JP6931520B2 - 外壁構造物 - Google Patents

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Description

本発明は、建造物の鉄筋コンクリート製の外壁の構築に使用される外壁構造物に関する。
四角柱状の角形鋼管柱の屋外側に設置された耐火性外壁と、四角柱状の角形鋼管柱の屋内側に設置された耐火材となる内壁板と、耐火性外壁と内壁板との間に設置された押出法ポリスチレンフォーム製の断熱材と、角形鋼管柱の屋外側の面とその面に直交し断熱材が配設される側の角形鋼管柱の側面の少なくとも一部とに連続して貼り付けられる加熱膨張シートとを有し、角形鋼管柱が隣接して設置される場合、加熱膨張シートが貼り付けられた角形鋼管柱の側面間に止水性と耐火性とを兼ね備えた耐火シール材を介在させた外壁構造物が開示されている(特許文献1参照)。この外壁構造物は、屋内側の形状を変えることなく、外壁の耐火性能を向上させることができる。
特開2014−40773号公報
前記特許文献1に開示の外壁構造物は、四角柱状の角形鋼管柱の間に延びる耐火性外壁および内壁板とそれら板の間に配置された断熱材とから形成され、角形鋼管柱の間に鉄筋やコンクリートが存在せず、外壁構造物に鉄筋コンクリート製と同等の十分な強度を持たせることができない。この外壁構造物は、四角柱状の角形鋼管柱の間に延びる耐火性外壁および内壁板において外壁構造物に作用する各種の応力を支えなければならず、地震による激しい揺れが作用した場合、その揺れに耐えきれずに耐火性外壁および内壁板が倒壊するおそれがあり、また、津波におそわれた場合、その水圧に耐えきれず耐火性外壁および内壁板が押し流されるおそれがあり、外壁の安全性を確保することができない。さらに、耐火性外壁と内壁板との間に押出法ポリスチレンフォーム製の断熱材が介在するだけであるから、遮音性が低く、建造物の周囲の騒音を遮断することができない。
本発明の目的は、高い強度を有し、地震による激しい揺れや津波の水圧に耐えることができ、建造物の地震による倒壊や建造物の津波による流失を防ぐことができる外壁構造物を提供することにある。本発明の他の目的は、遮音性や耐火性に優れ、周囲の騒音を遮断することができ、火災に強い外壁を備えた建造物を施工することができる外壁構造物を提供することにある。
前記課題を解決するための本発明の前提は、建造物の基礎に連接されて建造物の鉄筋コンクリート製の外壁を構成する外壁構造物である。
前記前提における本発明の第1の特徴は、外壁構造物が、建造物の基礎から上方へ延びていて建造物の幅方向へ並ぶ複数の鉄筋構造材と、それら鉄筋構造材の外側に配置された外断熱材と、鉄筋構造材と外断熱材との間のスペースに打設されたコンクリートとから形成され、鉄筋構造材が、上下方向へ延びる所定面積の鉄板ベースと、鉄板ベースの前面に設置された鉄筋トラスと、鉄板ベースの後面に設置された内装ボードとを備え、鉄筋トラスが、鉄板ベースの前面から前方へ離間して上下方向へ延びる主筋と、鉄板ベースと主筋との間に位置して上下方向へ延びる一対の中間筋と、鉄板ベースと主筋との間で前後方向へ波状に曲折を繰り返しながら上下方向へ延びる一対の第1および第2ラチス筋とを有し、外壁構造物では、外断熱材が鉄筋トラスの主筋の直前に設置され、鉄筋トラスの主筋と中間筋と第1および第2ラチス筋とのうちの少なくとも1つが基礎から上方へ延びる基礎鉄筋に連結されていることにある。
前記第1の特徴を有する本発明の一例としては、鉄筋構造材が鉄板ベースを切断して作られて鉄板ベースの前方に向かって折り曲げられた複数の連結片を含み、連結片が鉄板ベースにつながる基端部と基端部から前方へ延びていて外断熱材に突き刺さる先端部とを有する。
前記第1の特徴を有する本発明の他の一例としては、外壁構造物が鉄板ベースと外断熱材との間に位置して前後方向へ延びる複数のセパレーターを含み、鉄板ベースと外断熱材とがそれらセパレーターによって連結されている
前記第1の特徴を有する本発明の他の一例として、鉄筋構造材では、第1および第2ラチス筋が主筋に当接して凸状に曲折する凸部から鉄板ベースに当接して凹状に曲折する凹部に向かって幅方向外方へ末広がりになり、第1および第2ラチス筋の凸部と主筋とが溶接固定され、第1および第2ラチス筋の中間部と中間筋とが溶接固定されているとともに、第1および第2ラチス筋の凹部と鉄板ベースとが溶接固定されている。
前記第1の特徴を有する本発明の他の一例としては、鉄板ベースが幅方向へ所定寸法離間して上下方向へ延びる複数の凸条を有し、第1および第2ラチス筋の凹部が凸条に溶接固定されている。
前記第1の特徴を有する本発明の他の一例としては、第1および第2ラチス筋の凹部が鉄板ベースと並行するように幅方向外方へ屈曲して鉄板ベースの凸条の2箇所に当接する屈曲部分を有し、屈曲部分が凸条の2箇所に溶接固定されている。
前記前提における本発明の第2の特徴は、外壁構造物が、建造物の基礎から上方へ延びていて建造物の幅方向へ並ぶ複数の鉄筋構造材と、それら鉄筋構造材の外側に配置された外断熱材と、鉄筋構造材に打設されたコンクリートとから形成され、鉄筋構造材が、上下方向へ延びる所定面積のラス金網と、ラス金網の後面に設置された鉄筋トラスとを備え、鉄筋トラスが、ラス金網の後面から後方へ離間して上下方向へ延びる主筋と、ラス金網と主筋との間に位置して上下方向へ延びる一対の中間筋と、ラス金網と主筋との間で前後方向へ波状に曲折を繰り返しながら上下方向へ延びる一対の第1および第2ラチス筋とを有し、外壁構造物では、所定の接着機能を有する発泡ウレタンによってラス金網と外断熱材とが固着され、鉄筋トラスの主筋と中間筋と第1および第2ラチス筋とのうちの少なくとも1つが基礎から上方へ延びる基礎鉄筋に連結されていることにある。
前記第2の特徴を有する本発明の他の一例として、鉄筋構造材では、第1および第2ラチス筋が主筋に当接して凸状に曲折する凸部からラス金網に当接して凹状に曲折する凹部に向かって幅方向外方へ末広がりになり、第1および第2ラチス筋の凸部と主筋とが溶接固定され、第1および第2ラチス筋の中間部と中間筋とが溶接固定されているとともに、第1および第2ラチス筋の凹部とラス金網とが溶接固定されている。
前記第2の特徴を有する本発明の他の一例としては、ラス金網が幅方向へ所定寸法離間して上下方向へ延びる複数の凸条を有し、第1および第2ラチス筋の凹部がラス金網の凸条に溶接固定されている。
前記第2の特徴を有する本発明の他の一例としては、第1および第2ラチス筋の凹部がラス金網と並行するように幅方向外方へ屈曲してラス金網の凸条の2箇所に当接する屈曲部分を有し、屈曲部分が凸条の2箇所に溶接固定されている。
前記前提における本発明の第3の特徴は、外壁構造物が、建造物の基礎から上方へ延びていて建造物の幅方向へ並ぶ複数の第1鉄筋構造材と、第1鉄筋構造材の内側に位置して第1鉄筋構造材に対向し、建造物の基礎から上下方向へ延びていて建造物の幅方向へ並ぶ複数の第2鉄筋構造材と、第1および第2鉄筋構造材の間のスペースに打設されたコンクリートとから形成され、第1鉄筋構造材が、上下方向へ延びる所定面積の第1鉄板ベースと、第1鉄板ベースの後方に位置して第1鉄板ベースの対向面に設置された第1鉄筋トラスと、第1鉄板ベースの前方に位置して第1鉄板ベースの非対向面に設置された外断熱材とを備え、第2鉄筋構造材が、上下方向へ延びる所定面積の第2鉄板ベースと、第2鉄板ベースの前方に位置して第2鉄板ベースの対向面に設置された第2鉄筋トラスと、第2鉄板ベースの後方に位置して第2鉄板ベースの非対向面に設置された内装ボードとを備え、第1鉄筋トラスが、第1鉄板ベースの対向面から後方へ離間して上下方向へ延びる主筋と、第1鉄板ベースと主筋との間に位置して上下方向へ延びる一対の中間筋と、第1鉄板ベースと主筋との間で前後方向へ波状に曲折を繰り返しながら上下方向へ延びる一対の第1および第2ラチス筋とを有し、第2鉄筋トラスが、第2鉄板ベースの対向面から前方へ離間して上下方向へ延びていて、幅方向へ隣接する第1鉄筋トラスの間に位置する主筋と、第2鉄板ベースと主筋との間に位置して上下方向へ延びていて、幅方向へ隣接する第1鉄筋トラスの間に位置して第1鉄筋トラスの中間筋に隣接する中間筋と、幅方向へ隣接する第1鉄筋トラスの間に位置して第2鉄板ベースと主筋との間で前後方向へ波状に曲折を繰り返しながら上下方向へ延びる一対の第1および第2ラチス筋とを有し、第1鉄筋トラスの主筋と中間筋と第1および第2ラチス筋とのうちの少なくとも1つが基礎から上方へ延びる基礎鉄筋に連結され、第2鉄筋トラスの主筋と中間筋と第1および第2ラチス筋とのうちの少なくとも1つが基礎から上方へ延びる基礎鉄筋に連結されていることにある。
前記第3の特徴を有する本発明の一例としては、第1鉄筋構造材が第1鉄板ベースを切断して作られて第1鉄板ベースの前方に向かって折り曲げられた複数の連結片を含み、連結片が第1鉄板ベースにつながる基端部と基端部から前方へ延びていて外断熱材に突き刺さる先端部とを有する。
前記前提における本発明の第4の特徴は、外壁構造物が、建造物の基礎から上方へ延びていて建造物の幅方向へ並ぶ複数の第1鉄筋構造材と、第1鉄筋構造材の内側に位置して第1鉄筋構造材に対向し、建造物の基礎から上下方向へ延びていて建造物の幅方向へ並ぶ複数の第2鉄筋構造材と、第1および第2鉄筋構造材の間のスペースに打設されたコンクリートとから形成され、第1鉄筋構造材が、上下方向へ延びる所定面積の第1ラス金網と、第1ラス金網の後方に位置して第1ラス金網の対向面に設置された第1鉄筋トラスと、第1ラス金網の前方に位置して第1ラス金網の非対向面に設置された外断熱材とを備え、第2鉄筋構造材が、上下方向へ延びる所定面積の第2ラス金網と、第2ラス金網の前方に位置して第2ラス金網の対向面に設置された第2鉄筋トラスと、第2ラス金網の後方に位置して第2ラス金網の非対向面に設置された内装ボードとを備え、第1鉄筋トラスが、第1ラス金網の対向面から後方へ離間して上下方向へ延びる主筋と、第1ラス金網と主筋との間に位置して上下方向へ延びる一対の中間筋と、第1ラス金網と主筋との間で前後方向へ波状に曲折を繰り返しながら上下方向へ延びる一対の第1および第2ラチス筋とを有し、第2鉄筋トラスが、第2ラス金網の対向面から前方へ離間して上下方向へ延びていて、幅方向へ隣接する第1鉄筋トラスの間に位置する主筋と、第2ラス金網と主筋との間に位置して上下方向へ延びていて、幅方向へ隣接する第1鉄筋トラスの間に位置して第1鉄筋トラスの中間筋に隣接する中間筋と、幅方向へ隣接する第1鉄筋トラスの間に位置して第2ラス金網と主筋との間で前後方向へ波状に曲折を繰り返しながら上下方向へ延びる一対の第1および第2ラチス筋とを有し、外壁構造物では、所定の接着機能を有する発泡ウレタンによって第1ラス金網と外断熱材とが固着され、発泡ウレタンによって第2ラス金網と内装ボードとが固着され、第1鉄筋トラスの主筋と中間筋と第1および第2ラチス筋とのうちの少なくとも1つが基礎から上方へ延びる基礎鉄筋に連結され、第2鉄筋トラスの主筋と中間筋と第1および第2ラチス筋とのうちの少なくとも1つが基礎から上方へ延びる基礎鉄筋に連結されていることにある。
前記第3および第4の特徴を有する本発明の一例としては、外壁構造物が第1鉄筋構造材と第2鉄筋構造材との間に位置して前後方向へ延びる複数のセパレーターを含み、第1鉄筋構造材と第2鉄筋構造材とがそれらセパレーターによって連結されている。
第1の特徴を有する外壁構造物によれば、それが複数の鉄筋構造材と、それら鉄筋構造材の外側に配置された外断熱材と、鉄筋構造材と外断熱材との間のスペースに打設されたコンクリートとから形成され、鉄筋構造材が、所定面積の鉄板ベースと、鉄板ベースの前面に設置された鉄筋トラスと、鉄板ベースの後面に設置された内装ボードとを備え、鉄筋トラスが、上下方向へ延びる主筋および上下方向へ延びる一対の中間筋と、前後方向へ波状に曲折を繰り返しながら上下方向へ延びる一対の第1および第2ラチス筋とから形成されているから、鉄板ベースと鉄筋トラスとが引っ張りに弱いコンクリートを補強する鉄筋となり、鉄筋構造材を使用することで鉄筋コンクリート製の強固な外壁を作ることができ、高い強度を有する頑丈な外壁を施工することができる。外壁構造物は、それから作られた外壁が高い強度を有するから、地震による激しい揺れや津波の水圧に十分に耐えることができ、地震による建造物の倒壊を防ぐことができるとともに、津波による建造物の流失を防ぐことができる。また、鉄筋構造材と外断熱材との間のスペースに打設されたコンクリートが優れた遮音性と優れた耐火性とを有するから、建造物の周囲の騒音を遮断することができ、火災に強い外壁を備えた建造物を施工することができる。外壁構造物は、鉄筋トラスの主筋と中間筋と第1および第2ラチス筋とのうちの少なくとも1つが基礎から上方へ延びる基礎鉄筋に連結されているから、建造物の基礎と一体になった優れた強度の外壁を作ることができ、強い衝撃に十分に耐えることが可能な外壁を備えた建造物を施工することができる。外壁構造物は、鉄板ベースの後面に設置された内装ボードを内装材として利用することができるから、施工された外壁の後面に内装材を別途設置するための内装工事を省くことができ、内装工事のための手間やコストを省くことができる。
鉄筋構造材が鉄板ベースを切断して作られて鉄板ベースの前方に向かって折り曲げられた複数の連結片を含み、連結片が鉄板ベースにつながる基端部と基端部から前方へ延びていて外断熱材に突き刺さる先端部とを有する外壁構造物は、鉄板ベースを切断して作られた連結片の先端部に外断熱材を突き刺すことで、外断熱材が鉄板ベースの連結片に支持されるから、連結片を利用して鉄筋構造材の外側に外断熱材を容易に設置することができるのみならず、外断熱材を鉄筋構造材の外側に設置するための設置部材を別途用意する必要はなく、設置部材の節約を図ることができる。
鉄板ベースと外断熱材との間に位置して前後方向へ延びる複数のセパレーターを含み、鉄板ベースと外断熱材とがそれらセパレーターによって連結されている外壁構造物は、鉄板ベースと外断熱材とが複数のセパレーターによって連結されているから、鉄筋構造材と外断熱材との間のスペースに打設されたコンクリートの側圧が鉄筋構造材や外断熱材に作用したとしても、鉄筋構造材や外断熱材に変形が生ずることはなく、セパレーターを含む外壁構造物を利用することで、構造計算された設計どおりの鉄筋コンクリート製の強固な外壁を備えた建造物を施工することができる。
第1および第2ラチス筋が主筋に当接して凸状に曲折する凸部から鉄板ベースに当接して凹状に曲折する凹部に向かって幅方向外方へ末広がりになり、第1および第2ラチス筋の凸部と主筋とが溶接固定され、第1および第2ラチス筋の中間部と中間筋とが溶接固定されているとともに、第1および第2ラチス筋の凹部と鉄板ベースとが溶接固定されている外壁構造物は、主筋と第1および第2ラチス筋とが溶接固定され、中間筋と第1および第2ラチス筋とが溶接固定され、第1および第2ラチス筋の凹部と鉄板ベースとが溶接固定されることで、鉄筋構造材において鉄板ベースと主筋と中間筋と第1および第2ラチス筋とが一体になるとともに、鉄板ベースと主筋と中間筋と第1および第2ラチス筋とがコンクリートを補強する鉄筋となるから、コンクリートに曲げ引張力や曲げ圧縮力、せん断力が作用したとしても、それら力によってコンクリートが破損することはなく、鉄筋構造材を使用することで鉄筋コンクリート製の強固な外壁を作ることができ、高い強度を有する頑丈な外壁を備えた建造物を施工することができる。
鉄板ベースが幅方向へ所定寸法離間して上下方向へ延びる複数の凸条を有し、第1および第2ラチス筋の凹部が凸条に溶接固定されている外壁構造物は、第1および第2ラチス筋の凹部が鉄板ベースの凸条に溶接固定されることで、それらラチス筋を鉄板ベースに確実に固定することができ、鉄筋トラスと鉄板ベースとの固定が不用意に解除されることはないから、鉄板ベースを含む主筋と中間筋と第1および第2ラチス筋とがコンクリートを補強する鉄筋となり、コンクリートに曲げ引張力や曲げ圧縮力、せん断力が作用したとしても、それら力によってコンクリートが破損することはなく、鉄筋構造材を使用することで鉄筋コンクリート製の強固な外壁を作ることができ、高い強度を有する頑丈な外壁を備えた建造物を施工することができる。
第1および第2ラチス筋の凹部が鉄板ベースと並行するように幅方向外方へ屈曲して鉄板ベースの凸条の2箇所に当接する屈曲部分を有し、屈曲部分が凸条の2箇所に溶接固定されている外壁構造物は、第1および第2ラチス筋の凹部の屈曲部分が凸条の2箇所に溶接固定されることで、それらラチス筋を鉄板ベースに確実に固定することができ、鉄筋トラスと鉄板ベースとの固定が不用意に解除されることはないから、鉄板ベースを含む主筋と中間筋と第1および第2ラチス筋とがコンクリートを補強する鉄筋となり、コンクリートに曲げ引張力や曲げ圧縮力、せん断力が作用したとしても、それら力によってコンクリートが破損することはなく、鉄筋構造材を使用することで鉄筋コンクリート製の強固な外壁を作ることができ、高い強度を有する頑丈な外壁を備えた建造物を施工することができる。
第2の特徴を有する外壁構造物によれば、それが複数の鉄筋構造材と、それら鉄筋構造材の外側に配置された外断熱材と、鉄筋構造材に打設されたコンクリートとから形成され、鉄筋構造材が、所定面積のラス金網と、ラス金網の後面に設置された鉄筋トラスとを備え、鉄筋トラスが、上下方向へ延びる主筋および上下方向へ延びる一対の中間筋と、前後方向へ波状に曲折を繰り返しながら上下方向へ延びる一対の第1および第2ラチス筋とから形成されているから、ラス金網と鉄筋トラスとが引っ張りに弱いコンクリートを補強する鉄筋となり、鉄筋構造材を使用することで鉄筋コンクリート製の強固な外壁を作ることができ、高い強度を有する頑丈な外壁を施工することができる。外壁構造物は、それから作られた外壁が高い強度を有するから、地震による激しい揺れや津波の水圧に十分に耐えることができ、地震による建造物の倒壊を防ぐことができるとともに、津波による建造物の流失を防ぐことができる。鉄筋構造材に打設されたコンクリートが優れた遮音性と優れた耐火性とを有するから、建造物の周囲の騒音を遮断することができ、火災に強い外壁を備えた建造物を施工することができる。外壁構造物は、鉄筋トラスの主筋と中間筋と第1および第2ラチス筋とのうちの少なくとも1つが基礎から上方へ延びる基礎鉄筋に連結されているから、建造物の基礎と一体になった優れた強度の外壁を作ることができ、強い衝撃に十分に耐えることが可能な外壁を備えた建造物を施工することができる。外壁構造物は、所定の接着機能を有する発泡ウレタンによってラス金網と外断熱材とが固着されているから、発泡ウレタンを利用して鉄筋構造材の外側に外断熱材を容易に設置することができるのみならず、外断熱材を鉄筋構造材の外側に設置するための設置部材を別途用意する必要はなく、設置部材の節約を図ることができる。
第1および第2ラチス筋が主筋に当接して凸状に曲折する凸部からラス金網に当接して凹状に曲折する凹部に向かって幅方向外方へ末広がりになり、第1および第2ラチス筋の凸部と主筋とが溶接固定され、第1および第2ラチス筋の中間部と中間筋とが溶接固定されているとともに、第1および第2ラチス筋の凹部とラス金網とが溶接固定されている外壁構造物は、主筋と第1および第2ラチス筋とが溶接固定され、中間筋と第1および第2ラチス筋とが溶接固定され、第1および第2ラチス筋の凹部とラス金網とが溶接固定されることで、鉄筋構造材においてラス金網と主筋と中間筋と第1および第2ラチス筋とが一体になるとともに、ラス金網と主筋と中間筋と第1および第2ラチス筋とがコンクリートを補強する鉄筋となるから、コンクリートに曲げ引張力や曲げ圧縮力、せん断力が作用したとしても、それら力によってコンクリートが破損することはなく、鉄筋構造材を使用することで鉄筋コンクリート製の強固な外壁を作ることができ、高い強度を有する頑丈な外壁を備えた建造物を施工することができる。
ラス金網が幅方向へ所定寸法離間して上下方向へ延びる複数の凸条を有し、第1および第2ラチス筋の凹部が凸条に溶接固定されている外壁構造物は、第1および第2ラチス筋の凹部がラス金網の凸条に溶接固定されることで、それらラチス筋をラス金網に確実に固定することができ、鉄筋トラスとラス金網との固定が不用意に解除されることはないから、ラス金網を含む主筋と中間筋と第1および第2ラチス筋とがコンクリートを補強する鉄筋となり、コンクリートに曲げ引張力や曲げ圧縮力、せん断力が作用したとしても、それら力によってコンクリートが破損することはなく、鉄筋構造材を使用することで鉄筋コンクリート製の強固な外壁を作ることができ、高い強度を有する頑丈な外壁を備えた建造物を施工することができる。
第1および第2ラチス筋の凹部がラス金網と並行するように幅方向外方へ屈曲してラス金網の凸条の2箇所に当接する屈曲部分を有し、屈曲部分が凸条の2箇所に溶接固定されている外壁構造物は、第1および第2ラチス筋の凹部の屈曲部分が凸条の2箇所に溶接固定されることで、それらラチス筋をラス金網に確実に固定することができ、鉄筋トラスとラス金網との固定が不用意に解除されることはないから、ラス金網を含む主筋と中間筋と第1および第2ラチス筋とがコンクリートを補強する鉄筋となり、コンクリートに曲げ引張力や曲げ圧縮力、せん断力が作用したとしても、それら力によってコンクリートが破損することはなく、鉄筋構造材を使用することで鉄筋コンクリート製の強固な外壁を作ることができ、高い強度を有する頑丈な外壁を備えた建造物を施工することができる。
第3の特徴を有する外壁構造物によれば、それが複数の第1鉄筋構造材と、第1鉄筋構造材に対向する複数の第2鉄筋構造材と、第1および第2鉄筋構造材の間のスペースに打設されたコンクリートとから形成され、第1鉄筋構造材が所定面積の第1鉄板ベースと、第1鉄板ベースの対向面に設置された第1鉄筋トラスと、第1鉄板ベースの非対向面に設置された外断熱材とを備え、第2鉄筋構造材が所定面積の第2鉄板ベースと、第2鉄板ベースの対向面に設置された第2鉄筋トラスと、第2鉄板ベースの非対向面に設置された内装ボードとを備え、第1および第2鉄筋トラスが、上下方向へ延びる主筋および上下方向へ延びる一対の中間筋と、前後方向へ波状に曲折を繰り返しながら上下方向へ延びる一対の第1および第2ラチス筋とから形成されているから、第1および第2鉄板ベースと第1および第2鉄筋トラスとが引っ張りに弱いコンクリートを補強する鉄筋となり、第1および第2鉄筋構造材を使用することで鉄筋コンクリート製の強固な外壁を作ることができ、高い強度を有する頑丈な外壁を施工することができる。外壁構造物は、それから作られた外壁が高い強度を有するから、地震による激しい揺れや津波の水圧に十分に耐えることができ、地震による建造物の倒壊を防ぐことができるとともに、津波による建造物の流失を防ぐことができる。また、第1および第2鉄筋構造材の間のスペースに打設されたコンクリートが優れた遮音性と優れた耐火性とを有するから、建造物の周囲の騒音を遮断することができ、火災に強い外壁を有する建造物を施工することができる。外壁構造物は、第1および第2鉄筋トラスの主筋と中間筋と第1および第2ラチス筋とのうちの少なくとも1つが基礎から上方へ延びる基礎鉄筋に連結されているから、建造物の基礎と一体になった優れた強度の外壁を作ることができ、強い衝撃に十分に耐えることが可能な外壁を備えた建造物を施工することができる。外壁構造物は、第2鉄板ベースの非対向面に設置された内装ボードを内装材として利用することができるから、施工された外壁の後面に内装材を別途設置するための内装工事を省くことができ、内装工事のための手間やコストを省くことができる。
第1鉄筋構造材が第1鉄板ベースを切断して作られて第1鉄板ベースの前方に向かって折り曲げられた複数の連結片を含み、連結片が第1鉄板ベースから前方に向かって先細りに成形されて外断熱材に突き刺さる外壁構造物は、第1鉄板ベースを切断して作られた連結片に外断熱材を突き刺すことで、外断熱材が第1鉄板ベースの連結片に支持されるから、連結片を利用して第1鉄筋構造材の外側に外断熱材を容易に設置することができるのみならず、外断熱材を第1鉄筋構造材の外側に設置するための設置部材を別途用意する必要はなく、設置部材の節約を図ることができる。
第4の特徴を有する外壁構造物によれば、それが複数の第1鉄筋構造材と、第1鉄筋構造材に対向する複数の第2鉄筋構造材と、第1および第2鉄筋構造材の間のスペースに打設されたコンクリートとから形成され、第1鉄筋構造材が所定面積の第1ラス金網と、第1ラス金網の対向面に設置された第1鉄筋トラスと、第1ラス金網の非対向面に設置された外断熱材とを備え、第2鉄筋構造材が所定面積の第2ラス金網と、第2ラス金網の対向面に設置された第2鉄筋トラスと、第2ラス金網の非対向面に設置された内装ボードとを備え、第1および第2鉄筋トラスが、上下方向へ延びる主筋および上下方向へ延びる一対の中間筋と、前後方向へ波状に曲折を繰り返しながら上下方向へ延びる一対の第1および第2ラチス筋とから形成されているから、第1および第2ラス金網と第1および第2鉄筋トラスとが引っ張りに弱いコンクリートを補強する鉄筋となり、第1および第2鉄筋構造材を使用することで鉄筋コンクリート製の強固な外壁を作ることができ、高い強度を有する頑丈な外壁を施工することができる。外壁構造物は、それから作られた外壁が高い強度を有するから、地震による激しい揺れや津波の水圧に十分に耐えることができ、地震による建造物の倒壊を防ぐことができるとともに、津波による建造物の流失を防ぐことができる。また、第1および第2鉄筋構造材の間のスペースに打設されたコンクリートが優れた遮音性と優れた耐火性とを有するから、建造物の周囲の騒音を遮断することができ、火災に強い外壁を有する建造物を施工することができる。外壁構造物は、第1および第2鉄筋トラスの主筋と中間筋と第1および第2ラチス筋とのうちの少なくとも1つが基礎から上方へ延びる基礎鉄筋に連結されているから、建造物の基礎と一体になった優れた強度の外壁を作ることができ、強い衝撃に十分に耐えることが可能な外壁を備えた建造物を施工することができる。外壁構造物は、第2ラス金網の非対向面に設置された内装ボードを内装材として利用することができるから、施工された外壁の後面に内装材を別途設置するための内装工事を省くことができ、内装工事のための手間やコストを省くことができる。外壁構造物は、所定の接着機能を有する発泡ウレタンによってラス金網と外断熱材とが固着されているから、発泡ウレタンを利用して鉄筋構造材の外側に外断熱材を容易に設置することができるのみならず、外断熱材を鉄筋構造材の外側に設置するための設置部材を別途用意する必要はなく、設置部材の節約を図ることができる。
第1鉄筋構造材と第2鉄筋構造材との間に位置して前後方向へ延びる複数のセパレーターを含み、第1鉄筋構造材と第2鉄筋構造材とがそれらセパレーターによって連結されている外壁構造物は、第1鉄筋構造材と第2鉄筋構造材とが複数のセパレーターによって連結されているから、第1鉄筋構造材と第2鉄筋構造材との間のスペースに打設されたコンクリートの側圧が第1鉄筋構造材や第2鉄筋構造材に作用したとしても、第1鉄筋構造材や第2鉄筋構造材に変形が生ずることはなく、セパレーターを含む外壁構造物を利用することで、構造計算された設計どおりの鉄筋コンクリート製の強固な外壁を備えた建造物を施工することができる。
一例として示す鉄筋構造材の斜視図。 図1の鉄筋構造材の上面図。 一例として示す外壁構造物によって作られた外壁の側面図。 外壁構造物によって作られた外壁の正面図。 外壁構造物によって作られた外壁の背面図。 外断熱材を設置する前の外壁構造物の側面図。 コンクリートを打設する前の外壁構造物の側面図。 コンクリートを打設した後の外壁構造物の側面図。 外断熱材を設置する前の一例として示す第1鉄筋構造材の斜視図。 外断熱材を設置する前の図9の第1鉄筋構造材の上面図。 他の一例として示す外壁構造物によって作られた外壁の側面図。 外断熱材を設置する前の外壁構造物の側面図。 コンクリートを打設する前の外壁構造物の側面図。 コンクリートを打設した後の外壁構造物の側面図。 他の一例として示す鉄筋構造材の斜視図。 図15の鉄筋構造材の上面図。 コンクリートを打設する前の外壁構造物の側面図。 コンクリートを打設した後の外壁構造物の側面図。 外壁構造物によって作られた外壁の側面図。 他の一例として示す鉄筋構造材の斜視図。 図20の鉄筋構造材の上面図。 コンクリートを打設する前の外壁構造物の側面図。 コンクリートを打設した後の外壁構造物の側面図。 外壁構造物によって作られた外壁の側面図。
一例として示す鉄筋構造材11aの斜視図である図1等の添付の図面を参照し、本発明に係る外壁構造物の詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、鉄筋構造材11aの上面図であり、図3は、一例として示す外壁構造物10Aによって作られた外壁43の側面図である。図4は、外壁構造物10Aによって作られた外壁43の正面図であり、図5は、外壁構造物10Aによって作られた外壁43の背面図である。図1〜図3では、上下方向を矢印X、幅方向を矢印Yで示し、前後方向を矢印Zで示す。
外壁構造物10A(外壁構造物10B〜10Dを含む)は、鉄筋コンクリート造の戸建て住宅(建造物)(図示せず)の鉄筋コンクリート製の外壁43の構築に使用され、鉄筋コンクリート製の外壁43を構成する。外壁構造物10A(外壁構造物10B〜10Dを含む)の頂部には、図示はしていないが、戸建て住宅(2階建て住宅や3階建て住宅)の鉄筋コンクリート製の天井が連結される。なお、建造物には、戸建て住宅の他に、低層階ビルや地下室、倉庫、車庫等のあらゆる建造物が含まれる。
外壁構造物10Aは、複数の鉄筋構造材11aと、複数枚の外断熱材12と、複数本のセパレーター13と、鉄筋構造材11aと外断熱材12との間のスペース14に打設されたコンクリート15とから形成されている。それら鉄筋構造材11aは、上下方向へ長く、鉄筋コンクリート造の戸建て住宅の基礎16に連結されている。それら鉄筋構造材11aは、基礎16から上方へ延びるとともに、幅方向へ並んでいる。
それら鉄筋構造材11aは、上下方向へ延びる所定面積の鉄板ベース17と、鉄板ベース17の前面の側(室外側)に設置された複数の鉄筋トラス18と、鉄板ベース17の後面の側(室内側)に設置された内装ボード19とから形成されている。鉄板ベース17は、上下方向へ延びる両側縁部20と幅方向へ延びる両端縁部21とを有するとともに、フラットな前面(外面)およびフラットな後面(内面)を有する。鉄板ベース17の両側縁部20の間には、上下方向へ延びるとともに鉄板ベース17の前面から前後方向前方へ凸となる複数の凸条22(縦条)が形成されている。それら凸条22は、鉄板ベース17を折り曲げることから作られている。
鉄板ベース17の幅方向へ隣り合う(隣接する)凸条22の間(隣り合う(隣接する)鉄筋トラス18の間)には、鉄板ベース17の前面から前方へ延びる複数の連結片23が形成されている。それら連結片23は、鉄板ベース17を切断して作られ、上下方向へ凸となって延びる切断線24と幅方向へ直状に延びる折曲線25とに囲繞された鉄板ベース17の部位が連結片23を画成している。それら連結片23は、折曲線25を中心に鉄板ベース17の前面に向かって略直角に折り曲げられ、鉄板ベース17から前方へ延びている(図6参照)。折り曲げられる以前の連結片23(鉄板ベース17の部位)は、図1,2に示すように、鉄板ベース17において上下方向へ延びている。それら連結片23は、鉄板ベース17につながる基端部26と、基端部25から前方へ延びていて外断熱材12に突き刺さる先端部27とを有する。連結片23の先端部27は、前方へ向かうにつれて次第に先細りの鋭角に成形され、鉄筋トラス18の主筋30から前方へ露出している。
鉄板ベース17の一方の側縁部20には、第1係合部28が作られ、鉄板ベース17の他方の側縁部20には、第2係合部29が作られている。第1係合部28は、鉄板ベース17の一方の側縁部20を鉄板ベース17の前面に向かって折り曲げることから作られている。第2係合部29は、鉄板ベース17の他方の側縁部20を鉄板ベース17の後面に向かって折り曲げることから作られている。各鉄板ベース17は、一方の鉄板ベース17の第1係合部28に他方の鉄板ベース17の第2係合部29が嵌め込まれ、それら係合部28,29どうしが互いに係合することで、各鉄板ベース17が幅方向へつながっている。それら鉄板ベース17は、隣り合う鉄板ベース17どうしが連結された状態で幅方向へ並んでいる。なお、鉄板ベース17の縦横寸法や厚み寸法、面積に特に制限はなく、縦横寸法や厚み寸法、面積を自由に選択することができる。
それら鉄筋トラス18は、鉄板ベース17の前面に配置され、幅方向へ所定寸法離間しつつ幅方向へ平行して並ぶとともに、上下方向へ延びている。1つの鉄板ベース17に2つの鉄筋トラス18が配置固定されているが、1つの鉄板ベース17に配置する鉄筋トラス18の数に特に制限はなく、鉄板ベース17の面積や鉄筋トラス18の大きさ等に応じて鉄板ベース17に配置する鉄筋トラス18の数を自由に選択することができる。それら鉄筋トラス18は、1本の主筋30(上端筋)と2本(一対)の中間筋31(下端筋)と2本(一対)の第1および第2ラチス筋32a,32bとから組み立てられている。
それら鉄筋トラス18では、主筋30と中間筋31と第1および第2ラチス筋32a,32bとのうちの少なくとも1つ(好ましくは中間筋31と第1および第2ラチス筋32a,32b)が基礎16から上方へ延びる基礎鉄筋33に結束線(図示せず)によって連結されている。さらに、幅方向へ延びていて上下方向へ並ぶ複数の補強筋34(横筋やフープ筋等)が鉄筋トラス18の主筋30や中間筋31、第1および第2ラチス筋32a,32bのうちの少なくとも1つ(好ましくは中間筋31と第1および第2ラチス筋32a,32b)に結束線(針金)(図示せず)によって連結されている。
主筋30は、鉄を延伸した鉄棒から作られ、その周面に複数の節(リブ)を有する異形金属棒(異形鉄筋)が使用されている。主筋30は、幅方向に隣り合う(隣接する)凸条22の間に位置し、鉄板ベース17の前面から前方へ所定寸法離間して上下方向へ直状に延びている。各鉄筋トラス18において幅方向へ並ぶ主筋30の上下方向の長さ寸法は略同一であり、それら主筋30が幅方向へ所定寸法離間しつつ、幅方向へ並行して並んでいる。
それら中間筋31は、鉄を延伸した鉄棒から作られ、その周面に複数の節(リブ)を有する異形金属棒(異形鉄筋)が使用されている。中間筋31は、幅方向に隣り合う(隣接する)凸条22の間に位置(凸条22から内側へ所定寸法離間して位置)するとともに、それらラチス筋32a,32bの幅方向外方に位置し、主筋30の後方であって主筋30の幅方向両側に位置している。それら中間筋31は、鉄板ベース17の前面から前方へ所定寸法離間して上下方向へ直状に延びている。各鉄筋トラス18において幅方向へ並ぶ中間筋31の上下方向の長さ寸法は略同一であり、それら中間筋31が幅方向へ所定寸法離間しつつ、幅方向へ並行して並んでいる。
第1および第2ラチス筋32a,32bは、鉄を延伸した鉄棒から作られている。それらラチス筋32a,32bは、幅方向に隣り合う(隣接する)凸条22の間に位置(凸条22から内側へ所定寸法離間して位置)するとともに、鉄板ベース17の前面と主筋30との間に位置し、前後方向へ波状に曲折(起伏)を繰り返しながら上下方向へ延びている。それらラチス筋32a,32bは、主筋30の側に位置する凸部35と、鉄板ベース17の前面の側に位置する凹部36と、凸部35および凹部36の間において前後方向へ傾斜して延びる中間部37とを有する。
第1および第2ラチス筋32a,32bの前後方向へ波状に曲折を繰り返す角度は一定であり、単位長さ(たとえば1m)当たりのラチス筋32a,32bの曲折を繰り返す回数は同一である。ラチス筋32a,32bの前後方向へ波状に曲折を繰り返す角度は自由に変えることができ、その角度を調節(単位長さ当たりのラチス筋32a,32bの曲折を繰り返す回数を調節)することで、ラチス筋32a,32bの凸部35どうしの上下方向の離間寸法を調節することができ、ラチス筋32a,32bの凹部36どうしの上下方向の離間寸法を調節することができる。
第1および第2ラチス筋32a,32bは、主筋30を挟んで幅方向へ対称型に配置されている。したがって、幅方向に並ぶそれらラチス筋32a,32bの凸部35どうしの位置が一致し、中間部37どうしの位置が一致しているとともに、凹部36どうしの位置が一致している。それらラチス筋32a,32bは、上下方向に隣り合う(隣接する)凸部35どうしの離間寸法が等しく、凸部35が上下方向へ等間隔で並んでいるとともに、上下方向に隣り合う(隣接する)凹部36どうしの離間寸法が等しく、凹部36が上下方向へ等間隔で並んでいる。
第1および第2ラチス筋32a,32bは、図2に示すように、鉄板ベース17に対して垂直ではなく、鉄板ベース17に対して所定角度で傾斜し、その凸部35から凹部36に向かって幅方向外方へ末広がりになっている。それらラチス筋32a,32bの傾斜角度について特に制限はなく、その傾斜角度を自由に変えることができる。それらラチス筋32a,32bの凸部35は、凸状に折り曲げられ、前方へ向かって凸となるように曲折している。それら凸部35は、主筋30の周面に当接し、凸部35のうちの主筋30と交差する部分(交差箇所)が主筋にスポット溶接によって溶着(固定)されている。
第1および第2ラチス筋32a,32bの中間部37は、中間筋31の幅方向内方(内側)に位置し、中間部37のうちの中間筋31と交差当接する部分(交差箇所)が中間筋31にスポット溶接によって溶着(固定)されている。それらラチス筋32a,32bの凹部36は、凹状に折り曲げられ、後方へ向かって凹となるように曲折しつつ、鉄板ベース17の前面と並行するように幅方向外方へ折り曲げられている(幅方向外方へ屈曲している)。凹部36は、幅方向外方へ折り曲げられて幅方向へ延びる屈曲部分38を有する。
それら屈曲部分38は、幅方向外方へ向かって凸となるように弧を画き、鉄板ベース17の凸条22に位置している。屈曲部分38は、鉄板ベース17の凸条22と2箇所で交差当接し、凸条22と交差する部分(交差箇所)がスポット溶接によって凸条22に溶着(固定)されている。鉄筋構造材11aでは、ラチス筋32a,32bの凹部36が幅方向外方へ折り曲げられておらず、凹部36に屈曲部分38が作られていなくてもよい。この場合、ラチス筋32a,32bの凹部36が凸条22と1箇所に交差当接し、凸条22と交差する凹部36の部分(交差箇所)がスポット溶接によって凸条22に溶着(固定)される。
主筋30や中間筋31、第1および第2ラチス筋32a,32bは、それらの太さについて特に制限はなく、施工する外壁43の大きさや外壁43に必要な強度等に合わせて主筋30や中間筋31、ラチス筋32a,32bの太さを自由に変えることができる。主筋30や中間筋31、第1および第2ラチス筋32a,32bは鉄から作られているが、鉄以外の金属から作ることもできる。また、主筋30や中間筋31、ラチス筋32a,32bが鉄から作られている場合は、それらにメッキ等の防錆処理が施されていてもよい。
主筋30とラチス筋32a,32bの凸部35とのスポット溶接や中間筋31とラチス筋32a,32bの中間部37とのスポット溶接では、図示はしていないが、電極と移動機構とを備えた自動溶接機が使用される。自動溶接機によるスポット溶接の一例は、主筋30およびラチス筋32a,32bの凸部35を各電極で挟み込み、中間筋31およびラチス筋32a,32bの中間部37を各電極で挟み込みつつ、それら電極で主筋30と凸部35とを押圧するとともに、それら電極で中間筋31と中間部37とを押圧し、それら電極に所定の電流を流す(所定の電圧を印可する)。
それら電極から流れた電流は、主筋30とラチス筋32a,32bの凸部35とに流れ、主筋30および凸部35を加熱溶融するとともに、中間筋31とラチス筋32a,32bの中間部37とに流れ、中間筋31および中間部37を加熱溶融する。次に、それら電極が主筋30および凸部35から離間するとともに、電極が中間筋31および中間部37から離間し、主筋30および凸部35や中間筋31および中間部37が自然に冷却され、主筋30と凸部35とが溶着するとともに、中間筋31と中間部37とが溶着する。主筋30と凸部35とをスポット溶接し、中間筋31と中間部37とをスポット溶接することで、鉄筋トラス18が作られる。
鉄板ベース17の凸条22とラチス筋32a,32bの凹部36の屈曲部分38との自動溶接機によるスポット溶接による溶接の一例は、凸条22および屈曲部分38を各電極で挟み込みつつ、それら電極で凸条22と屈曲部分38とを押圧し、それら電極に所定の電流を流す(所定の電圧を印可する)。それら電極から流れた電流は、凸条22と屈曲部分38とに流れ、凸条22および屈曲部分38を加熱溶融する。次に、それら電極が凸条22および屈曲部分38から離間し、凸条22および屈曲部分38が自然に冷却され、凸条22と屈曲部分38の部分(交差箇所)とが溶着する。
内装ボード19は、所定の厚み寸法を有するとともに、鉄板ベース17と略同一の面積を有し、その平面形状が上下方向へ長い矩形に成形されている。内装ボード19は、鉄板ベース17に固定ビス(図示せず)によって固定され、または、鉄板ベース17に固定ビスと接着剤(図示せず)とによって固定され、その後面(化粧面)が室内側に露出する。鉄板ベース17に内装ボード19を固定することで、鉄筋構造材11aが作られる。なお、鉄板ベース17と内装ボード19との間に桟木(図示せず)が配置され、桟木が鉄板ベース17の後面に固定され、内装ボード19が桟木に固定されることで、内装ボード19が桟木を介して鉄板ベース17の内面に連結されていてもよい。
内装ボード19には、天然木化粧合板や木目合板、プリント合板等の木質系化粧ボード、ポリエステル化粧板やメラミン化粧板、タップ樹脂化粧板、特殊樹脂化粧板等の合成樹脂系化粧ボード、石膏ボード(GB−R)や化粧石膏ボード(GB−D)、不燃積層石膏ボード(GB−NC)、化粧セラミックボード、ロックウール板等の無機質系化粧ボード、後面に所定のデザインが印刷(プリント)された表面処理鋼板やアルミ化粧ボード、ステンレス化粧ボード等の金属系化粧ボードのいずれかが使用されている。
また、内装ボード19には、表面材に表面処理鋼板を使用し、しん材として石膏ボード、ロックウール化粧吸音板等を張り合わせた複合ボード、表面材に表面処理鋼板を使用し、しん材として硬質プラスチックフォームを接着させた複合ボード、表面材にアルミニウム合金塗装板を使用し、しん材として石膏ボード、ロックウール化粧吸音板等を張り合わせた複合ボード、表面材にアルミニウム合金塗装板を使用し、しん材として硬質プラスチックフォームを接着させた複合ボード、表面材に塗装ステンレス鋼板を使用し、しん材として石膏ボード、ロックウール化粧吸音板などを張り合わせた複合ボード、表面材に塗装ステンレス鋼板を使用し、しん材として硬質プラスチックフォームを接着させた複合ボード等の各種の複合ボードが使用されている。
それら外断熱材12(ボード状断熱材)は、所定の厚み寸法を有するとともに、鉄板ベース17と略同一の面積を有し、その平面形状が上下方向へ長い矩形に成形されている。それら外断熱材12は、それら鉄筋構造材11aの外側(鉄筋トラス18の主筋30の直前)に配置され、鉄板ベース17に形成された連結片23の先端部27に突き刺さっている。外断熱材12には、押出発泡ポリスチレンフォーム(スタイロフォーム)(発泡プラスチック)が使用されている。外断熱材12には、押出発泡ポリエチレンフォームの他に、ポリプロピレンフォーム、フェノールフォーム、PET樹脂発泡体等(発泡プラスチック)を使用することもできる。外断熱材12の室外側に露出する前面には、モルタル39が吹き付けられている。
それらセパレーター13は、鉄板ベース17(内装ボード19)および外断熱材12の所定の部位に設置され、鉄板ベース17と外断熱材12との間のスペース14に位置して前後方向へ延びている。セパレーター13は、互いに対向する鉄板ベース17(内装ボード19)と外断熱材12とを連結し、鉄板ベース17と外断熱材12とを固定する。コンクリート15は、スペース14において硬化し、鉄板ベース17、鉄筋トラス18の主筋30、中間筋31、第1および第2ラチス筋32a,32b、補強筋34、基礎鉄筋33、外断熱材12と一体化している。
図6は、外断熱材12を設置する前の外壁構造物10Aの側面図であり、図7は、コンクリート15を打設する前の外壁構造物10Aの側面図である。図8は、コンクリート15を打設した後の外壁構造物10Aの側面図である。図6では、上下方向を矢印Xで示し、前後方向を矢印Zで示す。外壁構造物10Aを使用して鉄筋コンクリート製の外壁43を施工する手順の一例を説明すると、以下のとおりである。なお、内装ボード19(桟木を介して固定される場合がある)が固定された複数の鉄筋構造材11aや複数枚の外断熱材12が施工現場に搬送されている。外断熱材12は、鉄板ベース17の大きさにあわせるため、施工現場において所定の大きさに切断される。なお、施工現場において内装ボード19を鉄板ベース17に固定する固定作業が行われる場合がある。
鉄筋コンクリート造の戸建て住宅の基礎16を施工した後、鉄筋構造材11aの鉄筋トラス18が上下方向へ延びるように基礎16の上に鉄筋構造材11aを載置する。鉄筋構造材11aの鉄筋トラス18が室外側に露出し、内装ボード19が室内側に露出する。隣り合う一方の鉄板ベース17の第1係合部28と他方の鉄板ベース17の第2係合部29とを係合させて鉄筋構造材11aを幅方向へ並べる。なお、鉄板ベース17に画成された連結片23が折曲線25を中心に鉄板ベース17に対して略直角に折り曲げられて鉄板ベース17から前方へ延びている。
鉄筋構造材11aを幅方向へ並べた後、鉄筋構造材11aの鉄筋トラス18の主筋30や中間筋31、第1および第2ラチス筋32a,32bのうちの少なくとも1つ(好ましくは中間筋31と第1および第2ラチス筋32a,32b)を基礎16から上方へ延びる基礎鉄筋33に結束線を利用して連結するとともに、複数の補強筋34を鉄筋トラス18の主筋30や中間筋31、第1および第2ラチス筋32a,32bのうちの少なくとも1つ(好ましくは中間筋31と第1および第2ラチス筋32a,32b)に結束線を利用して連結する。
外断熱材12を鉄筋構造材11aの鉄筋トラス18の主筋30の直前に配置し、外断熱材12を鉄板ベース17の連結片23の先端部27に突き刺し、外断熱材12を幅方向へ並べる。外壁構造物10Aは、鉄板ベース17を切断して作られた連結片23の先端部27に外断熱材12を突き刺すことで、外断熱材12が鉄板ベース17の連結片23に支持されるから、連結片23を利用して鉄筋構造材11aの外側に外断熱材12を容易に配置することができるのみならず、外断熱材12を鉄筋構造材11aの外側に設置するための設置部材を別途用意する必要はなく、設置部材の節約を図ることができ、設置工程を少なくすることができる。
外断熱材12を配置した後、セパレーター13を鉄板ベース17(内装ボード19)および外断熱材12の所定の部位に設置する。セパレーター13の外断熱材12の側に位置する一端部を外断熱材12に穿孔されたセパ挿通孔に挿通し、一端部に型枠緊結金具40(フォームタイ(登録商標))を連結する。セパレーター13のスペース14に位置する一端部には、プラスチックコーンが挿通されている。一端部に連結された型枠緊結金具40を挟んでその両側に鉄やアルミ、真鍮、合金等の金属から作られた断面形状が円形の一対の丸パイプ41(単管パイプ)を配置し、型枠緊結金具40の座金42によって丸パイプ41を座金42と外断熱材12との間に固定する。
セパレーター13の鉄板ベース17の側に位置する他端部を鉄板ベース17および内装ボード19に穿孔されたセパ挿通孔に挿通し、他端部に型枠緊結金具40(フォームタイ)を連結する。セパレーター14のスペース14に位置する他端部には、プラスチックコーンが挿通されている。他端部に連結された型枠緊結金具40を挟んでその両側に一対の丸パイプ41(単管パイプ)を配置し、型枠緊結金具40の座金42によって丸パイプ41を座金42と内装ボード19との間に固定する。
それらセパレーター13によって外断熱材12と鉄板ベース17(内装ボード19)とを連結した後、鉄筋構造材11aと外断熱材12との間のスペース14にコンクリート15を打設する。コンクリート15を所定期間養生した後、型枠緊結金具40(座金42を含む)を取り外し、外断熱材12の前面の全域にモルタル39を吹き付けて施工が終了し、鉄筋コンクリート製の外壁43が作られる。なお、2階部分の外壁を作るには、1階部分の外壁構造物10Aの頂部に2階部分の外壁構造物10Aを連結し、3階部分の外壁を作るには、2階部分の外壁構造物10Aの頂部に3階部分の外壁構造物10Aを連結する。
外壁構造物10Aは、鉄筋構造材11a(鉄板ベース17)と外断熱材12との間にコンクリート15を打設するスペース14が作られるから、ベニヤ板や桟木によってコンクリートを打設する型枠を組み立てる必要はなく、型枠を組み立てるコストや時間を省くことができ、短い工期で外壁43を作ることができる。
外壁構造物10Aは、鉄板ベース17と鉄筋トラス18とが引っ張りに弱いコンクリート15を補強する鉄筋となり、鉄筋構造材11aを使用することで鉄筋コンクリート製の強固な外壁43を作ることができ、高い強度を有する頑丈な外壁43を備えた戸建て住宅(建造物)を施工することができるとともに、外壁構造物10Aから作られた外壁43が高い強度を有するから、地震による激しい揺れや津波の水圧に十分に耐えることができ、地震による戸建て住宅の倒壊を防ぐことができ、津波による戸建て住宅の流失を防ぐことができる。
外壁構造物10Aは、外断熱材12と鉄板ベース17(内装ボード19)とが複数のセパレーター13によって連結されているから、鉄筋構造材11a(鉄板ベース17)と外断熱材12との間のスペース14に打設されたコンクリート15の側圧が鉄筋構造材11aや外断熱材12に作用したとしても、鉄筋構造材11aや外断熱材12に変形が生ずることはなく、セパレーター13を含む外壁構造物11aを利用することで、構造計算された設計どおりの鉄筋コンクリート製の強固な外壁43を備えた戸建て住宅(建造物)を施工することができる。
外壁構造物10Aは、鉄筋構造材11aと外断熱材12との間のスペース14に打設されたコンクリート15が優れた遮音性と優れた耐火性とを有するから、戸建て住宅(建造物)の周囲の騒音を遮断することができ、火災に強い外壁43を備えた戸建て住宅を施工することができる。さらに、鉄筋トラス18の主筋30と中間筋31と第1および第2ラチス筋32a,32bとのうちの少なくとも1つが基礎か16ら上方へ延びる基礎鉄筋33に連結されているから、戸建て住宅(建造物)の基礎16と一体になった優れた強度の外壁43を作ることができ、強い衝撃に十分に耐えることが可能な外壁43を備えた戸建て住宅を施工することができる。外壁構造物10Aは、鉄板ベース17の後面に設置された各化粧板等の内装ボード19を内装材として利用することができるから、施工された外壁43の後面に内装材を別途設置するための内装工事を省くことができ、内装工事のための手間やコストを省くことができる。
図9は、外断熱材12を設置する前の一例として示す第1鉄筋構造材11bの斜視図であり、図10は、外断熱材12を設置する前の第1鉄筋構造材11bの上面図である。図11は、他の一例として示す外壁構造物10Bによって作られた外壁43の側面図であり、図12は、外断熱材12を設置する前の外壁構造物10Bの側面図である。図13は、コンクリート15を打設する前の外壁構造物10Bの側面図であり、図14は、コンクリート15を打設した後の外壁構造物10Bの側面図である。図9では、上下方向を矢印X、幅方向を矢印Yで示し、前後方向を矢印Zで示す。なお、第2鉄筋構造材11cの斜視図は、図1と略同一に表れるが、第2鉄板ベース17cに連結片23が形成されていない。外壁構造物10Bの正面図は、図4と同一に表れるとともに、外壁構造物10Bの背面図は、図5と同一に表れる。
外壁構造物10Bは、複数の第1鉄筋構造材11bと、第1鉄筋構造11bの内側(後方)に位置して第1鉄筋構造材11bに対向する複数の第2鉄筋構造材11cと、複数本のセパレーター13と、第1および第2鉄筋構造材11b,11cの間のスペース14に打設されたコンクリート15とから形成されている。第1および第2鉄筋構造材11b,11cは、上下方向へ長く、鉄筋コンクリート造の戸建て住宅の基礎16に連結されている。第1および第2鉄筋構造材11b,11cは、基礎16から上方へ延びるとともに、幅方向へ並んでいる。
それら第1鉄筋構造材11bは、上下方向へ延びる所定面積の第1鉄板ベース17aと、第1鉄板ベース17aの後方(室内方向)に位置して第1鉄板ベース17aの対向面(後面)に設置された複数の第1鉄筋トラス18aと、第1鉄板ベース17aの前方(室外方向)に位置して第1鉄板ベース17aの非対向面(前面)に設置された外断熱材12とから形成されている。それら第2鉄筋構造材11cは、上下方向へ延びる所定面積の第2鉄板ベース17bと、第2鉄板ベース17bの前方(室外方向)に位置して第2鉄板ベース17bの対向面(前面)に設置された第2鉄筋トラス18bと、第2鉄板ベース17bの後方(室内方向)に位置して第2鉄板ベース17bの非対向面(後面)に設置された内装ボード19とから形成されている。
第1および第2鉄板ベース17a,17bは、上下方向へ延びる両側縁部20と幅方向へ延びる両端縁部21とを有するとともに、フラットな対向面およびフラットな非対向面を有する。第1および第2鉄板ベース17a,17bの両側縁部20の間には、上下方向へ延びるとともに鉄板ベース17a,17bの対向面から前後方向前方へ凸となる複数の凸条22が形成されている。それら凸条22は、鉄板ベース17a,17bを折り曲げることから作られている。第1鉄板ベース17aの幅方向へ隣り合う(隣接する)凸条22の間(隣り合う(隣接する)鉄筋トラス18aの間)には、鉄板ベース17aの非対向面から前方へ延びる複数の連結片23が形成されている。
それら連結片23は、第1鉄板ベース17aを切断して作られ、上下方向へ凸となって延びる切断線24と幅方向へ直状に延びる折曲線25とに囲繞された鉄板ベース17aの部位が連結片23を画成している。それら連結片23は、折曲線25を中心に第1鉄板ベース17aの非対向面に向かって略直角に折り曲げられ、鉄板ベース17aから前方へ延びている。折り曲げられる以前の連結片23(第1鉄板ベース17aの部位)は、鉄板ベース17aにおいて上下方向へ延びている。それら連結片23は、第1鉄板ベース17aの非対向面から前方へ向かうにつれて次第に先細りの鋭角に成形されている。なお、第2鉄筋構造材11cの第2鉄板ベース17bには、連結片23が形成されていない。
第1および第2鉄板ベース17a,17bの一方の側縁部20には、第1係合部28が作られ、他方の側縁部20には、第2係合部29が作られている。第1係合部28や第2係合部29は、図1の鉄板ベース17に作られたそれらと同一である。各第1鉄板ベース17aは、一方の鉄板ベース17aの第1係合部28に他方の鉄板ベース17aの第2係合部29が嵌め込まれ、それら係合部28,29どうしが互いに係合することで、鉄板ベース17aが幅方向へつながっている。それら第1鉄板ベース17aは、隣り合う第1鉄板ベース17aどうしが連結された状態で幅方向へ並んでいる。各第2鉄板ベース17bは、一方の鉄板ベース17bの第1係合部28に他方の鉄板ベース17bの第2係合部29が嵌め込まれ、それら係合部28,29どうしが互いに係合することで、鉄板ベース17bが幅方向へつながっている。それら第2鉄板ベース17bは、隣り合う第2鉄板ベース17bどうしが連結された状態で幅方向へ並んでいる。
それら第1鉄筋トラス18aは、第1鉄板ベース17aの対向面に配置され、幅方向へ所定寸法離間しつつ幅方向へ平行して並ぶとともに、上下方向へ延びている。なお、第1鉄筋トラス17aの数に特に制限はなく、第1鉄板ベース17aの面積や鉄筋トラス18aの大きさ等に応じて鉄板ベース17aに配置する鉄筋トラス18aの数を自由に選択することができる。第1鉄筋トラス18aは、第1鉄板ベース17aの対向面から後方へ離間して上下方向へ延びる1本の主筋30(上端筋)と、第1鉄板ベース17aと主筋30との間に位置して上下方向へ延びる2本(一対)の中間筋31(下端筋)と、第1鉄板ベース17aと主筋30との間で前後方向へ波状に曲折を繰り返しながら上下方向へ延びる2本(一対)の第1および第2ラチス筋32a,32bとから組み立てられている。
第2鉄筋トラス18bは、第2鉄板ベース18bの対向面に配置され、幅方向へ所定寸法離間しつつ幅方向へ平行して並ぶとともに、上下方向へ延びている。なお、第2鉄筋トラス18bの数に特に制限はなく、第2鉄板ベース17bの面積や鉄筋トラス18bの大きさ等に応じて鉄板ベース17bに配置する鉄筋トラス18bの数を自由に選択することができる。第2鉄筋トラス18bは、第2鉄板ベース17bの対向面から前方へ離間して上下方向へ延びる1本の主筋30(上端筋)と、第2鉄板ベース17bと主筋30との間に位置して上下方向へ延びる2本(一対)の中間筋31(下端筋)と、第2鉄板ベース17bと主筋30との間で前後方向へ波状に曲折を繰り返しながら上下方向へ延びる2本(一対)の第1および第2ラチス筋32a,32bとから組み立てられている。
主筋30や中間筋31、第1および第2ラチス筋32a、32bは、図1の鉄筋トラス18のそれらと同一であるから、図1と同一の符号を付すとともに、図1の説明を援用することで、主筋30や中間筋31、第1および第2ラチス筋32a,32bの説明は省略する。主筋30およびラチス筋32a,32bの凸部35、中間筋31およびラチス筋32a,32bの中間部37、ラチス筋32a,32bの凹部36の屈曲部分38および鉄板ベース17a,17bの凸条22は、既述の自動溶接機によるスポット溶接によって溶着(固定)されている。
第1鉄筋トラス18aでは、主筋30と中間筋31と第1および第2ラチス筋32a,32bとのうちの少なくとも1つ(好ましくは中間筋31と第1および第2ラチス筋32a,32b)が基礎16から上方へ延びる基礎鉄筋33に結束線(図示せず)によって連結されている。第2鉄筋トラス18bでは、主筋30と中間筋31と第1および第2ラチス筋32a,32bとのうちの少なくとも1つ(好ましくは中間筋31と第1および第2ラチス筋32a,32b)が基礎16から上方へ延びる基礎鉄筋33に結束線(図示せず)によって連結されている。さらに、幅方向へ延びていて上下方向へ並ぶ複数の補強筋34(横筋やフープ筋等)が第1および第2鉄筋トラス18a,18bの主筋30や中間筋31、第1および第2ラチス筋32a,32bのうちの少なくとも1つに結束線(針金)(図示せず)によって連結されている。
外壁構造物10Bでは、幅方向へ隣り合う(隣接する)第1鉄筋トラス18aの間に第2鉄筋トラス18bが位置し、幅方向へ隣り合う(隣接する)第2鉄筋トラス18bの間に第1鉄筋トラス18aが位置している。第1鉄筋トラス18aの主筋30は、第2鉄板ベース17bと第2鉄筋トラス18bの中間筋31との間であって、幅方向へ隣り合う(隣接する)第2鉄筋トラス18bの第1ラチス筋32aと第2ラチス筋32bとの間に位置している。第1鉄筋トラス18aの主筋30と第2鉄板ベース17bとの間には、スペースが形成されている。第2鉄筋トラス18bの主筋30は、第1鉄板ベース17aと第1鉄筋トラス18aの中間筋31との間であって、幅方向へ隣り合う(隣接する)第1鉄筋トラス18aの第1ラチス筋32aと第2ラチス筋32bとの間に位置している。第2鉄筋トラス18bの主筋30と第1鉄板ベース17aとの間には、スペースが形成されている。第1鉄筋トラス18aの中間筋31は、第2鉄筋トラス18bの主筋30の側に位置し、第2鉄筋トラス18bの中間筋31は、第1鉄筋トラス18aの主筋30の側に位置している。
外断熱材12は、図1の外壁構造物10Aのそれと同一である。外断熱材12は、第1鉄筋構造材11bの非対向面(第1鉄筋トラス18aの主筋の直前)に配置され、第1鉄板ベース17aに形成された連結片23に突き刺さっているとともに、第1鉄板ベース17aの非対向面に接着剤(図示せず)によって固着されている。外断熱材12の室外側に露出する前面には、モルタル39が吹き付けられている。
内装ボード19は、図1の外壁構造物10Aのそれと同一である。内装ボード19は、第2鉄板ベース17bに固定ビス(図示せず)によって固定され、または、第2鉄板ベース17bに固定ビスと接着剤(図示せず)とによって固定され、その後面(化粧面)が室内側に露出する。なお、第2鉄板ベース17bと内装ボード19との間に桟木が配置され、桟木が鉄板ベース17bの非対向面に固定され、内装ボード19が桟木に固定されることで、内装ボード19が桟木を介して鉄板ベース17bの非対向面に連結されていてもよい。
それらセパレーター13は、第1鉄筋構造11bおよび第2鉄筋構造材11cの所定の部位に設置され、第1鉄筋構造11bと第2鉄筋構造材11cとの間のスペース14に位置して前後方向へ延びている。セパレーター13は、互いに対向する第1鉄筋構造11bと第2鉄筋構造材11cとを連結し、第1および第2鉄筋構造材11b,11cを固定する。コンクリート15は、スペース14において硬化し、第1および第2鉄板ベース17a,17b、第1および第2鉄筋トラス18a,18bの主筋30、中間筋31、第1および第2ラチス筋32a,32b、補強筋34、基礎鉄筋33と一体化している。
外壁構造物10Bを使用して鉄筋コンクリート製の外壁43を施工する手順の一例を説明すると、以下のとおりである。なお、複数の第1鉄筋構造材11bや内装ボード19(桟木を介して固定される場合がある)が固定された複数の第2鉄筋構造材11c、複数枚の外断熱材12が施工現場に搬送されている。外断熱材12は、第1鉄板ベース17aの大きさにあわせるため、施工現場において所定の大きさに切断される。なお、施工現場において内装ボード19を第2鉄筋構造材11cの第2鉄板ベース17bに固定する固定作業が行われる場合がある。
鉄筋コンクリート造住宅の基礎16を施工した後、第1および第2鉄筋構造材11b,11cの第1および第2鉄筋トラス18a,18bが上下方向へ延びるように、第1および第2鉄筋構造材11b,11cを前後方向に対向させた状態でそれら鉄筋構造材11b,11cを基礎16の上に載置する。第1鉄筋構造材11bが室外側に位置し、外断熱材12が室外側に露出し、第2鉄筋構造材11cが室内側に位置し、内装ボード19が室内側に露出する。
隣り合う一方の第1鉄板ベース17aの第1係合部28と他方の第1鉄板ベース17aの第2係合部29とを係合させて第1鉄筋構造材11bを幅方向へ並べ、隣り合う一方の第2鉄板ベース17bの第1係合部28と他方の第2鉄板ベース17bの第2係合部29とを係合させて第2鉄筋構造材11cを幅方向へ並べる。なお、第1鉄板ベース17aに画成された連結片23が折曲線25を中心に鉄板ベース17aに対して略直角に折り曲げられて鉄板ベース17aから前方へ延びている。
第1および第2鉄筋構造材11b,11cを幅方向へ並べた後、それら鉄筋構造材11b,11cの第1および第2鉄筋トラス18a,18bの主筋30や中間筋31、第1および第2ラチス筋32a,32bのうちの少なくとも1つ(好ましくは中間筋31と第1および第2ラチス筋32a,32b)を基礎16から上方へ延びる基礎鉄筋33に結束線を利用して連結するとともに、複数の補強筋34を第1および第2鉄筋トラス18a,18bの主筋30や中間筋31、第1および第2ラチス筋32a,32bのうちの少なくとも1つ(好ましくは中間筋31と第1および第2ラチス筋32a,32b)に結束線を利用して連結する。
外断熱材12を第1鉄筋構造材11bの第1鉄筋トラス18aの主筋30の直前に配置し、外断熱材12を第1鉄板ベース17aの連結片23に突き刺すとともに、外断熱材12(後面)を第1鉄板ベース17aの非対向面に接着剤によって固着し、外断熱材12を幅方向へ並べる。外壁構造物10Bは、第1鉄板ベース17aを切断して作られた連結片23に外断熱材12を突き刺すことで、外断熱材12が鉄板ベース17aの連結片23に支持されるから、連結片23を利用して第1鉄筋構造材11bの外側に外断熱材12を容易に設置することができるのみならず、外断熱材12を鉄筋構造材11bの外側に設置するための設置部材を別途用意する必要はなく、設置部材の節約を図ることができ、設置工程を少なくすることができる。
外断熱材12を配置した後、セパレーター13を第1鉄筋構造材11b(外断熱材12)および第2鉄筋構造材11c(内装ボード19)の所定の部位に設置する。セパレーター13の第1鉄筋構造材11bの側に位置する一端部を第1鉄板ベース17aおよび外断熱材12に穿孔されたセパ挿通孔に挿通し、一端部に型枠緊結金具40(フォームタイ)を連結する。セパレーター13のスペース14に位置する一端部には、プラスチックコーンが挿通されている。一端部に連結された型枠緊結金具40を挟んでその両側に一対の丸パイプ41(単管パイプ)を配置し、型枠緊結金具40の座金42によって丸パイプ41を座金42と外断熱材12との間に固定する。
セパレーター13の第2鉄筋構造材11cの側に位置する他端部を第2鉄板ベース17bおよび内装ボード19に穿孔されたセパ挿通孔に挿通し、他端部に型枠緊結金具40(フォームタイ)を連結する。セパレーター13のスペース14に位置する他端部には、プラスチックコーンが挿通されている。他端部に連結された型枠緊結金具40を挟んでその両側に一対の丸パイプ41(単管パイプ)を配置し、型枠緊結金具40の座金42によって丸パイプ41を座金42と内装ボード19との間に固定する。
それらセパレーター13によって第1鉄筋構造材11bと第2鉄筋構造材11cとを連結した後、第1および第2鉄筋構造材11b,11cの間のスペース14にコンクリート15を打設する。コンクリート15を所定期間養生した後、型枠緊結金具40(座金42を含む)を取り外し、外断熱材12の前面の全域にモルタル39を吹き付けて施工が終了し、鉄筋コンクリート製の外壁43が作られる。なお、2階部分の外壁を作るには、1階部分の外壁構造物10Bの頂部に2階部分の外壁構造物10Bを連結し、3階部分の外壁を作るには、2階部分の外壁構造物10Bの頂部に3階部分の外壁構造物10Bを連結する。
外壁構造物10Bは、第1鉄筋構造材11b(第1鉄板ベース17a)と第2鉄筋構造材11c(第2鉄板ベース17b)との間にコンクリート15を打設するスペース14が作られるから、ベニヤ板や桟木によってコンクリートを打設する型枠を組み立てる必要はなく、型枠を組み立てるコストや時間を省くことができ、短い工期で外壁43を作ることができる。
外壁構造物10Bは、第1および第2鉄板ベース17a,17bと第1および第2鉄筋トラス18a,18bとが引っ張りに弱いコンクリート15を補強する鉄筋となり、第1および第2鉄筋構造材11b,11cを使用することで鉄筋コンクリート製の強固な外壁43を作ることができ、高い強度を有する頑丈な外壁43を備えた戸建て住宅(建造物)を施工することができるとともに、外壁構造物10Bから作られた外壁43が高い強度を有するから、地震による激しい揺れや津波の水圧に十分に耐えることができ、地震による戸建て住宅の倒壊を防ぐことができ、津波による戸建て住宅の流失を防ぐことができる。
外壁構造物10Bは、第1鉄筋構造材11b(外断熱材12)と第2鉄筋構造材11c(内装ボード19)とが複数のセパレーター13によって連結されているから、第1および第2鉄筋構造材11b,11cの間のスペース14に打設されたコンクリート15の側圧がそれら鉄筋構造材11b,11cに作用したとしても、第1鉄筋構造材11bや第2鉄筋構造材11cに変形が生ずることはなく、セパレーター13を含む外壁構造物10Bを利用することで、構造計算された設計どおりの鉄筋コンクリート製の強固な外壁43を備えた戸建て住宅(建造物)を施工することができる。
外壁構造物10Bは、第1および第2鉄筋構造材11b,11cの間のスペース14に打設されたコンクリート15が優れた遮音性と優れた耐火性とを有するから、戸建て住宅(建造物)の周囲の騒音を遮断することができ、火災に強い外壁43を備えた戸建て住宅を施工することができる。さらに、第1および第2鉄筋トラス18a,18bの主筋30と中間筋31と第1および第2ラチス筋32a,32bとのうちの少なくとも1つが基礎16から上方へ延びる基礎鉄筋33に連結されているから、戸建て住宅(建造物)の基礎16と一体になった優れた強度の外壁43を作ることができ、強い衝撃に十分に耐えることが可能な外壁43を備えた戸建て住宅を施工することができる。外壁構造物10Bは、第2鉄板ベース17bの後面に設置された各化粧板等の内装ボード19を内装材として利用することができるから、施工された外壁43の後面に内装材を別途設置するための内装工事を省くことができ、内装工事のための手間やコストを省くことができる。
図15は、他の一例として示す鉄筋構造材11dの斜視図であり、図16は、鉄筋構造材11dの上面図である。図17は、コンクリート15を打設する前の外壁構造物10Cの側面図であり、図18は、コンクリート15を打設した後の外壁構造物10Cの側面図である。図19は、外壁構造物10Cによって作られた外壁43の側面図である。なお、外壁構造物10Cの正面図は、図4と同一に表れるとともに、外壁構造物10Cの背面図は、図5と同一に表れる。
外壁構造物10Cは、複数の鉄筋構造材11dと、複数枚の外断熱材12と、複数本のセパレーター13と、鉄筋構造材11dに打設されたコンクリート15とから形成されている。それら鉄筋構造材11dは、上下方向へ長く、鉄筋コンクリート造の戸建て住宅の基礎16に連結されている。それら鉄筋構造材11dは、基礎16から上方へ延びるとともに、幅方向へ並んでいる。
それら鉄筋構造材11dは、上下方向へ延びる所定面積のラス金網44と、ラス金網44の後面の側(室内側)に設置された鉄筋トラス18とから形成されている。ラス金網44は、上下方向へ延びる両側縁部20と幅方向へ延びる両端縁部21とを有するとともに、前面(外面)および後面(内面)を有する。ラス金網44の両側縁部20の間には、上下方向へ延びるとともにラス金網44の前面から前後方向後方へ凸となる複数の凸条22(縦条)が形成されている。それら凸条22は、ラス金網44を折り曲げることから作られている。
ラス金網44の一方の側縁部20には、第1係合部28が作られ、ラス金網44の他方の側縁部20には、第2係合部29が作られている。第1係合部28は、ラス金網44の一方の側縁部20をラス金網44の後面に向かって折り曲げることから作られている。第2係合部29は、ラス金網44の他方の側縁部20をラス金網44の前面に向かって折り曲げることから作られている。各ラス金網44は、一方のラス金網44の第1係合部28に他方のラス金網44の第2係合部28が嵌め込まれ、それら係合部28,29どうしが互いに係合することで、各ラス金網44が幅方向へつながっている。それらラス金網44は、隣り合うラス金網44どうしが連結された状態で幅方向へ並んでいる。なお、ラス金網44の縦横寸法や厚み寸法、面積、開口面積に特に制限はなく、縦横寸法や厚み寸法、面積、開口面積を自由に選択することができる。
それら鉄筋トラス18は、ラス金網44の後面に配置され、幅方向へ所定寸法離間しつつ幅方向へ平行して並ぶとともに、上下方向へ延びている。1つのラス金網44に2つの鉄筋トラス18が配置固定されているが、1つのラス金網44に配置する鉄筋トラス18の数に特に制限はなく、ラス金網44の面積や鉄筋トラス18の大きさ等に応じてラス金網44に配置する鉄筋トラス18の数を自由に選択することができる。それら鉄筋トラス18は、1本の主筋30(上端筋)と2本(一対)の中間筋31(下端筋)と2本(一対)の第1および第2ラチス筋32a,32bとから組み立てられている。
主筋30や中間筋31、第1および第2ラチス筋32a、32bは、図1の鉄筋トラス18のそれらと同一であるから、図1と同一の符号を付すとともに、図1の説明を援用することで、主筋30や中間筋31、第1および第2ラチス筋32a,32bの説明は省略する。主筋30およびラチス筋32a,32bの凸部35、中間筋31およびラチス筋32a,32bの中間部37、ラチス筋32a,32bの凹部36の屈曲部分38およびラス金網44の凸条22は、既述の自動溶接機によるスポット溶接によって溶着(固定)されている。
鉄筋トラス18では、主筋30と中間筋31と第1および第2ラチス筋32a,32bとのうちの少なくとも1つ(好ましくは中間筋31と第1および第2ラチス筋32a,32b)が基礎16から上方へ延びる基礎鉄筋33に結束線(図示せず)によって連結されている。さらに、幅方向へ延びていて上下方向へ並ぶ複数の補強筋34(横筋やフープ筋等)が鉄筋トラス18の主筋30や中間筋31、第1および第2ラチス筋32a,32bのうちの少なくとも1つに結束線(針金)(図示せず)によって連結されている。
なお、鉄筋トラス18(主筋30)の後方(直後)には、図17に示すように、ベニヤ板等から作られた型枠46が組み上げられている。外断熱材12は、図1の外壁構造物10Aのそれと同一である。外断熱材12は、ラス金網44の前面の側(室外側)に配置され、所定の接着機能を有する発泡ウレタン45(硬質発泡ウレタンフォーム)によってラス金網44に固着されている。外断熱材12の室外側に露出する前面には、モルタル39が吹き付けられている。
それらセパレーター13は、外断熱材12および型枠46の所定の部位に設置され、外断熱材12と型枠46の間のスペース14に位置して前後方向へ延びている。セパレーター13は、互いに対向する外断熱材12と型枠46を連結し、外断熱材12と型枠46を固定する。コンクリート15は、スペース14において硬化し、鉄筋トラス18の主筋30、中間筋31、第1および第2ラチス筋32a,32b、補強筋34、基礎鉄筋33、外断熱材12、ラス金網44と一体化している。
外壁構造物10Cを使用して鉄筋コンクリート製の外壁43を施工する手順の一例を説明すると、以下のとおりである。なお、複数の鉄筋構造材11dや複数枚の外断熱材12、内装ボード19が施工現場に搬送されている。外断熱材12は、ラス金網44の大きさにあわせるため、施工現場において所定の大きさに切断される。施工現場において、ラス金網44の前(または下)に外断熱材12を配置し、鉄筋トラス18の側からラス金網44の後面に発泡ウレタン45を充填する(吹き付ける)。発泡ウレタン45には不燃性または難燃性の製品が使用されているが、不燃性や難燃性を有さない製品を使用することもできる。
発泡ウレタン45をラス金網44の後面に充填すると、発泡ウレタン45がラス金網44の開口(網目)を通過して外断熱材12に達し、硬化した発泡ウレタン45によってラス金網44と外断熱材12とが強固に固着される。外壁構造物10Cは、発泡ウレタン45によってラス金網44と外断熱材12とが固着されるから、外断熱材12を鉄筋構造材11dの外側に設置するための設置部材を別途用意する必要はなく、設置部材の節約を図ることができ、設置工程を少なくすることができる。なお、発泡ウレタン45によってラス金網44と外断熱材12とが既に固着された鉄筋構造材11dが施工現場に搬送される場合もある。
硬化した発泡ウレタン45は、ラス金網44を覆う厚み寸法を有し、その最上部がラス金網44の直上に位置している。したがって、鉄筋構造材11d(外断熱材12と型枠46との間のスペース14)にコンクリート15を打設したときの、鉄筋トラス18の主筋30、中間筋31、第1および第2ラチス筋32a,32bに対するコンクリート15の被りが確保される。
鉄筋コンクリート造住宅の基礎16を施工した後、鉄筋構造材11dの鉄筋トラス18が上下方向へ延びるように、鉄筋構造材11dを基礎16の上に載置する。外断熱材12が室外側に露出し、鉄筋トラス18が室内側に位置する。鉄筋構造材11dを幅方向へ並べた後、鉄筋構造材11dの鉄筋トラス18の主筋30や中間筋31、第1および第2ラチス筋32a,32bのうちの少なくとも1つ(好ましくは中間筋31と第1および第2ラチス筋32a,32b)を基礎16から上方へ延びる基礎鉄筋33に結束線を利用して連結するとともに、複数の補強筋34を鉄筋トラス18の主筋30や中間筋31、第1および第2ラチス筋32a,32bのうちの少なくとも1つ(好ましくは中間筋31と第1および第2ラチス筋32a,32b)に結束線を利用して連結する。
次に、鉄筋トラス18(主筋30)の直後に型枠46を組み上げる。型枠46を組み上げた後、セパレーター13を外断熱材12と型枠46の所定の部位に設置する。セパレーター13の外断熱材12の側に位置する一端部を外断熱材12に穿孔されたセパ挿通孔に挿通し、一端部に型枠緊結金具40を連結する。外断熱材12と型枠46との間のスペース14に位置するセパレーター13の一端部には、プラスチックコーンが挿通されている。一端部に連結された型枠緊結金具40を挟んでその両側に鉄やアルミ、真鍮、合金等の金属から作られた断面形状が円形の一対の丸パイプ41(単管パイプ)を配置し、型枠緊結金具40の座金42によって丸パイプ41を座金42と外断熱材12との間に固定する。
セパレーター13の型枠46の側に位置する他端部を型枠46に穿孔されたセパ挿通孔に挿通し、他端部に型枠緊結金具40(フォームタイ)を連結する。セパレーター14のスペース14に位置する他端部には、プラスチックコーンが挿通されている。他端部に連結された型枠緊結金具40を挟んでその両側に一対の丸パイプ41(単管パイプ)を配置し、型枠緊結金具40の座金42によって丸パイプ41を座金42と型枠46との間に固定する。
それらセパレーター13によって外断熱材12と型枠46とを連結した後、鉄筋構造材11d(外断熱材12と型枠46との間のスペース14)にコンクリート15を打設する。コンクリート15を所定期間養生した後、型枠緊結金具40(座金42を含む)を取り外し、型枠46を取り外す(脱型)。次に、外断熱材12の前面の全域にモルタル39を吹き付け、GLボンド等を利用して室内側に露出するコンクリートの表面に内装ボード19を貼着(内装ボード19を貼着しない打放し仕上げでもよい)して施工が終了し、鉄筋コンクリート製の外壁43が作られる。なお、2階部分の外壁を作るには、1階部分の外壁構造物10Cの頂部に2階部分の外壁構造物10Cを連結し、3階部分の外壁を作るには、2階部分の外壁構造物10Cの頂部に3階部分の外壁構造物10Cを連結する。
外壁構造物10Cは、ラス金網44と鉄筋トラス18とが引っ張りに弱いコンクリート15を補強する鉄筋となり、鉄筋構造材11dを使用することで鉄筋コンクリート製の強固な外壁43を作ることができ、高い強度を有する頑丈な外壁43を備えた戸建て住宅(建造物)を施工することができるとともに、外壁構造物10Cから作られた外壁43が高い強度を有するから、地震による激しい揺れや津波の水圧に十分に耐えることができ、地震による戸建て住宅の倒壊を防ぐことができ、津波による戸建て住宅の流失を防ぐことができる。
外壁構造物10Cは、外断熱材12と型枠46とが複数のセパレーター13によって連結されているから、鉄筋構造材11d(外断熱材12と型枠46との間のスペース14)に打設されたコンクリート15の側圧が鉄筋構造材11dや外断熱材12に作用したとしても、鉄筋構造材11dや外断熱材12に変形が生ずることはなく、セパレーター13を含む外壁構造物11dを利用することで、構造計算された設計どおりの鉄筋コンクリート製の強固な外壁43を備えた戸建て住宅(建造物)を施工することができる。
外壁構造物10Cは、鉄筋構造材11d(外断熱材12と型枠46との間のスペース14)と外断熱材12との間のスペース14に打設されたコンクリート15が優れた遮音性と優れた耐火性とを有するから、戸建て住宅(建造物)の周囲の騒音を遮断することができ、火災に強い外壁43を備えた戸建て住宅を施工することができる。さらに、鉄筋トラス18の主筋30と中間筋31と第1および第2ラチス筋32a,32bとのうちの少なくとも1つが基礎か16ら上方へ延びる基礎鉄筋33に連結されているから、戸建て住宅(建造物)の基礎16と一体になった優れた強度の外壁43を作ることができ、強い衝撃に十分に耐えることが可能な外壁43を備えた戸建て住宅を施工することができる。
図20は、他の一例として示す第2鉄筋構造材11eの斜視図であり、図21は、図20の第2鉄筋構造材11eの上面図である。図22は、コンクリート15を打設する前の外壁構造物10Dの側面図であり、図23は、コンクリート15を打設した後の外壁構造物10Dの側面図である。図24は、外壁構造物10Dによって作られた外壁43の側面図である。なお、第1鉄筋構造材11dの斜視図および上面図は、図15,16と同一に表れ、外壁構造物10Dの正面図は、図4と同一に表れるとともに、外壁構造物10Dの背面図は、図5と同一に表れる。
外壁構造物10Dは、複数の第1鉄筋構造材11dと、第1鉄筋構造材11dの内側(後方)に位置して第1鉄筋構造材11dに対向する複数の第2鉄筋構造材11eと、複数本のセパレーター13と、第1および第2鉄筋構造材11d,11eの間のスペース14に打設されたコンクリート15とから形成されている。第1および第2鉄筋構造材11d,11eは、上下方向へ長く、鉄筋コンクリート造の戸建て住宅の基礎16に連結されている。第1および第2鉄筋構造材11d,11eは、基礎16から上方へ延びるとともに、幅方向へ並んでいる。
それら第1鉄筋構造材11dは、上下方向へ延びる所定面積のラス金網44aと、ラス金網44aの後方(室内方向)に位置してラス金網44aの対向面(後面)に設置された複数の第1鉄筋トラス18aと、ラス金網44aの前方(室外方向)に位置してラス金網44aの非対向面(前面)に設置された外断熱材12とから形成されている。なお、第1鉄筋構造材11dは、図15の鉄筋構造材11dと同一である。
それら第2鉄筋構造材11eは、上下方向へ延びる所定面積のラス金網44bと、ラス金網44bの前方(室外方向)に位置してラス金網44bの対向面(前面)に設置された第2鉄筋トラス18bと、ラス金網44bの後方(室内方向)に位置してラス金網44の非対向面(後面)に設置された内装ボード19とから形成されている。第2鉄筋構造材11eのラス金網44bは、上下方向へ延びる両側縁部20と幅方向へ延びる両端縁部21とを有するとともに、対向面および非対向面を有する。ラス金網44bの両側縁部20の間には、上下方向へ延びるとともにラス金網44bの対向面から前後方向前方へ凸となる複数の凸条22が形成されている。それら凸条22は、ラス金網44bを折り曲げることから作られている。
ラス金網44bの一方の側縁部20には、第1係合部28が作られ、他方の側縁部20には、第2係合部29が作られている。第1係合部28や第2係合部29は、ラス金網44a(ラス金網44)に作られたそれらと同一である。各ラス金網44bは、一方のラス金網44bの第1係合部28に他方のラス金網44bの第2係合部29が嵌め込まれ、それら係合部28,29どうしが互いに係合することで、ラス金網44bが幅方向へつながっている。それらラス金網44bは、隣り合うラス金網44bどうしが連結された状態で幅方向へ並んでいる。
第2鉄筋トラス18bは、ラス金網44bの対向面に配置され、幅方向へ所定寸法離間しつつ幅方向へ平行して並ぶとともに、上下方向へ延びている。なお、第2鉄筋トラス18bの数に特に制限はなく、ラス金網44bの面積や鉄筋トラス18bの大きさ等に応じてラス金網44bに配置する鉄筋トラス18bの数を自由に選択することができる。第2鉄筋トラス18bは、ラス金網44bの対向面から前方へ離間して上下方向へ延びる1本の主筋30(上端筋)と、ラス金網44bと主筋30との間に位置して上下方向へ延びる2本(一対)の中間筋31(下端筋)と、ラス金網44bと主筋30との間で前後方向へ波状に曲折を繰り返しながら上下方向へ延びる2本(一対)の第1および第2ラチス筋32a,32bとから組み立てられている。
主筋30や中間筋31、第1および第2ラチス筋32a、32bは、図1の鉄筋トラス18のそれらと同一であるから、図1と同一の符号を付すとともに、図1の説明を援用することで、主筋30や中間筋31、第1および第2ラチス筋32a,32bの説明は省略する。主筋30およびラチス筋32a,32bの凸部35、中間筋31およびラチス筋32a,32bの中間部37、ラチス筋32a,32bの凹部36の屈曲部分38および鉄板ベース17a,17bの凸条22は、既述の自動溶接機によるスポット溶接によって溶着(固定)されている。
第1鉄筋トラス18aでは、主筋30と中間筋31と第1および第2ラチス筋32a,32bとのうちの少なくとも1つ(好ましくは中間筋31と第1および第2ラチス筋32a,32b)が基礎16から上方へ延びる基礎鉄筋33に結束線(図示せず)によって連結されている。第2鉄筋トラス18bでは、主筋30と中間筋31と第1および第2ラチス筋32a,32bとのうちの少なくとも1つ(好ましくは中間筋31と第1および第2ラチス筋32a,32b)が基礎16から上方へ延びる基礎鉄筋33に結束線(図示せず)によって連結されている。さらに、幅方向へ延びていて上下方向へ並ぶ複数の補強筋34(横筋やフープ筋等)が第1および第2鉄筋トラス18a,18bの主筋30や中間筋31、第1および第2ラチス筋32a,32bのうちの少なくとも1つに結束線(針金)(図示せず)によって連結されている。
外壁構造物10Dでは、幅方向へ隣り合う(隣接する)第1鉄筋トラス18aの間に第2鉄筋トラス18bが位置し、幅方向へ隣り合う(隣接する)第2鉄筋トラス18bの間に第1鉄筋トラス18aが位置している。第1鉄筋トラス18aの主筋30は、第2鉄板ベース17bと第2鉄筋トラス18bの中間筋31との間であって、幅方向へ隣り合う(隣接する)第2鉄筋トラス18bの第1ラチス筋32aと第2ラチス筋32bとの間に位置している。第1鉄筋トラス18aの主筋30と第2鉄板ベース17bとの間には、スペースが形成されている。第2鉄筋トラス18bの主筋30は、第1鉄板ベース17aと第1鉄筋トラス18aの中間筋31との間であって、幅方向へ隣り合う(隣接する)第1鉄筋トラス18aの第1ラチス筋32aと第2ラチス筋32bとの間に位置している。第2鉄筋トラス18bの主筋30と第1鉄板ベース17aとの間には、スペースが形成されている。第1鉄筋トラス18aの中間筋31は、第2鉄筋トラス18bの主筋30の側に位置し、第2鉄筋トラス18bの中間筋31は、第1鉄筋トラス18aの主筋30の側に位置している。
内装ボード19は、図1の外壁構造物10Aのそれと同一である。内装ボード19は、ラス金網44bの非対向面(後面)に配置され、所定の接着機能を有する発泡ウレタン45(硬質発泡ウレタンフォーム)によってラス金網44bに固着され、その後面(化粧面)が室内側に露出する。なお、外断熱材12の室外側に露出する前面には、モルタル39が吹き付けられている。
それらセパレーター13は、第1鉄筋構造11dおよび第2鉄筋構造材11eの所定の部位に設置され、第1鉄筋構造11dと第2鉄筋構造材11eとの間のスペース14に位置して前後方向へ延びている。セパレーター13は、互いに対向する第1鉄筋構造11dと第2鉄筋構造材11eとを連結し、第1および第2鉄筋構造材11d,11eを固定する。コンクリート15は、スペース14において硬化し、ラス金網44a,44b、第1および第2鉄筋トラス18a,18bの主筋30、中間筋31、第1および第2ラチス筋32a,32b、補強筋34、基礎鉄筋33と一体化している。
外壁構造物10Dを使用して鉄筋コンクリート製の外壁43を施工する手順の一例を説明すると、以下のとおりである。なお、複数の第1および第2鉄筋構造材11d,11eや複数枚の外断熱材12、複数枚の内装ボード19が施工現場に搬送されている。外断熱材12や内装ボード19は、ラス金網44a,44bの大きさにあわせるため、施工現場において所定の大きさに切断される。施工現場において、ラス金網44aの前(または下)に外断熱材12を配置し、第1鉄筋トラス18aの側からラス金網44aの後面に発泡ウレタン45を充填する(吹き付ける)。ラス金網44bの後(または下)に内装ボード19を配置し、第2鉄筋トラス18bの側からラス金網44bの前面に発泡ウレタン45を充填する(吹き付ける)。
発泡ウレタン45をラス金網44aの後面に充填すると、発泡ウレタン45がラス金網44aの開口(網目)を通過して外断熱材12に達し、硬化した発泡ウレタン45によってラス金網44aと外断熱材12とが強固に固着される。発泡ウレタン45をラス金網44bの前面に充填すると、発泡ウレタン45がラス金網44bの開口(網目)を通過して内装ボード19に達し、硬化した発泡ウレタン45によってラス金網44bと内装ボード19とが強固に固着される。
外壁構造物10Dは、発泡ウレタン45によってラス金網44aと外断熱材12とが固着されるから、外断熱材12を第1鉄筋構造材11dの外側に設置するための設置部材を別途用意する必要はなく、設置部材の節約を図ることができ、設置工程を少なくすることができる。発泡ウレタン45によってラス金網44bと内装ボード19とが固着されるから、内装ボード19をコンクリート15の室内面に設置するための手間を省くことができる。なお、発泡ウレタン45によってラス金網44aと外断熱材12とが既に固着された第1鉄筋構造材11dが施工現場に搬送される場合や発泡ウレタン45によってラス金網44bと内装ボード19とが既に固着された第2鉄筋構造材11eが施工現場に搬送される場合がある。
鉄筋コンクリート造住宅の基礎16を施工した後、第1および第2鉄筋構造材11d,11eの第1および第2鉄筋トラス18a,18bが上下方向へ延びるように、第1および第2鉄筋構造材11d,11eを前後方向に対向させた状態でそれら鉄筋構造材11d,11eを基礎16の上に載置する。第1鉄筋構造材11dが室外側に位置し、外断熱材12が室外側に露出し、第2鉄筋構造材11eが室内側に位置し、内装ボード19が室内側に露出する。
隣り合う一方のラス金網44aの第1係合部28と他方のラス金網44aの第2係合部29とを係合させて第1鉄筋構造材11dを幅方向へ並べ、隣り合う一方のラス金網44bの第1係合部28と他方のラス金網44bの第2係合部29とを係合させて第2鉄筋構造材11eを幅方向へ並べる。第1および第2鉄筋構造材11d,11eを幅方向へ並べた後、それら鉄筋構造材11d,11eの第1および第2鉄筋トラス18a,18bの主筋30や中間筋31、第1および第2ラチス筋32a,32bのうちの少なくとも1つ(好ましくは中間筋31と第1および第2ラチス筋32a,32b)を基礎16から上方へ延びる基礎鉄筋33に結束線を利用して連結するとともに、複数の補強筋34を第1および第2鉄筋トラス18a,18bの主筋30や中間筋31、第1および第2ラチス筋32a,32bのうちの少なくとも1つ(好ましくは中間筋31と第1および第2ラチス筋32a,32b)に結束線を利用して連結する。
次に、セパレーター13を第1鉄筋構造材11d(外断熱材12)および第2鉄筋構造材11e(内装ボード19)の所定の部位に設置する。セパレーター13の第1鉄筋構造材11dの側に位置する一端部をラス金網44aおよび外断熱材12に穿孔されたセパ挿通孔に挿通し、一端部に型枠緊結金具40(フォームタイ)を連結する。セパレーター13のスペース14に位置する一端部には、プラスチックコーンが挿通されている。一端部に連結された型枠緊結金具40を挟んでその両側に一対の丸パイプ41(単管パイプ)を配置し、型枠緊結金具40の座金42によって丸パイプ41を座金42と外断熱材12との間に固定する。
セパレーター13の第2鉄筋構造材11eの側に位置する他端部をラス金網44bおよび内装ボード19に穿孔されたセパ挿通孔に挿通し、他端部に型枠緊結金具40(フォームタイ)を連結する。セパレーター13のスペース14に位置する他端部には、プラスチックコーンが挿通されている。他端部に連結された型枠緊結金具40を挟んでその両側に一対の丸パイプ41(単管パイプ)を配置し、型枠緊結金具40の座金42によって丸パイプ41を座金42と内装ボード19との間に固定する。
それらセパレーター13によって第1鉄筋構造材11dと第2鉄筋構造材11eとを連結した後、第1および第2鉄筋構造材11d,11eの間のスペース14にコンクリート15を打設する。コンクリート15を所定期間養生した後、型枠緊結金具40(座金42を含む)を取り外し、外断熱材12の前面の全域にモルタル39を吹き付けて施工が終了し、鉄筋コンクリート製の外壁43が作られる。なお、2階部分の外壁を作るには、1階部分の外壁構造物10Dの頂部に2階部分の外壁構造物10Dを連結し、3階部分の外壁を作るには、2階部分の外壁構造物10Dの頂部に3階部分の外壁構造物10Dを連結する。
外壁構造物10Dは、第1鉄筋構造材11d(外断熱材12)と第2鉄筋構造材11e(内装ボード19)との間にコンクリート15を打設するスペース14が作られるから、ベニヤ板や桟木によってコンクリートを打設する型枠を組み立てる必要はなく、型枠を組み立てるコストや時間を省くことができ、短い工期で外壁43を作ることができる。
外壁構造物10Dは、ラス金網44a,44bと第1および第2鉄筋トラス18a,18bとが引っ張りに弱いコンクリート15を補強する鉄筋となり、第1および第2鉄筋構造材11d,11eを使用することで鉄筋コンクリート製の強固な外壁43を作ることができ、高い強度を有する頑丈な外壁43を備えた戸建て住宅(建造物)を施工することができるとともに、外壁構造物10Dから作られた外壁43が高い強度を有するから、地震による激しい揺れや津波の水圧に十分に耐えることができ、地震による戸建て住宅の倒壊を防ぐことができ、津波による戸建て住宅の流失を防ぐことができる。
外壁構造物10Dは、第1鉄筋構造材11d(外断熱材12)と第2鉄筋構造材11e(内装ボード19)とが複数のセパレーター13によって連結されているから、第1および第2鉄筋構造材11d,11eの間のスペース14に打設されたコンクリート15の側圧がそれら鉄筋構造材11d,11eに作用したとしても、第1鉄筋構造材11dや第2鉄筋構造材11eに変形が生ずることはなく、セパレーター13を含む外壁構造物10Dを利用することで、構造計算された設計どおりの鉄筋コンクリート製の強固な外壁43を備えた戸建て住宅(建造物)を施工することができる。
外壁構造物10Dは、第1および第2鉄筋構造材11d,11eの間のスペース14に打設されたコンクリート15が優れた遮音性と優れた耐火性とを有するから、戸建て住宅(建造物)の周囲の騒音を遮断することができ、火災に強い外壁43を備えた戸建て住宅を施工することができる。さらに、第1および第2鉄筋トラス18a,18bの主筋30と中間筋31と第1および第2ラチス筋32a,32bとのうちの少なくとも1つが基礎16から上方へ延びる基礎鉄筋33に連結されているから、戸建て住宅(建造物)の基礎16と一体になった優れた強度の外壁43を作ることができ、強い衝撃に十分に耐えることが可能な外壁43を備えた戸建て住宅を施工することができる。外壁構造物10Dは、ラス金網44bの後面に設置(固着)された各化粧板等の内装ボード19を内装材として利用することができるから、施工された外壁43の後面に内装材を別途設置するための内装工事を省くことができ、内装工事のための手間やコストを省くことができる。
10A 外壁構造物
10B 外壁構造物
10C 外壁構造物
10D 外壁構造物
11a 鉄筋構造材
11b 第1鉄筋構造材
11c 第2鉄筋構造材
11d 鉄筋構造材(第1鉄筋構造材)
11e 第2鉄筋構造材
12 外断熱材
13 セパレーター
14 スペース
15 コンクリート
16 基礎
17 鉄板ベース
17a 第1鉄板ベース
17b 第2鉄板ベース
18 鉄筋トラス
18a 第1鉄筋トラス
18b 第2鉄筋トラス
19 内装ボード
20 両側縁部
21 両端縁部
22 凸条(縦条)
23 連結片
24 切断線
25 折曲線
26 基端部
27 先端部
28 第1係合部
29 第2係合部
30 主筋(上端筋)
31 中間筋(下端筋)
32a 第1ラチス筋
32b 第2ラチス筋
33 基礎鉄筋
34 補強筋
35 凸部
36 凹部
37 中間部
38 屈曲部分
39 モルタル
40 型枠緊結金具(フォームタイ)
41 丸パイプ
42 座金
43 外壁
44 ラス金網
44a ラス金網
44b ラス金網
45 発泡ウレタン
46 型枠

Claims (14)

  1. 建造物の基礎に連接されて前記建造物の鉄筋コンクリート製の外壁を構成する外壁構造物において、
    前記外壁構造物が、前記建造物の基礎から上方へ延びていて該建造物の幅方向へ並ぶ複数の鉄筋構造材と、それら鉄筋構造材の外側に配置された外断熱材と、前記鉄筋構造材と前記外断熱材との間のスペースに打設されたコンクリートとから形成され、
    前記鉄筋構造材が、上下方向へ延びる所定面積の鉄板ベースと、前記鉄板ベースの前面に設置された鉄筋トラスと、前記鉄板ベースの後面に設置された内装ボードとを備え、前記鉄筋トラスが、前記鉄板ベースの前面から前方へ離間して上下方向へ延びる主筋と、前記鉄板ベースと前記主筋との間に位置して上下方向へ延びる一対の中間筋と、前記鉄板ベースと前記主筋との間で前後方向へ波状に曲折を繰り返しながら上下方向へ延びる一対の第1および第2ラチス筋とを有し、
    前記外壁構造物では、前記外断熱材が前記鉄筋トラスの主筋の直前に設置され、前記鉄筋トラスの主筋と中間筋と第1および第2ラチス筋とのうちの少なくとも1つが前記基礎から上方へ延びる基礎鉄筋に連結されていることを特徴とする外壁構造物。
  2. 前記鉄筋構造材が、前記鉄板ベースを切断して作られて該鉄板ベースの前方に向かって折り曲げられた複数の連結片を含み、前記連結片が、前記鉄板ベースにつながる基端部と、前記基端部から前方へ延びていて前記外断熱材に突き刺さる先端部とを有する請求項1に記載の外壁構造物。
  3. 前記外壁構造物が、前記鉄板ベースと前記外断熱材との間に位置して前後方向へ延びる複数のセパレーターを含み、前記鉄板ベースと前記外断熱材とが、それらセパレーターによって連結されている請求項1または請求項2に記載の外壁構造物。
  4. 前記鉄筋構造材では、前記第1および第2ラチス筋が前記主筋に当接して凸状に曲折する凸部から前記鉄板ベースに当接して凹状に曲折する凹部に向かって幅方向外方へ末広がりになり、前記第1および第2ラチス筋の凸部と前記主筋とが溶接固定され、前記第1および第2ラチス筋の中間部と前記中間筋とが溶接固定されているとともに、前記第1および第2ラチス筋の凹部と前記鉄板ベースとが溶接固定されている請求項1ないし請求項3いずれかに記載の外壁構造物。
  5. 前記鉄板ベースが、幅方向へ所定寸法離間して上下方向へ延びる複数の凸条を有し、前記第1および第2ラチス筋の凹部が、前記凸条に溶接固定されている請求項4に記載の外壁構造物。
  6. 前記第1および第2ラチス筋の凹部が、前記鉄板ベースと並行するように幅方向外方へ屈曲して該鉄板ベースの凸条の2箇所に当接する屈曲部分を有し、前記屈曲部分が、前記凸条の2箇所に溶接固定されている請求項5に記載の外壁構造物。
  7. 建造物の基礎に連接されて前記建造物の鉄筋コンクリート製の外壁を構成する外壁構造物において、
    前記外壁構造物が、前記建造物の基礎から上方へ延びていて該建造物の幅方向へ並ぶ複数の鉄筋構造材と、それら鉄筋構造材の外側に配置された外断熱材と、前記鉄筋構造材に打設されたコンクリートとから形成され、
    前記鉄筋構造材が、上下方向へ延びる所定面積のラス金網と、前記ラス金網の後面に設置された鉄筋トラスとを備え、前記鉄筋トラスが、前記ラス金網の後面から後方へ離間して上下方向へ延びる主筋と、前記ラス金網と前記主筋との間に位置して上下方向へ延びる一対の中間筋と、前記ラス金網と前記主筋との間で前後方向へ波状に曲折を繰り返しながら上下方向へ延びる一対の第1および第2ラチス筋とを有し、
    前記外壁構造物では、所定の接着機能を有する発泡ウレタンによって前記ラス金網と前記外断熱材とが固着され、前記鉄筋トラスの主筋と中間筋と第1および第2ラチス筋とのうちの少なくとも1つが前記基礎から上方へ延びる基礎鉄筋に連結されていることを特徴とする外壁構造物。
  8. 前記鉄筋構造材では、前記第1および第2ラチス筋が前記主筋に当接して凸状に曲折する凸部から前記ラス金網に当接して凹状に曲折する凹部に向かって幅方向外方へ末広がりになり、前記第1および第2ラチス筋の凸部と前記主筋とが溶接固定され、前記第1および第2ラチス筋の中間部と前記中間筋とが溶接固定されているとともに、前記第1および第2ラチス筋の凹部と前記ラス金網とが溶接固定されている請求項7に記載の外壁構造物。
  9. 前記ラス金網が、幅方向へ所定寸法離間して上下方向へ延びる複数の凸条を有し、前記第1および第2ラチス筋の凹部が、前記凸条に溶接固定されている請求項8に記載の外壁構造物。
  10. 前記第1および第2ラチス筋の凹部が、前記ラス金網と並行するように幅方向外方へ屈曲して該ラス金網の凸条の2箇所に当接する屈曲部分を有し、前記屈曲部分が、前記凸条の2箇所に溶接固定されている請求項9に記載の外壁構造物。
  11. 建造物の基礎に連接されて前記建造物の鉄筋コンクリート製の外壁を構成する外壁構造物において、
    前記外壁構造物が、前記建造物の基礎から上方へ延びていて該建造物の幅方向へ並ぶ複数の第1鉄筋構造材と、前記第1鉄筋構造材の内側に位置して該第1鉄筋構造材に対向し、前記建造物の基礎から上下方向へ延びていて該建造物の幅方向へ並ぶ複数の第2鉄筋構造材と、前記第1および第2鉄筋構造材の間のスペースに打設されたコンクリートとから形成され、
    前記第1鉄筋構造材が、上下方向へ延びる所定面積の第1鉄板ベースと、前記第1鉄板ベースの後方に位置して該第1鉄板ベースの対向面に設置された第1鉄筋トラスと、前記第1鉄板ベースの前方に位置して該第1鉄板ベースの非対向面に設置された外断熱材とを備え、前記第2鉄筋構造材が、上下方向へ延びる所定面積の第2鉄板ベースと、前記第2鉄板ベースの前方に位置して該第2鉄板ベースの対向面に設置された第2鉄筋トラスと、前記第2鉄板ベースの後方に位置して該第2鉄板ベースの非対向面に設置された内装ボードとを備え、
    前記第1鉄筋トラスが、前記第1鉄板ベースの対向面から後方へ離間して上下方向へ延びる主筋と、前記第1鉄板ベースと前記主筋との間に位置して上下方向へ延びる一対の中間筋と、前記第1鉄板ベースと前記主筋との間で前後方向へ波状に曲折を繰り返しながら上下方向へ延びる一対の第1および第2ラチス筋とを有し、
    前記第2鉄筋トラスが、前記第2鉄板ベースの対向面から前方へ離間して上下方向へ延びていて、幅方向へ隣接する前記第1鉄筋トラスの間に位置する主筋と、前記第2鉄板ベースと前記主筋との間に位置して上下方向へ延びていて、幅方向へ隣接する前記第1鉄筋トラスの間に位置して該第1鉄筋トラスの中間筋に隣接する中間筋と、幅方向へ隣接する前記第1鉄筋トラスの間に位置して前記第2鉄板ベースと前記主筋との間で前後方向へ波状に曲折を繰り返しながら上下方向へ延びる一対の第1および第2ラチス筋とを有し、
    前記外壁構造物では、前記第1鉄筋トラスの主筋と中間筋と第1および第2ラチス筋とのうちの少なくとも1つが前記基礎から上方へ延びる基礎鉄筋に連結され、前記第2鉄筋トラスの主筋と中間筋と第1および第2ラチス筋とのうちの少なくとも1つが前記基礎から上方へ延びる基礎鉄筋に連結されていることを特徴とする外壁構造物。
  12. 前記第1鉄筋構造材が、前記第1鉄板ベースを切断して作られて該第1鉄板ベースの前方に向かって折り曲げられた複数の連結片を含み、前記連結片が、前記第1鉄板ベースから前方に向かって先細りに成形されて前記外断熱材に突き刺さる請求項11に記載の外壁構造物。
  13. 建造物の基礎に連接されて前記建造物の鉄筋コンクリート製の外壁を構成する外壁構造物において、
    前記外壁構造物が、前記建造物の基礎から上方へ延びていて該建造物の幅方向へ並ぶ複数の第1鉄筋構造材と、前記第1鉄筋構造材の内側に位置して該第1鉄筋構造材に対向し、前記建造物の基礎から上下方向へ延びていて該建造物の幅方向へ並ぶ複数の第2鉄筋構造材と、前記第1および第2鉄筋構造材の間のスペースに打設されたコンクリートとから形成され、
    前記第1鉄筋構造材が、上下方向へ延びる所定面積の第1ラス金網と、前記第1ラス金網の後方に位置して該第1ラス金網の対向面に設置された第1鉄筋トラスと、前記第1ラス金網の前方に位置して該第1ラス金網の非対向面に設置された外断熱材とを備え、前記第2鉄筋構造材が、上下方向へ延びる所定面積の第2ラス金網と、前記第2ラス金網の前方に位置して該第2ラス金網の対向面に設置された第2鉄筋トラスと、前記第2ラス金網の後方に位置して該第2ラス金網の非対向面に設置された内装ボードとを備え、
    前記第1鉄筋トラスが、前記第1ラス金網の対向面から後方へ離間して上下方向へ延びる主筋と、前記第1ラス金網と前記主筋との間に位置して上下方向へ延びる一対の中間筋と、前記第1ラス金網と前記主筋との間で前後方向へ波状に曲折を繰り返しながら上下方向へ延びる一対の第1および第2ラチス筋とを有し、
    前記第2鉄筋トラスが、前記第2ラス金網の対向面から前方へ離間して上下方向へ延びていて、幅方向へ隣接する前記第1鉄筋トラスの間に位置する主筋と、前記第2ラス金網と前記主筋との間に位置して上下方向へ延びていて、幅方向へ隣接する前記第1鉄筋トラスの間に位置して該第1鉄筋トラスの中間筋に隣接する中間筋と、幅方向へ隣接する前記第1鉄筋トラスの間に位置して前記第2ラス金網と前記主筋との間で前後方向へ波状に曲折を繰り返しながら上下方向へ延びる一対の第1および第2ラチス筋とを有し、
    前記外壁構造物では、所定の接着機能を有する発泡ウレタンによって前記第1ラス金網と前記外断熱材とが固着され、前記発泡ウレタンによって前記第2ラス金網と前記内装ボードとが固着され、前記第1鉄筋トラスの主筋と中間筋と第1および第2ラチス筋とのうちの少なくとも1つが前記基礎から上方へ延びる基礎鉄筋に連結され、前記第2鉄筋トラスの主筋と中間筋と第1および第2ラチス筋とのうちの少なくとも1つが前記基礎から上方へ延びる基礎鉄筋に連結されていることを特徴とする外壁構造物。
  14. 前記外壁構造物が、前記第1鉄筋構造材と前記第2鉄筋構造材との間に位置して前後方向へ延びる複数のセパレーターを含み、前記第1鉄筋構造材と前記第2鉄筋構造材とが、それらセパレーターによって連結されている請求項11ないし請求項13いずれかに記載の外壁構造物。
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