壁鉄筋構造物10Aを形成する鉄筋トラス構造材11の一例を示す斜視図である図1等の添付の図面を参照し、本発明に係る壁鉄筋構造物の詳細を説明すると、以下のとおりである。なお、図2は、鉄筋トラス構造材11の正面図であり、図3は、一例として示す壁鉄筋構造物10Aの部分破断拡大正面図である。図4は、一例として示す壁鉄筋構造物10Aの部分破断拡大背面図であり、図5は、建築物の1階部分における壁鉄筋構造物10Aの側面図である。図6は、建築物の2階以上の部分における壁鉄筋構造物10Aの側面図である。
図1,2では、上下方向を矢印X(図1のみ)、前後方向を矢印Yで示し、幅方向を矢印Zで示す。壁鉄筋構造物10A(壁鉄筋構造物10Bを含む)は、2階以上(好ましくは、3階建て以上)の建築物(戸建て住宅や集合住宅、低層階ビル、中層階ビル、倉庫、車庫等)の壁の構築に使用される。建築物(建築物の躯体)は、壁鉄筋構造物10Aと基礎部分12と天井スラブ13(天井部分)と床スラブ14(床部分)とから構築されている。
壁鉄筋構造物10Aは、上下方向へ延びる所定面積の鉄筋トラス構造材11と、鉄筋トラス構造材11の直後に位置して上下方向へ延びる所定面積の内壁材15と、鉄筋トラス構造材11の直前に位置して上下方向へ延びる所定面積の外壁材16とから形成されている。鉄筋トラス構造材11は、上下方向へ延びる所定面積の金属ベース17と、金属ベース17の前面18に設置固定された複数の鉄筋トラス19とから形成されている。
金属ベース17は、厚みが1~3mmの鉄板であり、その平面形状が上下方向へ長い矩形(長方形)に成形されている。金属ベース17は、外壁材16に対向する略フラット(略平坦)な前面18と内壁材15に対向する略フラット(略平坦)な後面20とを有するとともに、上下方向へ延びる両側部21,22と幅方向へ延びる上下端部23,24とを有する。金属ベース17の両側部21,22の間には、幅方向へ所定間隔離間して上下方向へ延びるとともに金属ベース17の前面18から前後方向(前方)へ凸となる複数の凸条25(縦条)が形成されている。それら凸条25は、金属ベース17(鉄板)を折り曲げることから作られている。
建築物の壁の側部又は両側部に位置する金属ベース17の上端部23のうちの後記する断熱空間51に位置する部分及び建築物の壁の側部又は両側部に位置する金属ベース17の下端部24のうちの後記する断熱空間51に位置する部分には、金属ベース17を貫通する貫通孔26(空気孔)が穿孔されている。なお、金属ベース17を貫通する貫通孔26が建築物の壁の側部又は両側部に位置する金属ベース17の上端部23の断熱空間51に位置する部分と下端部24の断熱空間51に位置する部分と中央部との少なくとも1箇所に穿孔されていればよい。
金属ベース17の一方の側部21には、第1係合部27(フック)が作られ、金属ベース17の他方の側部22には、第2係合部28(フック)が作られている。第1係合部27は、金属ベース17の一方の側部21を金属ベース17の後面20に向かって折り曲げることから作られている。第2係合部28は、金属ベース17の他方の側部22を金属ベース17の前面18に向かって折り曲げることから作られている。
各金属ベース17(鉄板)は、一方の金属ベース17の第1係合部27に他方の金属ベース17の第2係合部28が嵌め込まれ、それら係合部27,28どうしが互いに係合することで、各金属ベース17が幅方向へつながっている。それら金属ベース17は、隣り合う金属ベース17どうしが連結された状態で幅方向へ並んでいる。金属ベース17の上下方向の寸法や幅方向の寸法、面積に特に制限はなく、建築物の高さや幅に応じて上下方向の寸法や幅方向の寸法、面積を自由に決定することができる。
それら鉄筋トラス19は、金属ベース17の前面18に配置され、幅方向へ所定寸法離間しつつ幅方向へ並行して並ぶとともに、上下方向へ延びている。1つの金属ベース17に2つの鉄筋トラス19が配置固定されているが、1つの金属ベース17に配置する鉄筋トラス19の数に特に制限はなく、金属ベース17の面積や鉄筋トラス19の大きさ等に応じて金属ベース17に配置する鉄筋トラス19の数を自由に決定することができる。
それら鉄筋トラス19は、1本の上端筋29と2本(一対)の下端筋30と2本(一対)の第1および第2ラチス筋31,32とから形成されている。上端筋29は、鉄を延伸した断面略円形の鉄棒から作られ、その周面に複数の節(リブ)を有する異形金属棒(異形鉄筋)が使用されている。上端筋29は、幅方向に隣り合う(隣接する)凸条25の間に位置し、金属ベース17の前面18から前方へ所定寸法離間して上下方向へ直状に延びている。各鉄筋トラス19において幅方向へ並ぶ上端筋29の上下方向の長さ寸法は略同一であり、それら上端筋29が幅方向へ所定寸法離間しつつ、幅方向へ並行して並んでいる。
それら下端筋30は、鉄を延伸した断面略円形の鉄棒から作られ、その周面に複数の節(リブ)を有する異形金属棒(異形鉄筋)が使用されている。下端筋30は、幅方向に隣り合う(隣接する)凸条25の間に位置(凸条25から内側へ所定寸法離間して位置)するとともに、それらラチス筋31,32の幅方向外方に位置し、上端筋29の側方であって上端筋29の幅方向両側に位置している。それら下端筋30は、金属ベース17の前面18から前方へ所定寸法離間して上下方向へ直状に延びている。各鉄筋トラス19において幅方向へ並ぶ下端筋30の上下方向の長さ寸法は略同一であり、それら下端筋30が幅方向へ所定寸法離間しつつ、幅方向へ並行して並んでいる。
第1および第2ラチス筋31,32は、鉄を延伸した断面略円形の鉄棒から作られ、その周面に複数の節(リブ)を有する異形金属棒(異形鉄筋)が使用されている。それらラチス筋31,32は、幅方向に隣り合う(隣接する)凸条25の間に位置(凸条25から内側へ所定寸法離間して位置)するとともに、金属ベース17の前面18と上端筋29との間に位置し、前後方向へ波状に曲折(起伏)を繰り返しながら上下方向へ延びている。それらラチス筋31,32は、上端筋29の側に位置する凸部33(上端凸部)と、金属ベース17の前面18の側に位置する凹部34(下端凹部)と、凸部33および凹部34の間において前後方向へ傾斜して延びる中間部35とを有する。
第1および第2ラチス筋31,32の前後方向へ波状に曲折を繰り返す角度は一定であり、単位長さ(たとえば1m)当たりのラチス筋31,32の曲折を繰り返す回数は同一である。ラチス筋31,32の前後方向へ波状に曲折を繰り返す角度は自由に変えることができ、その角度を調節(単位長さ当たりのラチス筋31,32の曲折を繰り返す回数を調節)することで、ラチス筋31,32の凸部33どうしの上下方向の離間寸法を調節することができ、ラチス筋31,32の凹部34どうしの上下方向の離間寸法を調節することができる。
第1および第2ラチス筋31,32は、上端筋29を挟んで幅方向へ対称型に配置されている。したがって、幅方向に並ぶそれらラチス筋31,32の凸部33どうしの位置が一致し、中間部35どうしの位置が一致しているとともに、凹部34どうしの位置が一致している。それらラチス筋31,32は、上下方向に隣り合う(隣接する)凸部33どうしの離間寸法が等しく、凸部33が上下方向へ等間隔で並んでいるとともに、上下方向に隣り合う(隣接する)凹部34どうしの離間寸法が等しく、凹部34が上下方向へ等間隔で並んでいる。
第1および第2ラチス筋31,32は、図3に示すように、金属ベース17に対して垂直ではなく、金属ベース17に対して所定角度で傾斜し、その凸部33から凹部34に向かって幅方向外方へ末広がりになっている。それらラチス筋31,32の傾斜角度について特に制限はなく、その傾斜角度を自由に変えることができる。それらラチス筋31,32の凸部33は、凸状に折り曲げられ、前方へ向かって凸となるように曲折している。それら凸部33(上端凸部)は、上端筋29の周面に当接し、凸部33のうちの上端筋29と交差する部分(交差箇所)が上端筋29にスポット溶接によって溶着(固定)されている。
第1および第2ラチス筋31,32の中間部35は、下端筋30の幅方向内方(内側)に位置し、中間部35のうちの下端筋30と交差当接する部分(交差箇所)が下端筋30にスポット溶接によって溶着(固定)されている。それらラチス筋31,32の凹部34(下端凹部)は、凹状に折り曲げられ、幅方向へ向かって凹となるように曲折しつつ、金属ベース17の前面18と並行するように幅方向外方へ折り曲げられている(幅方向外方へ屈曲している)。凹部34は、幅方向外方へ折り曲げられて幅方向へ延びる屈曲部分36を有する。
第1および第2ラチス筋31,32のそれら屈曲部分36は、幅方向外方へ向かって凸となるように弧を画き、金属ベース17の凸条25の上に位置している。屈曲部分36は、金属ベース17の凸条25と2箇所で交差当接し、凸条25と交差する部分(交差箇所)がスポット溶接によって凸条25に溶着(固定)されている。鉄筋トラス構造材11では、ラチス筋31,32の凹部34(下端凹部)が幅方向外方へ折り曲げられておらず、凹部34に屈曲部分36が作られていなくてもよい。この場合、ラチス筋31,32の凹部34が凸条25と1箇所に交差当接し、凸条25と交差する凹部34の部分(交差箇所)がスポット溶接によって凸条25に溶着(固定)される。
上端筋329や下端筋30、第1および第2ラチス筋31,32は、それらの太さについて特に制限はなく、施工する建築物(壁)の大きさや建築物(壁)に必要な強度等に合わせて上端筋29や下端筋30、ラチス筋31,32の太さを自由に変えることができる。上端筋29や下端筋30、第1および第2ラチス筋31,32は鉄から作られているが、鉄以外の金属から作ることもできる。また、上端筋29や下端筋30、ラチス筋31,32が鉄から作られている場合は、それらにメッキ等の防錆処理が施されていてもよい。
上端筋29とラチス筋31,32の凸部33(上端凸部)とのスポット溶接、下端筋30とラチス筋31,32の中間部35とのスポット溶接では、図示はしていないが、電極と移動機構とを備えた自動溶接機が使用される。自動溶接機によるスポット溶接の一例は、上端筋29およびラチス筋31,32の凸部33を各電極で挟み込み、下端筋30およびラチス筋31,32の中間部35を各電極で挟み込みつつ、それら電極で上端筋29と凸部33とを押圧するとともに、それら電極で下端筋30と中間部35とを押圧し、それら電極に所定の電流を流す(所定の電圧を印可する)。
それら電極から流れた電流は、上端筋29とラチス筋31,32の凸部33とに流れ、上端筋29および凸部33を加熱溶融するとともに、下端筋30とラチス筋31,32の中間部35とに流れ、下端筋30および中間部35を加熱溶融する。次に、それら電極が上端筋29および凸部33から離間するとともに、電極が下端筋30および中間部35から離間し、上端筋29および凸部33や下端筋30および中間部35が自然に冷却され、上端筋29と凸部33とが溶着するとともに、下端筋30と中間部35とが溶着する。上端筋29と凸部33とをスポット溶接し、下端筋30と中間部35とをスポット溶接することで、鉄筋トラス19が作られる。
金属ベース17の凸条25とラチス筋31,32の凹部34の屈曲部分36との自動溶接機によるスポット溶接による溶接の一例は、凸条25および屈曲部分36を各電極で挟み込みつつ、それら電極で凸条25と屈曲部分36とを押圧し、それら電極に所定の電流を流す(所定の電圧を印可する)。それら電極から流れた電流は、凸条25と屈曲部分36とに流れ、凸条25および屈曲部分36を加熱溶融する。次に、それら電極が凸条25および屈曲部分36から離間し、凸条25および屈曲部分36が自然に冷却され、凸条25と屈曲部分36の部分(交差箇所)とが溶着する。凸条25と屈曲部分36とをスポット溶接することで、鉄筋トラス構造材11が作られる。
内壁材15は、所定の厚みを有する板状であり、その平面形状が上下方向へ長い矩形(長方形)に成形されている。内壁材15は、金属ベース17に対向する前面37と建築物の室内に露出する後面38とを有するとともに、上下方向へ延びる両側部39,40と幅方向へ延びる上下端部41,42とを有する。内壁材15の面積(大きさ)や厚みについて特に制限はない。建築物の壁の側部又は両側部に位置する内壁材15の下端部42のうちの断熱空間51に位置する部分(建築物の室内に露出する部分)には、内壁材15を貫通する貫通孔43(空気孔)が穿孔されている。なお、内壁材15を貫通する貫通孔43が建築物の壁の側部又は両側部に位置する内壁材15の上端部41の断熱空間51に位置する部分(建築物の室内に露出する部分)と下端部42の断熱空間51に位置する部分(建築物の室内に露出する部分)と中央部との少なくとも1箇所に穿孔されていればよい。
内壁材15には、天然木化粧合板や木目合板、プリント合板等の木質系化粧ボード、ポリエステル化粧板やメラミン化粧板、タップ樹脂化粧板、特殊樹脂化粧板等の合成樹脂系化粧ボード、石膏ボード(GB-R)や化粧石膏ボード(GB-D)、不燃積層石膏ボード(GB-NC)、化粧セラミックボード、ロックウール板等の無機質系化粧ボード、後面に所定のデザインが印刷(プリント)された表面処理鋼板やアルミ化粧ボード、ステンレス化粧ボード等の金属系化粧ボードのいずれかが使用されている。
また、内壁材15には、表面材に表面処理鋼板を使用し、しん材として石膏ボード、ロックウール化粧吸音板等を張り合わせた複合ボード、表面材に表面処理鋼板を使用し、しん材として硬質プラスチックフォームを接着させた複合ボード、表面材にアルミニウム合金塗装板を使用し、しん材として石膏ボード、ロックウール化粧吸音板等を張り合わせた複合ボード、表面材にアルミニウム合金塗装板を使用し、しん材として硬質プラスチックフォームを接着させた複合ボード、表面材に塗装ステンレス鋼板を使用し、しん材として石膏ボード、ロックウール化粧吸音板などを張り合わせた複合ボード、表面材に塗装ステンレス鋼板を使用し、しん材として硬質プラスチックフォームを接着させた複合ボード等の各種の複合ボードが使用されている。なお、内壁材15として現在使用されている素材の他、将来内壁材15として開発される素材のすべてを使用することができる。
外壁材16は、所定の厚み寸法を有する板状であり、その平面形状が上下方向へ長い矩形(長方形)に成形されている。外壁材16は、建築物の室外に露出する前面44と金属ベース17に対向する後面45とを有するとともに、上下方向へ延びる両側部46,47と幅方向へ延びる上下端部48,49とを有する。外壁材16の面積(大きさ)や厚みについて特に制限はない。建築物の壁の側部又は両側部に位置する外壁材16の上端部48のうちの断熱空間51に位置する部分(建築物の室外に露出する部分)には、外壁材16を貫通する貫通孔50(空気孔)が穿孔されている。なお、外壁材16を貫通する貫通孔50が建築物の壁の側部又は両側部に位置する外壁材16の上端部48のうちの断熱空間51に位置する部分(建築物の室外に露出する部分)と下端部49のうちの断熱空間51に位置する部分(建築物の室外に露出する部分)と中央部との少なくとも1箇所に穿孔されていればよい。
外壁材16には、窯業系サイディングボードや金属系サイディングボード、樹脂系サイディングボード、木質系サイディングボード、ALC(軽量気泡コンクリート)、モルタル、塗壁、タイル等のいずれかが使用されている。なお、外壁材16として現在使用されている素材の他、将来外壁材16として開発される素材のすべてを使用することができる。
建築物の1階部分では、図5に示すように、複数の鉄筋トラス構造材11が幅方向へ並んだ状態で連結され、それら鉄筋トラス構造材11の上端部が建築物の天井部分に所定の連結手段を介して連結固定されているとともに、それら鉄筋トラス構造材11の下端部が建築物の基礎部分12に所定の連結手段を介して連結固定されている。具体的には、鉄筋トラス19の上端筋29の上端部と下端筋30の上端部と第1及び第2ラチス筋31,32の上端部とが前後方向へ折り曲げられ、それらの上端部の折曲部分が既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール、溶接等)を介して天井スラブ13(天井部分)に連結固定され、金属ベース17の上端部23が既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール、溶接等)を介して天井スラブ13(天井部分)に連結固定されている。
更に、鉄筋トラス19の上端筋29の下端部と下端筋30の下端部と第1及び第2ラチス筋31,32の下端部とが既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール、溶接等)を介して基礎部分12の基礎鉄筋(図示せず)に連結固定され、金属ベース17の下端部24が既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール、溶接等)を介して基礎部分12の基礎鉄筋に連結固定されている。
建築物の1階部分では、複数の内壁材15が幅方向へ並ぶとともに、それら内壁材15の上端部41が建築物の天井スラブ13(天井部分)に所定の連結手段を介して連結固定され、それら内壁材15の下端部42が建築物の基礎部分12に所定の連結手段を介して連結固定されている。具体的には、それら内壁材15の側部39,40どうしが既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール等)を介して連結固定され、内壁材15の上端部41が既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール等)を介して天井スラブ13(天井部分)に連結固定されているとともに、内壁材15の下端部42が既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール等)を介して建築物の基礎部分12に連結固定されている。なお、内壁材15の前面37が鉄筋トラス構造材11の金属ベース17の後面20から後方へわずかに離間しているが、内壁材15の前面37が金属ベース17の後面20に当接していてもよい。
建築物の1階部分では、複数の外壁材16が幅方向へ並ぶとともに、それら外壁材16の上端部48が建築物の天井スラブ13(天井部分)に所定の連結手段を介して連結固定され、それら外壁材16の下端部49が建築物の基礎部分12に所定の連結手段を介して連結固定されている。具体的には、それら外壁材16の側部46,47どうしが既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール等)を介して連結固定され、外壁材16の上端部48が既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール等)を介して天井スラブ13(天井部分)に連結固定されているとともに、外壁材16の下端部49が既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール等)を介して建築物の基礎部分12に連結固定されている。なお、外壁材16の後面45が鉄筋トラス構造材11のラチス筋31,32から前方へわずかに離間しているが、外壁材16の後面45がラチス筋31,32に当接していてもよい。
建築物の1階部分では、幅方向へ並ぶそれら鉄筋トラス構造材11の上端部と幅方向へ並ぶそれら内壁材15の上端部41と幅方向へ並ぶそれら外壁材16の上端部48とが天井スラブ13(天井部分)において所定の連結手段を介して互いに連結されている。具体的には、鉄筋トラス19の上端筋29の上端部と下端筋30の上端部と第1及び第2ラチス筋31,32の上端部と金属ベース17の上端部23と内壁材15の上端部41と外壁材16の上端部48とが天井スラブ13(天井部分)において既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール等)を介して互いに連結されている。
建築物の2階以上の部分では、図6に示すように、複数の鉄筋トラス構造材11が幅方向へ並んだ状態で連結され、それら鉄筋トラス構造材11の上端部が建築物の天井スラブ13(天井部分)に所定の連結手段を介して連結固定されているとともに、それら鉄筋トラス構造材11の下端部が建築物の床スラブ14(床部分)(1階の天井スラブ13又は2階以上の天井スラブ13)に所定の連結手段を介して連結固定されている。
具体的には、鉄筋トラス19の上端筋29の上端部と下端筋30の上端部と第1及び第2ラチス筋31,32の上端部とが前後方向へ折り曲げられ、それらの上端部の折曲部分が既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール、溶接等)を介して天井スラブ13(天井部分)に連結固定され、金属ベース17の上端部23が既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール、溶接等)を介して天井スラブ13(天井部分)に連結固定されている。
更に、鉄筋トラス19の上端筋29の下端部と下端筋30の下端部と第1及び第2ラチス筋31,32の下端部とが既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール、溶接等)を介して床スラブ14(床部分)に連結固定され、金属ベース17の下端部24が既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール、溶接等)を介して床スラブ14(床部分)に連結固定されている。
建築物の2階以上の部分では、複数の内壁材15が幅方向へ並ぶとともに、それら内壁材15の上端部41が建築物の天井スラブ13(天井部分)に所定の連結手段を介して連結固定され、それら内壁材15の下端部42が建築物の床スラブ14(床部分)(1階の天井スラブ13又は2階以上の天井スラブ13)に所定の連結手段を介して連結固定されている。
具体的には、それら内壁材15の側部どうしが既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントレール等)を介して連結固定され、内壁材15の上端部41が既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール等)を介して天井スラブ13(天井部分)に連結固定されているとともに、内壁材15の下端部42が既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール等)を介して建築物の床スラブ14(床部分)に連結固定されている。なお、内壁材15の前面37が鉄筋トラス構造材11の金属ベース17の後面20から後方へわずかに離間しているが、内壁材15の前面37が金属ベース17の後面20に当接していてもよい。
建築物の2階以上の部分では、複数の外壁材16が幅方向へ並ぶとともに、それら外壁材16の上端部48が建築物の天井スラブ13(天井部分)に所定の連結手段を介して連結固定され、それら外壁材16の下端部49が床スラブ14(床部分)(1階の天井スラブ13又は2階以上の天井スラブ13)に所定の連結手段を介して連結固定されている。
具体的には、それら外壁材16の側部46,47どうしが既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール等)を介して連結固定され、外壁材16の上端部48が既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール等)を介して天井スラブ13(天井部分)に連結固定されているとともに、外壁材16の下端部49が既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール等)を介して建築物の床スラブ14(床部分)に連結固定されている。なお、外壁材16の後面45が鉄筋トラス構造材11のラチス筋31,32から前方へわずかに離間しているが、外壁材16の後面45がラチス筋31,32に当接していてもよい。
建築物の2階以上の部分では、幅方向へ並ぶそれら鉄筋トラス構造材11の上端部と幅方向へ並ぶそれら内壁材15の上端部41と幅方向へ並ぶそれら外壁材16の上端部48とが天井スラブ13(天井部分)において所定の連結手段を介して互いに連結され、幅方向へ並ぶそれら鉄筋トラス構造材11の下端部と幅方向へ並ぶそれら内壁材15の下端部42と幅方向へ並ぶそれら外壁材16の下端部49とが床スラブ14(床部分)(1階の天井スラブ13又は2階以上の天井スラブ13)において所定の連結手段を介して互いに連結されている。
具体的には、鉄筋トラス19の上端筋29の上端部と下端筋30の上端部と第1及び第2ラチス筋31,32の上端部と金属ベース17の上端部23と内壁材15の上端部41と外壁材16の上端部48とが既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール等)を介して互いに連結され、鉄筋トラス19の上端筋29の下端部と下端筋30の下端部と第1及び第2ラチス筋31,32の下端部と金属ベース17の下端部24と内壁材15の下端部42と外壁材16の下端部49とが既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール等)を介して互いに連結されている。
建築物の壁(壁鉄筋構造物)においてそれら鉄筋トラス構造材11の金属ベース17とそれら外壁材16との間には、所定容積の断熱空間51が画成されている。断熱空間51の全域には、チップ状の複数の断熱材52が密集状態で収容されている。なお、断熱材52としては、チップ状の押出発泡ポリスチレンフォーム(スタイロフォーム)(登録商標)(発泡プラスチック)やチップ状のビーズ法発泡ポリスチレンフォーム(発泡プラスチック)が使用されている。断熱材52には、ポリプロピレンフォーム、ウレタンフォーム、フェノールフォーム、PET樹脂発泡体等(発泡プラスチック)、グラスウール、ロックウール、セルロースファイバー、羊毛断熱材を使用することもできる。
壁鉄筋構造物10Aは、それら鉄筋トラス構造材11の金属ベース17とそれら外壁材16との間に画成された断熱空間51にチップ状の複数の断熱材52が密集状態で収容されることで、壁鉄筋構造物10Aによって作られた壁が優れた断熱性能を有するから、高気密、高断熱の壁を備えた建築物を施工することができ、冷暖房効率が高い建築物を施工することができる。壁鉄筋構造物10Aは、チップ状の複数の断熱材52を断熱空間51の全域に収容することで、壁鉄筋構造物10A自体が断熱機能を有するから、断熱材を別途設置するための断熱材施工工事を省くことができ、断熱材施工工事のための手間やコストを省くことができる。
壁鉄筋構造物10Aでは、内壁材16に穿孔された貫通孔43(空気孔)が金属ベース17の後面20(断熱空間51)と建築物の室内とに連通し、金属ベース17に穿孔された貫通孔26(空気孔)が内壁材16の前面37と断熱空間51とに連通し、外壁材16に穿孔された貫通孔50(空気孔)が断熱空間51と建築物の室外とに連通している。室内の空気は、内壁材16の貫通孔43及び金属ベース17の貫通孔26を通って断熱空間51に流入し、断熱空間51から外壁材16の貫通孔50を通って室外に排気される。また、室外の空気(外気)は、外壁材16の貫通孔50を通って断熱空間51に流入し、断熱空間51から金属ベース17の貫通孔26及び内壁材15の貫通孔43を通って室内に給気される。
壁鉄筋構造物10Aは、貫通孔43を内壁材15の下端部42の断熱空間51に位置する部分、外壁材16の上端部48の断熱空間51に位置する部分、金属ベース17の上下端部23,24の断熱空間51に位置する部分に穿孔することにより、建築物の内部の空気が内壁材15や外壁材16の貫通孔43,50、金属ベース17の貫通孔26、断熱空間51(壁)を通って建築物の外部に排気され、建築物の外部の空気が内壁材15や外壁材16の貫通43,50孔、金属ベース17の貫通孔26、断熱空間51(壁)を通って建築物の内部に給気されるから、建築物の外部に建築物の内部の汚れた空気を内壁材15や外壁材16の貫通孔43,50、金属ベース17の貫通孔26、断熱空間51(壁)を介して排出することができ、建築物の内部に新鮮な外気を内壁材15や外壁材16の貫通孔43,50、金属ベース17の貫通孔26、断熱空間51(壁)を介して取り入れることができる。壁鉄筋構造物10Aは、壁(壁鉄筋構造物10Aに画成された断熱空間51を空気が通流するから、断熱空間51(壁)が高湿度になることはなく、断熱空間51における結露の発生を防ぐことができるとともに、断熱空間51におけるカビや雑菌の発生を防ぐことができる。
壁鉄筋構造物10Aは、それが上下方向へ延びる所定面積の鉄筋トラス構造材11と鉄筋トラス構造材11の直後に位置して上下方向へ延びる所定面積の内壁材15と鉄筋トラス構造材11の直前に位置して上下方向へ延びる所定面積の外壁材16とから形成され、建築物の1階部分において、複数の鉄筋トラス構造材11が幅方向へ並んだ状態で連結され、それら鉄筋トラス構造材11の上端部(鉄筋トラス191上端筋29の上端部、下端筋30の上端部、第1及び第2ラチス筋31,32の上端部、金属ベース17の上端部23)が建築物の天井スラブ13(天井部分)に所定の連結手段を介して連結固定されているとともに、それら鉄筋トラス構造材11の下端部(鉄筋トラス19の上端筋29の下端部、下端筋30の下端部、第1及び第2ラチス筋31,32の下端部、金属ベース17の下端部24)が建築物の基礎部分12に所定の連結手段を介して連結固定され、建築物の2階以上の部分において、複数の鉄筋トラス構造材11が幅方向へ並んだ状態で連結され、それら鉄筋トラス構造材11の上端部(鉄筋トラス19の上端筋29の上端部、下端筋30の上端部、第1及び第2ラチス筋31,32の上端部、金属ベース17の上端部23)が建築物の天井スラブ13(天井部分)に所定の連結手段を介して連結固定されているとともに、それら鉄筋トラス構造材11の下端部(鉄筋トラス19の上端筋29の下端部、下端筋30の下端部、第1及び第2ラチス筋31,32の下端部、金属ベース17の下端部24)が建築物の床スラブ14(床部分)に所定の連結手段を介して連結固定され、更に、鉄筋トラス構造材11と内壁材15と外壁材16とが連結手段によって互いに連結されているから、壁鉄筋構造物材10Aに曲げ引張力や曲げ圧縮力、せん断力が作用したとしても、それら鉄筋トラス構造材11やそれら内壁材15、それら外壁材16によってそれらの外力に十分に抵抗することでき、高い強度を有する頑丈な壁を備えた建築物を施工することができる。
壁鉄筋構造物10Aは、それから作られた建築物の壁が高い強度を有するから、地震による激しい揺れに十分耐えることができるとともに、津波の水圧に十分に耐えることができ、地震による建造物の倒壊を防ぐことが可能であって津波による建造物の流失を防ぐことが可能な建築物を施工することができる。また、それら鉄筋トラス構造材11が不燃性であるから、火災に強い壁を備えた建築物を施工することができる。壁鉄筋構造物10Aは、鉄筋の配筋作業や型枠の組立作業、型枠の取り外し作業をする必要はなく、短い工期で壁を構築することができるとともに、鉄筋の配筋技術や型枠の組立技術を必要とせず、鉄筋の配筋技術を備えた鉄筋工や型枠の組立技術を備えた型枠工以外の作業者でも壁を施工することができる。
図7は、他の一例として示す壁鉄筋構造物10Bの部分破断拡大正面図であり、図8は、他の一例として示す壁鉄筋構造物10Bの部分破断拡大背面図である。図9は、建築物の1階部分における壁鉄筋構造物10Bの側面図であり、図10は、建築物の2階以上の部分における壁鉄筋構造物10Bの側面図である。建築物(建築物の躯体)は、壁鉄筋構造物10Bと基礎部分12と天井スラブ13(天井部分)と床スラブ14(床部分)とから構築されている。
壁鉄筋構造物10Bは、上下方向へ延びる所定面積の第1鉄筋トラス構造材11aと、第1鉄筋トラス構造材11aに対向しつつ第1鉄筋トラス構造材11aの内側に位置して上下方向へ延びる所定面積の第2鉄筋トラス構造材11bと、第1鉄筋トラス構造材11aの直後に位置して上下方向へ延びる所定面積の内壁材15と、第2鉄筋トラス構造材11bの直後に位置して上下方向へ延びる所定面積の外壁材16とから形成されている。
第1鉄筋トラス構造材11aは、上下方向へ延びる所定面積の第1金属ベース17a(鉄板)と、第1金属ベース17aの対向面18(前面)に設置固定された複数の第1鉄筋トラス19aとから形成されている。第1金属ベース17aは、第2鉄筋トラス構造材11bに対向する略フラット(略平坦)な対向面18(前面)と内壁材15に対向する略フラット(略平坦)な非対向面20(後面)とを有するとともに、上下方向へ延びる両側部21,22と幅方向へ延びる上下端部23,24とを有する。第1金属ベース17aの両側部21,22の間には、幅方向へ所定間隔離間して上下方向へ延びるとともに第1金属ベース17aの対向面18(前面)から前後方向(前方)へ凸となる複数の凸条25(縦条)が形成されている。
建築物の壁の側部又は両側部に位置する第1金属ベース17aの下端部24のうちの断熱空間51に位置する部分には、第1金属ベース17aを貫通する貫通孔26(空気孔)が穿孔されている。なお、第1金属ベース17aを貫通する貫通孔26が建築物の壁の側部又は両側部に位置する第1金属ベース17aの上端部23の断熱空間51に位置する部分と下端部24の断熱空間51に位置する部分と中央部との少なくとも1箇所に穿孔されていればよい。各第1金属ベース17a(鉄板)は、一方の第1金属ベース17aの第1係合部27(フック)に他方の第1金属ベース17aの第2係合部28(フック)が嵌め込まれ、それら係合部27,28どうし(フックどうし)が互いに係合することで、各第1金属ベース17aが幅方向へつながっている。それら第1金属ベース17aは、隣り合う第1金属ベース17aどうしが連結された状態で幅方向へ並んでいる。
それら第1鉄筋トラス19aは、第1金属ベース17aの対向面18(前面)に配置され、幅方向へ所定寸法離間しつつ幅方向へ並行して並ぶとともに、上下方向へ延びている。第1鉄筋トラス19aは、1本の上端筋29と2本(一対)の下端筋30と2本(一対)の第1および第2ラチス筋31,32とから形成されている。上端筋29や下端筋30、第1および第2ラチス筋31,32は、図1の鉄筋トラス構造材11の鉄筋トラス19のそれらと同一である。第1および第2ラチス筋31,32のそれら屈曲部分36は、第1金属ベース17aの凸条25と2箇所で交差当接し、凸条25と交差する部分(交差箇所)がスポット溶接によって凸条25に溶着(固定)されている。
第2鉄筋トラス構造材11b、上下方向へ延びる所定面積の第2金属ベース17b(鉄板)と、第2金属ベース17bの対向面20(後面)に設置固定された複数の第2鉄筋トラス19bとから形成されている。第2金属ベース17bは、第1鉄筋トラス構造材11aに対向する略フラット(略平坦)な対向面20(後面)と外壁材16に対向する略フラット(略平坦)な非対向面18(前面)とを有するとともに、上下方向へ延びる両側部21,22と幅方向へ延びる上下端部23,24とを有する。第2金属ベース17bの両側部21,22の間には、幅方向へ所定間隔離間して上下方向へ延びるとともに第2金属ベース17bの対向面20(後面)から前後方向(後方)へ凸となる複数の凸条25(縦条)が形成されている。
建築物の壁の側部又は両側部に位置する第2金属ベース17bの上端部23のうちの断熱空間51に位置する部分には、第2金属ベース17bを貫通する貫通孔26(空気孔)が穿孔されている。なお、第2金属ベース17bを貫通する貫通孔26が建築物の壁の側部又は両側部に位置する第2金属ベース17bの上端部23の断熱空間51に位置する部分と下端部24の断熱空間51に位置する部分と中央部との少なくとも1箇所に穿孔されていればよい。各第2金属ベース17b(鉄板)は、一方の第2金属ベース17bの第1係合部28(フック)に他方の第2金属ベース17bの第2係合部29(フック)が嵌め込まれ、それら係合部27,28どうし(フックどうし)が互いに係合することで、各第2金属ベース17bが幅方向へつながっている。それら第2金属ベース17bは、隣り合う第2金属ベース17bどうしが連結された状態で幅方向へ並んでいる。
それら第2鉄筋トラス19bは、第2金属ベース17bの対向面20(後面)に配置され、幅方向へ所定寸法離間しつつ幅方向へ並行して並ぶとともに、上下方向へ延びている。第2鉄筋トラス19bは、1本の上端筋29と2本(一対)の下端筋30と2本(一対)の第1および第2ラチス筋31,32とから形成されている。上端筋29や下端筋30、第1および第2ラチス筋31,32は、図1の鉄筋トラス構造材11の鉄筋トラス19のそれらと同一である。第1および第2ラチス筋31,32のそれら屈曲部分36は、第2金属ベース17bの凸条25と2箇所で交差当接し、凸条25と交差する部分(交差箇所)がスポット溶接によって凸条25に溶着(固定)されている。
内壁材15は、図1のそれと同一であり、建築物の室内に露出する。内壁材15は、第1金属ベース17aに対向する前面37と建築物の室内に露出する後面38とを有するとともに、上下方向へ延びる両側部39,40と幅方向へ延びる上下端部41,42とを有する。建築物の壁の側部又は両側部に位置する内壁材15の下端部42のうちの断熱空間51に位置する部分(建築物の室内に露出する部分)には、内壁材15を貫通する貫通孔43(空気孔)が穿孔されている。
外壁材16は、図1のそれと同一であり、建築物の外側に露出する。外壁材16は、第2金属ベース17bに対向する後面45と建築物の室外に露出する前面44とを有するとともに、上下方向へ延びる両側部46,47と幅方向へ延びる上下端部48,49とを有する。建築物の壁の側部又は両側部に位置する外壁材16の上端部48のうちの断熱空間51に位置する部分(建築物の室外に露出する部分)には、外壁材16を貫通する貫通孔50(空気孔)が穿孔されている。
建築物の1階部分では、図9に示すように、複数の第1鉄筋トラス構造材11aが幅方向へ並んだ状態で連結され、n第1鉄筋トラス構造材11aに対向して複数の第2鉄筋トラス構造材11bが幅方向へ並んだ状態で連結され、それら第1及び第2鉄筋トラス構造材11a,11bの上端部が建築物の天井スラブ13(天井部分)に所定の連結手段を介して連結固定されているとともに、それら第1及び第2鉄筋トラス構造材11a,11bの下端部が建築物の基礎部分12に所定の連結手段を介して連結固定されている。
具体的には、第1及び第2鉄筋トラス19a,19bの上端筋29の上端部と下端筋30の上端部と第1及び第2ラチス筋31,32の上端部とが前後方向へ折り曲げられ、それらの上端部の折曲部分が既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール、溶接等)を介して天井スラブ13(天井部分)に連結固定され、第1及び第2金属ベース17a,17bの上端部が既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール、溶接等)を介して天井スラブ13(天井部分)に連結固定されている。
更に、第1及び第2鉄筋トラス19a,19bの上端筋29の下端部と下端筋30の下端部と第1及び第2ラチス筋31,32の下端部とが既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール、溶接等)を介して基礎部分12の基礎鉄筋に連結固定され、第1及び第2金属ベース17a,17bの下端部24が既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール、溶接等)を介して基礎部分12の基礎鉄筋に連結固定されている。
建築物の1階部分におけるそれら内壁材15の連結は、図1の内壁材15のそれと同一である。内壁材15の前面37が第1鉄筋トラス構造材11aの第1金属ベース17aの非対向面20(後面)から後方へわずかに離間しているが、内壁材15の前面37が第1金属ベース17aの非対向面20に当接していてもよい。建築物の1階部分におけるそれら外壁材16の連結は、図1の外壁材16のそれと同一である。外壁材16の後面45が第2鉄筋トラス構造材11bの第2金属ベース17bの非対向面18(前面)から前方へわずかに離間しているが、外壁材16の後面45が第2金属ベース17bの非対向面18に当接していてもよい。
建築物の1階部分では、幅方向へ並ぶそれら第1及び第2鉄筋トラス構造材11a,11bの上端部と幅方向へ並ぶそれら内壁材15の上端部と幅方向へ並ぶそれら外壁材16の上端部とが天井スラブ13(天井部分)において所定の連結手段を介して互いに連結されている。具体的には、第1及び第2鉄筋トラス19a,19bの上端筋29の上端部と下端筋30の上端部と第1及び第2ラチス筋31,32の上端部と第1及び第2金属ベース17a,17bの上端部と内壁材15の上端部41と外壁材16の上端部48とが天井スラブ13(天井部分)において既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール、溶接等)を介して互いに連結されている。
建築物の2階以上の部分では、図10に示すように、複数の第1鉄筋トラス構造材11aが幅方向へ並んだ状態で連結され、複数の第2鉄筋トラス構造材11bが幅方向へ並んだ状態で連結され、それら第1及び第2鉄筋トラス構造材11a,11bの上端部が建築物の天井スラブ13(天井部分)に所定の連結手段を介して連結固定されているとともに、それら第1及び第2鉄筋トラス構造材11a,11bの下端部が建築物の床スラブ14(床部分)(1階の天井スラブ13又は2階以上の天井スラブ13)に所定の連結手段を介して連結固定されている。
具体的には、第1及び第2鉄筋トラス19a,19bの上端筋29の上端部と下端筋30の上端部と第1及び第2ラチス筋31,32の上端部とが前後方向へ折り曲げられ、それらの上端部の折曲部分が既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール、溶接等)を介して天井スラブ13(天井部分)に連結固定され、第1及び第2金属ベース17a,17bの上端部23が既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール、溶接等)を介して天井スラブ13(天井部分)に連結固定されている。
更に、第1及び第2鉄筋トラス19a,19bの上端筋29の下端部と下端筋30の下端部と第1及び第2ラチス筋31,32の下端部とが既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール、溶接等)を介して床スラブ14(床部分)に連結固定され、第1及び第2金属ベース17a,17bの下端部24が既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール、溶接等)を介して床スラブ14(床部分)に連結固定されている。
建築物の2階以上の部分におけるそれら内壁材15の連結は、図1の内壁材15のそれと同一である。内壁材15の前面37が第1鉄筋トラス構造材11aの第1金属ベース17aの非対向面20(後面)から後方へわずかに離間しているが、内壁材15の前面37が第1金属ベース17aの非対向面20に当接していてもよい。建築物の2階以上の部分におけるそれら外壁材16の連結は、図1の外壁材16のそれと同一である。外壁材16の後面45が第2鉄筋トラス構造材11bの第2金属ベース17bの非対向面18(前面)から前方へわずかに離間しているが、外壁材16の後面45が第2金属ベース17bの非対向面18に当接していてもよい。
建築物の2階以上の部分では、幅方向へ並ぶそれら第1及び第2鉄筋トラス構造材11a,11bの下端部と幅方向へ並ぶそれら内壁材15の下端部42と幅方向へ並ぶそれら外壁材16の下端部49とが床部分(1階の天井部分又は2階以上の天井部分)において所定の連結手段を介して互いに連結されている。具体的には、第1及び第2鉄筋トラス19a,19bの上端筋29の下端部と下端筋30の下端部と第1及び第2ラチス筋31,32の下端部と第1及び第2金属ベース17a,17bの下端部24と内壁材15の下端部42と外壁材16の下端部49とが床スラブ14(床部分)において既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール、溶接等)を介して互いに連結されている。
建築物の2階以上の部分では、幅方向へ並ぶそれら第1及び第2鉄筋トラス構造材11a,11bの上端部と幅方向へ並ぶそれら内壁材15の上端部41と幅方向へ並ぶそれら外壁材16の上端部48とが天井スラブ13(天井部分)において所定の連結手段を介して互いに連結されている。具体的には、第1及び第2鉄筋トラス19a,19bの上端筋29の上端部と下端筋30の上端部と第1及び第2ラチス筋31,32の上端部と第1及び第2金属ベース17a,17bの上端部と内壁材15の上端部41と外壁材16の上端部48とが天井スラブ13(天井部分)において既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール、溶接等)を介して互いに連結されている。
建築物の1階部分及び2階以上の部分では、第1鉄筋トラス構造材11aと第2鉄筋トラス構造材11bとが前後方向へ対向し、第1鉄筋トラス19aの間に第2鉄筋トラス19bが位置し、第2鉄筋トラス19bの間に第1鉄筋トラス11aが位置している。第1鉄筋トラス11aの上端筋29は、第2金属ベース17bと第2鉄筋トラス19bの下端筋30との間に位置するとともに、幅方向へ隣り合う(隣接する)第2鉄筋トラス19bの第1ラチス筋と第2ラチス筋31,32との間に位置し、第2鉄筋トラス19bの第1及び第2ラチス筋31,32に対向している。第1鉄筋トラス19aの上端筋29は、第2金属ベース17bの対向面20から後方に離間している。
第1鉄筋トラス19aの下端筋30は、幅方向へ隣り合う(隣接する)第2鉄筋トラス19bの第1ラチス筋31と第2ラチス筋32との間に位置し、第2鉄筋トラス19bの第1及び第2ラチス筋31,32に対向している。第1鉄筋トラス19aの第1ラチス筋31は、幅方向へ隣り合う(隣接する)第2鉄筋トラス19bの第1ラチス筋31と第2ラチス筋32との間に位置し、第2鉄筋トラス19bの第1及び第2ラチス筋31,32に対向している。第1鉄筋トラス19aの第2ラチス筋32は、幅方向へ隣り合う(隣接する)第2鉄筋トラス19bの第1ラチス筋31と第2ラチス筋32との間に位置し、第2鉄筋トラス19bの第1及び第2ラチス筋31,32に対向している。
第2鉄筋トラス19bの上端筋29は、第1金属ベース17aと第1鉄筋トラス19aの下端筋30との間に位置するとともに、幅方向へ隣り合う(隣接する)第1鉄筋トラス19aの第1ラチス筋31と第2ラチス筋32との間に位置し、第1鉄筋トラス19aの第1及び第2ラチス筋31,32に対向している。第2鉄筋トラス19bの上端筋29は、第1金属ベース17aの対向面18から前方に離間している。第2鉄筋トラス19bの下端筋30は、幅方向へ隣り合う(隣接する)第1鉄筋トラス19aの第1ラチス筋31と第2ラチス筋32との間に位置し、第1鉄筋トラス19aの第1及び第2ラチス筋31,32に対向している。第2鉄筋トラス19bの第1ラチス筋31は、幅方向へ隣り合う(隣接する)第1鉄筋トラス19aの第1ラチス筋31と第2ラチス筋32との間に位置し、第1鉄筋トラス19aの第1及び第2ラチス筋31,32に対向している。第2鉄筋トラス19bの第2ラチス筋32は、幅方向へ隣り合う(隣接する)第1鉄筋トラス19aの第1ラチス筋31と第2ラチス筋32との間に位置し、第1鉄筋トラス19aの第1及び第2ラチス筋31,32に対向している。
建築物の壁(壁鉄筋構造物)においてそれら第1鉄筋トラス構造材11aの第1金属ベース17aの対向面18とそれら第2鉄筋トラス構造材11bの第2金属ベース17bの対向面20との間には、所定容積の断熱空間51が画成されている。断熱空間51の全域には、チップ状の複数の断熱材52が密集状態で収容されている。断熱材52は、図1の壁鉄筋構造物10Aのそれと同一である。
壁鉄筋構造物10Bは、それら第1鉄筋トラス構造材11aの第1金属ベース17aの対向面18とそれら第2鉄筋トラス構造材11bの第2金属ベース17bの対向面20との間に画成された断熱空間51にチップ状の複数の断熱材52が密集状態で収容されることで、壁鉄筋構造物10Bによって作られた壁が優れた断熱性能を有するから、高気密、高断熱の壁を備えた建築物を施工することができ、冷暖房効率が高い建築物を施工することができる。壁鉄筋構造物10Bは、チップ状の複数の断熱材52を断熱空間51の全域に収容することで、壁鉄筋構造物10B自体が断熱機能を有するから、断熱材を別途設置するための断熱材施工工事を省くことができ、断熱材施工工事のための手間やコストを省くことができる。
壁鉄筋構造物10Bでは、内壁材15に穿孔された貫通孔43(空気孔)が第1金属ベース17aの非対抗面20(断熱空間51)と建築物の室内とに連通し、第1金属ベース17aに穿孔された貫通孔26(空気孔)が内壁材15の前面37と断熱空間51とに連通し、第2金属ベース17bに穿孔された貫通孔26(空気孔)が断熱空間51と外壁材16の後面45とに連通しているとともに、外壁材16に穿孔された貫通孔50(空気孔)が第2金属ベース17bの非対向面44(断熱空間51)と建築物の室外とに連通している。室内の空気は、内壁材15の貫通孔43及び第1金属ベース17aの貫通孔26を通って断熱空間51に流入し、断熱空間51から第2金属ベース17bの貫通孔26及び外壁材16の貫通孔50を通って室外に排気される。また、室外の空気(外気)は、外壁材16の貫通孔50及び第2金属ベース17bの貫通孔26を通って断熱空間51に流入し、断熱空間51から第1金属ベース17aの貫通孔26及び内壁材15の貫通孔43を通って室内に給気される。
壁鉄筋構造物10Bは、貫通孔43を内壁材15の下端部42の断熱空間51に位置する部分、外壁材16の上端部48の断熱空間51に位置する部分、第1金属ベース17aの下端部24の断熱空間51に位置する部分、第2金属ベース17bの上端部23の断熱空間51に位置する部分に穿孔することにより、建築物の内部の空気が内壁材15や外壁材16の貫通孔43,50、第1及び第2金属ベース17a,17bの貫通孔26、断熱空間51を通って建築物の外部に排気され、建築物の外部の空気が内壁材16や外壁材15の貫通孔43,50、第1及び第2金属ベース17a,17bの貫通孔26、断熱空間51を通って建築物の内部に給気されるから、建築物の外部に建築物の内部の汚れた空気を内壁材15や外壁材16の貫通孔43,50、第1及び第2金属ベース17a.17bの貫通孔26、断熱空間51を介して排出することができ、建築物の内部に新鮮な外気を内壁材15や外壁材16の貫通孔43,50、第1及び第2金属ベース17a,17bの貫通孔26、断熱空間51を介して取り入れることができる。壁鉄筋構造物10Bは、断熱空間51を空気が通流するから、断熱空間51が高湿度になることはなく、断熱空間51(建築物)における結露の発生を防ぐことができるとともに、断熱空間51(建築物)におけるカビや雑菌の発生を防ぐことができる。
壁鉄筋構造物10Bは、それが上下方向へ延びる所定面積の第1鉄筋トラス構造材11aと第1鉄筋トラス構造材11aに対向しつつ第1鉄筋トラス構造材11aの内側に位置して上下方向へ延びる所定面積の第2鉄筋トラス構造材11bと第1鉄筋トラス構造材11aの直後に位置して上下方向へ延びる所定面積の内壁材15と第2鉄筋トラス構造材11bの直前に位置して上下方向へ延びる所定面積の外壁材16とから形成され、建築物の1階部分において、複数の第1鉄筋トラス構造材11aが幅方向へ並んだ状態で連結され、複数の第2鉄筋トラス構造材11bが幅方向へ並んだ状態で連結され、それら第1及び第2鉄筋トラス構造材11a,11bの上端部(第1及び第2鉄筋トラス19a,19bの上端筋29の上端部、下端筋30の上端部、第1及び第2ラチス筋31,32の上端部、第1及び第2金属ベース17a,17bの上端部23)が建築物の天井スラブ13(天井部分)に所定の連結手段を介して連結固定されているとともに、それら第1及び第2鉄筋トラス構造材11a,11bの下端部(第1及び第2鉄筋トラス19a,19bの上端筋29の下端部、下端筋30の下端部、第1及び第2ラチス筋31,32の下端部、第1及び第2金属ベース17a,17bの下端部24)が建築物の基礎部12分に所定の連結手段を介して連結固定され、建築物の2階以上の部分において、複数の第1鉄筋トラス構造材11aが幅方向へ並んだ状態で連結され、複数の第2鉄筋トラス構造材11bが幅方向へ並んだ状態で連結され、それら第1及び第2鉄筋トラス構造材11a,11bの上端部(第1及び第2鉄筋トラス19a,19bの上端筋29の上端部、下端筋30の上端部、第1及び第2ラチス筋31,32の上端部、第1及び第2金属ベース17a,17bの上端部)が建築物の天井スラブ13(天井部分)に所定の連結手段を介して連結固定されているとともに、それら第1及び第2鉄筋トラス構造材11a,11bの下端部(第1及び第2鉄筋トラス19a,19bの上端筋29の下端部、下端筋30の下端部、第1及び第2ラチス筋31,32の下端部、第1及び第2金属ベース17a,17bの下端部)が建築物の床スラブ14(床部分)に所定の連結手段を介して連結固定され、更に、第1及び第2鉄筋トラス構造材11a,11bと内壁材15と外壁材16とが連結手段によって互いに連結されているから、壁鉄筋構造物材10Bに曲げ引張力や曲げ圧縮力、せん断力が作用したとしても、それら第1及び第2鉄筋トラス構造材11a,11bによってそれらの外力に十分に抵抗することでき、高い強度を有する頑丈な壁を備えた建築物を施工することができる。
壁鉄筋構造物10Bは、それから作られた建築物の壁が高い強度を有するから、地震による激しい揺れに十分耐えることができるとともに、津波の水圧に十分に耐えることができ、地震による建造物の倒壊を防ぐことが可能であって津波による建造物の流失を防ぐことが可能な建築物を施工することができる。また、それら第1及び第2鉄筋トラス構造材11a,11bが不燃性であるから、火災に強い壁を備えた建築物を施工することができる。壁鉄筋構造物10Bは、鉄筋の配筋作業や型枠の組立作業、型枠の取り外し作業をする必要はなく、短い工期で壁を構築することができるとともに、鉄筋の配筋技術や型枠の組立技術を必要とせず、鉄筋の配筋技術を備えた鉄筋工や型枠の組立技術を備えた型枠工以外の作業者でも壁を施工することができる。
図11は、建築物の1階部分における壁鉄筋構造物10Aと天井鉄筋構造物53との側面図であり、図12は、建築物の2階以上の部分における壁鉄筋構造物10Aと天井鉄筋構造物53との側面図である。建築物(建築物の躯体)は、壁鉄筋構造物10Aと基礎部分12と天井鉄筋構造物53(天井スラブ13(天井部分)及び床スラブ14(床部分))とから構築されている。
壁鉄筋構造物10Aは、上下方向へ延びる所定面積の鉄筋トラス構造材11と、鉄筋トラス構造材11の直後に位置して上下方向へ延びる所定面積の内壁材15と、鉄筋トラス構造材11の直前に位置して上下方向へ延びる所定面積の外壁材16とから形成されている。鉄筋トラス構造材11は、上下方向へ延びる所定面積の金属ベース17と、金属ベース17の前面18に設置固定された複数の鉄筋トラス19とから形成されている。鉄筋トラス構造材11や内壁材15、外壁材16は、図1の壁鉄筋構造物10Aのそれらと同一である。
天井鉄筋構造物53は、壁鉄筋構造物10Aの頂部(上)に設置(連結)され、2階以上(好ましくは、3階建て以上)の建築物(戸建て住宅や集合住宅、低層階ビル、中層階ビル、倉庫、車庫等)の天井スラブ13(床スラブ14)の構築に使用される。天井鉄筋構造物53は、前後方向へ延びる所定面積の天井鉄筋トラス構造材54と、天井鉄筋トラス構造材54の直下に位置して前後方向へ延びる所定面積の天井仕上材55と、天井鉄筋トラス構造材54の直上に位置して前後方向へ延びる所定面積の床仕上材56とから形成されている。
それら天井鉄筋トラス構造材54は、前後方向へ長く、建築物の天井に敷設されて幅方向へ並んでいる。天井鉄筋トラス構造材54は、上下方向へ延びる所定面積の金属ベース57(鉄板)と、金属ベース57の上面18(前面)に設置固定された複数の鉄筋トラス58とから形成されている。金属ベース57や鉄筋トラス58は、図1の壁鉄筋構造物10Aを形成する鉄筋トラス構造材11のそれらと同一であるから、それらの詳細な説明は省略する。
金属ベース57は、略フラット(略平坦)な上面18(前面)と略フラット(略平坦)な下面20(後面)とを有するとともに、前後方向へ延びる両側部21,22と幅方向へ延びる両端部23,24とを有する。金属ベース57の両側部21,22の間には、幅方向へ所定間隔離間して前後方向へ延びる複数の凸条25(縦条)が形成されている。
建築物の壁の側に位置する金属ベース57の両端部23,24には、金属ベース57を貫通する貫通孔59(空気孔)が穿孔されている。なお、金属ベース57を貫通する貫通孔59が建築物の壁の側に位置する金属ベース57の両端部23,24の少なくとも一方に穿孔されていればよい。貫通孔59は、建築物の天井(天井鉄筋構造物53)に画成された断熱空間60に繋がっている。各金属ベース57(鉄板)は、一方の金属ベース57の第1係合部27に他方の金属ベース57の第2係合部28が嵌め込まれ、それら係合部27,28どうしが互いに係合することで、各金属ベース57が幅方向へつながっている。
それら鉄筋トラス58は、金属ベース57の上面18に配置され、幅方向へ所定寸法離間しつつ幅方向へ並行して並ぶとともに、前後方向へ延びている。それら鉄筋トラス58は、1本の上端筋29と2本(一対)の下端筋30と2本(一対)の第1および第2ラチス筋31,32とから形成されている。上端筋29や下端筋30、第1および第2ラチス筋31,32は、図1の鉄筋トラス構造材11の鉄筋トラス19のそれらと同一である。
天井仕上材55(天井仕上ボード)は、所定の厚み寸法及び所定の面積を有し、その平面形状が前後方向へ長い矩形(長方形)に成形されている。天井仕上材55は、建築物の天井を構成する。天井仕上材55は、所定の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントレール等)によって金属ベース57の下面20に連結固定されている。床仕上材56(床仕上ボード)は、所定の厚み寸法及び所定の面積を有し、その平面形状が前後方向へ長い矩形(長方形)に成形されている。床仕上材56は、建築物の床を構成する。床仕上材56は、所定の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントレール等)によって鉄筋トラス58に連結固定されている。天井仕上材55(天井仕上ボード)や床仕上材56(床仕上ボード)には、内壁材15と同一の素材を使用することができる。
建築物の1階部分におけるそれら鉄筋トラス構造材11の下端部と建築物の基礎部分12との連結や1階部分における内壁材15の下端部42と建築物の基礎部分12との連結、1階部分における外壁材16の下端部49と建築物の基礎部分12との連結、1階部分におけるそれら鉄筋トラス構造材11の上端部とそれら内壁材14の上端部41とそれら外壁材16の上端部48との連結、1階部分におけるそれら鉄筋トラス構造材11の下端部とそれら内壁材15の下端部42とそれら外壁材16の下端部49との連結は、図1の壁鉄筋構造物10Aのそれらと同一である。
建築物の1階部分では、図11に示すように、複数の鉄筋トラス構造材11が幅方向へ並んだ状態で連結され、それら鉄筋トラス構造材11の上端部が建築物の天井鉄筋トラス構造材54(天井部分)に所定の連結手段を介して連結固定されている。具体的には、鉄筋トラス19の上端筋29の上端部と下端筋30の上端部と第1及び第2ラチス筋31,32の上端部とが前後方向へ折り曲げられ、それらの上端部の折曲部分が既存の連結金具(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール、結束線、溶接等)を介して天井鉄筋トラス構造材54の鉄筋トラス58(上端筋29や下端筋30、第1及び第2ラチス筋31,32)に連結固定されている。
建築物の1階部分では、複数の内壁材15が幅方向へ並ぶとともに、それら内壁材15の上端部41が建築物の天井鉄筋トラス構造材54及び天井仕上材55に所定の連結手段を介して連結固定されている。具体的には、それら内壁材15どうしの側部39どうしが既存の連結金具(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール等)を介して連結固定され、内壁材15の上端部41が既存の連結金具(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール等)を介して天井鉄筋トラス構造材54(天井部分)及び天井仕上材55に連結固定されている。
建築物の1階部分では、複数の外壁材16が幅方向へ並ぶとともに、それら外壁材16の上端部48が建築物の天井鉄筋トラス構造材54に所定の連結手段を介して連結固定されている。具体的には、それら外壁材16どうしの側部46どうしが既存の連結金具(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール等)を介して連結固定され、外壁材16の上端部48が既存の連結金具(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール等)を介して天井鉄筋トラス構造材54(天井部分)に連結固定されている。
建築物の2階以上の部分におけるそれら鉄筋トラス構造材11の上端部と天井鉄筋トラス構造材54との連結や2階以上の部分における内壁材15の上端部41と天井鉄筋トラス構造材54及び天井仕上材55との連結、2階以上の部分における外壁材16の上端部48と建築物の天井鉄筋トラス構造材54との連結は、建築物の1階部分におけるそれらと同一である。2階以上の部分におけるそれら鉄筋トラス構造材11の上端部とそれら内壁材15の上端部41とそれら外壁材16の上端部48との連結や2階以上の部分におけるそれら鉄筋トラス構造材11の下端部とそれら内壁材15の下端部42とそれら外壁材16の下端部49との連結は、図1の壁鉄筋構造物10Aのそれらと同一である。
建築物の2階以上の部分では、図10に示すように、複数の鉄筋トラス構造材11が幅方向へ並んだ状態で連結され、それら鉄筋トラス構造材11の下端部が建築物の床部分に所定の連結手段を介して連結固定されている。具体的には、鉄筋トラス19の上端筋29の下端部と下端筋30の下端部と第1及び第2ラチス筋31,32の下端部とが前後方向へ折り曲げられ、それらの下端部の折曲部分が既存の連結金具(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール、結束線、溶接等)を介して天井鉄筋トラス構造材54の鉄筋トラス58(上端筋29や下端筋30、第1及び第2ラチス筋31,32)に連結固定されている。
建築物の2階以上の部分では、複数の内壁材15が幅方向へ並ぶとともに、それら内壁材15の下端部42が天井鉄筋トラス構造材54及び床仕上材56に所定の連結手段を介して連結固定されている。具体的には、それら内壁材15どうしの側部39,40どうしが既存の連結金具(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール等)を介して連結固定され、内壁材15の下端部42が既存の連結金具(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール等)を介して天井鉄筋トラス構造材54(天井部分)及び床仕上材56に連結固定されている。
建築物の2階以上の部分では、複数の外壁材16が幅方向へ並ぶとともに、それら外壁材16の下端部49が天井鉄筋トラス構造材54に所定の連結手段を介して連結固定されている。具体的には、それら外壁材16どうしの側部46,47どうしが既存の連結金具(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール等)を介して連結固定され、外壁材16の下端部49が既存の連結金具(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール等)を介して天井鉄筋トラス構造材54(天井部分)に連結固定されている。
建築物の壁(壁鉄筋構造物10A)においてそれら鉄筋トラス構造材11の金属ベース17とそれら外壁材16との間には、所定容積の断熱空間51が画成されている。断熱空間51の全域には、チップ状の複数の断熱材52が密集状態で収容されている。建築物の天井(天井鉄筋構造物53)においてそれら天井鉄筋トラス構造材54の金属ベース57と床仕上材56との間には、所定容積の断熱空間60が画成されている。断熱空間60の全域には、チップ状の複数の断熱材52が密集状態で収容されている。断熱材52は、図1の壁鉄筋構造物10Aのそれと同一である。
壁鉄筋構造物10A及び天井鉄筋構造物53は、それら鉄筋トラス構造材11の金属ベース17とそれら外壁材16との間に画成された断熱空間51の全域にチップ状の複数の断熱材52が密集状態で収容されるとともに、それら天井鉄筋トラス構造材54の金属ベース57と床仕上材56との間に画成された断熱空間60の全域にチップ状の複数の断熱材52が密集状態で収容されることで、壁鉄筋構造物10Aによって作られた壁や天井鉄筋構造物53によって作られた天井(床)が優れた断熱性能を有するから、高気密、高断熱の壁を備えた建築物を施工することができ、冷暖房効率が高い建築物を施工することができる。
壁鉄筋構造物10A及び天井鉄筋構造物53は、チップ状の複数の断熱材52を断熱空間51,60に収容することで、壁鉄筋構造物10A自体や天井鉄筋構造物53自体が断熱機能を有するから、断熱材を別途設置するための断熱材施工工事を省くことができ、断熱材施工工事のための手間やコストを省くことができる。
壁鉄筋構造物10Aでは、内壁材15に穿孔された貫通孔43(空気孔)が金属ベース17の後面20(断熱空間51)と建築物の室内とに連通し、金属ベース17に穿孔された貫通孔26(空気孔)が内壁材15の前面37と断熱空間51とに連通し、外壁材16に穿孔された貫通孔50(空気孔)が断熱空間51と建築物の室外とに連通している。天井鉄筋構造物53では、金属ベース57の両端部23,24を貫通する貫通孔59(空気孔)が壁鉄筋構造物10Aの断熱空間51に連通している。
室内の空気は、内壁材15の貫通孔43及び金属ベース17の貫通孔26を通って断熱空間51に流入し、断熱空間51から外壁材16の貫通孔50を通って室外に排気される。また、室外の空気(外気)は、外壁材16の貫通孔50を通って断熱空間51に流入し、断熱空間51から金属ベース17の貫通孔26及び内壁材15の貫通孔43を通って室内に給気される。また、空気が建築物の天井(天井鉄筋構造物53)に画成された断熱空間60を通流する。
壁鉄筋構造物10A及び天井鉄筋構造物53は、貫通孔43を内壁材15の下端部42の断熱空間51に位置する部分、貫通孔50を外壁材16の上端部48の断熱空間51に位置する部分、貫通孔26を金属ベース17の下端部24の断熱空間51に位置する部分、貫通孔59金属ベース57の両端部23,24に穿孔することにより、建築物の内部の空気が内壁材15や外壁材16の貫通孔43,51、それら金属ベース17,57の貫通孔26,59、断熱空間51,60(壁及び天井)を通って建築物の外部に排気され、建築物の外部の空気が内壁材15や外壁材16の貫通孔43,51、それら金属ベース17,58の貫通孔26,59、断熱空間51,60(壁及び天井)を通って建築物の内部に給気されるから、建築物の外部に建築物の内部の汚れた空気を内壁材15や外壁材16の貫通孔43,51、それら金属ベース17,57の貫通孔26,59、断熱空間51,60(壁及び天井)を介して排出することができ、建築物の内部に新鮮な外気を内壁材15や外壁材16の貫通孔43,51、それら金属ベース17,57の貫通孔26,59、断熱空間51,60(壁及び天井)を介して取り入れることができる。
壁鉄筋構造物10A及び天井鉄筋構造物53は、壁(壁鉄筋構造物10A)や天井(天井鉄筋構造物53)に画成された断熱空間51,60を空気が通流するから、断熱空間51,60(壁や天井)が高湿度になることはなく、断熱空間51,60における結露の発生を防ぐことができるとともに、断熱空間51,60におけるカビや雑菌の発生を防ぐことができる。
壁鉄筋構造物10A及び天井鉄筋構造物53は、壁鉄筋構造物10Aが上下方向へ延びる所定面積の鉄筋トラス構造材11と鉄筋トラス構造材11の直後に位置して上下方向へ延びる所定面積の内壁材15と鉄筋トラス構造材11の直前に位置して上下方向へ延びる所定面積の外壁材16とから形成され、天井鉄筋構造物53が前後方向へ延びる所定面積の天井鉄筋トラス構造材54と天井鉄筋トラス構造材54の直下に位置して前後方向へ延びる所定面積の天井仕上材55と天井鉄筋トラス構造材54の直上に位置して前後方向へ延びる所定面積の床仕上材56とから形成され、建築物の1階部分において、複数の鉄筋トラス構造材11が幅方向へ並んだ状態で連結され、それら鉄筋トラス構造材11の上端部(鉄筋トラス19の上端筋29の上端部、下端筋30の上端部、第1及び第2ラチス筋の上端部31,32、金属ベース17の上端部)が天井鉄筋トラス構造材54の鉄筋トラス58(上端筋29や下端筋30、第1及び第2ラチス筋31,32)に所定の連結手段を介して連結固定されているとともに、それら鉄筋トラス構造材11の下端部(鉄筋トラス19の上端筋29の下端部、下端筋30の下端部、第1及び第2ラチス筋31,32の下端部、金属ベース17の下端部)が建築物の基礎部分12に所定の連結手段を介して連結固定され、建築物の2階以上の部分において、複数の鉄筋トラス構造材11が幅方向へ並んだ状態で連結され、それら鉄筋トラス構造材11の上端部(鉄筋トラス19の上端筋29の上端部、下端筋30の上端部、第1及び第2ラチス筋31,32の上端部、金属ベース17の上端部)が天井鉄筋トラス構造材54の鉄筋トラス58(上端筋29や下端筋30、第1及び第2ラチス筋31,32)に所定の連結手段を介して連結固定されているとともに、それら鉄筋トラス構造材11の下端部(鉄筋トラス19の上端筋29の下端部、下端筋30の下端部、第1及び第2ラチス筋31,32の下端部、金属ベース17の下端部)が天井鉄筋トラス構造材54の鉄筋トラス58(上端筋29や下端筋30、第1及び第2ラチス筋31,32)に所定の連結手段を介して連結固定され、更に、鉄筋トラス構造材11と内壁材15と外壁材16とが所定の連結手段によって互いに連結されているから、壁鉄筋構造物材10Aや天井鉄筋構造物53に曲げ引張力や曲げ圧縮力、せん断力が作用したとしても、それら鉄筋トラス構造材11やそれら天井鉄筋トラス構造材54、それら内壁材15、それら外壁材16によってそれらの外力に十分に抵抗することでき、高い強度を有する頑丈な壁を備えた建築物を施工することができる。
壁鉄筋構造物10A及び天井鉄筋構造物53は、それらから作られた建築物の壁や天井が高い強度を有するから、地震による激しい揺れに十分耐えることができるとともに、津波の水圧に十分に耐えることができ、地震による建造物の倒壊を防ぐことが可能であって津波による建造物の流失を防ぐことが可能な建築物を施工することができる。また、それら鉄筋トラス構造材11やそれら天井鉄筋トラス構造材54が不燃性であるから、火災に強い壁を備えた建築物を施工することができる。壁鉄筋構造物10A及び天井鉄筋構造物53は、鉄筋の配筋作業や型枠の組立作業、型枠の取り外し作業をする必要はなく、短い工期で壁を構築することができるとともに、鉄筋の配筋技術や型枠の組立技術を必要とせず、鉄筋の配筋技術を備えた鉄筋工や型枠の組立技術を備えた型枠工以外の作業者でも壁を施工することができる。
図13は、建築物の1階部分における他の一例として示す壁鉄筋構造物10Bと天井鉄筋構造物53との側面図であり、図14は、建築物の2階以上の部分における他の一例として示す壁鉄筋構造物10Bと天井鉄筋構造物53との側面図である。建築物(建築物の躯体)は、壁鉄筋構造物10Bと基礎部分12と天井鉄筋構造物53(天井スラブ13(天井部分)及び床スラブ14(床部分))とから構築されている。
壁鉄筋構造物10Bは、上下方向へ延びる所定面積の第1鉄筋トラス構造材11aと、第1鉄筋トラス構造材11aに対向しつつ第1鉄筋トラス構造材11aの内側に位置して上下方向へ延びる所定面積の第2鉄筋トラス構造材11bと、第1鉄筋トラス構造材11aの直後に位置して上下方向へ延びる所定面積の内壁材15と、第2鉄筋トラス構造材11bの直前に位置して上下方向へ延びる所定面積の外壁材16とから形成されている。
第1鉄筋トラス構造材11aは、上下方向へ延びる所定面積の第1金属ベース17aと、第1金属ベース17aの対向面18(前面)に設置固定された複数の第1鉄筋トラス19aとから形成されている。第2鉄筋トラス構造材11bは、上下方向へ延びる所定面積の第2金属ベース17bと、第2金属ベース17bの対向面20(後面)に設置固定された複数の第2鉄筋トラス19bとから形成されている。第1鉄筋トラス構造材11aや第2鉄筋トラス構造材11b、内壁材15、外壁材16は、図7の壁鉄筋構造物10Bのそれらと同一である。
天井鉄筋構造物53は、前後方向へ延びる所定面積の天井鉄筋トラス構造材54と、天井鉄筋トラス構造材54の直下に位置して前後方向へ延びる所定面積の天井仕上材55と、天井鉄筋トラス構造材54の直上に位置して前後方向へ延びる所定面積の床仕上材56とから形成されている。天井鉄筋トラス構造材54は、上下方向へ延びる所定面積の金属ベース57(鉄板)と、金属ベース57の上面18(前面)に設置固定された複数の鉄筋トラス58とから形成されている。天井鉄筋トラス構造材54や天井仕上材55、床仕上材56は、図11の天井鉄筋構造物53のそれらと同一である。
建築物の1階部分におけるそれら第1及び第2鉄筋トラス構造材11a,11bの下端部と建築物の基礎部分12との連結や1階部分における内壁材15の下端部42と建築物の基礎部分12との連結、1階部分における外壁材15の下端部49と建築物の基礎部分12との連結、1階部分におけるそれら第1及び第2鉄筋トラス構造材1a,11bの上端部とそれら内壁材15の上端部41とそれら外壁材16の上端部48との連結、1階部分におけるそれら第1及び第2鉄筋トラス構造材11a,11bの下端部とそれら内壁材15の下端部42とそれら外壁材16の下端部49との連結は、図7の壁鉄筋構造物10Bのそれらと同一である。
建築物の1階部分では、図13に示すように、複数の第1鉄筋トラス構造材11aが幅方向へ並んだ状態で連結され、複数の第2鉄筋トラス構造材11bが幅方向へ並んだ状態で連結され、それら第1及び第2鉄筋トラス構造材11a,11bの上端部が建築物の天井鉄筋トラス構造材54(天井部分)に所定の連結手段を介して連結固定されているとともに、それら第1及び第2鉄筋トラス構造材11a,11bの下端部が建築物の基礎部分12に所定の連結手段を介して連結固定されている。
具体的には、第1及び第2鉄筋トラス19a,19bの上端筋29の上端部と下端筋30の上端部と第1及び第2ラチス筋31,32の上端部とが前後方向へ折り曲げられ、それらの上端部の折曲部分が既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール、結束線、溶接等)を介して天井鉄筋トラス構造材54の鉄筋トラス58(上端筋29や下端筋30、第1及び第2ラチス筋31,32)に連結固定され、第1及び第2金属ベース17a,17bの上端部23が既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール、溶接等)を介して天井鉄筋トラス構造材54の鉄筋トラス58(上端筋29や下端筋30、第1及び第2ラチス筋31,32)に連結固定されている。
更に、第1及び第2鉄筋トラス19a,19bの上端筋29の下端部と下端筋30の下端部と第1及び第2ラチス筋31,32の下端部とが既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール、結束線、溶接等)を介して基礎部分12の基礎鉄筋に連結固定され、第1及び第2金属ベース17a,17bの下端部が既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール、溶接等)を介して基礎部分12の基礎鉄筋に連結固定されている。
建築物の1階部分におけるそれら内壁材15の連結は、図11の内壁材15のそれと同一である。内壁材15の前面37が第1鉄筋トラス構造材11aの第1金属ベース17aの非対向面20(後面)から後方へわずかに離間しているが、内壁材15の前面38が第1金属ベース17aの非対向面20に当接していてもよい。建築物の1階部分におけるそれら外壁材16の連結は、図11の外壁材15のそれと同一である。外壁材15の後面45が第2鉄筋トラス構造材11bの第2金属ベース17bの非対向面18(前面)から前方へわずかに離間しているが、外壁材16の後面45が第2金属ベース17bの非対向面18に当接していてもよい。
建築物の2階以上の部分では、図14に示すように、複数の第1鉄筋トラス構造材11aが幅方向へ並んだ状態で連結され、複数の第2鉄筋トラス構造材11bが幅方向へ並んだ状態で連結され、それら第1及び第2鉄筋トラス構造材11a,11bの上端部が建築物の天井鉄筋トラス構造材54(天井部分)に所定の連結手段を介して連結固定されているとともに、それら第1及び第2鉄筋トラス構造材11a,11bの下端部が建築物の天井鉄筋トラス構造材54(1階の天井部分又は2階以上の天井部分)に所定の連結手段を介して連結固定されている。
具体的には、第1及び第2鉄筋トラス19a,19bの上端筋29の上端部と下端筋30の上端部と第1及び第2ラチス筋31,32の上端部とが前後方向へ折り曲げられ、それらの上端部の折曲部分が既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール、結束線、溶接等)を介して天井鉄筋トラス構造材54の鉄筋トラス58(上端筋29や下端筋30、第1及び第2ラチス筋31,32)に連結固定され、第1及び第2金属ベース17a,17bの上端部23が既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール、溶接等)を介して天井鉄筋トラス構造材54の鉄筋トラス58(上端筋29や下端筋30、第1及び第2ラチス筋31,32)に連結固定されている。
更に、第1及び第2鉄筋トラス19a,19bの上端筋29の下端部と下端筋30の下端部と第1及び第2ラチス筋31,32の下端部とが前後方向へ折り曲げられ、それらの下端部の折曲部分が既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール、結束線、溶接等)を介して天井鉄筋トラス構造材54の鉄筋トラス58(上端筋29や下端筋30、第1及び第2ラチス筋31,32)に連結固定され、第1及び第2金属ベース17a,17bの下端部が既存の連結手段(各種の連結ボルト、各種のジョイント金具、各種のジョイントアングル、各種のジョイントレール、溶接等)を介して天井鉄筋トラス構造材54の鉄筋トラス58(上端筋29や下端筋30、第1及び第2ラチス筋31,32)に連結固定されている。
建築物の2階以上の部分における内壁材15の上端部41と天井鉄筋トラス構造材54との連結や建築物の2階以上の部分における内壁材15の下端部42と天井鉄筋トラス構造材54との連結、建築物の2階以上の部分における外壁材16の上端部48と天井鉄筋トラス構造材54との連結、建築物の2階以上の部分における外壁材16の下端部49と天井鉄筋トラス構造材54との連結は、図11の内壁材15や外壁材16のそれらと同一である。
建築物の1階部分及び2階以上の部分では、第1鉄筋トラス構造材11aと第2鉄筋トラス構造材11bとが前後方向へ対向し、第1鉄筋トラス19aの間に第2鉄筋トラス19bが位置し、第2鉄筋トラス19bの間に第1鉄筋トラス19aが位置している。第1鉄筋トラス19aの上端筋29は、第2金属ベース17bと第2鉄筋トラス19bの下端筋30との間に位置するとともに、幅方向へ隣り合う(隣接する)第2鉄筋トラス19bの第1ラチス筋31と第2ラチス筋32との間に位置し、第2鉄筋トラス19bの第1及び第2ラチス筋31,32に対向している。第1鉄筋トラス19aの上端筋20は、第2金属ベース17bの対向面20から後方に離間している。
第1鉄筋トラス19aの下端筋30は、幅方向へ隣り合う(隣接する)第2鉄筋トラス19bの第1ラチス筋31と第2ラチス筋32との間に位置し、第2鉄筋トラス19bの第1及び第2ラチス筋31,32に対向している。第1鉄筋トラス19aの第1ラチス筋31は、幅方向へ隣り合う(隣接する)第2鉄筋トラス19bの第1ラチス筋31と第2ラチス筋32との間に位置し、第2鉄筋トラス19bの第1及び第2ラチス筋31,32に対向している。第1鉄筋トラス19aの第2ラチス筋32は、幅方向へ隣り合う(隣接する)第2鉄筋トラス19bの第1ラチス筋31と第2ラチス筋32との間に位置し、第2鉄筋トラス19bの第1及び第2ラチス筋31,32に対向している。
第2鉄筋トラス19bの上端筋29は、第1金属ベース17aと第1鉄筋トラス19aの下端筋30との間に位置するとともに、幅方向へ隣り合う(隣接する)第1鉄筋トラス19aの第1ラチス筋31と第2ラチス筋32との間に位置し、第1鉄筋トラス19aの第1及び第2ラチス筋31,32に対向している。第2鉄筋トラス19bの上端筋29は、第1金属ベース17aの対向面18から前方に離間している。
第2鉄筋トラス19bの下端筋30は、幅方向へ隣り合う(隣接する)第1鉄筋トラス19aの第1ラチス筋31と第2ラチス筋32との間に位置し、第1鉄筋トラス19aの第1及び第2ラチス筋31,32に対向している。第2鉄筋トラス19bの第1ラチス筋31は、幅方向へ隣り合う(隣接する)第1鉄筋トラス19aの第1ラチス筋31と第2ラチス筋32との間に位置し、第1鉄筋トラス19aの第1及び第2ラチス筋31,32に対向している。第2鉄筋トラス19bの第2ラチス筋32は、幅方向へ隣り合う(隣接する)第1鉄筋トラス19aの第1ラチス筋31と第2ラチス筋32との間に位置し、第1鉄筋トラス19aの第1及び第2ラチス筋31,32に対向している。
建築物の壁(壁鉄筋構造物)においてそれら第1鉄筋トラス構造材11aの第1金属ベース17aの対向面18とそれら第2鉄筋トラス構造材11bの第2金属ベース17bの対向面20との間には、所定容積の断熱空間51が画成されている。断熱空間51には、チップ状の複数の断熱材52が密集状態で収容されている。建築物の天井(天井鉄筋構造物)においてそれら天井鉄筋トラス構造材54の金属ベース57と床仕上材56との間には、所定容積の断熱空間60が画成されている。断熱空間60には、チップ状の複数の断熱材52が密集状態で収容されている。断熱材52は、図1の壁鉄筋構造物10Aのそれと同一である。
壁鉄筋構造物10B及び天井鉄筋構造物53は、それら第1鉄筋トラス構造材11aの第1金属ベース17aの対向面18とそれら第2鉄筋トラス構造材11bの第2金属ベース17bの対向面20との間に画成された断熱空間51にチップ状の複数の断熱材52が密集状態で収容されるとともに、それら天井鉄筋トラス構造材54の金属ベース57と床仕上材56との間の断熱空間60にチップ状の複数の断熱材52が密集状態で収容されることで、壁鉄筋構造物10Bによって作られた壁や天井鉄筋構造物53によって作られた天井(床)が優れた断熱性能を有するから、高気密、高断熱の壁を備えた建築物を施工することができ、冷暖房効率が高い建築物を施工することができる。
壁鉄筋構造物10Bや天井鉄筋構造物53は、チップ状の複数の断熱材52を断熱空間51,60に収容することで、壁鉄筋構造物10B自体や天井鉄筋構造物53自体が断熱機能を有するから、断熱材を別途設置するための断熱材施工工事を省くことができ、断熱材施工工事のための手間やコストを省くことができる。
壁鉄筋構造物10Bでは、内壁材15に穿孔された貫通孔43(空気孔)が第1金属ベース17aの非対向面20(断熱空間51)と建築物の室内とに連通し、第1金属ベース17aに穿孔された貫通孔26(空気孔)が内壁材15の前面37と断熱空間51とに連通し、第2金属ベース17bに穿孔された貫通孔26(空気孔)が断熱空間51と外壁材16の後面45とに連通するとともに、外壁材16に穿孔された貫通孔50(空気孔)が第2金属ベース17bの対向面18と建築物の室外とに連通している。天井鉄筋構造物53では、金属ベース57の両端部23,24を貫通する貫通孔59(空気孔)が壁鉄筋構造物10Bの断熱空間51に連通している。
室内の空気は、内壁材15の貫通孔43及び第1金属ベース17aの貫通孔26を通って断熱空間51に流入し、断熱空間51から第2金属ベース17bの貫通孔26及び外壁材16の貫通孔50を通って室外に排気される。また、室外の空気(外気)は、外壁材16の貫通孔50及び第2金属ベース17bの貫通孔26を通って断熱空間51に流入し、断熱空間51から第1金属ベース17aの貫通孔26及び内壁材15の貫通孔43を通って室内に給気される。また、空気が建築物の天井(天井鉄筋構造物53)に画成された断熱空間60を通流する。
壁鉄筋構造物10B及び天井鉄筋構造物53は、貫通孔43を内壁材15の下端部42の断熱空間51に位置する部分、貫通孔50を外壁材16の上端部48の断熱空間51に位置する部分、貫通孔26を第1金属ベース17aの下端部42の断熱空間51に位置する部分、貫通孔26を第2金属ベース17bの上端部48の断熱空間51に位置する部分、貫通孔59を金属ベース57の両端部23,24に穿孔することにより、建築物の内部の空気が内壁材15や外壁材16の貫通孔43,51、第1及び第2金属ベース17a,17bの貫通孔26、金属ベース57の貫通孔59、断熱空間51,60(壁及び天井)を通って建築物の外部に排気され、建築物の外部の空気が内壁材15や外壁材16の貫通孔43,51、第1及び第2金属ベース17a,17bの貫通孔26、金属ベース57の貫通孔59、断熱空間51,60(壁及び天井)を通って建築物の内部に給気されるから、建築物の外部に建築物の内部の汚れた空気を内壁材15や外壁材16の貫通孔43,51、第1及び第2金属ベース17a,17bの貫通孔26、金属ベース58の貫通孔59、断熱空間51,60(壁及び天井)を介して排出することができ、建築物の内部に新鮮な外気を内壁材15や外壁材16の貫通孔43,51、第1及び第2金属ベース17a,17bの貫通孔26、金属ベース57の貫通孔59、断熱空間51,60(壁及び天井)を介して取り入れることができる。
壁鉄筋構造物10B及び天井鉄筋構造物53は、壁(壁鉄筋構造物10B)や天井(天井鉄筋構造物53)に画成された断熱空間51,60を空気が通流するから、断熱空間51,60(壁や天井)が高湿度になることはなく、断熱空間51,60における結露の発生を防ぐことができるとともに、断熱空間51,60におけるカビや雑菌の発生を防ぐことができる。
壁鉄筋構造物10B及び天井鉄筋構造物53は、壁鉄筋構造物10Bが上下方向へ延びる所定面積の第1及び第2鉄筋トラス構造材11a,11bと第1鉄筋トラス構造材11aの直後に位置して上下方向へ延びる所定面積の内壁材15と第2鉄筋トラス構造材11bの直前に位置して上下方向へ延びる所定面積の外壁材16とから形成され、天井鉄筋構造物53が前後方向へ延びる所定面積の天井鉄筋トラス構造材54と天井鉄筋トラス構造材54の直下に位置して前後方向へ延びる所定面積の天井仕上材55と天井鉄筋トラス構造材54の直上に位置して前後方向へ延びる所定面積の床仕上材56とから形成され、建築物の1階部分において、複数の第1及び第2鉄筋トラス構造材11a,11bが幅方向へ並んだ状態で連結され、それら第1及び第2鉄筋トラス構造材11a,11bの上端部(第1及び第2鉄筋トラス19a,19bの上端筋29の上端部、下端筋30の上端部、第1及び第2ラチス筋31,32の上端部、第1及び第2金属ベース17a,17bの上端部23)が天井鉄筋トラス構造材54の鉄筋トラス58(上端筋29や下端筋30、第1及び第2ラチス筋31,32)に所定の連結手段を介して連結固定されているとともに、それら第1及び第2鉄筋トラス構造材11a,11bの下端部(第1及び第2鉄筋トラス19a,19bの上端筋29の下端部、下端筋30の下端部、第1及び第2ラチス筋31,32の下端部、第1及び第2金属ベース17a,17bの下端部24)が建築物の基礎部分12に所定の連結手段を介して連結固定され、建築物の2階以上の部分において、複数の第1及び第2鉄筋トラス構造材11a,11bが幅方向へ並んだ状態で連結され、それら第1及び第2鉄筋トラス構造材11a,11bの上端部(第1及び第2鉄筋トラス19a,19bの上端筋29の上端部、下端筋30の上端部、第1及び第2ラチス筋31,32の上端部、第1及び第2金属ベース17a,17bの上端部23)が天井鉄筋トラス構造材54の鉄筋トラス58(上端筋29や下端筋30、第1及び第2ラチス筋31,32)に所定の連結手段を介して連結固定されているとともに、それら第1及び第2鉄筋トラス構造材11a,11bの下端部(第1及び第2鉄筋トラス19a,19bの上端筋29の下端部、下端筋30の下端部、第1及び第2ラチス筋31,32の下端部、第1及び第2金属ベース17a,17bの下端部24)が天井鉄筋トラス構造材54の鉄筋トラス58(上端筋29や下端筋30、第1及び第2ラチス筋31,32)に所定の連結手段を介して連結固定され、更に、鉄筋トラス構造材11a,11bと内壁材15と外壁材16とが所定の連結手段によって互いに連結されているから、壁鉄筋構造物材10Bや天井鉄筋構造物53に曲げ引張力や曲げ圧縮力、せん断力が作用したとしても、それら第1及び第2鉄筋トラス構造材11a,11bや天井鉄筋トラス構造材54、それら内壁材15、それら外壁材16によってそれらの外力に十分に抵抗することでき、高い強度を有する頑丈な壁を備えた建築物を施工することができる。
壁鉄筋構造物10B及び天井鉄筋構造物53は、それらから作られた建築物の壁や天井が高い強度を有するから、地震による激しい揺れに十分耐えることができるとともに、津波の水圧に十分に耐えることができ、地震による建造物の倒壊を防ぐことが可能であって津波による建造物の流失を防ぐことが可能な建築物を施工することができる。また、それら第1及び第2鉄筋トラス構造材11a,11bやそれら天井鉄筋トラス構造材54が不燃性であるから、火災に強い壁を備えた建築物を施工することができる。壁鉄筋構造物10B及び天井鉄筋構造物53は、鉄筋の配筋作業や型枠の組立作業、型枠の取り外し作業をする必要はなく、短い工期で壁を構築することができるとともに、鉄筋の配筋技術や型枠の組立技術を必要とせず、鉄筋の配筋技術を備えた鉄筋工や型枠の組立技術を備えた型枠工以外の作業者でも壁を施工することができる。