JPH0754428A - トラス筋付き埋込み型枠による壁の構築方法 - Google Patents
トラス筋付き埋込み型枠による壁の構築方法Info
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- JPH0754428A JPH0754428A JP22062993A JP22062993A JPH0754428A JP H0754428 A JPH0754428 A JP H0754428A JP 22062993 A JP22062993 A JP 22062993A JP 22062993 A JP22062993 A JP 22062993A JP H0754428 A JPH0754428 A JP H0754428A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 トラス筋付き埋込み型枠の特長を活かして、
配筋作業の省略、支保工や型枠セパレータの省略、型枠
セパレータ端部のダメ工事の省略等が可能となる壁の構
築方法を提供する。 【構成】 版材の背面側にトラス鉄筋が突設された複数
枚のトラス筋付き埋込み型枠１を、版材間に適当間隔を
隔てて背中合わせに、且つ、一方のトラス筋付き埋込み
型枠１におけるトラス筋１０の上弦材７が、他方のトラ
ス筋付き埋込み型枠１におけるトラス筋１０の上弦材７
の間に入り込んだ状態に配置して、壁型枠を構成すると
共に、互いに入り込んだ両側の上弦材７，７の間にジベ
ル筋１３を挿入して、当該ジベル筋１３により壁型枠の
間隔を規制する。
配筋作業の省略、支保工や型枠セパレータの省略、型枠
セパレータ端部のダメ工事の省略等が可能となる壁の構
築方法を提供する。 【構成】 版材の背面側にトラス鉄筋が突設された複数
枚のトラス筋付き埋込み型枠１を、版材間に適当間隔を
隔てて背中合わせに、且つ、一方のトラス筋付き埋込み
型枠１におけるトラス筋１０の上弦材７が、他方のトラ
ス筋付き埋込み型枠１におけるトラス筋１０の上弦材７
の間に入り込んだ状態に配置して、壁型枠を構成すると
共に、互いに入り込んだ両側の上弦材７，７の間にジベ
ル筋１３を挿入して、当該ジベル筋１３により壁型枠の
間隔を規制する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリートのせき板
として機能する鋼板やハーフプレキャスト版の背面側に
トラス筋が突設されたトラス筋付き埋込み型枠を利用し
た壁の構築方法に関するものである。
として機能する鋼板やハーフプレキャスト版の背面側に
トラス筋が突設されたトラス筋付き埋込み型枠を利用し
た壁の構築方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】鋼板の片面に上弦材と下弦材とラチス筋
とからなる複数のトラス筋を溶接等の手段により一体的
に突設してなる鋼板製のトラス筋付き埋込み型枠やハー
フプレキャスト版の背面側に立体的なトラス筋をその上
弦材が突出した状態に埋設したハーフプレキャスト版製
のトラス筋付き埋込み型枠は、既に知られており、前者
は床の構築に使用されており、後者は床の他、壁の構築
にも使用されている。
とからなる複数のトラス筋を溶接等の手段により一体的
に突設してなる鋼板製のトラス筋付き埋込み型枠やハー
フプレキャスト版の背面側に立体的なトラス筋をその上
弦材が突出した状態に埋設したハーフプレキャスト版製
のトラス筋付き埋込み型枠は、既に知られており、前者
は床の構築に使用されており、後者は床の他、壁の構築
にも使用されている。
【０００３】在来の合板製型枠に代えて、これらトラス
筋付き埋込み型枠を使用することは、現場での配筋作業
や支保工の簡略化といった施工上の利点が得られるのみ
ならず、合板用木材（南洋材）の使用が削減されること
によって、熱帯雨林の保護、地球環境の保全に大きく寄
与するものと、期待されている。
筋付き埋込み型枠を使用することは、現場での配筋作業
や支保工の簡略化といった施工上の利点が得られるのみ
ならず、合板用木材（南洋材）の使用が削減されること
によって、熱帯雨林の保護、地球環境の保全に大きく寄
与するものと、期待されている。
【０００４】しかしながら、壁の構築方法に限って言え
ば、現状では、トラス筋付き埋込み型枠の特長が十分に
活かされているとは言いがたい。即ち、ハーフプレキャ
スト版製のトラス筋付き埋込み型枠を使用した従来の壁
の構築方法では、先ず、外壁の外側型枠としてトラス筋
付き埋込み型枠を建て込み、次いで、建物側から壁配筋
を行った後、内側型枠として合板製型枠を建て込み、内
外の型枠内にコンクリートを打設し、コンクリートの硬
化後、内側型枠を脱型するといった手順で施工されてい
る。
ば、現状では、トラス筋付き埋込み型枠の特長が十分に
活かされているとは言いがたい。即ち、ハーフプレキャ
スト版製のトラス筋付き埋込み型枠を使用した従来の壁
の構築方法では、先ず、外壁の外側型枠としてトラス筋
付き埋込み型枠を建て込み、次いで、建物側から壁配筋
を行った後、内側型枠として合板製型枠を建て込み、内
外の型枠内にコンクリートを打設し、コンクリートの硬
化後、内側型枠を脱型するといった手順で施工されてい
る。
【０００５】従って、内側型枠については、角パイプと
型枠セパレータとフォームタイによる支保工、脱型、廃
材の処分、型枠セパレータの端部をモルタルで埋め戻す
ダメ工事が必要である等、合板製型枠のみを使用した在
来工法と何ら代わるところがなく、改善すべき問題点が
多い。
型枠セパレータとフォームタイによる支保工、脱型、廃
材の処分、型枠セパレータの端部をモルタルで埋め戻す
ダメ工事が必要である等、合板製型枠のみを使用した在
来工法と何ら代わるところがなく、改善すべき問題点が
多い。
【０００６】上述した鋼板製のトラス筋付き埋込み型枠
を壁の構築に使用した施工例は、本発明者らによる実験
以外に例を知らないが、単に、トラス筋付きのハーフプ
レキャスト版の代わりに鋼板製のトラス筋付き埋込み型
枠を使用しただけでは、同じ問題が生じることは、明ら
かである。
を壁の構築に使用した施工例は、本発明者らによる実験
以外に例を知らないが、単に、トラス筋付きのハーフプ
レキャスト版の代わりに鋼板製のトラス筋付き埋込み型
枠を使用しただけでは、同じ問題が生じることは、明ら
かである。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の点に
留意してなされたものであって、その目的とするところ
は、トラス筋付き埋込み型枠の特長を活かして、配筋作
業の省略、支保工や型枠セパレータの省略、型枠セパレ
ータ端部のダメ工事の省略等が可能となる壁の構築方法
を提供することにある。
留意してなされたものであって、その目的とするところ
は、トラス筋付き埋込み型枠の特長を活かして、配筋作
業の省略、支保工や型枠セパレータの省略、型枠セパレ
ータ端部のダメ工事の省略等が可能となる壁の構築方法
を提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明では、せき板となる版材の背面側にトラス筋
が突設された複数枚のトラス筋付き埋込み型枠を、版材
間に適当間隔を隔てて背中合わせに、且つ、一方のトラ
ス筋付き埋込み型枠におけるトラス筋の上弦材が、他方
のトラス筋付き埋込み型枠におけるトラス筋の上弦材の
間に入り込んだ状態に配置して、壁型枠を構成すると共
に、互いに入り込んだ両側の上弦材の間にジベル筋を挿
入して、当該ジベル筋により壁型枠の間隔を規制すべく
構成し、壁型枠の内部にコンクリートを打設して壁を構
築している。せき板となる版材としては、鋼板、エキス
パンドメタルやパンチングメタル等の網状鋼板、ハーフ
プレキャスト版のいずれであってもよい。
め、本発明では、せき板となる版材の背面側にトラス筋
が突設された複数枚のトラス筋付き埋込み型枠を、版材
間に適当間隔を隔てて背中合わせに、且つ、一方のトラ
ス筋付き埋込み型枠におけるトラス筋の上弦材が、他方
のトラス筋付き埋込み型枠におけるトラス筋の上弦材の
間に入り込んだ状態に配置して、壁型枠を構成すると共
に、互いに入り込んだ両側の上弦材の間にジベル筋を挿
入して、当該ジベル筋により壁型枠の間隔を規制すべく
構成し、壁型枠の内部にコンクリートを打設して壁を構
築している。せき板となる版材としては、鋼板、エキス
パンドメタルやパンチングメタル等の網状鋼板、ハーフ
プレキャスト版のいずれであってもよい。
【０００９】
【作用】上記の構成によれば、壁型枠が背中合わせに配
置したトラス筋付き埋込み型枠によって構成されている
ため、現場での壁の配筋作業や支保工が簡略化されるば
かりでなく、合板製型枠を使用した場合のようなコンク
リート硬化後の脱型や廃材の処理も省略されることにな
る。
置したトラス筋付き埋込み型枠によって構成されている
ため、現場での壁の配筋作業や支保工が簡略化されるば
かりでなく、合板製型枠を使用した場合のようなコンク
リート硬化後の脱型や廃材の処理も省略されることにな
る。
【００１０】殊に、複数枚のトラス筋付き埋込み型枠
を、版材間に適当間隔を隔てて背中合わせに、且つ、一
方のトラス筋付き埋込み型枠におけるトラス筋の上弦材
が、他方のトラス筋付き埋込み型枠におけるトラス筋の
上弦材の間に入り込んだ状態に配置して、壁型枠を構成
すると共に、互いに入り込んだ両側の上弦材の間にジベ
ル筋を挿入して、当該ジベル筋により壁型枠の間隔を規
制するため、型枠セパレータが省略され、型枠セパレー
タ端部のダメ工事の省略が可能となる。
を、版材間に適当間隔を隔てて背中合わせに、且つ、一
方のトラス筋付き埋込み型枠におけるトラス筋の上弦材
が、他方のトラス筋付き埋込み型枠におけるトラス筋の
上弦材の間に入り込んだ状態に配置して、壁型枠を構成
すると共に、互いに入り込んだ両側の上弦材の間にジベ
ル筋を挿入して、当該ジベル筋により壁型枠の間隔を規
制するため、型枠セパレータが省略され、型枠セパレー
タ端部のダメ工事の省略が可能となる。
【００１１】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図１において、Ａは、鋼板製のトラス筋付き埋込
み型枠１によって構成された壁型枠、２は壁型枠Ａの間
隔を規制するジベル筋、３は壁型枠Ａの下端部の位置決
めを行うアングル材よりなる位置決め具、床コンクリー
ト４にコンクリート釘５等で固定されている。
する。図１において、Ａは、鋼板製のトラス筋付き埋込
み型枠１によって構成された壁型枠、２は壁型枠Ａの間
隔を規制するジベル筋、３は壁型枠Ａの下端部の位置決
めを行うアングル材よりなる位置決め具、床コンクリー
ト４にコンクリート釘５等で固定されている。
【００１２】前記トラス筋付き埋込み型枠１は、既知の
ものであり、図２に示すように、コンクリートのせき板
として機能する版材ａの一例である鋼板６の片面に、１
本の上弦材７に対して２本の下弦材８，８とそれらにわ
たって連結された２本のラチス筋９，９とからなる複数
の立体的なトラス筋１０を溶接等の手段により一体的に
突設して構成されている。トラス筋１０は互いに平行に
配置されている。下弦材８，８は、必要なコンクリート
被り厚が得られるように、ラチス筋９，９によって鋼板
６から浮かせた状態に支持されている。鋼板６の一側縁
には背面側に折曲した折曲片６ａが形成され、他側縁に
は表面側に折曲した折曲片６ｂが形成され、隣接して配
置したトラス筋付き埋込み型枠１，１の折曲片６ａ，６
ｂ同士を互いに係合するように構成されている。
ものであり、図２に示すように、コンクリートのせき板
として機能する版材ａの一例である鋼板６の片面に、１
本の上弦材７に対して２本の下弦材８，８とそれらにわ
たって連結された２本のラチス筋９，９とからなる複数
の立体的なトラス筋１０を溶接等の手段により一体的に
突設して構成されている。トラス筋１０は互いに平行に
配置されている。下弦材８，８は、必要なコンクリート
被り厚が得られるように、ラチス筋９，９によって鋼板
６から浮かせた状態に支持されている。鋼板６の一側縁
には背面側に折曲した折曲片６ａが形成され、他側縁に
は表面側に折曲した折曲片６ｂが形成され、隣接して配
置したトラス筋付き埋込み型枠１，１の折曲片６ａ，６
ｂ同士を互いに係合するように構成されている。
【００１３】上記のトラス筋付き埋込み型枠１を用いた
壁の構築方法の一例を説明すると、次のとおりである。
即ち、図３に示すように、予め、床コンクリート４の所
定位置に位置決め具３をコンクリート釘５等で２列に固
定しておき、その内側に一方のトラス筋付き埋込み型枠
１をトラス筋１０が縦向きとなるように、つまり、上弦
材７及び下弦材８が壁の縦筋となるように建て込む。こ
の状態で、壁の横筋１１を配筋し、下弦材８等に番線１
２で結束して固定する。横筋１１は、トラス筋付き埋込
み型枠１の幅よりも長尺のものを予めトラス筋付き埋込
み型枠１のトラス筋１０に挿通して水平方向スライド自
在に支持させておき、壁型枠Ａの片側型枠（外壁を構築
する場合は、外側型枠）となる所定枚数のトラス筋付き
埋込み型枠１が建て込まれる都度、長手方向に引き出し
て下弦材８に固定される。
壁の構築方法の一例を説明すると、次のとおりである。
即ち、図３に示すように、予め、床コンクリート４の所
定位置に位置決め具３をコンクリート釘５等で２列に固
定しておき、その内側に一方のトラス筋付き埋込み型枠
１をトラス筋１０が縦向きとなるように、つまり、上弦
材７及び下弦材８が壁の縦筋となるように建て込む。こ
の状態で、壁の横筋１１を配筋し、下弦材８等に番線１
２で結束して固定する。横筋１１は、トラス筋付き埋込
み型枠１の幅よりも長尺のものを予めトラス筋付き埋込
み型枠１のトラス筋１０に挿通して水平方向スライド自
在に支持させておき、壁型枠Ａの片側型枠（外壁を構築
する場合は、外側型枠）となる所定枚数のトラス筋付き
埋込み型枠１が建て込まれる都度、長手方向に引き出し
て下弦材８に固定される。
【００１４】しかる後、他方のトラス筋付き埋込み型枠
（壁型枠Ａの反対側の型枠となるトラス筋付き埋込み型
枠）１を、先行して建て込まれたトラス筋付き埋込み型
枠１と適当間隔を隔てて背中合わせに、且つ、図６に示
すように、一方のトラス筋付き埋込み型枠１におけるト
ラス筋１０の上弦材７が、他方のトラス筋付き埋込み型
枠１におけるトラス筋１０の上弦材の間に入り込んだ状
態に配置して、壁型枠Ａを構成する。
（壁型枠Ａの反対側の型枠となるトラス筋付き埋込み型
枠）１を、先行して建て込まれたトラス筋付き埋込み型
枠１と適当間隔を隔てて背中合わせに、且つ、図６に示
すように、一方のトラス筋付き埋込み型枠１におけるト
ラス筋１０の上弦材７が、他方のトラス筋付き埋込み型
枠１におけるトラス筋１０の上弦材の間に入り込んだ状
態に配置して、壁型枠Ａを構成する。
【００１５】そして、後行するトラス筋付き埋込み型枠
１を背中合わせに１枚ずつ建て込む都度、図１、図４に
示すように、当該トラス筋付き埋込み型枠１の幅方向一
端側から、異形鉄筋等を所定長さ（例えば、６００mm程
度）に切断してなるジベル筋１３を、互いに入り込んだ
両側の上弦材７，７の間に挿入して、当該ジベル筋１３
により型枠セパレータ代わりに壁型枠Ａの間隔を規制す
べく構成する。つまり、壁型枠Ａの内部に打設されたコ
ンクリートの側圧によるトラス筋付き埋込み型枠１，１
同士の間隔が拡がる方向への移動に対して、ジベル筋１
３と上弦材７，７との機械的係合によりこれを阻止すべ
く構成するのである。しかる後、図５に示すように、壁
型枠Ａの内部にコンクリートＣを打設してＲＣ造又はＳ
ＲＣ造の壁を構築するのである。図示しないが、トラス
筋付き埋込み型枠１は、鋼板６の片面にトラス筋１０が
互いに平行に配置されているため、トラス筋１０と直交
する方向（上弦材と直交する方向）には、容易に湾曲さ
せることができ、曲面の壁を構築することもできる。
１を背中合わせに１枚ずつ建て込む都度、図１、図４に
示すように、当該トラス筋付き埋込み型枠１の幅方向一
端側から、異形鉄筋等を所定長さ（例えば、６００mm程
度）に切断してなるジベル筋１３を、互いに入り込んだ
両側の上弦材７，７の間に挿入して、当該ジベル筋１３
により型枠セパレータ代わりに壁型枠Ａの間隔を規制す
べく構成する。つまり、壁型枠Ａの内部に打設されたコ
ンクリートの側圧によるトラス筋付き埋込み型枠１，１
同士の間隔が拡がる方向への移動に対して、ジベル筋１
３と上弦材７，７との機械的係合によりこれを阻止すべ
く構成するのである。しかる後、図５に示すように、壁
型枠Ａの内部にコンクリートＣを打設してＲＣ造又はＳ
ＲＣ造の壁を構築するのである。図示しないが、トラス
筋付き埋込み型枠１は、鋼板６の片面にトラス筋１０が
互いに平行に配置されているため、トラス筋１０と直交
する方向（上弦材と直交する方向）には、容易に湾曲さ
せることができ、曲面の壁を構築することもできる。
【００１６】上記の構成によれば、壁型枠が背中合わせ
に配置したトラス筋付き埋込み型枠１，１によって構成
されているため、トラス筋１０の上弦材７及び下弦材８
が壁の縦筋として利用され、現場での壁の配筋作業を簡
略化でき、支保工も簡略化される。また、合板製型枠を
使用した場合のようなコンクリート硬化後の脱型や廃材
の処理も省略されることになる。殊に、壁型枠を貫通す
る一般的な型枠セパレータに代え、ジベル筋１３を上弦
材７，７間に挿入して型枠の間隔規制を行うので、安価
に実施できるばかりでなく、型枠セパレータの使用本数
をゼロにすることも可能であり、たとえ、型枠セパレー
タとジベル筋１３を併用する場合でも、型枠セパレータ
の使用本数が少なくて済むので、型枠セパレータ端部の
ダメ工事も少なくて済み、これらの結果として、壁を能
率良く構築できるのである。
に配置したトラス筋付き埋込み型枠１，１によって構成
されているため、トラス筋１０の上弦材７及び下弦材８
が壁の縦筋として利用され、現場での壁の配筋作業を簡
略化でき、支保工も簡略化される。また、合板製型枠を
使用した場合のようなコンクリート硬化後の脱型や廃材
の処理も省略されることになる。殊に、壁型枠を貫通す
る一般的な型枠セパレータに代え、ジベル筋１３を上弦
材７，７間に挿入して型枠の間隔規制を行うので、安価
に実施できるばかりでなく、型枠セパレータの使用本数
をゼロにすることも可能であり、たとえ、型枠セパレー
タとジベル筋１３を併用する場合でも、型枠セパレータ
の使用本数が少なくて済むので、型枠セパレータ端部の
ダメ工事も少なくて済み、これらの結果として、壁を能
率良く構築できるのである。
【００１７】尚、ジベル筋１３を上弦材７，７の間に挿
入する位置（高さ）は、ラチス筋９に衝突しない位置で
あれば、任意に選択できるが、この実施例では、相対向
して位置する両側のトラス筋付き埋込み型枠１，１にお
けるラチス筋９の頂部折曲部（上弦材７に対する接合
部）の内側に挿入している。これは、ジベル筋１３の重
量をラチス筋９で支持し、上弦材７，７に結束しなくて
もジベル筋１３が落下しないように意図したものであ
る。壁型枠Ａの端面（相対向する鋼板６，６の端部間の
隙間）は、例えば、図６に示すように、横断面コ字形の
鋼板製端面型枠１４により閉塞される。図示の端面型枠
１４は、トラス筋１０に結束等の手段で固定された水平
なねじ軸１５とそれに螺合するナット１６、チャンネル
材よりなる座金１７、端面型枠１４の外面に当接する２
本の鋼棒１８等を介して壁型枠Ａに固定されている。
入する位置（高さ）は、ラチス筋９に衝突しない位置で
あれば、任意に選択できるが、この実施例では、相対向
して位置する両側のトラス筋付き埋込み型枠１，１にお
けるラチス筋９の頂部折曲部（上弦材７に対する接合
部）の内側に挿入している。これは、ジベル筋１３の重
量をラチス筋９で支持し、上弦材７，７に結束しなくて
もジベル筋１３が落下しないように意図したものであ
る。壁型枠Ａの端面（相対向する鋼板６，６の端部間の
隙間）は、例えば、図６に示すように、横断面コ字形の
鋼板製端面型枠１４により閉塞される。図示の端面型枠
１４は、トラス筋１０に結束等の手段で固定された水平
なねじ軸１５とそれに螺合するナット１６、チャンネル
材よりなる座金１７、端面型枠１４の外面に当接する２
本の鋼棒１８等を介して壁型枠Ａに固定されている。
【００１８】位置決め具３の少なくとも一方は、壁型枠
Ａの組立完了後に、床コンクリート４に固定するように
してもよい。図示しないが、表面をタイルで仕上げた壁
を構築する場合は、前記鋼板６として、適当なメッシュ
（コンクリートのせき板としては機能するが、コンクリ
ートの一部が網目から突出した状態に固化する程度の網
目）のエキスパンドメタルやパンチングメタル等の網状
鋼板を用いることが、鋼板６に対するタイル貼りモルタ
ルの付着強度を高める上で望ましい。
Ａの組立完了後に、床コンクリート４に固定するように
してもよい。図示しないが、表面をタイルで仕上げた壁
を構築する場合は、前記鋼板６として、適当なメッシュ
（コンクリートのせき板としては機能するが、コンクリ
ートの一部が網目から突出した状態に固化する程度の網
目）のエキスパンドメタルやパンチングメタル等の網状
鋼板を用いることが、鋼板６に対するタイル貼りモルタ
ルの付着強度を高める上で望ましい。
【００１９】図７、図８は本発明の他の実施例を示す。
この実施例は、先行して建て込むトラス筋付き埋込み型
枠１として、タイル１９の先打込みによって表面仕上げ
が施された所謂タイル打込みオムニア版、つまり、せき
板となる版材ａとしてのハーフプレキャスト版２０の表
面側にタイル１９を打ち込み、背面側には、１本の上弦
材７に対して２本の下弦材８，８とそれらにわたって連
結された２本のラチス筋９，９とからなる複数の立体的
なトラス筋１０を、その上弦材７がハーフプレキャスト
版２０の背面から突出した状態に埋設してなるタイル１
９仕上げの施されたハーフプレキャスト版製のトラス筋
付き埋込み型枠１を使用した点に特徴がある。
この実施例は、先行して建て込むトラス筋付き埋込み型
枠１として、タイル１９の先打込みによって表面仕上げ
が施された所謂タイル打込みオムニア版、つまり、せき
板となる版材ａとしてのハーフプレキャスト版２０の表
面側にタイル１９を打ち込み、背面側には、１本の上弦
材７に対して２本の下弦材８，８とそれらにわたって連
結された２本のラチス筋９，９とからなる複数の立体的
なトラス筋１０を、その上弦材７がハーフプレキャスト
版２０の背面から突出した状態に埋設してなるタイル１
９仕上げの施されたハーフプレキャスト版製のトラス筋
付き埋込み型枠１を使用した点に特徴がある。
【００２０】後行して建て込むトラス筋付き埋込み型枠
１は、図１〜図６の実施例に示した鋼板製のトラス筋付
き埋込み型枠１と同じものである。ハーフプレキャスト
版２０の肉厚内に埋設されている水平方向の鉄筋２１を
壁の横筋として利用し、現場での横筋の配筋作業を省略
しているが、別途、横筋を配筋してもよい。２２は角材
を利用した位置決め具であり、壁の構築後、撤去され
る。型枠セパレータ代わりに、互いに入り込んだ両側の
上弦材７，７の間にジベル筋１３を挿入した状態で、壁
型枠Ａ内にコンクリートを打設すること等、他の構成
は、先の実施例と同じであるため、説明を省略する。
１は、図１〜図６の実施例に示した鋼板製のトラス筋付
き埋込み型枠１と同じものである。ハーフプレキャスト
版２０の肉厚内に埋設されている水平方向の鉄筋２１を
壁の横筋として利用し、現場での横筋の配筋作業を省略
しているが、別途、横筋を配筋してもよい。２２は角材
を利用した位置決め具であり、壁の構築後、撤去され
る。型枠セパレータ代わりに、互いに入り込んだ両側の
上弦材７，７の間にジベル筋１３を挿入した状態で、壁
型枠Ａ内にコンクリートを打設すること等、他の構成
は、先の実施例と同じであるため、説明を省略する。
【００２１】図９は本発明の他の実施例を示す。この実
施例は、先行して建て込むトラス筋付き埋込み型枠１と
して、タイル１９の先打込みされたハーフプレキャスト
版２０製のトラス筋付き埋込み型枠１を使用し、後行し
て建て込むトラス筋付き埋込み型枠１として、タイル仕
上げのないハーフプレキャスト版２０製のトラス筋付き
埋込み型枠１を使用した点に特徴がある。その他の構成
は、先の実施例と同じであるため説明を省略する。
施例は、先行して建て込むトラス筋付き埋込み型枠１と
して、タイル１９の先打込みされたハーフプレキャスト
版２０製のトラス筋付き埋込み型枠１を使用し、後行し
て建て込むトラス筋付き埋込み型枠１として、タイル仕
上げのないハーフプレキャスト版２０製のトラス筋付き
埋込み型枠１を使用した点に特徴がある。その他の構成
は、先の実施例と同じであるため説明を省略する。
【００２２】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
壁型枠が背中合わせに配置したトラス筋付き埋込み型枠
によって構成されているため、現場での壁の配筋作業や
支保工が簡略化されるばかりでなく、合板製型枠を使用
した場合のようなコンクリート硬化後の脱型や廃材の処
理も省略されることになる。殊に、本発明によれば、複
数枚のトラス筋付き埋込み型枠を、版材間に適当間隔を
隔てて背中合わせに、且つ、一方のトラス筋付き埋込み
型枠におけるトラス筋の上弦材が、他方のトラス筋付き
埋込み型枠におけるトラス筋の上弦材の間に入り込んだ
状態に配置して、壁型枠を構成すると共に、互いに入り
込んだ両側の上弦材の間にジベル筋を挿入して、当該ジ
ベル筋により壁型枠の間隔を規制するため、型枠セパレ
ータの省略、型枠セパレータ端部のダメ工事の省略が可
能となる。
壁型枠が背中合わせに配置したトラス筋付き埋込み型枠
によって構成されているため、現場での壁の配筋作業や
支保工が簡略化されるばかりでなく、合板製型枠を使用
した場合のようなコンクリート硬化後の脱型や廃材の処
理も省略されることになる。殊に、本発明によれば、複
数枚のトラス筋付き埋込み型枠を、版材間に適当間隔を
隔てて背中合わせに、且つ、一方のトラス筋付き埋込み
型枠におけるトラス筋の上弦材が、他方のトラス筋付き
埋込み型枠におけるトラス筋の上弦材の間に入り込んだ
状態に配置して、壁型枠を構成すると共に、互いに入り
込んだ両側の上弦材の間にジベル筋を挿入して、当該ジ
ベル筋により壁型枠の間隔を規制するため、型枠セパレ
ータの省略、型枠セパレータ端部のダメ工事の省略が可
能となる。
【図１】本発明の一実施例を示す全体の概略斜視図であ
る。
る。
【図２】トラス筋付き埋込み型枠の一例を示す斜視図で
ある。
ある。
【図３】壁型枠の組立途中の状態の縦断側面図である。
【図４】壁型枠の組立完了の状態の縦断側面図である。
【図５】壁型枠内にコンクリートを打設した状態の縦断
側面図である。
側面図である。
【図６】壁型枠の要部横断平面図である。
【図７】本発明の他の実施例を示す壁型枠の組立途中の
状態の縦断側面図である。
状態の縦断側面図である。
【図８】壁型枠の組立完了の状態の縦断側面図である。
【図９】本発明の他の実施例を示す壁型枠の組立完了の
状態の縦断側面図である。
状態の縦断側面図である。
Ａ…壁型枠、１…トラス筋付き埋込み型枠、６…鋼板
（版材）、２０…ハーフプレキャスト版（版材）、７…
上弦材、１０…トラス筋、１３…ジベル筋。
（版材）、２０…ハーフプレキャスト版（版材）、７…
上弦材、１０…トラス筋、１３…ジベル筋。
フロントページの続き (72)発明者 古川 博司 大阪市中央区本町４丁目１番13号 株式会 社竹中工務店大阪本店内 (72)発明者 千葉 峰尊 大阪市中央区本町４丁目１番13号 株式会 社竹中工務店大阪本店内 (72)発明者 猪野 達雄 大阪市中央区本町４丁目１番13号 株式会 社竹中工務店大阪本店内 (72)発明者 杉本 正顕 大阪市中央区本町４丁目１番13号 株式会 社竹中工務店大阪本店内 (72)発明者 近藤 弘 大阪市西淀川区中島２丁目１番102号 株 式会社富士昭内
Claims (4)
- 【請求項１】 せき板となる版材の背面側にトラス筋が
突設された複数枚のトラス筋付き埋込み型枠を、版材間
に適当間隔を隔てて背中合わせに、且つ、一方のトラス
筋付き埋込み型枠におけるトラス筋の上弦材が、他方の
トラス筋付き埋込み型枠におけるトラス筋の上弦材の間
に入り込んだ状態に配置して、壁型枠を構成すると共
に、互いに入り込んだ両側の上弦材の間にジベル筋を挿
入して、当該ジベル筋により壁型枠の間隔を規制すべく
構成し、壁型枠の内部にコンクリートを打設して壁を構
築することを特徴とするトラス筋付き埋込み型枠による
壁の構築方法。 - 【請求項２】 少なくとも一方のトラス筋付き埋込み型
枠の版材が鋼板であることを特徴とする請求項１に記載
のトラス筋付き埋込み型枠による壁の構築方法。 - 【請求項３】 少なくとも一方のトラス筋付き埋込み型
枠の版材が網状鋼板であることを特徴とする請求項１に
記載のトラス筋付き埋込み型枠による壁の構築方法。 - 【請求項４】 少なくとも一方のトラス筋付き埋込み型
枠の版材がハーフプレキャスト版であることを特徴とす
る請求項１に記載のトラス筋付き埋込み型枠による壁の
構築方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22062993A JPH0754428A (ja) | 1993-08-11 | 1993-08-11 | トラス筋付き埋込み型枠による壁の構築方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22062993A JPH0754428A (ja) | 1993-08-11 | 1993-08-11 | トラス筋付き埋込み型枠による壁の構築方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0754428A true JPH0754428A (ja) | 1995-02-28 |
Family
ID=16753971
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP22062993A Pending JPH0754428A (ja) | 1993-08-11 | 1993-08-11 | トラス筋付き埋込み型枠による壁の構築方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0754428A (ja) |
Cited By (16)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH116125A (ja) * | 1997-06-19 | 1999-01-12 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | コンクリート構造物 |
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-
1993
- 1993-08-11 JP JP22062993A patent/JPH0754428A/ja active Pending
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