に露出する前面には、モルタル55が吹き付けられている。
内装ボード52は、所定の厚み寸法を有するとともに、第2鉄板ベース17bと略同一の面積を有し、その平面形状が上下方向へ長い矩形に成形されている。内装ボード52には、図1の天井鉄筋構造材14Aの天井仕上げボード18と同一の化粧ボードや複合ボードが使用されている。内装ボード52は、第2鉄板ベース16bに固定ビス(図示せず)によって固定され、または、第2鉄板ベース16bに固定ビスと接着剤(図示せず)とによって固定され、その後面(化粧面)が室内側に露出する。なお、第2鉄板ベース16bと内装ボード52との間に桟木が配置され、桟木が鉄板ベース16bの非対向面51に固定され、内装ボード52が桟木に固定されることで、内装ボード52が桟木を介して鉄板ベース16bの非対向面51に連結されていてもよい。
それらセパレーター44は、第1外壁鉄筋構造材42A(外断熱材49)および第2外壁鉄筋構造材43A(内装ボード52)の所定の部位に設置され、第1外壁鉄筋構造材42Aと第2外壁鉄筋構造材43Aとの間のスペース45に位置して前後方向へ延びている。セパレーター44は、互いに対向する第1外壁鉄筋構造材42Aと第2外壁鉄筋構造材43Aとを連結し、第1および第2外壁鉄筋構造材42A,43Aを固定する。コンクリート15は、スペース45において硬化し、第1および第2鉄板ベース16a,16b、第1および第2鉄筋トラス17a,17bの上端筋31、下端筋32、第1および第2ラチス筋33a,33b、補強筋34、基礎鉄筋54と一体化している。
図10は、外断熱材49を設置する前の第1および第2外壁鉄筋構造材42A,43Aの側面図であり、図11は、コンクリート15を打設する前の第1および第2外壁鉄筋構造材42A,43Aの側面図である。図12は、コンクリート15を打設した後の第1および第2外壁鉄筋構造材42A,43Aの側面図であり、図13は、コンクリート15を打設する前の天井鉄筋構造材14Aの側面図である。図14は、天井鉄筋構造材14Aと第1および第2外壁鉄筋構造材42A,43Aとの連結の一例を示す図である。第1および第2外壁鉄筋構造材42A,43Aを使用して鉄筋コンクリート製の外壁構造物12A(外壁13)を構築するとともに、天井鉄筋構造材14Aを使用して鉄筋コンクリート製の天井スラブ構造物10A(天井11)を構築し、鉄筋コンクリート造の戸建て住宅(建造物)を施工する手順の一例を説明すると、以下のとおりである。
天井仕上げボード18が固定された複数の天井鉄筋構造材14Aや複数の第1外壁鉄筋構造材42A、内装ボード52(桟木を介して固定される場合がある)が固定された複数の第2外壁鉄筋構造材43A、複数枚の外断熱材49が施工現場に搬送されている。外断熱材49は、第1鉄板ベース16aの大きさにあわせるため、施工現場において所定の大きさに切断される。なお、施工現場において天井仕上げボード18を鉄板ベース16に固定する固定作業を行う場合があるとともに、施工現場において内装ボード52を第2鉄板ベース16bに固定する固定作業を行う場合がある。
鉄筋コンクリート造の戸建て住宅の基礎46を施工した後、第1および第2外壁鉄筋構造材42A,43Aの第1および第2鉄筋トラス17a,17bが上下方向へ延びるように、第1および第2外壁鉄筋構造材42A,43Aを前後方向に対向させた状態でそれら外壁鉄筋構造材42A,43Aを基礎46の上に載置する。第1外壁鉄筋構造材42Aが室外側に位置し、外断熱材49が室外側に露出し、第2外壁鉄筋構造材43Aが室内側に位置し、内装ボード52が室内側に露出する。
隣り合う一方の第1鉄板ベース16aの第1係合部28と他方の第1鉄板ベース16aの第2係合部29とを係合させて第1外壁鉄筋構造材42Aを幅方向へ並べ、隣り合う一方の第2鉄板ベース16bの第1係合部28と他方の第2鉄板ベース16bの第2係合部29とを係合させて第2外壁鉄筋構造材43Aを幅方向へ並べる。なお、第1鉄板ベース16aに画成された連結片53が折曲線を中心に鉄板ベース16aに対して略直角に折り曲げられて鉄板ベース16aから前方へ延びている(図10参照)。
第1および第2外壁鉄筋構造材42A,43Aを幅方向へ並べた後、それら外壁鉄筋構造材42A,43Aの第1および第2鉄筋トラス17a,17bの上端筋31や下端筋32、第1および第2ラチス筋33a,33bのうちの少なくとも1つ(好ましくは下端筋32と第1および第2ラチス筋33a,33b)を基礎46から上方へ延びる基礎鉄筋54に結束線を利用して連結するとともに、複数の補強筋34を第1および第2鉄筋トラス17a,17bの上端筋31や下端筋32、第1および第2ラチス筋33a,33bのうちの少なくとも1つ(好ましくは下端筋32と第1および第2ラチス筋33a,33b)に結束線を利用して連結する。
外断熱材49を第1外壁鉄筋構造材42Aの第1鉄筋ベース16aの直前(鉄筋ベース16aの非対向面48)に配置し、外断熱材49を第1鉄板ベース16aの連結片53の先端部55に突き刺すとともに、外断熱材49(後面)を第1鉄板ベース16aの非対向面48に塗布された接着剤によって固着し、外断熱材49を幅方向へ並べる。
第1外壁鉄筋構造材42Aは、第1鉄板ベース16aを切断して作られた連結片53の先端部55に外断熱材49を突き刺すことで、外断熱材49が鉄板ベース16aの連結片53に支持されるから、連結片53を利用して第1外壁鉄筋構造材42Aの外側に外断熱材49を容易に配置することができるのみならず、外断熱材49を第1外壁鉄筋構造材42Aの外側に設置するための設置部材を別途用意する必要はなく、設置部材の節約を図ることができ、設置工程を少なくすることができる。
外断熱材49を配置した後、セパレーター44を第1外壁鉄筋構造材42A(外断熱材49)および第2外壁鉄筋構造材43A(内装ボード52)の所定の部位に設置する。セパレーター44の第1外壁鉄筋構造材42Aの側に位置する一端部を第1鉄板ベース16aおよび外断熱材49に穿孔されたセパ挿通孔に挿通し、一端部に型枠緊結金具56(フォームタイ(登録商標))を連結する。セパレーター44のスペース45に位置する一端部には、プラスチックコーンが挿通されている。一端部に連結された型枠緊結金具56を挟んでその両側に鉄やアルミ、真鍮、合金等の金属から作られた断面形状が円形の一対の丸パイプ57(単管パイプ)を配置し、型枠緊結金具56の座金58によって丸パイプ57を座金58と外断熱材49との間に固定する。
セパレーター44の第2外壁鉄筋構造材43Aの側に位置する他端部を第2鉄板ベース16bおよび内装ボード52に穿孔されたセパ挿通孔に挿通し、他端部に型枠緊結金具56(フォームタイ)を連結する。セパレーター44のスペース45に位置する他端部には、プラスチックコーンが挿通されている。他端部に連結された型枠緊結金具56を挟んでその両側に一対の丸パイプ57(単管パイプ)を配置し、型枠緊結金具56の座金58によって丸パイプ57を座金58と内装ボード52との間に固定する。
それらセパレーター44によって第1外壁鉄筋構造材42Aと第2外壁鉄筋構造材43Aとを連結した後、図14に示すように、第1および第2外壁鉄筋構造材42A,43Aの頂部30にアングル材59を載置固定する。アングル材59を第1および第2外壁鉄筋構造材42A,43Aの頂部30に載置固定した後、アングル材59の水平部分61の上面に天井鉄筋構造材14Aの鉄板ベース16の側縁部22および端縁部23を載置し、ボルトおよびナット(図示せず)によって鉄板ベース16の側縁部22および端縁部23をアングル材59に固定する。または、アングル材59に鉄板ベース16の側縁部22および端縁部23を溶接固定する。
なお、アングル材59の水平部分61に載置される鉄板ベース16の側縁部22および端縁部23には、天井仕上げボード18は設置されておらず、鉄板ベース16が露出している。また、第1および第2外壁鉄筋構造材42A,43Aの頂部30に位置する鉄板ベース16には、コンクリート打設用の開口67が形成されている。開口67には、連結鉄筋60(L字鉄筋)が配置されている。連結鉄筋60の開口67から下方へ延びる部分は、第1および第2鉄筋トラス17a,17bの上端筋31と下端筋32と第1および第2ラチス筋33a,33bとのうちの少なくとも1つ(好ましくは下端筋32と第1および第2ラチス筋33a,33b)に結束線(図示せず)によって連結されている。連結鉄筋60の天井鉄筋構造材14Aに並行して延びる部分は、天井鉄筋構造材14Aの鉄筋トラス17の上端筋31と下端筋32と第1および第2ラチス筋33a,33bとのうちの少なくとも1つ(好ましくは下端筋32と第1および第2ラチス筋33a,33b)に結束線(図示せず)によって連結されている。
アングル材59に天井鉄筋構造材14Aの鉄板ベース16を固定すると、戸建て住宅の1階部分の骨組みが完成する。なお、図示はしていないが、戸建て住宅の2階部分の骨組みを作るには、1階部分の外壁構造物12Aと同一の外壁構造物12Aを1階部分の外壁構造物12Aの頂部30に連結固定するとともに、1階部分の天井鉄筋構造材14Aと同一の天井鉄筋構造材14Aを2階部分の外壁構造物12Aの頂部30に連結固定する。戸建て住宅の3階部分の骨組みを作るには、1階部分の外壁構造物12Aと同一の外壁構造物12Aを2階部分の外壁構造物12Aの頂部30に連結固定するとともに、1階部分の天井鉄筋構造材14Aと同一の天井鉄筋構造材14Aを3階部分の外壁構造物12Aの頂部30に連結固定する。
次に、開口67から第1外壁鉄筋構造材42Aと第2外壁鉄筋構造材43Aとの間のスペース45にコンクリート15を打設するとともに、天井鉄筋構造材14Aの鉄板ベース16の上面20に所定の被り寸法でコンクリート15を打設する。なお、第1外壁鉄筋構造材42Aの所定の箇所には、第1鉄板ベース16aと外断熱材49と貫通するコンクリート打設開口(図示せず)が作られている。アングル材59の垂直部分62が天井鉄筋構造材14Aの型枠になり、天井鉄筋構造材14Aの周縁からのコンクリート15の漏れを防ぐことができる。コンクリート15を所定期間養生した後(コンクリート15が硬化した後)、型枠緊結金具56(座金58を含む)を取り外し、外断熱材49の前面の全域にモルタル55を吹き付けて施工が終了し、鉄筋コンクリート製の外壁構造物12A(外壁13)および鉄筋コンクリート製の天井スラブ構造物10A(天井11)が作られる。屋根を施工することで、鉄筋コンクリート造の戸建て住宅(建造物)が建造される。
アングル材59の垂直部分62が天井鉄筋構造材14Aの型枠になり、外壁構造物12Aの第1外壁鉄筋構造材42A(第1鉄板ベース16a)と第2外壁鉄筋構造材43A(第2鉄板ベース16b)との間にコンクリート15を打設するスペース45が作られるから、ベニヤ板や桟木によってコンクリート15を打設する型枠を組み立てる必要はなく、型枠を組み立てるコストや時間を省くことができ、短い工期で外壁構造物12A(外壁13)や天井スラブ構造物10A(天井11)を作ることができる。
天井鉄筋構造材14Aの鉄板ベース16と鉄筋トラス17とが引っ張りに弱いコンクリート15を補強する鉄筋となり、天井鉄筋構造材14Aを使用することで鉄筋コンクリート製の強固な天井スラブ構造物10A(天井11)を作ることができ、高い強度を有する頑丈な天井スラブ構造物10Aを有する戸建て住宅(建造物)を施工することができる。さらに、第1および第2外壁鉄筋構造材42a,43aの第1および第2鉄板ベース16a,16bと第1および第2鉄筋トラス17a,17bとが引っ張りに弱いコンクリート15を補強する鉄筋となり、第1および第2外壁鉄筋構造材42a,43aを使用することで鉄筋コンクリート製の強固な外壁構造物12A(外壁13)を作ることができ、高い強度を有する頑丈な外壁構造物12Aを有する戸建て住宅(建造物)を施工することができる。
天井鉄筋構造材14Aの鉄板ベース16の上面20から上方へ露出する固定ボルト19の螺子部41が硬化したコンクリート15と一体化し、固定ボルト19がコンクリート15に固定されるから、螺子部41がコンクリート15と一体化した固定ボルト19によって天井仕上げボード18を鉄板ベース16の下面21に確実に固定することができ、天井仕上げボード18や鉄板ベース16において固定ボルト19が緩むことや天井仕上げボード18や鉄板ベース16から固定ボルトが抜け落ちることはなく、地震や天井スラブ構造物10A(天井11)の経年劣化による天井仕上げ材18の落下を防ぐことが可能な戸建て住宅(建造物)を施工することができる。また、第1外壁鉄筋構造材42A(外断熱材49)と第2外壁鉄筋構造材43A(内装ボード52)とが複数のセパレーター44によって連結されているから、第1および第2外壁鉄筋構造材42A,43Aの間のスペース45に打設されたコンクリート15の側圧がそれら外壁鉄筋構造材42A,43Aに作用したとしても、第1外壁鉄筋構造材42Aや第2外壁鉄筋構造材43Aに変形が生ずることはなく、セパレーター44を含む第1および第2外壁鉄筋構造材42a,43aを利用することで、構造計算された設計どおりの鉄筋コンクリート製の強固な外壁構造物12A(外壁13)を有する戸建て住宅を施工することができる。
天井鉄筋構造材14Aの鉄板ベース16の上面20に所定の被り寸法で打設されたコンクリート15が優れた遮音性と優れた耐火性とを有し、第1および第2外壁鉄筋構造材42A,43Aの間のスペース45に打設されたコンクリート15が優れた遮音性と優れた耐火性とを有するから、戸建て住宅(建造物)の下階や上階の騒音を遮断することができるとともに、戸建て住宅の周囲の騒音を遮断することができ、火災に強い天井11や外壁13を有する戸建て住宅を施工することができる。さらに、第1および第2外壁鉄筋構造材42A,43Aの第1および第2鉄筋トラス17a,17bの上端筋31と下端筋32と第1および第2ラチス筋33a,33bとのうちの少なくとも1つが基礎46から上方へ延びる基礎鉄筋54に連結されているから、戸建て住宅の基礎46と一体になった優れた強度の外壁13を作ることができ、強い衝撃に十分に耐えることが可能な外壁構造物12A(外壁13)を有する戸建て住宅を施工することができる。
天井鉄筋構造材14Aの鉄板ベース16の下面21に設置された天井仕上げボード18を天井仕上げ材として利用することができるから、施工された天井11の下面に天井仕上げ材を別途設置するための天井仕上げ工事を省くことができ、天井仕上げ工事のための手間やコストを省くことができる。さらに、第2外壁鉄筋構造材43Aの第2鉄板ベース16bの非対向面51に設置された各化粧板等の内装ボード52を内装材として利用することができるから、施工された外壁13の後面に内装材を別途設置するための内装工事を省くことができ、内装工事のための手間やコストを省くことができる。
戸建て住宅(建造物)は、天井鉄筋構造材14Aから作られた鉄筋コンクリート製の天井スラブ構造物10A(天井11)が高い強度を有し、天井スラブ構造物10Aの安全性を確実に確保することができるとともに、第1および第2外壁鉄筋構造材42A,43Aから作られた鉄筋コンクリート製の外壁構造物12A(外壁13)が高い強度を有し、外壁構造物12Aの安全性を確実に確保することができる。戸建て住宅(建造物)は、地震による激しい揺れや津波の水圧に十分に耐えることが可能であり、地震の激しい揺れによる天井11の崩落を防ぐことができるとともに、地震による崩壊を防ぐことができ、津波による流失を防ぐことができる。
図15は、他の一例として示す天井鉄筋構造材14Bの斜視図であり、図16は、図15の天井鉄筋構造材14Bの正面図である。図17は、コンクリート15を打設する前の天井鉄筋構造材14Bの側面図であり、図18は、天井スラブ構造物10Bの側面図である。図15,16では、前後方向を矢印X、幅方向を矢印Yで示し、上下方向を矢印Zで示す。天井鉄筋構造材14Bは、鉄筋コンクリート造の戸建て住宅(建造物)の鉄筋コンクリート製の天井スラブ構造物10Bの構築に使用される。天井スラブ構造物10Bは、外壁構造物12A(外壁構造物12B,12Cを含む)から作られた戸建て住宅(2階建て住宅や3階建て住宅)の鉄筋コンクリート製の外壁13の上(頂部30)に設置(連結)され、戸建て住宅の天井11として使用される。天井スラブ構造物10Bは、複数の天井鉄筋構造材14Bと、天井鉄筋構造材14Bの上面(鉄筋ベース16の上面20)に打設されたコンクリート15とから形成されている。
天井鉄筋構造材14Bは、上下方向へ延びる所定面積の鉄板ベース16と、鉄板ベース16の上面20に設置された複数の鉄筋トラス17と、鉄板ベース16の下面21(室内側)に設置された天井仕上げボード18と、天井仕上げボード18を鉄板ベース16に固定する複数の固定ボルト19とから形成されている。鉄板ベース16や鉄筋トラス17、天井仕上げボード18は、図1の天井鉄筋構造材14Aのそれらと同一であるから、図1と同一の符号を付すとともに、図1の天井鉄筋構造材14Aの説明を援用することで、鉄板ベース16や鉄筋トラス17、天井仕上げボード18の説明は省略する。
固定ボルト19は、鉄を延伸した鉄棒から作られ、頭部40と螺子が形成された螺子部41とを有する。固定ボルト19は、その螺子部41が鉄板ベース16の第1および第2部位25,26に作られたボルト螺着孔27と天井仕上げボード18に作られたボルト螺着孔39とに螺着され、天井仕上げボード18を鉄板ベース16に固定している。なお、鉄板ベース16の下面21に接着剤(図示せず)が塗布され、天井仕上げボード18がその接着剤および固定ボルト19によって鉄板ベース16に固定されていてもよい。
固定ボルト19の螺子部41の鉄板ベース16の上面20から上方への露出寸法L1は、鉄板ベース16の上面20から鉄筋トラス17の上端筋31と下端筋32との間までの上下寸法と同一である。なお、露出寸法L1は、鉄板ベース16の上面20から鉄筋トラス17の上端筋31までの上下寸法L3のうちの少なくとも鉄板ベース16の上面20から鉄筋トラス17の下端筋32までの上下寸法L2と同一であればよい。固定ボルト19の螺子部41は、上下方向へ延びる垂直部分63と、上下方向と交差する方向へ折曲された折曲部分64とを有する。螺子部41の垂直部分63と折曲部分64とは、鉄板ベース16の上面20から上方へ露出し、天井鉄筋構造材14Bの上面において硬化したコンクリート15と一体化している。
第1および第2外壁鉄筋構造材42A,43Aを使用して鉄筋コンクリート製の外壁構造物12A(外壁13)を構築するとともに、天井鉄筋構造材14Bを使用して鉄筋コンクリート製の天井スラブ構造物10B(天井11)を構築し、鉄筋コンクリート造の戸建て住宅(建造物)を施工する手順は、第1および第2外壁鉄筋構造材42A,43Aおよび天井鉄筋構造材14Aを使用して鉄筋コンクリート製の外壁構造物12Aや天井スラブ構造物10Bを構築し、鉄筋コンクリート造の戸建て住宅を施工する手順と同一であるから、図10〜図14に基づく説明を援用することで、その説明は省略する。
天井鉄筋構造材14Bは、天井鉄筋構造材14Aにおいて説明した既述の効果に加え、以下の効果を有する。固定ボルト19の螺子部41の垂直部分63のみならず上下方向と交差する方向へ折曲された折曲部分64がコンクリート15と一体化するから、螺子部41がコンクリート15に確実に保持され、固定ボルト19をコンクリート15に確実に固定することができ、固定ボルト19によって天井仕上げボード18を鉄板ベース16の下面21に確実に固定することができる。さらに、螺子部41の垂直部分63および折曲部分64がコンクリート15と一体化した固定ボルト19によって天井仕上げボード18を鉄板ベース16の下面21に確実に固定することができるから、天井仕上げボード18や鉄板ベース16において固定ボルト19が緩むことや天井仕上げボード18や鉄板ベース16から固定ボルト19が抜け落ちることはなく、地震や天井スラブ構造物10B(天井11)の経年劣化による天井仕上げ材18の落下を確実に防ぐことができる。
なお、天井鉄筋構造材14B(天井スラブ構造物10B)や第1および第2外壁鉄筋構造材42A,43A(外壁構造物12A)から作られた戸建て住宅(建造物)は、天井鉄筋構造材14Aから作られた鉄筋コンクリート製の天井スラブ構造物10B(天井11)が高い強度を有し、天井スラブ構造物10Bの安全性を確実に確保することができるとともに、第1および第2外壁鉄筋構造材42A,43Aから作られた鉄筋コンクリート製の外壁構造物12A(外壁13)が高い強度を有し、外壁構造物12Aの安全性を確実に確保することができる。戸建て住宅(建造物)は、地震による激しい揺れや津波の水圧に十分に耐えることが可能であり、地震の激しい揺れによる天井11の崩落を防ぐことができるとともに、地震による崩壊を防ぐことができ、津波による流失を防ぐことができる。
図19は、他の一例として示す天井鉄筋構造材14Cの斜視図であり、図20は、図19の天井鉄筋構造材14Cの正面図である。図19,20では、前後方向を矢印X、幅方向を矢印Yで示し、上下方向を矢印Zで示す。天井鉄筋構造材14Cは、鉄筋コンクリート造の戸建て住宅(建造物)の鉄筋コンクリート製の天井スラブ構造物10C(図24,25参照)(天井11)の構築に使用される。天井スラブ構造物10Cは、第1および第2外壁鉄筋構造材42A,43A(第1および第2外壁鉄筋構造材42B,42C,43B,43Cを含む)から作られた戸建て住宅(2階建て住宅や3階建て住宅)の鉄筋コンクリート製の外壁構造物12A(外壁構造物12B,12Cを含む)(外壁13)の上(頂部30)に設置(連結)され、戸建て住宅の天井11として使用される。
天井スラブ構造物10Cは、複数の天井鉄筋構造材14Cと、天井鉄筋構造材14Cの上面(ラス金網65の上面20)に打設されたコンクリート15とから形成されている。それら天井鉄筋構造材14Cは、前後方向へ長く、戸建て住宅の天井11に敷設されて幅方向へ並んでいる。それら天井鉄筋構造材14Cは、前後方向へ延びる所定面積のラス金網65(金網)(ワイヤーメッシュ)と、ラス金網65の上面20に設置された複数の鉄筋トラス17と、ラス金網65の下面21(室内側)に設置された天井仕上げボード18と、天井仕上げボード18とラス金網65とを固定する発泡ウレタン66(硬質発泡ウレタンフォーム)とから形成されている。
ラス金網65は、上面20および下面21を有するとともに、前後方向へ延びる両側縁部22と幅方向へ延びる両端縁部23とを有する。ラス金網65の両側縁部22の間には、前後方向へ延びるとともにラス金網65の上面20から上方へ凸となる複数の凸条24(縦条)が形成されている。それら凸条24は、ラス金網65を折り曲げることから作られている。なお、ラス金網65の縦横寸法や厚み寸法、面積、開口面積に特に制限はなく、縦横寸法や厚み寸法、面積、開口面積を自由に選択することができる。
ラス金網65の一方の側縁部22には、第1係合部28が作られ、ラス金網65の他方の側縁部22には、第2係合部29が作られている。第1係合部28は、ラス金網65の一方の側縁部22をラス金網65の上面に20向かって折り曲げることから作られている。第2係合部29は、ラス金網65の他方の側縁部22をラス金網65の下面21に向かって折り曲げることから作られている。
各ラス金網65は、一方のラス金網65の第1係合部28に他方のラス金網65の第2係合部29が嵌め込まれ、それら係合部28,29どうしが互いに係合することで、各ラス金網65が幅方向へつながっている。それらラス金網65は、隣り合うラス金網65どうしが連結された状態で幅方向へ並んでいる。なお、戸建て住宅の外壁13の頂部30に位置する(載置された)ラス金網65の両側縁部22には、第1および第2係合部28,29が作られていない。
それら鉄筋トラス17は、ラス金網65の上面20に配置され、幅方向へ所定寸法離間しつつ幅方向へ平行して並ぶとともに、前後方向へ延びている。1つのラス金網65に2つの鉄筋トラス17が配置固定されているが、1つのラス金網65に配置する鉄筋トラス17の数に特に制限はなく、ラス金網65の面積や鉄筋トラス17の大きさ等に応じてラス金網65に配置する鉄筋トラス17の数を自由に選択することができる。
第1および第2ラチス筋33a,33bの凹部36の屈曲部分38は、ラス金網65の凸条24に位置し、ラス金網65の凸条24と2箇所で交差当接し、凸条24と交差する部分(交差箇所)がスポット溶接によって凸条24に溶着固定されている。なお、鉄筋トラス17の構成は、図1の天井鉄筋構造材14Aのそれと同一であるから、図1と同一の符号を付すとともに、図1の天井鉄筋構造材14Aの説明を援用することで、鉄筋トラス17の説明は省略する。
天井仕上げボード18は、所定の接着機能を有する発泡ウレタン66によってラス金網65に固着されている。発泡ウレタン66は、ラス金網65の上面20から充填され、ラス金網65の網目を通過して天井仕上げボード18に達している。天井仕上げボード18は、図1の天井鉄筋構造材14Aのそれと同一であるから、図1と同一の符号を付すとともに、図1の天井鉄筋構造材14Aの説明を援用することで、天井仕上げボード18の説明は省略する。コンクリート15は、ラス金網65の網目を通過して天井仕上げボード18に達している。コンクリート15は、ラス金網65の上面において硬化し、鉄筋トラス17の上端筋31、下端筋32、第1および第2ラチス筋33a,33b、天井仕上げボード18、ラス金網65と一体化している。
図21は、他の一例として示す天井鉄筋構造材14Dの斜視図であり、図22は、発泡ウレタン66を充填する以前の状態で示す天井鉄筋構造材14Dの斜視図である。図23は、図21の天井鉄筋構造材14Dの正面図であり、図24は、天井鉄筋構造材14Cまたは天井鉄筋構造材14Dによって作られた天井スラブ構造物10C(天井11)または天井スラブ構造物10D(天井11)の側面図である。図25は、天井鉄筋構造材14Cまたは天井鉄筋構造材14Dによって作られた天井スラブ構造物10C(天井11)または天井スラブ構造物10D(天井11)の下面図である。図21,22では、前後方向を矢印X、幅方向を矢印Yで示し、上下方向を矢印Zで示す。
天井鉄筋構造材14Dは、鉄筋コンクリート造の戸建て住宅(建造物)の鉄筋コンクリート製の天井スラブ構造物10D(天井11)の構築に使用される。天井スラブ構造物10Dは、第1および第2外壁鉄筋構造材42A,43A(第1および第2外壁鉄筋構造材42B,42C,43B,43Cを含む)から作られた戸建て住宅(2階建て住宅や3階建て住宅)の鉄筋コンクリート製の外壁構造物12A(外壁構造物12B,12Cを含む)(外壁13)の上(頂部30)に設置(連結)され、戸建て住宅の天井11として使用される。
天井スラブ構造物10Dは、複数の天井鉄筋構造材14Dと、天井鉄筋構造材14Dの上面(金網68の上面20)に打設されたコンクリート15とから形成されている。それら天井鉄筋構造材14Cは、前後方向へ長く、戸建て住宅の天井11に敷設されて幅方向へ並んでいる。それら天井鉄筋構造材14Cは、前後方向へ延びる所定面積の金網68と、金網68の上面20に設置された複数の鉄筋トラス17と、金網68の下面21(室内側)に設置された天井仕上げボード18と、天井仕上げボード18と金網68とを固定する発泡ウレタン66(硬質発泡ウレタンフォーム)とから形成されている。
金網68は、上面20および下面21を有するとともに、前後方向へ延びる両側縁部22と幅方向へ延びる両端縁部23とを有し、天井仕上げボード18の略全域に延びている。金網68は、複数本の横条69と複数本の縦条70とから形成されている。横条69や縦条70は、鉄を延伸した断面円形の金属棒(鉄棒)から作られている。横条69は、金網68の両端縁部23の間において、前後方向へ略等間隔離間(所定寸法離間)して並び、天井仕上げボード18と並行して幅方向へ延びている。なお、横条69の本数に特に制限はなく、横条69の本数を自由に決定することができる。
縦条70は、横条69の下に配置され(位置し)、金網68の両側縁部22の間において、幅方向へ所定寸法離間して並び、天井仕上げボード18と並行して前後方向へ延びている。なお、縦条70の本数に特に制限はなく、縦条70の本数を自由に決定することができる。横条69と縦条70とは、互いに直交(交差)した状態でそれら条69,70の交差部において溶接固定されている。縦条70が横条69の上に配置された状態でそれら条69,70の交差部において溶接固定されていてもよい。
金網68の一方の側縁部22の横条69には、第1係合部(フック)(図示せず)が連接され、金網68の他方の側縁部22の横条69には、第2係合部(ループ)(図示せず)が連接されている。各金網68は、一方の金網68の第1係合部に他方の金網68の第2係合部が連結され、それら係合部どうしが互いに係合することで、各金網68が幅方向へつながっている。それら金網68は、隣り合う金網68どうしが連結された状態で幅方向へ並んでいる。なお、戸建て住宅の外壁13の頂部30に位置する(載置された)金網68の両側縁部22には、第1および第2係合部が連接されていない。
それら鉄筋トラス17は、金網68の上面20に配置され、幅方向へ所定寸法離間しつつ幅方向へ平行して並ぶとともに、前後方向へ延びている。1つの金網68に2つの鉄筋トラス17が配置固定されているが、1つの金網68に配置する鉄筋トラス17の数に特に制限はなく、金網68の面積や鉄筋トラス17の大きさ等に応じて金網68に配置する鉄筋トラス17の数を自由に選択することができる。
第1および第2ラチス筋33a,33bの凹部36の屈曲部分38は、金網68の縦条70の上に位置し、縦条70と2箇所で交差当接し、縦条70と交差する部分(交差箇所)がスポット溶接によって縦条70に溶着固定されている。なお、鉄筋トラス17の構成は、図1の天井鉄筋構造材14Aのそれと同一であるから、図1と同一の符号を付すとともに、図1の天井鉄筋構造材14Aの説明を援用することで、鉄筋トラス17の説明は省略する。
天井仕上げボード18は、所定の接着機能を有する発泡ウレタン66によって金網68(横条69および縦条70)に固着されている。発泡ウレタン66は、金網68の上面20から充填され、金網68の横条69および縦条70を通過して天井仕上げボード18に達している。天井仕上げボード18は、図1の天井鉄筋構造材14Aのそれと同一であるから、図1と同一の符号を付すとともに、図1の天井鉄筋構造材14Aの説明を援用することで、天井仕上げボード18の説明は省略する。
コンクリート15は、金網68の横条69および縦条70を通過して天井仕上げボード18に達している。コンクリート15は、金網68の上面において硬化し、鉄筋トラス17の上端筋31、下端筋32、第1および第2ラチス筋33a,33b、天井仕上げボード18、金網68(横条69および縦条70)と一体化している。
発泡ウレタン66は、天井仕上げボード18の略全域を覆い、金網68の横条69および縦条70の略全域を覆うとともに、鉄筋トラスト17のうちのラチス筋33a,33bの屈曲部分38を含む凹部36の略全域を覆う。硬化した発泡ウレタン66によって天井仕上げボード18と金網68とが強固に固着される。硬化した発泡ウレタン66は、金網68の縦横条69,70とラチス筋33a,33bの屈曲部分38とを覆う厚み寸法を有し、その最上部が屈曲部分38よりも上であって下端筋32よりも下に位置している。
発泡ウレタン66は、その上下方向の厚み寸法が上端筋31や下端筋32、トラス筋33a,33bに対するコンクリートの被りを確保可能な寸法に調節されている。天井鉄筋構造材14Dは、発泡ウレタン66の最上部が下端筋32よりも下に位置するとともに、上下方向の厚み寸法が上端筋31や下端筋32、トラス筋33a,33bに対するコンクリートの被りを確保可能な寸法に調節されているから、天井鉄筋構造材14Dにコンクリートを打設したときに、上端筋31や下端筋32、トラス筋33a,33bに対するコンクリートの被りを確実に確保することができる。
図26は、一例として示す第1外壁鉄筋構造材42Bの斜視図であり、図27は、一例として示す第2外壁鉄筋構造材43Bの斜視図である。図26,27では、前後方向を矢印X、幅方向を矢印Yで示し、上下方向を矢印Zで示す。第1および第2外壁鉄筋構造材42B,43Bは、鉄筋コンクリート造の戸建て住宅(建造物)の鉄筋コンクリート製の外壁構造物12B(外壁13)の構築に使用される。外壁構造物12Bは、戸建て住宅(2階建て住宅や3階建て住宅)の基礎46に連結され、戸建て住宅の外壁13として使用される。
外壁構造物12Bは、複数の第1外壁鉄筋構造材42Bと、第1外壁鉄筋構造材42Bの内側(室内側)に位置して第1外壁鉄筋構造材42Bに対向する複数の第2外壁鉄筋構造材43Bと、複数本のセパレーター44と、第1および第2外壁鉄筋構造材42B,43Bの間のスペース45に打設されたコンクリート15とから形成されている。第1および第2外壁鉄筋構造材42B,43Bは、上下方向へ長く、鉄筋コンクリート造の戸建て住宅の基礎46に連結されている。第1および第2外壁鉄筋構造材42B,43Bは、基礎46から上方へ延びるとともに、幅方向へ並んでいる。
それら第1外壁鉄筋構造材42Bは、上下方向へ延びる所定面積の第1ラス金網65aと、ラス金網65aの後方(室内側)に位置してラス金網65aの対向面47(後面)に設置された複数の第1鉄筋トラス17aと、ラス金網65aの前方(室外側)に位置してラス金網65aの非対向面48(前面)に設置された外断熱材49と、発泡ウレタン66(硬質発泡ウレタンフォーム)とから形成されている。それら第2外壁鉄筋構造材43Bは、上下方向へ延びる所定面積の第2ラス金網65bと、ラス金網65bの前方(室外側)に位置してラス金網65bの対向面50(前面)に設置された第2鉄筋トラス17bと、ラス金網65bの後方(室内側)に位置してラス金網65bの非対向面51(後面)に設置された内装ボード52と、発泡ウレタン66(硬質発泡ウレタンフォーム)とから形成されている。
第1および第2ラス金網65a,65bは、対向面47,50および非対向面48,51を有するとともに、上下方向へ延びる両側縁部22と幅方向へ延びる両端縁部23とを有する。第1および第2ラス金網65a,65bの両側縁部22の間には、上下方向へ延びるとともにラス金網65a,65bの対向面47,50から前後方向前方へ凸となる複数の凸条24が形成されている(図20援用)。それら凸条24は、ラス金網65a,65bを折り曲げることから作られている。
第1および第2ラス金網65a,65bの一方の側縁部22には、第1係合部28が作られ、他方の側縁部22には、第2係合部29が作られている。第1係合部28や第2係合部29は、図20の天井鉄筋構造材14cのラス金網65に作られたそれらと同一である。各第1ラス金網65aは、一方のラス金網65aの第1係合部28に他方のラス金網65aの第2係合部29が嵌め込まれ、それら係合部28,29どうしが互いに係合することで、第1ラス金網65aが幅方向へつながっている。それら第1ラス金網65aは、隣り合う第1ラス金網65aどうしが連結された状態で幅方向へ並んでいる。各第2ラス金網65bは、一方のラス金網65bの第1係合部28に他方のラス金網65bの第2係合部29が嵌め込まれ、それら係合部28,29どうしが互いに係合することで、第2ラス金網65bが幅方向へつながっている。それら第2ラス金網65bは、隣り合う第2ラス金網65bどうしが連結された状態で幅方向へ並んでいる。
それら第1鉄筋トラス17aは、第1ラス金網65aの対向面47に配置され、幅方向へ所定寸法離間しつつ幅方向へ平行して並ぶとともに、上下方向へ延びている。なお、第1鉄筋トラス17aの数に特に制限はなく、第1ラス金網65aの面積や鉄筋トラス17aの大きさ等に応じてラス金網65aに配置する鉄筋トラス17aの数を自由に選択することができる。第1鉄筋トラス17aは、第1ラス金網65aの対向面47から後方へ離間して上下方向へ延びる1本の上端筋31と、ラス金網65aと上端筋31との間に位置して上下方向へ延びる2本(一対)の下端筋32と、ラス金網65aと上端筋31との間で前後方向へ波状に曲折を繰り返しながら上下方向へ延びる2本(一対)の第1および第2ラチス筋33a,33bとから組み立てられている。
それら第2鉄筋トラス17bは、第2ラス金網65bの対向面50に配置され、幅方向へ所定寸法離間しつつ幅方向へ平行して並ぶとともに、上下方向へ延びている。なお、第2鉄筋トラス17bの数に特に制限はなく、第2ラス金網65bの面積や鉄筋トラス17bの大きさ等に応じてラス金網65bに配置する鉄筋トラス17bの数を自由に選択することができる。第2鉄筋トラス17bは、第2ラス金網65bの対向面50から前方へ離間して上下方向へ延びる1本の上端筋31と、ラス金網65bと上端筋31との間に位置して上下方向へ延びる2本(一対)の下端筋32と、ラス金網65bと上端筋31との間で前後方向へ波状に曲折を繰り返しながら上下方向へ延びる2本(一対)の第1および第2ラチス筋33a,33bとから組み立てられている。
第1および第2ラチス筋33a,33bの凹部36の屈曲部分38は、第1および第2ラス金網65a,65bの凸条24に位置し、ラス金網65a,65bの凸条24と2箇所で交差当接し、凸条24と交差する部分(交差箇所)がスポット溶接によって凸条24に溶着(固定)されている。なお、第1および第2鉄筋トラス17a,17bの構成は、図1の天井鉄筋構造材14Aの鉄筋トラス17と同一であるから、図1と同一の符号を付すとともに、図1の天井鉄筋構造材14Aの説明を援用することで、第1および第2鉄筋トラス17a,17bの説明は省略する。
第1鉄筋トラス17aでは、上端筋31と下端筋32と第1および第2ラチス筋33a,33bとのうちの少なくとも1つ(好ましくは下端筋32と第1および第2ラチス筋33a,33b)が基礎46から上方へ延びる基礎鉄筋54に結束線(針金)(図示せず)によって連結されている。第2鉄筋トラス17bでは、上端筋31と下端筋32と第1および第2ラチス筋33a,33bとのうちの少なくとも1つ(好ましくは下端筋32と第1および第2ラチス筋33a,33b)が基礎46から上方へ延びる基礎鉄筋54に結束線(図示せず)によって連結されている。さらに、幅方向へ延びていて上下方向へ並ぶ複数の補強筋34(横筋やフープ筋等)が第1および第2鉄筋トラス17a,17bの上端筋31や下端筋32、第1および第2ラチス筋33a,33bのうちの少なくとも1つに結束線(図示せず)によって連結されている。
外断熱材49(ボード状断熱材)は、所定の接着機能を有する発泡ウレタン66(硬質発泡ウレタンフォーム)によって第1ラス金網65aに固着されている。発泡ウレタン66は、第1ラス金網65aの上面20から充填され、第1ラス金網65aの網目を通過して外断熱材49に達している。外断熱材49は、図1の外壁構造物12Aのそれと同一である。外断熱材49の室外側に露出する前面には、モルタル55が吹き付けられている。内装ボード52は、所定の接着機能を有する発泡ウレタン66によって第2ラス金網65bに固着されている。発泡ウレタン66は、第2ラス金網65bの上面20から充填され、第2ラス金網65bの網目を通過して内装ボード52に達している。内装ボード52は、図1の外壁構造物12Aのそれと同一である。
外壁構造物12Bでは、幅方向へ隣り合う(隣接する)第1鉄筋トラス17aの間に第2鉄筋トラス17bが位置し、幅方向へ隣り合う(隣接する)第2鉄筋トラス17bの間に第1鉄筋トラス17aが位置している。第1鉄筋トラス17aの上端筋31は、第2鉄板ベース16bと第2鉄筋トラス17bの下端筋32との間であって、幅方向へ隣り合う(隣接する)第2鉄筋トラス17bの第1ラチス筋33aと第2ラチス筋33bとの間に位置している。第1鉄筋トラス17aの上端筋31と第2鉄板ベース16bとの間には、スペース45が形成されている。
第2鉄筋トラス17bの上端筋31は、第1鉄板ベース16aと第1鉄筋トラス17aの下端筋32との間であって、幅方向へ隣り合う(隣接する)第1鉄筋トラス17aの第1ラチス筋33aと第2ラチス筋33bとの間に位置している。第2鉄筋トラス17bの上端筋31と第1鉄板ベース16aとの間には、スペースが形成されている。第1鉄筋トラス17aの下端筋32は、第2鉄筋トラス17bの上端筋31の側に位置し、第2鉄筋トラス17bの下端筋32は、第1鉄筋トラス17aの上端筋31の側に位置している。
それらセパレーター44は、第1外壁鉄筋構造材42B(外断熱材49)および第2外壁鉄筋構造材43B(内装ボード52)の所定の部位に設置され、第1外壁鉄筋構造材42Bと第2外壁鉄筋構造材43Bとの間のスペース45に位置して前後方向へ延びている。セパレーター44は、互いに対向する第1外壁鉄筋構造材42Bと第2外壁鉄筋構造材43Bとを連結し、第1および第2外壁鉄筋構造材42B,43Bを固定する。コンクリート15は、スペース45において硬化し、第1および第2ラス金網65a,65b、外断熱材49、内装ボード52、第1および第2鉄筋トラス17a,17bの上端筋31、下端筋32、第1および第2ラチス筋33a,33b、補強筋34、基礎鉄筋54と一体化している。
図28は、他の一例として示す第1外壁鉄筋構造材42Cの斜視図であり、図29は、他の一例として示す第2外壁鉄筋構造材43Cの斜視図である。図30は、第1および第2外壁鉄筋構造材42B,43Bまたは第1および第2外壁鉄筋構造材42C,43Cによって作られた外壁構造物12Bまたは外壁構造物12Cの側面図である。図28,29では、発泡ウレタン66の図示を一部省略している。図28,29では、前後方向を矢印X、幅方向を矢印Yで示し、上下方向を矢印Zで示す。なお、第1および第2外壁鉄筋構造材42B,43Bまたは第1および第2外壁鉄筋構造材42C,43Cによって作られた外壁構造物12B(外壁13)または外壁構造物12C(外壁13)の正面図は、図8と同様に表れ、第1および第2外壁鉄筋構造材42B,43Bまたは第1および第2外壁鉄筋構造材42C,43Cによって作られた外壁構造物12B(外壁13)または外壁構造物12C(外壁13)の背面図は、図9と同様に表れる。図28,29では発泡ウレタン66の図示を部分的に省略しているが、実際には第1金網68aおよび第2金網68bの全域が発泡ウレタン66に被覆されている。
第1および第2外壁鉄筋構造材42C,43Cは、鉄筋コンクリート造の戸建て住宅(建造物)の鉄筋コンクリート製の外壁構造物12C(外壁13)の構築に使用される。外壁構造物12Cは、戸建て住宅(2階建て住宅や3階建て住宅)の基礎46に連結され、戸建て住宅の外壁13として使用される。外壁構造物12Cは、複数の第1外壁鉄筋構造材42Cと、第1外壁鉄筋構造材42Cの内側(室内側)に位置して第1外壁鉄筋構造材42Cに対向する複数の第2外壁鉄筋構造材43Cと、複数本のセパレーター44と、第1および第2外壁鉄筋構造材42,43の間のスペース45に打設されたコンクリート15とから形成されている。第1および第2外壁鉄筋構造材42C,43Cは、上下方向へ長く、鉄筋コンクリート造の戸建て住宅の基礎46に連結されている。第1および第2外壁鉄筋構造材42C,43Cは、基礎46から上方へ延びるとともに、幅方向へ並んでいる。
それら第1外壁鉄筋構造材42Cは、上下方向へ延びる所定面積の第1金網68aと、金網68aの後方(室内側)に位置して金網68aの対向面47(後面)に設置された複数の第1鉄筋トラス17aと、金網68aの前方(室外側)に位置して金網68aの非対向面48(前面)に設置された外断熱材49とから形成されている。それら第2外壁鉄筋構造材43Cは、上下方向へ延びる所定面積の第2金網68bと、金網68bの前方(室外側)に位置して金網68bの対向面50(前面)に設置された第2鉄筋トラス17bと、金網68bの後方(室内側)に位置して金網68bの非対向面51(後面)に設置された内装ボード52とから形成されている。
第1および第2金網68a,68bは、対向面47,50および非対向面48,51を有するとともに、上下方向へ延びる両側縁部22と幅方向へ延びる両端縁部23とを有し、天井仕上げボード18の略全域に延びている。金網68a,68bは、複数本の横条69と複数本の縦条70とから形成されている。横条69や縦条70は、鉄を延伸した断面円形の金属棒(鉄棒)から作られている。横条69は、金網68の両端縁部23の間において、前後方向へ略等間隔離間(所定寸法離間)して並び、外断熱材49や内装ボード52と並行して幅方向へ延びている。なお、横条69の本数に特に制限はなく、横条69の本数を自由に決定することができる。
縦条70は、横条69の下に配置され(位置し)、金網68a,68bの両側縁部22の間において、幅方向へ所定寸法離間して並び、外断熱材49や内装ボード52と並行して前後方向へ延びている。なお、縦条70の本数に特に制限はなく、縦条70の本数を自由に決定することができる。横条69と縦条70とは、互いに直交(交差)した状態でそれら条69,70の交差部において溶接固定されている。縦条70が横条69の上に配置された状態でそれら条69,70の交差部において溶接固定されていてもよい。
金網68a,68bの一方の側縁部22の横条69には、第1係合部(フック)(図示せず)が連接され、金網68a,68bの他方の側縁部22の横条69には、第2係合部(ループ)(図示せず)が連接されている。各金網68aは、一方の金網68aの第1係合部に他方の金網68aの第2係合部が連結され、それら係合部どうしが互いに係合することで、各金網68aが幅方向へつながっている。それら金網68aは、隣り合う金網68aどうしが連結された状態で幅方向へ並んでいる。なお、戸建て住宅の外壁13の頂部30に位置する(載置された)金網68aの両側縁部22には、第1および第2係合部が連接されていない。
各金網68bは、一方の金網68aの第1係合部に他方の金網68bの第2係合部が連結され、それら係合部どうしが互いに係合することで、各金網68bが幅方向へつながっている。それら金網68bは、隣り合う金網68bどうしが連結された状態で幅方向へ並んでいる。なお、戸建て住宅の外壁13の頂部30に位置する(載置された)金網68bの両側縁部22には、第1および第2係合部が連接されていない。
それら鉄筋トラス17a,17bは、金網68a,68bの対向面47,50に配置され、幅方向へ所定寸法離間しつつ幅方向へ平行して並ぶとともに、前後方向へ延びている。1つの金網68a,68bに2つの鉄筋トラス17a,17bが配置固定されているが、1つの金網68a,68bに配置する鉄筋トラス17a,17bの数に特に制限はなく、金網68a,68bの面積や鉄筋トラス17a,17bの大きさ等に応じて金網68a,68bに配置する鉄筋トラス17a,17bの数を自由に選択することができる。
第1および第2ラチス筋33a,33bの凹部36の屈曲部分38は、金網68a,68bの縦条70の上に位置し、縦条70と2箇所で交差当接し、縦条70と交差する部分(交差箇所)がスポット溶接によって縦条70に溶着固定されている。なお、第1および第2鉄筋トラス17a,17bの構成は、図1の天井鉄筋構造材14Aの鉄筋トラス17と同一であるから、図1と同一の符号を付すとともに、図1の天井鉄筋構造材14Aの説明を援用することで、第1および第2鉄筋トラス17a,17bの説明は省略する。
第1鉄筋トラス17aでは、上端筋31と下端筋32と第1および第2ラチス筋33a,33bとのうちの少なくとも1つ(好ましくは下端筋32と第1および第2ラチス筋33a,33b)が基礎46から上方へ延びる基礎鉄筋54に結束線(針金)(図示せず)によって連結されている。第2鉄筋トラス17bでは、上端筋31と下端筋32と第1および第2ラチス筋33a,33bとのうちの少なくとも1つ(好ましくは下端筋32と第1および第2ラチス筋33a,33b)が基礎46から上方へ延びる基礎鉄筋54に結束線(図示せず)によって連結されている。さらに、幅方向へ延びていて上下方向へ並ぶ複数の補強筋34(横筋やフープ筋等)が第1および第2鉄筋トラス17a,17bの上端筋31や下端筋32、第1および第2ラチス筋33a,33bのうちの少なくとも1つに結束線(図示せず)によって連結されている。
外断熱材49(ボード状断熱材)は、所定の接着機能を有する発泡ウレタン66(硬質発泡ウレタンフォーム)によって金網68aに固着されている。発泡ウレタン66は、金網68aの対向面47(上面)から充填され、金網68aを通過して外断熱材49に達している。外断熱材49は、図1の外壁構造物12Aのそれと同一である。外断熱材49の室外側に露出する前面には、モルタル55が吹き付けられている。内装ボード52は、所定の接着機能を有する発泡ウレタン66によって金網68bに固着されている。発泡ウレタン66は、金網68bの対向面50(上面)から充填され、金網68bを通過して内装ボード52に達している。内装ボード52は、図1の外壁構造物12Aのそれと同一である。
発泡ウレタン66は、天井仕上げボード18の略全域を覆い、第1および第2金網68a,68bの横条69および縦条70の略全域を覆うとともに、鉄筋トラスト17a,17bのうちのラチス筋33a,33bの屈曲部分38を含む凹部36の略全域を覆う。硬化した発泡ウレタン66によって外断熱材49や内装ボード52と第1および第2金網68a,68bとが強固に固着される。硬化した発泡ウレタン66は、第1および第2金網68a,68bの縦横条69,70とラチス筋33a,33bの屈曲部分38とを覆う厚み寸法を有し、その最上部が屈曲部分38よりも上であって下端筋32よりも下に位置している。
発泡ウレタン66は、その上下方向の厚み寸法が上端筋31や下端筋32、トラス筋33a,33bに対するコンクリートの被りを確保可能な寸法に調節されている。第1および第2外壁鉄筋構造材42C,43Cは、発泡ウレタン66の最上部が下端筋32よりも下に位置するとともに、上下方向の厚み寸法が上端筋31や下端筋32、トラス筋33a,33bに対するコンクリートの被りを確保可能な寸法に調節されているから、第1および第2外壁鉄筋構造材42C,43Cにコンクリートを打設したときに、上端筋31や下端筋32、トラス筋33a,33bに対するコンクリートの被りを確実に確保することができる。
図31は、コンクリート15を打設する前の第1および第2外壁鉄筋構造材42B,42C,43B,43Cの側面図であり、図32は、コンクリート15を打設した後の第1および第2外壁鉄筋構造材42B,42C,43B,43Cの側面図である。図33は、コンクリート15を打設する前の天井鉄筋構造材14Cの側面図であり、図34は、第1および第2外壁鉄筋構造材42B,42C,43B,43Cと天井鉄筋構造材14Aとの連結の一例を示す図である。第1および第2外壁鉄筋構造材42B,42C,43B,43Cを使用して鉄筋コンクリート製の外壁構造物12B(外壁13)を構築するとともに、天井鉄筋構造材14Cを使用して鉄筋コンクリート製の天井スラブ構造物10C(天井11)を構築し、鉄筋コンクリート造の戸建て住宅(建造物)を施工する手順の一例を説明すると、以下のとおりである。
天井仕上げボード18が固定された複数の天井鉄筋構造材14C、外断熱材49が固定された複数の第1外壁鉄筋構造材42B,42C、内装ボード52が固定された複数の第2外壁鉄筋構造材43B,43Cが施工現場に搬送されている。なお、天井仕上げボード18を天井鉄筋構造材14C(ラス金網65,金網68)に固定する固定作業、外断熱材49を第1外壁鉄筋構造材42B(第1ラス金網65a)や第1外壁鉄筋構造材42C(第1金網68a)に固定する固定作業、内装ボード52を第2外壁鉄筋構造材43B(第2ラス金網65b)や第2外壁鉄筋構造材43C(第2金網68b)に固定する固定作業を施工現場において行う場合がある。
天井鉄筋構造材14Cと天井仕上げボード18との固定作業を施工現場において行う場合、ラス金網65や金網68の大きさにあわせて天井仕上げボード18を所定の大きさに切断し、その天井仕上げボード18をラス金網65や金網68の下面21に配置した後、鉄筋トラス17の側からラス金網65や金網68の上面20に発泡ウレタン66を充填する(吹き付ける)。発泡ウレタン66は、ラス金網65の全域に充填されておらず、ラス金網65の上面20において幅方向へ所定寸法離間させつつ前後方向へ延びるようにラス金網65に部分的に充填される。なお、発泡ウレタン66がラス金網65の上面20全域に充填されてもよい。
発泡ウレタン66をラス金網65や金網68の上面20に充填すると、発泡ウレタン66がラス金網65や金網68の開口(網目)を通過して天井仕上げボード18に達し、硬化した発泡ウレタン66によってラス金網65や金網68と天井仕上げボード18とが強固に固着される。発泡ウレタン66によってラス金網65や金網68と天井仕上げボード18とが固着されるから、天井仕上げボード18をラス金網65や金網68の下面21に固定するための固定部材を別途用意する必要はなく、固定部材の節約を図ることができ、固定工程を少なくすることができる。
第1外壁鉄筋構造材42B,42Cと外断熱材49の固定作業を施工現場において行う場合、第1ラス金網65aや第1金網68aの大きさにあわせて外断熱材49を所定の大きさに切断し、その外断熱材49をラス金網65aや第1金網68aの非対向面48に配置した後、第1鉄筋トラス17aの側からラス金網65aや第1金網68aの対向面47に発泡ウレタン66を充填する(吹き付ける)。発泡ウレタン66は、第1ラス金網65aの全域に充填されておらず、ラス金網65aの対向面47において幅方向へ所定寸法離間させつつ上下方向へ延びるようにラス金網65aに部分的に充填される。なお、発泡ウレタン66がラス金網65aの対向面47全域に充填されてもよい。
発泡ウレタン66をラス金網65aや第1金網68aの対向面47に充填すると、発泡ウレタン66がラス金網65aや第1金網68aの開口(網目)を通過して外断熱材49に達し、硬化した発泡ウレタン66によってラス金網65aや第1金網68aと外断熱材49とが強固に固着される。発泡ウレタン66によってラス金網65aや第1金網68aと外断熱材49とが固着されるから、外断熱材49をラス金網65aや第1金網68aの非対向面48に固定するための固定部材を別途用意する必要はなく、固定部材の節約を図ることができ、固定工程を少なくすることができる。
第2外壁鉄筋構造材43B,43Cと内装ボード52の固定作業を施工現場において行う場合、第2ラス金網65bや第2金網68bの大きさにあわせて内装ボード52を所定の大きさに切断し、その内装ボード52をラス金網65bや第2金網68bの非対向面51に配置した後、第2鉄筋トラス17bの側からラス金網65bや第2金網68bの対向面50に発泡ウレタン66を充填する(吹き付ける)。発泡ウレタン66は、第2ラス金網65bの全域に充填されておらず、ラス金網65bの対向面50において幅方向へ所定寸法離間させつつ上下方向へ延びるようにラス金網65bに部分的に充填される。なお、発泡ウレタン66がラス金網65bの対向面50全域に充填されてもよい。
発泡ウレタン66をラス金網65bや第2金網68bの対向面50に充填すると、発泡ウレタン66がラス金網65bや第2金網68bの開口(網目)を通過して内装ボード52に達し、硬化した発泡ウレタン66によってラス金網65bや第2金網68bと内装ボード52とが強固に固着される。発泡ウレタン66によってラス金網65bや第2金網68bと内装ボード52とが固着されるから、内装ボード52をラス金網65bや第2金網68bの非対向面51に固定するための固定部材を別途用意する必要はなく、固定部材の節約を図ることができ、固定工程を少なくすることができる。
鉄筋コンクリート造の戸建て住宅の基礎46を施工した後、第1および第2外壁鉄筋構造材42B,42C,43B,43Cの第1および第2鉄筋トラス17a,17bが上下方向へ延びるように、第1および第2外壁鉄筋構造材42B,42C,43B,43Cを前後方向に対向させた状態でそれら外壁鉄筋構造材42B,42C,43B,43Cを基礎46の上に載置する。第1外壁鉄筋構造材42B,42Cが室外側に位置し、外断熱材49が室外側に露出し、第2外壁鉄筋構造材43B,43Cが室内側に位置し、内装ボード52が室内側に露出する。
隣り合う一方の第1ラス金網65aや第1金網68aの第1係合部28(第1係合部)と他方の第1ラス金網65aや第1金網68aの第2係合部29(第2係合部)とを係合させて第1外壁鉄筋構造材42B,42Cを幅方向へ並べ、隣り合う一方の第2ラス金網65bや第2金網68bの第1係合部28(第1係合部)と他方の第2ラス金網65bや第2金網68bの第2係合部29(第2係合部)とを係合させて第2外壁鉄筋構造材43B,43Cを幅方向へ並べる。第1および第2外壁鉄筋構造材42B,42C,43B,43Cを幅方向へ並べた後、それら外壁鉄筋構造材42B,42C,43B,43Cの第1および第2鉄筋トラス17a,17bの上端筋31や下端筋32、第1および第2ラチス筋33a,33bのうちの少なくとも1つ(好ましくは下端筋32と第1および第2ラチス筋33a,33b)を基礎46から上方へ延びる基礎鉄筋54に結束線を利用して連結するとともに、複数の補強筋34を第1および第2鉄筋トラス17a,17bの上端筋31や下端筋32、第1および第2ラチス筋33a,33bのうちの少なくとも1つ(好ましくは下端筋32と第1および第2ラチス筋33a,33b)に結束線を利用して連結する。
次に、セパレーター44を第1外壁鉄筋構造材42B,42C(外断熱材49)および第2外壁鉄筋構造材43B,43C(内装ボード52)の所定の部位に設置する。セパレーター44の第1外壁鉄筋構造材42B,42Cの側に位置する一端部を第1ラス金網65aや第1金網68a、外断熱材49に穿孔されたセパ挿通孔に挿通し、一端部に型枠緊結金具56(フォームタイ)を連結する。セパレーター44のスペース45に位置する一端部には、プラスチックコーンが挿通されている。一端部に連結された型枠緊結金具56を挟んでその両側に鉄やアルミ、真鍮、合金等の金属から作られた断面形状が円形の一対の丸パイプ57(単管パイプ)を配置し、型枠緊結金具56の座金58によって丸パイプ57を座金58と外断熱材49との間に固定する。
セパレーター44の第2外壁鉄筋構造材43B,43Cの側に位置する他端部を第2ラス金網65bや第2金網68b、内装ボード52に穿孔されたセパ挿通孔に挿通し、他端部に型枠緊結金具56(フォームタイ)を連結する。セパレーター44のスペース45に位置する他端部には、プラスチックコーンが挿通されている。他端部に連結された型枠緊結金具56を挟んでその両側に一対の丸パイプ57(単管パイプ)を配置し、型枠緊結金具56の座金58によって丸パイプ57を座金58と内装ボード52との間に固定する。
第1外壁鉄筋構造材42B,42Cおよび第2外壁鉄筋構造材43B,43Cでは、幅方向へ隣り合う(隣接する)第1鉄筋トラス17aの間に第2鉄筋トラス17bが位置し、幅方向へ隣り合う(隣接する)第2鉄筋トラス17bの間に第1鉄筋トラス17aが位置している。第1鉄筋トラス17aの上端筋31は、第2鉄板ベース16bと第2鉄筋トラス17bの下端筋32との間であって、幅方向へ隣り合う(隣接する)第2鉄筋トラス17bの第1ラチス筋33aと第2ラチス筋33bとの間に位置している。第1鉄筋トラス17aの上端筋31と第2鉄板ベース16bとの間には、スペース45が形成されている。
第2鉄筋トラス17bの上端筋31は、第1鉄板ベース16aと第1鉄筋トラス17aの下端筋32との間であって、幅方向へ隣り合う(隣接する)第1鉄筋トラス17aの第1ラチス筋33aと第2ラチス筋33bとの間に位置している。第2鉄筋トラス17bの上端筋31と第1鉄板ベース16aとの間には、スペースが形成されている。第1鉄筋トラス17aの下端筋32は、第2鉄筋トラス17bの上端筋31の側に位置し、第2鉄筋トラス17bの下端筋32は、第1鉄筋トラス17aの上端筋31の側に位置している。
それらセパレーター44は、第1外壁鉄筋構造材42B,42C(外断熱材49)および第2外壁鉄筋構造材43B,43C(内装ボード52)の所定の部位に設置され、第1外壁鉄筋構造材42B,42Cと第2外壁鉄筋構造材43B,43Cとの間のスペース45に位置して前後方向へ延びている。セパレーター44は、互いに対向する第1外壁鉄筋構造材42B,42Cと第2外壁鉄筋構造材43B,43Cとを連結し、第1および第2外壁鉄筋構造材42B,42C,43B,43Cを固定する。
それらセパレーター44によって第1外壁鉄筋構造材42B,42Cと第2外壁鉄筋構造材43B,43Cとを連結した後、図34に示すように、第1および第2外壁鉄筋構造材42B,42C,43B,43Cの頂部30にアングル材59を載置固定する。アングル材59を第1および第2外壁鉄筋構造材42B,42C,43B,43Cの頂部30に載置固定した後、アングル材59の水平部分61の上面に天井鉄筋構造材14C,14Dのラス金網65の側縁部22および端縁部23を載置し、ボルトおよびナット(図示せず)によってラス金網65の側縁部22および端縁部23をアングル材59に固定する。または、アングル材59にラス金網65の側縁部22および端縁部23を溶接固定する。
なお、アングル材59の水平部分61に載置されるラス金網65や金網68の側縁部22および端縁部23には、天井仕上げボード18は設置(固着)されておらず、ラス金網65や金網68が露出している。また、第1および第2外壁鉄筋構造材42B,42C,43B,43Cの頂部30に位置する第1および第2ラス金網65a,65bや第1および第2金網68a,68bには、コンクリート打設用の開口67が形成されている。開口67には、連結鉄筋60(L字鉄筋)が配置されている。連結鉄筋60の開口67から下方へ延びる部分は、第1および第2鉄筋トラス17a,17bの上端筋31と下端筋32と第1および第2ラチス筋33a,33bとのうちの少なくとも1つ(好ましくは下端筋32と第1および第2ラチス筋33a,33b)に結束線(図示せず)によって連結されている。連結鉄筋60の天井鉄筋構造材14C,14Dに並行して延びる部分は、天井鉄筋構造材14C,14Dの鉄筋トラス17の上端筋31と下端筋32と第1および第2ラチス筋33a,33bとのうちの少なくとも1つ(好ましくは下端筋32と第1および第2ラチス筋33a,33b)に結束線(図示せず)によって連結されている。
アングル材59に天井鉄筋構造材14C,14Dのラス金網65を固定すると、戸建て住宅の1階部分の骨組みが完成する。なお、図示はしていないが、戸建て住宅の2階部分の骨組みを作るには、1階部分の第1および第2外壁鉄筋構造材42B,42C,43B,43Cと同一の第1および第2外壁鉄筋構造材42B,42C,43B,43Cを1階部分のそれの頂部30に連結固定するとともに、1階部分の天井鉄筋構造材14C,14Dと同一の天井鉄筋構造材14C,14Dを2階部分の第1および第2外壁鉄筋構造材42B,42C,43B,43Cの頂部30に連結固定する。戸建て住宅の3階部分の骨組みを作るには、2階部分の第1および第2外壁鉄筋構造材42B,42C,43B,43Cと同一の第1および第2外壁鉄筋構造材42B,42C,43B,43Cを2階部分のそれの頂部30に連結固定するとともに、2階部分の天井鉄筋構造材14C,14Dと同一の天井鉄筋構造材14C,14Dを3階部分の第1および第2外壁鉄筋構造材42B,42C,43B,43Cの頂部30に連結固定する。
次に、開口67から第1および第2外壁鉄筋構造材42B,42C,43B,43Cの間のスペース45にコンクリート15を打設するとともに、天井鉄筋構造材14C,14Dのラス金網65や金網68の上面20に所定の被り寸法でコンクリート15を打設する。なお、第1外壁鉄筋構造材42B,42Cの所定の箇所には、第1ラス金網65aや第1金網68aと外断熱材49と貫通するコンクリート打設開口(図示せず)が作られている。アングル材59の垂直部分62が天井鉄筋構造材14C,14Dの型枠になり、天井鉄筋構造材14C,14Dの周縁からのコンクリート15の漏れを防ぐことができる。
コンクリート15は、第1および第2ラス金網65a,65bや第1および第2金網68a,68bの開口(網目)を通過して外断熱材49と内装ボード52とに達し、外断熱材49と内装ボード52とに付着する。コンクリート15は、ラス金網65や金網68の開口(網目)を通過して天井仕上げボード18に達し、天井仕上げボード18に付着する。コンクリート15は、スペース45において硬化し、第1および第2金網68a,68b、外断熱材49、内装ボード52、第1および第2鉄筋トラス17a,17bの上端筋31、下端筋32、第1および第2ラチス筋33a,33b、補強筋34、基礎鉄筋54と一体化している。
コンクリート15を所定期間養生した後(コンクリート15が硬化した後)、型枠緊結金具56(座金58を含む)を取り外し、外断熱材49の前面の全域にモルタル55を吹き付けて施工が終了し、鉄筋コンクリート製の外壁13および鉄筋コンクリート製の天井11(天井スラブ)作られる。屋根を施工することで、鉄筋コンクリート造の戸建て住宅(建造物)が建造される。
アングル材59の垂直部分62が天井鉄筋構造材14C,14Dの型枠になり、第1外壁鉄筋構造材42B,42C(外断熱材49)と第2外壁鉄筋構造材43B,43C(内装ボード52)との間にコンクリート15を打設するスペース45が作られるから、ベニヤ板や桟木によってコンクリート15を打設する型枠を組み立てる必要はなく、型枠を組み立てるコストや時間を省くことができ、短い工期で外壁構造物12B(外壁13)や天井スラブ構造物10C(天井11)を作ることができる。
天井鉄筋構造材14C,14Dのラス金網65や金網68と鉄筋トラス17とが引っ張りに弱いコンクリート15を補強する鉄筋となり、天井鉄筋構造材14C,14Dを使用することで鉄筋コンクリート製の強固な天井スラブ構造物10C(天井11)を作ることができ、高い強度を有する頑丈な天井スラブ構造物10Cを有する戸建て住宅(建造物)を施工することができる。さらに、第1および第2外壁鉄筋構造材42B,42C,43B,43Cの第1および第2ラス金網65a,65bや第1および第2金網68a,68bと第1および第2鉄筋トラス17a,17bとが引っ張りに弱いコンクリート15を補強する鉄筋となり、第1および第2外壁鉄筋構造材42B,42C,43B,43Cを使用することで鉄筋コンクリート製の強固な外壁構造物12B(外壁13)を作ることができ、高い強度を有する頑丈な外壁構造物12Bを有する戸建て住宅(建造物)を施工することができる。
天井鉄筋構造材14C,14Dのラス金網65や金網68と天井仕上げボード18とが発泡ウレタン66によって固着されているとともに、ラス金網65や金網68の上面20に打設されたコンクリート15がラス金網65や金網68の開口(網目)を通過して天井仕上げボード18に達し、鉄筋トラス17とラス金網65や金網68と天井仕上げボード18とが硬化したコンクリート15と一体化するから、天井仕上げボード18をラス金網65や金網68の下面21に確実に固定することができ、地震や天井スラブ構造物10C(天井11)の経年劣化による天井仕上げ材18の落下を防ぐことが可能な戸建て住宅(建造物)を施工することができる。
第1外壁鉄筋構造材42B,42C(外断熱材49)と第2外壁鉄筋構造材43B,43C(内装ボード52)とが複数のセパレーター44によって連結されているから、第1および第2外壁鉄筋構造材42B,42C,43B,43Cの間のスペース45に打設されたコンクリート15の側圧がそれら外壁鉄筋構造材42B,42C,43B,43Cに作用したとしても、第1外壁鉄筋構造材42B,42Cや第2外壁鉄筋構造材43B,43Cに変形が生ずることはなく、セパレーター44を含む第1および第2外壁鉄筋構造材42B,42C,43B,43Cを利用することで、構造計算された設計どおりの鉄筋コンクリート製の強固な外壁構造物12B(外壁13)を有する戸建て住宅を施工することができる。